(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電荷トラップカットを有するNANDセル構造
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20241031BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20241031BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/90 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529485
(86)(22)【出願日】2022-11-18
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022080095
(87)【国際公開番号】W WO2023092047
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】リー, キルヨン
(72)【発明者】
【氏名】プラナタルティハラン, バラスブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン, ムクン
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH03
5F033HH04
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5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
(57)【要約】
基板上のメモリスタックを貫通して延在するメモリホールの周囲に形成された複数のメモリセルを含むメモリデバイスが記載されている。複数のメモリセルの各々は、不連続のブロッキング酸化物層、電荷トラップ層、及びトンネル酸化物層を含む。ブロッキング酸化物層は、複数のメモリセルの各々の間で不連続である。トンネル酸化物層は、複数のメモリセルの各々の間で連続しており、電荷トラップ層は、複数のメモリセルの各々の間で不連続である。電荷トラップ層は、上部に第1の厚さを有し、中央部に第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さとは異なる。
【選択図】
図21A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体メモリデバイスであって、
基板上のメモリスタックを貫通して延在するメモリホールの周囲に形成された複数のメモリセルであって、前記メモリスタックは、交互のワードラインと誘電体材料とを含み、前記複数のメモリセルの各々は、不連続のブロッキング酸化物層、電荷トラップ層、及びトンネル酸化物層を含み、
前記ブロッキング酸化物層は、前記複数のメモリセルの各々の間で不連続であり、前記トンネル酸化物層は、前記複数のメモリセルの各々の間で連続しており、前記電荷トラップ層は、前記複数のメモリセルの各々の間で不連続である、
複数のメモリセルと、
前記メモリホールに隣接して前記メモリスタックを貫通して延在する充填されたスリットであって、スペーサ材料及び充填材料のうちの1又は複数を含む、充填されたスリットと
を備える、半導体メモリデバイス。
【請求項2】
前記電荷トラップ層は、上部に第1の厚さを有し、中央部に第2の厚さを有し、前記第1の厚さは前記第2の厚さとは異なる、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項3】
前記第1の厚さは、前記第2の厚さより少なくとも1%大きい、請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項4】
前記第1の厚さは、前記第2の厚さより少なくとも1%小さい、請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項5】
前記電荷トラップ層は、窒化ケイ素(SiN)を含む、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項6】
前記メモリホールの上面にビットラインパッドを更に備える、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項7】
前記ワードラインは、金属、金属窒化物、導電性金属化合物、及び半導体材料のうちの1又は複数を含む、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項8】
前記金属は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、及びチタン(Ti)のうちの1又は複数から選択され、前記金属窒化物は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、及び窒化ジルコニウム(ZrN)のうちの1又は複数から選択され、前記導電性金属化合物は、酸化タングステン(WOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、及び酸化イリジウム(IrOx)のうちの1又は複数から選択され、前記半導体材料は、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、及びゲルマニウム(Ge)のうちの1又は複数から選択される、請求項7に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
前記基板は共通ソースラインであり、前記共通ソースラインは犠牲層、酸化物層、及びポリシリコン層を含む、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項11】
前記半導体メモリデバイスは3D-NANDである、請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項12】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成することと、
第1の凹部領域を形成するために、前記メモリホールを通して前記第2の材料を凹設することと、
ブロッキング酸化物層を形成するために、前記メモリホールに隣接する前記第2の材料の一部を酸化させることと、
前記ブロッキング酸化物層上に電荷トラップ層を堆積させることと、
前記電荷トラップ層上に犠牲層を共形堆積させることと、
前記犠牲層から前記電荷トラップ層を選択的に除去することと、
前記犠牲層を除去することと、
前記メモリホール内にビットラインを形成することと、
スリットをパターニングすることと、
複数のワードラインを形成することと、
前記スリットを充填することと
を含む方法。
【請求項13】
前記電荷トラップ層は、原子層堆積によって堆積される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記犠牲層から前記電荷トラップ層が選択的に除去された後、前記電荷トラップ層は上部に第1の厚さを有し、中央部に第2の厚さを有し、前記第1の厚さは前記第2の厚さとは異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の厚さは、前記第2の厚さより少なくとも1%大きい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の厚さは、前記第2の厚さより少なくとも1%小さい、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ビットラインを形成することは、
前記メモリホール内にトランジスタ層を堆積させることであって、前記トランジスタ層は、酸化アルミニウム(AlO)層、トラップ層、トンネル酸化物層、及びチャネル層のうちの1又は複数を含む、前記メモリホール内にトランジスタ層を堆積させること
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記基板は共通ソースラインであり、前記共通ソースラインは共通ソース犠牲層、酸化物層、及びポリシリコン層を含み、前記方法は更に、共通ソース開口部を形成するために、前記共通ソースラインから前記犠牲層を除去することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
ワードラインコンタクトを形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
