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特表2024-538370移動制限特徴部を含むレチクルポッドおよびその組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-18
(54)【発明の名称】移動制限特徴部を含むレチクルポッドおよびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527227
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022049137
(87)【国際公開番号】W WO2023086297
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/277,188
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラシュク, ラス ヴィ.
(72)【発明者】
【氏名】ワイズマン, ブライアン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131BA13
5F131CA12
5F131GA13
5F131GA24
5F131GA32
5F131GA52
5F131GA63
5F131GA84
(57)【要約】
レチクルポッドは、内側ポッドを含み、ここで、移動制限特徴部が、カバーおよびベースプレートの互いに対する並進移動を規制する。移動制限特徴部は、内側ポッドに含まれたグロス位置合せ特徴部に付加されるものである。移動制限特徴部は、グロス位置合せ特徴部が並進移動に抵抗する前に、移動に抵抗する。移動制限特徴部は、接触面に対する摩擦を提供する弾性体、あるいは弾性接触面上でまたはダイヤフラムもしくは移動制限カップ中で受けられるピンを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方中に形成された位置合せ保持カットアウトと、前記位置合せ保持カットアウト中に配設された弾性体とを含み、前記弾性体は、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記ベースプレートと前記カバーの両方に接触するように構成され、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項2】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる嵌合ピンと、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方に設けられた弾性接触面とを含み、前記嵌合ピンは、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記弾性接触面に接触するように構成され、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項3】
前記弾性接触面が、弾性体に設けられ、前記弾性体は、前記嵌合ピンが前記弾性接触面に接触するように構成されている表面の反対側に中空部分を含む、請求項2に記載のレチクルポッド。
【請求項4】
前記嵌合ピンの各々が、嵌合ピンチャネル中に配設され、各嵌合ピンチャネルが、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの前記一方中に形成されている、請求項2または3に記載のレチクルポッド。
【請求項5】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方中に配設されたダイヤフラムと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方から延びるピンであって、前記ピンは、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記ダイヤフラムに接触するように構成されている、ピンと
を含み、
前記ダイヤフラムが、前記カバーまたは前記ベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有し、
前記ピンの各々が、前記複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有し、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項6】
前記移動制限特徴部の各々が、前記ダイヤフラムを収容するように構成された位置合せ保持カットアウトと、前記位置合せ保持カットアウト中に前記ダイヤフラムを保持するように構成された保持リングとを含む、請求項5に記載のレチクルポッド。
【請求項7】
前記ピンが、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの前記一方中に形成されたピンチャネル中に配設されている、請求項5または6に記載のレチクルポッド。
【請求項8】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる移動制限ピンと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方中に設けられた移動制限カップと
を含み、
前記移動制限ピンは、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記移動制限カップの複数の異なる表面によって接触されるように構成され、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項9】
前記移動制限カップが、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方中に直接的に形成されている、請求項8に記載のレチクルポッド。
【請求項10】
前記移動制限カップが、インサート中に形成され、前記インサートが、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方中に形成された凹部中で受けられるように構成されている、請求項8または9に記載のレチクルポッド。
【請求項11】
レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、前記カバーおよび前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることであって、前記複数の移動制限特徴部が、複数の位置合せ保持カットアウトと複数の弾性体とを含み、各弾性体が、前記位置合せ保持カットアウトのうちの1つ中に配設され、前記複数の弾性体の各々は、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記ベースプレートと前記カバーの両方に接触するように構成されている、複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと
を含み、
前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の成分を有する力が、前記内側ポッドに作用するとき、前記移動制限特徴部の前記係合は、前記ベースプレートグロス位置合せ特徴部との前記カバーグロス位置合せ特徴部の前記係合が前記力の前記成分に対する抵抗を提供する前に、前記力の前記成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【請求項12】
レチクルが、前記内側ポッド内に配置され、前記方法が、
前記レチクルポッドの外側ポッド内に前記内側ポッドを置き、前記レチクルポッドを密閉するために前記外側ポッドを固定することと、
前記内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、前記カバーおよび前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることであって、前記複数の移動制限特徴部が、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる複数の嵌合ピンと、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方の複数の弾性接触面とを含み、前記複数の嵌合ピンの各々が、前記弾性接触面のうちの1つに接触するように構成された、複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと
を含み、
前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の成分を有する力が、前記内側ポッドに作用するとき、前記移動制限特徴部の前記係合は、前記ベースプレートグロス位置合せ特徴部との前記カバーグロス位置合せ特徴部の前記係合が前記力の前記成分に対する抵抗を提供する前に、前記力の前記成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【請求項14】
レチクルが、前記内側ポッド内に配置され、前記方法が、
前記レチクルポッドの外側ポッド内に前記内側ポッドを置き、前記レチクルポッドを密閉するために前記外側ポッドを固定することと、
前記内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、前記カバーおよび前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることであって、前記複数の移動制限特徴部は、
複数のダイヤフラムであって、前記複数のダイヤフラムの各々が、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方中に配設された、複数のダイヤフラムと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方から延びる複数のピンであって、前記複数のピンの各々は、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された、複数のピンと
を含む、複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと
を含み、
前記複数のダイヤフラムの各々が、前記カバーまたは前記ベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有し、
前記ピンの各々が、前記複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有し、
前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の成分を有する力が、前記内側ポッドに作用するとき、前記移動制限特徴部の前記係合は、前記ベースプレートグロス位置合せ特徴部との前記カバーグロス位置合せ特徴部の前記係合が前記力の前記成分に対する抵抗を提供する前に、前記力の前記成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【請求項16】
