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特表2024-541490シリコーンフリーヘアコンディショナー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】シリコーンフリーヘアコンディショナー
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20241031BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q5/00
A61K8/41
A61K8/37
A61K8/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531115
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2022079509
(87)【国際公開番号】W WO2023094086
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213218.9
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100172605
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 郁子
(72)【発明者】
【氏名】メッテ,マヌエラ
(72)【発明者】
【氏名】シュレーダー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェストファル,ペトラ
(72)【発明者】
【氏名】シェーレ,ゼレン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC691
4C083AC692
4C083AC712
4C083CC31
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE28
(57)【要約】
本発明は、毛髪のケア特性を改善するため、特に感覚特性ならびに毛髪の物理的ダメージに対する耐性を改善するために適した、トリメチルグリシン、エステルクォート、および植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドを化粧用担体中に含有するシリコーンフリーヘアケア組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア組成物の総重量に基づいて:
a)0.1-2.0重量%のトリメチルグリシン(INCI名:ベタイン)、および
b)0.05-8.0重量%の、以下の混合物:
(b1)次の式(II)の少なくとも1つのエステルクォート、
【化1】
[式中、
、Rは、同一または異なり、C1-アルキル基を表し、
、Rは、同一または異なり、基-CH-CH(R)-ORを表し、式中、
はC1-アルキル基を表し、
は、18~24個の炭素原子のC鎖長を有する少なくともモノ不飽和のカルボン酸のアシル基を表すか、または、イソステアリン酸のアシル基を表し、かつ
は、ハロゲン化物イオン、メチルサルフェートイオン、エチルサルフェートイオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオンまたは酢酸イオンを表す]
および
(b2)植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド
を、化粧用担体中に含む、シリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項2】
INCI名ジオレイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートで知られるエステルクォート(b1)を含む、請求項1に記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項3】
INCI名ヒマワリ種子油グリセリドで知られるグリセリド混合物(b2)を含有する、請求項1または2に記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項4】
組成物の総重量に対して0.1-3.0重量%の重量割合で、少なくとも1つの任意にカチオン化されたアミドアミンをさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項5】
以下の式(I):
【化2】
[ここで、
・Rは、飽和または不飽和、分枝状又は非分枝状の、19~30個の炭素原子を有するアルキル(またはアルケニル)基を表し、
・R、Rは、互いに独立して、-HまたはC1-アルキル基を表し、
・xは2~6の整数を表す]
のアミドアミンを含む、請求項4に記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項6】
INCI名ブラシカアミドプロピルジメチルアミンで知られるアミドアミンを含む、請求項4または5に記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項7】
以下:
・6~14個の炭素原子の鎖長を有するトリグリセリド、
・10~20個の炭素原子の鎖長を有するイソプロピルエステル、
・植物油、
・グリセロール
・または、それらの混合物
から選択される少なくとも1つのさらなるコンディショニング有効成分を含む、請求項1~6のいずれかに記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項8】
組成物の総重量に対して1.0重量%までの重量割合で非イオン性乳化剤を含む、請求項1~7のいずれかに記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項9】
組成物の総重量に対して0.1-5.0重量%の重量割合で少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸を含む、請求項1~8のいずれかに記載のシリコーンフリーヘアケア組成物。
【請求項10】
毛髪のケア特性を改善するための、特に、感覚特性ならびに物理的ダメージに対する毛髪の耐性を改善するための、請求項1~9のいずれかに記載の組成物の化粧的使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、トリメチルグリシン、エステルクォート、ならびに植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドを化粧用担体中に含むシリコーンフリーヘアケア組成物、ならびに、毛髪ケアを改善するためのその使用を記載する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カラーリングやパーマネントウェーブ、シャンプーによる頻繁な洗浄とその後のドライヤーの熱による乾燥、および環境ストレスなどの大きな毛髪ストレスにより、ヘアケア製品の重要性は着実に高まっている。
