(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】方向付けられた高圧化学薬品による表面洗浄
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H01L21/304 643C
H01L21/304 622P
H01L21/304 621D
H01L21/304 647Z
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519280
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022037250
(87)【国際公開番号】W WO2023101724
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カークパトリック, ブライアン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ミハイリチェンコ, エカテリーナ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, ブライアン ジェー.
【テーマコード(参考)】
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA21
5F057CA25
5F057DA03
5F057FA37
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB89
5F157BB13
5F157BB23
5F157BB24
5F157BE12
5F157BE33
5F157BE46
5F157DB02
5F157DB03
5F157DB18
(57)【要約】
洗浄チャンバが、基板着座位置を有する基板支持体を含み得る。洗浄チャンバは、基板支持体に面する複数の流体ノズルを含み得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前縁及び後縁によって特徴付けられる流体ポートを画定し得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、流体ポートの前縁で各流体ノズルから供給される流体に関して基板着座位置と交わる交差位置において約90°以上の内角を生成するように、基板支持体の基板着座位置に対して角度を付けられ得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板着座位置を有する基板支持体、及び
前記基板支持体に面する複数の流体ノズルを備え、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前縁及び後縁によって特徴付けられる流体ポートを画定し、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記流体ポートの前記前縁で各流体ノズルから供給される流体に関して前記基板着座位置と交わる交差位置において約90°以上の内角を生成するように、前記基板支持体の前記基板着座位置に対して角度を付けられている、洗浄チャンバ。
【請求項2】
各流体ノズルは、約500psi以上で流体を供給するように動作可能である、請求項1に記載の洗浄チャンバ。
【請求項3】
前記複数の流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルであり、前記洗浄チャンバは、第2の複数の流体ノズルを備える、請求項1に記載の洗浄チャンバ。
【請求項4】
前記第1の複数の流体ノズルは、第1の方向において前記基板着座位置に向けられ、前記第2の複数の流体ノズルは、前記第1の方向とは反対の第2の方向において前記基板着座位置に向けられている、請求項3に記載の洗浄チャンバ。
【請求項5】
前記第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記第1の複数の流体ノズルの各隣接する流体ノズルからある間隙だけ離隔され、前記第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記第1の複数の流体ノズルの2つの流体ノズルの間の間隙に対応する位置に配置されている、請求項3に記載の洗浄チャンバ。
【請求項6】
前記第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記洗浄チャンバにわたる第1の方向において直線に沿って配置され、前記第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記第1の方向に垂直な前記洗浄チャンバにわたる第2の方向において直線に沿って配置されている、請求項3に記載の洗浄チャンバ。
【請求項7】
前記洗浄チャンバ内の前記第1の複数の流体ノズルに流体結合された第1の洗浄流体リザーバ、及び
前記洗浄チャンバ内の前記第2の複数の流体ノズルに流体結合された第2の洗浄流体リザーバを更に備える、請求項3に記載の洗浄チャンバ。
【請求項8】
前記第1の洗浄流体リザーバは、第1の洗浄流体を含み、前記第2の洗浄流体リザーバは、前記第1の洗浄流体とは異なる第2の洗浄流体を含む、請求項7に記載の洗浄チャンバ。
【請求項9】
各流体ポートは、スリット開口部によって特徴付けられる、請求項1に記載の洗浄チャンバ。
【請求項10】
基板洗浄チャンバ内で基板を配置すること、及び
前記基板洗浄チャンバ内の複数の流体ノズルから前記基板に洗浄流体を噴霧することを含み、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルは、各流体ノズルからの供給の前縁に沿った前記洗浄流体と前記基板との間の内角が約90°以上であるように、前記基板に対して角度を付けられる、基板洗浄の方法。
【請求項11】
前記洗浄流体を噴霧しながら前記基板洗浄チャンバ内で前記基板を回転させることを更に含む、請求項10に記載の基板洗浄の方法。
【請求項12】
前記洗浄流体は、約250psi以下の流体圧力で噴霧される、請求項11に記載の基板洗浄の方法。
【請求項13】
前記回転の方向を逆にすること、及び
前記基板に前記洗浄流体を噴霧し続けることを更に含む、請求項11に記載の基板洗浄の方法。
【請求項14】
前記洗浄流体は、約500psi以上の流体圧力で噴霧される、請求項10に記載の基板洗浄の方法。
【請求項15】
前記洗浄流体は、脱イオン水、フッ化水素酸、又は水酸化アンモニウムを含む、請求項10に記載の基板洗浄の方法。
【請求項16】
前記洗浄流体は、第1の洗浄流体を含み、前記方法は、
前記第1の洗浄流体の噴霧を停止すること、及び
前記基板に第2の洗浄流体を噴霧することを更に含む、請求項10に記載の基板洗浄の方法。
【請求項17】
前記複数の流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルであり、前記第2の洗浄流体は、第2の複数の流体ノズルから噴霧される、請求項16に記載の基板洗浄の方法。
【請求項18】
前記第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記洗浄チャンバにわたる第1の方向において直線に沿って配置され、前記第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記第1の方向に垂直な前記洗浄チャンバにわたる第2の方向において直線に沿って配置される、請求項17に記載の基板洗浄の方法。
