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特表2024-541404ストレッサ膜を使用する精密多軸フォトリソグラフィアライメント補正
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ストレッサ膜を使用する精密多軸フォトリソグラフィアライメント補正
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20241031BHJP
   H01L 21/312 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20241031BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 505
H01L21/312
H01L21/316
H01L21/318
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529315
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 US2022048920
(87)【国際公開番号】W WO2023091312
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/281,431
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/888,553
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シェピス,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー,マーク アイ.
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】フルフォード,エイチ.ジム
【テーマコード(参考)】
2H197
5F058
【Fターム(参考)】
2H197AA22
2H197AB08
2H197AB11
2H197AB20
2H197CA07
2H197DA09
2H197DB31
2H197HA03
2H197JA12
2H197JA15
5F058AA10
5F058AC01
5F058AH10
5F058BA20
5F058BC02
5F058BC08
5F058BH10
5F058BJ10
(57)【要約】
本開示の態様は、ウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する方法を提供する。例えば、本方法は、少なくとも部分的に製造された半導体デバイスを有する作業面と、作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップを含み得る。本方法は、裏面に第1のストレッサ膜を形成するステップも含み得る。第1のストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第1の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正し得る。本方法は、ウェーハの作業面に1つ以上の第1の半導体構造を形成するステップも含み得る。第1の半導体構造は、第1の方向にアライメントされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に製造された半導体デバイスを有する作業面と、前記作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップと、
前記裏面に第1のストレッサ膜を形成するステップであって、前記第1のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、第1の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正し、且つ前記ウェーハの前記作業面にわたる第2の方向のオーバーレイアライメントを含まず、前記第2の方向は、前記第1の方向と異なる、ステップと、
前記ウェーハの前記作業面に1つ以上の第1の半導体構造を形成するステップであって、前記第1の半導体構造は、前記第1の方向にアライメントされる、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して少なくとも15度回転されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して45度回転されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の方向は、前記第1の方向と直交している、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェーハの前記作業面に前記第1の半導体構造を形成した後、前記裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、前記第2のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第2の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、
前記ウェーハの前記作業面に1つ以上の第2の半導体構造を形成するステップであって、前記第2の半導体構造は、前記第2の方向にアライメントされる、ステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のストレッサ膜及び前記第2のストレッサ膜は、リソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセス又はリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスで形成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェーハの前記作業面に前記第1の半導体構造を形成した後、前記裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、前記第2のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第2の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、
前記ウェーハの前記作業面における前記第1の半導体構造を修正するステップであって、前記修正された第1の半導体構造は、前記第2の方向にアライメントされる、ステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のストレッサ膜及び前記第2のストレッサ膜は、LELEプロセス又はLFLEプロセスで形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェーハの前記作業面に前記第1の半導体構造を形成する前に、前記裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、前記第2のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第2の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、
