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特表2024-541441コーティング厚さ測定装置、及びこれを含むコーティング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】コーティング厚さ測定装置、及びこれを含むコーティング装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20241031BHJP
   B05C 11/00 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
G01B11/06 101Z
B05C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529826
(86)(22)【出願日】2023-04-25
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 KR2023005631
(87)【国際公開番号】W WO2023211125
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0053733
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050350
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ド-ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン-ホン・イ
【テーマコード(参考)】
2F065
4F042
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065AA48
2F065BB06
2F065BB16
2F065CC31
2F065DD03
2F065EE06
2F065FF41
2F065FF67
2F065GG04
2F065HH04
2F065MM02
2F065PP16
2F065QQ16
4F042AA22
4F042AB00
4F042BA25
4F042DH09
(57)【要約】
本発明の一態様によるコーティング厚さ測定装置は、コーティングロールに巻回されて供給される基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されたコーティング厚さ測定装置であって、コーティング厚さ測定装置は、コーティング厚さ測定モジュールを含み、コーティング厚さ測定モジュールは、基材のコーティングロールに巻回された部分に塗布されたコーティング物質の表面に光を印加するように構成された光印加部と、コーティング物質の表面から反射された光を取得するように構成された光取得部と、取得された光に基づいてコーティング物質の厚さを演算するように構成されたプロセッサと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングロールに巻回されて供給される基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されたコーティング厚さ測定装置であって、
前記コーティング厚さ測定装置は、コーティング厚さ測定モジュールを含み、
前記コーティング厚さ測定モジュールは、
前記コーティングロールに巻回された前記基材の部分に塗布されたコーティング物質の表面に光を印加するように構成された光印加部と、
前記コーティング物質の表面から反射された光を取得するように構成された光取得部と、
取得された前記光に基づいて前記コーティング物質の厚さを演算するように構成されたプロセッサと、を含む、コーティング厚さ測定装置。
【請求項2】
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記コーティングロールに巻回された前記基材の部分に光を印加するように、前記コーティングロールの3軸方向に移動するように構成されている、請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項3】
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記コーティングロールの外面に接触した前記基材の部分に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されている、請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項4】
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記コーティングロールに巻回された前記基材の部分のうち、前記基材と前記コーティングロールとの接触が維持される端部分に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されている、請求項3に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項5】
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材と前記コーティングロールとの接触が維持される端部分を通過する前記コーティングロールの中心線上に位置する状態でコーティング物質の厚さを測定するように構成されている、請求項4に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項6】
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記コーティングロールの長手方向に複数配置され、複数のコーティング厚さ測定モジュール同士の間の間隔は互いに調節可能に構成されている、請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項7】
前記コーティングロールに対して前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された位置移動モジュールをさらに含む請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項8】
前記位置移動モジュールは、前記基材にコーティング物質を塗布するコーティング物質塗布装置に結合され、
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記位置移動モジュールに備えられ、前記コーティングロールに巻回された前記基材の部分に移動するように構成されている、請求項7に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項9】
前記位置移動モジュールは、
前記コーティングロールの長手方向に前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された第1位置移動部と、
前記コーティングロールの長手方向への前記第1位置移動部の移動をガイドするように構成されたガイド部と、をさらに含む、請求項7に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項10】
前記ガイド部は、前記基材にコーティング物質を塗布するコーティング物質塗布装置に結合する、請求項9に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項11】
前記位置移動モジュールは、
前記第1位置移動部の一側に結合され、前記コーティングロールの長手方向と交差する前記コーティングロールの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された第2位置移動部をさらに含み、
前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記第2位置移動部によって移動した位置で、前記基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されている、請求項9に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項12】
前記位置移動モジュールは、
前記コーティング厚さ測定モジュールを時計回り又は反時計回りに回転させる回転駆動部をさらに含む、請求項11に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項13】
前記コーティング厚さ測定装置は、
前記基材が巻回された前記コーティングロールの位置で、前記コーティングロールの温度変化を測定するように構成された温度測定モジュールをさらに含む、請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項14】
前記コーティング厚さ測定装置は、
前記コーティングロールと隣接する前記コーティング物質塗布装置の端部に結合され、前記コーティングロールの1回転を検出するように構成されたコーティングロール回転検出モジュールと、