レチクルが、前記内側ポッド内に配置され、前記方法が、
前記レチクルポッドの外側ポッド内に前記内側ポッドを置き、前記レチクルポッドを密閉するために前記外側ポッドを固定することと、
前記内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、前記カバーおよび前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることであって、前記複数の移動制限特徴部が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる複数の移動制限ピンと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方中に設けられた複数の移動制限カップと
を含む、複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと
を含み、
前記複数の移動制限ピンの各々は、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記複数の移動制限カップのうちの1つの複数の異なる表面によって接触されるように構成され、
前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の成分を有する力が、前記内側ポッドに作用するとき、前記移動制限特徴部の前記係合は、前記ベースプレートグロス位置合せ特徴部との前記カバーグロス位置合せ特徴部の前記係合が前記力の前記成分に対する抵抗を提供する前に、前記力の前記成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【請求項18】
レチクルが、前記内側ポッド内に配置され、前記方法が、
前記レチクルポッドの外側ポッド内に前記内側ポッドを置き、前記レチクルポッドを密閉するために前記外側ポッドを固定することと、
前記内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々は、
前記内側ポッドが組み立てられるときに前記ベースプレートに面するように構成された、前記カバーの側面で前記カバーから延びるピンと、
前記ベースプレート中に形成されたスロットであって、前記スロットが、前記ピンを受けるように構成された、スロットと、
前記内側ポッドが組み立てられるときに前記カバーの反対側にある、前記ベースプレートの側面上の、前記スロットをカバーするように構成された可撓性部材であって、前記可撓性部材が、前記ピンの端部によって接触されるように構成された接触面を含み、前記可撓性部材は、前記接触面が前記ピンとの接触によってたわませられ得るように構成されている、可撓性部材と
を含む、レチクルポッド。
【請求項20】
前記内側ポッドが、前記移動制限特徴部のうちの少なくとも3つを含み、各スロットの長軸が、すべての他のスロットの前記長軸とは異なった方向に延びる、請求項19に記載のレチクルポッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本開示は、2021年11月9日の出願日を有する米国仮特許第63/277,188号の優先権を主張する。優先権書類は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、レチクルポッド、詳細には、ファイン位置合せ特徴部ならびにグロス位置合せ特徴部を含むレチクルポッドを対象とする。
【背景技術】
【0003】
レチクルポッドは、レチクルを保持するために、たとえば、極端紫外線(EUV)プロセスを含む、フォトリソグラフィなどの処理中にレチクルを固定するために使用され得る。レチクルポッドは、外側ポッドと内側ポッドとを含むことができ、内側ポッドは、カバーとベースプレートとを含む。カバーおよびベースプレートは、金属など、硬質材料から作られ得る。カバーおよびベースプレートの相対的な動きは、硬質材料のこすれを生じ得、これは、カバーおよびベースプレートの面が互いにこすれる摩耗による粒子の生成を生じる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、レチクルポッド、詳細には、ファイン位置合せ特徴部ならびにグロス位置合せ特徴部を含むレチクルポッドを対象とする。
【0005】
実施形態によるレチクルポッドは、たとえば、極端紫外線(EUV)プロセスなどのプロセスにおいて使用され得る。移動制限特徴部が、レチクルポッドのカバーおよびベースプレートの相対位置決めを改善するために設けられ得る。移動制限特徴部は、カバーおよびベースプレートのより小さい相対的な動きを規制し、カバーとベースプレートのこすれを低減し、これにより、レチクルポッドの使用中の粒子生成を低減することができる。これは、レチクルポッドを使用して行われるプロセスの純度を改善し、歩留まりを増加させ、粒子汚染による損失、ポッド構成要素の位置合せ不良などを低減することができる。
【0006】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを含む。内側ポッドは、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と、複数の移動制限特徴部とを含む。複数の移動制限特徴部の各々は、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成された位置合せ保持カットアウトと、位置合せ保持カットアウト中に配設された弾性体とを含む。弾性体は、内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートとカバーの両方に接触するように構成される。複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成される。
【0007】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを含む。内側ポッドは、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と、複数の移動制限特徴部とを含む。複数の移動制限特徴部の各々は、カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる嵌合ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方に設けられた弾性接触面とを含む。嵌合ピンは、内側ポッドが組み立てられるときに弾性接触面に接触するように構成される。複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成される。
【0008】
一実施形態では、弾性接触面は、弾性体に設けられ、弾性体は、嵌合ピンが前記弾性接触面に接触するように構成された表面の反対側に中空部分を含む。
【0009】
一実施形態では、嵌合ピンの各々は、嵌合ピンチャネル中に配設され、各嵌合ピンチャネルは、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成される。
【0010】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを含む。内側ポッドは、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と、複数の移動制限特徴部とを含む。複数の移動制限特徴部の各々は、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に配設されたダイヤフラムと、カバーまたはベースプレートのうちの他方から延びるピンであって、ピンが、内側ポッドが組み立てられるときにダイヤフラムに接触するように構成された、ピンとを含む。ダイヤフラムは、カバーまたはベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、カバーまたはベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有する。ピンの各々は、複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有する。複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成される。
【0011】
一実施形態では、移動制限特徴部の各々は、ダイヤフラムを収容するように構成された位置合せ保持カットアウトと、位置合せ保持カットアウト中にダイヤフラムを保持するように構成された保持リングとを含む。
【0012】
一実施形態では、ピンは、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成されたピンチャネル中に配設される。
【0013】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを含む。内側ポッドは、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と、複数の移動制限特徴部とを含む。複数の移動制限特徴部の各々は、カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる移動制限ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方中に設けられた移動制限カップとを含む。移動制限ピンは、内側ポッドが組み立てられるときに移動制限カップの複数の異なる表面によって接触されるように構成される。複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成される。
【0014】
一実施形態では、移動制限カップは、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に直接的に形成される。
【0015】
一実施形態では、移動制限カップは、インサート中に形成され、インサートは、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成された凹部中で受けられるように構成される。
【0016】
一実施形態では、レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法は、カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることとを含む。複数の移動制限特徴部は、複数の位置合せ保持カットアウトと複数の弾性体とを含む。各弾性体は、位置合せ保持カットアウトのうちの1つ中に配設され、複数の弾性体の各々は、内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートとカバーの両方に接触するように構成される。カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する。一実施形態では、レチクルは、内側ポッド内に配置され、方法は、レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すこととをさらに含む。
【0017】