【請求項19】
基板着座位置を有する基板支持体、及び
前記基板支持体に面する複数の流体ノズルを含み、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルは、噴霧前縁及び噴霧後縁を有する噴霧角度によって特徴付けられる流体ポートを画定し、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前記複数の流体ノズルの各流体ノズルの前記流体ポートの前記噴霧角度の前記噴霧前縁が、約90°以上の内角で前記基板着座位置と交わる位置において交差するように、前記基板支持体の前記基板着座位置に対して角度を付けられている、洗浄チャンバ。
【請求項20】
前記基板支持体は、回転可能なドラムを備え、前記複数の流体ノズルは、前記回転可能なドラムの外側の前記洗浄チャンバの側壁に沿って結合され、各流体ノズルは、約500psi以上で流体を供給するように動作可能である、請求項19に記載の洗浄チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年12月3日に出願された「SURFACE CLEANING WITH DIRECTED HIGH PRESSURE CHEMISTRY」という題目の米国非仮特許出願第17/541,540号の利益及び優先権を主張し、当該非仮特許出願の内容は、その全体があらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本技術は、半導体システム、プロセス、及び装置に関する。特に、本技術は、高圧基板洗浄プロセス及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 他の処理工程の中でもとりわけ、化学機械研磨は、半導体処理において一般的に使用され、半導体基板の上に形成された材料の層を平坦化又は研磨する。典型的な処理では、基板が、研磨スラリが上に流される回転している研磨パッドに押し付けられる。基板に沿って形成された材料は、研磨スラリの化学的相互作用と研磨パッドによる機械的相互作用との組み合わせによって除去される。化学機械研磨及び他のプロセスにおいて、粒子混入が更なる微細化の大きな課題となるにつれて、製造中の基板洗浄が不十分になる可能性がある。
【0004】
[0004] したがって、洗浄及び向上した粒子除去のためのシステムを改善するために使用され得る改良されたシステム及び方法が必要とされている。これらの必要性及びその他の必要性は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 洗浄チャンバは、基板着座位置を有する基板支持体を含み得る。洗浄チャンバは、基板支持体に面する複数の流体ノズルを含み得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、前縁及び後縁によって特徴付けられる流体ポートを画定し得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、流体ポートの前縁で各流体ノズルから供給される流体に関して基板着座位置と交わる交差位置において約90°以上の内角を生成するように、基板支持体の基板着座位置に対して角度を付けられ得る。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、各流体ノズルが、約500psi以上で流体を供給するように動作可能であり得る。複数の流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルであり得、洗浄チャンバは、第2の複数の流体ノズルを含み得る。第1の複数の流体ノズルは、第1の方向において基板着座位置に向けられ得る。第2の複数の流体ノズルは、第1の方向とは反対の第2の方向において基板着座位置に向けられ得る。第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルの各隣接する流体ノズルからある間隙だけ離隔され得る。第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルの2つの流体ノズルの間の間隙に対応する位置に配置され得る。第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、洗浄チャンバにわたる第1の方向において直線に沿って配置され得る。第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、第1の方向に垂直な洗浄チャンバにわたる第2の方向において直線に沿って配置され得る。洗浄チャンバ又はシステムは、洗浄チャンバ内の第1の複数の流体ノズルに流体結合された第1の洗浄流体リザーバを含み得る。洗浄チャンバ又はシステムは、洗浄チャンバ内の第2の複数の流体ノズルに流体結合された第2の洗浄流体リザーバを含み得る。第1の洗浄流体リザーバは、第1の洗浄流体を含み得、第2の洗浄流体リザーバは、第1の洗浄流体とは異なる第2の洗浄流体を含み得る。各流体ポートは、スリット開口部によって特徴付けられ得る。
【0007】
[0007] 本技術の幾つかの実施形態は、基板洗浄の方法を包含し得る。該方法は、基板洗浄チャンバ内で基板を配置することを含み得る。該方法は、基板洗浄チャンバ内の複数の流体ノズルから基板に洗浄流体を噴霧することを含み得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、各流体ノズルからの供給の前縁に沿った洗浄流体と基板との間の内角が約90°以上であるように、基板に対して角度を付けられる。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、該方法が、洗浄流体を噴霧しながら基板洗浄チャンバ内で基板を回転させることを含み得る。洗浄流体は、約250psi以下の流体圧力で噴霧され得る。該方法は、回転の方向を逆にすることを含み得る。該方法は、基板に洗浄流体を噴霧し続けることを含み得る。洗浄流体は、約500psi以上の流体圧力で噴霧され得る。洗浄流体は、脱イオン水、フッ化水素酸、又は水酸化アンモニウムであってよく、又はそれを含んでよい。洗浄流体は、第1の洗浄流体を含み得る。該方法は、第1の洗浄流体の噴霧を停止することを含み得る。該方法は、基板に第2の洗浄流体を噴霧することを含み得る。複数の流体ノズルは、第1の複数の流体ノズルであり得、第2の洗浄流体は、第2の複数の流体ノズルから噴霧され得る。第1の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、基板洗浄チャンバにわたる第1の方向において直線に沿って配置され得る。第2の複数の流体ノズルの各流体ノズルは、第1の方向に垂直な基板洗浄チャンバにわたる第2の方向において直線に沿って配置され得る。
【0009】
