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特表2024-538653除去可能なコーティングを有する物品及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】除去可能なコーティングを有する物品及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/44 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/302 20060101ALI20241016BHJP
   C23C 28/04 20060101ALI20241016BHJP
   C23C 16/56 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
C23C16/44 A
H01L21/302 201A
C23C28/04
C23C16/56
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519847
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 US2022044439
(87)【国際公開番号】W WO2023055653
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/250,475
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウォルドフリード, カルロ
【テーマコード(参考)】
4K030
4K044
5F004
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA14
4K030BA02
4K030BA35
4K030BA38
4K030BA42
4K030BA43
4K030CA02
4K030EA03
4K030FA10
4K030HA01
4K030KA45
4K044AA06
4K044AB02
4K044BA12
4K044BA20
4K044BB03
4K044CA14
5F004BA19
5F004DA01
5F004DA02
5F004DA15
5F004DA16
5F004DA20
5F004DB08
5F004DB12
5F004EA23
5F004EA34
(57)【要約】
いくつかの実施形態は、除去可能なコーティングを有する物品に関する。物品は、基板と、基板上のコーティングとを含み得る。基板を損傷することなくコーティングの除去を可能にするために、基板とコーティングとの間にエッチング停止層を設けてもよい。いくつかの実施形態は、物品からコーティングを除去する方法に関する。本方法は、基板と基板上のコーティングとの間にエッチング停止層を含む物品を取得することと、物品からコーティングの少なくとも一部を除去することとを含み得る。他の実施形態は、物品及び関連する方法をさらに提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品からコーティングを除去するための方法であって、
物品を取得することであり、物品が、
第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む基板と、
第2の金属成分を含むコーティングと、
フッ化マグネシウムを含むエッチング停止層であって、マグネシウム含有金属体とコーティングとの間に位置する、エッチング停止層と
を含む、物品を取得することと、
物品からコーティングの少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
基板が、プレナム、トレンチ、穴を画定する構造、チャネルを画定する構造、キャビティを画定する構造又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基板がウェハ基板ではない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
基板が集積回路ではない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
コーティングが、
前の状態から化学的に改変されたコーティング、
前の状態から改変された表面を有するコーティング、
前の状態から改変された厚さを有するコーティング、
不均一な厚さを有するコーティング、
用途の仕様を満たさないコーティング、
製造欠陥を有するコーティング、又は
これらの任意の組み合わせ
のうちの少なくとも1つである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第2の金属成分と第1の金属成分の両方が、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、ケイ素、銅、マンガン又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1の金属成分がアルミニウムを含み、第2の金属成分がアルミニウムを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
エッチング停止層が、基板の表面及びその下に位置するエッチング停止領域である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
除去することが、コーティングをエッチング剤と接触させることを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
エッチング剤が、エッチング停止層の少なくとも一部を除去する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
物品を反応性気相に曝露して、エッチング停止層の少なくとも一部を再編成することをさらに含み、
反応性気相がフッ素成分を含む、方法。
【請求項12】
フッ素成分が、CF、C、C、C、CHF、C、C、HF、CHF、C-C10ペルフルオロアルキル基を有する重合ペルフルオロアルキルエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EPA)、ポリヘキサフルオロプロピレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むか又はそれに由来する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
反応性気相のフッ素成分が、マグネシウム含有金属体内に存在するマグネシウムと反応して、エッチング停止層を再編成する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
除去されるエッチング停止層の厚さに対する、除去されるコーティングの厚さの比が、少なくとも2:1である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
エッチング停止層が均一な厚さを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
エッチング停止層上に代替コーティングを形成することをさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
代替コーティングが熱原子層堆積(ALD)コーティングである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
代替コーティングが、アルミナ、イットリア、チタニア、ジルコニア、酸化タンタル又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
物品を形成するための方法であって、
基板を取得することであり、
基板が、第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む、基板を取得することと、
基板を反応性気相に曝露して、基板の表面及びその下にエッチング停止層を形成することであり、
反応性気相が、マグネシウム含有金属体のマグネシウムと反応してフッ化マグネシウムを形成するフッ素成分を含む、基板を反応性気相に曝露して、基板の表面及びその下にエッチング停止層を形成することと、
エッチング停止層上にコーティングを形成することであり、
コーティングが第2の金属成分を含む、エッチング停止層上にコーティングを形成することと
を含む、方法。
【請求項20】
基板であって、
第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む基板であり、
ウェハ基板ではなく、
集積回路ではない、基板と、
コーティングであって、
第2の金属成分を含むコーティングと、
基板とコーティングとの間に位置するエッチング停止層であって、
基板の表面及びその下に形成されたフッ化マグネシウムを含む、エッチング停止層と
を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、除去可能なコーティングを有する物品及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスは、コーティングされた基板を利用する。コーティング及び基板は、典型的には、コーティングが基板に接着することを確実にするために同様の化学組成を有する。しかしながら、基板と化学的に類似しているため、基板に損傷を引き起こすことなくコーティングを除去することはできない。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様では、物品からコーティングを除去するための方法であって、方法が、
物品を取得することであり、物品が、第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む基板と、第2の金属成分を含むコーティングと、フッ化マグネシウムを含むエッチング停止層で、マグネシウム含有金属体とコーティングとの間に位置する、エッチング停止層と、を含む、物品を取得することと、
