(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-28
(54)【発明の名称】物体を保持するためのクランプ、物体を保持するためのクランプを製造する方法、およびリソグラフィシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241018BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20241018BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G03F7/20 501
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525354
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022078749
(87)【国際公開番号】W WO2023072640
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ポワエス、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ローイ、レネ、アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】シュタイン、アレクサンデル
【テーマコード(参考)】
2H197
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197CA10
2H197CB16
2H197CC16
2H197CD02
2H197CD03
2H197CD05
2H197CD06
2H197CD12
2H197CD13
2H197GA01
2H197GA05
2H197GA17
2H197GA18
2H197HA03
5F004BB22
5F131AA02
5F131BA13
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA02
5F131EB11
5F131EB54
5F131EB78
5F131EB79
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、誘電部材と、誘電部材上に配置され、第1の導電材料からなる導電要素と、物体を支持するために導電要素上に配置された多数のバールとを備え、各バールが第2の導電材料を備えるクランプを提供する。クランプは、導電要素と多数のバールとの間に配置されたエッチング耐性材料と第3の導電材料の交互層のスタックを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を保持するためのクランプであって、
前記物体を支持するために配置された複数のバールであって、各バールが第1の導電材料を備える、複数のバールを備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有し、前記複数のバールの底部は、前記交互層のスタックから形成される、クランプ。
【請求項2】
前記スタックは、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを接続するように構成されている、請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記エッチング耐性材料の除去速度は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度の1/10から1/10000の間にある、請求項1または2に記載のクランプ。
【請求項4】
前記クランプは、前記スタックの下方に第3の導電材料を備える導電要素をさらに備え、前記導電要素は、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを導電接続するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項5】
前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるとき前記導電要素を保護する、請求項4に記載のクランプ。
【請求項6】
前記第1の導電材料、前記第2の導電材料、および前記第3の導電材料は、同一であり、またはCrNを備える、請求項4または5に記載のクランプ。
【請求項7】
前記エッチング耐性材料は、Siを備える、請求項1から6のいずれかに記載のクランプ。
【請求項8】
前記スタックは、0.2mmから20mmの間の合計厚さを有する、請求項1から7のいずれかに記載のクランプ。
【請求項9】
前記スタックは、少なくとも2層の前記エッチング耐性材料を備え、または、前記スタックの各層は、50nmから1mmの間の厚さを有する、請求項1から8のいずれかに記載のクランプ。
【請求項10】
前記スタックは、エッチング耐性材料を備える少なくとも4つの層と、前記第3の導電材料を備える少なくとも3つの層とを備える、請求項1から9のいずれかに記載のクランプ。
【請求項11】
前記クランプは、静電ウェハクランプである、請求項1から10のいずれかに記載のクランプ。
【請求項12】
エッチング耐性材料を備える前記層と前記第2の導電材料を備える前記層とが、前記クランプの上面視でほぼ同じ面積を有する、請求項1から11のいずれかに記載のクランプ。
【請求項13】
請求項1に記載のクランプを備えるリソグラフィシステム。
【請求項14】
物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
誘電部材上に第1の導電材料からなる導電要素を配置する工程と、
前記物体を支持するための多数のバールを前記導電要素上に設ける工程と、を備え、各バールが、第2の導電材料からなる上部と、エッチング耐性材料と第3の導電材料との交互層のスタックを備える底部とを備える、方法。
【請求項15】
物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
