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特表2024-540235弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法
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  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図1
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図2
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図3
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図4a)
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図4b)
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図5
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図6
  • 特表-弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-31
(54)【発明の名称】弾性保護装置を備えたブレーキ装置及び保護装置を装着するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/04 20060101AFI20241024BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20241024BHJP
   F16J 15/52 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B60T11/04
F16J3/04 B
F16J15/52 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525915
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 DE2022200237
(87)【国際公開番号】W WO2023093945
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213186.7
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522296653
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Continental-Plaza 1, 30175 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ゼリンガー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】キヴス・ケヴィン
【テーマコード(参考)】
3D047
3J043
3J045
【Fターム(参考)】
3D047BB31
3D047FF22
3D047KK05
3J043AA03
3J043CB13
3J043DA09
3J043FA20
3J043FB06
3J045AA14
3J045BA02
3J045CB03
3J045CB30
(57)【要約】
本発明は、モータ車両ブレーキシステム用のブレーキ装置(1)であって、少なくとも1つのブレーキ装置筐体(2)と、汚れに対する、特に塵に対する障壁として設計された、ブレーキ装置筐体(2)に固定された少なくとも1つの弾性保護装置(3)とを含み、保護装置(3)は、軸方向に交互に配置され、側面(6)によって接続された複数の外折り(7)及び内折り(8)を備えた、少なくとも1つの軸方向に圧縮可能な蛇腹部(5)を有する、ブレーキ装置(1)に関する。本発明によれば、汎用の保護装置の装着性を向上するために、具体的には自動装着を実行するために、保護装置(3)は、蛇腹領域(5)の圧縮の軸度を画定して低減するための、少なくとも1つの一体化された支持手段(9)を有する。本発明は、また、保護装置(3)をブレーキ装置筐体(2)上に装着するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ車両ブレーキシステム用のブレーキユニット(1)であって、少なくとも1つのブレーキユニット筐体(2)と、汚れに対する、具体的には塵に対する障壁として配置された、前記ブレーキユニット筐体(2)に締結された少なくとも1つの弾性保護装置(3)とを含み、前記保護装置(3)は、側面(6)によって接続され、軸方向に交互に配置された、複数の外折り(7)及び内折り(8)を備えた少なくとも1つの軸方向に圧縮可能な蛇腹部(5)を有するブレーキユニット(1)において、前記保護装置(3)が、前記蛇腹領域(5)の軸方向の圧縮寸法を画定して低減するために、少なくとも1つの一体化された支持手段(9)を有することを特徴とする、ブレーキユニット(1)。
【請求項2】
前記支持手段(9)が、前記側面(6)上に配置された、具体的には一体形成された、少なくとも1つの軸方向突起(10)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項3】
前記支持手段(9)が、互いに反対側にあるように位置付けられ、隣接した側面(6、6’)のそれぞれの側面上に互いに向かって配置された、少なくとも2つの軸方向突起(10、10’)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項4】
