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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】コード化基板材料識別子通信ツール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527333
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2022046746
(87)【国際公開番号】W WO2023086187
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】17/524,677
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アダーホールド, ウルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】アクセルロッド, ボリス
(72)【発明者】
【氏名】シャポシニコフ, マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン, ダヤル
(72)【発明者】
【氏名】マラス サンカラトディ, ビンドゥサガール
(57)【要約】
本明細書に開示される実施形態は、ツール内で基板を処理する方法を含む。一実施形態において、ツールで基板を処理する方法は、機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールを用いて補強レシピを受け取ることを含む。一実施形態において、補強レシピが、ツール内で基板を処理するためのレシピ、及び1つ以上の基板特性に対応する行列識別子を含む。一実施形態において、本方法が、ML及び/又はAIモジュールを使用して、データベースからデータセットを取得することであって、データセットが行列識別子と関連付けられている、データセットを取得することと、ML及び/又はAIモジュールを使用して、補強レシピを修正して修正されたレシピを形成することであって、当該修正がデータセットに依存する、修正されたレシピを形成することと、をさらに含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツール内で基板を処理する方法であって、
機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールを用いて補強レシピを受け取ることであって、前記補強レシピが、
前記ツール内で前記基板を処理するためのレシピ、及び
1つ以上の基板特性に対応する行列識別子
を含む、補強レシピを受け取ることと、
前記ML及び/又はAIモジュールを使用して、データベースからデータセットを取得することであって、前記データセットが前記行列識別子と関連付けられている、データセットを取得することと、
前記ML及び/又はAIモジュールを使用して、前記補強レシピを修正して修正されたレシピを形成することであって、前記修正が前記データセットに依存する、修正されたレシピを形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記行列識別子が、1つの行及び複数の列を含む行列を含み、各列が異なるコンテキストパラメータを表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の列が少なくとも10個の列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の列のうちの複数の列に標識が入力される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記標識が、1と1000との間の数字である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記行列識別子が、材料の種類、抵抗率、基板の厚さ、基板表面の反射率、チップレイアウト、チップサイズ、チップ均一性、前記基板が前記レシピで処理された回数、及び基板のロット内の位置、のうちの1つ以上についてのコンテキストパラメータを提供する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記行列識別子がホストコンピュータによって生成され、前記行列識別子を生成するために使用される基本的基板データには、前記ML及び/又はAIモジュールがアクセス可能ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記データセットが、前記行列識別子以外に前記1つ以上の基板特性の表示を有さない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記データセットが、同じ行列識別子を有する1つ以上の基板を処理する間の前記ツール内のセンサからのデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センサが、閉ループセンサ、及びウィットネスセンサを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記データセットが、同じ行列識別子を有する1つ以上の基板の計測からのデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基本的基板特性を知らずに基板を処理するために、機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールによって使用されるデータベースを構築する方法であって、
行列識別子を第1の基板と関連付けることであって、前記行列識別子が、前記第1の基板の1つ以上の基板特性に対応する、行列識別子を第1の基板と関連付けることと、
ツール内で前記第1の基板を処理することと、
