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特表2024-538656支持リングを有するCVDリアクタ及び基板用支持リング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】支持リングを有するCVDリアクタ及び基板用支持リング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241016BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519873
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022077767
(87)【国際公開番号】W WO2023057542
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021126019.1
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(74)【代理人】
【識別番号】100224269
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 佑太
(72)【発明者】
【氏名】ホルツヴァルト、ジャレット・リー
(72)【発明者】
【氏名】コルベルク、マーセル
(72)【発明者】
【氏名】ムキノビッチ、メリム
(72)【発明者】
【氏名】シュトラウヒ、シュテファン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
4K030BA37
4K030FA10
4K030GA06
4K030JA01
4K030JA03
4K030KA23
5F045AA06
5F045AB06
5F045AC01
5F045AC07
5F045AD17
5F045AD18
5F045AE01
5F045BB02
5F045DP15
5F045DP27
5F045DP28
5F045EK07
5F045EM02
5F045EM10
5F131AA02
5F131BA04
5F131CA03
5F131CA06
5F131EA04
5F131EA24
5F131EB67
5F131EB89
(57)【要約】
本発明は、CVDリアクタ内に配置されかつ支持構造の一部である支持リング(20)に関し、支持リング(20)は基板(10)の装着を目的としてサセプタ上方に配置されかつサセプタにより熱供給される。その熱は、支持リング(20)のリングウェブ(33)を介してサセプタから支持リング(20)の径外方領域(21)又は径方向内側領域(22)へと伝わる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)上にSiC層を堆積するためのCVDリアクタであって、ハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内に配置されたサセプタ構造(3)と、前記サセプタ構造(3)を加熱するための加熱装置(6)と、プロセスチャンバ天井(4)と前記サセプタ構造(3)との間に配置されたプロセスチャンバ(2)と、前記プロセスチャンバ(2)内にプロセスガスを供給するためのガス入口部材(5)と、を有し、
前記サセプタ構造(3)は、前記プロセスチャンバ(2)内で処理される前記基板(10)を支持するための少なくとも1つの支持装置を有し、前記支持装置は、上面(32)とその反対側にある下面(12’)と円筒面上に延在する周囲壁(19)とを有する円盤状の基板ホルダー(12)と、前記基板ホルダー(12)の支持フランク(13)により担持される支持リング(20)と、を有し、
前記支持リング(20)は、前記支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって前記基板(10)の縁(10’)を載置するための支持面(23)を形成する上面とを具備する径方向内側領域(22)を有し、
前記支持リング(20)は、上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)を有し、かつ、
前記支持面(23)は、第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される、前記CVDリアクタにおいて、
リングウェブ(33)が、中空円筒内面上に延びる内壁(34)を有し、前記内壁(34)は第2直径(D2)をもちかつ前記周囲壁(19)に沿って延在しており、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の直径公差の分だけ前記第2直径(D2)より大きく、かつ、前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)まで計測した前記リングウェブ(33)の距離(d)が、前記基板ホルダ(12)の下面(12’)から前記支持フランク(13)までの距離(b)よりも小さいことを特徴とするCVDリアクタ。
【請求項2】
前記距離(d)は、前記距離(b)の100%より小さく、前記距離(b)の少なくとも50%又は少なくとも80%又は少なくとも90%であることを特徴とする請求項1に記載のCVDリアクタ。
【請求項3】
基板(10)上にSiC層を堆積するためのCVDリアクタで使用する支持リング(20)であって、
基板ホルダ(12)の支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される支持面(23)とを具備する径方向内側領域(22)と、
上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)と、を有し、
前記外壁(36)は、前記外壁(36)の反対側にある内壁(34)を形成するリングウェブ(33)により形成されており、
中空円筒内面上に延在する前記内壁(34)は、前記内壁(34)の径方向内側に延在する前記径方向内側領域(22)の下面(32”)に隣接している、前記支持リング(20)において、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の直径公差の分だけ前記内壁(34)の第2直径(D2)よりも大きいことを特徴とする支持リング。
【請求項4】
CVDリアクタ内で基板(10)を支持するための支持構造であって、
円筒面上に延在する周囲壁(19)を有する円形の基板ホルダー(12)と、前記基板ホルダー(12)の支持フランク(13)により担持される支持リング(20)と、を有し、
前記支持リング(20)は、前記支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって前記基板(10)の縁(10’)を載置するための支持面(23)を形成する上面とを具備する径方向内側領域(22)を有し、
前記支持リング(20)は、上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)を有し、
前記支持面(23)は、第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される、前記支持構造において、
リングウェブ(33)が、第2直径(D2)をもつ中空円筒内面上に延びる内壁(34)を形成し、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の公差の分だけ前記第2直径よりも大きいことを特徴とする支持構造。