同時に、持続可能性に関する消費者の要求が高まっているため、化粧品メーカーは持続可能性の主題にますます注目を集めている。
【0003】
幅広い種類の形態のヘアケア製品それ自体が知られており、市販されている。これらの製品の大部分はシリコーンを含み、これは、シリコーンが毛髪にさまざまなコンディショニング効果を与えるためである。
持続可能な製品を提供する場合、シリコーンの使用は主に省略されるが、これは通常、製品のケア性能に不利な点をもたらす。
これらの欠点を解消するために多くの試みがなされてきた。例えば、他のケア成分の使用濃度を高めることで、シリコーンの省略を補うことができるかどうかテストされている。これは、濡れた髪では満足のいく、またはより良好なケア結果が達成できたものの、乾いた髪に対するこのような製品のケア性能は不十分であったため、部分的にしか成功しなかった。
【0004】
独国特許出願公開第102018202803号には、トリメチルグリシン、アミドアミン、および特定のエステルクォートを含有する、シリコーンおよび/または鉱物油不含のヘアコンディショニング製品が開示されており、これは、濡れた髪および乾いた髪の両方に改善された櫛通り性、もつれほどき性、および、つや特性を与え、同時により柔らかい毛髪感触を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018202803号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それにもかかわらず、特に乾いた毛髪に対して非常に良好なケア性能を有すると共に、毛髪の弾力性または外部環境に対する耐性を改善することができる、天然化粧品に対する要求はなお存在する。達成されるケア効果は、シリコーンを含有する製品と少なくとも同等であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの主題は、ヘアケア組成物の総重量に基づいて、:
a)0.1-2.0重量%のトリメチルグリシン(INCI名:ベタイン)、および
b)0.05-8.0重量%の、以下の混合物:
(b1)次の式(II)の少なくとも1つのエステルクォート、
【化1】
[式中、
、Rは、同一または異なり、C1-アルキル基を表し、
、Rは、同一または異なり、基-CH-CH(R)-ORを表し、式中、
はC1-アルキル基を表し、
は、18~24個の炭素原子のC鎖長を有する少なくともモノ不飽和のカルボン酸のアシル基を表すか、または、イソステアリン酸のアシル基を表し、かつ
は、ハロゲン化物イオン、メチルサルフェートイオン、エチルサルフェートイオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオンまたは酢酸イオンを表す]
および
(b2)植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド
を、化粧用担体中に含む、シリコーンフリーヘアケア組成物を提供することによって達成された。
【発明の効果】
【0008】
本発明のヘアケア組成物は、ヘアケアと毛髪繊維の保護の優れたバランスを確保する。特に、本発明のヘアケア組成物を濡れた髪および乾いた髪に使用することにより、多量の有効成分を使用することなく、および/または、シリコーンの使用を必要とすることなく、改善された櫛通り性、改善された毛髪感触、および毛髪ボリュームの増加などの優れたケア効果を達成することができた。
本発明のヘアケア組成物の使用は、さらに、(例えばコーミングおよび/またはブロー乾燥により引き起こされる)物理的ダメージに対する毛髪の耐性を高めることが可能であった。
本発明のヘアケア組成物は、再生可能資源からの有効成分を大部分に含有するため、シリコーン含有製品と比較して改善された生分解性は、本発明のヘアケア組成物のさらなる利点である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の意味の範囲内で、化粧用担体は、水性、アルコール性、または水性アルコール性の担体を意味するものと理解される。ヘアケアの目的では、このような担体は、例えば、クリーム、エマルション、ゲル、ペースト、または界面活性剤含有発泡溶液、例えばシャンプー、フォームエアロゾル、フォーム製剤、または毛髪への塗布に適した他の調製物であると理解される。
本発明によれば水性担体が好ましく、該担体は、好ましくは、ヘアケア組成物全体に基づいて50~95重量%の水を含む。
【0010】
第1の必須成分として、本発明のヘアケア組成物はトリメチルグリシン(INCI名:ベタイン)を含有する。
トリメチルグリシンは、化粧品組成物での使用がよく知られているアミノ酸誘導体であり、テンサイ糖蜜などの天然源から得られる。天然ベタインは、例えば、EvonikからTego(登録商標)の名称で市販されており、スキントリートメントの保湿剤として、またヘアケア組成物の強化有効成分として使用される。
特定のエステルクォートb)のヘアケア特性を、トリメチルグリシンを添加することによってさらに改善できることが観察された。特に、これらの有効成分の組み合わせにより、乾いた毛髪のもつれをほぐす力や櫛通り性、毛先まで柔らかな毛髪感を向上させることができる。
【0011】
トリメチルグリシンは、本発明のヘアケア組成物中で(組成物の総重量に基づいて)、0.1~2.0重量%、好ましくは0.2~1.9重量%、特に好ましくは0.25~1.75重量%、非常に特に好ましくは0.4~1.6重量%、特に0.5~1.5重量%の量で使用される。
【0012】
本発明のヘアケア組成物中のケア有効成分混合物の第2の必須成分は、式(II):
【化2】
[式中、
、Rは、同一または異なり、C1-アルキル基を表し、
、Rは、同一または異なり、基-CH-CH(R)-ORを表し、式中、
はC1-アルキル基を表し、
は、18~24個の炭素原子のC鎖長を有する少なくともモノ不飽和のカルボン酸のアシル基を表すか、または、イソステアリン酸のアシル基を表し、かつ
は、ハロゲン化物イオン、メチルサルフェートイオン、エチルサルフェートイオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオンまたは酢酸イオンを表す]
のエステルクォート(b1)である。
【0013】
エステルクォート(b1)は、有効成分の組み合わせa)+b)内のヘアコンディショニング効果を高め、特に髪の感触を改善する。
特定のC鎖長の不飽和アシル基Rを含むエステルクォート(b1)を使用すると、特に良好なヘアコンディショニング結果を達成できることがわかった。
