(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241024BHJP
H05G 2/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525002
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2022082376
(87)【国際公開番号】W WO2023089082
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドレント,ウィリアム,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴェステルラケン,ジャン,スティーブン,クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ディレックス,ダニエル,ヨゼフ,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス,ヨハネス,ヘンリカス,ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ファイツ,マウリス,ヴィルヘルムス,レオナルドゥス,ヘンドリカス
(72)【発明者】
【氏名】ブイス,エドウィン,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】クナペン,バート,レオナーダス
(72)【発明者】
【氏名】ルーバース,ニコラス,ヨハネス,ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ヴェン,バスチアーン,ランバータス,ウィルヘルムス,マリヌス
【テーマコード(参考)】
2H197
4C092
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA10
2H197BA11
2H197CA10
2H197CB16
2H197CC16
2H197GA01
2H197GA04
2H197GA05
2H197GA24
2H197HA03
4C092AA06
4C092AA15
4C092AB10
4C092AC09
4C092BD18
(57)【要約】
本発明は、液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置に関し、第1のリザーバと、油圧流体を加圧するように構成された加圧システムと、油圧流体を第1のリザーバ内の液体ターゲット材料から分離するように、及び、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成された分離デバイスと、を備える。本発明は、液体ターゲット材料を放射源に供給する関連付けられた方法にも関する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置であって、
第1のリザーバと、
油圧流体を加圧するように構成された加圧システムと、
前記油圧流体を前記第1のリザーバ内の前記液体ターゲット材料から分離するように、及び、前記油圧流体から前記液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように、構成された分離デバイスと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記分離デバイスは、前記油圧流体のための前記第1のリザーバ内の容積を変更するために、前記油圧流体からの前記圧力下で変形するように構成された変形可能部材を備え、
任意選択として、前記分離デバイスは、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、タングステン、タンタル、モリブデンのうちの、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分離デバイスは、波形又は蛇腹状の側壁を有するベローズを備え、
任意選択として、前記加圧システムは、前記油圧流体から前記液体ターゲット材料へと前記圧力を伝達するために、前記リザーバ内部の前記ベローズ内側又は前記ベローズ外部周辺の、前記油圧流体を加圧するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記加圧システムは、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも700バール、より好ましくは少なくとも900バール、更により好ましくは少なくとも1100バール、及び最も好ましくは少なくとも1300バールの圧力を、前記油圧流体に印加するように構成される、請求項1から3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のリザーバによって画定される容積の外側に配設され、前記第1のリザーバに熱を制御可能に印加するように構成された、少なくとも1つの外部加熱要素を備え、
任意選択として、前記少なくとも1つの外部加熱要素は、被制御順に前記第1のリザーバの異なる領域まで熱を印加するように構成される、請求項1から4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のリザーバによって画定される前記容積の内部に配設され、前記第1のリザーバによって画定される前記容積に熱を制御可能に印加するように構成された少なくとも1つの内部加熱要素を備え、
任意選択として、前記少なくとも1つの内部加熱要素は、前記第1のリザーバの入口/出口領域から遠くへ延在する、少なくとも1つの細長い加熱要素を備える、請求項1から5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のリザーバ内部での前記分離デバイスの変位を感知するように構成された少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサに結合され、前記分離デバイスの感知された変位に基づいて、前記第1のリザーバにおける液体ターゲット材料のレベル、前記分離デバイスの変位が上限閾値又は下限閾値を超えた旨、及び/又は、前記分離デバイスの変位が予測された値から逸脱している旨、を決定するように構成された処理手段と、
を備える、請求項1から6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記加圧システムは、前記油圧流体を保持するように構成され、前記第1のリザーバに前記油圧流体を供給するための前記第1のリザーバとの流体連絡のために構成された第2のリザーバを備え、
任意選択として、前記第2のリザーバは、前記油圧流体に熱を印加するように構成された加熱チャンバとして構成される、請求項1から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のリザーバによって画定される容積内に配設され、前記第2のリザーバ内に保持される前記油圧流体と直接接触するように構成された内部加熱要素、及び/又は、
前記第2のリザーバ内に保持された前記油圧流体を加熱又は冷却するために、前記第2のリザーバの側壁の温度を制御するように構成された外部加熱及び/又は冷却要素、
のうちの、少なくとも1つを備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
油圧流体を前記第2のリザーバに供給するための前記第2のリザーバとの流体連絡のために構成された容器を備え、
前記容器が、重力が前記容器から前記第2のリザーバへの油圧流体の流れを誘導するように、前記第2のリザーバの上方に配設されるか、又は、
前記容器が、前記油圧流体を事前加圧するための油圧シリンダを備える、
請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記容器は、入口を備え、
前記加圧システムは、前記容器内の前記油圧流体を事前加圧するために加圧流体を前記入口に提供するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
油圧流体リフレッシュメントシステムを備え、
前記油圧流体リフレッシュメントシステムは、前記第1のリザーバとの、及び、請求項8に従属するときに前記第2のリザーバとの、流体連絡のために構成されたドレインタンクを備える、請求項1から11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記油圧流体は、前記油圧流体及び前記第2のリザーバの温度が上昇するとき、前記油圧流体の容積膨張が前記第2のリザーバの容積膨張を超えるように選択される、請求項1から12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
液体ターゲット材料を放射源に供給するための燃料放出器であって、
前記システムは、
請求項1から13の何れか一項に記載の第1の装置と、
請求項1から13の何れか一項に記載の第2の装置と、を備え、
前記第1の装置及び前記第2の装置は、移送システムによって排出システムへの流体連絡において結合される、燃料放出器。
【請求項15】
請求項14に記載の燃料放出器を備えるリソグラフィツールのための放射源であって、
前記放射源は、EUV放射を出力するように構成される、放射源。
【請求項16】
請求項15に記載の放射源を備える、リソグラフィ装置。
【請求項17】
液体ターゲット材料を放射源に供給する方法であって、
第1のリザーバ内の液体ターゲット材料は、油圧流体から前記液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成された分離デバイスによって、前記第1のリザーバ内の前記液体ターゲット材料から分離された油圧流体を加圧することによって加圧される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年11月22日出願の欧州特許出願第21209681.2号及び2021年11月22日出願の米国出願第63/281,958号の優先権を主張し、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ放射源に液体ターゲット材料を供給するための装置に関する。本発明は更に、そのような装置を含む燃料放出器、燃料放出器などを含む放射源、放射源などを含むリソグラフィ装置、及び、リソグラフィ放射源に液体ターゲット材料を供給するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)でのパターンを、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。4~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成するのに使用することができる。
【0005】
[0005] EUV放射は、基板又はシリコンウェーハに極めて小さな形状を生成するフォトリソグラフィプロセスで使用される。EUV光を発生する方法は、必ずしも限定ではないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズのような、EUV範囲に輝線を有する元素を含む材料を、プラズマ状態に変換することを含む。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる1つのそのような方法では、例えば材料の小滴、プレート、テープ、流れ、又はクラスタの形態であるターゲット材料を、駆動レーザと称されることのある増幅光ビームで照射することにより、必要なプラズマを生成できる。このプロセスでは、プラズマは通常、例えば真空チャンバのような密閉容器内で生成され、様々なタイプのメトロロジ機器を用いて監視される。
【0006】
[0006] スズターゲット材料を液滴の形で供給するための現行の最先端装置において、液体スズを含むリザーバが、およそ275バールの圧力まで加圧されたアルゴンガスを使用して加圧される。次いで、加圧された液体スズは、プラズマを形成するために放射源によって照射されるべき液体スズの液滴のストリームを提供するように構成されたノズルへと移送される。