一実施形態では、レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法は、カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることとを含む。複数の移動制限特徴部は、カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる複数の嵌合ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方の複数の弾性接触面とを含む。複数の嵌合ピンの各々は、弾性接触面のうちの1つに接触するように構成される。カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する。一実施形態では、レチクルは、内側ポッド内に配置され、方法は、レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すこととをさらに含む。
【0018】
一実施形態では、レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法は、カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることとを含む。複数の移動制限特徴部は、複数のダイヤフラムであって、複数のダイヤフラムの各々が、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に配設された、複数のダイヤフラムと、カバーまたはベースプレートのうちの他方から延びる複数のピンとを含む。複数のピンの各々は、内側ポッドが組み立てられるときに複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成される。複数のダイヤフラムの各々は、カバーまたはベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、カバーまたはベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有する。ピンの各々は、複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有する。カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する。一実施形態では、レチクルは、内側ポッド内に配置され、方法は、レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すこととをさらに含む。
【0019】
一実施形態では、レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法は、カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることとを含む。複数の移動制限特徴部は、カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる複数の移動制限ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方中に設けられた複数の移動制限カップとを含む。複数の移動制限ピンの各々は、内側ポッドが組み立てられるときに複数の移動制限カップのうちの1つの複数の異なる表面によって接触されるように構成される。カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する。一実施形態では、レチクルは、内側ポッド内に配置され、方法は、レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すこととをさらに含む。
【0020】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを含む。内側ポッドは、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と、複数の移動制限特徴部とを含む。複数の移動制限特徴部の各々は、内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートに面するように構成された、カバーの側面でカバーから延びるピンと、ベースプレート中に形成されたスロットであって、スロットが、ピンを受けるように構成された、スロットと、内側ポッドが組み立てられるときにカバーの反対側にある、ベースプレートの側面上の、スロットをカバーするように構成された可撓性部材とを含む。可撓性部材は、ピンの端部によって接触されるように構成された接触面を含み、可撓性部材は、接触面がピンとの接触によってたわませられ得るように構成される。
【0021】
一実施形態では、内側ポッドは、移動制限特徴部のうちの少なくとも3つを含む。一実施形態では、各スロットの長軸は、すべての他のスロットの長軸とは異なった方向に延びる。
【0022】
一実施形態では、レチクルポッドは、ベースプレート中に形成されたベースプレート保持特徴をさらに含み、可撓性部材は、ベースプレート保持特徴と係合するように構成された可撓性部材保持特徴を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態による、レチクルポッドを示す図である。
図2】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す図である。
図3】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す図である。
図4】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す図である。
図5】一実施形態による、レチクルポッドのベースプレート中のダイヤフラムの平面図を示す図である。
図6】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す図である。
図7】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドのベースプレートを示す図である。
図8】一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示は、レチクルポッド、詳細には、ファイン位置合せ特徴部ならびにグロス位置合せ特徴部を含むレチクルポッドを対象とする。
【0025】
図1は、一実施形態による、レチクルポッドを示す。レチクルポッド100は、レチクル102を収容するように構成される。レチクルポッド100は外側ポッド104を含み、外側ポッド104は、ポッドドーム106とポッドドア108とを含む。レチクルポッド100は、ベースプレート112とカバー114とを含む内側ポッド110をさらに含む。内側ポッド110は、グロス位置合せ特徴部116をさらに含む。
【0026】
レチクルポッド100は、詳細には、たとえば、極端紫外線(EUV)を含むフォトリソグラフィなどの処理のための移送、ハンドリング、および処理中にレチクルを格納するように構成されたポッドである。レチクルは、たとえば、半導体ウエハのためのフォトリソグラフィマスクである。レチクル102は、たとえば、移送、ハンドリング、またはEUVなどのフォトリソグラフィによる処理などの処理のためにレチクルポッド100内に含まれていることができるレチクルである。
【0027】
レチクルポッド100は、外側ポッド104を含む。外側ポッド104は、内側ポッド110を収容するように構成される。外側ポッド104は、ポッドドーム106とポッドドア108とを含むことができる。外側ポッド104は、たとえば、ポリマー材料から作られ得る。ポッドドーム106およびポッドドア108は、ポッドドーム106およびポッドドア108が、たとえば、ラッチングメカニズム(図示せず)を介して、密閉空間を定義するために互いに固定され得るように構成され得る。
【0028】
内側ポッド110は、レチクル102を収容するように構成される。内側ポッド110は、内側ポッド110が外側ポッド104の中に置かれ得るようにサイズ決定され得る。内側ポッド110は、金属材料を含むことができ、たとえば、金属から作られる、コーティングを有する金属から作られる、1つまたは複数の金属成分を含む、などである。内側ポッド110は、ベースプレート112とカバー114とを含む。ベースプレート112およびカバー114は、内側ポッド110内にレチクル102を密閉するために一緒に置かれるように構成される。ベースプレート112およびカバー114は、以下で説明され、図2図6に示されているように、ベースプレート112およびカバー114の位置合せのための特徴を含むことができる。位置合せのための特徴は、ベースプレート112およびカバー114が互いに接する接触面におけるこすれを低減するために、ベースプレート112およびカバー114の互いに対する相対的な動きを低減するように構成され得る。位置合せのための特徴は、内側ポッド110の組立をガイドするために使用されるグロス位置合せ特徴部116に付加されるものであり得る。一実施形態では、位置合せのための特徴は、グロス位置合せ特徴部116に設けられ得、たとえば、グロス位置合せ特徴部116の少なくとも一部分にショルダー、レッジ、または他のそのような特徴を設ける。
【0029】
グロス位置合せ特徴部116は、内側ポッド110の適切な組立を容易にするために、ベースプレート112およびカバー114の一方または両方に設けられ得る。グロス位置合せ特徴部は、内側ポッド110が組み立てられているときにベースプレート112およびカバー114の相対的な位置合せをガイドまたは律するのに適した任意の特徴であり得る。図1に示されている実施形態では、グロス位置合せ特徴部116は、カバー114の外周の部分におけるカバー114の伸張部であり、内側ポッド110が組み立てられるときにベースプレート112に面する、カバー114の表面に関して外側に突出する。図1に示されている実施形態では、グロス位置合せ特徴部116は、内側ポッド110が組み立てられるときにベースプレート112が受けられるエリアを定義する。一実施形態では、グロス位置合せ特徴部116は、ベースプレート112またはカバー114の隅角部に設けられ得る。一実施形態では、グロス位置合せ特徴部116は、ベースプレート112またはカバー114の隅角部以外の、ベースプレート112またはカバー114の外周の部分に設けられ得る。一実施形態では、グロス位置合せ特徴部116は、内側ポッド110が組み立てられるときに互いに係合する第1および第2のグロス位置合せ特徴部を含むことができる。使用され得る他のグロス位置合せ特徴部116は、非限定的な例として、たとえば、図6に示されており、以下で説明されるピンおよび対応するチャネルを含む。
【0030】
図2は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す。内側ポッド200は、カバー202を含む。カバー202は、接触面204を含む。レチクルポッド200は、ベースプレート206をさらに含む。ベースプレート206は、位置合せ保持カットアウト208を含む。弾性体210が、位置合せ保持カットアウト208中に配設され得る。
【0031】