前記ウェーハの前記作業面に前記第1の半導体構造を形成した後、前記ウェーハの前記作業面における前記第1の半導体構造を修正するステップであって、前記修正された第1の半導体構造は、前記第2の方向にアライメントされる、ステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のストレッサ膜及び前記第2のストレッサ膜は、リソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセス又はリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスで形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のストレッサ膜は、前記第1の方向における前記ウェーハの湾曲測定値に基づいてパターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のストレッサ膜は、直接描画パターニングを使用してパターニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも部分的に製造された半導体デバイスを有する作業面と、前記作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップと、
前記裏面にストレッサ膜を形成するステップであって、前記ストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、第1及び第2の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、
前記ウェーハの前記作業面に1つ以上の半導体構造を形成するステップであって、前記半導体構造は、前記第1及び第2の方向にアライメントされる、ステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記ストレッサ膜は、前記第1及び第2の方向における前記ウェーハの湾曲測定値に基づいてパターニングされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ストレッサ膜は、前記第1の方向における前記ウェーハの湾曲測定値のα倍及び前記第2の方向における前記ウェーハの湾曲測定値の(1-α)倍(ここで、0≦α≦1である)に基づいてパターニングされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
αは、1/2である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ストレッサ膜は、直接描画パターニングを使用してパターニングされる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して少なくとも15度回転されている、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して45度回転されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の方向は、前記第1の方向と直交している、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本開示は、参照により全体として本明細書に援用される、2021年11月19日に出願された米国仮特許出願第63/281,431号明細書「Precision Multi-Axis Photolithography Alignment Correction Using Stressor Film」及び2022年8月16日に出願された米国非仮特許出願第17/888,553号明細書「Precision Multi-Axis Photolithography Alignment Correction Using Stressor Film」の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、半導体製造に関し、特にウェーハの曲率、湾曲及び全体的なウェーハ形状に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される背景の説明は、本開示の背景を一般的に提示することを目的とする。この背景セクションで説明される範囲における本発明者らの研究及び出願時に先行技術として本来であれば認定されないであろう記載の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0004】
半導体製造は、複数の様々な工程及びプロセスを含む。典型的な製造プロセスの1つは、フォトリソグラフィ(マイクロリソグラフィとも呼ばれる)として知られる。フォトリソグラフィでは、紫外光又は可視光等の放射線を使用して、半導体デバイス設計で微細パターンを生成する。フォトリソグラフィ、エッチング、膜堆積、表面洗浄、メタライゼーション等を含む半導体製造技術を用いて、ダイオード、トランジスタ及び集積回路等の多様な半導体デバイスを構築することができる。
【0005】
フォトリソグラフィ技術の実装には、露光システム(露光ツールとも呼ばれる)が使用される。露光システムは、典型的には、照明システムと、回路パターンを作成するレチクル(フォトマスクとも呼ばれる)又は空間光変調器(SLM)と、投影システムと、感光レジストで覆われた半導体ウェーハをアライメントするウェーハライメントステージとを含む。照明システムは、レチクル又はSLMの一領域を(好ましくは)矩形スロットの照明フィールドで照明する。投影システムは、レチクルパターンの照明された領域の像をウェーハ上に投影する。正確な投影のために、好ましくは高さの偏差が10ミクロン未満である比較的平らであるか又は平面であるウェーハを光のパターンに露光することが重要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の態様は、ウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する方法を提供する。例えば、本方法は、少なくとも部分的に製造された半導体デバイスを有する作業面と、作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップを含み得る。本方法は、裏面に第1のストレッサ膜を形成するステップも含み得る。第1のストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第1の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正し、且つウェーハの作業面にわたる第2の方向のオーバーレイアライメントを含まなくてよい。第2の方向は、第1の方向と異なる。本方法は、ウェーハの作業面に1つ以上の第1の半導体構造を形成するステップも含み得る。第1の半導体構造は、第1の方向にアライメントされる。
【0007】
一実施形態では、第2の方向は、第1の方向に対して少なくとも15度回転され得る。例えば、第2の方向は、第1の方向に対して45度回転され得る。別の例として、第2の方向は、第1の方向と直交し得る。
【0008】
