(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】二官能性自己組織化単分子膜を用いた金属表面の選択的ブロッキング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/285 20060101AFI20241024BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20241024BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241024BHJP
C23C 16/04 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01L21/285 C
H01L21/88 B
H01L21/90 A
C23C16/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523872
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022047397
(87)【国際公開番号】W WO2023076115
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マクスウィニー, マイケル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ブイヤン, バスカー ジョティ
(72)【発明者】
【氏名】サリー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, ドリュー
(72)【発明者】
【氏名】デンジャーフィールド, アーロン
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】カシェフィ, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】シエ, シアンチン
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4K030AA09
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(57)【要約】
金属表面上に選択的に堆積させるための方法が開示される。本開示のいくつかの実施形態は、アルケン、アルキン、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの官能基を有する炭化水素を利用して、金属表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を形成する。
【選択図】
図2F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造を形成する方法であって、前記方法が、
基板を第1の前駆体に曝露させることによって、前記基板の第1の表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させることであって、前記基板が前記第1の表面及び第2の表面を含む少なくとも1つのフィーチャを有し、前記第1の前駆体が、アルケン、アルキン、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシル又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの官能基を含む、自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させることと、
前記基板を第2の前駆体に曝露させることによって、前記第2の表面上にライナを選択的に堆積させることと、
前記自己組織化単分子膜(SAM)を除去することと
を含み、
前記第1の表面が金属を含み、前記第2の表面が誘電体材料を含む、方法。
【請求項2】
前記自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させることが、前記SAMを前記第1の表面上に形成し、かつ前記第2の表面上には形成しないことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ライナを選択的に堆積させることが、前記ライナを前記第2の表面上に形成し、かつ前記第1の表面上には形成しないことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
実質的に酸化物を含まない基板表面を形成するために、前記自己組織化単分子膜(SAM)を堆積させる前に前記基板を洗浄することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の表面が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、及びモリブデン(Mo)のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記自己組織化単分子膜(SAM)を除去した後に、前記第1の表面上及び前記ライナ上に接着層を堆積させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフィーチャが、トレンチ及びビアのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板を第3の前駆体に曝露させることによって、前記少なくとも1つのフィーチャ内に導電性材料を堆積させることを更に含み、前記第3の前駆体が金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性材料を堆積させることが、ボトムアップ間隙充填及びコンフォーマル間隙充填のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の前駆体が、式(i)又は式(ii)
の構造を有し、ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、H、-R
8OH、-CH(OH)R
9、-COR
10及び-C(OH)R
11R
12から独立して選択され、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、H及びC
1-C
4基から独立して選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の前駆体が、金属、ハロゲン又は窒素のうちの1つ以上を実質的に含まず、前記実質的に含まないことが原子基準で5重量%未満を指す、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の前駆体が、式(vi)、式(vii)、式(viii)、式(ix)、式(x)、式(xi)、式(xii)及び式(xiii)
の構造からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の前駆体が少なくとも1つの不飽和基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の前駆体が少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の前駆体が少なくとも1つのケトン基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の前駆体が少なくとも1つのアルデヒド基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の前駆体が50ダルトンから500ダルトンの範囲内の分子量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の前駆体が、120℃で100mTorrから100Torrの範囲内の蒸気圧を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
半導体構造を形成する方法であって、前記方法が、
基板の第1の表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させるために、前記基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることであって、前記基板が前記第1の表面及び第2の表面を含む少なくとも1つのフィーチャを有する、前記基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることと、
第2の表面上にライナを選択的に堆積させるために、前記基板を第2の前駆体に曝露させることと、
前記自己組織化単分子膜(SAM)を除去することと
を含み、
前記第1の表面は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)の1つ以上から選択される金属を含み、
前記第2の表面は誘電体材料を含み、
前記第1の前駆体は、50ダルトンから500ダルトンの範囲内の分子量を有し、
