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特表2024-538550ポストドライエッチングフォトレジストおよび金属含有残渣の除去配合物
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  • 特表-ポストドライエッチングフォトレジストおよび金属含有残渣の除去配合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ポストドライエッチングフォトレジストおよび金属含有残渣の除去配合物
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
H01L21/30 572A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518383
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022076685
(87)【国際公開番号】W WO2023049688
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/247,347
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】チュン-イー チャン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン ダル リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジー-クエイ コー
(72)【発明者】
【氏名】イー-チア リー
(72)【発明者】
【氏名】アイピン ウー
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146MA02
5F157AA63
5F157BC07
5F157BD07
5F157BD09
5F157BE12
5F157BE34
5F157BE46
5F157BF22
5F157BF23
5F157BF32
5F157BF52
5F157BF53
5F157BF72
(57)【要約】
開示され、そして特許請求された主題は、制御された酸化物エッチングおよびITO(インジウムスズ酸化物)エッチングならびに側壁のポリマーおよびポリマーエッチング残渣の除去能力を有する剥離組成物、そしてその組成物を用いた剥離およびエッチングの方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒あるいは(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、またはN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、および、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤、
を含んでなる組成物。
【請求項2】
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒あるいは(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、またはN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、および、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤、
から本質的になる組成物。
【請求項3】
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒あるいは(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、またはN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、および、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤、
からなる組成物。
【請求項4】
前記組成物が、約3超で約6未満のpHを有する、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、約4超で約6未満のpHを有する、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、約4超で約7未満のpHを有する、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
ここに開示された前記組成物が、4-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、過酢酸、尿素、過酸化水素、アミドキシム化合物、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体および金属含有化合物の少なくとも1種を実質的に含まない、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
ここに開示された前記組成物が、4-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、過酢酸、尿素、過酸化水素、アミドキシム化合物 ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体および金属含有化合物の少なくとも1種を含まない、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、および2,3-ブタンジオールの1種もしくは2種以上である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約1質量%~約10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約1質量%~約5質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約1質量%~約7質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約5質量%~約10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約3質量%~約7質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項15】
開示され、そして特許請求された組成物中の前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、前記組成物の約4質量%~約6質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約5質量%~約10質量%のプロピレングリコールからなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項17】
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約5質量%のプロピレングリコールからなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項18】
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約10質量%のプロピレングリコールからなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、ジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約50質量%~約60質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約54質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約59質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項23】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約53.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項24】
前記(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約58.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(DBG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物が、ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択された(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物が、ジエチルホルムアミドを含む(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、(iib)約50質量%~約60質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物が、(iib)約55質量%~約60質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物が、(iib)約58質量%~約69質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物が、(iib)約58質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物が、(iib)約58.5質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物が、(iib)約58.6質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物が、(iib)約58.7質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物が、(iib)約59質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が、(iib)約60質量%のジエチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が、N-メチルホルムアミドを含む(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物が、約50質量%~約60質量%の(iib)N-メチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物が、約55質量%~約60質量%の(iib)N-メチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が、N-エチルホルムアミドを含む(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が、約50質量%~約60質量%の(iib)N-エチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物が、約55質量%~約60質量%の(iib)N-エチルホルムアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物が、N,N-ジメチルアセトアミドを含む(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が、約50質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルアセトアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物が、約55質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルアセトアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、N,N-ジメチルプロピオンアミドを含む(iib)1種もしくは2種以上のアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物が、約50質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルプロピオンアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項47】