前記第1の基板の処理中の前記ツールからのセンサデータを前記データベースに格納することであって、前記センサデータが前記行列識別子と関連付けられる、センサデータを前記データベースに格納することと、
を含む、方法。
【請求項13】
複数の基板のために前記工程を繰り返すことをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センサデータが、制御ループセンサデータ、及びウィットネスセンサデータを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記センサデータが、処理された前記第1の基板の計測データをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記行列識別子が、1つの行及び複数の列を含む行列を含み、各列が異なるコンテキストパラメータを表す、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の列が少なくとも10個の列を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の列のうちの複数の列に標識が入力される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
半導体処理ツールであって、
ホストコンピュータと、
前記ホストコンピュータに通信可能に接続された人工知能(AI)及び/又は機械学習(ML)モジュールと、
前記AI及び/又はMLモジュールに通信可能に接続されたデータベースと、
処理チャンバであって、前記ホストコンピュータによって選択されかつ前記データベース内のデータセットを考慮して前記AI及び/又はMLモジュールによって修正されたレシピに従って動作する処理チャンバと、
を備えた、半導体処理ツール。
【請求項20】
前記ホストコンピュータが、前記レシピに行列識別子を割り当て、前記AI及び/又はMLモジュールによって使用される前記データセットが、前記行列識別子と関連付けられている、請求項19に記載の半導体処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2021年11月11日に出願された米国特許出願第17/524,677号の優先権を主張し、その内容全体が、参照により本明細書で援用される。
【技術分野】
【0002】
実施形態が、半導体製造分野に関し、特に、専有情報の代わりに行列を用いて基板を分類するために使用されるコード化基板材料識別子システムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理では、均一性及びプロセス制御を向上させて基板(例えば、半導体ウエハ)を処理するために、機械学習(ML:machine learning)及び人工知能(AI:artificial intelligence)が益々使用されている。ML及びAIモジュールの性能を向上させるために、基板からのコンテキスト情報がML及びAIモジュールに提供される。例えば、コンテキスト情報は、基板特性(例えば、厚さ、反射率、抵抗率など)又はプロセス履歴を含みうる。しかしながら、ML及び/又はAIモジュールにコンテキスト情報を提供することは、いつでも可能というわけではない。例えば、知的所有権の制限により、特定可能なコンテキスト情報をML及び/又はAIモジュールに提供しないことが求められうる。これに対応して、既存情報の流通制限により、ML及び/又はAIモジュールの使用は準最適なものとなる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示される実施形態は、ツール内で基板を処理する方法を含む。一実施形態において、ツール内で基板を処理する方法が、機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールを用いて、補強レシピを受け取ることを含む。一実施形態において、補強レシピが、ツール内で基板を処理するためのレシピ、及び1つ以上の基板特性に対応する行列識別子を含む。一実施形態において、本方法が、ML及び/又はAIモジュールを使用して、データベースからデータセットを取得することであって、データセットが行列識別子と関連付けられている、データセットを取得することと、ML及び/又はAIモジュールを使用して、補強レシピを修正して修正されたレシピを形成することであって、当該修正がデータセットに依存する、修正されたレシピを形成することと、をさらに含む。
【0005】
追加の実施形態が、基本的基板特性を知らずに基板を処理するために、機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールによって使用されるデータベースを構築する方法を含む。一実施形態において、本方法が、行列識別子を第1の基板と関連付けることであって、行列識別子が第1の基板の1つ以上の基板特性に対応する、行列識別子を第1の基板と関連付けることと、ツール内で第1の基板を処理することと、第1の基板の処理中のツールからのセンサデータをデータベースに格納することであって、センサデータが行列識別子と関連付けられる、センサデータをデータベースに格納することと、を含む。
【0006】
実施形態は、半導体処理ツールも含みうる。一実施形態において、ツールが、ホストコンピュータと、ホストコンピュータに通信可能に接続された人工知能(AI)モジュール及び/又は機械学習(ML)モジュールと、を備える。一実施形態において、ツールが、AI及び/又はMLモジュールに通信可能に接続されたデータベースと、処理チャンバと、をさらに含む。一実施形態において、処理チャンバが、ホストコンピュータによって選択されかつデータベース内のデータセットを考慮してAI及び/又はMLモジュールによって修正されたレシピに従って動作する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る、処理ツール内で実行される処理レシピを制御するために機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールと接続するホストコンピュータを含む処理ツールの概略図である。