【0014】
したがって、特に好ましいエステルクォート(b1)は、
-R、Rは同一であり、メチル基を表し、
-R、Rは同一であり、基-CH-CH(R)-ORを表し、式中、
-Rはメチル基を表し、
-Rはオレイン酸のアシル基を表し、
-Xは、塩化物イオン又はメチルサルフェートイオンを表す、
式(II)の化合物から選択される。
【0015】
特に好ましいのは、エタンアミニウム、N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-2-[1-オキソ-9-オクタデセニル)オキシ]-N-[2-[(1-オキソ-9-オクタデセニル)オキシ]エチル]-メチルサルフェート(塩)(INCI名:ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート)の名称で知られる式(II)のエステルクォート(b1)であり、これは、例えば、花王よりTetranyl(登録商標)CO-40の名称で市販されている。
ジオレイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートは、環境に優しく生分解性のカチオン性界面活性剤で、毛髪繊維に柔らかな感触と優れた帯電防止特性を与える。 トリメチルグリシンおよび植物油グリセリドと組み合わせることで、濡れた髪と乾いた髪の櫛通りを改善し、ブローの熱や機械的影響によるダメージから毛髪繊維を保護する。
【0016】
エステルクォート(b1)は、本発明のヘアケア組成物中で(組成物の総重量に基づいて)、0.01~6.0重量%、好ましくは0.02~5.5重量%、特に好ましくは0.03~5.0重量%、非常に特に好ましくは0.04~4.5重量%、特に0.05~4.0重量%の量で使用される。
【0017】
適当な植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド(b2)は、好ましくは、ヒマワリ油および/または菜種油のモノ-、ジ-およびトリグリセリドの混合物、例えばヒマワリ種子油グリセリドのINCI名で知られるグリセリド混合物を意味すると理解される。
【0018】
植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド(b2)は、本発明のヘアケア組成物中で、個別に、またはケア有効成分a)または(b1)との混合物として使用することができる。
本発明のヘアケア組成物中で個別に使用する場合、成分(b2)は、ヘアケア組成物の総重量に対して好ましくは0.01~3.0重量%の量で使用される。
混合物として使用する場合、例えば、本発明のヘアケア組成物中でエステルクォート(b1)とともに使用してよい。このような混合物は、例えば商品名Stepanquat(登録商標)Soleilで知られており、市販されている。
【0019】
市販製品Stepanquat(登録商標)Soleilは、本発明の組成物中で、好ましくは0.05~8.0重量%、より好ましくは0.25~7.0重量%、特に好ましくは0.5~6.0重量%、非常に特に好ましくは0.75~5.0重量%、特に1.0~4.0重量%の量で使用してよく、該定量的データはヘアケア組成物の総重量に基づく。
【0020】
本発明の組成物のケアおよび保護効果をさらに補助または強化するには、該組成物が少なくとも1つのアミドアミンも含む場合、有利である。
【0021】
本発明の意味の範囲内で、適当なアミドアミンは以下の式(I)の化合物を意味すると理解される:
【化3】
[式中、
は、飽和または不飽和、分枝状又は非分枝状の、19~30個の炭素原子を有するアルキル(またはアルケニル)基を表し、
およびRは、互いに独立して、水素またはC1-アルキル基を表し、
xは2~6の整数を表す。
【0022】
式(I)のアミドアミンは、毛髪に重さを与えることなく、極めて柔らかく滑らかな感触を与える。特に、19個を超えるC原子を含むアルキル(アルケニル)基(R)を有するアミドアミンは、本発明による有効成分の組み合わせa)+b)と組み合わせると、櫛通り性をさらに改善し、オーバーコンディショニング効果(ビルドアップ)の防止において、従来技術で通常使用されているアミドアミン(18以下のC原子を有するアルキル(アルケニル)基)よりも適していることがわかった。
【0023】
したがって、特によく適したアミドアミンは、
-Rが20~24個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
-RおよびRがメチル基を表し、
-xが2、3または4を表す、
式(I)のものである。
【0024】
本発明のヘアケア組成物で使用するのに特に好ましいのは、INCI名 ブラシカアミドプロピルジメチルアミンで知られる、アミドアミンc)から選択される式(I)のアミドアミンである。
【0025】
このようなアミドアミンは、様々な供給業者から市販されており、本発明のヘアケア組成物中で使用するのに特に適するものは、例えば、Inolex Personal Care Ingredients製のKerabase(登録商標)LC、Inolex Personal Care Ingredients製のProCondition(登録商標)22、および/または、花王株式会社製のAmidet(登録商標)APA-22である。
【0026】
アミドアミンは、本発明のヘアケア組成物中で(組成物の総重量に基づいて)、0.1~3.0重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%、特に好ましくは0.25~2.0重量%、非常に特に好ましくは0.3~1.5重量%、特に0.4~1.0重量%(OK)の量で好ましくは使用される。
【0027】
特に好ましい実施形態では、本発明のシリコーンフリーヘアケア組成物は、化粧用担体中に、その総重量に基づいて、以下を含有する:
a)0.1-2.0重量%のトリメチルグリシン(INCI名:ベタイン)、
b)0.05-8.0重量%の以下の混合物:
(b1)式(II):
【化4】
[式中、
、Rは、同一または異なり、C1-アルキル基を表し、
、Rは、同一または異なり、基-CH-CH(R)-ORを表し、式中、
はC1-アルキル基を表し、
は、18~24個の炭素原子のC鎖長を有する少なくともモノ不飽和のカルボン酸のアシル基を表すか、または、イソステアリン酸のアシル基を表し、
は、ハロゲン化物イオン、メチルサルフェートイオン、エチルサルフェートイオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオンまたは酢酸イオンを表す]
の少なくとも1つのエステルクォート、および
(b2)植物油のモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド、および
