(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ラジカル種供給のための穴サイズを有するシャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241022BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525228
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022078786
(87)【国際公開番号】W WO2023077002
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・アーロン・ブレイク
(72)【発明者】
【氏名】ビマラセッティ・ゴピナス
(72)【発明者】
【氏名】ハート・カイル・ワット
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BA03
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB25
5F004BB26
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA04
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE06
5F045EF05
5F045EF17
5F045EH02
5F045EH03
5F045EH05
5F045EH11
5F045EH12
5F045EH18
(57)【要約】
【解決手段】シャワーヘッドは、第1のセットの穴と、第2のセットの穴とを有する。第1のセットの穴は、第2のセットの穴よりも直径および長さが大きい。第1のセットの穴は、シャワーヘッドの厚さを貫通して延びている。いくつかの実施形態では、シャワーヘッドはベース部と、ベース部から垂直に延びる円筒部とを含む。ベース部は、第2のセットの穴とは流体連通しているが第1のセットの穴とは分離されているプレナムを画定してもよい。第2のセットの穴は、プレナムからシャワーヘッドの底面へと延びている。いくつかの実装形態では、プラズマからのイオンをフィルタリングして、プラズマからのラジカルをシャワーヘッドを通して通過させ、シャワーヘッドを通じた前駆体の逆拡散を制限するように、第1のセットの穴の第1の直径を最適化してもよい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置で使用するためのシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッド内のプレナムを有するベース部と、
前記ベース部から垂直に延びる円筒部であって、前記ベース部の直径が前記円筒部の外径より大きい円筒部とを有し、
前記ベース部はそれぞれが第1の直径および第1の長さを有する第1のセットの穴と、それぞれが第2の直径および第2の長さを有する第2のセットの穴とを有し、前記第1のセットの穴と前記第2のセットの穴とは前記ベース部の中心から前記円筒部の内径にかけて分布しており、前記第1のセットの穴は前記ベース部の上面から前記ベース部の底面まで延びており、前記第2のセットの穴は前記プレナムから前記ベース部の前記底面まで延びており、前記第1の直径は前記第2の直径より大きく、前記第1の長さは前記第2の長さより大きく、前記円筒部の断面積に対する前記第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の直径(D
1)に対する前記第1の長さ(L
1)の比が約8~約15の間である、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の直径(D
1)に対する前記第1の長さ(L
1)の前記比が約10~約12の間である、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の直径は約0.03インチ~約0.1インチの間である、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記ベース部と前記円筒部とを有する第1の部材と、
円盤形状であり、前記ベース部の前記第1のセットの穴と位置合わせされた第1の貫通穴を有する第2の部材であって、上面と、側面と、前記第1の部材の前記ベース部の前記円筒部とは反対の側に取り付けられており、前記第2のセットの穴と流体連通し前記第1のセットの穴とは分離されている前記プレナムを画定する底面とを有する第2の部材と、
円盤形状であり、前記第2の部材の前記第1の貫通穴および前記第1の部材の前記第1のセットの穴と位置合わせされた第2の貫通穴を有し、前記第2の部材の前記上面に取り付けられた底面を有する第3の部材とをさらに有する、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2の部材の前記上面は、前記上面の周縁に沿っており、かつ、前記上面の反対側の端にある一対の円弧形の溝を含み、前記第2の部材の前記上面は前記一対の円弧形の溝の間に延びる複数の溝をさらに有する、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載のシャワーヘッドであって、
前記第3の部材は前記プレナムと流体連通するガス入口と、前記一対の円弧形の溝のうち第1のものと流体連通する流体入口と、前記一対の円弧形の溝のうち第2のものと流体連通する流体出口とを有する、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドは、前記第2のセットの穴から供給されるガスの、前記第1のセットの穴を通じた逆拡散を制限するように構成されている、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記円筒部の前記内径は処理される基板の直径よりも大きい、シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1のセットの穴は六角形のパターンで配置されており、前記第2のセットの穴は前記第1のセットの穴で画定される六角形の中にある三角形の頂点に位置しており、前記第1のセットの穴の1つがそれぞれの前記三角形の中に位置している、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2のセットの穴は六角形のパターンで配置されており、前記第1のセットの穴は前記第2のセットの穴で画定される六角形の中にある三角形の頂点に位置しており、前記第2のセットの穴の1つがそれぞれの前記三角形の中に位置している、シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2のセットの穴の数に対する前記第1のセットの穴の数の比が約1.00~約1.05の間である、シャワーヘッド。
【請求項15】
半導体処理装置で使用するためのシャワーヘッドであって、
円盤形状の部分と、前記円盤形状の部分から垂直に延びる円筒部とを含む第1の部材であって、前記円盤形状の部分は前記円筒部の外径よりも大きな直径を有しており、前記円盤形状の部分は第1のセットの穴と第2のセットの穴とを有し、前記第1のセットの穴はそれぞれ第1の長さと第1の直径とを有し、前記第2のセットの穴はそれぞれ第2の長さと第2の直径とを有し、前記第1の直径は前記第2の直径よりも大きく、前記第1の長さは前記第2の長さより大きく、前記第1および第2の穴のセットは前記円盤形状の部分の中心から前記円筒部の内径まで分布しており、前記円筒部の断面積に対する前記第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である第1の部材と、
円盤形状であり、前記第1の部材の前記第1のセットの穴と位置合わせされた第1の貫通穴を有する第2の部材であって、上面と、側面と、前記第1の部材の前記円盤形状の部分の前記円筒部とは反対の側に取り付けられており、前記第1の部材の前記第2のセットの穴と流体連通し前記第1の部材の前記第1のセットの穴とは分離されているプレナムを画定する底面とを有する第2の部材と、
円盤形であり、前記第2の部材の前記第1のセットの穴および前記第1の部材の前記第1のセットの穴と位置合わせされた第2の貫通穴を有する第3の部材であって、前記第2の部材の前記上面に取り付けられる底面を有する第3の部材とを有する、シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第2の部材の前記上面は、前記上面の周縁に沿っており、かつ、前記第2の部材の前記上面の反対側の端にある一対の円弧形の溝を含み、前記第2の部材の前記上面は前記一対の円弧形の溝の間に延びる複数の溝をさらに有する、シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第3の部材は、前記第3の部材の上面上の、前記第3の部材の周縁に沿った円環状リッジをさらに有しており、前記第3の部材は前記円環状リッジの内径から前記第3の部材の前記上面の中心へと延びる凹部をさらに有する、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている、シャワーヘッド。
【請求項19】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である、シャワーヘッド。
【請求項20】
請求項15に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の直径(D
1)に対する前記第1の長さ(L
1)の比が約8~約15の間である、シャワーヘッド。
【請求項21】
プラズマ装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内にあり、基板を支持するように構成された台座と、
前記処理チャンバの上方に配置されたプラズマ源と、
