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特表2024-541245エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果の決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果の決定
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241031BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525231
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2022079894
(87)【国際公開番号】W WO2023088649
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,468
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,フェン
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,ライウー
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヨンファ
(72)【発明者】
【氏名】ルー,イエン-ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジェン-シアン
(72)【発明者】
【氏名】マ,ズーヤン
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ダイウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シー
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ユー
【テーマコード(参考)】
2H197
5F004
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197BA11
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA10
2H197DA02
2H197GA01
2H197HA03
2H197JA17
2H197JA22
2H197JA26
5F004AA16
5F004CA08
5F004EA40
(57)【要約】
基板パターン内の輪郭の曲率に基づいてエッチングバイアス方向が決定される。このエッチングバイアス方向は、半導体パターニングプロセスの精度を以前のパターニングプロセスと比較して向上させるために用いられるように構成されている。いくつかの実施形態では、基板パターンの表現が受け取られ、この表現には基板パターン内の輪郭が含まれる。基板パターンの輪郭の曲率が決定され、この曲率に基づき、隣接する輪郭部分の曲率を考慮することでエッチングバイアス方向が決定される。シミュレーションモデルを使用して、基板パターンへのエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果が決定される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、
基板パターンの第1の輪郭の表現を受け取ること、
前記第1の輪郭の曲率を決定すること、
前記曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、及び
シミュレーションモデルを使用して、前記基板パターンへのエッチングプロセスについて前記エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定すること
を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記曲率は、前記第1の輪郭の所与の位置における曲率に対応し、前記エッチングバイアス方向は、前記所与の位置に関するものであり、前記エッチングバイアス方向は、前記所与の位置における前記曲率に基づいて、且つ前記所与の位置に近接する前記第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に更に基づいて決定される、請求項1に記載の媒体。
【請求項3】
前記第1の輪郭上の前記所与の位置に関する前記エッチングバイアス方向は、前記所与の位置における前記曲率と、前記第1の輪郭に沿った前記1つ以上の隣接位置における曲率との組み合わせに基づいて決定される、請求項2に記載の媒体。
【請求項4】
前記組み合わせは、前記曲率に基づいて重み付けされる、請求項3に記載の媒体。
【請求項5】
前記第1の輪郭上の前記所与の位置に関する前記エッチングバイアス方向は、前記所与の位置における前記第1の輪郭の前記法線方向と、前記第1の輪郭に沿った前記1つ以上の隣接位置における前記法線方向との組み合わせに基づいて決定される、請求項1に記載の媒体。
【請求項6】
前記組み合わせは、前記法線方向に関して重み付けされる、請求項5に記載の媒体。
【請求項7】
前記命令は更に、前記コンピュータに、前記基板パターンの前記第1の輪郭の前記表現に基づいてエッチングバイアス値を決定すること、及び前記シミュレーションモデルを使用して、前記エッチングバイアス方向と前記エッチングバイアス値とに基づく前記エッチング効果を決定することを実行させる、請求項1に記載の媒体。
【請求項8】
前記エッチング効果は、エッチング後基板パターンを生成する、エッチングにより生じる前記基板パターンの前記第1の輪郭における変化であり、前記シミュレーションモデルを使用して前記エッチング効果を決定することは、前記エッチングバイアス方向に基づいて前記エッチング後基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含み、前記第1の輪郭の前記表現は、電子的に受け取られ、前記第1の輪郭の前記表現は、レジスト輪郭の表現である、請求項1に記載の媒体。
【請求項9】
前記エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項を含むアルゴリズムを使用して行われる、請求項4に記載の媒体。
【請求項10】
前記シミュレーションモデルは、エッチングバイアスモデルである、請求項1に記載の媒体。
【請求項11】
前記シミュレーションモデルを使用して、前記基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについて前記エッチングバイアス方向に基づく前記エッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、前記基板パターンのゲージ輪郭上の各位置における前記エッチングバイアス方向を決定することを含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項12】
前記シミュレーションモデルを使用して、前記基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについて前記エッチングバイアス方向に基づく前記エッチング効果を決定することは、モデル適用フローにおいて、レジスト輪郭の各頂点に、前記エッチングバイアス方向に基づいてバイアスベクトルでバイアスをかけることでエッチング後輪郭を決定することを含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項13】
前記シミュレーションモデルを使用して、前記基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについて前記エッチングバイアス方向に基づく前記エッチング効果を決定することは、光近接効果補正について、レジスト輪郭と、前記レジスト輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向とを使用することと、前記光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用可能なエッチング後輪郭を決定することと、を含む、請求項1に記載の媒体。
【請求項14】
前記エッチング効果は、エッチングバイアス値及び前記エッチングバイアス方向に基づいて決定され、前記エッチングバイアス値及び/又は前記エッチングバイアス方向は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数に提供されるように構成される、請求項1に記載の媒体。
【請求項15】
前記第1の輪郭の前記曲率は、前記第1の輪郭を表す式の1つ以上の導関数に基づいて決定される、請求項1に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月17日に出願された米国出願第63/280,468号の優先権を主張するものであり、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、全体として、計算リソグラフィに関連するエッチング効果のシミュレーションに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ICの個々の層に対応するパターン(「設計レイアウト」)を含むか、又はそのようなパターンを提供することができ、このパターンは、放射感応性材料(「レジスト」)層でコートされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ以上のダイを含む)に、例えば、パターニングデバイス上のパターンを通してこのターゲット部分を照射するなどの方法で転写することができる。一般に、1つの基板には、リソグラフィ投影装置によって連続的にパターンが転写される複数の隣接したターゲット部分が含まれており、1回に1つのターゲット部分がパターン転写される。1つのタイプのリソグラフィ投影装置では、パターニングデバイス全体のパターンが1つのターゲット部分に1回の動作で転写される。このような装置は、一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン式装置と呼ばれる代替的な装置では、投影ビームが任意の基準方向(「スキャン」方向)にパターニングデバイスをスキャンしつつ、同時に、上記基準方向と平行又は逆平行に基板を移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、1つのターゲット部分に対して段階的に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は縮小率M(例えば、4)を有するため、基板を移動させる速度Fは、投影ビームがパターニング装置をスキャンする速度の1/M倍となる。リソグラフィ装置に関する更なる情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,046,792号から得られる。
【0004】
[0004] パターニングデバイスから基板にパターンを転写する前に、プライミング、レジストコーティング、ソフトベークなどの様々な手順が基板に対して行われ得る。露光後には、露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベーク、転写されたパターンの測定/検査などの他の手順(「露光後手順」)が基板に対して行われ得る。この一連の手順は、デバイス、例えば、ICの個々の層を作成するための基礎として使用される。その後、基板は、エッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化、酸化、化学機械研磨などの様々なプロセスを受けることがあり、これらはすべてデバイスの個々の層を仕上げるためのものである。デバイスに複数の層が必要である場合は、手順全体、又はその変形が各層に対して繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在することとなる。これらのデバイスは、その後、ダイシングやソーイングなどの技術によって互いに分離され、それにより、個々のデバイスをキャリアに取り付けることや、ピンに接続することなどが可能となる。
【0005】
[0005] 半導体デバイスなどのデバイスの製造は、通常、数多くの製造プロセスを使用して基板(例えば、半導体ウェーハ)を処理することで、デバイスの様々なフィーチャ及び複数の層を形成することを伴う。このような層及びフィーチャは、通常、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入などを用いて製造及び処理される。複数のデバイスは、基板上の複数のダイに作成し、その後、個々のデバイスに分離することができる。このようなデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスと考えることができる。パターニングプロセスには、リソグラフィ装置内のパターニングデバイスを使用した光リソグラフィ及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニング工程が含まれ、これにより、パターニングデバイス上のパターンが基板に転写され、また、典型的には(ただし任意選択ではあるが)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンによるエッチングなどの1つ以上の関連するパターン処理工程も含まれる。
【0006】
[0006] リソグラフィは、ICなどのデバイスの製造における中心的工程であり、基板上に形成されるパターンによって、デバイスの機能的要素、例えば、マイクロプロセッサやメモリチップなどが定義される。同様のリソグラフィ技術は、フラットパネルディスプレイ、微小電子機械システム(MEMS)、及びその他のデバイスの形成にも使用される。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進歩を続けるなか、機能的要素の寸法は縮小され続けている。同時に、1つのデバイスあたりのトランジスタなどの機能的要素の数は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って着実に増加している。現在の技術水準では、デバイスの各層の製造は、深紫外線照明源からの照明を用いて基板上に設計レイアウトを投影するリソグラフィ投影装置を用いて行われ、100nmを大幅に下回る寸法、すなわち、照明源(例えば、193nmの照明源)からの放射波長の半分未満の寸法を有する個々の機能的要素が作成されている。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の伝統的な解像度限界よりも小さい寸法のフィーチャが印刷されるこのプロセスは、解像度の式:CD=k1xλ/NAに従って、一般に低k1リソグラフィとして知られている。ここで、λは、使用される放射の波長(現在、ほとんどの場合248nm又は193nm)であり、NAは、リソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」(通常、印刷される最小フィーチャサイズ)であり、k1は、経験的解像度係数である。一般に、k1が小さいほど、特定の電気的機能及び性能を達成するために設計者が計画した形状及び寸法に似たパターンを基板上に再現することは困難になる。こうした困難を克服するために、精緻な微調整工程がリソグラフィ投影装置、設計レイアウト、又はパターニングデバイスに適用される。これらには、例えば、NA及び光コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC、「光学及びプロセス補正(optical and process correction)」と呼ばれることもある)、あるいは、一般に「解像度向上技術」(RET)として定義されるその他の方法が含まれるが、上記に限定されない。
【発明の概要】
【0009】
[0009] エッチング効果は、OPC及び/又はその他のプロセス(例えば、パターニングプロセスの最適化のためのプロセス、及び/又はその他の目的のプロセス)において考慮されることが多い。シミュレーションモデルを使用することで、例えば、エッチングバイアスなどのエッチング効果を予測することができる。エッチングバイアスは、エッチングの結果として基板(例えば、ウェーハ)上で処理されたフィーチャのエッチングプロファイルを導出するために使用される、レジストプロファイルからの(例えば、予測された)バイアスであってもよい。これまでのシミュレーションモデルには、エッチングバイアスをシミュレートするように構成された様々な項が含まれている。しかしながら、これまでのシミュレーションモデルは、通常、エッチングバイアス方向が一定である、例えば、ウェーハ(基板)パターン輪郭上の所与の位置に対して垂直であると仮定している。本開示の実施形態によれば、システム及び方法は、ウェーハパターン内の輪郭の曲率がエッチングバイアス方向に及ぼす影響について説明している。いくつかの実施形態では、曲率は面内曲率である。
【0010】