【0007】
[0007] 生成されるEUV放射の量は、照射によってプラズマに変換されるべき、照射サイトに提供される液体スズの量に依存する、時間期間当たり生成されるプラズマの量に依存する。EUV放射の量は、時間単位当たりより多くの液体スズの液滴を提供することによって向上可能である。液滴の間隔を維持しながら秒当たりの液滴の数を増加させるためには、液滴ストリームのより速いスピードが必要である。EUV放射の安定性は、連続する液滴間の空間を増加させることによって向上可能である。これにより、プラズマバーストとそれに続いて到着する次の液滴との間の相互作用が減少する。液滴間の間隔を増加させるためには、液滴ストリームのスピードを上昇させることが必要である。液滴ストリームのスピードを上昇させるための方法は、液体ターゲット材料に作用する圧力を増加させることである。スズターゲット材料を供給するための現行の最先端装置の欠点は、液体スズに作用する圧力を、将来のより高いEUV放射レベル又は電力レベルの需要に合致するように容易に増加できないことである。別の欠点は、液体スズが、相対的に高い温度において、及び、相対的に高い圧力において、反応性が高いことである。
【0008】
[0008] 米国出願第2010/282987A1号は、液体放出器材料を使用して高温プラズマに基づくEUV放射を発生させるための配置を記述している。放出器材料供給ユニットは、リザーバ容器と、注入ユニットのための高放出器材料圧力を発生させるための注入デバイスとの間に、少なくとも第1の圧力容器及び第2の圧力容器を有する。圧力容器は、メガパスカル範囲内のガス圧を伴う高圧ガスシステムによって作用され、放出器材料供給ユニットは、高圧ガスシステムを、1つの圧力容器から他方の圧力容器に切り替えるための手段、及び、それに応じて代替として、注入ユニットを、加圧されているそれぞれの圧力容器の一定の放出器材料圧力に切り替えるための手段を有し、圧力容器のうちの少なくとも1つは、液滴発生及びプラズマ発生の連続動作中に再充填可能である。
【発明の概要】
【0009】
[0009] 上記を考慮すると、本発明の目的は、EUVリソグラフィ機械のためにより高いEUV放射レベルを提供できるようにすることである。
【0010】
[00010] 本開示の第1の態様に従い、液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置が提供される。装置は、第1のリザーバと、油圧流体、例えば液体を加圧するように構成された加圧システムと、油圧流体を第1のリザーバ内の液体ターゲット材料から分離するように、及び、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように、構成された、分離デバイスと、を備える。
【0011】
[00011] 有利なことに、(従来技術の装置で使用されるような)ガスの代わりに油圧流体を使用することで、液体ターゲット材料を、加圧ガスを使用するときには達成できない可能性のある極端に高い圧力まで加圧させることができる。例えば、既存の装置は、リザーバ内の液体ターゲット材料に圧力を印加するために、加圧されたアルゴンガスを使用し得る。しかしながら、アルゴンガスの特性は、必要な極端に高い圧力において液体状の超臨界流体の特性に変化し、予測不可能になり得る。超臨界流体の圧縮の精密規制は、複雑且つ予測不可能になり得、油圧流体を使用することによって回避可能である。
【0012】
[00012] 有利なことに、分離デバイスの提供は、油圧流体と液体ターゲット材料との混合を防止する。
【0013】
[00013] 分離デバイスは、油圧流体のための第1のリザーバ内の容積を変更するために、油圧流体からの圧力下で変形するように構成された、変形可能及び/又は柔軟性部材を備える。
【0014】
[00014] 有利なことに、変形可能及び/又は柔軟性部材の使用は、高圧に耐えるために必要となる構成要素間の部品及び/又はシールの移動のための要件を軽減し、それによって装置内の潜在的な障害点を減少させる。
【0015】
[00015] 分離デバイスは、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、タングステン、タンタル、モリブデンのうちの、少なくとも1つを含み得る。
【0016】
[00016] 分離デバイスは、波形又は蛇腹状の側壁を有するベローズを備え得る。
【0017】
[00017] 有利なことに、波形又は蛇腹状の側壁は、圧力が印加されたとき、分離デバイスの予測可能及び被制御の変形を提供し得る。
【0018】
[00018] 加圧システムは、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するために、リザーバ内部のベローズ内側又はベローズ外部周辺の、油圧流体を加圧するように構成され得る。
【0019】
[00019] すなわち、ベローズは、油圧流体及び液体ターゲット材料のうちの一方のためのリザーバ内の使用可能容積を増加させ、同時に、油圧流体及び液体ターゲット材料のうちの他方のためのリザーバ内の使用可能容積を減少させるように、またその逆のように、変形し得る。
【0020】
[00020] 加圧システムは、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも700バール、より好ましくは少なくとも900バール、更により好ましくは少なくとも1100バール、及び最も好ましくは少なくとも1300バールの圧力を、油圧流体に印加するように構成され得る。
【0021】
[00021] 加圧システムは、300から2000バールの範囲内の圧力を印加するように、構成され得る。いくつかの例では、加圧システムは、最高1400バールまでの圧力を印加するように構成され得る。
【0022】
[00022] 有利なことに、液体ターゲット材料に作用する圧力を増加させることで、上述のように、実質的に液滴ストリームのスピードを増加させ得、それによって、開示された装置を採用する放射源において生成されるEUV放射の量及び安定性を増加させる。
【0023】
[00023] 装置は、第1のリザーバによって画定される容積の外側に配設され、第1のリザーバに熱を制御可能に印加するように構成された、少なくとも1つの外部加熱要素を備え得る。
【0024】
[00024] 有利なことに、第1のリザーバを加熱することによって、大気温度より実質的に上の融点を有し得る液体ターゲット材料は、液体の形で維持され得る。
【0025】
[00025] 少なくとも1つの外部加熱要素は、被制御順に第1のリザーバの異なる領域まで熱を印加するように構成され得る。
【0026】
[00026] 第1のリザーバを動作温度まで加熱するとき、液体ターゲット材料は溶融し、固体から液体への移行において容積変化を招き得る。この容積変化は結果として、システムが被制御様式で加熱されない場合、下記でより詳細に説明するように、分離デバイスの障害を生じさせ得る。
【0027】
[00027] 装置は、第1のリザーバによって画定される容積の内部に配設され、第1のリザーバによって画定される容積に熱を制御可能に印加するように構成された、少なくとも1つの内部加熱要素を備え得る。
【0028】
[00028] 少なくとも1つの内部加熱要素は、第1のリザーバの入口/出口領域から遠くへ延在する、少なくとも1つの細長い加熱要素を備え得る。
【0029】
[00029] 第1のリザーバを動作温度まで加熱するとき、液体ターゲット材料は溶融し、固体から液体への移行において容積変化を招き得る。この容積変化は結果として、システムが被制御様式で加熱されないとき、分離デバイスの障害を生じさせ得る。少なくとも1つの内部加熱要素を提供することは、装置の底部における供給ラインから装置の頂部側に向かう順序で、及びまた、分離デバイスの内側部分から分離デバイスの外側部分に向かって放射状に、溶融する、液体ターゲット材料の実装を可能にし得る。
【0030】
[00030] 装置は、第1のリザーバ内部での分離デバイスの変位を感知するように構成された少なくとも1つのセンサを備え得る。
【0031】
[00031] センサは、ホール効果センサを含み得る。センサは、ホール効果センサと組み合わせた磁石を備え得る。磁石は分離デバイスに結合され得、ホール効果センサは、分離デバイスの変形に起因する磁石の相対的な動きを感知し得る。
【0032】
[00032] 装置は、少なくとも1つのセンサに結合され、分離デバイスの感知された変位に基づいて、第1のリザーバにおける液体ターゲット材料のレベルを決定するように構成された、処理手段を備え得る。
【0033】
[00033] したがって、第1のリザーバの液体ターゲット材料が枯渇し、再充填が必要になったときに、指示が与えられ得る。
【0034】
[00034] 装置は、少なくとも1つのセンサに結合され、分離デバイスの感知された変位に基づいて、分離デバイスの変位が上限閾値又は下限閾値を超えた旨を決定するように構成された、処理手段を備え得る。
【0035】
[00035] 有利なことに、印加される圧力に起因する分離デバイスの変形の程度を制限することによって、分離デバイスへの損傷が防止され得る。
【0036】
[00036] 装置は、少なくとも1つのセンサに結合され、分離デバイスの感知された変位に基づいて、分離デバイスの変位が予測された値から逸脱している旨を決定するように構成された、処理手段を備え得る。
【0037】
[00037] 有利なことに、分離デバイスの障害が検出され得る。例えば、装置の外側への油圧流体の漏れ又は分離デバイスの外側への液体ターゲット材料の漏れは、結果として、油圧流体に圧力が印加されたときに、分離デバイスの変形を最小限又は無しとし得る。こうした静的な分離デバイス又は分離デバイスにおけるこうした最小限の動きは検出可能であり得、障害を示し得る。
【0038】
[00038] 加圧システムは、油圧流体を保持するように構成され、第1のリザーバに油圧流体を供給するための第1のリザーバとの流体連絡のために構成された、第2のリザーバを備え得る。
【0039】
[00039] 有利なことに、第2のリザーバは、下記でより詳細に説明するように、油圧流体を加圧するために使用され得る。
【0040】
[00040] 第2のリザーバは、油圧流体に熱を印加するように構成された加熱チャンバとして構成され得る。
【0041】
[00041] 有利なことに、油圧流体の容積は加熱されるに従って増加し得、それによって油圧流体の圧力の被制御増加を提供し得る。
【0042】
[00042] 装置は、第2のリザーバによって画定される容積内に配設され、第2のリザーバ内に保持される油圧流体と直接接触するように構成された、内部加熱要素を備え得る。
【0043】
[00043] 有利なことに、内部加熱要素を油圧流体と直接接触させることによって、内部加熱要素の温度を油圧流体の温度に設定するように制御するとき、高速応答が達成され得る。
【0044】
[00044] 装置は、第2のリザーバ内に保持された油圧流体を加熱又は冷却するために、第2のリザーバの側壁の温度を制御するように構成された、外部加熱及び/又は冷却要素を備え得る。
【0045】
[00045] 装置は、油圧流体を第2のリザーバに供給するための第2のリザーバとの流体連絡のために構成された容器を備え得る。
【0046】
[00046] 容器は、重力が容器から第2のリザーバへの油圧流体の流れを誘導するように、第2のリザーバの上方に配設され得る。
【0047】
[00047] 容器は、油圧流体を第2のリザーバに供給するための供給タンクとして働き得る。
【0048】
[00048] 容器は、油圧流体を事前加圧するための油圧シリンダを備え得る。
【0049】
[00049] 有利なことに、油圧シリンダは、第2のリザーバに提供される容器内の油圧流体の圧力の相対的に粗野な制御を提供し得、第2のリザーバは、その後、例えば、第2のリザーバの温度を制御することによって、第1のリザーバへの油圧流体の圧力の相対的に微細な制御を提供し得る。
【0050】