命令を含む非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、前記処理チャンバに、
基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成する工程、
第1の凹部領域を形成するために、前記メモリホールを通して前記第2の材料を凹設する工程、
ブロッキング酸化物層を形成するために、前記メモリホールに隣接する前記第2の材料の一部を酸化させる工程、
前記ブロッキング酸化物層上に電荷トラップ層を堆積させる工程、
前記電荷トラップ層上に犠牲層を共形堆積させる工程、
前記犠牲層から前記電荷トラップ層を選択的に除去する工程、
前記犠牲層を除去する工程、
前記メモリホール内にビットラインを形成する工程、
スリットをパターニングする工程、
複数のワードラインを形成する工程、及び
前記スリットを充填する工程
を実行させる、非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、電子デバイス、及び電子デバイスを製造するための方法及び装置の分野に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、不連続の電荷トラップ層を有する3D-NAND及び形成方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体技術は急速なペースで進歩しており、単位スペース当たりの処理及びストレージの高速化を実現するために、技術の進歩に伴ってデバイスの寸法が縮小してきている。NANDデバイスでは、ONセルとOFFセルを区別するのに十分な電流を得るために、ストリング電流を十分に高くする必要がある。ストリング電流は、シリコンチャネルのグレインサイズを大きくすることで向上するキャリア移動度に依存する。
【0003】
[0003]ストレージ層としての電荷トラップをベースとする現在の3D-NANDスタックは、連続する電荷トラップ層を含む。連続する電荷トラップ層は、ワードライン(WL)からWL絶縁体へのスケールダウンを妨げる2つの重大な問題-セル間の干渉と横方向の電荷拡散-を引き起こす。これらの問題を抑制するためには、各セルのソース及びドレイン(S/D)下の電荷トラップ層をトラップカット構造又は閉じ込め構造で排除する必要がある。しかし、トラップカット構造では、ゲート領域の部分的な使用、並びに堆積及び除去プロセスに起因するトラップ層の形状及び厚さのばらつきにより問題が生じる。
【0004】
[0004]従って当技術分野では、改良された電荷トラップ層を有する3D-NANDデバイス及び3D-NANDデバイスの製造方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の1又は複数の実施形態は、半導体メモリデバイスを対象とする。半導体メモリデバイスは、基板上のメモリスタックを貫通して延在するメモリホールの周囲に形成された複数のメモリセルであって、メモリスタックは、交互のワードラインと誘電体材料とを含み、複数のメモリセルの各々は、不連続のブロッキング酸化物層、電荷トラップ層、及びトンネル酸化物層を含み、ブロッキング酸化物層は、複数のメモリセルの各々の間で不連続であり、トンネル酸化物層は、複数のメモリセルの各々の間で連続しており、電荷トラップ層は、複数のメモリセルの各々の間で不連続である、複数のメモリセルと、メモリホールに隣接してメモリスタックを貫通して延在する充填されたスリットとを備える。
【0006】
[0006]本開示の更なる実施形態は、半導体メモリデバイスの形成方法を対象とする。1又は複数の実施形態では、半導体デバイスの形成方法は、基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成することと、第1の凹部領域を形成するために、メモリホールを通して第2の材料を凹設することと、ブロッキング酸化物層を形成するために、メモリホールに隣接する第2の材料の一部を酸化させることと、ブロッキング酸化物層上に電荷トラップ層を堆積させることと、電荷トラップ層上に犠牲層を共形堆積させることと、犠牲層から電荷トラップ層を選択的に除去することと、犠牲層を除去することと、メモリホール内にビットラインを形成することと、スリットをパターニングすることと、複数のワードラインを形成することと、スリットを充填することとを含む。
【0007】
[0007]本開示の更なる実施形態は、非一過性コンピュータ可読媒体を対象とする。1又は複数の実施形態では、非一過性コンピュータ可読媒体は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成し、第1の凹部領域を形成するために、メモリホールを通して第2の材料を凹設し、ブロッキング酸化物層を形成するために、メモリホールに隣接する第2の材料の一部を酸化させ、ブロッキング酸化物層上に電荷トラップ層を堆積させ、電荷トラップ層上に犠牲層を共形堆積させ、犠牲層から電荷トラップ層を選択的に除去し、犠牲層を除去し、メモリホール内にビットラインを形成し、スリットをパターニングし、複数のワードラインを形成し、スリットを充填する工程を実行させる命令を含む。
【0008】
[0008]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、例として示すものであり、同様の参照が類似の要素を示す添付の図面の図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1-1】本明細書に記載の実施形態に係るメモリデバイスの形成方法のプロセスフロー図である。
【
図1-2】本明細書に記載の実施形態に係るメモリデバイスの形成方法のプロセスフロー図である。
【
図2】1又は複数の実施形態に係るメモリスタックを備える電子デバイスを示す断面図である。
【
図3】1又は複数の実施形態に係るメモリスタックの階段状パターンを形成した後の電子デバイスを示す断面図である。
【
図4】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図5A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図5B】1又は複数の実施形態に係る領域120を示す拡大図である。
【
図6A】1又は複数の実施形態に係る領域120を示す拡大図である。
【
図6B】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図7A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図7B】1又は複数の実施形態に係る領域120の拡大図である。
【
図8A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図8B】1又は複数の実施形態に係る領域120の拡大図である。
【
図9A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図9B】1又は複数の実施形態に係る領域120を示す拡大図である。
【
図10A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図10B】1又は複数の実施形態に係る領域120を示す拡大図である。
【
図11A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図11B】1又は複数の実施形態に係る領域120の拡大図である。
【
図11C】1又は複数の代替実施形態に係る領域120の拡大図である。
【
図12A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図12B】1又は複数の実施形態に係る領域120の拡大図である。
【
図13】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図14】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図15】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図16】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図17】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図18】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図19】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図20】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図21A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す断面図である。