一実施形態では、本方法は、ウェーハの作業面に第1の半導体構造を形成した後、裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、第2のストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第2の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、ウェーハの作業面に1つ以上の第2の半導体構造を形成するステップであって、第2の半導体構造は、第2の方向にアライメントされる、ステップとを更に含み得る。別の実施形態では、本方法は、ウェーハの作業面に第1の半導体構造を形成した後、裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、第2のストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第2の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、ウェーハの作業面における第1の半導体構造を修正するステップであって、修正された第1の半導体構造は、第2の方向にアライメントされる、ステップとを更に含み得る。更に別の実施形態では、本方法は、ウェーハの作業面に第1の半導体構造を形成する前に、裏面に第2のストレッサ膜を形成するステップであって、第2のストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第2の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正する、ステップと、ウェーハの作業面に第1の半導体構造を形成した後、ウェーハの作業面における第1の半導体構造を修正するステップであって、修正された第1の半導体構造は、第2の方向にアライメントされる、ステップとを更に含み得る。例えば、第1のストレッサ膜及び第2のストレッサ膜は、リソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセス又はリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LEFE)プロセスで形成される。
【0009】
一実施形態では、第1のストレッサ膜は、第1の方向におけるウェーハの湾曲測定値に基づいてパターニングされ得る。例えば、第1のストレッサ膜は、直接描画パターニングを使用してパターニングされ得る。
【0010】
本開示の態様は、ウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する別の方法も提供する。例えば、本方法は、少なくとも部分的に製造された半導体デバイスを有する作業面と、作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップを含み得る。本方法は、裏面にストレッサ膜を形成するステップも含み得る。ストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第1及び第2の方向において作業面のオーバーレイアライメントを修正し得る。本方法は、ウェーハの作業面に1つ以上の半導体構造を形成するステップも含み得る。半導体構造は、第1及び第2の方向にアライメントされる。
【0011】
一実施形態では、ストレッサ膜は、第1及び第2の方向におけるウェーハの湾曲測定値に基づいてパターニングされ得る。別の実施形態では、ストレッサ膜は、第1の方向におけるウェーハの湾曲測定値のα倍及び第2の方向におけるウェーハの湾曲測定値の(1-α)倍(ここで、0≦α≦1である)に基づいてパターニングされ得る。例えば、αは、1/2である。
【0012】
この概要セクションは、本開示又は特許請求される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するわけではないことに留意されたい。むしろ、この概要は、様々な実施形態及び従来の技術に対する新規性に対応する点についての予備的な考察のみを提供する。本開示及び実施形態の追加的な詳細及び/又は可能な展望について、読者は、以下で更に説明される本開示の詳細な説明セクション及び対応する図を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
例として提案する本開示の様々な実施形態について、以下の図を参照して詳細に説明する。図では、類似の参照符号は、類似の要素を参照する。
【0014】
図1】フォトマスクが生成される前に用意されるアライメントツリーを示す図である。
図2A】オーバーレイパターニングエラーの一例を示す図である。
図2B】オーバーレイパターニングエラーの一例を示す図である。
図2C】オーバーレイパターニングエラーの一例を示す図である。
図2D】オーバーレイパターニングエラーの一例を示す図である。
図3A】ウェーハ応力補正がない場合の2つの層のアライメントを示す図である。
図3B】本開示の幾つかの実施形態による、X方向のウェーハ応力補正が行われた場合の2つの層のアライメントを示す図である。
図3C】本開示の幾つかの実施形態による、Y方向のウェーハ応力補正が行われた場合の、図3Bに示された層の更なるアライメントを示す図である。
図4】本開示の幾つかの実施形態による、2つの方向においてウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法を示すフローチャートである。
図5A】本開示の幾つかの実施形態による、第1の方向におけるウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図5B】本開示の幾つかの実施形態による、第1の方向におけるウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図5C】本開示の幾つかの実施形態による、第1の方向におけるウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図5D】本開示の幾つかの実施形態による、第1の方向におけるウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図6A】本開示の幾つかの実施形態による、第2の方向における、図5A-5Dに示されたウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図6B】本開示の幾つかの実施形態による、第2の方向における、図5A-5Dに示されたウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図6C】本開示の幾つかの実施形態による、第2の方向における、図5A-5Dに示されたウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図6D】本開示の幾つかの実施形態による、第2の方向における、図5A-5Dに示されたウェーハの作業面のオーバーレイアライメントの修正を示す図である。
図7A】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセスを示す図である。
図7B】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセスを示す図である。
図7C】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセスを示す図である。