前記第1の前駆体は、式(vi)、式(vii)、式(viii)、式(ix)、式(x)、式(xi)、式(xii)及び式(xiii)
の構造からなる群から選択される、方法。
【請求項20】
半導体構造を形成する方法であって、前記方法が、
基板の第1の表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させるために、前記基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることであって、前記基板が前記第1の表面及び第2の表面を含む少なくとも1つのフィーチャを有する、前記基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることと、
第2の表面上にライナを選択的に堆積させるために、前記基板を第2の前駆体に曝露させることと、
前記自己組織化単分子膜(SAM)を除去することと
を含み、
前記第1の表面は、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの1つ以上から選択される金属を含み、
前記第2の表面は誘電体材料を含み、
前記第1の前駆体は、120℃で100mTorrから100Torrの範囲内の蒸気圧を有し、
前記第1の前駆体は、式(vi)、式(vii)、式(viii)、式(ix)、式(x)、式(xi)、式(xii)及び式(xiii)
の構造からなる群から選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体構造を形成する方法に関する。より詳細には、本開示のいくつかの実施形態は、前駆体を使用した自己組織化単分子膜を使用して非金属表面上に選択的に堆積させる方法であって、前駆体がアルケン、アルキン、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、エステル、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの官能基を含む方法を対象としている。
【背景技術】
【0002】
[0002]概して、集積回路(IC)とは、半導体材料、典型的にはケイ素の小さなチップ上に形成された電子デバイス(例えばトランジスタ)の集合を指す。通常、ICは、ICの電子デバイスを互いに接続し、外部接続に接続するための金属線を有する1つ以上の金属化(メタライゼーション)層を含む。通常、層間絶縁材料の層は、絶縁のためにICのメタライゼーション層間に載置される。
【0003】
[0003]ICのサイズが小さくなるにつれて、金属線の間隔は小さくなる。通常、相互接続構造を製造するには、ある層のメタライゼーションと別の層のメタライゼーションを位置合わせして接続することを含む平面プロセスが使用される。
【0004】
[0004]電子デバイスの性能を向上させるためには、ビア抵抗を下げることが重要である。ビア抵抗を下げることは通常、クラッディングを最小限に抑え、ビア材料の抵抗を下げることによって制御される。したがって、ビア抵抗を下げる方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1つ以上の実施形態は、半導体構造を形成する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本方法は、基板を第1の前駆体に曝露させることによって、基板の第1の表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させることであって、基板が第1の表面及び第2の表面を含む少なくとも1つのフィーチャを有し、第1の前駆体が、アルケン、アルキン、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの官能基を含む、自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させることと、基板を第2の前駆体に曝露させることによって、第2の表面上にライナを選択的に堆積させることと、自己組織化単分子膜(SAM)を除去することとを含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は金属を含む。いくつかの実施形態では、第2の表面は誘電体材料を含む。
【0006】
[0006]1つ以上の実施形態では、本方法は、基板の第1の表面上に自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に堆積させるために、基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることであって、基板が第1の表面及び第2の表面を含む少なくとも1つのフィーチャを有する、基板を少なくとも1つの第1の前駆体に曝露させることと、第2の表面上にライナを選択的に堆積させるために、基板を第2の前駆体に曝露させることと、自己組織化単分子膜(SAM)を除去することとを含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)のうちの1つ以上から選択される金属を含む。いくつかの実施形態では、第2の表面は誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、50ダルトンから500ダルトンの範囲内の分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、120℃で100mTorr~100Torrの範囲内の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(vi)、式(vii)、式(viii)、式(ix)、式(x)、式(xi)の構造からなる群から選択される。
【0007】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらいくつかの実施形態が添付の図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付図面が本開示の典型的な実施形態を例示しているにすぎず、よって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]本開示の1つ以上の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
【
図2A】[0009]本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図2C】本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図2D】本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図2E】本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図2F】本開示の1つ以上の実施形態による、処理中の例示的な基板の断面図を示す。
【
図3】[0010]本開示の1つ以上の実施形態による例示的なクラスタツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0011]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行可能である。
【0010】
[0012]本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、処理が作用する表面又は表面の一部分を表している。また、基板への言及は、文脈が特に明確に示さない限り、基板の一部のみを指すこともありうると当業者には理解されよう。更に、基板への堆積に対する言及は、ベア基板と、1つ以上の膜又はフィーチャが上部に堆積又は形成された基板と、の両方を意味しうる。
【0011】
[0013]本明細書で使用される「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板上に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理が実行されうる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった、他の任意の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されるわけではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、及び/又はベークするために、基板が前処理プロセスに曝露されうる。基板自体の表面で直接膜処理することに加えて、本開示では、開示された任意の膜処理ステップは、以下でより詳細に開示されるように、基板に形成された下層においても実施することができる。そして、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、このような下層を含むことが意図されている。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積されている場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0012】