内側ポッド200は、図1に示されており、上記で説明されたレチクルポッド100の内側ポッドなど、レチクルポッドの内側ポッドである。内側ポッド200は、レチクルポッドの外側ポッド内に嵌まるようにサイズ決定され得る。内側ポッド200は、さらに、上記で説明され、図1に示されているレチクル102など、レチクルを含んでいることが可能な内部空間を定義するように構成され得る。
【0032】
カバー202は、上記で説明され、図1に示されているレチクルポッド100のカバー114など、レチクルポッドのカバーである。カバー202は、カバー202およびベースプレート206が内側ポッド200を形成するために組み立てられるとき、カバー202がベースプレート206および/または弾性体210の少なくとも一部分に接触するように構成された、接触面204を含む。一実施形態では、接触面204は、カバー202のベア材料である。一実施形態では、接触面204は、カバー202の材料上のコーティングを含むことができる。一実施形態では、接触面204は、カバー202の平坦な表面である。一実施形態では、接触面204は、実質的に滑らかな表面である。一実施形態では、接触面204は、テクスチャリングを含むことができ、テクスチャリングの非限定的な例は、溝、粗面化されたセクション、比較的隆起したバンプ、それらの組合せなどを含む。
【0033】
ベースプレート206は、内側ポッド200のベースプレートである。ベースプレート206は、内側ポッド200を形成するためにカバー202と接合されるように構成され、内側ポッド200は、上記で説明され、図1に示されているレチクル102など、レチクルを含んでいることが可能な内部空間を提供する。ベースプレート206は、複数の位置合せ保持カットアウト208を含む。1つの代表的な位置合せ保持カットアウト208が、図2に示されているが、ベースプレート206は、複数のそのような保持カットアウト208を有することができる。一実施形態では、ベースプレート206は、少なくとも3つの位置合せ保持カットアウト208を含む。一実施形態では、ベースプレート206は、4つの位置合せ保持カットアウト208を含む。一実施形態では、位置合せ保持カットアウトは、ベースプレート206の外周の周りで分散され得る。一実施形態では、位置合せ保持カットアウトは、ベースプレート206の隅角部に近接して配置され得る。位置合せ保持カットアウト208は、各々、内側ポッド200が組み立てられるときにカバー202に面する、ベースプレート206の表面中に形成された開口である。位置合せ保持カットアウト208は、各々、弾性体210が位置合せ保持カットアウト208中に保持され得、弾性体210の一部分がベースプレート206の表面から突き出るように弾性体210を収容するのに適した任意の形状を有することができる。一実施形態では、ベースプレート206に設けられた位置合せ保持カットアウト208のすべては、同じ形状を有する。一実施形態では、ベースプレート206に設けられた位置合せ保持カットアウト208のうちの少なくともいくつかは、互いに異なる形状を有することができる。
【0034】
弾性体210は、弾性材料から作られた物体であり、内側ポッドが組み立てられるとき、弾性体210の一部分が接触面204においてカバー202に接触することができるように、弾性体210の一部分が、ベースプレート206の表面より上に延びるように、位置合せ保持カットアウト208のうちの1つの中に置かれるように構成された物体である。弾性体210は、位置合せ保持カットアウト208の形状に基づく任意の好適な形状を有することができる。一実施形態では、弾性体210は、球状形状であり得る。実施形態では、内側ポッド200中で使用される弾性体210は、各々、同じ形状を有することができる。実施形態では、異なる形状を有する弾性体210が、1つの内側ポッド200中で使用され得る。弾性体210は、任意の好適な弾性または圧縮性材料を含むことができる。弾性または圧縮性材料は、内側ポッド200内に含まれているレチクルの処理中の条件に耐えることが可能な材料であり得る。弾性または圧縮性材料は、非限定的な例として、フルオロエラストマーなどのエラストマーであり得る。
【0035】
図2は、カバー202に設けられている接触面204と、ベースプレート206に設けられている位置合せ保持カットアウト208とを示すが、接触面および位置合せ保持カットアウトは、接触面204がベースプレート206に含まれるように、および位置合せ保持カットアウト208がカバー202中に設けられ、弾性体210が、位置合せ保持カットアウト208中に置かれ、内側ポッド200が組み立てられるときにベースプレート206に面するカバー202の表面から外側に延びるように、入れ替えられ得ることを理解されたい。
【0036】
内側ポッド200が組み立てられるとき、接触面204は、弾性体210に接触し、圧縮する。接触面204と弾性体210との間の摩擦は、互いに対するカバー202およびベースプレート206の相対的な動きに抵抗する力を提供することができ、ここで、相対的な動きは、カバー202またはベースプレート206と同一面の成分を含む。これは、カバー202とベースプレート206との間のこすれ、および対応する粒子生成を低減することができる。
【0037】
接触面204および位置合せ保持カットアウト208および弾性体210は、カバー202およびベースプレート206を保持する移動制限特徴部を形成することができる。移動制限特徴部は、カバー202またはベースプレート206のうちの一方に設けられたグロス位置合せピン、およびカバー202またはベースプレート206のうちの他方の対応するグロス位置合せチャネルなど、図6に示されており、以下で論じられる第1および第2のグロス位置合せ特徴部など、内側ポッド200にも含まれる第1および第2のグロス位置合せ特徴部とは別個であり、それらとは異なり得、ここで、グロス位置合せチャネルは、グロス位置合せピンを受ける。
【0038】
図3は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す。内側ポッド300は、カバー302を含む。カバー302は、嵌合ピン304を含む。図3に示されている実施形態では、嵌合ピン304は、嵌合ピンチャネル306中に配設される。内側ポッド300は、ベースプレート308をさらに含む。ベースプレート308は、弾性接触面310を含む。図3に示されている実施形態では、弾性接触面310は、弾性体312に含まれる。弾性体312は、ベースプレート308中に形成された位置合せ保持カットアウト314中に配設され得る。
【0039】
内側ポッド300は、図1に示されており、上記で説明されたレチクルポッド100の内側ポッドなど、レチクルポッドの内側ポッドである。内側ポッド300は、レチクルポッドの外側ポッド内に嵌まるようにサイズ決定され得る。内側ポッド300は、さらに、上記で説明され、図1に示されているレチクル102など、レチクルを含んでいることが可能な内部空間を定義するように構成され得る。
【0040】
カバー302は、上記で説明され、図1に示されているレチクルポッド100のカバー114など、レチクルポッドのカバーである。カバー302は、複数の嵌合ピン304を含む。各嵌合ピン304は、内側ポッド300が組み立てられるときにベースプレート308に面する、カバー302の側面でカバー302から延びるピンである。嵌合ピン304の各々は、ベースプレート308に設けられた弾性接触面310に接触するように構成される。一実施形態では、嵌合ピン304は、カバー302と一体に形成される。一実施形態では、嵌合ピン304は、カバー302中に形成された嵌合ピンチャネル306中に配設された、カバー302とは別個の構成要素である。一実施形態では、嵌合ピン304の一部または全部は、カバー302とは別個に形成され、嵌合ピンチャネル306の中に挿入された嵌合ピンである。一実施形態では、嵌合ピンチャネル306中に配設された嵌合ピン304は、嵌合ピン304と嵌合ピンチャネル306との間の機械的接続によって固定され得る。一実施形態では、機械的接続は、プレス嵌めであり得る。一実施形態では、嵌合ピンチャネル306は、カバー302の厚さ全体を通って延びるスルーホールである。一実施形態では、嵌合ピンチャネルは、内側ポッド300が組み立てられるときにベースプレート308に面する、カバー302の表面からあらかじめ決定された深さに形成される。
【0041】
ベースプレート308は、レチクルポッドのベースプレートである。ベースプレート308は、弾性接触面310が、内側ポッド300が組み立てられるときにカバー302の嵌合ピン304の各々に接触するように設けられ得るように構成される。弾性接触面310は、内側ポッド300が組み立てられるときにカバー302に面する、弾性材料から作られた、ベースプレート308に設けられた表面であり得、したがって、弾性接触面310は、カバー302に設けられた嵌合ピン304によって接触される。弾性接触面310は、内側ポッド300が組み立てられるときにカバー302に面する、ベースプレート308の表面より上に持ち上げられるか、その表面と面一であるか、またはその表面に関して押下された表面であり得る。一実施形態では、少なくとも3つの弾性接触面310が、ベースプレート308に設けられ得る。一実施形態では、4つの弾性接触面310が、ベースプレート308に設けられ得る。一実施形態では、弾性接触面310は、ベースプレート308の隅角部に近接して設けられ得る。
【0042】
弾性接触面310は、ベースプレート308中に形成された位置合せ保持カットアウト314中に配設された弾性体312を使用して設けられ得る。弾性体312は、弾性接触面を含み、位置合せ保持カットアウト314中に保持されるように構成された任意の好適な形状を有する物体であり得る。位置合せ保持カットアウト314は、弾性体312の少なくとも一部分を受け取るのに適した任意の形状を有することができる。弾性体312は、非限定的な例として、フルオロエラストマーなどのエラストマーなど、任意の好適な弾性または圧縮性材料から作られ得る。弾性体312は、弾性材料から作られた物体である。一実施形態では、弾性体312は、位置合せ保持カットアウト314の中に挿入可能であるプラグである。一実施形態では、弾性体312は、位置合せ保持カットアウト314の外周よりも大きい外周を有するリップを含む。一実施形態では、弾性体312は、位置合せ保持カットアウト314に対応する形状を有する挿入部分を含み、したがって、プレス嵌めが、弾性体312とベースプレート308との間に形成され得る。一実施形態では、弾性体は、固体である。一実施形態では、弾性体312は、嵌合ピン304によって接触される、弾性体312の部分の反対側に中空セクションを含む。
【0043】
内側ポッド300が組み立てられるとき、嵌合ピン304は、各々、弾性接触面310のうちの対応する1つに接触する。嵌合ピン304は、弾性接触面310の中に押し込まれ、この接触は、カバー302またはベースプレート308と同一面の成分がある、カバー302およびベースプレート308の相対的な移動を規制する。嵌合ピン304および弾性接触面310は、移動制限ピンおよびチャネルなど、カバー302および/またはベースプレート308に含まれたグロス位置合せ特徴部に追加で、それらとは異なる移動制限特徴部を形成することができる。移動制限特徴部は、ベースプレート308およびカバー302の互いに対する横方向移動または並進移動を制限することができる。そのようなグロス位置合せ特徴部の例が、たとえば、以下で論じられ、図6に示されている。内側ポッド300が組み立てられるとき、カバー302およびベースプレート308は、互いに接触することができる。実施形態では、いくつかのエリアが、互いに対応するカバー302およびベースプレート308の領域において接触しないことを、製造公差など、表面における差異が引き起こし得る。