図7D】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセスを示す図である。
図8A】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスを示す図である。
図8B】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスを示す図である。
図8C】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスを示す図である。
図8D】本開示の幾つかの実施形態に従って使用されるリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスを示す図である。
図9A】本開示の幾つかの実施形態による、X方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図9B】本開示の幾つかの実施形態による、X方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図9C】本開示の幾つかの実施形態による、X方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図10A】本開示の幾つかの実施形態による、Y方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図10B】本開示の幾つかの実施形態による、Y方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図10C】本開示の幾つかの実施形態による、Y方向のみのウェーハの湾曲及び曲率の補正を示す図である。
図11】本開示の幾つかの実施形態による、単一の軸においてウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法を示すフローチャートである。
図12A】本開示の幾つかの実施形態による、平均のX補正及びY補正の結果の一例を示す図である。
図12B】本開示の幾つかの実施形態による、平均のX補正及びY補正の結果の一例を示す図である。
図12C】本開示の幾つかの実施形態による、平均のX補正及びY補正の結果の一例を示す図である。
図12D】本開示の幾つかの実施形態による、平均のX補正及びY補正の結果の一例を示す図である。
図13】本開示の幾つかの実施形態による、ウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
現行の半導体製造開発は、フィーチャサイズを小さくしてデバイス密度を高めるために、高度パターニング及び3Dデバイス構造等の技術を取り入れている。しかしながら、このような技術の実装は、微細加工を適切に行うための新たな課題をもたらしている。これらの新しい製造方式は、様々な材料の膜の複数の層をウェーハ表面に作成することを含む。しかしながら、各層は、ウェーハの表面に更なる応力を追加する。膜の層が積み上がるにつれて、引き起こされる応力は、平らなウェーハを歪ませる。この歪みは、ウェーハの表面にわたってクリティカルフィーチャのサイズ均一性を低下させることが示されている。
【0016】
この歪みは、オーバーレイエラー及び問題も引き起こす。様々な製造プロセス工程が基板の膨張及び/又は収縮を引き起こし得、結果として基板をそらせるか又は湾曲させる。例えば、露光中の基板は、露光ビームから基板に伝わるエネルギーによって局所的に加熱される。基板は、アニールプロセス中にも加熱される。この加熱は、基板の膨張を引き起こす。基板の膨張が抑制されない場合、膨張は、オーバーレイエラー要件を超える。更に、基板と基板チャックとの間のクランプ力が基板の膨張を防ぐのに不十分であると、基板は、基板チャックで滑って、基板の膨張がより大きくなり、結果としてオーバーレイエラーがより大きくなり得る。滑りは、極端紫外線(EUV)システム等の一部のプロセスで一層顕著になり得、これは、露光中の基板を取り巻く環境が真空であるためである。従って、真空クランプが常に可能であるわけではなく、真空クランプの代わりにより弱い静電クランプを使用しなければならない。
【0017】
別の製造工程も基板の膨張及び収縮を引き起こし得る。例えば、堆積した膜は、基板の収縮を引き起こし得る。更に、様々なアニール工程又はドープ工程は、所与の基板でかなりの規模の湾曲を引き起こし得る。アニール工程は、特にオーバーレイ問題を引き起こし得る。これらの様々な製造工程の結果として、基板が均一でなくなるか又は平らでなくなる。例えば、基板の裏面にz高さ変動(即ち垂直高さのばらつき)がある場合があり、高い場所もあれば又は低い場所もある。そのような湾曲によるz高さ変動は、約1ミクロン~約100ミクロンのオーダーであり得る。様々な露光ツールによって露光される半導体デバイス又は半導体構造は、数十ナノメートル~数百ナノメートルのスケールで露光されることから、この変動は、かなり大きい。従って、たわみの変動が数千ナノメートル~10,000ナノメートルになると、歩留まりが劇的に低下し得る。
【0018】
図1は、フォトマスクが生成される前に用意されるアライメントツリー100を示す図である。アライメントツリー100では、層L1のアライメントマークを使用して層L7がアライメントされ、層L7のアライメントマークを使用して層L11及びL12がアライメントされる。層L7は、層L1に対して直接アライメントされ、層L11及びL12は、層L1に対して間接的にアライメントされる。層L1、L7、L11及びL12は、微細加工中に形成される、ウェーハ上のトランジスタ、フィン、金属層、マスク又は他の任意の犠牲構造又は最終構造であり得る。連続する層のウォークアウトが発生し得る。微細加工プロセス中、各層に対して応力が引き起こされることが避けられないため、連続する層は、互いに対して且つ最初の層に対して徐々にずれる場合がある。
【0019】
微細加工によってウェーハに対して応力が発生するのは、様々な材料の堆積、除去、アニール、エッチング等が原因である。ウェーハに対するプロセス応力のため、起こり得るウェーハの湾曲の幾らかは、ゼルニケ多項式であり、これには、垂直タイル、水平チルト、斜非点収差、焦点はずれ等が含まれる。図2A~2Dは、オーバーレイパターニングエラーの一例を示す。ウェーハの湾曲及び曲率には、多様なパターンがある。この具体例は、斜非点収差を示し、結果として、層L11は、X方向及びY方向の両方において様々な度合いでずれている(破線は、層L11が位置することが望ましい場所を示し、実線は、ウェーハの湾曲が原因でL11が実際に位置する場所を示す)。
【0020】
部分的にプロセスされる基板に関して、基板の湾曲及び不均一な曲率に対処するために使用される従来技術は、基板を基板保持器にチャック(又はクランプ/吸引)して曲率を平らにするチャック技術に重点を置いている。しかしながら、湾曲が相対的に顕著である場合、チャックのみで基板を正確に平らにするのは、非常に困難であるか又は不可能であり得る。従って、更なる露光のためにスキャナに送られるか又は戻される前に、基板の湾曲を補正してオーバーレイを改善する基板湾曲補正技術を有することが望ましい。
【0021】