[0009] 本技術の幾つかの実施形態は、洗浄チャンバを包含し得る。洗浄チャンバは、基板着座位置を有する基板支持体を含み得る。洗浄チャンバは、基板支持体に面する複数の流体ノズルを含み得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、噴霧前縁及び噴霧後縁を有する噴霧角度によって特徴付けられる流体ポートを画定し得る。複数の流体ノズルの各流体ノズルは、複数の流体ノズルの各流体ノズルの流体ポートの噴霧角度の噴霧前縁が、約90°以上の内角で基板着座位置と交わる位置において交差するように、基板支持体の基板着座位置に対して角度を付けられ得る。幾つかの実施形態では、基板支持体が、回転可能なドラムを含み得る。複数の流体ノズルは、回転可能なドラムの外側の洗浄チャンバの側壁に沿って結合され得る。各流体ノズルは、約500psi以上で流体を供給するように動作可能であり得る。
【0010】
[0010] このような技術は、従来のシステム及び技法を超えた多数の利点を提供してよい。例えば、洗浄システムは、複数の基板表面にわたる粒子汚染を迅速に低減させ得る費用効果に優れた処理を可能にし得る。更に、本技術は、幾つかのやり方で処理され得る任意の数の基板上の粒子数を低減させ得る。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その多くの利点や特徴と共に、後述の記載及び添付の図面により詳細に説明されている。
【0011】
[0011] 本明細書の後述の部分及び下記の図面を参照することにより、本開示の技術の性質や利点は更に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012] 本技術の幾つかの実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
【
図2】[0013] 本技術の幾つかの実施形態による処理の方法における選択された工程を示す。
【
図3】[0014] 本技術の幾つかの実施形態による例示的な洗浄システムの概略断面図を示す。
【
図4】[0015] 本技術の幾つかの実施形態による例示的な洗浄ノズル配置の概略図を示す。
【
図5】[0016] 本技術の幾つかの実施形態による例示的なノズル角度の概略図を示す。
【
図6】[0017] 本技術の幾つかの実施形態による例示的なノズル配向の概略図を示す。
【
図7】[0018] 本技術の幾つかの実施形態による例示的なノズル配向の概略図を示す。
【
図8】[0019] 本技術の幾つかの実施形態による例示的なノズル配向の概略図を示す。
【
図9】[0020] 本技術の幾つかの実施形態による例示的なノズル配向の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021] 図面のうちの幾つかは、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであるとみなしてはならないと理解するべきである。更に、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、現実的な描写に比べて全ての側面又は情報を含まない場合があり、例示を目的として誇張された内容を含むことがある。
【0014】
[0022] 添付図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同一の参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの何れにも適用可能である。
【0015】
[0023] 基板処理は、任意の数の構造を生成するための材料の形成及び除去を含み得る。処理中、粒子生成及び汚染が、界面層の適合性や層形成の品質に影響を与える可能性がある。化学機械研磨又は任意の他の種類の研磨若しくは除去が、システムの公差内など、比較的平面的な表面を生成するために行われてよいが、この工程では任意の数の粒子が導入される可能性がある。ブラシスクラバーを使用して、研磨工程からの残留物質を除去することができるが、従来のブラシスクライバーでは、除去できる粒子のサイズが制限されることがあり、またスクライバーから更なる粒子状物質を導入することもある。ブラシスクラビングはまた、ブラシが消耗品となるため、ブラシの耐用年数にわたって洗浄効率が変動し、ならびに耐用年数終了時の交換のために工具のダウンタイムが必要となるという制限にも直面している。したがって、任意の数の半導体、太陽電池、又はディスプレイの製造プロセスにおいて、粒子汚染が更なる微細化の障害となる可能性がある。
【0016】
[0024] 他の従来の洗浄システムも同様に、不十分な洗浄に悩まされることがある。例えば、従来技術における噴霧洗浄は、しばしば、噴霧ノズルを洗浄される基板に直接沿って方向付けた状態で低圧で行われる。より低い圧力を使用して、普通であればパターンの崩壊をもたらす可能性があるはずのデバイスフィーチャへの任意の影響を制限する。しかし、これは基板の洗浄に多くの問題を引き起こす可能性がある。例えば、圧力が低いと、特定の大きな粒子は基板から除去できるが、より小さな粒子状物質を除去するには十分な力が得られない可能性がある。更に、洗浄される基板表面に対して垂直に配向された噴霧ノズルは、幾つかの課題をもたらす可能性がある。より長い洗浄時間を要することに加え、基板上に噴霧された流体パターンの相互作用により、隣接するノズルからの相互作用する流体ストリーム間に渦電流が生成される可能性がある。大きな粒子は除去されるかもしれないが、この相互作用により、流れる流体の力が弱まり、基板と小さな粒子との間のファンデルワールス力に打ち勝つことができなくなるかもしれないし、洗浄される基板にわたり生成される渦により、小さな粒子が二次的な位置で再付着するようになるかもしれない。したがって、従来の技術は、基板洗浄及び粒子除去を改善することができなかった。
【0017】
[0025] 本技術は、粒子除去を増加させ、ノズルの相互作用を低減させ得る流体の流量パターンを生成するために、特別に角度を付けたノズルを有する洗浄システムを提供することによって、従来のスクラビング及び洗浄システムにおけるこれらの問題を克服する。更に、本技術は、流体圧力の上昇を利用することができ、これにより、洗浄される表面にわたる粒子除去を改善することができる。本技術は、1以上の流体を利用して、基板表面にわたる洗浄流体と粒子との間のゼータ電位を調整することができ、これにより、粒子及び基板の電荷を変化させて、初期位置及び基板からの移送中の両方において、粒子と基板表面との間のファンデルワールス力の除去及び克服を容易にすることができる。
【0018】
[0026] 残りの開示は、開示される技術を利用する特定の堆積プロセスを通常通りに特定することとなるが、システム及び方法は、ディスプレイパネル、ソーラーパネル、又は粒子除去が有益であり得る任意の他の基板を含む、洗浄のための様々な他の基板に等しく適用可能であることが容易に理解されるであろう。したがって、本技術は、説明される基板及びプロセス単独で使用されるように限定されると考えられるべきではない。本開示は、本技術の幾つかの実施形態による例示的なプロセスシーケンスのシステム及び方法又は工程について説明する前に、本技術が使用される可能性がある1つの可能なシステムについて説明することになる。本技術は、説明される装置に限定されず、説明されるプロセスは、任意の数の修正(それらのうちの一部は以下で述べられることとなる)を伴って、任意の数の処理チャンバ及びシステムにおいて実行されてよいことを理解されたい。
【0019】
[0027]