前記物体を支持するための複数のバールを設けることを備え、各バールが第1の導電材料を備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に出願された欧州出願第21205594.1号の優先権を主張し、その全体が本明細書に参照により援用される。
【0002】
本発明は、物体を保持するためのクランプおよび方法に関する。クランプは静電クランプであってもよい。クランプは、例えばウェハ支持システムの一部である。物体は、例えば、リソグラフィ装置におけるウェハ、基板またはレチクルであってもよい。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターンを、基板上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
半導体製造プロセスの進歩に伴い、回路素子の寸法は継続的に縮小される一方、デバイスあたりのトランジスタなどの機能素子の量は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従い、数十年にわたって着実に増加している。ムーアの法則に追いつくため、半導体産業はますます小さなフィーチャを生成することを可能にする技術を追い求めている。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている代表的な波長は、365nm(i線)、248nm(KrF)、193nm(ArF)、13.5nm(EUV)である。4nmないし20nmの範囲内、例えば6.7nmまたは13.5nmの波長を有する極紫外(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長の放射を使用するリソグラフィ装置よりも、基板上に小さいフィーチャを形成するのに使用できる。
【0005】
このような短波長では、リソグラフィ装置内でのパターニングデバイスおよび/または基板の正確な位置決めが不可欠である。
【0006】
このようなリソグラフィ装置は、パターニングデバイスおよび/または基板を、それぞれマスクテーブルまたはウェハテーブルなどの物体支持体にクランプするための1つまたは複数のクランプを備えることができる。クランプは、例えば、機械的クランプ、真空クランプ、または静電クランプであってもよい。EUVリソグラフィ装置の領域は必然的に真空に近い条件下で動作するため、静電クランプはEUV波長での動作に特に適している。本明細書において真空に近いとは、5kPa以下の範囲、または1~10Paの範囲の圧力を指しうる。
【0007】
このような短波長では、リソグラフィ装置内でのパターニングデバイスおよび/または基板の正確な位置決めが不可欠である。
【0008】
このようなリソグラフィ装置は、パターニングデバイスおよび/または基板を、それぞれマスクテーブルまたはウェハテーブルなどの物体支持体にクランプするための1つまたは複数のクランプを備えることができる。クランプは、例えば、機械的クランプ、真空クランプ、または静電クランプであってもよい。EUVリソグラフィ装置の各領域は必然的に真空に近い条件下で動作するため、静電クランプはEUV波長での動作に特に適している。
【0009】
静電ウェハクランプの中には、パターニングデバイスおよび/または基板を保持するための平面を画定する突起すなわち「バール」を導電的に接続する(等間隔に配置された)金属ライン(当技術分野で「マンハッタンライン」として知られる)を備える誘電性表面を有するものがある。
【0010】
1日に数千枚から数万枚のウェハが生産されるような広範な使用の結果、突起の上面の初期の相対的な粗さは、時間の経過とともに減少する。上面が平滑になると、同じく比較的平滑なウェハに付着し始める。この粘着性はリソグラフィプロセスを遅らせ、最終的にはウェハを損傷するリスクを伴う。この問題を回避するため、ウェハクランプは通常、ある時点で修復される。修復には、突起のエッチングまたは剥離が含まれる。エッチング工程では、すべての金属材料または導電材料が除去される。その後、構造が新たに堆積される。しかし、このプロセスは、比較的時間とコストがかかる。
【0011】
本発明の少なくとも1つの態様の少なくとも1つの実施形態の1つの目的は、従来技術の上記特定された欠点の少なくとも1つを回避または少なくとも軽減することにある。
【発明の概要】
【0012】
物体を保持するためのクランプであって、クランプは、誘電部材と、誘電部材上に配置され、第1の導電材料からなる導電要素と、物体を支持するために導電要素上に配置された多数のバールとを備え、各バールが第2の導電材料を備える。クランプは、導電要素と多数のバールとの間に配置されたエッチング耐性材料と第3の導電材料の交互層のスタックを備える。
【0013】
一実施形態では、第1、第2、第3の導電材料は、同じである。
【0014】
一実施形態では、第1、第2および/または第3の導電材料は、窒化クロム(CrN)を備える。
【0015】
一実施形態では、エッチング耐性材料は、Siを備える。
【0016】
一実施形態では、スタックは、0.5mmから20mm程度の合計厚さを有する。
【0017】
一実施形態では、スタックは、少なくとも2層のエッチング耐性材料を備える。
【0018】
一実施形態では、スタックは、少なくとも4層のエッチング耐性材料と少なくとも3層の第3の導電材料とを備える。
【0019】
一実施形態では、スタックの各層は、50nmから1mm程度の厚さを有する。
【0020】
クランプは、静電ウェハクランプであってもよい。
【0021】
他の態様によると、本開示は、請求項1に記載のクランプを備えるリソグラフィシステムを提供する。
【0022】
更なる他の態様によると、本開示は、物体を保持するためのクランプであって、物体を支持するために配置された複数のバールを備え、各バールが第1の導電材料を備え、複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、エッチング耐性材料は、複数のバールが除去されるときの第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有し、複数のバールの底部は、前記交互層のスタックから形成される、クランプを提供する。
【0023】