[0014]本明細書で使用される「原子層堆積」又は「周期的堆積」は、基板表面上に材料の層を堆積させるために2つ以上の反応性化合物を順次曝露させることを指す。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「反応性化合物」、「反応性ガス」、「反応種」、「前駆体」、「処理ガス」などの用語は、交換可能に使用され、表面反応(例えば、化学吸着、酸化、還元)において基板表面又は基板表面上の材料と反応可能な種を有する物質を意味する。基板又は基板の一部は、前駆体(又は反応性ガス)に順次又は実質的に順次曝露される。本明細書を通して使用されるように、「実質的に順次」は、前駆体曝露の持続時間の大部分が、共試薬への曝露と重ならないが、いくらかの重複がありうることを意味する。
【0013】
[0015]金属は、多くの用途のために原子層堆積によって成長させることができる。本開示の1つ以上の実施形態は、有利には、金属含有膜を形成するための原子層堆積のためのプロセスを提供する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「金属含有膜」という用語は、金属原子を含む膜であって、約1原子%以上の金属、約2原子%以上の金属、約3原子%以上の金属、約4原子%以上の金属、約5原子%以上の金属、約10原子%以上の金属、約15原子%以上の金属、約20原子%以上の金属、約25原子%以上の金属、約30原子%以上の金属、約35原子%以上の金属、約40原子%以上の金属、約45原子%以上の金属、約50原子%以上の金属、約55原子%以上の金属、約60原子%以上の金属、又は約65原子%以上の金属を有する膜を指す。いくつかの実施形態では、金属含有膜は、金属、金属窒化物、金属炭化物、又は金属酸化物のうちの1つ以上を含む。当業者であれば、MO(Mは金属)のような分子式の使用は、元素間の特定の化学量論的関係を意味するものではなく、単に膜の主要な構成要素の同一性を意味するものであることを認識するだろう。例えば、MOは、金属と酸素原子を主要組成とする膜を指す。いくつかの実施形態では、特定膜の主要組成(すなわち、特定原子の原子パーセントの合計)は、原子基準で、膜の約95%、98%、99%、又は99.5%以上である。
【0014】
[0016]本明細書で使用する「金属材料表面」又は「非金属材料表面」という語句は、それぞれ金属材料又は非金属材料の表面を指す。本開示の目的において、非金属材料は、不良導体、又は良好な絶縁体の特性を示す任意の材料である。非金属材料は、金属原子(例えば、窒化タンタル、窒化チタン)を含んでいてもよく、なおも非金属材料の範囲内に入る。いくつかの実施形態では、金属材料の代わりに「導電性材料」という用語が使用される。いくつかの実施形態では、非金属材料の代わりに「誘電体材料」という用語が使用される。
【0015】
[0017]本明細書で使用される「第2の表面上方の第1の表面上に選択的に堆積させること」などの表現は、第1の表面上に第1の量又は厚さが堆積され、第2の表面上に第2の量又は厚さが堆積されることを意味し、ここで、第2の量又は厚さは、第1の量又は厚さよりも小さいか、又はいくつかの実施形態では、第2の表面上には量が堆積されない。
【0016】
[0018]本明細書で使用される「上方に(over)」という用語は、一方の表面を他方の表面の上部に物理的に配向することを意味するものではなく、むしろ、一方の表面と他方の表面との相対的な化学反応の熱力学的又は動力学的特性の関係を意味する。例えば、非金属材料表面上方の金属材料表面上に選択的に膜を堆積させるとは、金属材料表面上に膜が堆積し、非金属材料表面には膜がほとんど若しくは全く堆積しないことを意味し、又は、金属材料表面上への膜の形成が、非金属材料表面上への膜の形成に比べて熱力学的又は動力学的に有利であることを意味する。
【0017】
[0019]3nmノード(N3)以降の半導体構造では、接触抵抗(Rc)を低減することが重要である。本開示の1つ以上の実施形態は、第2の表面上方の基板の第1の表面上に、自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に形成する方法を対象とする。基板は、第1の表面を有する金属材料(導電性材料)と、第2の表面を有する非金属材料(誘電体材料)とを含む。いくつかの実施形態では、第1の表面は、金属材料表面又は導電性材料表面と記載されることがある。いくつかの実施形態では、第1の表面は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、及びモリブデン(Mo)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、第2の表面は、非金属材料表面又は誘電体材料表面と記載されることがある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、ミドルエンドオブライン(middle end of line:MEOL)及びバックエンドオブライン(back end of line:BEOL)の用途を有する。
【0018】
[0020]プロセスフロー図である
図1を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態は、電子デバイスを形成する方法100を対象とする。
図1に示す方法は、統合プロセスの代表的なものである。
【0019】
[0021]
図2A~
図2Fは、本開示の1つ以上の実施形態による処理方法100中の例示的なデバイス200の断面図を示す。
図2Aを参照すると、バリア層215、金属ライナ220、導電層225、エッチング停止層230、及び誘電体層235をその上に有する基板210が提供される。1つ以上の実施形態では、誘電体層235は少なくとも1つのフィーチャ240を有する。いくつかの実施形態では、基板210はウエハであり、例えば半導体基板である。いくつかの実施形態では、基板210はウエハ上のエッチング停止層である。
【0020】
[0022]例示を目的として、
図2Aは、単一のフィーチャ240を有する基板210を示す。しかし、当業者であれば、複数のフィーチャが存在しうることを理解するだろう。
図2Aに示すように、フィーチャ240は、第1の表面245と第2の表面250を含む。いくつかの実施形態では、第1の表面245は、フィーチャ240の底面である。いくつかの実施形態では、第2の表面250は、フィーチャ240の側壁である。フィーチャ240の形状は、トレンチ、金属で充填されると層間で電流を伝達するビア、及び同じデバイス層内で電流を伝達するラインを含むがこれらに限定されない任意の適切な形状でありうる。1つ以上の実施形態では、導電層225は、同じデバイス層内で電流を伝達する金属線を形成することが理解されよう。いくつかの実施形態では、フィーチャ240は誘電体層235内の間隙を画定する。本明細書では、「フィーチャ(feature)」という用語は、任意の意図的な表面の凹凸を指す。フィーチャの適切な例は、上部、2つの側壁及び底部を有するトレンチ、上部及び2つの側壁を有するピークを含むが、これらに限定されない。フィーチャは、任意の適切なアスペクト比(フィーチャの深さ対フィーチャの幅の比)を有しうる。いくつかの実施形態では、アスペクト比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1又は40:1以上である。
【0021】
[0023]1つ以上の実施形態では、バリア層215はコンフォーマル層(conformal layer)である。バリア層215は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積されうる。いくつかの実施形態では、バリア層は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、又は窒化タングステン(WN)から選択される。特定の実施形態では、バリア層215は窒化タンタル(TaN)を含む。いくつかの実施形態では、バリア層215はALDによって形成される。いくつかの実施形態では、バリア層215は、そのバリア層215自体にわたって物質が下の層へ拡散するのを防止する。
【0022】
[0024]1つ以上の実施形態では、金属ライナ220は、当業者に知られている任意の適切な金属材料を含み、当業者に知られている任意の技法によって堆積されうる。1つ以上の実施形態では、金属ライナ220は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及び白金(Pt)のうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、金属ライナ220は、タングステン(W)の単層又はモリブデン(Mo)の単層のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、金属ライナ220は、タングステン又はモリブデンを含むか、又は基本的にこれらからなる。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「基本的に~からなる(consists essentially of)」という用語は、材料が原子基準で約95%、98%又は99%以上であることを意味する。