[0010] したがって、一実施形態によれば、命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され、この命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、基板パターンの第1の輪郭の表現を受け取ること、第1の輪郭の曲率を決定すること、曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、基板パターンへのエッチングプロセスの結果として生じる、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果、例えば、エッチングバイアス及び/又はその他のエッチング効果を決定することを実行させる。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、曲率は、第1の輪郭上の所与の位置(例えば、点、直線状セグメント、曲線状セグメント等)における曲率である。エッチングバイアス方向は、この所与の位置に関するものであり、この所与の位置における曲率に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、所与の位置におけるエッチングバイアス方向は、当該所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に更に基づいている。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における曲率と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率との組み合わせに基づいて決定される。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、上記の組み合わせは、曲率に基づいて重み付けされる。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向との組み合わせに更に基づいて決定される。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向との組み合わせに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、かかる組み合わせは、法線方向に基づいて重み付けされる。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、上記命令は更に、コンピュータに、基板パターンの第1の輪郭の表現に基づいてエッチングバイアス値を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、その位置におけるエッチングバイアス方向とエッチングバイアス値とに基づくエッチング効果を決定することを実行させる。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、上記命令は更に、コンピュータに、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向に基づいてエッチング効果を決定することを実行させる。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、エッチング効果は、エッチング後基板パターンを生成する、エッチングにより生じる基板パターンの第1の輪郭における変化であり、シミュレーションモデルを使用してエッチング効果を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいてエッチング後基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含む。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、第1の輪郭の表現は、電子的に受け取られ、第1の輪郭の表現は、レジスト輪郭の表現である。いくつかの実施形態では、第1の輪郭の表現は、レジスト像を含む。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、上記命令は更に、コンピュータに、エッチング効果に基づいてエッチング後輪郭及び/又はエッチング後像を決定させる。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、第1の輪郭と、第1の輪郭上の複数の位置の決定されたエッチングバイアス方向とに基づいて第2の輪郭を決定することを含む。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、第1の輪郭は、レジスト輪郭であり、第2の輪郭は、エッチング後輪郭である。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態では、エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる。
【0024】
[0024] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである。
【0025】
[0025] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルを使用してエッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、基板パターンのゲージ輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向を決定することを含む。
【0026】
[0026] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、モデル適用フロー(model application flow)において、レジスト輪郭の各頂点に、エッチングバイアス方向に基づいてバイアスベクトルでバイアスをかけることでエッチング後輪郭を決定することを含む。
【0027】
[0027] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、光近接効果補正について、レジスト輪郭と、レジスト輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向とを使用することと、光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用可能なエッチング後輪郭を決定することと、を含む。
【0028】
[0028] いくつかの実施形態では、エッチング効果は、エッチングバイアス値とエッチングバイアス方向とに基づいて決定され、エッチングバイアス値及び/又はエッチングバイアス方向は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数に提供されるように構成される。
【0029】
[0029] いくつかの実施形態では、第1の輪郭の曲率は、第1の輪郭を表す式の1つ以上の導関数に基づいて決定される。
【0030】
[0030] 別の実施形態によれば、命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体が提供され、この命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、エッチングにより引き起こされる基板パターンの輪郭の変化を決定するためのシミュレーションモデルを、決定されたエッチングバイアス方向に基づいて実行させる。エッチングバイアス方向は、基板パターンの輪郭の変化を決定するために用いられることで、パターニングプロセスの精度を以前のパターニングプロセスと比較して向上させるように構成される。上記命令は、基板パターン内の輪郭を含む、基板パターンの表現を受け取ること、基板パターンの輪郭上の位置についてエッチングバイアス値を決定すること、上記の位置における基板パターンの輪郭の曲率を決定すること、曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、シミュレーションモデルにエッチングバイアス値及びエッチングバイアス方向を入力すること、及びシミュレーションモデルに基づいて、基板パターンのエッチング後輪郭を出力することを含む動作を引き起こす。ここで、エッチング後輪郭は、エッチングによって引き起こされる基板パターンの輪郭の変化を含み、シミュレーションモデルからのエッチング後輪郭は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数において使用されるように構成される。個々のパターニング変数に関連する費用は、パターニングプロセスの最適化を容易にするために使用されるように構成される。
【0031】
[0031] いくつかの実施形態では、基板パターンの表現は、レジスト像を含み、輪郭は、レジスト輪郭である。
【0032】
[0032] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング後輪郭を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいて、エッチング後パターン上の位置を決定することを含む。
【0033】
[0033] いくつかの実施形態では、エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる。
【0034】
[0034] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである。
【0035】
[0035] 別の実施形態によれば、上述の動作のうちの1つ以上を含む、エッチング効果を決定するための方法が提供される。
【0036】
[0036] 別の実施形態によれば、エッチング効果を決定するシステムが提供される。このシステムは、上述の動作のうちの1つ以上を実行するための機械読み取り可能な命令によって構成された1つ以上のハードウェアプロセッサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0037】
[0037] 本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、1つ以上の実施形態を図示し、明細書の記載とともにこれらの実施形態を説明している。本発明の実施形態を、単なる例示として、添付の概略図を参照して以下に説明する。図中の対応する参照符号は対応する部分を示している。
図1】[0038] 本開示の一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の様々なサブシステムのブロック図を示す。
図2】[0039] 本開示の一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィをシミュレートするための例示的なフローチャートを示す。
図3】[0040] 本開示の一実施形態に係る、像エッジ配置誤差と輪郭エッジ配置誤差との間のエッチングエッジ配置誤差の比較(パターンの1次元領域の場合であり、エッチングバイアス方向はレジスト輪郭上の対応する位置に対して垂直と定義される)を示す。
図4】[0041] 本開示の一実施形態に係る、像エッジ配置誤差と輪郭エッジ配置誤差との間の別のエッチングエッジ配置誤差の比較(ただし、パターンの2次元領域の場合であり、ここでもエッチングバイアス方向はレジスト輪郭上の対応する位置に対して垂直と定義される)を示す。
図5】[0042] 本開示の一実施形態に係る、パターンのフィーチャについての非現実的な予測輪郭の一例を示し、この予測の非現実的な性質は、エッチングバイアス方向が輪郭上の対応する位置に対して法線方向と定義されていることによる。
図6】[0043] 本開示の一実施形態に係る、本方法を示す。
図7】[0044] 本開示の一実施形態に係る、基板(例えば、ウェーハ)パターンの輪郭内の所与の位置における曲率の決定を示す。
図8】[0045] 本開示の一実施形態に係る、本システム及び方法を使用した一般化された例示的プロセスフローを示す。
図9】[0046] 既存の有効エッチングバイアスモデル(例えば、定義済みの法線方向のエッチングバイアス方向を使用するもの)によりレジスト輪郭に基づいて生成されたエッチング輪郭を、本開示の一実施形態に従い、レジスト輪郭上の個々の位置について本明細書で説明されるように決定されたエッチングバイアス方向を使用する、本ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデル(VEEB)の3つの異なる構成によって生成された(又はそれらの構成からの出力に基づいて決定された)エッチング輪郭と比較した例を示す。
図10】[0047] 本開示の一実施形態に係る、例示的コンピュータシステムのブロック図である。
図11】[0048] 本開示の一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の概略図である。
図12】[0049] 本開示の一実施形態に係る、別のリソグラフィ投影装置の概略図である。
図13】[0050] 本開示の一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置の詳細図である。
図14】[0051] 本開示の一実施形態に係る、リソグラフィ投影装置のソースコレクタモジュールの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0052] シミュレーションモデルを使用すると、例えば、エッチング後のパターンフィーチャプロファイル(例えば、輪郭)を、エッチングバイアスなどのエッチング効果に基づいて予測することができる。エッチングバイアスは、エッチングの結果として基板(例えば、ウェーハ)上で処理されたフィーチャのエッチングプロファイルを導出するために使用されるレジストプロファイルからのバイアス(例えば、予測バイアス)であってよい。エッチングバイアスは、現像後検査(ADI)とエッチング後検査(AEI)との間における、所与の基板パターンフィーチャ寸法の変化を含む。通常、有効エッチングバイアス(effective etch bias(EEB))モデルなどのシミュレーションモデルは、ウェーハパターンのエッチングバイアス分布(例えば、エッチングバイアスマップ形式のもの)をシミュレートする。エッチングバイアスマップを使用することで、所与のレジスト輪郭を持つパターンフィーチャのエッチング後の輪郭を決定することができる。従来のシミュレーションモデルには、エッチングバイアスを含む様々な種類のエッチング効果をシミュレートするように構成された様々な項が含まれている。しかしながら、従来のシミュレーションモデルでは、ウェーハパターン内の輪郭の面内曲率がエッチングバイアス方向に及ぼす影響については説明されていない。従来のシミュレーションモデルでは、通常、エッチングバイアス方向を、ウェーハ(基板)パターン輪郭上の所与の位置に対して垂直な方向として定義している。
【0039】
[0053] 有利なことに、本開示では、パターン内の輪郭の曲率又は曲率の変化を考慮して決定されるエッチングバイアス方向に基づいて、基板(例えば、ウェーハ)上のパターンのエッチング効果を決定するためのシステム、モデル、及び製造プロセス(方法)が説明される。例えば、エッチング効果は、エッチングの大きさとエッチングバイアス方向とによって定義することができる(例えば、そのようなエッチングバイアス方向は、本システム及び方法では単純に法線方向であると定義されることはない)。
【0040】
[0054] 本明細書で説明されるように、パターンの表現には、そのパターン内の所与の輪郭(例えば、レジスト輪郭であり得る)が含まれる。このパターンの輪郭の曲率が決定される。輪郭の形状及び曲率に基づいてエッチングバイアス方向が決定され、それがシミュレーションモデルに入力される。パターン内の輪郭についてのエッチング効果は、シミュレーションモデルによって決定される。シミュレーションモデルから予測されるエッチング効果は、様々な可能な用途の中でも、エッチング後のフィーチャ輪郭の決定、プロセスの最適化、及び/又はその他の目的に使用することができる。エッチング後のフィーチャ輪郭、及び/又は個々のパターニング変数に関連する費用は、例えば、パターニングプロセスの最適化を容易にするために使用することができる。
【0041】
[0055] 本開示の実施形態は、図面を参照して詳細に説明されるが、図面は、当業者が本開示を実施することができるように本開示の例示的な例として提供されている。明らかであるように、以下の図及び例は、本開示の範囲を単一の実施形態に限定するものではなく、説明又は図示された要素の一部又は全部を交換することにより他の実施形態も可能である。また、本開示の特定の要素の一部又は全部が既知の構成要素を使用して実施可能である場合、そのような既知の構成要素のうち、本開示の理解に必要な部分のみを説明し、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本開示を不明瞭にしないようにすべく省略することとする。ソフトウェアとして実施されると説明されている実施形態は、それに限定されるべきではなく、本明細書中に別段の指定がない限り、当業者には明らかなように、ハードウェアとして、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実施される実施形態も含むことができ、その逆も同様である。本明細書において、単一の構成要素を示す実施形態は限定的であると見なされるべきではなく、むしろ、本明細書中に明示的に別段の記載がない限り、本開示は、同じ構成要素を複数含む他の実施形態も包含することが意図されており、その逆も同様である。さらに、出願人は、明示的にそのように規定されていない限り、明細書又は請求項におけるいかなる用語についても一般的でない意味又は特別な意味を付与することを意図していない。また、本開示は、例示として本明細書で言及した既知の構成要素の現在及び将来の既知の均等物を包含する。
【0042】
[0056] 本明細書においては、ICの製造について具体的な言及がなされる場合があるが、本明細書の記載についてはその他の多くの用途が可能であることを明確に理解されたい。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いることができる。当業者にとっては当然のことであるが、そのような代替的な用途の文脈においては、本明細書で使用される「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「マスク」、「基板」及び「ターゲット部分」との用語と置き換え可能であるとみなされるべきである。
【0043】
[0057] 本明細書において、「放射」及び「ビーム」との用語は、紫外線(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長を有するもの)、及びEUV(極端紫外線、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有するもの)を含むあらゆる種類の電磁放射を包含するものとして使用される。
【0044】
[0058] 本明細書で使用される「投影光学系」との用語は、例えば、屈折光学系、反射光学系、アパーチャ及び反射屈折光学系を含む様々な種類の光学システムを包含するものとして広く解釈されるべきである。「投影光学系」という用語は、これらの設計タイプのいずれかに従って、集合的に又は個別に放射投影ビームを誘導、整形、又は制御するために動作するコンポーネントも含み得る。「投影光学系」という用語には、リソグラフィ投影装置内の任意の光学コンポーネントが、それがリソグラフィ投影装置の光路上のどこに配置されているかに関係なく含まれ得る。投影光学系には、放射源からの放射を、それが(例えば、半導体)パターニングデバイスを通過する前に整形、調整、及び/若しくは投影するための光学コンポーネント、並びに/又は、そのような放射を、パターニングデバイスを通過した後で整形、調整、及び/若しくは投影するための光学コンポーネントが含まれ得る。一般的に、放射源及びパターニングデバイスは、投影光学系から除外される。
【0045】
[0059] (例えば、半導体)パターニングデバイスは、1つ以上の設計レイアウトを含むか、又はこれを形成することができる。設計レイアウトは、CAD(コンピュータ支援設計)プログラムを使用して生成することができ、このプロセスは、しばしばEDA(電子設計自動化)と呼ばれる。ほとんどのCADプログラムは、機能的な設計レイアウト/パターニングデバイスを作成するために、所定の設計ルールのセットに従う。これらのルールは、処理及び設計の制限により設定される。例えば、設計ルールは、デバイス(ゲート、コンデンサ等)間、又は相互接続ライン間のスペース公差を定義し、それにより、デバイス又はラインが望ましくない方法で相互作用することのないようにする。設計ルールは、特定のパラメータ、パラメータに対する制限、及び/若しくはパラメータの範囲、並びに/又はその他の情報を含んでよく、且つ/又はそれらを特定し得る。設計ルールの制約及び/又はパラメータのうちの1つ以上は、「クリティカルディメンジョン」(CD)と呼ばれることがある。デバイスのクリティカルディメンジョンは、ライン又はホールの最小幅、あるいは2本のライン又は2つのホールの間の最小スペース、あるいはその他のフィーチャとして定義することができる。したがって、CDによって、設計されるデバイスの全体的なサイズ及び密度が決定されることとなる。デバイス製造における目標の1つは、当初の設計意図を(パターニングデバイスを介して)基板上に忠実に再現することである。