更なる他の態様によると、本開示は、物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、誘電部材上に第1の導電材料からなる導電要素を配置する工程と、物体を支持するための多数のバールを導電要素上に設ける工程と、を備え、各バールが、第2の導電材料からなる上部と、エッチング耐性材料と第3の導電材料との交互層のスタックを備える底部とを備える、方法を提供する。
【0024】
方法は、
エッチングによってバールの上部を除去する工程と、
第2の導電材料の新しい層を誘電部材上に堆積させる工程と、
第2の導電材料の新しい層上にエッチング耐性材料の多数のドットを堆積させる工程と、
エッチングによって第2の導電材料を除去する工程と、
エッチング耐性材料のドットを除去する工程とを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】リソグラフィ装置および放射源を備えるリソグラフィシステムを示す図である。
【
図2】マンハッタンラインによって接続された複数の導電性バールを有する静電クランプの一部の斜視図である。
【
図3】バールとマンハッタンラインの上面図である。
【
図4】バールを製造する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図5】バールを製造する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図6】バールを製造する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図7】バールを製造する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図8】バールを修復する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図9】バールを修復する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図10】バールを修復する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図11】バールを修復する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【
図12】バールを修復する方法の一実施形態の後続工程におけるバールの断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、放射源SOとリソグラフィ装置LAとを含むリソグラフィシステムを示している。放射源SOは、EUV放射ビームBを生成し、そのEUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように構成されている。リソグラフィ装置LAは、照明システムILと、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MTと、投影システムPSと、基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTとを備える。
【0027】
照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調整するように構成されている。そこで、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10とファセット瞳ミラーデバイス11を含んでもよい。ファセットフィールドミラーデバイス10とファセット瞳ミラーデバイス11は、EUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布を提供する。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10およびファセット瞳ミラーデバイス11に加えて、またはこれに代えて、その他のミラーまたはデバイスを含んでもよい。
【0028】
こうして調整された後、EUV放射ビームBは、パターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターニングされたEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターニングされたEUV放射ビームB’を基板W上に投影するように構成されている。そのために、投影システムPSは、基板テーブルWTによって保持される基板WにパターニングされたEUV放射ビームB’を投影するように構成された複数のミラー13、14を備えてもよい。投影システムPSは、パターニングされたEUV放射ビームB’に縮小率を適用してもよく、パターニングデバイスMA上の対応するフィーチャよりも小さいフィーチャをもつ像が形成される。例えば、4倍または8倍の縮小率が適用されうる。
図1では投影システムPSが2つのミラー13、14のみを有するように示されているが、投影システムPSは、異なる数のミラー(例えば6つ又は8つのミラー)を含みうる。
【0029】
基板Wは、以前に形成されたパターンを含んでいてもよい。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターニングされたEUV放射ビームB’によって形成された像を、基板W上に以前に形成されたパターンに位置合わせする。
【0030】
相対的な真空、すなわち大気圧よりも十分に低い圧力の少量のガス(例えば水素)が、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPSに提供されてもよい。
【0031】
図1に示す放射源SOは、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)源とも呼ばれるタイプのものである。レーザシステム1は、例えばCO