[00050] 容器は、油圧流体を事前加圧するためのガスシリンダを備え得る。
【0051】
[00051] 有利なことに、ガスシリンダは、第2のリザーバに提供される容器内の油圧流体の圧力の相対的に粗野な制御を提供し得、第2のリザーバは、その後、例えば、第2のリザーバの温度を制御することによって、第1のリザーバへの油圧流体の圧力の相対的に微細な制御を提供し得る。
【0052】
[00052] 容器は入口を備え得、加圧システムは、容器内の油圧流体を事前加圧するために加圧流体を入口に提供するように構成され得る。
【0053】
[00053] 有利なことに、加圧流体、例えばガスを、容器に提供することは、第2のリザーバに提供される容器内の油圧流体の圧力の相対的に粗野な制御を提供し得、第2のリザーバは、その後、第1のリザーバへの油圧流体の圧力の相対的に微細な制御を提供し得る。
【0054】
[00054] 装置は、油圧流体リフレッシュメントシステムを備える。油圧流体リフレッシュメントシステムは、第1のリザーバとの流体連絡のために構成されたドレインタンクを備え得る。油圧流体リフレッシュメントシステムは、第2のリザーバとの流体連絡のために構成されたドレインタンクを備え得る。
【0055】
[00055] ドレインタンクは、弁を介して第2のリザーバに接続され得る。第2のリザーバの急速冷却が必要な場合、第2のリザーバからの油圧流体は、ドレインタンクに向かってフラッシュし得る。フレッシュな油圧流体は供給タンク、例えば容器から取り込まれ得る。この場合、第2のリザーバの温度は急速にリセット可能である。
【0056】
[00056] 油圧流体リフレッシュメントシステムは、第1のリザーバからドレインタンクへの戻りラインを備え得る。これにより、劣化の場合の油圧流体のリフレッシュメントを可能にし得る。油圧流体は、第2のリザーバ及び第1のリザーバから、例えば分離デバイス内から除去され、ドレインタンク内に格納され得る。その後、新しい油圧流体が供給タンク、例えば容器から供給され得る。
【0057】
[00057] 装置は、油圧流体との組み合わせで提供され得る。
【0058】
[00058] 油圧流体は、油圧流体及び第2のリザーバの温度が上昇するとき、油圧流体の容積膨張が第2のリザーバの容積膨張を超えるように、選択され得る。
【0059】
[00059] 有利なことに、油圧流体の圧力の非常に精密な制御が達成され得る。
【0060】
[00060] 有利なことに、圧力を制御するために加熱された第2のリザーバ内の油圧流体の膨張を使用することによって、圧力を発生させるための油圧シリンダの使用に関連付けられ得る「スティックスリップ」及び圧力パルスを回避し得る。
【0061】
[00061] 本開示の第2の態様に従い、液体ターゲット材料を放射源に供給するための燃料放出器が提供され、システムは、第1の態様に従った第1の装置と、第1の態様に従った第2の装置と、を備える。第1の装置及び第2の装置は、移送システムによって排出システムへの流体連絡において結合される。
【0062】
[00062] 移送システムは、液体ターゲット材料を第1の装置及び第2の装置から排出システムへと交互に供給するように構成され得る。
【0063】
[00063] 移送システムは、第1の装置及び第2の装置の各々の第1のリザーバ内の圧力を均等化するように構成され得る。例えば、移送システムは、液体ターゲット材料を第1の装置及び第2の装置の両方から排出システムへと供給する以前に、及び/又は、供給すると同時に、第1の装置及び第2の装置の各々の第1のリザーバ内の圧力を均等化するように構成され得る。
【0064】
[00064] 排出システムは、液滴のストリームを放射源のプラズマ形成ロケーションに向けて排出するように構成され得る。
【0065】
[00065] 燃料放出器は、液滴のストリームを監視するように構成された、液滴監視システムを備え得る。燃料放出器は、液滴監視デバイスの出力に基づいて、各それぞれのリザーバ内の液体ターゲット材料に各加圧システムによって印加される圧力を調整するように構成された、制御ユニットを備え得る。
【0066】
[00066] 本開示の第3の態様に従い、第2の態様に従った燃料放出器を備えるリソグラフィツールのための放射源が提供され、放射源はEUV放射を出力するように構成される。
【0067】
[00067] 本開示の第4の態様に従い、第3の態様に従った放射源を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0068】
[00068] 本開示の第5の態様に従い、液体ターゲット材料を放射源に供給する方法が提供され、第1のリザーバ内の液体ターゲット材料は、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成された分離デバイスによって、第1のリザーバ内の液体ターゲット材料から分離された油圧流体を加圧することによって加圧される。
【0069】
[00069] 液体ターゲット材料は、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも700バール、より好ましくは少なくとも900バール、更により好ましくは少なくとも1100バール、及び最も好ましくは少なくとも1300バールの圧力まで、加圧される。
【0070】
[00070] 第2のリザーバが第1のリザーバとの流体連絡において提供され、油圧流体は、油圧流体及び第2のリザーバの被制御温度が上昇したときに、油圧流体の容積膨張が第2のリザーバの容積膨張を超えるように、選択され得る。
【0071】
[00071] 液体ターゲット材料はスズを含み得る。
【0072】
[00072] 本発明の第2の態様に従い、第1の態様に従った装置を備える燃料放出器、及び排出システムが提供される。
【0073】
[00073] 本発明の第3の態様に従い、第2の態様に従った燃料放出器を備えるリソグラフィツールのための放射源が提供される。
【0074】
[00074] 本発明の更に別の実施形態に従い、第3の態様に従った放射源を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0075】
[00075] 上記の概要は、単なる例示であり、限定するものではない。本開示は、その組み合わせ又は単独で具体的に記載されているか否か(特許請求の範囲を含む)にかかわらず、単独又は様々な組み合わせの1つ以上の対応する態様、実施形態、又は特徴を含む。本開示の任意の態様に従って上記で定義された特徴、又は本開示の任意の特定の実施形態に関連する以下の特徴は、単独で、又は他の任意の態様又は実施形態において、又は他の定義された特徴と組み合わせて、利用され得ることが理解されるべきである。これは本開示の更なる態様又は実施形態を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
[00076] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0077】
【
図1】リソグラフィ装置及び放射源を備えるリソグラフィシステムを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に従った放射源を示す概略図である。
【
図3a】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の実施形態に従った装置を示す概略図であり、装置は第1の状況にある。
【
図3b】第2の状況にある、
図3aの装置を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に従った燃料放出器を示す概略図である。
【
図5】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置を示す概略図である。
【
図6】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の更なる実施形態に従った装置を示す概略図である。
【
図7】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置を示す概略図である。
【
図8a】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置を示す概略断面図である。
【
図8b】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置を示す概略断面図である。
【
図9a】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置内のセンサ配置を示す概略断面図である。
【
図9b】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置内のセンサ配置を示す概略断面図である。
【
図10】液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の更に別の実施形態に従った装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
[00077]
図1は、放射源SO及びリソグラフィ装置LAを備えるリソグラフィシステムを示す。放射源SOは、EUV放射ビームBを発生させるように、及び、EUV放射ビームBをリソグラフィ装置LAに供給するように、構成される。リソグラフィ装置LAは、照明システムIL、パターニングデバイスMA(例えば、マスク)を支持するように構成された支持構造MT、投影システムPS、及び基板Wを支持するように構成された基板テーブルWTを備える。
【0079】
[00078] 照明システムILは、EUV放射ビームBがパターニングデバイスMAに入射する前にEUV放射ビームBを調節するように構成される。そのため、照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11を備えることができる。ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11は共に、EUV放射ビームBに所望の断面形状と所望の強度分布とを与える。照明システムILは、ファセットフィールドミラーデバイス10及びファセット瞳ミラーデバイス11に加えて又はこれらの代わりに、他のミラー又はデバイスを備えることができる。
【0080】
[00079] このように調節された後、EUV放射ビームBはパターニングデバイスMAと相互作用する。この相互作用の結果、パターン付きEUV放射ビームB’が生成される。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’を基板Wに投影するように構成される。この目的のため、投影システムPSは、基板テーブルWTにより保持された基板Wにパターン付きEUV放射ビームB’を投影するように構成された複数のミラー13、14を備えることができる。投影システムPSは、パターン付きEUV放射ビームB’に縮小係数を適用し、これによってパターニングデバイスMAにおける対応するフィーチャよりも小さいフィーチャの像を形成することができる。例えば、4又は8の縮小係数を適用することができる。投影システムPSは、
図1では2つのミラー13、14のみを有するものとして示されているが、投影システムPSは様々な数のミラー(例えば6個又は8個のミラー)を備えることができる。
【0081】
[00080] 基板Wは、前もって形成されたパターンを含むことができる。このような場合、リソグラフィ装置LAは、パターン付きEUV放射ビームB’により形成された像を、基板W上に前もって形成されたパターンと位置合わせする。
【0082】
[00081] 相対真空、すなわち大気圧を大きく下回る圧力の少量のガス(例えば水素)を、放射源SO、照明システムIL、及び/又は投影システムPS内に供給することができる。
【0083】
[00082]
図1に示されている放射源SOは、例えば、レーザ生成プラズマ(LPP)放射源と呼ぶことがあるタイプである。例えばCO