【0023】
[0025]1つ以上の実施形態では、導電層225は、金属又は金属材料を含む。いくつかの実施形態では、金属又は金属材料は、任意の適切な金属材料でありうる。いくつかの実施形態では、本開示の金属材料は導電性材料である。適切な金属材料は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、金属合金、ケイ素、これらの組み合わせ、及びその他の導電性材料を含むが、これらに限定されない。
【0024】
[0026]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、「酸化物」などの用語は、材料が1つ以上の特定の元素を含むことを意味する。この用語は、元素の特定の比率を意味するものと解釈すべきではない。したがって、「酸化物」などは、化学量論的な比率の元素又は非化学量論的な比率の元素を含みうる。
【0025】
[0027]1つ以上の実施形態では、金属又は金属材料は、当業者に知られている任意の適切な金属を含みうる。いくつかの実施形態では、金属又は金属材料は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及び白金(Pt)のうちの1つ以上から選択される。いくつかの実施形態では、金属又は金属材料は、基本的に、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又は白金(Pt)からなる。いくつかの実施形態では、金属又は金属材料は、基本的に、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、又はモリブデンからなる。いくつかの実施形態では、金属材料は、基本的に、タングステン又はモリブデンを含む、又はタングステン又はモリブデンからなる。
【0026】
[0028]1つ以上の実施形態では、エッチング停止層230は、当業者に知られている任意の適切な材料を含む。1つ以上の実施形態では、エッチング停止層230は、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)、及び窒化アルミニウム(AlN)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、エッチング停止層230は、CVD、PVD、及びALDから選択される技法を用いて堆積されうる。
【0027】
[0029]1つ以上の実施形態では、金属ライナ220の一部及びエッチング停止層230が除去され、少なくとも1つのフィーチャ240の底部第1表面245が露出される。いくつかの実施形態では、底部第1表面245は、導電性材料225の上面の一部であり、よって、導電性材料225の一部が露出される。
【0028】
[0030]1つ以上の実施形態では、誘電体層235は、任意の適切な材料でありうる。いくつかの実施形態では、誘電体層235は、隣接するデバイスを絶縁し、リークを防止する。適切な誘電体材料は、酸化ケイ素(例えば、SiO2)、窒化ケイ素(例えば、SiN)、炭化ケイ素(例えば、SiC)、及びこれらの組み合わせ(例えば、SiCON)を含むが、これらに限定されない。適切な誘電体材料は、更に、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び低誘電率誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、基本的に二酸化ケイ素(SiO2)からなる。いくつかの実施形態では、誘電体層235は窒化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層235は、基本的に窒化ケイ素からなる。
【0029】
[0031]1つ以上の実施形態では、誘電体層235は、化学気相堆積(「CVD」)、物理気相堆積(「PVD」)、分子線エピタキシー(「MBE」)、有機金属化学気相堆積(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、スピンオン、又はマイクロエレクトロニクスデバイス製造の当業者に知られている他の堆積技法などであるが、これらに限定されない、任意の適切な堆積技法を使用して堆積される。
【0030】
[0032]1つ以上の実施形態では、基板210は、方法100の1つ以上の工程の間、独立して動作圧力に維持される。いくつかの実施形態では、動作圧力は、100Torr以下、80Torr以下、70Torr以下、60Torr以下、50Torr以下、40Torr以下、30Torr以下、20Torr以下、15Torr以下、10Torr以下、5Torr以下、1Torr以下、500mTorr以下、200mTorr以下、100mTorr以下、又は50mTorr以下である。いくつかの実施形態では、動作圧力は10Torr、20Torr、30Torr、40Torr、50Torr又は100Torrである。いくつかの実施形態では、基板210は、自己組織化単分子膜(SAM)255の堆積中に、1mTorrから100Torr、1mTorrから80Torr、1mTorrから60Torr、1mTorrから40Torr、1mTorrから20Torr、1mTorrから10Torr、1mTorrから5Torr、1mTorrから1Torr、1mTorrから500mTorr、1mTorrから200mTorr、1mTorrから100mTorr、1mTorrから50Torr、500mTorrから100Torr、500mTorrから80Torr、500mTorrから60Torr、500mTorrから40Torr、500mTorrから20Torr、500mTorrから10Torr、500mTorrから5Torr、500mTorrから1Torr、1Torrから100Torr、1Torrから80Torr、1Torrから60Torr、1Torrから40Torr、1Torrから20Torr、1Torrから10Torr、1Torrから5Torr、10Torrから100Torr、10Torrから80Torr、10Torrから60Torr、10Torrから40Torr、10Torrから20Torr、20Torrから100Torr、20Torrから80Torr、20Torrから60Torr、又は20Torrから40Torrまでの範囲内の圧力に維持される。
【0031】
[0033]いくつかの実施形態では、基板の温度は、方法100の間に制御される。基板の温度はまた、動作温度とも称されうる。いくつかの実施形態では、動作温度は、450℃以下、400℃以下、350℃以下、300℃以下、275℃以下、250℃以下、225℃以下、200℃以下、150℃以下、100℃以下、又は80℃以下である。いくつかの実施形態では、動作温度は、自己組織化単分子膜(SAM)255を堆積させる間、60℃から450℃、60℃から350℃、60℃から250℃、60℃から150℃、60℃から100℃、100℃から450℃、100℃から350℃、100℃から250℃、100℃から200℃、200℃から450℃、200℃から350℃、200℃から300℃、300℃から450℃、300℃から350℃、又は400℃から450℃の範囲内にある。
【0032】
[0034]
図1を参照すると、例示的な方法100は、オプションの前洗浄工程102から始まる。前洗浄工程は、当業者に知られている任意の適切な前洗浄プロセスでありうる。適切な前洗浄工程は、浸漬、自然酸化物除去などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前洗浄工程102は、第1の表面245及び第2の表面250を洗浄する。いくつかの実施形態では、前洗浄工程102により、結果的に、実質的に酸化物を含まない、基板210の表面、例えば、第1の表面245及び/又は第2の表面250が形成される。本明細書において、「実質的に酸化物を含まない(free of oxide)」という用語は、表面の酸素が原子基準で10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満であることを意味する。
【0033】
[0035]工程104において、基板210が第1の前駆体に曝露され、自己組織化単分子膜(SAM)255を堆積させる。本明細書で使用する場合、「基板が曝露される」という表現は、その上にある個々の材料及び層を含む基板全体が、指定されたプロセス又は条件に曝露されることを意味する。