c)0.1-3.0重量%の、次の式(I)の少なくとも1つのアミドアミン、
【化5】
[式中、
は、飽和または不飽和、分枝状又は非分枝状の、19~30個の炭素原子を有するアルキル(またはアルケニル)基を表し、
およびRは、互いに独立して、水素またはC1-アルキル基を表し、
xは2~6の整数を表す。]
【0028】
この実施形態の中で、その総重量に基づいて、以下を含有するシリコーンフリーヘアケア組成物が特に好ましい:
a)0.1-2.0重量%のトリメチルグリシン(INCI名:ベタイン)、
b)0.05-8.0重量%の以下の混合物:
(b1)INCI名ジオレイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェートで知られる少なくとも1つのエステルクォート、および
(b2)INCI名 ヒマワリ種子油グリセリドで知られる少なくとも1つのグリセリド混合物、および、
c)0.1-3.0重量%の、INCI名 ブラシカアミドプロピルジメチルアミンで知られる少なくとも1つのアミドアミン。
【0029】
本発明の組成物のケア特性をさらに高めるために、該組成物が、有利な特性を与えるさらなる有効成分および補助物質を含有する場合、有利であり得る。
【0030】
したがって、さらなる好ましい実施形態において、本発明のヘアケア組成物は、以下から選択される少なくとも1つのさらなるコンディショニング有効成分を含む:
-6~14個の炭素原子の鎖長を有するトリグリセリド、
-10~20個の炭素原子の鎖長を有するイソプロピルエステル、
-植物油,
-グリセロール
-または、それらの混合物。
【0031】
本発明のヘアケア組成物の有効成分a)+b)(および場合により+c))のケア効果をさらにサポートするために、本発明のヘアケア組成物は、6~14個の炭素原子の鎖長を有する中鎖トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含有し得る。
8~10個の炭素原子を有する飽和脂肪酸から誘導された中鎖トリグリセリド、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドの混合物が好ましい。適切なカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、例えばBASF SEからMyritol(登録商標)318の名称で入手可能である。
【0032】
6~14個の炭素原子の鎖長を有するトリグリセリドは、本発明のヘアケア組成物中で、その総重量に基づいて、好ましくは0.1~5.0重量%、特に好ましくは0.2~4.0重量%、特に0.25~3.0重量%の量で使用することができる。
【0033】
10~20個の炭素原子の鎖長を有する適当なイソプロピルエステルは、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル(例えば市販製品Rilanit(登録商標)IPM)、パルミチン酸イソプロピル(例えば市販製品Rilanit(登録商標)IPP)、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、およびそれらの混合物であると理解される。
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0034】
10~20個の炭素原子の鎖長を有するイソプロピルエステルは、本発明のヘアケア組成物中で(全組成物の重量に基づいて)、好ましくは0.1~5.0重量%、特に好ましくは0.2~4.0重量%、特に0.25~3.0重量%の量で使用される。
【0035】
本発明の目的において、「植物油」は、50℃未満、特に好ましくは47℃未満、非常に特に好ましくは44℃未満、最も好ましくは40℃未満の融点を有する、植物系の油体を意味すると理解される。最も好ましくは、40℃未満の温度で流動性の化粧用油である。
植物油(および/またはバター)は、低濃度で使用した場合でさえ、有効成分の組み合わせa)+b)(および場合により+c))と組み合わせることで、定期的に適用した際のビルドアップ効果なしに、毛髪の前述のコンディショニングの利点をさらに高めることができる。さらに、本発明のヘアケア組成物のケア有効成分混合物中の植物油(および/またはバター)は、毛髪光沢の改善にも寄与する。
【0036】
本発明による適当な天然植物油の例は、例えば、アマランサス種子油、アンズ核油、アルガン油、アボカド油、ババス油、綿実油、ルリヂサ種子油、カメリナ油、キャノーラ油、クランベリー油、アザミ油、ピーナッツ油、ザクロ種子油、グレープフルーツ種子油、麻油、ローズヒップ種子油、ヘーゼルナッツ油、ニワトコ種子油、カシス種子油、ホホバ油、ココアバター、ココナッツ油、カボチャ種子油、亜麻仁油、マカダミアナッツ油、コーン油、アオイ油、アーモンド油、マンゴー種子油、マルラ油、ケシ油、月見草油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーチ核油、ランブータン油、キャノーラ種子油、米ぬか油、ヒマシ油、サチャインチ油、サフラワー油、シーバックソーン果実油、シーバックソーン種子油、サザンカ油、ゴマ油、シアバター、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、種子油、グレープシード油、ツバキ油、クルミ油、小麦胚芽油、メドウフォーム種子油、および/またはワイルドローズ油である。
アマランサス種子油、アンズ核油、アルガン油、アボカド油、ココナッツ油、アーモンド油、マカダミアナッツ油、ローズヒップ種子油、ヒマワリ油、オリーブ油、ピーチ核油、ホホバ油および/または植物バター、シアバターおよび/またはココアバターが好ましい。
【0037】
本発明の教示は、互いに混合された少なくとも2つの天然植物油の可能性も包含する。
【0038】
植物油(および/またはバター)は、本発明のヘアケア組成物中で(全組成物の重量に基づいて)、好ましくは0.01~3.0重量%、より好ましくは0.02~2.5重量%、特に好ましくは0.025~2.0重量%、非常に特に好ましくは0.04~1.5重量%、特に0.05~1.0重量%の量で使用される。
【0039】
グリセロールは、さらなる有効成分として、本発明のヘアケア組成物中で(全組成物の重量に基づいて)、好ましくは0.1~15.0重量%、より好ましくは0.25~12.5重量%、特に好ましくは0.5~10.0重量%、非常に特に好ましくは0.75~7.5重量%、特に1.0~5.0重量%の量で使用することができる。
【0040】
本発明のヘアケア組成物は、場合により、前述の油を可溶化するための1つ以上の乳化剤を含有することができる。
