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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】圧力検知装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532730
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022051245
(87)【国際公開番号】W WO2023101960
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,899
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ペルマル、ティネス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンタクマール、アラヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】グダティ、スバース
(72)【発明者】
【氏名】リービー、モントレー
(72)【発明者】
【氏名】バロリ、サナド
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エドワード イー.
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051BB02
3H051CC17
(57)【要約】
圧力調整装置の機能を果たしうる圧力検知装置(PSD)を少なくとも一つ備えた、高圧流体貯蔵システム。PSDは、第1および第2の単一の一体型構造を含むように積層造形プロセスを通じて製造され、ハウジング本体および内部の圧力調整機構はそのプロセスの際にともに作られる。PSDは溶接された構成要素またはベローズのいずれも有さずに作られうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の単一の一体型本体と、第2の単一の一体型本体と、を備えた装置であって、
前記第1の単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングを有し、
前記第2の単一の一体型本体は、減圧機構を有し、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容されるとともに、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、バルブに接続された可動部を含み、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、装置。
【請求項2】
前記減圧機構がさらに、ステムを備え、
前記バルブはポペットバルブを含み、
前記ステムの第1の端部は、前記可動部の一側部に接続され、
前記ステムの第2の端部は、前記ポペットバルブに接続され、
前記減圧機構は、前記可動部が前記入口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが開放状態になり、かつ、前記可動部が静止または前記出口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する、請求項2に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングおよび前記減圧機構が、溶接部または溶接された構成要素のいずれも含まない、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の単一の一体型本体が金属から作られる、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記金属がステンレス鋼を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の単一の一体型本体が金属から作られる、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記金属がステンレス鋼を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記減圧機構がベローズ、ダイヤフラムまたはいずれも含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
第2の減圧機構を含む、第3の単一の一体型本体をさらに備え、
前記第2の減圧機構は、前記ハウジングに収容されるとともに、前記減圧機構と前記出口との間に配置され、
前記第2の減圧機構は、前記減圧機構から前記二次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、三次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記一次圧力が亜大気圧よりも高い、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記二次圧力が亜大気圧である、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記二次圧力が前記一次圧力よりも低い、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
コンテナ本体と圧力調整装置とを備えた流体供給システムであって、
前記コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定し、
前記圧力調整装置は、前記内部キャビティに配置されるとともに、第1の単一の一体型本体と、第2の単一の一体型本体と、を含み、
前記第1の単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングを有し、
前記第2の単一の一体型本体は、減圧機構を含み、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容されるとともに、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、バルブに接続された可動部を含み、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、流体供給システム。