互いから周方向に離間して位置付けられた複数の軸方向突起(10、10’)は、前記側面(6)上に配置されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項5】
前記軸方向突起(10)が、周方向の周りを走るビードとして形成されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項6】
前記支持手段(9)が、前記蛇腹部(5)の内側に配置されることを特徴とする、請求項1~5の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項7】
前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)に面するそれの端部に、軸方向アンダーカット(13)を形成して前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する締結スタブ(12)上に配置するように構成された締結部(11)を有することを特徴とする、請求項1~6の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項8】
前記アンダーカット(13)が、周半径方向窪み(14)の中に係合する少なくとも1つの半径方向突起(15)によって形成されることを特徴とする、請求項7に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項9】
前記締結部(11)が、遡上傾斜を形成するために、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に漏斗形方式で広がるように構成されることを特徴とする、請求項7又は8に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項10】
前記締結部(11)が、それの半径方向外周上に、互いから周方向に離間して配置された複数の補強リブ(16)を有することを特徴とする、請求項7~9の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項11】
軸方向に配向されたコイルバネ(17)は、前記保護装置(3)内で半径方向に配置され、前記締結部(11)の軸長は、前記コイルバネ(17)の最大巻線距離より大きい構成であることを特徴とする、請求項7~10の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項12】
別個の支持ディスク(18)は、前記保護装置(3)の前記ブレーキユニット筐体(2)と反対側の端部に配置され、支持ディスク(18)の上で、前記ブレーキユニット(1)を作動するための作動部材(4)は、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に軸方向に支持され、コイルバネ(17)は、前記ブレーキユニット筐体(2)と前記支持ディスク(18)との間で締め付けられることを特徴とする、請求項1~11の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項13】
前記外折り(7)及び/又は前記内折り(8)が、一定又は可変の半径を有する丸みを帯びた折り目として形成されることを特徴とする、請求項1~12の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項14】
請求項1~13の少なくとも一項に記載のブレーキユニット(1)のブレーキユニット筐体(2)上に保護装置(3)を装着するための方法であって、
第1のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する接合部に取り付けられ、
第2のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の反対側の前記保護装置(3)の前記端部に加えられる、画定された軸方向に向けられた組立力によって、及び前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に画定された長さだけ移動されるこの端部によって、最終的に組み立てられることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記ブレーキユニット(1)の作動部材(4)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
別個の組立工具(19)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記組立工具(19)からの前記組立力が、前記支持ディスク(18)の中に導入されることを特徴とする、少なくとも請求項12に記載のブレーキユニット(1)と共に使用するための請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記組立工具19が、前記ブレーキユニット1の作動中に作動部材4と共に貫通するように構成された、前記支持ディスク18の開口の中に係合することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項の前文による油圧モータ車両ブレーキシステム用のブレーキユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどのモータ車両ブレーキユニットは、ブレーキユニットの中に入れ込み、その中でピストンに結合される作動部材、具体的にはピストン棒によって作動される。この型の接合部は、汚れ、水分又は塵がその中に堆積し、又はブレーキユニットに入り、その作動を損なうことを防ぐために、環境から注意深く隔離しなければならない。ピストン棒などの作動部材は、作動時に単に並進手法で動かされるだけでなく、同時に容易に回転されるので、摺動シールは、そのような接合部の封止に適さない。加えて、そのような封止要素は、作動部材の表面品質に特に高い要求を課す。