図1は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的な研磨システム100の概略断面図を示す。研磨システム100は、下側プラテン104と上側プラテン106とを含むプラテンアセンブリ102を含む。下側プラテン104は、内部空間又は空洞を画定し得る。この内部空間又は空洞を通して、接続が行われ得る。ならびに、この内部空間又は空洞内に、終点検出装置又は他のセンサ若しくはデバイス、例えば、渦電流センサ、光学センサ、又は研磨工程若しくは構成要素を監視するための他の構成要素が含まれ得る。例えば、以下で更に説明されるように、下側プラテン104を通って延在するラインで流体継ぎ手が生成されてよく、これらのラインは、上側プラテンの裏側を通って上側プラテン106にアクセスし得る。プラテンアセンブリ102は、上側プラテンの第1の表面上に取り付けられた研磨パッド110を含み得る。基板キャリア108(又はキャリアヘッド)が、研磨パッド110の上方に配置されてよく、研磨パッド110に対向してよい。プラテンアセンブリ102は、軸Aの周りで回転可能であってよく、基板キャリア108は、軸Bの周りで回転可能であってよい。基板キャリアはまた、プラテンアセンブリに沿って内径から外径まで前後にスイープし、部分的に、研磨パッド110の表面の不均一な摩耗を低減させるようにも構成され得る。研磨システム100はまた、研磨パッド110の上方に配置された流体供給アーム118であって、研磨パッド110の上に研磨流体(研磨スラリなど)を供給するために使用され得る流体供給アーム118も含み得る。更に、パッド調整アセンブリ120が、研磨パッド110の上方に配置されてよく、研磨パッド110に対向してよい。
【0020】
[0028] 化学機械研磨プロセスを実行する幾つかの実施形態では、回転及び/又はスイープする基板キャリア108が、基板112に対してダウンフォース(下向きの力)をかけることができる。基板112は、仮想線で図示されており、基板キャリア内に配置されてよく、基板キャリアに結合されてよい。加えられるダウンフォースは、研磨パッド110がプラテンアセンブリの中心軸の周りで回転するときに、基板112の材料面を研磨パッド110に対して押し下げ得る。研磨パッド110に対する基板112の相互作用は、流体供給アーム118によって供給される1以上の研磨流体の存在下で生じ得る。典型的な研磨流体は、研磨粒子が内部に懸濁され得る水溶液で生成されたスラリを含み得る。しばしば、研磨流体は、基板112の材料表面の化学機械研磨を可能にし得る、酸化剤などのような、pH調整剤及び他の化学的に活性な成分を含有する。
【0021】
[0029] パッド調整アセンブリ120は、前述されたように回転され得る研磨パッド110の表面に対して、固定された研磨調整ディスク122を適用するように動作可能であり得る。この調整ディスクは、基板112の研磨前、後、又は中に、パッドに対して動作させることができる。調整ディスク122を用いて研磨パッド110を調整することで、研磨パッド110の研磨面から研磨副産物や他のデブリを研磨し、活性化し、除去することによって、研磨パッド110が所望の状態に維持され得る。上側プラテン106は、下側プラテン104の取り付け面上に配置されてよく、下側プラテン104の環状フランジ形状部分を通って延在するような、複数のファスナ138を使用して、下側プラテン104に結合されてよい。
【0022】
[0030] 研磨プラテンアセンブリ102、したがって上側プラテン106は、任意の所望の研磨システム用に適切にサイズ決定されてよく、200mm、300mm、450mm、又はそれより上を含む、任意の直径の基板用にサイズ決定されてよい。例えば、300mmの直径の基板を研磨するように構成された研磨プラテンアセンブリは、約300mmを超える、例えば約500mmと約1000mmとの間など、又は約500mmを超える直径によって特徴付けられてよい。プラテンは、より大きな若しくは小さな直径によって特徴付けられた基板を収容するために、又は複数の基板の同時研磨用にサイズ決定された研磨プラテン106用に、直径が調整されてよい。上側プラテン106は、約20mmと約150mmの間の厚さによって特徴付けられてよく、約100mm以下、例えば、約80mm以下、約60mm以下、約40mm以下、又はそれより下の厚さによって特徴付けられてよい。幾つかの実施形態では、研磨プラテン106の直径と厚さとの比が、約3:1以上、約5:1以上、約10:1以上、約15:1以上、約20:1以上、約25:1以上、約30:1以上、約40:1以上、又は約50:1以上、又はそれより上であってよい。
【0023】
[0031] 上側プラテン及び/又は下側プラテンは、適切に剛性の軽量な及び研磨流体耐食性の材料、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス鋼などで形成されてよいが、任意の数の材料が使用されてもよい。研磨パッド110は、ポリウレタン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイドなどの高分子材料、又はこれら若しくは他の材料の組み合わせなどの、任意の数の材料で形成されてよい。更なる材料は、処理化学物質に対して適合性があり得る、連続気泡若しくは独立気泡のポリマー、エラストマー、フェルト、含浸フェルト、プラスチック、又は任意の他の材料であってよく、又はそれらを含んでよい。研磨システム100は、システム100内に組み込まれ得る以下で説明される構成要素への適切な参照を提供するために含まれるが、本技術の実施形態が、以下で更に説明されるような構成要素及び/又は機能から利益を得ることができる任意の数の研磨システムに組み込まれ得るので、研磨システム100の説明は、あらゆるやり方で本技術を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0024】
[0032] 上述された本技術の複数の実施形態による研磨アセンブリは、本技術の幾つかの実施形態による基板洗浄の方法において使用されてよい。研磨工程は、スラリ、取り付け面、及び研磨パッドからのものを含む、任意の数の粒子を導入する可能性がある。上述されたように、化学機械研磨は、本技術の幾つかの実施形態による幾つかの基板洗浄プロセスに適用可能であり得る基板洗浄の工程を実行する前に必ずしも実行されなくてよい。しかし、研磨やその他の工程からの粒子の生成は、基板の複数の表面に沿って様々なサイズの粒子を多数残す可能性がある。
図2は、本技術の幾つかの実施形態による、基板洗浄の方法200における選択された工程を示す。方法200は、半導体、ディスプレイ、又は他の基板上で1以上の材料の層を成長させるためのプロセス、ならびに基板上のフィーチャを除去する又は成長させるための任意の数のプロセスを含め、述べられる方法の工程の開始の前に1以上の工程を含み得る。このプロセスは、基板にわたり曝露され得る、ならびに幾つかの実施形態では基板の裏側に付着し得る、粒子状物質を成長させる可能性がある。
【0025】
[0033] 幾つかの実施形態は、任意選択的な工程205において化学機械研磨プロセスを実行するプロセスを含んでよい。このプロセスは、基板全体にわたって実質的に平面的な表面を提供し得るが、洗浄される平面的な表面は、任意の数の方法によって提供されてよいことを理解されたい。平面性とは、例えば、化学機械研磨を含む、平面性を生成するために利用されるプロセスの公差内などの、比較的平坦な表面を意味する。更に、幾つかの実施形態では、基板の露出面が、任意の処理又は製造方法によって作成され得る任意の数のトポグラフィーによって特徴付けられてよい。工程210において、方法200は、洗浄チャンバ内で基板を配置することを含んでよい。洗浄チャンバは、基板着座位置を含む基板支持体を含んでよい。例示的な洗浄チャンバは、以下でより詳細に説明され得る。