【請求項5】
前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)まで計測した前記リングウェブ(33)の距離(d)が、前記基板ホルダ(12)の下面(12’)から前記支持フランク(13)までの距離(b)の100%よりも小さく、少なくとも50%又は80%又は95%であることを特徴とする請求項4に記載の支持構造。
【請求項6】
中空円筒内面上に延在する前記接触面(24)は、前記外壁(36)よりも径方向内側かつ前記内壁(34)よりも径方向外側に延在することを特徴とする請求項1もしくは2に記載のCVDリアクタ、又は請求項3に記載の支持リング、又は請求項4もしくは5に記載の支持構造。
【請求項7】
前記内壁(34)は、前記リングウェブ(33)の材料厚さを低減する丸み部分又は傾斜面(35)を形成して、前記外壁(36)に隣接する下縁(37)と繋がることを特徴とする請求項1、2もしくは6に記載のCVDリアクタ、又は請求項3もしくは6に記載の支持リング、又は請求項4、5もしくは6に記載の支持構造。
【請求項8】
断面にて略T字状に形成された前記支持リング(20)がSiCから作製されることを特徴とする請求項1、2、6もしくは7に記載のCVDリアクタ、又は請求項3、6もしくは7に記載の支持リング、又は請求項4~7のいずれかに記載の支持構造。
【請求項9】
前記径方向外側領域(21)は、円筒面上に延在する外面(30)を形成し、かつ、前記径方向内側領域(22)は、中空円筒内面上の内壁(34)よりも径方向内側に延在する内面(22’)を有することを特徴とする請求項1、2、6、7もしくは8に記載のCVDリアクタ、又は請求項3、6、7もしくは8に記載の支持リング、又は請求項4~8のいずれかに記載の支持構造。
【請求項10】
互いに同心状に延びる2つの前記円筒面(34,36)間の距離が、前記リングウェブ(33)の下面(37)から前記径方向内側領域の前記下面(22”)までの距離(d)よりも小さく、かつ前記距離(d)の最大50%であることを特徴とする請求項1、2、6、7、8もしくは9に記載のCVDリアクタ、又は請求項3、6、7、8もしくは9に記載の支持リング、又は請求項4~9のいずれかに記載の支持構造。
【請求項11】
内側の前記円筒面(34)が外側の前記円筒面(36)よりも大きい高さを有することを特徴とする請求項1、2、6、7、8、9もしくは10に記載のCVDリアクタ、又は請求項3、6、7、8、9もしくは10に記載の支持リング、又は請求項4~10のいずれかに記載の支持構造。
【請求項12】
前記径方向内側領域(22)の前記支持面(23)から前記下面(22”)までの距離が、前記基板ホルダー(12)の前記上面(23)から前記支持フランク(13)までの距離よりも小さいことを特徴とする請求項1、2、6、7、8、9、10もしくは11に記載のCVDリアクタ、又は請求項3、6、7、8、9、10もしくは11に記載の支持リング、又は請求項4~11のいずれかに記載の支持構造。
【請求項13】
前記径方向内側領域(22)の材料厚さが前記径方向外側領域(21)の材料厚さと同じであること、及び/又は、前記径方向内側領域(22)の材料厚さ及び前記径方向外側領域(21)の材料厚さがそれぞれ2mmであることを特徴とする請求項1、2もしくは6~12のいずれかに記載のCVDリアクタ、又は請求項3もしくは6~12のいずれかに記載の支持リング、又は請求項4~12のいずれかに記載の支持構造。
【請求項14】
前記リングウェブ(33) の材料厚さを規定する内壁(34)と外壁(36)との間の距離が、前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)までの距離(d)の半分よりも小さいことを特徴とする請求項1、2もしくは6~13のいずれかに記載のCVDリアクタ、又は請求項3もしくは6~13のいずれかに記載の支持リング、又は請求項4~13のいずれかに記載の支持構造。
【請求項15】
前出請求項のいずれか1項に記載の特徴的な特徴の1つ以上を有することを特徴とするCVDリアクタ、支持構造又は支持リング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CVDリアクタ内で使用する支持リングに関し、基板ホルダーの支持フランク上に載置される下面とその下面の反対側にあって接触面に隣接する支持面とを具備する径方向内側領域を有するとともに、上面とその上面の反対側にあって円筒面上に延在する外壁に隣接する下面とを具備する径方向外側領域を有しており、外壁は、外壁の反対側にある内壁を形成するリングウェブによって形成されており、中空円筒内面上に延在する内壁は、内壁の径方向内側に延在する径方向内側領域の下面に隣接する。
【0002】
本発明はさらに、そのような支持リング及び基板ホルダーからなる構造並びに1つ以上のそのような構造を有するCVDリアクタに関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、サセプタを有するCVDリアクタを開示する。サセプタは、コーティングされる基板を載置可能な上面を有する。基板の縁はサセプタの円周凹部を超えて突出しており、その中に支持リングの径方向内側領域が係合する。支持リングの径方向外側領域は、リングウェブを超えて突出している。
【0004】
特許文献2は、基板をその上に載置可能な基板ホルダーを担持し下方から加熱されるサセプタを具備するCVDリアクタを開示する。例示的実施形態では、支持リングが基板ホルダーの段部上に載置されている。支持リングの径方向内側に向いた面は、円錐台側面のように上方から下方に向かって広がっている。内側に向いた面も段状になっていることによって、支持リングの断面形状はT字状である。、
【0005】
特許文献3は、同様にT字状の断面形状を有する支持リングを開示しており、ここでも、支持リングにおける内側の基板ホルダーに向いた表面が円錐台側面上に延在する。
【0006】
特許文献4は、Z字状の断面形状を有する、CVDリアクタ内で使用する支持リングを開示する。
【0007】
特許文献5は、その縁に沿って段部を形成したサセプタを開示している。この段部上に支持リングが位置し、支持リングは内向きの支持肩部によって基板の縁を支持する。径方向外側領域では、支持リングの下向きのリブがサセプタの環状凹部と係合する。リブの鉛直高さが凹部の鉛直深さよりも小さいことによって、リブの下端面は、段部面から離間している。
【0008】
特許文献6及び特許文献7は、それぞれCVDリアクタを開示し、コーティングされる基板が基板ホルダー上に載置され、基板ホルダーは支持リングを担持し、支持リングによって基板を搬送することができる。
【0009】
例えば特許文献8で知られるようなCVDリアクタでは、サセプタ構造が加熱装置によって下方から加熱される。一般的なCVDリアクタは、ケイ素又は炭化ケイ素の堆積に使用される。堆積プロセスは、1300℃~1600℃のプロセス温度で行われる。サセプタ構造は、加熱装置によって加熱される基体プレートを有する。加熱装置によって発生した熱は、基体プレートを通って、基板を支持する基板ホルダーに流入する。
支持リングの径方向内側領域は、基板ホルダーの支持フランク上で支持されており、それを用いてCVDリアクタに対する搭載時及び取り出し時に基板を搬送することができる。そのために支持リングは、グリッパによって下方から到達可能な径方向外側領域を有する。支持リングは、基板ホルダーに供給される熱によって、そして支持フランクを介して支持リングに伝導する熱によって加熱される。
