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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ベベル洗浄によるストリップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L21/304 645C
H01L21/302 105Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522469
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 US2022046856
(87)【国際公開番号】W WO2023069346
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/270,764
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベラウ・レオニド
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン・エリック
【テーマコード(参考)】
5F004
5F157
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA03
5F004BB13
5F004BB26
5F004BC05
5F004BC06
5F004BD01
5F004BD07
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA24
5F004DA25
5F004DA26
5F004DA28
5F004DB07
5F004EA13
5F004EB01
5F157AA09
5F157AA12
5F157AA14
5F157AA15
5F157AA29
5F157AA30
5F157AA42
5F157AA63
5F157AA93
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB33
5F157BG32
5F157BG33
5F157BG34
5F157BG35
5F157BG36
5F157BG37
(57)【要約】
【解決手段】エッチングフィーチャからポリマ含有側壁膜をストリップし、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を有するウエハのベベル部の裏側からポリマ含有堆積層をストリップするための方法が提供される。プラズマはストリップガスから生成され、ストリップガスは、水素(H2)含有ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとを含み、プラズマは、ストリップガスからラジカルを生成する。ウエハはラジカルに曝され、ラジカルは、ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層を除去する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングフィーチャからポリマ含有側壁膜をストリップし、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を有するウエハのベベル部の裏側からポリマ含有堆積層をストリップするための方法であって、
ストリップガスからプラズマを生成する工程であって、前記ストリップガスは、
水素(H2)含有ガスと、
CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つと、を含み、前記プラズマは、前記ストリップガスからラジカルを生成する、工程と、
前記ウエハを前記ラジカルに曝す工程であって、前記ラジカルは、前記ポリマ含有側壁膜および前記ポリマ含有堆積層を除去する、工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記H2含有ガスは、
2と、
2と、を含むフォーミングガスであり、
前記フォーミングガスは、0.1%~4%のH2である、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、前記フォーミングガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとからなる、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、前記フォーミングガス、少なくとも1つの不活性ガス、ならびに、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つからなる、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記ストリップガスは、ハロゲンフリーである、方法。
【請求項6】
ベベル部を有するウエハ上の少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を処理するための方法であって、
前記少なくとも1つのシリコン窒化物含有層に少なくとも1つのフィーチャをエッチングする工程であって、前記少なくとも1つのフィーチャをエッチングする工程は、前記少なくとも1つのフィーチャにポリマ含有側壁膜を形成し、前記ウエハの前記ベベル部の裏側にポリマ含有堆積層を形成し、前記エッチングする工程は、真空のエッチングチャンバ内で提供される、工程と、
前記ウエハを、前記真空を破ることなく前記エッチングチャンバからストリップチャンバに移す工程と、
前記ポリマ含有側壁膜および前記ポリマ含有堆積層をストリップする工程であって、
ストリップガスからプラズマを生成する工程であって、前記ストリップガスは、
水素(H2)含有ガスと、
CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つと、を含み、前記プラズマは、前記ストリップガスからラジカルを形成する、工程と、