前記コーティングロールの真円度を測定するように構成された振動測定モジュールと、をさらに含む、請求項8に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記コーティング厚さ測定装置から取得された測定データを用いて前記基材に塗布されたコーティング物質の厚さを補正するように構成されている、請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のコーティング厚さ測定装置と、
コーティングロールに巻回されて供給される基材にコーティング物質を塗布するように構成されたコーティング物質塗布装置と、を含むコーティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング厚さ測定装置、及びこれを含むコーティング装置に関し、より詳しくは、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを正確に測定できるコーティング厚さ測定装置、及びこれを含むコーティング装置に関する。
【0002】
本出願は、2022年04月29日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0053733号、及び2023年04月17日付け出願の韓国特許出願第10-2023-0050350号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加することにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、このような二次電池は、発電要素である電極組立体を必須に含んでいる。
【0004】
このような電極組立体は、まず電極活物質コーティング物質を正極集電体と負極集電体に塗布して正極と負極を製造し、これを分離膜の両側に積層することで所定の形状に形成され得る。また、上述した二次電池は、電池ケースに前記電極組立体を収納し、電解質を注入した後にシールすることで形成され得る。
【0005】
一方、上述した電極組立体を構成する分離膜は、基材の片面又は両面に高分子バインダー、分散剤、耐熱フィラーなどが混合したコーティング物質が塗布されることで形成され得る。
【0006】
従来の分離膜コーティング装置の場合、コーティング物質が吐出されるスロットダイ及びコーティングロールを含んで構成され、コーティングロールを回転させることで基材の片面又は両面にコーティング物質をコーティングさせた後、前記コーティング物質がコーティングされた基材を乾燥させる。
【0007】
このような従来の分離膜コーティング装置の場合、1つのコーティングロールと他のコーティングロール(例:ガイドロール)との間を通過する基材の表面の上下部に変位センサが位置し、基材に塗布されたコーティング物質のコーティング厚さを測定するか、若しくは上部又は下部にのみ変位センサが位置し、基材に塗布されたコーティング物質のコーティング厚さを測定するように構成されている。
【0008】
しかしながら、従来の分離膜コーティング装置の場合、装置で発生する振動及びコーティング物質の温度などによるノイズの発生により、基材に塗布されたコーティング物質のコーティング厚さの正確な測定が困難であるという問題がある。
【0009】
また、従来の分離膜コーティング装置の場合、同位元素源(source)を用いた基材透過型方式であり、コーティング前の基材の厚さを測定し、基材にコーティング物質をコーティングした後、コーティング物質がコーティングされた基材を乾燥して基材の乾燥密度(dry density)を測定する。この場合、基材の乾燥密度の測定値を用いてコーティング物質がコーティングされた基材の厚さを推正するため、実際のコーティング厚さの正確な測定が困難であるという問題がある。
【0010】
また、従来の分離膜コーティング装置の場合、基材の長手方向(コーティング進行方向)と垂直な基材の幅方向(TD:Transverse Direction)に変位センサのスキャンが行われ、変位センサのスキャンによるデータ値を合算した平均値を用いるため、多くの測定データが必要であり、実際のコーティング厚さの正確な測定が困難であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを正確に測定できるコーティング厚さ測定装置、及びこれを含むコーティング装置を提供することをその目的とする。
【0012】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者であれば明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるコーティング厚さ測定装置は、コーティングロールに巻回されて供給される基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されたコーティング厚さ測定装置であって、前記コーティング厚さ測定装置は、コーティング厚さ測定モジュールを含み、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材の前記コーティングロールに巻回された部分に塗布されたコーティング物質の表面に光を印加するように構成された光印加部と、前記コーティング物質の表面から反射された光を取得するように構成された光取得部と、前記取得された光に基づいて前記コーティング物質の厚さを演算するように構成されたプロセッサと、を含むことができる。
【0014】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材の前記コーティングロールに巻回された部分に光を印加するように、前記コーティングロールの3軸方向に移動するように構成され得る。
【0015】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材の前記コーティングロールの外面に接触した部分に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成され得る。
【0016】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材の前記コーティングロールに巻回された部分のうち、前記基材と前記コーティングロールとの接触が維持される端部分に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成され得る。
【0017】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記基材と前記コーティングロールとの接触が維持される端部分を通過する前記コーティングロールの中心線上に位置する状態でコーティング物質の厚さを測定するように構成され得る。
【0018】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記コーティングロールの長手方向に複数配置され、複数のコーティング厚さ測定モジュール同士の間の間隔は互いに調節可能に構成され得る。
【0019】
望ましくは、前記コーティングロールに対して前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された位置移動モジュールをさらに含むことができる。
【0020】
望ましくは、前記位置移動モジュールは、前記基材にコーティング物質を塗布するコーティング物質塗布装置に結合され、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記位置移動モジュールに備えられ、前記基材の前記コーティングロールに巻回された部分に移動するように構成され得る。
【0021】
望ましくは、前記位置移動モジュールは、前記コーティングロールの長手方向に前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された第1位置移動部と、前記コーティングロールの長手方向への前記第1位置移動部の移動をガイドするように構成されたガイド部と、をさらに含むことができる。
【0022】
望ましくは、前記ガイド部は、前記基材にコーティング物質を塗布するコーティング物質塗布装置に結合することができる。
【0023】
望ましくは、前記位置移動モジュールは、前記第1位置移動部の一側に結合され、前記コーティングロールの長手方向と交差する前記コーティングロールの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に前記コーティング厚さ測定モジュールを移動させるように構成された第2位置移動部をさらに含み、前記コーティング厚さ測定モジュールは、前記第2位置移動部によって移動した位置で、前記基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成され得る。
【0024】
望ましくは、前記位置移動モジュールは、前記コーティング厚さ測定モジュールを時計回り又は反時計回りに回転させる回転駆動部をさらに含むことができる。
【0025】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定装置は、前記基材が巻回された前記コーティングロールの位置で、前記コーティングロールの温度変化を測定するように構成された温度測定モジュールをさらに含むことができる。
【0026】
望ましくは、前記コーティング厚さ測定装置は、前記コーティングロールと隣接する前記コーティング物質塗布装置の端部に結合され、前記コーティングロールの1回転を検出するように構成されたコーティングロール回転検出モジュールと、前記コーティングロールの真円度を測定するように構成された振動測定モジュールと、をさらに含むことができる。