プロセスチャンバの床に配置された支持リングは、そこに配置された基板と同様に、低温のプロセスチャンバ天井に熱を伝達する。したがって、支持リングは、基体プレートとプロセスチャンバ天井との間の温度勾配の中にある。支持リングと基板ホルダーとの間、又は、基板ホルダーと基体プレートとの間の界面領域における変形やその他の不正確さは、熱の流れに影響を与える可能性がある。その結果、搬送リングの温度が変動しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/ 0071624号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2013 012 082号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10232731号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2020 117645号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/ 0172165号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2017101 648号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第101 35 151号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第102018 113400号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、この温度変動を低減できる手段を特定するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、特許請求の範囲に規定された発明によって解決され、従属項は、下位の請求項に記載された発明の有利なさらなる発展を示すだけでなく、課題に対する独立した解決手段も示す。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、T字状の断面を有する支持リングが提供される。2つのT字の脚は、径方向内側領域と径方向外側領域とを形成する。T字のウェブはリングウェブを形成し、それを介して熱が基体から径方向内側又は径方向外側のリングに伝導する。径方向内側領域は下面を有し、それにより支持リングは基板ホルダーの支持フランク上に載置され得る。
一平面内に延在する下面の反対側には、同様に一平面内に延在する支持面があり、プロセスチャンバへの又はプロセスチャンバからの搬送中、コーティングされる基板の縁をその上に載置可能である。その支持面は、接触面により形成された凹部に含まれ得る。その接触面は、中空円筒内面上に延在し得る。
支持リングの径方向外側領域は一平面内に延在する下面を有し、その下面は、支持リングを基板ホルダーから持ち上げることによって基板を搬送するためにフォーク又はグリップアームにより下方から把持することができる。径方向外側領域の下面は、上面の反対側に位置する。
径方向内側領域の下面は、中空円筒内面上に延在するリングウェブの内壁に隣接する。円筒面上に延在するリングウェブの外壁は、径方向外側領域の下面に隣接する。径方向外側領域の下面と径方向内側領域の下面とは、高さの異なる平面内に延びている。したがって、例えば、径方向外側領域の下面からリングウェブの下縁までの距離は、径方向内側領域の下面からリングウェブの下縁までの距離よりも大きくなり得る。
さらに、リングウェブの下縁に隣接する領域における内壁を、傾斜面又は面取り部を形成して拡がるように設けることができる。これにより、リングを基板ホルダー上に載置し易くなる。さらなる進展では、支持リングは炭化ケイ素で作製される。
本発明のさらなる態様は、中空円筒内面であって、リングウェブの外壁の径方向内側かつ内壁の径方向外側に延在し得る接触面に関する。
【0014】
支持リングは、全周に亘って同じ一定の断面を有する中実の環状体とすることができる。リングウェブの高さは、径方向内側領域又は径方向外側領域の径方向の長さよりも大きくし得る。リングウェブの材料厚さは、径方向内側領域の材料厚さよりも大きくし得る。リングウェブの材料厚さは、径方向外側領域の材料厚さよりも小さくし得る。リングウェブの材料厚さは、リングウェブの高さよりも小さく、特に半分よりも小さくし得る。その場合、リングウェブの高さは、径方向外側領域又は径方向下側領域の2つの下面の一方からリングウェブの下縁までの距離と理解し得る。2つの距離が互いに異なっている場合、リングウェブの高さは、2つの距離のうち小さい方と理解し得る。径方向外側領域及び径方向内側領域の自由端面並びにリングウェブの下縁は、丸みのある縁を有し得る。
【0015】
本発明による支持リングは、T字状の形状であることによって、従来SiCの堆積に用いられた支持リングに比べて捻れ耐性が増強されている。
さらに、基板ホルダーの上面での基板のセンタリングに寄与する接触面の直径が、リングウェブの内壁の直径にほぼ対応する場合に有利である。リングウェブの内壁の直径は、基板ホルダーの周囲壁の直径よりも僅かに大きいだけである。したがって、本発明による接触面の直径の寸法設定によって、接触面によって画定される支持面が得られ、基板を支持するための支持面は、基板ホルダーの平面視での外郭にほぼ対応する。したがって、基板の堆積中、基板の縁は、基板ホルダーの周縁に沿ってほぼ位置合わせされる。よって基板ホルダーは、基板とほぼ同じ直径を有する。
本発明の好ましい実施形態では、公称直径150mmの基板がコーティングされる。その際、接触面によって画定される支持面は、好ましくは約151mmの直径を有するが、基板ホルダーの直径は150mmであってもよい。搬送リングを基板ホルダー上に自動的に載置し、再び基板ホルダーから取り外すためには、リングウェブの内壁の内直径が、基板ホルダーの直径よりも0.5mmだけ大きければよい。
径方向内側領域の径方向の長さはできるだけ小さく、かつ径方向内側領域の材料厚さにほぼ一致し、特に好ましくは2mmである場合に特に有利であることが判る。径方向外側領域の径方向の長さは同じ値を有することが好ましい。しかしながら、径方向外側領域の径方向の長さは、径方向内側領域の径方向の長さより大きくてもよい。
基板ホルダーは、サセプタの上面に直接載置することができる。しかしながら、それは、サセプタの上面と基板ホルダーの下面との間にガスを供給することによって形成されるガスクッションにより支持されてもよい。
【0016】
本発明はさらに、CVDリアクタ内で基板を支持するための支持構造に関し、その支持構造は、基板ホルダーにより担持される支持リングを有する。径方向内側領域の下面は、凹部の支持フランク上に載置される。その凹部は、円盤状の基板ホルダーを取り囲んでいる。凹部の支持フランクから基板ホルダーの下面までの距離が、径方向内側領域の下面からリングウェブの下縁までの距離よりも大きいことによって、リングウェブの下縁又は下縁により形成されるリング面は、基板ホルダーが挿入されたポケットの床面から距離を有する。その場合、ポケットは1つ以上のカバープレートにより形成することができ、それらのカバープレートはサセプタ構造の基体上に載置されている。