2レーザを含み、レーザビーム2を介して、例えば燃料エミッタ3から供給されるスズ(Sn)などの燃料にエネルギを付与するように配置されている。以下の説明ではスズについて言及するが、任意の適切な燃料を使用することができる。燃料は、例えば液体状であってもよく、例えば金属または合金であってもよい。燃料エミッタ3は、例えば液滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4へ向かう軌道に沿って方向付けるように構成されたノズルを備えてもよい。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4でスズに入射する。スズへのレーザエネルギの付与により、プラズマ形成領域4にスズプラズマ7が形成される。プラズマ7からは、プラズマの電子とイオンとの脱励起および再結合の際に、EUV放射を含む放射が放出される。
【0032】
プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集され、集束される。コレクタ5は、例えば、近垂直入射放射コレクタ5(より一般的には、垂直入射放射コレクタと呼ばれることもある)を備える。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nmなどの所望の波長を有するEUV放射)を反射するように構成された多層ミラー構造を有してもよい。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円形の構成を有してもよい。一方の焦点はプラズマ形成領域4にあってもよく、他方の焦点は後述する中間焦点6にあってもよい。
【0033】
レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離されていてもよい。この場合、レーザビーム2は、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ、及び/又は他の光学系を備えるビーム伝送システム(図示せず)の助けを借りて、レーザシステム1から放射源SOへと渡されてもよい。レーザシステム1、放射源SO及びビーム伝送システムは合わせて、放射システムであるとみなされてもよい。
【0034】
コレクタ5で反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6に集束され、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6における像を形成する。中間焦点6における像は、照明システムILのための仮想放射源として機能する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの包囲構造9の開口部8またはその近傍に位置するように構成される。
【0035】
図1は、放射源SOをレーザ生成プラズマ(LPP)源として描いているが、放電生成プラズマ(DPP)源や自由電子レーザ(FEL)などの任意の適切な源がEUV放射の生成に使用されてもよい。
【0036】
図2を参照すると、基板テーブルWTは、基板Wを基板支持体WTにクランプするように構成された、チャックとしても知られるクランプ200を備えることができる。静電クランプの本体は、一般に、基板Wの形状およびサイズに対応している。クランプの少なくとも上面205、例えば使用時に基板Wに面する表面に、クランプ200は、バールとも呼ばれる突起210、215を有する。バールは、クランプの上面205から延び、基板Wが保持される平面を画定する。
【0037】
「上」という用語は、
図1の例示的なリソグラフィ装置LAの文脈で使用されることが理解されよう。ここでは、静電クランプ200は、特定の向きで描かれている。開示されたクランプは、様々な向きに配置されうることから、従って、「上」という用語は、記載された特定の使用例の文脈で捉えられるべきであることが理解されるであろう。
【0038】
一実施形態では、直径例えば200mm、300mm、または450mmのクランプ全体に、数百個、数千個、または数万個ものバールが分布していてもよい。バールの先端は一般に、静電クランプ245の上面から延びるすべてのバールの総面積が、上面の総表面積の約10%未満となるように、例えば1mm2未満の小さな面積を有する。このようなバールの配置のために、基板W、静電クランプ200、または基板支持体WTの表面上に存在するかもしれない粒子は、高い確率でバールの間に落下し、したがって基板または基板ホルダの変形をもたらすことはない。バールの配置は、あるパターンを形成してもよく、基板Wおよび基板支持体WTに対する力の適切な分布を提供するために、規則的であってもよく、または、所望に応じて変化させることもできる。
【0039】
図2は、静電クランプ200の誘電部材245の一部の斜視図を示す。誘電部材245は、表面205、例えば使用時に基板Wに面する表面を有する。
【0040】
描かれている部分は、第1のバール210と第2のバール215を示している。各バール210、215は、導電性の層またはコーティングを備えてもよく、または、導電性の層またはコーティングからなるものであってもよい。バール210、215は、導電要素220に結合されている。静電クランプ200の誘電体表面205は、このような導電要素220を複数備えてもよい。導電要素または導電ライン220は、概して反復的および/または規則的なパターンでレイアウトされてもよく、「マンハッタンライン」と呼ばれることがある。物体(例えばウェハ)に接触するバールの表面は、同じ電圧を有するか、または接地されてもよい。
【0041】
導電要素220は、静電クランプ200の誘電体表面205上に配置されるか、または誘電体表面205に埋め込まれてもよい。導電要素220は、静電クランプ200の誘電体表面205に対して盛り上がっていてもよく、例えば面一でなくてもよい。あるいは、導電要素220は、表面205に埋め込まれていてもよい(図示せず)。
【0042】
加えて又は代替的に、
図2に描かれている静電クランプ200は、リソグラフィ投影装置、レチクルハンドリング装置、及びレチクル製造装置のうち少なくとも1つにおいてリソグラフィ投影レチクル又はレチクルブランクを静電クランプするようにクランプ構成可能であってもよい。
【0043】
図2および
図3では、バール210、215は円筒形として描かれているが、バール210、215は、物体、例えば基板Wまたはレチクル(図示せず)を支持するのに適した他の形状を有し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、バール410、415は、その高さ全体にわたって同じ形状および寸法を有する。他の実施形態では、バール210、215は、テーパ状であってもよい。バール210、215はまた、寸法が変化していてもよい。例えば、異なる実施形態におけるバールは、約1マイクロメートルから約5ミリメートルの距離を突出していてもよい。
