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特表2024-541128硬化性組成物、保護フィルム、光学素子及び液晶ディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-07
(54)【発明の名称】硬化性組成物、保護フィルム、光学素子及び液晶ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20241030BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20241030BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241030BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20241030BHJP
   C09J 7/40 20180101ALI20241030BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20241030BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20241030BHJP
   C09D 183/05 20060101ALI20241030BHJP
   C09D 183/07 20060101ALI20241030BHJP
   C08K 5/07 20060101ALI20241030BHJP
   G02F 1/13363 20060101ALI20241030BHJP
【FI】
C08L83/04
G02B5/30
G02F1/1335 510
C09J7/38
C09J7/40
B32B27/00 101
B32B27/30 A
C09D183/05
C09D183/07
C08K5/07
G02F1/13363
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513952
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2022016430
(87)【国際公開番号】W WO2023101220
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0170634
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0138592
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン チェオル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウー イェオン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジャエ スン
【テーマコード(参考)】
2H149
2H291
4F100
4J002
4J004
4J038
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149FA12Z
2H149FB01
2H291FA32
2H291FA40
2H291FA94
2H291FB03
2H291FB04
2H291HA06
2H291HA11
2H291HA15
2H291JA01
4F100AB24A
4F100AK25A
4F100AK52A
4F100AT00B
4F100BA03
4F100BA07
4F100CA16C
4F100CB05C
4F100GB41
4F100JA07A
4F100JB12A
4F100JK06
4F100JK06A
4F100JL08A
4F100JL13C
4F100JL14
4F100JL14A
4F100YY00A
4J002CP042
4J002CP091
4J002CP131
4J002EH076
4J002GF00
4J002GP00
4J004AA10
4J004AB01
4J004BA02
4J004CA06
4J004CB03
4J004DA04
4J004DB02
4J004FA04
4J038DL041
4J038DL042
4J038DL111
4J038JC38
4J038KA04
4J038KA06
4J038MA14
4J038NA10
(57)【要約】
【要約】
本出願は、適切な離型剥離力及び残留接着率を有する硬化物を形成し、粘着剤層を形成する粘着剤組成物を熱またはエネルギー線による硬化過程がなくても硬化させる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオルガノシロキサン成分及びレドックス(redox)触媒を含み、
アクリル組成物を硬化させることができ、
下記一般式2による未反応物含量(T)が60%以下を満たし、前記アクリル組成物の硬化物は、PETフィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した25℃離型剥離力が50gf/inch(19.3kg/s)以下を満たす、硬化性組成物。
[一般式2]
=100×(W-W)/W
一般式2において、Wは、前記アクリル組成物を25℃で12時間または20時間硬化させた硬化物の初期重量であり、Wは、前記初期重量を測定したアクリル組成物の硬化物を150℃のオーブンで1時間保管後のアクリル組成物の硬化物の後重量を意味する。
【請求項2】
ポリオルガノシロキサン成分が、下記化学式1で表される第1のポリオルガノシロキサン成分を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
[化学式1]
【化1】
化学式1において、
、R及びR10は、それぞれ独立して炭素数2~20のアルケニル基、イソシアネート基またはアミン基であり、
、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、イソシアネート基またはアミン基であり、
m及びnは、それぞれ独立して1~10,000の範囲内の数である。
【請求項3】
第1のポリオルガノシロキサン成分をポリオルガノシロキサン成分の全重量に対して70重量%以上で含み、前記第1のポリオルガノシロキサン成分は、100,000~1,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量(M)を有する、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
ポリオルガノシロキサン成分は、下記化学式2で表される第2のポリオルガノシロキサン成分を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
[化学式2]
【化2】
化学式2において、
11~R19は、それぞれ独立して炭素数1~20のアルキル基であり、
a及びbは、それぞれ独立して1~10,000の範囲内の数である。
【請求項5】
第2のポリオルガノシロキサン成分が、1,000~50,000g/molの範囲内の重量平均分子量(M)を有する、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
レドックス触媒は、ナフテネート(naphtenate)金属塩、アセテート水和(acetate hydrate)金属塩、アルカノエート(alkanoate)金属塩、硫酸水和(sulfate hydrate)金属塩、アセチルアセトネート(acetylacetonate)金属塩、ハロゲン化(halogenide)金属塩及びアルコキシド(alkoxide)金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
レドックス触媒をポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.01~80重量部の範囲内で含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
白金触媒をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
レドックス触媒を第1のポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.01~80重量部の範囲内で含む、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
アクリル組成物を熱またはエネルギー線を照射することなく硬化させる硬化物を形成する、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
アクリル組成物はアクリル化合物を含み、
前記アクリル化合物は、アルキル基を含有する(メタ)アクリレート及びヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートを含む、請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
アクリル組成物の硬化物は、下記一般式1の残留接着率(A)が80%以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
[一般式1]
残留接着率(A)=A/A×100(%)
一般式1において、Aは、PET(polyethylene terephthalate)フィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記アクリル組成物の硬化物の25℃離型剥離力であり、Aは、前記Aを測定した後、再び前記PETフィルムの界面に付着し、180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記アクリル組成物の硬化物の25℃離型剥離力である。
【請求項13】
基材フィルム、粘着剤層及び離型層を含み、
前記離型層は、請求項1に記載の硬化性組成物の硬化物を含む、保護フィルム。
【請求項14】
請求項13に記載の保護フィルムが一面または両面に付着された光学素子。
【請求項15】
請求項14に記載の光学素子が液晶パネルの一面または両面に付着されている、液晶ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、硬化性組成物、保護フィルム、光学素子及び液晶ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイを構成する素材である偏光板及び位相差板などの光学素材の製造工程においては、前記光学素材の表面を保護するための表面保護フィルムが接合される。表面保護フィルムは、光学素材を製造する工程でのみ使用され、光学素材を液晶ディスプレイに付着する際に光学素材から剥離して除去される。
【0003】
一般に表面保護フィルムは、光学的に透明性を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂フィルムの一面に粘着剤層が形成されており、前記粘着剤層を保護するために離型フィルムが前記粘着剤層上に接合された形態を有している。このような表面保護フィルムの例示としては、特許文献1(大韓民国公開特許公報第10-2016-0143501号)が知られている。
【0004】
このように前記離型フィルムは、粘着剤層を保護しながらコーティング基材などの用途として使用されることが一般的であった。
【0005】
一方、前記表面保護フィルムの粘着剤層は、一般にアクリル化合物を含むアクリル組成物から製造されるが、前記アクリル組成物に熱またはエネルギー線によって硬化反応を発生させる化合物を含み、条件に応じて適切な熱またはエネルギー線照射により前記アクリル組成物を硬化して形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2016-0105354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、適切な離型剥離力及び残留接着率を有する硬化物を形成できる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本出願は、粘着剤層を形成するアクリル組成物を熱またはエネルギー線による硬化過程がなくても硬化させる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願で言及する物性のうち、測定温度がその物性に影響を及ぼす場合、特に規定しない限り、当該物性は、常温で測定した物性である。また、特に規定しない限り、温度の単位は、摂氏(℃)である。
【0010】
本出願で使用する用語の常温とは、加熱または冷却されていない自然のままの温度であり、例えば、10℃~30℃の範囲内のいずれかの温度、例えば、約15℃以上、約18℃以上、約20℃以上、約23℃以上、約27℃以下または25℃の温度を意味しうる。
【0011】
本出願で使用する用語のa~bは、a及びbを含みながらaとbの間の範囲内を意味する。例えば、a~b重量部で含むとは、a~b重量部の範囲内で含むという意味と同じである。
【0012】