リングウェブの高さは、径方向内側領域の下縁からリングウェブの下縁までの距離で規定され、支持フランクと基板ホルダーの下面との間の距離の少なくとも50%又は少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であるが、最大で100%でありかつ好ましくは100%未満とし得る。
特に、ポケットの床にガス供給管が開口し、そこから搬送ガスを送出でき、搬送ガスはポケットの床と基板ホルダーの下面との間にガスクッションを形成し、その上に基板ホルダーが載置されることによって、熱流がガスクッションを通過しなければならないように構成されている。ガスクッションの高さ及び/又は搬送ガスの組成によって、基板ホルダーへの熱流は変化し得る。ガス供給管はノズルを形成し、それらのノズルは、それらから出て来るガス流が基板ホルダーを回転軸の周りで回転させるように配列されている。
カバープレート同士の間にはチャネルを設けることができ、それらを通して、支持リングの径方向外側領域を下方から把持し得るグリップアームを到達させることができる。このために、サセプタ構造は、平面視で円形の外郭を有することができる。チャネルは、サセプタ構造の縁から内側に延在し、それらは互いに平行に延びる構成で設けられている。
【0017】
本発明はさらに、CVDリアクタ内の1つ以上の上述した構造に関し、それらの構造は、中心のガス入口部材を中心に円周上に配置されている。ガス入口部材は、環状のプロセスチャンバの中心に配置できる。しかしながら、ガス入口部材は、プロセスチャンバ天井により形成することもでき、例えばシャワーヘッドである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、添付の図面を参照して例示的実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1図1は、中心の周りに環状に配置された5つの基板ホルダー12を具備するサセプタ構造の斜視図であり、各基板ホルダーは、支持リング20によって搬送可能な基板10を担持している。
図2図2は、CVDリアクタの概略断面図である。
図3図3は、図1に示すサセプタ構造の平面図である。
図4図4は、図2のIV部分図である。
図5図5は、支持リング20の斜視図である。
図6図6は、支持リング20の断面図である。
図7図7は、さらに別の例示的実施形態の図4と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図2に示すように、CVDリアクタはステンレス製のハウジング1を有する。ハウジング内には、真空引き可能なプロセスチャンバ2がある。例示的実施形態では、プロセスチャンバ2の中央にガス入口部材5があり、それを通して様々なプロセスガスをプロセスチャンバ内に供給できる。プロセスガスは、特に、例えばシランであるケイ素元素含有ガスと、例えばメタンである炭素元素含有ガスとを含む。これら両方の反応ガスは、例えば水素である搬送ガスと共にプロセスチャンバ2に供給される。プロセスチャンバ2の上方は、プロセスチャンバ天井4によって画定されている。プロセスチャンバ天井4は冷却され得る。しかしながら、プロセスチャンバ天井4を能動的に冷却しないこともある。プロセスチャンバ2の床面は、図2及び図3に示すようにサセプタ構造3から構成されている。
【0020】
サセプタ構造3はグラファイトからなり、特にコーティングされたグラファイトで作製された基体14を有する。基体14は、複数のカバープレートを担持しており、それらの間に円形の格納場所を残す。各格納場所はポケット17を形成し、それらは基体14により形成される床面17’を有する。
【0021】
直線状に延びるチャネル31が、円形の外郭を有するサセプタ構造3の縁から各格納場所のほぼ中間まで延在している。互いに平行に延びる2つのチャネル31が、それぞれ1つの格納場所に接している。基板10を基板ホルダー12から持ち上げるためにチャネル31を通してグリッパの2つのグリップアームを挿入できる。
【0022】
SiC層の堆積のために、サセプタ構造3は、サセプタ構造3の下方に配置された加熱装置6によって1000℃を超える温度に、そして特に1300℃を超える範囲に、特に1600℃を超える範囲の温度に加熱される。ガス入口部材5を通ってケイ素と炭素とを含むプロセスガスがプロセスチャンバ2に供給され、そこでプロセスガスが熱分解することによって、そこに配置された基板10の上面に炭化ケイ素層が堆積される。均一な層厚と、特に層の均一なドーピング分布を得るためには、基板10の表面温度の、平均値からの局所的な偏差が最小限でなければならない。このために、十分な熱流が基板10の縁領域に供給され、又は、過大でない熱流が基板10の縁領域に供給されることが必要である。
【0023】
図4は、カバープレート15により画定された、ポケット床面17’を有するポケット17を示している。ポケット17の縁は、中空円筒内面上に延びるカバープレート15の内壁18により形成されている。内壁18には面取り部16が続き、面取り部16はプロセスチャンバ2に面するカバープレート15の上面に隣接している。
【0024】
ポケット17内には、下面12’を有する円盤状の基板ホルダー12がある。図示しないガス供給管を通して下面12’とポケット床面17’との間の間隙39にガスクッションとなる搬送ガスが供給されることによって、下面12’はポケット床面17’から距離aだけ離れている。このガスクッションにより、様々な熱伝導率をもつガスの混合物を用いかつ混合割合を変えることによって、又はガス流の強さでガスクッションの高さを変えることによって、熱流が基板10に影響を及ぼすことが可能となる。
【0025】
基板ホルダー12は、円筒面上に延在する周囲壁19を形成し、周囲壁19は、支持フランク13により形成される凹部に隣接する。支持フランク13は、基板ホルダー12の周囲に環状に一平面内に延在する。その凹部は、周囲壁19に対して径方向にオフセットした側面を形成して基板ホルダー12の上面32と繋がる。上面32は、基板10を支持可能な支持突出部を有し得る。しかしながら、上面32が凹部を有することもあり得る。
【0026】
T字状の断面を有する支持リング20が設けられる。支持リング20は、下面22”を具備する径方向内側領域22を有し、その下面22”にて径方向内側領域22を支持フランク13上に載置することができる。下面22’は、支持面23の反対側に位置し、図4に示す動作状態では、基板10の縁10’から所定の距離にある。支持面23は、支持リング20が持ち上げられるときにその効果を発揮する。そのとき、基板10は、その縁10’によって支持面23上で支持される。したがって、下面22”から支持面23までの距離は、基板ホルダーの上面32から支持フランク13までの高低差よりも小さい。
【0027】
支持リング20は、径方向外側領域21を形成している。径方向外側領域は、支持リング20を持ち上げるためにグリップアームの一つによって下方から到達可能な下面30’を有する。下面30’は、下面22”が延在する平面とは高さの異なる平面内に延在する。径方向外側領域21もまた、支持面23とは高さの異なる平面内に延在する上面26を有することによって、支持面23と支持面23を取り囲み中空円筒内面上に延びる接触面24との間に凹部11を形成する。径方向外側領域21は、径方向内側領域の内面22’の反対側に位置する外面を形成する。外面30は、丸エッジ29を形成して上面26と繋がる。