2レーザを含み得るレーザシステム1は、レーザビーム2を介して、例えば燃料放出器3から与えられるスズ(Sn)のような燃料にエネルギーを堆積するよう配置されている。以下の記載ではスズに言及するが、任意の適切な燃料を使用すればよい。燃料は、例えば液体の形態とすることや、例えば金属又は合金とすることが可能である。燃料放出器3は、例えば小滴の形態のスズを、プラズマ形成領域4へ向かう軌道に沿って誘導するよう構成されたノズルを備えることができる。レーザビーム2は、プラズマ形成領域4においてスズに入射する。レーザエネルギーのスズへの堆積は、プラズマ形成領域4においてスズプラズマ7を生成する。プラズマイオンによる電子の脱励起及び再結合の間に、プラズマ7からEUV放射を含む放射が放出される。
【0084】
[00083] プラズマからのEUV放射は、コレクタ5によって収集され集束される。コレクタ5は、例えば近法線入射放射コレクタ5を含む(より一般的に法線入射放射コレクタと呼ばれることもある)。コレクタ5は、EUV放射(例えば、13.5nm等の所望の波長を有するEUV放射)を反射するように配置された多層ミラー構造を有し得る。コレクタ5は、2つの焦点を有する楕円構成を有し得る。焦点のうち第1のものはプラズマ形成領域4にあり、焦点のうち第2のものは中間焦点6にあり得る。これについては以下で検討する。
【0085】
[00084] レーザシステム1は、放射源SOから空間的に分離してもよい。これが当てはまる場合、レーザビーム2は、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダ及び/又は他の光学系を含むビームデリバリシステム(図示せず)によって、レーザシステム1から放射源SOへ渡すことができる。レーザシステム1、放射源SO、及びビームデリバリシステムは、共に放射システムと見なすことができる。
【0086】
[00085] コレクタ5によって反射された放射は、EUV放射ビームBを形成する。EUV放射ビームBは、中間焦点6で集束されて、プラズマ形成領域4に存在するプラズマの中間焦点6での像を形成する。中間焦点6の像は、照明システムILの仮想放射源として作用する。放射源SOは、中間焦点6が放射源SOの閉鎖構造9の開口8に又は開口8の近くに位置付けられるように配置されている。
【0087】
[00086]
図2は、
図1のリソグラフィ装置LAにおいて実装され得る本発明の実施形態に従った放射源SOを概略的に示す。放射源SOは、
図1の燃料放出器3と同様の燃料放出器1111を含む。燃料放出器1111は、低圧水素環境1101において、ターゲットTpがプラズマ形成ロケーションPFに送達されるように、ターゲットTのストリームSTを放出する。ターゲットTpはターゲット材料を含む。ターゲット材料は、プラズマ状態にあるとき、EUV放射を放出する任意の材料である。例えば、ターゲット材料は、水、スズ、リチウム、及び/又はキセノンを含むことができる。
【0088】
[00087] 動作中、放射源SOの容器1107は、水素供給システム及びポンプシステム(どちらも図示せず)を用いて、低圧水素環境1101の下で維持される。放射源SOは、レーザビームなどの光ビームLBを発生させるように、及び、光ビームLBを光路OPに沿って低圧水素環境1101へと送達するように構成された、光源OSを備える。光源OSは、約9300nm又は約10600nmの放射を生成し、例えばRF励起を用いて、例えば10kW又はそれ以上の相対的に高電力で動作し、例えば40kHz又はそれ以上の高パルス繰り返し数の、パルスレーザデバイス、例えばパルスガス放電CO2レーザデバイスを含み得る。パルス繰り返し数は、例えば、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、又はそれ以上であり得る。プラズマ形成ロケーションPFは光ビームLBを受け取る。光ビームLBとターゲットTp内のターゲット材料との間の相互作用が、EUV放射を放出するプラズマPLを生成する。
【0089】
[00088] 燃料放出器1111は、リザーバシステム1112に流体的に結合された毛細管1104ctを含み得る、排出システム1104を含む。毛細管1104ctはオリフィス1104oを画定する。リザーバシステム1112は高圧Pnの下でターゲット材料を含む。伝達アセンブリは、リザーバシステム1112と排出システム1104との間に提供され得る。ターゲット材料は溶融状態にあり、流れることが可能であり、低圧水素環境1101Pext内の圧力は、圧力Pnよりもかなり低い。したがって、ターゲット材料はオリフィス1104oを介して流れる。毛細管は、音響定在波が発展するように管内のターゲット材料を励起させる、圧電素子(図示せず)によって囲まれ得る。ターゲット材料102は、ターゲット材料のジェット又は連続ストリーム1104csとしてオリフィス1104oを出ることができる。ターゲット材料のジェットは、個々のターゲットT(液滴とすることができる)を粉砕する。ジェット1104csの粉砕は、個々の液滴が、所望の数、例えば数十kHz、例えば50kHz又はそれ以上でプラズマ形成ロケーションPFに到達する、より大きな液滴にまとまるように制御可能である。ストリームST内のターゲットTは、直径が約15~40マイクロメートルの範囲内、例えば約30マイクロメートルの、ほぼ球形とすることができる。ターゲットTのストリームは、リザーバシステム1112内の圧力と、圧電素子(図示せず)によって排出システム1104に印加される振動との組み合わせによって、排出システム1104から排出され得る。
【0090】
[00089] 動作中、レーザエネルギーであり得る光ビームLBは、各液滴TpをプラズマPLに変化させるために放射のインパルスを送達するように、燃料放出器1111の動作と同期して送達される。実際には、レーザエネルギーLBは、少なくとも2つのパルスで送達され得、制限付きエネルギーを伴うプレパルスは、ターゲット材料液滴をディスク様形状に変形するために、プラズマ形成ロケーションPFに達する前に液滴に送達され得る。次いで、レーザエネルギーLBのメインパルスは、プラズマPLを発生させるために、プラズマ形成ロケーションPFにおける変形されたターゲット材料に送達され得る。バケット1130が、プラズマに変化しない任意のターゲット材料をキャプチャするために、反対側の排出システム1104上に提供され得る。
【0091】
[00090] 放射源SOは、光ビームLBが通過し、プラズマ形成ロケーションPFに到達できるようにするためのアパーチャ1140を有する、集光ミラー1105を含み得る。集光ミラー1105は、例えば、プラズマ形成ロケーションPFにおける一次焦点及び中間ロケーション1106(中間焦点又はIFとも呼ばれる)における二次焦点を有する、楕円ミラーとすることが可能であり、EUV放射は放射源SOからの出力であり、例えば、
図1のリソグラフィ装置LAなどのリソグラフィツールへの入力とすることができる。
【0092】
[00091] 放射源SOは、1つ以上のパラメータを測定するための監視システム1150を更に含み得る。監視システム1150は、例えば、プラズマ形成ロケーションPFに関する液滴の位置を示す出力を提供し、この出力を主コントローラ1160に提供する、例えば1つ以上のターゲット又は液滴イメージャを含み得る。次いで、主コントローラ1160は、液滴毎又は平均のいずれかで液滴位置エラーが計算可能な、液滴位置及び/又は軌道を計算するように構成され得る。監視システム1150は、追加又は代替として、パルスエネルギー、波長の関数としてのエネルギー分布、特定の波長帯域内のエネルギー、特定の波長帯域外のエネルギー、及び、EUV強度及び/又は平均パワーの角度分布を含むが、限定されない、1つ以上のEUV放射パラメータを測定する、1つ以上の放射源ディテクタを含み得る。
【0093】
[00092] 主コントローラ1160は、低圧水素環境1101内の光ビーム焦点のロケーション及び/又は集光力を調整又は設定するために、例えば、光ビーム位置、方向、形状、及び/又はタイミングを調整又は設定するように、光源OSを制御するように構成され得る。主コントローラ1160は、追加又は代替として、リザーバシステム1112内の圧力、及び/又は、正しい量のターゲット材料を所望の時点においてプラズマ形成ロケーションPFに送達可能にするために排出システム1104によって解放される際のターゲットTの解放点を、調整又は設定するために、燃料放出器1111の排出システム1104及び/又はリザーバシステム1112を制御するように構成され得る。
【0094】
[00093]
図3a及び
図3bは、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の実施形態に従った装置400を概略的に示す。装置400は、
図2内の燃料放出器1111の装置1112であり得る。
【0095】
[00094] 装置400は、移送システムを介して排出システムに接続されるように構成されたリザーバ410を含む、リザーバシステムを備える。
図3a及び
図3bでは、移送システムの一部430のみが見えている。
【0096】
[00095] リザーバシステムは、リザーバ410内の液体ターゲット材料を加圧するための加圧システム420を更に備える。加圧システム420は、任意の好適な油圧流体、例えば油、グリコール、又は他の液体を使用して、リザーバ410内の液体ターゲット材料を加圧し得る。加圧システム420は、入口411を介してリザーバ410に接続される。加圧システム420は、リザーバ410内部に配置された分離デバイス440及び周囲の入口411を更に含む。分離デバイス440は、リザーバ410内の液体ターゲット材料と接触するように構成され、更に、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成される。この例において、分離デバイス440は、更なる設計の自由度を油圧流体に提供する、液体ターゲット材料と油圧流体との間のバリアとして働く。油圧流体は、液体ターゲット材料の温度、圧力、及び反応性の組み合わせに耐え得るように、選択される必要はない。したがって、油圧流体の選択は、油圧流体がターゲット材料と接触していない際に使用されるターゲット材料から独立させることができる。これにより、時間期間当たりに生成されるEUV放射の量を増加させるために、排出システム及びしたがってプラズマ形成ロケーションに、より多くのターゲット材料を供給できるように、液体ターゲット材料に作用する圧力を増加させるために、好適な油圧流体及び構成を見つけることを容易にする。
【0097】
[00096] 分離デバイスは、この例では、分離デバイス440をベローズとして実装することによって、変形可能部材であるか、又は変形可能部材を含む。ベローズ440は、クローズドエンド440a、及びオープンエンド440b、並びに、クローズドエンド440aとオープンエンド440bとの間に延在する変形可能側壁440cを伴う、管形状を有する。変形可能部材、すなわち変形可能ベローズ440は、ベローズ440の可変内部容積、及びそれによって、液体ターゲット材料のためにリザーバ410内で使用可能な可変容積を提供する。
【0098】
[00097]
図3a及び
図3bの実施形態において、ベローズ440は、ベローズ440内部に油圧流体を保持するように構成される。ベローズ440の変形可能な性質により、ベローズは、ベローズ440の内部容積が相対的に小さい第1の構成、及び、ベローズ440の内部容積が相対的に大きい第2の構成を、有することができる。ベローズ440が第1の構成である状況が
図3aに示され、第1の状況と呼ばれる。ベローズ440が第2の構成である状況が
図3bに示され、第2の状況と呼ばれる。
【0099】
