(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電磁コイルの均一な冷却のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/141 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H01J37/141 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579164
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 US2022047782
(87)【国際公開番号】W WO2023076315
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フロレンド オスカル
(72)【発明者】
【氏名】グエン ヴィンセント
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101BB03
5C101BB04
5C101BB05
5C101EE12
5C101EE13
5C101EE63
5C101FF02
5C101HH11
(57)【要約】
電磁コイルの均一な冷却のためのシステムおよび方法が提供される。システムは、電磁コイルと、冷却構造と、冷却流体源とを含む。冷却構造は、電磁コイルの周囲全体を取り囲み、電磁コイルの周りに交互に配置された第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを含む。冷却流体源は、第1の冷却流体を第1の冷却チャネルに送達し、第2の冷却流体を第2の冷却チャネルに送達して、第1の冷却流体および第2の冷却流体が電磁コイルを冷却するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
電磁コイルと、
前記電磁コイルの周囲全体を取り囲み、前記電磁コイルの周りに交互に配置された第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを備える冷却構造と、
第1の冷却流体および第2の冷却流体が前記電磁コイルを冷却するように、前記第1の冷却流体を前記第1の冷却チャネルに送達し、前記第2の冷却流体を前記第2の冷却チャネルに送達するように構成された冷却流体源と、
を備えるシステム。
【請求項2】
電子ビームを生成するように構成され、前記電子ビームは、前記電磁コイルのアパーチャを通ってターゲットに向かって方向付けられる、電子ビーム源と、
前記アパーチャ内に電磁場を生成し、前記アパーチャを通過する前記電子ビームを集束させる前記電磁コイルに電力を供給するように構成された電圧源と、
をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの周囲全体に巻き付けられた別個のチューブ回路によって画定されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの周囲全体を取り囲む集積固体構造内の別個のチャネル回路によって画定されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電磁コイルは、上面、底面、内面、及び外面を有するリング形状を有し、前記冷却構造は、前記上面、前記底面、前記内面、及び前記外面のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの各面の周りに交互に単層で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却構造は、
前記第1の冷却チャネルと流体連通している第1の入口および第1の出口と、
前記第2の冷却チャネルと流体連通している第2の入口および第2の出口と、
をさらに備え、前記第1の入口は前記第2の出口に隣接して配置され、前記第2の入口は前記第1の出口に隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の冷却流体は、第1の方向に前記第1の冷却チャネルを通って移動し、前記第2の冷却流体は、第2の方向に前記第2の冷却チャネルを通って移動し、前記第2の方向は、前記第1の方向と反対であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記冷却流体源は水を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、同じ断面積および有効長さを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記冷却構造は前記電磁コイルを収容することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記電磁コイル及び前記冷却構造体は、ハウジング内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
方法であって、
電圧源を介して電磁コイルに給電するステップと、
冷却流体源を介して、第1の冷却流体および第2の冷却流体を前記電磁コイルの周囲全体を取り囲む冷却構造に送達するステップと、
を備え、前記冷却構造は、前記電磁コイルの周りに交互に配置された第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを備え、前記第1の冷却流体は前記第1の冷却チャネルに送達され、前記第2の冷却流体は前記第2の冷却チャネルに送達され、前記第1の冷却流体および前記第2の冷却流体は前記電磁コイルを均一に冷却することを特徴とする方法。
【請求項14】
電子ビーム源を介して電子ビームを生成するステップと、
前記電子ビームを前記電磁コイルのアパーチャを通してターゲットに向けて方向付けるステップと、