【0026】
[0034] 工程215において、方法200は、基板にわたり洗浄流体を噴霧することを含んでよい。流体は、複数のノズルから供給されてよい。複数のノズルは、チャンバの1以上の部分にわたり延在してよい。以下で更に詳細に説明されることとなるように、本技術の幾つかの実施形態による流体ノズルは、基板表面に対して角度を付けられてよい。これにより、洗浄プロセスが改善され得る。幾つかの実施形態では、任意選択的な工程220において、基板が、ノズルに対して洗浄チャンバ内で回転されてよく、又はさもなければ表面洗浄を改善するために1以上の方向において平行移動されてよい。回転の方向に応じて、前縁及び後縁の概念が述べられるものとは逆になり得る。流体ノズルの角度に対する回転の方向に応じて、幾つかの実施形態では、いずれの縁部も前縁又は後縁になり得ることを理解されたい。更に、流体ノズルは、そこから流体ノズルが延在するところのスパンを移動させることなどによって、基板表面の洗浄及び露出を更に改善するために、チャンバ内で側方に平行移動されてよい。幾つかの実施形態では、任意選択的な工程225において、第1の洗浄流体を利用する噴霧工程が停止されてよく、第2の洗浄流体が噴霧され又は他の方法で供給されてよい。第2の洗浄流体は、処理チャンバ内の同じ又は異なる流体ノズルから供給されてよい。任意の数の更なる流体供給がまた実行されてもよい。洗浄方法200の幾つかの態様が、洗浄及び処理スループットを改善するために実行されてよく、以下でより詳細に説明されることとなる。以下で説明されるような任意の態様が、方法200、又は本技術の複数の態様を利用する任意の他の洗浄の方法に適用されてよいことを理解されたい。
【0027】
[0035]
図3は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的な洗浄システム300の概略断面図を示すが、本技術の複数の実施形態によるプロセスは、様々なチャンバ及びシステムにおいて実行されてよい。洗浄システム300は、供給される流体の重力除去を容易にする垂直配向に配置されながら、1以上の表面に沿って基板が洗浄され得る例示的なシステムを示す。複数の実施形態では、チャンバ内で基板が水平に配置され又は基板支持体にチャックされるところのチャンバを有することを含め、システムに複数の調整を行うことができることを理解されたい。方法200を含む本技術の幾つかの実施形態による複数の方法は、システム300、又は本出願の全体を通して説明される構成要素のうちの1以上を有する代替的なシステムにおいて実行されてよい。洗浄システム300は、任意の特定の縮尺で図示されておらず、幾つかの実施形態に含まれ得る複数の構成要素を例示するためにのみ図示されていることを理解されたい。本開示の全体を通して説明されるような効果又は拡大縮小(スケーリング)を提供するために、複数の構成要素が互いに接近又は離隔してもよいことを理解されたい。
【0028】
[0036] 洗浄システム300は、チャンバ本体305を含み得る。チャンバ本体305は、チャンバ内での基板の垂直配向を可能にし得るが、幾つかの実施形態では、ウエハが水平に着座するようにチャンバが配向されてもよい。その場合、上方及び/又は下方から流体が供給される。幾つかの実施形態では、チャンバ本体が、チャンバ本体305内に配置されたドラム310を含み得る。ドラム310は、基板シート312を含んでよく又は画定してよく、基板315が洗浄チャンバ内に配置され又は着座することを可能にする。幾つかの実施形態では、ドラム310が、チャンバ本体305内で回転可能であってよい。これは、前述されたように洗浄工程を容易にしてよく、基板を回転させながら静的な流体供給を可能にしてよい。基板315は、前述された任意の寸法形状によって特徴付けられてよく、ディスプレイ、ソーラーパネル、又は他のパネル基板構成などの、矩形の寸法形状を含んでもよい。
【0029】
[0037] 基板及び洗浄工程に応じて、ドラム310は、対向する表面に沿って基板の露出を可能にするように基板シートを画定してよい。これは、処理される表面、又は形成若しくは除去が行われた表面、及び裏側表面が、本技術の幾つかの実施形態に従って同時に洗浄されることを可能にし得る。更に、ドラム又は基板支持体は、基板着座面を含んでよい。これにより、本技術の幾つかの実施形態では、減圧又は静電チャックなどによって基板が挟持されることが可能になり得る。回転するように構成されているときに、ドラム310又は基板支持体は、洗浄工程やスピン又は乾燥工程に対応する速度を含む、任意の速度で回転するように動作可能であってよい。更に、ドラム310は、楕円軌道を可能にする軸を中心として回転してよく、側方移動ならびに回転移動を可能にして、基板全体にわたる洗浄曝露を改善してよい。
【0030】
[0038] 洗浄システム300はまた、流体供給装置320も含んでよく、本技術の幾つかの実施形態では、第2の流体供給装置325を含んでもよい。流体供給装置320又は325は、以下で説明されることとなるように、複数の流体ノズルを含んでよい。これにより、基板にわたって1以上の洗浄流体が供給又は噴霧され得る。流体供給装置320は、第1の流体リザーバ322と流体結合されてよい。第1の流体リザーバ322は、流体供給装置320の1以上の複数のノズルに1以上の流体を供給してよい。同様に、流体供給装置325は、第2の流体リザーバ327と流体結合されてよい。第2の流体リザーバ327は、流体供給装置325の1以上の複数のノズルに1以上の流体を供給してよい。以下で説明されることとなるように、流体ノズルは、チャンバ本体305内で1以上のパターンにおいて分布してよく、本技術の複数の実施形態において平行移動可能であっても不可能であってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、流体ノズルが、回転され得る又は側方に平行移動され得るスパンから延在してよいが、幾つかの実施形態では、ノズル又はスパンがチャンバ本体内に固定されてもよい。これにより、洗浄チャンバ内で移動する構成要素からの更なる粒子生成が制限され得る。
【0031】
[0039]
図4は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的な洗浄ノズル配置400の概略図を示し、前述されたような流体供給装置の詳細を示し得る。基板405が含まれ、洗浄される任意の基板であってよく、1以上の洗浄ノズル配置400を組み込んだ洗浄チャンバ内に着座し、配置され、又は収容されてよい。垂直配向で図示されているが、該システムは、本技術によって包含される複数の実施形態において水平に配置されてもよいことを理解されたい。更に、ノズルは、垂直配向で図示されているが、ノズルはまた、水平なスパン上でチャンバにわたり配置されてもよく、特定の配向又は方向なしに示されてもよい。同様に、基板を回転させることができる複数の実施形態では、図が、基板405がページ内又はページ外のいずれかの方向に回転され得る構成及び/又はノズル配向を示してよい。洗浄ノズルは、上述されたような洗浄システム又は任意の他の洗浄システム内に含まれてよく、前述されたように洗浄プロセスを実行するために使用されてよい。本技術は、基板にわたる改善された流れ及び洗浄を可能にする特別に角度を付けられたノズルを有する洗浄ノズル設定を提供してよく、これにより、基板にわたる渦電流の生成又は干渉が制限され得る。図示されているように、この配置は、スパン410又はブリッジを含み得る。スパン410又はブリッジは、上述されたように流体リザーバに結合されてよい。流体リザーバは、1以上の流体ノズル415への流体供給のためのスパンに沿った又はスパン内の1以上のチャネルを含んでよい。