図2】一実施形態に係る、制御ループセンサ及びウィットネスセンサを含む処理ツールの断面図である。
図3】一実施形態に係る、半導体処理ツールのブロック図である。
図4】一実施形態に係る、プロセスデータを分類する行列識別子を含むデータベースを構築するプロセスのフロー図である。
図5】一実施形態に係る、適切な参照データを選択するために行列識別子を利用するML/AIモジュールを用いて、基板を処理するプロセスのフロー図である。
図6】一実施形態に係る、処理ツールと併用されうる例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載されるシステムは、専有情報の代わりに行列を用いて基板を分類するために使用されるコード化基板材料識別子システム内でラジカルを測定するための方法及び装置を含む。以下の明細書の記載では、実施形態の網羅的な理解を提供するために数多くの具体的な詳細事項が記載される。当業者には、これらの具体的な詳細事項がなくとも実施形態が実施されうることが明らかであろう。他の例では、実施形態が不必要に不明瞭とならないように、周知の観点については詳細に説明していない。更に、添付の図面に示す様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれていないと理解されたい。
【0009】
上述したように、機械学習(ML)及び/又は人工知能(AI)モジュールは、半導体処理ツール内で処理中の基板のコンテキスト情報が提供されると、有効性がより改善されて機能する。しかしながら、このようなコンテキスト情報は、知的所有権の制限により、ML及び/又はAIモジュールと共有しえない場合がある。例えば、製造施設が第1の当事者である可能性があり、処理中の基板が、第2の当時者により所有されている可能性があり、ML及び/又はAIモジュールが、第3の当事者のアプリケーションである可能性がある。知的所有権の制限により、基板パラメータ情報は第1の当事者と第2の当事者との間で保持されることが求められる場合がある。
【0010】
これに対応して、本明細書で開示される実施形態は、基本的基板特性の代わりに行列識別子と関連付けられた基板処理データを含むデータベースを構築することを含む。このようなデータベースは、行列生成器を使用して、基板のレシピがML/AIモジュールに送られる前に当該レシピに行列識別子を割り当てることによって、入力されうる。基板の処理からの基板処理データが、処理データを分類するための行列識別子を使用して、データベースに格納されうる。
【0011】
データベースに入力された後に、ML/AIモジュールは、データベースからのデータを使用して、プロセスの均一性及び公差をより厳密に制御するためにレシピの処理パラメータを改良することができる。例えば、ML/AIモジュールは、ホストコンピュータから補強されたプロセスレシピを受け取ることができる。補強されたプロセスレシピは、プロセスレシピ工程と、処理される基板と関連付けられた行列識別子と、を含む。その後、ML/AIモジュールは、行列識別子に対応するデータセットをデータベースで照会することができる。ML/AIモジュールはこの情報を、処理の均一性及び/又は公差制御を改善するためプロセスレシピ工程を修正するために使用することができる。このように、ML/AIモジュールは過去のデータを利用することが可能であり、その際に、秘密の知的財産情報を含みうる基本的基板特性を知る必要はない。
【0012】
ここで図1を参照すると、一実施形態に係る半導体処理ツール100のブロック図が示されている。一実施形態において、処理ツール100がホストコンピュータ140を含みうる。一実施形態において、ホストコンピュータ140が、半導体施設内の任意のコンピュータ又はサーバプラットフォームでありうる。幾つか実施形態において、ホストコンピュータ140が、単一のツール150の制御専用である。他の実施形態では、ホストコンピュータ140が、複数のツール150に制御を提供することができる。
【0013】
一実施形態において、ホストコンピュータ140が行列生成器142を含みうる。行列生成器142は、個々の基板を行列識別子と関連付ける役割を担う。行列識別子は、1つ以上の基本的基板特性を数値で分類することを可能にする行列である。適切な割り当てを行うために、行列生成器142は、基本的基板特性へのアクセス権を有しうる。幾つか実施形態において、行列識別子が、1つの行及び複数の列を持つ行列を含む。各列が、異なる基板特性を指しうる。各列の値は、任意の数字とすることができる。例えば、各列の値は0と1000との間にありうるが、幾つか実施形態ではより大きな値も使用することができる。特定の実施形態において10個の列が設けられるが、様々な実施形態において任意の数の列を使用できると理解されたい。
【0014】
一実施形態において、行列識別子で表される基板特性は、分かっている場合には基板を処理するために有用でありうる任意の基板特性とすることができる。例えば、基板特性は、材料の種類(例えば、Si、SiO、SiC、ポリSiなど)、抵抗率、基板の厚さ、基板表面の反射率、チップレイアウト、チップサイズ、チップ均一性、基板がレシピで処理された回数、及び基板のロット内の位置、のうちの1つ以上を含みうる。幾つかの基板特性が列挙されているが、任意の数の基板特性が行列識別子を用いて表せると理解されたい。
【0015】
一実施形態において、基板特性が、行列内の数値として分類されうる。例えば、基板の抵抗率が一連の範囲に分けられうる。0.03Ω・cm未満の抵抗率を値1とし、0.03Ω・cmと0.1Ω・cmとの間の抵抗率を値2とし、0.1Ω・cmと10Ω・cmとの間の抵抗率を値3とし、10Ω・cmより大きい抵抗率を値4とすることができる。抵抗率が一例として提供されているが、いかなる基板特性にも同様のやり方で番号を割り当てられると理解されたい。