【0044】
図2には2つのバール210、215のみが示されているが、静電クランプ200のマップは、数百、数千、あるいは数万のバールなど、より多くのバールを備えてもよいことが理解されよう。これらバールは共に、基板Wのような物体を支持するための平面を画定する。
【0045】
さらに、例示のみを目的として、導電要素220は、直線状であるように描かれており、例えば、バール210、25は、直線状の導電要素220によって画定される直線状の経路上に配置されている。例示的な実施形態では、静電クランプは、並列に又は別のパターンで配置された複数の直線状の導電要素220を備えてもよく、この場合、バールも直線状に配置される。本開示の範囲に属する他の実施形態では、導電要素220は、曲線、円、または螺旋などの異なる形状または配置を有してもよい。いくつかの実施形態において、導電要素220は、誘電体表面205の外周および/または中心から放射状に延びるように配置されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、バールは、誘電部材245の表面205上に同心のリング状に配置されてもよい。複数の導電要素は、これらリングに配置された複数のバールのそれぞれの間に延在し、これらを接続してもよい。
【0047】
上述したように、導電要素220は、誘電部材245の表面205に形成されたトレンチ(図示せず)内に配置されてもよい。トレンチは、傾斜した側壁で形成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、誘電部材245の表面205によって画定される平面に対する傾斜の角度は、30度から40度の間であってもよい。このような傾斜側壁は、ウェットエッチングのプロセスによって形成されてもよい。
【0048】
図4から
図7を参照すると、本開示に係る少なくとも1つのバール210を備えるクランプを製造する方法の一実施形態は、以下の工程を備えてもよい。
【0049】
図4は、第1の導電材料の第1の層250を堆積することを備える第1の工程を示す。前記第1の層250は、最終的にマンハッタンライン220を形成する。この方法は、第1の層250の上に第2の複合層またはスタック252を堆積することを備える。スタック252は、エッチストップ材料(層254)および第2の導電材料(層256)の多数の交互層254、256を備える。第3の導電材料の第3の層258は、スタック252の上に堆積される。エッチストップ材料の第4の層260が第3の層258の上に堆積される。層260は、最終的に1つ又は複数のバール210を形成するためのマスクを形成する。バール210は、1mmから100mmの間、好ましくは5mmから15mmの間の厚さを有する。
【0050】
一実施形態では、第1、第2および/または第3の導電材料は、窒化クロム(CrN)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、または同様の適切な材料を備えてもよい。エッチストップ層254および/または260は、Siまたは同様の適切な材料を備えてもよい。一実施形態では、それぞれの層250、254、256、258、260の堆積工程は、すべて同じ堆積チャンバ内で行われ、堆積材料の投入が調整される。すなわち、堆積チャンバへの投入は、例えば、それぞれの層の所定の厚さ、それぞれの材料の堆積速度などに応じて、特定の導電材料から特定のエッチストップ材料に変更される。一実施形態では、第1、第2および/または第3の導電材料は、同じ材料を備えてもよい。
【0051】
スタック252の各層254、256は、50nmから1mm程度、好ましくは80nmから300nmの間の厚さを有してもよい。スタック252は、0.2mmから20mm程度、好ましくは0.4mmから1mmの間の厚さを有してもよい。第1の層250は、0.2mmから10mm程度、好ましくは0.4mmから1mmの間の厚さを有してもよい。第3の層258は、0.5mmから15mm程度、好ましくは5mmから11mmの間の厚さを有してもよい。スタック252は、導電材料とエッチストップ材料との交互層の少なくとも1組または2組を備えてもよい。より多くの交互層をスタック252に追加することにより、
図8から
図12を参照して本明細書で以下に説明するように、追加の修復工程を可能にすることができる。一実施形態では、スタック252は、少なくとも5層のエッチストップ材料254の間に挟まれた少なくとも4層の導電材料256を備えてもよい。エッチストップ材料および導電材料は、各材料を選択的に除去できるように選択されてもよい。本明細書において「選択的に」とは、一方の材料が(例えばウェットエッチングやイオンビーム成形によって)除去され、他方の材料は除去工程の影響を実質的に受けないこと、およびその逆を示す。例えば、バール210が部分的または完全に除去されるとき、エッチング耐性材料はバール210の除去速度よりも低い除去速度を有する。エッチング耐性材料の除去速度は、複数のバールが除去されるときのバールの第1の導電材料の除去速度の1/10から1/10000の間、好ましくは1/20から1/1000の間、より好ましくは1/50から1/200の間である。
【0052】
図5は、第3の層258の導電材料が除去された第2の工程の結果を示す。この除去は、例えばエッチング、イオンビーム成形またはレーザ成形を備える。層260のマスキング機能により、マスク260で覆われた層258の一部が残り、1つ又は複数のバール210が形成される。層220は、例えばSiとCrNの断続的な層を備える多層スタック252によって覆われている。設計上の「マンハッタン」構造220に隣接する第2のエッチストップの下にある層250の導電材料、典型的にはCrNも除去されなければならない。層262、264の多層エッチストップは、非常にエッチング耐性が高い。例えばレーザ加工により、基板254の表面にコーティングを残さないはずの場所で多層エッチストップのスタック252の全体を除去することができ、その結果、
