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特表2024-541727半導体処理操作におけるエッジ均一性向上のためのエッジリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-11
(54)【発明の名称】半導体処理操作におけるエッジ均一性向上のためのエッジリング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241101BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241101BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20241101BHJP
   C23C 16/04 20060101ALI20241101BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 N
H01L21/205
C23C16/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529881
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-02
(86)【国際出願番号】 US2022080276
(87)【国際公開番号】W WO2023092135
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/264,437
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラシェカー・アナンダ
(72)【発明者】
【氏名】ホー・レオナルド・ワイ・フン
(72)【発明者】
【氏名】トラン・ソン・ボー・ナン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジャレド・アーマド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァス・ラウル
(72)【発明者】
【氏名】リュー・ガン
(72)【発明者】
【氏名】リン・ジャスミン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030EA03
4K030GA02
4K030JA01
4K030JA03
4K030KA45
4K030KA46
5F004BB23
5F004BB29
5F045EM02
5F045EM09
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA05
5F131BA23
5F131DA33
5F131DA42
5F131EB03
5F131EB04
5F131EB79
5F131JA13
5F131JA27
(57)【要約】
【解決手段】フローコンダクタンス特徴部を有する改良されたエッジリングが開示される。エッジリングのフローコンダクタンス特徴部は、エッジリングの局所範囲を流れるガスのフローコンダクタンスを調節するためにエッジリングに追加される特徴部である。フローコンダクタンス特徴部は、半導体ウエハ上、エッジリング上、およびチャンバ内の、局所範囲におけるガスの流れに影響を与え得る特徴部を差し引くようにフローコンダクタンスを調節できる。フローコンダクタンスは、所望する効果に応じて増加、低減、または調整してよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径Dおよび厚さTを有するウエハ用のエッジリングであって、
外側底面を有する外側部分と、
上面と、内側底面と、内側エッジとを有する内側部分と、を備え、
前記外側底面は、前記外側底面の少なくとも一部と同一平面である第1基準平面を規定し、
前記内側底面は、前記第1基準平面に平行かつ前記内側底面の少なくとも一部と一致する第2基準平面を規定し、
前記内側底面は、前記第1基準平面と前記上面との間にあり、
前記内側底面は、前記第1基準平面から少なくとも距離Tだけ離れており、
前記内側エッジは、Dより小さな公称内径を有し、
前記エッジリングは、
(a)前記内側部分内の隆起セクションであって、前記第1基準平面と前記第2基準平面との間に隆起セクション底面を有する隆起セクション、
(b)前記エッジリング内でセンタリングされた円形領域内に材料を有する張り出しセクションであって、前記公称内径に等しい直径を有する張り出しセクション、または、
(c)(a)と(b)と両方、
のうちの1つを含む、エッジリング。
【請求項2】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記内側部分は、1つまたは複数の凹状セクションを有し、前記1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、前記第2基準平面と前記上面との間に凹状底面を有する、エッジリング。
【請求項3】
請求項2に記載のエッジリングであって、前記内側部分は、3つの凹状セクションを有する、エッジリング。
【請求項4】
請求項2に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、前記内側部分の前記内側エッジを起点とし、前記内側部分の外側エッジに向かって延びている、エッジリング。
【請求項5】
請求項2に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の凹状セクションそれぞれの前記凹状底面は、前記第2基準平面から少なくとも10um離れている、エッジリング。
【請求項6】
請求項2に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、アーチ状の外側エッジを有する、エッジリング。
【請求項7】
請求項2に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、直線状の外側エッジを有する、エッジリング。
【請求項8】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記内側部分は、前記円形領域と前記内側部分の外側エッジとの間に前記内側エッジが存在する1つまたは複数の角度セクタを有する、エッジリング。
【請求項9】
請求項8に記載のエッジリングであって、前記内側部分は、3つの角度セクタを有する、エッジリング。
【請求項10】
請求項8に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける前記内側エッジは、前記円形領域と、前記円形領域および直径Dと同心の基準円との間にある、エッジリング。
【請求項11】
請求項8に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける前記内側エッジは、アーチ形状である、エッジリング。
【請求項12】
請求項8に記載のエッジリングであって、前記1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける前記内側エッジは、直線形状である、エッジリング。
【請求項13】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記隆起セクション底面は、前記第1基準平面の少なくとも300um上方にある、エッジリング。
【請求項14】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記張り出しセクションは、前記円形領域の弦である張り出し内側エッジを有する、エッジリング。
【請求項15】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記張り出しセクションは、扇形状である、エッジリング。
【請求項16】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記張り出しセクションは、U字形状である、エッジリング。
【請求項17】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記張り出しセクションは、前記第1基準平面と前記第2基準平面との間に張り出しセクション底面を有する、エッジリング。
【請求項18】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記内側エッジは、前記Dの95%以上99.9%以下の公称内径を有する、エッジリング。
【請求項19】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記エッジリングは、セラミック材料から作られている、エッジリング。
【請求項20】
請求項1に記載のエッジリングであって、複数のフィンガーをさらに備え、
前記フィンガーのそれぞれは、基部と、前記基部によって支持された半径方向内側に延びる部分と、前記内側に延びる部分に対して回転するように構成されているローラーと、を有し
前記フィンガーそれぞれの前記基部が前記外側底面に接続されている、エッジリング。
【請求項21】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記Dは、約300mmである、エッジリング。
【請求項22】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記Tは、約775umである、エッジリング。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
PCT出願願書が、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT出願願書で特定され、本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体をあらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハのエッジおよび/または下面への不要な堆積またはエッチングを防止するために、処理操作中に半導体ウエハのエッジを保護することが望ましい場合が多くある。このようなエッジ保護をもたらすために用いられる技術のひとつは、業界において一般的に「排除リング」または「エッジリング」と呼ばれるものである。典型的なエッジリングは、エッジリングを使用する半導体ウエハの直径よりもわずかに小さいサイズになっている開口を中央に有するリング構造を特徴とし、これによりエッジリングが半導体ウエハを覆って載置されて半導体ウエハ上にセンタリングされたときに、エッジリングの内側エッジが半導体ウエハの外側エッジにわずかな量だけ重なる。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実装形態では、外側底面を有する外側部分および、上面と、内側底面と、内側エッジとを有する内側部分を含む、直径Dおよび厚さTを有するウエハ用のエッジリングを提供してもよい。外側底面は、外側底面の少なくとも一部と同一平面である第1基準平面を規定してもよい。内側底面は、第1基準平面に平行かつ内側底面の少なくとも一部と一致する第2基準平面を規定してもよい。内側底面は、第1基準平面と上面との間にあってもよい。内側底面は、第1基準平面から少なくとも距離Tだけ離れていてもよい。内側エッジは、Dより小さな公称内径を有してもよい。エッジリングは、(a)内側部分内の隆起セクションであって、第1基準平面と第2基準平面との間に隆起セクション底面を有する隆起セクション、(b)エッジリング内でセンタリングされた円形領域内に材料を有する張り出しセクションであって、公称内径に等しい直径を有する張り出しセクション、または、(c)(a)と(b)の両方、のうちの1つを含んでもよい。