をさらに備え、前記電磁コイルによって生成される電磁場は、前記アパーチャを通過する前記電子ビームを集束させることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの周囲全体に巻き付けられた別個のチューブ回路によって画定されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの周囲全体を取り囲む集積固体構造内の別個のチャネル回路によって画定されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記電磁コイルは、上面、底面、内面、及び外面を有するリング形状を有し、前記冷却構造は、前記上面、前記底面、前記内面、及び前記外面のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルは、前記電磁コイルの各面の周りに交互に単層で配置されていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記冷却流体源を介して、前記第1の冷却流体および前記第2の冷却流体を前記冷却構造に送達するステップは、
第1の入口を介して、前記第1の冷却流体を前記第1の冷却チャネルに送達し、前記第1の冷却流体は、第1の出口において前記第1の冷却チャネルを出るステップと、
第2の入口を介して、前記第2の冷却流体を前記第2の冷却チャネルに送達し、前記第2の冷却流体は、第2の出口において前記第2の冷却チャネルを出るステップと、
をさらに備え、前記第1の入口は、前記第2の出口に隣接して前記冷却構造内に配置され、前記第2の入口は、前記第1の出口に隣接して前記冷却構造内に配置されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の冷却流体は、第1の方向に前記第1の冷却チャネルを通って移動し、前記第2の冷却流体は、第2の方向に前記第2の冷却チャネルを通って移動し、前記第2の方向は、前記第1の方向と反対であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年9月29日に出願された米国仮特許出願第63/273,155号に対する優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電子ビームシステムに関し、より詳細には、電磁コイルのための冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造産業の進化は、歩留まり管理に、特に計測および検査システムに、より大きな要求を課している。臨界寸法は縮小し続けるが、産業界は、高収率、高価値生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを固定するまでの総時間を最小限に抑えることは、半導体製造業者に対する投資への復帰を決定する。
【0004】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウェハまたはEUVマスクを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、個々の半導体デバイスに分離される単一の半導体ウェハ上に配置で製造され得る。
【0005】
検査プロセスは、製造プロセスにおけるより高い歩留りを促進し、したがってより高い利益を促進するために、ウェハ上の欠陥を検出するために半導体製造中の様々なステップで使用される。検査は、集積回路(IC)などの半導体デバイスを製造する上で常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さい欠陥がデバイスの故障を引き起こし得るため、検査は、許容可能な半導体デバイスの製造の成功にとってさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が縮小するにつれて、比較的小さい欠陥でさえも半導体デバイスにおいて望ましくない収差を引き起こし得るため、縮小サイズの欠陥の検出が必要になった。
【0006】
電子ビームシステムでは、1つ以上の要素を電子ビーム経路に配置して、ビームをターゲットに向けて集束させることができる。例えば、ビームは電磁コイルを通過することができる。コイルに電源が投入されると、コイルの開口において結果として生じる磁場は、電子を通過させて狭いビームに集束させる。しかしながら、コイルに電力を供給することは、コイルに熱も発生させる。熱がコイルを取り囲むハウジングおよびシステム内の他の光学部品に伝達されると、部品の熱膨張により整列および対称性が変化する可能性がある。これは、較正の損失、画像歪み、およびドリフトをもたらし得る。
【0007】
既存の方法は、コイルを冷却することによってコイルから他の構成要素への熱伝達を低減しようとする。例えば、銅管でろう付けされた銅板がコイルに接合されてもよく、冷却流体が、銅板を冷却し、それによってコイルを冷却するように管を通して圧送されてもよい。しかしながら、これらの方法は、コイルの不均一な冷却をもたらす:(1)銅板は、コイル(すなわち、コイルの銅板に最も近い側は、銅板から最も遠い側よりも冷たい)の片側のみに配置される;(2)出口における冷却流体の温度は、入口における温度(すなわち、入口付近のコイルの部分は、出口付近の部分よりも冷たい)よりも高い。不均一な冷却は、ハウジングへの熱伝達を低減し、システムへの悪影響を軽減するのにあまり効果的でないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-008078号公報
【特許文献2】特開2009-278001号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0213689号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、電磁コイルを冷却する改良された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の実施形態は、システムを提供する。システムは、電磁コイルと、冷却構造と、冷却流体源とを備えることができる。冷却構造は、電磁コイルの周囲全体を取り囲んでもよい。冷却構造は、電磁コイルの周りに交互に配置された第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを備えてもよい。冷却流体源は、第1の冷却流体を第1の冷却チャネルに送達するように構成されてもよい。冷却流体源は、第2の冷却流体を第2の冷却チャネルに送達するように構成されてもよい。第1の冷却流体および第2の冷却流体は、電磁コイルを冷却することができる。