【0046】
[0060] 本明細書で使用される「マスク」又は「パターニングデバイス」との用語は、基板のターゲット部分に作成されることとなるパターンに対応して、パターン形成された断面を入射放射ビームに付与するために使用することのできる一般的な半導体パターニングデバイスを指すものと広く解釈することができ、この文脈では「ライトバルブ」という用語も使用可能である。伝統的なマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッド等)の他に、このようなパターニングデバイスの他の例としては、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイが挙げられる。
【0047】
[0061] プログラマブルミラーアレイの例としては、粘弾性制御層と反射面とを有するマトリックスアドレス指定可能な面を挙げることができる。このような装置の基本原理は、(例えば)反射面のアドレス指定された領域は入射放射を回折放射として反射する一方、アドレス指定されていない領域は入射放射を非回折放射として反射するというものである。適切なフィルタを使用することで、反射ビームから非回折放射を除去し、回折放射だけを残すことができる。このようにして、ビームは、マトリックスアドレス指定可能な面のアドレス指定パターンに従ってパターン形成される。必要なマトリックスアドレス指定は、好適な電子的手段を用いて行うことができる。プログラマブルLCDアレイの一例は、米国特許第5,229,872号に記載され、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
[0062] 本明細書で使用される「パターニングプロセス」との用語は、一般に、リソグラフィプロセスの一部として所定のパターンの光を照射することによりエッチングされた基板を作成するプロセスを意味する。ただし、本明細書で説明する特徴の多くが、エッチング処理(例えば、プラズマ処理)を用いて印刷パターンを形成する際に利点をもたらすことができるため、「パターニングプロセス」には、エッチング(例えば、プラズマエッチング)も含まれる場合がある。
【0049】
[0063] 本明細書で使用される「パターン」との用語は、基板(例えば、ウェーハ)上にエッチングされることとなる理想的なパターンを意味する。
【0050】
[0064] 本明細書で使用される「印刷パターン」との用語は、ターゲットパターンに基づいてエッチングされた基板上の物理的なパターンを意味する。そのような印刷パターンには、例えば、リソグラフィプロセスの結果として生じる谷、チャネル、くぼみ、エッジ、又はその他の2次元及び3次元のフィーチャが含まれ得る。
【0051】
[0065] 本明細書で使用される「予測モデル」、「プロセスモデル」、「電子モデル」、及び/又は「シミュレーションモデル」との用語(これらは相互に置き換え可能な用語として使用され得る)は、パターニングプロセスをシミュレートする1つ以上のモデルを含むモデルを意味する。例えば、モデルとしては、光学モデル(例えば、リソグラフィプロセスにおいて光を供給するために使用されるレンズシステム/投影システムをモデル化するものであって、フォトレジストに到達する光の最終的な光学像をモデル化することを含み得るモデル)、レジストモデル(例えば、レジストの物理的効果(光による化学的効果など)をモデル化するモデル)、OPCモデル(例えば、ターゲットパターンの作成に使用することができ、サブ解像度レジストフィーチャ(SRAF)などを含み得るモデル)、エッチング(又はエッチングバイアス)モデル(例えば、印刷されたウェーハパターンに対するエッチングプロセスの物理的効果をシミュレートするモデル)、及び/又はその他のモデルを含めることができる。
【0052】
[0066] 本明細書で使用される「較正」との用語は、電子モデルを修正(例えば、改善又は調整)すること、及び/又はこれを検証することを意味する。
【0053】
[0067] パターニングシステムは、上記の構成要素のいずれか又は全てを含み、加えて、これらの構成要素に関連する動作のいずれか又は全てを実行するように構成されたその他の要素を含むシステムであってよい。パターニングシステムは、例えば、リソグラフィ投影装置、スキャナ、レジストの塗布及び/又は除去を行うように構成されたシステム、エッチングシステム、及び/又はその他のシステムを含み得る。
【0054】
[0068] はじめに、図1は、例示的なリソグラフィ投影装置10Aの様々なサブシステムの図を示している。主な構成要素としては、深紫外線エキシマレーザ源、又は極端紫外線(EUV)源を含むその他の種類の放射源であり得る放射源12A(前述の通り、リソグラフィ投影装置自体が放射源を有していなくてもよい)と、例えば(シグマで示される)部分的なコヒーレンスを定義し、放射源12Aからの放射を整形する光学系コンポーネント14A、16Aa及び16Abを含み得る照明光学系と、パターニングデバイス18Aと、パターニングデバイスのパターンの像を基板面22Aに投影する透過光学系16Acとがある。投影光学系の瞳面にある調整可能なフィルタ又はアパーチャ20Aは、基板面22Aに当たるビーム角の範囲を制限することができ、その最大可能角度によって、投影光学系の開口数NA=n sin(Θmax)が定義される。ここで、nは、基板と投影光学系の最終要素との間にある媒体の屈折率であり、Θmaxは、投影光学系から出射するビームであって、基板面22Aに当たる可能性のあるビームの最大角度である。
【0055】
[0069] リソグラフィ投影装置では、放射源がパターニングデバイスに照明(すなわち、放射)を提供し、この照明を、投影光学系がパターニングデバイスを介して基板上へと誘導し、かつこれを整形する。投影光学系は、少なくともコンポーネント14A、16Aa、16Ab及び16Acの一部を含んでよい。空間像(Al)とは、基板レベルでの放射強度分布である。レジストモデルを使用すると、空間像からレジスト像を算出することができる。このレジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、露光後ベーク(PEB)、及び現像中に生じる化学的プロセスによる効果)に関係している。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)が空間像を規定し、そのような光学特性は光学モデルで定義することができる。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更される可能性があるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくとも放射源及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離することが望ましい。設計レイアウトを様々なリソグラフィ像(例えば、空間像、レジスト像など)に変換するために用いられる技術及びモデル、それらの技術及びモデルを用いてOPCを適用し、性能を(例えば、プロセスウィンドウの観点から)を評価するために用いられる技術及びモデルの詳細については、米国特許出願公開第2008-0301620号、第2007-0050749号、第2007-0031745号、第2008-0309897号、第2010-0162197号、及び第2010-0180251号に記載されており、これらの各文献の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
[0070] 1つ以上のツールを使用して、例えば、パターニングプロセスの設計、制御、監視などに使用することのできる結果を生成することが望ましい場合がある。パターニングデバイスのパターン設計(例えば、サブ解像度アシストフィーチャ又は光近接効果補正の追加を含む)や、パターニングデバイスの照明など、パターニングプロセスの1つ以上の側面を計算的に制御、設計等する際に使用される1つ以上のツールが提供される場合がある。したがって、パターニングを伴う製造プロセスを計算的に制御、設計等するシステムでは、製造システムの構成要素及び/又はプロセスを、様々な機能モジュール及び/又はモデルによって記述することができる。いくつかの実施形態では、パターニングプロセス(例えば、エッチング)の1つ以上のステップ及び/又は装置を記述する1つ以上の電子モデル(例えば、数学モデル、パラメータ化されたモデルなど)が提供される場合がある。いくつかの実施形態では、1つ以上の電子モデルを用いてパターニングプロセスのシミュレーションを行い、パターニングプロセスが、パターニングデバイスによって提供されるパターンを用いてどのようにパターン付き基板を形成するかをシミュレートすることができる。
【0057】
[0071] リソグラフィ投影装置におけるリソグラフィをシミュレートするための例示的なフローチャートを図2に示す。照明モデル231は、照明の光学特性(放射強度分布及び/又は位相分布を含む)を表す。投影光学系モデル232は、投影光学系の光学特性(投影光学系によって引き起こされる、放射強度分布及び/又は位相分布への変化を含む)を表す。設計レイアウトモデル235は、設計レイアウトの光学特性(所与の設計レイアウトによって引き起こされる、放射強度分布及び/又は位相分布への変化を含む)を表し、ここで設計レイアウトは、パターニングデバイス上のフィーチャ、又はパターニングデバイスによって形成されるフィーチャの配置を表現するものである。空間像236は、照明モデル231、投影光学系モデル232、及び設計レイアウトモデル235を使用してシミュレートすることができる。レジスト像238は、レジストモデル237を使用して空間像236からシミュレートすることができる。リソグラフィのシミュレーションでは、例えば、レジスト像における輪郭及び/又はCDを予測することができる。
【0058】
[0072] より具体的には、照明モデル231は、NA-シグマ(σ)設定や、任意の特定の照明形状(例えば、輪帯照明、四極照明、双極照明などのオフアクシス照明)を含むがこれらに限定されない照明の光学特性を表すことができる。投影光学系モデル232は、例えば、収差、歪み、屈折率、物理的なサイズ又は寸法などを含む、投影光学系の光学特性を表すことができる。設計レイアウトモデル235は、例えば、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,587,704号に記載されているように、物理的なパターニングデバイスの1つ以上の物理的特性を表すこともできる。リソグラフィ投影装置に関連する光学特性(例えば、照明、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)によって空間像が規定される。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスは変更される場合があるため、パターニングデバイスの光学特性を、少なくとも照明及び投影光学系を含むリソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から分離すること(すなわち、設計レイアウトモデル235)が望ましい。
【0059】
[0073] レジストモデル237は、空間像からレジスト像を計算するために使用することができ、その一例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,200,468号に見ることができる。通常、レジストモデルはレジスト層の特性(例えば、露光、露光後ベーク及び/又は現像中に発生する化学プロセスによる効果)に関係している。
【0060】
[0074] 完全なシミュレーションの目的の1つは、例えば、エッジ配置、空間像強度の傾き、及び/又はCDを正確に予測することであり、それらは、その後、意図した設計と比較することができる。意図した設計は、一般的にプリOPC設計レイアウトとして定義され、これは、GDS、GDSII、OASIS、又はその他のファイル形式などの標準デジタルファイル形式で提供することができる。
【0061】
[0075] この設計レイアウトから、1つ以上の部分を特定することができ、それらは「クリップ」と呼ばれる。一実施形態では、設計レイアウト内の複雑なパターンを表すクリップの一セットが抽出される(通常、約50~1000個のクリップであるが、任意の数のクリップが使用され得る)。当業者には理解されるように、これらのパターン又はクリップは、設計のうちの小さな部分(例えば、回路、セルなど)を表し、特に、クリップは、特別な注意及び/又は検証が必要となる小さな部分を表す。すなわち、クリップは、設計レイアウトのうち、経験によって(顧客が提供するクリップを含む)、試行錯誤によって、あるいはフルチップシミュレーションの実行によってクリティカルフィーチャが特定される部分であってよく、又はそのような部分と同様の部分であってよく、又はそのような部分と同様の挙動を有してよい。クリップは、1つ以上のテストパターン又はゲージパターンを含むことが多い。特定の像最適化を必要とする設計レイアウト内の既知のクリティカルフィーチャエリアに基づいて、より規模の大きいクリップの初期セットが顧客から事前に提供される場合がある。あるいは、別の実施形態では、クリティカルフィーチャエリアを特定する自動化されたアルゴリズム(マシンビジョンなど)又は手動アルゴリズムを使用することで、より規模の大きいクリップの初期セットが設計レイアウト全体から抽出される場合もある。
【0062】
[0076] 例えば、シミュレーション及びモデル化を用いて、パターニングデバイスパターンの1つ以上の特徴を構成すること(例えば、光近接効果補正の実行)、照明の1つ以上の特徴を構成すること(例えば、形状の変更等、照明の空間/角度強度分布の1つ以上の特性を変更すること)、及び/又は投影光学系の1つ以上の特徴(例えば、開口数等)を構成することができる。このような構成は、一般に、それぞれマスク最適化、ソース最適化、及び投影最適化と呼ぶことができる。そのような最適化は、それぞれ単独で実行することも、様々に組み合わせることもできる。そのような一例として、ソース-マスク最適化(SMO)があり、これは、照明の1つ以上の特徴とともにパターニングデバイスパターンの1つ以上の特徴を構成することを含む。最適化の技術は、1つ以上のクリップに焦点を当てる場合もある。最適化では、(像などを含む)様々なパラメータの値を予測するために本明細書に記載の機械学習モデルを使用し得る。
【0063】
[0077] 同様のモデル化技術を、例えばエッチングプロセス及び/又はその他のプロセスの最適化のために適用し得る。いくつかの実施形態では、照明モデル231、投影光学系モデル232、設計レイアウトモデル235、レジストモデル237、及び/又はその他のモデルが、例えばエッチングモデルと共に使用され得る。例えば、現像後検査(ADI)モデル(例えば、設計レイアウトモデル235、レジストモデル237、及び/又はその他のモデルの一部及び/又は全部として含まれる)からの出力を使用してADI輪郭を決定し、これを有効エッチングバイアス(EEB)モデルに提供して、予測されるエッチング後検査(AEI)輪郭を生成し得る。
【0064】
[0078] いくつかの実施形態では、システムの最適化プロセスを費用関数として表すことができる。そのような最適化プロセスは、費用関数を最小化するシステムのパラメータ(設計変数、プロセス変数等)の一セットを見つけることを含み得る。費用関数は、最適化の目的に応じて、任意の適切な形式をとることができる。例えば、費用関数は、システムの何らかの特性(評価ポイント)の意図した値(例えば、理想値)に対するそれらの特性の偏差の重み付けされた二乗平均平方根(RMS)とすることができる。費用関数は、それらの偏差の最大値(即ち、最も悪い偏差)とすることもできる。「評価ポイント」との用語は、システム又は製造方法の任意の特性を含むように広く解釈されるべきである。システムの設計変数及び/又はプロセス変数は、システム及び/又は方法の実施の実現性に起因して、有限の範囲に制限される、及び/又は相互依存する可能性がある。リソグラフィ投影装置の場合、そのような制限は、調節可能範囲などのハードウェアの物理的性質及び特性、及び/又はパターニングデバイス製造性の設計ルールに関連していることが多い。評価ポイントは、例えば、基板上のレジスト像における物理的ポイントや、1つ以上のエッチングパラメータ、ドーズ及び焦点等の非物理的な特性を含み得る。
【0065】
[0079] エッチングシステムでは、一例として、費用関数(CF)を以下のように表すことができる。
【数1】
ここで、(z、z、…、z)は、N個の設計変数又はその値である。f(z、z、…、z)は、設計変数(z、z、…、z)の関数、例えば、設計変数(z、z、…、z)の一セットの値に関する、ある特性の実際の値と意図された値との間の差であり得る。いくつかの実施形態では、wは、f(z、z、…、z)に関連付けられた重み定数である。例えば、上記の特性は、パターンのエッジ上の所与のポイントで測定された、該エッジの位置であり得る。それぞれ異なるf(z、z、…、z)はそれぞれ異なる重みwを有してよい。例えば、特定のエッジの許容される位置の範囲が狭い場合、このエッジの実際の位置と意図された位置との間の差を表すf(z、z、…、z)に対する重みwとしては、より大きい値を与えることができる。f(z、z、…、z)は、層間特性の関数であってもよく、これが結果として設計変数(z、z、…、z)の関数となる。当然ながら、CF(z、z、…、z)は、上記式の形式に限定されず、CF(z、z、…、z)は、他の任意の適切な形式とすることができる。
【0066】
[0080] 費用関数は、エッチングシステム、エッチングプロセス、リソグラフィ装置、リソグラフィプロセス、又は基板の任意の1つ以上の好適な特性、例えば、焦点、CD、像シフト、像歪み、像回転、確率的変動、スループット、局所的CD変動、プロセスウィンドウ、層間特性、又はそれらの組み合わせを表し得る。いくつかの実施形態では、費用関数は、レジスト像の1つ以上の特性を表す関数を含み得る。例えば、f(z、z、…、z)は、単純に、例えばエッチング後、及び/又はその他のプロセス後におけるレジスト像内のある点とその点の意図された位置との間の距離(すなわち、エッジ配置誤差EPE(z、z、…、z))であり得る。パラメータ(例えば、設計変数)としては、任意の調節可能なパラメータ、例えば、エッチングシステム、放射源、パターニングデバイス、投影光学系、ドーズ、焦点等の調節可能なパラメータが含まれ得る。
【0067】
[0081] パラメータ(例えば、設計変数)には制約がある場合があり、そのような制約は、(z、z、…、z)∈Zとして表すことができる。ここで、Zは、設計変数の可能な値の一セットである。設計変数に対する制約の1つの可能性として、リソグラフィ投影装置の所望のスループットによって制約が課される場合がある。そのような所望のスループットによって課される制約がない場合、最適化によって、非現実的な設計変数の値のセットが生成される可能性がある。制約は、必須なものと解釈されるべきではない。