前記組成物が、約55質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルプロピオンアミドを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項48】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項49】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項50】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項51】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.5質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項52】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.4質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項53】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.3質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項54】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.2質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項55】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純フッ化アンモニウムであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.1質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項56】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.15質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項57】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.12質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項58】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項59】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.01質量%~約0.15質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項60】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.05質量%~約0.15質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項61】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.05質量%~約0.10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項62】
前記(iii)フッ化物イオン源が、純HFであり、そして前記組成物の約0.10質量%~約0.15質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項63】
前記(iv)緩衝剤が、組成物の約1質量%~約10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項64】
前記(iv)緩衝剤が、前記組成物の約1質量%~約5質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項65】
前記(iv)緩衝剤が、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項66】
前記(iv)緩衝剤が、酢酸アンモニウムと酢酸の約4.0質量%~約5.0質量%の水溶液を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項67】
前記(iv)緩衝剤が、約1.5質量%~約3.0質量%の酢酸アンモニウムと約1.5質量%~約3.0質量%の酢酸を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項68】
前記(iv)緩衝剤が、約2.0質量%~約3.0質量%の酢酸アンモニウムと約1.5質量%~約2.5質量%の酢酸を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項69】
前記(iv)緩衝剤が、約2.5質量%の酢酸アンモニウムと約2.0質量%の酢酸を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項70】
前記(iv)緩衝剤が、約2.6質量%の酢酸アンモニウムと約2.0質量%の酢酸を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項71】
前記(v)水が、前記組成物の約10質量%~約40質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項72】
前記(v)水が、前記組成物の約20質量%~約40質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項73】
前記(v)水が、前記組成物の約15質量%~約35質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項74】
前記(v)水が、前記組成物の約25質量%~約35質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項75】
前記(v)水が、前記組成物の約10質量%~約30質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項76】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、ベンゾトリアゾール、o-トリルトリアゾール、m-トリルトリアゾール、およびp-トリルトリアゾールの1種もしくは2種以上を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項77】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、ベンゾトリアゾールを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項78】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、前記組成物の約0.1質量%~約15質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項79】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、前記組成物の約0.1質量%~約10質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項80】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、前記組成物の約0.5質量%~約5質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項81】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、前記組成物の約0.1質量%~約1質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項82】
前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、前記組成物の約0.1質量%~約0.5質量%である、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項83】
前記洗浄組成物が、前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項84】
前記洗浄組成物が、前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含まない、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項85】
前記(i)多価アルコールが約5質量%~約10質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、そして前記(ii)有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約50質量%~約60質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項86】
前記(i)多価アルコールが約5質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、そして前記(ii)有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約59質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項87】