【0004】
エッジリングのいくつかの実装形態では、内側部分は、1つまたは複数の凹状セクションを有してもよく、1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、第2基準平面と上面との間に凹状底面を有する。
【0005】
エッジリングのいくつかの実装形態では、内側部分は、3つの凹状セクションを有する。
【0006】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、内側部分の内側エッジを起点としてもよく、内側部分の外側エッジに向かって延びてもよい。
【0007】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の凹状セクションそれぞれの凹状底面は、第2基準平面から少なくとも10um離れていてもよい。
【0008】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、アーチ状の外側エッジを有してもよい。
【0009】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の凹状セクションのそれぞれは、直線状の外側エッジを有してもよい。
【0010】
エッジリングのいくつかの実装形態では、内側部分は、円形領域と内側部分の外側エッジとの間に内側エッジが存在する1つまたは複数の角度セクタを有してもよい。
【0011】
エッジリングのいくつかの実装形態では、内側部分は、3つの角度セクタを有してもよい。
【0012】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける内側エッジは、円形領域と、円形領域および直径Dと同心の基準円との間にあってもよい。
【0013】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける内側エッジは、アーチ形状であってもよい。
【0014】
エッジリングのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の角度セクタのそれぞれにおける内側エッジは、直線形状であってもよい。
【0015】
エッジリングのいくつかの実装形態では、隆起セクション底面は、第1基準平面の少なくとも300um上方にあってもよい。
【0016】
エッジリングのいくつかの実装形態では、張り出しセクションは、円形領域の弦である張り出し内側エッジを有してもよい。
【0017】
エッジリングのいくつかの実装形態では、張り出しセクションは、扇形状であってもよい。
【0018】
エッジリングのいくつかの実装形態では、張り出しセクションは、がU字形状であってもよい。
【0019】
エッジリングのいくつかの実装形態では、張り出しセクションは、第1基準平面と第2基準平面との間に張り出しセクション底面を有してもよい。
【0020】
エッジリングのいくつかの実装形態では、内側エッジは、Dの95%以上99.9%以下の公称内径を有してもよい。
【0021】
エッジリングのいくつかの実装形態では、エッジリングは、セラミック材料から作られていてもよい。
【0022】
エッジリングのいくつかの実装形態では、エッジリングは、複数のフィンガーをさらに含んでもよく、フィンガーのそれぞれは、基部と、基部によって支持された半径方向内側に延びる部分と、内側に延びる部分に対して回転するように構成されているローラーとを有し、フィンガーそれぞれの基部は、外側底面に接続されている。
【0023】
エッジリングのいくつかの実装形態では、Dは、約300mmであってもよい。
【0024】
エッジリングのいくつかの実装形態では、Tは、が約775umであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、例示的なエッジリングの平面図である。
【0026】
図2-1】図2-1は、例示的な台座の上方の異なる位置に例示的なフィンガーを有する例示的なエッジリングの透視図である。
図2-2】図2-2は、例示的な台座の上方の異なる位置に例示的なフィンガーを有する例示的なエッジリングの透視図である。
【0027】
図2-3】図2-3は、図2-1において丸で囲んだ範囲における、フィンガーの詳細図である。
【0028】
図3図3は、例示的な台座上の半導体ウエハを覆う例示的なエッジリングの断面図である。
【0029】
図4図4は、例示的な半導体ウエハを覆う例示的なエッジリングのフローコンダクタンスを示す。
【0030】
図5-1】図5-1は、例示的な張り出しセクションを有する例示的なエッジリングの平面図である。
図5-2】図5-2は、例示的な張り出しセクションを有する例示的なエッジリングの平面図である。
【0031】
図6-1】図6-1は、例示的な張り出しセクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
【0032】
図6-2】図6-2は、例示的な張り出しセクションおよび例示的な隆起セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
図6-3】図6-3は、例示的な張り出しセクションおよび例示的な隆起セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
【0033】
図6-4】図6-4は、例示的な隆起セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
図6-5】図6-5は、例示的な隆起セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
【0034】
図7図7は、例示的なエッジリングの平面図であり、特徴セクション位置の例を含む。
【0035】
図8-1】図8-1は、例示的な凹状セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
図8-2】図8-2は、例示的な凹状セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
図8-3】図8-3は、例示的な凹状セクションを有する例示的なエッジリングの断面図である。
【0036】
図9図9は、例示的なエッジリングの平面図であり、カットアウトセクションの例を含む。
【0037】
図10-1】図10-1は、例示的なエッジリングの断面図であり、カットアウトセクションの例を含む。
【0038】
図10-2】図10-2は、例示的なエッジリングの断面図であり、例示的なカットアウトセクションおよび例示的な凹状セクションを含む。
【0039】
図11図11は、例示的な凹状セクションと例示的な隆起セクションを示す。
【0040】
図12図12は、例示的なウエハ処理チャンバを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の説明では、提示された各実施形態を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が記載されている。本明細書に開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてが欠けていても実践し得る。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス操作を詳細には説明していない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図していないと理解されるであろう。
【0042】
いくつかの半導体処理操作では、エッジリングを使用して、処理中の半導体ウエハの外側エッジ付近のガス流を制御する助けとしてもよい。先に述べたように、このようなエッジリングは、エッジリングが半導体ウエハ上でセンタリングされ、半導体ウエハを覆って載置されたときに、例えばミリメートル以下のわずかな量だけウエハと重なるように、ウエハの直径よりもわずかに小さいサイズの内部開口を有してもよい。エッジリングは、例えば、エッジリングが半導体ウエハ上に直接載らないように、ウエハを支持する台座によって支持されてもよい。不活性パージガス(例えば、アルゴン、窒素、またはその他の希ガス、または半導体処理ガスに対して反応しないガス)が、エッジリングと台座との間の隙間に流入するように、エッジリングを支持する台座のオリフィスから導入されてもよい。次にパージガスはこの隙間を通って流れ、半導体ウエハのエッジを通過してから、エッジリングの下面と半導体ウエハの上部との間の隙間を経由して半導体ウエハの中心に向かって半径方向内側に導かれてもよい。
【0043】
また、いくつかのエッジリングは、ウエハの載置および/または移送操作中に半導体ウエハを支持し得るキャリアリングとして機能してもよい。いくつかのそのようなエッジリングにおいては、複数(例えば3つ)のフィンガーが、エッジリングの外周に沿った位置から半径方向内側に延びていてもよい。フィンガーはエッジリングの下面に位置するとともに、処理操作中にエッジリングを支持する台座上に載るエッジリングの表面から離隔している。フィンガーは、それによって支持されるウエハと同じ直径の円形領域内に位置するポイントまで内側に延びている。したがって、エッジリングの下方でウエハがセンタリングされ、フィンガーの先端がウエハの下に位置するとき、エッジリングを上昇させると、フィンガーの先端がウエハの下面に接触してウエハを下方から支持するため、エッジリングをさらに上方に移動させることによりウエハを持ち上げることができる。台座は、また、エッジリングと半導体ウエハが台座に載置されたときにフィンガー(および関連する任意の支持構造体)をその中に下ろすことができるサイズの凹部またはレセプタクルを上面に有していてもよい。凹部またはレセプタクルにより、フィンガーおよびその支持構造体を、半導体ウエハを支持する台座の表面の下方に下げることができ、これによりエッジリングを、半導体ウエハを通常支持する台座の表面まで下降させ、台座の表面上またはその付近に載せることができる。
【0044】
本発明者らは、特定の半導体プロセスにおいて、エッジリングの一部であってもよいフィンガーを受け入れるための凹部またはレセプタクル(または、ウエハおよびエッジリングが台座に載置されたときにウエハまたはエッジリングの下面と流体連通する他の類似のポケットまたは空隙)等の特徴部が、半導体処理操作のある段階から少量のプロセスガスを捕捉できる場合があり、プロセスガスがその後、半導体処理操作の後続段階中に不必要に放出される可能性があると判断した。このような、保持されて後に放出されるプロセスガスは、いくつかのケースでは、半導体処理操作の後続段階において実施される堆積またはエッチングプロセスに局所的に妨害を与え、あるいは干渉し(または、問題となる特定のプロセスによっては、不必要に強化する可能性があり)、これにより凹部またはレセプタクルを覆うウエハのエッジ付近の不均一性の増加を引き起こす。
【0045】