【0027】
望ましくは、前記プロセッサは、前記コーティング厚さ測定装置から取得された測定データを用いて前記基材に塗布されたコーティング物質の厚さを補正するように構成され得る。
【0028】
また、本発明の他の態様によるコーティング装置は、上述したようなコーティング厚さ測定装置、及びコーティングロールに巻回されて供給される基材にコーティング物質を塗布するように構成されたコーティング物質塗布装置を含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一態様によると、コーティング物質の厚さを測定する際に基材の揺れによる影響を最小化することで、基材に塗布されたコーティング物質の厚さ測定精度を高めることができる。
【0030】
さらに、本発明の種々の実施形態によって、他の様々な追加の効果を達成することができる。このような本発明の様々な効果については各実施形態で詳しく説明するか、当業者が容易に理解できる効果についてはその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係るコーティング装置の全体的な形状を示す図である。
図2図1のコーティング装置に備えられたコーティング厚さ測定装置を正面で示す図である。
図3図1に示されたコーティング厚さ測定装置を側面で示す図である。
図4図1に示されたコーティング厚さ測定装置の一部を上側で示す図である。
図5図1に示されたコーティング厚さ測定モジュールがコーティングロールに対して移動する状態を示す図である。
図6図1に示されたコーティング厚さ測定モジュールがコーティングロールに対して移動する状態を示す図である。
図7図1に示されたコーティング厚さモジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図8図1に示されたコーティング厚さモジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図9図1に示されたコーティング厚さモジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図10】本発明一実施形態に係る位置移動モジュールの変形例を示す図である。
図11】本発明一実施形態に係る位置移動モジュールの変形例を示す図である。
図12図11に示されたコーティング厚さ測定モジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図13】本発明の他の実施形態に係るコーティング装置の全体的な形状を示す図である。
図14図13のコーティング装置に備えられたコーティング厚さ測定装置を正面で示す図である。
図15図13に示されたコーティング厚さ測定装置を側面で示す図である。
図16図13の示されたコーティング厚さ測定装置の一部を上側で示す図である。
図17図13に示されたコーティング厚さ測定モジュールがコーティングロールに対して移動する状態を示す図である。
図18図13に示されたコーティング厚さ測定モジュールがコーティングロールに対して移動する状態を示す図である。
図19図13に示されたコーティング厚さ測定モジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図20図13に示されたコーティング厚さ測定モジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
図21図13に示されたコーティング厚さ測定モジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0033】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0034】
以下、本明細書で記述する基材Bは、二次電池の分離膜又は電極板(正極板又は負極板)を意味し得る。また、コーティング物質Sは、例えば、前記基材Bが分離膜の場合、前記分離膜の表面にセラミック粒子層を形成するためのセラミック粒子であり、前記基材Bが電極板(正極板又は負極板)である場合、正極活物質スラリー又は負極活物質スラリーを意味し得る。
【0035】
一方、前記基材が必ずしも分離膜又は電極板であるかや、前記コーティング物質が必ずしもセラミック粒子又は電極活物質スラリーであるかに限定される必要はない。すなわち、本発明によるコーティング装置は、二次電池技術分野のみならず、ロールツーロール(roll to roll)工程が適用される様々なコーティング技術分野に汎用的に使用することもできることを予め明らかにしておく。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態に係るコーティング装置1の全体的な形状を示す図であり、図2は、図1のコーティング装置1に備えられたコーティング厚さ測定装置10を正面で示す図であり、図3は、図1に示されたコーティング厚さ測定装置10を側面で示す図であり、図4は、図1に示されたコーティング厚さ測定装置10の一部を上側で示す図である。このとき、図1及び図2において、後述するコーティング物質S及び基材Bの図示は省略する。
【0037】
本発明の実施形態において、図面に示されたX軸方向は左右方向、Y軸方向は、X軸方向と水平面(XY平面)上で垂直な長手方向、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向の両方に垂直な上下方向を意味し得る。
【0038】
図1から図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るコーティング装置1は、コーティング厚さ測定装置10及びコーティング物質塗布装置20を含むことができる。
【0039】
前記コーティング厚さ測定装置10は、コーティング厚さ測定モジュール100を含むことができる。
【0040】
前記コーティング厚さ測定モジュール100は、回転するコーティングロールRに巻回されて供給される基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。また、コーティングロールRは円筒状に形成され得る。ここで、前記コーティング物質Sは、前記コーティング物質塗布装置20から吐出され、前記コーティングロールRに巻回されて移動する前記基材の表面に連続して塗布され得る。
【0041】
前記コーティング厚さ測定モジュール100は、光印加部110、光取得部120及びプロセッサ130(processor)を含むことができる。一例として、コーティング厚さ測定モジュール100は、非接触式のレーザー変位センサであるが、これに限定されない。具体的には、コーティング厚さ測定モジュール100はハウジングHを含み、光印加部110、光取得部120及びプロセッサ130は前記ハウジングHに備えられ得る。
【0042】
前記光印加部110は、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの表面に光(例:レーザー)を印加するように構成され得る。一例として、光印加部110は、ハウジングHの内部に備えられた光源(図示せず)及び/又はこのような光源から生成された光が透過されるように構成された透光レンズを備えることができる。
【0043】
より具体的には、光印加部110は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加するように構成され得る。
【0044】
例えば、図3において、前記基材BのコーティングロールRに巻回された部分は、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準にコーティングロールRの左側に位置する基材Bの部分を意味し得る。
【0045】
前記光取得部120は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に塗布されたコーティング物質Sの表面から反射された光を取得するように構成され得る。一例として、光取得部120は、反射した光を収集するように構成された受光レンズ及び/又は受光素子を備えることができる。この場合、コーティング物質Sの表面から反射して受光レンズを介して取得された光は、ハウジングHの内部の受光素子(図示せず、例:CMOS)に当たることができる。
【0046】
前記プロセッサ130は、光取得部120によって取得された光に基づいてコーティング物質Sの厚さを演算するように構成され得る。
【0047】
例示として、このようなプロセッサ130は、前記受光素子に当たった光の振幅比又は位相差に対する波長ドメインスペクトルを取得し、これに対して高速フーリエ変換(fast fourier transform)を行うことで、コーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0048】
従来のコーティング厚さ測定装置の場合、基材が巻回されて供給されるコーティングロールに加え、基材のコーティング進行方向への移動をガイドするガイドロール(図示せず)をさらに備える。従来の前記コーティング厚さ測定装置の場合、コーティングロールとガイドロールとの間で空中に浮かんで移動する基材部分を対象として、それにコーティングされたコーティング物質の厚さを測定するが、設備の振動などのその他ノイズ信号によって基材表面に揺れが発生し、正確なコーティング物質の厚さ測定が困難であるという問題があった。