前記(i)多価アルコールが約10質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、そして前記(ii)有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約54質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項88】
前記(i)多価アルコールが約5質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、そして前記(ii)有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約58.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項89】
前記(i)多価アルコールが約10質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、そして前記(ii)有機水溶性グリコールエーテル溶媒が、約53.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる、請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項90】
請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物であって、
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約5質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、
前記(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が約58.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなり、
前記(iii)フッ化物イオン源が、約0.28質量%の純フッ化アンモニウムからなり、
前記(iv)1種もしくは2種以上の緩衝剤が、約2.6質量%の酢酸アンモニウムと約2.0質量%の酢酸からなり、そして、
前記配合物の残りが、前記(v)水である、
洗浄組成物。
【請求項91】
随意選択的な前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、存在し、そして約1質量%のベンゾトリアゾールからなる、請求項90記載の洗浄組成物。
【請求項92】
請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物であって、
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約10質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、
前記(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒が約53.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなり、
前記(iii)フッ化物イオン源が、約0.28質量%の純フッ化アンモニウムからなり、
前記(iv)1種もしくは2種以上の緩衝剤が、約2.6質量%の酢酸アンモニウムと約2.0質量%の酢酸からなり、そして、
前記配合物の残りが、前記(v)水である、
洗浄組成物。
【請求項93】
随意選択的な前記(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤が、存在し、そして約1質量%のベンゾトリアゾールからなる、請求項92記載の洗浄組成物。
【請求項94】
請求項1~3のいずれか1項記載の洗浄組成物であって、
前記(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールが、約4質量%のプロピレングリコール(PG)からなり、
前記(iib)ジエチルホルムアミドが、約58.6質量%のジエチルホルムアミドからなり、
前記(iii)フッ化物イオン源が、約3.5質量%の純フッ化アンモニウムからなり、
前記(iv)1種もしくは2種以上の緩衝剤が、約2.6質量%の酢酸アンモニウムと約2.0質量%の酢酸からなり、そして、
前記配合物の残りが、前記(v)水である、
洗浄組成物。
【請求項95】
基材からフォトレジストまたは同様の材料を除去する方法であって、以下の工程、
(i)前記基材を、請求項1~94のいずれか1項記載の前記フォトレジスト剥離溶液と、前記フォトレジストまたは同様の材料の所望の量を除去するのに十分な時間接触させる工程、
(ii)前記剥離溶液から前記基材を取り出す工程、
(iii)前記基材から前記剥離溶液を、DI水または溶媒で洗浄する工程、ならびに、
(iv)随意選択的に前記基材を乾燥する工程、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
【0002】
ここに開示され、そして特許請求された主題は、制御された酸化物エッチングおよびITO(インジウムスズ酸化物)エッチングならびに側壁ポリマーおよびポリマーエッチング残渣の除去性能を有する剥離用組成物ならにその組成物を用いた剥離およびエッチングのプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
【0004】
マイクロエレクトロニクス分野における製造の間に、フォトレジスト薄膜が基材材料に適用されるマスクとして機能して、その後の製造プロセスのためのパターンを形成する。レジストパターンは、他の写真平版技術工程によって形成されることができる。通常は、レジストフィルムをマスクとして用いる場合には、次いで、フォトレジストマスクの下の他の材料をエッチングするために、乾式エッチングプロセスが続く。例えば、エッチング用ガスは、そのフォトレジストによって被覆されていない基材の保護されていない領域を選択的に攻撃することができる。プラズマエッチングプロセスの間に、フォトレジストと暴露された材料に関連する副生成物が、ポストエッチング残渣として、暴露されたフォトレジストおよび基材の上に堆積される。
【0005】
ポストエッチング残渣は、プラズマエッチングプロセスの間に暴露された基材に応じて異なる材料を含む可能性がある。例えば、アルミニウムおよびチタン含有残渣が、アルミニウムのパターン化された基材からもたらされる可能性があり、ケイ素含有材料が、酸化シリコン材料から作られたビアパターン化構造からもたらされる可能性がある。それらのポストエッチング残渣の全ては、最終的な製品の品質を確実にするために、次工程のプロセスの前に完全に清浄化されなければならない。
【0006】
インジウムスズ酸化物(ITO)は、その電気的伝導性および光学的透明性のために、広く用いられる透明電導性酸化物の1つである。インジウムスズ酸化物(ITO)は、種々の用途。例えばフラットパネルディスプレイ、ポリマー系のエレクトロニクス、薄膜光電装置、LCDおよびLEDディスプレイ、およびOLEDディスプレイのために、ガラス、PET、その他の基材上に、薄膜として容易に堆積される。ITO薄膜は、物理的な気相堆積、例えば種々のスパッタリング技術によって、基材表面上に堆積されることができる。
【0007】
ITO基材のパターン化は、ITO層が酸化ケイ素基材上に堆積されている進歩したパッケージ技術においてより重要になってきている。ポジのフォトレジストが、ITO基材のパターン化プロセスにおいて通常用いられている。パターン化プロセスの後に、プラズマエッチングプロセスが、次いで、特定の暴露された材料を取り除くために行われる。ポジのフォトレジストは、その後に、通常は湿式の化学的処理によって、完全に、または部分的に取り除かれる必要がある。
【0008】
多くのフォトレジスト剥離剤および残渣除去剤が、フォトレジストフィルムを完全に、または部分的に除去するために提案されてきている。しかしながら、ITOパターン化プロセスにおいては、慣用のフォトレジストならびにポストエッチング残渣は、フォトレジストおよび金属側壁表面への金属含有副生成物の形成のために、除去し、そして清浄化するのが困難である。また、フォトレジスト表面は、乾式エッチングプロセスの間に保護層としてより固くなり、効果的な除去を妨げる。その結果、通常用いられているアルカノールアミン溶媒系溶液では、効果的および/または効率的にフォトレジストフィルムを溶解させることができない。
【0009】
更には、多くのフォトレジスト剥離剤およびポストエッチング洗浄用液は、環境に優しくない有機溶媒、例えばN-メチル-2-ピロリドン(NMP)およびジメチルスルホキシド(DMSO)、およびジメチルアセトアミド(DMAC)を含んでいる。それらの有機溶媒をより環境に優しい溶媒に置き換えることが、新規のフォトレジスト剥離剤およびポストエッチング洗浄用液の開発には必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、フォトレジストとITO金属側壁上のポストエッチング残渣によって形成された保護層を突破することによって、フォトレジスト層を効果的に溶解する、NMPやDMACを含まない、新規な環境に優しい化学薬品を開発する必要がある。更には、この化学薬品はまた、暴露されたITOおよびSi材料と適合性があることが必要とされる。また、この化学薬品は、暴露された材料との適合性を伴って、ポストエッチング残渣を効果的に洗浄することが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここに開示され、そして特許請求された主題は、有機材料、有機金属残渣、オルガノシリコン残渣、側壁ポリマー(SWP)および無機残渣の除去のための水性の酸性剥離組成物および洗浄組成物で、制御された酸化ケイ素およびITOエッチング速度を有するものを提供する。この洗浄組成物は、以下の(i)~(vi)を含む、から本質的になる、または、からなっている。
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒あるいは(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤。
1つの態様では、洗浄組成物は、約3超で約9未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超で約6未満のpHを有している。他の態様では、洗浄組成物は、約4超で約6未満のpHを有している。他の態様では、洗浄組成物は、約4超で約7未満のpHを有している。1つの態様では、フッ化アンモニウムは40%の水溶液として提供される。
【0012】
ここに開示され、そして特許請求された組成物は、ポストエッチング残渣を洗浄するために、そしてフォトレジストフィルムおよびITOと酸化ケイ素の表面上に存在するフォトレジストフィルムを、ITOと酸化ケイ素との適合性を有して、少なくとも部分的に除去するために、好適である。
【0013】