物品からコーティングの少なくとも一部を除去することと
を含む、方法が開示される。
【0004】
基板が、プレナム、トレンチ、穴を画定する構造、チャネルを画定する構造、キャビティを画定する構造、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、第1の態様に記載の第2の態様。
【0005】
基板がウェハ基板ではない、先の態様のいずれかに記載の第3の態様。
【0006】
基板が集積回路ではない、先の態様のいずれかに記載の第4の態様。
【0007】
コーティングが、前の状態から化学的に改変されたコーティング、前の状態から改変された表面を有するコーティング、前の状態から改変された厚さを有するコーティング、不均一な厚さを有するコーティング、用途の仕様を満たさないコーティング、製造欠陥を有するコーティング、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、先の態様のいずれかに記載の第5の態様。
【0008】
第2の金属成分及び第1の金属成分の両方が、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、ケイ素、銅、マンガン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、先の態様のいずれかに記載の第6の態様。
【0009】
第1の金属成分がアルミニウムを含み、第2の金属成分がアルミニウムを含む、先の態様のいずれかに記載の第7の態様。
【0010】
エッチング停止層が、基板の表面及びその下に位置するエッチング停止領域である、先の態様のいずれかに記載の第8の態様。
【0011】
除去することが、コーティングをエッチング剤と接触させることを含む、先の態様のいずれかに記載の第9の態様。
【0012】
エッチング剤が、エッチング停止層の少なくとも一部を除去する、先の態様のいずれかに記載の第10の態様。
【0013】
方法が、物品を反応性気相に曝露して、エッチング停止層の少なくとも一部を再編成することをさらに含み、反応性気相が、フッ素成分を含む、先の態様のいずれかに記載の第11の態様。
【0014】
フッ素成分が、CF、C、C、C、CHF、C、C、HF、CHF、C-C10ペルフルオロアルキル基を有する重合ペルフルオロアルキルエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EPA)、ポリヘキサフルオロプロピレン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むか、又はそれに由来する、先の態様のいずれかに記載の第12の態様。
【0015】
反応性気相のフッ素成分が、マグネシウム含有金属体内に存在するマグネシウムと反応して、エッチング停止層を再編成する、先の態様のいずれかに記載の第13の態様。
【0016】
除去されるエッチング停止層の厚さに対する、除去されるコーティングの厚さの比が、少なくとも2:1である、先の態様のいずれかに記載の第14の態様。
【0017】
エッチング停止層が均一な厚さを有する、先の態様のいずれかに記載の第15の態様。
【0018】
方法が、エッチング停止層上に代替コーティングを形成することをさらに含む、先の態様のいずれかに記載の第16の態様。
【0019】
代替コーティングが熱原子層堆積(ALD)コーティングである、先の態様のいずれかに記載の第17の態様。
【0020】
代替コーティングが、アルミナ、イットリア、チタニア、ジルコニア、酸化タンタル、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、先の態様のいずれかに記載の第18の態様。
【0021】
本明細書に開示される第19の態様は、物品を形成するための方法であって、方法が、
基板を取得することであり、基板が、第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む、基板を取得することと、
基板を反応性気相に曝露して、基板の表面及びその下にエッチング停止層を形成することであり、反応性気相が、マグネシウム含有金属体のマグネシウムと反応してフッ化マグネシウムを形成するフッ素成分を含む、基板を反応性気相に曝露して、エッチング停止層を形成することことと、
エッチング停止層上にコーティングを形成することであり、コーティングが第2の金属成分を含む、エッチング停止層上にコーティングを形成することと
を含む、方法である。
【0022】
本明細書で開示される第20の態様は、物品であって、
第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む基板であり、ウェハ基板ではなく、集積回路ではない、基板と、
第2の金属成分を含むコーティングと、
基板とコーティングとの間に位置するエッチング停止層であり、基板の表面及びその下に形成されたフッ化マグネシウムを含む、エッチング停止層と
を含む、物品である。
【0023】
本開示の一部を形成し、本明細書に記載の材料及び方法を実施することができる実施形態を示す図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、物品を形成するための方法のフローチャートである。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、物品の概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、物品からコーティングを除去するための方法のフローチャートである。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、(A)物品の形成、(B)物品の再加工、及び(C)物品の改修のための方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの実施形態は、除去可能なコーティングを有する物品及び関連する方法に関する。物品は、基板とコーティングとの間にエッチング停止層を含んでもよく、これは基板と化学的に類似していてもよい。エッチング停止層は、コーティング除去プロセスで使用される化学物質及び他の物質に耐性があり得、その結果、物品を市販の目的に適さなくする基板への変更を引き起こすことなくコーティングが除去され得る。基板に対するそのような変化の例には、限定するものではないが、改変された表面仕上げ、変更された視覚的外観、化学組成の変化、表面形態の変化などが含まれ得る。エッチング停止層は、基板とコーティングとの間に十分な接着を提供し得る。エッチング停止層は、基板の高アスペクト比特徴の完全な表面被覆率を有する高度にコンフォーマルな層であってもよい。エッチング停止層は、高温で熱安定性を示し得る。
【0026】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、除去可能なコーティングを含む物品を形成するための方法のフローチャートである。図1に示すように、方法100は、以下の工程:基板を取得する工程102、基板を反応性気相に曝露してエッチング停止層を形成する工程104、及びエッチング停止層上にコーティングを形成する工程106のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0027】
工程102において、いくつかの実施形態では、基板が取得され得る。いくつかの実施形態では、基板は、1又は複数の金属成分を含む金属体であってもよい。いくつかの実施形態では、1又は複数の金属成分のそれぞれは、元素金属、金属合金、金属化合物(例えば、金属酸化物化合物)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、1又は複数の金属成分のそれぞれは、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、1又は複数の金属成分のそれぞれは、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、ケイ素、銅、マンガン、酸化マグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、基板は、マグネシウム成分、アルミニウム成分、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、基板はマグネシウム含有金属体であってもよい。