本発明者らはまた、ウエハそれ自体の上に位置し得る特徴部も、局所的なエッジ不均一性を引き起こす場合があることに気づいた。例えば、半導体ウエハは一般的に、半導体ウエハの回転の向きを異なるツールによって確実に決定できるようにする基準のフレームとしての役目を果たすノッチまたは平坦なエッジをその外周に沿って有している。このようなインデックス特徴部により、特定の基準/座標系のフレームに対する半導体ウエハの回転の向きを決定することができるようになる。この情報が得られると、半導体ウエハを所望の基準/座標系のフレームに対してアライメントするために、半導体ウエハを計算された量だけ回転させてもよい。しかし、ノッチは、半導体ウエハのエッジから1ミリメートルまたは2ミリメーター内側に延びることが多く、事実上、エッジリングと相互作用することで小さな局所領域を提供するが、小さな局所領域では、エッジリングと半導体ウエハとの間のフローコンダクタンスが、エッジリングの周囲のほとんどまたはすべての他の位置間におけるフローコンダクタンスよりも高い。これにより、次に、発明者らは、エッジリングと台座との間の領域からのパージガスの半径方向内向きの流量が局所的に上昇する結果となることを発見した。したがって、半導体ウエハのエッジを横切ってウエハの中心へ向かうパージガスの流量は、ウエハ上に存在し得るノッチ(複数可)を覆う半導体ウエハのエッジに沿った位置(複数可)において上昇し得る。ノッチの代わりに平坦部を有するウエハもあるが、そのようなウエハを用いても同様の効果が観察され得る(ただし、ウエハ外周のより大きな部分に沿って広がる可能性がある)。
【0046】
本発明者らは、このような問題が潜在的なウエハ不均一性の一因となっていることを認識しており、使用時にウエハに重なるエッジリングの下面が、ウエハが存在するときにウエハに半径方向に重なるエッジリングの公称下面を形成する表面に対して隆起し、かつ/または凹む範囲または領域を有するように、エッジリングの構造を修正することによって、このような不均一性を緩和し、または排除さえできると判断した。このような範囲または領域によって、エッジリングの下面とウエハの上部との間の隙間におけるフローコンダクタンスを局所的に調節し、その位置において半径方向内側に流れるパージガスの量を増加または減少させることができる。本発明者らはまた、このような不均一性の緩和またはさらには排除を代替的または追加的に行うことが、エッジリングの円形の内側エッジを、エッジリングの内側エッジが沿う円に対して半径方向内側または外側に内側エッジが移動する領域(これは、例えば台座のウエハノッチおよび/または凹部またはレセプタクルなどの特徴部とアライメントされるように位置決めされる)を有するように修正することによって可能であると判断した。このような実装形態のさらなる詳細については、図に関して以下でさらに詳細に説明する。
【0047】
図1は、本開示による例示的なエッジリング100の平面図である。エッジリング100は外側部分106および内側部分104を有する。内側部分104は内側エッジ108を有する。内側エッジ108が、リング中心軸112を中心とする実質的に円形の開口110を画定してもよい。円形開口110は直径114を有する。直径114は半導体ウエハ102の直径よりわずかに小さい。図示の例では、例示的な半導体ウエハ102の輪郭が示されている。例えば、半導体ウエハ102は約300mmの直径を有してもよい。この例では、円形開口110の直径114は300mm未満である。直径114は、300mmの半導体ウエハの処理に使用される場合、297~299.5mmであってもよい(図1は、理解されるだろうが、縮尺通りに描かれていない)。
【0048】
エッジリング100は、フローコンダクタンス特徴部を有してもよい。フローコンダクタンス特徴部を使用して、半導体ウエハ102とエッジリング100の内側部分104の重なり部分との間にある隙間のフローコンダクタンスを調整してもよい。フローコンダクタンス特徴部は、半導体ウエハ102の周囲の対応する範囲におけるフローコンダクタンスを修正するために、特定の位置に載置されてもよい。図1に示す例において、エッジリング100には、フローコンダクタンス特徴部が載置された4つの位置がある。最初の3つの位置はそれぞれ、対応するセクション122にあり、4つめの位置はノッチセクション118にある。各セクション122が第1の種類のフローコンダクタンス特徴部を有する一方、ノッチセクション118は第2の種類のフローコンダクタンス特徴部を有してもよく、これにより、エッジリングの半径方向のフローコンダクタンスを、異なる位置における異なるパージガス流量の要求に適応するように調整することができる。ノッチセクション118は、エッジリング100が使用される半導体ウエハ102のノッチ120とアライメントされるように配置されてもよい。セクション122は同様に、エッジリング100に取り付けられたフィンガーまたは類似の構造体を受け入れるように設計された台座(不図示)の凹部またはレセプタクルの上方に通常あってもよい。フィンガー(不図示だが、図2-1および図2-3を参照)および類似の構造体は、取り付けねじ116によってエッジリング100に取り付けられてもよい。
【0049】
図2-1は、半導体ウエハ102を台座124の上方の上昇位置で保持するエッジリング100の透視図である。半導体ウエハ102は、取り付けねじによってエッジリング100に取り付けられたエッジリング特徴部156によって保持される。この実施形態では、エッジリング特徴部156は、ローラー164を有するフィンガー158である。この実施形態では、3つのエッジリング特徴部156が存在する。いくつかの実施形態では、単一のエッジリング特徴156が存在してもよい。いくつかの実施形態では、エッジリング100に取り付けられた2つ以上のエッジリング特徴部156が存在してもよい。台座124は、1つまたは複数のレセプタクル162を有してもよい。台座124は、レセプタクル162をエッジリング特徴部156の数と一致するように有する。図示の例では、エッジリング100が3つのエッジリング特徴部156を有し、台座125は3つのレセプタクル162を有する。上述したように、レセプタクル162は、半導体処理操作中に少量のプロセスガスを捕捉できる場合がある。この捕捉されたガスは、半導体処理操作の後続段階の間に不必要に放出されて、ウエハ不均一性の発生源となる場合がある。台座124はまた、複数のポート164を有してもよい。ポート164を使用して、ウエハ処理中にパージガス等のガスをエッジリングの下面に送ってもよい。
【0050】
図2-2は、台座124を覆う下降位置にあるエッジリング100の透視図である。図2-1に示すように、エッジリング100を上昇位置から下げるとき、エッジリング特徴部156は台座124上の対応するレセプタクル162内に下ろされる。各エッジリング特徴部156用のレセプタクル162を有することにより、エッジリング100は、半導体ウエハ102を台座124上に下げてから、半導体ウエハ102のわずかに上方に留まりながら、最終的には同様に台座上に載るように下降し続けることができる。
【0051】
図2-3は、例示的なエッジリング特徴部156、つまりローラー164を有するフィンガー158の近接図である。フィンガー158は基部160を有する。基部160は、基部から半径方向内側に延びる長尺構造体162を支持する。ローラーが長尺構造体に対して回転できるように、ローラー164は長尺構造体162によって支持される。図示の例では、ローラー164はピン166によって長尺構造体162に取り付けられている。フィンガー158は、エッジリング100が台座124に向かって下げられたときにレセプタクル162内に嵌まるように構成されている。
【0052】
図3は、エッジリング100の断面図である。この断面図は、半導体ウエハ102の外側エッジ136に重なっているエッジリングを示す。半導体ウエハ102は台座124に載置される。エッジリング100は、内側部分104、外側部分106、および上面142を有する。内側部分104は内側エッジ108を有する。通常、エッジリング100の内側エッジ108は、半導体ウエハ外側エッジ136に対して内側にある。すなわち、エッジリング100の内側エッジ108は、半導体ウエハ外側エッジ136によって画定された円内にある。これには例外があってもよい。例えば、ウエハノッチ(不図示)において、半導体ウエハの外側エッジがエッジリング100の内側エッジ108に対して内側にあってもよい。先に述べたように、内側エッジ108によって画定された円形開口の直径は、処理中の半導体ウエハ102の直径よりも小さな公称直径を有する。内側部分104は内側底面130を有し、外側部分106は外側底面128を有する。内側底面130は外側底面128よりも高い高度にある。いくつかの実施形態では、内側底面130と外側底面128との高度の差が、半導体ウエハ102の厚さである。いくつかの実施形態では、内側底面130の高度が、外側底面128の高度よりも高い半導体ウエハ102の厚さより大きい距離であってもよい。さらに他のいくつかの実施形態では、内側底面130と外側底面128との高度の差が、半導体ウエハ102の厚さよりも小さくてもよい。ウエハ厚さは、例えば、300mm直径のウエハで約750umであってもよい。
【0053】
また、図3には、第1基準平面132、第2基準平面134、および上部基準平面144が示されている。第1基準平面132は、外側底面128の少なくとも大部分と同一平面である。第2基準平面134は、第1基準平面132に平行であり、内側底面130の少なくとも大部分と一致する。上部基準平面144は、上面142の最も高い部分と一致し、第1基準平面132に平行である。
【0054】
図5-1、図5-2、および図6-1~図6-6は、ウエハ502のノッチ520を覆うエッジリング500上のフローコンダクタンス特徴部の例を示す。半導体ウエハ処理中にエッジリングが使用されるとき、半導体ウエハのノッチ範囲はエッジリングによって最小限に覆われる。すなわち、ノッチにおけるウエハの外側エッジは、ウエハの他の部分におけるウエハの外側エッジよりも、エッジリングの内側エッジに半径方向に近い。したがって、パージ操作中、ノッチの周囲の範囲は通常、エッジリングの内周の周りの他の位置よりも障害が少なく、フローコンダクタンスが高い。高いフローコンダクタンスにより、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲と比較して、ノッチの周りの領域でより多くのパージガスが半径方向内側に流れることが可能となり得る。
【0055】
図4は、半導体ウエハのノッチの周りの範囲におけるフローコンダクタンスを、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲におけるフローコンダクタンスと比較して示す。各図に示すのは、台座524上の半導体ウエハ502を覆うエッジリング500の断面図である。上の図は、エッジリング500の下の半導体ウエハ502の、ウエハ円周に沿った非ノッチ位置での断面図であり、下の図は、エッジリング500の下の半導体ウエハ502の、ノッチ520における断面図である。各図は、高コンダクタンス領域570と低コンダクタンス領域572を示している。円周の周りでは、エッジリング500の内側エッジ508と半導体ウエハ502の外側エッジ536との間の半径方向距離がより大きいため、エッジリング50の内側エッジ5008と半導体ウエハ502の外側エッジ536との間の半径方向距離が小さいノッチ520における高コンダクタンス領域570と比べて、高コンダクタンス領域570が小さくなる。高コンダクタンス領域570はノッチ520においてより大きいため、通常は、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲と比較して、より多くのパージガスが半径方向内側に流れることを可能とする、より高いフローコンダクタンスがこの範囲に存在する。エッジリングにおけるフローコンダクタンス特徴部を使用して、半導体ウエハのノッチの周りの範囲におけるフローコンダクタンスを低減してもよい。フローコンダクタンスを低減するためにフローコンダクタンス特徴部を使用することにより、ウエハノッチの周りのフローコンダクタンスを調整して、パージ後にノッチ範囲に残るガスの量が半導体ウエハの円周の周りの他の範囲に残るガスの量と一致するようにしてもよい。