【0003】
実際には、したがって、ブレーキユニット筐体に一端、及び作動部材に別の端部を締結される、ホース状の軸方向に圧縮可能な弾性保護装置を使用するように定着してきた。そのような保護装置が十分な可撓性を有するために、これに蛇腹部を設けることが公知である。
【0004】
汎用のブレーキユニットについては、例えば国際公開第2018/054619A1号パンフレットを参照されたい。
【0005】
しかしながら、そのような薄壁の弾性保護装置の設置は、それらの可撓性に起因する難題をもたらす。保護装置の設置中に軸方向に向けた力を加えると、その変形挙動により、最初の構成の最小の偏向(角度、寸法精度、摩擦係数、その他)によっても大きく影響され、したがって予想が難しい。そのような挙動は、望ましい自動化機能に逆行する。これは、したがって適切な組立を確実にするために手動で行わなければならない。しかし手動操作又は手動作業ステップは、多くの時間を必要とし、結果のばらつきを避けるために追加の制御手段を必要とし、したがって比較的高い組立費用を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
課題は、したがって汎用の保護装置の組立機能を向上し、特に自動化できる組立を実施できる解決策を提案することである。
【0007】
本目的は、請求項1に記載の特徴の組み合わせを有するブレーキユニットによって、本発明により達成される。従属請求項は、本発明の更に有利な実施形態及び発展形態を明記する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの支持手段が保護装置に一体化され、それにより蛇腹領域の軸方向の圧縮を選択的に低減し、蛇腹領域を画定された寸法に限定することを提供する。こうして保護装置は、圧縮を画定された程度に固定され、保護装置により組立力をその軸端部の一端から他端に伝送することが、支持手段を通して可能になる。保護装置の変形挙動は予想可能になる。
【0009】
下に記載された更なる手段は、ブレーキユニット筐体への接合部の設計を追加で最適化し、自動固定機能を実施する。
【0010】
これにより、保護装置の完全な自動装着が可能になり、次いでブレーキユニットの一連の生産の組立ステップを増加した循環頻度で均等な再現可能な実行機能が可能になる。制御手段は、こうして安全性を失うことなく低減し、製造費用を低減することができる。
【0011】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明による一例示的実施形態の以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】公知の不都合な保護装置を備えた汎用のブレーキユニットを示す。
図2】改良された保護装置が装着された非作動状態の一実施形態を軸方向断面で示す。
図3図2による保護装置の外折りを通る断面を示す。
図4】蛇腹部の折り目が弛緩した(a)状態及び軸方向に圧縮した(b)状態の拡大図を示す。
図5】組立工具で装着中の保護装置を示す。
図6】保護装置とブレーキユニット筐体との間の接合部の拡大図を軸方向断面で示す。
図7】保護装置の締結部の補強リブの図を三次元の外観で示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1
例として示された汎用の公知のブレーキユニット1は、その中に配置されたピストン24を備えたブレーキユニット筐体2を有し、ピストン24は、作動部材4により作動方向Bに作動することができる。その部品用の作動部材4は、例えばブレーキペダル(それに結合され、ここでは示されていない)又はアクチュエータによって作動することができる。コイルバネ17は、ブレーキユニット筐体2と作動部材4との間で締め付けられ、そのコイルバネ17は、戻しバネとして作用し、ブレーキ操作が完了後に作動部材4をピストン24と一緒にそれらの元の作動していない開始位置に弛緩方向Lにリセットする。
【0014】
ブレーキユニット筐体2に締結された薄壁の保護装置3は、弾性材料から作成され、作動部材4の一部をコイルバネ17と一緒に包み、ブレーキユニット1の付近の汚れの粒子に対する障壁として働く。これは、例えば汚れ及び塵が、作動部材4とブレーキユニット1との間の接合部又はブレーキユニット1の中に直接入り込んでその機能を損なうことを防ぐ。
【0015】
保護装置3は、作動部材4の作動時に軸方向に圧縮可能でなければならず、このために蛇腹部5を有する。
【0016】
ここに示された公知の保護装置3は、それぞれが対応する形状の端部輪郭を備えた、実質的に長方形に構成された半径方向溝21、21’の中に両端でスナップ留めされ、それによってポジティブロッキング方式で軸方向に固定される。保護装置3が、ブレーキユニット1を作動中に、作動部材4から滑るのを防ぐために、これは、半径方向外方に挿入された補強リング22を追加で具備する。そのような保護装置3をブレーキユニット1上に設置することは、手動でしか行うことができない。
【0017】
図2
図2は、発明的に改良された保護装置3の一実施形態を組み立てた状態の軸方向断面で示す。
【0018】
保護装置3は、弾性材料、好ましくは例えばEPDMなどのエラストマから、実質的に薄壁の手法で生成される。
【0019】