【0011】
本開示の実施形態によれば、システムは、電子ビーム源をさらに備えてもよい。電子ビーム源は、電子ビームを生成するように構成されてもよい。電子ビームは、電磁コイルのアパーチャを通ってターゲットに向かって方向付けられ得る。システムは、電圧源をさらに含み得る。電圧源は、電磁コイルに電力を供給するように構成することができ、電磁コイルは、開口内に電磁場を生成することができ、開口を通過する電子ビームを集束させることができる。
【0012】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、電磁コイルの周囲全体に巻き付けられた別個のチューブ回路によって画定され得る。
【0013】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、電磁コイルの周囲全体を取り囲む集積固体構造内の別個のチャネル回路によって画定され得る。
【0014】
本開示の実施形態によれば、電磁コイルは、上面と、底面と、内面と、外面とを備えるリング形状を有し得る。冷却構造は、前記上面、前記底面、前記内面、及び前記外面のそれぞれに配置されてもよい。
【0015】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、電磁コイルの各表面の周りに単一の層で交互に配置され得る。
【0016】
本開示の実施形態によれば、冷却構造は、第1の冷却チャネルと流体連通する第1の入口および第1の出口をさらに備えることができる。冷却構造はさらに、第2の冷却チャネルと流体連通する第2の入口および第2の出口を備えてもよい。第1の入口は、第2の出口に隣接して配置されてもよい。第2の入口は、第1の出口に隣接して配置されてもよい。
【0017】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却流体は、第1の方向に第1の冷却チャネルを通って移動してもよく、第2の冷却流体は、第2の方向に第2の冷却チャネルを通って移動してもよい。第2の方向は、第1の方向と反対であってもよい。
【0018】
本開示の実施形態によれば、冷却流体源は水を含んでもよい。
【0019】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、同じ断面積および有効長さを有し得る。
【0020】
本開示の実施形態によれば、冷却構造は電磁コイルを収容することができる。
【0021】
本開示の実施形態によれば、電磁コイル及び冷却構造体は、ハウジング内に配置されうる。
【0022】
本開示の実施形態は、方法を提供する。本方法は、電圧源を介して電磁コイルに電力を供給することを含んでもよい。本方法はさらに、冷却流体源を介して、第1の冷却流体および第2の冷却流体を電磁コイルの周囲の全体を囲む冷却構造に送達するステップを含んでもよい。冷却構造は、電磁コイルの周りに交互に配置された第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを備えてもよい。第1の冷却流体は、第1の冷却チャネルに送達されてもよい。第2の冷却流体は、第2の冷却チャネルに送達されてもよい。第1の冷却流体および第2の冷却流体は、電磁コイルを均一に冷却することができる。
【0023】
本開示の実施形態によれば、本方法は、電子ビーム源を介して電子ビームを生成することをさらに含み得る。本方法はさらに、電子ビームを電磁コイルのアパーチャ(開口)を通して標的に向かって指向させるステップを含んでもよい。電磁コイルによって生成される電磁場は、アパーチャを通過する電子ビームを集束させることができる。
【0024】
本開示の実施形態によると、本方法は、第1の入口を介して、第1の冷却流体を第1の冷却チャネルに送達するステップをさらに含んでもよい。第1の冷却流体は、第1の出口において第1の冷却チャネルに存在してもよい。本方法はさらに、第2の入口を介して、第2の冷却流体を第2の冷却チャネルに送達するステップを含んでもよい。第2の冷却流体は、第2の出口で第2の冷却チャネルを出ることができる。第1の入口は、第2の出口に隣接して冷却構造内に配置することができ、第2の入口は、第1の出口に隣接して冷却構造内に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の性質および目的をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
【
図1A】本開示の一実施形態による装置の断面ブロック図である。
【
図1B】本開示の一実施形態によるコイルアセンブリの上面図である。
【
図2】本開示の一実施形態による冷却構造の斜視図である。
【
図3A】本開示の一実施形態による冷却構造の断面図である。
【
図3B】本開示の別の実施形態による冷却構造の断面図である。
【
図4A】本開示の一実施形態による冷却構造の上面図である。
【
図4B】本開示の一実施形態による冷却構造の側面図である。
【
図5A】本開示の一実施形態による方法のフローチャートである。
【
図5B】本開示の別の実施形態による方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態によるシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特許請求される主題は、ある実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利益および特徴の全てを提供しない実施形態を含む、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0027】
図1Aに示されるように、本開示の実施形態は、装置100を提供する。装置100は、電磁コイル110を備えることができる。電磁コイル110は、アパーチャ(開口)111を画定するリング形状(
