IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテグリス・インコーポレーテッドの特許一覧

特表2024-539921酸化ホウ素を含有する吸着剤ならびに関連方法およびデバイス
<>
  • 特表-酸化ホウ素を含有する吸着剤ならびに関連方法およびデバイス 図1
  • 特表-酸化ホウ素を含有する吸着剤ならびに関連方法およびデバイス 図2
  • 特表-酸化ホウ素を含有する吸着剤ならびに関連方法およびデバイス 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】酸化ホウ素を含有する吸着剤ならびに関連方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/02 20060101AFI20241024BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20241024BHJP
   B01D 53/02 20060101ALI20241024BHJP
   C01B 35/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B01J20/02 A
B01J20/30
B01D53/02
C01B35/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523958
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 US2022047609
(87)【国際公開番号】W WO2023076184
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,227
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ギプソン, ロッキー
(72)【発明者】
【氏名】グリシュチェンコ, アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス, デーヴィッド
【テーマコード(参考)】
4D012
4G066
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012BA03
4D012CA01
4D012CA20
4D012CB11
4D012CG01
4D012CG03
4D012CG05
4G066AA04C
4G066AA14D
4G066AA19B
4G066BA07
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA26
4G066CA33
4G066CA43
4G066CA45
4G066CA51
4G066DA05
4G066FA12
4G066FA21
4G066FA34
4G066FA37
(57)【要約】
多孔質吸着剤ベースおよびベースの表面上に酸化ホウ素を含む、酸化ホウ素を含有する吸着剤、同様に、酸化ホウ素を含有する吸着剤を含むデバイス、ならびに酸化ホウ素を含有する吸着剤を調製および使用する関連方法が記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ホウ素を含有する吸着剤であって、
多孔質吸着剤ベース、および
多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素
を含む、吸着剤。
【請求項2】
多孔質吸着剤ベースが多孔質吸着剤炭素粒子を含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
多孔質吸着剤炭素粒子が、天然炭素源または合成炭化水素ポリマーに由来する、請求項2に記載の吸着剤。
【請求項4】
多孔質吸着剤ベースと酸化ホウ素の全重量に基づいて、
70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および
5~30重量パーセントの酸化ホウ素
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項5】
多孔質吸着剤ベースおよび酸化ホウ素から本質的になる、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項6】
1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項7】
多孔質吸着剤ベースが、1センチメートル未満の平均直径を有する粒子を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項8】
多孔質吸着剤ベースが、少なくとも2センチメートルの寸法を有するモノリスを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項9】
酸化ホウ素を含有する吸着剤の全重量に基づいて、1重量パーセント未満の水を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項10】
多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、
ホウ酸溶液から水を除去すること、および
ホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成すること
を含む方法によって調製される、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸着剤。
【請求項11】
方法が、
ホウ酸溶液からある量の水を除去して表面にホウ酸を残すこと、および
表面のホウ酸を加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換すること
をさらに含む、請求項10に記載の吸着剤。
【請求項12】
内部、入口、出口、および請求項1から11のいずれか一項に記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤を内部に含む精製器容器を含む精製器デバイス。
【請求項13】
多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を形成する方法であって、
多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、
ホウ酸溶液から水を除去すること、および
ホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成すること
を含む、方法。
【請求項14】
多孔質吸着剤ベースが多孔質炭素吸着剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ロータリーエバポレーターを使用してホウ酸溶液から水を除去することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
ホウ酸溶液から水を除去した後、多孔質吸着剤ベースを精製器デバイスの容器内に置くこと、ならびに
精製器デバイスおよび精製器デバイス内に含まれる粒子を摂氏120~200度の範囲の温度に加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換すること
をさらに含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