本出願で使用する用語の相対湿度(relative humidity)は、単位体積の空気が最大に含有できる飽和水蒸気圧に対する単位体積の現在の空気が含有する水蒸気量の割合を百分率(%)で表したものであり、RH%と表記できる。
【0013】
本出願で使用する用語の重量平均分子量(M)及び数平均分子量(M)は、GPC(Gel premeation chromatography)を使用して測定してもよく、具体的には、下記物性測定方法によって測定してもよい。また、本出願で使用する用語の多分散指数(PDI,polydisersity index)は重量平均分子量(M)を数平均分子量(M)で割った値(M/M)であり、重合体の分子量の分布を意味する。具体的には、前記数平均分子量(M)及び重量平均分子量(M)は、20mLバイアル(vial)に分析対象を入れ、約20mg/mLの濃度になるようにTHF(tetrahydrofuran)溶剤に希釈させた後、Calibration用標準試料と分析しようとする試料をsyringe filter(pore size:0.2μm)を通じて濾過させた後に測定してもよい。また、分析プログラムは、Agilent technologies社のChemStationを使用してもよく、試料のelution timeをcalibration curveと比較して数平均分子量(M)及び重量平均分子量(M)を求めることができる。ここで、多分散指数(PDI)は、前記測定された重量平均分子量(M)を数平均分子量(M)で割った値であってもよい。
【0014】
<GPC測定条件>
機器:Agilent technologies社の1200series
カラム:Agilent technologies社のTL Mix.A&B使用
溶媒:THF
カラム温度:40℃
サンプル濃度:20mg/mL、10μl注入
標準試料としてMP:364000、91450、17970、4910、1300使用
【0015】
本出願で使用する用語の置換とは、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば特に限定されず、2つ以上置換される場合には、前記置換基が互いに同一でも異なっていてもよい。
【0016】
本出願で使用する用語の置換基(substituent)とは、炭化水素の母体鎖状の1つ以上の水素原子を置き換える原子または原子団を意味する。また、置換基は以下に説明するがこれに限定されるものではなく、前記置換基は、本出願に特に記載がない限り、以下に説明する置換基にさらに置換されるか、またはいかなる置換基に置換されなくてもよい。
【0017】
本出願で使用する用語のアルキル基またはアルキレン基は、特に記載がない限り、炭素数1~20、炭素数1~16、または炭素数1~12、または炭素数1~8、または炭素数1~6の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキレン基であるか、または炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルキル基またはアルキレン基であってもよい。ここで、環状アルキル基またはアルキレン基は、環構造のみを有するアルキル基またはアルキレン基及び環構造を含むアルキル基またはアルキレン基も含む。例えば、シクロヘキシル基とメチルシクロヘキシル基は、いずれも環状アルキル基に該当する。また、例えば、アルキル基またはアルキレン基は、具体的には、メチル(レン)、エチル(レン)、n-プロピル(レン)、イソプロピル(レン)、n-ブチル(レン)、イソブチル(レン)、tert-ブチル(レン)、sec-ブチル(レン)、1-メチル-ブチル(レン)、1-エチル-ブチル(レン)、n-ペンチル(レン)、イソペンチル(レン)、ネオペンチル(レン)、tert-ペンチル(レン)、n-ヘキシル(レン)、1-メチルペンチル(レン)、2-メチルペンチル(レン)、4-メチル-2-ペンチル(レン)、3,3-ジメチルブチル(レン)、2-エチルブチル(レン)、n-ヘプチル(レン)、1-メチルヘキシル(レン)、n-オクチル(レン)、tert-オクチル(レン)、1-メチルヘプチル(レン)、2-エチルヘキシル(レン)、2-プロピルペンチル(レン)、n-ノニル(レン)、2,2-ジメチルヘプチル(レン)、1-エチルプロピル(レン)、1,1-ジメチルプロピル(レン)、イソヘキシル(レン)、2-メチルペンチル(レン)、4-メチルヘキシル(レン)、5-メチルヘキシル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、シクロアルキル基またはシクロアルキレン基は、具体的には、シクロプロピル(レン)、シクロブチル(レン)、シクロペンチル(レン)、3-メチルシクロペンチル(レン)、2,3-ジメチルシクロペンチル(レン)、シクロヘキシル(レン)、3-メチルシクロヘキシル(レン)、4-メチルシクロヘキシル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキシル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキシル(レン)、シクロヘプチル(レン)、シクロオクチル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0018】
本明細書で使用される用語のアルケニル基またはアルケニレン基は、特に記載がない限り、炭素数2~20、または炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の非環状アルケニル基またはアルケニレン基、炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルケニル基またはアルケニレン基であってもよい。ここで、環構造のアルケニル基またはアルケニレン基を含むと、環状アルケニル基またはアルケニレン基に該当する。また、例えば、エテニル(レン)、n-プロペニル(レン)、イソプロフェニル(レン)、n-ブテニル(レン)、イソブテニル(レン)、tert-ブテニル(レン)、sec-ブテニル(レン)、1-メチル-ブテニル(レン)、1-エチル-ブテニル(レン)、n-ペンテニル(レン)、イソペンテニル(レン)、ネオペンテニル(レン)、tert-ペンテニル(レン)、n-ヘキセニル(レン)、1-メチルペンテニル(レン)、2-メチルペンテニル(レン)、4-メチル-2-ペンテニル(レン)、3,3-ジメチルブテニル(レン)、2-エチルブテニル(レン)、n-ヘプテニル(レン)、1-メチルヘキセニル(レン)、n-オクテニル(レン)、tert-オクテニル(レン)、1-メチルヘプテニル(レン)、2-エチルヘキセニル(レン)、2-プロピルペンテニル(レン)、n-ノニレンニル(レン)、2,2-ジメチルヘプテニル(レン)、1-エチルプロフェニル(レン)、1,1-ジメチルプロフェニル(レン)、イソヘキセニル(レン)、2-メチルペンテニル(レン)、4-メチルヘキセニル(レン)、5-メチルヘキセニル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、シクロアルケニル基またはシクロアルケニレン基は、具体的には、シクロプロフェニル(レン)、シクロブテニル(レン)、シクロペンテニル(レン)、3-メチルシクロペンテニル(レン)、2,3-ジメチルシクロペンテニル(レン)、シクロヘキセニル(レン)、3-メチルシクロヘキセニル(レン)、4-メチルシクロヘキセニル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキセニル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキセニル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキセニル(レン)、シクロヘプテニル(レン)、シクロオクテニル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0019】
本明細書で使用される用語のアルキニル基またはアルキニレン基は、特に記載がない限り、炭素数2~20、または炭素数2~16、または炭素数2~12、または炭素数2~8、または炭素数2~6の直鎖または分岐鎖の非環状アルキニル基またはアルキニレン基であるか、または炭素数3~20、または炭素数3~16、または炭素数3~12、または炭素数3~8、または炭素数3~6の環状アルキニル基またはアルキニレン基であってもよい。ここで、環構造のアルキニル基またはアルキニレン基を含むと、環状アルキニル基またはアルキニレン基に該当する。また、例えば、エチニル(レン)、n-プロフィニル(レン)、イソプロフィニル(レン)、n-ブチニル(レン)、イソブチニル(レン)、tert-ブチニル(レン)、sec-ブチニル(レン)、1-メチル-ブチニル(レン)、1-エチル-ブチニル(レン)、n-ペンチニル(レン)、イソペンチニル(レン)、ネオペンチニル(レン)、tert-ペンチニル(レン)、n-ヘキシニル(レン)、1-メチルペンチニル(レン)、2-メチルペンチニル(レン)、4-メチル-2-ペンチニル(レン)、3,3-ジメチルブチニル(レン)、2-エチルブチニル(レン)、n-ヘプチニル(レン)、1-メチルヘキシニル(レン)、n-オクチニル(レン)、tert-オクチニル(レン)、1-メチルヘプチニル(レン)、2-エチルヘキシニル(レン)、2-プロピルペンチニル(レン)、n-ノニニル(レン)、2,2-ジメチルヘプチニル(レン)、1-エチルプロフィニル(レン)、1,1-ジメチルプロフィニル(レン)、イソヘキシニル(レン)、2-メチルペンチニル(レン)、4-メチルヘキシニル(レン)、5-メチルヘキシニル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、シクロアルキニル基またはシクロアルキニレン基は、具体的には、シクロプロフィニル(レン)、シクロブチニル(レン)、シクロペンチニル(レン)、3-メチルシクロペンチニル(レン)、2,3-ジメチルシクロペンチニル(レン)、シクロヘキシニル(レン)、3-メチルシクロヘキシニル(レン)、4-メチルシクロヘキシニル(レン)、2,3-ジメチルシクロヘキシニル(レン)、3,4,5-トリメチルシクロヘキシニル(レン)、4-tert-ブチルシクロヘキシニル(レン)、シクロヘプチニル(レン)、シクロオクチニル(レン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0020】
前記アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基、アルキニレン基は、任意に1つ以上の置換基により置換されていてもよい。この場合、置換基としては、ハロゲン(クロリン(Cl)、ヨーディン(I)、ブロミン(Br)、フルオリン(F))、アリール基、ヘテロアリール基、エポキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボニル基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0021】
本出願で使用する用語のアリール基とは、芳香族炭化水素環から1つの水素が除去された芳香族環を意味し、前記芳香族炭化水素環は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記アリール基は、炭素数を特に限定しないが、特に記載がない限り、炭素数6~30、炭素数6~26、または炭素数6~22、または炭素数6~20、または炭素数6~18、または炭素数6~15のアリールであってもよい。また、本出願で使用する用語のアリーレン基とは、アリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、前述のアリール基の説明を適用してもよい。前記アリール基としては、例えば、フェニル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基(xylyl group)またはナフチル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本出願で使用する用語のヘテロアリール基とは、炭素ではない異種原子を少なくとも1つ含む芳香族環で、具体的には、前記異種原子は、窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、セレン(Se)及びテレニウム(Te)からなる群から選ばれる原子を1つ以上含んでもよい。このとき、ヘテロアリール基の環構造を構成する原子を還原子と呼ぶこともある。また、ヘテロアリール基は、単環式または多環式環を含んでもよい。前記ヘテロアリール基は、炭素数を特に限定しないが、特に記載がない限り、炭素数2~30、または炭素数2~26、または炭素数2~22、または炭素数2~20、または炭素数2~18、または炭素数2~15のヘテロアリール基であってもよい。他の例において、ヘテロアリール基は還原子数を特に限定しないが、還原子数が5~30、5~25、5~20、5~15、5~10または5~8のヘテロアリール基であってもよい。前記ヘテロアリール基は、例えば、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、アクリジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリニル基、インドール基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ジベンゾフラン基、ベンゾシロール基、ジベンゾシロール基、フェナントロリニル基(phenanthrolinyl group)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、フェノキサジン基及びこれらの縮合構造などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0023】