【0056】
ウエハノッチがあるであろう場所の近傍におけるフローコンダクタンスを低減するために使用されてもよいフローコンダクタンス特徴部の一例は、張り出しセクションである。本明細書で使用する場合、張り出しセクションという用語は、エッジリングの内側エッジと概ね同心かつ同軸の円から半径方向内側に延びるエッジリングの部分を指す。張り出しセクションはこのようにして、エッジリングのノッチセクションにおける内側エッジを、内側エッジの残りのほとんどまたはすべての周りに通常ある内側エッジよりもウエハ中心軸に近づけることで、ウエハのノッチ特徴部から流れるパージガスがエッジリングの内側エッジに到達する前に経由可能な最短流路の長さを伸ばす。この流路の長さを伸ばすことにより、流路のフローコンダクタンスを低減させてもよく、これによりウエハのノッチ範囲において生じる増加したフローコンダクタンスを相殺する。
【0057】
図5-1および図5-2は、フローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500の2つの例の平面図である。各図におけるフローコンダクタンス特徴部は、張り出しセクション538である。図5-1および図5-2におけるエッジリング500は、内側部分504および外側部分506を有する。また、ノッチ520を有する半導体ウエハ502の輪郭も示されている。各図における張り出し特徴部538は、エッジリング500のノッチセクション518における内側エッジ508を、その領域におけるウエハ502の中心に、半導体ウエハ502の中心に対する内側エッジの公称距離と比較して近づける。これにより、パージガスがウエハのノッチ範囲からエッジリングの内側エッジに向かって半径方向内側に流れる際、パージガスがたどる半径方向の流路が延び、これにより、その範囲におけるフローコンダクタンスを、ウエハのノッチ範囲において生じる増加したフローコンダクタンスを相殺するように低減し、ノッチ範囲におけるパージガス流量とエッジリングの円周の周りの公称パージガス流量を等しくする助けとなる。
【0058】
図5-1は、エッジリング500の張り出しセクション538の第1の例を示す。図5-1における張り出しセクション538は、エッジリングの内側エッジと概ね同軸かつ同心の基準円と、その基準円の弦との間にあるエッジリングの一部である。図5-1における張り出しセクション538は従って弦形状として説明されてもよい。このような張り出し特徴部は必要以上に大きいかもしれないが、損傷の影響を受けにくく、不均一性そのものの発生源になりにくく、エッジリングに対するウエハ内のノッチ特徴部の角度ずれに対してより寛容である場合がある。図示の実施形態では、弦は半導体ウエハ502のノッチ520のちょうど半径方向内側にある。ノッチセクション518におけるエッジリング500の内側エッジ508は、ノッチ520を通過するエッジリングの半径に直交し、かつ半導体ウエハのノッチ520全体の内側でもある直線である。しかし、直線を特徴としない類似の張り出し特徴部を用いてもよく、例えば直線を、張り出し特徴部の両側におけるエッジリングのアーチ状のエッジ間で、張り出し特徴部の内側エッジの部分までゆっくりと遷移する一定または可変の半径曲線と置き換えてもよいと理解されるだろう。そのような張り出し特徴部は、いくつかの実装形態では、極めて繊細であってもよい―例えば、弦幅(張り出し特徴部の内側エッジから、エッジリングの内側エッジによって公称的に画定される円まで測定されたもの)が1mm未満(例えば、0.8mm、0.75mm、0.7mm、0.65mm等)の弦形状の張り出し特徴部が、いくつかのケースでは、ウエハノッチから生じる増加したフローコンダクタンスを相殺するのに十分なフローコンダクタンスを提供するのに十分であってもよい。
【0059】
図5-2は、エッジリング500の張り出しセクション538の第2の例を示す。図5-2の張り出しセクション538は、ウエハノッチ520の形状に沿っており、概して扇(セクタ)または三角の形状である。図5-1の例と同様に、エッジリング500の内側エッジ508は、エッジリングの内側エッジと概ね同軸かつ同心の基準円の半径方向内側にある。しかし、図5-1の弦と比較すると、扇形状は半導体ウエハ502のノッチ520の形状に概ね沿うが、ノッチ範囲の周りに延びるエッジリングのゾーンに、ウエハと最小重なり量(例えば、1ミリメートル程度)だけ重なるゾーンが存在するように、ノッチ520から外側にオフセットしている。扇形状の張り出しセクション538は、図5-1における弦形状の張り出しセクションと比較して、フローコンダクタンスへの影響がより限定的になり得るため、弦形状の張り出しセクションと比較して、より局所的なフローコンダクタンス調整方法を提供する。いくつかの実施形態では、張り出しセクション538がU字形状であってもよく、U字の湾曲した底部が、エッジリングの中心に向かって半径方向内側に位置づけられている。
【0060】
ウエハノッチ付近に存在する増加したフローコンダクタンスを差し引くために使用してもよい別の例示的なフローコンダクタンス特徴部は隆起セクションであり、隆起セクションは、エッジリングの内側部分の底面の大部分に対して「隆起」しているエッジリングの内側部分の底面の領域である。その結果、このような隆起セクションが配置されたエッジリングの底面とウエハとの間の隙間は、ウエハとエッジリングの内側部分の底面の残りのほとんどとの間の隙間よりも小さくなる。隆起セクションとウエハ間のフローコンダクタンスはそのため、ウエハと内側部分の底面の残りのほとんどとの間のフローコンダクタンスよりも低い。このような隆起セクションは、単独で使用してもよいし、または張り出し特徴部と組み合わせてもよい。隆起セクションの例は、図のいくつかに関して以下で説明する。
【0061】
図6-1~図6-5は、半導体ウエハ502のノッチ520を覆って配置された、フローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500の断面図である。図示の各例では、半導体ウエハ502が基板524上にある。各図には、外側底面528の大部分と同一平面の第1基準平面532と、第2基準平面534と、上部基準平面544が示されている。上述したように、第2基準平面534は、内側底面の大部分と一致し、第1基準平面532に平行である。上部基準平面544は、上面542の最も高い部分と一致し、第1基準平面532に平行である。
【0062】
図6-1は、張り出しセクション538を有するエッジリング500を示す。図示の実施形態では、張り出しセクション538は、エッジリング504の内側部分504を半径方向内側に局所的に延ばし、内側エッジ508を内側に移動させることで、張り出しセクションにおける内側エッジが、エッジリング500の残りのほとんどまたはすべての周りに内側エッジがあるよりも、エッジリングの中心に近くなるようにする。所望するフローコンダクタンスに応じて、張り出しセクション538を延長または短縮してもよい。
【0063】
図6-2は、張り出しセクション538と隆起セクション546とを有するエッジリング500を示す。図6-2における隆起セクション546は、エッジリング500の残りの部分よりも濃い斜線領域で示されている。隆起セクション546は隆起セクション底面548を有する。底面548は、第1基準平面532と第2基準平面534との間にあるため、エッジリング500の底面の一部が半導体ウエハ502の上面526のより近くに位置づけられる。隆起セクション底面548は、半導体ウエハ502の上面526と第2基準平面534との間のいずれの場所に配置されてもよい。隆起セクション546を有することにより、エッジリング500と半導体ウエハ502との間の隙間が減少し、これにより、その範囲におけるフローコンダクタンスが低減される。隆起セクション底面548がウエハ502に近いほど、隆起セクション底面548と半導体ウエハ502との間の隙間が小さくなる。隆起セクション底面548と半導体ウエハ502との間の隙間が小さいほど、その領域におけるフローコンダクタンスが低くなる。図示の実施形態では、隆起セクション546は、張り出しセクション538から内側部分504を通って内側部分504と外側部分506との間の境界507まで延びる。境界507を、内側部分504の外側エッジまたは外側部分506の内側エッジと称してもよい。
【0064】
図6-3は、張り出しセクション538と隆起セクション546との両方を有するエッジリング500の別の実施形態を示す。この実施形態では、隆起セクション546は、張り出しセクション538から内側部分504内へ延びている。先の実施形態とは異なり、隆起セクション538は内側部分504内への通路の一部で途切れている。いくつかの実施形態では、隆起セクション538は、内側エッジ508と境界507との間の内側部分504のセグメントのみであってもよい。いくつかの実施形態では、隆起セクションが内側部分504の内側エッジ508まで延びていなくてもよい。これらの実施形態では、隆起セクションは内側エッジ508の半径方向外側を起点とする。
【0065】
図6-4は、半導体ウエハ502のノッチ520を覆って使用するための、隆起セクション546であるフローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500のさらに別の例を示す。隆起セクション546は、隆起セクション546の底面548が半導体ウエハ502の上面536と第2基準平面534との間にあるように、エッジリング500の公称底面から外側に延びている。隆起セクション546は、外側エッジ508から内側部分504を通って、内側部分504と外側部分506との境界507まで延びている。図示の例では、エッジリング500は、先の例で示したような張り出しセクションを有していない。したがって、フローコンダクタンスは、隆起セクション546の底面548と半導体ウエハ502の上面526との間の減少した隙間によってのみ修正される。
【0066】
図6-5は、隆起セクション546であるフローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500の別の例を、半導体ウエハ502のノッチ520を覆う部分について示す。図6-4の例と同様に、この例では、隆起セクション546の底面548が半導体ウエハ502の上面526と第2基準平面534との間にあるように、隆起セクションが外側に延びている。この例では、隆起セクション546は外側エッジ508から内側部分504を通って外側部分506に向かって延びている。隆起セクション546は、内側部分504内への通路の一部で途切れてから、内側部分と外側部分506との境界507まで延びる。いくつかの実施形態では、隆起セクション546は、内側エッジ508と境界507との間の内側部分504のセグメントであってもよい。隆起セクション546のセグメントは、ウエハ502のノッチ520の上方の範囲において所望のフローコンダクタンスを生じさせるように設計されてもよい。
【0067】