多孔質吸着剤ベースが、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ホウ酸水溶液が、1リットルあたり0.1~10モルの範囲のホウ酸濃度を有する、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ホウ酸溶液でコーティングされた表面を有する多孔質吸着剤ベースを形成する方法であって、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用することを含む、方法。
【請求項20】
多孔質吸着剤ベースをロータリーエバポレーターで、ホウ酸溶液から水を除去することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
多孔質吸着剤ベースが炭素粒子を含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
多孔質吸着剤ベースが、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
試薬ガスから不純物を除去する方法であって、試薬ガスを、多孔質吸着剤ベースおよび多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む酸化ホウ素を含有する吸着剤と接触させることを含む、方法。
【請求項24】
多孔質吸着剤ベースが炭素粒子を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
酸化ホウ素を含有する吸着剤が、多孔質吸着剤粒子と酸化ホウ素の全重量に基づいて、
70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および
5~30重量パーセントの酸化ホウ素
を含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
酸化ホウ素を含有する吸着剤が、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
試薬ガスがハロゲン化物、水素化物、またはハロゲン化水素を含み、
不純物が水、金属、または炭化水素を含む、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
試薬ガスが、HCl、Cl、B、BCl、CClH、GeCl、GeH、HS、H、NF、SiCl、SiF、SiHCl、SiHCl、SO、CHClF、BF、およびHBrを含む、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
試薬ガスが塩化水素ガス(HCl)であり、不純物が2-クロロプロパンである、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
試薬ガスがフッ化水素(HF)であり、不純物が水である、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、多孔質吸着剤ベース、およびベースの表面上の酸化ホウ素を含む酸化ホウ素を含有する吸着剤、同様に、酸化ホウ素を含有する吸着剤を含むデバイス、ならびに酸化ホウ素を含有する吸着剤を調製および使用する関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造業界は、半導体ウエハの加工およびマイクロエレクトロニクスデバイスの製造に原料ガスを使用する。これらのガスは、ハロゲン、水素化物、ハロゲン化水素、ならびに他のハロゲン含有ガスおよび非ハロゲン含有ガスを含む。
【0003】
原料ガスは高純度形態で使用されなければならない。原料ガス中の不純物は、原料ガスを使用して加工される半導体ウエハまたはマイクロエレクトロニクスデバイスに欠陥を生じさせる。高度なマイクロエレクトロニクスデバイスがますます小型化されるにつれて、不純物の存在に対するデバイスの感度は高まり続けており、原料ガスは、不純物のレベルがますます低い状態で半導体加工ツールに送達されなければならない。
【0004】
原料ガスを合成し、単離し、精製し、取り扱い、貯蔵し、輸送し、半導体加工ツールに送達する工程は、高度に夾雑物のない条件を使用して実施される。原料ガスを貯蔵し、取り扱い、大気中の夾雑物がガスに含まれることを許容せずに半導体加工ツールにガスを送達するために、特殊な貯蔵および送達システムが開発されてきた。
【0005】
しかし、高レベルの予防策を用いても、大気または非大気供給源由来の少量の不純物が典型的に精製ガス中に存在する。不純物は、大気の不純物への曝露によって存在し得るだけでなく、潜在的にガスの取り扱いまたは貯蔵システム内で発生する可能性もある。不純物は、原料ガスの取り扱いまたは貯蔵中に、原料ガスと取り扱いまたは貯蔵装置との相互作用によって発生され得る。不純物はまた、ガスとシステム内の異なる不純物、例えば水との相互作用によって発生され得る。多くの原料ガスは非常に反応性が高いため(ハロゲン、水素化物、およびハロゲン化水素を含む)、反応性の高い原料ガスが水などの夾雑物、または金属製の流量制御デバイス(パイプまたは導管)、容器本体、バルブなどの貯蔵またはガス取り扱いシステムの金属部分と化学的に相互作用することにより、貯蔵中に不純物が発生する場合がある。
【0006】
使用時点、つまり半導体加工ツールへのガスの送達時点で原料ガス中に存在し得る特定の夾雑物は、水、金属、および炭化水素を含む。可能性のある金属夾雑物としては、試薬ガスを収容、移動、または取り扱うために使用される金属貯蔵容器または金属導管中に存在する元素金属が挙げられ、例えば、銅、モリブデン、ニッケル、鉄、またはコバルトが挙げられる。塩化水素(HCl)ガスの特定の場合、炭化水素2-クロロプロパンが存在する可能性があり、ウエハ上の欠陥を引き起こすことが公知である。これらの夾雑物は、夾雑物がほんの微量、例えば10億分の1(体積)以下の範囲の濃度で存在する場合でも、加工されたマイクロエレクトロニクスデバイスに欠陥を生じさせる可能性がある。
【0007】
原料ガスの供給業者および使用者は、半導体加工ツールに供給される原料ガス中に見出される微量不純物(例えば、金属、水、炭化水素)を、使用時点、すなわちツールにおいて低減または排除する継続的な必要性を有している。ガスがツールに供給される際に、ガス状原料の最終純度(すなわち、半導体加工ツールに送達される際の純度)を改善する「ガス精製器」製品が開発され、市販されている。例として、商品名GateKeeper(登録商標)GPU Media Gas PurifiersでEntegrisから販売されている製品群が挙げられる。これらの製品は、ハロゲン化物、水素化物、ハロゲン化水素など、例えば:HCl、Cl、B、BCl、CClH、GeCl、GeH、HS、HSe、HBr、NF、SiCl、SiF、SiHCl、SiHCl、SO、CHClF、BF、HFおよびHBrを含む原料ガスに対して最終精製工程を実施するために有用である。これらのガス精製器を使用して除去できる不純物は、微量の水、炭化水素(例えば、トルエン)、ならびにとりわけFe、Ni、Mo、CrおよびMnなどの金属を含む。
【発明の概要】
【0008】
以下の説明は、高純度の試薬ガス中に存在する不純物ガスを吸着する方法に使用される新規吸着剤材料(または「精製材料」)に関する。新規吸着剤材料は、多孔質吸着剤ベース構造(例えば、粒子または「モノリス」)、および多孔質吸着剤ベースの表面上の酸化ホウ素を含む。新規吸着剤材料は、本明細書で「酸化ホウ素を含有する吸着剤」、例えば「酸化ホウ素を含有する粒子」、または粒子の形態の特定の例示的な吸着剤では、文脈によって許容される場合、単に「粒子」または「吸着剤粒子」と称される。
【0009】
新規吸着剤材料は、多孔質ベース構造(単に「ベース」と称される場合もある)の有効な組合せを含み、多孔質ベース構造は、それ自体吸着剤材料として有効であり得るが、ベース構造の表面に酸化ホウ素を添加すると、付加された吸着特性がもたらされる。特に、新規吸着剤材料は、ハロゲン化物、水素化物およびハロゲン化水素などの、そうでなければ純原料ガス中に存在する微量の水分、金属、炭化水素、またはこれらの組合せを吸着するのに有効である。