また、本出願で使用する用語のヘテロアリーレン基とは、ヘテロアリール基に結合位置が2つあること、すなわち、2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、前述したヘテロアリール基の説明が適用されてもよい。
【0024】
前記アリール基またはヘテロアリール基は、任意に1つ以上の置換基により置換されていてもよい。この場合、置換基としては、ハロゲン(クロリン(Cl)、ヨーディン(I)、ブロミン(Br)、フルオリン(F))、アリール基、ヘテロアリール基、エポキシ基、アルコキシ基、シアノ基、カルボキシル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボニル基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0025】
本出願の一例による硬化性組成物は、ポリオルガノシロキサン成分及びレドックス(redox)触媒を含んでもよい。
【0026】
本出願で使用する用語の硬化性組成物は、硬化反応や重合反応を経て樹脂に変換できる成分はもちろん、一般に樹脂として知られている成分を含んでもよい。また、前記硬化性組成物は、それ自体として接着または粘着性能を有していてもよく、硬化反応などのような反応を経て接着または粘着性能を有してもよい。
【0027】
また、前記硬化性組成物は、溶剤型硬化性組成物、水系硬化性組成物または無溶剤型硬化性組成物であってもよい。
【0028】
また、前記硬化性組成物は、活性エネルギー線(例えば、紫外線)硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または常温硬化型であってもよい。硬化性組成物が活性エネルギー線硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、紫外線などの活性エネルギー線照射により行われ、湿気硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、適切な湿気下で保持する方式により行われ、熱硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、適切な熱を印加する方式により行われ、または常温硬化型の場合、前記硬化性組成物の硬化は、常温で硬化性組成物を保持する方式により行われてもよい。
【0029】
本出願の一例による硬化性組成物は、アクリル組成物を硬化させることができる。また、前記硬化性組成物は、前記アクリル組成物を熱やエネルギー線の照射がなくても硬化させて硬化物を形成しうる。
【0030】
本出願で使用する用語のアクリル組成物は、アクリル化合物を全重量に対して55重量%以上、55重量%以上、65重量%以上、75重量%以上、85重量%以上、95重量%以上または99重量%以上であるか、または100重量%で含む組成物を意味しうる。
【0031】
また、本出願で使用する用語のアクリル化合物(または(メタ)アクリレート)は、アクリレート及びメタクリレートを含む用語であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体またはメタクリル酸の誘導体を意味する。
【0032】
本出願で使用する用語のアクリル化合物(または(メタ)アクリレート)は、下記化学式Aで表される化合物で表すことができる。
【0033】
[化学式A]
【化1】
【0034】
前記化学式AにおいてRは、水素または炭素数1~20のアルキル基であってもよい。また、Rは、水素またはハロゲン(フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ヨーディン(I)、ブロモ(Br))、前述の置換基に置換または非置換のアルキル基、前述の置換基に置換または非置換のアルケニル基、前述の置換基に置換または非置換のアルキニル基、前述の置換基に置換または非置換のアリール基、前述の置換基に置換または非置換のヘテロアリール基またはヒドロキシ基であってもよい。
【0035】
化学式Aにおいて、Rが水素であり、Rが水素である場合、アクリル酸(acrylic acid)であり、Rがメチル基であり、Rが水素である場合、メタクリル酸(metacrylic acid)である。
【0036】
また、化学式Aにおいて、Rが水素であり、Rが水素でない場合、アクリル酸誘導体であり、Rがメチル基であり、Rが水素でない場合、メタクリル酸誘導体である。
【0037】
化学式Aの化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートを含むアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びノニルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレートを含むアリール(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、プロプロキシメチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、オキシランイル(メタ)アクリレート、オキセタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフランイル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ-2H-ピランイル(メタ)アクリレート、オキシランイルメチル(メタ)アクリレート(またはグリシジル(メタ)アクリレート)、オキセタニルエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフランイルメチル(メタ)アクリレート(または、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート)を含むエーテル系(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2-ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アルキルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリルレート、アルキルオキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートを含むヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0038】
本出願の一例による硬化性組成物は、ポリオルガノシロキサン成分を全重量に対して50重量%以上、52重量%以上、54重量%以上、56重量%以上、58重量%以上、60重量%以上、62重量%以上、64重量%以上、66重量%以上または68重量%以上であるか、または95重量%以下、94重量%以下、93重量%以下または92重量%以下で含んでもよい。前記ポリオルガノシロキサン成分を前記範囲内で含む場合には、適切な離型剥離力はもちろん、優れた残留接着率を確保しうる。
【0039】
本出願の一例による硬化性組成物において、ポリオルガノシロキサン成分は、下記化学式1で表される第1のポリオルガノシロキサン成分を含んでもよい。前記硬化性組成物は、下記化学式1で表される第1のポリオルガノシロキサン成分を含むことにより、適切な離型剥離力はもちろん、優れた残留接着率を確保しうる。
【0040】
[化学式1]
【化2】
【0041】
化学式1において、R、R及びR10は、それぞれ独立して炭素数2~20、炭素数2~18、炭素数2~16、炭素数2~14、炭素数2~12、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数2~6または炭素数2~4のアルケニル基、イソシアネート基、またはアミン基であってもよい。化学式1で表される第1のポリオルガノシロキサン成分は、少なくとも3つの官能基をアルケニル基、イソシアネート基またはアミン基とすることで、優れたレベルの硬化特性を確保しうる。
【0042】
化学式1において、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1~20、炭素数1~18、炭素数1~16、炭素数1~14、炭素数1~12、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4または炭素数1~3のアルキル基、炭素数2~20、炭素数2~18、炭素数2~16、炭素数2~14、炭素数2~12、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数2~6または炭素数2~4のアルケニル基、イソシアネート基またはアミン基であってもよい。
【0043】
また、化学式1において、m及びnは、それぞれ独立して1~10,000、1~8,000、1~6,000、1~4,000、1~3,000、1~2,000または1~1,000の範囲内の数であってもよい。また、具体的には、化学式1において、mは、1~5,000、10~4,500、50~5,000、100~4,500、500~4,000または1,000~3,000の範囲内であってもよい。また、化学式1において、nは、1~100、2~75、3~50または4~25の範囲内であってもよい。
【0044】
本出願の一例による硬化性組成物の第1のポリオルガノシロキサン成分は、重量平均分子量が100,000g/mol以上、125,000g/mol以上、150,000g/mol以上、175,000g/mol以上、200,000g/mol以上、225,000g/mol以上、250,000g/mol以上、275,000g/mol以上または300,000g/mol以上であるか、または1,000,000g/mol以下、950,000g/mol以下、900,000g/mol以下、850,000g/mol以下、800,000g/mol以下、750,000g/mol以下、700,000g/mol以下、650,000g/mol以下、600,000g/mol以下、550,000g/mol以下、500,000g/mol以下、450,00g/mol以下または400,000g/mol以下であってもよい。前記第1のポリオルガノシロキサン成分が前記範囲内の重量平均分子量を有する場合には、適切な粘度を確保しうるため、優れたコーティング性を確保しうる。
【0045】
本出願の一例による硬化性組成物の第1のポリオルガノシロキサン成分は、多分散指数(PDI)が1~5、1.25~3.5または1.5~2.5の範囲内であってもよい。前記第1のポリオルガノシロキサン成分が前記範囲内の多分散指数を有していない場合には、所望の重量平均分子量に比べて分子量の小さい成分の含量が増加し、硬化物の物性低下問題が発生しうる。
【0046】
本出願の一例による硬化性組成物において、ポリオルガノシロキサン成分は、第1のポリオルガノシロキサン成分を前記ポリオルガノシロキサン成分の全重量に対して70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上または95重量%以上であるか、または99.9重量%以下、99重量%以下または98重量%以下で含んでもよい。前記第1のポリオルガノシロキサン成分を前記範囲内で含む場合には、適切な離型剥離力はもちろん、優れた残留接着率を確保しうる。
【0047】
本出願の一例による硬化性組成物において、ポリオルガノシロキサン成分は、下記化学式2で表される第2のポリオルガノシロキサン成分を含んでもよい。前記硬化性組成物は、下記化学式2で表される第2のポリオルガノシロキサン成分を含むことにより、架橋密度を向上させて優れた耐久性を確保しうる。
【0048】
[化学式2]
【化3】
【0049】
化学式2においてR11~R19は、それぞれ独立して炭素数1~20、炭素数1~18、炭素数1~16、炭素数1~14、炭素数1~12、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4または炭素数1~3のアルキル基であってもよい。
【0050】
また、化学式2において、a及びbは、それぞれ独立して1~10,000、1~8,000、1~6,000、1~4,000、1~3,000、1~2,000または1~1,000の範囲内の数であってもよい。また、具体的には、化学式2において、a及びbは、それぞれ独立して2~500、5~250、10~200、15~150、20~100または25~50の範囲内であってもよい。