【請求項14】
前記減圧機構がさらにステムを備え、
前記バルブはポペットバルブを含み、
前記ステムの第1の端部は、前記可動部の一側部に接続され、
前記ステムの第2の端部は、前記ポペットバルブに接続され、
前記減圧機構は、前記可動部が前記入口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが開放状態になり、かつ、前記可動部が静止または前記出口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する、請求項13に記載の流体供給システム。
【請求項15】
第2の圧力調整装置をさらに備え、
前記第2の圧力調整装置の入口が前記圧力調整装置の前記出口に接続される、請求項13または請求項14に記載の流体供給システム。
【請求項16】
前記圧力調整装置の前記入口に接続されたフィルター装置をさらに備える、請求項13~15のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空作動シリンダー(VAC)、および圧力調整バルブを備えた亜大気圧ガス送達システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
VACなどの亜大気圧送達システムでは、バルブの開閉を制御するために圧力検知装置が使用されうる。
【発明の概要】
【0003】
従来型圧力検知アセンブリ(TPSA)は、一般に、組み立ておよび溶接において複数のステップを必要とする10個以上の構成要素を含む。いくつかのTPSAでは、異なる材料から作られた、分離した17個以上の構成要素がありうる。TPSAを製造するためにこれらの様々な構成要素を組み立てかつ同構成要素を溶接することは、不安定な性能、製造工程と品質管理の不備による不具合、またはその両方をもたらしうる。さらに、TPSAのこれら複数の構成要素は、異なる場所で、または異なる製造業者によって製造されることがしばしばあり、それらの構成要素間での公差のばらつきは、最終的に組み立てられたTPSAが不安定な品質や性能を有することにつながる。不安定な性能は、例えば、ガススパイク、またはガス圧力の変動、またはその両方を含みうる。TPSAの不具合は、一般に作動中に検出される。組み立てられたTPSAにおいては、不具合の要因となりうる、多くの異なる構成要素が存在しうるゆえに、そのような不具合の具体的な原因を特定することは困難である。
【0004】
いくつかの実施形態では、これらのTPSAに取って代わることができる装置が本明細書にて開示されている。
本開示のいくつかの実施形態は圧力検知装置(PSD)に関する。いくつかの実施形態では、PSDはVAC調整装置である。PSDはTPSAよりも安定性の高い性能を有し、ガススパイク、またはガス圧力の変動、またはその両方を軽減しうる。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、VAC調整装置を有したVACに関しており、VAC調整装置はPSDの実施形態を含む。本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上のVAC調整装置を有するVACに関しており、VAC調整装置のうちの少なくとも1つはPSDの実施形態を含む。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、TPSAに存在しうる製造上の欠点のいずれも含まないPSDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、溶接された構成要素を有さないPSDに関する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、ベローズを有さないPSDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、柔軟なダイヤフラムを有さないPSDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、積層造形(additive manufacturing)プロセス(例えば、3Dプリント)によって製造されうるPSDに関する。
【0008】
いくつかの実施形態では、PSDは積層造形が可能な材料から作られる。いくつかの実施形態では、その材料はポリマーである。いくつかの実施形態では、その材料は、例えばステンレス鋼のような、金属である。いくつかの実施形態では、その材料は、複数の材料の組み合わせである複合材料である。いくつかの実施形態では、いくつかの部品は第1の材料から作られ、他の部品は第2の材料から作られる、など、PSDは異なる材料から作られる。例えば、PSDのいくつかの実施形態を構成するハウジング、滑り継手を有する可動板、およびOリングは、互いに異なる材料から作られうる。いくつかの実施形態では、ハウジングと滑り継手を有する可動板とは同じ材料から作られうる。いくつかの実施形態では、Oリングはハウジング、可動板および/または滑り継手とは異なる材料で作られうる。
【0009】
いくつかの実施形態では、PSDはハウジングと減圧機構とを含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは溶接部がない一体型構造である。いくつかの実施形態では、減圧機構(たとえば、滑り継手を有する可動板)は溶接部がない一体型構造である。いくつかの実施形態では、ハウジングおよび減圧機構は、減圧機構が単一の一体型本体から作られるハウジングに収容されるように、積層造形(additive manufacturing)によってともに形成される。この製造工程の間に、例えばOリングは、同様に積層造形によって、あるいはOリングを入手し適切な位置および時点で設置することで、導入されうる。
【0010】
いくつかの実施形態では、減圧機構は、少なくとも、滑り継手を有する可動部を含む。滑り継手は、ハウジングの構造体によって画定される内部チャンバーに収容される構成要素である。滑り継手は、可動部(例えば、可動板またはフェイスプレート)をハウジングの内部の非可動構造体に対し移動させるに構成されている。滑り継手による動作は、入口付近に位置するバルブを開閉させる。