【0010】
特に好ましい酸化ホウ素を含有する吸着剤は、多孔質吸着剤粒子またはモノリスの形態の炭素系吸着剤材料、例えば活性炭または熱分解炭素をベース材料として使用して調製することができる。活性炭および熱分解炭素は、様々な活性炭および熱分解炭素生成物の高い表面積および高い多孔率により、不純物ガス分子を吸着するための非常に有効なベース材料として機能することができる。炭素ベースに添加された酸化ホウ素(B)の高度に不活性で吸湿性の性質は、水、ガス状金属および炭化水素を含むガス状不純物を吸着するために非常に有効な酸化ホウ素を含有する吸着剤をもたらす。
【0011】
一態様において、本開示は、酸化ホウ素を含有する吸着剤であって、多孔質吸着剤ベース、および多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む、吸着剤に関する。
【0012】
別の態様において、本発明は、内部、入口、出口、および記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤を内部に有する精製器容器を含む精製器デバイスに関する。
【0013】
別の態様において、本開示は、多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を形成する方法に関する。方法は、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、ホウ酸溶液から水を除去すること、およびホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成することを含む。
【0014】
さらに別の態様において、本開示は、ホウ酸溶液でコーティングされた表面を有する多孔質吸着剤ベースを形成する方法に関する。方法は、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用することを含む。
【0015】
別の態様において、本開示は、試薬ガスから不純物を除去する方法に関する。方法は、試薬ガスを、多孔質吸着剤ベース、および多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む酸化ホウ素を含有する吸着剤と接触させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】記載される吸着剤を調製する工程の例を示す。
図2】記載される精製器デバイスを示す。
図3】記載される精製器デバイスを、半導体加工ツールに送達される試薬ガスの最終精製工程で使用するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図は概略的であり、必ずしも縮尺通りではない。
【0018】
以下は、多孔質表面を含む多孔質吸着剤ベース(例えば、ベース粒子またはモノリス)、および多孔質吸着剤ベースの表面に位置する酸化ホウ素を含む新規酸化ホウ素を含有する吸着剤材料の説明である。また、新規吸着剤材料(例えば、粒子またはモノリス)を調製するための方法、新規吸着剤材料を使用する方法、ならびに新規吸着剤材料を含む精製器デバイスおよび半導体加工ツールなどのシステムおよびデバイスが記載される。
【0019】
新規吸着剤材料は、酸化ホウ素がガスからガス状不純物を除去するための吸着剤または精製器として有効であることを可能にする方法で、ベース構造の表面で酸化ホウ素を支持する多孔質ベースとして使用可能な多孔質吸着剤ベース構造の形態である。特定の例では、多孔質吸着剤ベースは、酸化ホウ素がガスからガス状不純物を除去するための吸着剤または精製器として有効であることを可能にする方法で、粒子の表面で酸化ホウ素を支持する多孔質ベースとして使用可能な個々の多孔質粒子(例えば、「内部粒子」、「コア粒子」、または「ベース粒子」)の形態であってもよい。ベースは、小さな顆粒状粒子であってもよいか、または他の例では、ベースは、酸化ホウ素がガスからガス状不純物を除去するための吸着剤または精製器として有効であることを可能にする方法で、粒子の表面で酸化ホウ素を支持する多孔質基材として使用可能な、より大きな寸法の「モノリス」または「パック」であってもよい。
【0020】
記載される酸化ホウ素を含有する吸着剤は、酸化ホウ素顆粒、つまり酸化ホウ素のみから作製される顆粒(または粒子、またはモノリス構造)を含むことを意図しない。酸化ホウ素顆粒、つまり実質的に酸化ホウ素のみを含む顆粒(異なる(非酸化ホウ素)型の多孔質吸着剤ベースの表面に形成された酸化ホウ素を含む本明細書の酸化ホウ素を含有する吸着剤と比較して)は、例えば、GateKeeper(登録商標)GPU Media Gas Purifiersの「CRシリーズ」としてEntegrisから販売されている精製器製品における使用が公知である。
【0021】
酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子を含む本明細書に記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤は、少なくとも、本明細書に記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤が、酸化ホウ素とは異なる可能性があり、酸化ホウ素顆粒のものとは異なる物理的特性を有する可能性がある、例えば、酸化ホウ素顆粒と比較してより高い多孔率およびより高い表面積を有する可能性がある多孔質ベース構造(粒子または「モノリス」)を含むため;また、本明細書に記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤の表面の酸化ホウ素が、多孔質吸着剤ベース構造の表面に別個に添加される、すなわち、ベースが別個の(以前の)形成工程を使用して形成された後に多孔質吸着剤ベースの表面に適用されるため、酸化ホウ素顆粒とは異なる。
【0022】
多孔質吸着剤ベースは、任意の有用な多孔質吸着剤材料であってもよく、その上に、記載される方法によってある量の酸化ホウ素が形成されてもよく、その後多孔質吸着剤ベースおよび適用された酸化ホウ素は、ハロゲン化物、水素化物、またはハロゲン化水素などの試薬ガスからガス不純物を除去するための精製器または吸着剤材料として有効になる。
【0023】
多孔質吸着剤ベースとして有用であり得る吸着剤材料の例には、公知の種類の多孔質吸着剤材料が含まれる。例としては、炭素系吸着媒体、ポリマー吸着媒体、シリカなどが挙げられる。具体例としては、具体的にはゼオライトイミダゾレート構造体(「ZIF」)吸着剤を含むゼオライト材料を含む金属有機構造体(「MOF」);シリカおよびシリカ系粒子;アルミナおよびアルミナ系粒子;ならびに数ある種類の炭素粒子の中でも、一般に「活性炭粒子」と称される炭素吸着剤材料を含む多孔質炭素吸着剤粒子(略して「多孔質炭素粒子」と称される場合もある)が挙げられる。
【0024】
多孔質吸着剤ベースとして有用な多孔質炭素吸着剤材料の非限定的な例としては、合成ポリマーの熱分解によって形成される炭素、例えば炭化水素、ハロカーボン(例えば、クロロカーボン)、またはヒドロハロカーボン樹脂、例えばポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スルホン化ポリスチレン-ジビニルベンゼン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)など;ポリマー構造体(PF)材料;多孔質有機ポリマー(POP);セルロースチャー;木炭;およびヤシ殻、ピッチ、木材、石油、石炭などの天然源材料から形成された活性炭が挙げられる。