【0051】
本出願の一例による硬化性組成物の第2のポリオルガノシロキサン成分は、重量平均分子量が1,000g/mol以上、1,500g/mol以上、2,000g/mol以上、2,500g/mol以上、3,000g/mol以上、3,500g/mol以上、4,000g/mol以上、4,500g/mol以上、5,000g/mol以上、5,500g/mol以上、6,000g/mol以上、6,500g/mol以上、7,000g/mol以上、7,500g/mol以上または8,000g/mol以上であるか、または50,000g/mol以下、45,000g/mol以下、40,000g/mol以下、35,000g/mol以下、30,000g/mol以下、25,000g/mol以下、20,000g/mol以下、15,000g/mol以下または12,000g/mol以下であってもよい。前記第2のポリオルガノシロキサン成分が前記範囲内の重量平均分子量を有する場合には、優れた硬化性を確保しうる。
【0052】
本出願の一例による硬化性組成物の第2のポリオルガノシロキサン成分は、多分散指数(PDI)が1~5、1.25~3.5または1.5~2.5の範囲内であってもよい。前記第2のポリオルガノシロキサン成分が前記範囲内の多分散指数を有する場合には、優れた硬化性、均一な架橋密度と硬化性を確保しうる。
【0053】
本出願の一例による硬化性組成物は、第2のポリオルガノシロキサン成分を第1のポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.1重量部以上、0.25重量部以上、0.5重量部以上、0.75重量部以上、1重量部以上、1.25重量部以上、1.5重量部以上、1.75重量部以上または2重量部以上であるか、または10重量部以下、8重量部以下、6重量部以下または4重量部以下で含んでもよい。前記第2のポリオルガノシロキサン成分を前記範囲内で含む場合には、適切な架橋密度を向上させて優れた耐久性を確保しうる。
【0054】
本出願の一例による硬化性組成物は、前述したようにレドックス(redox)触媒を含んでもよい。
【0055】
液晶ディスプレイを構成する素材である偏光板及び位相差板などの光学素材の製造工程では、前記光学素材の表面を保護するための表面保護フィルムが使用される。前記表面保護フィルムは、離型層及び粘着剤層を含み、前記粘着剤層は、一般にアクリル化合物を含むアクリル組成物から製造される。ここで、前記粘着剤層を製造するために熱またはエネルギー線などを用いて前記アクリル組成物を硬化させる工程を行う。
【0056】
本出願の一例による硬化性組成物は、表面保護機能を果たすとともに、粘着剤層を形成するアクリル化合物を硬化させることができる硬化物を形成しうる。前記硬化性組成物を通じて粘着剤層を形成するためにアクリル組成物に熱またはエネルギー線などを用いた硬化工程を省略することができ、工程を単純化することで生産性を向上させ、コストを節減させることができる。
【0057】
本出願の一例による硬化性組成物のレドックス触媒は、コバルト(II)ナフテネートなどのナフテネート(naphtenate)金属塩、コバルト(II)アセテート四水和物などのアセテート水和(acetate hydrate)金属塩、コバルト(II)2-エチルヘキサノエートなどのアルカノエート(alkanoate)金属塩、鉄(II)硫酸水和物などの硫酸水和(sulfate hydrate)金属塩、鉄(II)アセチルアセトネートなどのアセチルアセトネート(acetylacetonate)金属塩、銅(I)クロリドなどのハロゲン化(halogenide)金属塩及びチタン(IV)イソプロポキシドなどのアルコキシド(alkoxide)金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。前記レドックス触媒において金属塩は、遷移金属の塩(salt)であってもよく、前記遷移金属は、例えばチタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、鉛(Pd)、銀(Ag)またはカドミウム(Cd)などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0058】
本出願の一例による硬化性組成物は、レドックス触媒をポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.01重量部以上、0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上または0.8重量部以上であるか、または80重量部以下、75重量部以下、70重量部以下、65重量部以下、60重量部以下、55重量部以下、50重量部以下または45重量部以下で含んでもよい。前記レドックス触媒を前記範囲内で含む場合には、粘着剤層を形成するアクリル化合物を硬化させながらも、適切な離型剥離力はもちろん、優れた残留接着率を確保しうる。
【0059】
本出願の一例による硬化性組成物は、レドックス触媒を第1のポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.01重量部以上、0.05重量部以上、0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上または0.8重量部以上であるか、または80重量部以下、75重量部以下、70重量部以下、65重量部以下、60重量部以下、55重量部以下、50重量部以下または45重量部以下で含んでもよい。特に、前記レドックス触媒を前述した第1のポリオルガノシロキサン成分と組み合わせて前記範囲内で含む場合には、粘着剤層を形成するアクリル化合物を効率的に硬化させながらも、適切な離型剥離力はもちろん、優れた残留接着率を確保しうる。
【0060】
本出願の一例による硬化性組成物は、硬化物形成反応を行うために金属触媒をさらに含んでもよい。前記金属触媒は、アルミニウム、ビスマス、鉛、水銀、錫、亜鉛、白金、銀及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを中心金属元素として含んでもよい。また、前記金属触媒は、前記中心金属元素にシロキサン基、エステル基、エーテル基またはカルボキシ基が結合していてもよい。前記金属触媒は、例えば、Bis[1,3-bis(2-ethenyl)-1,1,3,3-tetramethyldisiloxane]platinum(CAS No.81032-58-8)、ジブチルチンジラウレートまたはジメチルチンジアセテートなどが挙げられるが、これに特に制限されるものではなく、当業界で一般的に使用できるものであれば、制限なく使用してもよい。
【0061】
前記金属触媒は、硬化性組成物に含まれる構成要素を考慮すると、中心金属元素として白金(Pt)を含む白金触媒であることが好ましい。また、前記硬化性組成物は、白金触媒をポリオルガノシロキサン成分100重量部に対して0.1重量部以上、0.5重量部以上、1重量部以上、1.5重量部以上、2重量部以上、2.5重量部以上または3重量部以上であるか、または10重量部以下、9重量部以下、8重量部以下、7重量部以下、6重量部以下、5重量部以下または4重量部以下で含んでもよい。また、前記白金触媒の含量比率が前記範囲を満たす場合には、副反応を減少させながら硬化物形成反応を効果的に行うことができる。
【0062】
本出願の一例による硬化性組成物は、さらなる物性を確保するために、下記に例示される1種または2種以上の添加剤をさらに含んでもよい。ただし、前記添加剤は、当業界で一般的に使用できるものであれば十分であり、必ずしも下記に例示される添加剤に制限されるものではない。
【0063】
本出願の一例による硬化性組成物は、分散剤をさらに含んでもよい。前記分散剤は、例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン及び顔料誘導体などを使用してもよいが、当業界に公知の分散剤である場合、制限なく使用してもよい。例えば、前記Disperbyk-1799(BYK社)などを使用してもよい。
【0064】
本出願の一例による硬化性組成物は、可塑剤をさらに含んでもよい。前記可塑剤の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、フタル酸化合物、リン酸化合物、アジピン酸化合物、セバシン酸化合物、クエン酸化合物、グリコール酸化合物、トリメリット酸化合物、ポリエステル化合物、エポキシ化大豆油、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、脂肪酸化合物及び植物油から1つ以上を選択して使用してもよい。
【0065】
前記フタル酸化合物は、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、オクチルデシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、オクチルベンジルフタレート、n-ヘキシルn-デシルフタレート、n-オクチルフタレート及びn-デシルフタレートの少なくとも1つを使用してもよい。前記リン酸化合物は、トリクレシルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレシルジフェニルホスフェート及びトリクロロエチルホスフェートの少なくとも1つを使用してもよい。前記アジピン酸化合物は、ジブトキシエトキシエチルアジペート(DBEEA)、ジオクチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、ジ-n-オクチルアジペート、ジデシルアジペート、ジイソノニルアジペート(DINA)、ジイソデシルアジペート(DIDP)、n-オクチルn-デシルアジペート、n-ヘプチルアジペート及びn-ノニルアジペートの少なくとも1つを使用してもよい。前記セバシン酸化合物は、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルセバケート及びブチルベンジルの少なくとも1つを使用してもよい。前記クエン酸化合物は、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート及びアセチルトリオクチルシトレートの少なくとも1つを使用してもよい。前記グリコール酸化合物は、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート及びブチルフタリルエチルグリコレートの少なくとも1つを使用してもよい。前記トリメリット酸化合物は、トリオクチルトリメリテート及びトリ-n-オクチルn-デシルトリメリテートの少なくとも1つを使用してもよい。前記ポリエステル化合物は、ブタンジオール、エチレングリコール、プロパン1,2-ジオール、プロパン1,3ジオール、ポリエチレングリコール、グリセロール、二酸(diacid)(アジピン酸、コハク酸、無水コハク酸から選ばれる)及びヒドロキシ酸(例えば、ヒドロキシステアリン酸)から選ばれるジオールの反応生成物であってもよい。
【0066】
本出願の一例による硬化性組成物は、必要に応じて反応促進剤をさらに含んでもよい。前記反応促進剤は、前記硬化性組成物の硬化反応を促進させる機能を果たすことができる。前記反応促進剤の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、ジメチル-p-トルイジン(N,N-Dimethyl-p-toluidine;DMPT)などを使用してもよい。
【0067】
本出願の一例による硬化性組成物は、必要に応じて粘度の調節、例えば粘度を上げるか、または下げるために、またはせん断力による粘度調節のために粘度調節剤、例えば、チキソトロピー付与剤、希釈剤、表面処理剤、分散安定剤、反応制御剤またはカップリング剤などをさらに含んでもよい。チキソトロピー付与剤は、硬化性組成物のせん断力による粘度を調節しうる。使用可能なチキソトロピー付与剤としては、ヒュームド(fumed)シリカなどが挙げられる。希釈剤は、通常、硬化性組成物の粘度を下げるために使用されるもので、前記のような作用を示すことができるものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。表面処理剤は、硬化性組成物の硬化物に導入されているフィラー組成物の表面処理のためのものであり、前記のような作用を示すことができるものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。分散安定剤は、硬化性組成物内の構成成分間の分散性を安定させるために使用されてもよく、前記のような作用を示すことができるものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。反応制御剤は、硬化性組成物の硬化など化学反応を制御するために使用されてもよく、前記のような作用を示すことができるものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。カップリング剤の場合は、例えば、硬化性組成物内の構成成分間の分散性を改善するために使用されもよく、具体的には、シランカップリング剤を使用してもよく、例えば、信越社のKBM403またはKBM-5103などを使用してもよい。また、前記のような作用を示すことができるものであれば、当業界で公知の様々な種類のものを制限なく使用してもよい。