上述したフローコンダクタンス特徴部を、エッジリングの局所的な範囲におけるフローコンダクタンスを低減させるために、例えば、ウエハノッチ等の特徴部に起因して存在し得る増加したフローコンダクタンスを相殺するために使用してもよく、一方で第2のタイプのフローコンダクタンス特徴部を、エッジリングの円周の周りの特定の範囲におけるパージガス流量を増加させるように、局所的にフローコンダクタンスを増加させるために使用してもよい。大まかに言えば、このようなフローコンダクタンス特徴部は、台座に凹部またはレセプタクルが存在することを要し得るエッジリング上の特徴部(例えば、フィンガー)が配置される場所において使用されてもよい。このような凹部またはレセプタクルは、エッジリングによって提供され得る標準的なパージガス流を通じてパージされることに抵抗し得るガスを捕捉してもよい。第2のタイプのフローコンダクタンス特徴部が、これらの範囲におけるフローコンダクタンスを増加させてもよく、捕捉されたガスをより効率的に除去するよう作用し得るパージガス流を局所的に増加させることを可能にし、これにより、そのような捕捉されたガスが、より長い期間にわたってゆっくりと漏れ出し、後続の処理操作に潜在的に干渉することを防止できる。第2のタイプのフローコンダクタンス特徴部の例としては、エッジリングの内側部分の底面における凹状セクション、エッジリングの内側エッジに沿ったカットアウトセクション、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0068】
図7は、3つの特徴セクション722を有する例示的なエッジリング700の平面図である。いくつかの実施形態では、単一の特徴セクションが存在してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の特徴セクションが存在してもよい。このような実装形態は、例えば、台座に3つ以外の凹部またはレセプタクルが存在する状況で用いられてもよい。
【0069】
エッジリング700は外側部分706および内側部分704を有する。内側部分704は内側エッジ708を有する。内側エッジ708が、リング中心軸712にセンタリングされた実質的に円形の開口710を画定してもよい。外側エッジ736を有する半導体ウエハ702が示されている。内側部分704の内側エッジ708は、半導体ウエハ702の外側エッジ736の内側にある。図1で説明したように、セクション722は、エッジリング700の下方に特徴部を有し、エッジリングが台座の上部に載置されたときに、そのような特徴部を収容するための凹部またはレセクタブルが台座に存在することを要してもよい。そのような凹部またはレセプタクルは、後でゆっくりと漏れ出して他のガスを使用する後続の処理操作に潜在的に干渉し得る処理ガスを捕捉あるいは収容してもよい。したがって、エッジリングの局所的な範囲に高いフローコンダクタンスをもたらし、そのような範囲のパージ速度を高めることが望まれてもよい。そのような範囲においてパージ速度を「デフォルト」のパージ速度のままにしておくと、凹部またはレセプタクルから漏れ出る処理ガスによって、セクション722の周りの半導体ウエハ702上の局所的な処理不均一性が増大する場合がある。上述したフローコンダクタンス特徴部をこれらのセクションに配置することで、これらの範囲においてパージガス流量を向上させてもよく、これによって、捕捉されたプロセスガスをより迅速に除去できるようになる。
【0070】
先に述べたように、使用してもよいフローコンダクタンス特徴部の1つのタイプは、凹状セクション(不図示)である。このようなフローコンダクタンス特徴部は通例、内側部分704の底面から切り取られる。セクション722は、フローコンダクタンス特徴部を組み込むために修正してもよいエッジリング700の範囲を強調表示している。図示の実施形態では、セクション722、ひいてはフローコンダクタンス特徴部(すなわち、凹状セクション)が、アーチ状の外側エッジを有する。この実施形態では、アーチ状のエッジがエッジリング700と同心の円の円弧に沿う。いくつかの実施形態では、凹状セクションが直線的な外側エッジを有してもよい。いくつかの実施形態では、凹状セクションは、内側エッジ708から内側部分704を通って、内側部分704と外側部分706との間の境界707まで延びてもよい。境界707は、内側部分外側エッジと外側部分内側エッジとが接する場所であり、内側部分外側エッジまたは外側部分内側エッジと称してもよい。いくつかの実施形態では、凹状セクションは、半径方向外側に延びる内側部分704のセグメントのみを覆ってもよい。これらの実施形態では、凹状セクションは、内側部分704の境界707および内側エッジ708のいずれか一方、または両方まで延びてもよい。
【0071】
図8-1~図8-3は、それぞれ例示的な凹状セクション750を有するエッジリング700の3つの断面範囲を示す。各図は、外側部分706と、内側部分704と、上面742とを有するエッジリング700を示す。内側部分704は外側部分706と境界707において接する。内側部分704は、内側底面730および内側エッジ708を有する。外側部分706は外側底面728を有する。第1基準平面732は、外側底面728の大部分と同一平面である。第2基準平面734は、内側底面730の大部分と一致し、第1基準平面732に平行である。上部基準平面744は、上面742の最も高い部分と一致し、第1基準平面732に平行である。第2基準平面734は、第1基準平面732と上部基準平面744との間にある。各図に示すのは、台座724上の半導体ウエハ702である。半導体ウエハ702は外側エッジ736および上面726を有する。各図において、ウエハ外側エッジ736は、内側部分704の内側エッジ708の半径方向外側にある。すなわち、内側部分704の内側エッジ708は、ウエハ外側エッジ736によって画定された円内にある。
【0072】
図8-1は、凹状セクション750の第1の例を示す。凹状セクション750は、エッジリング700の内側部分704から材料が除去された範囲であり、これによって凹状セクション底面752が形成される。凹状セクション底面752は、第2基準平面734と上部基準平面744との間のいずれの場所にあってもよい。いくつかの実装形態では、凹状セクション底面752が、第2基準平面734から少なくとも10um離れていてもよい。いくつかの実装形態では、凹状セクション底面752が、第2基準平面734から最大で200um離れた距離でもよい。凹状セクション750により、エッジリング700の局所的な範囲において底面を上昇させ、エッジリング700の底面の一部とウエハ上面726との間により大きな隙間を形成する。広がった隙間は、その範囲におけるフローコンダクタンスを増加させ、ひいては、凹状セクション750の周りの範囲におけるプロセスガスをより効果的にパージする、より高いパージガス流量を促してもよい。通常、凹状セクション底面752が上部基準平面744に近いほど、フローコンダクタンスは高くなる。図8-1に示すように、凹状セクションは外側エッジ708から境界707まで延びてもよい。
【0073】
図8-2は、エッジリング700上の凹状セクション750の第2の例を示す。図8-1と同様に、凹状セクション底面752は、第2基準平面734と上部基準平面744との間になるように上昇されている。図示の例では、凹状セクション750は外側エッジ708から外側部分706に向かって延びている。ただし、図8-1の例とは異なり、凹状セクションは内側部分704と外側部分706との間の境界707の手前で途切れている。図示の実施形態では、凹状セクション750は境界707の手前で途切れているが、凹状セクション750はウエハ外側エッジ736を越えても延びている。いくつかの実施形態では、ウエハ外側エッジ736が凹状セクション750全体に対して半径方向外側にあるように、すなわち、ウエハ外側エッジ736が凹状セクションの外側エッジよりもエッジリング700の中心から遠くにあるように、凹状セクション750がより短くてもよい。通常、凹状セクションが延びる半径方向距離が長いほど、フローコンダクタンスは高くなる。したがって、この実施形態で生じるフローコンダクタンスは、図8-1に示す実施形態で生じるフローコンダクタンスよりも小さくてもよい。
【0074】
図8-3は、エッジリング750上の凹状セクション750の第3の例を示す。先の例と同様に、凹状セクション750は凹状セクション底面752を有する。凹状セクション底面752は、局所的な範囲においてエッジリング700の底面を上昇させ、第2基準平面734と上部基準平面744との間にある。図示の実施形態では、凹状セクション750はエッジリング700の内側部分704内で半径方向に含まれ、境界707にも外側エッジ708にも延びていない。いくつかの実施形態では、凹状セクション750は、境界707いっぱいまで半径方向に延びるが、内側部分704の内側エッジ708までは延びなくてもよい。凹状セクション750は、内側エッジ708と境界707との間の内側部分704の任意の半径方向セグメントにわたっていてもよい。
【0075】
凹状セクションは、エッジリングの特定の範囲においてフローコンダクタンスを増加させるために使用されてもよいフローコンダクタンス特徴部の一例である。フローコンダクタンス特徴部の別の例は、カットアウトセクションである。カットアウトセクションとは、エッジリングの内側部分内の、材料が除去されたセクションである。大まかに言えば、カットアウトセクションは、通常はエッジリングの内側エッジと同軸かつ同心である基準円の外側にある内側エッジを有する。いくつかの実施形態では、カットアウトセクションにおける内側エッジが、半導体ウエハの外側エッジの内側に残ったままである。カットアウトセクションにより、ガスがエッジリングと半導体ウエハ間で進まねばならない距離が短縮され、これにより、これらの範囲におけるフローコンダクタンスを、フローコンダクタンス特徴部のないエッジリングの範囲と比較して増加させる。
【0076】
図9は、3つのカットアウトセクション954を有する別の例示的なエッジリング900の平面図である。いくつかの実施形態では、単一のカットアウトセクションが存在してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のカットアウトセクションが存在してもよい。このような実装形態は、例えば、台座に3つ以外の凹部またはレセプタクルが存在する状況で用いられてもよい。
【0077】
この図に示すのは半導体ウエハ902である。エッジリング900は外側部分906および内側部分904を有する。内側部分904は内側エッジ908を有する。半導体ウエハ902は、リング中心軸912にセンタリングされたエッジリング900の内側エッジ908と概ね同軸かつ同心である基準円960を有する。すなわち、基準円960は、3つのカットアウトセクション954それぞれの一部ではない内側エッジ908と同心である。3つのカットアウトセクション954のそれぞれにおいて、内側部分904の内側エッジ908は、内側エッジが基準円960と、内側部分904と外側部分906との間の境界907との間にあるように、半径方向外側に移動する。上記の図において説明したように、境界907は、内側部分外側エッジと外側部分内側エッジが接する部分である。図示の実施形態では、カットアウトセクション954はリング中心軸912からの角度セクタである。カットアウトセクション954における内側エッジ908はアーチ形状である。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954における内側エッジ908が直線であってもよい。図1において説明したように、アーチ形状が5度未満であってもよい。いくつかの実施形態では、アーチ形状が5~10度であってもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、アーチ形状が10度より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクションが長方形であってもよい(不図示)。