【
図21B】1又は複数の実施形態に係る領域170の拡大図である。
【
図22-1】本明細書に記載の実施形態に係るメモリデバイスの形成方法を示すプロセスフロー図である。
【
図22-2】本明細書に記載の実施形態に係るメモリデバイスの形成方法を示すプロセスフロー図である。
【
図23A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す斜視図である。
【
図23B】1又は複数の実施形態に係る領域180の拡大図である。
【
図24A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す斜視図である。
【
図24B】1又は複数の実施形態に係る領域180の拡大図である。
【
図25A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す斜視図である。
【
図25B】1又は複数の実施形態に係る領域180の拡大図である。
【
図26A】1又は複数の実施形態に係る電子デバイスを示す斜視図である。
【
図26B】1又は複数の実施形態に係る領域180の拡大図である。
【
図27】1又は複数の実施形態に係るクラスタツールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0050]本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構造の詳細又はプロセスステップに限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行又は実施されることが可能である。
【0011】
[0051]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する「前駆体」、「反応剤」、「反応性ガス」等の用語は、基板表面と反応し得る任意のガス種を指すために互換的に使用される。
【0012】
[0052]本明細書で使用する「原子層堆積」又は「周期的堆積」は、基板表面上に材料の層を堆積させるために2つ以上の反応性化合物を順次暴露することを指す。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する「反応性化合物」、「反応性ガス」、「反応種」、「前駆体」、「プロセスガス」等の用語は、表面反応(例えば、化学吸着、酸化、還元)において基板表面又は基板表面上の材料と反応することができる種を有する物質を意味するために互換的に使用される。基板又は基板の一部は、前駆体(又は反応性ガス)に順次又は実質的に順次曝露される。本明細書全体で使用する「実質的に順次」とは、前駆体曝露の持続時間の大部分が、共試薬への曝露とは重ならないが、多少の重なりはあり得ることを意味する。
【0013】
[0053]本明細書で使用する「上(over)」という用語は、一方の表面が他方の表面の上にある物理的な配向を意味するものではなく、むしろ、一方の表面と他方の表面との相対的な化学反応の熱力学的又は動力学的特性の関係を意味する。例えば、酸化物材料の上の損傷した誘電体材料上に選択的に膜を堆積させるとは、損傷した誘電体材料上に膜が堆積し、酸化物材料上には膜があまり堆積しない、もしくは全く堆積しないことを意味する、あるいは、損傷した誘電体材料上の膜の形成が、酸化物材料上の膜の形成に対して熱力学的又は動力学的に有利であることを意味する。
【0014】
[0054]以下の説明では、本開示の1又は複数の実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の材料、化学物質、要素の寸法等の多数の特定の詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本開示の1又は複数の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。他の例では、半導体製造プロセス、技術、材料、機器等は、本明細書が不必要に不明瞭になるのを避けるために、あまり詳細には説明していない。当業者であれば、本明細書に含まれる説明により、過度な実験を行うことなく、適切な機能性を実現できるであろう。
【0015】
[0055]本開示の特定の例示的な実施形態を添付の図面に記載し図示したが、上記実施形態は、例示に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示は、当業者による変更が行われ得るため、図示し記載した特定の構造及び配置に限定されないことを理解されたい。
【0016】
[0056]酸化物材料と窒化物材料の交互の層のメモリスタックをベースとし、電荷トラップをストレージ層として有する既存の3D NANDデバイスでは、電荷トラップは連続層である。この連続する電荷トラップ層は、セル間干渉と横方向の電荷拡散を引き起こし、ワードライン(WL)からWL絶縁体へのスケールダウンを妨げる。セル間干渉と横方向への電荷拡散に対処するには、トラップカット又は閉じ込め構造を用いて、各セルのソース及びドレイン(S/D)下のトラップ層を排除する必要がある。しかしながら、トラップカットはゲート領域を使用することができず、トラップ層は一貫した形状と厚さを有する必要がある。したがって、1又は複数の実施形態は、3D NAND構造及びトラップカットを使用して電荷トラップ層を作製する方法を提供する。
【0017】
[0057]1又は複数の実施形態は、不連続の電荷トラップ層の形成のために原子層堆積窒化ケイ素を使用して3-NANDデバイスを製造するための構造及び方法を提供する。1又は複数の実施形態の電荷トラップ層は、セル間干渉及び横方向の拡散が抑制されないように、トンネル酸化物とワードラインとの間にのみ閉じ込められる。1又は複数の実施形態では、非選択性窒化ケイ素(SiN)を電荷トラップ層として使用することができる。
【0018】
[0058]1又は複数の実施形態では、金属堆積及び他のプロセスは、隔離された環境(例えば、クラスタプロセスツール)で実施することができる。したがって、本開示の幾つかの実施形態は、方法を実行するための関連プロセスモジュールを有する統合ツールシステムを提供する。
【0019】
[0059]
図1は、メモリデバイスを形成するための例示的な方法10を示すフロー図である。当業者は、方法10が例示のプロセスのいずれか又はすべてを含み得ることを認識するであろう。更に、個々のプロセスの順序は、幾つかの部分について変更することができる。方法10は、本開示から逸脱することなく、列挙されたプロセスのいずれかから開始することができる。
図1を参照すると、工程12において、メモリスタックが形成される。工程14において、メモリスタック内にワードライン階段が形成される。工程16において、メモリホールがパターニングされる。工程18において、窒化物層が凹設される。工程20において、凹部にブロッキング酸化物が形成される。工程22において、電荷トラップ層が堆積され、続いて犠牲層が堆積される。工程24において、犠牲層が部分的に除去される。工程26において、電荷トラップ層がマスク解除され、犠牲層が除去される。工程28において、メモリホール内にトランジスタ層が堆積される。工程30において、ビットラインパッドが形成される。工程32において、デバイスにスリットパターンが形成される。工程34において、共通ソースラインの犠牲層が除去され、置き換えられる。工程36において、メモリスタックの窒化物層が除去される(モールドプルバック)。工程38において、ワードラインが形成される。工程40において、スリットが充填される。工程42において、ビットラインパッドスタッドが形成される。工程44において、バックエンド(BEOL)コンタクトが形成される。
【0020】
[0060]
図2~
図21は、
図1の方法10において図示したプロセスフローに従ったメモリデバイス100の一部を示す図である。
【0021】
[0061]
図2は、本開示の1又は複数の実施形態に係る電子デバイス100の初期の又は開始時のメモリスタックを示す図である。幾つかの実施形態では、