前記処理チャンバと前記プラズマ源との間に配置されたシャワーヘッドとを有し、
前記シャワーヘッドは
前記シャワーヘッド内のプレナムを有するベース部と、
前記ベース部から垂直に延びる円筒部であって、前記ベース部の直径は前記円筒部の外径より大きい円筒部とを有し、
前記ベース部はそれぞれが第1の直径および第1の長さを有する第1のセットの穴と、それぞれが第2の直径および第2の長さを有する第2のセットの穴とを有し、前記第1のセットの穴と前記第2のセットの穴とは前記ベース部の中心から前記円筒部の内径にかけて分布しており、前記第1のセットの穴は前記ベース部の上面から前記ベース部の底面まで延びており、前記第2のセットの穴は前記プレナムから前記ベース部の前記底面まで延びており、前記第1の直径は前記第2の直径より大きく、前記第1の長さは前記第2の長さより大きく、前記円筒部の断面積に対する前記第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である、プラズマ装置。
【請求項22】
請求項21に記載のプラズマ装置であって、
前記プラズマ源はプラズマを生成して、前記プラズマをシャワーヘッドに供給するように構成されており、前記シャワーヘッドの前記第1のセットの穴は前記プラズマからのイオンをフィルタリングし、前記プラズマからのラジカルを前記シャワーヘッドを通じて前記処理チャンバへと通過させるように構成されている、プラズマ装置。
【請求項23】
請求項21に記載のプラズマ装置であって、
前記第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている、プラズマ装置。
【請求項24】
請求項21に記載のプラズマ装置であって、
前記第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である、プラズマ装置。
【請求項25】
請求項21に記載のプラズマ装置であって、
前記第1の直径(D
1)に対する前記第1の長さ(L
1)の比が約8~約15の間である、プラズマ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
PCT出願願書が、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT出願願書で特定され、本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実装形態は半導体基板処理システムに関連する。より具体的には、プラズマ処理システムにおいて使用されるシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体基板処理装置は、エッチング、物理気相堆積法(PVD)、化学気相堆積法(CVD)、プラズマ強化化学気相堆積法(PECVD)、原子層堆積法(ALD)、プラズマ強化原子層堆積法(PEALD)、パルス堆積層(PDL)、プラズマ強化パルス堆積層(PEPDL)およびレジスト除去を含む技術によって半導体基板を処理するために使用される。プラズマ処理装置は、半導体基板処理装置の一種である。多くの半導体プロセスでは、ウエハがプラズマに暴露され、また、ウエハが周囲温度または室温よりも高い温度に暴露される。プラズマは、半導体基板処理装置内の、処理チャンバ内で発生させてもよい。あるいは、プラズマは処理チャンバから遠隔に(すなわち外部で)生成されてもよい。処理チャンバの外部で生成されたプラズマは遠隔プラズマと呼ばれ、容量結合プラズマ(CCP)、誘導結合プラズマ(ICP)、トランス結合型プラズマ(TCP)、およびマイクロ波(MW)プラズマなどの任意の方法で生成され得る。
【0004】
本明細書で提供される背景技術は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術で説明される範囲内において、出願時に先行技術として別途みなされ得ない説明の態様と同様に、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、半導体処理装置で使用するためのシャワーヘッドが提供される。シャワーヘッドは、シャワーヘッド内のプレナムを有するベース部と、ベース部から垂直に延びる円筒部であって、ベース部の直径が円筒部の外径より大きい円筒部とを含み、ベース部はそれぞれが第1の直径および第1の長さを有する第1のセットの穴と、それぞれが第2の直径および第2の長さを有する第2のセットの穴とを有する。第1のセットの穴と第2のセットの穴とはベース部の中心から円筒部の内径にかけて分布しており、第1のセットの穴はベース部の上面からベース部の底面まで延びており、第2のセットの穴はプレナムからベース部の底面まで延びており、第1の直径は第2の直径より大きく、第1の長さは第2の長さより大きく、円筒部の断面積に対する第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である。
【0006】
いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている。いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である。いくつかの実装形態では、第1の直径(D1)に対する第1の長さ(L1)の比が約8~約15の間である。いくつかの実装形態では、第1の直径(D1)に対する第1の長さ(L1)の比が約10~約12の間である。いくつかの実装形態では、第1の直径は約0.03インチ~約0.1インチの間である。いくつかの実装形態では、シャワーヘッドは、ベース部と円筒部とを有する第1の部材と、円盤形状であり、ベース部の第1のセットの穴と位置合わせされた第1の貫通穴を含む第2の部材であって、上面と、側面と、第1の部材のベース部の円筒部とは反対の側に取り付けられており、第2のセットの穴と流体連通し第1のセットの穴とは分離されているプレナムを画定する底面とを有する第2の部材と、円盤形状であり、第2の部材の第1の貫通穴および第1の部材の第1のセットの穴と位置合わせされた第2の貫通穴を含み、第2の部材の上面に取り付けられた底面を有する第3の部材とをさらに含む。いくつかの実装形態では、第2の部材の上面は、上面の周縁に沿っており、かつ、上面の反対側の端にある一対の円弧形の溝を含み、第2の部材の上面は一対の円弧形の溝の間に延びる複数の溝をさらに含む。いくつかの実装形態では、第3の部材はプレナムと流体連通するガス入口と、一対の円弧形の溝のうち第1のものと流体連通する流体入口と、一対の円弧形の溝のうち第2のものと流体連通する流体出口とを含む。いくつかの実装形態では、シャワーヘッドは、第2のセットの穴から供給されるガスの、第1のセットの穴を通じた逆拡散を制限するように構成されている。いくつかの実装形態では、円筒部の内径は処理される基板の直径よりも大きい。いくつかの実装形態では、第1のセットの穴は六角形のパターンで配置されており、第2のセットの穴は第1のセットの穴で画定される六角形の中にある三角形の頂点に位置しており、第1のセットの穴の1つがそれぞれの三角形の中に位置している。いくつかの実装形態では、第2のセットの穴は六角形のパターンで配置されており、第1のセットの穴は第2のセットの穴で画定される六角形の中にある三角形の頂点に位置しており、第2のセットの穴の1つがそれぞれの三角形の中に位置している。いくつかの実装形態では、第2のセットの穴の数に対する第1のセットの穴の数の比が約1.00~約1.05の間である。
【0007】
本明細書では、半導体処理装置で使用するためのシャワーヘッドも提供されている。シャワーヘッドは、円盤形状の部分と、円盤形状の部分から垂直に延びる円筒部とを有する第1の部材を含み、円盤形状の部分は円筒部の外径よりも大きな直径を有しており、円盤形状の部分は第1のセットの穴と第2のセットの穴とを含み、第1のセットの穴はそれぞれ第1の長さと第1の直径とを有し、第2のセットの穴はそれぞれ第2の長さと第2の直径とを有し、第1の直径は第2の直径よりも大きく、第1の長さは第2の長さより大きく、第1および第2の穴のセットは円盤形状の部分の中心から円筒部の内径まで分布しており、円筒部の断面積に対する第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である。シャワーヘッドは、円盤形状であり、第1の部材の第1のセットの穴と位置合わせされた第1の貫通穴を有する第2の部材をさらに含み、第2の部材は上面と、側面と、第1の部材の円盤形状の部分の円筒部とは反対の側に取り付けられており、第1の部材の第2のセットの穴と流体連通し第1の部材の第1のセットの穴とは分離されているプレナムを画定する底面とを有する。シャワーヘッドは、円盤形であり、第2の部材の第1のセットの穴および第1の部材の第1のセットの穴と位置合わせされた第2の貫通穴を有する第3の部材をさらに含み、第3の部材は第2の部材の上面に取り付けられる底面を有する。
【0008】
いくつかの実装形態では、第2の部材の上面は、上面の周縁に沿っており、かつ、上面の反対側の端にある一対の円弧形の溝を含み、第2の部材の上面は一対の円弧形の溝の間に延びる複数の溝をさらに含む。いくつかの実装形態では、第3の部材は、第3の部材の上面上の、第3の部材の周縁に沿った円環状リッジをさらに有しており、第3の部材は円環状リッジの内径から第3の部材の上面の中心へと延びる凹部をさらに含む。いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている。いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である。いくつかの実装形態では、第1の直径(D1)に対する第1の長さ(L1)の比が約8~約15の間である。
【0009】