【0068】
[0082] いくつかの実施形態では、照明モデル231、投影光学系モデル232、設計レイアウトモデル235、レジストモデル237、エッチングモデル、及び/又は、集積回路製造プロセスに関連し、且つ/又は集積回路製造プロセスに含まれるその他のモデルは、本明細書に記載される方法の動作の少なくとも一部を実行する経験的モデル及び/又はその他のシミュレーションモデルであり得る。経験的モデルは、様々な入力(例えば、パターンの1つ以上の特性(曲率等)、パターニングデバイスの1つ以上の特性、リソグラフィプロセスで使用される照明の1つ以上の特性(波長等)など)の間の相関関係に基づいて出力を予測し得る。
【0069】
[0083] 一例として、経験的モデルは、機械学習モデル及び/又はその他の任意のパラメータ化されたモデルであり得る。いくつかの実施形態では、(例えば)機械学習モデルは、数式、アルゴリズム、プロット、チャート、ネットワーク(例えば、ニューラルネットワーク)、及び/又はその他のツール及び機械学習モデルのコンポーネントであってよく、且つ/又はそれらを含んでよい。例えば、機械学習モデルは、入力層、出力層、及び1つ以上の中間層又は隠れ層を有する1つ以上のニューラルネットワークであってよく、且つ/又はそのようなニューラルネットワークを含んでよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(例えば、入力層と出力層の間に1つ以上の中間層又は隠れ層を有するニューラルネットワーク)であってよく、且つ/又はそのようなディープニューラルネットワークを含んでよい。
【0070】
[0084] 一例として、1つ以上のニューラルネットワークは、ニューラルユニット(又は人工ニューロン)の大規模な集合に基づき得る。1つ以上のニューラルネットワークは、生物学的な脳が(例えば、軸索によって接続される生物学的ニューロンの大規模な集団を介して)機能する態様を大まかに模倣するものであり得る。ニューラルネットワークの各ニューラルユニットは、そのニューラルネットワークの他の多くのニューラルユニットと接続され得る。このような接続は、接続されるニューラルユニットの活性化状態に対して強制的又は抑制的な影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、各個別のニューラルユニットは、そのすべての入力の値を結合する合計関数を有し得る。いくつかの実施形態では、各接続(又はニューラルユニット自体)は閾値関数を有してよく、それにより、信号は、閾値を超えることによって他のニューラルユニットへの伝播が可能となる。これらのニューラルネットワークシステムは、明示的にプログラムされるのではなく、自己学習型及び訓練型のものであってよく、従来のコンピュータプログラムと比較して、問題解決の特定の領域で非常に優れたパフォーマンスを発揮することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のニューラルネットワークは複数の層(例えば、信号経路が前方層から後方層に横断するようなもの)を含み得る。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークによってバックプロパゲーション技術が利用されてよく、この場合、順方向刺激を使用して「前方」ニューラルユニットに対する重みがリセットされる。いくつかの実施形態では、1つ以上のニューラルネットワークに対する刺激及び抑制は、よりカオス的かつ複雑な形態で相互作用する接続を伴って、より自由に流れる(freer flowing)ものであってよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のニューラルネットワークの中間層は、1つ以上の畳み込み層、1つ以上の回帰層、及び/又はその他の層を含む。
【0071】
[0085] 1つ以上のニューラルネットワークは、訓練情報の一セットを用いて訓練され得る(すなわち、そのパラメータが決定される)。訓練情報は、訓練サンプルの一セットを含み得る。各サンプルは、入力オブジェクト(通常、ベクトルであり、これは特徴ベクトルと呼ばれることがある)と、所望の出力値(監視信号とも呼ばれる)とを含むペアであってよい。訓練アルゴリズムは、訓練情報を解析し、訓練情報に基づいてニューラルネットワークのパラメータ(例えば、1つ以上の層の重み)を調節することによって、ニューラルネットワークの挙動を調節する。例えば、xがi番目の例の特徴ベクトルであり、yがその監視信号であるような{(x、y)、(x、y)、…、(x、y)}の形式のN個の訓練サンプルからなる一セットがあるとして、訓練アルゴリズムは、ニューラルネットワークg:X→Yを求める(ここで、Xは入力空間であり、Yは出力空間である)。特徴ベクトルは、あるオブジェクト(例えば、シミュレートされた空間像、ウェーハ設計、クリップ等)を表す数値的特徴のn次元ベクトルである。これらのベクトルに関連付けられたベクトル空間は、特徴空間と呼ばれることが多い。訓練後、ニューラルネットワークは、新しいサンプルを用いて予測を行うために使用され得る。
【0072】
[0086] いくつかの実施形態では、本システム及び方法は、1つ以上のアルゴリズムを含む経験的シミュレーションモデルを含む(又はこれを使用する)。1つ以上のアルゴリズムは、エッチングプロセスの物理的パラメータを表す1つ以上の非線形関数、線形関数、又は二次関数を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のアルゴリズムは、曲率項を含み、これは、単独で、又は他のアルゴリズム項との組み合わせで、曲率をエッチングバイアス量及び/又はエッチングバイアス方向と相関させるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のアルゴリズムを含む経験的シミュレーションモデルは、物理的エッチングモデルであり得る。物理的エッチングモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアス(VEEB)モデル(例えば、以下に説明するもの)、エッチングバイアスモデルと組み合わせたレジストモデル(例えば、レジストモデル237)、及び/又はその他のモデルであってよく、それらの一部であってよく、且つ/又はそれらを含んでよい。この点は、以下でさらに説明する。
【0073】
[0087] 本開示の実際の適用例として、光近接効果補正は、予測パターンと所望のパターンとの差が低減されるように、所望のパターンを調節すること、及び/又は所望のパターンの周囲にアシストフィーチャを配置することを含む。光近接効果補正では、マスク設計の最適化のために、光学モデル、レジストモデル、及びエッチングモデルが必要となる場合が多い。レジストモデルは、レジスト像を生成するように構成される。エッチングモデル(例えば、有効エッチングバイアスモデル)は、エッチング効果をシミュレートし、レジスト輪郭に基づいて決定されるエッチング輪郭を生成するように構成される。一実施形態では、エッチングモデルは、現像後像(ADI)輪郭に直接バイアスをかけることによってエッチング後像(AEI)輪郭を計算する。エッチングモデルの較正中、エッチングバイアス値が決定され、その値がモデルを構成するために使用される。エッチングバイアス値(例えば、スカラー量)は、輪郭上の関心位置について決定されるが、エッチングバイアス値によって対応するエッチングバイアス方向が提供されることはない。そのため、これまでは、レジスト輪郭に基づいてエッチング輪郭をシミュレートする場合、エッチングバイアス方向は輪郭上の関心位置に対して垂直(又は法線)となるように定義されていた。
【0074】
[0088] 例えば、エッチングバイアスは、エッチングモデルにより決定される。エッチングモデルは、上述の通り、現像後像(ADI)輪郭に直接バイアスをかけることによってエッチング後像(AEI)輪郭を計算する。バイアス方向は、ADI輪郭に対して垂直になるように定義される。バイアス量は、環境(例えば、ADIパターンのフィーチャ密度や、エッチングに関連する物理項)により可変である。例えば、状況によっては、正のバイアス量はADI輪郭を外側に移動させる一方、負のバイアス量はADI輪郭を内側に移動させる。つまり、エッチングバイアスは、パターン要素のサイズがエッチング後よりもエッチング前の方が大きい場合に正となることがあり、サイズがエッチング後よりもエッチング前の方が小さい場合に負となる。
【0075】
[0089] 既存の技術では、スカラーエッチングバイアスマップを使用する場合、2次元パターンについて予期しない、非物理的な、且つ/又はその他の正確性に劣る非線形モデリング応答となる可能性があり、これは、既存の技術では、エッチングバイアス値が提供されるのみで、対応するエッチングバイアス方向が具体的に決定されないためである。例えば、パターンの1次元領域に関するOPCの実行中、エッチングバイアス方向は、レジスト輪郭上の対応する位置(又はレジスト像に基づいて計算された位置)に対して垂直と定義され、レジスト像の傾きに類似する。したがって、例えばOPCに関するシミュレーションの場合、像エッジ配置誤差(EPE)応答は、輪郭EPEに類似する。(EPEは、例えば、像内のある地点と、その地点の意図された位置との間の距離であり得る。)このことを、図3に示す。例えば、図3は、像EPE302と輪郭EPE304との間のエッチングEPE比較300を示す。図3は、エッチングEPE(nm)306対オフセット値(nm)308のグラフ310において、像EPE302と輪郭EPE304との比較300を示している。図3に示されるように、像EPE302と輪郭EPE304とは、概ね互いに対応している。
【0076】
[0090] しかしながら、パターン内の曲率が大きい領域でエッチングバイアス値が大きい場合、エッチングバイアス方向がレジスト輪郭上の対応する位置に対して垂直であるという仮定によって、像EPEと輪郭EPEとの乖離が生じる場合がある。例えば、法線方向(例えば、ベクトル)の組み合わせが(例えば、1以上の方向に)評価地点から離れた方向を指す場合があり、それにより、像EPEは線形でなくなり、且つ/又はロバストでなくなる。このことが図4に示されている。図4は、パターン409の2次元領域407の(例えば、レジスト輪郭(RC)とエッチング輪郭(EC)との間の)大きなエッチングバイアス値405に関する、像EPE402と輪郭EPE404との間の別のエッチングEPE比較400を示す。図4は、エッチングEPE(nm)406対オフセット値(nm)408のグラフ410において、像EPE402と輪郭EPE404との比較400を示している。しかしながら、図4に示されるように、像EPE402と輪郭EPE404とは互いに対応していない。
【0077】
[0091] さらに、既存の技術では、定義された法線方向のエッチングバイアス方向の1つ以上が交差する場合があり、これにより、予期しない、非物理的な、且つ/又はその他の非現実的なシミュレートされた輪郭が生成される可能性がある。図5は、パターン504の輪郭502についてシミュレートされた非現実的な輪郭500の例を示しており、このシミュレーションの非現実的な性質は、輪郭502上の対応する位置に対して法線方向になるように定義されたエッチングバイアス方向によって引き起こされている。図5に示すように、シミュレートされた非現実的な輪郭500は、モデルが、エッチングバイアス方向が法線方向であるとの仮定に依拠していなければ予測されることはなかった鋭い角部を含んでいる。また、このことは、既存の技術では、エッチングバイアスモデルの較正が、エッチングバイアス値に基づいており、エッチング輪郭とレジスト輪郭との間のエッジ配置誤差と組み合わせたエッチングバイアス値に基づいてはおらず、基本的に、最終的なエッチング輪郭は考慮されていないことを原因として発生する場合もある。
【0078】
[0092] 既存の技術とは対照的に、本開示では、エッチングバイアス方向に基づいて基板(例えば、ウェーハ)上のパターンのエッチング効果を決定し、それにより、ベクトルベースの(例えば、エッチングバイアス方向を認識した)有効エッチングバイアスモデルによってエッチングシミュレーションを行うためのシステム、モデル、及び製造プロセス(方法)が説明される。基板(例えば、ウェーハ)上のパターンのエッチング効果は、パターン内の輪郭の様々な曲率について決定されたエッチングバイアス方向に基づいて決定される。エッチングシミュレーションにおいてエッチングバイアス方向を使用することで、エッチング後輪郭の決定の精度が向上し、その結果、これまでのパターニングプロセスと比較してパターニングプロセスの全体的な精度が向上する。
【0079】
[0093] 図6は、本開示の一実施形態に係る例示的な方法600を示す。いくつかの実施形態では、方法600は、基板パターン内の輪郭の表現を受け取る(602)ことと、輪郭の曲率を決定(604)することと、曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定(606)することと、エッチングバイアス方向をシミュレーションモデルに入力(608)して、基板パターンへのエッチングプロセスについて、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することとを含む。いくつかの実施形態では、方法600は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にする費用関数において、及び/又はその他の動作において、エッチング効果を使用(610)して、基板(ウェーハ)パターン内のエッチング後フィーチャの輪郭を予測することを含む。
【0080】
[0094] いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体に命令が記憶され、この命令は、コンピュータによって実行されると、そのコンピュータに、動作602~610のうちの1つ以上、及び/又はその他の動作を実行させる。方法600の動作は、例示を意図している。いくつかの実施形態では、方法600は、説明されていない1つ以上の追加の動作を伴って、且つ/又は説明された動作のうちの1つ以上を伴わずに達成され得る。例えば、動作610及び/又はその他の動作は任意選択であってよい。さらに、図6に示され、且つ本明細書で説明されている方法600の動作の順序は、限定を意図したものではない。
【0081】
[0095] 動作602において、基板パターン内の(例えば、第1の)輪郭の表現が受け取られる。この表現は、パターン内の輪郭及び/又はその他の情報を含む。例えば、表現は、パターン内の輪郭の幾何学形状を記述する情報及び/又は幾何学形状に関連する情報を含み得る。パターン内の輪郭の幾何学形状は、例えば、2次元の幾何学的形状であってよい。受け取られる表現には、輪郭の特性を記述するデータ(例えば、X-Y次元のデータ点、幾何学形状を表す数式など)、輪郭に関連付けられた処理パラメータ、及び/又はその他のデータが含まれる。いくつかの実施形態では、パターンの表現には、パターンの現像後検査(ADI)からの検査結果、パターン内の輪郭のモデル、及び/又はその他の情報が含まれる。パターンの現像後検査の検査結果は、走査型電子顕微鏡、光学メトロロジツール、及び/又はその他のソースから取得され得る。いくつかの実施形態では、輪郭は、レジストモデル(例えば、図2に示された上述のもの)、光学モデル(例えば、図2に示された上述のもの)、及び/又はその他のモデル化ソースから取得される。例えば、いくつかの実施形態では、輪郭は、レジスト像内に示されるレジスト輪郭であってもよい。レジスト輪郭及び/又はレジスト像は、例えばレジストモデルによって生成され得る。
【0082】
[0096] 上記の表現は、本システムの1つ以上の他の部分から(例えば、異なるプロセッサから、又は単一のプロセッサの異なる部分から)、本システムに関連付けられていないリモートコンピューティングシステムから、及び/又は他のソースから電子的に受け取られてもよい。上記の表現は、無線及び/又は有線で受け取られても、ポータブル記憶媒体を介して受け取られても、且つ/又は他のソースから受け取られてもよい。上記の表現は、例えばクラウドストレージなどの別のソースからアップロード及び/又はダウンロードされてもよく、且つ/又はその他の方法で受け取られてもよい。
【0083】
[0097] 動作604では、基板パターン内の輪郭の曲率が決定される。曲率は、面内曲率(例えば、2次元曲線)である。曲率は、所与の局所的なエッチング位置でのエッチングプロセスにおける活性化エネルギーの指標となり得、エッチング効果に影響を与える。曲率は、パターン内の輪郭の傾き、パターン内の輪郭における最大値又は最小値、及び/又はその他の情報に基づいて決定することができる。そのような傾き、最大値、及び/又は最小値は、例えば、輪郭の一次導関数及び/又は二次導関数に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、曲率は、二次導関数と一次導関数の比率、及び/又はその他の数学的演算によって決定される。本開示では、単一の曲率を決定すると説明される場合が多いが、輪郭に沿った1つ以上の位置(例えば、複数の所与の位置)で曲率を決定してもよいことに留意すべきである。
【0084】
[0098] 非限定的な例として、図7は、基板(例えば、ウェーハ)パターン704内の輪郭702の所与の点/位置701における曲率700の決定を示す。図7に示されるように、曲率700は、(例えば、2次元の輪郭702の場合)面内曲率である。いくつかの実施形態では、曲率700は、パターン704内の輪郭702の傾き(例えば、傾斜部分又は下降部分)、パターン704内の輪郭702の最大値又は最小値(例えば、変曲点)、及び/又はその他の情報に基づいて決定される。傾き、最大値、及び/又は最小値は、例えば、輪郭702の一次導関数及び/又は二次導関数に基づいて決定され得る。曲率700は、二次導関数と一次導関数との比によって決定されてもよく、且つ/又は、かかる比が代替的に曲率700を決定してもよい。いくつかの実施形態では、一次導関数、二次導関数、及び/又は他の様々な定数及び式の項からなるその他の組み合わせを使用して曲率を決定することができる場合もある。これらの実施形態は、本発明の趣旨及び範囲内にあるものとみなされるべきである。
【0085】
[0099] 図6に戻って、動作606において、曲率及び/又はその他の情報に基づいてエッチングバイアス方向が決定される。エッチングバイアス方向は、輪郭上の所与の点又は位置が、この輪郭に対するエッチングプロセスの結果として移動する方向を含む。いくつかの実施形態では、曲率は、(例えば、上述のような)輪郭上(例えば、第1の輪郭上)の所与の点又は位置における曲率であり、エッチングバイアス方向は、かかる所与の位置に対するものである。このエッチングバイアス方向は、上記所与の位置における曲率に基づいて、上記所与の位置に近接する(第1の)輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に基づいて、及び/又はその他の情報に基づいて決定される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の輪郭上の所与の位置のエッチングバイアス方向は、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置での曲率と、上記所与の位置での曲率との組み合わせに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、組み合わせは曲率に基づいて重み付けされる。