図5に示すような構造が得られる。
【0053】
図6は次の工程を示す。ここでは、エッチストップ材料を含むスタック252によって覆われていない第1の層250の部分が除去される。除去は、例えば、ウェットエッチング、イオンビーム成形またはレーザ成形によって行われる。エッチストップ材料254の最上層は、当該層によって覆われた導電材料の層を保護する機能を果たす。スタック252は、クランプの上面視で、層220とほぼ同じ面積を持つことになる。スタック252と層220の組み合わせは、マンハッタンラインとしてパターニングされることができる。
【0054】
別の実施形態では、スタック252は、誘電部材245上に直接堆積され、マンハッタンラインとしてパターニングされることができる。層220は存在しないことができる。スタック252は十分に導電性を有し、バールを接続することができる。
【0055】
図7は、エッチストップ材料が除去される、後続工程を示す。この工程は、バール210を覆っている層260を除去し、バール210で覆われていない層254のエッチストップ材料も除去する。除去は、ウェットエッチングまたはイオンビーム成形を含んでもよい。
図7に示すように、除去工程は、第1の層262のみを除去してもよいし、または、第1の層262および第2の層264のエッチストップ材料を除去してもよい。第1の導電性スタック層266は、エッチストップ材料を除去する過程で除去されてもよく、第2の導電性スタック層268が部分的に露出した状態とされてもよい。
図7の除去工程では、例えばイオンビーム成形(IBF)が行われてもよい。イオンビーム成形は、エッチストップ層262、264によって止められることはない。その代わり、イオンビーム成形は所定の深さまで材料を除去する。IBFは、比較的幅の広いビーム(バール210の典型的な直径よりはるかに大きい)を使用し、バールの上端を平坦にすることを目的としている。後者は材料除去量を高める。そのため、IBF除去工程によって影響を受けるスタック252の層262、264、266の量は、バール上端の材料除去の必要性によって左右される。イオンビーム成形を使用する場合、層260の厚さは、スタック252の厚さよりも小さくなるように選択される。選択された修復可能回数に応じて、層260の厚さは、例えば、スタック252の合計厚さの多くとも半分、例えば約3分の1、または例えば多くとも4分の1である。
【0056】
図7は、関連するマンハッタンライン220上のバール210の断面を示しており、ウェハ、マスクまたはレチクルのような物体を保持する準備が整った状態にある。
図7に示す少なくとも1つのバール210は、典型的には、本開示に係るクランプの一部である。クランプ自体は、
図7に示すようなバールを多数備える。エッチング耐性材料を備える層254と導電材料を備える層256は、クランプの上面視で、ほぼ同じ面積を有する。層256は、層254とほぼ完全に重なっている。
【0057】
図7に示されるように、エッチストップ材料が除去される後続工程の結果、バールの底部は、交互層のスタック252から形成される。
図4と
図7の交互層のスタック252を比較すると、バールで覆われていないスタック252の一部が除去される。その結果、
図7に示すように、バールの底部は、
図7に参照番号262、264および266で示す交互層のスタックの一部を備える。
【0058】
図8は、損傷を受けた上面270を有するバール210の断面を示す。この損傷は、上記で説明したように、通常、使用による磨耗と損傷に起因する。例えば、上面が平滑になりすぎ、その結果、粘着性が生じている可能性がある。あるいは、表面270が所定の表面構造に対して粗くなりすぎた可能性もある。
【0059】
図9は、クランプを修復する方法の第1の工程を示している。構造全体を除去するのではなく、導電材料とエッチストップ材料との交互層を含むスタック252により、最上部258のみを除去することができる。除去は例えば、バール210の導電材料を除去するためのウェットエッチングを含んでもよい。エッチングは、スタック252に含まれる導電材料の1つの層272の側部も除去しうる。エッチストップ材料の後続層274は、エッチングプロセスを停止させる。その結果、スタック252は、導電材料(典型的にはCrN)の下層220をエッチングから保護したままとなる。スタック252内の材料の交互セットの数は、再加工の実行可能回数を決定しうる。例えば、約9つの交互層254、256のスタックを使用して、2回から3回の再加工または修復が可能となりうる。
【0060】
図10は次の工程を示す。ここでは、導電材料の層276が
図9の構造上に堆積される。
図4に示した層260と同様のマスキング層278が、層276の上に堆積される。層276は基本的にバール層210を再堆積する。層278はバールの形状を決定する構造化マスクを付加する。
【0061】
図11は、不要な材料を除去することを備える次の工程を示す。ここでの除去は、エッチング、典型的にはウェットエッチングを含んでもよい。マスキング層278によって覆われていない層276の導電材料は、ウェットエッチングによって除去されうる。スタック252に含まれるエッチストップ層274は、マンハッタンライン220を保護するためにエッチングプロセスを停止する。
【0062】
図12は、マスク274を除去することを含む後続工程を示している。マスク278を除去することは、イオンビーム成形(IBF)を含み得る。IBFプロセスはまた、バール210によって露出されたエッチストップ層274の一部を除去してもよい。
【0063】
図12は、関連するマンハッタンライン220上のバール210の断面を示しており、ウェハ、マスクまたはレチクルのような物体を保持する準備が整った状態にある。
図12に示す少なくとも1つのバール210は、典型的には、本開示に係るクランプの一部である。クランプ自体は、
図12に示すようなバールを多数備える。したがって、限られた数の工程で、
図8から
図12に関して説明したように、本開示のクランプを修復することができる。本開示の方法は、マンハッタンライン220を含む構造全体を除去し、その後再堆積することを省略する。結果として、修復は、時間および関連コストの実質的な節約を提供する。
【0064】
図8から
