(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】プラズマエンハンスト膜形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/318 20060101AFI20241106BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20241106BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
H01L21/318 B
C23C16/455
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519969
(86)(22)【出願日】2022-11-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022049070
(87)【国際公開番号】W WO2023081435
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジアンピン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA06
4K030AA07
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA01
4K030BA26
4K030BA27
4K030BA29
4K030BA36
4K030BA38
4K030BA42
4K030FA01
4K030HA01
4K030JA05
4K030JA10
4K030JA11
4K030JA16
4K030JA18
4K030KA05
4K030KA30
4K030LA15
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB31
5F045AB33
5F045AB34
5F045AC00
5F045AC02
5F045AC05
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AD08
5F045AD09
5F045AE01
5F045AF02
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF08
5F045AF10
5F045BB19
5F045DP04
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EH11
5F045EH13
5F045EK07
5F058BA09
5F058BB01
5F058BB02
5F058BB05
5F058BB06
5F058BC08
5F058BC09
5F058BC11
5F058BC12
5F058BD10
5F058BD12
5F058BD15
5F058BD16
5F058BF07
5F058BF22
5F058BF24
5F058BF27
5F058BF29
5F058BF30
5F058BF37
5F058BJ03
5F058BJ05
5F058BJ06
(57)【要約】
プラズマ処理方法であって、基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガス及び第2のガスを流すことであって、第2のガスが膜前駆体を含む、ことと、第1の時間インスタンスにおいて、第1のガスの流れを維持しながら、プラズマ処理チャンバ内への第2のガスの流れを遮断することと、第1の時間インスタンス後の第2の時間インスタンスにおいて、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するためにプラズマ処理チャンバの電極に電力を供給することであって、基板の上に膜を形成するために基板の表面を生成されたプラズマに露出させる、ことと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理の方法であって、
基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガスおよび第2のガスを流すステップであって、前記第2のガスは、膜前駆体を含む、ステップと、
第1の時間インスタンスにおいて、前記第1のガスの流れを維持したまま、前記プラズマ処理チャンバへの前記第2のガスの流れを遮断するステップと、
前記第1の時間インスタンスの後の第2の時間インスタンスにおいて、
前記プラズマ処理チャンバの電極に電力を供給して、前記プラズマ処理チャンバ内にプラズマを発生させるステップであって、前記基板の表面は、前記発生したプラズマに暴露され、前記基板の上部に膜が形成される、ステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記第2の時間インスタンスは、ある時間遅延だけ前記第1の時間インスタンスから分離され、
前記時間遅延は、前記プラズマ処理チャンバ内の前記第2のガスの残留時間またはそれ以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膜前駆体は、Cl、C、H、N、もしくはFを含むシラン、またはCl、C、H、N、もしくはFを含むボランを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記膜は、Si、B、H、N、O、C、またはFを含む誘電体材料を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のガスは、窒素または二窒素(N
2)を含み、