【0028】
支持リング20は、径方向内側領域22及び径方向外側領域21によってT字の脚を形成している。支持リング20は、リングウェブ33によってT字のウェブを形成している。リングウェブ33は、内側領域22及び外側領域21と同一材料で成形された円筒状の環状体である。リングウェブ33は、円筒面上に延在し、直角を形成して下面30’と繋がっている外壁30を有する。リングウェブ33の内壁34は、直角を形成して、径方向内側領域22の下面32”と繋がっている。外壁36は、丸い下部リング面37を形成して面取り部又は傾斜面35に繋がっており、それは中空円筒内面上に延びる内壁34に接続している。搬送時又は格納時に基板10の狭い端縁がその上で支持され得る接触面24は、内壁34の半径よりやや大きい半径をもつ中空円筒内面上に延びている。接触面24の半径は、外壁36の半径よりもやや小さい。
【0029】
図4に符号bで示した支持フランク13と基板ホルダー2の下面12’との距離は、下面22”とリングウェブ33の下縁又は下部リング面37との距離dよりも大きい。下面12’を含む面からリング面37までの距離は、0.5mm~3mmとし得る。
【0030】
内壁34の半径が周囲壁19の半径よりもかなり大きいことによって、周囲壁19と内壁34との間に間隙幅cをもつ間隙が形成される。周囲壁19と内壁34との間の距離cは、0.5mm~3mmとし得る。
【0031】
支持リング20は、断面にて3つの翼部を具備するSiC製の均質な固体であり得る。その場合、1つの翼部はリングウェブ33から形成され、そこから、内側領域22及び外側領域21によって形成される2つの翼部が直角に突き出ている。
【0032】
基板10は、基板ホルダー12を通る熱流によってプロセス温度に加熱される。基板10に面した基板ホルダー12の上面が1つ以上の凹部を有することによって、基板ホルダー12の上面から基板10まで、局所的に異なる高さをもつガス間隙を介して熱流が生じ、そのため凹部の底面の形状によって熱流が影響を受け得る。基板ホルダー12の上面は、凹形状とすることができる。基板の縁のみが基板ホルダー12の縁に載置でき、その場合、基板10を支持する個々の支持要素をこの場所に設けることができる。基板10が載置される支持点又は支持線は、基板10の外縁から離間して配置される。
基板10の縁10’への熱流は、支持リング20を通して行われる。基板10のコーティング時、基板10の縁10’は、支持面23の上方に僅かな距離を空けて延在しているため、支持リング20から基板10への熱流も同様にガス間隙を介して生じる。しかしながら、従来技術とは異なり、基体14からの主な熱流は、基板ホルダ12を通って径方向内側領域20へと生じるのではなく、むしろリングウェブ33を通って生じる。このために、リングウェブ33が基板ホルダー12全体を取り囲むことによって、基板ホルダー12が支持リング20の空洞内に載置されるようにする。
したがって、リングウェブ33は熱伝導経路を形成し、それを介して熱の大部分が基体14から径方向内側領域22へ、かつ/又は、径方向外側領域21へと伝導される。熱流は、リングウェブ33の材料厚さを介して調整することができ、したがって、異なるリングウェブ33を具備する支持リング20を選択して使用することができる。支持リングは、その全周囲に亘って同じ一定の断面形状を有する。
【0033】
間隙cは、下面22”から始まって傾斜面35の始点まで、好ましくは鉛直方向の間隙長さの50%を超える一定の間隙幅を有することができる。傾斜面35は、リングウェブ33の内側領域に沿って延在することができ、それは距離dの50%未満に対応する。好ましくは、傾斜面35は丸み部分に繋がり、この丸み部分は傾斜面のない外壁36へと繋がることができ、その結果、外壁36は、丸み部分を形成して下部リング面37又は頂点ラインへと繋がる円筒面により形成される。したがって、下部リング面37の中央を通って延びる頂点ラインは、支持リング20の断面を通る中心線から半径方向外側にオフセットして延在する。
径方向外側領域21の径方向の長さが径方向内側領域22の径方向の長さよりも大きい場合に有利であることが判る。したがって、内壁34から内面22’までの距離は、外壁36から外面30までの距離よりも小さいことが好ましい。
径方向内側領域22の材料厚さ、すなわち支持面23から下面22”までの距離が、径方向外側領域21の材料厚さ、すなわち下面30’から上面26までの距離よりも小さいこともまた有利である。本発明によるリングウェブ23のさらなる利点は、その基部領域、すなわちリングウェブ33が下面22”に接続される領域における材料厚さである。その部分におけるリングウェブ33の材料厚さは、リングウェブの鉛直方向の長さdよりも小さい。好ましくは、互いに同心状に延びる円筒面34、36の領域におけるリングウェブの材料厚さは、下部リング面37から下面22”までの距離の半分よりも小さい。径方向外側領域21の下面30’の高さ位置が、径方向内側領域22の下面22”の高さ位置と上面23の高さ位置との間にあるとき、さらに利点となり得る。
【0034】
好ましくは外壁36が、カバープレート15の内壁34の反対側にあり、それによって支持リング20は、環状凹部のその周囲の大部分の領域に亘って延在し、環状凹部の底面は基体14の上面によって、環状凹部の壁は基板ホルダー12の周囲壁19及びカバープレート15の内壁18によって形成されている。
【0035】
リングウェブ33の比較的大きい鉛直高さは、径方向外側領域21と組み合わされて断面L字状の安定化した本体を形成し、そこから基板10の支持機能を発揮するウェブが径方向内側に突出するという効果を奏する。L字状の基体は、SiCの堆積時に支持リング10が僅かな変形しか生じないことを意味する。上述した設計上の特徴によって、従来技術と比較して熱応力に対して機械的に安定した支持リングが提供される。
【0036】
図7は、1300℃を超える、特に1600℃の範囲の温度にてCVDリアクタ内でSiCを堆積する方法を実行するための支持リング20のさらに別の例示的実施形態を示している。支持リング20は、SiCから作製できる。支持リング20は、基板ホルダー12の支持フランク13上に載置される径方向内側領域22を有し、その径方向内側領域22の材料厚さは約2mmであり、リングウェブ33の内壁34から約2mmだけ内側に突出している。
径方向内側領域22の材料厚さが、段部の高さ、すなわち支持フランク13から基板ホルダー12の上面32までの距離よりも小さいことによって、基板10上にSiC層が堆積されるとき、基板10の縁が支持面23上で支持されない。支持面23は、支持リング20が持ち上げられたときにのみ、基板10の縁と接触することになる。このために、支持リング20は、リングウェブ33の外壁36を超えて突出しかつ下面30’を具備する径方向外側領域21を有し、下面30’はロボットアームの指によって下方から把持できる。
【0037】
径方向外側領域21は、第1直径D1をもつ円形ライン上に延在する接触面24を形成する。第1直径D1は、基板10の直径150mmよりもやや大きい。
【0038】
基板ホルダー12は、約150mmの第2直径D2をもつ円弧ライン上に延在する周囲壁19を有する。この構成の結果、SiC層の堆積中、基板10は基板ホルダ12上の中心に位置することになり、基板10の縁は、円筒形の周囲壁19と位置合わせされる。第1直径D1は、基板10の直径の製造公差の分だけ第2直径D2よりも大きい。このために、基板ホルダー22の外側面に対し僅かな遊びをもって位置し得る内面22’によってセンタリング機能を実行することができる。この内面2’の第3直径D3は、支持フランク13により形成される段部の円筒壁の外直径よりも僅かに大きいだけである。