蛇腹部5は、それぞれの場合に軸方向に交互に配置された複数の外折り7、及び丸折りとして形成される内折り8を有する。丸みを帯びた半径が一定であるか又は可変であるかは、ここでは重要ではない。外折り7及び内折り8は、実質的にまっすぐの断面である側面6によって接続される。
【0020】
中実の軸方向突起10又は肥厚部は、側面6の内側に形成される。全ての軸方向突起は、全体が具体的には蛇腹部5の圧縮のストローク又は軸度を所望の寸法に短くする、支持手段9を形成する。
【0021】
支持手段9の作用のモードは、以下で、具体的には図4でより詳細に説明される。
【0022】
本発明の文脈内で、支持手段9は、示されたように内側ではなく、蛇腹部5の外側にも形成することができる。しかし外側は、汚れの堆積の影響をより受けやすく、これは、支持手段9の正しい機能を損なう傾向があり得る。
【0023】
ブレーキユニット筐体2に面するその端部で、締結部11は、保護装置3上に形成され、その締結部11を介して、保護装置3は、軸方向アンダーカット13を形成したブレーキユニット筐体2の対応する締結スタブ12に固定される。
【0024】
締結部11の作用のモードは、以下で、具体的には図6でより詳細に説明される。
【0025】
ブレーキユニット筐体2に対して保護装置3のその反対側の端部に、別個の支持ディスク18が取り付けられる。支持ディスク18は、安定材料、例えば鋼シート又は繊維強化プラスチックから作成され、まず内部戻しバネ12のためのバネカップ又は架台として働く。この場合、支持ディスク18は、作動部材4上の停止部23上に弛緩方向Lに支持される。永久的な安定接続のために、支持ディスク18は、好ましくは保護装置3の弾性材料と少なくとも一部がポジティブロッキング方式でオーバーモールドされるか、又はそれに埋め込まれる。
【0026】
図3
図3は、外折り7を通して図2による蛇腹部5を断面で示す。支持手段9は、互いから周方向にセグメント状方式で離間されるように、側面6の内側に形成された、いくつかのブロック状軸方向突起10、10’、10’’、…の形でここでは設計される。
【0027】
ここに示されていない更なる実施形態では、支持手段9は、上記のようにではなく、多数の短いブロック状の軸方向突起が小さいセグメント方式で構成することができ、ビード状に延在した設計のわずかな軸方向突起のみを周方向に有することができ、又は単一の軸方向突起10は、周方向ビードとして形状することができる。
【0028】
図4
図4は、図2(図a)による作動していない開始位置、及び図5(図b)による圧縮位置における単一の折り目の面積の蛇腹部5を断面で示す。
【0029】
軸方向突起10、10’は、互いに向かって方向付けられた、隣接した側面6、6’の側面上に互いに対向して形成される。蛇腹部5を圧縮すると、保護装置3の一端は、入力力が負荷される。ここでは、折り目7は、軸方向突起10、10’がぶつかるまで屈曲する。これは、蛇腹部5の更なる軸方向の圧縮を防ぎ、入力力は、保護装置3の壁を介して他端に伝送される。折り目の面積の壁は薄く、工程では可撓性のままである。
【0030】
保護装置3の壁の厚さが単純に一般的に増加するのに比べて、本発明に記載された構造に起因していくつかの利点がある。まず蛇腹部5は、通常作動中に低抵抗を発生する。次に折り目7、8の面積の壁の厚さが増加した場合、材料は、曲げている間に伸張及び破砕にはるかに大きい応力を受けるはずであり、長期的な亀裂を形成し、機能の不良をもたらす可能性があるので、保護装置3の耐久性が向上される。
【0031】
図5
図5は、個別の組立工具19を用いて保護装置3をブレーキユニット筐体2上に自動的に組み立てる工程を示す。
【0032】
この目的で、コイルバネ17は、保護装置3の中に押圧され、保護装置3は、その締結部11をブレーキユニット筐体2の締結スタブ上に位置付けられ、その結果、コイルバネ17は、同様にそのブレーキユニット筐体の側座部上に位置付けられる。組立工具19は、保護装置3の反対側の端部に加えられる。この目的で、組立工具19のセルフセンタリングの観点から最適化される手法で円錐に形成された工具の先端は、支持ディスク18の中心開口の中に挿入され、これは作動部材4による作動を通して係合される。
【0033】
組立工具19は、次いで組立力Fでブレーキユニット筐体2の方向に線形に押圧される。組立力Fは、まず支持ディスク18を介してコイルバネ17の中に導入され、その結果、これらは蛇腹部5と一緒に圧縮される。距離が画定された後、支持手段9は、個々の軸方向突起10、10’が互いとぶつかることによって作動され、それによって蛇腹部5の更なる軸方向の圧縮を防ぐ。組立力Fは、次いで保護装置3の壁及び支持手段9の中に導入され、締結部11に伝送され、締結部11は、それによって締結スタブ12の上で押圧され、その上にラッチ係合する。
【0034】
説明を単純にするために、コイルバネ17及び蛇腹部5の圧縮、並びに摩擦及び他の影響から実際にもたらされる組立力Fの力の消失は、ここでは見られないが、組立装置を設計する時に、それを実際に考慮しなければならないはずであることは言うまでもない。
【0035】
組立工具19は、次いでその開始位置に動かされるか、又は取り除かれる。コイルバネ17は、弛緩される時に締結スタブ12から保護装置3を切り離さないことをここで確実にしなければならない。実際に、画定された一実施形態で、締結スタブ12のみの上の保持力が、この目的に十分でない場合、保護装置3の支持ディスクの側端部は、任意選択で適切な手段、例えば外部停止部を用いて、ブレーキユニット筐体2からの距離を画定的に低減して保持され得る。保持は、作動部材4が、ブレーキユニット1内に装着されて固定されるまで維持しなければならない。
【0036】