図2に示す電子デバイス100は、図示したように、ベア基板102上に層状に形成される。
図2の電子デバイスは、基板102、共通ソースライン103、及びメモリスタック130で構成される。
【0022】
[0062]基板102は、当業者に公知の任意の適切な材料であり得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する「基板」という用語は、プロセスが作用する表面、又は表面の一部を指す。また、当業者には、文脈上明確な断りがない限り、基板への言及は基板の一部のみを指し得ることが理解されよう。更に、基板上に堆積させることに対する言及は、ベア基板と、その上に1又は複数の膜又は特徴が堆積又は形成された基板との両方を意味し得る。
【0023】
[0063]本明細書で使用する「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される基板に形成された任意の基板又は材料表面を指す。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、金属合金等、及び他の導電性材料等の他の任意の材料が含まれる。基板には、限定しないが、半導体ウエハが含まれる。基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニール及び/又は焼成するための前処理プロセスに暴露され得る。基板自体の表面で直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示される膜処理ステップのいずれもが、以下により詳細に開示するように、基板に形成された下層で行われてよく、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことが意図される。したがって、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された膜/層の露出面が基板表面となる。
【0024】
[0064]1又は複数の実施形態では、共通ソースライン103が基板102上にある。共通ソースライン103は、半導体層とも呼ばれ得る。共通ソースライン103は、当業者に公知の任意の適切な技術によって形成することができ、ポリシリコン(poly-Si)を含むがこれに限定されない任意の適切な材料でできていてよい。幾つかの実施形態では、共通ソースライン103は、複数の異なる導電性材料又は半導体材料を含む。例えば、1又は複数の実施形態では、
図2に示すように、共通ソースライン103は、基板102上のポリシリコン層104と、ポリシリコン層上の共通ソース犠牲層106と、共通ソース犠牲層106上の第2のポリシリコン層104とを含む。
【0025】
[0065]1又は複数の実施形態では、犠牲層106は、ポリシリコン層104上に形成されていてよく、任意の適切な材料でできていてよい。幾つかの実施形態における犠牲層106は除去され、後のプロセスで置き換えられる。幾つかの実施形態では、犠牲層106は除去されず、メモリデバイス100内に残る。この場合、「犠牲」という用語は、永久層を含むとして拡大された意味を有し、導電層と呼ばれることがある。図示の実施形態では、以下に更に説明するように、工程34において犠牲層106が除去される。1又は複数の実施形態では、犠牲層106は、隣接するポリシリコン層104に対して選択的に除去することができる材料を含む。1又は複数の実施形態では、犠牲層は、窒化物材料、例えば窒化ケイ素(SiN)、又は酸化物材料、例えば酸化ケイ素(SiOx)を含む。
【0026】
[0066]1又は複数の実施形態では、メモリスタック130が、共通ソースライン103上に形成される。図示した実施形態におけるメモリスタック130は、複数の交互の第1の層108及び第2の層110を含む。
図2に図示したメモリスタック130は、5対の交互の第1の層108及び第2の層110を有するが、当業者であれば、これは単なる例示のためであることを認識する。メモリスタック130は、任意の数の交互の第1の層108及び第2の層110を有していてよい。例えば、幾つかの実施形態では、メモリスタック130は、192対の交互の第1の層108及び第2の層110を含む。他の実施形態では、メモリスタック130は、50対を超える交互の第1の層108及び第2の層110、又は100対を超える交互の第1の層108及び第2の層110、又は300対を超える交互の第1の層108及び第2の層110を含む。
【0027】
[0067]1又は複数の実施形態では、第1の層108及び第2の層110は、独立して、誘電体材料を含む。1又は複数の実施形態では、誘電体材料は、当業者に公知の任意の適切な誘電体材料を含み得る。本明細書で使用する用語「誘電体材料」は、電界中で分極化され得る電気絶縁体を指す。幾つかの実施形態では、誘電体材料は、酸化物、炭素がドープされた酸化物、多孔質二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、二酸化ケイ素/窒化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、りんけい酸ガラス、フッ化ケイ酸塩(SiOF)ガラス、又は有機ケイ酸塩ガラス(SiOCH)のうちの1又は複数を含む。
【0028】
[0068]1又は複数の実施形態では、第1の層108は酸化物層を含み、第2の層110は窒化物層を含む。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、第1の層108に実質的に影響を与えることなく第2の層110を除去することができるように、第1の層108に対してエッチング選択性を有する材料を含む。1又は複数の実施形態では、第1の層108は酸化ケイ素(SiOx)を含む。1又は複数の実施形態では、第2の層110は窒化ケイ素(SiN)を含む。1又は複数の実施形態では、第1の層108及び第2の層110は、化学気相堆積(CVD)又は物理的気相堆積(PVD)によって堆積される。
【0029】
[0069]個々の交互層は、任意の適切な厚さに形成され得る。幾つかの実施形態では、各第2の層110の厚さはほぼ等しい。1又は複数の実施形態では、各第2の層110は第2の層の厚さを有する。幾つかの実施形態では、各第1の層108の厚さはほぼ等しい。この点で使用するほぼ等しい厚さは、互いの±5%以内である。幾つかの実施形態では、第2の層110と第1の層108との間にシリコン層(図示せず)が形成される。シリコン層の厚さは、第2の層110又は第1の層108の層の厚さに比べて比較的薄くてよい。1又は複数の実施形態では、第1の層108は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。1又は複数の実施形態では、第1の層108は、約0.5から約40nmの範囲の厚さを有する。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、約0.5から約40nmの範囲の厚さを有する。
【0030】
[0070]1又は複数の実施形態では、第1の層108及び第2の層110は、化学気相堆積(CVD)又は物理的気相堆積(PVD)によって堆積される。個々の交互層は、任意の適切な厚さに形成され得る。幾つかの実施形態では、各第2の層112の厚さはほぼ等しい。1又は複数の実施形態では、各第2の層112は第1の第2の層の厚さを有する。幾つかの実施形態では、各第1の層110の厚さはほぼ等しい。この点で使用するほぼ等しい厚さは、互いの±5%以内である。1又は複数の実施形態では、第1の層108は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、約1nm、約3nm、約5nm、約7nm、約10nm、約12nm、約15nm、約17nm、約20nm、約22nm、約25nm、約27nm、及び約30nmを含む、約0.5nmから約30nmの範囲の厚さを有する。
【0031】
[0071]
図3を参照すると、方法10の工程14において、階段構造131が作製される。1又は複数の実施形態では、階段構造131は、第1の層108の上面134を露出させる。上面134を使用して、後述するように、ワードラインコンタクトを形成するための空間が提供され得る。適切な充填材135を堆積させて、階段構造131の外側の空間を塞ぐことができる。適切な充填材135は、当業者に理解されるように、隣接するワードライン間の電気的短絡を防止する任意の材料であり得る。階段構造131は、各ワードラインが下のワードラインよりも小さい幅(図では左から右に図示)を有する。「上」及び「下」のような相対的な用語の使用は、本開示の範囲を空間における物理的な配向に限定するものとして捉えるべきではない。