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有金属体は、マグネシウム含有金属(例えば、微量のマグネシウムを含む、任意の量のマグネシウムを含む任意の金属又は金属合金)を含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有金属は、第1のアルミニウム成分などの第1の金属成分を含み得るか、それからなり得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有金属体は、マグネシウム含有合金を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有合金は、第1のアルミニウム成分などの第1の金属成分を含み得るか、それからなり得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有金属合金は、鉄合金(例えば、鋼又はステンレス鋼)、アルミニウム合金、バナジウム合金、マグネシウム合金(例えば、マグネシウム及びリチウムを含む合金、又はマグネシウム及びアルミニウムを含む合金などの、ステンレスマグネシウム)、ニッケル合金、クロム合金、亜鉛合金、チタン合金、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得るか、又はそれからなる群から選択され得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、マグネシウム成分は、移動可能な形態のマグネシウムを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、マグネシウム成分は、金属合金、金属イオン、金属酸化物、元素マグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせとして金属形態のマグネシウムを含み得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム成分は、マグネシウム含有金属合金、マグネシウムイオン、マグネシウム含有金属酸化物、元素マグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて少なくとも0.01%~100%重量未満のマグネシウム、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づくマグネシウムの重量で、少なくとも0.01%、少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%、99%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下、0%超~100%、10%超~100%、20%超~100%、30%超~100%、40%超~100%、50%超~100%、60%超~100%、70%超~100%、80%超~100%、90%超~100%、0%超~90%、0%超~80%、0%超~70%、0%超~60%、0%超~50%、0%超~40%、0%超~30%、0%超~20%、0%超~10%、0%超~5%、0%超~1%、0.01%超~1%、0.1%超~1%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、90%~99%、95%~99%、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲を含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて1%重量以下の酸化マグネシウム(MgO)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて0.5%重量以下の酸化マグネシウムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて0.1%重量以下の酸化マグネシウムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて0.05%重量以下の酸化マグネシウムを含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて、少なくとも0.01%~100%重量未満のアルミニウムを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づくアルミニウムの重量により、少なくとも0.01%、少なくとも0.1%、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%、99%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下、0%超~100%未満、10%超~100%未満、20%超~100%未満、30%超~100%未満、40%超~100%未満、50%超~100%未満、60%超~100%未満、70%超~100%未満、80%超~100%未満、90%超~100%未満、0%超~90%、0%超~80%、0%超~70%、0%超~60%、0%超~50%、0%超~40%、0%超~30%、0%超~20%、0%超~10%、0%超~5%、0%超~1%、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素、鉄、銅、クロム、亜鉛、チタン、マンガン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、アルミニウム合金の総重量に基づいて96%~98%重量のアルミニウム、アルミニウム合金の総重量に基づいて0.5%~1.2%重量のマグネシウム、アルミニウム合金の総重量に基づいて0.4%~0.8%重量のケイ素、アルミニウム合金の総重量に基づいて0%超~0.7%重量の鉄、アルミニウム合金の総重量に基づいて0.1%~0.4%重量の銅、アルミニウム合金の総重量に基づいて0%超~0.4%重量のクロム、アルミニウム合金の総重量に基づいて0%超~0.3%重量の亜鉛、アルミニウム合金の総重量に基づいて0%超~0.3%重量のチタン、アルミニウム合金の総重量に基づいて0%超~0.2%重量のマンガン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むか、それからなるか、又はそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、1若しくは複数の金属、1若しくは複数の遷移金属、1若しくは複数の半導体材料、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、1又は複数の半導体材料は、ガリウム、アンチモン、テルル、ヒ素、ポロニウム、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む化合物を含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、基板は、基板の総重量に基づいて10%~99%重量のニッケル、基板の総重量に基づいて40%~99%重量のバナジウム、基板の総重量に基づいて15%~99%重量のクロム、基板の総重量に基づいて40%~99%重量のアルミニウム、基板の総重量に基づいて40%~99%重量の亜鉛、基板の総重量に基づいて40%~99%重量のチタン、基板の総重量に基づいて0%超~100%未満の鉄、基板の総重量に基づいて2%~3%重量のモリブデン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、上記の重量パーセンテージは、金属又は元素形態の金属を含む金属成分に関する。
【0035】
いくつかの実施形態では、基板は少なくとも1つの特徴を有し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴は、プレナム、トレンチ、穴を画定する構造、開口部を画定する構造、細孔チャネルを画定する構造、キャビティを画定する構造(例えば、キャビティを画定する部分的に囲まれた領域)、平面、非平面、又はそれらの任意の組み合わせを含み得るか、それからなり得るか、又はそれから本質的になり得るか、又はそれからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴は、アスペクト比を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、幅に対する深さの比を指し得る。いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、深さに対する幅の比を指し得る。いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、長さ、幅、又は高さのうちの2つの比を指し得る。いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、直径に対する深さの比を指し得る。いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、深さに対する直径の比を指し得る。いくつかの実施形態では、特徴のアスペクト比は、幅、深さ、高さ、直径、及び円周のうちの少なくとも1つの比を指し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの特徴は、2:1~1000:1又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲のアスペクト比を有してもよい。例えば、少なくとも1つの特徴は、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも30:1、少なくとも35:1、少なくとも40:1、少なくとも45:1、少なくとも50:1、少なくとも55:1、少なくとも60:1、少なくとも65:1、少なくとも70:1、少なくとも75:1、少なくとも80:1、少なくとも85:1、少なくとも90:1、少なくとも95:1、少なくとも100:1、少なくとも200:1、少なくとも300:1、少なくとも400:1、少なくとも500:1、少なくとも600:1、少なくとも700:1、少なくとも800:1、少なくとも900:1、1000:1まで、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲のアスペクト比を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、基板はウェハ基板を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、基板はシリコンウェハを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、基板は集積回路を含まなくてもよい。
【0038】