【0016】
さらに、基板特性は、値の範囲の代わりにカテゴリ特性を指しうる。例えば、基板のレイアウトが、疎(sparse)又は密(dense)として分類されうる。基板層が疎である場合には、値1が行列識別子中で使用されうる。代替的に、基板のレイアウトが密な場合には、値2が行列識別子中で使用されうる。このようにして、数値である基板特性、又はカテゴリ識別子が、行列識別子中で表わされうる。
【0017】
一実施形態において、ホストコンピュータ140が、基板を処理するためのレシピ144へのアクセス権も有しうる。ホストコンピュータ140は、所与の基板のための適切なレシピ144を選択し、かつ、ホストコンピュータ140は、行列生成器142を使用して、レシピ144に追加可能な行列識別子を生成する。生成される行列識別子は、レシピ144を用いて処理されている基板の基板特性に対応している。得られたレシピは、幾つか実施形態では補強レシピ145と称されうる。これは、基板の処理を支援するために、追加情報がレシピ144に追加されているためである。
【0018】
一実施形態において、補強レシピ145が、機械学習及び/又は人工知能モジュール146(略してML/AIモジュール146)に送られる。ML/AIモジュール146は、処理される基板の基本的基板特性へのアクセス権を有さないこともある。代わりに、ML/AIモジュール146は、基板の処理を改善するのに有用なデータセットを選択するために、補強レシピ145中の行列識別子を使用する。ML/AIモジュール146が使用するデータは、データベース147に格納されうる。データベース147に格納されたデータは、基本的基板特性の代わりに行列識別子の値を使用して分類されうる。このように、ML/AIモジュール146は、補強レシピ145中で提供された行列識別子に対応するデータセットを選択することができる。
【0019】
一実施形態において、データベース147には、1つ以上の基板の処理からのセンサデータを入力することができる。センサデータは、幾つか実施形態では、制御ループセンサデータを含みうる。即ち、基板処理の制御ループで使用されたデータが使用されうる。他のデータソースも使用することができる。例えば、(例えば、物理的又は仮想的な)ウィットネスセンサが、データベース147のための追加データを提供するために使用されうる。幾つか実施形態では、基板を処理した後に取得された計測データも、データベース147で提供することができる。データベース147にデータを入力するプロセスは、以下でより詳細に設けられている。
【0020】
ML/AIモジュール146は、補強レシピ145を変更するために、データベース147からのデータを利用することができる。例えば、より均一なプロセス結果、公差がより厳しいプロセス、又は任意の他の改善した基板結果を提供するため処理条件を変更するために、類似した(又は同じ)行列識別子を有する基板からの過去データが使用されうる。
【0021】
一実施形態において、ML/AIモジュール146が、処理ツール150と通信可能に接続されうる。処理ツール150は、任意の半導体処理ツールとすることができる。例えば、処理ツール150は、ラジカル酸化ツール、又はプラズマツール(例えば、エッチング、堆積、又は表面処理用)などを含みうる。
【0022】
図2に示す特定の実施形態において、一実施形態に係るラジカル酸化ツール250の概略図が示されている。ツール250は、図1に関して先に記載した1つ以上の処理ツール150内で利用できるハードウェア構成要素を図示している。図示された実施形態において、記載されるツール250は、ラジカル酸化プロセスのためのランプベースのチャンバである。しかしながら、処理ツール250は、例示的な性質のものであり、本明細書で開示される実施形態が、ヒータベースのチャンバ又はプラズマベースのチャンバといった(但し、これらに限定されない)他の処理ツールと組み合わせて使用するのに適しうると理解されたい。当業者であれば、様々な種類の処理ツールの所望の処理パラメータを追跡するために、センサの配置、センサの数、センサの種類を修正できることが分かるであろう。
【0023】
一実施形態において、ツール250がチャンバ205を含む。チャンバ205は、基板(例えば、半導体ウエハ)が処理される大気圧以下の圧力を提供するのに適したチャンバとすることができる。一実施形態において、チャンバ205は、1つの基板又は複数の基板を収容するよう寸法設定されうる。チャンバ205内での処理に適した半導体基板は、シリコン基板、又は任意の他の半導体基板を含みうる。ガラス基板といった他の基板も、チャンバ205内で処理することができる。
【0024】
一実施形態において、ガス分配ネットワークが、1つ以上のガス供給源(例えば、ガス1、ガス2、ガスnなど)からのガスをカートリッジ210に供給する。特定の実施形態において、ガス源が、酸素、水素、及び窒素のうちの1つ以上を含みうる。図2では3つのガス源が示されているが、実施形態は1つ以上のガス源を含みうると理解されたい。カートリッジ210は、ライン211からガスを受け取るための入口と、チャンバ210内にガスを分配するための出口と、を含みうる。図示される実施形態では、カートリッジ210は、チャンバ210の1の側からチャンバ内にガスを供給するものとして示されている。しかしながら、カートリッジ210は、任意選択的に、チャンバの上方又は下方からチャンバ内にガスを供給することができると理解されたい。幾つか実施形態において、カートリッジ210は、特に処理ツールがプラズマ発生ツールである場合には、シャワーヘッドとも称されうる。
【0025】