【0032】
[0072]
図4を参照すると、工程16において、メモリホールチャネル116が、メモリスタック130を貫通して開かれ/パターニングされる。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル116を開くことは、マスク層137、メモリスタック130、共通ソースライン103、及び基板102内を貫通するエッチングを含む。メモリホールチャネル116は、メモリスタック130を貫通して延在する側壁を有し、第2の層110の表面111及び第1の層108の表面109を露出させる。
【0033】
[0073]メモリホールチャネル116は、メモリホールチャネル116の側壁面109、111、113及び底面115が基板102内に形成されるように、基板102内にある距離だけ延在している。メモリホールチャネル116の底部114は、基板102の厚さ内の任意の点に形成され得る。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル116は、基板102の厚さの約1%から約90%の範囲、又は約5%から約90%の範囲、又は約20%から約80%の範囲、又は約30%から約70%の範囲、又は約40%から約60%の範囲の厚さだけ基板102内に延在している。幾つかの実施形態では、メモリホールチャネル116は、10nm以上の距離だけ基板102内に延在している。
【0034】
[0074]
図5A及び
図5Bは、凹部領域118を形成するために、第2の層110がメモリホール116を通して部分的に凹設される工程18を示す図である。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、1nmから30nmの範囲、又は5nmから20nmの範囲の凹設距離r
1だけ凹設される。したがって、1又は複数の実施形態では、凹部領域118は、1nmから30nmの範囲、又は5nmから20nmの範囲のサイズを有する。第2の層110は、当業者に公知の任意の方法によって凹設することができる。1又は複数の実施形態では、第2の層110の一部は、酸素(O
2)及び三フッ化窒素(NF
3)を含むプロセスガスから遠隔プラズマを介して形成された反応性種による選択的除去によって、メモリホール116を通して凹設される。他の実施形態では、第2の層110の一部は、熱リン(HP)による選択的除去によってメモリホール116を通して凹設される。
【0035】
[0075]
図6A及び
図6Bは、第2の層110に隣接する凹部領域118にブロッキング酸化物層122が形成される工程20を示す図である。1又は複数の実施形態では、ブロッキング酸化物層122は、第2の層110の一部を酸化させることによって形成される。したがって、1又は複数の実施形態では、ブロッキング酸化物層は、酸窒化ケイ素(SiON)を含む。ブロッキング酸化物層122は、任意の適切な厚さを有していてよい。幾つかの実施形態では、ブロッキング酸化物層122は、1nmから15nmの範囲、又は3nmから10nmの範囲の厚さを有する。
【0036】
[0076]
図7A及び
図7Bは、電荷トラップ層124がブロッキング酸化物層122に隣接して形成される工程22を示す図である。幾つかの実施形態では、電荷トラップ層124の側面は、メモリホールチャネル116に露出している。電荷トラップ層124は、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、電荷トラップ層124は窒化物、例えば窒化ケイ素(SiN)を含む。電荷トラップ層124は、当業者に公知の任意の適切な手段によって形成され得る。1又は複数の実施形態では、電荷トラップ層124は、原子層堆積(ALD)によって堆積される。幾つかの実施形態では、電荷トラップ層124は、1nmから15nmの範囲、又は3nmから10nmの範囲の厚さを有する。
【0037】
[0077]
図8A及び
図8Bは、犠牲層128が、電荷トラップ層124に隣接して、凹部領域118のメモリホールチャネル116を貫通して形成される工程22を示す図である。犠牲層128は、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、犠牲層128は酸化物層、例えば酸化ケイ素(SiO
x)を含む。犠牲層128は、当業者に公知の任意の適切な手段によって形成することができる。1又は複数の実施形態では、犠牲層は原子層堆積(ALD)によって形成される。1又は複数の実施形態では、犠牲層128は共形層である。他の実施形態では、犠牲層128は共形層であり、犠牲層128は下層の電荷トラップ層124に実質的に共形である。本明細書で使用する「実質的に共形」である層は、厚さが全体的に(例えば、電荷トラップ層124上で)ほぼ同じである層を指す。実質的に共形である層は、厚さのばらつきが約5%以下、2%以下、1%以下又は0.5%以下である。
【0038】
[0078]1又は複数の実施形態では、
図8Bに示すように、犠牲層128は、凹部領域118の上部及び底部と比較して、凹部領域118の中央部の方がより厚くなっている。1又は複数の実施形態では、犠牲層128の中央部は、1nmから50nmの範囲又は5nmから30nmの範囲の厚さを有し、犠牲層128の上部/底部は、犠牲層128の中央部の厚さの>0%から50%の範囲の厚さを有する。
【0039】
[0079]
図9A及び
図9Bを参照すると、工程24において、犠牲層128の一部が除去される。1又は複数の実施形態では、犠牲層128はメモリホールチャネル116の側壁上の部分は除去されるが、犠牲層128の凹部領域118内の部分129は残る。犠牲層128は、当業者に公知の任意の適切な手段によって除去することができる。1又は複数の実施形態では、犠牲層128の一部は、選択的エッチング、例えば、希フッ酸(HF)溶液又はHFガスによって除去される。
【0040】
[0080]
図10A及び
図10Bを参照すると、工程26において、犠牲層128の部分130は、犠牲層128の部分130の周囲の電荷トラップ層124を選択的に除去することによって、マスク解除され、例えば、トラップカットされる。犠牲層128の部分130は、任意の適切な手段によってマスク解除され得る。1又は複数の実施形態では、電荷トラップ層124は、リン酸溶液又はリン酸ガスによる湿式又は乾式プロセスを用いて、犠牲層128の部分130から選択的に除去される。
【0041】
[0081]
図11A及び
図11Bを参照すると、工程26のトラップカットの後、開口部132を形成するために、残っている犠牲層128の部分130が除去される。残っている犠牲層128の部分130は、任意の適切な手段によって除去され得る。1又は複数の実施形態では、残っている犠牲層128の部分130は、選択的エッチングによって除去される。幾つかの具体的な実施形態では、残っている犠牲層128の部分130は、希フッ酸(HF)溶液又はガスを用いて除去される。
【0042】
[0082]1又は複数の実施形態では、電荷トラップ層124は、上部に第1の厚さttを有し、中央部に第2の厚さtcを有する。1又は複数の実施形態では、第1の厚さtt及び第2の厚さtcは、互いに異なる。1又は複数の実施形態では、電荷トラップ層124の上部(及び底部)の第1の厚さttは、第2の厚さtcよりも大きい。1又は複数の実施形態では、第1の厚さttは、第2の厚さtcより少なくとも1%大きい。1又は複数の実施形態では、第1の厚さttは、第2の厚さtcより1%から50%厚い範囲にある。他の実施形態では、電荷トラップ層124の上部(及び底部)の第1の厚さttは、第2の厚さtcよりも小さい。1又は複数の実施形態では、第1の厚さttは、第2の厚さtcより少なくとも1%小さい。1又は複数の実施形態では、第1の厚さttは、第2の厚さtcより1%から50%薄い範囲にある。
【0043】
[0083]
図12A及び
図12Bを参照すると、工程28において、メモリホールチャネル116内にトランジスタ層136が形成される。トランジスタ層136は、当業者に公知の任意の適切な技術によって形成され得る。幾つかの実施形態では、トランジスタ層は、共形堆積プロセスによって形成される。幾つかの実施形態では、トランジスタ層は、原子層堆積又は化学気相堆積のうちの1又は複数によって形成される。
【0044】