【0039】
その他の設計上の特徴は、図4に示した支持リング20に対応しているので、関連する説明を参照されたい。
【0040】
上記の記載は、全体として本願の対象となる発明を説明するものであり、これらの発明は、少なくとも以下の特徴の組み合わせを通じて従来技術を独立して発展させており、これらの特徴の組み合わせのうちの2つ、それ以上、又はすべてを組み合わせることもできる。
CVDリアクタ、CVDリアクタ内で用いるための支持リング及びCVDリアクタ内で基板を支持するための支持構造であって、
支持リングは、
基板ホルダーの直径が基板の直径に実質的に対応するように、かつ/又は、
断面にてT字状の支持リング20の径方向内側領域及び径方向外側領域が同じ材料厚さを有するとともに、径方向内側領域は、基板の縁の下方で径方向内側領域22のほぼ材料厚さの分だけ径方向内側に延在するように、かつ/又は、
リングウェブ33が基板ホルダー12の下部分のほぼ全高に亘って延在し、基板ホルダー12の下部分はその上端を支持フランクによって、そしてその下端を下面12’によって画定されるように、かつ/又は、
基板ホルダー12が、支持リング20によって取り囲まれた凹部内にほぼ完全に位置するとともに材料が一体的に形成されるように、形成されており、かつ/又は、
支持リング20により囲まれていない基板ホルダー12の下面12’と、下部リング面37との間に最大2mmの間隙が残り、かつ/又は、
支持リング20の内側円筒面と基板ホルダ2の外側円筒面との間の距離は、支持フランク13によって形成された段部上で支持リング20がセンタリングされて載置されるように選択される。
基板の製造公差は、直径については約1mmである。製造公差は、直径の1%~2%とし得る。
【0041】
CVDリアクタであって、周囲壁19に沿って距離cを空けて延在する中空円筒内面上に延びる内壁34を有するリングウェブ33を特徴とする。
【0042】
CVDリアクタであって、下面22”からリングウェブ33の下縁37までのリングウェブ33の全高dは、基板ホルダー12の下面12’から支持フランク13までの距離bよりも小さいこと、及び/又は、その高さdは、距離bの100%よりも小さいが、距離bの少なくとも50%又は少なくとも80%又は少なくとも90%であることを特徴とする。
【0043】
支持リングであって、内壁34は、リングウェブ33の材料厚さを低減する丸み部分又は傾斜面35を形成して、外壁36が隣接する下部リング面37へと繋がることを特徴とする。
【0044】
支持構造であって、周囲壁19に沿って距離cを空けて延在する中空円筒内面上に延びる内壁34を形成するリングウェブ33を特徴とする。
【0045】
支持構造であって、下面22”からリングウェブ33の下縁37までのリングウェブ33の全高dが、基板ホルダー12の下面12’から支持フランク13までの距離bの100%よりも小さいが、少なくとも50%又は80%又は95%であることを特徴とする。
【0046】
CVDリアクタであって、中空円筒内面上に延在する接触面24が、外壁36の径方向内側かつ内壁34の径方向外側に延在することを特徴とする。
【0047】
CVDリアクタであって、内壁34は、リング33の材料厚さを低減する丸み部分又は傾斜面35を形成して、外壁36が隣接する下縁37に繋がることを特徴とする。
【0048】
CVDリアクタであって、断面にて略D字状に形成された支持リング20がSiCから作製されることを特徴とする。
【0049】
CVDリアクタ、支持構造、又は支持リングであって、径方向外側領域21が、円筒面上に延在する外面30を形成し、かつ、径方向内側領域22が、内壁34の径方向内側にて中空円筒内面上に延在する内面22’を有することを特徴とする。
【0050】
CVDリアクタ、支持構造、又は支持リングであって、互いに同心状に延びる2つの円筒面34、36の間の距離は、リングウェブ33の下面37から径方向内側領域22の下面22”までの距離dよりも小さくかつ距離dの最大50%であることを特徴とする。
【0051】
CVDリアクタ、支持構造、又は支持リングであって、内側円筒面34は、外側円筒面36よりも大きい高さを有することを特徴とする。
【0052】
開示された全ての特徴は、(それ自体のために、また互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。ここでの出願の開示は、関連する/追加された優先権書類(先の出願の写し)の開示内容をその内容全体に含み、それはこれらの書類の特徴を本願の請求項に組み込む目的でもある。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的に明らかに不要であるか、又は技術的に同じ効果を有する別の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の個々のものが実装されない設計形態に関する。
【符号の説明】
【0053】
1 CVDリアクタ
2 プロセスチャンバ
3 サセプタ構造
4 プロセスチャンバ天井
5 ガス入口
6 加熱装置
7 シャフト
8 ガス出口部材
9 回転駆動部
10 基板
10’ 基板の縁
11 凹部
12 基板ホルダー
12’ 下面
13 支持フランク
14 基体
15 カバープレート
16 面取り部
17 ポケット
17’ ポケット床面
18 内壁
19 周囲壁
20 支持リング
21 径方向外側領域
22 径方向内側領域
22’内面
22” 下面
23 支持面
24 接触面
25 丸エッジ
25’ 面取り部
26 上面
27 カバープレート
29 丸エッジ
30 外面
30’ 下面
31 チャネル
32 上面
33 リングウェブ
34 内壁
35 傾斜面
36 外壁
37 下縁
38 凹部
39 間隙
a 間隙高さ
b 距離
c 間隙幅
d 距離
D1 第1直径
D2 第2直径
D3 第3直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)上にSiC層を堆積するためのCVDリアクタであって、ハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内に配置されたサセプタ構造(3)と、前記サセプタ構造(3)を加熱するための加熱装置(6)と、プロセスチャンバ天井(4)と前記サセプタ構造(3)との間に配置されたプロセスチャンバ(2)と、前記プロセスチャンバ(2)内にプロセスガスを供給するためのガス入口部材(5)と、を有し、
前記サセプタ構造(3)は、前記プロセスチャンバ(2)内で処理される前記基板(10)を支持するための少なくとも1つの支持装置を有し、前記支持装置は、上面(32)とその反対側にある下面(12’)と円筒面上に延在する周囲壁(19)とを有する円盤状の基板ホルダー(12)と、前記基板ホルダー(12)の支持フランク(13)により担持される支持リング(20)と、を有し、
前記支持リング(20)は、前記支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって前記基板(10)の縁(10’)を載置するための支持面(23)を形成する上面とを具備する径方向内側領域(22)を有し、