本明細書に記載の技術は、ウェーハにパターンをより正確に印刷するために、ウェーハ形状を補正するか又はウェーハの湾曲及び曲率を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する方法を含む。本明細書に記載の技術は、単一の軸又は単一の方向のアライメント又は補正と、その後の別の軸又は方向の二次アライメント又は二次補正とを含む。そのような段階的な多軸補正は、一度に全ての方向において湾曲を補正することに比べて高い正確さを実現することができる。従って、本明細書に記載の技術では、異なる方向のアライメント補正が段階的又は連続的に行われる。1つの方向の補正を行い、別の方向(典型的には直交方向)の補正を行わない技術もある。
【0022】
本明細書に開示の技術では、ウェーハの裏面にストレッサ膜を使用する。幾つかの実施形態では、ウェーハ形状補正ツールを使用して最適ウェーハ形状を作成するための応力値の修正に直接描画レーザ処理のみを使用する。そのような応力補正ツールは、ウェーハ形状(ウェーハ湾曲、ウェーハ曲率)を修正してオーバーレイを改善するように構成される。1つの技術は、ウェーハの裏面に1つ以上のストレッサ膜を堆積させることである。1つ以上のストレッサ膜は、初期内部応力が異なり得る。ストレッサ膜は、パターニングし、エッチングして、裏面にわたって所与の点位置における応力を選択的に増減することにより、ウェーハ形状を修正し、それによりオーバーレイ値を改善することができる。パターニングは、直接描画レーザ露光を使用して実行され得る。直接描画パターニングの有利な点は、ウェーハ形状シグネチャ又はウェーハ湾曲測定に基づいて、ウェーハ上の各座標位置における強度をソフトウェア及びレーザで制御してパターニングを作成できることである。従って、ウェーハごとに露光パターンを変えることが容易に可能である。当然のことながら、マスクベースの露光も想定される。選択肢として、本明細書に記載の所与のストレッサ膜は、裏面の選択的領域で除去され得る。本明細書に記載のストレッサ膜は、リセットされ得、定位置に維持されるか又は除去され得る。本明細書に記載のストレッサ膜は、単一層又はN個の層であり得る。本明細書に記載のストレッサ膜は、X方向とY方向との間で修正され得るか、又は多軸フォトリソグラフィアライメント補正であり得る。
【0023】
図3Aは、ウェーハ応力補正がない場合の層L1に対する層L2のアライメントを示す。X方向及びY方向の両方でずれがあることに留意されたい。これは、解決すべき問題である。図3Bは、最初に、本開示によるX方向のウェーハ応力補正が行われた場合の層L1に対する層L2のアライメントを示す。X方向では、層L2は、層L1に対して正しくアライメントされるが、Y方向では依然として層L1に対してずれがあることに留意されたい。図3Cは、更に本開示によるY方向のウェーハ応力補正が行われた場合の層L1に対する層L2のアライメントを示す。層L2は、Y方向でも層L1に対してアライメントされることに留意されたい。X方向及びY方向は、ウェーハの作業面にわたって延び、互いに直交する。従って、ウェーハ応力は、補正され、層L2は、層L1に対して2段階でアライメントされる。
【0024】
本明細書に開示の技術では、裏側膜応力修正及び新規なリソグラフィインテグレーションを用いる。
【0025】
図4は、本開示の幾つかの実施形態による、異なる2つの軸においてウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法400を示すフローチャートである。例えば、方法400は、2つ以上の独立した方向においてウェーハの湾曲及び曲率を補正して、ウェーハにパターンをより正確に印刷することができる。従って、2つのマスクが使用され得る。それにもかかわらず、ウェーハ形状補正ツールにより、追加のマスキング層が裏側ストレッサ膜と一体化され得る。一実施形態では、2つ以上の独立した方向は、X方向及びY方向を含み得る。別の実施形態では、2つ以上の独立した方向は、第1の方向と、第1の方向に対して少なくとも15度、例えば45度回転されている第2の方向とを含み得る。
【0026】
一般に、1つ以上のストレッサ膜がウェーハの裏面に堆積され得、この面は、能動デバイスが配置される作業面の反対側である。その後、フォトレジスト膜が裏面に堆積及びパターニングされ得る。パターニングは、フォトマスク及びスキャナで行われ得るが、パターニングは、直接描画レーザ露光を使用して実行されることが好ましい。直接描画が好ましいのは、個々のウェーハに合わせて露光パターンを修正又は調整できるためである。例えば、ウェーハ湾曲測定値を生成するために、各ウェーハの形状が測定され得る。ウェーハ湾曲測定値は、例えば、ウェーハ全体にわたる相対的なz高さ変動のマップ又は他のオーバーレイずれ測定値であり得る。裏面に形成されたフォトレジストがパターニング及び現像された後、1つ以上のストレッサ膜がエッチングされ得る。これにより、ウェーハの内部応力が修正され、結果としてウェーハ形状が修正されて、例えばオーバーレイが改善されるか又はウェーハが平らになる。ストレッサ膜は、引張力又は圧縮力であり得る初期内部応力を有し得る。各座標位置から材料を選択的に除去することにより、ウェーハの内部応力が相応に修正される。
【0027】
応力を引き起こす/修正するために、更なる裏側膜補正技術が導入され、例えばエポキシ膜が導入され、エポキシ膜は、その内部応力が、エポキシ膜のそれぞれの特定の場所に対応する光のパターンに対する応答として変化する。従って、応力修正は、エッチングを必要とせずに行われ得る。従って、本明細書に記載のストレッサ膜は、ウェーハの裏面に形成されて、ウェーハに対する応力修正を引き起こすように処理された任意の膜を意味する。これは、1つ(以上)のストレッサ膜(例えば、酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜)を堆積させることと、ストレッサ膜にフォトレジスト層をコーティングすることと、露光(例えば、直接描画)することと、フォトレジスト層を現像することと、ストレッサ膜をエッチングすることと、フォトレジスト層を除去することとを含み得る。この時点でウェーハの作業面のパターニングが続行可能である。本明細書に記載の技術は、段階的なオーバーレイ補正に対して明確な利点があることを発見している。1つの発見として、一度に1つの方向においてアライメントを補正することは、一度に全ての方向において湾曲を補正することに比べて高い正確さを実現することができる。従って、本明細書に記載の技術では、異なる方向のアライメント補正が段階的又は連続的に行われる。1つの方向の補正を行い、別の方向(典型的には直交方向)の補正を行わない技術もある。
【0028】
方法400は、ステップS410から始まり、このステップでは、裏面と、裏面の反対側の作業面とを有するウェーハが受け取られる。作業面は、少なくとも部分的に製造されたデバイスを有し得、作業面の1つ以上の微細加工工程の結果としてウェーハのウェーハ湾曲の測定が行われ得る。例えば、図5A及び5Bに示すように、ウェーハの作業面に層L1及び層L7が形成される。(破線で示された)指示の場所に層L11を追加することが望ましく、層L11は、層L1及びL7から間隔を置いて配置されるか、又は層L1及びL7のアライメントと無関係にアライメントされる。
【0029】