1つの態様では、ここに開示され、そして特許請求された組成物は、NMP、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、ガンマブチルラクトン、尿素、過酸化水素などを含まない。他の態様では、ここに開示され、そして特許請求された主題の組成物は、アミドキシム化合物を更に、または代わりに含まない。他の態様では、ここに開示され、そして特許請求された主題の組成物は、ヒドロキシルアミンおよびその誘導体を更に、または代わりに含まない。他の態様では、ここに開示され、そして特許請求された主題の組成物は、金属含有化合物を、更に、または代わりに含まない。他の態様では、ここに開示され、そして特許請求された主題の組成物は、腐食防止剤を更に、または代わりに含まない。
【0014】
とりわけ、ここに開示され、そして特許請求された組成物は、制御されたエッチングおよび側壁ポリマー除去能力を提供する。
【0015】
更に、ここに開示され、そして特許請求された組成物は、暴露された基材、例えばアルミニウムおよびチタンと適合性を備えて、AlおよびTi金属含有およびケイ素含有ポストエッチング残渣を完全に洗浄するための良好な洗浄性能を提供する。
【0016】
ここに開示され、そして特許請求された主題は、ここに開示され、そして特許請求された組成物を用いて、制御された酸化ケイ素およびITOエッチングを提供する、剥離のための方法を更に含んでいる。
【0017】
この要約の項は、ここに開示され、そして特許請求された主題の全ての態様および/または付加的に新規な態様を特定するものではない。その代わりに、この要約は、単に、慣用の技術および既知の技術に対して異なる態様および対応する新規な点の予備的な議論を提供するだけである。ここに開示され、そして特許請求された主題および態様の更なる詳細および/または可能性のある全体像については、読者は、以下に更に議論されるように、詳細な説明の項およびこの開示対応する図面に導かれる。
【0018】
ここに記載された異なる工程の議論の順序は、明確化のために提示されたものである。一般に、ここに開示された工程は、いずれかの好適な順序で実施されることができる。更には、ここに開示された異なる特徴、技術、構成などのそれぞれは本開示の異なる場所で議論される場合があるが、それらの概念のそれぞれは、互に独立して、または必要に応じて互いに組み合わせて行うことができることが意図されている。従って、開示され、そして特許請求された主題は、多くの異なる方法で実現され、そして考察されることができる。
【0019】
ここで用いられる節の見出しは、系統化の目的のためのものであって、そして記載された主題を限定するものであるとは理解されてはならない。この出願において引用された、特許、特許出願、記事、書籍および論文を含むが、それらには限定されない、全ての文献、または文献の一部は、いずれかの目的で、ここに参照することによって、それらの全体を、本明細書の内容とする。ここに組み込まれた文献および同様の資料のいずれかがある用語を、本願におけるその用語の定義と相反するように規定している場合には、本願のとおりとする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面は、開示された主題の更なる理解を与えるために包含され、そしてこの明細書の一部に組み込まれ、そしてこの明細書の一部を構成し、開示された主題の態様を例示し、開示された主題の原理を説明するように供される。
【0021】
図1図1は、開示され、そして特許請求された主題のパターン化されたITO表面の洗浄プロセスの態様を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここに引用された全ての参照文献、例えば出版物、特許出願、および特許は、参照することによって、それぞれの参照文献が、個々に、そして具体的に参照することによって本明細書の内容とされるのと、そしてその全体がここに説明されるのと同じ程度に、本明細書の内容とされる。
【0023】
以下の詳細な説明は、好ましい例示の態様のみを提供するものであり、そして開示され、そして特許請求された主題の範囲、適用範囲、または構成を限定することを意図してはいない。むしろ、好ましい例示の態様の以下の詳細な説明は、当業者に、開示され、そして特許請求された主題の好ましい例示の態様を実施することを可能にする説明を提供する。種々の変更が、添付の特許請求の範囲に規定された、開示され、そして特許請求された主題の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成に加えられることができる。
【0024】
開示され、そして特許請求された主題を説明する文脈における用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示語の使用は(特に、下記の特許請求の範囲の文脈においては)、ここに特に断りのない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数と複数の両方を包含すると理解されなければならない。
【0025】
本明細書で、そして特許請求の範囲で用いられる用語「comprising(含む)」、「comprises(含む)」、「including(含む)」および「includes(含む)」は、包括的または開放的であり、そして付加的な、記載されていない要素、組成物の成分、または方法の工程を排除するものではない。従って、これらの用語は、より制限的な用語「consisting essentially of(から本質的になる)」および「consisting of(からなる)」を包含している。特に断りのない限り、ここに与えられた全ての値は、与えられた端点まで、そして与えられた端点を含み、そして組成物の構成要素または成分の値は、組成物中のそれぞれの成分の質量パーセントで表される。
【0026】
記載された成分「から本質的になる」組成物では、そのような成分は、その組成物の100質量%まで加えることができ、または100質量%未満まで加えることができる。そのような成分が100質量%未満まで加えられる場合には、そのような成分は、幾らかの少量の本質的ではない混入物または不純物を含むことができる。例えば、そのような態様の1つでは、洗浄組成物は2質量%以下の不純物を含むことができる。他の態様では、洗浄組成物は1質量%以下の不純物を含むことができる。更なる態様では、洗浄組成物は0.05質量%以下の不純物を含むことができる。他のそのような態様では、それらの成分は、少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.5質量%、最も好ましくは少なくとも99.9質量%を形成することができ、そして洗浄組成物の性能に本質的な影響を与えない他の成分を含むことができる。あるいは、有意な本質的ではない不純物成分が存在しない場合には、全ての本質的な構成成分は、100質量%まで本質的に加えられることが理解される。
【0027】
幾つかの態様では、開示され、特許請求された主題は、アミドキシム化合物を含まない。幾つかの態様では、開示され、特許請求された主題は、金属含有化合物を含まない。
【0028】
ここに記載された全ての方法は、特に断りのない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、いずれかの好適な順序で行われることができる。ここで与えられるいずれかの例および全ての例、あるいは例を示す用語(例えば、「例えば」)は、開示され、そして特許請求された主題をよりよく明確化することのみを意図されたものであり、そして特に断りのない限り、開示され、そして特許請求された主題の範囲に限定を加えるものではない。本明細書中のいずれの用語も、いずれかの特許請求された要素が、開示され、そして特許請求された主題の実施に必須であることを示すと理解されてはならない。
【0029】
開示され、そして特許請求された主題を実施するための、本発明者らに知られたベストモードを含めて、ここに開示され、そして特許請求された主題の好ましい態様が、ここに記載されている。それらの好ましい態様の変更が、先行の記載を読むことによって当業者には明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者が、そのような変更を必要に応じて用いることを想定しており、そして本発明者らは、開示され、そして特許請求された主題が、ここに具体的に記載されたのと別のやり方で実施されることを意図している。従って、この開示され、そして特許請求された主題は、ここに添付された特許請求の範囲に記載された主題の、適用可能な法によって許容される全ての変更と等価物を包含している。更には、上記の要素の、それらの全ての可能な変更の組み合わせが、特に断りのない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、開示され、そして特許請求された主題によって包含される。
【0030】
開示され、そして特許請求された主題は、窒化チタンおよびモリブデン金属の、そのような材料をその上に有するマイクロエレクトロニクス装置からの、その製造の間の、選択的除去に有用な組成物に概して関している。ここに開示された組成物は、窒化チタンとモリブデン金属の両方を、個別の必要性を基に変えられることができる速度で、除去することができる。
【0031】
参照を容易にするために、「マイクロエレクトロニクス装置」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路、エネルギー集積、コンピューターチップ用途における使用のために製造された、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリデバイス、ソーラーパネル、および他の製品、例えば、太陽電池デバイス、光電装置、微小電子機械システム(MEMS)に相当する。用語「マイクロエレクトロニクス装置」、「マイクロエレクトロニクス基板」および「マイクロエレクトロニクス装置構造」は、何らかの方法で限定しようとすることを意味するのではなく、最終的にはマイクロエレクトロニクス装置またはマイクロエレクトロニクス組立体になるいずれかの基板または構造体を含んでいることが理解される。マイクロエレクトロニクス装置は、パターン化、ブランケット化、制御装置および/または試験装置であることができる。
【0032】
ここで規定される「低k誘電体材料」は、層状マイクロエレクトロニクス装置で誘電体材料として用いられるいずれかの材料に相当し、その材料は、約3.5未満の誘電率を有している。好ましくは、低k誘電体材料としては、低極性材料、例えばケイ素含有有機ポリマー、ケイ素含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、および炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスが挙げられる。低k材料は、種々の密度および種々の多孔性を有することができることが理解されなければならない。
【0033】
「実質的に含まない」は、ここでは、2質量%未満、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、そして最も好ましくは0.1質量%未満と規定される。「実質的に含まない」はまた、0.0質量%を含んでいる。用語「含まない」は、当技術分野で通常どおり測定されて、0.0質量%を意味している。
【0034】
ここで用いられる「約(about)」または「約(approximately)」は、記載された値の±5%に相当することが意図されている。
【0035】