[0084]1又は複数の実施形態では、トランジスタ層136の堆積は、実質的に共形である。本明細書で使用する「実質的に共形」である層は、厚さが全体的にほぼ同じである層を指す(例えば、側壁の上部、中央部、及び底部、ならびにメモリホールチャネル116の底部)。実質的に共形である層の厚さのばらつきは、約5%以下、2%以下、1%以下又は0.5%以下である。メモリホール内のトランジスタ層136は、酸化アルミニウム(AlO)層、ブロッキング酸化物層、トラップ層、トンネル酸化物層、及びチャネル層のうちの1又は複数を含み得る。
【0045】
[0085]
図12Aの領域120の拡大図である
図12Bを参照すると、1又は複数の実施形態では、トランジスタ層136は、メモリホールチャネル116内のブロッキング酸化物層122、窒化物トラップ層124、トンネル酸化物層136a、チャネル材料136b、及びコア酸化物材料136cを含む。1又は複数の実施形態では、チャネル材料136bはポリシリコンを含む。
【0046】
[0086]トランジスタ層136は、例えば、メモリホールチャネル116の寸法に応じて、任意の適切な厚さを有し得る。幾つかの実施形態では、トランジスタ層136は、約0.5nmから約50nmの範囲、又は約0.75nmから約35nmの範囲、又は約1nmから約20nmの範囲の厚さを有する。
【0047】
[0087]
図13は、ビットラインパッド138がトランジスタ層136の上面及びマスク層137に形成される方法10の工程30を示す図である。1又は複数の実施形態では、コア酸化物136cが凹設され、次に、凹部領域がドープされたポリシリコンで充填されてビットラインパッド138が形成される。ビットラインパッド138は、ポリシリコンを含むがこれに限定されない、当業者に公知の任意の適切な材料であってよい。
【0048】
[0088]
図14を参照すると、方法10の工程32において、メモリスタック130は、層140の上面から共通ソースライン103の犠牲層106まで延在するスリットパターン開口部142を形成するために、スリットパターンが形成される。
【0049】
[0089]
図15及び
図16を参照すると、方法10の工程34において、開口部144を形成するために、共通ソースライン103の犠牲層106が除去され、ポリシリコン層146に置き換えられる。犠牲層106は、選択的エッチング、熱リン酸等を含むがこれらに限定されない、当業者に公知の任意の適切な技術によって除去することができる。ポリシリコン層186はドープされていてよい、又はドープされていなくてよい。
【0050】
[0090]
図17は、開口部148を形成するために第2の層110が除去される工程36、モールドプルバックを示す図である。第2の層110は、当業者に公知の任意の適切な手段によって除去することができる。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、選択的エッチング、例えば、選択的湿式エッチング又は選択的乾式エッチングによって除去される。第2の層110の除去により開口部148が形成される。
【0051】
[0091]
図18は、ワードライン150が形成される方法10の工程38を示す図である。ワードライン150は、酸化物層150a、バリア層150b、及びワードライン金属150cのうちの1又は複数を含む。酸化物層150aは、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、酸化物層150aは酸化アルミニウム層である。バリア層150bは、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、バリア層150bは、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン金属150cは、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含むバルク金属を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン金属150cは、タングステン(W)を含む。他の実施形態では、ワードライン金属150cは、ルテニウム(Ru)を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン150は、金属、金属窒化物、導電性金属化合物、及び半導体材料のうちの1又は複数を含む。金属は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、又はチタン(Ti)のうちの1又は複数から選択され得る。金属窒化物は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、及び窒化ジルコニウム(ZrN)のうちの1又は複数から選択され得る。導電性金属化合物は、酸化タングステン(WOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、及び酸化イリジウム(IrOx)のうちの1又は複数から選択され得る。半導体材料は、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、及びゲルマニウム(Ge)のうちの1又は複数から選択され得る。
【0052】
[0092]
図19は、スリット142がスペーサ材料152及び充填材料154のうちの1又は複数で充填される、方法10の工程40を示す図である。スペーサ材料152は、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、スペーサ材料152は酸化ケイ素(SiO
x)を含む。絶縁体材料154は、当業者に公知の任意の適切な材料であってよい。1又は複数の実施形態では、充填材料154はポリシリコンを含む。ポリシリコンはドープされていてよい、又はドープされていなくてよい。1又は複数の実施形態では、ポリシリコンはN
+ドープポリシリコンである。
【0053】
[0093]
図20は、充填されたスリットの上面に形成されたキャップを示す図である。1又は複数の実施形態では、キャップは、バリア層156及び金属層158を含む。バリア層156は、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、バリア層156は、窒化チタン(TiN)を含む。金属層158は、当業者に公知の任意の適切な金属を含み得る。幾つかの実施形態では、金属158はタングステン(W)を含む。
【0054】
[0094]
図21A及び
図21Bは、ビットラインパッドスタッド162及びワードライン(W/L)コンタクト160が形成される工程42及び工程44を示す図である。ビットラインスタッド162は、当業者に公知の任意の適切な手段によって形成することができる。
【0055】
[0095]ワードラインコンタクト160は、メモリスタック130を貫通してワードライン150のうちの1つにおいて終端するのに十分な距離を延在する。1又は複数の実施形態では、ワードラインコンタクト160は、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、ワードラインコンタクト160は、金属、金属シリサイド、ポリシリコン、アモルファスシリコン、又はEPIシリコンのうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ワードラインコンタクト160は、接触抵抗を低減するために、N型ドーパント又はP型ドーパントのいずれかによってドープされる。1又は複数の実施形態では、ワードラインコンタクト160の金属は、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タンタル(Ta)、又は白金(Pt)のうちの1又は複数から選択される。
【0056】
[0096]
図22は、メモリデバイスを形成するための例示的な代替方法11を示すフロー図である。当業者は、方法11が図示したプロセスのいずれか又はすべてを含み得ることを認識するであろう。更に、個々のプロセスの順序は、幾つかの部分について変えることができる。方法11は、本開示から逸脱することなく、列挙したプロセスのいずれかから開始することができる。
図22を参照すると、工程12において、メモリスタックが形成される。工程14において、メモリスタック内にワードライン階段が形成される。工程16において、メモリホールがパターニングされる。工程18において、窒化物層が凹設される。工程20において、凹部内にブロッキング酸化物が形成される。工程22において、電荷トラップ層が堆積され、続いて犠牲層が堆積される。工程24において、犠牲層が部分的に除去される。工程26において、電荷トラップ層がマスク解除され、犠牲層が除去される。工程28において、メモリホール内にトランジスタ層が堆積される。工程30において、ビットラインパッドが形成される。工程32において、デバイスにスリットパターンが形成される。工程34において、共通ソースラインの犠牲層が除去され、置き換えられる。工程36において、メモリスタックの窒化物層が除去される(モールドプルバック)。工程37Aにおいて、ブロッキング酸化物が除去される。工程37Bにおいて、電荷トラップ層の一部が酸化される。その後、方法11は