図2Bは、フィーチャ240の第1の表面245上に堆積した自己組織化単分子膜(SAM)255を示す。いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、第2の表面250上のフィーチャ240の第1の表面245上に選択的に堆積される。いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)は、フィーチャ240の第2の表面250上には堆積されない。1つ以上の実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、フィーチャ240の底部において導電層225の露出した第1の表面245上に堆積される。上述のように、金属ライナ220の一部及びエッチング停止層230の一部が、例えばエッチングによって除去され、フィーチャ240の底部における導電層225の一部、例えば第1の表面245を露出させることに留意されたい。いくつかの実施形態では、工程104はドライ堆積プロセスである。
【0034】
[0036]いくつかの実施形態では、「選択的に」とは、対象の材料が、選択されない表面での形成速度の約1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、又は50倍以上の速度で、選択された表面上に形成されることを意味する。別の言い方をすれば、選択された表面対選択されない表面についての記載プロセスの選択性は、約3:2、2:1、3:1、4:1、5:1、7:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、又は50:1以上である。
【0035】
[0037]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、金属に可逆的に結合する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体によって形成された自己組織化単分子膜(SAM)255は、方法100の後続の工程の間、実質的に無傷のままである。本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、自己組織化単分子膜(SAM)255の最大99%、98%、95%、90%、又は80%が、方法100の後続の工程の間、無傷のままであることを指す。
【0036】
[0038]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの官能基を含む。いくつかの実施形態では、官能基は逆選択的ALD堆積を可能にするように設計されている。いくつかの実施形態では、官能基は、不飽和炭化水素(例えば、アルケン、アルキン、フェニル、又はこれらの組み合わせ)、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、エステル、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つの不飽和基を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つのアルデヒド基を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つのケトン基を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つのエステル基を含む。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも2つの官能基を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの官能基は、不飽和炭化水素(例えば、アルケン、アルキン、フェニル又はこれらの組み合わせ)、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、エステル、又はこれらの誘導体から独立して選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも3つの官能基の各々は、不飽和炭化水素(例えば、アルケン、アルキン、フェニル又はこれらの組み合わせ)、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、エステル、又はこれらの誘導体から独立して選択される。いくつかの実施形態では、二官能基を用いた表面エンジニアリングにより、ビアコンタクト界面での電気抵抗に対する逆選択的ALD堆積が可能となる。いくつかの実施形態では、二官能基は共役系として機能する。いくつかの実施形態では、共役系は孤立電子対基を含む。
【0037】
[0039]理論に束縛されることを意図するものではないが、金属材料のd軌道は不飽和炭化水素のsp
2軌道と電子を共有し始めると考えられている。従って、いくつかの実施形態では、不飽和炭化水素は、2つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を有する少なくとも1つの化合物を含む。いくつかの実施形態では、不飽和炭化水素は、2つの炭素原子間に少なくとも1つの三重結合を有する少なくとも1つの化合物を含む。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態では、不飽和炭化水素は、以下の式(i)又は式(ii)による一般式を有する少なくとも1つの化合物を含む。
いくつかの実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、H、-R
7OH、-CH(OH)R
8、-C(OH)R
9R
10、及び-COR
11から独立して選択される。いくつかの実施形態では、R
7、R
8、R
9、R
10及びR
11は、H及びアルキル基から独立して選択される。この点で使用されるように、アルキル基は1~30個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は1~4個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、線形基(例えば、直鎖飽和又は不飽和炭化水素)である。いくつかの実施形態では、アルキル基は、分枝基(例えば、分枝飽和又は不飽和炭化水素)である。いくつかの実施形態では、アルキル基は、環式基(例えば、環式飽和又は不飽和炭化水素)である。
【0038】
[0040]理論に束縛されることを意図するものではないが、重合の可能性は、有利には、複数の不飽和結合の数が増加するにつれて増加すると考えられる。重合によって、自己組織化単分子膜(SAM)255は、方法100の後続の工程中に剥がれ落ちにくくなりうる。更に、理論に束縛されることを意図するものではないが、不飽和炭化水素、自己組織化単分子膜(SAM)255は、第1の表面245上の後続の膜の核形成又は成長速度の1つ以上を抑制すると考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、少なくとも1つの不飽和結合を含み、第1の表面245は、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0039】
[0041]いくつかの実施形態では、単一のヒドロキシル基を有する前駆体は、逆選択的ALD堆積を可能にするのに有効である。いくつかの実施形態では、単一のヒドロキシル基を含む前駆体で形成された自己組織化単分子膜(SAM)255は、エッチング停止層230に衝撃を与え、及び/又は非金属表面250を改質する。したがって、1つ以上の実施形態では、孤立電子対及び共役系を有する二官能基は、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はこれらの組み合わせを含む金属表面245用に設計される。言い換えれば、いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、金属表面245を選択的に遮断し、なおかつ、方法100の後続の工程の間、非金属表面250を無傷に保つ。金属表面245は、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はこれらの組み合わせを含む。
【0040】
[0042]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(iii)に従った構造を含む。ここで、R
7はH及びC
1-C
4基から選択され、R
8はC
1-C
4基である。
【0041】
[0043]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(iv)に従った構造を含む。ここで、R
7及びR
9の各々は、H及びC
1-C
4基から独立して選択される。
【0042】
[0044]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(v)による構造を含む。ここで、R
7及びR
10の各々は、H及びC
1-C
4基から独立して選択される。
【0043】
[0045]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(v)に従った構造を含む。ここで、R
11、R
12、R
13及びR
14の各々は、H及びC
1-C
4基から独立して選択される。
【0044】
[0046]いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、以下の式(vi)、式(vii)、式(viii)、式(ix)、式(x)、式(xi)、式(xii)及び式(xiii)の構造からなる群から選択される。