適切な乳化剤は、好ましくは、非イオン性ポリエトキシル化乳化剤、特に好ましくは10~24個の炭素原子を有するエトキシル化脂肪アルコール、および/または、エトキシル化ヒマシ油を意味すると理解される。
【0041】
本発明の意味の範囲内で適切なエトキシル化脂肪アルコールは、脂肪アルコールへのエチレンオキシドの付加生成物であり、ここで、エトキシル化度は、脂肪アルコール1モル当たりの平均での付加されたエチレンオキシド(EO)のモル量を示す。好ましいエトキシル化脂肪族アルコールは、カプリン酸アルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、ならびにそれらの技術的混合物への、エチレンオキシドの付加生成物であり、これらは例えば、ローレンのオキソ合成からの油脂またはアルデヒドに基づく工業用メチルエステルの高圧水素化において、および、不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として、得られる。12~18個の炭素原子を有する工業用脂肪アルコールまたはその混合物への付加生成物、例えばココナッツ、パーム、パーム核または獣脂脂肪アルコール、特にココナッツおよび/または獣脂脂肪アルコールへの付加生成物が、特に好ましい。
製造方法に応じて、エトキシル化脂肪アルコールは、エトキシル化度の分布が異なる混合物として得られる。したがって、本発明の意味の範囲内で、これらの乳化剤は、平均エトキシル化度によって特徴付けられる。これは通常、INCI名の脂肪アルコールの接尾辞「eth-」の後の数字として識別できる。特に適切なエトキシル化脂肪アルコールは、脂肪アルコール1モル当たり、10~100モル、好ましくは20~80モルのエチレンオキシドのエトキシル化度を有する脂肪アルコールである。その例は以下である:セテアレス-12、セテス-15、セテアレス-15、ラネス-16、セテス-16、オレスー16、ステアレス-16、オレスー20、セテス-20、セテアレス-20、セテアレス-23、ラウレス-23、セテアレス-25、セテアレス-30、セテス-40、ラネス-40、オエス(Oeth)-50、セテアレス-50、セテアレス-60、および/またはセテアレス-80。
【0042】
適切なエトキシル化ヒマシ油は、好ましくは、エトキシル化された、硬化された(すなわち水素化された)ヒマシ油および未硬化ヒマシ油を意味すると理解される。エトキシル化の程度は、ヒマシ油1モルあたりに平均して付加されたエチレンオキシド(EO)のモル量を示す。好ましいエトキシル化ヒマシ油は、以下のINCI名で知られる化合物である:PEG-5ヒマシ油、PEG-7硬化ヒマシ油、PEG-10硬化ヒマシ油、PEG-25硬化ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-36ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、PEG-50硬化ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-80ヒマシ油、PEG-80硬化ヒマシ油、PEG-100ヒマシ油、PEG-100硬化ヒマシ油、PEG-120ヒマシ油、PEG-120硬化ヒマシ油、PEG-150ヒマシ油、PEG-150硬化ヒマシ油、PEG-200ヒマシ油、PEG-200硬化ヒマシ油。
好ましい非イオン性乳化剤は、20~150、好ましくは30~100、特に好ましくは35~80の平均エトキシル化度を有するヒマシ油である。PEG-40硬化ヒマシ油が特に好ましい。
【0043】
環境保護の観点からは、本発明のヘアケア組成物が乳化剤を、たとえ含有する場合であっても、少量で含有することが有利である。
したがって、好ましい実施形態では、本発明のヘアケア組成物は、好ましくは最大1.0重量%、より好ましくは最大0.8重量%、特に好ましくは最大0.6重量%、とりわけ最大0.5重量%の、1種以上の非イオン性エトキシル化乳化剤(組成物の総重量に基づく)を好ましくは含有する。
【0044】
本発明のヘアケア組成物のレオロジー特性をさらに最適化するために、これらのさらなる有効成分は脂肪物質を含むことができる。
適切な脂肪物質は、固体形態および水性分散体としての液体形態の両方で存在することができる、脂肪酸および/または脂肪アルコールとして理解されるべきである。
【0045】
6~30個の炭素原子を有する直鎖状および/または分枝状、飽和および/または不飽和の脂肪酸を適切な脂肪酸として使用することができる。10~22個の炭素原子を有する脂肪酸が好ましい。これらの中で、例えば、市販製品Emersol(登録商標)871およびEmersol(登録商標)875などのイソステアリン酸、市販製品Edenor(登録商標)IP 95などのイソパルミチン酸、ならびに、Edenor(登録商標)(Cognis)の商品名で販売される全ての他の脂肪酸が挙げられ得る。このような脂肪酸の他の典型例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、およびエルカ酸、ならびにそれらの技術的混合物である。
通常、ココナッツ油またはパーム油から得られる脂肪酸画分が特に好ましく、特に、ステアリン酸の使用が一般に好ましい。
本発明のヘアケア組成物中で使用される脂肪酸の量は、全組成物に基づいて、好ましくは0.1~15重量%である。特に好ましくは、本発明のヘアケア組成物に使用される脂肪酸の量は0.5~10重量%であり、1~5重量%の量が非常に特に有利である。
【0046】
適切な脂肪アルコールとしては、6~30個、好ましくは10~22個、非常に特に好ましくは12~20個の炭素原子を有する、飽和、一価または多価不飽和、分枝状または非分枝状の脂肪アルコールを使用することができる。本発明に関して、例えば以下を使用してよく、該リストは例示的かつ非限定的な性質を意図している:デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルシンアルコール、リシノール酸アルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにそれらのゲルベアルコール。
好ましい実施形態では、脂肪アルコールは天然脂肪酸から得られ、通常、還元による脂肪酸のエステルからの抽出から開始することができる。異なる脂肪アルコールの混合物である、これら脂肪アルコール画分も、本発明に従って使用することができる。このような物質は、例えば以下の名称で市販されている:Stenol(登録商標)(例えばStenol(登録商標)1618)、または、Lanette(登録商標)(例えばLanette(登録商標)O)、または、Lorol(登録商標)(例えばLorol(登録商標)C8、Lorol(登録商標)C14、Lorol(登録商標)C18、Lorol(登録商標)C8-18)、HD-Ocenol(登録商標)、Crodacol(登録商標)(例えばCrodacol(登録商標)CS)、Novol(登録商標)、Eutanol(登録商標)G、Guerbitol(登録商標)16、 Guerbitol(登録商標)18、Guerbitol(登録商標)20、Isofol(登録商標)12、Isofol(登録商標)16、Isofol(登録商標)24、Isofol(登録商標)36、Isocarb(登録商標)12、Isocarb(登録商標)16、またはIsocarb(登録商標)24。もちろん、Corona(登録商標)、White Swan(登録商標)、Coronet(登録商標)またはFluilan(登録商標)の名称で市販されているようなラノリンアルコールも、本発明に従って使用することができる。
本発明のヘアケア組成物で使用される脂肪アルコールの量は、全組成物に基づいて、好ましくは0.1~20重量%である。特に好ましくは、本発明のヘアケア組成物で使用される脂肪アルコールの量は0.5~15重量%であり、1.0~10重量%の量が非常に特に有利である。
【0047】
特に好ましい実施形態では、本発明のヘアケア組成物は、レオロジー特性を最適化するために、少なくとも1種の飽和または不飽和、分枝状又は非分枝状の、10~24個の炭素原子を有する脂肪アルコールを1.0~10.0重量%(全組成物の重量に基づく)の量で含有する。
【0048】
この実施形態において、本発明のヘアケア組成物は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、および/または、セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物を、前述の量で含有することが特に好ましい。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、本発明のヘアケア組成物は、pHを調整するためにではあるが、同時に、ヘアケア特性をサポートするために、少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を(全組成物の重量に基づいて)好ましくは0.1~5.0重量%、より好ましくは0.2~4.0重量%、特に好ましくは0.3~3.0重量%、特に0.4~2.0重量%の好ましい量で追加的に含有することができる。
【0050】
適切なヒドロキシカルボン酸は、好ましくは、アルファ-ヒドロキシカルボン酸、特に天然に存在する-例えばフルーツ酸中の-アルファ-ヒドロキシカルボン酸を意味すると理解される。
これらには、例えば、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、イソクエン酸、マンデル酸、乳酸、タルトロン酸および/または酒石酸が含まれる。
適切なヒドロキシカルボン酸は、ジカルボン酸、グルタミン酸および/またはコハク酸を意味するとも理解される。
クエン酸、乳酸、グルタミン酸および/またはコハク酸が特に好ましい。
【0051】
本発明によるヘアケア組成物が、前述の有効成分以外にさらなる脂肪相成分を含有しない場合、特に良好な安定性および特に良好なヘアケア結果(特に、髪の光沢および柔らかさや滑らかさなどの感覚特性に関して)が、オーバーコンディショニング(油っぽく、重たい髪)を生じることなく達成され得る。
【0052】
本発明のヘアケア組成物は、組成物の有効性または製造を損なわない限り、さらなる任意の有効成分を含有し得る。任意の有効成分としては、例えば、以下が挙げられる:
-タンパク質加水分解物、
-ビタミン、
-ふけ防止有効成分、
-炭水化物、
-バイオキノン、
-プリン、
-エクトインおよび/または
-植物抽出物。
【0053】
適切なタンパク質加水分解物は、タンパク質の酸-、塩基-または酵素-触媒分解によって得られる生成物混合物を意味すると理解される。
植物、動物および/または海洋起源のタンパク質加水分解物を使用することができる。
動物性タンパク質加水分解物は、例えばエラスチン、コラーゲン、ケラチン、シルク、およびミルクタンパク質加水分解物などであり、これらは塩の形でも存在し得る。このような生成物は、例えば Dehylan(登録商標)(Cognis)、Promois(登録商標)(Interorgana)、Collapuron(登録商標)(Cognis)、Nutrilan(登録商標)(Cognis)、Gelita-Sol(登録商標)(Deutsche Gelatine Fabriken Stoess & Co)、Lexein(登録商標)(Inolex)、およびKerasol(登録商標)(Croda)などの商品名で販売されている。
植物由来のタンパク質加水分解物、例えば大豆、アーモンド、米、エンドウ豆、ジャガイモ、小麦のタンパク質加水分解物が好ましい。このような生成物は、例えばGluadin(登録商標)(Cognis)、DiaMin(登録商標)(Diamalt)、Lexein(登録商標)(Inolex)およびCrotein(登録商標)(Croda)などの商品名で入手可能である。
カチオン化タンパク質加水分解物も使用可能であり、基礎となるタンパク質加水分解物は、動物由来(例えばコラーゲン、牛乳またはケラチン)、植物由来(例えば小麦、トウモロコシ、米、ジャガイモ、大豆またはアーモンド)、海洋生物由来(例えば魚コラーゲンまたは藻類)、またはバイオテクノロジーにより得られたタンパク質加水分解物に由来することが可能である。カチオン誘導体の基礎となるタンパク質加水分解物は、対応するタンパク質から、化学的加水分解(特にアルカリ性または酸性加水分解)により、酵素加水分解により、および/または、両方のタイプの加水分解の組み合わせにより、得ることができる。タンパク質の加水分解により、通常、約100ダルトンから数千ダルトンまでの分子量分布を有するタンパク質加水分解物が得られる。基礎となるタンパク質部分の分子量が100~25,000ダルトン、好ましくは250~5,000ダルトンであるカチオン性タンパク質加水分解物が好ましい。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物は、四級化アミノ酸およびその混合物を意味すると理解される。タンパク質加水分解物またはアミノ酸の四級化は、多くの場合、例えば、N,N-ジメチル-N-(n-アルキル)-N-(2-ヒドロキシ-3-クロロ-n-プロピル)アンモニウムハライドなどの四級アンモニウム塩によって行われる。さらに、カチオン性タンパク質加水分解物はさらに誘導体化することもできる。