前記膜は、窒化ケイ素または金属窒化物を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、
前記プラズマ処理チャンバの圧力、前記第1のプロセスガスのガス流量、前記第2のプロセスガスのガス流量、前記第1のプロセスガスの分圧、または前記第2のプロセスガスの分圧の1つ以上をモニターするステップと、
前記モニターするステップに基づいて、前記第1の時間インスタンスおよび前記第2の時間インスタンスのタイミングを決定するステップと、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
当該方法は、500℃以下の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電極に電力を供給するステップは、少なくとも60MHzの周波数を有するRF電力を印加することにより実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基板の上部に膜を形成する方法であって、
前記基板を保持するプラズマ処理チャンバに第1のガスを流すステップと、
前記第1のガスを流した状態で、周期的なプラズマ処理を実施するステップであって、前記周期的なプラズマ処理は、複数のサイクルを有し、前記複数のサイクルの各々は、
前記プラズマ処理チャンバ内に膜前駆体を含む第2のガスをパルス印加するステップ、および
前記プラズマ処理チャンバに結合された電極に第1の電力のパルスを印加してプラズマを発生させ、前記膜前駆体からガス状中間体化学種を形成するステップであって、前記ガス状中間体化学種は、前記基板にわたって堆積され、前記膜が形成される、ステップ、
を有する、
ステップと、
を有する、方法。
【請求項10】
前記周期的なプラズマ処理は、さらに、第1の電力のパルスを印加した後、前記電極に1つ以上の後続の電力のパルスを印加するステップを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電力のパルスを印加するステップは、前記第2のガスの前記パルス印加に対しある遅延時間で実施され、前記遅延時間は、10秒以下である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のガスは、窒素または二窒素(N
2)を含み、前記膜前駆体は、シリコンを含み、前記膜は、窒化ケイ素を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のサイクルの1つ以上は、さらに、中間ステップを実施するステップを有し、
前記中間ステップは、前記基板を処理ガスに暴露させ、前記基板上または前記膜上の表面官能基を改質させるステップを有し、前記処理ガスは、H、C、N、O、F、He、Ar、Ne、またはKrを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記処理ガスは、二水素(H
2)、二酸素(O
2)、またはアンモニア(NH
3)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のガスのパルス期間は、10秒以下であり、または前記電力のパルス期間は、5秒以下である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記基板は、凹部を有し、前記膜は、10%以下の厚さのばらつきを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
プラズマ処理の方法であって、
基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガスおよび第2のガスを流すステップであって、前記第2のガスは、膜前駆体を有し、前記膜前駆体は、H、B、C、N、O、F、Si、Ti、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Y、Zr、In、Sn、Sb、Hf、Ta、またはWを含み、前記基板の温度は、500℃以下である、ステップと、
第1の時間インスタンスにおいて、前記プラズマ処理チャンバの電極に電力を供給し、前記プラズマ処理チャンバ内にプラズマを発生させるステップであって、前記基板の表面は、発生した前記プラズマに暴露され、前記基板の上部に膜が形成される、ステップと、
第2の時間インスタンスにおいて、前記第1のガスの前記流れを維持したまま、前記プラズマ処理チャンバへの前記第2のガスの流れを遮断するステップと、
を有する、方法。
【請求項18】
前記第1の時間インスタンスおよび前記第2の時間インスタンスは、等しい、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の時間インスタンスは、前記第1の時間インスタンス後の5秒以内である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記電極に電力を供給するステップは、RF源電力のパルスを印加するステップを有し、