【0044】
図3に示されている実施形態は、ベースプレート308に弾性接触面310を、およびカバー302に嵌合ピン304を設けるが、これらの特徴は、嵌合ピンチャネル306、弾性体312、および位置合せ保持カットアウト314の位置の対応する変更を伴って、嵌合ピン304がベースプレート308に設けられ、弾性接触面がカバー302に設けられるように、入れ替えられ得ることを理解されたい。
【0045】
図4は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す。内側ポッド400は、カバー402を含む。カバー402は、ピン404を含む。図4に示されている実施形態では、ピン404は、カバー402中に形成されたピンチャネル406中に配設され得る。内側ポッド400は、ベースプレート408をさらに含む。ベースプレート408は、ダイヤフラム開口410を含むことができる。ダイヤフラム412が、ダイヤフラム開口410の各々中に設けられ得る。保持リング414が、各ダイヤフラム412をそれのそれぞれのダイヤフラム開口410中に固定するために設けられ得る。
【0046】
内側ポッド400は、図1に示されており、上記で説明されたレチクルポッド100の内側ポッドなど、レチクルポッドの内側ポッドである。内側ポッド400は、レチクルポッドの外側ポッド内に嵌まるようにサイズ決定され得る。内側ポッド400は、さらに、上記で説明され、図1に示されているレチクル102など、レチクルを含んでいることが可能な内部空間を定義するように構成され得る。
【0047】
カバー402は、内側ポッド400に含まれるカバーである。カバー402は、内側ポッド400が組み立てられるときにベースプレート408に面する、カバー402の表面から延びる複数のピン404を含む。ピン404は、ピンが、ダイヤフラム412中に設けられた開口中で受けられたとき、あらかじめ決定された深さに挿入され得るように、テーパまたは曲線を有する先端を有することができる。一実施形態では、ピン404は、カバー402と一体に形成され得る。一実施形態では、ピン404は、各々、カバー402中に形成されたピンチャネル406中に配設される。ピン404は、非限定的な例として、各ピン404とそれのそれぞれのピンチャネル406との間のプレス嵌めなど、任意の好適な接続によってピンチャネル406中に固定され得る。一実施形態では、3つまたはそれ以上のピン404が、カバー402に設けられ得る。一実施形態では、4つのピン404が、カバー402に設けられ得る。一実施形態では、ピン404は、カバー402の隅角部に近接して配設され得る。一実施形態では、ピンチャネル406は、内側ポッド400が組み立てられるときにベースプレート408に面する、カバー402の表面からあらかじめ決定された深さに凹陥している開口である。一実施形態では、ピンチャネル406は、カバー402の厚さ全体を通って延びるスルーホールであり得る。
【0048】
ベースプレート408は、内側ポッド400に含まれるベースプレートである。ベースプレート408は、ピン404が、カバー402およびベースプレート408が内側ポッド400を形成するために組み立てられるときにダイヤフラム412中で受けられ得るように、カバー402のピン404の位置に対応する位置に形成された複数のダイヤフラム開口410を含む。ダイヤフラム開口410は、ダイヤフラム412を含んでいるように各々が構成された、ベースプレート408中の開口である。一実施形態では、ダイヤフラム開口410は、内側ポッドが組み立てられるときにカバー402に面する、ベースプレート408の表面から凹陥している段差、ショルダー、またはレッジを含む。一実施形態では、ダイヤフラム開口410の一部分は、ベースプレート408の厚さ全体を通って延びるスルーホールである。一実施形態では、ダイヤフラム開口410は、ベースプレート408の厚さを完全に通って延びない。
【0049】
ダイヤフラム412は、ダイヤフラム開口410の各々中に配設される。ダイヤフラム412は、カバー402がベースプレート408に組み付けられたとき、ピン404のうちの1つの端部を受けるように構成される。ダイヤフラム412は、ピン404の端部を受ける部分が、ダイヤフラム412の平面に実質的に直角な方向に変位され得るように構成される。ダイヤフラム412は、ピン404の端部を受ける部分の、ダイヤフラム412の平面に平行な方向における動きに対する実質的により大きい抵抗を提供することができる。ダイヤフラム412は、たとえば、鋼材など、任意の好適な材料から作られ得る。ダイヤフラム412の例が、図5に示されており、以下でさらに詳細に説明される。
【0050】
保持リング414は、ダイヤフラム開口410中にダイヤフラム412を保持するように構成される。保持リング414は、たとえば、スナップリングであり得る。保持リング414は、ポリマーまたは金属材料を含む任意の好適な材料から作られ得る。保持リング414は、ダイヤフラム開口410中に設けられた段差、ショルダー、またはレッジに対してダイヤフラム412を保持することができる。保持リング414は、ダイヤフラム開口410と係合し、ダイヤフラム開口410内の所定の位置にダイヤフラム412を保持するのに適した任意の形状を有することができる。一実施形態では、保持リング414は、ダイヤフラム開口410の形状に対応する形状を有することができる。
【0051】
内側ポッド400が、カバー402およびベースプレート408を一緒に置くことによって組み立てられるとき、ピン404のテーパを付けられた端部は、各々、ダイヤフラム412のうちの1つと係合する。ピン404の端部を受けるダイヤフラム412の部分は、内側ポッド400がほとんど抵抗なしに組み立てられ得るように、ダイヤフラム412に直角な方向に動くことができる。ダイヤフラム412とピン404の係合は、ダイヤフラム412の性質、およびダイヤフラム412の平面と同一面の変形に対するダイヤフラム412の抵抗と、ダイヤフラム412の平面に直角な変形に対するダイヤフラム412の抵抗との違いにより、カバー402またはベースプレート408と同一面である、カバー402およびベースプレート408の相対的な動きを規制することができる。それゆえに、カバー402またはベースプレート408と同一面の成分を有するカバー402およびベースプレート408の相対的な動きは、規制され、内側ポッド400が組み立てられるときのベースプレート408に対するカバー402のこすれを制限する。ピン404およびダイヤフラム412は、図6に示されており、以下で説明されるグロス位置合せ特徴部など、カバー402およびベースプレート408中に形成された第1および第2のグロス位置合せ特徴部とは別個であり、それらとは異なる移動制限特徴部を形成することができる。
【0052】
図4は、カバー402から延びるピン404と、ベースプレート408中に形成されたダイヤフラム開口410中に配設されたダイヤフラム412とを示すが、これらの特徴は、ピンチャネル406および保持リング414などの他の特徴の位置への対応する変更を伴って、ピン404が代わりにベースプレート408から延び、ダイヤフラム412が、カバー402中に代わりに形成されたダイヤフラム開口410中に配設されるように、入れ替えられ得ることを理解されたい。
【0053】
図5は、一実施形態による、レチクルポッドのベースプレート中のダイヤフラムの平面図を示す。ダイヤフラム500は、中央開口リング502と、ばねビーム開口506を含むことができる複数のばねビーム504とを含む。ダイヤフラム500は、ベースプレート510中に形成されたダイヤフラム開口508の中に取り付けられる。ダイヤフラム500は、保持リング512によってダイヤフラム開口508中に固定され得る。
【0054】
ダイヤフラム500は、上記で論じられたダイヤフラム412の一実施形態である。ダイヤフラム500は、ダイヤフラム500の平面に直角な方向に変形可能であるように、およびダイヤフラム500の平面に平行な方向における変形に対する実質的により大きい抵抗を提供するように構成される。ダイヤフラム500は、上記で説明され、図4に示されているピン404など、ピンの先端を受けるように構成された中央開口リング502を含む。中央開口リング502は、テーパを付けられた、または湾曲した部分に沿ったピンの先端と係合するように構成され得る。中央開口リング502は、図5に示されている円形開口など、ピンを受け、ピンと係合するのに適した任意の形状を有することができる。中央開口リング502は、ばねビーム504によって支持される。ばねビーム504は、中央開口リング502の周りで放射状に分散され得る。ばねビーム504は、ダイヤフラム500の平面に直角に中央開口リング502を動かす変形を可能にするのに適した任意の形状を有することができる。一実施形態では、ばねビーム504は、各々、それら自体のそれぞれのばねビーム開口506を含む。ばねビームは、各々、(図示されていない、保持リング512によってカバーされた)ダイヤフラム500の外周に接続することができる。
【0055】
ダイヤフラム開口508は、ベースプレート510中に形成された開口である。ダイヤフラム開口508は、ダイヤフラム500を収容するのに適した任意の形状であり得る。一実施形態では、ダイヤフラム開口508は、レチクルポッド510の表面から凹陥しており、ダイヤフラム500が段差またはレッジ上に載ることができるようにサイズ決定された、段差、ショルダー、またはレッジを含む。一実施形態では、ダイヤフラム開口508は、あらかじめ決定された深さを有する、レチクルポッド510の表面からの凹部である。一実施形態では、ダイヤフラム開口508は、ベースプレート510の厚さ全体を通して穿孔された少なくとも一部分を含む。
【0056】
保持リング512は、ダイヤフラム開口508内にダイヤフラム500を保持するように構成される。保持リング512は、ダイヤフラム500の外周に対応し、ダイヤフラム開口508の少なくとも一部分内に嵌まるのに適した任意の形状を有することができる。一実施形態では、保持リング512は、スナップリングである。一実施形態では、保持リング512は、所定の位置にダイヤフラム500の位置を固定するために、ダイヤフラム開口508中に形成された段差、ショルダー、またはレッジに対してダイヤフラムを押すことができる。
【0057】
図6は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す。レチクルポッド600は、カバー602を含む。カバー602は、移動制限ピン604を含む。移動制限ピン604は、カバー602中に設けられた移動制限チャネル606中に配設され得る。レチクルポッド604は、ベースプレート608をさらに含む。ベースプレート608は、移動制限カップ610を含む。図6に示されている実施形態では、移動制限カップ610は、インサート612に設けられ、インサートは、ベースプレート608中に形成された凹部614中に設けられる。補助接触面616も設けられ得る。図6に示されている実施形態では、第1のグロス位置合せ特徴部618および第2のグロス位置合せ特徴部620も見られ得る。