工程104において、いくつかの実施形態では、基板を反応性気相に曝露してエッチング停止層を形成し得る。いくつかの実施形態では、曝露は、エッチング停止層の形成をもたらすのに十分な条件下で行われてもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、反応性気相を基板に曝露するように構成されたチャンバ内で行われてもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、プロセスチャンバ内で行われてもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、反応器内で行われてもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、固体又は液体前駆体材料を気化させて反応性気相を取得し、反応性気相をプロセスチャンバ又は反応器に供給することによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、反応性気相をプロセスチャンバ又は反応器に、(例えば、固体又は液体前駆体材料を気化させて反応性気相を取得することなく)供給することによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、プラズマフリー堆積プロセスによって形成される。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、非プラズマ堆積プロセスによって形成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、反応性気相は、フッ素成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、反応性気相は、液体又は固体から誘導され得る分子状フッ素源蒸気を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フッ素成分は、分子状フッ素を含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、フッ素成分は、イオン性ではないか、実質的にイオン性ではないか、プラズマを形成するために(例えば、熱以外のエネルギーを加えることによって)処理されていないか、又はそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、フッ素成分は、フッ素化有機化合物、ペルフルオロ化有機化合物、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、例えば、フッ素成分は、フッ素化アルカン、ペルフルオロ化アルカン、フッ素化アルケン、ペルフルオロ化アルケン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得、そのうちの任意の1つ又は複数は直鎖状又は分岐状であってもよい。いくつかの実施形態では、フッ素成分は、CF、C、C、C、CHF、C、C、HF、CHF、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得るか、又はそれからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、反応性気相は、プラズマ、プラズマを発生させるプロセス、又はそれらの任意の組み合わせとは異なる。
【0040】
いくつかの実施形態では、反応性気相は、非ガス状フッ素化ポリマー(例えば、固体又は液相フッ素化ポリマー)に由来するガス状フッ素化ポリマーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、フッ素化ポリマーは、ホモ重合体又は共重合体であってもよい。いくつかの実施形態では、フッ素化ポリマーは、少なくとも1つのフルオロオレフィンモノマーと、場合により少なくとも1つの非フッ素化コモノマーとの共重合体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フッ素化ポリマーは、フッ素化(すなわち、部分的にフッ素化)されていてもよく、ペルフルオロ化されていてもよく、又は非フッ素ハロゲン原子、例えば限定されないが塩素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、分子状フッ素源は、室温で液体又は固体であり得るが、本明細書に開示されるプロセス温度で気化する。フルオロポリマーの非限定的な例としては、限定されないが、C-C10ペルフルオロアルキル基を有する重合ペルフルオロアルキルエチレン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA);テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP);テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EPA);ポリヘキサフルオロプロピレン;エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE);ポリトリフルオロエチレン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF);ポリフッ化ビニル(PVF);ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE);又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、フッ化マグネシウム(MgF)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層のフッ化マグネシウムは、基板内に存在するマグネシウム成分と反応性気相中に存在するフッ素成分との反応生成物であってもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層のフッ化マグネシウムは、基板の表面及び基板の表面の下に形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フッ素成分は、基板の表面に存在するマグネシウム、基板の表面の下に存在するマグネシウム、基板のバルク部分から表面又は表面に近接する領域に拡散又は移動するマグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つと反応し得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、基板の表面上に形成された実質的に別個の階層でなくてもよく、むしろ、基板の表面及び場合によりその下に形成された領域であってもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、コーティングプロセス又は堆積プロセス(例えば、化学蒸着、原子層蒸着、物理蒸着など)を介して基板表面に適用される層ではない(したがって、異なる)。
【0042】
いくつかの実施形態では、エッチング停止領域は、マグネシウム化合物、フッ化物化合物、フッ化マグネシウム化合物、酸化物化合物、金属化合物、金属酸化物化合物、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止領域は、フッ化マグネシウム(MgF)、金属酸化物化合物、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、金属酸化物化合物は反応生成物であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、金属酸化物化合物は、基板を酸素に曝露すると形成され得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、イットリアを含む原子層堆積(ALD)コーティングを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、ジルコニアを含むALDコーティングを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、チタニアを含むALDコーティングを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、AlOを含むALDコーティングを含んでもよく、xは1~5であり、Nは1~5である。
【0043】
いくつかの実施形態では、曝露は、1又は複数のプロセス条件で行われ得る。いくつかの実施形態では、プロセス条件は、200℃~500℃(例えば、350℃~500℃、375℃~425℃、375℃~450℃、400℃~425℃、400℃~450℃など)の温度、100トール~1500トール(250トール~1000トール、500トール~1000トール、250トール~1250トール、500トール~1250トールなど)の圧力、1時間~15時間(例えば、2時間~13時間、3時間~12時間など)の持続時間、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、プロセス条件は、フッ素成分のフッ素が基板内に存在するマグネシウムと反応してフッ化マグネシウム(MgF)を形成するのに十分であるべきである。いくつかの実施形態では、プロセス条件は、フッ素成分のフッ素を基板内に存在するマグネシウムと反応させてMgFを形成するのに十分な温度、圧力、持続時間、又はそれらの任意の組み合わせであるべきである。いくつかの実施形態では、プロセス条件は、所定の厚さ、所定の被覆率、所定の特性(例えば、耐食性、耐エッチング性、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを取得するために変更又は調整することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、表面被覆率は、フッ化マグネシウムを含むマスクされていない曝露表面(例えば、ガス曝露面)のパーセンテージを指し得る。いくつかの実施形態では、曝露面は、マスクされていない面を指してもよい。いくつかの実施形態では、表面被覆率は、少なくとも80%~100%、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、表面被覆率は、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%であり得る。