【0032】
[0040] 流体ノズル415は、角度417においてスパン410から延在してよく、基板に面してよい。ノズルは、基板405に対して垂直な姿勢から離れる向きに延在してよい。任意の数の流体ノズルが、スパンに沿って配置されてよく、流体ノズルの間に任意の間隙419を含むように離隔してよい。更に、含まれる流体ノズルの数は、洗浄される基板のサイズ及び形状に応じてよい。各流体ノズルは、基板への流体噴霧425を画定し得る流体ポート420を画定してよく又は含んでよい。流体ポート420は、開孔又は丸みを帯びた形状であってよいが、幾つかの実施形態では、流体ポート420が、矩形開口部などのスリット又はスロットを画定してよい。これにより、平坦な流体噴霧425が基板に提供され得る。任意の数の開孔又は流体ポートが、本技術によって包含され、流体が基板に供給されるときに、流体噴霧圧力及びプロファイルを調整するために使用されてよい。
【0033】
[0041] 以下で更に説明されることとなるように、幾つかの実施形態では、流体ノズルが、基板表面に沿った特定の噴霧プロファイルを提供するために角度を付けられてよい。例えば、流体ポートは、噴霧角度427を含む流体噴霧425のためのパターンを画定してよい。このパターンは、洗浄流体がシステムを通って供給され得る圧力によっても影響され得る。任意の噴霧角度427が本技術によって包含されてよいが、幾つかの実施形態による流体ノズル415は、約60°以下の噴霧角度を提供してよく、約55°以下、約50°以下、約45°以下、約40°以下、約35°以下、約30°以下、約25°以下、約20°以下、約15°以下、約10°以下、又はそれより下の噴霧角度を提供してもよい。幾つかの実施形態では、約10°以上、約15°以上、又はそれより上の噴霧角度が提供される。これは、基板表面にわたるカバレッジを提供するために使用されるノズルの数を減らし得る。噴霧角度を比較的小さく維持することによって、噴霧に対応する基板にわたる力が、角度を付けられたパターンに対してより均一になってよい。これにより、包含される複数のシステムにおける洗浄効率が向上し得る。幾つかの実施形態では、角度417が、噴霧角度と同様であってよく、又は垂直配向から一方向に追加された噴霧角度の一部分、例えば半分であってよい。これにより、以下で更に説明されることとなるように、流体噴霧の前縁を向けるようにノズルを位置合わせすることができる。
【0034】
[0042] ノズルの配向及び供給の噴霧角度は、基板にわたる衝撃パターンに影響を与え得る。本技術は、ノズル間での相殺を制限することによって、隣接するノズルからの流体噴霧の間の相互作用を制限又は防止するように構成された噴霧パターンを提供するように、ノズルを方向付けることができる。
図5は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的な洗浄ノズル角度の概略図を示し、上述された洗浄ノズル配置の複数の態様の更なる詳細を示し得る。繰り返しになるが、水平配向で図示されているが、図は任意の配向の複数の態様を包含し得る。更に、基板を回転させることができる複数の実施形態では、図が、基板がページ内又はページ外のいずれかの方向に回転され得る構成及び/又はノズル配向を示してよい。上述されたように、各流体ノズルは、噴霧角度によって特徴付けられる噴霧パターン425を提供することができる。流体ポート420及び/又は流体噴霧425は、基板に向かう流体噴霧の供給の、基板へのより短い距離によって特徴付けられ得る前縁505と、基板へのより長い距離によって特徴付けられ得る後縁510と、によって特徴付けられてよい。本技術の幾つかの実施形態では、各流体ノズルは、基板405(若しくは洗浄チャンバ内の基板用の着座位置)に対して角度を付けられてよく、約90°以上の前縁における内角515を生成する。例えば、図示されているように、各ノズルは、流体ポート又は供給される流体の前縁と基板405にわたる位置との間の交差点における内角515が90°であるように、角度を付けられる。
【0035】
[0043] 流体ノズルが基板表面に対して垂直に配置されたときに(角度を付けずに又は基板に直接に面することなしに)、流体噴霧は、各方向(対向する側方又は円錐の全方向についてなど)において基板と接触し、広がることとなる。同様に方向付けられた隣接する流体ノズルは、第1のノズルから流れた流体に対して流体を送り戻すこととなり、流れの間の力が減少し、及び基板全体に渦電流が発生し、ならびに特定の位置における流れが停滞する可能性がある。粒子はファンデルワールス力のような吸引力を表面に対して持っている可能性があるため、停滞が粒子の離脱を妨げ得る。更に、最初に離脱し得る粒子については、渦の位置又は別の停滞点へ延在する流れによって、粒子が表面に再吸引される可能性があり、その吸引力は、粒子を再付着させるのに十分であり得る。本技術は、角度を付けられた流体ノズルを提供し、及び制御されたパターンで流体を供給し、ノズル間の流れの干渉を制限又は防止する。これにより、基板にわたるより同様な流れ及び流れの力が保証され得る。これにより、基板から粒子を離脱させることが容易になり、流量パターンにおける十分な力を維持してよく、粒子を表面から完全に除去することが確実になり得る。
【0036】
[0044] 衝撃流の量は、流体ストリーム間の特定の量の相互作用を引き起こすかもしれないが、前縁における力の増加は、低減されたストリームの後縁における逆流に打ち勝つことをもたらしてよく、殊に以下で説明されることとなるような流体圧力において、流量パターンへの任意の影響を制限してよい。流量と設置との両方における公差に起因して、相互作用を制限するために角度は約2°以下だけ重なってよいが、複数の実施形態では、前縁における基板に対する角度は、必然的に、約85°以上であってよく、約88°以上、約89°以上、約90°以上、約92°以上、約94°以上、約96°以上、約98°以上、約100°以上、約105°以上、約110°以上、約115°以上、約120°以上、又はそれより上であってよい。
【0037】
[0045] 後縁における外角520もまた、ノズルが配置される基板からの距離によって制御されてよい。幾つかの実施形態では、外角520が、約160°以下に制御されてよく、約155°以下、約150°以下、約145°以下、約140°以下、約135°以下、約130°以下、約125°以下、約120°以下、約115°以下、約110°以下、約105°以下、約100°以下、又はそれより下に維持されてよい。基板までの距離を制御し、より低い外角を維持することによって、後縁において加えられる力が、前縁において加えられる力により近くなる可能性があり、これにより、本技術の幾つかの実施形態ではより均一な洗浄が提供され得る。
【0038】