【0058】
内側ポッド600は、図1に示されており、上記で説明されたレチクルポッド100の内側ポッドなど、レチクルポッドの内側ポッドである。内側ポッド600は、レチクルポッドの外側ポッド内に嵌まるようにサイズ決定され得る。内側ポッド600は、さらに、上記で説明され、図1に示されているレチクル102など、レチクルを含んでいることが可能な内部空間を定義するように構成され得る。
【0059】
カバー602は、内側ポッド600に含まれるカバーである。カバー602は、移動制限ピン604を含む。一実施形態では、カバー602は、少なくとも3つの移動制限ピン604を含む。一実施形態では、カバー602は、4つの移動制限ピン604を含む。一実施形態では、カバー602は、カバー602の各隅角部に近接して移動制限ピン604を含む。移動制限ピン604は、内側ポッド600が組み立てられるときにベースプレート608に面する、カバー602の表面から突出する。移動制限ピン604は、各々、テーパを付けられた、または湾曲した先端を有することができる。一実施形態では、移動制限ピン604は、カバー602と一体に形成され得る。一実施形態では、移動制限ピン604は、移動制限チャネル606中に配設され得る。移動制限ピン604は、任意の好適な方法によって移動制限チャネル606中に保持され得る。一実施形態では、移動制限ピン604は、移動制限チャネル606内にプレス嵌めされる。一実施形態では、移動制限チャネル606は、カバー602の表面から凹陥している。一実施形態では、移動制限チャネル606は、カバー602の厚さ全体を通って延びるスルーホールである。
【0060】
ベースプレート608は、内側ポッド600のベースプレートである。ベースプレート608は、カバー602に設けられた移動制限ピン604のうちの1つを受けるように各々構成された移動制限カップ610を含む。移動制限カップ610は、それらの相対位置が移動制限ピンの位置に対応するように位置決めされ得る。一実施形態では、移動制限カップは、ベースプレート608自体中に形成された特徴であり、たとえば、ベースプレート608からの整形されたカットアウトである。一実施形態では、移動制限カップ610は、各々、内側ポッド600が組み立てられるときに移動制限ピン604が移動制限カップ610中で受けられたとき、移動制限ピン604との複数の離散接点を提供するように構成される。一実施形態では、移動制限カップ610は、対応する移動制限ピン604との接点を提供するように構成された複数の傾斜部分を含むことができる。一実施形態では、移動制限カップ610は、各々、ベースプレート608の表面において矩形形状を有することができる。一実施形態では、移動制限カップ610は、ベースプレート608中に形成された凹部614の中に置かれるように構成されたインサート612中に形成される。凹部614は、インサート612を受け、保持するように構成される。一実施形態では、凹部614は、プレス嵌めを介してインサートを保持する。インサート612は、インサート612が、移動制限ピンの動きを規制し、内側ポッド600が使用されるいかなる処理にも耐えることができる限り、金属、被覆された金属、ポリマー材料などを含む、任意の好適な材料から作られ得る。凹部614およびインサート612は、概して、矩形形状を有することができる。一実施形態では、これらの矩形形状の長軸は、凹部614およびインサート612の長軸が、カバー602またはベースプレート608の側面のうちのいずれとも平行でなくなるように、カバー602またはベースプレート608の側面に関して角度付けされ得る。
【0061】
補助接触面616は、移動制限ピン604とのさらなる接触を提供するために、ベースプレート608に設けられ得る。一実施形態では、補助接触面616は、ベースプレート608の表面より上に延びる。一実施形態では、補助接触面616は、ベースプレート608と一体であり得る。一実施形態では、補助接触面616は、インサート612に含まれる。補助接触面616は、各々、移動制限ピン604のうちの1つの側面に接触するように構成され得る。
【0062】
図6は、内側ポッド600に含まれたグロス位置合せ特徴部をさらに示す。図1図4の特定のビューでは見えないが、内側ポッド110、200、300、および400は、図6において見える第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620など、第1および第2のグロス位置合せ特徴部をも含むことを理解されたい。第1および第2のグロス位置合せ特徴部618および620は、内側ポッド600の組立をガイドするために、およびベースプレート608にカバー602を固定するのを支援するために、互いにインターフェースするように構成される。一実施形態では、第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620は、移動制限ピン604および移動制限カップ610などの移動制限特徴部の係合より前に、互いに係合する。一実施形態では、第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620は、移動制限ピン604および移動制限カップ610などの移動制限特徴部の係合の後に、互いに係合する。一実施形態では、第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620は、移動制限ピン604および移動制限カップ610などの移動制限特徴部の係合と同時に、互いに係合する。
【0063】
第1のグロス位置合せ特徴部618は、突出部、たとえば、カバー602から延びる突出部であり得る。第1のグロス位置合せ特徴部618は、カバー602と一体に形成され得るか、または図6に示されているように、カバー602中に形成されたチャネル中に配設され、それから延びるピンであり得る。
【0064】
第2のグロス位置合せ特徴部620は、第1のグロス位置合せ特徴部618を受けるように構成されたチャネルであり得る。第2のグロス位置合せ特徴部は、第1および第2のグロス位置合せ特徴部620の係合が、カバー602またはベースプレート608と同一面である、カバー602およびベースプレート608の相対的な動きを可能にするように第1のグロス位置合せ特徴部618を受けるのに必要であるよりも多くの空間があるように、構成され得る。第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620は、随意に、第1のグロス位置合せ特徴部618がベースプレート608から突出し、第2のグロス位置合せ特徴部620がカバー602中に形成されるように、入れ替えられ得る。第1のグロス位置合せ特徴部618および対応する第2のグロス位置合せ特徴部620のインターフェースは、カバーまたはベースプレートと同一面の最高0.2ミリメートル(mm)の相対的な動きが、第1および第2のグロス位置合せ特徴部618、620のインターフェースがさらなる動きを禁止するまでに可能にされ得るようなものであり得る。
【0065】
内側ポッド600が、ベースプレート608にカバー602を接合することによって組み立てられるとき、移動制限ピン604の各々は、移動制限カップ610および補助接触面616によって提供された複数の接触面の各々とインターフェースする。それらの複数の接触面との移動制限ピン604の各々の係合は、カバー602またはベースプレート608と同一面の相対的な動きが規制されるように、ベースプレート608に対するカバー602の動きを規制することができる。
【0066】
図6に示されている内側ポッド600は、カバー602に移動制限ピン604を含み、移動制限カップ610は、ベースプレート608に設けられるが、これらの特徴は、移動制限ピン604が代わりにベースプレート608から突出し、移動制限カップがカバー602に設けられ、移動制限チャネル606、凹部614、および補助接触面616など、任意の対応する特徴が、対応して、カバー602からベースプレート608に入れ替えられ、その逆も同様であるように、入れ替えられ得ることを理解されたい。
【0067】
移動制限特徴部は、それぞれ、図2図3図4、および図6において内側ポッド200、300、400、および600中に個々に示されているが、それらの図に示されている個々の移動制限特徴部は、組み合わせられ得、たとえば、内側ポッド200、300、400、および/または600のうちの2つまたはそれ以上からの対応する移動制限特徴部を、別の内側ポッドのカバーおよびベースプレートに含めることを理解されたい。
【0068】
図7は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドのベースプレートを示す。ベースプレート700は、内側ポッドのカバーに面する表面704に形成された複数のスロット702を含む。スロット702は、各々、ベースプレート700の反対の側面に設けられ、接触面708を有する、可撓性部材706によって裏打ちされる。
【0069】
スロット702は、ベースプレート700中に形成される。スロット702は、ベースプレート700の本体を通って延びる。スロット702は、以下で説明され、図8に示されているピン804を有するカバー802など、内側ポッドを形成するためにベースプレート700とともに使用されるカバーに設けられたピンを受けるようにサイズ決定される。スロット702は、各スロットの少なくとも一部分が、レチクルがベースプレート700を含む内側ポッドに格納されたときにレチクルが位置決めされるエリアから延びるように位置決めされる。スロット702の各々は、長軸を有する。一実施形態では、ベースプレート700は、3つのスロット702を含む。スロット702は、任意の好適な2次元形状、たとえば、円形穴、矩形、卵形、スタジアムまたはカプセル形状などを有することができる。一実施形態では、スロット702は、ベースプレート700の平面に直角なまっすぐな側面を含む。一実施形態では、スロット702は、スロット702がベースプレート700を通って延びるにつれて、スロット702がテーパになるように、ベースプレートの平面に関して角度付けされた側面を有する。スロット702は、スロット702の各々の中へのピンの挿入を容易にするための導入部を含むことができる。一実施形態では、スロット702は、ベースプレート702とともに使用されるカバーに面する、スロット702の側面にベベルおよび/またはR面取りを含む。一実施形態では、スロット702の各々の長軸は、異なった方向に延びる。一実施形態では、スロット702は、スロット702が、表面700に対向するベースプレート700の側面中に形成されたキネマティックカップリング溝にミラー配列されるように位置決めされる。一実施形態では、ベースプレート700は、4つまたはそれ以上のスロット702を含む。一実施形態では、スロット702のうちの少なくとも2つの長軸は、共線または平行である。一実施形態では、ベースプレート700に設けられたスロット702の長軸は、ベースプレート700の中心において交差する。
【0070】