【0045】
[0047]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、50ダルトンから500ダルトン、100ダルトンから500ダルトン、200ダルトンから500ダルトン、300ダルトンから500ダルトン、400ダルトンから500ダルトン、50ダルトンから400ダルトン、100ダルトンから400ダルトン、200ダルトンから400ダルトン、300ダルトンから400ダルトン、50ダルトンから300ダルトン、100ダルトンから300ダルトン、200ダルトンから300ダルトン、50ダルトンから200ダルトン、100ダルトンから200ダルトン、又は50ダルトンから100ダルトンの範囲内の分子量を有する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、500ダルトン未満、400ダルトン未満、300ダルトン未満、又は100ダルトン未満の分子量を有する。
【0046】
[0048]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、120℃で、100mTorrから100Torr、300mTorrから100Torr、500mTorrから100Torr、800mTorrから100Torr、100mTorrから50Torr、300mTorrから50Torr、500mTorrから50Torr、800mTorrから50Torr、100mTorrから10Torr、300mTorrから10Torr、500mTorrから10Torr、800mTorrから10Torr、100mTorrから1Torr、300mTorrから1Torr、500mTorrから1Torr、800mTorrから1Torr、100mTorrから8mTorr、300mTorrから800mTorr、500mTorrから800mTorr、100mTorrから500mTorr、300mTorrから500mTorr、又は100mTorrから300mTorrの範囲内の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、100mTorr以上、300mTorr以上、500mTorr以上、800mTorr以上、1Torr以上、10Torr以上、50Torr以上、又は90Torr以上の蒸気圧を有する。
【0047】
[0049]1つ以上の実施形態では、基板210は、自己組織化単分子膜(SAM)255を形成するために、任意の適切な流量で第1の前駆体に曝露されうる。いくつかの実施形態では、基板210は、50sccmから2000sccm、100sccmから2000sccm、500sccmから2000sccm、1000sccmから2000sccm、1500sccmから2000sccm、50sccmから100sccm、75sccmから100sccmの範囲内の流量で第1の前駆体に曝露される。いくつかの実施形態では、第1の前駆体の流量は、2000sccm以下、1500sccm以下、1000sccm以下、600sccm以下、500sccm以下、400sccm以下、300sccm以下、250sccm以下、200sccm以下、150sccm以下、100sccm以下、75sccm以下、又は50sccm以下である。
【0048】
[0050]いくつかの実施形態では、基板210は、第1の前駆体の蒸気に浸漬される。いくつかの実施形態では、浸漬期間は、自己組織化単分子膜(SAM)255を形成するための任意の適切な期間とすることができる。いくつかの実施形態では、浸漬期間は、10秒以上、20秒以上、30秒以上、45秒以上、60秒以上、80秒以上、120秒以上、150秒以上、又は200秒以上である。
【0049】
[0051]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、動作温度及び/又は動作圧力において液体である。1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、動作温度及び/又は動作圧力において固体である。いくつかの実施形態では、第1の前駆体はアンプル又はシリンダーに貯蔵され、そこから第1の前駆体が基板210に供給される。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、動作温度及び/又は動作圧力において、0.1Torrから150Torr、0.1Torrから100Torr、0.1Torrから50Torr、0.1Torrから10Torr、0.1Torrから1Torr、0.1Torrから0.5Torr、0.5Torrから150Torr、0.5Torrから100Torr、0.5Torrから50Torr、0.5Torrから10Torr、0.5Torrから1Torr、1Torrから150Torr、1Torrから100Torr、1Torrから50Torr、1Torrから10Torr、10Torrから150Torr、10Torrから100Torr、10Torrから50Torr、50Torrから150Torr、50Torrから100Torr、又は100Torrから150Torrの範囲内の蒸気圧を有する。いくつかの実施形態では、第1の前駆体は、動作温度及び/又は動作圧力において約0.1Torr以上の蒸気圧を有する。
【0050】
[0052]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、金属、ハロゲン又は窒素のうちの1つ以上を実質的に含まない。このように使用される場合、「実質的に含まない(substantially free)」という用語は、第1の前駆体が、原子基準で10重量%未満、原子基準で5重量%未満、原子基準で3重量%未満、又は原子基準で1重量%未満であることを意味する。
【0051】
[0053]1つ以上の実施形態では、第1の前駆体は、キャリアガスを更に含む。いくつかの実施形態では、キャリアガスは非反応性ガスである。いくつかの実施形態では、キャリアガスは希ガスを含む。いくつかの実施形態では、希ガスは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、又はアルゴン(Ar)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、キャリアガスはアルゴン(Ar)を含む。
【0052】
[0054]いくつかの実施形態では、キャリアガスの流れは、第1の前駆体を容器から基板210に運ぶように構成される。いくつかの実施形態では、第1の前駆体を基板210に運ぶように構成されるアルゴン(Ar)ガスの流量が制御される。
【0053】
[0055]
図1を参照すると、工程106において、基板210は、第2の表面250上にライナを選択的に堆積させるために第2の前駆体に曝露される。
図2Cは、ライナ260が第2の表面250に選択的に堆積される様子を示している。いくつかの実施形態では、ライナ260は、第2の表面250上に形成され、第1の表面245上には形成されない。いくつかの実施形態では、ライナ260はコンフォーマル層である。ライナ260は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ライナ260は金属窒化物を含む。いくつかの実施形態では、ライナ260は、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ライナ260はバリア層215と同じ特性を有する。いくつかの実施形態では、ライナ260は原子層堆積(ALD)によって選択的に堆積される。いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、金属界面245を選択的に遮断し、選択的なALD堆積のために非金属表面250を無傷で維持する。いくつかの実施形態では、ライナ260は、基板210を金属前駆体及び反応物質に順次曝露させることによって堆積される。いくつかの実施形態では、ライナ260はプラズマを使用せずに形成される。いくつかの実施形態では、ライナ260は、約2Å~約20Åの範囲内の厚さを有する。いくつかの実施形態では、ライナ260は単一のALDサイクルで形成される。いくつかの実施形態では、ライナ260は1~40回のALDサイクルで形成される。1つ以上の実施形態では、1~40回のALDサイクルの各サイクルは、ライナ260の厚さを約0.5Å堆積させるように構成される。
【0054】
[0056]
図1を参照すると、工程108において、自己組織化単分子膜(SAM)255が除去される。
図2Dは、第1の表面245から除去された自己組織化単分子膜(SAM)255を示す。自己組織化単分子膜(SAM)255は、エッチングプロセスによって除去される。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、プラズマ洗浄プロセスを含むがこれらに限定されない、任意の適切な手段を含みうる。1つ以上の実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、プラズマ処理によって除去される。いくつかの実施形態では、プラズマは、水素(H