前記RF源電力は、少なくとも60MHzの周波数を有する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月8日に出願された米国特許出願第17/521,359号の利益及びそれに対する優先権を主張するものであり、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、プラズマ処理に関し、具体的な実施形態では、プラズマエンハンスト膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、集積回路(IC)などの半導体デバイスは、基板の上に誘電材料、導電材料、及び半導体材料の層を順次堆積させてパターニングして、モノリシック構造で一体化された電子部品及び相互接続要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、金属線、接点、及びビア)のネットワークを形成することによって製造される。単位面積あたりの相互接続要素数を増加させるスケーリングの労力は、スケーリングがナノメートルスケールの半導体デバイス製造ノードに入るにつれて、より大きな課題に直面している。従って、トランジスタが互いの上部に積層される3次元(3D)半導体デバイスに対する要望が存在する。
【0004】
デバイス構造が高密度化して垂直方向に発展するにつれて、例えば堆積及びパターニング中の精密な材料処理に対する要望がより強くなっている。このため、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、原子層堆積法(ALD)などの様々な堆積技術では、特に十分なプロファイル制御、膜のコンフォーマル性、膜の品質を提供するための更なる技術革新が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、プラズマ処理方法は、基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガス及び第2のガスを流すことであって、第2のガスが膜前駆体を含む、ことと、第1の時間インスタンスにおいて、第1のガスの流れを維持しながら、プラズマ処理チャンバ内への第2のガスの流れを遮断することと、第1の時間インスタンス後の第2の時間インスタンスにおいて、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するためにプラズマ処理チャンバの電極に電力を供給することであって、基板の上に膜を形成するために基板の表面を生成されたプラズマに露出させる、ことと、を含む。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、基板の上に膜を形成する方法は、基板を保持するプラズマ処理チャンバに第1のガスを流すことと、第1のガスを流しながら、周期的なプラズマ処理を実行することであって、周期的なプラズマ処理が、複数のサイクルを含み、複数のサイクルの各々が、プラズマ処理チャンバ内に膜前駆体を含む第2のガスをパルス印加することと、プラズマを生成して膜前駆体からガス状中間体化学種を形成するために、プラズマ処理チャンバに結合された電極に第1のパルス電力を印加することであって、ガス状中間体化学種が、膜を形成するために基板の上に堆積される、第1のパルス電力を印加することと、を含む、周期的なプラズマ処理を実行することと、を含む。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、プラズマ処理方法は、基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガス及び第2のガスを流すことであって、第2のガスが膜前駆体を含み、膜前駆体が、H、B、C、N、O、F、Si、Ti、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Y、Zr、In、Sn、Sb、Hf、Ta、又はWを含み、基板の温度が500℃以下である、ことと、第1の時間インスタンスにおいて、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するためにプラズマ処理チャンバの電極に電力を供給することであって、基板の上に膜を形成するために基板の表面を生成されたプラズマに露出させる、ことと、第2の時間インスタンスにおいて、第1のガスの流れを維持しながら、プラズマ処理チャンバ内への第2のガスの流れを遮断することと、を含む。
【0008】
本発明及びその利点のより完全な理解のために、ここで、以下の記載を添付図面と併せて参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】様々な実施形態による例示的なパルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセス中の様々な段階における凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図1Aは、第1のガス及び第2のプロセスガスを流している間の基板を示しており、
図1Bは、第2のプロセスガスを流すことを停止した後の基板を示しており、
図1Cは、パルスショットプラズマステップにおける基板を示しており、
図1Dは、プラズマ後の膜成長段階における基板を示している。
【
図1B】様々な実施形態による例示的なパルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセス中の様々な段階における凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図1Aは、第1のガス及び第2のプロセスガスを流している間の基板を示しており、
図1Bは、第2のプロセスガスを流すことを停止した後の基板を示しており、
図1Cは、パルスショットプラズマステップにおける基板を示しており、
図1Dは、プラズマ後の膜成長段階における基板を示している。
【
図1C】様々な実施形態による例示的なパルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセス中の様々な段階における凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図1Aは、第1のガス及び第2のプロセスガスを流している間の基板を示しており、