[00098] 加圧システム420を使用してベローズ440内の油圧流体を押し付けることで、ベローズ440に、移送システム430内の液体ターゲット材料を排出システムに向けて拡張及び押し付けさせることになる。利点は、動作中、ベローズ内部の圧力、すなわち油圧流体内の圧力が、リザーバ410内の圧力、すなわち液体ターゲット材料内の圧力と実質的に等しいことであり、したがって、ベローズに対する負荷を相対的に低く維持することが可能であり、ベローズの変形可能性に対して有益な、相対的に小さな壁厚みを可能にする。ベローズ440、すなわち分離デバイス440は、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、タングステン、モリブデン、及びタンタルのうちの1つ以上の材料を含み得る。ベローズ440全体は同じ材料であり得るが、他の材料はコアとして使用され、前述の材料はコーティングとして使用されることも可能である。前述の材料は更に、例えば合金、例えば、2.5%タングステンのタンタルタングステン合金として組み合わせられ得る。
【0100】
[00099]
図4は、本発明の実施形態に従った燃料放出器500を概略的に示す。燃料放出器500は
図2の燃料放出器1111であってよい。
【0101】
[000100] 燃料放出器500は、排出システム510、及び、液体ターゲット材料を排出システム510に供給するための装置520を備える。装置510は、第1のリザーバシステム511、第2のリザーバシステム512、プライミングシステム513、第1の移送システム514、及び第2の移送システム515を備える。
【0102】
[000101] 第1及び第2のリザーバシステム511、512は、本実施形態では、どちらもそれぞれリザーバ511a、512a、及び、それぞれ加圧システム511b、512bを備え、リザーバ511a、512それぞれにおいて液体ターゲット材料を加圧するように構成される、という点で、等しいか又は少なくとも同様である。この加圧は、それぞれ矢印511c、512cを使用して象徴的に示される。
【0103】
[000102] 加圧システム511bは、リザーバ511a内に移動可能に配置されたピストン511d、及び、ピストン511dとリザーバ511aの反対側の底部壁511fとの間に延在するベローズ511eを含み、それによってピストン511dの下方のリザーバ511a内の空間を、ベローズ511e内部の空間511g及びベローズ511e外部の空間511hとして示される、2つの分離空間に分割する。同様に、加圧システム512bは、リザーバ512a内に移動可能に配置されたピストン512d、及び、ピストン512dとリザーバ512aの反対側の底部壁512fとの間に延在するベローズ512eを含み、それによってピストン512dの下方のリザーバ512a内の空間を、ベローズ512e内部の空間512g及びベローズ512e外部の空間512hとして示される、2つの分離空間に分割する。
【0104】
[000103] 本実施形態において、ベローズ511e及び512eは、液体ターゲット材料を保持するように構成され、液体ターゲット材料が空間511g及び512g内に存在することを意味する。
【0105】
[000104] ピストン511d及び512dは、それぞれのベローズのクローズドエンドとして作用する剛性部材を形成する。ピストン511d及び512dは、それぞれの空間511h及び512hを更に閉鎖し、空間511h及び512hを油圧流体で充填できるようにする。したがって、ピストン511d及び512d、すなわち剛性部材は、適用可能であれば、それぞれの加圧システムの一部として、それぞれの空間511h及び512h内の油圧流体と、ピストン511d及び512dの反対のエンドにおいて提供される圧力流体との間の、バリアとして作用し得る。空間511h及び512h内の油圧流体の利点は、反対圧力がベローズ511e及び512eそれぞれに印加可能であり、それによって、ベローズ511e及び512eの望ましくない負荷又は変形を最小限にすることである。ピストンが移動されるとき、空間511g、511h、512g、及び512hの容積は増加又は減少し、結果として、空間511h及び512h内並びにそれぞれ空間511g及び512g内の、油圧流体間の圧力変化が生じ得る。第1のリザーバシステム511のための圧力規制システム516及び第2のリザーバシステム512のための圧力規制システム517が、油圧流体内の圧力を、それぞれのベローズ内部の液体ターゲット材料内の圧力と実質的に等しく維持するために、提供され得る。
【0106】
[000105] ピストン511d、512dを加圧することは、機械アクチュエータを使用して実施され得るが、ピストン511d、512dの反対側に提供され、それぞれのベローズ511e、512eを変形させるように構成された、圧力流体、例えば、油圧流体又はガスを使用しても実施され得る。
【0107】
[000106]
図4には示されていないが、各加圧システムは、それぞれのリザーバ内の対応するピストン511d、512dの位置を決定するためのセンサを備え得る。対応するピストン511d、512dの位置は、液体ターゲット材料内の圧力を制御するために使用可能であるが、代替又は追加として、リザーバがほぼ空の時を決定するために使用可能である。
【0108】
[000107]
図4には示されていないが、各リザーバシステム511、512は、リザーバを加熱するための加熱システムを備え得る。熱は、好ましくは、油圧流体及びベローズ511e、512eそれぞれによって、液体ターゲット材料の温度をターゲット材料の融点より上で維持するために、液体ターゲット材料へと伝達される。
【0109】
[000108]
図5は、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置600を概略的に示す。装置600は、
図2の燃料放出器1111の装置1112であってよい。
【0110】
[000109] 装置600は、移送システムを介して排出システムに接続されるように構成された、リザーバ610を含むリザーバシステムを備える。
【0111】
[000110] リザーバシステムは、リザーバ610内の液体ターゲット材料を加圧するための加圧システム620を、更に備える。本実施形態では、加圧システム620は、リザーバ610内の液体ターゲット材料を加圧するために、任意の好適な油圧流体を使用し得る。加圧システム620は、入口611を介してリザーバ610に接続される。加圧システム620は、クローズドエンド640aとオープンエンド640bとの間に延在する、ベローズ640の側壁である、変形可能部材640cを伴うベローズ640を備える。
【0112】
[000111] リザーバ610は、入口611を伴う第1の壁部分610a、開口612を伴う第2の壁部分610b、及び、第1の壁部分610aと第2の壁部分610bとの間に延在する側壁610cを備える。この場合、第1の壁部分610a及び第2の壁部分610bは、リザーバ610内が相対的に高圧の場合に有益であるそれぞれのねじ接続613を介して、側壁610cに接続される。
【0113】
[000112] ベローズ640のオープンエンド640bは、本実施形態において、移送システムの管630に接続されるように、コネクタ部分650によって形成される。コネクタ部分650は、シール660によって示されるように、リザーバ610の第2の壁部分610bに密封接続される。この構成の利点は、ベローズ640が、ベローズ640内部に含まれる内容物が、第1の壁部分610a、第2の壁部分610b、又は側壁610cに接触することなく、移送システムに接続されることである。本実施形態において、液体ターゲット材料は、ベローズ640内部に配置されるように構成される。リザーバ610内部の残りの容積は、リザーバ610の入口611と流体連絡しており、油圧流体が充填されるように構成される。
【0114】
[000113] 加圧システム620は、加熱チャンバ622を充填及び加圧可能にし、好ましくは、緊急時、解放及び膨張タンクとしても作用する、油圧流体供給621を、更に備える。加熱チャンバ622は、リザーバ610の入口611と流体連絡している。加熱チャンバ622を充填することは、リザーバ610、及び、加熱チャンバ622と入口611との間の管を充填することも含む。加圧システムが流体供給621を使用して充填されると、流体供給621と加熱チャンバ622との間の弁623が閉じ得る。加熱チャンバ622は、好ましくはベローズ640内のターゲット材料の溶融温度より上の、油圧流体を加熱するために使用される。加熱チャンバ622内の油圧流体の温度は、圧力流体内の圧力を正確に制御するために使用され得る。圧力センサ665は、油圧流体の圧力を感知するために提供され得、制御ユニット670は、油圧流体内で測定される実際の圧力及び油圧流体内の所望の圧力に依存して、加熱チャンバ622内部の油圧流体の温度を制御するために提供され得る。
【0115】
[000114]
図4に関して既に説明したように、加圧システム620は、リザーバ610内のベローズ640のクローズドエンド640aの、ここではオープンエンド640bに関する位置を測定するための、センサ680を含み得る。センサは、例えば、ベローズのクローズドエンドに取り付けられた磁気部材、及び、磁気部材の位置を検出するためのリザーバの外側の磁気ディテクタを含み得る。磁気部材は、ベローズのクローズドエンドからも支持され得、例えば、入口611内部又は入口611を介して配置され得、リザーバの壁厚みが相対的に大きい可能性がある際に、磁気部材と磁気ディテクタとの間のより小さな距離を可能にする。代替又は追加として、センサは、音響波を放出するための音響放出器と、クローズドエンド640aの位置を決定できるようにするベローズ640のクローズドエンド640aの一部であるか又はクローズドエンド640aに接続された、音響放出器によって放出され、表面で反射された、音響波を受け取るための音響受信器とを、含み得る。音響放出器及び受信器は、単一構成要素を形成するように統合され得る。
【0116】
[000115]
図6は、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置700を概略的に示す。装置700は、
図2の燃料放出器1111の装置1112であってよい。
【0117】
[000116] 装置700は、
図5の装置600と同様である。相違点は加圧システム内にある。装置700の他の特徴を過度に繰り返すのを避けるために、下記の説明ではこれらの相違点に注目する。
【0118】
[000117] 加熱チャンバ722は、弁723を介して油圧シリンダ721に接続され、油圧シリンダ721は加熱チャンバ722のための流体供給として作用する。
【0119】
[000118] 油圧シリンダ721は、第1のハウジング部分721a及び第2のハウジング部分721bを伴うハウジングと、第1のハウジング部分721a内の移動可能な第1のピストン部分724a及び第2のハウジング部分721b内の移動可能な第2のピストン部分724bを伴うピストン724と、を有する。第1のピストン部分724aは(したがって第1のハウジング部分721aも)、第2のピストン部分724b(及びしたがって第2のハウジング部分721bも)の断面積よりも大きな断面積を有する。利点は、第1のピストン部分724a上で作用する圧力流体が、所望のとおり加熱チャンバ722に供給されるべき油圧流体内の圧力よりも低い圧力であり得る、という点である。したがって、ピストン724は、相対的に低い圧力を相対的に高い圧力に変換することができる。圧力流体は、例えばガスであり得る。
【0120】
[000119]
図7は、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置800を概略的に示す。
図7の装置は、概して
図5の例示の実施形態に対応する特徴を有する。したがって、共通の特徴についての参照番号は、200ずつ増分されている。
【0121】
[000120] 装置800は、
図2の燃料放出器1111の装置1112であってよい。
【0122】
[000121] 装置800は、移送システムを介して排出システムに接続されるように構成された、第1のリザーバ810を含むリザーバシステムを備える。リザーバシステムは、第1のリザーバ810内の液体ターゲット材料を加圧するための加圧システム820を更に備える。加圧システム820は、入口811を介してリザーバ810に接続される。装置800は、分離デバイス840を備える。分離デバイス840は、下記でより詳細に説明するように、第1のリザーバ内の液体ターゲット材料から油圧流体を分離するように、及び、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように、構成される。