一実施形態において、各処理ガスの流量が、別々のマスフローコントローラ(MFC:mass flow controller)203によって制御されうる。一実施形態において、MFC203が、制御ループセンサ群の一部でありうる。MFC203は、入力ライン211に入るガスの流量を制御する。一実施形態において、マスフローメータ(MFM)212がカートリッジ210の上流側に設けられている。MFM212によって、ソースガスからの実際の流量を測定することが可能となる。カートリッジ210の上流側には圧力計213も含まれている。圧力計213によって、入力ライン211の圧力を測定することが可能となる。MFM212及び圧力計213は、制御ループの外側にあるため、ウィットネスセンサと見做されうる。
【0026】
一実施形態において、チャンバ圧力計217が、チャンバ205内の圧力を測定するために設けられうる。チャンバ圧力計217は、制御ループセンサ群の一部でありうる。一実施形態において、追加のウィットネスセンサが、処理ツール200の排気ライン215に沿って設けられる。追加のセンサは、漏れ検知センサ216、並びに、追加の圧力計218及び219を含みうる。漏れ検知センサ216は、チャンバ205内に漏れる酸素を測定するための自己完結型プラズマ発光分光(OES:optical emission spectroscopy)装置を含みうる。圧力計218及び219は、それぞれ、スロットルバルブ214の上流側及び下流側にありうる。
【0027】
一実施形態において、ウィットネスセンサ(例えば、212、213、216、218、219)が、チャンバドリフトへの監視を提供するために使用されうる。例えば、制御ループセンサ(例えば、203及び217)が、処理ツール200の使用中に誤較正されていることがある。従って、制御ループセンサ203、217の読取値は、ウエハ上の結果(例えば、膜の堆積速度)が変化する一方で、一定に保たれうる。このような事例には、ウィットネスセンサの出力が、チャンバがドリフトしたことを示すよう変化する。
【0028】
追加の実施形態において、ウィットネスセンサが、チャンバ205内に仮想センサを実装するために活用されうる。仮想センサとは、(物理センサの場合のような)物理的な値の直接的な読取りとは対照的に、計算により生成された出力を提供するセンサを指しうる。従って、仮想センサは、従来の物理センサでは測定が困難又は不可能な処理ツール200内の状態を決定するために威力を発揮する。
【0029】
一実施形態において、仮想センサが、カートリッジ210の出口での処理ガスの流量を決定するために使用されうる。カートリッジ210で流量を計算することは、ウエハ上の膜の堆積速度及び/又は堆積均一性を制御するために使用できる重要な計測(metric)である。特定の実施形態において、カートリッジ210での流量は、ベルヌーイの式を使用して、MFM212、圧力計213、圧力計217の出力、及びカートリッジ210の既知の外形を使用することで供給される変数を用いて、計算することができる。カートリッジでの流量の例が提供されているが、処理ツール200内での他の未知数が仮想センサの計算を使用して決定されうると理解されたい。例えば、チャンバ内の様々な位置でのガス組成、ウエハ全体にわたる堆積速度、ウエハ全体にわたる圧力、及びウエハ全体にわたる膜堆積といった(但し、これらに限定されない)未知数が、仮想センサの実装を使用して決定されうる。
【0030】
一実施形態において、1つ以上の温度センサ207がチャンバ205内に設けられる。例えば、温度センサ207は熱電対などでありうる。一実施形態において、温度センサ207が、チャンバの反射板(図示せず)上に設けられうる。温度センサ207は、幾つか実施形態において、ウィットネスセンサと見做されうる。即ち、温度センサ207は制御ループの外に存在しうる。
【0031】
温度センサ207は、より広範な仮想センサの実装を可能にするために、追加の既知の変数を提供することができる。一実施形態において、温度センサ207が、チャンバ205内でいつ定常状態に達したのかを決定する際にも使用されうる。このことは、メンテナンスイベント後の処理ツール250の起動など、処理ツール200を低温状態から立ち上げるときに特に有益である。例えば、1つ以上の圧力計213、217、218、及び219と組み合わせた温度センサ207の出力、並びに、スロットルバルブ214の角度を監視することができ、チャンバは、様々なセンサの定常状態に達したときに、使用可能な状態となりうる。一実施形態において、チャンバがいつ定常状態に達するかについての監視は、当該監視によって処理ツール内で最初のウエハ効果に起因して通常発生するウエハのスクラップ及び再加工が無くなるため、有用である。
【0032】
理解できるように、複数のセンサ(例えば、制御ループセンサ、ウィットネスセンサ、仮想センサなど)が、様々な基板の処理のための処理条件の非常に詳細なイメージを提供するために使用されうる。基板特性が、行列識別子を使用して処理条件と関連付けられたときには、詳細度の高いデータベースが作成されうる。データベースはその後、ML/AIモジュールによって、基板の処理を改善するために使用され得、その際に、基本的基板特性をML/AIモジュールに提供する必要はない。このように、基本的基板データの共有を制限する知的財産管理の対象となりうる基板情報を共有することなく、ML/AIモジュールの利点を得ることができる。
【0033】
ここで図3を参照すると、一実施形態に係る処理ツール300の概略図が示されている。示されるように、ML/MIモジュール320が、処理ツール300と統合されうる。例えば、ML/AIモジュール320は、矢印で示すようにネットワーク接続によって、フロントエンドサーバ360と通信可能に接続されうる。しかしながら、他の実施形態では、ML/AIモジュール320は、処理ツール300の外部に存在しうる。例えば、ML/AIモジュール320は、外部ネットワークなどを介して、処理ツール300と通信可能に接続されうる。
【0034】