【0011】
本明細書で使用される場合、「流体」という用語はガスを含む。
いくつかの実施形態では、可動部とハウジングとの間に溶接部が存在しない。
いくつかの実施形態では、装置は、ハウジングを含む第1の単一の一体型本体と、減圧機構を含む第2の単一の一体型本体と、を備える。ハウジングは入口と出口とを含む。減圧機構はハウジングに収容されるとともに、入口と出口との間に配置される。減圧機構は、バルブに接続された可動部を含む。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0012】
装置のいくつかの実施形態では、減圧機構はさらにステムを備える。バルブはポペットバルブを含む。ステムの第1の端部は可動部に接続されるとともに、ステムの第2の端部はポペットバルブに接続される。減圧機構は、可動部が入口に向かって移動された際にポペットバルブが開放状態になり、かつ、可動部が静止または出口に向かって移動された際にポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する。
【0013】
装置のいくつかの実施形態では、ハウジングおよび減圧機構は、溶接部または溶接された構成要素のいずれも含まない。
装置のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される単一の一体型本体のいずれかは金属で作られる。装置のいくつかの実施形態では、その金属はステンレス鋼を含む。
【0014】
装置のいくつかの実施形態では、単一の一体型本体はさらに、第2の減圧機構を備える。第2の減圧機構は、ハウジングに収容されるとともに、減圧機構と出口との間に配置される。第2の減圧機構は、二次圧力を有する流体を減圧機構から受け入れるとともに、三次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0015】
装置のいくつかの実施形態では、一次圧力は亜大気圧よりも高い。
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は亜大気圧である。
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は一次圧力よりも低い。
【0016】
いくつかの実施形態では、装置はハウジングを含む第1の単一の一体型本体と、減圧機構を含む第2の単一の一体型本体とを備える。ハウジングは入口と出口とを含む。減圧機構はハウジングに収容されるとともに、入口と出口との間に配置される。減圧装置は、バルブに接続された可動部を含む。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0017】
装置のいくつかの実施形態では、減圧機構はさらにステムを備える。バルブはポペットバルブを含む。ステムの第1の端部は可動部の一側部に接続されるとともに、ステムの第2の端部はポペットバルブに接続される。減圧機構は、可動部が入口に向かって移動する際にポペットバルブが開放状態になり、かつ、可動部が静止または出口に向かって移動する際にポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する。
【0018】
装置のいくつかの実施形態では、ハウジングおよび減圧機構は、溶接部または溶接された構成要素のいずれも含まない。
装置のいくつかの実施形態では、第1の単一の一体型本体は金属から作られる。
【0019】
装置のいくつかの実施形態では、その金属はステンレス鋼を含む。
装置のいくつかの実施形態では、第2の単一の一体型本体は金属から作られる。
装置のいくつかの実施形態では、その金属はステンレス鋼を含む。
【0020】
装置のいくつかの実施形態では、減圧機構はベローズ、ダイヤフラムまたはそのいずれも含まない。
いくつかの実施形態では、装置はさらに、第2の減圧機構を含む第3の単一の一体型本体を備える。第2の減圧機構は、ハウジングに収容されるとともに、減圧機構と出口との間に配置される。第2の減圧機構は、二次圧力を有する流体を減圧機構から受け入れるとともに、三次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0021】
装置のいくつかの実施形態では、一次圧力は亜大気圧よりも高い。
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は亜大気圧である。
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は一次圧力よりも低い。
【0022】
いくつかの実施形態では、流体供給システムはコンテナ本体と圧力調整装置とを備える。コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定する。圧力調整装置は、内部キャビティに配置されている。圧力調整装置は、ハウジングを含む第1の単一の一体型本体と、減圧機構を含む第2の単一の一体型本体と、を含む。ハウジングは入口と出口とを含む。減圧機構はハウジングに収容されるとともに、入口と出口との間に配置される。減圧機構は、バルブに接続された可動部を含む。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0023】
流体供給システムのいくつかの実施形態では、減圧機構はさらにステムを備える。バルブはポペットバルブを含む。ステムの第1の端部は可動部の一側部に接続されるとともに、ステムの第2の端部はポペットバルブに接続される。減圧機構は、可動部が入口に向かって移動する際にポペットバルブが開放状態になり、かつ、可動部が静止または出口に向かって移動する際にポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する。
【0024】
いくつかの実施形態では、流体送達システムはさらに、第2の圧力調整装置を備える。第2の圧力調整装置の入口は、圧力調整装置の出口に接続される。