いくつかの実施形態では、表面被覆率は、80%~100%の範囲、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、コンフォーマル層である。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、実質的に均一な厚さ又は均一な厚さを有する層である。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、耐食性層であってもよく、又は耐食性基板表面を形成してもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、耐エッチング層であってもよく、又は耐エッチング基板表面を形成してもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、基板の表面を不動態化し得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、保護層であり得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、少なくとも1つの改善された表面特性を付与することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、エッチング停止領域は、1nm~200nm、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の厚さを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エッチング停止領域は、5nm~200nm、10nm~200nm、25nm~200nm、50nm~200nm、100nm~200nm、150nm~200nm、1nm~150nm、25nm~150nm、50nm~150nm、100nm~150nm、25nm~130nm、50nm~130nm、75nm~130nm、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止領域の厚さは、他の技術の中でも、走査型電子顕微鏡(SEM)断面、X線光電子分光法(XPS)深さプロファイリング、又はエネルギー破壊型X線顕微鏡分析(EDAX)によって測定され得る。
【0047】
工程106において、コーティングは、エッチング停止層、基板、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも一方の上に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、物品を1又は複数の前駆体ガスに曝露して、エッチング停止層、基板、又はそれらの任意の組み合わせの表面上にコーティングを形成することによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、堆積プロセスによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、非プラズマ堆積プロセスを含み得る。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、プラズマフリー堆積プロセスを含み得る。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)、溶液堆積、又は物理蒸着(PVD)のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは熱原子層堆積を含み得る。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、コーティングを形成するためのサイクリック原子層堆積プロセスを含み得る。いくつかの実施形態では、コーティングは、原子層堆積(ALD)コーティング又は熱ALDコーティングである。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、コンフォーマルコーティングを形成するプロセスである。いくつかの実施形態では、コンフォーマルコーティングは、均一又は実質的に均一な厚さを有するコーティングを含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、形成は、原子層堆積のためのプロセスシーケンスを含み得る。いくつかの実施形態では、プロセスシーケンスは、1又は複数の前駆体をサイクリック原子層堆積(ALD)プロセスで利用してALDコーティング又は熱ALDコーティングを形成するものであってもよい。いくつかの実施形態では、曝露は、3D物品を反応チャンバ内で少なくとも第1の前駆体と接触させ、反応チャンバをパージし、3D物品を反応チャンバ内で少なくとも第2の前駆体と接触させ、反応チャンバをパージしてサイクルを完了する、プロセスシーケンスを含み得る。いくつかの実施形態では、形成は、1~5000サイクルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、形成は、100~5000サイクルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、形成は、50~1500サイクルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、形成は、所望の厚さ、所望の特性、又は他の特質を達成するのに十分な数のサイクルを含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、1又は複数の前駆体ガスは、形成される特定のALDコーティングに基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態では、トリメチルアルミニウム及びオゾンを含む1又は複数の前駆体は、Alを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、トリメチルアルミニウム及び水を含む1又は複数の前駆体は、A1を堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、金属M又はLnのシクロペンタジエニル化合物を含む1又は複数の前駆体は、オゾン(O)又は水蒸気(HO)を利用するサイクリックALDプロセスでMO又はLnを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、M又はLnのベータ-ジケトネートを含む1又は複数の前駆体は、ベータ-ジケトネート金属前駆体の反応性パルスがOのパルスと交互になるサイクリックALDプロセスでMO又はLnを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。
【0050】
例えば、いくつかの実施形態では、原子層堆積は、トリメチルアルミニウム及びオゾンをサイクリックALDプロセスで利用してALDコーティングを形成するプロセスシーケンスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、トリメチルアルミニウム及び水をサイクリックALDプロセスで利用してALDコーティングを形成するプロセスシーケンスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、シクロペンタジエニルM化合物及びオゾンをサイクリックALDプロセスで利用してALDコーティングを形成するプロセスシーケンスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、シクロペンタジエニルM化合物及び水をサイクリックALDプロセスで利用してALDコーティングを形成するプロセスシーケンスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、原子層堆積は、Mベータジケトネート化合物及びオゾンをサイクリックALDプロセスで利用してALDコーティングを形成するプロセスシーケンスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、他の金属酸化物前駆体化合物を使用してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、トリメチルアルミニウム及びオゾンを含む1又は複数の前駆体は、Alを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、トリメチルアルミニウム及び水を含む1又は複数の前駆体は、A1を堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、金属M又はLnのシクロペンタジエニル化合物を含む1又は複数の前駆体は、オゾン(O)又は水蒸気(HO)を利用するサイクリックALDプロセスでMO又はLnを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。いくつかの実施形態では、M又はLnのベータ-ジケトネートを含む1又は複数の前駆体は、ベータ-ジケトネート金属前駆体の反応性パルスがOのパルスと交互になるサイクリックALDプロセスでMO又はLnを堆積させるための有用な前駆体組成物であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、1又は複数の前駆体リガンドをコーティングの堆積に使用してもよい。