ここで規定される「フォトレジストエッチング残渣」は、当業者に容易に理解されるように、フォトレジスト材料を含むいずれかの残渣、またはエッチング工程もしくはアッシング(aching)工程の副生成物である材料に相当する。
【0036】
ここで用いられる「フッ化物」種は、イオン性のフッ化物(F)または共有結合されたフッ素を含む種に相当する。フッ化物種は、フッ化物種として含まれるか、またはインサイチュで生成されることができる。
【0037】
開示され、そして特許請求された主題の組成物は、以下により詳細に記載されるように、広範囲な特定の配合で具体化されることができる。
【0038】
組成物の特定の成分が、零の下限値を含む質量パーセントで議論されているそのような全ての組成物においては、そのような成分は、その組成物の種々の特定の態様において、存在していても、あるいは存在していなくてもよいこと、そして、そのような成分が存在する例においては、それらはそのような成分が用いられている組成物の全質量を基準として、0.001質量%までの濃度で存在していることができることが理解されなければならない。
【0039】
また、本明細書中に記載された態様を基にして、開示された主題をどのように実施するかについて、ここに開示された開示された主題の精神と範囲から逸脱することなく、種々の変更を加えることができることが、当業者には明確である。
【0040】
上記で説明したように、開示された主題は、ITOおよびSiOと適合しながら、フォトレジスト膜を部分的に除去し、そしてエッチング後の残渣を洗浄するのに好適な洗浄組成物に関する。
【0041】
1つの態様では、洗浄組成物は、以下の(i)~(vi)含んでいる。
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒、あるいは(iib)ジエチルホルムミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、およびN,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、ならびに、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤。
この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)を含む、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約9未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約7未満のpHを有している。
【0042】
1つの態様では、洗浄組成物は、以下の(i)~(vi)から本質的になる。
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒、あるいは(iib)ジエチルホルムミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、ならびに、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤。
この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)を含む、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約9未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約7未満のpHを有している。
【0043】
1つの態様では、洗浄組成物は、以下の(i)~(vi)からなっている。
(i)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の多価アルコール、
(ii)約50質量%~約80質量%の、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒、あるいは(iib)ジエチルホルムミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミド、
(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含む、約0.1質量%~約0.5質量%のフッ化物イオン源、
(iv)約1質量%~約10質量%の1種もしくは2種以上の緩衝剤。
(v)約10質量%~約40質量%の水、ならびに、
(vi)随意選択的に、1種もしくは2種以上の腐食防止剤。
この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iia)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択される、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)を含む、1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、(vi)1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含んでいる。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約9未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約3超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約6未満のpHを有している。この態様の1つの態様では、洗浄組成物は、約4超~約7未満のpHを有している。
【0044】
他の態様では、ここに開示された洗浄組成物は、4-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、過酢酸、尿素、過酸化水素、アミドキシム化合物、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体および金属含有化合物の少なくとも1種を、実質的に含まない、または含まない。この態様の1つの態様では、ここに開示された洗浄組成物は、4-メチルモルホリンN-オキシド、トリメチルアミンN-オキシド、過酢酸、尿素、過酸化水素、アミドキシム化合物、および金属含有化合物の全てを実質的に含まない、または含まない。
【0045】
組成物の成分
【0046】
(i)多価アルコール
【0047】
上記のように、開示され、そして特許請求された洗浄組成物は、(i)1種もしくは2種以上の多価アルコールを含んでいる。ここで用いられる「多価アルコール」は、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む化合物を意味している。本発明で用いられる多価アルコールは、好ましくはジ-またはトリ-アルコール、例えば、(C-C20)アルカンジオールおよび(C-C20)アルカントリオール、環式アルコールおよび置換アルコールである。例示的な多価アルコールとしては、限定するものではないが、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、および2,3-ブタンジオールが挙げられる。好ましい多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
幾つかの態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、以下の質量%のリスト、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、および約10から選択された開始点および終点を有する範囲であることができる。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約1質量%~約10質量%である。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約1質量%~約5質量%である。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約1質量%~約7質量%である。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約5質量%~約10質量%である。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約3質量%~約7質量%である。他の態様では、(i)開示され、そして特許請求された組成物中の1種もしくは2種以上の多価アルコールは、約4質量%~約6質量%である。
【0049】
(iia)グリコールエーテル溶媒
【0050】
上記のように、開示され、そして特許請求された洗浄組成物の幾つかの態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒を含んでいる。グリコールエーテルの例としては、ブチルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、モノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレンモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1-メトキシ-2-ブタノール、2-メトキシ-1-ブタノール、2-メトキシ-2-メチルブタノール、1,1-ジメトキシエタン、および2-(2-ブトキシエトキシ)エタノールが挙げられる。好ましいグリコールエーテル溶媒としては、ジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)が挙げられる。
【0051】
幾つかの態様では、開示され、そして特許請求された組成物中の(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒の量は、以下の質量%のリスト、50、55、59.5、60、65、70、75および80から選択された開始点および終点を有する範囲であることができる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物中の(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約50質量%~約80質量%である。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物中の(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約50質量%~約70質量%である。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物中の(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約50質量%~約60質量%である。
【0052】
1つの態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、ジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)を含んでいる。
【0053】
1つの態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、ジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)から本質的になる。。