いくつかの実施形態では、流体供給システムはさらに、圧力調整装置の入口に接続されたフィルター装置を備える。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に具体的に参照すると、示されている実施形態は、例としてのものであり、本開示の実施形態の例示的な説明を目的としたものであることが強調される。この点に関し、図面とともに説明することにより、本開示の実施形態がどのように実施されうるかが、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本明細書に記載されるPSDを1つ以上有する亜大気圧送達システムの、非限定的な一実施形態の模式図を示す。
図2】本明細書に記載されるPSDの非限定的な実施形態の、概略的な側面図を示す。
図3図2のPSDの概略的な断面図を示す。
図4】本明細書に記載されるPSDの非限定的な一実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
開示されたこれらの利点および改良のうち、本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて以下の説明から明らかになるであろう。本開示の詳細な実施形態は本明細書で開示される。しかしながら、開示される実施形態は、様々な形態で具体化されうる本開示の単なる例示であることを理解されたい。加えて、本開示の様々な実施形態に関して提示された各例は、例示を意図したものであり、限定することを意図したものではない。
【0028】
文脈上明らかに別段の指示がない限り、以下の用語は、明細書および特許請求の範囲を通して、本明細書において明示的に関連した意味を有する。本明細書で使用される「一(one)実施形態では」、「一(an)実施形態では」および「いくつかの(some)実施形態では」といった言い回しは、同じ実施形態を示すこともあるが、必ずしもそうであるとは限らない。さらに、本明細書で使用される「もう1つの実施形態では」や「他のいくつかの実施形態では」といった言い回しは、異なる実施形態を示すことがあるものの、必ずしもそうであるとは限らない。本開示の全ての実施形態は、開示内容の範囲や趣旨から逸脱することなく組み合わせ可能であることを意図している。
【0029】
本明細書で使用される場合、「~に基づいて(based on)」という用語は排他的ではなく、文脈で別途明確に指示されていない限り、記載されていない追加的な要因に基づくことを許容する。加えて、本明細書を通して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の意味には、複数の対象が含まれる。「~に(in)」の意味には、「~の中に(in)」と「~の上に(on)」が含まれる。
【0030】
本明細書で使用される場合、「~の間に(between)」という用語は必ずしも他の要素と直接隣り合うことを要しない。一般に、この用語はある物体が2つ以上の他の物体に挟まれた状態を意味する。同時に、「~の間に(between)」という用語は、対向した2つの物体と直接隣り合う物体を説明しうる。従って、本明細書で開示される、いずれか1つ以上の実施形態では、2つの他の構造的要素の間に配置される特定の構造部分は、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素の両方と直接接触するように、他の2つの構造的要素の両方の間に直接配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接接触するように、他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接隣り合って配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接接触しないように、かつ、特定の構造部分と、他の2つの構造的要素のうちの前記一方とに並列する他の構造的要素が存在するように、他の2つの構造的要素のうちの一方のみと間接的に隣り合って配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のいずれにも直接接触しないように、かつ、それらの間に他の要素が配置されるように、他の2つの構造的要素の両方の間に間接的に配置される、または、
それらの組合せ、でありうる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「単一の一体型本体」および「一体型本体」という用語は、積層造形プロセス(例えば、3Dプリント)によって一体的に形成または構築される物品を意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「一体型装置」という用語は積層造形プロセス(例えば、3Dプリント)によって製造される装置を意味する。従って、「一体型装置」は1つ以上の「単一の一体型本体」を有しうる。すなわち、例えばコンテナハウジングの中に収容された構成要素のような、互いに対して動く複数の部品を「一体型装置」が含むことができ、かつ前述の構成要素は、前述のコンテナハウジングと(例えば、ヒンジや滑り継手を通じて)移動可能に接触している。「一体型装置」という用語は、積層造形されない他の構成要素がその一部を成すことを必ずしも除外しない。一般に、「一体型装置」は溶接された構成要素、あるいは、溶接または接着された継ぎ目の、いずれも含まない。積層造形プロセスのための材料の例は、ポリマー、金属、ステンレス鋼、複合材料またはそれらの組み合わせを含む。
【0033】
図1は、流体の出力が亜大気圧になるように流体を減圧するように構成された機械装置102,104を有する、亜大気圧送達システム100の非限定的な一実施形態の模式図を示す。機械装置102,104は、ステージ1での第1のVAC調整器102と、ステージ2での第2のVAC調整器104と、を含む。VAC調整器102,104の各々は、本明細書で開示されるPSUDでありうるか、PSDを含みうる。第1のVAC調整器102は、入口フィルター装置106および第2のVAC調整器104に接続されている。図1に示されるシステム100は、直列接続体として一列に並んだ入口フィルター装置106と、第1のVAC調整器102と、第2のVAC調整器104と、を有する。従って、例えば0.689476~11.03161MPa(100~1600psig)のような高圧で貯蔵される流体は、入口フィルター装置106に流入し、次に、第1のVAC調整器102と第2のVAC調整器104とを通過する。この際、流体はVAC調整器102,104によって減圧されて、亜大気圧でシステム100外へと送達されうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、機械装置102,104の各々は一体型装置である。従って、2つの機械装置102,104は、図1が示す例示的な実施形態で表されるように、ともに接合されることができる。