前記支持リング(20)は、上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)を有し、かつ、
前記支持面(23)は、第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される、前記CVDリアクタにおいて、
リングウェブ(33)が、中空円筒内面上に延びる内壁(34)を有し、前記内壁(34)は第2直径(D2)をもちかつ前記周囲壁(19)に沿って延在しており、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の直径公差の分だけ前記第2直径(D2)より大きく、かつ、前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)まで計測した前記リングウェブ(33)の距離(d)が、前記基板ホルダ(12)の下面(12’)から前記支持フランク(13)までの距離(b)よりも小さいことを特徴とするCVDリアクタ。
【請求項2】
前記距離(d)は、前記距離(b)の100%より小さく、前記距離(b)の少なくとも50%又は少なくとも80%又は少なくとも90%であることを特徴とする請求項1に記載のCVDリアクタ。
【請求項3】
基板(10)上にSiC層を堆積するためのCVDリアクタで使用する支持リング(20)であって、
基板ホルダ(12)の支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される支持面(23)とを具備する径方向内側領域(22)と、
上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)と、を有し、
前記外壁(36)は、前記外壁(36)の反対側にある内壁(34)を形成するリングウェブ(33)により形成されており、
中空円筒内面上に延在する前記内壁(34)は、前記内壁(34)の径方向内側に延在する前記径方向内側領域(22)の下面(2”)に隣接している、前記支持リング(20)において、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の直径公差の分だけ前記内壁(34)の第2直径(D2)よりも大きいことを特徴とする支持リング。
【請求項4】
CVDリアクタ内で基板(10)を支持するための支持構造であって、
円筒面上に延在する周囲壁(19)を有する円形の基板ホルダー(12)と、前記基板ホルダー(12)の支持フランク(13)により担持される支持リング(20)と、を有し、
前記支持リング(20)は、前記支持フランク(13)上に載置される下面(22”)と前記下面(22”)の反対側にあって前記基板(10)の縁(10’)を載置するための支持面(23)を形成する上面とを具備する径方向内側領域(22)を有し、
前記支持リング(20)は、上面(26)と前記上面(26)の反対側にあって円筒面上に延在する外壁(36)に隣接する下面(30’)とを具備する径方向外側領域(21)を有し、
前記支持面(23)は、第1直径(D1)をもつ接触面(24)によって画定される、前記支持構造において、
リングウェブ(33)が、第2直径(D2)をもつ中空円筒内面上に延びる内壁(34)を形成し、
前記第1直径(D1)は、前記基板(10)の公差の分だけ前記第2直径よりも大きいことを特徴とする支持構造。
【請求項5】
前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)まで計測した前記リングウェブ(33)の距離(d)が、前記基板ホルダ(12)の下面(12’)から前記支持フランク(13)までの距離(b)の100%よりも小さく、少なくとも50%又は80%又は95%であることを特徴とする請求項4に記載の支持構造。
【請求項6】
中空円筒内面上に延在する前記接触面(24)は、前記外壁(36)よりも径方向内側かつ前記内壁(34)よりも径方向外側に延在することを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項7】
前記内壁(34)は、前記リングウェブ(33)の材料厚さを低減する丸み部分又は傾斜面(35)を形成して、前記外壁(36)に隣接する下縁(37)と繋がることを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項8】
断面にて略T字状に形成された前記支持リング(20)がSiCから作製されることを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項9】
前記径方向外側領域(21)は、円筒面上に延在する外面(30)を形成し、かつ、前記径方向内側領域(22)は、中空円筒内面上の内壁(34)よりも径方向内側に延在する内面(22’)を有することを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項10】
互いに同心状に延びる2つの前記円筒面(34,36)間の距離が、前記リングウェブ(33)の下面(37)から前記径方向内側領域の前記下面(22”)までの距離(d)よりも小さく、かつ前記距離(d)の最大50%であることを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項11】
内側の前記円筒面(34)が外側の前記円筒面(36)よりも大きい高さを有することを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項12】
前記径方向内側領域(22)の前記支持面(23)から前記下面(22”)までの距離が、前記基板ホルダー(12)の前記上面(32)から前記支持フランク(13)までの距離よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項13】
前記径方向内側領域(22)の材料厚さが前記径方向外側領域(21)の材料厚さと同じであること、及び/又は、前記径方向内側領域(22)の材料厚さ及び前記径方向外側領域(21)の材料厚さがそれぞれ2mmであることを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項14】
前記リングウェブ(33) の材料厚さを規定する内壁(34)と外壁(36)との間の距離が、前記下面(22”)から前記リングウェブ(33)の下縁(37)までの距離(d)の半分よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の支持リング。
【請求項15】
請求項6~14のいずれかに記載の支持リングを有することを特徴とする請求項1に記載のCVDリアクタ。
【請求項16】
請求項6~14のいずれかに記載の支持リングを有することを特徴とする請求項4に記載の支持構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
支持リングは、全周に亘って同じ一定の断面を有する忠実の環状体とすることができる。リングウェブの高さは、径方向内側領域又は径方向外側領域の径方向の長さよりも大きくし得る。リングウェブの材料厚さは、径方向内側領域の材料厚さよりも大きくし得る。それは、径方向外側領域の材料厚さよりも小さくし得る。リングウェブの材料厚さは、リングウェブの高さよりも小さく、特に半分よりも小さくできる。その場合、リングウェブの高さは、径方向外側領域又は径方向側領域の2つの下面の一方からリングウェブの下縁までの距離と理解し得る。2つの距離が互いに異なっている場合、リングウェブの高さは、2つの距離のうち小さい方と理解し得る。径方向外側領域及び径方向内側領域の自由端面並びにリングウェブの下縁は、丸みのある縁を有し得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