本明細書では、処理チャンバと、処理チャンバ内にあり、基板を支持するように構成された台座と、処理チャンバの上方に配置されたプラズマ源と、処理チャンバとプラズマ源との間に配置されたシャワーヘッドとを含む半導体処理装置も提供されている。シャワーヘッドは、シャワーヘッド内のプレナムを有するベース部と、ベース部から垂直に延びる円筒部であって、ベース部の直径が円筒部の外径より大きい円筒部とを含み、ベース部はそれぞれが第1の直径および第1の長さを有する第1のセットの穴と、それぞれが第2の直径および第2の長さを有する第2のセットの穴とを含み、第1のセットの穴と第2のセットの穴とはベース部の中心から円筒部の内径にかけて分布しており、第1のセットの穴はベース部の上面からベース部の底面まで延びており、第2のセットの穴はプレナムからベース部の底面まで延びており、第1の直径は第2の直径より大きく、第1の長さは第2の長さより大きく、円筒部の断面積に対する第1のセットの穴の断面積の合計の比は、約0.5%~約3.0%の間である。
【0010】
いくつかの実装形態では、プラズマ源はプラズマを生成して、プラズマをシャワーヘッドに供給するように構成されており、シャワーヘッドの第1のセットの穴はプラズマからのイオンをフィルタリングして、シャワーヘッドを通じてプラズマからのラジカルを処理チャンバへと通過させるように構成されている。いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴は、六角形のパターン、三角形のパターン、または六角形のパターンと三角形のパターンとの組み合わせで配置されている。いくつかの実装形態では、第1および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3個~1平方インチあたり約6個の間である。いくつかの実装形態では、第1の直径(D1)に対する第1の長さ(L1)の比が約8~約15の間である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、いくつかの実装形態に係る、遠隔プラズマとシャワーヘッドとを使用する例示的な半導体基板処理システムの模式図を示す。
【0012】
【
図2】
図2は、いくつかの実装形態に係る、半導体基板処理システムで使用するために構成されたシャワーヘッドの側方断面図を示す。
【0013】
【
図3】
図3は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの側方断面図の拡大された詳細図を示す。
【0014】
【
図4】
図4は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの断面斜視図を示す。
【0015】
【
図5】
図5は、いくつかの実装形態に係るシャワーヘッドの中で冷媒を循環させるために
図2のシャワーヘッドに配置された冷却チャネルの上面図を示す。
【0016】
【
図6】
図6は、いくつかの実装形態に係るシャワーヘッドにおいて用いられる穴パターンを有する
図2のシャワーヘッドの底面図を示す。
【0017】
【
図7】
図7は、
図6の穴パターンを有する
図2のシャワーヘッドの底面図の拡大された詳細図を示す。
【0018】
【
図8】
図8は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの角度を変えた底面図を示す。
【0019】
【
図9】
図9は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの等角上面図を示す。
【0020】
図面において、参照符号は類似および/または同一の要素を特定するために再使用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示において、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」および「半製品集積回路(partially fabricated integrated circuit)」という用語は、互換的に使用され得る。「半製品集積回路」という用語は、集積回路製造の多数のステージの中の任意の最中にあるシリコンウエハを指し得る点が、当業者には理解されよう。半導体デバイス産業で使用されるウエハまたは基板は、典型的には200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。以下の詳細な説明は、本開示がウエハに対して実施されることを前提とする。しかし、本開示はそれに限定されない。加工対象物は、様々な形状、サイズ、および材料からなるものであってもよい。半導体ウエハに加えて、この発明を活用し得る他の加工対象物としては、プリント回路基板等の様々な物品が含まれる。
【0022】
本開示は、シャワーヘッドを使用する基板処理システムに関する。シャワーヘッドは寸法が異なる2セットの穴を有してもよい。第1のセットの穴は、第2のセットの穴より直径が大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のセットの穴は第2のセットの穴よりも直径が少なくとも2倍大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のセットの穴は第2のセットの穴よりも長さが長くてもよい。第1のセットの穴はシャワーヘッドの厚さを貫通して延びていてもよく、第2のセットの穴はシャワーヘッドの厚さを部分的にのみ貫通して延びていてもよい。シャワーヘッドの円筒部の内径によって画定される断面積に対する第1のセットの穴の断面積の合計の比は、3%以下、2.5%以下、2%以下、または0.5%~3%の間である。第1のセットの穴および第2のセットの穴の密度は、1平方インチあたり約3~6個の間、または1平方インチあたり約4~約5個の間である。
【0023】
本開示のシャワーヘッドは、プラズマを生成するように構成された半導体処理装置で使用されてもよい。シャワーヘッドは、遠隔プラズマからの損傷を引き起こすイオンをフィルタリングし、遠隔プラズマ中のラジカルを処理チャンバへと通過させるように構成されてもよい。第2のセットの穴はシャワーヘッドを介した遠隔プラズマ源と処理チャンバとの間の流体連通を提供しており、ラジカルは第2のセットの穴を通して供給される。遠隔プラズマ源を処理チャンバへと接続するシャワーヘッドの穴は、遠隔プラズマからのイオンをフィルタリングしてラジカルを通過させるように最適化されている。便宜上、本開示の全体を通じてこれらの穴を「ラジカル穴」と呼ぶ。
【0024】
さらに、1または複数の前駆体がシャワーヘッドの独立したプレナムを通じて処理チャンバに供給される。いくつかの実施形態では、シャワーヘッドの独立したプレナムは、原子層堆積(ALD)操作または化学気相堆積(CVD)操作における注入均一性およびパージ効率のために最適化されてもよい。前駆体は、シャワーヘッドの第2のセットの穴を通じて独立したプレナムから処理チャンバへと供給される。便宜上、本開示の全体を通じてこれらの穴を「前駆体穴」と呼ぶ。ラジカルの供給と前駆体の供給とを分離することで、両方を独立に最適化することが可能になり、最適な膜の特性および均一性を実現できる。本開示のシャワーヘッドは、堆積操作および/またはエッチング操作のために構成されたプラズマ処理装置に実装され得ることが理解されるであろう。
【0025】
ラジカル穴の直径、アスペクト比、および数などの特性は、処理チャンバ内の基板に供給されるラジカルの量を最適化するのと同時に、基板に損傷を与える可能性があるイオンをフィルタリングする効果のバランスも取れるように選択される。プラズマ源からシャワーヘッドを通してラジカルが通過するための開口面積の割合などの特性は、基板に供給されるラジカルの量を最適化するのと同時に、シャワーヘッドを通じた前駆体および不要な種の逆流を制限するために選択される。いくつかの実装形態では、基板全体での膜均一性を得るために、ラジカル穴および前駆体穴のパターン(例えばレイアウト、分布、密度)も最適化されてもよい。このシャワーヘッド構造は任意の種類のプラズマ源とともに使用することが可能であり、遠隔プラズマ強化ALDプロセス、CVDプロセス、またはエッチングプロセスでも使用することが可能である。
【0026】
シャワーヘッドは、平面状のベース部と、ベース部の周縁部から垂直下向きに延びる円筒部とを含む。ベース部は、冷却プレナムおよび前駆体プレナムと、ラジカル穴と、前駆体穴とを含む。円筒部は外壁と内壁とを有する。円筒部の内壁は、シャワーヘッドのボアを画定する。処理チャンバ内の、シャワーヘッドのベース部の直下には、基板を支持する台座が配置されている。台座は、平面状の上部と、上部の中心から垂直下向きに延びる垂直なベース部とを含む。シャワーヘッドの円筒部の内径(ID)(すなわち、シャワーヘッドの内壁の直径)は、台座の上部の外径(OD)よりも大きい。シャワーヘッドの円筒部の内壁は台座の上部を囲み、その下方へと垂直に延びる。シャワーヘッドの円筒部は、台座の上部を覆う。台座は基板を取り付けるために下へ移動され、基板を処理するために上へ移動され、基板を取り除くために下へと移動される。台座の上部は、シャワーヘッドのベース部と台座の上部との間の間隙を調節するために、シャワーヘッドの円筒部内で垂直に上下に移動させることができる。
【0027】
シャワーヘッドの円筒部によって、台座の端部の周囲に比較的安定した熱およびガス流環境が提供され、それによりシャワーヘッドと台座との間の間隙を変化させるプロセスが簡素化される。具体的には、シャワーヘッドと台座との間の間隙を調節するために台座がシャワーヘッドの円筒部内で垂直に移動される際に、台座の上部の下方へと垂直に延びるシャワーヘッドの円筒部が、台座の端部の周囲に対称な熱境界条件(すなわち、温度が比較的一定である領域)を提供する。
【0028】
さらに、シャワーヘッドの円筒部は、台座がシャワーヘッドの円筒部内で移動される際に、台座の端部の周囲においてガス流に比較的一定した抑制を与える。それにより、堆積(例えばALD)プロセスにおいて、シャワーヘッドと台座との間の間隙内の微小体積のガスを制御するプロセスが簡素化される。シャワーヘッドと台座との間の間隙が調節可能であることで、堆積プロセスにおいて、微小体積の正確な制御が可能になる。シャワーヘッドと台座との間の間隙が狭いことで、堆積プロセスにおいて、微小体積内でのラジカルの枯渇を防ぐことができる。本開示のシャワーヘッドのこれらの、またはその他の特徴について、以下で詳細に説明する。