【0068】
本出願の一例による硬化性組成物は、溶剤によって分散されてもよい。本出願で使用する用語の分散とは、溶媒によって溶質が溶解した状態を意味し、溶媒に溶質が溶解しなくても均一に広がっている状態を意味する。
【0069】
前記溶剤は、硬化性組成物の構成を考慮すると、有機溶剤が適切である場合がある。前記有機溶剤は、当業界で一般的に使用するものであれば、特に制限されるものではなく、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエン及びヘプタンなどやこれらを混合した溶剤を使用してもよい。
【0070】
前記溶剤は、硬化性組成物を十分に分散させるほど使用してもよい。具体的には、特に制限されるものではないが、前記溶剤を硬化性組成物100重量部に対して500重量部以上、600重量部以上、700重量部以上、800重量部以上、900重量部以上、1,000重量部以上、1,100重量部以上、1,200重量部以上、1,300重量部以上、1,400重量部以上または1,500重量部以上を使用してもよい。
【0071】
本出願の一例による硬化性組成物は、前述のようにポリオルガノシロキサン成分とレドックス触媒の組み合わせを通じてアクリル組成物を硬化させることができ、前記アクリル組成物に対して優れた硬化特性を確保し、様々な物性を有することができる。また、前記硬化性組成物は、アクリル組成物を熱及び/又は活性エネルギー線によらず硬化させることができ、このような硬化にも優れた硬化特性を確保して様々な物性を有することができる。
【0072】
本出願の一例による硬化性組成物は、10℃以上、12.5℃以上、15℃以上、17.5℃以上、20℃以上であるか、または60℃以下、57.5℃以下、55℃以下、52.5℃以下または50℃以下の硬化温度でアクリル組成物を硬化させることができる。
【0073】
本出願の一例による硬化性組成物は、下記一般式1による残留接着率(A)が80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上または85%以上であってもよい。前記残留接着率(A)の上限は、特に制限されるものではないが、100%以下、100%未満または99%以下であってもよい。一般式1による残留接着率(A)は、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。すなわち、前記硬化性組成物は、アクリル組成物を適切に硬化させることにより、下記一般式1による残留接着率を優れたレベルで確保しうる。
【0074】
[一般式1]
残留接着率(A)=A/A×100(%)
【0075】
一般式1において、Aは、PET(polyethylene terephthalate)フィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記アクリル組成物の硬化物の25℃離型剥離力であり、Aは、前記Aを測定した後、再び前記PETフィルムの界面に付着し、180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記アクリル組成物の硬化物の25℃離型剥離力である。
【0076】
本出願の一例による硬化性組成物は、アクリル組成物を適切に硬化させることにより前記アクリル組成物の硬化物に対してPET(polyethylene terephthalate)フィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した25℃離型剥離力が50gf/inch(19.3kg/s)以下、45gf/inch以下、40gf/inch以下または35gf/inch以下であるか、または10gf/inch以上、11gf/inch以上、12gf/inch以上、13gf/inch以上、14gf/inch以上または15gf/inch以上であってもよい。ここで測定した25℃離型剥離力は、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。
【0077】
本出願の一例による硬化性組成物は、アクリル組成物を適切に硬化させることにより、下記一般式2及び3によるそれぞれの未反応物含量(T及びT)をそれぞれ規定された範囲内に満たすことができる。
【0078】
前記硬化性組成物が硬化させたアクリル組成物の硬化物について、下記一般式2による未反応物含量(T)は、60%以下、58%以下、56%以下、54%以下、52%以下、50%以下、48%以下または46%以下であってもよい。前記未反応物含量(T)の下限は、低いほど優れた硬化特性があるため、特に制限するものではないが、0.01%以上、0.1%以上または1%以上であってもよい。下記一般式2による未反応物含量(T)が前記数値範囲を満たす場合には、アクリル組成物が熱やエネルギー線の照射がなくても優れた硬化特性を確保しながらも、硬化後には所望の離型剥離力及び残留接着率を有するようにする硬化性組成物を確保しうる。
【0079】
[一般式2]
=100×(W-W)/W
【0080】
一般式2において、Wは、前記アクリル組成物を25℃で硬化させた硬化物の初期重量であり、Wは、前記初期重量を測定したアクリル組成物の硬化物を150℃のオーブンで1時間保管した後の前記アクリル組成物の硬化物の後重量を意味する。ここで、前記アクリル組成物の硬化物は、25℃で十分に硬化する程度の硬化時間の間放置して形成されてもよく、具体的には、前記硬化時間は、例えば、10時間以上、11時間以上または12時間以上であるか、または30時間以下、25時間以下または20時間以下であってもよい。前記硬化時間は、12時間または20時間であってもよい。また、前記一般式2によるTは、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。
【0081】
前記硬化性組成物が硬化させたアクリル組成物の硬化物について、下記一般式3による未反応物含量(T)は、50%以下、48%以下、46%以下、44%以下、42%以下または40%以下であってもよい。前記未反応物含量(T)の下限は低いほど優れた硬化特性があるため、特に制限されるものではないが、0.01%以上、0.1%以上または1%以上であってもよい。下記一般式3による未反応物含量(T)が前記数値範囲を満たす場合には、アクリル組成物が熱またはエネルギー線の照射がなくても優れた硬化特性を確保しながらも、硬化後は所望の
【0082】
[一般式3]
=100×(W-W)/W
【0083】
一般式3において、Wは、アクリル組成物を50℃で硬化させた硬化物の初期重量であり、Wは、前記初期重量を測定したアクリル組成物の硬化物を150℃のオーブンで1時間保管した後の前記アクリル組成物の硬化物の後重量を意味する。ここで、前記アクリル組成物の硬化物は、十分に硬化する程度の硬化時間の間放置して形成されてもよく、具体的には、前記硬化時間は、例えば、10時間以上、11時間以上、12時間以上であるか、または30時間以下、25時間以下または20時間以下でもよい。前記硬化時間は、12時間または20時間であってもよい。また、前記一般式3によるTは、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。
【0084】
本出願の一例によるアクリル組成物は、アクリル重合体成分及びアクリル単量体成分を含んでもよい。前記アクリル重合体成分は、アクリル化合物が1つまたは2つ以上で重合(または共重合)された重合体を含んでもよい。例えば、前記重合体は、アルキル基を含有する(メタ)アクリレート及びヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートを含む組成物に光開始剤を添加した後、光開始することによって得られる。また、具体的には、前記重合体は、アルキル基を含有する(メタ)アクリレート(K1)及びヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート(K2)の重量比(K1/K2)が1以上、1.25以上または1.5以上であるか、または3以下、2.5以下または2以下として得ることができる。
【0085】
前記アクリル単量体成分は、1つまたは2つ以上のアクリル化合物を含んでもよい。例えば、前記アクリル単量体成分は、アルキル基を含有する(メタ)アクリレート及びヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートを含んでもよい。例えば、前記アクリル単量体成分は、アルキル基を含有する(メタ)アクリレートを前記アクリル単量体成分の全重量に対して50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上または70重量%以上であるか、または90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下または75重量%以下で含んでもよい。また、前記アクリル単量体成分は、ヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートをアルキル基を含有する(メタ)アクリレート100重量部に対して10重量部以上、15重量部以上、20重量部以上、25重量部以上または重量部以上であるか、または50重量部以下、45重量部以下、40重量部以下または35重量部以下で含んでもよい。
【0086】
前記アクリル組成物においてアクリル重合体成分及びアクリル単量体成分は、離型層によって容易に硬化しながらも、硬化物(粘着剤層を形成しうる)が所望の粘着力を有しながら、優れた耐久性を有するために適切な含量比で含まれてもよい。具体的には、前記アクリル重合体成分は、アクリル組成物の全重量に対して5重量%以上、6重量%以上、7重量%以上、8重量%以上、9重量%以上または10重量%以上であるか、または20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下、15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下または11重量%以下で含まれてもよい。また、具体的には、前記アクリル単量体成分は、前記アクリル重合体成分100重量部に対して300重量部以上、350重量部以上、400重量部以上、450重量部以上、500重量部以上、550重量部以上、600重量部以上、650重量部以上、700重量部以上、750重量部以上、800重量部以上または850重量部以上であるか、または1,500重量部以下、1,400重量部以下、1,300重量部以下、1,200重量部以下、1,100部以下または1,000重量部以下で含まれてもよい。
【0087】
また、前記アクリル組成物は、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよく、前記添加剤は、金属触媒、分散剤、可塑剤、開始剤及び反応促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。前記金属触媒、分散剤、可塑剤及び反応促進剤は、前述の例において適切に選択して使用してもよい。前記開始剤は、ペルオキシド(peroxide)化合物を含んでもよく、前記ペルオキシド化合物は、前記アクリル組成物が重合反応を起こすように開始する物質であってもよい。前記ペルオキシド化合物は、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド(methyl ethyl ketone peroxide,MEKP)、シクロヘキサノンペルオキシド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド及びアセチルアセトンペルオキシドなどのケトンペルオキシド化合物、tert-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロオキシド、パラメンタンヒドロペルオキシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロペルオキシド、及び1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド化合物、アセチルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウリノイルペルオキシド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド及びメタ-トルオイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド化合物、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide, BPO)などのアシルペルオキシド化合物であってもよいが、これに制限されるものではない。また、ペルオキシド化合物は、1種または2種以上を使用してもよい。