【0049】
また、従来のコーティング厚さ測定装置の場合、コーティング進行方向と垂直な基材の幅方向に変位センサを移動させながらコーティング物質の厚さ測定データを取得するため、変位センサの移動による振動の発生によって正確なコーティング物質の厚さ測定が困難であるという問題があった。
【0050】
一方、本発明のコーティング厚さ測定モジュール100は、厚さ測定対象ポイントの揺れが最小化されたコーティングロールRに巻回された基材Bの部分に塗布されているコーティング物質Sの厚さを測定できるように構成されているため、コーティング物質Sの厚さ測定に対する精度を高めることができる。
【0051】
一方、コーティング物質塗布装置20は、基材Bにコーティング物質Sを塗布することができる。例えば、前記コーティング物質塗布装置20は、スリット形状に形成された吐出口を介してコーティング物質Sを外部に噴出するスロットダイ(slot die)であり得る。このようなコーティング物質塗布装置20は、基材B上にコーティング物質Sを塗布してコーティング層(例:湿式フィルム)を形成することができる。
【0052】
また、前記コーティング物質塗布装置20は、外部に備えられたコーティング物質供給チャンバ(図示せず)に接続し、コーティング物質の供給を受けることができる。
【0053】
図1から図3に示された実施形態において、コーティング物質塗布装置20は、コーティングロールRの側面に隣接して配置され、コーティング物質SをコーティングロールR方向に噴出することができる。例えば、コーティング物質塗布装置20は、前記コーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置し得るが、これに限定されない。
【0054】
図5及び図6は、図1に示されたコーティング厚さ測定装置10がコーティングロールRに対して移動する状態を示す図である。詳しくは、図5は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの長手方向に移動する状態を示す図であり、図6は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの左右方向(±X)及び上下方向(±Z)に移動する状態を示す図である。
【0055】
図1及び図5から図6を参照すると、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に光を印加するように、コーティングロールRに対して3軸方向に移動するように構成され得る。具体的には、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの長手方向(±Y)、左右方向(±X)及び上下方向(±Z)の少なくとも一方向に移動するように構成され得る。
【0056】
このようなコーティング厚さ測定モジュール100は、空中に浮かんで移動する基材Bの部分よりも揺れの少ない、コーティングロールRに巻回されている基材Bのコーティング厚さを測定でき、コーティング物質Sの厚さ測定に対する精度を高めることができる。
【0057】
図7から図9は、図1に示されたコーティング厚さ測定装置10が基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する状態を示す図である。詳しくは、図7は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に右側に位置する状態を示す図であり、図8は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する状態を示す図であり、図9は、コーティング厚さ測定モジュール100が基材BのコーティングロールRの中心線上に位置する部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する状態を示す図である。
【0058】
具体的には、図7から図9を参照すると、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、上述したように、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0059】
例示として、コーティング厚さ測定モジュール100は、図7に示すように、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に右側に位置する状態で、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0060】
或いは、コーティング厚さ測定モジュール100は、図8に示すように、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する状態で、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0061】
このとき、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する基材Bの場合、コーティングロールRの外面に密着して巻回された状態であり得る。より具体的には、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する基材Bは、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準にコーティングロールRの上側端部と下側端部との間でコーティングロールRの外面に密着して接触し得る。
【0062】
この場合、図8に示すように、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BにおいてコーティングロールRの外面に接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。このとき、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティング物質塗布装置20によってコーティング物質Sの塗布が開始される地点からコーティングロールRの上側端部までコーティングロールRの外面に密着して接触した基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0063】
図8において、コーティング厚さ測定モジュール100が厚さを測定するコーティング物質Sが塗布された基材Bの領域は、図8にC1のように示されている。すなわち、図8にC1で示された基材Bの領域は、コーティング物質塗布装置20によってコーティング物質Sの塗布が開始される地点からコーティングロールRの上側端部まで基材BがコーティングロールRの外面に密着して接触した部分であり得る。
【0064】
また、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの全体部分のうち、コーティングロールRの外面に直接接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように、コーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動した状態で位置固定され得る。
【0065】
これによって、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの揺れがより最小化された厚さ測定位置で、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0066】
一方、コーティングロールRが円筒状に構成される場合、基材BがコーティングロールRの外面に接触した場合であっても、コーティングロールRに巻回された基材Bの曲率が大きい位置に対応するコーティング物質Sの表面に前記光印加部110から光が印加される場合、光取得部120によって取得された光の解像度が低くなる場合がある。
【0067】
このために、望ましくは、コーティング厚さ測定モジュール100は、前記基材Bの前記コーティングロールRに巻回された部分のうち、前記基材Bと前記コーティングロールRとの接触が維持される端部分A1のコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0068】
より具体的には、図9の(a)に示すように、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する状態で、前記基材Bと前記コーティングロールRとの接触が維持される端部分A1において、コーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する基材Bの表面に塗布されているコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0069】
このとき、前記光印加部110は、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に左側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する部分A1に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加でき、前記光取得部120は、基材BのコーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する部分A1に塗布されたコーティング物質Sの表面から反射された光を取得することができる。