図12に示されるように、バールの底部は、交互層のスタック252から形成される。
図8と
図12の交互層のスタック252を比較すると、修復処理により、バールで覆われていないスタック252の一部が除去されることが分かる。その結果、
図12でバールの底部を形成する交互層のスタック252は、
図8に示すバールと比較して厚くなり、今度は追加の層を備えている。
【0065】
図8に示すように、バールが損傷した場合、バールの修復が必要になることがある。従来のシステムでは、エッチストップ層はすでになくなっている。そのため、バール全体とマンハッタンラインを含むすべての導電性構造とが除去され、再度堆積される。これには時間と労力がかかる。本開示のクランプは、1つのエッチストップ層の代わりに、例えばCrN層とSi層を備える多層スタックを有し、Si層がエッチストップとして機能する複数の界面を可能にする。その結果、修復のたびにクランプを「マンハッタンライン存在」状態に戻すことができ、クランプの修復をより迅速かつ安価に行うことができる。本明細書において、マンハッタンライン存在状態とは、修復中も基本的にそのままの状態を維持する導電ライン220の所定の構造を意味する。
【0066】
一実施形態では、底部220の厚さは例えば約1μmとすることができる。ライン220の導電材料は、CrN(導電性をもつ)で作ることができる。この部分は「マンハッタン」ラインと呼ばれることがある。基本的に、ライン220は、すべてのバール210、215をグランドと呼ばれる基準電圧に電気的に接続する薄膜相互接続である。バールの上部は、例えばCrNで作られている。各バール210、215は、約9mmの高さを有してもよい。
【0067】
本書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的に言及しているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は他の用途を有し得ることを理解すべきである。ありうる他の用途には、統合光学システム、磁区メモリの案内および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造が含まれる。
【0068】
本書では、リソグラフィ装置の文脈で本発明の実施形態を具体的に説明しているが、本発明の実施形態は、他の装置で使用することができる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、または、ウェーハ(または他の基板)又はマスク(または他のパターニングデバイス)などの物体を測定または処理する任意の装置の一部を形成してもよい。これらの装置は、一般にリソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空条件または周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0069】
上記では、光リソグラフィの文脈における本発明の実施形態の使用について具体的に言及がなされたかもしれないが、文脈が許す限り、本発明は光リソグラフィに限定されず、例えばインプリントリソグラフィのような他の用途において使用され得ることが理解されるであろう。
【0070】
本発明の特定の実施形態を上で説明したが、本発明は、説明された以外の方法で実施されてもよいことを理解すべきである。上記の説明は、限定ではなく、例示を目的としている。したがって、記載された本発明には、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、変更が加えられてもよいことは当業者には明らかであろう。
【0071】
条項
1.物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
前記物体を支持するための多数のバールを設けることを備え、各バールが第1の導電材料を備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有する、方法。
2.前記スタックは、誘電部材の上方に配置され、
前記複数のバールを除去することと、
前記誘電部材上に前記第1の導電材料を備える層を堆積させることと、
前記第1の導電材料の前記層上に前記エッチング耐性材料を備える層を堆積させることと、
別の複数のバールを形成するために、前記エッチング耐性材料を備える前記層をパターニングすることと、
前記別の複数のバールを形成するために、エッチングによって前記第1の導電材料を除去し、前記エッチング耐性材料を備える前記層を除去することと、をさらに備える、条項1に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を保持するためのクランプであって、
前記物体を支持するために配置された複数のバールであって、各バールが第1の導電材料を備える、複数のバールを備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有し、前記複数のバールの底部は、前記交互層のスタックから形成される、クランプ。
【請求項2】
前記スタックは、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを接続するように構成されている、請求項1に記載のクランプ。
【請求項3】
前記エッチング耐性材料の除去速度は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度の1/10から1/10000の間にある、請求項
1に記載のクランプ。
【請求項4】
前記クランプは、前記スタックの下方に第3の導電材料を備える導電要素をさらに備え、前記導電要素は、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを導電接続するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項5】
前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるとき前記導電要素を保護する、請求項4に記載のクランプ。
【請求項6】
前記第1の導電材料、前記第2の導電材料、および前記第3の導電材料は、同一であり、またはCrNを備える、請求項