【0088】
本出願の一例による保護フィルムは、基材フィルム及び本出願の一例による硬化性組成物の硬化物を含んでもよい。前記保護フィルムは、基材フィルム、粘着剤層及び離型層を含んでもよく、本出願の一例による硬化性組成物は、離型層で形成されてもよく、アクリル組成物を硬化させて粘着剤層を形成させることができる。
【0089】
前記保護フィルムは、具体的には、光学素子用保護フィルムであってもよい。例えば、偏光板、偏光子、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルムなどの光学素子用保護フィルムとして使用されてもよい。本明細書で使用する用語の偏光子と偏光板は、互いに区別される対象を指す。すなわち、偏光子とは、偏光機能を示すフィルム、シートまたは素子そのものを指し、偏光板とは、前記偏光子とともに他の要素を含む光学素子を意味する。偏光子とともに光学素子に含まれてもよい他の要素としては、偏光子保護フィルムまたは位相差層などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0090】
また、前記保護フィルムは、各種光学装置または部品やディスプレイ装置または部品、例えばLCDなどに使用される偏光板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート及び輝度向上フィルムなどの光学素子の表面を保護するための表面保護フィルムとして効果的に使用されてもよいが、前記用途は、前記保護フィルムに限定されるものではない。
【0091】
本出願の一例による保護フィルムに含まれる基材フィルムは、当業界で公知の一般的なフィルムまたはシートが使用されてもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリ(塩化ビニル)フィルムまたはポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。このようなフィルムは、単層で構成されるか、または2層以上が積層されていてもよく、場合によっては防汚層や帯電防止層などの機能性層をさらに含んでもよい。また、基材密着性向上の観点から、前記基材の一面または両面にプライマー処理などの表面処理を行ってもよい。
【0092】
基材フィルムの厚さは、用途に応じて適切に選ばれるものに特に限定されず、通常、5μm~500μm、5μm~250μmまたは5μm~100μmの厚さで形成してもよい。
【0093】
本出願の一例による保護フィルムに含まれる粘着剤層は、粘着剤組成物を硬化させることにより、形成されてもよい。また、前記粘着剤組成物は、前述のアクリル組成物であってもよく、前記粘着剤層は、アクリル組成物を硬化させることにより、形成されてもよい。具体的には、前記粘着剤層は、後述する離型層上に塗布した後に硬化させることにより、形成されてもよい。ここで、アクリル組成物は、前述の内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。また、前記アクリル組成物の塗布方式は、当業界で一般的に使用するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、ナイフコーティング、ロールコーティングまたはリバースコーティングなどがある。また、粘着剤層を形成するときには、アクリル組成物内の揮発成分や反応残留物などの気泡誘発成分を十分に除去した後に行うことが好ましい。これにより、粘着剤層の架橋密度や分子量などが低すぎて弾性率が低下し、高温状態でガラス板及び粘着剤層の間に存在する気泡が大きくなり、内部で散乱体を形成する問題点などを防止しうる。
【0094】
前記保護フィルムに含まれる粘着剤層の厚さは、特に限定されず、例えば、2μm~100μmまたは5μm~50μmであってもよい。
【0095】
本出願の一例による保護フィルムの粘着剤層は、下記一般式1による残留接着率(A)が80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上または85%以上であってもよい。前記残留接着率(A)の上限は、特に制限されるものではないが、100%以下、100%未満または99%以下であってもよい。一般式1による残留接着率(A)は、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。また、保護フィルムの粘着剤層が前記範囲内の残留接着率を有する場合には、リワーク性(reworkability)に優れた保護フィルムを確保しうる。
【0096】
[一般式1]
残留接着率(A)=A/A×100(%)
【0097】
一般式1において、Aは、PET(polyethylene terephthalate)フィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記粘着剤層の25℃離型剥離力であり、Aは、前記Aを測定後、再び前記PETフィルムの界面に付着し、180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した前記粘着剤層の25℃離型剥離力である。
【0098】
本出願の一例による保護フィルムの粘着剤層は、PET(polyethylene terephthalate)フィルムの界面で180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で測定した25℃離型剥離力が50gf/inch(19.3kg/s)以下、45gf/inch以下、40gf/inch以下または35gf/inch以下であるか、または10gf/inch以上、11gf/inch以上、12gf/inch以上、13gf/inch以上、14gf/inch以上または15gf/inch以上であってもよい。ここで測定した25℃離型剥離力は、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。また、保護フィルムの粘着剤層が前記範囲内の25℃離型剥離力を有する場合には被着剤との分離を防止し、その表面を保護しながらも、工程上保護フィルムを剥離するのに被着剤の表面が損傷しないようにすることができる。
【0099】
本出願の一例による保護フィルムに含まれる離型層は、前述した本出願の一例による硬化性組成物を硬化して得られる。ここで、前記硬化性組成物を硬化させる方法は、特に限定されず、適切な熟成工程を経るか、または適切な高温環境や光照射環境で硬化されてもよい。保護フィルムに含まれる離型層の厚さは特に限定されず、例えば、10nm~10μm、10nm~1μmまたは10nm~100nmであってもよい。
【0100】
本出願の一例による保護フィルムの粘着剤層は、離型層を形成する本出願の一例による硬化性組成物の組成と含量比によって、アクリル組成物の硬化特性と前記硬化特性による物性が決定されてもよい。ここで、前記粘着剤層は、前述したように、アクリル組成物を硬化させることにより形成されてもよいが、このとき、硬化温度は10℃以上、12.5℃以上、15℃以上、17.5℃以上、20℃以上であるか、または60℃以下、57.5℃以下、55℃以下、52.5℃以下または50℃以下で行われてもよい。ただし、前記アクリル組成物が本出願の一例による硬化性組成物の硬化物(すなわち、離型層)により前記硬化温度でも硬化が可能であることを意味し、前記硬化温度よりも高い温度である60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上または80℃以上でも硬化反応が行われてもよい。
【0101】
特に、前記アクリル組成物は、離型層に含まれるレドックス触媒に基づいて高温や活性エネルギー線(例えば、紫外線など)がなくても、前記温度範囲で優れた硬化反応がなされる。
【0102】
前記離型層に塗布されたアクリル組成物の硬化特性は、未反応物含量(TML,Totalmass Loss)を測定する方式で行われてもよい。前記アクリル組成物の硬化特性は、下記一般式2及び3によるそれぞれの未反応物含量(T及びT)で確認でき、前記未反応物含量(T及びT)がそれぞれ規定された範囲にある場合、硬化特性に優れていると評価しうる。
【0103】
前記アクリル組成物の硬化特性について、下記一般式2による未反応物含量(T)は、60%以下、58%以下、56%以下、54%以下、52%以下、50%以下、48%以下または46%以下であってもよい。前記未反応物含量(T)の下限は低いほど優れた硬化特性があるため、特に制限されるものではないが、0.01%以上、0.1%以上または1%以上であってもよい。前記アクリル組成物について、下記一般式2による未反応物含量(T)が前記数値範囲を満たす場合には、熱またはエネルギー線の照射がなくても優れた硬化特性を確保しながらも、硬化後には所望の離型剥離力及び残留接着率を確保しうる。
【0104】
[一般式2
=100×(W-W)/W
【0105】
一般式2において、Wは、アクリル組成物を25℃で硬化させた硬化物の初期重量であり、Wは、前記初期重量を測定したアクリル組成物の硬化物を150℃のオーブンで1時間保管した後の前記アクリル組成物の硬化物の後重量を意味する。ここで、前記アクリル組成物の硬化物は、25℃で十分に硬化する程度の硬化時間の間放置して形成されてもよく、具体的には、前記硬化時間は、例えば10時間以上、11時間以上または12時間以上であるか、または30時間以下、25時間以下または20時間以下であってもよい。また、前記一般式2によるTは、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。
【0106】
前記アクリル組成物の硬化特性について、下記一般式3による未反応物含量(T)は、50%以下、48%以下、46%以下、44%以下、42%以下または40%以下であってもよい。前記未反応物含量(T)の下限は低いほど優れた硬化特性があるため、特に制限されるものではないが、0.01%以上、0.1%以上または1%以上であってもよい。前記アクリル組成物について、下記一般式3による未反応物含量(T)が前記数値範囲を満たす場合には、熱またはエネルギー線の照射がなくても優れた硬化特性を確保しながらも、硬化後には所望の離型剥離力及び残留接着率を確保しうる。
【0107】
[一般式3]
=100×(W-W)/W
【0108】
一般式3において、Wは、アクリル組成物を50℃で硬化させた硬化物の初期重量であり、Wは、前記初期重量を測定したアクリル組成物の硬化物を150℃のオーブンで1時間保管した後の前記アクリル組成物の硬化物の後重量を意味する。ここで、前記アクリル組成物の硬化物は、十分に硬化する程度の硬化時間の間放置して形成されてもよく、具体的には、前記硬化時間は、例えば、10時間以上、11時間以上または12時間以上であるか、または30時間以下、25時間以下または20時間以下でもよい。また、前記一般式3によるTは、具体的には、下記物性測定方法によって測定されてもよい。
【0109】
本出願の一例による光学素子は、表面に前記保護フィルムが付着した状態であってもよい。例えば、前記保護フィルムの粘着剤層が前記光学素子の表面に付着され、これにより、前記表面保護用基材フィルムによって光学素子が保護されてもよい。
【0110】
光学素子に含まれる光学素子としては、例えば、偏光子、偏光板、偏光子保護フィルム、位相差層または視野角補償層などが挙げられる。前記偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール偏光子などのように当業界で公知の一般的な種類を制限なく採用してもよい。
【0111】
偏光子は、様々な方向に振動しながら入射する光から一方の方向に振動する光のみを抽出できる機能性フィルムまたはシートである。このような偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向している形態であってもよい。偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアセテート系樹脂をゲル化して得られる。この場合、使用可能なポリビニルアセテート系樹脂には、ビニルアセテートの単独重合体はもちろん、ビニルアセテート及び前記と共重合可能な他の単量体の共重合体も含まれてもよい。前記ビニルアセテートと共重合可能な単量体の例としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類及びアンモニウム基を有するアクリルアミド類などの1種または2種以上の混合が挙げられるが、これに制限されるものではない。ポリビニルアルコール系樹脂のゲル化度は、通常、85モル%~100モル%程度、好ましくは、98モル%以上であってもよい。前記ポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用されてもよい。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1,000~10,000程度、好ましくは、1,500~5,000程度であってもよい。
【0112】