一実施形態において、ML/AIモジュール320がハイブリッドモデルを含みうる。ハイブリッドモデルは、物理モデル327及び統計モデル325を含みうる。統計モデル325及び物理モデル327は、当該統計モデル325及び物理モデル327を構築及び/又は更新するために使用される入力データ(例えば、センサデータ、モデルデータ、計測データなど)を格納するためのデータベース330と通信可能に接続されうる。一実施形態において、統計モデル325は、物理的なDoE(Design of Experiments、実験計画法)を実行することにより生成され、かつ拡張されたプロセス空間モデルを提供するために補間を使用することができる。一実施形態において、物理モデル327が、現実世界の物理と化学の関係を用いて生成されうる。例えば、処理チャンバ内の様々な相互作用についての物理及び化学の方程式を使用して、物理モデルを構築することができる。
【0035】
特定の実施形態では、物理モデル327及び統計モデル325は、1つ以上の基板特性から情報を得ることができる。例えば、様々な基板特性は、物理モデル327及び/又は統計モデル325に差異をもたらしうる。幾つか実施形態において、特定の基板特性(例えば、抵抗率、厚さなど)が、物理モデル327及び統計モデル325には分からない。代わりに、基板特性が、先に記載したような行列識別子中の値に変換される。
【0036】
一実施形態において、処理ツール300が、フロントエンドサーバ360、ツール制御サーバ350、及びツールハードウェア340を含みうる。フロントエンドサーバ360が、ML/AIモジュール320のためのダッシュボード365を含みうる。ダッシュボード365は、プロセスエンジニアが、プロセスレシピの補強といった様々な処理を実行するためにデータモデリングを利用するためのインタフェースを提供する。
【0037】
ツール制御サーバ350は、スマート監視及び制御ブロック355を含みうる。スマート監視及び制御ブロック355は、処理ツール300の診断及び他の監視を提供するためのモジュールを含みうる。モジュールは、ヘルスチェック、センサドリフト、故障回復、漏れ検知を含みうるが、これらに限定されない。スマート監視及び制御ブロック355は、ツールハードウェア内に実装された様々なセンサからのデータを、入力として受け取ることができる。上記センサは、ツール300の動作を可能にするため半導体製造ツール300内に一般的に存在する標準センサ347を含みうる。例えば、センサ347は、先に記載したような制御ループセンサを含みうる。上記センサは、ツール300に追加されたウィットネスセンサ345も含みうる。ウィットネスセンサ345は、非常に詳細なデータモデルを構築するために必要な追加情報を提供する。例えば、ウィットネスセンサは、物理的センサ及び/又は仮想センサを含みうる。上述したように、仮想センサは、2つ以上の物理的センサから得られたデータを利用して、物理的センサだけでは得られない追加のセンサデータを提供するために計算を使用することができる。一般に、ウィットネスセンサは、任意のタイプのセンサを含むことができ、例えば、圧力センサ、温度センサ、ガス濃度センサなどを含みうるが、これらに限定されない。一実施形態において、スマート監視及び制御ブロック355は、ML/AIモジュール320が使用するデータを提供することができる。他の実施形態において、様々なウィットネスセンサ345からの出力データが、ML/AIモジュール320に直接提供されうる。
【0038】
ここで図4を参照すると、一実施形態に係る、ML/AIモジュールが使用するためのデータベースを構築するプロセス460のフロー図が示されている。一実施形態において、プロセス460は、行列識別子を第1の基板と関連付けることを含む工程461で開始されうる。一実施形態において、行列識別子が、第1の基板の1つ以上の基板特性に対応する。
【0039】
一実施形態において、行列識別子は、先により詳細に記載したように、ホストコンピュータ内の行列生成器によって生成されうる。即ち、ホストコンピュータは、第1の基板の基本的基板特性へのアクセス権を有することができ、第1の基板の基本的基板特性と関連付けられた行列識別子を生成することが可能である。
【0040】
幾つか実施形態において、行列識別子が、1つの行及び複数の列を持つ行列を含む。各列が、異なる基板特性を指しうる。各列の値は、任意の数字とすることができる。例えば、各列の値は0と1000との間にありうるが、幾つか実施形態ではより大きな値も使用することができる。特定の実施形態では、10個の列が設けられるが、様々な実施形態において任意の数の列を使用できると理解されたい。
【0041】
一実施形態において、行列識別子で表される基板特性は、分かっている場合には基板を処理するために有用でありうる任意の基板特性とすることができる。例えば、基板特性は、材料の種類(例えば、Si、SiO、SiC、ポリSiなど)、抵抗率、基板の厚さ、基板表面の反射率、チップレイアウト、チップサイズ、チップ均一性、基板がレシピで処理された回数、及び基板のロット内の位置、のうちの1つ以上を含みうる。幾つかの基板特性が列挙されているが、任意の数の基板特性が行列識別子を用いて表せると理解されたい。
【0042】
一実施形態において、基板特性が、行列内の数値として分類されうる。例えば、基板の抵抗率が一連の範囲に分けられうる。0.03Ω・cm未満の抵抗率を値1とし、0.03Ω・cmと0.1Ω・cmとの間の抵抗率を値2とし、0.1Ω・cmと10Ω・cmとの間の抵抗率を値3とし、10Ω・cmより大きい抵抗率を値4とすることができる。抵抗率が一例として提供されているが、いかなる基板特性にも同様のやり方で番号を割り当てられると理解されたい。
【0043】
さらに、基板特性は、値の範囲の代わりにカテゴリ特性を指しうる。例えば、基板のレイアウトが、疎(sparse)又は密(dense)として分類されうる。基板層が疎である場合には、値1が行列識別子中で使用されうる。代替的に、基板のレイアウトが密な場合には、値2が行列識別子中で使用されうる。このようにして、数値である基板特性、又はカテゴリ識別子が、行列識別子中で表わされうる。
【0044】