可撓性部材706は、スロット702の中に挿入されたピンが、各々、スロット702がそれを通って延びるベースプレート700の本体を通過した後に、可撓性部材706に接触するように提供される。可撓性部材706は、弾性のあるポリマー材料、金属ばねアーム、またはピンが接触面708に接触したときに可撓性部材の接触面708がたわませられることを可能にする任意の他の好適な可撓性材料を含むことができる。接触面708は、可撓性部材が裏打ちするスロット702の延びる方向に沿ったピンの動きを規制するためにカバーのピンと係合するように構成された可撓性部材706の一部分であり、これにより、前記ピンを含むカバーの動きを制限する。可撓性部材706は、接触面708が、テーパ、角度付けされた端部、またはピンに形成された任意の他のそのような好適な表面においてピンと係合するようにたわむことができる。可撓性部材706は、接触面708のたわみが、ベースプレート700を含む内側ポッドが組み立てられるときにピンがスロット702を通って突き出る深さに一致するように制御されるように選択された可撓性を有することができる。
【0071】
図8は、一実施形態による、レチクルポッドの内側ポッドの断面図を示す。内側ポッド800は、ピン804を含むカバー802を含む。ピン804は、端部806を含む。内側ポッド800は、スロット810を含むベースプレート808をさらに含む。可撓性部材812が、スロット810の各々に設けられる。各可撓性部材は、接触面814と可撓性部材保持特徴816とを含む。可撓性部材保持特徴816は、ベースプレート808中に形成されたベースプレート保持特徴818と係合するように構成される。
【0072】
カバー802は、ベースプレート808と組み合わせられたとき、レチクルを収容するように構成された内部空間を含む内側ポッド800を形成するように構成された、レチクルポッドのカバーである。カバー802は、ピン804を含む。ピン804は、レチクルが内側ポッド800内に格納されたときにレチクルが存在し得る位置において内側ポッドを通ってピン804が延びないように位置決めされ得る。ピン804は、ピン804が、内側ポッド800が組み立てられるときに接触面814に接触するようにスロット810を通って延びることができるような長さだけ延びる。1つまたは複数のピン804が、対応するベースプレート808に含まれたスロット810の各々について設けられ得、たとえば、3つのピン804が、上記で説明され、図7に示されている3つのスロット702を有するベースプレート700とともに使用されるカバー802中に設けられる。
【0073】
ピン804の各々は、端部806を含む。端部806は、それぞれのスロット810において可撓性部材812によって提供される接触面814と係合するように整形され得る。一実施形態では、端部806は、テーパを付けられる。一実施形態では、端部806は、ピン804の伸張の方向に平行または直角でない角度付けされた表面を含む。一実施形態では、端部806は、点に来る。端部806が接触面814と係合したとき、スロット810に沿ったピン804の動きは、接触面814との端部806または端部806の一部分の接触によって規制され得る。
【0074】
ベースプレート808は、内側ポッド800のベースプレートである。ベースプレート808は、ベースプレート808中に形成されたスロット810を含む。スロット810は、ベースプレート808の厚さを通って延びる。各スロット810は、カバー802に設けられた対応するピン804を受けるように構成される。スロットは、図7に示されているスロット702について上記で説明されたように、任意の好適な数および配列で含まれ得る。可撓性部材812は、内側ポッド800が組み立てられるときにカバー802の反対側にある、ベースプレート808の側面に設けられる。可撓性部材812は、スロット810によって形成された開口の少なくとも一部分をカバーするように整形され得る。可撓性部材812は、カバー802の反対側にある側面上で、スロット810によって形成された開口をカバーする。可撓性部材812は、スロット810が延びる方向に沿ったカバー802の動きを規制するように、ピン804と係合するように構成された接触面814を提供する。可撓性部材812は、接触面814がピン804との接触によってたわませられ得るように構成される。接触面814および接触面814のたわみは、接触面が、スロット810に沿ったピン804の並進移動を規制し、これにより、特定の位置にカバー802を保持するために、角度付けされた表面、テーパなど、ピン804の端部806の特徴と係合するように構成され得る。スロット810および接触面814とのピン804の係合を介したカバー802の保持は、これにより、位置合せが維持され、カバー802およびベースプレート808の接触面における摺動および粒子生成が低減されるように、ベースプレート808に対するカバー802の並進移動を規制することができる。
【0075】
可撓性部材812は、可撓性部材保持特徴816を含み、ベースプレート808は、ベースプレート保持特徴818を含む。可撓性部材保持特徴816およびベースプレート保持特徴818は、ベースプレート808に可撓性部材812を固定するのに適した任意の対応する特徴であり得る。一実施形態では、ベースプレート保持特徴818は、可撓性部材保持特徴816として可撓性部材812に設けられた突出部を受けるように構成された溝または穴であり得る。一実施形態では、可撓性部材保持特徴は、ベースプレート保持特徴818の中にプレス嵌めされ得る。一実施形態では、溝または穴は、可撓性部材保持特徴816からのフランジ、タブ、または他のそのような突出部を受けるように構成されたアンダーカットを受けることができる。一実施形態では、接着剤が、ベースプレート保持特徴818に可撓性部材保持特徴816を固定するために設けられ得る。
【0076】
態様:
【0077】
以下の態様のうちのいずれも、以下の態様のうちの他のいずれかと組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0078】
態様1.ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、複数の移動制限特徴部の各々が、
カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成された位置合せ保持カットアウトと、位置合せ保持カットアウト中に配設された弾性体とを含み、弾性体は、内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートとカバーの両方に接触するように構成され、
複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成された、
レチクルポッド。
【0079】
態様2.ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、複数の移動制限特徴部の各々が、
カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる嵌合ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方に設けられた弾性接触面とを含み、嵌合ピンは、内側ポッドが組み立てられるときに弾性接触面に接触するように構成され、
複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成された、
レチクルポッド。
【0080】
態様3.弾性接触面が、弾性体に設けられ、弾性体は、嵌合ピンが前記弾性接触面に接触するように構成された表面の反対側に中空部分を含む、態様2に記載のレチクルポッド。
【0081】
態様4.嵌合ピンの各々が、嵌合ピンチャネル中に配設され、各嵌合ピンチャネルが、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成された、態様2から3のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0082】
態様5.ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、複数の移動制限特徴部の各々が、
カバーまたはベースプレートのうちの一方中に配設されたダイヤフラムと、
カバーまたはベースプレートのうちの他方から延びるピンであって、ピンは、内側ポッドが組み立てられるときにダイヤフラムに接触するように構成された、ピンと
を含み、
ダイヤフラムが、カバーまたはベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、カバーまたはベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有し、
ピンの各々が、複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有し、
複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成された、
レチクルポッド。
【0083】
態様6.移動制限特徴部の各々が、ダイヤフラムを収容するように構成された位置合せ保持カットアウトと、位置合せ保持カットアウト中にダイヤフラムを保持するように構成された保持リングとを含む、態様5に記載のレチクルポッド。
【0084】
態様7.ピンが、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成されたピンチャネル中に配設された、態様5または6に記載のレチクルポッド。
【0085】
態様8.ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、複数の移動制限特徴部の各々が、
カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる移動制限ピンと、
カバーまたはベースプレートのうちの他方中に設けられた移動制限カップと
を含み、
移動制限ピンは、内側ポッドが組み立てられるときに移動制限カップの複数の異なる表面によって接触されるように構成され、
複数の移動制限特徴部は、ベースプレートまたはカバーの平面に平行な成分を有する力が内側ポッドに加えられるとき、複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が力に対する抵抗を提供するより前に、力に対する抵抗を提供するように構成された、
レチクルポッド。
【0086】
態様9.移動制限カップが、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に直接的に形成された、態様8に記載のレチクルポッド。
【0087】
態様10.移動制限カップが、インサート中に形成され、インサートが、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に形成された凹部中で受けられるように構成された、態様8または9に記載のレチクルポッド。
【0088】
態様11.レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、
カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることであって、複数の移動制限特徴部が、複数の位置合せ保持カットアウトと複数の弾性体とを含み、各弾性体が、位置合せ保持カットアウトのうちの1つ中に配設され、複数の弾性体の各々は、内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートとカバーの両方に接触するように構成された、複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることと
を備え、
カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【0089】
態様12.レチクルが、内側ポッド内に配置され、方法が、
レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、
内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに備える、態様11に記載の方法。
【0090】
態様13.レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、
カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることであって、複数の移動制限特徴部が、カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる複数の嵌合ピンと、カバーまたはベースプレートのうちの他方の複数の弾性接触面とを含み、複数の嵌合ピンの各々が、弾性接触面のうちの1つに接触するように構成された、複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることと
を備え、
カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【0091】
態様14.レチクルが、内側ポッド内に配置され、方法が、
レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、
内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに備える、態様13に記載の方法。
【0092】
態様15.レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、
カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることであって、複数の移動制限特徴部は、
複数のダイヤフラムであって、複数のダイヤフラムの各々が、カバーまたはベースプレートのうちの一方中に配設された、複数のダイヤフラムと、
カバーまたはベースプレートのうちの他方から延びる複数のピンであって、複数のピンの各々は、内側ポッドが組み立てられるときに複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された、複数のピンと
を含む、複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることと
を備え、
複数のダイヤフラムの各々が、カバーまたはベースプレートの平面に直角な方向における変形に対する抵抗よりも大きい、カバーまたはベースプレートと同一面の方向における変形に対する抵抗を有し、
ピンの各々が、複数のダイヤフラムのうちの1つに接触するように構成された端部においてテーパを有し、
カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【0093】
態様16.レチクルが、内側ポッド内に配置され、方法が、
レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、
内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに備える、態様15に記載の方法。
【0094】
態様17.レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、カバーおよびベースプレートのうちの他方と係合させることと、
カバーまたはベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることであって、複数の移動制限特徴部が、
カバーまたはベースプレートのうちの一方から延びる複数の移動制限ピンと、
カバーまたはベースプレートのうちの他方中に設けられた複数の移動制限カップと
を含む、複数の移動制限特徴部の各々を、カバーまたはベースプレートのうちの他方と係合させることと
を備え、
複数の移動制限ピンの各々は、内側ポッドが組み立てられるときに複数の移動制限カップのうちの1つの複数の異なる表面によって接触されるように構成され、
カバーまたはベースプレートと同一面の成分を有する力が、内側ポッドに作用するとき、移動制限特徴部の係合は、ベースプレートグロス位置合せ特徴部とのカバーグロス位置合せ特徴部の係合が力の成分に対する抵抗を提供する前に、力の成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【0095】
態様18.レチクルが、内側ポッド内に配置され、方法が、
レチクルポッドの外側ポッド内に内側ポッドを置き、レチクルポッドを密閉するために外側ポッドを固定することと、
内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに備える、態様17に記載の方法。
【0096】
態様19.ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備え、
内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、複数の移動制限特徴部の各々が、
内側ポッドが組み立てられるときにベースプレートに面するように構成された、カバーの側面でカバーから延びるピンと、
ベースプレート中に形成されたスロットであって、スロットが、ピンを受けるように構成された、スロットと、
内側ポッドが組み立てられるときにカバーの反対側にある、ベースプレートの側面上の、スロットをカバーするように構成された可撓性部材であって、可撓性部材が、ピンの端部によって接触されるように構成された接触面を含み、可撓性部材は、接触面がピンとの接触によってたわませられ得るように構成された、可撓性部材と
を含む、レチクルポッド。
【0097】
態様20.内側ポッドが、移動制限特徴部のうちの少なくとも3つを含む、態様19に記載のレチクルポッド。
【0098】
態様21.各スロットの長軸が、すべての他のスロットの長軸とは異なった方向に延びる、態様20に記載のレチクルポッド。
【0099】
態様22.ベースプレート中に形成されたベースプレート保持特徴をさらに備え、可撓性部材が、ベースプレート保持特徴と係合するように構成された可撓性部材保持特徴を含む、態様19に記載のレチクルポッド。
【0100】
本出願で開示された例は、あらゆる点で、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって指し示され、特許請求の範囲と同等の意味および範囲内に入るすべての変更は、特許請求の範囲の中に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備えたレクチルポッドであって、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる嵌合ピンと、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方に設けられた弾性接触面とを含み、前記嵌合ピンは、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記弾性接触面に接触するように構成され、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項2】
前記弾性接触面が、弾性体に設けられ、前記弾性体は、前記嵌合ピンが前記弾性接触面に接触するように構成されている表面の反対側に中空部分を含む、請求項に記載のレチクルポッド。
【請求項3】
ベースプレートとカバーとを含む内側ポッドを備えたレクチルポッドであって、
前記内側ポッドが、少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部と複数の移動制限特徴部とを含み、前記複数の移動制限特徴部の各々が、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方から延びる移動制限ピンと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方中に設けられた移動制限カップと
を含み、
前記移動制限ピンは、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記移動制限カップの複数の異なる表面によって接触されるように構成され、
前記複数の移動制限特徴部は、前記ベースプレートまたは前記カバーの平面に平行な成分を有する力が前記内側ポッドに加えられるとき、前記複数の移動制限特徴部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのグロス位置合せ特徴部が前記力に対する抵抗を提供するより前に、前記力に対する抵抗を提供するように構成されている、
レチクルポッド。
【請求項4】
レチクルポッドの内側ポッドを固定する方法であって、
カバーおよびベースプレートのうちの一方に含まれた1つまたは複数のグロス位置合せ特徴部を、前記カバーおよび前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと、
前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの一方に設けられた複数の移動制限特徴部の各々を、前記カバーまたは前記ベースプレートのうちの他方と係合させることと
を含み、
前記複数の移動制限特徴部が、複数の位置合せ保持カットアウトと複数の弾性体とを含み、各弾性体が、前記位置合せ保持カットアウトのうちの1つ中に配設され、前記複数の弾性体の各々は、前記内側ポッドが組み立てられるときに前記ベースプレートと前記カバーの両方に接触するように構成され、
前記カバーまたは前記ベースプレートと同一面の成分を有する力が、前記内側ポッドに作用するとき、前記移動制限特徴部の前記係合は、前記ベースプレートグロス位置合せ特徴部との前記カバーグロス位置合せ特徴部の前記係合が前記力の前記成分に対する抵抗を提供する前に、前記力の前記成分に対する抵抗を提供する、
方法。
【請求項5】
レチクルが、前記内側ポッド内に配置され、前記方法が、
前記レチクルポッドの外側ポッド内に前記内側ポッドを置き、前記レチクルポッドを密閉するために前記外側ポッドを固定することと、
前記内側ポッドに極端紫外線プロセスを施すことと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【国際調査報告】