[0046] 幾つかの実施形態では、基板にわたる粒子除去を促進するために、洗浄流体が、約200psi以上の各流体ノズルからの圧力で供給されてよく、約250psi以上、約300psi以上、約350psi以上、約400psi以上、約450psi以上、約500psi以上、約550psi以上、約600psi以上、約650psi以上、約700psi以上、又はそれより上の圧力で供給されてよい。化学機械研磨工程が以前に実行された、又はさもなければ実質的に平面的な表面が形成される複数の実施形態では、圧力が約500psi以上に維持されてよい。基板にわたり多数のフィーチャが形成されている場合、より高い圧力が損傷やパターン崩壊をもたらし得る。しかし、本技術の幾つかの実施形態は、特に、以前の工程の公差内で、実質的に平面的なプロファイルによって特徴付けられる基板上で実行されてよい。これにより、流体圧力を高めることができ、基板の表面を汚染する粒子を更に低減させ、除去することが可能になる。更に、幾つかの実施形態では、第1の表面が、第1の流体圧力で流体を供給することによって洗浄されてよく、第1の表面の反対側の第2の表面が、第1の流体圧力とは異なる第2の流体圧力で流体を供給することによって洗浄されてよい。これは、表面にわたって露出される種々のトポグラフィーや材料を考慮してよい。
【0039】
[0047] 本技術の幾つかの実施形態に従って洗浄流体として利用される流体は、前述されたように噴霧され得る任意の流体又はエッチャント材料を含んでよい。例えば、洗浄流体は、脱イオン水、フッ化水素酸などの酸性流体、水酸化アンモニウムなどの塩基性流体、又は当業者に理解され得るような他の材料を含んでよい。幾つかの実施形態では、洗浄される構造への影響を制限するために、酸性溶液又は塩基性溶液が希釈されてよい。例えば、フッ化水素酸は、脱イオン水で約500:1以下、700:1以下、800:1以下、900:1以下、又は1000:1以下に希釈されてよく、これにより、基板にわたる露出した材料又はフィーチャに生じる可能性があるエッチングの量が低減され得る。
【0040】
[0048] これらの材料のいずれかは、洗浄プロセスを実行するために、単独で又は何らかの組み合わせで供給されてよい。1つの非限定的な実施例として、より高い圧力の脱イオン水の噴霧が、最初に第1の期間にわたりより大きな粒子について基板を洗浄するために供給されてよい。次いで、酸性流体又は塩基性流体が、第2の期間にわたり同じ又は異なる圧力で供給されてよく、より小さな粒子の除去を促進し得る。次いで、後続の脱イオン水噴霧及び乾燥工程が実行されて、酸性又は塩基性材料を除去し、基板を清浄にすることができる。任意の他の組み合わせ又はシーケンスが、本技術によって同様に包含される。異なる材料を利用することによって、ゼータ電位に影響を与えるように除去を更に調整することができる。これにより、基板にわたる粒子の電荷と基板それ自体の表面電荷とが調整され得る。異なる電荷によって特徴付けられる異なる流体を利用することによって、粒子の電荷が、表面電荷に近くなるように調整されてよく、引力が減少してよく、又は粒子が表面から反発し易くなり、小さな粒子の除去が更に改善され得る。
【0041】
[0049] 本技術はまた、本技術の幾つかの実施形態に従って、洗浄を更に改善し又は洗浄時間を短縮し得る、ノズル及び流体供給に関連する更なる複数の態様を含み得る。
図6は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的なノズル配向600の概略図を示す。図示されているように、複数のノズルを有するスパン605が、例示的又は概念的な基板610に関連して示されてよい。図示されているように、本技術の幾つかの実施形態によるノズルは、本技術の幾つかの実施形態において、第1の方向だけでなく、第2の方向にも角度を付けられてよい。例えば、流体ノズルは、方向615に沿ってスパン605に沿って角度を付けられてよく、これは、前述されたような基板表面に対して角度を付けられた流体ノズルを例示し得る。
【0042】
[0050] 更に、流体ノズルはまた、方向620に沿ってスパン605に沿って角度を付けられてもよく、これは、流体を回転する基板と共に又は回転する基板に対して向けることができる。方向620は、上述された角度417のような配向の任意の角度を含む、前述された角度のいずれかにおいて流体ノズルに角度を付けることによって生成されてよい。方向620は、直線としての配向を示しているが、前述されたように各矢印は方向に沿って更に配向されてよい。これにより、当業者によって容易に理解され得るように、2つの角度の配向が提供され得ることを理解されたい。更に、図は、方向620に方向付けられた第1の複数の流体ノズルと、反対方向622に方向付けられた第2の複数の流体ノズルと含む、複数の実施例を示す。スパン605の中間点を中心として、幾つかの実施形態では、ノズル配向が図示されているように反転されてよい。これにより、回転する基板に対して基板全体にわたり一貫した流れを確保できるが、基板の回転を含まないかもしれない他の複数のシステム用の設定も使用されてよい。方向620及び反対方向622は、スパン605に対して垂直に角度を付けられるように図示されているが、ノズルの角度はまた、垂直からオフセットされてもよく、上述されたようなスパンに沿ってだけでなく、スパンから複数の方向に角度を付けられてもよいことを理解されたい。例えば、ノズルは、方向621に沿って角度を付けられてもよく、これにより、垂直からオフセットされてよく、任意の程度に角度を付けてよく、スパンから離れるいずれかの方向に角度を付けてもよく、これにより、基板にわたる粒子除去及び流れ特性を更に調整することができる。
【0043】
[0051] 図示されているように、基板610は、いずれかの方向に回転されてよい。方向625に回転されたときに、方向620に沿った流体噴霧は、回転と相補的な方向に供給されるため、基板に対して低減された影響を有してよい。更に、基板が方向630に回転されたときに、方向620に沿った流体噴霧は、回転とは逆の方向に供給されるために、基板に対して増大した影響を有してよい。流体圧力、基板上に露出した材料、及び粒子除去のために必要な力の量に応じて、基板の回転及びノズルの角度は、洗浄を促進すると共に基板にわたる流体の流れを制御してよい。更に、幾つかの実施形態では、流体ノズルの角度が、基板の局所的な位置に対する流体ノズルの位置に基づいて変化してよい。例えば、幾つかの実施形態では、中心から外向きに延在する各流体ノズルが、増加又は減少する角度勾配に沿って角度を付けられてよく、前述された角度の範囲のいずれかにおける任意の方向に角度を付けられたノズルを含んでよい。これにより、基板の外縁により近い位置と比較して、基板の中心により近い位置での角運動量の差に基づいて、流体の流れを更に制御することが可能になり得る。
【0044】
[0052]
図7は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的なノズル配向の概略図を示し、第1の複数の流体ノズル705と第2の複数の流体ノズル710とを組み込んだ構成を示してよく、両方とも、第2の角度に沿ったような、流体供給が生じ得る方向として示され、前述されたように第1の角度によって増強されてよい。
図4で先に示されたように、角度又は配向に応じて、流体圧力及びノズル間の間隙距離と、基板表面にわたる流体圧力とが、より均一であったりなかったりし得る。