【0086】
[00100] いくつかの実施形態では、(例えば、第1の)輪郭上の所与の位置のエッチングバイアス方向は、かかる所与の位置における第1の輪郭の法線方向、及び/又はかかる所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向に基づいて決定される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の輪郭上の所与の位置のエッチングバイアス方向は、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向と、所与の位置における第1の輪郭の法線方向との組み合わせに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、組み合わせは法線方向に基づいて重み付けされる。
【0087】
[00101] いくつかの実施形態では、エッチングバイアス方向の決定は、1つ以上のアルゴリズムを使用して行われる。一例として、そのようなアルゴリズムは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、較正項、及び/又はその他の項を含み得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、レジスト輪郭上のある位置における曲率の項を含み、当該位置のエッチングバイアス方向を、(レジスト輪郭上の隣接位置についての)隣接法線方向の重み付き積分に基づいて決定する。これは、(例えば上述のような)従来のエッチングモデルにおけるように、単に該当位置での法線方向のみを使用することとは対照的である。上記のアルゴリズムでは、むしろ輪郭の幾何学形状の影響を考慮し、それを経験的にアルゴリズムに組み込む。これにより、特に曲率の高い領域において、レジスト輪郭の物理的バイアス方向が正確にモデル化される。
【0088】
[00102] アルゴリズムを使用することで、輪郭上の様々な位置の曲率についてエッチングバイアス方向を決定することができる。この場合、アルゴリズムは、(輪郭上のいくつかの関心位置についての)法線方向の組み合わせ項を、フィルタリング関数、(例えば、輪郭上のある関心位置についての)曲率ベースの重み関数、及び較正パラメータの特定のセットとともに含む。組み合わせ項は、輪郭上の隣接する位置の隣接法線方向について説明するように構成される。アルゴリズムによって集約される、輪郭上の関心位置の両側の隣接位置の数は、従来のプロセス知識及び/又はその他の情報に基づいてユーザが設定(例えば、以下に説明するようにユーザインターフェイスを介して入力及び/又は選択)しても、従来のパターニングプロセスデータ及び/又はモデリングに基づいて(例えば、本明細書で説明される1つ以上のプロセッサによって)自動的に決定されても、且つ/又はその他の方法で決定されてもよい。いくつかの実施形態では、輪郭上の関心位置の両側の隣接位置の数を調整することで、アルゴリズムの較正を強化することができる(例えば、含まれる隣接位置の数の増減により、エッチングプロセスによって生じる実際の物理的影響に対するアルゴリズムの精度が上下する場合がある)。フィルタリング項は、例えばガウス関数、及び/又はその他の関数であってよい。この関数は、例えば、平滑化関数又はローパスフィルタとして構成され得る。いくつかの実施形態では、この関数は、調節可能範囲に基づく項、及び/又はその他の項を含み得る。較正項は、アルゴリズムがエッチングバイアス方向を正確に決定することを保証するべくアルゴリズムを較正するために使用されるように構成された1つ以上の調節可能なパラメータを含み得る。1つ以上の調節可能なパラメータは、例えば、曲率項、法線方向項、及び/又はその他の項に重み付けするために使用され得る。
【0089】
[00103] いくつかの実施形態では、動作606は、輪郭上の1つ以上の位置について、エッチングバイアス方向に加えて、エッチングバイアス値を決定することを含む。エッチングバイアス値は、基板パターンの(例えば、第1の)輪郭の表現、及び/又はその他の情報に基づいて決定される。例えば、上述のように、いくつかの実施形態では、エッチングバイアス値は、対応するレジスト像及び有効エッチングバイアスモデルに基づいて決定される。エッチングバイアス値の決定には、例えば、可変(スカラー)エッチングバイアスマップを決定することが含まれ得る。いくつかの実施形態では、エッチングバイアス値は、レジスト像を入力として使用する訓練された機械学習モデルによって予測され得る。
【0090】
[00104] 動作608は、輪郭上の1つ以上の位置について、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、曲率、及び/又はその他の情報をシミュレーションモデルに入力し、基板パターンへのエッチングプロセスについて、(1つ以上の)上記エッチングバイアス方向、(1つ以上の)上記エッチングバイアス値、(1つ以上の)上記曲率、及び/又は上記その他の情報に基づくエッチング効果を決定することを含む。エッチング効果とは、エッチングによって引き起こされる基板パターンの(第1の)輪郭における変化であり、これによりエッチング後の基板パターン(例えば、第2の輪郭)が生成される。シミュレーションモデルを用いてエッチング効果を決定することは、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、曲率、及び/又はその他の情報に基づいてエッチング後の基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含む。
【0091】
[00105] いくつかの実施形態では、動作604~608は、第1の輪郭に沿った複数の位置での曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向を決定し、シミュレーションモデルを使用して、第1輪郭に沿った複数の位置での曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向に基づいてエッチング効果を決定することを含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルを用いて、エッチングバイアス値、エッチングバイアス方向、曲率、及び/又はその他の情報に基づいてエッチング効果を決定することは、第1の輪郭と、第1の輪郭上の複数の位置における曲率の決定されたエッチングバイアス方向とに基づいて第2の輪郭を決定することを含む。いくつかの実施形態では、例えば、第1の輪郭はレジスト輪郭であり、第2の輪郭はエッチング後の輪郭である。
【0092】
[00106] 曲率、エッチングバイアス方向、及び/又はエッチングバイアス値をシミュレーションモデルに入力することは、曲率、エッチングバイアス方向、及び/又はエッチングバイアス値をシミュレーションモデルに電子的に送信、アップロード、及び/又はその他の方法で提供することを含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、(例えば、「入力」を不要とし、代わりに、データがシミュレーションモデルに直接流れるだけとなるように)動作602~610のその他の部分を引き起こす命令と一体的にプログラムされてもよい。シミュレーションモデルは、エッチングバイアス(値及び/若しくは)方向、曲率、並びに/又はその他の情報が局所的エッチング効果に及ぼし得る影響を予測するように構成される。シミュレーションモデルは、パターン輪郭の曲率、エッチングバイアス(値及び/又は)方向、並びにその他の情報を受け取り、エッチング効果を決定するように構成される。エッチング効果は、例えば、大きさ及び方向を有するエッチングバイアスであり得、且つ/又はそのようなエッチングバイアスを含み得る。
【0093】
[00107] 従来のシステムとは対照的に、シミュレーションモデルは、ベクトル(又は方向)ベースの有効エッチングバイアスモデルを含む。シミュレーションモデルは、(例えば、上述のアルゴリズムに基づいて決定される)エッチングバイアス方向コンポーネントを含んでおり、これは、従来のモデルには含まれていない。シミュレーションモデルは、対応する曲率についてのエッチング効果とエッチングバイアス方向との間の相関関係を含む。例えば、そのようなモデルは、エッチングバイアス方向を、局所的なエッチング位置(例えば、輪郭上の位置)に関する近傍のエッチング効果と相関させるように構成されている。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、例えば、ADI輪郭、及び/又はその他の情報に基づいてAEI輪郭を決定するように構成されている。
【0094】
[00108] シミュレーションモデルは、化学/物理学/数学の原理によって規定されるエッチングプロセスの物理パラメータを、アルゴリズム(例えば、異なる物理パラメータについて異なる項を有するもの)、機械学習、及び/又はその他の形式で記述する。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、1つ以上の機械学習コンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、1つ以上のアルゴリズムを含む物理的又は半物理的なエッチング(又はエッチングバイアス)モデルコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、1つ以上の機械学習コンポーネントと、1つ以上の物理モデルアルゴリズムとの組み合わせである。
【0095】
[00109] シミュレーションモデルは、エッチング効果の様々な部分に対応する様々なコンポーネントを有し得る。例えば、シミュレーションモデルは、エッチングバイアス値を予測するように構成された機械学習モデルコンポーネント、エッチングバイアス方向を決定するように構成されたアルゴリズム、及び/又はその他のコンポーネントを有し得る。シミュレーションモデルのコンポーネントは、全体として、ベクトルベースの有効エッチングバイアス(VEEB)モデル、エッチングバイアスモデルと組み合わせたレジストモデル、及び/又はその他のモデルとすることができ、且つ/又はそれらを含むことができる。
【0096】
[00110] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、1つのアルゴリズム(又は複数のアルゴリズム)を含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むが、エッチングプロセスのパラメータを表す任意の適切な数学関数を含むことができる。例えば、関数の形式としては、べき乗多項式形式、区分多項式形式、指数形式、ガウス形式、シグモイド形式、決定木タイプの形式などがあり得る。これらのアルゴリズムは、任意の数のパラメータ、重み、及び/又はその他の特徴を任意の組み合わせで含んでよく、それにより、関数は、曲率、エッチングバイアス方向、及び/又はエッチングバイアス値をエッチング効果と数学的に相関させるように構成される。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、エッチングバイアス方向の項、エッチングバイアス値の項、曲率項、及び/又はその他の項を含むアルゴリズムを含む。エッチングバイアス方向の項、曲率項、及び/又はその他の項は、例えば、アルゴリズム内の1つ以上の追加の項と組み合わせてエッチング効果を決定してもよい。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、例えば、上記のアルゴリズムを含む。
【0097】
[00111] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルは、例えば、較正された予測モデルである。シミュレーションモデルは、曲率、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、及び/又はその他の較正データと、対応するエッチング効果の較正データとを用いて較正される。較正には、モデルの生成、訓練、チューニング、及び/又はその他の動作が含まれ得る。エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、及び/又は曲率の較正データ、並びに対応するエッチング効果の較正データは、既知のデータ及び/又はその他の以前に決定されたデータを含む。較正データは、他の方法で測定、シミュレート、及び/又は決定されてもよい。いくつかの実施形態では、較正データは、完全なシミュレーションモデルを実行することによって取得される(例えば、ここで、完全なシミュレーションモデルは、照明モデル231、投影光学系モデル232、設計レイアウトモデル235、レジストモデル237(すべて上記の通り)、及び/又はその他のモデルのうちの1つ以上を含み得る)。
【0098】
[00112] いくつかの実施形態では、ベース(シミュレーション)モデルに較正データを提供してエッチング効果の較正データの予測を取得し、エッチング効果の較正データをフィードバックとして用いてベースモデルの1つ以上の構成を更新することによって、シミュレーションモデルが較正される。例えば、エッチング効果の較正データと、エッチング効果の較正データの予測との間の比較に基づいて、シミュレーションモデルの1つ以上の構成を更新することができる。シミュレーションモデルの較正に用いられる較正データは、入力(例えば、既知のエッチングバイアス方向)と、対応する既知の出力(例えば、既知の対応するエッチング効果)とのペア又はセットを含み得る。その後、較正されたシミュレーションモデルを使用することで、新しいエッチングバイアス方向に基づいて(例えば、エッチング効果に関する)予測を行うことができる。
【0099】
[00113] 本開示は、シミュレーションモデルのいずれかの特定の形式又はアルゴリズムによって制限されるものではない。いくつかの実施形態では、上述のように、シミュレーションモデルは、機械学習モデルコンポーネント、アルゴリズムコンポーネント、及び/又はその他のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、モデルを較正することは、シミュレーションモデルの1つ以上のコンポーネントの調整及び/又はその他の調節を行うことによって、ベースモデルの1つ以上の構成を更新することを含む。いくつかの実施形態では、調整することは、予測されるエッチング効果データが、対応するエッチングバイアス方向についての既知のエッチング効果データによりよく合致するか、又はよりよく対応するように、1つ以上のモデルパラメータを調節することを含む。いくつかの実施形態では、調整することは、新規及び/又は追加の入力/出力較正データペアを含む追加の較正情報を用いてモデルを訓練又は再訓練することを含む。
【0100】
[00114] いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルの形式(例えば、機械学習コンポーネント、1つ以上の非線形アルゴリズム、線形アルゴリズム、二次アルゴリズム、及び/又はその他のアルゴリズムを含む物理又は半物理モデルコンポーネント等)、アルゴリズムのパラメータ、重み、及び/又はシミュレーションモデルのその他の特性は、上述の較正に基づいて自動的に決定され得、ユーザによって提供される精度及び実行時性能仕様に基づいて自動的に決定され得、本システムに含まれるユーザインターフェイスを介したユーザによる情報の手動入力及び/又は選択に基づいて自動的に決定され得、且つ/又はその他の方法によって自動的に決定され得る。いくつかの実施形態では、シミュレーションモデルの形式、シミュレーションモデルのパラメータ、及び/又はシミュレーションモデルのその他の特性は、(例えば、エッチングの変化を引き起こし、且つ/又はエッチングの変化に影響を及ぼす可能性のある処理パラメータ及び/又はその他の条件のように)基板の個々の層とともに変化する場合があり、且つ/又はその他の情報に基づいて変化する場合がある。例えば、半導体デバイス製造のエッチング動作中に生成される基板の異なる層について、異なるモデルが較正され得る。
【0101】
[00115] 動作608は、シミュレーションモデルからのエッチング効果を出力することも含む。このエッチング効果は、パターン内の決定された輪郭に関するものである。エッチング効果は、本システムの1つ以上の他の部分(例えば、別のプロセッサ)、本システムに関連付けられていないリモートコンピューティングシステム、及び/又は他の場所に電子的に出力され得る。エッチング効果は、無線及び/又は有線で、携帯型記憶媒体を介して、且つ/又は他のコンポーネントによって出力され得る。エッチング効果は、例えばクラウドストレージなどの別のソースにアップロード及び/又はダウンロードされてもよく、且つ/又は他の方法で出力されてもよい。
【0102】
[00116] 動作610において、エッチング効果が費用関数に用いられることで、個々のパターニングプロセス変数及び/又は基準に関連する費用の決定が容易になる。いくつかの実施形態では、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、及び/又はその他の情報が、例えば、費用関数によって直接使用され得る。個々のパターニング変数に関連する費用は、パターニングプロセスの最適化を容易にするために使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用は、オプティマイザに提供されて、エッチングプロセス、パターニングシステム(例えば、スキャナ)、及び/又はその他の半導体製造プロセス及び/又は半導体製造システムの最適化(例えば、共同最適化(co-optimization))を容易にするように構成される。一般に、オプティマイザとは、所与の費用関数の最小値を見つけるコンピュータアルゴリズムである。オプティマイザは、例えば、複数のエッチングプロセス変数を共同決定(co-determine)するように構成された勾配ベースの非線形オプティマイザであってもよい。オプティマイザは、様々な可能なプロセス変数(例えば、各々がそれぞれの許容範囲内にあるもの)を、様々な基準(例えば、クリティカルディメンジョン、パターン配置誤差、エッジ配置誤差、クリティカルディメンジョン非対称性、エッチングプロセスに関連する欠陥数、及び/又はその他の基準)に関連する製造能力又は費用との間でバランスをとるように構成された1つ以上のプロセッサによって形成され得る。
【0103】