カチオン性タンパク質加水分解物および誘導体の代表的な例としては、市販されており、以下のINCI名で知られる製品が挙げられる:ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモプニウム(cocodimopnium)ヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解毛髪ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解シルク、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆ダンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピルシルクアミノ酸、ヒドロキシプロピルアルギニンラウリル/ミリスチルエーテルHCl、ヒドロキシプロピルトリモニウムゼラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コンキオリンタンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米ぬかタンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆タンパク質、ヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦タンパク質/シロキシケイ酸、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ラウルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質/シロキシケイ酸、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解シルク、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解シルク、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解植物性タンパク質、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ステアルトリモニウムヒドロキシエチル加水分解コラーゲン、クオタニウム-76 加水分解コラーゲン、クオタニウム-79 加水分解コラーゲン、クオタニウム-79 加水分解ケラチン、クオタニウム-79 加水分解ミルクタンパク質、クオタニウム-79加水分解シルク、クオタニウム-79 加水分解大豆タンパク質、およびクオタニウム-79 加水分解小麦タンパク質。
本発明のヘアケア組成物の総重量に対するタンパク質加水分解物の重量割合は、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.025~3重量%、特に0.05~2重量%であり得る。
【0054】
適切なビタミンは、好ましくは、以下のビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆物質、ならびにそれらの誘導体であると理解される:
・ビタミンA:ビタミンAとして指定される物質の群には、レチノール(ビタミンA)および3,4-ジデヒドロレチノール(ビタミンA)が含まれる。β-カロテンは、レチノールのプロビタミンである。適切なビタミンA成分は、例えば、ビタミンA酸およびそのエステル、ビタミンAアルデヒド、ならびにビタミンAアルコールおよびそのエステル(パルミテートおよびアセテートなど)である。
・ビタミンB:ビタミンB群またはビタミンB複合体には、とりわけ、以下が含まれる:
-ビタミンB(チアミン)
-ビタミンB(リボフラビン)
-ビタミンB。ニコチン酸およびニコチンアミド(ナイアシンアミド)化合物は、この指定に含まれることが多い。
-ビタミンB(パントテン酸およびパンテノール)。この群の文脈では、パンテノールが使用されることが好ましい。使用可能なパンテノールの誘導体は、特にパンテノールのエステルおよびエーテル、パントラクトン、およびカチオン誘導体化パンテノールである。個々の代表例は、例えば、パンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテル、およびそのモノアセテート、ならびにカチオン性パンテノール誘導体である。
-ビタミンB(ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール)。
・ビタミンC(アスコルビン酸):パルミチン酸エステル、グルコシド、またはホスフェートの形での使用が好ましくあり得る。トコフェロールと組み合わせて使用することも同様に好ましくあり得る。
・ビタミンE(トコフェロール、特にα-トコフェロール)。
・ビタミンF:「ビタミン F」という用語は通常、必須脂肪酸、特にリノール酸、リノレン酸、およびアラキドン酸を意味するものと理解される。
・ビタミンH:(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]イミダゾール-4-バレリン酸という化合物がビタミンHとして指定されているが、この化合物にはビオチンという慣用名が使われるようになった。
【0055】
群A、B、E、およびHから選ばれるビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆体は、特に好ましい。ニコチンアミド、ビオチン、パントラクトン、および/またはパンテノールは、より特に好ましい。
ヘアケア組成物の総重量に対するビタミン、ビタミン誘導体、および/またはビタミン前駆体の重量割合は、好ましくは0.001~2重量%、特に好ましくは0.005~1重量%、特に0.01~0.5重量%である。
【0056】
適切なふけ防止有効成分は、ピロクトンオラミン、クリムバゾール、亜鉛ピリチオン、ケトコナゾール、サリチル酸、硫黄、硫化セレン、タール製剤、ウンデセン酸誘導体、ゴボウ抽出物、ポプラ抽出物、イラクサ抽出物、クルミ殻抽出物、シラカバ抽出物、ヤナギ樹皮抽出物、ローズマリー抽出物および/またはアルニカ抽出物から選択することができる。クリムバゾール、亜鉛ピリチオンおよびピロクトンオラミンが好ましい。亜鉛ピリチオンが特に好ましい。
ヘアケア組成物の総重量に対するふけ防止剤の重量割合は、好ましくは0.01~10重量%、より好ましくは0.025~7.5重量%、特に好ましくは0.05~5重量%、特に0.075~3重量%であることができる。
【0057】
適切な炭水化物は、単糖類および/または二糖類の群から選択することができ、本発明のヘアケア組成物中、好ましくは0.01~5.00重量%、特に好ましくは0.05~4.50重量%、特に0.10~2.50重量%(組成物の全重量に基づく)の量で使用することができる。
好ましい単糖類および/または二糖類は、以下である:
・D-リボースおよび/またはD-キシロースおよび/またはL-アラビノースおよび/またはD-グルコースおよび/またはD-マンノースおよび/またはD-ガラクトースおよび/またはD-フルクトースおよび/またはソルボースおよび/またはL-フコースおよび/またはL-ラムノースなどの単糖類、および