別の実施形態(図示せず)では、支持手段9は、具体的には別個の組立工具19を省くことができ、保護装置3が作動部材4により直接装着されるように、例えば軸方向突起の高さの画定された設計によって寸法化することができる。組立力Fは、例えばその第1の作動中に、ここでは作動部材4から支持ディスク18の中に導入される。
【0037】
本発明内で、保護装置3は、支持ディスク18、コイルバネ17及び作動部材4と一緒に、予め組み立てられた複合物として提供することができ、これは、次いで単純な線形の押圧運動によりブレーキユニット筐体2の方向に単一の組立ステップで完全な自動方式で最終的に組み立てられる。同時に、作動部材4は、ピストン内にラッチ係合され、保護装置3は、締結スタブ12上にラッチ係合される。この目的で、コイルバネ17及び作動部材4は、支持ディスク18に固定しなければならない。これは、例えばラッチ接続、バネリング、スナップリング及び同種のものなどの一般的な固定手段を使用することによって達成することができる。
【0038】
図6
図6は、保護装置3の締結部11の特別な設計の拡大図を示し、これは、組立中にブレーキユニット筐体2の締結スタブ12上のセルフセンタリング及びセルフラッチ係合を促進し、こうして組立操作の自動機能を単純にする。
【0039】
軸方向の固定は、アンダーカット13によって実行される。アンダーカット13を形成するために、締結部11上に形成された半径方向突起15は、締結スタブ12上に形成された周半径方向窪み14の中に導入される。本発明の範囲内で、半径方向突起15は、周方向襟の一種として、且つ互いから周方向に離間されるいくつかのラッチ係合歯の形で設計することができる。締結スタブ12上に半径方向突起、及び締結部11上に半径方向窪みを備えた、アンダーカット13の反転した設計も、本発明の範囲内であると許容される。
【0040】
締結部11は、半径方向に弾性であり、締結スタブ12より小さい直径に形成され、それにより、軸方向に向けられた組立力Fの作用により、締結スタブ12より半径方向に拡大して軸方向に押圧され、同時に、半径方向突起15が半径方向窪み14にラッチ係合するまで半径方向に締め付けられる。ここでは、組立式半径方向締付力は、保護装置3の粘着を締結スタブ12に軸方向及び周方向の両方で支持し、こうして回転止め安全装置の一種としても働く。
【0041】
組立中の保護装置3のセルフセンタリングを向上し、摺動を向上するために、締結スタブ12は、その半径方向外縁部で先細であり、装着コーン20をそこに形成する。
【0042】
締結部11は、同じ目的でブレーキユニット筐体2の方向に漏斗形の設計からなり、こうして遡上傾斜を形成する。
【0043】
好ましくは、締結部11の軸長は、コイルバネ17の最大巻線距離より大きく設計されるべきである。これは、保護装置3が組立中にコイルバネ17上で確実に摺動し、個々の巻線の間に挟まれないことを確実にする。
【0044】
図7
図7は、上記による好ましい実施形態の締結部11の領域を三次元の外観で示す。互いから周方向に離間して配置された、いくつかの補強リブ16は、締結部11の半径方向外周に形成される。
【0045】
これらは、締結部11の軸方向の剛性を増加する一方で、設置しやすい低い半径方向の剛性を維持し、締結部11は、締結スタブ12の上に押圧されて装着された時に軸方向に圧縮しないことを確実にし、それによって保護装置3がブレーキユニット筐体2に適切に固定されるのを防ぐ。
【0046】
締結部11と締結スタブ12との間の接触面積における摺動特性を向上するために潤滑油を使用する時、補強リブ16を省くことも本発明の範囲内で考えられるはずである。
【符号の説明】
【0047】
1 ブレーキユニット
2 ブレーキユニット筐体
3 保護装置
4 作動部材
5 蛇腹部
6 側面
7 外折り
8 内折り
9 支持手段
10 軸方向突起
11 締結部
12 締結スタブ
13 アンダーカット
14 窪み
15 半径方向突起
16 補強リブ
17 コイルバネ
18 支持ディスク
19 組立工具
20 装着コーン
21 溝
22 補強リング
23 停止部
B 作動方向
F 組立力
L 弛緩方向
図1
図2
図3
図4a)】
図4b)】
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
締結部11と締結スタブ12との間の接触面積における摺動特性を向上するために潤滑油を使用する時、補強リブ16を省くことも本発明の範囲内で考えられるはずである。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.モータ車両ブレーキシステム用のブレーキユニット(1)であって、少なくとも1つのブレーキユニット筐体(2)と、汚れに対する、具体的には塵に対する障壁として配置された、前記ブレーキユニット筐体(2)に締結された少なくとも1つの弾性保護装置(3)とを含み、前記保護装置(3)は、側面(6)によって接続され、軸方向に交互に配置された、複数の外折り(7)及び内折り(8)を備えた少なくとも1つの軸方向に圧縮可能な蛇腹部(5)を有するブレーキユニット(1)において、前記保護装置(3)が、前記蛇腹領域(5)の軸方向の圧縮寸法を画定して低減するために、少なくとも1つの一体化された支持手段(9)を有することを特徴とする、ブレーキユニット(1)。
2.前記支持手段(9)が、前記側面(6)上に配置された、具体的には一体形成された、少なくとも1つの軸方向突起(10)を含むことを特徴とする、上記1.に記載のブレーキユニット(1)。
3.前記支持手段(9)が、互いに反対側にあるように位置付けられ、隣接した側面(6、6’)のそれぞれの側面上に互いに向かって配置された、少なくとも2つの軸方向突起(10、10’)を含むことを特徴とする、上記2.に記載のブレーキユニット(1)。