【0029】
図1は、いくつかの実装形態に係る、遠隔プラズマおよびシャワーヘッドを使用する例示的な半導体基板処理システムの模式図を示す。
図1は、基板処理システム100を示している。基板処理システム100は、処理チャンバ103と、シャワーヘッド104とを有する。シャワーヘッド104は、金属(例えばアルミニウム)製または合金製であってもよい。シャワーヘッド104は、平面状のベース部105と、ベース部105から垂直下向きに延びる円筒部107とを有する。ベース部105は、円筒部107の上部において半径方向外側に延び、フランジ200を形成している。ベース部105については、
図2乃至
図4を参照して、以下でさらに詳細に説明する。円筒部107は、外壁109-1と内壁109-2とを有する。円筒部107の内壁109-2は、(
図2で見られる通り)シャワーヘッド104のボア106を画定している。ボア106の直径は、シャワーヘッド104の円筒部107の内壁109-2の直径(すなわち、円筒部107の内径)と等しい。
【0030】
処理チャンバ103は、側壁108と底壁110とを有する。側壁108は、シャワーヘッド104の円筒部107の底部に取り付けられる。側壁108はシャワーヘッド104のベース部105に垂直であり、シャワーヘッド104の円筒部107の外壁109-1の底部から垂直下向きに延びている。処理チャンバ103の底壁110はシャワーヘッド104のベース部105に平行であり、処理チャンバ103の側壁108に垂直であって、処理チャンバ103の側壁108に取り付けられている。
【0031】
基板処理システム100は、シャワーヘッド104の上方に配置されたプラズマ源102を有する。シャワーヘッド104は、プラズマ源102と処理チャンバ103との間に配置される。シャワーヘッド104はプラズマ源102を処理チャンバ103から分離している。プラズマ源102については、以下でさらに詳細に説明する。
【0032】
台座112は、処理チャンバ103内の、シャワーヘッド104の直下に配置される。基板114は、処理の間、台座112の上面116上に配置される。台座112の上面116は、平面状で、シャワーヘッド104のベース部105に平行であるとともに処理チャンバ103の底壁110と平行であってもよい。よって、基板114は台座112の上面116と、シャワーヘッド104のベース部105と、処理チャンバ103の底壁110とに平行である。シャワーヘッド104の円筒部107の内径(すなわち、シャワーヘッド104の内壁109-2の直径)は、台座112の上面116の外径よりも大きい。さらに、シャワーヘッド104の円筒部107の内径(すなわち、シャワーヘッド104の内壁109-2の直径)は、基板114の外径よりも大きい。
【0033】
モーター122によって駆動されるアクチュエータ120は、台座112を、シャワーヘッド104の円筒部107内でシャワーヘッド104に対して垂直に上下に移動させることができる。プラズマ源102およびシャワーヘッド104は、台座112に対し固定されてもよい。シャワーヘッド104のベース部105の底部と台座112の上面116との間の間隙は、シャワーヘッド104の円筒部107内で台座112を垂直に移動させることで調節されてもよい。例えば、シャワーヘッド104のベース部105の底部と台座112の上面116との間の間隙は、約0.2インチ以下、約0.15インチ以下、または約0.11インチ以下でもよい。
【0034】
プラズマ源102は図示されているようなドーム形状でもよく、または他の任意の形状でもよい。プラズマ源102の下端は開いており、第1の円筒形部材124の上端に取り付けられている。第1の円筒形部材124は、第1の円筒形部材124の中心付近から半径方向外側に延びる第1のフランジ126を有する。従って、第1の円筒形部材124は、「T」の文字が左に90°回転している「T」字型である。
【0035】
第2の円筒形部材128は、第1の円筒形部材124を囲んでいる。第2の円筒形部材128は、第2の円筒形部材128の下端から半径方向内側に延びる第2のフランジ129を有する。よって、第2の円筒形部材128は、「L」の文字が水平方向に反転している「L」字型である。第1の円筒形部材124の第1のフランジ126は、第2の円筒形部材128の第2のフランジ129上に張り出している。第1および第2の円筒形部材124および128の底部は、シャワーヘッド104のベース部105の周縁の近傍において、シャワーヘッド104のベース部105の上部に取り付けられている。
【0036】
例として、プラズマ源102はICPを使用して遠隔プラズマ(すなわち、処理チャンバ103の外部のプラズマ)を生成する。しかし、プラズマ源102はCCP、TCPまたはMWなどのその他の方法を使用して遠隔プラズマを生成してもよいことが理解されよう。プラズマ源102は、プラズマ源102の上部に配置されるガス注入器132を介してガス分配システム130から1種類または複数種類のガスを受け取るが、ガスはその他の方法でプラズマ源102に注入されてもよい。プラズマ源102の周囲には、コイル134が配置されてもよい。コイル134の第1の端部は接地され、コイル134の第2の端部はRF生成システム136に接続される。
【0037】
RF生成システム136はRF電力を生成し、コイル134に出力する。一例として、RF生成システム136は、RF電力を生成するRFジェネレータ138を含んでいてもよい。RF電力は整合ネットワーク140によってコイル134に供給される。コイル134に供給されたRF電力によって、ガス注入器132によってプラズマ源102に注入された1種類のガスまたは複数種類のガスが点火されて、プラズマ142が生じる。プラズマ源102は処理チャンバ103から遠隔に(すなわち外部で)プラズマ142を生成するので、プラズマ142は遠隔プラズマ142と呼ばれる。
【0038】
ガス分配システム130は、1つまたは複数のガス源150を含む。1つまたは複数のガス源150は、バルブ152およびマスフローコントローラ154によってマニフォールド156に接続されている。マニフォールド156は、1種類または複数種類のガスをプラズマ源102に供給するためにガス注入器に接続されている。
【0039】
シャワーヘッド104について、
図2乃至
図9を参照して、以下でさらに詳細に説明する。簡潔に説明すると、シャワーヘッド104のベース部105は第1のセットの穴160を有する。第1のセットの穴160は、ラジカル穴160とも呼ばれる場合がある。第1のセットの穴160は、シャワーヘッド104のベース部105の上面162から、シャワーヘッド104のベース部105の基板対向底面164(フェースプレート164とも呼ばれる)へと延びている。換言すると、第1のセットの穴160はシャワーヘッド104の厚さを完全に貫通して延びている。
【0040】
さらに、シャワーヘッド104のベース部105は、第1のセットの穴160と分離しており流体連通していないプレナム166を有する。プレナム166は、ガス供給システム170から1種類または複数種類の前駆体ガスを受け取る。シャワーヘッド104のベース部105は、第2のセットの穴172をさらに有する。第2のセットの穴172は、前駆体穴172と呼ばれる場合もある。第2のセットの穴172は、プレナム166からシャワーヘッド104のフェースプレート164へと延びている。第1のセットの穴160は、プレナム166および第2のセットの穴172と流体連通していない。第1のセットの穴160は、第2のセットの穴172よりも直径および長さが大きい。いくつかの実施形態では、第1のセットの穴160は第2のセットの穴172の少なくとも2倍の直径を有してもよい。
【0041】
シャワーヘッド104のベース部105は、複数の溝168をさらに有してもよい。溝168は、冷媒が通って流れる冷却チャネルを形成する。流体供給システム180は、シャワーヘッド104のベース部105にある入口を通じて冷媒を溝168に供給する。
【0042】
シャワーヘッド104のベース部105には、1つまたは複数の温度センサ(図示しない)が設けられてもよい。1つまたは複数の温度センサは温度コントローラ182に接続されていてもよい。温度コントローラ182は、シャワーヘッド104の温度を制御するために、流体供給システム180から溝168への冷媒の供給を制御してもよい。
【0043】
さらに、図示はされていないが、台座112は1つまたは複数の加熱装置と、流体供給システム180から冷媒を受け取る冷却システムと、1つまたは複数の温度センサとを含んでもよい。温度コントローラ182は、台座112の1つまたは複数の温度センサに接続されてもよい。温度コントローラ182は、1つまたは複数の加熱装置への電力供給を制御してもよい。温度コントローラ182は、台座112の温度を制御するために、流体供給システム180から台座112の冷却システムへの冷媒の供給を制御してもよい。
【0044】
バルブ186およびポンプ188は、処理チャンバ103内の圧力を制御し、処理中に処理チャンバ103から反応物を排出してもよい。システムコントローラ190は、上述した基板処理システム100の構成要素を制御してもよい。
【0045】
上述したように、シャワーヘッド104は遠隔プラズマ142からのイオンをフィルタリングし、遠隔プラズマ142からのラジカルを、ラジカル穴160を通して処理チャンバ103へと通過させる。いくつかの実施形態では、遠隔プラズマ142は基板114の処理に関連するエッチング、処理、クリーニング、または堆積の操作に使用されてもよい。例えば、ラジカルはシャワーヘッド104と台座112との間の間隙内で前駆体と反応してもよく、ALDまたはCVDなどの堆積プロセスを使用して基板114上に薄膜が堆積されてもよい。いずれも後で詳細を説明する、ラジカル穴160によって提供される、ラジカルがシャワーヘッド104を通過するための開口面積と、ラジカル穴160および前駆体穴172の密度およびパターンと、シャワーヘッド104の円筒部107の構造的および機能的な特性とによって、シャワーヘッド104を使用して堆積された膜の半径方向における、また、方位による不均一性がほぼゼロになり得る。