一実施形態において、プロセス460は工程462に進むことができ、工程462は、ツール内で第1の基板を処理することを含む。一実施形態において、ツールが、半導体基板などを処理するのに適した任意のツールを含みうる。例えば、ツールは、ラジカル酸化ツール、プラズマツールなどでありうる。一実施形態において、ツールは、制御ループセンサ、及びウィットネスセンサ(例えば、物理的ウィットネスセンサ又は仮想ウィットネスセンサ)を含みうる。
【0045】
一実施形態において、プロセス460は工程463に進むことができ、工程463は、第1の基板の処理中のツールからのセンサデータをデータベースに格納することを含む。一実施形態において、センサデータは、第1の基板に割り当てられた行列識別子と関連付けられる。このようにして、一意の識別子を第1の基板のためのデータに適用することができ、その際に、基本的基板特性をML/AIモジュール及び/又はデータベースと共有する必要はない。
【0046】
一実施形態において、工程461~463は、追加の基板を用いて繰り返すことができる。各追加の基板も、行列識別子と関連付けられうる。このようにして、データベースへの多くのエントリが作成されうる。十分な情報を含むデータベースが構築された後で、ML/AIモジュールは、処理結果を改善するためレシピを修正するために、格納されたデータを参照することができる。
【0047】
プロセス460は、データベースを構築するために複数の基板の処理を使用するが、幾つか実施形態は、データベースに入力するために、以前に処理された基板からのデータを入力することを含みうる。さらに別の実施形態において、基板処理後に得られた計測データも同様に、データベースに追加することができる。
【0048】
ここで図5を参照すると、一実施形態に係る、行列識別子を使用して、ML/AIモジュールを用いて基板を処理するためのプロセス570のフロー図が示されている。一実施形態において、プロセス570は、ML/AIモジュールを用いて補強レシピを受け取ることを含む工程571により開始する。一実施形態において、増強レシピが、第1の基板を処理するためのレシピと、第1の基板と関連付けられた行列識別子と、を含む。一実施形態において、行列識別子が、第1の基板の基本的基板特性へのアクセス権を有するホストコンピュータによって、レシピに追加される。行列識別子は、基本的基板特性に対応する行列への1つ以上のエントリを含む。しかしながら、基本的基板特性自体は、ML/AIモジュールと共有されない。
【0049】
一実施形態において、プロセス570は工程572に進むことができ、工程572は、ML/AIモジュールを使用してデータベースからデータセットを取得することを含み、データセットは、行列識別子と関連付けられている。一実施形態において、データセットが、第1の基板と関連付けられた行列識別子の1つ以上のエントリと関連付けられうる。データセットは、過去のセンサデータ(例えば、制御ループセンサデータ、ウィットネスセンサデータなど)を含みうる。幾つか実施形態において、データセットが計測データも含みうる。
【0050】
一実施形態において、プロセス570は工程573に進むことができ、工程573は、ML/AIモジュールを使用して補強レシピを修正して、修正されたレシピを形成することを含む。一実施形態において、レシピに対する修正が、取得されたデータセットからのデータを考慮して行われる。例えば、取得されたデータセットは、レシピに対する多くの変更のうちの幾つかを挙げると、様々なガスの流量の変更、温度の変更、圧力の変更、及び/又は様々なプロセスの時間の変更に使用することができる。
【0051】
一実施形態において、プロセス570は、工程574に進むことができ、工程574は、行列識別子と関連付けられた第1の基板を、修正されたレシピを用いて処理ツール内で処理することを含む。一実施形態において、処理ツールのセンサからのデータが、将来の処理のための追加データを提供するためデータベースに格納するために、ML/AIモジュールに戻って提供されうる。
【0052】
ここで図6を参照すると、処理ツールの例示的なコンピュータシステム600のブロック図が、一実施形態に従って示されている。一実施形態において、コンピュータシステム600が処理ツールに接続されており、処理ツール内での処理を制御する。コンピュータシステム600は、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)うる。コンピュータシステム600は、クライアント-サーバネットワーク環境においてはサーバ若しくはクライアントマシンとして、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてはピアマシンとして動作しうる。コンピュータシステム600は、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:set-top box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を規定する(連続した又は別様の)命令のセットを実行可能な任意のマシンでありうる。さらに、コンピュータシステム600として単一のマシンのみを示しているが、「マシン(machine)」という用語は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つ以上を実行するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈される。
【0053】
コンピュータシステム600は、命令が格納された非一過性のマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア622を含んでよく、これらの命令は、実施形態に係る処理を実行するコンピュータシステム600(又は、他の電子機器)をプログラムするために使用されうる。マシン可読な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)によって読み出し可能な形態により情報を格納又は伝送するための任意のしくみを含む。例えば、マシン可読(例えばコンピュータ可読)な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)可読な記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えばコンピュータ)可読な伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態による伝播信号(例えば赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0054】