【0123】
[000122] 例示の実施形態において、分離デバイス840は、油圧流体のための第1のリザーバ内の容積を変化させるために、油圧流体からの圧力の下で変形するように構成された、変形可能部材840である。分離デバイス840は、例示の目的で、波形又は蛇腹状の側壁を有するベローズとして実装される。
【0124】
[000123] 例示の装置において、加圧システム820は、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するために、第1のリザーバ810内の分離デバイス840、例えばベローズの、外部周辺の油圧流体を加圧するように構成される。他の例示の実施形態において、加圧システム820は、
図3a及び
図3bの実施形態を参照しながら上述したように、油圧流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達するために、第1のリザーバ810内の分離デバイス840、例えばベローズ内部の、油圧流体を加圧するように構成され得る。
【0125】
[000124] 加圧システム820は、加熱チャンバとして構成された第2のリザーバ822を充填及び加圧するための油圧流体供給として作用し得る容器821を、更に備える。容器821は、緊急時の解放及び膨張タンクとしても作用し得る。
【0126】
[000125] 第2のリザーバ822は、第1のリザーバ810の入口811と流体連絡している。
【0127】
[000126] いくつかの実施例において、第2のリザーバ822は、例えば第2のリザーバ822と入口811との間の管を介して、第1のリザーバ810を充填するために使用され得る。
【0128】
[000127] 使用中、第2のリザーバ822が流体容器821を油圧流体供給として使用して十分に充填されると、容器821と第2のリザーバ822との間の弁823が閉じ得る。第2のリザーバ822は、好ましくは分離デバイス840内のターゲット材料の溶融温度より上の、油圧流体を加熱するために使用され得る。第2のリザーバ822内の油圧流体の温度は、油圧流体内の圧力を正確に制御するために使用され得る。圧力センサ865は、油圧流体の圧力を感知するために提供され得る。制御ユニット870は、油圧流体の感知された実際の圧力及び油圧流体の所望の圧力に依存して、第2のリザーバ822内部の油圧流体の温度を制御するために提供され得る。
【0129】
[000128] より具体的には、油圧流体は、油圧流体及び第2のリザーバ822の温度が上昇したとき、油圧流体の容積膨張が第2のリザーバ822の容積膨張を超え、それによって油圧流体の圧力を増加させるように選択され得る。
【0130】
[000129] 一例として、一実施形態において、油圧流体/液体ターゲット材料の100ミリメートル未満の移動可能容積が予見され得る。実施形態において、最大移動可能容積は、第2のリザーバ822のサイズ及び分離デバイス840の変形の範囲、例えば分離デバイス840が支持する膨張の程度によって制約され得る。更に、例えばヒータの最大温度に起因する油圧流体の最大温度は、分離デバイス840の動き及び/又は変形も制限し得る。
【0131】
[000130] 第2のリザーバ822内の油圧流体を加熱することによって発生する膨張の量、及びしたがって圧力の量は、非限定的な例を参照して下記で説明するように、選択された油圧流体の特性及び第2のリザーバ822の特性に依存し得る。
【0132】
[000131] 非限定的な例において、50Cから250Cの第2のリザーバにおける温度範囲が、油圧流体膨張に使用され得る。既知の油圧流体の容積熱膨張係数は、=0.0008/K =800PPM/Kの範囲内であり得る。したがって、油圧流体を50Cから250Cまで加熱するとき、油圧流体は、0.0008*200=0.16=16%だけ膨張し得る。
【0133】
[000132] 例えば、閉鎖容積内での温度の上昇によって生じる圧力増加に起因して、油圧流体が圧縮されるとき、油圧流体は容積もある程度まで減少し得る。既知の油圧流体の圧縮率は、5E-10Pa-1の範囲内であり得る。言い換えれば、圧縮率の逆数である体積弾性率は、2GPaの範囲内であり得る。
【0134】
[000133] ターゲット圧力は、1400バール=1.4E3*1E5=1.4E8 Paの範囲内であり得る。圧力下で、油圧流体は、1.4E8/2E9=7E-2=7%だけ圧縮し得る。したがって、油圧流体の容積全体が、およそ16-7=9%だけ増加し得る。
【0135】
[000134] 第2のリザーバ822の容積膨張も、第2のリザーバ822の温度の上昇に起因して生じる。例えば、3次元の各々における20PPMの推定される熱膨張係数(CTE)について、温度の上昇に起因する第2のリザーバの膨張は、60PPM/Kの範囲内である。
【0136】
[000135] 上記の例を続けると、50Cから250Cまでの温度の上昇の場合、第2のリザーバの容積が、およそ60PPM*200K=1.2%だけ増加し得る。
【0137】
[000136] したがって、200K周辺の温度の上昇に起因する既知の油圧流体の使用可能容積全体の増加は、16-7-1.2=およそ7.8%である。
【0138】
[000137] すなわち、既知の油圧流体及び第2のリザーバ822の温度が上昇するとき、油圧流体の容積膨張は第2のリザーバ822の容積膨張を超え、それによって、油圧流体の圧力を上昇させ、分離デバイス840によって油圧流体から伝達される圧力を介して、液体ターゲット材料の圧力を増加させるために、既知の油圧流体の使用可能容積の増加を提供する。
【0139】
[000138] 既知の油圧流体についての非限定的な例の上記の説明を続けると、第2のリザーバが1リットルの既知の油圧流体を保持するように構成された場合、第2のリザーバは、100~200Cだけ温度を上昇させることによって、1400バール圧力において50~100mlの範囲内で追い出し得る。
【0140】
[000139] 例において、第2のリザーバ822は、第2のリザーバ822によって画定される容積内に配設され、第2のリザーバ822内に保持される油圧流体と直接接触するように構成された、内部加熱要素850を備える。
【0141】
[000140] 例示の実施形態において、内部加熱要素850は、正確な圧力規制を可能にするために、要素又はワイヤの加熱が制御可能、例えばオン及びオフを迅速に切り替え可能であるように構成された、加熱要素又はワイヤを備え得る。例において、内部加熱要素850は、使用中、油圧流体内に配設されるように構成された、タングステンワイヤを備え得る。すなわち、油圧流体と直接接触している内部加熱要素850を有することによって、高速温度応答が達成され得る。
【0142】
[000141] 例において、第2のリザーバ822は、第2のリザーバ内に保持される油圧流体を加熱又は冷却するための、第2のリザーバ822の側壁の温度を制御するように構成された、外部加熱及び/又は冷却要素855も備える。
【0143】
[000142]
図7の例示の実施形態では、外部冷却要素855のみが示されている。しかしながら、いくつかの例では、追加の外部加熱要素が実装可能であるか、又は、外部冷却要素855も加熱要素として構成可能であるかの、いずれかであり得る。圧力が低下する事象において第2のリザーバ822の熱制御を維持するために、外部冷却要素855を使用して、第2のリザーバ822の温度を低下させることが必要であり得る。
【0144】
[000143]
図7には、容器821上の真空接続860も示されている。第2のリザーバ822への供給タンクとして作用し得る容器860は、油圧流体内のガス、例えば空気の気泡なしに充填されることが望ましい場合がある。これは、こうした気泡が、油圧流体の圧縮率に対して高度に圧縮可能であり、したがって加圧システム820の効率に著しく影響を与え得るためである。
【0145】
[000144] 使用中、容器821は、示された戻りライン865などの、入口を介して充填され得、真空接続は、容器821内の10mbarの範囲内などの低圧力を維持するために使用され、それによって油圧流体をガス抜きし得る。
【0146】
[000145] ドレインタンク870も示されている。ドレインタンク870は弁871を介して第2のリザーバ822に接続され得る。第2のリザーバ822の急速冷却が必要な場合、第2のリザーバ822からの油圧流体は、ドレインタンク870に向けてフラッシュされ得る。新鮮な油圧流体が、容器821から取り出されて第2のリザーバ822に供給され得る。このようにして、第2のリザーバ822の温度が急速にリセット可能である。更に、説明するシステムはクローズドシステムであり、それによって油圧流体の流出機会を最小限にし、汚染のリスクを最小限にする。
【0147】
[000146] 場合によっては、油圧流体の交換が必要な可能性がある。例えば、上昇した温度及び/又は圧力が、油圧流体を経時的に劣化させる可能性がある。戻りライン865はドレインタンク870と共に、油圧流体リフレッシュメントシステムを提供し得る。
【0148】
[000147] 油圧流体は、第1のリザーバ810及び第2のリザーバ822から除去され、ドレインタンク870に格納され得る。その後、新しい油圧流体が容器821から供給され得る。
【0149】
[000148] 使用中、第2のリザーバ822内の油圧流体は事前加圧され得る。例えば、加圧ガスを使用して油圧流体を事前加圧することができる。第2のリザーバ822の温度を上昇させずに、油圧流体の圧力を上昇させ得る。これは有利なことに、加熱サイクルの始めに、第2のリザーバ822を加熱することによってより高速な圧力増加を可能にし得る。更に、これはまた有利なことに、第2のリザーバ822内の最大加熱温度をより低くし得る。
【0150】
[000149] 他の実施形態において、事前加圧は他の手段によって実装され得る。例えば、
図6に示されたような油圧シリンダ721配置を使用して、第2のリザーバ内の油圧流体を事前加圧し得る。
【0151】
[000150] すなわち、いくつかの例において、第2のリザーバ822内の油圧流体は、
図6の油圧シリンダ721配置などのコース方法を使用して、およそ1400バールなどの高圧まで事前加圧され得る。その後、液滴発生の間、油圧流体の圧力の微細な規制は、第2のリザーバ822の温度を制御することによって制御され得る。
【0152】
[000151] 装置800の使用の例示的方法は、下記のとおりである。
【0153】
[000152] 第1のリザーバ810及び第2のリザーバ822を油圧流体で最初に充填する場合、容器821と第2のリザーバとの間の弁823が開かれ、油圧流体が第1のリザーバ810及び第2のリザーバ822を充填できるようになる。前述のように、被制御圧力を使用して、油圧流体をガス抜きし得る。
【0154】
[000153] 更にまた前述のように、いくつかの実施例において、事前加圧は、加圧ガスの使用を介して、又は油圧シリンダ配置によっての、いずれかで実施し得る。
【0155】
[000154] 次いで弁823が閉じられ、第2のリザーバ822の加熱による加圧が開始され得る。分離デバイス840によって液体ターゲット材料から分離された第1のリザーバ810内の油圧流体は、下記でより詳細に説明するように、第1のリザーバ810の加熱が開始したときに、膨張もすることになる。
【0156】
[000155] いくつかの例において、システムから圧力を即時に除去しなければならない場合、弁823を作動させて、油圧流体の流れを容器821内に戻すことができる。
【0157】
[000156] 容器821は、不活性ガスによって加圧し得るか、又は真空に保ち得る。
【0158】
[000157] 迅速ベントの後、再度加圧を開始しなければならないとき、油圧流体を冷却することが望ましい可能性がある。油圧流体が冷却される際、油圧流体は容器821から第2のリザーバ822内へと流れる。同時に、システムが油圧流体の既知の容積にリセットされるように、第1のリザーバ810内の油圧流体をつぎ足し得る。次いで、弁823は閉じられ、加熱サイクルが開始可能である。