【0078】
図9に示すように、カットアウトセクション954における内側エッジ908は、カットアウトセクションではない範囲に対して外側部分906に向かって半径方向外側に移動している。図示の実施形態では、各カットアウトセクション954における内側エッジ908は、基準円960と境界907とのほぼ中間にある。この実施形態では、カットアウトセクション954における内側エッジ908は、ウエハ外側エッジ936に対して半径方向内側に留まる。すなわち、各カットアウトセクションにおける内側エッジ908は、ウエハ外側エッジと同心かつ同軸の円内にある。なお、図示の例は、より明瞭に示すために大きさが誇張されており、このようなカットアウトやウエハの重なりは、図示されたものよりもはるかに小さくてもよい(例えば、カットアウトの半径方向深さが1ミリメートル程度でもよい)。いくつかの実装形態では、そのようなカットアウトの半径方向深さが1ミリメートル未満(例えば、0.9mm未満、0.8mm未満、0.7mm未満、0.6mm未満、0.5mm未満、0.4mm未満、0.3mm未満等)であってもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954は、カットアウトセクションにおける内側エッジがウエハ外側エッジ936よりも基準円960に近いように、内側エッジ908を基準円960により近づけてもよい。他のいくつかの実施形態では、カットアウトセクション954は、内側エッジ908がウエハ外側エッジ936の上方または半径方向にわずかに内側にあるように、内側エッジ908を境界907に近づけてもよい。
【0079】
図10-1および図10-2は、エッジリング900上の例示的なカットアウトセクション954の断面図である。図10-1において、エッジリング900は、単一のフローコンダクタンス特徴部、つまりカットアウトセクションを有する。図10-2の例では、エッジリング900上に2つのフローコンダクタンス特徴部、つまりカットアウトセクション954と凹状セクション950がある。両図において、エッジリング900は、外側部分906と、内側部分904と、上面942とを有する。内側部分904は外側部分906と境界907において接する。境界907を、内側部分904の外側エッジまたは外側部分906の内側エッジと称してもよい。内側部分904は、内側底面930と内側エッジ908を有する。外側部分906は外側底面928を有する。第1基準平面932は、外側底面928の大部分と同一平面である。第2基準平面934は、内側底面930の大部分と一致し、第1基準平面932に平行である。上部基準平面944は、上面942の最も高い部分と一致し、第1基準平面932に平行である。各図に示すのは、台座924上の半導体ウエハ902である。半導体ウエハ902は外側エッジ936を有する。各図において、外側エッジ936は内側部分904の内側エッジ908の半径方向外側にある。
【0080】
図10-1における断面図は、エッジリング900のカットアウトセクション954を示す。カットアウトセクション954の後方にあるのは、フローコンダクタンス特徴部のないエッジリング900、すなわちカットアウトセクションのないノーマルエッジリングであり、濃い斜線領域で示されている。カットアウトセクション954は、エッジリング900の外側部分906により近い内側エッジ908を有し、局所範囲において半導体ウエハ902を覆うエッジリング900の張り出しを低減している。図9において説明したように、カットアウトセクション954は、除去される材料が少なくなるように半径方向内側に延びてもよいし、除去される材料が多くなるように半径方向外側に延びてもよい。例えば、カットアウトセクション954は、その範囲において内側部分904を除き、内側エッジ908をウエハ外側エッジの上方またはわずかに内側に残してもよい。
【0081】
図示の実施形態では、内側底面930が変更されず、エッジリング900の残りの部分と同じ高さのままである。したがって、この実施形態では、この範囲のフローコンダクタンスは、カットアウトセクション954によってエッジリング900の張り出しを低減することにより変更されるのであって、内側底面930と半導体ウエハ902の上面926との間の隙間を変更することによってではない。
【0082】
図10-2の実施形態では、エッジリング900はカットアウトセクション954と凹状セクション950との両方を有する。先の実施形態とは異なり、半導体ウエハ902を覆うエッジリング900の張り出しの量と、エッジリング900の下面と半導体ウエハ902の上面926との間の隙間との両方が、その範囲におけるフローコンダクタンスを変更するために修正される。カットアウトセクション954は、カットアウトセクション954における内側部分904の内側エッジ908が、未修正の内側部分の内側エッジと境界907とのほぼ中間にあるように形成されてもよい。図示の実施形態では、カットアウトセクション954の内側エッジ908が、ウエハ外側エッジ936に対して半径方向内側にある。カットアウトセクション954は、所望のフローコンダクタンスに応じて深くすることができ、例えばカットアウトセクションにおける内側エッジを内側部分906に向かってより近づけるか、または浅くしてもよく、例えばカットアウトセクションにおける内側エッジを内側部分906から遠ざけてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954を外側部分906に向かってより深くしてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954を、内側エッジ908が半導体ウエハ902の中心(不図示)に近くなるように、より浅くしてもよい。凹状セクション950は、凹状セクション底面952をウエハ上面926から離して上昇させる。凹状セクション底面952は、上部基準平面944と第2基準平面934との間にある。凹状セクション950を、図8-1~図8-3を参照して説明したように修正してもよい。
【0083】
さらに理解を助け、さらなる洞察を提供するために、様々な例示的な凹状セクションおよび隆起セクションを図Kに示す。図Kでは、エッジリング1100の内側部分1104上に4つの例示的な凹状セクションと4つの隆起セクションが設けられ、これらのフローコンダクタンス特徴部は、比較のためにすべて隣り合って載置されている。第1の凹状セクション1180は、図8-3に関して説明した実施形態の一例である。第2の凹状セクション1182は、図8-1に示す凹状セクション650の一例の透視図である。第3の凹状セクション1184は、図8-3に示す例示的な凹状セクション650の透視図である。第4の凹状セクション1186は、図8-2に示す例示的な凹状セクション650の透視図である。第1の隆起セクション1190は、図6-5に関して説明した実施形態の一例である。第2の隆起セクション1192は、図6-4に示す隆起セクション646の一例の透視図である。第3の隆起セクション1194は、図6-5に関して説明した実施形態の別の例である。第4の隆起セクション1196は、図6-5に示す例示的な隆起セクション646の透視図である。
【0084】
図1に戻ると、各セクション122は、図2に示す特徴部156など、対応する特徴部の上方に配置されてもよい。セクション122は、例えば、3つの異なるサイズの特徴セクションによって示されるように、所望される特定のフローコンダクタンス特性に応じて変化し得る円周領域または円弧のセクタを通って延びてもよい。図示の例では、セクション122が、エッジリング100の内側部分の環状セクタである。いくつかの実施形態では、セクション122は、内側エッジ108まで延びる長方形であってもよい。
【0085】
同様に、ノッチセクション118は半導体ウエハ102のノッチ120の上方に配置される。ノッチセクション118は、例えば2つの異なるサイズの特徴セクションによって示されるように、所望される特定のフローコンダクタンス特性に応じて変化し得る円周方向領域または円弧のセクタを通って延びてもよい。図示の例では、ノッチセクション122はエッジリング100の内側部分の環状セクタである。いくつかの実施形態では、セクション122は、内側エッジ108まで延びる長方形であってもよい。
【0086】
本明細書において論じた特徴部を有するエッジリングは、セラミック(例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、石英、または、化学的耐性を有するか、そうでなければ半導体処理環境での使用に適切した、他の材料)等で作られてもよい。
【0087】
いくつかの実装形態では、本明細書において論じたエッジリングは、コントローラを含むシステムにおいて使用されるか、またはシステムの一部であってもよい。図12は、例示的なウエハ処理チャンバ1201を示す。図示のチャンバ1201は、シャワーヘッド1223と台座1224とをそれぞれが有する複数のウエハ処理ステーション1221を有する。各ウエハ処理ステーション1221内には、対応するエッジリング1200および半導体ウエハ1202がある。ウエハ処理チャンバ1201は、ステーション間でウエハを搬送するために使用され得るウエハハンドラ1273(例えば、回転インデクサ、カルーセル、またはウエハハンドリングロボット)を有する。ウエハ処理チャンバに接続されているのは、例示的なコントローラ1274である。コントローラ1274は、1つまたは複数のプロセッサ1278およびメモリ1276を有し、プロセッサ1278およびメモリ1276は、エッジリング1200および/または、エッジリング上にウエハを載置および/またはアライメントするためのウエハハンドラの動作を制御するための電子機器と一体化されていてもよい。コントローラ1274は、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示されたいずれかのプロセス、例えばエッジリング上へのウエハの載置およびアライメントを制御するためのプロセスや、本明細書で論じられていない他のプロセスまたはパラメータ(処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および操作設定、チャンバへのウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出を制御するようにプログラムされていてもよい。
【0088】
大まかに言えば、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、操作を制御し、クリーニング操作を可能とし、エンドポイント計測等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する操作パラメータを定めるものであってよい。操作パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハの型の製造の際の1つまたは複数の処理プロセスを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってよい。