2)、窒素(N
2)、又はアルゴン(Ar)プラズマのうちの1つ以上を含む。本明細書で使用する際に、水素、窒素、又はアルゴンを含むプラズマは、名指しされた種(species named)の分子形態から形成されるプラズマを意味する。いくつかの実施形態では、プラズマは基本的に水素、窒素、アルゴン、又はこれらの組み合わせからなる。いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255は、ライナ260に実質的な損傷を与えることなく除去される。
【0055】
[0057]プラズマの出力は、自己組織化単分子膜(SAM)の組成、パッキング及び/又は厚さ、並びに周囲の材料の組成及び/又は厚さに応じて変化させることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は、約20Wから約500Wの範囲内、約20Wから約400Wの範囲内、約20Wから約250Wの範囲内、約50Wから約500Wの範囲内、約100Wから約500Wの範囲内、約100Wから約450Wの範囲内、約100Wから約500Wの範囲内、又は約200Wから約400Wの範囲内である。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は約50W、約200W又は約400Wである。
【0056】
[0058]プラズマ曝露の持続時間は、自己組織化単分子膜(SAM)255の組成、パッキング及び/又は厚さ、並びに周囲の材料の組成及び/又は厚さに応じて変化させることができる。いくつかの実施形態では、基板は、約2秒から約60秒の範囲内、約3秒から約30秒の範囲内、又は約5秒から約10秒の範囲内の期間、プラズマに曝露される。いくつかの実施形態では、基板は、約3秒、約5秒、約10秒、又は約30秒の期間、プラズマに曝露される。
【0057】
[0059]
図1及び
図2Eを参照すると、工程110において、接着層265が、バリア層260及び第1の表面245上に堆積される。
図2Fは、バリア層260及び第1の表面245上に堆積された接着層265を示す。いくつかの実施形態では、接着層265は、バリア層260及び第1の表面245上にコンフォーマルに堆積される。いくつかの実施形態では、バリア層260上の接着層265の厚さは、第1の表面245上の接着層265の厚さと同じである。いくつかの実施形態では、バリア層260上の接着層265の厚さは、第1の表面245上の接着層265の厚さとは異なる。いくつかの実施形態では、バリア層260上の接着層265の厚さは、第1の表面245上の接着層265の厚さよりも大きい。いくつかの実施形態では、接着層265は、当業者に知られている任意の適切な材料を含み、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積されうる。
【0058】
[0060]
図1及び
図2Fを参照すると、工程112において、方法100は、基板を第3の前駆体に曝露させることによって、少なくとも1つのフィーチャ240内に導電性材料270を堆積させることを含む。いくつかの実施形態では、第3の前駆体は金属を含む。いくつかの実施形態では、第3の前駆体は、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、導電性材料270は、接着層265上に間隙充填プロセスによって堆積される。いくつかの実施形態では、間隙充填プロセスは、ボトムアップ充填又はコンフォーマル充填を含む。
図2Gは、フィーチャ245内で相互接続を形成する導電性材料270を示す。
【0059】
[0061]導電性材料270は、当業者に知られている任意の適切な材料とすることができる。いくつかの実施形態では、導電性充填材料270は、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、及びモリブデン(Mo)のうちの1つ以上を含む。
【0060】
[0062]いくつかの実施形態では、フィーチャ240は、底部と上部とを含む。いくつかの実施形態では、底部はビアを含む。いくつかの実施形態では、上部はトレンチを含む。いくつかの実施形態では、第1の導電性充填材料は、フィーチャ240の下部を構成するビア部分を充填するためにボトムアップ方式で成長する。いくつかの実施形態では、第2の導電性材料が上部に堆積される。いくつかの実施形態では、第1の導電性材料と第2の導電性材料は同じである。いくつかの実施形態では、第1の導電性材料と第2の導電性材料は異なる。いくつかの実施形態では、フィーチャ240全体を一度に単一の導電性材料で充填し、フィーチャ240の下部と上部を1回のプロセスで充填する。
【0061】
[0063]導電性材料270は、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、導電性材料270は、化学気相堆積(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、又は物理気相堆積(PVD)プロセスのうちの1つ以上によって堆積される。いくつかの実施形態では、導電性材料270は、フィーチャ240を過剰に充填して、基板210の表面に過剰負荷を形成するように堆積される。その後、任意の適切な技法(例えば、エッチング、化学機械平坦化(CMP)など)によって、過剰負荷が除去される。
【0062】
[0064]理論に束縛されることを意図するものではないが、自己組織化単分子膜(SAM)255は、ほとんどのバリア層(例えば、膜260)で典型的に見られる抵抗の増大と比較すると、導電性充填材料270の抵抗をほんのわずか増大させるだけであると考えられる。したがって、自己組織化単分子膜(SAM)255の除去は、導電性充填材料270の抵抗を更に低下させうるオプションのプロセスである。いくつかの実施形態では、自己組織化単分子膜(SAM)255の除去は、金属相互接続270の抵抗を30%、20%、10%又は5%減少させる。
【0063】
[0065]本開示の追加的な実施形態は、
図3に示すように、説明したデバイス及び方法を形成するための処理ツール900を対象とする。アプライドマテリアルズ(登録商標)から入手可能なCentura(登録商標)、Dual ACP、Producer(登録商標)GT、及びEndura(登録商標)プラットフォームなどの様々なマルチ処理プラットフォーム、並びに他の処理システムが利用されうる。1つ以上の実施形態では、クラスタツール900は、複数の側面を有する少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。ロボット925、935は、中央移送ステーション921、931内に配置され、ロボットブレード及びウエハを複数の側面の各々に移動させるように構成される。
【0064】
[0066]クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも称される複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を備える。様々な処理チャンバは、隣接する処理ステーションから分離した別個の処理領域を提供する。処理チャンバは、選択的金属堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、自己組織化単分子膜(SAM)堆積チャンバ、ライナ金属堆積チャンバ、プラズマチャンバ、前洗浄チャンバ、エッチングチャンバ、1つ以上の移送空間、ウエハ配向/ガス抜きチャンバ、極低温冷却チャンバなどを含むがこれらに限定されない任意の適切なチャンバでありうる。処理チャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変更することができ、本開示の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【0065】
[0067]1つ以上の実施形態では、クラスタツール900は、基板を平面の炭化水素に曝露させて自己組織化単分子膜(SAM)を形成するための自己組織化単分子膜(SAM)堆積チャンバを含む。1つ以上の実施形態では、クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された前洗浄チャンバを含む。
【0066】
[0068]
図3に示す実施形態では、ファクトリインターフェース950がクラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951上にローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954が左側に示され、アンローディングチャンバ956が右側に示されているが、当業者は、これが1つの可能な構成を表しているにすぎないことを理解するだろう。
【0067】
[0069]ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900内で処理される基板に応じて変化しうる。図示された実施形態では、ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956は、複数のウエハがカセット内に配置されたウエハカセットを保持するようにサイズ決定される。