前記ウエハを前記ラジカルに曝す工程であって、前記ラジカルは、前記ポリマ含有側壁膜および前記ポリマ含有堆積層を除去する、工程と、を含む工程と、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記H2含有ガスは、
2と、
2と、を含むフォーミングガスであり、
前記フォーミングガスは、0.1%~4%のH2である、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、前記フォーミングガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとからなる、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、前記フォーミングガス、少なくとも1つの不活性ガス、ならびに、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つからなる、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の方法であって、
前記ストリップガスは、ハロゲンフリーである、方法。
【請求項11】
請求項6に記載の方法であって、
前記ポリマをストリップする工程は、20℃~500℃の範囲の温度で実施される、方法。
【請求項12】
請求項6に記載の方法であって、
前記ポリマ含有堆積層および前記ポリマ含有側壁は、フッ素ポリマを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記ポリマ含有堆積層は、さらに、アンモニア塩を含む、方法。
【請求項14】
エッチングフィーチャからポリマ含有側壁膜をストリップし、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を有するウエハのベベル部の裏側からポリマ含有堆積層をストリップするための方法であって、
ストリップガスからプラズマを生成する工程であって、前記ストリップガスは、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つを含み、前記プラズマは、前記ストリップガスからラジカルを生成する、工程と、
前記ウエハを前記ラジカルに曝す工程であって、前記ラジカルは、前記ポリマ含有側壁膜および前記ポリマ含有堆積層を除去する、工程と、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つからなる、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記ストリップガスは主に、少なくとも1つの不活性ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとからなる、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、本明細書において全ての目的のために参照により援用される、2021年10月22日出願の米国出願第63/270,764号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0003】
本開示は、半導体ウエハ上に半導体デバイスを形成する方法に関する。具体的には、本開示は、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層におけるフィーチャのエッチングに関する。そのようなプロセスでは、エッチングフィーチャの側壁にフッ素ポリマが堆積する可能性がある。またフッ素ポリマは、ウエハのベベル部の裏側に堆積する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的に従って前記を実現するために、エッチングフィーチャからポリマ含有側壁膜をストリップし、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を有するウエハのベベル部の裏側からポリマ含有堆積層をストリップするための方法が提供される。ストリップガスからプラズマが生成され、ストリップガスは、水素(H2)含有ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとを含み、プラズマは、ストリップガスからラジカルを生成する。ウエハはラジカルに曝され、ラジカルは、ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層を除去する。
【0005】
別の実施形態では、ベベル部を有するウエハ上の少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を処理するための方法が提供される。少なくとも1つのシリコン窒化物含有層に少なくとも1つのフィーチャがエッチングされ、少なくとも1つのフィーチャのエッチングは、少なくとも1つのフィーチャにポリマ含有側壁膜を形成し、ウエハのベベル部の裏側にポリマ含有堆積層を形成し、エッチングは、真空のエッチングチャンバで提供される。ウエハは、真空を破ることなくエッチングチャンバからストリップチャンバに移される。ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層がストリップされ、ストリップガスからプラズマを生成する工程を含み、ストリップガスは、水素(H2)含有ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとを含み、プラズマは、ストリップガスからラジカルを生成する。ウエハはラジカルに曝され、ラジカルは、ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層を除去する。
【0006】