ポリビニルアルコール系樹脂を製膜し、偏光子の原反フィルムとして使用されてもよい。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されず、この分野で公知の一般的な方法を使用してもよい。ポリビニルアルコール系樹脂で製膜された原反フィルムの厚さは特に制限されず、例えば、1μm~150μmの範囲内で適切に制御されてもよい。延伸の容易性などを考慮し、前記原反フィルムの厚さは、10μm以上に制御されてもよい。偏光子は、前記のようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸(ex.一軸延伸)する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色し、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸(boric acid)水溶液で処理する工程及びホウ酸水溶液で処理後に水洗する工程などを経て製造してもよい。前記二色性色素としては、ヨウ素(iodine)や二色性の有機染料などが使用されてもよい。
【0113】
前記偏光板は、例えば、前記偏光子、及び前記偏光子の片側または両側に付着している他の光学用フィルムを含んでもよい。前記他の光学用フィルムとしては、前述した偏光子保護フィルムや位相差層、視野角補償層及び防眩層などが挙げられる。
【0114】
前記偏光子保護フィルムは、前記粘着剤層を含む保護フィルムとは区別される概念で、偏光子に対する保護フィルムである。偏光子保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースなどのセルロース系フィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステル系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム及び/又はポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムまたはシクロ系またはノルボルネン構造を有するポリオレフィンフィルムまたはエチレンプロピレン共重合体などのポリオレフィン系フィルムなどから構成される保護フィルムが積層された多層フィルムで形成されてもよい。保護フィルムの厚さも特に制限されず、通常の厚さで形成してもよい。
【0115】
前記光学素子において前記保護フィルムにより保護される光学素子の表面には表面処理層が存在してもよい。前記表面処理層は、例えば、表面エネルギーが30mN/m以下であってもよい。すなわち、前記光学素子において前記保護フィルムにより保護される光学素子の表面には、表面エネルギーが30mN/m以下の表面処理層が形成されており、前記保護フィルムの前記粘着剤層が前記表面処理層に付着していてもよい。前記表面エネルギーを測定する方式は特に制限されず、公知の表面エネルギーの測定方式を適用してもよい。例えば、光学素子の表面の接触角を測定し、これから表面エネルギーを求めるか、または公知の表面エネルギー測定装備を使用して測定してもよい。
【0116】
前記表面処理層としては、高硬度層、AG(Anti-glare)層またはSG(Semi-glare)層などの防眩層またはAR(Anti reflection)層またはLR(Low reflection)層などの低反射層などが挙げられる。
【0117】
高硬度層は、500gの荷重下での鉛筆硬度が1H以上または2H以上の層であってもよい。鉛筆硬度は、例えば、KS G2603に規定された鉛筆芯を使用してASTM D 3363規格に従って測定してもよい。
【0118】
高硬度層は、例えば、高硬度の樹脂層であってもよい。前記樹脂層は、例えば、常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化した状態で含んでもよい。一例において、前記樹脂層は、熱硬化型または活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、または活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化した状態で含んでもよい。高硬度層の説明において「硬化した状態」とは、前記各樹脂組成物に含まれる成分が架橋反応または重合反応などを経て樹脂組成物がハード(hard)な状態に転換された場合を意味する。また、前記常温硬化型、湿気硬化型、熱硬化型または活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、前記硬化状態が常温下で誘導されるか、または適切な湿気の存在下、熱の印加または活性エネルギー線の照射によって誘導される組成物を意味しうる。
【0119】
この分野では、硬化した状態で前述した範囲の鉛筆硬度を満たすことができる様々な樹脂組成物が知られており、平均的な技術者は、適切な樹脂組成物を容易に選択できる。
【0120】
一例において、前記樹脂組成物は、主材としてアクリル化合物、エポキシ化合物、ウレタン化合物、フェノール化合物またはポリエステル化合物などを含んでもよい。ここで「化合物」とは、単量体、オリゴマーまたは重合体化合物であってもよい。
【0121】
一例において、前記樹脂組成物として、透明性などの光学的特性に優れており、黄変などに対する抵抗性に優れたアクリル樹脂組成物、例えば、活性エネルギー線硬化型アクリル樹脂組成物を使用してもよい。
【0122】
活性エネルギー線硬化型アクリル組成物は、例えば、活性エネルギー線重合性の重合体成分と反応性希釈用単量体を含んでもよい。
【0123】
前記重合体成分としては、ウレタンアクレート、エポキシアクリレート、エーテルアクリレートまたはエステルアクリレートなどのような当業界でいわゆる活性エネルギー線重合性オリゴマーとして知られている成分や、または(メタ)アクリル酸エステル単量体などのような単量体を含む混合物の重合体が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、ヘテロサイクリック(メタ)アクリレートまたはアルコキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この分野では、活性エネルギー線硬化型組成物を製造するための様々な重合体成分が知られており、前記のような化合物が必要に応じて選ばれてもよい。
【0124】
活性エネルギー線硬化型アクリル組成物に含まれてもよい反応性希釈用単量体としては、活性エネルギー線硬化型官能基、例えば、アクリロイル基またはメタクリロイル基などを1つまたは2つ以上有する単量体が挙げられる。反応性希釈用単量体としては、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体や多官能性アクリレートなどが使用されてもよい。
【0125】
活性エネルギー線硬化型アクリル組成物を製造するための前記成分の選択や選択された成分の配合割合などは特に制限されず、所望の樹脂層の硬度及びその他の物性を考慮して調節されてもよい。
【0126】
AG層またはSG層などの防眩層としては、例えば、凹凸面が形成されている樹脂層または粒子を含む樹脂層として、前記粒子が前記樹脂層とは異なる屈折率を有する粒子である樹脂層を使用してもよい。
【0127】
前記樹脂層としては、例えば、前記高硬度層の形成に使用する樹脂層を使用してもよい。防眩層を形成する場合には、樹脂層が必ずしも高硬度を示すことができるように樹脂組成物の成分を調節する必要はないが、高硬度を示すことができるように樹脂層を形成しても構わない。
【0128】
前記樹脂層に凹凸面を形成する方式は特に制限されるものではない。例えば、樹脂組成物のコーティング層を所望の凹凸構造を有する金型と接触させた状態で前記樹脂組成物を硬化させるか、または樹脂組成物に適切な粒径の粒子を配合し、コーティング及び硬化させて凹凸構造を具現しうる。
【0129】
防眩層は、さらに樹脂層とは屈折率の異なる粒子を使用して具現してもよい。
【0130】
一例において、前記粒子は、例えば、樹脂層との屈折率の差が0.03以下または0.02~0.2であってもよい。屈折率の差が小さすぎると、ヘイズを誘発しにくく、逆に大きすぎると、樹脂層内での散乱が多く発生してヘイズを増加させるが、光透過度やコントラスト特性などの低下が誘導されることがあるので、これを考慮して適切な粒子を選択してもよい。
【0131】
樹脂層に含まれる粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、楕円状、多面体状、無定形またはその他の形状であってもよい。前記粒子は、平均直径が50nm~5,000nmであってもよい。一例において、前記粒子として、表面に凹凸が形成されている粒子を使用してもよい。このような粒子は、例えば、平均表面粗さ(Rz)が10nm~50nmまたは20nm~40nmであるか、及び/又は表面に形成された凹凸の最大高さが約100nm~500nmまたは200nm~400nmであり、凹凸間の幅が400nm~1200nmまたは600nm~1000nmであってもよい。このような粒子は、樹脂層との相溶性やその内部での分散性に優れている。
【0132】
前記粒子としては、様々な無機または有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、非晶質チタニア、非晶質ジルコニア、インジウムオキシド、アルミナ、非晶質亜鉛オキシド、非晶質セリウムオキシド、バリウムオキシド、カルシウムカーボネート、非晶質バリウムチタネートまたはバリウムソルフェートなどが挙げられ、有機粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などの有機系素材の架橋物または非架橋物を含む粒子が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0133】
樹脂層に形成される前記凹凸構造または前記粒子の含量は、特に制限されるものではない。前記凹凸構造の形状や前記粒子の含量は、例えば、AG層の場合、前記樹脂層のヘイズ(haze)が約5%~15%、7%~13%または約10%程度になるように調節され、SG層の場合、ヘイズが約1%~3%程度になるように調節されてもよい。前記ヘイズは、例えば、sepoong社のHR-100またはHM-150などのヘイズメーター(hazemeter)を使用してメーカーのマニュアルに従って測定してもよい。
【0134】
AR層やLR層などの低反射層は、低屈折物質をコーティングして形成してもよい。低反射層を形成できる低屈折物質は様々に知られており、これはすべて前記光学素子に適切に選択されて使用されてもよい。低反射層は、低屈折物質のコーティングを通じて反射率が約1%以下になるように形成してもよい。
【0135】
表面処理層の形成には、また、韓国公開特許第2007-0101001号、第2011-0095464号、第2011-0095004号、第2011-0095820号、第2000-0019116号、第2000-0009647号、第2000-0018983号、第2003-0068335号、第2002-0066505号、第2002-0008267号、第2001-0111362号、第2004-0083916号、第2004-0085484号、第2008-0005722号、第2008-0063107号、第2008-0101801号または第2009-0049557号などの公知の素材も使用されてもよい。
【0136】
表面処理層は、単独で形成されるか、または2つ以上を組み合わせて形成してもよい。組み合わせの例としては、基材層の表面にまず高硬度層を形成し、その表面に再び低反射層を形成する場合が挙げられる。
【0137】
本出願の一例による液晶ディスプレイ装置(LCD,liquid crystal display)は、液晶パネルを含んでもよく、前記液晶パネルの一面または両面に前述した光学素子が付着されていてもよい。
【0138】
液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は、特に限定されるものではない。例えば、その種類に制限されず、TN(Twisted Neumatic)型、STN(SuperTwisted Neumatic)型、F(ferroelectric)型及びPD(polymer dispersed LCD)型などを含むF各種手動行列方式、2端子型(two terminal)及び3端子型(three terminal)を含む各種能動行列方式、横電界型(IPS mode)パネル及び垂直配向型(VA mode)パネルを含む公知の液晶パネルがすべて適用されてもよい。また、液晶表示装置に含まれるその他の構成の種類及びその製造方法も特に限定されず、この分野の一般的な構成を制限なく採用して使用してもよい。
【発明の効果】
【0139】
本出願は、適切な離型剥離力及び残留接着率を有する硬化物を形成できる硬化性組成物を提供しうる。
【0140】
また、本出願は、粘着剤層を形成するアクリル組成物を熱またはエネルギー線による硬化過程がなくても硬化させる硬化性組成物を提供しうる。
【発明を実施するための形態】
【0141】
以下、実施例及び比較例を通じて本出願を説明するが、本出願の範囲が下記の内容により限定されるものではない。
【0142】
<硬化性組成物の製造>
実施例1.