4に記載のクランプ。
【請求項7】
前記エッチング耐性材料は、Siを備える、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項8】
前記スタックは、0.2mmから20mmの間の合計厚さを有する、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項9】
前記スタックは、少なくとも2層の前記エッチング耐性材料を備え、または、前記スタックの各層は、50nmから1mmの間の厚さを有する、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項10】
前記スタックは、
前記エッチング耐性材料を備える少なくとも4つの層と
、第3の導電材料を備える少なくとも3つの層とを備える、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項11】
前記クランプは、静電ウェハクランプである、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項12】
前記エッチング耐性材料を備える前記層と前記第2の導電材料を備える前記層とが、前記クランプの上面視でほぼ同じ面積を有する、請求項1から
3のいずれかに記載のクランプ。
【請求項13】
請求項1
から3のいずれかに記載のクランプを備えるリソグラフィシステム。
【請求項14】
物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
誘電部材上に第1の導電材料からなる導電要素を配置する工程と、
前記物体を支持するための多数のバールを前記導電要素上に設ける工程と、を備え、各バールが、第2の導電材料からなる上部と、エッチング耐性材料と第3の導電材料との交互層のスタックを備える底部とを備える、方法。
【請求項15】
物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
前記物体を支持するための複数のバールを設けることを備え、各バールが第1の導電材料を備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有する、方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
条項
1.物体を保持するためのクランプであって、
前記物体を支持するために配置された複数のバールであって、各バールが第1の導電材料を備える、複数のバールを備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有し、前記複数のバールの底部は、前記交互層のスタックから形成される、クランプ。
2.前記スタックは、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを接続するように構成されている、条項1に記載のクランプ。
3.前記エッチング耐性材料の除去速度は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度の1/10から1/10000の間にある、条項1または2に記載のクランプ。
4.前記クランプは、前記スタックの下方に第3の導電材料を備える導電要素をさらに備え、前記導電要素は、前記複数のバールのうち少なくとも2つのバールを導電接続するように構成されている、条項1から3のいずれかに記載のクランプ。
5.前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるとき前記導電要素を保護する、条項4に記載のクランプ。
6.前記第1の導電材料、前記第2の導電材料、および前記第3の導電材料は、同一であり、またはCrNを備える、条項4または5に記載のクランプ。
7.エッチング耐性材料は、Siを備える、条項1から6のいずれかに記載のクランプ。
8.前記スタックは、0.2mmから20mmの間の合計厚さを有する、条項1から7のいずれかに記載のクランプ。
9.前記スタックは、少なくとも2層の前記エッチング耐性材料を備え、または、前記スタックの各層は、50nmから1mmの間の厚さを有する、条項1から8のいずれかに記載のクランプ。
10.前記スタックは、エッチング耐性材料を備える少なくとも4つの層と、前記第3の導電材料を備える少なくとも3つの層とを備える、条項1から9のいずれかに記載のクランプ。
11.前記クランプは、静電ウェハクランプである、条項1から10のいずれかに記載のクランプ。
12.エッチング耐性材料を備える前記層と前記第2の導電材料を備える前記層とが、前記クランプの上面視でほぼ同じ面積を有する、条項1から11のいずれかに記載のクランプ。
13.条項1に記載のクランプを備えるリソグラフィシステム。
14.物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
誘電部材上に第1の導電材料からなる導電要素を配置する工程と、
前記物体を支持するための多数のバールを前記導電要素上に設ける工程と、を備え、各バールが、第2の導電材料からなる上部と、エッチング耐性材料と第3の導電材料との交互層のスタックを備える底部とを備える、方法。
15.物体を保持するためのクランプを製造する方法であって、
前記物体を支持するための多数のバールを設けることを備え、各バールが第1の導電材料を備え、
前記複数のバールは、エッチング耐性材料を備える層と第2の導電材料を備える層との交互層のスタックの上にあり、前記エッチング耐性材料は、前記複数のバールが除去されるときの前記第1の導電材料の除去速度よりも低い除去速度を有する、方法。
16.前記スタックは、誘電部材の上方に配置され、
前記複数のバールを除去することと、
前記誘電部材上に前記第1の導電材料を備える層を堆積させることと、
前記第1の導電材料の前記層上に前記エッチング耐性材料を備える層を堆積させることと、
別の複数のバールを形成するために、前記エッチング耐性材料を備える前記層をパターニングすることと、
前記別の複数のバールを形成するために、エッチングによって前記第1の導電材料を除去し、前記エッチング耐性材料を備える前記層を除去することと、をさらに備える、条項15に記載の方法。
【国際調査報告】