【0046】
図2は、いくつかの実装形態に係る半導体基板処理システムで使用するために構成されたシャワーヘッドの側方断面図を示す。
図3は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの側方断面図の拡大された詳細図である。シャワーヘッド104は、ベース部105と、シャワーヘッド104のベース部105から垂直下向きに延びる円筒部107とを含む。シャワーヘッド104のベース部105は水平であり、台座112の上面116に平行であり(
図1を参照)、また、処理チャンバ103の底壁110と平行である(
図1を参照)。ベース部105は円筒部107の外径から半径方向外側へと延び、フランジ200を形成している。フランジ200は処理チャンバ103の天板(図示しない)に、締め具(図示しない)によって固定されてもよい。シャワーヘッド104と天板との間を密閉するために、フランジ200と天板との間にOリング(図示しない)が設けられてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド104のベース部105の上面162は、高さが比較的小さい円環状リッジ210を含む。円環状リッジ210は、
図4、
図8および
図9にも示されている。シャワーヘッド104の取り扱い中に、ベース部105の上面162が表面上に載る形でシャワーヘッド104が表面上に置かれた場合(すなわち、シャワーヘッド104が表面上に下向きに置かれた場合に)、円環状リッジ210は、ラジカル穴160を保護し得る。円環状リッジ210の幅は、円筒部107の厚さと概ね同じであってもよい(ただし、必ずしもそうである必要はない)。
【0048】
シャワーヘッド104のベース部105の上面162は、円環状リッジ210の内径からシャワーヘッド104の中心へと延びる凹部212をさらに含んでもよい。凹部212は、
図4にも示されている。凹部212の直径は、シャワーヘッド104の円筒部107の内径と概ね同じであってもよい(ただし、必ずしもそうである必要はない)。例えば、凹部212の直径は、シャワーヘッド104の円筒部107の内径以下とすることができる。ラジカル穴160は、凹部212の領域内に配置されている。凹部212と円環状リッジ210とは、いずれも、シャワーヘッド104の取り扱い中にラジカル穴160を保護し得る。
【0049】
円環状リッジ210の内径および凹部212の直径は、円筒部107の内径と概ね同じでもよい。いくつかの実施形態では、円環状リッジ210の内径および凹部212の直径は、円筒部107の内径より大きくてもよい。円環状リッジ210の外径は、円筒部107の外径以上であってもよい。いくつかの実施形態では、円環状リッジ210の内径と凹部212の直径とが円筒部107の内径より小さくてもよく、また、円環状リッジ210の外径が円筒部107の外径より小さくてもよい。従って、円環状リッジ210の幅は、円筒部107の厚さより大きくてもよく、円筒部107の厚さと同一でもよく、または円筒部107の厚さより小さくてもよい。
【0050】
シャワーヘッド104のベース部105は、プレナム166と、プレナム166からベース部105を通り、シャワーヘッド104のフェースプレート164を通って垂直に延びる前駆体穴172とを含んでもよい。プレナム166は、ベース部105内で画定された、前駆体穴172と流体連通しているがラジカル穴160とは流体連通していない容積、空間、またはキャビティを表す。
【0051】
ラジカル穴160は、前駆体穴172よりも大きな直径および長さを有してもよい。ラジカル穴160および前駆体穴172は円筒形であるが、ラジカル穴160および前駆体穴172は任意の適切な形状であってもよいことは理解されるであろう。ラジカル穴160および前駆体穴172は、
図6および
図7を参照して以下で詳細に説明する特定の幾何学的パターンで配置されてもよい。ラジカル穴160の断面積の合計は、遠隔プラズマ142からのイオンをフィルタリングし、遠隔プラズマ142からのラジカルだけをシャワーヘッド104を通して処理チャンバ103内へと通過させ、シャワーヘッド104を通じたプラズマ源102への前駆体の逆拡散を制限するように最適化されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は上端において(すなわち、プラズマ源102に面している側で)テーパー形状または面取り形状になっていてもよい。ラジカル穴160は、代替的または追加的に、下端において(すなわち、台座112に面している側で)テーパー形状または面取り形状になっていてもよい。いくつかの実施形態では、
図2および
図3に示された通り、ラジカル穴160はテーパー形状または面取り形状になっていない。いくつかの実施形態では、前駆体穴172は上端において(すなわち、プラズマ源102に面している側で)テーパー形状または面取り形状になっていてもよい。前駆体穴172は、代替的または追加的に、下端において(すなわち、台座112に面している側で)テーパー形状または面取り形状になっていてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、シャワーヘッド104のベース部105は、冷媒が通って循環する冷却チャネルを形成する溝168を含む。溝168および冷却チャネルについては、以下で
図4および
図5を参照して示し、さらに詳しく説明する。
【0054】
シャワーヘッド104の円筒部107の外壁109-1は、処理チャンバ103の天板に直接接していない。この特徴に由来して、また、シャワーヘッド104の円筒部107が、基板114が配置される台座112の上面116の下方へ垂直に延びていることによって(
図1参照)、シャワーヘッド104の円筒部107は、台座112の上面116の端部の周囲に対称な熱境界条件(すなわち、温度が比較的一定である領域)を提供する(
図1参照)。従って、台座112は円筒部107内で(すなわち、円筒部107の高さにわたって)垂直に移動させることが可能であり、台座112の上面116の端部を囲む熱境界条件を大きく変化させることなくシャワーヘッド104と台座112との間の間隙を調節できる。これは、基板処理の際に有益になり得る。
【0055】
さらに、シャワーヘッド104の円筒部107は、台座112が円筒部107内で上または下に移動される際に、台座112の上面116の端部の周囲のガス流に比較的一定した抑制を与えることもできる。これによってシャワーヘッド104と台座112との間の間隙内の微小体積のガスを制御するプロセスが簡素化される。円筒部107が台座112の上面116の端部を非常に近接して囲んでいるので、台座112の上面116の端部の周囲のガス流条件が比較的一定に維持されるためである。従って、台座112は円筒部107内で(すなわち、円筒部107の高さにわたって)垂直に移動させることが可能であり、台座112の上面116の端部の周囲のガス流条件を大きく変化させることなくシャワーヘッド104と台座112との間の間隙を調節できる。
【0056】
シャワーヘッド104のフェースプレート164と台座112の上面116との間の間隙が調節可能であることで、堆積(例えばALD)プロセス中に微小体積を正確に制御することが可能になる。さらに、シャワーヘッド104のフェースプレート164と、台座112の上面116との間の間隙が狭いことで、間隙内の微小体積中でのラジカルの枯渇を防げる。これらの特徴の両方が、シャワーヘッド104の円筒部107の構造によって、少なくとも部分的に提供される。
【0057】
図4は、いくつかの実装形態に係る
図2のシャワーヘッドの断面斜視図を示す。シャワーヘッド104の断面斜視図は、シャワーヘッド104の構造をさらに詳細に示している。シャワーヘッド104は3つの部材、すなわち第1の部材230-1と、第2の部材230-2と、第3の部材230-3とを有してもよい。第1、第2および第3の部材230-1、230-2、および230-3は、拡散接合されて(または、締め具またはろう付けによって結合されて)シャワーヘッド104を形成してもよい。
【0058】
第1の部材230-1は、上部231と、シャワーヘッド104の円筒部107とを含んでもよい。第1の部材230-1の上部231と、第2の部材230-2と、第3の部材230-3とは、シャワーヘッド104のベース部105を形成する。第1の部材230-1の上部231は、平面状であり、円盤形状である。円筒部107は、上部231の周縁から垂直下向きに延びる。第1の部材230-1の上部231は、円筒部107の外径を越えて半径方向外側に延びる。従って、第1の部材230-1の上部231の直径は、円筒部107の外径よりも大きい。上部231の、円筒部107の内壁109-2の内側(すなわち、円筒部107の内径の内側)の領域は、シャワーヘッド104のフェースプレート164を形成する。
【0059】
ラジカル穴160と前駆体穴172とは、フェースプレート164の、円筒部107の内径以下の直径を有する領域内に位置する。ラジカル穴160と前駆体穴172とが位置している領域の直径は、
図1に示す通り、処理される基板114の直径よりも大きく、また、台座112の上面116の直径以上である。フェースプレート164の、ラジカル穴160と前駆体穴172とが位置している領域は、上で
図2を参照して示し、説明した凹部212と同じ直径および面積を有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の部材230-1は一体型であってもよい。つまり、第1の部材230-1の上部231と円筒部107とは、互いに取り付けられた別個の部材でなくてもよい。むしろ、第1の部材230-1は一体構造であってもよく、第1の部材230-1の上部231が円筒部107と統合されて、単一の一体型構造になっていてもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、上部231と円筒部107とは、(例えば締め具や拡散接合によって)組み合わせられて第1の部材230-1を形成する、別個の部材であってもよい。