いくつかの実施形態では、1又は複数の前駆体リガンドは、水素、C-C10アルキル(直鎖状又は分岐状、環式又は非環式、飽和又は不飽和であってもよい);アリール、複素環、アルコキシ、シクロアルキル、シリル、シリルアルキル、シリルアミド、トリメチルシリルシリル置換アルキル、トリアルキルシリル置換アルキン、トリアルキルシリルアミド置換アルキン、ジアルキルアミド、エチレン、アセチレン、アルキン、置換アルケン、置換アルキン、ジエン、シクロペンタジエニルアレン、アミン、アルキルアミン、二座アミン、アンモニア、RNH(式中、Rは有機基、例えばヒドロカルビル置換基である)、アミジネート、グアニジネート、ジアザジエンシクロペンタジエニル、オキシム、ヒドロキシアミン、アセテート、β-ジケトネート、β-ケトイミネート、ニトリル、ニトレート、サルフェート、ホスフェート、ハロゲン、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、それらの任意の誘導体、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、形成は、20℃~400℃、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の温度で行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、形成は、25℃~400℃、50℃~400℃、75℃~400℃、100℃~400℃、125℃~400℃、150℃~400℃、175℃~400℃、200℃~400℃、225℃~400℃、250℃~400℃、275℃~400℃、300℃~400℃、325℃~400℃、350℃~400℃、375℃~400℃、20℃~375℃、20℃~350℃、20℃~325℃、20℃~300℃、20℃~275℃、20℃~250℃、20℃~225℃、20℃~200℃、20℃~175℃、20℃~150℃、20℃~125℃、20℃~100℃、20℃~75℃、20℃~50℃、125℃~375℃、150℃~350℃、175℃~350℃、175℃~325℃、200℃~350℃、200℃~325℃、225℃~350℃、225℃~325℃、250℃~350℃、250℃~325℃、275℃~350℃、275℃~325℃、300℃~350℃、300℃~325℃、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の温度で行われ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、コンフォーマルコーティングを形成するプロセスである。いくつかの実施形態では、コンフォーマルコーティングは、均一又は実質的に均一な厚さを有するコーティングを含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、コーティング層は、1nm~50μm、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の厚さを有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コーティング層は、5μm未満、1μm未満、又は250nm未満の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、コーティング層は、100nm~250nm、1nm~4μm、1nm~3μm、1nm~2μm、1nm~1μm、1nm~900nm、1nm~850nm、1nm~800nm、1nm~750nm、1nm~700nm、1nm~650nm、1nm~600nm、1nm~550nm、1nm~450nm、1nm~400nm、1nm~350nm、1nm~300nm、1nm~250nm、1nm~200nm、1nm~150nm、1nm~100nm、1nm~50nm、50nm~5μm、100nm~5μm、200nm~5μm、300nm~5μm、400nm~5μm、500nm~5μm、600nm~5μm、700nm~5μm、800nm~5μm、900nm~5μm、1μm~5μm、2μm~5μm、3μm~5μm、4μm~5μm、1nm~750nm、1nm~500nm、2nm~500nm、1nm~250nm、20nm~125nm、20nm~250nm、20nm~500nm、50nm~500nm、50nm~400nm、50nm~300nm、50nm~200nm、15nm~200nm、20nm~50nm、10nm~40nm、30nm~50nm、1nm~5μm、1μm~5μm、1μm~4μm、1μm~3μm、1μm~2μm、5nm~5μm、1nm~1μm、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲の厚さを有し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、コーティングは、少なくとも1つの第2の金属成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の金属成分は、元素金属、金属合金、金属化合物(例えば、金属酸化物化合物)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の金属成分は、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得るか、それからなり得るか、又は本質的にそれからなり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の金属成分は、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、ケイ素、銅、マンガン、酸化マグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の金属成分は、基板の第1の金属成分に含まれる金属と同じである少なくとも1つの金属を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、いくつかの実施形態では、第1の金属成分及び第2の成分は、アルミニウム、又は他の金属のいずれか1つ又は複数を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、コーティングは、アルミナ、イットリア、チタニア、ジルコニア、酸化タンタル、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含んでもよく、それらからなってもよく、又はそれらから本質的になってもよく、又はそれらからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、Al;式MO(式中、MはCa、Mg、又はBeである)の酸化物;式M’O(式中、M’は化学量論的に許容される金属である)の酸化物;式Re(式中、Reは希土類元素、例えばランタニド元素である)の酸化物;及び式Ta(式中、xは0より大きく、yは0より大きい)の酸化物のうちの1つ又は複数を含んでもよく、それからなってもよく、又はそれから本質的になってもよく、又はそれからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ランタニド元素は、La、Sc、又はYを含んでもよく、それからなってもよく、又はそれから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、アルミナ、オキシ窒化アルミニウム、イットリア、イットリア-アルミナ、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、遷移金属酸化物、遷移金属オキシ窒化物、希土類金属酸化物、希土類金属オキシ窒化物、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含んでもよく、それらからなってもよく、又はそれらから本質的になってもよく、又はそれらからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、コーティング層をフッ素化して、YOF、YF、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つを含むコーティング層を形成することをさらに含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、物品は、例えば、限定ではないが、プロセスチャンバ、側壁、フローヘッド(例えば、シャワーヘッド)、シールド、トレイ、支持体、ノズル、バルブ、導管、物体を取り扱い又は保持するためのステージ、ウェハハンドリング固定具、セラミックウェハキャリア、ウェハホルダ、サセプタ、スピンドル、チャック、リング、バッフル、ファスナ(例えば、(ねじ付き)スクリュ、(ねじ付き)ナット、ボルト、クランプ、リベットなど)、膜、フィルタ、三次元ネットワーク、導管(例えば、ガスライン)、マニホールド(例えば、ガスマニホールド)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つなどの、半導体製造ツールの構成要素であってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、フッ化マグネシウム不動態化層は、物品が植込み型医療機器又はその任意の構成要素として有用であり得るように生体適合性であり得る。例えば、他の実施形態では、物品は、例えば、限定ではないが、医療器具、医療用インプラント、又は医療用途を有する物品の少なくとも1つなどの医療機器又は医療機器の構成要素であってもよい。医療機器及び/又はその構成要素の非限定的な例には、補綴物(例えば、膝、関節、肩、腰など)、歯科用ブレース、補聴器、スクリュ、プレート、カテーテル、チューブ、バルブ、エンクロージャ、ワイヤ、ステント、コネクタ、又はそれらの任意の組み合わせなどの少なくとも1つが含まれる。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態は、除去可能なコーティングを有する物品に関する。いくつかの実施形態では、物品は、例えば図1の方法などの本開示の方法に従って形成された物品を含む。したがって、物品は、上記及び本明細書の他の箇所に開示されたものを含む、本明細書に開示された特徴のいずれかを含むことができることが理解されよう。