【0025】
多孔質吸着剤ベースは、ベースの表面で酸化ホウ素を支持するための任意の形状、形態、サイズなどであってもよく、添加された酸化ホウ素とのベースの組合せ構造は、ベースと酸化ホウ素との組合せが、不純物を含む試薬ガスから不純物ガスを吸着するのに有用であるために有効である。多孔質吸着剤ベースのサイズ、形状および物理的特性、例えば細孔の特徴(細孔径、多孔率)は、ベースの表面に酸化ホウ素が適用された後、不純物を含む試薬ガスから不純物を吸着するベースの能力、および精製器デバイスに収容されたときの吸着剤のパッキング密度およびボイド(間隙)容積に影響を与えることができる。
【0026】
ベース(ベースの表面に酸化ホウ素を形成させる前)は、顆粒または「モノリス」と称される構造などの任意の適切な形態を有してもよい。「粒子」とも称される顆粒は、多孔質吸着剤の多数の個別片の集合体であり、各片は、3センチメートル未満、または2もしくは1センチメートル未満などの比較的小さいサイズを有する。粒子は、任意の有用な粒径、形状、多孔率、および粒径範囲を有してもよい。ベース構造の有用な形状および形態の例としては、ビーズ、顆粒、ペレット、板状小片、シェル、サドル、粉末、不規則な形状の粒子状物質、プレスされたモノリス、任意の形状およびサイズの押出物、布またはウェブ形態の材料、ハニカムマトリックスモノリス、ならびに複合体(吸着剤と他の成分との)、ならびに前述の種類の吸着剤材料の粉砕または破砕形態が挙げられる。
【0027】
有用または好ましいベース粒子は、0.5~20ミリメートル、例えば1~15または1~10ミリメートル(mm)の範囲にある平均サイズを有することができる。吸着剤粒子の集合体の平均粒径は、粒子の集合体から粒子を無作為に選択し、マイクロメーターを使用してサイズ(例えば、直径)を測定することを含む標準的な技術によって測定することができる。
【0028】
有用なまたは好ましい粒子は、粒子の平均サイズと組み合わせて、粒子が精製器デバイス内に含まれる場合に有用なパッキング密度および粒子間の空隙の量をもたらす形状を有することもできる。例示的な形状には、実質的に丸みを帯びた、実質的に球状の、または円筒状の粒子を含む丸みを帯びた形状が含まれる。粒子が精製器デバイスの吸着剤粒子として含まれる場合(図2および3を参照)の吸着剤粒子間の空隙(容器のヘッドスペースを含まない)の好ましい量の例は、50パーセント未満、例えば、40、30、または25パーセント未満であってもよい。
【0029】
比較的小さいサイズ、例えば、2センチメートル未満の寸法を有する粒子の形態の多孔質吸着剤ベースの代替として、多孔質吸着剤ベースは、代わりにサイズがより大きくてもよく、より少ない吸着剤構造が精製器に収容される。吸着剤の技術分野では、寸法がより大きい、または貯蔵容器の内部空間に密接に適合するサイズの吸着剤構造は、一部の場合では「モノリス」型吸着剤材料と称されてもよい。モノリス吸着剤は、2センチメートルより大きい少なくとも1つの寸法を有し、三次元の円筒または「パック」の形態であってもよい。通常、1つの単一モノリスまたは少数(例えば、3~10)のモノリスは、精製器の容器に適合するサイズである。
【0030】
有用な多孔質吸着剤ベース(例えば、粒子の形態またはモノリスとして)の別の特徴は、高い表面積である。多孔質吸着剤ベース、例えば多孔質吸着剤炭素粒子は、多孔質吸着剤材料の表面積によって特徴付けられてもよい。この種の表面積測定は、公知の窒素BET表面積測定法によって、例えば、Anton-Paarから入手可能なAutosorb iQ機器をBET(Brunauer、EmmettおよびTeller)法を使用するように設定して使用することによって実施されてもよい。有用なまたは好ましい例によれば、多孔質吸着材ベース材料は、比較的高い表面積、例えば、1グラムあたり少なくとも500、600または700平方メートルの表面積、例えば、1グラムあたり700~1000平方メートル、またはそれ以上の範囲の表面積を示すことができる。
【0031】
多孔質吸着剤ベースは多孔質であってもよく、ベース構造の内部を通って延びる細孔の相互連結ネットワークを含んでもよい。細孔は、任意の有用な細孔径、つまりベースの表面に酸化ホウ素が形成された後にベースの所望の吸着性能を可能にする任意の細孔径を有してもよい。
【0032】
吸着剤材料の細孔径は、粒子の集合体の平均細孔径に基づき、一般的な範囲で分類される。平均細孔径が50ナノメートル(nm)を超える粒子は、典型的にマクロポーラスと称される。平均細孔径が2~50ナノメートル(nm)の範囲の粒子は、典型的にメソポーラス粒子と称される。平均細孔径が2ナノメートル未満の粒子は、典型的にマイクロポーラスと称される。これらの用語はIUPAC用語によって定義される。本明細書に従って使用されるベース粒子は、これらのサイズ範囲指定のいずれかに入る平均細孔径、または細孔径範囲を有してもよい。
【0033】
多孔質吸着剤ベースは、マクロポーラス範囲の細孔、メソポーラス範囲の細孔、およびマイクロポーラス範囲の細孔を有してもよい。望ましくは、本明細書に記載される不純物の有用な除去のために、ベースは、有用な量のマイクロポーラス範囲の細孔、さらに有用な量のメソポーラス範囲の細孔を有してもよい。不純物は、マクロポーラスサイズ範囲の細孔内の物質移動速度と比較して、マイクロポーラスまたはメソポーラスサイズ範囲の細孔内の物質移動速度が速い;この理由のために(少なくとも)、多孔質吸着剤ベースは、好ましくはマイクロポーラスサイズ範囲、メソポーラスサイズ範囲、または両方の細孔の有意な細孔径分布を有し得る。
【0034】
多孔質吸着剤ベース材料の別の特性は多孔率(「細孔容積」とも称される場合もある)であり、これは粒子の集合体の質量あたりの細孔によって占められる多孔質吸着剤ベースの量(容積)である。例示的なベース粒子は、グラムあたり少なくとも0.2ミリリットルの多孔率、例えば、1グラムあたり少なくとも0.35ミリリットル、好ましくは1グラムあたり少なくとも0.40ミリリットルの多孔率を有してもよい。
【0035】
有用なまたは好ましい多孔質吸着剤ベース材料は、活性炭および熱分解炭素の粒子などの多孔質炭素吸着剤粒子を含む。活性炭は、天然源(例えば、ヤシ殻または石炭)に由来する木炭を摂氏800~1000度の範囲の温度に加熱して材料を「活性化」することを含む工程によって生成される顆粒材料である。加熱後、酸洗浄によって材料から不純物が除去される。一般的に、活性炭は500~1000nmの範囲の細孔径、および1グラムあたり少なくとも約1000平方メートルの表面積を有してもよい。
【0036】
有用な活性炭粒子は、任意の有効なサイズおよび形状であってもよく、典型的な形態は、実質的に丸みを帯びた球状の小ビーズ、ペレット、または顆粒である。好ましい活性炭粒子は、本明細書に記載されるように、酸化ホウ素が粒子表面に形成される前であっても、種々のガスに対して良好な吸着特性を有してもよい。好ましい粒子は、比較的高い多孔率(例えば、1グラムあたり少なくとも35または40立方センチメートル)および比較的高い表面積(例えば、1グラムあたり少なくとも400、500、600または700平方メートル)を有してもよい。
【0037】
様々な炭素源から調製された多くの種類の活性炭粒子が周知であり、多くが市販されている。例としては、日本の株式会社クレハから販売されているビーズ状活性炭製品が挙げられる。
【0038】