ステップS420では、図5A及び5Bに示した第1のストレッサ膜510がウェーハの裏面に堆積及び形成される。一実施形態では、第1のストレッサ膜510は、ウェーハの作業面にわたり、第1の方向(例えば、X方向)においてウェーハの作業面のオーバーレイアライメントを修正するために使用され、Y方向の応力補正は、全く行われない。従って、第1のストレッサ膜510は、1つの方向(例えば、X方向)のオーバーレイアライメント修正を対象とし、別の方向(例えば、Y方向)を対象としない。例えば、作業面に層L1及びL7が形成されたウェーハを測定することにより、X方向におけるウェーハの湾曲測定値を明らかにすることができ、第1のストレッサ膜510は、X方向の湾曲測定値に基づいて修正されたそのX方向の内部応力を有し得る。一実施形態では、第1のストレッサ膜510は、フォトレジスト層でコーティングされ、フォトレジスト層は、X方向の湾曲測定値に応じてパターニング及び現像され、第1のストレッサ膜510は、ドライエッチング又はウェットエッチングによってエッチングされて、フォトレジスト層が除去され、それにより第1のストレッサ膜510の内部応力がウェーハのX方向の湾曲測定値に応じて修正され、結果として、ウェーハは、X方向において平らに近いか又は平らと見なされる。別の実施形態では、第1のストレッサ膜510は、印加された熱によってその内部応力が変化するように熱に反応し得、X方向の湾曲測定値に対応するパターンの熱が第1のストレッサ膜510に印加され得る。別の幾つかの実施形態では、第1のストレッサ膜510は、第1の波長の光の露光によってその内部応力が変化するように第1の波長の光に反応し得、X方向の湾曲測定値に対応するパターンの第1の波長の光が生成されて、第1のストレッサ膜510を露光し得る。このように形成された第1のストレッサ膜510は、第1の方向(即ちX方向)においてオーバーレイアライメントを修正するために使用され、第1の方向と異なるか又は第1の方向と直交する第2の方向(例えば、Y方向)の実質的又は有意なオーバーレイアライメントを含まない。
【0030】
次に、ウェーハの作業面にフォトレジスト層L11xが形成されて、層L1に対してX方向にアライメントされ得る。フォトレジスト層L11xは、図5C及び図5Dに示すようなハードマスクL11xを形成するように、リソグラフィプロセスでパターニング、露光及び現像され得、それに応じてウェーハがエッチングされ得る。ハードマスクL11xは、層L1間に形成及び配置され、Y方向のアライメント補正が行われないことに留意されたい。従って、ハードマスクL11xは、層L7の一部分を覆う。これは、エッチング選択性及びパターニング目的に応じて許容可能であり得る。ハードマスクL11xは、X方向にアライメントされ、即ち層L1に重ならない。
【0031】
ステップS430では、図6A及び6Bに示した第2のストレッサ膜610がウェーハの裏面に堆積及び形成される。一実施形態では、第2のストレッサ膜610は、ウェーハの作業面にわたり、第2の方向(例えば、Y方向)においてウェーハの作業面のオーバーレイアライメントを修正するために使用され、X方向の応力補正は、全く行われない。従って、第2のストレッサ膜610は、1つの方向(例えば、Y方向)のオーバーレイアライメント修正を対象とし、別の方向(例えば、X方向)を対象としない。例えば、作業面に層L1及びL7が形成され、裏面に第1のストレッサ膜510が形成されたウェーハを測定することにより、Y方向におけるウェーハの湾曲測定値を明らかにすることができ、第2のストレッサ膜610は、Y方向の湾曲測定値に基づいて修正されたそのY方向の内部応力を有し得る。一実施形態では、第2のストレッサ膜610は、フォトレジスト層でコーティングされ、フォトレジスト層は、Y方向の湾曲測定値に応じてパターニング及び現像され、第2のストレッサ膜610は、ドライエッチング又はウェットエッチングによってエッチングされて、フォトレジスト層が除去され、それにより第2のストレッサ膜610の内部応力がウェーハのY方向の湾曲測定値に応じて修正され、ウェーハは、Y方向において平らに近いか又は平らと見なされる。別の実施形態では、第2のストレッサ膜610は、印加された熱によってその内部応力が変化するように熱に反応し得るか、又は第2の波長の光の露光によってその内部応力が変化するように第2の波長の光に反応し得、Y方向の湾曲測定値に対応するパターンの熱が第2のストレッサ膜610に印加されるか、又はY方向の湾曲測定値に対応するパターンの第2の波長の光が生成されて、第2のストレッサ膜610を露光する。このように形成された第2のストレッサ膜610は、第2の方向(即ちY方向)においてオーバーレイアライメントを修正するために使用され、第2の方向と異なるか又は第2の方向と直交する第1の方向(例えば、X方向)の実質的又は有意なオーバーレイアライメントを含まない。
【0032】
次に、ウェーハの作業面にフォトレジスト層L11yが形成されて、層L7に対してY方向にアライメントされ得る。フォトレジスト層L11yは、図6C及び図6Dに示すようなハードマスクL11を形成するように、リソグラフィプロセスでパターニング、露光及び現像され得、それに応じてウェーハがエッチングされ得る。ハードマスクL11は、層L1間及び層L7間に形成及び配置され、X方向及びY方向にアライメントされ、層L1及びL7に重ならないことに留意されたい。
【0033】
一実施形態では、第1のストレッサ膜510は、第2のストレッサ膜610が形成される前に、ウェーハの裏面の選択的領域で除去され得る。ここでは、応力メモライゼーションも用いられ得る。幾つかの実施形態では、第1のストレッサ膜510が除去されたとしても、半導体格子は、依然としてメモリ効果を有し、これは、第1のストレッサ膜510の応力がウェーハのシリコン格子に伝わるためである。
【0034】
幾つかの実施形態では、第2のストレッサ膜610及び第1のストレッサ膜510は、ダブルパターニングリソグラフィプロセスで形成され得る。例えば、リソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセスでは、図7Aに示すように、第2のストレッサ膜610及び第1のストレッサ膜510は、ウェーハ710の裏面に形成され、第1のレジスト層720が第1のストレッサ膜510の上にコーティングされ、X方向の湾曲測定値に応じてパターニングされる。図7Bに示すように、第1のストレッサ膜510は、エッチングされる。図7Cに示すように、第1のレジスト層720は、ストリップされ、第2のストレッサ膜610の上に第2のレジスト層730がコーティングされ、Y方向の湾曲測定値に応じてパターニングされる。図7Dに示すように、第2のストレッサ膜610は、エッチングされ、第2のレジスト層730は、ストリップされる。LELEプロセスでは、2つのリソグラフィ工程及び2つのエッチング工程が実施される。別の例として、リソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスでは、図8Aに示すように、第2のストレッサ膜610の上に第1のレジスト層720がコーティングされ、X方向の湾曲測定値に応じてパターニングされ、図8Bに示すように、パターニングされた第1のレジスト層720は、化学処理によって凍結される。図8Cに示すように、第2のストレッサ膜610の上に第2のレジスト層730がコーティングされ、Y方向の湾曲測定値に応じてパターニングされる。図8Dに示すように、第2のストレッサ膜610は、エッチングされて、その内部応力がX方向及びY方向の湾曲測定値に応じて修正され、第1のレジスト層720及び第2のレジスト層730は、ストリップされる。LFLEプロセスでは、2つのリソグラフィ工程及び1つのみのエッチング工程が実施される。第1のストレッサ膜510及び第2のストレッサ膜610は、リソグラフィ-硬化-リソグラフィ-エッチング(LCLE)プロセスで形成され得、パターニングされた第1のレジスト層720は、化学処理で凍結される代わりにベークされる。