【0035】
図2は、PSD200の非限定的な実施形態における側面図を示す。PSD200は入口204と出口206とを備えたハウジング202を有する。いくつかの実施形態によれば、2つ以上のPSDが単一のハウジングの中にともに形成されうる(例えば、図1および4を参照)ことを理解されたい。
【0036】
図3はPSD300の実施形態における概略的な側面図を示す。PSD300は単一の一体型本体構造であるハウジング302を含む。ハウジング302は入口304と出口306とを含む。PSD300は第2の一体型本体構造を含む。第2の一体型本体構造は、Oリングシール310,312を介してハウジング302の内部チャンバーに接続される可動部(例えば、可動フェイスプレート)308を含む。可動フェイスプレート308は、ハウジング302の内部チャンバーの内面の部分に沿って摺動するように構成された滑り継手314にも接続される。可動フェイスプレート308は、ステム320を介してバルブ316に接続される。すなわち、ステム320の一端は、可動フェイスプレート308がハウジング302に対して移動するときに、孔(例えば、流体流開口部)318と相互作用するように構成されるバルブ316に接続される。ポペットバルブでありうる、またはポペットバルブを含みうるバルブ316は、可動フェイスプレート308が入口304に向かって近づくように移動された際に開放状態になる。バルブ316は、可動フェイスプレート308が出口306に向かって近づくように移動された際に閉鎖状態になる。可動フェイスプレート308と、ステム320と、バルブ316と、滑り継手314と、が減圧機構を構成する単一の一体型本体の全ての部分でありうる。従って、PSD300が積層造形プロセス(すなわち、3Dプリント)によって製造されうる一方、ハウジング(第1の単一の一体型本体)および減圧機構(第2の単一の一体型本体)の両方がともに形成される。よって、PSD300は様々な部品あるいは構成要素の溶接を必要としない。
【0037】
いくつかの実施形態では、機械装置(図1で示される102,104)はともに一体型装置PSD400である。図4が示すように、PSD400のような実施形態では、単一のハウジング406に連続して収容される2つの部分402、404(内部構造は図示していないが、例えば図3が示すものと類似する)があり、ハウジング406および2つの部分402、404は単一の一体型本体から形成される。そのような単一の一体型本体は、例えば、積層造形プロセスによって作られうる。従って、PSD400は、製造工程後の溶接または組み立てを必要としない。よって、PSD400は溶接部を含まない。いくつかの実施形態では、部分402,404の各々は、独立して動作する部品を含む。従って、流体は入口408を介して流入し、部分402の内部隔室(例えば、図で示され本明細書で記載されたとおり)を通過するとともに、部分404の内部隔室(例えば、図3で示され本明細書で記載されたとおり)を通過して、出口410を介して出ていくことができる。図4が2つの部分402,404を示す一方で、PSDのいくつかの実施形態においては、2つを超える数の部分が直列、並列、またはそれらのいずれかの組合せの状態で存在しうることを理解されたい。
【0038】
詳細について、特に、用いられる構成材料や、部品の形状、大きさ、配置については、本開示の範囲を逸脱することなく変更がありうることを理解されたい。本明細書および記載される実施形態は例であり、本開示の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体と圧力調整装置とを備えた流体供給システムであって、
前記コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定し、
前記圧力調整装置は、前記内部キャビティに配置されるとともに、第1の単一の一体型本体と、第2の単一の一体型本体と、を含み、
前記第1の単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングを有し、
前記第2の単一の一体型本体は、減圧機構を含み、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容されるとともに、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、バルブに接続された可動部を含み、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、流体供給システム。
【請求項2】
前記減圧機構がさらにステムを備え、
前記バルブはポペットバルブを含み、
前記ステムの第1の端部は、前記可動部の一側部に接続され、
前記ステムの第2の端部は、前記ポペットバルブに接続され、
前記減圧機構は、前記可動部が前記入口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが開放状態になり、かつ、前記可動部が静止または前記出口に向かって移動した際に前記ポペットバルブが閉鎖状態になるように作動する、請求項に記載の流体供給システム。
【請求項3】
第2の圧力調整装置をさらに備え、
前記第2の圧力調整装置の入口が前記圧力調整装置の前記出口に接続される、請求項に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記圧力調整装置の前記入口に接続されたフィルター装置をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【国際調査報告】