T字状の断面を有する支持リング29が設けられる。支持リング20は、下面22”を具備する径方向内側領域22を有し、その下面22”にて径方向内側領域22を支持フランク13上に載置することができる。下面22は、支持面23の反対側に位置し、図4に示す動作状態では、基板10の縁10’から所定の距離にある。支持面23は、支持リング20が持ち上げられるときにその効果を発揮する。そのとき、基板10は、その縁10’によって支持面23上で支持される。したがって、下面22”から支持面23までの距離は、基板ホルダーの上面32から支持フランク13までの高さの差よりも小さい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
支持リング20は、径方向内側領域22及び径方向外側領域21によってT字脚を形成している。リングウェブ33によって支持リング20はT字ウェブを形成している。リングウェブ33は、内側領域22と外側領域21を同一材料で成形された円筒状の環状体である。リングウェブ33は、円筒面上に延在し、直角を形成して下面30’と繋がっている外壁3を有する。リングウェブ33の内壁34は、直角を形成して、径方向内側領域22の下面2”と繋がっている。外壁36は、丸い下部リング面37を形成して面取り部又は傾斜面35に繋がっており、それは中空円筒内面上に延びる内壁34に接続している。搬送時又は格納時に基板10の狭い端縁がその上で支持され得る接触面24は、内壁34の半径よりやや大きい半径をもつ中空円筒内面上に延びている。接触面24の半径は、外壁36の半径よりもやや小さい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
基板10は、基板ホルダー12を通る熱流によってプロセス温度に加熱される。基板10に面した基板ホルダー12の上面が1つ以上の凹部を有することによって、基板ホルダー12の上面から基板10まで、局所的に異なる高さをもつガス間隙を介して熱流が生じ、そのため凹部の底面の形状によって熱流が影響を受け得る。基板ホルダー12の上面は、凹形状とすることができる。基板の端のみが基板ホルダー12の縁に載置でき、その場合、基板10を支持する個々の支持要素をこの場所に設けることができる。基板10が載置される支持点又は支持線は、基板10の外縁から離間して配置される。
基板10の縁10’への熱流は、支持リング20を通して行われる。基板10のコーティング時、基板10の縁10’は、支持面23の上方に僅かな距離を空けて延在しているため、支持リング20から基板10への熱流も同様にガス間隙を介して生じる。しかしながら、従来技術とは異なり、基体14からの主な熱流は、基板ホルダ12を通って径方向内側領域2へと生じるのではなく、むしろリングウェブ33を通って生じる。このために、リングウェブ33が基板ホルダー12全体を取り囲むことによって、基板ホルダー12が支持リング20の空洞内に載置されるようにする。
したがって、リングウェブ33は熱伝導経路を形成し、それを介して熱の大部分が基体14から径方向内側領域22へ、かつ/又は、径方向外側領域21へと伝導される。熱流は、リングウェブ33の材料厚さを介して調整することができ、したがって、異なるリングウェブ33を具備する支持リング20を選択して使用することができる。支持リングは、その全周囲に亘って同じ一定の断面形状を有する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
間隙cは、下面22”から始まって傾斜面35の始点まで、好ましくは鉛直方向の間隙長さの50%を超える一定の間隙幅を有することができる。傾斜面35は、リングウェブ33の内側領域に沿って延在することができ、それは距離dの50%未満に対応する。好ましくは、傾斜面35は丸み部分に繋がり、この丸み部分は傾斜面のない外壁36へと繋がることができ、その結果、外壁36は、丸み部分を形成して下部リング面37又は頂点ラインへと繋がる円筒面により形成される。したがって、下部リング面37の中央を通って延びる頂点ラインは、支持リング20の断面を通る中心線から半径方向外側にオフセットして延在する。
径方向外側領域21の径方向の長さが径方向内側領域22の径方向の長さよりも大きい場合に有利であることが判る。したがって、内壁34から内面22’までの距離は、外壁36から外面30までの距離よりも小さいことが好ましい。
径方向内側領域22の材料厚さ、すなわち支持面23から下面22”までの距離が、径方向外側領域21の材料厚さ、すなわち下面30’から上面26までの距離よりも小さいこともまた有利である。本発明によるリングウェブ3のさらなる利点は、その基部領域、すなわちリングウェブ33が下面22”に接続される領域における材料厚さである。その部分におけるリングウェブ33の材料厚さは、リングウェブの鉛直方向の長さdよりも小さい。好ましくは、互いに同心状に延びる円筒面34、36の領域におけるリングウェブの材料厚さは、下部リング面37から下面22”までの距離の半分よりも小さい。径方向外側領域21の下面30’の高さ位置が、径方向内側領域22の下面22”の高さ位置と上面23の高さ位置との間にあるとき、さらに利点となり得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
好ましくは外壁36が、カバープレート15の内壁18の反対側にあり、それによって支持リング20は、環状凹部のその周囲の大部分の領域に亘って延在し、環状凹部の底面は基体14の上面によって、環状凹部の壁は基板ホルダー12の周囲壁19及びカバープレート15の内壁18によって形成されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
リングウェブ33の比較的大きい鉛直高さは、径方向外側領域21と組み合わされて断面L字状の安定化本体を形成し、そこから基板10の支持機能を発揮するウェブが径方向内側に突出するという効果を奏する。L字状の基体は、SiCの堆積時に支持リング0が僅かな変形しか生じないことを意味する。上述した設計上の特徴によって、従来技術と比較して熱応力に対して機械的に安定した支持リングが提供される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
基板ホルダー12は、約150mmの第2直径D2をもつ円弧ライン上に延在する周囲壁19を有する。この構成の結果、SiC層の堆積中、基板10は基板ホルダ12上の中心に位置することになり、基板10の縁は、円筒形の周囲壁19と位置合わせされる。第1直径D1は、基板10の直径の製造公差の分だけ第2直径D2よりも大きい。このために、基板ホルダー2の外側面に対し僅かな遊びをもって位置し得る内面22’によってセンタリング機能を実行することができる。この内面2’の第3直径D3は、支持フランク13により形成される段部の円筒壁の外直径よりも僅かに大きいだけである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
CVDリアクタであって、断面にて略字状に形成された支持リング20がSiCから作製されることを特徴とする。
【国際調査報告】