【0035】
ステップS440では、ウェーハの作業面に1つ以上の半導体デバイス(例えば、層L11)が形成され得る。ウェーハの第1及び第2の方向におけるウェーハ湾曲が修正され、ウェーハは、X方向及びY方向において平らに近いか又は平らと見なされるため、半導体デバイスは、X方向及びY方向にアライメントされ得る。
【0036】
本明細書に記載の実施形態は、一度に単一の軸又は単一の方向の補正も含む。幾つかの実施形態は、所望の微細加工用途に十分であれば一方向のみのアライメント補正を含む。例えば、幾つかの微細加工工程では、X方向のアライメント依存性又はY方向のアライメント依存性のみを有する特定のフィーチャがあり得る。このようなフィーチャは、カットマスクアプローチが不要となり、Xマスク及びYマスク上でそれぞれ分離され得る。ビア900を有する一例を図9Aに示す。この図では、金属の信号線を有する層L1上において、ビアがY方向に配置された層L2が形成される。図9B及び9Cに示すように、層L2のX方向のクリティカルビアは、ハードマスクL2x上にあり得る。ビア1000を有する別の例を図10Aに示す。この図では、金属の信号線を有する層L1上において、ビアがX方向に配置された層L2が形成される。図10B及び10Cに示すように、層L2のY方向のクリティカルビアは、ハードマスクL2y上にあり得る。
【0037】
図11は、本開示の幾つかの実施形態による、単一の軸においてウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法1100を示すフローチャートである。例えば、方法1100は、図9A~9C及び図10A~10Cに従って述べたように、単一の軸においてウェーハの湾曲及び曲率を補正することができる。方法1100は、ステップS410から始まり、ステップS420が続き、これらのステップでは、第1の方向(例えば、X方向)においてウェーハの作業面のオーバーレイアライメントを修正するために、ウェーハの裏面に第1のストレッサ膜510が形成及びパターニングされる。ステップS1130では、ウェーハの作業面に1つ以上の第1の半導体デバイス(例えば、ビア900又は層L2x)が形成され得る。ウェーハの第1の方向におけるウェーハ湾曲が修正され、ウェーハは、X方向において平らに近いか又は平らと見なされるため、第1の半導体デバイスは、X方向にアライメントされ得る。方法1100は、次に、ステップS430を実行し得、このステップでは、第2の方向(例えば、Y方向)においてウェーハの作業面のオーバーレイアライメントを修正するために、ウェーハの裏面に第2のストレッサ膜610が形成及びパターニングされる。ステップS1150では、ウェーハの作業面に1つ以上の第2の半導体デバイス(例えば、ビア1000又は層L2y)が形成され得る。ウェーハの第2の方向におけるウェーハ湾曲が修正され、ウェーハは、Y方向において平らに近いか又は平らと見なされるため、第2の半導体デバイスは、Y方向にアライメントされ得る。
【0038】
幾つかの実施形態は、平均のX補正及びY補正を含み得る。層は、L1~Lnであり得る(nは、1~300である)。例えば、アライメントツリーは、L1→L7→L11のように用意され、層L1及びL7は、既にパターニングされている。理想的には、ハードマスクL11xに対するウェーハ形状は、L1である一方、ハードマスクL11yに対するウェーハ形状は、L7である。一実施形態では、ウェーハ形状は、L11=αL1+(1-α)L7(ここで、0≦α≦1である)である。例えば、α=1/2及びL11=(L1+L7)/2である。利点として、このプロセスは、処理が少ないため(1つのストレッサ膜)、コストが低い。図12A~12Dは、結果の一例を示す。層L11は、層L1及びL7内でアライメントされるが、段階的な補正及び配置の場合ほど精密ではないことに留意されたい。このアライメント補正は、ストレッサ膜を使用しない場合よりも依然として良好である。
【0039】
図13は、本開示の幾つかの実施形態による、ウェーハ形状を補正することにより、パターニングのオーバーレイアライメントを改善する例示的方法1300を示すフローチャートである。例えば、方法1300は、図12A~12Dに従って述べたように、ウェーハの湾曲及び曲率の平均のX補正及びY補正を含み得る。方法1300は、ステップS410から始まる。ステップS1320では、ウェーハの裏面にストレッサ膜が堆積及び形成される。一実施形態では、ストレッサ膜は、ウェーハの作業面にわたり、第1及び第2の方向(例えば、X方向及びY方向)の平均においてウェーハの作業面のオーバーレイアライメントを修正するために使用される。例えば、作業面に層L1及びL7が形成されたウェーハを測定することにより、ウェーハのX方向及びY方向の湾曲測定値を明らかにすることができ、ストレッサ膜は、X方向及びY方向の湾曲測定値に基づいて修正されたそのX方向及びY方向の内部応力を有し得る。例えば、ストレッサ膜は、X方向の湾曲測定値のα倍及びY方向の湾曲測定値の(1-α)倍(ここで、0≦α≦1、例えばα=1/2である)に基づいて修正されたそのX方向及びY方向の内部応力を有し得る。方法1300もステップS440を含み得、このステップでは、ウェーハの作業面に1つ以上の半導体デバイス(例えば、層L11)が形成され得る。ウェーハの第1及び第2の方向におけるウェーハ湾曲が修正されて、このウェーハは、裏面にストレッサ膜が形成されないウェーハよりもX方向及びY方向に平らになるため、半導体デバイスは、X方向及びY方向にアライメントされ得る。
【0040】
別の例示的実施形態では、A、H、Zの例において、Zx Zy問題にアプローチする別の方法として、AとHの形状を先制的に一致させる方法がある。Hが比較的大きいオーバーレイバジェットを有すると仮定すると、ウェーハ形状を操作してAと一致させるためにウェーハ形状補正ツールを適用することは、容易であろう。そうであれば、Zを層状に積み重ねるべきタイミングでは、最良のZx→A及びZy→Hオーバーレイが存在する。Hのオーバーレイバジェットが大きくない場合でも、バジェット内にとどまりながら、Aと一致するための協調最適化が行われ得、これによりZにおけるウェーハツール補正がより容易になる。上述のフローでは、A及びHは、交換可能である。Aがよりフレキシブルであれば、以前に実施されたロットからのフィードバックを使用してAの形状をあらかじめHに似せることができる。
【0041】
本明細書に開示の精密多軸性は、フォトリソグラフィ露光を実際に行うことである程度理解される。所与のフォトリソグラフィシステムの分解能の限界で露光すれば、多くの場合、露光時に形状を線として印刷することが容易になる。従って、複数の露光を実行することにより、異なる複数の方向に線を印刷することができる。当然のことながら、リソグラフィ露光は、応力補正と全く異なるが、ここでは方向性応力修正を成分に分けることにより、応力修正を改善することができる。例えば、X方向の補正及び適用に続いて、Y方向の補正及び適用が行われる。幾つかのトランジスタ設計は、45度のフィーチャシフトを有し得、従って第3のアライメント修正並びに第4のアライメント修正及び第5のアライメント修正等が実行され得る。従って、裏側アライメント補正を成分方向に分けることにより、アライメントされたパターニングの精度及び正確さの改善が実現される。
【0042】