4.互いから周方向に離間して位置付けられた複数の軸方向突起(10、10’)は、前記側面(6)上に配置されることを特徴とする、上記2.又は3.に記載のブレーキユニット(1)。
5.前記軸方向突起(10)が、周方向の周りを走るビードとして形成されることを特徴とする、上記2.又は3.に記載のブレーキユニット(1)。
6.前記支持手段(9)が、前記蛇腹部(5)の内側に配置されることを特徴とする、上記1.~5.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
7.前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)に面するそれの端部に、軸方向アンダーカット(13)を形成して前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する締結スタブ(12)上に配置するように構成された締結部(11)を有することを特徴とする、上記1.~6.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
8.前記アンダーカット(13)が、周半径方向窪み(14)の中に係合する少なくとも1つの半径方向突起(15)によって形成されることを特徴とする、上記7.に記載のブレーキユニット(1)。
9.前記締結部(11)が、遡上傾斜を形成するために、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に漏斗形方式で広がるように構成されることを特徴とする、上記7.又は8.に記載のブレーキユニット(1)。
10.前記締結部(11)が、それの半径方向外周上に、互いから周方向に離間して配置された複数の補強リブ(16)を有することを特徴とする、上記7.~9.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
11.軸方向に配向されたコイルバネ(17)は、前記保護装置(3)内で半径方向に配置され、前記締結部(11)の軸長は、前記コイルバネ(17)の最大巻線距離より大きい構成であることを特徴とする、上記7.~10.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
12.別個の支持ディスク(18)は、前記保護装置(3)の前記ブレーキユニット筐体(2)と反対側の端部に配置され、支持ディスク(18)の上で、前記ブレーキユニット(1)を作動するための作動部材(4)は、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に軸方向に支持され、コイルバネ(17)は、前記ブレーキユニット筐体(2)と前記支持ディスク(18)との間で締め付けられることを特徴とする、上記1.~11.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
13.前記外折り(7)及び/又は前記内折り(8)が、一定又は可変の半径を有する丸みを帯びた折り目として形成されることを特徴とする、上記1.~12.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)。
14.上記1.~13.の少なくとも一つに記載のブレーキユニット(1)のブレーキユニット筐体(2)上に保護装置(3)を装着するための方法であって、
第1のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する接合部に取り付けられ、
第2のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の反対側の前記保護装置(3)の前記端部に加えられる、画定された軸方向に向けられた組立力によって、及び前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に画定された長さだけ移動されるこの端部によって、最終的に組み立てられることを特徴とする、方法。
15.前記ブレーキユニット(1)の作動部材(4)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、上記14.に記載の方法。
16.別個の組立工具(19)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、上記14.に記載の方法。
17.前記組立工具(19)からの前記組立力が、前記支持ディスク(18)の中に導入されることを特徴とする、少なくとも請求項12に記載のブレーキユニット(1)と共に使用するための上記16.に記載の方法。
18.前記組立工具19が、前記ブレーキユニット1の作動中に作動部材4と共に貫通するように構成された、前記支持ディスク18の開口の中に係合することを特徴とする、上記17.に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ車両ブレーキシステム用のブレーキユニット(1)であって、少なくとも1つのブレーキユニット筐体(2)と、汚れに対する、具体的には塵に対する障壁として配置された、前記ブレーキユニット筐体(2)に締結された少なくとも1つの弾性保護装置(3)とを含み、前記保護装置(3)は、側面(6)によって接続され、軸方向に交互に配置された、複数の外折り(7)及び内折り(8)を備えた少なくとも1つの軸方向に圧縮可能な蛇腹部(5)を有するブレーキユニット(1)において、前記保護装置(3)が、前記蛇腹領域(5)の軸方向の圧縮寸法を画定して低減するために、少なくとも1つの一体化された支持手段(9)を有することを特徴とする、ブレーキユニット(1)。
【請求項2】