一実施形態において、コンピュータシステム600は、バス630を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ602、メインメモリ604(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM:synchronous DRAM)又はランバスDRAM(RDRAM:Rambus DRAM)といったダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory))、スタティックメモリ606(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)など)、及び二次メモリ618(例えば、データ記憶装置)を含む。
【0055】
システムプロセッサ602は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理装置といった1つ以上の汎用処理装置のことである。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC:complex instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC:reduced instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW:very long instruction word)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ602は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP:digital signal system processor)、ネットワークシステムプロセッサ等といった、1つ以上の特殊用途処理装置でもありうる。システムプロセッサ602は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック626を実行するように構成される。
【0056】
コンピュータシステム600は、他の装置又はマシンと通信するためのシステムネットワークインタフェースデバイス608をさらに含みうる。コンピュータシステム600は、映像表示ユニット610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、発光ダイオードディスプレイ(LED:light emitting diode)、又は陰極線管(CRT:cathode ray tube))、英数字入力装置612(例えば、キーボード)、カーソル制御装置614(マウスなど)、及び信号生成装置616(例えば、スピーカ)も含みうる。
【0057】
二次メモリ618は、本明細書に記載の方法又は機能の任意の1つ以上を具現化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア622)が格納されたマシンアクセス可能な記憶媒体632(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を含みうる。このソフトウェア622は、コンピュータシステム600によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ604及び/又はシステムプロセッサ602の中にも常駐していてよく、メインメモリ604及びシステムプロセッサ602は、マシン可読な記憶媒体も構成しうる。ソフトウェア622はさらに、システムネットワークインタフェースデバイス608を介してネットワーク620上で送信又は受信されうる。一実施形態において、ネットワークインタフェースデバイス608は、RF結合、光結合、音響結合、又は誘導結合を用いて動作しうる。
【0058】
例示的な一実施形態において、マシンアクセス可能な記憶媒体632を単一の媒体として示しているが、「マシン可読な記憶媒体(machine-readable storage medium)」という用語は、1つ以上の命令セットが格納された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、及び/又は、関連するキャッシュ及びサーバ)を含むものと解釈すべきである。「マシン可読な記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実行される命令のセットを格納又はコード化することが可能であり、かつ、方法のうちの任意の1つ以上をマシンに実行させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。これに対応して、「マシン可読な記憶媒体」という用語は、非限定的に、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むと解釈すべきである。
【0059】
前述の明細書において、特定の例示的な実施形態について記載してきた。以下の特許請求の範囲を逸脱することなく、例示の実施形態に様々な変更を加えられることが明らかとなろう。これに対応して、本明細書及び図面は、限定を意味するのではなく、例示を意味すると見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】