本明細書の方法によれば、酸化ホウ素(B)が多孔質吸着剤ベースの表面に形成される。酸化ホウ素は水などのプロトン性溶媒と反応性であり、他の有機溶媒には低い溶解度を示すため、酸化ホウ素を酸化ホウ素として吸着剤多孔質ベースの表面に直接適用することは有効な選択肢ではない。その酸化ホウ素形態の酸化ホウ素を扱う際のこの困難を克服するために、多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を直接適用する必要性を回避するため、本明細書は、ベースの表面にホウ酸(オルト、またはメタホウ酸)溶液を適用し、次いで適用したホウ酸溶液から溶媒(例えば、水)を除去し、それにより表面に酸化ホウ素が化学的に形成され、これが表面に残留し得ることにより、多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を形成する方法を含む。
【0039】
酸化ホウ素は公知の化学物質であり、以下の反応に従ってホウ酸から形成されてもよい:
2HBO→B+3HO(I)
【0040】
この反応は周知であり、例えば、W.Conard Ferneliusによる「Inorganic Syntheses」、第2巻、McGraw-Hill、1946年、22~23頁に記載されている;また、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,522,457号も参照されたい。出発成分は、オルトホウ酸、HBOと特定されているが、中間反応生成物であるメタホウ酸、HBOも出発成分として十分機能する。以下では、ホウ酸への言及は、別途指定のない限り、オルトホウ酸とメタホウ酸の両方を指すことを意図する。
【0041】
記載されるように吸着剤ベース(例えば、粒子モノリス)の表面に酸化ホウ素を形成するために、ホウ酸溶液を調製し、吸着剤ベースの表面に適用する。吸着剤ベースの表面に溶液を適用するために使用される方法は、ベース粒子に溶液を噴霧または他の方法でコーティングする、あるいは溶液にベースを浸すまたは漬けることなどによる任意の有用な適用方法であってもよい。ホウ酸溶液を表面に適用した後、溶媒(例えば最初の水)を溶液から除去し、表面にホウ酸、B(OH)を残す。
【0042】
ベースおよびベースの表面のホウ酸コーティングは、適用されたホウ酸溶液中に存在する水分(すなわち、液体の水)が実質的に乾燥している。しかし、分子水はベースの表面に存在するホウ酸に残存する。ホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に化学的に変換するために、表面にホウ酸(乾燥したホウ酸溶液からの)を含むベースは、ホウ酸から水を除去し、それによりホウ酸を酸化ホウ素、Bに変換するのに有効な時間および温度でさらに加熱される。この工程は「脱水」工程と称される場合がある。結果として得られる酸化ホウ素は、多孔質吸着剤ベースの細孔の表面に非常にコンフォーマルなコーティングを形成する。ホウ酸溶液は、任意の溶媒中のホウ酸を含むことができ、水が有効な溶媒である。溶液中のホウ酸の濃度は、表面に所望の量の酸化ホウ素を形成するために、吸着剤ベースの表面に所望の量のホウ酸を適用するのに有効な任意の濃度であってもよい。ホウ酸(オルトホウ酸であるかメタホウ酸であるかにかかわらず)の有用な濃度の例は、0.1~10Mの範囲であってもよい。水はホウ酸のための有効な溶媒であるため、塩基の表面に酸化ホウ素を形成するために使用される溶媒は、例示的な溶媒として水と称される。
【0043】
ホウ酸溶液をベースの表面に適用した後、ホウ酸を式Iに従って酸化ホウ素に化学的に変換させる態様で溶液から水を除去し、酸化ホウ素を多孔質吸着剤ベースの表面に所望の量で残存させる。ホウ酸の酸化ホウ素への変換は、溶液から水を除去し、式Iに従って酸化ホウ素を生成するのに十分でもある量の熱を加えることを含む。
【0044】
水を除去し、溶液を加熱して酸化ホウ素を形成する方法は、任意の有効な方法であってもよい。有用な装置の例は、ヒーター、オーブン、ロータリーエバポレーター、輻射熱または対流熱と任意選択のかき混ぜを伴うオーブンなどであり得る。適用されたホウ酸を酸化ホウ素に変換する脱水工程は、好ましくは高純度で実質的に夾雑物を含まない乾燥雰囲気中で、任意選択で窒素、ヘリウムなどの不活性ガスの存在下で実施されてもよい。
【0045】
式Iの反応に従って酸化ホウ素を形成することは、ホウ酸溶液からの水の全部または実質的に全部が、多孔質吸着剤ベースの表面で溶液または酸化ホウ素反応生成物から除去されることを必要としない。しかし、本明細書の方法は、好ましくは多孔質吸着剤ベース上に形成される酸化ホウ素反応生成物から実質的に全量の水を除去するのに有用な温度および時間で酸化ホウ素反応生成物を加熱することを含み得る;酸化ホウ素反応生成物から残留水を除去するこの工程は、「脱水」工程と称されてもよい。酸化ホウ素反応生成物からの残留水の除去、すなわち酸化ホウ素を含む多孔質吸着剤ベースの脱水に有用な温度は、少なくとも摂氏120度、例えば、摂氏130または150度から摂氏約200度までの範囲の温度であってもよい。
【0046】
酸化ホウ素形成後および脱水工程後、酸化ホウ素を含有する吸着剤(例えば、粒子またはモノリス)中に存在したままである水の量は、酸化ホウ素を含有する吸着剤の全重量あたり0.5重量パーセント未満の水、例えば、酸化ホウ素を含有する吸着剤の全重量あたり0.1重量パーセント未満の量であってもよい。
【0047】
吸着剤ベースに適用される酸化ホウ素の量は、例えば不純物を吸着することにより、不純物を含む試薬ガスから不純物を除去するための吸着剤として有効な酸化ホウ素を含有する吸着剤を生成する量であってもよい。量は、酸化ホウ素を含有する吸着剤の有効な吸着特性を提供するのに十分である一方、多孔質吸着剤ベースの多孔率を過度に妨げるべきではなく、すなわち、細孔、特に10または2ナノメートル未満のメソポーラスまたはマイクロポーラスのサイズ範囲の細孔を過度に充填するべきではない。現在認識されている酸化ホウ素の有用な量の例は、酸化ホウ素を含有する吸着剤1グラムあたり少なくとも2重量パーセントの酸化ホウ素、例えば、酸化ホウ素を含有する吸着剤1グラムあたり5~30重量パーセントの範囲の酸化ホウ素の量であり得る。
【0048】
多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を適用させたときの多孔質吸着剤ベースの特性は、ベースの表面に形成された添加された酸化ホウ素の存在による影響を過度に受けない。具体的には、酸化ホウ素を含有する吸着剤、すなわち、その表面に酸化ホウ素が形成された多孔質吸着剤ベースの物理的特徴は、表面に酸化ホウ素が適用される前のベース粒子の物理的特徴と同等であってもよい。
【0049】
有用または好ましい酸化ホウ素を含有する吸着剤は、吸着剤ベースの形状と同等の形状を有してもよい。
【0050】
ベース吸着剤が粒子から作製される場合、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子は、精製器デバイス(図2または3参照)の吸着剤粒子として含まれる場合、ベース粒子の空隙のものと同等の、例えば50パーセント未満、例えば40、30または25パーセント未満の吸着剤粒子間の空隙(容器のヘッドスペースを含まない)を示す。
【0051】
酸化ホウ素を含有する吸着剤は、酸化ホウ素を含有する吸着剤が形成される多孔質吸着剤ベースの表面積と同等の比較的高い表面積、例えば、1グラムあたり少なくとも400、500、600、または700平方メートルの表面積、例えば、1グラムあたり少なくとも400、500、700もしくは1000平方メートルまで、または1000平方メートルより大きい範囲の表面積を示すことができる。
【0052】
酸化ホウ素を含有する吸着剤は、多孔質吸着剤ベースと同様に、好ましくは多孔質であり、ベース構造の内部全体に延びる細孔の相互連結ネットワークを含むことができる。細孔は、任意の有用な細孔径および細孔径分布を有し、これは、酸化ホウ素を含有する吸着剤への不純物の所望の吸着を可能にする任意の細孔径を意味する。