図1Bは、第2のプロセスガスを流すことを停止した後の基板を示しており、
図1Cは、パルスショットプラズマステップにおける基板を示しており、
図1Dは、プラズマ後の膜成長段階における基板を示している。
【
図1D】様々な実施形態による例示的なパルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセス中の様々な段階における凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図1Aは、第1のガス及び第2のプロセスガスを流している間の基板を示しており、
図1Bは、第2のプロセスガスを流すことを停止した後の基板を示しており、
図1Cは、パルスショットプラズマステップにおける基板を示しており、
図1Dは、プラズマ後の膜成長段階における基板を示している。
【
図2A】様々な実施形態によるps-PECVDプロセスのタイミング図であり、ここで、
図2Aは、一実施形態による周期的な実施態様の1つのサイクルを示しており、
図2Bは、別の実施形態による3つのサイクルを示しており、
図2Cは、代替実施形態による3つのサイクルを示している。
【
図2B】様々な実施形態によるps-PECVDプロセスのタイミング図であり、ここで、
図2Aは、一実施形態による周期的な実施態様の1つのサイクルを示しており、
図2Bは、別の実施形態による3つのサイクルを示しており、
図2Cは、代替実施形態による3つのサイクルを示している。
【
図2C】様々な実施形態によるps-PECVDプロセスのタイミング図であり、ここで、
図2Aは、一実施形態による周期的な実施態様の1つのサイクルを示しており、
図2Bは、別の実施形態による3つのサイクルを示しており、
図2Cは、代替実施形態による3つのサイクルを示している。
【
図3A】結果として得られる膜構造が異なる、様々な実施形態によるps-PECVDプロセス後の凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図3Aは、コンフォーマルな膜が堆積された基板を示しており、
図3Bは、不均一な膜が堆積された基板を示している。
【
図3B】結果として得られる膜構造が異なる、様々な実施形態によるps-PECVDプロセス後の凹部を有する基板の断面図であり、ここで、
図3Aは、コンフォーマルな膜が堆積された基板を示しており、
図3Bは、不均一な膜が堆積された基板を示している。
【
図4A】様々な実施形態によるps-PECVDのプロセスフロー図であり、ここで、
図4Aは、一実施形態を示しており、
図4Bは、周期的な実施の一実施形態を示しており、
図4Cは、別の実施形態を示している。
【
図4B】様々な実施形態によるps-PECVDのプロセスフロー図であり、ここで、
図4Aは、一実施形態を示しており、
図4Bは、周期的な実施の一実施形態を示しており、
図4Cは、別の実施形態を示している。
【
図4C】様々な実施形態によるps-PECVDのプロセスフロー図であり、ここで、
図4Aは、一実施形態を示しており、
図4Bは、周期的な実施の一実施形態を示しており、
図4Cは、別の実施形態を示している。
【
図5】様々な実施形態によるps-PECVDプロセスを実行するためのプラズマシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、プラズマエンハンスト膜形成方法に関し、より具体的には、気相中の前駆体の残留量から中間種を生成するために短いプラズマパルスを利用する低温プラズマエンハンスト化学気相成長法(PECVD)に関し、本開示ではパルスショットPECVD(ps-PECVD)と呼ばれる。半導体製造プロセスのスケーリングの労力に伴い、高アスペクト比構造及び/又は3D構造を有するコンフォーマルな膜カバレッジを達成することがより必須となっている。しかしながら、現在利用可能な堆積技術(例えば、熱処理及びPECVDプロセス)は、いくつかの欠点により、増大する産業要件を満たさない場合がある。例えば、従来の熱処理は、信頼性の高い膜を堆積するために高温(通常は600℃超)を必要とし得る。一方、従来のPECVDは、中温又は低温で実行することができ、パターニングされた特徴部上の良好なコンフォーマルな膜を達成する能力を欠く場合がある。代替として、原子層堆積(ALD)プロセスは、十分な膜のコンフォーマル性を提供し得るが、ALDプロセスは、一般的に速度が遅く(例えば、膜成長速度が1~2nm/分)、高価である。更に、ALDプロセスはまた、高温(例えば、400℃超)を必要とする場合がある。従って、合理的な膜成長速度でコンフォーマルな膜のカバレッジ及び品質を達成するために、低温(例えば、400℃未満)堆積技術が望まれ得る。本出願の実施形態は、そのような堆積性能を可能にする低温パルスショットプラズマエンハンスト化学堆積(ps-PECVD)の方法を開示する。一実施形態では、窒化シリコンなどのシリコン誘電体膜が、500℃未満の温度で基板の3D構造の上にコンフォーマルに形成され得る。
【0011】