・スクロースおよび/またはマルトースおよび/またはラクトースおよび/またはトレハロースおよび/またはセロビオースおよび/またはゲンチオビオースおよび/またはイソマルトースなどの二糖類。
【0058】
本発明の組成物において、適切なバイオキノンは、1つ以上のユビキノンおよび/またはプラストキノンを意味するものと理解される。本発明に従って好ましいユビキノンは、以下の式を有する:
【化6】
[ここで、n=6、7、8、9または10である。]
【0059】
ここではコエンザイムQ-10が最も好ましい。
バイオキノン、特にコエンザイムQ-10は、本発明のヘアケア組成物において0.001~1.0重量%の量で使用することが好ましい。
【0060】
適切なプリンおよび/またはプリン誘導体は、本発明のヘアケア組成物において(その総重量に基づいて)0.001~2.5重量%の量で使用することが好ましい。本発明に従って好ましい化粧品組成物は、プリン、アデニン、グアニン、尿酸、ヒポキサンチン、6-プリンチオール、6-チオグアニン、キサンチン、カフェイン、テオブロミンまたはテオフィリンを含むことを特徴とする。カフェインが最も好ましい。
【0061】
エクトイン((S)-2-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-ピリミジンカルボン酸)は、本発明のヘアケア組成物において(その総重量に基づいて)、好ましくは0.00001~1.0重量%の量で使用することができる。
【0062】
植物抽出物をケア物質として使用することにより、本発明のヘアケア組成物を、特に自然と調和し、それにもかかわらず、ケア性能の点で非常に効果的な方法で、配合することができる。場合により、通常使用される防腐剤を省略することもできる。本発明によれば、以下の抽出物が特に好ましい:緑茶、オーク樹皮、イラクサ、マンサク、ホップ、ヘンナ、カモミール、ゴボウの根、スギナ、サンザシ、ライムの花、アーモンド、アロエベラ、トウヒニードル、セイヨウトチノキ、ビャクダン、ジュニパー、ココナッツ、マンゴー、アプリコット、ライム、小麦、キウイ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、バーチ、マロー、バレリアン、メドウフォームフラワー、ワイルドタイム、ノコギリソウ、タイム、レモンバーム、レスタロー、フキタンポポ、マシュマロ、分裂組織、高麗人参、コーヒー、ココア、モリンガ、ショウガの根、および、アーユルヴェーダの植物抽出物、例えば、ベルノキ(ビルワ)、ハマスゲ(ナガルモタ)、ユカン(Emblica officinalis)(アマルキ)、ヤエヤマアオキ(アシュカ、ashyuka)、チノスポラ・コルディフォリア(グドゥチ)、ビャクダン(チャンダナ)、サフラン(クンクマ)、セイロンニッケイおよびハス(カマラ)、小麦、大麦、ライ麦、オート麦、スペルト、トウモロコシなどの甘草、さまざまな種類のキビ(モロコシ、メヒシバ、アワなど)、サトウキビ、ライグラス、メドウフォックステール、オート麦、ベントグラス、メドウフェスク、ムーアグラス、竹、ワタスゲ、ファウンテングラス、アンドロポゴノデア科(チガヤ、別名コゴングラス)、バッファローグラス、コードグラス、バミューダグラス、ラブグラス、キンボポゴン属(レモングラス)、イネ科(米)、マコモ属(ワイルドライス)、マツヨイセンノウ、ブルーオートグラス、クリーピングソフトグラス、クイーキンググラス、メドウグラス、カウチグラス、エキナセア(特にエキナセア・プルプレア(L.)モエンチ)、すべての種類のワインならびにライチ・チネンシスの果皮。
植物抽出物は、純粋な形と希釈された形の両方で使用することができる。希釈形態で使用される場合、それらは通常、約2~80重量%の活性物質と、溶媒として、抽出に使用される抽出剤または抽出剤混合物を含む。
【0063】
本発明の化粧用ヘアケア組成物は、以下のようなさらなる有効成分、助剤、および添加剤を含んでいてもよい:
・UVフィルター物質、
・マレイン酸および乳酸などの構造化剤、
・尿素、アラントイン、炭酸塩またはヒダントインなどの膨潤剤、
・組成物を着色するための染料(本発明では好ましくない)、
・EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸、およびホスホン酸などの錯化剤、
・エチレングリコールモノステアレートおよびジステアレートなどの真珠光沢剤、
・顔料、
・プロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、CO、および空気などの噴射剤、
・酸化防止剤、
・香油、香料およびフレグランス(本発明では好ましくない)、但しこれらは、合成の香油、香料およびフレグランスである、
【0064】
本発明のヘアケア組成物は、好ましくは、2.5~5.0、好ましくは3.0~4.5、特に3.5~4.5の範囲のpHを有する。
【0065】
本発明の好ましいヘアケア組成物は、3000~25,000mPas、より好ましくは3,500~20,000mPas、特に4,000~18,000mPas(Brookfield DV 2+;2rpm;スピンドル5;20℃を用いて測定)の範囲の粘度を有する。
【0066】
本発明のヘアケア組成物は、単相および多相の両方の形態で存在することができ、例えば、特に2つまたは3つの光学的に分離された個別の相を有し得る。組成物が多相の形態で存在する場合、使用前に組成物全体を振って単相組成物に変換し、塗布する。振とう後、再び自然分離が起こり、約1分から300分以内に再び個別の相が形成される。本発明のヘアケア組成物が多相形態で存在する場合、光学的に透明な包装に包装することが好ましい。
本発明の組成物は、さらに、ポンプスプレー、エアゾールスプレー、ポンプフォーム、またはエアゾールフォームとして包装することができる。
【0067】
本発明の第2の主題は、本発明のヘアケア組成物を、感覚特性、および、物理的ダメージに対する髪の耐性を改善するための化粧品として使用することである。
【0068】
本発明の組成物に関する記述は、必要な変更を加えて、本発明の使用の好ましい実施形態に適用される。
【実施例
【0069】
以下の例は、本発明の主題を説明することを意図するものであり、何ら限定するものではない。
【0070】
特許実施例
本発明に従い以下のヘアケア組成物を製造し(定量データは重量%を示す)、以下のように評価した。
【表1】
【0071】
組成物4(本発明の組成物)と5(従来技術の比較組成物)を、ヘアケア効果(感触)に関して14名の専門家による単盲検試験で分析および評価した。
14名の専門家のうち10名が、組成物4のケア効果を「より良いケア効果」があると評価し、1名の専門家は同じであると評価し、3名の専門家が比較組成物5を好んだ。
【国際調査報告】