【0159】
[000158] いくつかの例において、例えば、最大許容可能圧力を超えた場合、容器821内への油圧流体の流入を許可することによって圧力を解放するために、バーストデバイス(図示せず)などの受動圧安全デバイスを、弁823の近くに取り付けることができる。他の例において、解放弁は、圧力を低減及び/又は除去するように実装され得る。
【0160】
[000159]
図5、
図6、及び
図7は各々、単一の装置600、700、800のみを示しているが、完全な実施形態は、
図4の例に示されるように2つの装置を備え得る。すなわち、実施形態は、第1の装置600、700、800及び第2の装置600、700、800を備え、各々が上述のように
図5、
図6、又は
図7の装置に対応し、各々が移送システムによって排出システムに流体連絡で結合されている。
【0161】
[000160] いくつかの例において、移送システムは、液体ターゲット材料を、第1の装置600、700、800及び第2の装置600、700、800から排出システム1104に交互に供給するように構成され得る。いくつかの例において、移送システムは、第1及び第2の装置600、700、800の各々の第1のリザーバ610、710、810内の圧力を均等化し、第1の装置及び第2の装置600、700、800の両方から排出システム1104に液体ターゲット材料を供給するように、構成され得る。すなわち、第1の装置の第1のリザーバ610、710、810が充填され得、その後、この第1のリザーバ610、710、810内の圧力は、両方の装置が液体ターゲット材料をしばらくの間排出システム1104に供給するように、第2の装置600、700、800の第1のリザーバ610、710、810内の圧力と均等化され得る。ある時点で、油圧流体圧力レベルが低くなったとき、第1の装置600、700、800の第1のリザーバ610、710、810は、液体ターゲット材料の新しい負荷を取り込んで加圧するための準備をする。液体ターゲット材料のこの新しい負荷の圧力は、その後、第2の装置600、700、800の第1のリザーバ610、710、810と均等化され得るなどとなる。
【0162】
[000161]
図8a及び
図8bは、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の別の実施形態に従った装置900の断面図を概略的に示す。
【0163】
[000162]
図8a(XZ断面)及び
図8b(YZ断面)の装置900内部の容積がリザーバを画定し、前述の、例えば
図5、
図6、及び
図7の実施形態のうちのいずれかの、リザーバ610、710、810に対応し得る。
【0164】
[000163] リザーバにおいて、分離デバイス905が、ベローズ、例えば変形可能な波形の側壁を備えるベローズとして提供される。
【0165】
[000164] 分離デバイス905は、分離デバイス905の外部周辺の油圧流体910を、分離デバイス905内の液体ターゲット材料915、例えばスズから分離する。
【0166】
[000165] リザーバの上部表面における入口920が、
図7に示されるように、加圧された油圧流体910を装置900に供給するために、第2のリザーバ、例えば第2のリザーバ822に結合され得る。
【0167】
[000166] リザーバの下部表面における出口925が、液体ターゲット材料915を排出システム1104に提供するために、移送システム(
図8a及び
図8bには図示せず)に結合され得る。
図8bにおいて、液体ターゲット材料915を出口925に運ぶための供給導管930が示される。
【0168】
[000167] 一例において、リザーバは、1400バール圧力を超えて耐えるように構成された、厚壁ステンレス鋼圧力容器として提供される。
【0169】
[000168] 例示の装置900は、リザーバによって画定された容積内に配設され、リザーバによって画定された容積に制御可能に熱を印加するように構成された、1対の内部加熱要素930a、930bを備える。1対の加熱要素930a、930bが示されているが、他の実施形態では、わずかに単一の加熱要素、又は2つより多くの加熱要素が実装され得る。
【0170】
[000169] 各例示の加熱要素930a、930bは、リザーバの出口925の領域から遠くへ延在する細長い加熱要素として実装される。
【0171】
[000170] 装置900は、矢印940によって表される、リザーバによって画定された容積の外側に配設され、リザーバに熱を制御可能に印加するように構成された、少なくとも1つの外部加熱要素も備える。少なくとも1つの外部加熱要素940は、リザーバの異なる領域に被制御順に熱を印加するように構成され得る。
【0172】
[000171] 使用中、装置900を動作温度まで加熱するとき、ターゲット材料は液体ターゲット材料915を提供するために溶融し得る。一例において、液体ターゲット材料915は、固体から液体への移行において3%の容積変化を表し得る、スズを含む。こうした容積変化は、装置900が被制御様式で加熱されない場合、液体スズ閉じ込めに起因して、結果として分離デバイス905の障害を生じさせ得る。
【0173】
[000172] したがって、実施形態において、被制御ターゲット材料溶融順序は、少なくとも1つの外部加熱要素940及び内部加熱要素930a、930bを使用して実装され得る。
【0174】
[000173] 一例において、被制御ターゲット材料溶融順序は、出口925の領域から始まり、リザーバの頂部側へと向かい、分離デバイス905内部から、分離デバイス905の外側へと放射状にも向かう。
【0175】
[000174] 有利なことに、こうした被制御溶融順序、及び具体的には、ターゲット材料をリザーバの内部から外部へと放射状に加熱するために、内部加熱要素930a、930bを提供することは、液体スズ閉じ込めの発生を防ぎ得る。
【0176】
[000175] 組み合わせられた内部及び外部加熱概念の更なる利点は、油圧流体の耐用年数を増加させるより低い平均流体温度の使用;リザーバの全体温度の低下;適用可能材料における設計の自由さ、例えば金属シールの代わりのOリングの使用;歩留まり及び最大抗張力は温度と共に劣化し得るため、材料強度の増加;及び、液体ターゲット材料漏れの場合のアグレッシブな液体ターゲット材料との接触からのリザーバ材料の保護を含む。
【0177】
[000176]
図9a及び
図9bに示されるように、装置900は、リザーバ内部の分離デバイス905の変位を感知するように構成された、少なくとも1つのセンサ950a~dを備え得る。
【0178】
[000177] 一例において、ホールセンサなどの非接触センサ950a~dが実装され得る。センサ950a~dは、リザーバの側壁を介して伝搬する1つ以上の磁石965からの磁場を感知することによって、分離デバイス905の変位を検出するように構成され得る。
【0179】
[000178]
図9bは、分離デバイス905の変位に関する非接触センサ位置における磁束のシミュレーションの一例を示す。
図9bでは、感知された磁束密度が、第1のホールセンサS1と第2のホールセンサS2との間で明らかに変動していることがわかる。すなわち、1つ以上の磁石965からおよそ40ミリメートルの距離にホールセンサS1及びS2を備える、示された例示の実施形態において、センサS1及びS2によって感知された磁束密度における変動は、センサS1及びS2に関する1つ以上の磁石965の変位に対応する。非限定的な例において、10マイクロメートルの範囲内での1つ以上の磁石965の変位における分解能が取得され得、これは液体ターゲット材料のおよそ0.02mlの容積の変動に相当し得る。
【0180】
[000179] わずかに単一のセンサが実装され得るが、
図9aの例では、4つのセンサ950a、950b、950c、950dが実装される。これは、有益なことに、望ましくない変形、例えば、分離デバイスの傾斜又は非均一変形の検出を可能にし得る。これは、有益なことに、センサ障害の場合にも冗長性を提供し得る。
【0181】
[000180] 一例では、処理手段(図示せず)は、少なくとも1つのセンサ950a~dに結合され得、分離デバイス905の感知された変位に基づいて、リザーバ内の液体ターゲット材料915のレベル、分離デバイス905の変位が上限又は下限閾値を超えていること、及び/又は、分離デバイス905の変位が予測値から逸脱していることを、決定するように構成され得る。これは、分離デバイス905の障害の検出において有利であり得、液体ターゲット材料915及び/又は油圧流体910は、分離デバイス905の障害地点を介して漏れ得、潜在的にリザーバの側壁を損傷させ、並びに/或いは、排出システム1104の動作及び放射の生成に影響を与える。
【0182】
[000181]
図10は、液体ターゲット材料をリソグラフィ放射源に供給するための、本発明の更に別の実施形態に従った装置1000を概略的に示す。装置1000は、
図2における燃料放出器1111の装置1112であってよい。
【0183】
[000182] 装置1000は、油圧流体のための入口1011及び液体ターゲット材料のための出口1040を有する、リザーバ1010を伴うリザーバシステムを含む。油圧流体及び液体ターゲット材料は、メンブレン1040を含む変形可能部材を使用して互いに分離される。それらの利点は、油圧流体のための容積及び液体ターゲット材料のための容積が、2つの媒体が互いに接することなく変動し得ることである。例えば柔軟性及び/又は弾力性によって生じるメンブレン1040の変形可能性は、容積の各組み合わせに適合させることが可能であり、それによって、加圧された液体ターゲット材料を排出システムに供給するために、油圧流体が液体ターゲット材料に圧力を印加することができる。メンブレンは、好ましくは、油圧流体及び/又はターゲット材料に対して非浸透性である。
【0184】
[000183] 前述の実施形態のうちのいくつかはベローズを含むが、代替として、変形可能部材はブラダ又はバルーンとして形成され得る。
【0185】
[000184] 上記の実施形態において、加圧システムによって液体ターゲット材料に印加される圧力は、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも400バール、より好ましくは少なくとも500バール、更により好ましくは少なくとも600バールであり得、例えば少なくとも700バール、少なくとも900バール、少なくとも1100バール、又は少なくとも1300バールであり得る。
【0186】
[000185] 上記で指定していないが、油圧流体は、任意の好適な油圧流体、例えば水(圧力が40バールより上であり、温度が260度の液体)、グリコール、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)などのセバシン酸オイル、又は、ガルデンHTなどのパーフルオロポリエーテル(PFPE)オイルであり得る。
【0187】
[000186] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0188】
[000187] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0189】
[000188] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0190】
[000189] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0191】
[000190] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【0192】
(条項)
1.液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置であって、排出システムに接続されるように構成されたリザーバ、及び、リザーバ内の液体ターゲット材料を加圧するための加圧システムを含む、リザーバシステムを備え、加圧システムは、圧力流体、例えば油圧流体から、液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成され、液体ターゲット材料及び圧力流体のためにリザーバ内に可変容積を形成するように構成された、変形可能部材などの分離デバイスを備える、装置。