【0061】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、除去可能なコーティングを含む物品の概略図である。図2に示すように、物品は、基板202、エッチング停止層204、及びコーティング206を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層204は、基板202の表面210にあってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エッチング停止層204は、基板202の表面210から基板202内の深さまで延在する基板202のエッチング停止領域であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、基板202はバルク領域208をさらに備えてもよく、バルク領域208は、エッチング停止層204を画定する領域ではない基板202の領域である。いくつかの実施形態では、エッチング停止層204は、基板202の表面210上にあってもよい。いくつかの実施形態では、コーティング206は、エッチング停止層204の表面210上にあってもよい。いくつかの実施形態では、コーティング206は、基板202の表面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、コーティング206はエッチング停止層204の表面上にあってもよく、エッチング停止層204は基板202の表面に形成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、エッチング停止層204は、基板202とコーティング206との間に配置又は位置し、基板202を商業的に有用ではない状態又は条件に分解又は化学的に改変することなく、コーティング206の除去を(例えば、限定ではないが、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つなどのエッチングによって)可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板202及びコーティング206は、エッチング停止層204の非存在下でコーティング206を除去すると基板202の少なくとも一部が除去されるように、化学的に類似していてもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層204は、コーティング206の除去が基板202のいかなる認識可能な除去ももたらさないように、又は基板の少なくともいくらかの除去が生じる場合に除去の程度が市販の目的に許容されるように、基板202の表面を不動態化し得る。このようにして、エッチング停止層204は、物品の改修及び/又は再加工を可能にする化学耐性層として有効であり得る。
【0063】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、物品からコーティングを除去するための方法のフローチャートである。図3に示すように、物品からコーティングを除去する方法300は、以下の工程:基板、第1のコーティング、及び基板と第1のコーティングとの間のエッチング停止層を含む、物品を取得する工程302;物品から第1のコーティングの少なくとも一部を除去する工程304;物品を反応性気相に曝露して、エッチング停止層の少なくとも一部を再編成する工程306;エッチング停止層上に第2のコーティングを形成する工程308のうちの1又は複数を含んでもよく、いくつかの実施形態では、第1のコーティングは使用済みコーティングであり、第2のコーティングは代替コーティングである。
【0064】
工程302において、いくつかの実施形態では、物品が取得され得る。上述のように、いくつかの実施形態では、物品は、基板、第1のコーティング、及び基板と第1のコーティングとの間のエッチング停止層とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、取得される物品は、本開示の方法に従って形成された物品(例えば、図1の方法に従って形成された物品)及び本開示の物品(例えば、図2の概略図に示されている物品)のいずれか1つ又は複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、取得される物品は、再加工のための物品を含んでもよい。いくつかの実施形態では、再加工のための物品は、第1のコーティングが、例えば製造誤差に起因する欠陥を伴って形成される物品であってもよい。いくつかの実施形態では、取得される物品は、改修のための物品を含んでもよい。いくつかの実施形態では、改修のための物品は、第1のコーティングがプロセス(例えば、半導体製造プロセス、マイクロ電子製造プロセスなど)での使用(例えば、繰り返し使用)によって劣化した物品であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、再加工、除去、置換、改修(例えば、1回又は複数回使用又は処理され、「寿命末期」条件にあると考えられるコーティング)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである任意のコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは使用済みコーティングであってもよく、使用済みコーティングは、欠陥を有する及び/又は劣化した(例えば、使用による)、任意のコーティングであってもよい。
【0065】
例えば、いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、改修されるべきコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、改修されるべきコーティングは、物品の構造、材料、使用、又は動作に有害な(例えば、物品を市販の目的に適さないものにする)状態又は条件のコーティングであってもよい。したがって、第1のコーティングは、前の状態又は条件を参照して説明され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のコーティングの前の状態又は前の条件は、本開示の方法(例えば、図1の工程106)に従って調製されたコーティングであってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、第1のコーティングは、前の状態又は前の条件のコーティングとは異なる少なくとも1つの特性、特徴、要素、特質、又は組成を有する任意のコーティングである。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、プロセス(例えば、半導体製造プロセスなど)において少なくとも1回使用されたコーティングである。いくつかの実施形態では、差は、異なる化学組成、異なる表面形態、異なる厚さ、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つであり得る。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、再加工されるべきコーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、再加工されるべきコーティングは、製造が不十分な任意のコーティングであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、用途の仕様を満たさないコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、コーティングの形成中に生成された欠陥などの欠陥を有するコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、再加工されるべきコーティングは、いずれのプロセスでも使用されていないコーティングである。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、前の状態から化学的に改変されたコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、前の状態から改変された表面を有するコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、前の状態から改変された厚さを有するコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、不均一な厚さを有するコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、用途の仕様を満たさないコーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、製造欠陥を有するコーティングであってもよい。
【0067】