【0053】
酸化ホウ素を含有する吸着剤の細孔径は、多孔質吸着剤ベースの表面で酸化ホウ素が形成される前の、酸化ホウ素を含有する吸着剤を形成するために使用される多孔質吸着剤ベースの細孔径と同等であってもよい。酸化ホウ素を含有する吸着剤は、50ナノメートル(nm)を超える平均細孔径を有してもよい(例えば、マクロポーラス粒子であってもよい)か;2~50ナノメートル(nm)の範囲の平均細孔径を有してもよい(例えば、メソポーラス粒子であってもよい)か;または2ナノメートル未満の平均細孔径を有してもよい(例えば、マイクロポーラスであってもよい)。望ましくは、酸化ホウ素含有多孔質吸着剤は、マイクロポーラスサイズ範囲、メソポーラスサイズ範囲、または両方の細孔の有意な細孔径分布を有してもよい。
【0054】
酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子の多孔率は、ベース粒子の表面で酸化ホウ素が形成される前のベース粒子の多孔率と同等であってもよい。例示的な酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子は、1グラムあたり少なくとも0.2~0.8ミリリットルの多孔率を有してもよい。
【0055】
図1は、活性炭粒子などのベース粒子(代替的に、モノリス多孔質吸着剤ベース)上に酸化ホウ素を形成する方法の例示的な工程を示す。工程2では、ホウ酸の水溶液を、炭素吸着剤粒子、例えば活性炭粒子、熱分解炭素などであってもよいベース粒子に適用する。任意の有用な技術により、粒子表面に配置される水溶液からある量の水を除去してもよく、水溶液およびベース粒子を高温に曝露してホウ酸の形成を引き起こしてもよい。この最初の水除去工程は、オーブン、減圧、またはロータリーエバポレーターの使用など、任意の有用な装置および技術を使用して実施されてもよい。
【0056】
ホウ酸のコーティングを有する表面を含む粒子は、ホウ酸を酸化ホウ素に変換するために、任意の有用な方法によってさらに乾燥させることができる。図1に示されるように、粒子をまず精製器デバイス(図2および3、ならびに本明細書中の関連する記載を参照)の容器の内部に置いてもよく、精製器デバイスおよび含有された粒子を、摂氏140度の温度で、粒子から残存する水の大部分を除去する、例えば、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子の含水量を、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子の全重量に基づいて約2重量パーセント未満、または1もしくは0.5重量パーセント未満に減少させるのに十分な時間、オーブン中で加熱してもよい。その結果、精製器デバイス内にある間に、すなわちin situで脱水された酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子を含む精製器デバイス容器が得られる。
【0057】
記載される酸化ホウ素を含有する吸着剤は、試薬ガスおよび不純物ガスが酸化ホウ素を含有する吸着剤に接触することにより、1種または複数の不純物ガスを含む試薬ガスから1種または複数の不純物ガスを除去するために使用されてもよい。不純物ガスは酸化ホウ素を含有する吸着剤に吸着されるが、試薬ガスは吸着されず、試薬ガスから不純物が除去され、試薬ガスは、除去される不純物のレベルが低減された、より高純度の形態に加工される。
【0058】
試薬ガスから不純物を除去することによって試薬ガスを精製する、すなわち、微量レベルの夾雑物を除去するプロセスでは、試薬ガスが酸化ホウ素を含有する吸着剤に接触したときに、夾雑物(すなわち、不純物)が酸化ホウ素を含有する吸着剤の表面に有効に吸着されるが、試薬ガスは吸着されないことが要求される。試薬ガスは、それ自体、加工条件、すなわち試薬ガスを精製する条件で試薬ガスが粒子と接触する際、酸化ホウ素を含有する吸着剤の表面に有効に吸着されない。記載されるように酸化ホウ素を含有する吸着剤に実質的に吸着されない試薬ガスの例としては、ハロゲン化物、水素化物、およびハロゲン化水素、例えばHCl、Cl、B、BCl、CClH、GeCl、GeH、HS、H、NF、SiCl、SiF、SiHCl、SiHCl、SO、CHClF、BF、およびHBrが挙げられる。
【0059】
試薬ガスから除去され得る不純物ガスは、加工条件、すなわち試薬ガスを精製する条件で試薬ガス(不純物を含む)が酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子と接触する際に、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子の表面に有効に吸着される不純物ガスである。これらの粒子に吸着され得る不純物の例としては、水、金属(例えば、銅、モリブデン、ニッケル、鉄またはコバルト)、ならびに2-クロロプロパンおよびトルエンなどの炭化水素が挙げられる。使用時に、試薬ガスを精製する方法で酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子を使用する場合、粒子は、内部容積を画定する容器本体、外部から内部に通じる入口(導管、通路、開口部など)、内部から外部に通じる出口(導管、通路、開口部など)、および内部における酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子の集合体を含む容器(「精製器」容器)の内部に収容されてもよい。
【0060】
図2に示されるように、例示的な精製器デバイス60は、内部42を画定し、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子44(代替的に、モノリス酸化ホウ素を含有する吸着剤)の集合体を含む容器本体40を含む。容器本体40は、精製プロセスにおけるデバイス60の使用中に本体40を通過する試薬ガスに対して化学的に耐性がある材料から作製されてもよい。有用な材料の例としては、ステンレス鋼、ニッケル合金、およびハステロイ金属合金が挙げられる。容器の有用または好ましい内面は、研磨または電解研磨によって、例えば20Raまたは10Raの粗さまで平滑にすることもできる。
【0061】
さらに図2を参照すると、入口46は、試薬ガス50が内部42に流入することを可能にする。試薬ガス50は、試薬ガスが内部42を通過する間に粒子44に吸着され得る不純物を、例えば微量レベルで含み、その後低減した量の不純物を含んだ状態で出口52を通って内部42を出る任意の試薬ガスであってもよい。不純物は粒子44に吸着されたままであり、精製された試薬ガス52が出口48を通過する。
【0062】
図3は、貯蔵された試薬ガス102(微量レベルの不純物を含む)、酸化ホウ素を含有する吸着剤粒子108を含む精製器104、および半導体加工ツール106を含む半導体加工システム100を示す。容器120は、試薬ガス102の任意の貯蔵容器または他の種類の供給源であってもよい。容器120は、試薬ガス102を輸送および貯蔵するために使用され、次いで加工のために試薬ガス102をツール106に送達するためにツール106に接続され得る、加圧または非加圧(例えば、吸着剤含有)貯蔵容器であってもよい。容器120は、代替的に、ツール106と共にクリーンルームに収容された、またはツール106の構成要素である恒久的または半恒久的容器であってもよい。
【0063】
容器120は、ツール106で使用するための高度に精製された形態の試薬ガス102を含む。ガス102は、高純度、例えば体積で少なくとも99.9または99.99パーセント純粋な任意の試薬ガス、例えばハロゲン、水素化物、またはハロゲン化水素であってもよい。ガス102は、100ppbv未満の量の水、100ppbv未満(総金属のうち)の量の1種または複数の金属、および100ppbv未満(総炭化水素)の量の炭化水素などの微量レベルの不純物を含んでもよい。