2.加圧システムが、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも700バール、より好ましくは少なくとも900バール、更により好ましくは少なくとも1100バール、及び最も好ましくは少なくとも1300バールの圧力を印加するように構成される、条項1に記載の装置。
3.変形可能部材がメンブレンを備える、条項1又は2に記載の装置。
4.変形可能部材がベローズを備える、条項1又は2に記載の装置。
5.ベローズがベローズ内部で圧力流体を保持するように構成される、条項4に記載の装置。
6.ベローズがベローズ内部で液体ターゲット材料を保持するように構成される、条項4に記載の装置。
7.ベローズが、クローズドエンド、オープンエンド、及び、クローズドエンドとオープンエンドとの間に延在する変形可能側壁を伴う、管形状を有する、条項4から6のいずれかに記載の装置。
8.変形可能部材が、ベローズのクローズドエンドを形成する剛性部材を更に含む、条項7に記載の装置。
9.剛性部材が、加圧システムの圧力流体と第2の圧力流体、例えばガスとの間にバリアを提供し、加圧システムが、ベローズを変形させるために剛性部材に第2の圧力流体を印加するように、及び、反対圧力を提供するために変形可能側壁に圧力流体を印加するように構成される、条項8に記載の装置。
10.加圧システムが、圧力流体内の圧力を液体ターゲット材料内の圧力と実質的に等しく維持するように構成された圧力規制システムを備える、条項9に記載の装置。
11.加圧システムが、リザーバ内のベローズのクローズドエンドの位置を決定するためのセンサを備える、条項7から10のいずれかに記載の装置。
12.リザーバシステムが、リザーバを加熱するための加熱システムを更に備える、条項1から11のいずれかに記載の装置。
13.圧力流体及び変形可能部材の少なくとも一部が、加熱システムによって発生させられた熱を液体ターゲット材料に導くように構成される、条項12に記載の装置。
14.リザーバが、リザーバ内の変形可能部材の変形を誘導するための1つ以上の誘導要素を備える、条項1から13のいずれかに記載の装置。
15.加圧システムが、圧力流体を変形可能部材に印加するように構成される、条項1から8のいずれかに記載の装置。
16.リザーバが、排出システム又は圧力流体供給システムに接続されるコネクタ部分を伴う壁部分を備える、条項1から15のいずれかに記載の装置。
17.壁部分が、ねじ接続を使用してリザーバに接続される、条項16に記載の装置。
18.コネクタ部分がベローズの一部であり、壁部分内の開口において又は開口を介して延在する、条項4及び条項16又は17の組み合わせに記載の装置。
19.コネクタ部分がベローズのオープンエンドに配置され、ベローズは、ベローズ内部の媒体がリザーバと接触しないように、オープンエンドを伴う壁部分に接続される、条項7及び条項18の組み合わせに記載の装置。
20.変形可能部材が、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、タングステン、タンタル、モリブデンのうちの、1つ以上の材料を含む、条項1から19のいずれかに記載の装置。
21.リザーバシステムが第1のリザーバシステムであり、装置が、第1のリザーバシステムと直列に排出システムに接続されるように構成された同様の第2のリザーバシステムを更に備える、条項1から20のいずれかに記載の装置。
22.リザーバシステムが第1のリザーバシステムであり、装置が、第1のリザーバシステムと並列に排出システムに接続されるように構成された同様の第2のリザーバシステムを更に備える、条項1から20のいずれかに記載の装置。
23.ターゲット材料がスズである、条項1から22のいずれかに記載の装置。
24.ターゲット材料を含む固形物を受け取るように構成されたプライミングシステムと、プライミングシステムからリザーバシステムへと延在する移送システムとを更に備え、移送システムは、プライミングシステムとリザーバシステムとの間にターゲット材料のための流路を提供するように構成される、条項1から23のいずれかに記載の装置。
25.移送システムが、プライミングシステムからのターゲット材料の流れを制御するように構成された規制装置を更に備える、条項24に記載の装置。
26.条項1から25のいずれかに記載の装置及び排出システムを備える燃料放出器。
27.排出システムが、液滴のストリームをプラズマ形成ロケーションへと排出するように構成される、条項26に記載の燃料放出器。
28.液滴のストリームを監視するための液滴監視デバイスを更に備える、条項27に記載の燃料放出器。
29.液滴監視デバイスの出力に基づいて、加圧システムによってリザーバ内の液体ターゲット材料に印加される圧力を調整するために、液滴監視デバイスと加圧システムとの間に配置された制御ユニットを更に備える、条項28に記載の燃料放出器。
30.液滴監視デバイスの出力に基づいて、排出システムの動作を調整するために、液滴監視デバイスと排出システムとの間に配置された制御ユニットを更に備える、条項28に記載の燃料放出器。
31.条項26から30のいずれかに記載の燃料放出器を備える、リソグラフィツールのための放射源。
32.放射源がEUV放射を出力するように構成される、条項31に記載の放射源。
33.放射源がレーザ生成プラズマ源である、条項31又は32に記載の放射源。
34.条項31から33のいずれかに記載の放射源を備える、リソグラフィ装置。
35.液体ターゲット材料を放射源に供給するための方法であって、リザーバ内の液体ターゲット材料が、圧力流体を使用して変形可能部材を加圧することによって加圧され、変形可能部材が圧力流体から液体ターゲット材料へと圧力を伝達し、変形可能部材によって可能にされる液体ターゲット材料のための容積を変動させることによって、液体ターゲット材料がリザーバから又はリザーバへ供給される、方法。
36.液体ターゲット材料が、少なくとも300バール、好ましくは少なくとも700バール、より好ましくは少なくとも900バール、更により好ましくは少なくとも1100バール、及び最も好ましくは少なくとも1300バールの圧力まで加圧される、条項35に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ターゲット材料を放射源に供給するための装置であって、
第1のリザーバと、
油圧流体を加圧するように構成された加圧システムと、
前記油圧流体を前記第1のリザーバ内の前記液体ターゲット材料から分離するように、及び、前記油圧流体から前記液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように、構成された分離デバイスと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記分離デバイスは、前記油圧流体のための前記第1のリザーバ内の容積を変更するために、前記油圧流体からの前記圧力下で変形するように構成された変形可能部材を備
える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分離デバイスは、波形又は蛇腹状の側壁を有するベローズを備え
、
前記加圧システムは、前記油圧流体から前記液体ターゲット材料へと前記圧力を伝達するために、前記リザーバ内部の前記ベローズ内側又は前記ベローズ外部周辺の、前記油圧流体を加圧するように構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のリザーバによって画定される容積の外側に配設され、前記第1のリザーバに熱を制御可能に印加するように構成された、少なくとも1つの外部加熱要素を備え
、
前記少なくとも1つの外部加熱要素は、被制御順に前記第1のリザーバの異なる領域まで熱を印加するように構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のリザーバによって画定される前記容積の内部に配設され、前記第1のリザーバによって画定される前記容積に熱を制御可能に印加するように構成された少なくとも1つの内部加熱要素を備え
、
前記少なくとも1つの内部加熱要素は、前記第1のリザーバの入口/出口領域から遠くへ延在する、少なくとも1つの細長い加熱要素を備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のリザーバ内部での前記分離デバイスの変位を感知するように構成された少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサに結合され、前記分離デバイスの感知された変位に基づいて、前記第1のリザーバにおける液体ターゲット材料のレベル、前記分離デバイスの変位が上限閾値又は下限閾値を超えた旨、及び/又は、前記分離デバイスの変位が予測された値から逸脱している旨、を決定するように構成された処理手段と、
を備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記加圧システムは、前記油圧流体を保持するように構成され、前記第1のリザーバに前記油圧流体を供給するための前記第1のリザーバとの流体連絡のために構成された第2のリザーバを備え
、
前記第2のリザーバは、前記油圧流体に熱を印加するように構成された加熱チャンバとして構成される、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のリザーバによって画定される容積内に配設され、前記第2のリザーバ内に保持される前記油圧流体と直接接触するように構成された内部加熱要素、及び/又は、
前記第2のリザーバ内に保持された前記油圧流体を加熱又は冷却するために、前記第2のリザーバの側壁の温度を制御するように構成された外部加熱及び/又は冷却要素、
のうちの、少なくとも1つを備える、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
油圧流体を前記第2のリザーバに供給するための前記第2のリザーバとの流体連絡のために構成された容器を備え、
前記容器が、重力が前記容器から前記第2のリザーバへの油圧流体の流れを誘導するように、前記第2のリザーバの上方に配設されるか、又は、
前記容器が、前記油圧流体を事前加圧するための油圧シリンダを備える、
請求項
7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記容器は、入口を備え、
前記加圧システムは、前記容器内の前記油圧流体を事前加圧するために加圧流体を前記入口に提供するように構成される、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記油圧流体は、前記油圧流体及び前記第2のリザーバの温度が上昇するとき、前記油圧流体の容積膨張が前記第2のリザーバの容積膨張を超えるように選択される、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
液体ターゲット材料を放射源に供給するための燃料放出器であって
、
請求項
1に記載の第1の装置と、
請求項
1に記載の第2の装置と、を備え、
前記第1の装置及び前記第2の装置は、移送システムによって排出システムへの流体連絡において結合される、燃料放出器。
【請求項13】
請求項
12に記載の燃料放出器を備えるリソグラフィツールのための放射源であって、
前記放射源は、EUV放射を出力するように構成される、放射源。
【請求項14】
請求項
13に記載の放射源を備える、リソグラフィ
ツール。
【請求項15】
液体ターゲット材料を放射源に供給する
ステップを含む、集積回路を製造する方法であって、
第1のリザーバ内の液体ターゲット材料は、油圧流体から前記液体ターゲット材料へと圧力を伝達するように構成された分離デバイスによって、前記第1のリザーバ内の前記液体ターゲット材料から分離された油圧流体を加圧することによって加圧される、方法。
【国際調査報告】