図1Bに示す)を有し得る。電圧源150に接続されると、電磁場がアパーチャ111内に生成され得る。電磁場の強度は、電磁コイル110に印加される電圧または電流を調整することによって、電圧源150によって制御され得る。例えば、電圧源150は、電磁コイル110に120~300ワットの電力を供給することができる。特定の例では、電力は160ワットであり得る。電圧源150に接続されると、電磁コイル110はまた、熱を生成し得る。例えば、電磁コイル110の温度は、110°Cまでであり得る。いくつかの例では、電磁コイル110の温度は、使用されるワイヤのタイプに応じて、300°Cまでであり得る。
【0028】
装置100は、電子ビーム源140をさらに備えることができる。電子ビーム源140は、電子ビーム141を生成するように構成されている。電子ビーム141は、電磁コイル110のアパーチャ111を通ってターゲット142に向かって方向付けられ得る。ターゲット142はステージ143上に配置されてもよい。電子ビーム141がアパーチャ111を通過するとき、電磁コイル110によって生成される電磁場は、電子ビーム141を集束させることができる。検査プロセスを実行するとき、電子ビーム源140および電圧源150は、協働して電磁コイル110に電力を供給し、ビーム141を集束させることによってターゲット142の測定の精度を改善することができる。
【0029】
装置100は、冷却構造120をさらに備えることができる。冷却構造120は、電磁コイル110の周囲全体を取り囲んでもよい。冷却構造120は、第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122を含み得る。
【0030】
装置100は、冷却流体源130をさらに備えることができる。冷却流体源130は、第1の冷却流体131を第1の冷却チャネル121に送達するように構成され得る。冷却流体源130はまた、第2の冷却流体132を第2の冷却チャネル122に送達するように構成されてもよい。ある例において、第1の冷却流体131および第2の冷却流体132は同じであり得る。第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を冷却構造120に送達することによって、電磁コイル110は、他の構成要素への熱伝達を防止するために冷却され得る。冷却流体源130は、水、水と他の液体(例えば、エチレングリコール)との混合物、フッ素化液体(例えば、FLUORINERT(商標)FC-77)、または他の冷媒を含んでもよい。例えば、冷却流体源130は、15~25°Cの温度の水を含むことができる。冷却流体の温度が高すぎる(例えば、25°Cより高い)場合、電磁コイル110の温度は、ワイヤの最高温度を超え、電磁コイル110に損傷を引き起こし得る。冷却流体の温度が低すぎる(例えば、15°C未満)場合、冷却流体源130に接続された冷却剤配管は、作業環境内の水蒸気を凝縮させ得る。凝縮物の蓄積は、ツールの部分に電気的短絡を引き起こし得る。冷却流体源130は、第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を0.3~1.0L/分の速度で送達することができる。例えば、速度は0.5L/分であってもよい。送達速度は、制御可能な流体ポンプによって制御され得る。速度は、チューブのサイズおよび必要とされる熱放散に依存し得る。速度が高すぎる(例えば、1.0L/分超である)場合、乱流が生じることがあり、これはツールに振動を引き起こし、それによってツールによって生成される画像を劣化させることがある。ある事例では、冷却流体源130は、第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を冷却構造120に送達するように構成される、単一貯留部を含んでもよい。別の事例では、冷却流体源130は、第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を冷却構造120に送達するように構成される、別個の貯留部を含んでもよい。
【0031】
図2に示すように、冷却構造120は電磁コイル110を包み込むことができる。例えば、冷却構造120は電磁コイル110の全面を覆うことができる。電磁コイル110の1つの表面のみを冷却する既存の設計と比較して、冷却構造120は、電磁コイル110により均一な冷却を提供することができる。
【0032】
図3Aに示される実施形態では、冷却構造120は、第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122を画定する別個のチューブ回路を含んでもよい。チューブ回路は、電磁コイル110の周囲全体に巻き付けられるプラスチック等の可撓性材料であってもよい。可撓性チューブ回路は、他の材料と比較して、より少ない応力で熱膨張することが可能であり得る。プラスチックまたは他の絶縁材料は、電磁コイル110によって生成される熱のより良好な隔離を提供し得る。チューブ回路はまた、金属または他の材料であってもよい。
【0033】
図3Bに示される実施形態では、冷却構造120は、第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122が画定される集積固体構造123を含んでもよい。集積固体構造123は、電磁コイル110の周囲全体を取り囲む3D印刷構造であってもよい。集積固体構造123は、金属、プラスチック、または他の材料であってもよい。集積固体構造123は、組み立てられると電磁コイル110を取り囲む2つ以上の部品に製作され得る。
【0034】
図3A及び
図3Bに示すように、電磁コイル110は、上面112、底面113、内面114、及び外面115を含むことができる。冷却構造120は、電磁コイル110の両側に配置され得る。例えば、第1冷却チャネル121及び第2冷却チャネル122は、電磁コイル110の上面112、底面113、内面114及び外面115のそれぞれに配置されてもよい。内面114は、外面115よりも
図1の電子ビーム141に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、冷却構造120は、電磁コイル110のいくつかの側面のみに配置されてもよい。例えば、第1の冷却チャネル121及び第2の冷却チャネル122は、電磁コイル110の上面112、底面113及び外面115に配置されてもよい。
【0035】