【0070】
或いは、図9の(b)に示すように、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に右側に位置する状態で、前記基材Bと前記コーティングロールRとの接触が維持される端部分A1において、コーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する基材Bの表面に塗布されているコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0071】
このとき、前記光印加部110は、コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に右側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する部分A1に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加することができる。また、前記光取得部120は、基材BのコーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する部分A1に塗布されたコーティング物質Sの表面から反射された光を取得することができる。
【0072】
このように、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRに巻回された基材Bの曲率が最小である、コーティングロールRの中心線上に位置する基材Bの部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定できるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0073】
上述したように、コーティング厚さ測定モジュール100は、光印加部110によりコーティング物質Sの表面に光を印加し、光取得部120によりコーティング物質Sの表面から反射された光を取得するように構成され得る。したがって、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティング物質Sの表面に印加される光の入射角、及びコーティング物質Sの表面から反射する光の反射角が小さいほど、光取得部120により取得された光の解像度を高めることによって、コーティング物質Sの厚さ測定精度を高めることができる。
【0074】
図9の(c)を参照すると、コーティング厚さ測定モジュール100は、前記基材と前記コーティングロールとの接触が維持される端部分を通過するコーティングロールRの中心線(例:上下方向中心線L1)上に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの中心線上に位置する部分(例:基材BのコーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置する部分A1)に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0075】
この場合、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRに巻回された基材Bの曲率が最小である、コーティングロールRの中心線上に位置する基材Bの部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定できるのみならず、コーティング物質Sの表面に印加される光の入射角、及びコーティング物質Sの表面から反射する光の反射角を最小化できるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0076】
上述したように、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BのコーティングロールRの外面に接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように、コーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動した状態で位置固定され得る。このとき、コーティング厚さ測定モジュール100が複数配置される場合、コーティングロールRの長手方向である基材Bの幅方向に対してコーティング物質Sの厚さを正確に測定することもできる。
【0077】
一実施形態において、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの長手方向に複数配置され得る。
【0078】
このとき、複数のコーティング厚さ測定モジュール100同士の間の間隔は、互いに調節可能に構成され得る。より具体的には、複数のコーティング厚さ測定モジュール100同士の間の間隔は、コーティングロールRの長手方向(Y軸方向)に互いに調節することができる。一例として、複数のコーティング厚さ測定モジュール100同士の間の間隔は、基材Bの幅方向の長さによって互いに調節することができる。
【0079】
本発明のこのような実施形態によれば、基材Bの幅方向(コーティングロールRの長手方向)に対しても、コーティング物質Sの厚さを迅速に測定することができる。また、基材Bの幅方向に対しても、コーティングが均一に行われた否かを測定できるため、コーティング物質Sの厚さ測定精度をより高めることができる。
【0080】
前記コーティング厚さ測定装置10は、位置移動モジュール200をさらに含むことができる。
【0081】
前記位置移動モジュール200は、前記コーティングロールRに対してコーティング厚さ測定モジュール100を移動させるように構成され得る。このとき、位置移動モジュール200は、作業空間の底面に位置することもできる。また、図示されてはいないが、位置移動モジュール200は、コーティングロールRの回転軸に接続されたフレームに備えられるか、又は作業空間の底面に位置する別途の支持構成上に備えられることもある。
【0082】
より具体的には、前記位置移動モジュール200は、複数のアクチュエータを含む構造体であり、コーティング厚さ測定モジュール100をコーティングロールRの長手方向、左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動させるように構成され得る。
【0083】
これによって、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分におけるコーティング物質Sの厚さをより容易に測定することができる。また、位置移動モジュール200によって、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティング物質Sの厚さ測定精度が高い基材Bの地点、及び基材Bに塗布されたコーティング物質Sの様々な地点への移動が可能である。
【0084】
特に、前記位置移動モジュール200は、図1から図3に示すように、基材Bにコーティング物質Sを塗布するコーティング物質塗布装置20に結合し得る。このとき、位置移動モジュール200は、コーティング物質塗布装置20の上部に一体に結合し得る。
【0085】
また、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、位置移動モジュール200に備えられ、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に移動するように構成され得る。
【0086】
このように、コーティングロールRに隣接して配置されたコーティング物質塗布装置20に位置移動モジュール200が結合するため、基材BのコーティングロールRに巻回された部分へのコーティング厚さ測定モジュール100の移動がさらに容易に行われることになる。
【0087】
また、位置移動モジュール200がコーティングロールRにより隣接して位置し得るため、位置移動モジュール200の作動量をより低減することができる。これによって、位置移動モジュール200の作動によって発生した振動によりコーティング物質Sの厚さ測定精度が低くなることを最小化することができる。
【0088】
一実施形態において、前記位置移動モジュール200は、第1位置移動部210及びガイド部220を含むことができる。
【0089】
前記第1位置移動部210は、コーティングロールRの長手方向(±Y)にコーティング厚さ測定モジュール100を移動させるように構成され得る。
【0090】
前記ガイド部220は、コーティングロールRの長手方向への第1位置移動部210の移動をガイドするように構成され得る。一例として、前記ガイド部220は、リニアモーションガイド(linear motion guide)であり、コーティングロールRの長手方向に延びて形成され得る。このとき、前記ガイド部220は、作業空間の底面に位置することもできる。
【0091】
このような実施形態によれば、コーティングロールRの長手方向での位置移動モジュール200の移動がより安定して行われることになる。したがって、位置移動モジュール200の作動によって発生した振動によりコーティング物質Sの厚さ測定精度が低くなることを最小化することができる。また、上述した複数のコーティング厚さ測定モジュール100のコーティングロールRの長手方向での相互間の間隔調節がより安定して行われることになる。
【0092】