【0068】
[0070]ロボット952は、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動することができる。ロボット952は、ローディングチャンバ954内のカセットからファクトリインターフェース950を通ってロードロックチャンバ960までウエハを移送可能である。また、ロボット952は、ロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を通ってアンローディングチャンバ956内のカセットまでウエハを移送可能である。当業者には理解されるように、ファクトリインターフェース950は、複数のロボット952を有しうる。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロックチャンバ962とアンローディングチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有しうる。
【0069】
[0071]図示されたクラスタツール900は、第1のセクション920及び第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を通してファクトリインターフェース950に接続される。第1のセクション920は、少なくとも1つのロボット925が内部に配置された第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925はまた、ロボット式ウエハ搬送機構とも呼ばれる称される。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、処理チャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に位置する。いくつかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。1つ以上の実施形態では、第1の移送チャンバ921は、複数のロボット式ウエハ移送機構を含む。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成される。個々のウエハは、第1のロボット式機構の遠位端に位置するウエハ搬送ブレード上に担持される。
【0070】
[0072]第1のセクション920内のウエハを処理した後、ウエハは、第2のセクション930まで通過チャンバを通って通過しうる。例えば、チャンバ922、924は、単方向又は双方向の通過チャンバでありうる。通過チャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930における処理前に、ウエハを極低温冷却するために使用することができ、又は第1のセクション920に戻る前にウエハ冷却又は後処理を許容する。
【0071】
[0073]システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信している。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素でありうる。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路、及びストレージを含むコンピュータでありうる。
【0072】
[0074]プロセスは、概して、プロセッサによって実行されると、処理チャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリに記憶されうる。当該ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって記憶及び/又は実行されうる。本開示の方法のいくつか又はすべてはまた、ハードウェアで実行されうる。したがって、本プロセスは、ソフトウェアに実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装としてのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組合せとして実行されうる。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0073】
[0075]1つ以上の実施形態では、処理ツール900は、ウエハを移動させるように構成された少なくとも1つのロボット925、935を備える中央移送ステーション921、931と、中央移送ステーションに接続された、選択的ビアフィルステーション、逆選択的堆積ステーション、自己組織化単分子膜(SAM)形成ステーション、CVDステーション、PVDステーションのうちの1つ以上と、中央移送ステーションに接続されたオプションの前洗浄ステーションと、中央移送ステーション、選択的ビア充填ステーション、逆選択的堆積ステーション、自己組織化単分子膜(SAM)形成ステーション、CVDステーション、PVDステーション又はオプションの前洗浄ステーションのうちの1つ以上に接続された少なくとも1つのコントローラとを備える。1つ以上の実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、ロボットを使用してステーション間でウエハを移動させるための構成と、ビアを選択的に充填するための構成と、基板を平面の炭化水素に曝露させ自己組織化単分子膜(SAM)を形成するための構成、バリア層を逆選択的堆積させるための構成、金属を堆積させるための構成、及びウエハを前洗浄するための構成から選択される少なくとも1つの構成を有する。
【0074】
[0076]1つ以上の実施形態では、処理ツールは、その中に基板支持体を有する前洗浄チャンバと、選択的金属堆積チャンバと、バリア金属堆積チャンバと、金属堆積チャンバと、PVD金属堆積チャンバと、CVD金属堆積チャンバと、オプションでオプションの前洗浄を含む自己組織化単分子膜(SAM)堆積チャンバと、オプションでライナ金属堆積チャンバと、オプションでプラズマチャンバと、オプションでエッチングチャンバと、前洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、オプションの自己組織化単分子膜(SAM)堆積チャンバ、バリアメタル堆積チャンバ、PVDメタル堆積チャンバ、オプションのプラズマチャンバにアクセスするように構成されたロボットと、オプションのエッチングチャンバ、オプションのライナ金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ及びPVD金属堆積チャンバと、前洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、オプションの自己組織化単分子膜(SAM)堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、オプションのプラズマチャンバに接続されたコントローラと、オプションのエッチングチャンバ、オプションのライナ金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ及びPVD金属堆積チャンバ、並びにロボットとを備え、コントローラは、基板を洗浄すること、自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に形成すること、ライナを選択的に堆積させること、オプションで金属ライナを形成すること、メタライゼーション層を形成すること、オプションで基板をエッチングすること、及びオプションで自己組織化単分子膜(SAM)を除去することから選択された1つ以上の構成を有する。
【0075】
[0077]本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所で「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、又は「実施形態では」といった表現が現れるが、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すものではない。更に、特定のフィーチャ、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態では、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0076】
[0078]本明細書における開示は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、説明された実施形態が、本開示の原理及び適用を単に例示しているに過ぎないことを理解しよう。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な修正及び変更を行うことができることが、当業者には明らかになろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正例及び変形例を含むことができる。
【国際調査報告】