【0064】
本明細書によれば、ガス102は、精製された形態のガス102aをツール106に送達する前に、ガス102からある量の微量不純物を除去するために、「最終濾過工程」または「最終精製工程」のために精製デバイス104および粒子108を通過してもよい。ガス102aは、貯蔵されたガス102と比較して低減された量の1種もしくは複数の微量不純物、例えば、低減された量の水、炭化水素、または金属不純物を含む。精製されたガス102a中に存在する任意の単一の不純物(水、炭化水素または単一の炭化水素種、金属または単一の金属種)の低減された量は、貯蔵されたガス102中に存在する単一の不純物の量に対して少なくとも20、40、50、または60パーセント(モル)低減された量であってもよい。
【0065】
特定の例では、試薬ガス102は、少なくとも99.99パーセント(体積)の純度のフッ化水素(HF)であってもよく、これは100ppbv未満の量の不純物として水を含む。ツール106に送達される試薬ガス102aは、精製器104を通過して粒子108に接触することによって精製された後、容器120に貯蔵された試薬ガス102と比較して水の量が低減する。ツール106は、HF炉、エッチングツール、洗浄ツール、またはフッ化水素を使用する別のツールであってもよい。異なる例では、試薬ガス102は、少なくとも99.99パーセント(体積)の純度の塩化水素ガス(HCl)であってもよく、これは100ppbv未満の量の不純物として2-クロロプロパンを含む。ツール106に送達される試薬ガス102aは、精製器104を通過して粒子108に接触することによって精製された後、容器120に貯蔵された試薬ガス102と比較して2-クロロプロパンの量が低減する。ツール106は、エッチングツールまたはエピタキシーツールであってもよい。
【0066】
第1の態様において、酸化ホウ素を含有する吸着剤は、多孔質吸着剤ベース、および多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む。
【0067】
第1の態様による第2の態様において、多孔質吸着剤ベースは多孔質吸着剤炭素粒子を含む。
【0068】
第2の態様による第3の態様において、天然炭素源または合成炭化水素ポリマーに由来する多孔質吸着剤炭素粒子。
【0069】
多孔質吸着剤ベースと酸化ホウ素の全重量に基づき、70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および5~30重量パーセントの酸化ホウ素をさらに含む、いずれかの先行する態様による第4の態様。
【0070】
いずれかの先行する態様による第5の態様において、吸着剤は、多孔質吸着剤ベースおよび酸化ホウ素から本質的になる。
【0071】
1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、いずれかの先行する態様による第6の態様。
【0072】
いずれかの先行する態様による第7の態様において、1センチメートル未満の平均直径を有する粒子を含む、多孔質吸着剤ベース。
【0073】
いずれかの先行する態様による第8の態様において、少なくとも2センチメートルの寸法を有するモノリスを含む、多孔質吸着剤ベース。
【0074】
酸化ホウ素を含有する吸着剤の全重量に基づいて1重量パーセント未満の水をさらに含む、第9の態様。
【0075】
いずれかの先行する態様による第10の態様において、吸着剤は、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、ホウ酸溶液から水を除去すること、およびホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成することを含む方法によって調製される。
【0076】
第10の態様による第11の態様において、方法は、ホウ酸溶液からある量の水を除去して表面にホウ酸を残すこと、および表面のホウ酸を加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換することをさらに含む。
【0077】
第12の態様において、精製器デバイスは、内部、入口、出口、および先行する態様のいずれかの酸化ホウ素を含有する吸着剤を内部に含む精製器容器を含む。
【0078】
第13の態様において、多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を形成する方法であって、方法は、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、ホウ酸溶液から水を除去すること、およびホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成することを含む。
【0079】
第13の態様による第14の態様において、多孔質吸着剤ベースは、多孔質炭素吸着剤を含む。
【0080】
ロータリーエバポレーターを使用してホウ酸溶液から水を除去することをさらに含む、第13または第14の態様による第15の態様。
【0081】
第13から第15の態様のいずれかによる第16の態様は、ホウ酸溶液から水を除去した後、多孔質吸着剤ベースを精製器デバイスの容器内に置くこと、ならびに精製器デバイスおよび精製器デバイス内に含まれる粒子を摂氏120~200度の範囲の温度に加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換することをさらに含む。
【0082】
第13から第16の態様のいずれかによる第17の態様において、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する多孔質吸着剤ベース。
【0083】
第13から第17の態様のいずれかによる第18の態様において、1リットルあたり0.1~10モルの範囲のホウ酸濃度を有するホウ酸水溶液。
【0084】
第19の態様において、ホウ酸溶液でコーティングされた表面を有する多孔質吸着剤ベースを形成する方法は、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用することを含む。
【0085】
第19の態様による第20の態様は、多孔質吸着剤ベースをロータリーエバポレーターでホウ酸溶液から水を除去することをさらに含む。
【0086】
第19または第20の態様による第21の態様において、多孔質吸着剤ベースは炭素粒子を含む。
【0087】
第19から第21の態様のいずれかによる第22の態様において、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する多孔質吸着剤ベース。
【0088】
第23の態様において、試薬ガスから不純物を除去する方法は、試薬ガスを、多孔質吸着剤ベースおよび多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む酸化ホウ素を含有する吸着剤と接触させることを含む。
【0089】
第23の態様による第24の態様において、多孔質吸着剤ベースは炭素粒子を含む。
【0090】
第23または第24の態様による第25の態様において、酸化ホウ素を含有する吸着剤は、多孔質吸着剤粒子と酸化ホウ素の全重量に基づき、70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および5~30重量パーセントの酸化ホウ素を含む。
【0091】
第23から第25の態様のいずれかによる第26の態様において、酸化ホウ素を含有する吸着剤は、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する。