特に、前記ガイド部220は、コーティング物質塗布装置20に結合し得る。このとき、ガイド部220は、コーティング物質塗布装置20の上部に一体に結合し得る。
【0093】
このような実施形態によれば、コーティングロールRに隣接して配置されたコーティング物質塗布装置20にガイド部220が結合するため、基材BがコーティングロールRに巻回された部分へのコーティング厚さ測定モジュール100の移動がさらに容易に行われることになる。
【0094】
また、ガイド部220がコーティングロールRにより隣接して位置し得るため、位置移動モジュール200のコーティングロールRの左右方向及び上下方向への作動量をより低減することができる。これによって、位置移動モジュール200の作動によって発生した振動によりコーティング物質Sの厚さ測定精度が低くなることを最小化することができる。
【0095】
一実施形態において、前記位置移動モジュール200は、第2位置移動部230をさらに含むことができる。
【0096】
このような第2位置移動部230は、第1位置移動部210の一側(例:上側)に結合し得る。また、第2位置移動部230は、コーティングロールRの長手方向(±Y)と交差するコーティングロールRの左右方向(±X)及び上下方向(±Z)の少なくとも一方向にコーティング厚さ測定モジュール100を移動させるように構成され得る。
【0097】
より具体的には、第2位置移動部230は、左右方向移動部232、上下方向移動部234及び支持ブラケット236を含むことができる。
【0098】
前記左右方向移動部232は、コーティング厚さ測定モジュール100をコーティングロールRの左右方向に移動させることができる。このとき、左右方向移動部232は、第1位置移動部210の一側(例:上側)に結合し得る。一例として、前記左右方向移動部232は、モータ(図示せず)によって駆動されるアクチュエータであり得る。
【0099】
前記上下方向移動部234は、コーティング厚さ測定モジュール100をコーティングロールRの上下方向に移動させることができる。このとき、上下方向移動部234は、左右方向移動部232の一側(例:上側)に結合し得る。一例として、前記上下方向移動部234は、モータ(図示せず)によって駆動されるアクチュエータであり得る。
【0100】
前記支持ブラケット236は、上下方向移動部234に備えられ、支持ブラケット236には、コーティング厚さ測定モジュール100が備えられ得る。
【0101】
また、コーティング厚さ測定モジュール100は、第2位置移動部230によって移動した位置で、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0102】
すなわち、コーティング厚さ測定モジュール100は、第2位置移動部230によってコーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動し得る。特に、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BのコーティングロールRの巻回された部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように、コーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動した状態で位置固定され得る。
【0103】
このように、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの揺れが最小化された厚さ測定位置に固定された状態でコーティング物質Sの厚さを測定するように構成されるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0104】
図10及び図11は、本発明の位置移動モジュールの変形例を示す図であり、図12は、図11に示されたコーティング厚さ測定モジュールが基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する状態を示す図である。
【0105】
図10及び図11に示す位置移動モジュール200は、上述した実施形態の位置移動モジュールと比較すると、前記コーティング厚さ測定モジュール100を時計回り又は反時計回りに回転させる回転駆動部238をさらに含むことができる。
【0106】
すなわち、上述した実施形態に係る位置移動モジュール200は、コーティング厚さ測定モジュール100をコーティングロールRに対して3軸方向に移動させるように構成されているが、本変形例による位置移動モジュール200は、回転駆動部238をさらに含んでおり、前記コーティング厚さ測定モジュール100を3軸方向に移動させるだけでなく回転させることもできる。したがって、変形例による位置移動モジュール200によると、円筒形状のコーティングロールRに巻回されている基材Bに対して、コーティング厚さ測定モジュール100の測定位置をより効率的かつ正確にセッティングすることができる。
【0107】
前記回転駆動部238は、図10のように、支持ブラケット236に固定結合され、コーティング厚さ測定モジュール100のハウジングHに接続し得る。また、前記回転駆動部238は、例えば、ギアボックス、回転シャフト、ギア、サーボモータ(図示せず)などを含み、前記サーボモータの正逆方向の回転によって前記ハウジングHが正逆方向に回転するように構成され得る。ただし、このような事項に本発明の権利範囲が制限されるべきではない。前記回転駆動部238は、コーティング厚さ測定モジュールを正逆方向に回転させることができる機械的メカニズムを有する構成であればどのようなものでも適用することができる。
【0108】
前記回転駆動部238を含む位置移動モジュール200によると、コーティングロールRの外面に直接接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する場合、コーティング厚さ測定モジュール100の角度を調節でき、コーティング物質Sの表面に印加される光の入射角及びコーティング物質Sの表面から反射する光の反射角を最小化できるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0109】
詳しく説明すると、図6におけるコーティング前の基材の供給方向D1とコーティング後の基材の移送方向D2は、コーティングロールRとガイドロール(図示せず)との相対的関係の位置によって、図10に「D3」及び「D4」と表示したようにいくらでも変更し得る。
【0110】
この場合、コーティング厚さ測定モジュール100が厚さを測定するコーティング物質Sが塗布された基材Bの領域は、図10でC1’のように示され得る。このとき、基材BとコーティングロールRとの接触が維持される端部分A1’は、前記コーティングロールRの上下方向中心線L1を基準に所定角度(θ)だけ反時計回りに戻った地点である。
【0111】
ところで、上記のような場合、上述した実施形態に係るコーティング厚さ測定モジュール100は、常に下部方向に向かっているため、厚さ測定ポイントA1’と対向する方向で正確に光を印加しにくい。しかしながら、本変形例よると、コーティング厚さ測定モジュール100が図10のような状態で、回転駆動部238が作動することで、図11のように、所定角度(θ)だけ時計回りに回転することができる。また、図12のように、光印加部110によりコーティング物質Sの厚さ測定ポイントA1’に光を印加し、光取得部120によりコーティング物質Sの厚さ測定ポイントA1’から反射された光を取得することができる。これによって、本変形例よると、コーティングロールRに巻回された基材Bの部分にコーティングされたコーティング物質Sに対して、厚さ測定をより正確に行うことができる。
【0112】
一方、上述したコーティングロールRは、基材Bにコーティング物質Sが均一に塗布されるようにコーティングロールRの外面を加熱する加熱部材(図示せず)を備えることができる。このような加熱部材によってコーティングロールRの外面の温度が変わる場合、コーティング物質Sの厚さ測定値に誤差が発生する可能性がある。
【0113】
図4を再び参照すると、前記コーティング厚さ測定装置10は、温度測定モジュール300をさらに含むことができる。
【0114】
前記温度測定モジュール300は、基材Bが巻回されたコーティングロールRの位置で、コーティングロールRの温度変化を測定するように構成され得る。一例として、温度測定モジュール300は赤外線温度センサであり、上述した支持ブラケット236に備えられ得る。
【0115】
具体的には、温度測定モジュール300は、支持ブラケット236に備えられることで、コーティング厚さ測定モジュール100が厚さを測定するコーティング物質Sの位置と同一位置に該当する領域のコーティングロールRの温度変化値を測定することができる。また、温度測定モジュール300は、コーティング厚さ測定モジュール100が基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する場合、これと同時にコーティングロールRの温度変化値を測定することができる。
【0116】
上述したプロセッサ130は、温度測定モジュール300によって測定されたコーティングロールRの温度変化値を用いて、コーティング厚さ測定モジュール100によって測定されたコーティング物質Sの厚さ値を補正することができる。
【0117】