第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122は、単層を画定することができる。いくつかの実施形態では、第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122は、複数の層を画定し得る。第1の冷却チャネル121と第2の冷却チャネル122とは、交互に配置されてもよい。例えば、第1の冷却チャネル121の各部分は、第2の冷却チャネル122の2つの部分の間に配置されてもよい。このように、第1の冷却チャネル121および第2の冷却チャネル122は、電磁コイル110の周囲全体に巻き付けられるにつれて、並んで配置され得る。
【0036】
図2を参照すると、冷却構造120はさらに、第1の冷却チャネル121と流体連通する第1の入口121aおよび第1の出口121bを備えてもよい。第1の冷却流体131は、第1の入口121aを介して第1の冷却チャネル121に送達され得る。第1の冷却流体131は、第1の出口121bを介して第1の冷却チャネル121を出ることができる。第1の入口121aから第1の出口121bまでの第1の冷却チャネル121内の第1の冷却流体131の移動距離は、第1の冷却チャネル121の有効長を画定し得る。
【0037】
冷却構造120はさらに、第2の冷却チャネル122と流体連通する第2の入口122aおよび第2の出口122bを備えてもよい。第2の冷却流体132は、第2の入口122aを介して第2の冷却チャネル122に送達され得る。第2の冷却流体132は、第2の出口122bを介して第2の冷却チャネル122を出ることができる。第2の入口122aから第2の出口122bまでの第2の冷却チャネル122内の第2の冷却流体132の移動距離は、第2の冷却チャネル122の有効長を画定し得る。
【0038】
本開示の実施形態によれば、第1の冷却チャネル121の有効長と第2の冷却チャネル122の有効長とは同じであってもよい。第1の冷却チャネル121の断面積と第2の冷却チャネル122の断面積とは同じであってもよい。例えば、第1の冷却チャネル121及び第2の冷却チャネル122の内径は2.5~5mmであってもよい。特定の例では、内径は3.0mmであってもよい。直径は、電磁コイル110のために利用可能な空間および放散される必要がある熱に依存し得る。第1の冷却チャネル121及び第2の冷却チャネル122が同じ断面積及び有効長さを有することにより、第1の冷却流体131及び第2の冷却流体132による電磁コイル110の冷却が類似し、既存の設計に比べて電磁コイル110をより均一に冷却することができる。
【0039】
第1の入口121aは第2の出口122bに隣接して配置されてもよく、第2の入口122aは第1の出口121bに隣接して配置されてもよい。例えば、
図4Aに示すように、第1の入口121a、第1の出口121b、第2の入口122a、及び第2の出口122bは、冷却構造体120内にクラスタ状に配置されてもよい。クラスタは、電磁コイル110の任意の側に配置され得る。例えば、クラスタは、電磁コイル110の上面112、底面113、内面114、又は外面115に配置されてもよい。第1の冷却流体131の温度は、それが第1の冷却チャネル121を通って移動するにつれて上昇し得、第2の冷却流体132の温度は、熱が電磁コイルから伝達されるにつれて、それが第2の冷却チャネル122を通って移動するにつれて上昇し得ることが理解され得る。したがって、第1の入口121aを第2の出口122bに隣接して配置し、第2の入口122aを第1の出口121bに隣接して配置することによって、冷却構造120は、既存の設計と比較して電磁コイル110をより均一に冷却することができる。
【0040】
第1の冷却流体131は、第1の方向に第1の冷却チャネル121を通って移動することができる。第2の冷却流体132は、第2の方向に第2の冷却チャネル122を通って移動することができる。
図4A及び
図4Bに示すように、第1の方向は、第2の方向と反対であってもよい。冷却流体源130は、第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を同様のまたは異なる速度で送達することができる。第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を反対方向に送達することによって、冷却構造120は、既存の設計と比較して、電磁コイル110をより均一に冷却することができる。
【0041】
装置100は、ハウジング160をさらに備えることができる。電磁コイル110及び冷却構造体120は、ハウジング160内に配置されて、
図1Aの断面図及び
図1Bの上面図に示すコイルアセンブリ101を画定することができる。コイルアセンブリ101は、電子ビームシステムにおける銃レンズ、対物レンズ、または他の光学部品として使用され得る。電磁コイル110と冷却構造体120との間のコイルアセンブリ101内には、熱伝導性ポッティング化合物が充填され得る。熱伝導性ポッティング化合物は、電磁コイル110から冷却構造120への熱伝達を容易にすることができる。いくつかの実装形態では、断熱ポッティング化合物が、冷却構造120とハウジング160との間のコイルアセンブリ101内に充填され得る。断熱ポッティング化合物は、冷却構造体120とハウジング160との間の熱伝達を低減し得る。これらの2つのタイプのポッティング化合物を使用することは、ハウジング160への熱伝達を最小限に抑える必要がある用途にとって有益であり得る。コイルアセンブリ101では、冷却構造120は、電磁コイル110を均一に冷却することができ、コイル110によって発生する熱からハウジング160を絶縁することができる。例えば、筐体160の温度は、電磁コイル110が冷却構造120を使用して電源投入されると、3°C以下だけ変動してもよい。ある例では、ハウジング160の温度は、電磁コイル110が冷却構造120を使用して電源投入されるときに0.2°C以下だけ変化し得る。いくつかの温度感受性用途では、ハウジング温度変動は±0.1°Cであり得る。あまり厳しくない用途では、ハウジング温度変動は±1.0°Cであり得る。したがって、コイルアセンブリ101は、装置100の他の構成要素への熱伝達を低減し、改善された整合および対称性をもたらし得、それは、あまり頻繁でない較正を必要とし得、画像歪みおよびドリフトを防止し得る。
【0042】