図1の方法10と同じ方法で継続する。工程38において、ワードラインが形成される。工程40において、スリットが誘電体材料で充填される。工程42において、ビットラインパッドスタッドが形成される。工程44において、バックエンド(BEOL)コンタクトが形成される。
【0057】
[0097]
図23A~
図26Bは、代替方法11を示す図である。
図22を参照すると、工程12から工程36は、上述した方法10の工程と同一である。
【0058】
[0098]
図23A及び
図23Bは、開口部148を形成するために第2の層110が除去されるモールドプルバック工程36後のデバイス100を示している。第2の層110は、当業者に公知の任意の適切な手段によって除去することができる。1又は複数の実施形態では、第2の層110は、選択的エッチング、例えば、選択的湿式エッチング又は選択的乾式エッチングによって除去される。第2の層110の除去により開口部148が形成される。
【0059】
[0099]
図24A及び
図24Bを参照すると、工程37Aにおいて、ブロッキング酸化物122が開口部148を通して除去される。ブロッキング酸化物122は、当業者に公知の任意の適切な手段によって除去することができる。
【0060】
[00100]
図25A及び
図25Bは、電荷トラップ層124の一部が酸化されて酸化物層182が形成される、方法11の工程37Bを示している。電荷トラップ層124は、当業者に公知の任意の手段によって部分的に酸化させることができる。1又は複数の実施形態では、酸化物層182は、酸窒化ケイ素(SiON)又は酸化ケイ素(SiO
x)のうちの1又は複数を含む。
【0061】
[00101]
図26A及び
図26Bは、ワードライン150が形成される方法11の工程38を示している。ワードライン150は、酸化物層150a、バリア層150b、及びワードライン金属150cのうちの1又は複数を含む。酸化物層150aは、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、酸化物層150aは酸化アルミニウム層である。バリア層150bは、当業者に公知の任意の適切な材料を含み得る。1又は複数の実施形態では、バリア層150bは、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のうちの1又は複数を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン金属150cは、銅(Cu)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、又はロジウム(Rh)のうちの1又は複数を含むバルク金属を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン金属150cは、タングステン(W)を含む。他の実施形態では、ワードライン金属150cは、ルテニウム(Ru)を含む。1又は複数の実施形態では、ワードライン150は、金属、金属窒化物、導電性金属化合物、及び半導体材料のうちの1又は複数を含む。金属は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、又はチタン(Ti)のうちの1又は複数から選択され得る。金属窒化物は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化モリブデン(MoN)、及び窒化ジルコニウム(ZrN)のうちの1又は複数から選択され得る。導電性金属化合物は、酸化タングステン(WOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、及び酸化イリジウム(IrOx)のうちの1又は複数から選択され得る。半導体材料は、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、及びゲルマニウム(Ge)のうちの1又は複数から選択され得る。
【0062】
[00102]次いで、方法11は、
図1及び
図19~
図21Bの方法10に関して上述したのと同じ方法で進む。工程40において、スリット142が充填される。工程42において、ビットラインパッドスタッドが形成される。工程44において、バックエンド(BEOL)コンタクトが形成される。
【0063】
[00103]他の実施形態では、半導体デバイスの形成方法が提供される。本方法は、基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成することを含み得る。第2の材料は、メモリホールを通して凹設され、凹部領域が形成される。メモリホールに隣接する第2の材料の一部が酸化され、ブロッキング酸化物層が形成される。電荷トラップ層がブロッキング酸化物層上に堆積される。犠牲層が電荷トラップ層上に共形堆積される。電荷トラップ層が犠牲層から選択的に除去され、次いで犠牲層が除去される。メモリホール内にビットラインが形成される。その後、メモリデバイスにスリットパターンが形成され、複数のワードラインが形成される。その後、スリットが充填される。
【0064】
[00104]本開示の追加の実施形態は、
図27に示すように、記載のメモリデバイス及び方法を形成するための処理ツール900を対象とする。
【0065】
[00105]クラスタツール900は、複数の側面を有する少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。ロボット925、935が、中央移送ステーション921、931内に位置決めされ、ロボットブレード及びウエハを複数の側面の各々に移動させるように構成されている。
【0066】
[00106]クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を備える。様々な処理チャンバは、隣接する処理ステーションから分離された別個の処理領域を提供する。処理チャンバは、前洗浄チャンバ、バッファチャンバ、移送スペース、ウエハオリエンタ/ガス抜きチャンバ、極低温冷却チャンバ、堆積チャンバ、アニールチャンバ、エッチングチャンバ、選択酸化チャンバ、酸化物層薄化チャンバ、又はワードライン堆積チャンバを含むが、これらに限定されない任意の適切なチャンバであってよい。プロセスチャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変えることができ、本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0067】
[00107]幾つかの実施形態では、クラスタツール900は、ドレイン用選択ゲート(SGD)パターニングチャンバを含む。幾つかの実施形態のドレイン用選択ゲート(SGD)パターニングチャンバは、1又は複数の選択エッチングチャンバを備える。
【0068】
[00108]
図27に示す実施形態では、ファクトリインターフェース950がクラスタツール900の前部に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前部951にローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954を左側に、アンローディングチャンバ956は右側に図示したが、当業者であれば、これは1つの可能な構成を表すものに過ぎないことを理解するであろう。
【0069】
[00109]ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900で処理される基板に応じて変えることができる。図示の実施形態では、ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956は、カセット内に位置決めされた複数のウエハを有するウエハカセットを保持する大きさである。
【0070】