[00117] 図8は、本システム及び方法を使用した、一般化された例示的プロセスフロー800を示す。上述の光近接効果補正(OPC)の例で続けると、パターニングプロセスの最適化のために、光学モデル、レジストモデル、及びエッチングモデルを使用し得る。マスク像MIは、パターン輪郭802に基づいて決定することができ、パターン輪郭802自体は、.GDSファイル、.GDSIIファイル、OASISファイル、及び/又はその他の電子ファイルによって定義される。光学モデルは、マスク像及び/又はその他の情報に基づいて決定される空間像AIを生成するように構成される。レジストモデルは、空間像及び/又はその他の情報に基づいてレジスト像RI(少なくとも1つのレジスト輪郭RCを含む)を生成するように構成される。本明細書に記載のベクトルベースの有効エッチングバイアス(VEEB)シミュレーションモデルは、エッチング効果をシミュレートし、レジスト輪郭、本明細書で説明するように決定されるエッチングバイアス方向、及び/又はその他の情報に基づいて決定されるエッチング(後)輪郭ECを生成するように構成される。図8に示されるように、このエッチング輪郭及び/又はその他の情報に基づいて、エッチング(後)像Elが決定され得る。
【0104】
[00118] いくつかの実施形態では、ベクトルベースの有効エッチングバイアスシミュレーションモデルを使用して、基板パターン(輪郭)を用いてシミュレートされたエッチングプロセスについて、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、曲率、及び/又はその他の情報に基づくエッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、基板パターンのゲージ輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向を決定することを含む。較正フローでは、ゲージ位置ごとに、各レジスト輪郭頂点でのバイアス方向が決定されるため、バイアス方向、対応するレジスト輪郭位置、及び線形ソルバーの目標エッチングバイアス値などを決定することができる。
【0105】
[00119] いくつかの実施形態では、ベクトルベースの有効エッチングバイアスシミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされたエッチングプロセスについて、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、曲率、及び/又はその他の情報に基づくエッチング効果を決定することは、モデル適用フローにおいて、決定されたエッチングバイアス方向に基づいて、レジスト輪郭の位置(例えば、ポリゴンの頂点)にエッチングバイアス方向ベクトルでバイアスをかけることで、エッチング後の輪郭を決定することを含む。モデル適用フローでは、各レジスト輪郭頂点のバイアス値とバイアス方向が決定されるため、バイアスベクトルを用いて各レジスト輪郭頂点にバイアスをかけることで、例えば、最終的なエッチング輪郭を生成することができる。
【0106】
[00120] いくつかの実施形態では、ベクトルベースの有効エッチングバイアスシミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされたエッチングプロセスについて、エッチングバイアス方向、エッチングバイアス値、曲率、及び/又はその他の情報に基づくエッチング効果を決定することは、光近接効果補正のために、レジスト輪郭と、レジスト輪郭上の各位置でのエッチングバイアス方向とを使用し、エッチング後の輪郭を決定することを含み、このエッチング後の輪郭は、光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用することができる。OPCでは、評価地点ごとに、レジスト輪郭、エッチング輪郭、及びレジスト輪郭上のエッチングバイアス方向が利用可能であるため、バイアス方向、対応するレジスト輪郭、及びエッチング輪郭位置などを決定することができる。これらの値を使用して、OPCのためのエッチング信号を推定することができる。その他のフローも想定される。
【0107】
[00121] 図9は、既存の有効エッチングバイアスモデル(例えば、定義済みの法線方向のエッチングバイアス方向901を使用するもの)により、レジスト輪郭903に基づいて生成されたエッチング輪郭900を、本明細書で説明するようにレジスト輪郭903上の個々の位置について決定されたエッチングバイアス方向905、907、及び909を使用する、本ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデル(VEEB)の3つの異なる構成によって生成された(又はそれらの構成からの出力に基づいて決定された)エッチング輪郭902、904、及び906と比較した例を示している。本ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデル(VEEB)の3つの異なる構成は、シミュレーションモデルの較正の一部として連続的に決定されたものであり、(上述のような)モデルパラメータの3つの異なるセットを有するように調整されている。
【0108】
[00122] この例では、バイアス値(例えば、レジスト輪郭903と、エッチング輪郭900、902、904、又は906との間の距離)は、特に輪郭903の端部920で大きいため、端部920では、既存のバイアス付与方法(すなわち、法線方向に沿ったバイアス付与)後のエッチング輪郭900は、法線方向の自己交差930を示す。連続する本ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルを使用すると、エッチングバイアス方向905、907、又は909の交差長が短縮され、最終的には完全に除去される(例えば、エッチングバイアス方向909を参照)。
【0109】
[00123] 図10は、本明細書に記載される1つ以上の動作に使用し得る例示的なコンピュータシステムCSを示す図である。コンピュータシステムCSは、情報を伝達するためのバスBS又はその他の通信機構と、情報を処理するための、バスBSに結合されたプロセッサPRO(又は複数のプロセッサ)とを含む。コンピュータシステムCSは、プロセッサPROによって実行される情報及び命令を記憶するための、バスBSに結合されたメインメモリMM、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はその他の動的記憶デバイスなども含む。メインメモリMMは、プロセッサPROによる命令の実行中に一時的な変数又はその他の中間情報を記憶するために使用することもできる。さらに、コンピュータシステムCSは、プロセッサPROへの静的情報及び命令を記憶するための、バスBSに結合された読み出し専用メモリ(ROM)ROM又はその他の静的記憶デバイスも含む。磁気ディスク又は光ディスクなどの記憶デバイスSDが設けられ、この記憶デバイスSDは、バスBSに結合されて情報及び命令を記憶する。
【0110】
[00124] コンピュータシステムCSは、コンピュータユーザに情報を表示するための、陰極線管(CRT)ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイDSにバスBSを介して結合されていてもよい。プロセッサPROに情報及びコマンド選択を伝達するため、英数字キー及びその他のキーを含む入力デバイスIDがバスBSに結合されている。別のタイプのユーザ入力デバイスとして、プロセッサPROに方向情報及びコマンド選択を伝達し、ディスプレイDS上でカーソルの動きを制御するための、マウス、トラックボール又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部CCがある。この入力デバイスは、通常、第1の軸(例えば、x軸)及び第2の軸(例えば、y軸)の2つの軸で2つの自由度を有し、これにより、デバイスは面内の位置を特定することができる。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイを入力デバイスとして使用することもできる。
【0111】
[00125] いくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の方法のいくつかの部分が、プロセッサPROがメインメモリMMに含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答してコンピュータシステムCSによって実行される場合がある。このような命令は、記憶デバイスSDなどの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリMMに読み出されてもよい。メインメモリMMに含まれる命令のシーケンスが実行されることにより、プロセッサPROは、本明細書に記載されるプロセスステップ(動作)を実行する。マルチプロセッシング構成とされた1つ以上のプロセッサを採用して、メインメモリMMに含まれる命令のシーケンスを実行することもできる。いくつかの実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。したがって、本明細書での説明は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0112】
[00126] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」又は「機械読み取り可能な媒体」との用語は、実行のためにプロセッサPROに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を意味する。このような媒体は多くの形態をとることができ、例えば、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体が含まれるがこれらに限定されない。不揮発性媒体としては、例えば、記憶デバイスSDなどの光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体としては、メインメモリMMなどの動的メモリが含まれる。伝送媒体としては、バスBSを構成するワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、及び光ファイバが含まれる。伝送媒体は、音波又は光波の形態をとることもでき、例えば、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものが含まれる。コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気メディア、CD-ROM、DVD、その他の光メディア、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを持つその他の物理メディア、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジなど、非一時的なものとすることができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、そこに命令を記録することができる。命令は、コンピュータによって実行されると、本明細書に記載されている動作のいずれかを実施することができる。一時的なコンピュータ可読媒体としては、例えば、搬送波又はその他の伝播電磁信号が含まれ得る。
【0113】
[00127] 1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行のためにプロセッサPROに伝送するにあたり、様々な形態のコンピュータ可読媒体が関与し得る。例えば、命令は、最初は遠隔のコンピュータの磁気ディスク上にあってもよい。遠隔のコンピュータは、自身の動的メモリに命令をロードし、これを、モデムを使用して電話回線を通じて送信することができる。コンピュータシステムCSのローカルモデムは、電話回線上のデータを受信し、赤外線送信機を使用してそのデータを赤外線信号に変換することができる。バスBSに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で伝送されたデータを受信し、そのデータをバスBS上に配置することができる。バスBSは、このデータをメインメモリMMに伝送し、プロセッサPROはそこから命令を取得して実行する。メインメモリMMが受信した命令は、任意選択により、プロセッサPROによる実行の前又は後に記憶デバイスSDに記憶されてもよい。
【0114】
[00128] コンピュータシステムCSは、バスBSに結合された通信インターフェイスCIを含んでもよい。通信インターフェイスCIは、ローカルネットワークLANに接続されたネットワークリンクNDLへの双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェイスCIは、総合デジタル通信サービス網(ISDN)カード又はモデムであり得、これらは対応する種類の電話回線へのデータ通信接続を提供する。別の例として、通信インターフェイスCIは、ローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得、これは互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供する。ワイヤレスリンクも実施可能である。このような実施態様のいずれにおいても、通信インターフェイスCIは、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを伝送する電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0115】
[00129] ネットワークリンクNDLは、通常、1つ以上のネットワークを介して他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンクNDLは、ローカルネットワークLANを介したホストコンピュータHCへの接続を提供し得る。これには、現在一般に「インターネット」INTと呼ばれる世界規模のパケットデータ通信ネットワークを介して提供されるデータ通信サービスが含まれ得る。ローカルネットワークLAN(インターネット)は、デジタルデータストリームを伝送する電気信号、電磁信号、又は光信号を使用し得る。これらの様々なネットワークを介した信号、並びにネットワークデータリンクNDL上の信号及び通信インターフェイスCIを介した信号は、コンピュータシステムCSとの間でやり取りされるデジタルデータを伝送するものであり、情報を運搬する搬送波の例示的な形態である。
【0116】
[00130] コンピュータシステムCSは、(1つ又は複数の)ネットワーク、ネットワークデータリンクNDL、及び通信インターフェイスCIを介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、ホストコンピュータHCは、インターネットINT、ネットワークデータリンクNDL、ローカルネットワークLAN、及び通信インターフェイスCIを介して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信することができる。そのようにダウンロードされた1つのアプリケーションによって、例えば、本明細書に記載される方法の全部又は一部が提供され得る。受信されたコードは、受信された際にプロセッサPROによって実行されても、且つ/又は記憶デバイスSD又はその他の不揮発性ストレージに記憶された後で実行されてもよい。このようにして、コンピュータシステムCSは、搬送波の形態でアプリケーションコードを取得することができる。
【0117】
[00131] 図11は、一実施形態に係るリソグラフィ投影装置の概略図である。このリソグラフィ投影装置は、照明システムILと、第1のオブジェクトテーブルMTと、第2のオブジェクトテーブルWTと、投影システムPSとを含むことができる。照明システムILは、放射ビームBを調整することができる。この例では、照明システムは、放射源SOも備えている。第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MTには、パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを設けることができ、第1のオブジェクトテーブルMTは、アイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続することができる。第2のオブジェクトテーブル(例えば、基板テーブル)WTには、基板W(例えば、レジストコートされたシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを設けることができ、第2のオブジェクトテーブルWTは、アイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続することができる。投影システム(例えば、レンズを含む)PS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型の光学システム)は、パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)に結像することができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、例えば、パターニングデバイスのアライメントマークM1及びM2と、基板のアライメントマークP1及びP2とを使用して位置合わせされ得る。
【0118】
[00132] 図示のように、この装置は透過型のもの(すなわち、透過型パターニングデバイスを有するもの)であってよい。ただし、一般的には、例えば、反射型のもの(反射型パターニングデバイスを備えるもの)であってもよい。この装置は、従来のマスクとして異なる種類のパターニングデバイスを採用してもよく、その例としては、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが挙げられる。
【0119】
[00133] 放射源SO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUV源)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに直接供給されるか、あるいは、例えば、ビームエキスパンダなどの調整手段、又は(誘導ミラー、ビームエキスパンダなどを含む)ビームデリバリシステムBDを通過した後、照明システム(イルミネータ)ILに供給される。イルミネータILは、ビーム内の強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含んでよい。さらに、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントも含まれる。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、その断面に所望の均一性及び強度分布を有することとなる。
【0120】
[00134] いくつかの実施形態では、放射源SOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内にあってよい(放射源SOが、例えば水銀ランプである場合に多い)が、リソグラフィ投影装置から離れていてもよい。例えば、放射源SOが生成する放射ビームは、(例えば、適切な誘導ミラーを用いて)装置内に導かれ得る。この後者のシナリオは、放射源SOが、例えばエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づくもの)である場合に当てはまることがある。