本発明のこのような実施形態によれば、コーティング厚さ測定モジュール100によりコーティング物質Sの厚さを測定すると同時に、コーティング厚さ測定モジュール100により厚さが測定されたコーティング物質Sの位置と同一位置に該当する領域のコーティングロールRの温度変化を測定できるため、コーティング物質Sの厚さをリアルタイムで測定して補正することができる。
【0118】
特に、温度測定モジュール300は、コーティング厚さ測定モジュール100が備えられた支持ブラケット236に備えられ得るため、コーティング厚さ測定モジュール100と温度測定モジュール300が隣接して備えられ、コーティング物質Sの厚さのリアルタイム測定及び補正が容易に行われることになる。
【0119】
また、温度測定モジュール300は、支持ブラケット236に配置されるため、振動による影響が最小化され、コーティングロールRの温度変化をより安定して測定することができる。
【0120】
図1から図6を再び参照すると、前記コーティング厚さ測定装置10は、コーティングロール回転検出モジュール400及び振動測定モジュール500をさらに含むことができる。
【0121】
このような前記コーティングロール回転検出モジュール400及び振動測定モジュール500は、コーティング物質塗布装置20に備えられ得る。
【0122】
前記コーティングロール回転検出モジュール400は、コーティング物質塗布装置20のコーティングロールRと隣接する端部に結合され、コーティングロールRの1回転を検出するように構成され得る。一例として、コーティングロール回転検出モジュール400は、ロータリーエンコーダである。例示として、このようなコーティングロール回転検出モジュール400は、コーティングロールRの回転方向、回転速度などに基づいて、コーティングロールRの1回転を検出することができる。
【0123】
前記振動測定モジュール500は、コーティングロールRの真円度を測定するように構成され得る。一例として、振動測定モジュール500は、振動感知センサである。例示として、このような振動測定モジュール500は、コーティングロールRの固有振動周波数を測定することができる。
【0124】
例示として、上述したプロセッサ130は、コーティングロール回転検出モジュール400によって検出されたコーティングロールRの1回転を等分して複数のメモリ区間が形成された仮想メモリゾーンを生成することができる。このとき、前記プロセッサ130は、前記仮想メモリゾーンに、測定されたコーティングロールRの真円度値を格納することができる。すなわち、プロセッサ130は、コーティングロールRの1回転が等分された複数のメモリ区間ごとに、該当位置に対応するコーティングロールRの真円度値を格納することができる。
【0125】
また、プロセッサ130は、仮想メモリゾーンに格納されたコーティングロールRの真円度値を用いて、コーティング厚さ測定モジュール100によって測定されたコーティング物質Sの厚さ値を補正することができる。
【0126】
本発明のこのような実施形態によれば、コーティングロール回転検出モジュール400がコーティング物質塗布装置20の端部に結合されるため、コーティングロールRの1回転を正確に検出でき、振動測定モジュール500がコーティング物質塗布装置20に備えられるため、コーティングロールRの真円度を正確に測定することができる。これによって、コーティング物質Sの厚さの補正をより正確に行うことができる。
【0127】
図1から図6を再び参照すると、前記コーティング厚さ測定装置10は、コーティング感知モジュール600をさらに含むことができる。
【0128】
前記コーティング感知モジュール600は、基材Bにコーティング物質Sが塗布されたか否かを感知するように構成され得る。一例として、コーティング感知モジュール600は光電センサであり、上述した支持ブラケット236に備えられ得る。
【0129】
すなわち、コーティング感知モジュール600は、支持ブラケット236に配置されるため、振動による影響が最小化され、基材Bにコーティング物質Sが塗布されたか否かをより安定して測定することができる。
【0130】
前記位置移動モジュール200は、コーティング感知モジュール600により基材Bへのコーティング物質Sの塗布を感知することによって、コーティング厚さ測定モジュール100の位置を制御するように構成され得る。すなわち、本発明の実施形態によれば、コーティング感知モジュール600により基材Bへのコーティング物質Sの塗布を感知するとともに、リアルタイムでコーティング厚さ測定モジュール100によりコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0131】
前記プロセッサ130は、コーティング厚さ測定装置10から取得された測定データを用いて基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを補正するように構成され得る。このとき、コーティング厚さ測定装置10から取得された測定データは、コーティング厚さ測定モジュール100によって測定されたコーティング物質Sの厚さデータ、温度測定モジュール300によって測定されたコーティングロールRの温度変化値、及び振動測定モジュール500によって測定されたコーティングロールRの真円度値を含むことができる。
【0132】
すなわち、プロセッサ130は、コーティング厚さ測定装置10から取得された測定データを用いた補正により、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを最終決定するように構成され得る。
【0133】
上記で検討したように、本発明の実施形態によれば、コーティング物質Sの厚さを測定する際に基材Bの揺れによる影響を最小化することで、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さ測定精度を高めることができる。
【0134】
また、コーティングロールRの温度変化及び真円度を測定し、これを用いて測定されたコーティング物質Sの厚さ値を補正することで、測定されたコーティング物質Sの厚さを決定するため、より正確にコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0135】
図13は、本発明の他の実施形態に係るコーティング装置2の全体的な形状を示す図であり、図14は、図13のコーティング装置2に備えられたコーティング厚さ測定装置12を正面で示す図であり、図15は、図13に示されたコーティング厚さ測定装置12を側面で示す図であり、図16は、図13の示されたコーティング厚さ測定装置12の一部を上側で示す図である。
【0136】
本発明の他の実施形態に係るコーティング装置2が示される。本実施形態に係るコーティング装置2は、上記実施形態の前記コーティング装置1と類似するため、上記実施形態と実質的に同一又は類似の構成については重複する説明を省略し、以下では上記の実施形態との相違点を中心に検討する。
【0137】
図13から図16を参照すると、本発明の他の実施形態に係るコーティング装置2は、コーティング厚さ測定装置12及びコーティング物質塗布装置22を含むことができる。
【0138】
前記コーティング厚さ測定装置12は、コーティング厚さ測定モジュール100及び位置移動モジュール200を含むことができる。
【0139】
前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRに巻回されて供給される基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。上述したコーティング厚さ測定モジュール100は、光印加部110、光取得部120及びプロセッサ130を含むことができる。
【0140】
前記光印加部110は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加するように構成され得る。本実施形態に係るコーティング厚さ測定装置12において、前記基材BのコーティングロールRに巻回された部分は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に見るとき、コーティングロールRの上側端部と下側端部との間に位置する基材Bの部分を意味し得る。
【0141】
前記コーティング物質塗布装置22は、基材Bにコーティング物質Sを塗布することができる。本実施形態に係るコーティング厚さ測定装置12において、コーティング物質塗布装置22は、前記コーティングロールRの上下方向中心線L1上に位置し得る。すなわち、コーティング物質塗布装置22は、コーティングロールRの下部に位置し得る。
【0142】
また、位置移動モジュール200は、コーティング物質塗布装置22にコーティングロールRの左右方向に対して一体に結合することもできる。また、位置移動モジュール200のガイド部220は、コーティング物質塗布装置22にコーティングロールRの左右方向に対して一体に結合することもできる。
【0143】
図17及び図18は、図13に示されたコーティング厚さ測定装置12がコーティングロールRに対して移動する状態を示す図である。詳しくは、図17は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの長手方向に移動する状態を示す図であり、図18は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの左右方向及び上下方向に移動する状態を示す図である。
【0144】