本開示に記載の方法は、パルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長法(ps-PECVD)に基づくものであり、通常の熱処理と比較して、基板の3D構造の上にコンフォーマルな膜を形成するのに必要なプロセス温度を有利に低下させることができる。高温を回避することは、ロジックデバイス及びメモリデバイスアプリケーションの両方におけるデバイス特性及びプロセス統合に有益であり得る。低温での本方法のコンフォーマルな膜成長は、短時間のプラズマパルス印加によって気相中の前駆体の残留量から中間種を生成し、次いで、これを表面上に堆積させて膜を均一に成長させることによって可能になる。プラズマパルスのサイクルは、膜のコンフォーマル性を維持しながら、所望の膜厚を成長させるために繰り返されてもよい。加えて、ps-PECVDプロセスの様々な実施形態はまた、通常のALD法よりも短いパージ時間及び速い膜成長速度を提供することができる。更に、ps-PECVD法は、低いウェットエッチング速度(WER)、並びに膜にわたるWERの均一な分布を提供することができ、これは、膜の品質にとって重要な要因の一部である。ショットプラズマパルス印加の使用により、処理システムだけでなく、システムオンチップ(SOC)のアクティブ構成要素に対するイオン損傷を有益に低減することができる。
【0012】
様々な実施形態では、ps-PECVDプロセスは、4つの段階、すなわち、(1)プラズマ処理チャンバ内に少なくとも2つのガスを流す流入段階、(2)2つのガスのうち1つのガスの流入を停止する流入停止段階、(3)短期間のプラズマを生成するパルスショットプラズマ段階、及び(4)段階(3)でのプラズマによって形成された中間種を主成分とする膜を基板の上に形成するプラズマ後の膜成長段階、を含み得る。
【0013】
以下では、まず、
図1A~
図1D及び
図2A~
図2Cを参照して、パルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセスのこれら4つの段階を説明する。次に、
図3A及び
図3Bを参照して、異なるレベルのコンフォーマル性を有する基板の上に形成される膜の2つの例を説明する。次いで、例示的なプロセスフロー図を、
図4A~
図4Cに示す。
図5は、様々な実施形態によるps-PECVDプロセスを実行するための例示的なプラズマシステムを提供する。この開示における全ての図は、例示だけを目的として描かれており、特徴部のアスペクト比を含めて縮尺通りではない。
【0014】
図1A~
図1Dは、様々な実施形態によるプラズマ処理チャンバにおける1つの例示的なps-PECVDプロセス中の様々な段階における、凹部を有する基板100の断面図を示している。
【0015】
図2A~
図2Cは、
図1A~
図1Dに示される様々な実施形態によるps-PECVDプロセスの周期的な実施に対するタイミング図を示している。
図2A~
図2Cの5つの横軸は、時間での進行を表している。3つのプロセスパラメータ(すなわち、プラズマ生成のための2つのガス及び高周波(RF)電力の濃度)、中間種の濃度、及び膜成長速度が、
図2A~
図2C内にプロットされている。
【0016】
図1Aでは、基板100は、様々な実施形態における半導体基板を備え得る。1つ以上の実施形態では、基板100は、シリコンウェハ又はシリコンオン絶縁体(SOI)ウェハであり得る。特定の実施形態では、基板100は、シリコンゲルマニウムウェハ、シリコンカーバイドウェハ、ヒ化ガリウムウェハ、窒化ガリウムウェハ、又は他の化合物半導体を含み得る。他の実施形態では、基板は、シリコン上のシリコンゲルマニウム、シリコン上の窒化ガリウム、シリコン上のシリコン炭素及びシリコン又はSOI基板上のシリコンの層などの異種層を含む。或いは、基板100は、金属基板又は誘電体基板であり得る。例えば、基板100は、アルミニウム、炭素(例えばグラフェン)、又は酸化シリコンであり得る。更に、基板100は、多くの異なる材料層を含み得る、多層基板の最上層であり得る。例えば、基板100は、別の材料の上部に形成された酸化シリコンであり得る。
【0017】
基板100は、例えば、1つ以上の高アスペクト比の特徴部及び/又は3D構造にパターニングされ得る。様々な実施形態では、基板100の特徴部は、コンタクトホール、スリット、又は凹部を含む他の適切な構造を含み得る。特定の実施形態では、基板100の特徴部は、3Dトランジスタだけでなく、例えば3D-NAND、3D-NOR、又はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスに対して有用な様々な3D構造及び層を含み得る。
図1Aでは、凹部105が、基板100上に形成されている。基板100のパターニングは、従来の方法、例えば、エッチングマスクをパターニングするリソグラフィプロセス及びそれに続くエッチングプロセスによって形成され得る。
【0018】
図1Aは、パルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセスの流入段階を更に示しており、ここで、第1のプロセスガス10及び第2のプロセスガス11がプラズマ処理チャンバに流される。複数の流れコントローラを使用して、2つのガスの流量を個別に制御してもよい。特定の実施形態では、
図2Aに示されるように、第2のプロセスガスの流入は、第1のプロセスガスの一定の流入が確立された後、時間t1において開始されてもよい。他の実施形態では、2つのガスは、同時にオンにされてもよい。一実施形態では、第1のプロセスガスの流量は、
図2A~
図2Cに示されるように一定に保たれてもよいが、他の実施形態では、ps-PECVDプロセス中の任意の段階において変更されてもよい。
【0019】