別の実施形態では、エッチングフィーチャからポリマ含有側壁膜をストリップし、少なくとも1つのシリコン窒化物含有層を含む積層を有するウエハのベベル部の裏側からポリマ含有堆積層をストリップするための方法が提供される。プラズマはストリップガスから生成され、ストリップガスは、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つを含み、プラズマは、ストリップガスからラジカルを生成する。ウエハはラジカルに曝され、ラジカルは、ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層を除去する。
【0007】
本開示のこれらの特徴および他の特徴は、次の図と併せて以下に発明を実施するための形態においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、添付の図面の図において限定的ではなく例示的に示され、同じ数字は同じ要素を意味する。
【0009】
図1】一実施形態の高レベルフローチャート。
【0010】
図2】一実施形態で用いられるプラットフォームの概略図。
【0011】
図3】一実施形態で用いられるストリップツールの概略図。
【0012】
図4】一実施形態で処理される積層の拡大断面図。
【0013】
図5】一実施形態で用いられるウエハのベベル部の拡大断面図。
【0014】
図6】一実施形態を実施するのに用いられうるコンピュータシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで本開示は、添付の図面に示されるそのいくつかの好ましい実施形態を参照して詳細に説明される。以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するためにいくつかの具体的な詳細が記載される。しかし、当業者には、本開示がそれらの具体的な詳細の一部または全てなしで実施されてよいことが明らかだろう。他の例では、本開示を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス工程および/または構造は詳細には説明されていない。
【0016】
エッチング技術を用いるメモリホールのドライエッチングは、通常、ウエハ表面およびウエハ(ベベル部)の裏側におけるポリマの堆積と関連している。ウエハは、エッチングされると通常、続く処理のために真空環境から格納庫(例えば、大気中の密閉型容器(FOUP))に移される。メモリホール構造の側壁に残った反応種が大気に曝されることで、コンタクト形状の腐食および欠陥形成を引き起こす高レベルの側壁損傷が生じる。そのような腐食および欠陥形成は、時間および水分に左右される。
【0017】
そのため、ポリマのポストエッチングストリップは、シリコン窒化物(SiN、窒化物としても知られる)層による3次元否定論理積(3D NAND)製造において用いられる一般的な工程である。通常のポリマ除去ガスは、フォーミングガス(FG)を含む酸素(O2)である。フォーミングガスは、希釈水素(H2)ガスである。通常のフォーミングガスは、約4%のH2および約96%の窒素(N2)からなる。別のポリマ除去ガスは、O2、N2、およびFGである。そのようなストリップ化学物質は、ウエハの表面およびウエハの裏側からポリマをストリップできる。そのようなストリップ化学物質は、シリコン酸化物/シリコン窒化物/シリコン酸化物/シリコン窒化物(ONON)積層におけるシリコン窒化物含有層を損傷し、シリコン窒化物層の高い酸化レベルおよび/または強い腐食をもたらす。これにより、コンタクト側壁ラフネスが大幅に増加し、コンタクト限界寸法が大幅に増加する。O2の曝露を時間または流量で制限することは、この根本的な限界を解決できない。一方で、O2フリーのストリップは、ウエハの裏側からポリマをストリップできない。ポリマがウエハの裏側からストリップされないときは、続く処理においてポリマ剥離およびチャンバ汚染によって粒子欠陥が引き起こされる。
【0018】
図1は、一実施形態の高レベルフローチャートである。本実施形態では、ウエハはエッチングチャンバ内に設置される(工程104)。本実施形態では、シリコン窒化物層を含む積層はウエハ上にある。本実施形態では、積層は、炭素含有マスクの下にONON積層を含む。一実施形態で用いられるエッチングチャンバおよび関連するプラットフォームのより詳細な説明は、以下に記載される。ウエハ上の積層にフィーチャがエッチングされる(工程108)。フィーチャのエッチングは、エッチングフィーチャの側壁にポリマ含有側壁膜を堆積させ、ウエハ裏側のベベル部にポリマ含有堆積層を堆積させる。本実施形態では、ポリマ含有堆積層およびポリマ含有側壁膜は、炭素およびフッ素を含むフッ素ポリマ堆積物である。
【0019】
ウエハは、エッチングチャンバからストリップチャンバに移される(工程112)。本実施形態では、プラットフォームは、エッチングチャンバおよびストリップチャンバの両方を備える。プラットフォームは、真空を破ることなくウエハをエッチングチャンバからストリップチャンバに移すことができる。エッチングチャンバからストリップチャンバへの搬送中にウエハを真空に保つことは、フッ素ポリマ側壁膜が水分に曝されることを防ぐ。水分は、フッ素ポリマ側壁膜に積層の腐食を生じさせる可能性がある。プラットフォームは、ウエハのエッチングチャンバからストリップチャンバへの搬送中に真空を破らないことで積層への損傷を低減する。
【0020】
ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有堆積層は、ストリップチャンバでストリップされる(工程116)。プラズマはストリップガスから生成され、ストリップガスは、水素(H2)含有ガスと、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、および二酸化窒素(NO2)の少なくとも1つとを含む。本実施形態では、H2含有ガスはフォーミングガスである。本実施形態では、フォーミングガスは窒素(N2)で希釈されたH2である。本実施形態では、フォーミングガスは、約4%のH2を有する。本実施形態では、ストリップガスは主に、CO2と、約4%のH2および約96%のN2のフォーミングガスとからなる。そのため、そのような実施形態のストリップガスは、フッ素およびハロゲンフリーである。様々な実施形態では、フォーミングガスは主に、0.1%~4%のH2および96%~99.9%のN2からなってよい。他の実施形態では、ストリップガスに不活性ガスが加えられてよい。不活性ガスの例は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、およびネオン(Ne)であってよい。プラズマは、ストリップガスからラジカルを生成する。そのようなラジカルは、H、O、C、NO、およびNのラジカルを含んでよい。ラジカルは、少ないシリコン窒化物層の損傷または酸化で、ポリマ含有側壁膜およびポリマ含有裏側堆積層をストリップする。ウエハおよび積層は、さらなる処理が施されてよい。ウエハおよび積層はプラットフォームから取り出され、大気に曝される。