【0092】
第23から第26の態様のいずれかによる第27の態様において、ハロゲン化物、水素化物、またはハロゲン化水素を含む試薬ガス、水、金属、または炭化水素を含む不純物。
【0093】
第23から第27の態様のいずれかによる第28の態様において、試薬ガスは、HCl、Cl、B、BCl、CClH、GeCl、GeH、HS、H、NF、SiCl、SiF、SiHCl、SiHCl、SO、CHClF、BF、およびHBrを含む。
【0094】
第23から第27の態様のいずれかによる第29の態様において、試薬ガスは塩化水素ガス(HCl)であり、不純物は2-クロロプロパンである。
【0095】
第23から第27の態様のいずれかによる第30の態様において、試薬ガスはフッ化水素(HF)であり、不純物は水である。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-07-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化ホウ素を含有する吸着剤であって、
多孔質吸着剤ベース、および
多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素
を含む、吸着剤。
【請求項2】
多孔質吸着剤ベースが多孔質吸着剤炭素粒子を含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項3】
多孔質吸着剤炭素粒子が、天然炭素源または合成炭化水素ポリマーに由来する、請求項2に記載の吸着剤。
【請求項4】
多孔質吸着剤ベースと酸化ホウ素の全重量に基づいて、
70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および
5~30重量パーセントの酸化ホウ素
をさらに含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項5】
多孔質吸着剤ベースおよび酸化ホウ素から本質的になる、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項6】
1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項7】
多孔質吸着剤ベースが、1センチメートル未満の平均直径を有する粒子を含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項8】
多孔質吸着剤ベースが、少なくとも2センチメートルの寸法を有するモノリスを含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項9】
酸化ホウ素を含有する吸着剤の全重量に基づいて、1重量パーセント未満の水を含む、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項10】
多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、
ホウ酸溶液から水を除去すること、および
ホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成すること
を含む方法によって調製される、請求項1に記載の吸着剤。
【請求項11】
方法が、
ホウ酸溶液から一定量の水を除去して表面にホウ酸を残すこと、および
表面のホウ酸を加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換すること
をさらに含む、請求項10に記載の吸着剤。
【請求項12】
内部、入口、出口、および請求項1に記載の酸化ホウ素を含有する吸着剤を内部に含む精製器容器を含む精製器デバイス。
【請求項13】
多孔質吸着剤ベースの表面に酸化ホウ素を形成する方法であって、
多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用すること、
ホウ酸溶液から水を除去すること、および
ホウ酸から表面に酸化ホウ素を形成すること
を含む、方法。
【請求項14】
多孔質吸着剤ベースが多孔質炭素吸着剤を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ロータリーエバポレーターを使用してホウ酸溶液から水を除去することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ホウ酸溶液から水を除去した後、多孔質吸着剤ベースを精製器デバイスの容器内に置くこと、ならびに
精製器デバイスおよび精製器デバイス内に含まれる粒子を摂氏120~200度の範囲の温度に加熱してホウ酸から水を除去し、ホウ酸を酸化ホウ素に変換すること
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
多孔質吸着剤ベースが、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
ホウ酸水溶液が、1リットルあたり0.1~10モルの範囲のホウ酸濃度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ホウ酸溶液でコーティングされた表面を有する多孔質吸着剤ベースを形成する方法であって、多孔質吸着剤ベースの表面にホウ酸水溶液を適用することを含む、方法。
【請求項20】
多孔質吸着剤ベースをロータリーエバポレーターでホウ酸溶液から水を除去することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
多孔質吸着剤ベースが炭素粒子を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
多孔質吸着剤ベースが、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
試薬ガスから不純物を除去する方法であって、試薬ガスを、多孔質吸着剤ベースおよび多孔質吸着剤ベースの表面の酸化ホウ素を含む酸化ホウ素を含有する吸着剤と接触させることを含む、方法。
【請求項24】
多孔質吸着剤ベースが炭素粒子を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
酸化ホウ素を含有する吸着剤が、多孔質吸着剤粒子と酸化ホウ素の全重量に基づいて、
70~95重量パーセントの多孔質吸着剤ベース、および
5~30重量パーセントの酸化ホウ素
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
酸化ホウ素を含有する吸着剤が、1グラムあたり少なくとも500平方メートルの表面積を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
試薬ガスがハロゲン化物、水素化物、またはハロゲン化水素を含み、
不純物が水、金属、または炭化水素を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
試薬ガスが、HCl、Cl、B、BCl、CClH、GeCl、GeH、HS、H、NF、SiCl、SiF、SiHCl、SiHCl、SO、CHClF、BF、およびHBrを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
試薬ガスが塩化水素ガス(HCl)であり、不純物が2-クロロプロパンである、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
試薬ガスがフッ化水素(HF)であり、不純物が水である、請求項23に記載の方法。
【国際調査報告】