これまでの説明では、処理システムの特定の幾何学的形状並びに使用される様々な構成要素及び処理の説明など、具体的な詳細を記載した。しかしながら、本明細書に記載の技術は、これらの具体的な詳細と異なる他の実施形態でも実施可能であり、そのような詳細は、限定ではなく、説明を目的としたものであることを理解されたい。本明細書に開示の実施形態について添付図面を参照して説明した。同様に、説明を目的として、十分な理解が得られるように具体的な数値、材料及び構成を示した。しかしながら、実施形態は、そのような具体的な詳細なしに実施可能である。実質的に同一の機能的構造を有する構成要素を同様の参照符号で示しているため、冗長な記述を省略している場合がある。
【0043】
当然のことながら、本明細書に記載の様々なステップの説明の順序は、説明を分かりやすくするために提示されたものである。概して、これらのステップは、任意の適切な順序で実施され得る。更に、本明細書に記載の様々な特徴、技術、構成等のそれぞれを本開示の別々の箇所で説明している場合があるが、それぞれの概念は、互いに独立に又は互いに組み合わせて実行され得るものとする。従って、本開示は、多様な様式で実施及び考察され得る。
【0044】
様々な実施形態の理解を支援するために、様々な技術を複数の別個の動作として説明した。その説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆すると解釈されてはならない。実際、これらの動作は、提示の順序で実施されることを必要としない。説明した動作は、説明した実施形態と異なる順序で実施され得る。追加の実施形態では、様々な追加の動作が実行され得、且つ/又は説明されている動作が省略され得る。
【0045】
本明細書では「基板」又は「対象基板」は、一般に、本開示に従って処理される対象物を指す。基板は、デバイス、特に半導体デバイス又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造を含み得、例えばベース基板構造であり得、例えば半導体ウェーハ、レチクル又はベース基板構造上の又はその上に重ねられた層(薄膜等)であり得る。従って、基板は、パターニングされた又はされていないいかなる特定のベース構造、下部層又は上部層にも限定されず、そのようなあらゆる層又はベース構造並びに層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが想定される。上記の記述は、特定の種類の基板を指す場合があるが、これは、説明目的に過ぎない。
【0046】
当業者であれば、本開示と同じ目的を達成する、上述の技術の動作に対する様々な変形形態がなされ得ることも理解するであろう。そのような変形形態は、本開示の範囲に含まれるものとする。従って、本開示の実施形態についての前述の説明は、限定を意図するものではない。むしろ、本開示の実施形態に対するいかなる限定も以下の特許請求の範囲に提示される。
図1
図2A-2D】
図3A-3C】
図4
図5A-5D】
図6A-6D】
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A-9C】
図10A-10C】
図11
図12A-12D】
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業面上に形成された第1の層及び第2の層を有する前記作業面と、前記作業面の反対側の裏面とを有するウェーハを受け取るステップであって、第1の方向において前記第1の層とアライメントされ、前記第1の方向とは異なる第2の方向において前記第2の層とアライメントされる対象層が前記作業面上に形成される、ステップと、
前記第1の方向において第1の湾曲測定を特定するために、前記第1の層及び前記第2の層が前記作業面上に形成されている前記ウェーハを測定するステップと、
前記裏面に第1のストレッサ膜を形成し、前記第1の湾曲測定に基づいて前記第1の方向において前記第1のストレッサ膜の内部応力を修正するステップであって、前記第1のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第1の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正し、且つ前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第2の方向においてオーバーレイアライメントを含まない、ステップと、
前記第1の方向において前記第1の層とアライメントされる第1のフォトレジスト層を前記作業面上に形成するステップと、
中間ハードマスクを形成するために、前記第1のフォトレジスト層上で第1のリソグラフィプロセスを実行するステップと、
前記第2の方向において第2の湾曲測定を特定するために、前記第1の層、前記第2の層、及び前記中間ハードマスクが前記作業面上に形成され、前記第1のストレッサ膜が前記裏面上に形成されている前記ウェーハを測定するステップと、
前記裏面上に第2のストレッサ膜を形成し、前記第2の湾曲測定に基づいて前記第2の方向において前記第2のストレッサ膜の内部応力を修正するステップであって、前記第2のストレッサ膜は、前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第2の方向において前記作業面のオーバーレイアライメントを修正し、且つ前記ウェーハの前記作業面にわたり、前記第1の方向においてオーバーレイアライメントを含まない、ステップと、
前記第2の方向において前記第2の層とアライメントされ、前記中間ハードマスクを覆う第2のフォトレジスト層を前記作業面上に形成するステップと、
対象ハードマスクを形成するために、前記第2のフォトレジスト層及び前記中間ハードマスク上で第2のリソグラフィプロセスを実行するステップと、
前記対象層を形成するために、前記作業面上で対象リソグラフィプロセスを実行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して少なくとも15度回転されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の方向は、前記第1の方向に対して45度回転されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の方向は、前記第1の方向と直交している、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記中間ハードマスクを形成するために、前記第1のフォトレジスト層上で前記第1のリソグラフィプロセスを実行するステップの後に、
前記ウェーハの前記作業面上に1つ以上の第1の半導体構造を形成するステップであって、前記第1の半導体構造は、前記第1の方向においてアライメントされている、ステップ
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のストレッサ膜及び前記第2のストレッサ膜は、リソグラフィ-エッチング-リソグラフィ-エッチング(LELE)プロセス又はリソグラフィ-凍結-リソグラフィ-エッチング(LFLE)プロセスで形成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のストレッサ膜は、直接描画パターニングを使用して形成される、請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】