装置100では、電磁コイル110の周囲全体を取り囲む冷却構造120に第1の冷却流体131および第2の冷却流体132を送達することによって、既存の設計と比較して電磁コイル110のより均一な冷却を達成することができる。
【0043】
本開示の別の実施形態は、方法200を提供する。本方法は、装置100を使用して実行され得る。
図5Aに示されるように、方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0044】
ステップ210において、電子ビームが生成される。電子ビームは、カソード源またはエミッタティップなどの電子ビーム源によって生成されてもよい。
【0045】
ステップ220において、電磁コイルに電力が供給される。電磁コイルは、アパーチャを画定するリング形状を有してもよい。電磁コイルは、上面と、底面と、内面と、外面とを含み得る。電磁コイルは、電圧源によって電力供給されてもよい。電磁コイルに電力を供給することにより、電磁コイルの開口内に電磁場を生成することができる。電磁コイルに電力を供給することはまた、熱を生成し得る。検査プロセスを実行するとき、電圧源によって供給される電力は、用途およびシステムパラメータに応じて異なり得る。
【0046】
ステップ230において、電子ビームは、電磁コイルのアパーチャを通ってターゲットに向かって方向付けられる。ターゲットはステージ上に配置されてもよい。電磁コイルのアパーチャ内の電磁場は、電子ビームをターゲットに向かって集束させることができる。電子ビームをターゲットに向けて集束させることにより、測定の精度を向上させることができる。
【0047】
ステップ240では、第1の冷却流体および第2の冷却流体が、電磁コイルの周囲の全体を囲む冷却構造に送達される。第1の冷却流体および第2の冷却流体は、冷却流体源によって送達されてもよい。第1の冷却流体および第2の冷却流体は水であってもよい。冷却構造は、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを含んでもよい。第1の冷却流体および第2の冷却流体を冷却構造に送達することによって、電磁コイルは、他の構成要素への熱伝達を防止するように冷却されてもよい。
【0048】
冷却構造は電磁コイルを包み込むことができる。例えば、冷却構造は、電磁コイルの上面、底面、内面、及び外面を含む電磁コイルの全面を覆ってもよい。電磁コイルの1つの表面のみを冷却する既存の設計と比較して、冷却構造は、電磁コイルにより均一な冷却を提供することができる。
【0049】
ある事例では、冷却構造は、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルを画定する別個のチューブ回路を含んでもよい。チューブ回路は、電磁コイルの周囲全体に巻き付けられるプラスチック等の可撓性材料であってもよい。可撓性チューブ回路は、他の材料と比較して、より少ない応力で熱膨張することが可能であり得る。プラスチックまたは他の絶縁材料は、電磁コイルによって生成される熱のより良好な隔離を提供し得る。チューブ回路はまた、金属または他の材料であってもよい。
【0050】
ある事例では、冷却構造は、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルが画定される、集積(統合)固体構造を含んでもよい。集積された固体構造は、電磁コイルの周囲全体を取り囲む3D印刷構造であってもよい。集積された固体構造は、金属、プラスチック、または他の材料であってもよい。集積された固体構造体は、組み立てられると電磁コイルを取り囲む2つ以上の部品で製造されてもよい。
【0051】
第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、単層を画定してもよい。いくつかの実施形態では、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、複数の層を画定してもよい。第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、交互に配置されてもよい。例えば、第1の冷却チャネルの各部分は、第2の冷却チャネルの2つの部分の間に配置されてもよい。このように、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、電磁コイルの周囲全体に巻き付けられるにつれて、並んで配置されてもよい。
【0052】
図5Bを参照すると、ステップ240は、以下のステップを含む(任意の順序でまたは同時に実行される)。
【0053】
ステップ241において、第1の冷却流体は、第1の入口を介して冷却構造の第1の冷却チャネルに送達される。第1の冷却流体は、第1の出口を介して第1の冷却チャネルを出ることができる。第1の入口から第1の出口までの第1の冷却チャネル内の第1の冷却流体の移動距離は、第1の冷却チャネルの有効長を画定し得る。
【0054】
ステップ242において、第2の冷却流体は、第2の入口を介して冷却構造の第2の冷却チャネルに送達される。第2の冷却流体は、第2の出口を介して第2の冷却チャネルを出ることができる。第2の入口から第2の出口までの第2の冷却チャネル内の第2の冷却流体の移動距離は、第2の冷却チャネルの有効長を画定し得る。
【0055】
第1の冷却チャネルの有効長と第2の冷却チャネルの有効長とは同じであってもよい。第1の冷却チャネルの断面積と第2の冷却チャネルの断面積とは同じであってもよい。第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルが同じ断面積および有効長さを有する場合、第1の冷却流体および第2の冷却流体による電磁コイルの冷却は同様であり得、それによって、既存の設計と比較して電磁コイルをより均一に冷却する。
【0056】
第1の入口は、第2の出口に隣接して配置されてもよく、第2の入口は、第1の出口に隣接して配置されてもよい。例えば、第1の入口、第1の出口、第2の入口、および第2の出口は、冷却構造内にクラスタで配置されてもよい。クラスタは、電磁コイルの任意の側に配置され得る。例えば、クラスタは、電磁コイルの上面、底面、内面又は外面に配置されてもよい。第1の冷却流体の温度は、第1の冷却チャネルを通って移動するにつれて上昇し得、第2の冷却流体の温度は、第2の冷却チャネルを通って移動するにつれて上昇し得ることが理解され得る。したがって、第1の入口を第2の出口に隣接して配置し、第2の入口を第1の出口に隣接して配置することによって、冷却構造は、既存の設計と比較して電磁コイルをより均一に冷却することができる。