[00110]ファクトリインターフェース950内にロボット952があり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動し得る。ロボット952は、ローディングチャンバ954のカセットからファクトリインターフェース950を通じてロードロックチャンバ960にウエハを移送することができる。また、ロボット952は、ロードロックチャンバ962からファクトリインターフェース950を通じてアンローディングチャンバ956のカセットにウエハを移送することができる。当業者に理解されるように、ファクトリインターフェース950は複数のロボット952を有していてよい。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロック962とアンローディングチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットを有していてよい。
【0071】
[00111]図示のクラスタツール900は、第1のセクション920及び第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を通してファクトリインターフェース950に接続されている。第1のセクション920は、その中に位置決めされた少なくとも1つのロボット925を有する第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925はロボット式ウエハ移送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、プロセスチャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に位置している。幾つかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。幾つかの実施形態では、第1の移送チャンバ921は、複数のロボット式ウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成されている。個々のウエハは、第1のロボット機構の遠位端に位置するウエハ移送ブレード上で運ばれる。
【0072】
[00112]第1のセクション920でウエハを処理した後、ウエハは、パススルーチャンバを通して第2のセクション930に送られ得る。例えば、チャンバ922、924は、一方向又は双方向のパススルーチャンバであってよい。パススルーチャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930で処理する前にウエハを極低温冷却するため、又は第1のセクション920に戻す前にウエハ冷却又は後処理を可能にするために使用され得る。
【0073】
[00113]システムコントローラ990が、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信する。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であってよい。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路、及びストレージを含むコンピュータであってよい。
【0074】
[00114]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリに記憶され得る。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって記憶及び/又は実行され得る。本開示の方法の一部又は全部はまた、ハードウェアにおいて実行され得る。このように、プロセスは、ソフトウェアにおいて実装され、コンピュータシステムを使用して実行され得る、あるいはハードウェアにおいて、例えば、特定用途向け集積回路又は他の種類のハードウェア実装態様として、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせとして実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバの動作を制御する特定目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0075】
[00115]1又は複数の実施形態では、処理ツールは、ウエハを移動させるように構成されたロボットを含む中央移送ステーションと、複数のプロセスステーションであって、各プロセスステーションは、中央移送ステーションに接続され、隣接するプロセスステーションの処理領域から分離された処理領域を提供し、複数のプロセスステーションは、ドレイン用選択ゲート(SGD)パターニングチャンバを含む、複数のプロセスステーションと、中央移送ステーション及び複数のプロセスステーションに接続されたコントローラであって、ウエハをプロセスステーション間で移動させるためにロボットを起動し、プロセスステーションの各々で行われるプロセスを制御するように構成されたコントローラとを備える。
【0076】
[00116]1又は複数の実施形態は、処理チャンバのコントローラによって実行されると、処理チャンバに、基板上の第1の材料と第2の材料の交互の層を含むメモリスタック内にメモリホールを形成し、第1の凹部領域を形成するために、メモリホールを通して第2の材料を凹設し、ブロッキング酸化物層を形成するために、メモリホールに隣接する第2の材料の一部を酸化させ、ブロッキング酸化物層上に電荷トラップ層を堆積させ、電荷トラップ層上に犠牲層を共形堆積させ、犠牲層から電荷トラップ層を選択的に除去し、犠牲層を除去し、メモリホール内にビットラインを形成し、スリットをパターニングし、複数のワードラインを形成し、スリットを充填する工程を実行させる命令を含む、非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0077】
[00117]本明細書に記載の材料及び方法を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)での「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の指示対象の使用は、本書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の記載がない限り、範囲内にある各個別の値を個別に参照する簡略化された方法として役立つことを単に意図するものであり、各個別の値は、本明細書に値が個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の記載がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書で提供するいずれかの及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に材料及び方法をよりよく明らかにすることを意図しており、別段の請求がない限り、範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、特許請求の範囲にないいずれかの要素を、開示された材料及び方法の実施に不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
【0078】
[00118]本明細書全体で言及する、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「実施形態」は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造、材料、又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な箇所における「1又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」、又は「実施形態では」等の句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1又は複数の実施形態では任意の適切な方法で組み合わせることが可能である。
【0079】
[00119]本明細書の開示を、特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は、本開示の原理及び適用の単なる例示であることを理解されたい。当業者には、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に様々な修正及び変更を加えることができることが明らかとなる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある修正及び変更を含むものとする。
【国際調査報告】