工程304において、いくつかの実施形態では、第1のコーティングの少なくとも一部を物品から除去してもよい。いくつかの実施形態では、除去することは、第1のコーティングをエッチング剤と接触させて、第1のコーティングの少なくとも一部を物品から除去することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、エッチング停止層よりも第1のコーティングを優先的にエッチングする任意のエッチング剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のコーティングの除去は、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって進行し得る。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、物品から第1のコーティングをその全体において除去し得る。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、物品から第1のコーティングの少なくとも一部を除去し得る。いくつかの実施形態では、エッチング停止層は、第1のコーティングのエッチング中に基板がエッチングされるのを防止又はエッチングされる程度を少なくとも低減する。いくつかの実施形態では、エッチング剤は、エッチング停止層の少なくとも一部を除去し得る。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、エッチング以外のプロセスによって除去されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のコーティングは、単独で又は機械的除去プロセス(例えば、ブラスト、研磨、ラッピング、イオンスパッタなど)又は応力誘導分離(例えば、層間剥離)と組み合わせて適用することによって除去され得る。いくつかの実施形態では、第1のコーティングは、機械的除去プロセス(例えば、ブラスト、研磨、ラッピング、イオンスパッタなど)又は応力誘導分離(例えば、層間剥離)を適用することなく除去され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、エッチング剤は、エッチング停止層、基板、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つよりも、第1のコーティングに対する選択性を有し得る。いくつかの実施形態では、選択性は、除去された基板の厚さに対する除去されたエッチング停止層の厚さの比として定義されてもよい。いくつかの実施形態では、エッチング剤の選択性は、少なくとも1.01:1~20:1、又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、エッチング剤の選択性は、2:1~5:1、2:1~10:1、5:1~10:1、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲であり得る。いくつかの実施形態では、エッチング剤の選択性は、少なくとも2:1、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも11:1、及び/又はそれらの間の任意の範囲若しくは部分範囲であり得る。
【0069】
工程306において、いくつかの実施形態では、物品を反応性気相に曝露して、エッチング停止層の少なくとも一部を再編成することができる。いくつかの実施形態では、工程306は場合により行われる工程である。例えば、いくつかの実施形態では、工程306は、エッチング停止層の少なくとも一部がエッチング剤によって除去され得る場合に行われ得る。いくつかの実施形態では、工程306は、基板の表面の少なくとも一部がフッ化マグネシウムを含まなくてもよい場合に行われ得る。いくつかの実施形態では、工程306は、エッチング停止層又は基板の表面の少なくとも一部が、エッチング停止層、フッ化マグネシウム、又はそれらの任意の組み合わせの再編成又は修復を必要とする場合に行われ得る。いくつかの実施形態では、物品を反応性気相に曝露して、エッチング停止層を再編成する工程は、本開示の方法に従って行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、形成する工程は、図1の工程104と同様に、又は同じように行われ得る。
【0070】
工程308において、いくつかの実施形態では、第2のコーティングは、基板、エッチング停止層、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの上に再編成され得る。いくつかの実施形態では、第2のコーティングは、代替コーティングであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のコーティングは、市販の目的に適した物品を製造することができる。いくつかの実施形態では、基板、エッチング停止層、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つの上の第2のコーティング又は代替コーティングを再編成することにより、再加工又は改修された物品が生成される。いくつかの実施形態では、基板、エッチング停止層、又はそれらの任意の組み合わせの少なくとも1つの上の第2のコーティングを再編成する工程は、本開示の方法に従って行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、再編成する工程は、図1の工程106と同様に、又は同じように行われ得る。
【0071】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、(A)除去可能なコーティングを含む物品の形成、(B)物品の再加工、及び(C)物品の改修のためのプロセスの概略図である。図4の(A)に示すように、金属合金(例えば、アルミニウム合金)を含む基板402が示されている。いくつかの実施形態では、金属合金は、少なくとも90%のアルミニウムを含むアルミニウム合金である。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、95%~99%重量のアルミニウム、0%超1%重量未満のシリコン、0%超1%重量未満の銅、0%超1%重量未満のクロム、及び0%超~2%重量のマグネシウムを含んでもよく、%重量は基板402の総重量に基づく。いくつかの実施形態では、エッチング停止層404は、基板402の表面及び/又は表面の下に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、除去可能なコーティングを含む物品を取得するために、基板402の表面、エッチング停止層404の表面、又は基板402の表面とエッチング停止層404の表面の両方にコーティング406(例えば、アルミナを含む原子層堆積(ALD)コーティング、又はアルミナALDコーティング)が形成され得る。
【0072】
図4の(B)に示すように、いくつかの実施形態では、コーティング406又はコーティング406を形成するプロセスは、欠陥又はエラーを有し得る。いくつかの実施形態では、コーティング406は再加工され得る。例えば、いくつかの実施形態では、コーティング406は、エラー又は欠陥を有するアルミナALDコーティングである。いくつかの実施形態では、アルミナALDコーティング406は、湿式化学的除去プロセス(例えば、ウェットエッチング)によって除去され得る。いくつかの実施形態では、エラー又は欠陥を有するアルミナALDコーティング406を除去することにより、置換アルミナALDコーティング(図示せず)が基板402/エッチング停止層404の表面上に形成され得る。
【0073】
図4の(C)に示すように、いくつかの実施形態では、物品は使用され得る(例えば、上記のように、とりわけ、寿命に達し得るか、又は化学的に変化した組成を有し得る)。いくつかの実施形態では、コーティング406は改修されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、コーティング406は、1又は複数のプロセスで使用されたアルミナALDコーティングである。いくつかの実施形態では、アルミナALDコーティング406は、湿式化学的除去プロセス(例えば、ウェットエッチング)によって除去され得る。いくつかの実施形態では、前の状態又は条件から改変を有するアルミナALDコーティング406を除去することによって、置換ALDコーティング(図示せず)が基板402/エッチング停止層404の表面上に形成され得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品からコーティングを除去するための方法であって、
物品を取得することであり、物品が、
第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む基板と、
基板上に配置された、第2の金属成分を含むコーティングと、
フッ化マグネシウムを含むエッチング停止層であって、マグネシウム含有金属体とコーティングとの間に位置する、エッチング停止層と
を含む、物品を取得することと、
物品からコーティングの少なくとも一部を除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
コーティングが、
前の状態から化学的に改変されたコーティング、
前の状態から改変された表面を有するコーティング、
前の状態から改変された厚さを有するコーティング、
不均一な厚さを有するコーティング、
用途の仕様を満たさないコーティング、
製造欠陥を有するコーティング、又は
これらの任意の組み合わせ
のうちの少なくとも1つである、請求項に記載の方法。
【請求項3】
第2の金属成分と第1の金属成分の両方が、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、リチウム、銅、マンガン、ケイ素、銅、マンガン又はこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
エッチング停止層が、基板の表面及びその下に位置するエッチング停止領域である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
物品を形成するための方法であって、
基板を取得することであり、
基板が、第1の金属成分を含むマグネシウム含有金属体を含む、基板を取得することと、
基板を反応性気相に曝露して、基板の表面及びその下にエッチング停止層を形成することであり、
反応性気相が、マグネシウム含有金属体のマグネシウムと反応してフッ化マグネシウムを形成するフッ素成分を含む、基板を反応性気相に曝露して、基板の表面及びその下にエッチング停止層を形成することと、
エッチング停止層上にコーティングを形成することであり、
コーティングが第2の金属成分を含む、エッチング停止層上にコーティングを形成することと
を含む、方法。
【国際調査報告】