【0057】
第1の冷却流体は、第1の方向に第1の冷却チャネルを通って移動することができる。第2の冷却流体は、第2の方向に第2の冷却チャネルを通って移動してもよい。第1の方向は、第2の方向と反対であってもよい。冷却流体源は、第1の冷却流体および第2の冷却流体を同様のまたは異なる速度で送達することができる。第1の冷却流体および第2の冷却流体を反対方向に送達することによって、冷却構造は、既存の設計と比較して、電磁コイルをより均一に冷却することができる。
【0058】
方法200では、電磁コイルの周囲全体を取り囲む冷却構造に第1の冷却流体および第2の冷却流体を送達することによって、既存の設計と比較して電磁コイルのより均一な冷却を達成することができる。
【0059】
本開示の別の実施形態は、システム300を提供する。
図6に示すように、システム300は、ウェハ304の画像を生成するように構成されたウェハ検査ツール(電子コラム301を含む)を含む。
【0060】
ウェハ検査ツールは、少なくともエネルギ源及び検出器を含む出力取得サブシステムを含む。出力取得サブシステムは、電子ビームベースの出力取得サブシステムであってもよい。例えば、一実施形態では、ウェハ304に向けられたエネルギは電子を含み、ウェハ304から検出されたエネルギは電子を含む。このようにして、エネルギ源は電子ビーム源とすることができる。
図6に示される1つのそのような実施形態では、出力取得サブシステムは、コンピュータサブシステム302に結合される電子カラム301を含む。ステージ310は、ウェハ304を保持することができる。
【0061】
図6にも示すように、電子カラム301は、1つまたは複数の要素305によってウェハ304に集束される電子を生成するように構成された電子ビーム源303を含む。電子ビーム源303は、例えば、カソード源またはエミッタティップを含んでもよい。1つまたは複数の要素305は、たとえば、ガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム電流選択アパーチャ、対物レンズ、および走査サブシステムを含むことができ、これらのすべては、当技術分野で知られている任意のそのような好適な要素を含むことができる。特に、1つまたは複数の要素305は、電磁コイル110および冷却構造120を含むことができる。
【0062】
ウェハ304から戻った電子(例えば、二次電子)は、1つ以上の要素306によって検出器307に集束させることができる。1つまたは複数の要素306は、たとえば、要素305に含まれるのと同じ走査サブシステムであり得る走査サブシステムを含み得る。
【0063】
電子カラム301はまた、当技術分野で公知の任意の他の好適な要素を含んでもよい。
【0064】
電子コラム301は、電子が斜めの入射角でウェハ304に向けられ、別の斜めの角度でウェハ304から散乱されるように構成されるものとして
図6に示されているが、電子ビームは、任意の適切な角度でウェハ304に向けられ、そこから散乱されてもよい。さらに、電子ビームベースの出力取得サブシステムは、ウェハ304の画像(例えば、異なる照明角度、集光角度などを有する)を生成するために複数のモードを使用するように構成することができる。電子ビームベースの出力取得サブシステムの複数のモードは、出力取得サブシステムの任意の画像生成パラメータにおいて異なり得る。
【0065】
コンピュータサブシステム302は、上述のように検出器307に結合されてもよい。検出器307は、ウェハ304の表面から戻ってきた電子を検出し、それによってウェハ304の電子ビーム画像を形成することができる。電子ビーム画像は、任意の適切な電子ビーム画像を含み得る。コンピュータサブシステム302は、検出器307の出力および/または電子ビーム画像を使用して、本明細書に説明される機能のうちのいずれかを行うように構成されてもよい。コンピュータサブシステム302は、本明細書に記載の任意の追加のステップを実行するように構成されてもよい。
図6に示される出力取得サブシステムを含むシステム300は、本明細書に記載されるようにさらに構成され得る。
【0066】
図6は、本明細書で説明される実施形態で使用され得る電子ビームベースの出力取得サブシステムの構成を概略的に図示するために本明細書で提供されることに留意されたい。本明細書で説明される電子ビームベースの出力取得サブシステム構成は、商業的出力取得システムを設計するときに通常行われるように、出力取得サブシステムの性能を最適化するように変更されてもよい。加えて、本明細書で説明されるシステムは、既存のシステム(たとえば、本明細書で説明する機能を既存のシステムに追加することによって)を使用して実装され得る。いくつかのそのようなシステムに関して、本明細書で説明される方法は、システムの随意の機能性(例えば、システムの他の機能に加えて)として提供されてもよい。代替として、本明細書に説明されるシステムは、完全に新しいシステムとして設計されてもよい。
【0067】
システム300は、電子ビームシステムであるとして上記に説明されているが、本明細書に開示される実施形態はまた、イオンビームシステムで使用されることもできる。そのようなシステムは、電子ビーム源が当技術分野で公知の任意の好適なイオンビーム源と置換され得ることを除いて、
図6に示されるように構成され得る。加えて、本明細書に開示される実施形態は、市販の集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)システム、および二次イオン質量分析(SIMS)システムに含まれるもの等の任意の他の好適なイオンビームベースのシステムであってもよい。
【0068】
コンピュータサブシステム302は、プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309を含む。プロセッサ308は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のデバイスを含み得る。