図7は、各流体ノズルが、隣接する流体ノズルからある間隙だけ離隔した構成を示す。第2の流体ラインが、スパンを通して提供されてよい。第2の流体ラインは、同じ又は異なる洗浄流体を供給してよく、第2の複数の流体ノズル710を通して流体を供給してよい。第2の複数の流体ノズルの各ノズルは、第1の複数の流体ノズル705の2つの流体ノズルの間の間隙に対応する位置に配置されてよい。これにより、流体噴霧間の相互作用を制限しながら、基板表面に対するより均一な力が可能になり得る。圧力は、2つの複数のノズルの間で同様であってよく又は異なってもよく、これは、基板の表面にわたる粒子除去を最大化しながら、ストリーム間の干渉を制限又は防止するための複数の空間的な態様を考慮してよい。また、上述された第2の角度などの同じ角度方向にノズルを方向付けることによって、ストリームは、第1の複数の流体ノズルと第2の複数の流体ノズルとの間の重なりを、制限するか又はなくすことができる。
【0045】
[0053] 更に、幾つかの実施形態では、第1の複数の流体ノズルと第2の複数の流体ノズルが、上述されたように同じ第1の角度に沿って方向付けられてよく、又は、第1の複数の流体ノズルが、基板にわたり第1の方向に方向付けられ、第2の複数の流体ノズルが、基板にわたり反対方向に方向付けられてよい。更に、幾つかの実施形態では、第1の複数の流体ノズルを使用して、第1の流体で洗浄を実行することができ、第2の複数の流体ノズルを使用して、第2の流体で洗浄(第1の流体供給が停止された後での後続の洗浄など)を実行することができる。これにより、流体ラインの汚染を制限することができ、本技術の幾つかの実施形態においてスループットを向上させることができる。このような構成に対応するために、2つの流体リザーバが使用されてよく、スパンを介して別々のノズルのセットに結合されてよい。
【0046】
[0054]
図8は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的なノズル配向の概略図を示し、第1の複数の流体ノズル805と第2の複数の流体ノズル810とを組み込んだ構成を示してよく、両方とも、第2の角度に沿ったような、流体供給が生じ得る方向として示され、前述されたように第1の角度によって増強されてよい。
図8は、複数のスパンが使用され得る一実施形態を示してよく、各スパンは、前述されたような複数の流体ノズルを含んでよい。図示されているように、第1のスパンは、第1の方向に向けられてよく、第1の方向におけるライン内のスパンに沿って配置された第1の複数の流体ノズル805を含んでよく、第1の方向は、スパンの中心の周りで反転されてよい。更に、第2のスパンは、第1の方向に垂直な第2の方向に向けられてよく、第2の方向におけるライン内のスパンに沿って配置された第2の複数の流体ノズル810を含んでよく、第2の方向も、スパンの中心の周りで反転されてよい。第1の複数の流体ノズルと第2の複数の流体ノズルは、同時にを含め、同じ流体を供給してよいが、幾つかの実施形態では、第1の複数の流体ノズルを使用して第1の流体で洗浄を実行することができ、第2の複数の流体ノズルを使用して第1の流体とは異なる第2の流体で洗浄を実行することができる。
【0047】
[0055]
図9は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的なノズル配向の概略図を示し、
図7で示されているようなノズル、ならびに
図8で示されているようなノズルなどを含め、ノズル構成の組み合わせを組み込んだ構成を示してよい。例えば、第1の複数の流体ノズルは、ノズル905とノズル910を含んでよく、それらの両方は、流体供給が第2の角度などに沿って生じ得る方向として図示され、前述されたように第1の角度によって増強されてよい。構成はまた、ノズル905とノズル910を含んでよい第2の複数の流体ノズルも含み、それらの両方は、流体供給が第2の角度などに沿って生じ得る方向として図示され、前述されたように第1の角度によって増強されてよい。
【0048】
[0056] 更に、図は、複数のスパンが使用され得る一実施形態を示してよく、各スパンは、前述されたような複数の流体ノズルを含んでよい。図示されているように、第1のスパンは、第1の方向に向けられてよく、第1の方向におけるライン内のスパンに沿って配置されたノズル905及び910を含む第1の複数の流体ノズルを含んでよく、第1の方向は、スパンの中心の周りで反転されてよい。更に、第2のスパンは、第1の方向に垂直な第2の方向に向けられてよく、第2の方向におけるライン内のスパンに沿って配置されたノズル915及び920を含む第2の複数の流体ノズルを含んでよく、第2の方向も、スパンの中心の周りで反転されてよい。第1の複数の流体ノズルと第2の複数の流体ノズルは、同時にを含め、同じ流体を供給してよいが、幾つかの実施形態では、第1の複数の流体ノズルからのノズル905と第2の複数の流体ノズルからのノズル915を使用して第1の流体で洗浄を実行することができ、第1の複数の流体ノズルからのノズル910と第2の複数の流体ノズルからのノズル920を使用して第1の流体とは異なる第2の流体で洗浄を実行することができる。角度を付けられたノズルを組み込んだ本技術の複数の実施形態による、洗浄システムを利用し、方法を実行することによって、改善された洗浄が基板のある範囲にわたり実行されてよく、従来の技術と比較して粒子の混入や汚染を低減させることができる。
【0049】
[0057] 前述の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されている。しかし、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の複数の実施形態を実施することができることは明らかであろう。
【0050】
[0058] 幾つかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることを認識されよう。更に、幾つかの周知の処理及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
【0051】
[0059] 値の範囲が提供されている場合、文脈上そうでないと明示されていない限り、当然ながら、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の小さい範囲、そしてその記載範囲のその他の任意の記載された値又は介在する値も含まれる。これら小さい範囲の上限及び下限は、その範囲に個々に含まれ、又はその範囲から除外される場合があり、小さい範囲に限界値の何れかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もまた、記載された範囲における明確に除外される任意の限界値を条件として、この技術範囲に包含される。記載された範囲が、限界値の片方又は両方を含む場合、これらの含められた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0052】
[0060] 本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「ノズル」への言及は、複数のそのようなノズルを含み、「開孔(aperture)」への言及は、当業者に知られている1以上の開孔及びその均等物などへの言及を含む。
【0053】
[0061] また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、1以上のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在若しくは追加を除外するものではない。
【国際調査報告】