【0061】
第2の部材230-2について、
図4および
図5をさらに参照して説明する。第2の部材230-2は、第1の部材230-1の上面232上に配置され、上面232に取り付けられる。第2の部材230-2は円盤形状であり、第1の部材230-1の上部231と同じ直径を有している。従って、第2の部材230-2の直径も、円筒部107の外径より大きい。
【0062】
第2の部材230-2の上面234および側面236と、第1の部材230-1の上面232とは、プレナム166を画定する。
図4は、プレナム166のさらなる詳細を示している。
図4に示すように、第2の部材230-2の底面237は、底面237の周縁に沿った半円形または馬蹄形の溝167を含む。溝167は、複数の出口を介してプレナム166に流体連通する。溝167は、1つまたは複数の入口を介して、第3の部材230-3に設けられたガス入口240に流体連通する。従って、プレナム166は溝167を介してガス入口240に流体連通する。
【0063】
ガス入口240は、
図1に示されているガス供給システム170に接続される。プレナム166は、ガス入口240と溝167とを介して、ガス供給システム170から1種類または複数種類の前駆体を受け取る。プレナム166は、第1の部材230-1の前駆体穴172と流体連通する。前駆体はガス入口240から、溝167と、プレナム166と、前駆体穴172とを通って、処理チャンバ103内へと流れる。
【0064】
ラジカル穴160は、第1、第2および第3の部材230-1、230-2、および230-3を貫通して開けられていてもよい。そのため、第1、第2および第3の部材230-1、230-2、および230-3のそれぞれは、ラジカル穴160の一部分である貫通穴を含む。ラジカル穴160は第2の部材230-2を貫通しているので、第2の部材230-2は、ラジカル穴160の一部分であって(そのため160としても図示される)、第1の部材230-1と第3の部材230-3とにあるラジカル穴160の一部分と位置合わせされた貫通穴を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、溝167は、ラジカル穴160の一部分である第2の部材230-2の貫通穴を囲んでいるが、貫通穴と流体連通しない。ラジカル穴160の一部分である第2の部材230-2の貫通穴は、溝167、プレナム166、および前駆体穴172とは流体連通しない。従って、ラジカル穴160はプレナム166および前駆体穴172と流体連通しない。
【0066】
第2の部材230-2の上面234は、冷却チャネルを形成する溝168を含む。
図5は、いくつかの実装形態に係る、シャワーヘッド内で冷媒を循環させるために
図2のシャワーヘッドに配置された冷却チャネルの上面図を示す。
図4および
図5に示されているように、第2の部材230-2の上面234は、上面234の周縁に沿った2つの円弧形または半円形の溝173(個別に溝173-1および173-2と表される)を含む。2つの溝173は、上面234の反対側に配置されている。溝173-1は、第3の部材230-3に設けられた流体入口242と流体連通する入口171-1を含み、溝173-2は、第3の部材230-3に設けられた流体出口244(
図8および
図9に示されている)と流体連通する出口171-2を含む。
【0067】
溝168は互いに平行であってもよく、また、上面234を横切って溝173の間に延びていてもよい。それぞれの溝168は、溝173の一方(例えば溝173-1)に接続された一方の端と、溝173の他方(例えば溝173-2)に接続された他方の端とを有する。従って、溝168は溝173と流体連通する。溝173および溝168は、シャワーヘッド104の冷却チャネルを形成してもよい。
【0068】
溝173は半円形であるため、溝168はさまざまな長さになり得る。溝168は、同じ幅および深さを有してもよい。いくつかの実施形態では、溝168は波形または屈曲した形でもよい(すなわち、ジグザグ形状を有してもよい)。しかし、その代わりに直線状であってもよい。いくつかの実施形態では、溝173は互いに直接接続しておらず、その代わりに、溝173は溝168によって互いに接続される。溝173と溝168とによって形成された冷却チャネルは、基板114の直径を越えて延びていてもよい。
【0069】
第3の部材230-3に設けられた流体入口242は、流体供給システム180に接続されてもよい。流体供給システム180は、冷媒を流体入口242へ供給してもよい。冷媒は流体入口242を通り、溝173-1と、溝168と、溝173-2とを通って流れ、流体出口244を通って出ていってもよい。
【0070】
溝173は複数のリッジ175を含む。リッジ175は、概ね楕円形の形状であってもよい。ただし、リッジ175はその他の任意の形状とすることもできる。リッジ175は、溝173の底部から垂直上向きに延びて第3の部材230-3の底面238に接してもよい。それぞれの溝173内のリッジ175の数は、溝168の数と概ね等しい(ただし、必ずしもそうである必要はない)。
【0071】
リッジ175は、溝173と溝168とを通る冷媒の流れを導くのに役立つ。溝168の深さはリッジ175の高さと概ね等しくてもよい。溝173および溝168は、同じ深さであってもよい。第2の部材230-2の底面237の溝167は、第2の部材230-2の上面234の溝173を囲んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、溝173は、ラジカル穴160の一部である第2の部材230-2の貫通穴を囲んでいるが、それらと流体連通しない。これは、
図5で見ることができるであろう。ラジカル穴160の一部である第2の部材230-2の貫通穴は、溝168の両側に位置している。
【0073】
第3の部材230-3は、第2の部材230-2の上面234上に配置され、上面234に取り付けられる。第3の部材230-3も円盤形状であり、同様に第1の部材230-1の上部231と同じ直径を有している。従って、第3の部材230-3の直径も、円筒部107の外径より大きい。さらに、第2および第3の部材230-2および230-3は、同じ直径を有する。
【0074】
第3の部材230-3の上面162は、円環状リッジ210と凹部212とを含む。凹部212は、円環状リッジ210の内径から第3の部材230-3の上面162の中心へと延びている。
【0075】
第3の部材230-3は、ガス入口240と、流体入口242と、流体出口244とを含む(
図8および
図9に示す)。ガス入口240は、第2の部材230-2の、溝167とプレナム166とに流体連通してもよい。流体入口242は、第2の部材230-2の溝173の一方(例えば溝173-1)と流体連通してもよい。流体出口244は、第2の部材230-2の溝173の他方(例えば溝173-2)と流体連通してもよい。
【0076】
従って、流体入口242および流体出口244は、第2の部材230-2の溝173と溝168とに流体連通してもよい。流体供給システム180により供給された冷媒は流体入口242に流入し、溝173と溝168とによって形成された冷却チャネルを通って流れ、流体出口244を通って冷却チャネルの外へと流れる。いくつかの実施形態では、流体出口244から出た冷媒が流体供給システム180へと戻ってもよい。
【0077】
ラジカル穴160は、第1、第2および第3の部材230-1、230-2、および230-3を貫通して開けられていてもよい。そのため、第1、第2および第3の部材230-1、230-2、および230-3のそれぞれは、ラジカル穴160の一部分である貫通穴を含む。ラジカル穴160は第3の部材230-3を貫通しているので、第3の部材230-3は、ラジカル穴160の一部分であって(そのため160としても図示される)、第2の部材230-2と第1の部材230-1とにあるラジカル穴160の一部分と位置合わせされた貫通穴を含む。ラジカル穴160の一部分である第3の部材230-3の貫通穴は、第2の部材230-2の、プレナム166ならびに溝167、溝168および溝173とは流体連通しない。そのため、ラジカル穴160の一部分である第3の部材230-3の貫通穴は、前駆体穴172と流体連通しない。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は、第1、第2および第3の部材230-1、230-2および230-3を通じて均一な直径を有する。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は、シャワーヘッド104の上面162および底面164の一方または両方においてテーパー形状または面取り形状になっていてもよい。
【0078】
第1、第2および第3の部材230-1、230-2および230-3は、拡散接合によって互いに結合されてもよい。拡散接合では、部材の結合にろう付けを使用する場合に一般に使用されるフィラーが不要となる。フィラーが不要になることによって、ろう付けとそれに続く洗浄の後も続く傾向がある、残留フィラーによる汚染の可能性がなくなる。あるいは、第1、第2および第3の部材230-1、230-2および230-3を結合するために締め具および/またはろう付けを使用してもよい。
【0079】
第1、第2および第3の部材230-1、230-2および230-3が(任意の方法を使用して)結合された後には、ラジカル穴160は、特定のパターンで、第1、第2および第3の部材230-1、230-2および230-3を貫通して開けられている。前駆体穴172は、別の特定のパターンで第1の部材230-1を貫通して開けられている。第1の部材230-1の前駆体穴172は、第2の部材230-2のプレナム166と位置合わせされている。