前記支持手段(9)が、前記側面(6)上に配置された、具体的には一体形成された、少なくとも1つの軸方向突起(10)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項3】
前記支持手段(9)が、互いに反対側にあるように位置付けられ、隣接した側面(6、6’)のそれぞれの側面上に互いに向かって配置された、少なくとも2つの軸方向突起(10、10’)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項4】
互いから周方向に離間して位置付けられた複数の軸方向突起(10、10’)は、前記側面(6)上に配置されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項5】
前記軸方向突起(10)が、周方向の周りを走るビードとして形成されることを特徴とする、請求項2又は3に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項6】
前記支持手段(9)が、前記蛇腹部(5)の内側に配置されることを特徴とする、請求項1~いずれか一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項7】
前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)に面するそれの端部に、軸方向アンダーカット(13)を形成して前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する締結スタブ(12)上に配置するように構成された締結部(11)を有することを特徴とする、請求項1~いずれか一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項8】
前記アンダーカット(13)が、周半径方向窪み(14)の中に係合する少なくとも1つの半径方向突起(15)によって形成されることを特徴とする、請求項7に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項9】
前記締結部(11)が、遡上傾斜を形成するために、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に漏斗形方式で広がるように構成されることを特徴とする、請求項7に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項10】
前記締結部(11)が、それの半径方向外周上に、互いから周方向に離間して配置された複数の補強リブ(16)を有することを特徴とする、請求項7に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項11】
軸方向に配向されたコイルバネ(17)は、前記保護装置(3)内で半径方向に配置され、前記締結部(11)の軸長は、前記コイルバネ(17)の最大巻線距離より大きい構成であることを特徴とする、請求項7に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項12】
別個の支持ディスク(18)は、前記保護装置(3)の前記ブレーキユニット筐体(2)と反対側の端部に配置され、支持ディスク(18)の上で、前記ブレーキユニット(1)を作動するための作動部材(4)は、前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に軸方向に支持され、コイルバネ(17)は、前記ブレーキユニット筐体(2)と前記支持ディスク(18)との間で締め付けられることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項13】
前記外折り(7)及び/又は前記内折り(8)が、一定又は可変の半径を有する丸みを帯びた折り目として形成されることを特徴とする、請求項1~いずれか一項に記載のブレーキユニット(1)。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか一項に記載のブレーキユニット(1)のブレーキユニット筐体(2)上に保護装置(3)を装着するための方法であって、
第1のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の対応する接合部に取り付けられ、
第2のステップでは、前記保護装置(3)が、前記ブレーキユニット筐体(2)の反対側の前記保護装置(3)の前記端部に加えられる、画定された軸方向に向けられた組立力によって、及び前記ブレーキユニット筐体(2)の方向に画定された長さだけ移動されるこの端部によって、最終的に組み立てられることを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記ブレーキユニット(1)の作動部材(4)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
別個の組立工具(19)からの前記組立力が、前記保護装置(3)の中に導入されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記組立工具(19)からの前記組立力が、前記支持ディスク(18)の中に導入されることを特徴とする、請求項12に記載のブレーキユニット(1)と共に使用するための請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記組立工具19が、前記ブレーキユニット1の作動中に作動部材4と共に貫通するように構成された、前記支持ディスク18の開口の中に係合することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】