【0054】
1つの態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、ジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。この態様の更なる態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約50質量%~約60質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。この態様の更なる態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約54質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。この態様の更なる態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約59質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。この態様の更なる態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約53.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。この態様の更なる態様では、(ii)1種もしくは2種以上の有機水溶性グリコールエーテル溶媒は、約58.9質量%のジエチレングリコールブチルエーテル(BDG)からなる。
【0055】
(iib)アミド
【0056】
上記のように、幾つかの態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、およびN,N-ジメチルプロピオンアミドから選択された1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。
【0057】
幾つかの態様では、洗浄組成物は、(iib)ジエチルホルムアミド(DEF)を含む1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約50質量%~約60質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約55質量%~約60質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58質量%~約60質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58質量%~約59質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約51質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約52質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約53質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約54質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約55質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約56質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約57質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.1質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.2質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.3質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.4質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.5質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.6質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.7質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.8質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約58.9質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約59質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の中の1つの態様では、本組成物は、約60質量%の(iib)ジエチルホルムアミドを含んでいる。
【0058】
幾つかの態様では、洗浄組成物は、(iib)N-メチルホルムアミドを含む1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約50質量%~約60質量%の(iib)N-メチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約55質量%~約60質量%の(iib)N-メチルホルムアミドを含んでいる。
【0059】
幾つかの態様では、洗浄組成物は、(iib)N-エチルホルムアミドを含む1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約50質量%~約60質量%の(iib)N-エチルホルムアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約55質量%~約60質量%の(iib)N-エチルホルムアミドを含んでいる。
【0060】
幾つかの態様では、洗浄組成物は、(iib)N,N-ジメチルアセトアミドを含む1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約50質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルアセトアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約55質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルアセトアミドを含んでいる。
【0061】
幾つかの態様では、洗浄組成物は、(iib)N,N-ジメチルプロピオンアミドを含む1種もしくは2種以上のアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約50質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルプロピオンアミドを含んでいる。それらの態様の1つの態様では、本組成物は、約55質量%~約60質量%の(iib)N,N-ジメチルプロピオンアミドを含んでいる。
【0062】
(iii)フッ化物イオン源
【0063】
上記のように、開示され、そして特許請求された洗浄組成物は、(iii)1種もしくは2種以上の純フッ化アンモニウムおよび純HFを含むフッ化物源を含んでいる。フッ化物イオンは、主に、フォトレジストおよびエッチング後の残渣の除去を援けるように機能する。開示され、そして特許請求された主題によるフッ化物イオン源を与える典型的な化合物は、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化第四級アンモニウム、フルオロホウ酸塩、フルオロホウ酸、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、六フッ化アルミニウム、および次式を有する脂肪族第一級、第二級または第三級アミンのフッ化物塩を含む。
NR
式中、R、R、RおよびRは、独立してHまたは(C1-C4)アルキル基を表す。典型的には、R、R、RおよびR基の炭素原子の全数は、12個以下の炭素原子である。脂肪族第一級、第二級または第三級アミンのフッ化物塩の例は、例えばフッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化メチルトリエチルアンモニウム、およびフッ化テトラブチルアンモニウム。
【0064】
フッ化物イオン源を選択するに当たっては、その供給源が洗浄される表面に悪影響を与えるか否かが考慮されなければならない。例えば、半導体素子の洗浄では、洗浄用液中のナトリウムまたはカルシウムの存在が、その素子の表面に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0065】
1つの態様では、フッ化物イオン源はNHFである。1つの態様では、フッ化物源は、HFである。1つの態様では、フッ化物源は、NHFとHFの組み合わせである。幾つかの態様では、NHFがフッ化物イオン源として含まれる場合には、それは、40%のフッ化アンモニウムを含む水溶液として提供される。HFがフッ化物イオン源として含まれる場合には、商業的な品種のフッ化水素酸を用いることができる。典型的には、商業的に入手可能なフッ化水素酸は、5%~70%の水溶液として入手可能である。好ましい態様では、電子工学品種のHF酸溶液が用いられ、そのような電子工学品種の溶液は、典型的には100粒子/mL未満の粒子数を有し、そしてその粒子のサイズは、0.5ミクロン以下であり、そして金属イオンは、その酸中に、低ppm~ppbの水準(体積)で存在する。
【0066】
幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.5質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.1質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.2質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.3質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.4質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.05質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.1質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.2質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.3質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.4質量%の純NHFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.5質量%の純NHFを含む。
【0067】
幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.15質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.12質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.01質量%~約0.10質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.05質量%~約0.15質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.05質量%~約0.10質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.10質量%~約0.15質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.025質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.03質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.035質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.04質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.045質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.05質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.06質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.07質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.08質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.09質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.10質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.12質量%の純HFを含む。幾つかの特定の態様では、フッ化物イオン源は、約0.15質量%の純HFを含む。
【0068】
(iv)緩衝剤
【0069】
上記のように、開示され、そして特許請求された洗浄組成物は、(iv)1種もしくは2種以上の緩衝剤を含む。緩衝材は、洗浄組成物のpHを、約3~約9の範囲に調整するのに用いられ、このpHが、最も要注意の金属が最小の腐食で洗浄されることを可能にさせる。
【0070】
高度に無機のエッチング残渣および酸化物スキミングの除去には、しかしながら若干酸性のpHが必要とされる。従って、幾つかの態様では、洗浄組成物のpHは、エッチング残渣の洗浄の最適な有効性のために、約3~約6の範囲に調整される。他の態様では、洗浄組成物のpHは、エッチング残渣の洗浄の最適な有効性のために、約4~約6の範囲に調整される。エッチング残渣の洗浄の最適な有効性のために、約4~約7の範囲に調整される。
【0071】
好ましい緩衝剤は、カルボン酸および/または多塩基酸のアンモニウム塩を含んでいる。そのようなアンモニウム塩の例としては、酢酸またはリン酸もしくはクエン酸のアンモニウム塩がある。1つの態様では、例えば、緩衝剤は、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液である。緩衝剤溶液の調製方法は、当技術分野でよく知られている。酸性の緩衝剤溶液は、開示され、そして特許請求された主題の組成物に加えられる場合には、要注意の金属、例えばアルミニウム、銅、チタンなどの腐食を最小化するように調整されたpHを有する緩衝剤組成物を与え、この酸性の緩衝剤溶液は、所望のpHを得るために必要な量が加えられる。酸性の緩衝剤溶液の添加は、水による希釈や、塩基もしくは酸による混合のためのpHの変動を防止する。
【0072】
幾つかの態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、その組成物の約1質量%~約10質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約1質量%~約5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約1質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約1.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約2質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約2.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約3質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約3.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約4質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約4.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約5.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約6質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約6.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約7質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約7.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約8質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約8.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約9質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約9.5質量%の緩衝剤を含んでいる。他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、約10質量%の緩衝剤を含んでいる。
【0073】
上記の範囲に加えて、洗浄組成物は、以下の質量%のリスト、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10からの開始点および終点を有する範囲内で1種もしくは2種以上の緩衝剤(単味)の量(全量)を含むことができる。
【0074】
1つ態様では、(iv)緩衝剤は、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液である。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約4.0質量%~約5.0質量%の、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約4.25質量%~約4.75質量%の、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約4.5質量%の、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約4.6質量%の、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約4.7質量%の、酢酸アンモニウムと酢酸の水溶液を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約1.5質量%~約3.0質量%の酢酸アンモニウムおよび約1.5質量%~約3.0質量%の酢酸を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約2.0質量%~約3.0質量%の酢酸アンモニウムおよび約1.5質量%~約2.5質量%の酢酸を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約2.5質量%の酢酸アンモニウムおよび約2.0質量%の酢酸を含んでいる。この態様の1つの態様では、(iv)緩衝剤は、約2.6質量%の酢酸アンモニウムおよび約2.0質量%の酢酸を含んでいる。
【0075】
(v)水
【0076】
開示され、そして特許請求された洗浄組成物は、水系であり、そして従って水を含んでいる。水は様々な方法で、例えばその組成物中の1種もしくは2種以上の固体成分を溶解するように、その成分の担体として、無機塩および錯体の除去を促進する助剤として、その組成物の粘度調整剤として、そして希釈剤として、機能する。好ましくは、洗浄組成物に用いられる水は、脱イオン水(DIW)である。
【0077】
1つの態様では、洗浄組成物は、約10質量%~約40質量%、または約20質量%~約40質量%の水を含んでいる。他の態様では、洗浄組成物は、約25質量%~約35質量%の水を含んでいる。
【0078】
開示され、そして特許請求された組成物中の(v)水の量は、その洗浄組成物の、10、11、13、25、26、29、30、31、32、34、36、39、40質量%の群から選択された下限点および上限点のいずれかを有するいずれかの範囲であることができる。例えば、水の量は、約10質量%~約40質量%、または約15質量%~約35質量%、または約20質量%~約35質量%、または下限点および上限点のいずれかの他の組み合わせの範囲であることができる。幾つかの態様では、例えば、水の量は、約10質量%~約30質量%、約20質量%~約30質量%、約25質量%~約35質量%、約20質量%~約40質量%、約20質量%~約45質量%、約25質量%~約32質量%、約30質量%~約35質量%、約28質量%~約32質量%、約29質量%~約35質量%の範囲であることができる。当業者には、水の量は、それらの範囲の中で、そして付近で変更されることができ、そして開示され、そして特許請求された主題の範囲内になお納まることが理解されるであろう。
【0079】
(vi)随意選択的な腐食防止剤
【0080】
開示され、そして特許請求された主題は、更に随意選択的に1種もしくは2種以上の腐食防止剤を含む。腐食防止剤は、エッチングされる基材表面上に暴露されたいずれかの金属、特には銅、または非金属と反応して、その表面を不働態化し、そして洗浄の間の過剰のエッチングを防ぐように作用する。腐食防止剤の例としては、カルボキシル基含有有機化合物およびその無水物、ならびにチアゾール化合物、およびイミダゾール化合物が挙げられる。
【0081】
例示のカルボキシル基含有有機化合物およびその無水物としては、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、グリコール酸、乳酸 、マレイン酸、無水酢酸、サリチル酸が挙げられる。
【0082】