【0080】
ラジカル穴160は円筒形であってもよく、前駆体穴172より直径および長さが大きくてもよい。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は上端(すなわち、プラズマ源102に面している側)においてテーパー形状(円錐状)になっていてもよい。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は下端(すなわち、台座112に面している側)においてテーパー形状(円錐状)になっていてもよい。ラジカル穴160は、溝167、溝168および溝173、プレナム166、ならびに前駆体穴172と流体連通しない。
【0081】
図6および
図7は、ラジカル穴160および前駆体穴172を示している。
図6は、シャワーヘッド104の底面図を示している。
図7は、シャワーヘッド104の底面図の一部を拡大した図を示している。ラジカル穴160および前駆体穴172は、六角形または三角形のパターンで配置される。このパターンは、シャワーヘッド104の中心の周囲において一様である。以下では六角形および三角形が正六角形および正三角形として図示され説明されているが、その他の多角形および三角形も使用され得る。
【0082】
具体的には、前駆体穴172は正六角形の頂点に配置されてもよい。ラジカル穴160も、正六角形の頂点に配置されてもよい。さらに、前駆体穴172は正三角形の頂点に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、前駆体穴172によって形成された三角形の中に、1つのラジカル穴160が三角形の頂点から等しい距離を置いて位置する。ラジカル穴160も、正三角形の頂点に配置されてもよい。ラジカル穴160によって形成された少なくとも一部の三角形においては、ラジカル穴160によって形成された三角形の中に1つの前駆体穴172が位置する。いくつかの実施形態では、1つの前駆体穴172は、ラジカル穴160によって形成された三角形の頂点から等しい距離を置いて位置する。
【0083】
図6の252において示すように、ラジカル穴160は正六角形の頂点に配置されており、ラジカル穴160で形成された六角形の中には、前駆体穴172が三角形の頂点に配置されており、1つのラジカル穴160がその三角形の中に配置されている。
図6の254において示すように、前駆体穴172は正六角形の頂点に配置されており、前駆体穴172で形成された六角形の中には、ラジカル穴160が三角形の頂点に配置されており、1つの前駆体穴172がその三角形の中に配置されている。
【0084】
ラジカル穴160および前駆体穴172は、フェースプレート164全体にわたり、上記のパターンで比較的高密度に配置されている。例えば、ラジカル穴160および前駆体穴172の平均密度は1平方インチあたり約4.5個であってもよい。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160および前駆体穴172の平均密度は1平方インチあたり約3~6個の間、または1平方インチあたり約4~5個の間の範囲であってもよい。
【0085】
さらに、ラジカル穴160の数と前駆体穴172の数とはほぼ同じであってもよい。いくつかの実施形態では、ラジカル穴160の数は前駆体穴172の数よりもわずかに多くてもよい。例えば、前駆体穴172の数に対するラジカル穴160の数の比は、1.00~1.10の間、または1.00~1.05の間であってもよい。
【0086】
さらに、ラジカル穴160および前駆体穴172は前述のパターンおよび前述の密度でフェースプレート164全体にわたり(すなわち、円筒部107の中心から内径まで)分布していてもよい。ラジカル穴160および前駆体穴172のパターンおよび密度は、フェースプレート164において、基板114の直径を半径方向に越えて円筒部107の内径まで広がる。ラジカル穴160および前駆体穴172のパターンおよび密度を、基板114の直径を越えて半径方向に拡大することで、フェースプレート164の中心から、少なくとも基板114の外径がフェースプレート164上に延びている部分まで、このパターンおよび密度を均一にできる。
【0087】
これらのパターンおよび密度の特徴の範囲と均一性によって、基板114上で、材料を均一に堆積させる(または均一にエッチングする)ことが可能になる。例えば、プラズマ源102およびシャワーヘッド104を使用して、基板114上に堆積された材料の非均一性を0.0%、0.1%未満、0.5%未満または1%未満にすることができる。
【0088】
さらに、ラジカル穴160のサイズ(直径と長さ)および数などの特性により、遠隔プラズマ142からのラジカルがプラズマ源102からシャワーヘッド104を通って処理チャンバ103へと通過できる効率が決定される。ラジカル穴160を通過できるラジカルの数を増加させるためにこうした特性の一部を増加させることもできるが、シャワーヘッド104のラジカル穴160があるサイズまたはあるアスペクト比になると、遠隔プラズマ142からのイオンを効果的にフィルタリングできなくなる可能性がある。
【0089】
いくつかの実施形態では、ラジカル穴160は、遠隔プラズマ142からのイオンをフィルタリングしラジカルを通過させるために最適化された第1の直径(D1)と第1の長さ(L1)とを有してもよい。前駆体穴172は第2の直径(D2)と第2の長さ(L2)とを有してもよい。第1の直径(D1)は第2の直径(D2)よりも大きく、第1の長さ(L1)は第2の長さ(L2)よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の直径(D1)は第2の直径(D2)の少なくとも2倍である。
【0090】
典型的には、ラジカル穴160の直径に対する長さの比は、イオンのフィルタリングと基板114へのラジカルの供給とを最適化するために、約5.0~約8.0の間、約6.5~約7.0の間、または約6.8である。例えば、L1/D1比を6.8とするために、第1の長さ(L1)は約0.850インチとすることが可能であり、第1の直径(D1)は約0.125とすることが可能である。穴をこうしたサイズにすることで、イオンのフィルタリングを促し、シャワーヘッド104から基板114へのラジカル供給を促進できると考えられている。
【0091】
基板114へのラジカル供給を最適化するためには、ラジカル穴160を、プラズマ源102からシャワーヘッドを通ってラジカルが通過するために開口している面積の割合が比較的高くなり得るように設計してもよいと考えられている。プラズマ源102からシャワーヘッド104を通ってラジカルが通過するために開口している面積の割合は、ラジカル開口率(radicals open percentage)(「R開口%」とも呼ばれる)と定義され得る。このラジカル開口率は、シャワーヘッド104に取り付けられたプラズマ源102の底部の断面積に対する、すべてのラジカル穴160の合計断面積の比として定義できる。プラズマ源102およびシャワーヘッド104は、シャワーヘッド104のボア106の断面積(すなわち、円筒部107の内壁109-2の断面積)がプラズマ源102の底部の断面積と実質的に同じであり、そのためプラズマ源102の底部の断面積として代用可能であるように設計されている。そのため、プラズマ源102からシャワーヘッド104を通ってラジカルが通過するために開口している面積の割合は、シャワーヘッド104の円筒部107の内径によって画定される断面積に対する、ラジカル穴160の断面積の合計の比として定義できる。数学的には、この比は、ラジカル穴160の数にラジカル穴160の直径の2乗を乗じ、ボア106の内径の2乗で除した値に等しい。これは、次の数式で表すことができる。R開口%=[(ラジカル穴の数)x(πD1
2/4)]/(πDb
2/4)(Dbはボア106の直径であり、D1はラジカル穴160の直径である)。
【0092】
通常は、ボア106の直径により画定される断面積に対するラジカル穴160の断面積の合計の比は、約2.5%~約8.0%の間、約3.0%~約7.0%の間、約4.0%~約6.0%の間、約4.5%~約5.5%の間、または約5.14%である。例えば、R開口%を5.14%とするためには、ラジカル穴160の第1の直径(D1)を約0.125インチ、ボア106の直径(Db)を約14.55インチ、ラジカル穴160の数を約696とすることが可能である。ラジカルが通過するために開口している面積の割合をこのような値にすることで、基板114へのラジカルの供給を最適化できると考えられている。
【0093】
しかし、ラジカルが通過するために開口している面積を約4.0%~約6.0%の間とすることは、一部の実装形態において望ましくない場合がある。これではラジカルが通過するために開口している面積の割合が高すぎて、処理チャンバ103からプラズマ源102への、シャワーヘッド104を通じた前駆体の逆拡散を引き起こす可能性がある。いかなる理論にも限定されることなく、基板114への前駆体穴172を通じた前駆体の供給の増加は、ラジカル穴160を通じた前駆体の逆流につながり得る。前駆体がプラズマ源102に導入されると、除去することが難しくなる場合がある。続くプラズマ生成および基板処理の間に、前駆体が遠隔プラズマ142と混ざり、汚染粒子を生成し得る。これにより基板114上に汚染粒子が存在するようになり、寄生欠陥の形成が増加したり、性能が低下したりする可能性がある。
【0094】