【0121】
[00135] 続いて、ビームBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差することができる。パターニングデバイスMAを通過した後、ビームBはレンズPLを通過することができ、レンズPLが基板Wのターゲット部分C上にビームBを集束させる。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いることで、例えば、ビームBの経路内に異なるターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1の位置決め手段を用いることで、例えば、パターニングデバイスライブラリからパターニングデバイスMAを機械的に取り出した後、又はスキャン中に、ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの移動は、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)と、ショートストロークモジュール(微動位置決め)とを用いて達成することができる。ただし、ステッパの場合(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータに接続されてよく、又は固定されてもよい。
【0122】
[00136] 図示されたツールは、ステップモードとスキャンモードの2つの異なるモードで使用することができる。ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは基本的に静止状態に保たれ、パターニングデバイス全体の像が1回の動作(つまり、1回の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。基板テーブルWTは、ビームBによって別のターゲット部分Cを照射できるように、x方向及び/又はy方向にシフトさせることができる。スキャンモードでは、基本的に同じシナリオが適用されるが、所与のターゲット部分Cが1回の「フラッシュ」で露光されることはない。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、速度vで所与の方向(例えば、「スキャン方向」又は「y」方向)に移動可能であり、それにより、投影ビームBによるスキャンがパターニングデバイス像にわたって行われる。並行して、基板テーブルWTを、同じ方向又は反対方向に速度V=Mvで同時に移動させる。ここで、Mはレンズの倍率(通常、M=1/4又は1/5)である。このようにして、解像度を犠牲にすることなく、比較的大きなターゲット部分Cを露光することができる。
【0123】
[00137] 図12は、本明細書に記載される1つ以上の動作に使用可能であり、且つ/又はそれらを容易にし得る別のリソグラフィ投影装置(LPA)の概略図である。LPAは、ソースコレクタモジュールSOと、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、サポート構造MTと、基板テーブルWTと、投影システムPSとを含むことができる。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築することができ、また、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続することができる。基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTは、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築することができ、また、基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続することができる。投影システム(例えば、反射型投影システム)PSは、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)に投影するように構成することができる。
【0124】
[00138] この例に示されるように、LPAは、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを採用するもの)とすることができる。なお、ほとんどの材料はEUV波長範囲内で吸収性であるため、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得る。一例では、マルチスタックリフレクタは、モリブデン及びシリコンの40層のペアを有し、ここで各層の厚さは1/4波長である。X線リソグラフィを使用すると、さらに短い波長を生成し得る。ほとんどの材料は、EUV及びX線の波長において吸収性であるため、パターニングデバイスのトポグラフィ上のパターン形成された吸収材料の薄片(例えば、多層リフレクタ上のTaN吸収体)によって、どこにフィーチャが印刷されるか(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)が定義される。
【0125】
[00139] イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOからの極端紫外線ビームを受け取ることができる。EUV放射を生成する方法としては、キセノン、リチウム、又はスズなどの、EUV範囲に1つ以上の輝線を持つ少なくとも1つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換するものが挙げられるが、必ずしもこれに限定されない。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多いそのような方法の1つでは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料にレーザビームを照射することで、プラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザ(図9では不図示)を含むEUV放射システムの一部であってもよい。結果として得られるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、この放射は、ソースコレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて集められる。例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、レーザとソースコレクタモジュールとは別個の構成要素であってよい。このような例では、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また、放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使用して送ることができる。その他の例として、例えば、放射源が、放電生成プラズマEUVジェネレータ(DPP源と呼ばれることが多い)である場合、放射源は、ソースコレクタモジュールの一体部分であってもよい。
【0126】
[00140] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するためのアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールドミラーデバイスやファセット瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して放射ビームを調整することで、その断面に所望の均一性及び強度分布を持たせることができる。
【0127】
[00141] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射することができ、パターニングデバイスによってパターン形成される。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、投影システムPSを通過し、投影システムPSが、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束させる。第2ポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を使って、(例えば、放射ビームBの経路内に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスのアライメントマークM1及びM2と、基板のアライメントマークP1及びP2とを使用して位置合わせされ得る。
【0128】
[00142] 例示の装置LPAは、ステップモード、スキャンモード、及び静止モードのうち少なくとも1つのモードで使用することができる。ステップモードでは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体が一度にターゲット部分C上に投影される(例えば、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、X方向及び/又はY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。スキャンモードでは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTが同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付けられたパターンがターゲット部分C上に投影される(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決定することができる。静止モードでは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持したまま基本的に静止状態に保たれ、また、基板テーブルWTを移動又はスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンがターゲット部分C上に投影される。このモードでは、通常、パルス放射源が採用され、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTが移動するたびに、又はスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0129】
[00143] 図13は、図12に示すリソグラフィ投影装置の詳細図である。図13に示されるように、LPAは、ソースコレクタモジュールSOと、照明システムILと、投影システムPSとを含むことができる。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境を維持することができるように構成されている。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気、例えば、Xeガス、Li蒸気、又はSn蒸気によって生成され得、その中で高温プラズマ210が作られ、電磁スペクトルのEUV範囲の放射が放出される。高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを引き起こす放電によって作られる。効率的な放射の生成には、Xe、Li、Sn蒸気又は他の任意の適切なガス又は蒸気の分圧(例えば、10Pa)が必要となり得る。いくつかの実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマが提供されることでEUV放射が生成される。
【0130】
[00144] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211からコレクタチャンバ212へと、ソースチャンバ211の開口部内又はその背後に位置決めされた任意選択のガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して送られる。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリアとチャネル構造の組み合わせを含んでもよい。(以下で説明される)汚染物質トラップ又は汚染物質バリアトラップ230もチャネル構造を含んでいる。コレクタチャンバ211は、放射コレクタCOを含んでよく、これは、斜入射型コレクタであり得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを通過した放射は、格子スペクトルフィルタ240で反射され、線「O」で示される光軸に沿った仮想光源点IFに集束させることができる。仮想光源点IFは、一般に中間焦点と呼ばれ、ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造220の開口部221又はその近くに位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
【0131】
[00145] 続いて、放射は、照明システムILを通過し、この照明システムILは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布を提供するとともに、パターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含み得る。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21が反射されると、パターン付きビーム26が形成され、このパターン付きビーム26は、投影システムPSにより、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。照明光学系ユニットIL及び投影システムPSには、一般に、図示されているよりも多くの要素が存在し得る。格子スペクトルフィルタ240は、例えば、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択で存在してよい。また、図示されているより多くのミラーが存在してもよく、例えば、投影システムPSには、図13に示されているものに対して1~6個の追加の反射要素が存在してもよい。
【0132】
[00146] 図13に示されるように、コレクタ光学系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれている。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置されており、このタイプのコレクタ光学系COは、DPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマ源と組み合わせて使用することができる。
【0133】
[00147] 図14は、(これまでの図面に示された)リソグラフィ投影装置LPAのソースコレクタモジュールSOの詳細図である。ソースコレクタモジュールSOは、LPAの放射システムの一部であってよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に蓄積して、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を作り出すように配置することができる。これらのイオンの脱励起及び再結合中に生成されるエネルギー放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ光学系COによって集められ、閉鎖構造220の開口部221上に集束される。
【0134】
[00148] 本明細書に開示される概念は、サブ波長フィーチャのための任意の一般的な結像、エッチング、研磨、検査等のシステムのシミュレーション又は数学的モデル化を行うことができ、ますます短くなる波長を生成することが可能な新しい結像技術にとって有用となり得る。新しい技術には、EUV(極端紫外線)や、ArFレーザを使用して193nmの波長が生成可能であり、さらに、フッ素レーザを使用して157nmの波長も生成可能なDUVリソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~50nmの範囲の波長を生成可能であり、その生成は、シンクロトロンを使用すること、又は(固体又はプラズマ)材料に高エネルギー電子を当てることで上記範囲の光子を生成することにより行われる。
【0135】
[00149] 本開示の実施形態は、以下の条項により更に説明することができる。
1.命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、
基板パターンの第1の輪郭の表現を受け取ること、
第1の輪郭の曲率を決定すること、
曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、及び
シミュレーションモデルを使用して、基板パターンへのエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定すること
を実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
2.曲率は、第1の輪郭の所与の位置における曲率であり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置に関するものであり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置における曲率に基づいて、且つこの所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に更に基づいて決定される、条項1に記載の媒体。
3.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における曲率と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率との組み合わせに基づいて決定される、条項2に記載の媒体。
4.組み合わせは、曲率に基づいて重み付けされる、条項3に記載の媒体。
5.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向とに基づいて決定される、条項1~4のいずれかに記載の媒体。
6.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向との組み合わせに基づいて決定される、条項5に記載の媒体。
7.組み合わせは、法線方向に基づいて重み付けされる、条項6に記載の媒体。
8.命令は更に、コンピュータに、基板パターンの第1の輪郭の表現に基づいてエッチングバイアス値を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、エッチングバイアス方向とエッチングバイアス値とに基づくエッチング効果を決定することを実行させる、条項1~7のいずれかに記載の媒体。
9.命令は更に、コンピュータに、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向に基づいてエッチング効果を決定することを実行させる、条項1~8のいずれかに記載の媒体。