例示のトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、o-トリルトリアゾール、m-トリルトリアゾール、p-トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、およびジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0083】
例示のイミダゾール化合物としては、ベンズイミダゾールおよび2-メルカプトベンズイミダゾールが挙げられる。
【0084】
例示の態様では、開示され、そして特許請求された主題の組成物中の1種もしくは2種以上の腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、D-フルクトース、t-ブチルカテコール、L-アスコルビン酸、バニリン、サリチル酸、ジエチルヒドロキシルアミン、ポリ(エチレンイミン)、2-メルカプトベンズイミダゾールの1種もしくは2種以上が挙げられる。
【0085】
他の態様では、1種もしくは2種以上の腐食防止剤としては、トリアゾールであり、そしてベンゾトリアゾール、o-トリルトリアゾール、m-トリルトリアゾール、およびp-トリルトリアゾールの少なくとも1種であり、より好ましくは腐食防止剤としてはベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0086】
存在する場合には、開示され、そして特許請求された組成物は、その組成物の約0.1質量%~約15質量%の1種もしくは2種以上の腐食防止剤(単味)を含み、好ましくは、それは、その組成物の、約0.1~約10質量%、好ましくは、約0.5~約5質量、そしてより好ましくは約0.1~約1質量%、または約0.1~約0.5質量%含んでいる。上記の範囲に加えて、開示され、そして特許請求された組成物は、以下の質量%のリスト、0.1、0.2、0.25、0.4、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10および15からの開始点および終点を有する範囲内の1種もしくは2種以上の腐食防止剤の量(全量)を含むことができる。
【0087】
他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、腐食防止剤を実質的に含まない。
【0088】
他の態様では、開示され、そして特許請求された組成物は、腐食防止剤を含まない。
【0089】
他の随意選択的に除外された成分
【0090】
他の態様では、本組成物は、酸化剤、界面活性剤、化学的改質剤、染料および/または殺生物剤のいずれかもしくは全てを含む、実質的に含まない、または含まない、ことができる。
【0091】
幾つかの態様では、開示され、そして特許請求された主題の組成物は、硫黄含有化合物、臭素含有化合物、塩素含有化合物、ヨウ素含有化合物、ハロゲン含有化合物、リン含有化合物、金属含有化合物、ナトリウム含有化合物、カルシウム含有化合物、アルキルチオール、有機シラン、リチウム含有化合物、ケイ素含有化合物、酸化剤、過酸化物、緩衝種、ポリマー、無機酸、アミド、金属水酸化物および研磨剤の少なくとも1種、またはいずれかの組み合わせで2種以上、以下の全てを含まないもしくは実質的に含まない、あるいは組成物中に既に存在する場合には以下のいずれかの追加分を含まないことができる。
【0092】
使用方法
【0093】
開示され、そして特許請求された主題は、開示され、そして特許請求されたフォトレジスト剥離剤溶液の1種を用いて基材から、1種もしくは2種以上のフォトレジストまたは同様の材料の、全部もしくは一部を除去する方法を更に含んでいる。上記のように、開示され、そして特許請求されたフォトレジスト剥離剤溶液は、単層または特定の種類の二層レジストで存在するポリマーのレジスト材料を除去するのに用いられることができる。以下に教示される方法を用いて、ポリマーレジストのポリマーの単層は、単一のポリマー層を有する標準のウエハから、効果的に取り除かれることができる。同じ方法がまた、第1の無機層および第2のもしくは外側のポリマー層で構成される二層を有するウエハから、単一のポリマー層を除去するのに用いられることができる。最後に、2つのポリマー層が、2つのポリマー層で構成される二層を有するウエハから効果的に除去されることができる。
【0094】
この態様の1つの態様では、基材からフォトレジストまたは同様の材料を除去するためのプロセスまたは方法は、以下の(i)~(iv)を含んでいる。
(i)基材を1種もしくは2種以上のフォトレジスト剥離剤溶液と、フォトレジストまたは同様の材料の所望の量を除去するのに十分な時間に亘って接触させる工程、
(ii)剥離溶液から基材を取り出す工程、
(iii)剥離溶液を基材からDI水または溶媒で洗浄する工程、ならびに、
(iv)随意選択的に、基材を乾燥する工程。
【0095】
1つの態様では、工程(i)は、基材を1種もしくは2種以上のフォトレジスト剥離剤溶液に浸漬させること、および随意選択的に、フォトレジストの除去を促進するように基材を攪拌することを含んでいる。そのような撹拌は、機械的に撹拌すること、循環すること、または組成物を通して不活性ガスをバブリングさせることによって影響を与えられることができる。
【0096】
1つの態様では、工程(ii)は、水またはアルコールで洗浄された基材を洗浄することを含んでいる。この態様の1つの態様では、脱イオン(「DI」)水が、水の好ましい形態である。この態様の他の態様では、イソプロパノール(IPA)が好ましい溶媒である。この態様の他の態様では、酸化を受ける成分は、不活性雰囲気下で洗浄される、または洗浄されることができる。
【0097】
上記の方法(ならびにその変形)を用いて、開示され、そして特許請求されたフォトレジスト剥離溶液は、厚い、そして薄いポジ型もしくはネガ型のフォトレジストの除去のために用いれられることができる。厚いフォトレジストは、半導体装置のための進歩したパッケージ用途における約5μm~約100μm以上、または約15μm~100μm、または約20μm~約100μmのレジストであることができる。他の場合には、本化学薬品溶液は、約1μm~約100μm以上、または約2μm~100μm、または約3μm~約100μmのフォトレジストを除去するのに用いられることができる。
【実施例1】
【0098】
【0099】
本開示のより具体的な態様とそのような態様を支持する実験的な結果について言及される。開示された主題をより完全に説明するために例が与えられ、そして開示された主題を決して限定するとは理解されてはならない。
【0100】
開示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、開示された主題とここに与えられた具体的な例に、種々の修正および変更をなすことができることが、当業者には明らかである。従って、以下の例によって与えられる説明を含めた、開示された主題は、いずれかの請求項およびそれらの等価物の範囲内にはいる、開示された主題の修正および変更を包含することが意図されている。
【0101】
例で用いられる省略形は以下のとおりである。
【表1】
【0102】
フォトレジストの除去能力は、光学顕微鏡によって測定された。酸化ケイ素およびTEOS膜のエッチング速度は、エッチング前後の厚さの変化から評価され、そして分光エリプソメトリーSCI FilmTek SE2000によって測定された。典型的な開始時の厚さは、酸化ケイ素では1000Åであった。ITO、アルミニウム、チタンのエッチング速度は、エッチング前後の厚さの変化から評価され、そしてCDE Resmapによって測定された。典型的な開始時の厚さは、ITO、AlおよびTi基材では1000Åであった。全てのビーカー試験およびエッチング速度試験は、周囲温度~60℃で行われた。データは、40℃および35℃で報告された。種々の基材のウエハ試片が、配合物中に、所望のプロセス温度およびプロセス時間で浸漬された。DIW洗浄の後に、ウエハ試片は、窒素ガスでブロー乾燥された。膜厚が、CDS Resmap(金属基材)またはエリプソメーター(誘電体基材)によって測定された。配合物浸漬の前後で膜厚の差異を計算し、プロセス時間を使用してエッチング速度を導出した。洗浄試験は、パターン化したウエハ基材を配合物中に一定時間に亘って浸漬することによって行われた。ウエハの洗浄の後に、基材はNブローによって乾燥された。洗浄性能は、次いでSEMによって評価された。概して、側壁に沿ったエッチング後の残渣が効果的に除去された場合に、洗浄性能は許容可能である。更に、基材上に識別できる損傷が観察されてはならない。このことは基材のエッチング速度データでもまた確認される。配合物が基材と適合できる場合には、基材の低いエッチング速度が観察されなければならない。
【表2】
【0103】
テーブル1には、フッ化物イオンを含む配合物1が、12μmのフォトレジスト層の除去をもたらし、一方で、フッ化物イオンが排除された配合物2は、いずれのフォトレジストエッチングをも示さず、フッ化物イオンの存在が、フォトレジスト除去の枢要な成分であることを示唆していることが示されている。
【表3】
【0104】
テーブル2には、異なる溶媒がフッ化物イオンと組み合わせて用いられた場合の、フォトレジスト除去の量と洗浄性能への効果が示されている。それらの溶媒の中で、BDG系配合物5は、NMP系配合物1と同様の洗浄性能を示したが、しかしながらより高いフォトレジスト除去量とSiOエッチング速度が観察された。PG系配合物3は、遥かに少ないフォトレジスト除去量とより低いSiOエッチング速度を示したが、しかしながら洗浄性能は不十分であった。他の溶媒は、ITOエッチング速度に有意な効果を有さなかった。全てのITOエッチング速度は低く、全てのフッ化物配合物はITO基材に対して良好な適合性を有することを示唆している。
【表4】
【0105】
テーブル3には、BDG系配合物に20%超のPGを加えることによって、フォトレジストエッチング量とSiOエッチング速度の両方が低下されるが、しかしながら、洗浄性能はなお向上させる必要があることが示されている。
【表5】
【0106】
テーブル4には、配合物6と7を比較した場合には、PG濃度を10%未満に低下させると、SiOエッチング速度に明らかな増加をもたらすが、しかしながら洗浄性能は向上したことが示されている。SiOエッチング速度は、PGおよびBDG混合溶媒系の配合物においてフッ化物濃度を低下させることによって、洗浄性能に影響を与えることなく、低下された。
【表6】
【0107】
テーブル5には、異なる溶媒を含む配合物における、アルミニウム含有残渣とケイ素含有残渣であるエッチング後の残渣への洗浄性能を示している。BDGおよびPGを用いた配合物は、洗浄後に基材上に少ない残渣を示した。他方で、唯一の溶媒DEFのみを含む配合物13は、良好な洗浄性能を示した。それらの結果は、DEFの極性が、Al含有残渣の除去に、重要な役割を演じることを示している。DEF溶媒のみが、エッチング後の残渣を効果的に除去でき、BDGおよびPGを用いた配合物は、洗浄の後に、なお幾らかのエッチング後の残渣を示した。
【0108】
開示され、そして特許請求された主題が、ある程度の具体性をもって説明され、そして例示されてきたが、この開示は、例のみとしてなされてきたこと、そして、各工程の条件および順序には、当業者によって、開示され、そして特許請求された主題の精神と範囲から逸脱することなく、多くの変更が行われ得ることが理解されなければならない。
図1
【国際調査報告】