図13から図18を参照すると、上記実施形態と同様に、本実施形態に係るコーティング厚さ測定装置12のコーティング厚さ測定モジュール100は、基材BのコーティングロールRに巻回された部分に対して光を印加するように、コーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動し得る。したがって、基材Bの揺れが最小化された厚さ測定位置でコーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。また、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの幅方向であるコーティングロールRの長手方向にも移動するように構成され得る。
【0145】
図19から図21は、図13に示されたコーティング厚さ測定装置12が基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する状態を示す図である。詳しくは、図19は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に上側に位置する状態を示す図であり、図20は、コーティング厚さ測定モジュール100がコーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する状態を示す図であり、図21は、コーティング厚さ測定モジュール100が基材BのコーティングロールRの中心線上に位置する部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定する状態を示す図である。
【0146】
図19を参照すると、本実施形態に係るコーティング厚さ測定装置12において、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に上側に位置する状態で、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0147】
或いは、コーティング厚さ測定モジュール100は、図20に示すように、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する状態で、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0148】
このとき、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する基材Bの場合、コーティングロールRの外面に密着して巻回された状態であり得る。より具体的には、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する基材Bは、コーティングロールRの上下方向中心線L1とコーティングロールRの左側端部との間でコーティングロールRの外面に密着して接触し得る。
【0149】
すなわち、図20に示すように、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材BにおいてコーティングロールRの外面に接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。このとき、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティング物質塗布装置22によってコーティング物質Sの塗布が開始される地点からコーティングロールRの左側端部までコーティングロールRの外面に密着して接触した基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。具体的には、図20において、コーティング厚さ測定モジュール100が厚さを測定するコーティング物質Sが塗布された基材Bの領域は、「C2」のように示され得る。すなわち、図20に「C2」で示された基材Bの領域は、コーティング物質塗布装置22によってコーティング物質Sの塗布が開始される地点からコーティングロールRの左側端部まで基材BがコーティングロールRの外面に密着して接触した部分であり得る。
【0150】
また、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの全体部分のうち、コーティングロールRの外面に直接接触した部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように、コーティングロールRの左右方向及び上下方向のうちの少なくとも一方向に移動した状態で位置固定され得る。
【0151】
このように、コーティング厚さ測定モジュール100は、基材Bの揺れがより最小化された厚さ測定位置でコーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0152】
本実施形態に係るコーティング厚さ測定装置12において、コーティング厚さ測定モジュール100は、図21に示すように、基材BのコーティングロールRの中心線上に位置する部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0153】
より具体的には、図21の(a)に示すように、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2(コーティングロールRの左側端部)に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0154】
このとき、前記光印加部110は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に下側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加でき、前記光取得部120は、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2に塗布されたコーティング物質Sの表面から反射された光を取得することができる。
【0155】
或いは、図21の(b)に示すように、前記コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に上側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定することができる。
【0156】
このとき、前記光印加部110は、コーティングロールRの左右方向中心線L2を基準に上側に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2に塗布されたコーティング物質Sの表面に光を印加することができる。また、前記光取得部120は、基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2に塗布されたコーティング物質Sの表面から反射された光を取得することができる。
【0157】
このように、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRに巻回された基材Bの曲率が最小である、コーティングロールRの中心線上に位置する基材Bの部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定できるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0158】
また、図21の(c)を参照すると、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRの中心線(例:左右方向中心線L2)上に位置する状態で、基材BのコーティングロールRの中心線上に位置する部分(例:基材BのコーティングロールRの左右方向中心線L2上に位置する部分A2)に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定するように構成され得る。
【0159】
この場合、コーティング厚さ測定モジュール100は、コーティングロールRに巻回された基材Bの曲率が最小である、コーティングロールRの中心線上に位置する基材Bの部分に塗布されたコーティング物質Sの厚さを測定できるのみならず、コーティング物質Sの表面に印加される光の入射角、及びコーティング物質Sの表面から反射する光の反射角を最小化することができるため、コーティング物質Sの厚さをより正確に測定することができる。
【0160】
本実施形態に係るコーティング装置2によると、コーティング物質塗布装置22がコーティングロールRの下部に位置する場合でも、基材Bに塗布されたコーティング物質Sの厚さ測定精度を高めることができるため、作業環境に応じてより多様な形態にコーティング装置を構成することができる。すなわち、作業環境が狭い場合にはコーティング物質塗布装置22をコーティングロールRの下部に位置させることで、コーティング装置の全体構成をよりコンパクトに構成することができる。
【0161】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的な思想と下記の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0162】
一方、本発明で上、下、左、右、前、後などの方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21(a)】
図21(b)】
図21(c)】
【国際調査報告】