【0089】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムと一体化された、システムに結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続されたコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、製造操作の現在の進行を監視し、過去の製造操作の履歴を検証し、複数の製造操作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供してもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次にリモートコンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の操作中に行われる各処理ステップのパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。なお、このパラメータは行われるプロセスの種類や、コントローラがインターフェースまたは制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスや制御等の共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めることなどにより、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、リモート配置(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0090】
限定しないが、本開示による例示的なエッジリングは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの製造および/または生産に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを有する半導体処理ツールに搭載されるか、またはその一部であってよい。
【0091】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、または半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートへウエハの容器を搬入出する材料輸送に用いられるツールの1つまたは複数と通信してもよい。
【0092】
本明細書で使用される場合、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>について」、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>」等の表現は、単一のアイテム群と複数のアイテム群との両方を包含するものであり、すなわち、「……それぞれについて」という表現は、言及されたアイテムの集団が何であれ、各アイテムに言及するためにプログラミング言語において使用される意味で使用されると理解するべきである。例えば、言及されたアイテムの集団が単一のアイテムであると、「各/それぞれ」はその単一のアイテムのみを指し(「各/それぞれ」の辞書的な定義では、「各/それぞれ」は「2つ以上のものの1つ1つ」を指す用語であると定義されていることが多いにもかかわらず)、そのアイテムが少なくとも2つ存在しなければならないという意味にはならない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体、必ずしも複数のアイテムを包含するものと見なされるべきではない―セットまたはサブセットは、1つの部材のみ、または複数の部材を(文脈において別の示唆がなければ)含有できると理解されるだろう。
結論
【0093】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は本明細書に示された詳細に限定されるものではない。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図9
図10-1】
図10-2】
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
図2-1は、半導体ウエハ102を台座124の上方の上昇位置で保持するエッジリング100の透視図である。半導体ウエハ102は、取り付けねじによってエッジリング100に取り付けられたエッジリング特徴部156によって保持される。この実施形態では、エッジリング特徴部156は、ローラー164を有するフィンガー158である。この実施形態では、3つのエッジリング特徴部156が存在する。いくつかの実施形態では、単一のエッジリング特徴156が存在してもよい。いくつかの実施形態では、エッジリング100に取り付けられた2つ以上のエッジリング特徴部156が存在してもよい。台座124は、1つまたは複数のレセプタクル162を有してもよい。台座124は、レセプタクル162をエッジリング特徴部156の数と一致するように有する。図示の例では、エッジリング100が3つのエッジリング特徴部156を有し、台座12は3つのレセプタクル162を有する。上述したように、レセプタクル162は、半導体処理操作中に少量のプロセスガスを捕捉できる場合がある。この捕捉されたガスは、半導体処理操作の後続段階の間に不必要に放出されて、ウエハ不均一性の発生源となる場合がある。台座124はまた、複数のポート16を有してもよい。ポート16を使用して、ウエハ処理中にパージガス等のガスをエッジリングの下面に送ってもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
図5-1、図5-2、および図6-1~図6は、ウエハ502のノッチ520を覆うエッジリング500上のフローコンダクタンス特徴部の例を示す。半導体ウエハ処理中にエッジリングが使用されるとき、半導体ウエハのノッチ範囲はエッジリングによって最小限に覆われる。すなわち、ノッチにおけるウエハの外側エッジは、ウエハの他の部分におけるウエハの外側エッジよりも、エッジリングの内側エッジに半径方向に近い。したがって、パージ操作中、ノッチの周囲の範囲は通常、エッジリングの内周の周りの他の位置よりも障害が少なく、フローコンダクタンスが高い。高いフローコンダクタンスにより、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲と比較して、ノッチの周りの領域でより多くのパージガスが半径方向内側に流れることが可能となり得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
図4は、半導体ウエハのノッチの周りの範囲におけるフローコンダクタンスを、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲におけるフローコンダクタンスと比較して示す。各図に示すのは、台座524上の半導体ウエハ502を覆うエッジリング500の断面図である。上の図は、エッジリング500の下の半導体ウエハ502の、ウエハ円周に沿った非ノッチ位置での断面図であり、下の図は、エッジリング500の下の半導体ウエハ502の、ノッチ520における断面図である。各図は、高コンダクタンス領域570と低コンダクタンス領域572を示している。円周の周りでは、エッジリング500の内側エッジ508と半導体ウエハ502の外側エッジ536との間の半径方向距離がより大きいため、エッジリング50の内側エッジ508と半導体ウエハ502の外側エッジ536との間の半径方向距離が小さいノッチ520における高コンダクタンス領域570と比べて、高コンダクタンス領域570が小さくなる。高コンダクタンス領域570はノッチ520においてより大きいため、通常は、半導体ウエハの円周の周りの他の範囲と比較して、より多くのパージガスが半径方向内側に流れることを可能とする、より高いフローコンダクタンスがこの範囲に存在する。エッジリングにおけるフローコンダクタンス特徴部を使用して、半導体ウエハのノッチの周りの範囲におけるフローコンダクタンスを低減してもよい。フローコンダクタンスを低減するためにフローコンダクタンス特徴部を使用することにより、ウエハノッチの周りのフローコンダクタンスを調整して、パージ後にノッチ範囲に残るガスの量が半導体ウエハの円周の周りの他の範囲に残るガスの量と一致するようにしてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
図6-1は、張り出しセクション538を有するエッジリング500を示す。図示の実施形態では、張り出しセクション538は、エッジリング50の内側部分504を半径方向内側に局所的に延ばし、内側エッジ508を内側に移動させることで、張り出しセクションにおける内側エッジが、エッジリング500の残りのほとんどまたはすべての周りに内側エッジがあるよりも、エッジリングの中心に近くなるようにする。所望するフローコンダクタンスに応じて、張り出しセクション538を延長または短縮してもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
図6-4は、半導体ウエハ502のノッチ520を覆って使用するための、隆起セクション546であるフローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500のさらに別の例を示す。隆起セクション546は、隆起セクション546の底面548が半導体ウエハ502の上面536と第2基準平面534との間にあるように、エッジリング500の公称底面から外側に延びている。隆起セクション546は、側エッジ508から内側部分504を通って、内側部分504と外側部分506との境界507まで延びている。図示の例では、エッジリング500は、先の例で示したような張り出しセクションを有していない。したがって、フローコンダクタンスは、隆起セクション546の底面548と半導体ウエハ502の上面526との間の減少した隙間によってのみ修正される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
図6-5は、隆起セクション546であるフローコンダクタンス特徴部を有するエッジリング500の別の例を、半導体ウエハ502のノッチ520を覆う部分について示す。図6-4の例と同様に、この例では、隆起セクション546の底面548が半導体ウエハ502の上面526と第2基準平面534との間にあるように、隆起セクションが外側に延びている。この例では、隆起セクション546は側エッジ508から内側部分504を通って外側部分506に向かって延びている。隆起セクション546は、内側部分504内への通路の一部で途切れてから、内側部分と外側部分506との境界507まで延びる。いくつかの実施形態では、隆起セクション546は、内側エッジ508と境界507との間の内側部分504のセグメントであってもよい。隆起セクション546のセグメントは、ウエハ502のノッチ520の上方の範囲において所望のフローコンダクタンスを生じさせるように設計されてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