イオンのフィルタリングと基板114へのラジカルの供給とを最適化しながら、逆流の効果を制限するために、本開示のシャワーヘッドでは、ラジカルが通過するために開口している面積の割合を減少させてもよい。具体的には、減少させた、ラジカルが通過するために開口している面積の割合は、約3.0%以下、約2.5%以下、約2.0%以下、約0.5%~約3.0%の間、または約0.5%~約2.0%の間であってもよい。従って、円筒部107の内径により画定される断面積に対するラジカル穴160の断面積の合計の比は、約3.0%以下、約2.5%以下、約2.0%以下、約0.5%~約3.0%の間、または約0.5%~約2.0%の間であってもよい。例えば、円筒部107の内径により画定される断面積に対するラジカル穴160の断面積の合計の比は、1.85%であってもよい。この比が約0.5%~約3.0%の間である場合、ラジカル穴160の直径は約1.0mm~約2.4mmの間になり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、ラジカルのために開口している面積の割合の減少は、ラジカル穴160の直径を減少させることで達成できる。直径を減少させることで、L1/D1比が増加し、R開口%が減少する。例として、ラジカル穴160の第1の直径は約0.01インチ~約0.1インチの間、約0.03インチ~約0.1インチの間、または約0.05インチ~約0.1インチの間とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の直径に対する第1の長さの比(L1/D1比)を、約8~約15の間または約10~約12の間とすることができる。
【0096】
ラジカルのために開口している面積の割合は、前駆体およびその他の望ましくない種の、シャワーヘッド104を通じたプラズマ源102への逆流を制限するように構成できる。この面積の割合は、遠隔プラズマ142からのイオンをフィルタリングしながらラジカルを通過させる効率にも影響する可能性がある。しかし、この面積の割合を減少させても、基板114へのラジカル供給の効率に実質的に悪影響を与えない可能性がある。上述したラジカル穴160および前駆体穴172のパターンおよび穴密度を使用することで、ラジカルのために開口している面積の割合(例えば約0.5%~約3.0%の間)により、前駆体の逆拡散を制限し、イオンのフィルタリングを促進し、ラジカル供給を促進できる。ラジカルのために開口している面積の割合によって、ALDプロセスまたはCVDプロセスのような堆積操作を実施する際の不均一性も改善できる。例えば、基板114上に堆積された材料の不均一性をほぼゼロ(上記の例を参照)にするためには、上述したラジカル穴160および前駆体穴172のパターンおよび密度に加えて、ラジカルがシャワーヘッド104を通過するために開口している面積の割合を約1.85%としてもよい。例えば、この面積の割合は約0.5%~約3.0%の間であってもよい。または、この面積の割合は約0.5%~約2.0%の間であってもよい。
【0097】
さらに、この面積の割合を最適化することで、ラジカルがシャワーヘッドを通って処理チャンバ103へと通過できる望ましい効率を維持しながら前駆体の逆拡散が制限されるため、上記のように設計されたパターンと、密度と、面積の割合とを用いてプロセスサイクル(例えばALDサイクル)を迅速に実行できる。プロセスサイクルを迅速に実行できるので、一定時間に基板を処理できる量(すなわち、スループット)が増加する。
【0098】
図8は、シャワーヘッド104の角度を変えた底面図を示している。この図では、ラジカル穴160および前駆体穴172が見えている。ラジカル穴160および前駆体穴172は、シャワーヘッド104の円筒部107の内径までの全体にわたり広がっているように示されている。さらに、この図では、シャワーヘッド104のベース部105に対するシャワーヘッド104の円筒部107の範囲(または高さ)を、シャワーヘッド104の底部から見ることができる。
【0099】
図9は、シャワーヘッド104の等角上面図を示している。この図では、ラジカル穴160のみが見えており、前駆体穴172は見えていない。さらに、プレナム166に接続するガス入口240が示されている。また、溝168で形成されたチャネルに接続された、流体入口242と流体出口244とが示されている。この図には、円環状リッジ210と凹部212とが示されている。
【0100】
上記の説明は本質的に例示的にすぎず、本開示、その応用または使用について限定することは意図していない。本開示の広範な教示はさまざまな形態で実装可能である。よって、本願は特定の例を含んではいるが、図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討することでその他の変形例も明らかになるであろうことから、本開示の真の対象範囲はこれらに限定されるものではない。
【0101】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係性および機能的関係性は、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「隣に」、「の上に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、さまざまな用語を用いて記載されている。上記の開示に第1および第2の要素が記載されている場合には、「直接」と明確に記載されていない限り、その関係性は第1および第2の要素の間にその他の介在する要素が存在しない直接的な関係性であってもよいが、1つまたは複数の介在する要素が(空間的にも、機能的にも)第1および第2の要素の間に存在する非直接的な関係性であってもよい。
【0102】
いくつかの実装形態においては、コントローラはシステムの一部であり、そのシステムは上述の例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、1つもしくは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(台座、ガスフローシステム等)等の、半導体処理機器を有してもよい。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステムの操作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。この電子機器を、1つまたは複数のシステムの各種部品または副部品を制御し得る「コントローラ」と呼んでもよい。
【0103】
コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示された、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)ジェネレータの設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および操作設定、ツールへのウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出のいずれかのプロセスを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0104】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング操作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでよい。
【0105】
プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定めるものであってよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、面、回路、および/またはウエハのダイの製造の際の1つまたは複数の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってよい。
【0106】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムと一体化された、システムに結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続されたコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへの遠隔アクセスを可能とすることで、製造操作の現在の進行を監視し、過去の製造操作の履歴を検証し、複数の製造操作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または新しいプロセスを開始できる。
【0107】
いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェースを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次に遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理工程のパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェース接続または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。
【0108】
従って、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めること等により、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、遠隔配置(例えばプラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0109】
限定はしないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの製造および/または生産に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを含んでもよい。
【0110】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、または半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートへウエハの容器を搬入出する材料輸送に用いられるツールの1つまたは複数と通信してもよい。
【国際調査報告】