【0069】
コンピュータサブシステム302は、プロセッサ308が出力を受信することができるように、任意の好適な様式(例えば、有線および/または無線伝送媒体を含むことができる1つまたは複数の伝送媒体を介する)でシステム300の構成要素に結合されてもよい。プロセッサ308は、出力を使用していくつかの機能を実行するように構成され得る。ウェハ検査ツールは、プロセッサ308から命令又は他の情報を受信することができる。プロセッサ308および/または電子データ記憶ユニット309は、随意に、別のウェハ検査ツール、ウェハ計測ツール、またはウェハレビューツール(図示せず)と電子通信し、付加的情報を受信する、または命令を送信してもよい。
【0070】
プロセッサ308は、検出器307などのウェハ検査ツールと電子通信する。プロセッサ308は、検出器307からの測定値を使用して生成された画像を処理するように構成されてもよい。例えば、プロセッサは、方法200の実施形態を実行することができる。
【0071】
コンピュータサブシステム302、他のシステム、または本明細書で説明される他のサブシステムは、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々のシステムの一部であってもよい。サブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の適切なプロセッサも含み得る。加えて、サブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを含んでもよい。
【0072】
プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309は、システム300または別のデバイスの中に配置されるか、または別様にその一部であり得る。ある例では、プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309は、独立型制御ユニットの一部であってもよく、または集中型品質制御ユニットであってもよい。複数のプロセッサ308または電子データ記憶ユニット309が使用されてもよい。
【0073】
プロセッサ308は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組合せによって実装され得る。また、本明細書で説明されるようなその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、または異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各々は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって順に実装されてもよい。プロセッサ308が種々の方法および機能を実装するためのプログラムコードまたは命令は、電子データ記憶ユニット309内のメモリまたは他のメモリ等の可読記憶媒体内に記憶されてもよい。
【0074】
システム300が複数のコンピュータサブシステム302を含む場合、画像、データ、情報、命令などをサブシステム間で送信できるように、異なるサブシステムを互いに結合することができる。たとえば、1つのサブシステムは、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によって追加のサブシステムに結合され得る。そのようなサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0075】
プロセッサ308は、システム300の出力または他の出力を使用して、いくつかの機能を行うように構成されてもよい。例えば、プロセッサ308は、出力を電子データ記憶ユニット309または別の記憶媒体に送信するように構成されてもよい。プロセッサ308はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。例えば、プロセッサ308は、冷却構造120内の流体流のためのポンプを制御するために使用することができる。
【0076】
プロセッサ308は、当技術分野で知られている任意の方式で、システム300の様々な構成要素またはサブシステムのいずれかに通信可能に結合され得る。さらに、プロセッサ308は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって、他のシステム(例えば、レビューツールなどの検査システムからの検査結果、設計データを含むリモートデータベースなど)からデータまたは情報を受信および/または取得するように構成され得る。このようにして、伝送媒体は、プロセッサ308とシステム300の他のサブシステムまたはシステム300の外部のシステムとの間のデータリンクとしての役割を果たし得る。
【0077】
本明細書で開示されるシステム300および方法の様々なステップ、機能、および/または動作は、以下のうちの1つまたは複数によって実行される:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステム。本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、またはキャリア媒体上に記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープなどの記憶媒体を含み得る。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクなどの伝送媒体を含み得る。例えば、本開示全体にわたって説明される様々なステップは、単一のプロセッサ308(またはコンピュータサブシステム302)、または代替として、複数のプロセッサ308(または複数のコンピュータサブシステム302)によって実行され得る。さらに、システム300の異なるサブシステムは、1つ以上のコンピューティングまたは論理システムを含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0078】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその妥当な解釈によってのみ限定されると見なされる。
【国際調査報告】