エッジリング700は外側部分706および内側部分704を有する。内側部分704は内側エッジ708を有する。内側エッジ708が、リング中心軸712にセンタリングされた実質的に円形の開口710を画定してもよい。外側エッジ736を有する半導体ウエハ702が示されている。内側部分704の内側エッジ708は、半導体ウエハ702の外側エッジ736の内側にある。図1に関して説明したように、セクション722は、エッジリング700の下方に特徴部を有し、エッジリングが台座の上部に載置されたときに、そのような特徴部を収容するための凹部またはレセクタブルが台座に存在することを要してもよい。そのような凹部またはレセプタクルは、後でゆっくりと漏れ出して他のガスを使用する後続の処理操作に潜在的に干渉し得る処理ガスを捕捉あるいは収容してもよい。したがって、エッジリングの局所的な範囲に高いフローコンダクタンスをもたらし、そのような範囲のパージ速度を高めることが望まれてもよい。そのような範囲においてパージ速度を「デフォルト」のパージ速度のままにしておくと、凹部またはレセプタクルから漏れ出る処理ガスによって、セクション722の周りの半導体ウエハ702上の局所的な処理不均一性が増大する場合がある。上述したフローコンダクタンス特徴部をこれらのセクションに配置することで、これらの範囲においてパージガス流量を向上させてもよく、これによって、捕捉されたプロセスガスをより迅速に除去できるようになる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
図8-1は、凹状セクション750の第1の例を示す。凹状セクション750は、エッジリング700の内側部分704から材料が除去された範囲であり、これによって凹状セクション底面752が形成される。凹状セクション底面752は、第2基準平面734と上部基準平面744との間のいずれの場所にあってもよい。いくつかの実装形態では、凹状セクション底面752が、第2基準平面734から少なくとも10um離れていてもよい。いくつかの実装形態では、凹状セクション底面752が、第2基準平面734から最大で200um離れた距離でもよい。凹状セクション750により、エッジリング700の局所的な範囲において底面を上昇させ、エッジリング700の底面の一部とウエハ上面726との間により大きな隙間を形成する。広がった隙間は、その範囲におけるフローコンダクタンスを増加させ、ひいては、凹状セクション750の周りの範囲におけるプロセスガスをより効果的にパージする、より高いパージガス流量を促してもよい。通常、凹状セクション底面752が上部基準平面744に近いほど、フローコンダクタンスは高くなる。図8-1に示すように、凹状セクションは側エッジ708から境界707まで延びてもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
この図に示すのは半導体ウエハ902である。エッジリング900は外側部分906および内側部分904を有する。内側部分904は内側エッジ908を有する。半導体ウエハ902は、リング中心軸912にセンタリングされたエッジリング900の内側エッジ908と概ね同軸かつ同心である基準円960を有する。すなわち、基準円960は、3つのカットアウトセクション954それぞれの一部ではない内側エッジ908と同心である。3つのカットアウトセクション954のそれぞれにおいて、内側部分904の内側エッジ908は、内側エッジが基準円960と、内側部分904と外側部分906との間の境界907との間にあるように、半径方向外側に移動する。上記の図において説明したように、境界907は、内側部分外側エッジと外側部分内側エッジが接する部分である。図示の実施形態では、カットアウトセクション954はリング中心軸912からの角度セクタである。カットアウトセクション954における内側エッジ908はアーチ形状である。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954における内側エッジ908が直線であってもよい。アーチ形状が5度未満であってもよい。いくつかの実施形態では、アーチ形状が5~10度であってもよい。さらにいくつかの他の実施形態では、アーチ形状が10度より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクションが長方形であってもよい(不図示)。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
図10-1における断面図は、エッジリング900のカットアウトセクション954を示す。カットアウトセクション954の後方にあるのは、フローコンダクタンス特徴部のないエッジリング900、すなわちカットアウトセクションのないノーマルエッジリングであり、濃い斜線領域で示されている。カットアウトセクション954は、エッジリング900の外側部分906により近い内側エッジ908を有し、局所範囲において半導体ウエハ902を覆うエッジリング900の張り出しを低減している。図9関して説明したように、カットアウトセクション954は、除去される材料が少なくなるように半径方向内側に延びてもよいし、除去される材料が多くなるように半径方向外側に延びてもよい。例えば、カットアウトセクション954は、その範囲において内側部分904を除き、内側エッジ908をウエハ外側エッジの上方またはわずかに内側に残してもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
図10-2の実施形態では、エッジリング900はカットアウトセクション954と凹状セクション950との両方を有する。先の実施形態とは異なり、半導体ウエハ902を覆うエッジリング900の張り出しの量と、エッジリング900の下面と半導体ウエハ902の上面926との間の隙間との両方が、その範囲におけるフローコンダクタンスを変更するために修正される。カットアウトセクション954は、カットアウトセクション954における内側部分904の内側エッジ908が、未修正の内側部分の内側エッジと境界907とのほぼ中間にあるように形成されてもよい。図示の実施形態では、カットアウトセクション954の内側エッジ908が、ウエハ外側エッジ936に対して半径方向内側にある。カットアウトセクション954は、所望のフローコンダクタンスに応じて深くすることができ、例えばカットアウトセクションにおける内側エッジを側部分906に向かってより近づけるか、または浅くしてもよく、例えばカットアウトセクションにおける内側エッジを側部分906から遠ざけてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954を外側部分906に向かってより深くしてもよい。いくつかの実施形態では、カットアウトセクション954を、内側エッジ908が半導体ウエハ902の中心(不図示)に近くなるように、より浅くしてもよい。凹状セクション950は、凹状セクション底面952をウエハ上面926から離して上昇させる。凹状セクション底面952は、上部基準平面944と第2基準平面934との間にある。凹状セクション950を、図8-1~図8-3を参照して説明したように修正してもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0083】
さらに理解を助け、さらなる洞察を提供するために、様々な例示的な凹状セクションおよび隆起セクションを図11に示す。図11では、エッジリング1100の内側部分1104上に4つの例示的な凹状セクションと4つの隆起セクションが設けられ、これらのフローコンダクタンス特徴部は、比較のためにすべて隣り合って載置されている。第1の凹状セクション1180は、図8-3に関して説明した実施形態の一例である。第2の凹状セクション1182は、図8-1に示す凹状セクション650の一例の透視図である。第3の凹状セクション1184は、図8-3に示す例示的な凹状セクション650の透視図である。第4の凹状セクション1186は、図8-2に示す例示的な凹状セクション50の透視図である。第1の隆起セクション1190は、図6-5に関して説明した実施形態の一例である。第2の隆起セクション1192は、図6-4に示す隆起セクション46の一例の透視図である。第3の隆起セクション1194は、図6-5に関して説明した実施形態の別の例である。第4の隆起セクション1196は、図6-5に示す例示的な隆起セクション646の透視図である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2-1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2-1】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2-3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2-3】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5-1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5-1】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5-2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5-2】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6-1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6-1】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6-2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6-2】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6-3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6-3】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6-4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6-4】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6-5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6-5】
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8-1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8-1】
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8-2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8-2】
【手続補正24】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8-3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8-3】
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10-1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10-1】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10-2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10-2】
【国際調査報告】