【0021】
CO、CO2、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つを含むフォーミングガスのストリップガスを用いることで、ウエハ表面、パターン化構造の側壁、およびウエハ(ベベル部)の裏側からポリマをストリップするという独特の能力が提供される。この組み合わせにより、O2およびフォーミングガスのストリップガスと比べて大幅に少ない表面酸化を提供しながら、高いポリマ剥離速度が可能になる。O2を含むストリップガスを用いるSiN層の酸化および/または腐食は、いくつかの用途では好ましくない。ストリップガスがフォーミングガスのみである場合は、ウエハの裏側のフルオロカーボン堆積層は十分に除去されない。その結果、残ったフルオロカーボン堆積層は続く処理において汚染物となり、不良デバイスの数を増加させるだろう。
【0022】
いくつかの実施形態では、ストリップガスは、30sccm~3リットル/分の範囲のCO2流を提供する。他の実施形態では、ストリップは、150~1000sccmの範囲の流量のCO2を提供する。いくつかの実施形態では、CO2の流量対フォーミングガスの流量の比は、1:100~5:1の範囲である。
【0023】
-10℃未満のウエハ支持体極低温でSiN含有層をエッチングする実施形態では、ウエハベベル部の裏側にポリマ含有堆積物と共にアンモニウム塩(NH4X)が堆積する可能性がある。CO2およびフォーミングガスを含むストリップガスの使用で、ポリマ含有堆積物を伴うアンモニア塩の除去速度が増加することが分かった。アンモニア塩の除去は、後のプロセスにおける汚染物を低減する。その結果、ストリップガスは、極低温エッチングプロセス後のストリップの向上をもたらす。他の実施形態では、極低温エッチングプロセスは、-10℃未満の温度で実施される。
【0024】
他の実施形態は、主にCO2およびH2からなるストリップガスを用いてよい。例えば、ストリップガスは、90%~99.9%のCO2および0.1%~10%のH2であってよい。そのため、ストリップガスは主に、H2含有ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとからなってよい。H2含有ガスは主に、N2およびH2、またはH2のみのフォーミングガスからなってよい。ストリップ中に、ウエハ温度は20℃~500℃の範囲の温度に維持される。約750mT(ミリトル)の圧力が提供される。一般に、圧力は100~2000mTの範囲である。
【0025】
他の実施形態では、ストリップガスはH2フリーである、または0.1%未満のH2を有する。そのような実施形態では、ストリップガスは主に、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つからなる。他のそのような実施形態では、ストリップガスは主に、不活性ガスと、CO2、CO、N2O、NO、およびNO2の少なくとも1つとからなり、不活性ガスは、He、Ne、Ar、およびN2の少なくとも1つである。
【0026】
図2は、一実施形態を用いるプラットフォーム200の上面概略図である。FOUP202は、処理される前の未処理ウエハを格納し、次に全ての処理がプラットフォーム200で終了すると、処理済みウエハを保管する。FOUP202は、大抵25もの多数のウエハを保管できる。大気搬送モジュール(ATM)214は、FOUP202に対してウエハを搬送するのに用いられる。ロードロックステーション205は、ATM214の大気と真空搬送モジュール(VTM)212の真空との間でウエハを行き来させるように動作する少なくとも1つの装置を表す。VTM212は、複数の処理チャンバを接続するプラットフォーム200の一部である。異なるタイプの処理チャンバがあってよい。本実施形態では、複数の処理チャンバは、エッチングチャンバ208、ストリップチャンバ220、および追加の処理チャンバ228を含む。本実施形態では、エッチングチャンバ208は、容量結合された誘電体エッチングチャンバである。他の実施形態では、エッチングチャンバ208は誘導結合されてよい。真空搬送モジュール212内のロボットシステムは、エンドエフェクタを用いてロードロックステーション205と処理チャンバとの間でウエハを移動させる。ATM214は、ロボットシステムを用いてFOUP202とロードロックステーション205との間でウエハを搬送する。プラットフォーム200全体を制御するのにコントローラ235が用いられてよい、または、プラットフォーム200の異なる部分もしくは異なる処理チャンバを制御するのに複数のコントローラ235が用いられてよい。
【0027】
図3は、一実施形態で用いられうるストリップチャンバ220の概略図である。1つ以上の実施形態では、ストリップチャンバ220は、チャンバ壁312で囲まれたリアクタチャンバ310内に、ガス入口を設けたシャワーヘッド306およびウエハ支持体308を備える。リアクタチャンバ310内では、ウエハ314はウエハ支持体308の上に設置される。ガス源316は、リモートプラズマ発生器320に接続されている。リモートプラズマ発生器320は、シャワーヘッド306を通じてリアクタチャンバ310に接続されている。高周波(RF)源330は、27メガヘルツ(MHz)、13.56MHz、60MHz、2MHz、および400kHzの1つ以上の周波数でRF電力をリモートプラズマ発生器320に提供する。ウエハ支持体308の温度を制御するために、支持体温度コントローラ340が用いられる。コントローラ335は、排気ポンプ352、支持体温度コントローラ340、およびガス源316に制御可能に接続されている。いくつかの実施形態では、電極またはヘリカルコイルを用いて容量結合エネルギまたは誘導結合エネルギがストリップチャンバ220に提供されてよい。一実施形態では、ストリップチャンバ220においてラジカルを発生させるために、誘導結合RF電力を用いて200W~5000WのRFエネルギがストリップチャンバ220に提供される。他の実施形態では、ストリップチャンバ220はリモートプラズマを用いない代わりに、ストリップチャンバ内でプラズマを発生させる。