第1のポリオルガノシロキサン成分として下記化学式1Aで表される化合物(新越シリコン社のKS-847H)を使用し、前記第1のポリオルガノシロキサン成分の重量平均分子量(M)は、約300,000~400,000g/molの範囲内であった。
【0143】
[化学式1A]
【化4】
【0144】
化学式1Aにおいて、mは、1,000~2,000程度であり、nは、5~20程度である。
【0145】
第2のポリオルガノシロキサン成分として下記化学式2Aで表される化合物(信越シリコン社のX-92-122)を使用し、前記第2のポリオルガノシロキサン成分の重量平均分子量(M)は、約8,000~12,000g/molの範囲内であった。
【0146】
[化学式2A]
【化5】
【0147】
化学式2Aにおいて、aは、25~45程度であり、bは、25~45程度である。
【0148】
前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,鉄(III)アセチルアセトネート(Iron(III)acetylacetonate),Sigma-Aldrich社)を5:0.1:0.15:2(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加して有機溶媒に分散した硬化性組成物を製造した。
【0149】
前記有機溶剤は、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran,THF)、メチルエチルケトン(methylethyl ketone,MEK)、トルエン(toluene,T)及びn-ヘプタン(n-heptane,H)を混合したものを使用し、前記硬化性組成物が適切に分散されるように十分な量を使用した。
【0150】
実施例2.
実施例2は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,鉄(III)アセチルアセトネート(Iron(III)acetylacetonate),Sigma-Aldrich社)を5:0.1:0.15:0.04(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶剤に分散した硬化性組成物を製造した。
【0151】
実施例3.
実施例3は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,鉄(III)アセチルアセトネート(Iron(III)acetylacetonate),Sigma-Aldrich社)を5:0.1:0.15:0.2(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶剤に分散した硬化性組成物を製造した。
【0152】
実施例4.
実施例4は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,鉄(III)アセチルアセトネート(Iron(III)acetylacetonate),Sigma-Aldrich社)を5:0.1:0.15:1(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶剤に分散した硬化性組成物を製造した。
【0153】
比較例1.
比較例1は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)及び白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)を5:0.1:0.15(PS1:PS2:Ptc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶剤に分散した硬化性組成物を製造した。
【0154】
比較例2.
比較例2は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,鉄(III)アセチルアセトネート(Iron(III)acetylacetonate),Sigma-Aldrich社)を5:0.1:0.15:5(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶剤に分散した硬化性組成物を製造した。
【0155】
実施例5.
実施例5は、前記実施例1で使用した前記第1のポリオルガノシロキサン成分(PS1)、前記第2のポリオルガノシロキサン成分(PS2)、白金触媒(Ptc,信越シリコーン社のPL-50L)及びレドックス触媒(Rc,コバルト(III)ナフテネート(Cobalt(III)naphtenate))を5:0.1:0.15:2(PS1:PS2:Ptc:Rc)の重量比で有機溶剤に添加したことを除いては、前記実施例1と同じ方式で有機溶媒に分散した硬化性組成物を製造した。
【0156】
<保護フィルムの製造>
前記実施例1~5、比較例1及び2で製造したそれぞれの硬化性組成物を用いて保護フィルムを製造した。
【0157】
各基材フィルムの一面に前記実施例1~5、比較例1及び2で製造したそれぞれの硬化性組成物を塗布し、150℃で3分間硬化して基材フィルム上に離型層を形成した。このとき、前記離型層の厚さは、約50~80nm程度であり、前記基材フィルムは、約50μm程度の厚さを有するPET(polyethylene terephthalate)フィルムを使用した。
【0158】
その後、前記離型層上にアクリル組成物を20~30μm程度の厚さで塗布し、前記アクリル組成物を硬化させて粘着剤層が形成された保護フィルムを製造した。このとき、前記アクリル組成物は、アクリル組成物Aまたはアクリル組成物Bを使用した。
【0159】
前記アクリル組成物Aは、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)とヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を6:4(2-EHA:HEA)の重量比で混合した後、重合したアクリル重合体成分(AP)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)及びブチルアクリレート(BA)を3:1(HEA:BA)の重量比で混合したアクリル単量体成分(AM)及び硬化剤である1,6-ヘキサンジオールジアクリルレート(HDDA)を10:85:1(AP:AM:HDDA)の重量比で混合した混合物に開始剤(クメンヒドロ過酸化物、Cumene hydroperoxide,CHP)を前記混合物全重量に対して約1重量部で添加し、還元剤(N,N-ジメチル-p-トルイジン,N,N-dimethyl-p-toluidine,DMPT)を前記混合物の全重量に対して約0.6重量部で添加して製造された。
【0160】
また、前記アクリル組成物Bは、2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)とヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を6:4(2-EHA:HEA)の重量比で混合した後、重合したアクリル重合体成分(AP)、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)及びグリシジルメタクリレート(GMA)を3:1(HEA:GMA)の重量比で混合したアクリル単量体成分(AM)及び硬化剤であるウレタンアクリレート硬化剤(SHIN-A T&C.、SUO-1000)を10:85:5(AP:AM:SUO-1000)の重量比で混合した混合物に開始剤(メチルエチルケトンペルオキシド、Methyl ethyl ketone peroxide, MEKP)を前記混合物全重量に対して約2重量部で添加し、還元剤(N,N-ジメチル-p-トルイジ,N,N-dimethyl-p-toluidine,DMPT)を前記混合物全重量に対して約0.6重量部で添加して製造された。
【0161】
下記表1は、前記硬化性組成物を使用したそれぞれの保護フィルムの実施例を示す。ここで、硬化性組成物は、保護フィルムの離型層になり、アクリル組成物は、保護フィルムの粘着剤層になる。
【0162】
【表1】
【0163】
<物性測定方法>
1.未反応物含量(TML,total mass loss)比の測定方法
(1)25℃硬化条件
前記保護フィルムを製造する際、離型層上に塗布されたアクリル組成物を25℃で12時間または20時間放置して粘着剤層を形成した。形成された粘着剤層の一部を適切に裁断し、前記裁断された粘着剤層の両面にPET(poly ethyleneterephtalate)フィルムを貼り付けて測定サンプル(sample)を製造した。
【0164】
前記測定サンプル(sample)の重量(W)を測定し、150℃のオーブンに1時間放置した。前記オーブンに放置した後の測定サンプル(sample)の重量(W)を測定した。その後、下記一般式2により未反応物含量(T)を測定した。
【0165】
[一般式2]
=100×(W-W)W
【0166】
実施例6~9、比較例3及び4は、離型層上に塗布されたアクリル組成物を25℃で12時間放置して前記未反応物含量(T)を測定し、実施例10及び比較例5は、離型層上に塗布されたアクリル組成物を25℃で20時間放置して前記未反応物含量(T)を測定した。
【0167】
(2)50℃硬化条件
前記保護フィルムを製造する際、離型層上に塗布されたアクリル組成物を25℃で20時間放置して粘着剤層を形成した。形成された粘着剤層の一部を適切に裁断し、前記裁断された粘着剤層の両面にPET(poly ethyleneterephtalate)フィルムを貼り付けて測定サンプル(sample)を作製した。
【0168】
前記測定サンプル(sample)の重量(W)を測定し、150℃のオーブンに1時間放置した。前記オーブンに放置した後の測定サンプル(sample)の重量(WD)を測定した。その後、下記一般式3により未反応物含量(T)を測定した。
【0169】
[一般式3]
=100×(W-W)W
【0170】
これに対する結果を下記表2及び3に示す。
【0171】
【表2】
【0172】
【表3】
【0173】
2.離型剥離力及び残留接着率測定方法
前記製造した保護フィルムの粘着剤層上にPET(polyethylene terephthalate)界面を有する標準テープ(TESA社,TESA7475)を合紙し、70℃で24時間程度保管した後、物性測定装置(Cheminstruments社,AR-1000)を用いて180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で25℃で前記標準テープを剥離しながら、離型剥離力(A)を測定した。ここで測定した離型剥離力(A)を下記表4にまとめた。
【0174】
また、前記離型剥離力を測定した後、前記粘着剤層上にPET(polyethylene terephthalate)界面を有する標準テープ(TESA社,TESA7475)を合紙し、70℃で24時間程度保管した後、物性測定装置(Cheminstruments社,AR-1000)を用いて180度の剥離角度及び0.3m/minの剥離速度で25℃で前記標準テープを剥離しながら、後離型剥離力(A)を測定した。
【0175】
残留接着率は、下記一般式1によって測定した。
【0176】
[一般式1]
残留接着率(A)=Af/A×100(%)
【0177】
一般式1において、Aは、前述した離型剥離力(A)を意味し、Aは、前述した後離型剥離力(A)を意味する。
【0178】
これに対する結果を下記表4に示す。
【0179】
【表4】
【国際調査報告】