10.エッチング効果は、エッチング後基板パターンを生成する、エッチングにより生じる基板パターンの第1の輪郭における変化であり、シミュレーションモデルを使用してエッチング効果を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいてエッチング後基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含む、条項1~9のいずれかに記載の媒体。
11.第1の輪郭の表現は、電子的に受け取られ、第1の輪郭の表現は、レジスト輪郭の表現である、条項1~10のいずれかに記載の媒体。
12.第1の輪郭の表現は、レジスト像を含む、条項1~11のいずれかに記載の媒体。
13.命令は更に、コンピュータに、エッチング効果に基づいてエッチング後輪郭及び/又はエッチング後像を決定させる、条項1~12のいずれかに記載の媒体。
14.シミュレーションモデルモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、第1の輪郭と、第1の輪郭上の複数の位置の決定されたエッチングバイアス方向とに基づいて第2の輪郭を決定することを含む、条項1~13のいずれかに記載の媒体。
15.第1の輪郭はレジスト輪郭であり、第2の輪郭はエッチング後輪郭である、条項14に記載の媒体。
16.エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる、条項1~15のいずれかに記載の媒体。
17.シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである、条項1~16のいずれかに記載の媒体。
18.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、基板パターンのゲージ輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向を決定することを含む、条項1~17のいずれかに記載の媒体。
19.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、モデル適用フローにおいて、レジスト輪郭の各頂点に、エッチングバイアス方向に基づいてバイアスベクトルでバイアスをかけることでエッチング後輪郭を決定することを含む、条項1~18のいずれかに記載の媒体。
20.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、光近接効果補正について、レジスト輪郭と、レジスト輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向とを使用することと、光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用可能なエッチング後輪郭を決定することと、を含む、条項1~19のいずれかに記載の媒体。
21.エッチング効果は、エッチングバイアス値及びエッチングバイアス方向に基づいて決定され、エッチングバイアス値及び/又はエッチングバイアス方向は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数に提供されるように構成される、条項1~20のいずれかに記載の媒体。
22.第1の輪郭の曲率は、第1の輪郭を表す式の1つ以上の導関数に基づいて決定される、条項1~20のいずれかに記載の媒体。
23.エッチング効果を決定する方法であって、
基板パターンの第1の輪郭の表現を受け取ることと、
第1の輪郭の曲率を決定することと、
曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定することと、
シミュレーションモデルを使用して、基板パターンへのエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することと
を含む、方法。
24.曲率は、第1の輪郭の所与の位置における曲率であり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置に関するものであり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置における曲率に基づいて、且つこの所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に更に基づいて決定される、条項23に記載の方法。
25.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における曲率と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率との組み合わせに基づいて決定される、条項24に記載の方法。
26.組み合わせは、曲率に基づいて重み付けされる、条項25に記載の方法。
27.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向とに基づいて決定される、条項23~26のいずれかに記載の方法。
28.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向との組み合わせに基づいて決定される、条項27に記載の方法。
29.組み合わせは、法線方向に基づいて重み付けされる、条項28に記載の方法。
30.方法は、更に、基板パターンの第1の輪郭の表現に基づいてエッチングバイアス値を決定することと、シミュレーションモデルを使用して、エッチングバイアス方向とエッチングバイアス値とに基づくエッチング効果を決定することとを含む、条項23~29のいずれかに記載の方法。
31.方法は、更に、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向を決定することと、シミュレーションモデルを使用して、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向に基づいてエッチング効果を決定することとを含む、条項23~30のいずれかに記載の方法。
32.エッチング効果は、エッチング後基板パターンを生成する、エッチングにより生じる基板パターンの第1の輪郭における変化であり、シミュレーションモデルを使用してエッチング効果を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいてエッチング後基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含む、条項23~31のいずれかに記載の方法。
33.第1の輪郭の表現は、電子的に受け取られ、第1の輪郭の表現は、レジスト輪郭の表現である、条項23~32のいずれかに記載の方法。
34.第1の輪郭の表現は、レジスト像を含む、条項23~33のいずれかに記載の方法。
35.方法は、更に、エッチング効果に基づいてエッチング後輪郭及び/又はエッチング後像を決定することを含む、条項23~34のいずれかに記載の方法。
36.シミュレーションモデルモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、第1の輪郭と、第1の輪郭上の複数の位置の決定されたエッチングバイアス方向とに基づいて第2の輪郭を決定することを含む、条項23~35のいずれかに記載の方法。
37.第1の輪郭はレジスト輪郭であり、第2の輪郭はエッチング後輪郭である、条項36に記載の方法。
38.エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる、条項23~37のいずれかに記載の方法。
39.シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである、条項23~38のいずれかに記載の方法。
40.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、基板パターンのゲージ輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向を決定することを含む、請求項23~39のいずれかに記載の方法。
41.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、モデル適用フローにおいて、レジスト輪郭の各頂点に、エッチングバイアス方向に基づいてバイアスベクトルでバイアスをかけることでエッチング後輪郭を決定することを含む、条項23~40のいずれかに記載の方法。
42.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、光近接効果補正について、レジスト輪郭と、レジスト輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向とを使用することと、光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用可能なエッチング後輪郭を決定することと、を含む、条項23~41のいずれかに記載の方法。
43.エッチング効果は、エッチングバイアス値及びエッチングバイアス方向に基づいて決定され、エッチングバイアス値及び/又はエッチングバイアス方向は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数に提供されるように構成される、条項23~42のいずれかに記載の方法。
44.第1の輪郭の曲率は、第1の輪郭を表す式の1つ以上の導関数に基づいて決定される、条項23~43のいずれかに記載の方法。
45.エッチング効果を決定するシステムであって、
基板パターンの第1の輪郭の表現を受け取ること、
第1の輪郭の曲率を決定すること、
曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、及び
シミュレーションモデルを使用して、基板パターンへのエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定すること
を実行するための機械読み取り可能な命令によって構成された1つ以上のハードウェアプロセッサを含むシステム。
46.曲率は、第1の輪郭の所与の位置における曲率であり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置に関するものであり、エッチングバイアス方向は、この所与の位置における曲率に基づいて、且つこの所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率に更に基づいて決定される、条項45に記載のシステム。
47.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における曲率と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における曲率との組み合わせに基づいて決定される、条項46に記載のシステム。
48.組み合わせは、曲率に基づいて重み付けされる、条項47に記載のシステム。
49.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、所与の位置に近接する第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向とに基づいて決定される、条項45~48のいずれかに記載のシステム。
50.第1の輪郭上の所与の位置に関するエッチングバイアス方向は、所与の位置における第1の輪郭の法線方向と、第1の輪郭に沿った1つ以上の隣接位置における法線方向との組み合わせに基づいて決定される、条項49に記載のシステム。
51.組み合わせは、法線方向に基づいて重み付けされる、条項50に記載のシステム。
52.1つ以上のプロセッサは、更に、基板パターンの第1の輪郭の表現に基づいてエッチングバイアス値を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、エッチングバイアス方向とエッチングバイアス値とに基づくエッチング効果を決定することを実行するように構成される、条項45~51のいずれかに記載のシステム。
53.1つ以上のプロセッサは、更に、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向を決定すること、及びシミュレーションモデルを使用して、第1の輪郭に沿った複数の位置における曲率、エッチングバイアス値、及びエッチングバイアス方向に基づいてエッチング効果を決定することを実行するように構成される、条項45~52のいずれかに記載のシステム。
54.エッチング効果は、エッチング後基板パターンを生成する、エッチングにより生じる基板パターンの第1の輪郭における変化であり、シミュレーションモデルを使用してエッチング効果を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいてエッチング後基板パターン上の1つ以上の位置を決定することを含む、条項45~53のいずれかに記載のシステム。
55.第1の輪郭の表現は、電子的に受け取られ、第1の輪郭の表現は、レジスト輪郭の表現である、条項45~54のいずれかに記載のシステム。
56.第1の輪郭の表現は、レジスト像を含む、条項45~55のいずれかに記載のシステム。
57.1つ以上のプロセッサは、更に、エッチング効果に基づいてエッチング後輪郭及び/又はエッチング後像を決定するように構成される、条項45~56のいずれかに記載のシステム。
58.シミュレーションモデルモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、第1の輪郭と、第1の輪郭上の複数の位置の決定されたエッチングバイアス方向とに基づいて第2の輪郭を決定することを含む、条項45~57のいずれかに記載のシステム。
59.第1の輪郭はレジスト輪郭であり、第2の輪郭はエッチング後輪郭である、条項58に記載のシステム。
60.エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる、条項45~59のいずれかに記載のシステム。
61.シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである、条項45~60のいずれかに記載のシステム。
62.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、較正フローにおいて、基板パターンのゲージ輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向を決定することを含む、条項45~61のいずれかに記載のシステム。
63.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、モデル適用フローにおいて、レジスト輪郭の各頂点に、エッチングバイアス方向に基づいてバイアスベクトルでバイアスをかけることでエッチング後輪郭を決定することを含む、条項45~62のいずれかに記載のシステム。
64.シミュレーションモデルを使用して、基板パターンを用いてシミュレートされるエッチングプロセスについてエッチングバイアス方向に基づくエッチング効果を決定することは、光近接効果補正について、レジスト輪郭と、レジスト輪郭上の各位置におけるエッチングバイアス方向とを使用することと、光近接効果補正のためのエッチング信号を推定するために使用可能なエッチング後輪郭を決定することと、を含む、条項45~63のいずれかに記載のシステム。
65.エッチング効果は、エッチングバイアス値及びエッチングバイアス方向に基づいて決定され、エッチングバイアス値及び/又はエッチングバイアス方向は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数に提供されるように構成される、条項45~64のいずれかに記載のシステム。
66.第1の輪郭の曲率は、第1の輪郭を表す式の1つ以上の導関数に基づいて決定される、条項45~65のいずれかに記載のシステム。
67.命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに、エッチングにより引き起こされる基板パターンの輪郭の変化を決定するためのシミュレーションモデルを、決定されたエッチングバイアス方向に基づいて実行させ、このエッチングバイアス方向は、基板パターンの輪郭の変化を決定するために用いられることで、パターニングプロセスの精度を以前のパターニングプロセスと比較して向上させるように構成され、上記命令は
基板パターン内の輪郭を含む、基板パターンの表現を受け取ること、
基板パターンの輪郭上の位置についてのエッチングバイアス値を決定すること、
上記の位置における基板パターンの輪郭の曲率を決定すること、
曲率に基づいてエッチングバイアス方向を決定すること、
シミュレーションモデルにエッチングバイアス値及びエッチングバイアス方向を入力すること、及び
シミュレーションモデルに基づいて、基板パターンのエッチング後輪郭を出力することであって、エッチング後輪郭は、エッチングによって引き起こされる基板パターンの輪郭の変化を含み、シミュレーションモデルからのエッチング後輪郭は、個々のパターニングプロセス変数に関連する費用の決定を容易にするための費用関数において使用されるように構成され、個々のパターニング変数に関連する費用は、パターニングプロセスの最適化を容易にするために使用されるように構成されている、エッチング後輪郭を出力すること
を含む動作を引き起こす、非一時的なコンピュータ可読媒体。
68.基板パターンの表現は、レジスト像を含み、輪郭は、レジスト輪郭である、条項67に記載の媒体。
69.シミュレーションモデルを使用して、エッチングバイアス方向に基づくエッチング後輪郭を決定することは、エッチングバイアス方向に基づいて、エッチング後パターン上の位置を決定することを含む、条項67に記載の媒体。
70.エッチングバイアス方向を決定することは、組み合わせ項、フィルタリング項、曲率項、及び較正項を含むアルゴリズムを使用して行われる、条項67に記載の媒体。
71.シミュレーションモデルは、ベクトルベースの有効エッチングバイアスモデルである、条項67に記載の媒体。
【0136】
[00150] 本明細書に開示される概念は、シリコンウェーハなどの基板を用いた製造に使用され得るが、開示の概念は、あらゆるタイプの製造システム(例えば、シリコンウェーハ以外の基板での製造に使用されるもの)に使用され得ることを理解されたい。
【0137】
[00151] 加えて、開示された要素の組み合わせ及び部分的組み合わせが別個の実施形態を構成してもよい。例えば、エッチングシミュレーションモデルと、本明細書に記載されるその他のモデルの1つ又は複数が別個の実施形態に含まれていてもよいし、それらがともに同じ実施形態に含まれていてもよい。
【0138】
[00152] 上記の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、説明されるように変更を加えることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
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【国際調査報告】