【0028】
図4は、積層にエッチングフィーチャ440をエッチングした後の、ウエハ314の一部の上の積層404の一部を示す拡大概略断面図である。本実施形態では、積層404は複数の二重層412を含む。本実施例では、ウエハ408と複数の二重層との間に1つ以上の層が配置されてよい。本実施形態では、各二重層412は、シリコン酸化物層424およびシリコン窒化物層428を含む。エッチングフィーチャ440の側壁にフッ素ポリマ側壁膜445が堆積している。図5は、フッ素ポリマ堆積層504を伴うウエハ314のベベル部の拡大断面図である。シリコン窒化物層428の腐食および酸化を最小限にしながら、様々な実施形態がフッ素ポリマ側壁445およびフッ素ポリマ堆積層504をストリップできる。
【0029】
図6は、実施形態で用いられるコントローラ235および535を実装するのに適したコンピュータシステム600を示す高レベルブロック図である。コンピュータシステム600は、コントローラ235および535を実装するための1つ以上のコンピュータシステムであってよい。コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、および小型ハンドヘルドデバイスから大型スーパーコンピュータに至るまで、多くの物理的形態を有してよい。コンピュータシステム600は1つ以上のプロセッサ602を備え、さらに電子表示装置604(画像、文章、および他のデータの表示用)、メインメモリ606(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置608(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置610(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインタフェース装置612(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、または他のポインティング装置など)、ならびに通信インタフェース614(例えば、無線ネットワークインタフェース)を備えることができる。通信インタフェース614は、リンクを介してコンピュータシステム600と外部装置との間でソフトウェアおよびデータが伝達されることを可能にする。システムは、前記の装置/モジュールが接続される通信インフラ616(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、またはネットワーク)を備えてもよい。
【0030】
通信インタフェース614を介して伝達される情報は、信号(例えば、電子信号、電磁信号、光信号、または、信号を伝送する通信リンクを介して通信インタフェース614に受信されうる他の信号)の形態であってよく、電線またはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、高周波リンク、および/または他の通信チャネルを用いて実現されてよい。そのような通信インタフェースによって、1つ以上のプロセッサ602は、上記の方法工程を実施する過程においてネットワークから情報を受信できる、またはネットワークに情報を出力できると考えられる。さらに、方法の実施形態は、処理の一部を担うリモートプロセッサと協働して、プロセッサにおいてのみ実施されてよい、または、インターネットなどのネットワーク上で実施されてよい。
【0031】
用語「非一時的コンピュータ可読媒体」は一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブルストレージ、ならびに記憶装置(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の形態の永続メモリ)などの媒体を指すのに用いられ、搬送波または搬送波信号などの一時的対象物を含むとは解釈されない。コンピュータコードの例は、機械語(例えば、コンパイラによって作成されたもの)、および、インタプリタを用いてコンピュータによって実行される高レベルコードを有するファイルを含む。コンピュータ可読媒体は、搬送波で具現化されたコンピュータデータ信号によって送信され、プロセッサによって実行可能な命令列を表すコンピュータコードであってもよい。
【0032】
本開示はいくつかの好ましい実施形態の点から説明されたが、本開示の範囲に該当する変更、修正、置換、および様々な代替同等物がある。また、本開示の方法および装置を実施する多くの別の方法があることにも注意されたい。よって、以下に添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神および範囲に該当する全てのかかる変更、修正、置換、および様々な代替同等物を含むと解釈されることが意図される。本明細書で用いられる表現「A、B、またはC」は、非排他的論理「OR」を用いる論理(「A OR B OR C」)を意味すると解釈されるべきであり、「AまたはBまたはCの1つのみ」を意味すると解釈されるべきでない。プロセスにおける各工程は任意であってよく、必須ではない。異なる実施形態は、1つ以上の工程が省かれたものであってよい、または、異なる順序の工程を提供してよい。また、様々な実施形態が異なる工程を連続的ではなく同時に提供してよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】