様々な実施形態では、2つのガスは、基板100の上に形成されるべきターゲット膜の化学組成に基づいて選択されてもよい。ターゲット膜は、例えば、シリコン誘電体材料を含み得る。一実施形態では、ターゲット膜は、窒化シリコンを含む。他の実施形態では、シリコン誘電体材料は、炭化シリコン(SiC)、炭化シリコン酸素(SiCO)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン炭素(SiCN)、又は他の材料を含み得る。更に、ターゲット膜は、例えば、ホウ素(B)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、炭素(C)、又はフッ素(F)を含む、非シリコンベースの酸化物、炭化物、又は任意の他の材料を含み得る。窒化物材料などのこれらの誘電体材料は、バリア層、パッシベーション層、誘電体層、マスキング層、及び特に基板として、マイクロエレクトロニクスデバイスの製造において有利に使用され得る。更なる実施形態では、ターゲット膜は、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、又はタングステン(W)などの金属元素を含む二元、三元、四元化合物を含み得る。特定の実施形態では、ターゲット膜は、金属窒化物を含み得る。一実施形態では、ターゲット膜は、窒化チタンを含み得る。以下では、窒化物、特に例示的な膜組成物としての窒化シリコンに対してps-PECVDの方法を説明するが、他の実施形態では、本開示のps-PECVD法によって形成される膜に対して他の膜組成物が使用されてもよい。
【0020】
様々な実施形態では、第1のプロセスガス10は、H、C、N、O、又はFを含む。特定の実施形態では、第1のプロセスガス10は、窒素化合物を含む。例えば、窒素化合物は、二窒素(N
2)、アンモニア(NH
3)、ヒドラジン(N
2H
4)、メチルアミン(CH
3NH
2)などであり得る。第1のプロセスガス10中に1つ以上の窒素化合物を有することにより、後の段階(例えば、
図1Cのパルスショットプラズマ段階)中のプラズマの存在下で、反応性窒素種、例えば解離窒素原子の形成を助けることができる。反応性窒素種は、窒化物材料を含むターゲット膜の形成において重要であり得る。特定の実施形態では、第1のプロセスガス10は、二水素(H
2)を含み得る。更に、第1のプロセスガス10はまた、追加のガスを含んでもよい。追加のガスは、例えば、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)などの希ガスを含み得る。様々な実施形態では、第1のプロセスガス10の流量は、ガスの総流量が50sccm~5000sccmとなるように設定され得る。
【0021】
第2のプロセスガス11は、ターゲット膜のための膜前駆体を含み得る。様々な実施形態では、第2のプロセスガス11は、H、B、C、N、O、F、又はSiを含み得る。特定の実施形態では、第2のプロセスガス11は、Ti、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Y、Zr、In、Sn、Sb、Hf、Ta、又はWなどの金属元素を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のプロセスガス11は、トリシリルアミン(TSA)又はジクロロシラン(DCS)などのシリコン含有分子を含み得る。他の実施形態では、第2のプロセスガス11は、1つ以上のSi-C結合を有するオルガノシランを含む。更なる実施形態では、第2のプロセスガス11は、Cl、C、H、N、若しくはFを含むシラン、又はCl、C、H、N、若しくはFを含むボランを含み得る。様々な実施形態では、第2のプロセスガス11の流量は、ガスの総流量が50sccm~5000sccmとなるように設定され得る。更に
図1Aでは、2つのガスの流れに対する流入(左側の2つの矢印)及び流出(右側の2つの矢印)を示す矢印が示されている。従って、プラズマ処理チャンバ内の一定の圧力、例えば一実施形態では10mTorr~10Torrの圧力が維持され得る。この段階において、前駆体の一部は、吸着された前駆体種12として基板100上に吸着され得る。
【0022】
特定の実施形態では、第2のプロセスガス11は、
図2Bに示されるように、プラズマ処理チャンバに少量の第2のプロセスガス11のみを導入するために、時間t1において短いパルス20として流され得る。そのような実施形態では、短いパルス20のガスパルス期間は、例えば10秒以下であり得る。説明のために、3つの短いパルス20が図示され、時間持続時間d3で(第2のパルスでは時間t6において、第3のパルスでは時間t7において)互いに分離されている。
【0023】
本出願の発明者らは、従来のPECVD技術による窒化シリコンなどの材料の膜成長が、プラズマ中の反応性イオン種によって大部分が駆動され得ることを特定した。膜成長がイオン駆動である場合、プラズマ処理チャンバ内に存在する電界のために、種の流入はより指向性が高くなる(すなわち、等方性が低くなる)傾向がある。この傾向は、特に3D半導体デバイスで有用であり得る高アスペクト比構造において、コンフォーマルな膜成長を妨げる場合がある。一方、ラジカル種は電子的に中性であり、従って、その流入はより等方的であり得る。イオンとラジカルとの良好なバランスを達成するために、本出願の発明者らは、プラズマ処理チャンバ内に存在する、トリシリルアミン(TSA)又はジクロロシラン(DCS)などのシリコン含有分子を含む第2のプロセスガス11の濃度を制限し、プラズマ処理時間を短縮することを着想した。様々な実施形態では、第2のプロセスガス11の濃度を制限することは、
図1B及び
図2A~
図2Cを参照して後述するように、第2のプロセスガス11又は流入停止段階をパルス印加することによって達成され得る。
【0024】
図1Bでは、第2プロセスガス11の流入は、流入停止段階において(
図2Aのt2において)で停止される。第1のプロセスガス10の流入及び2つのガスの流出が依然として存在する状態で、第2のプロセスガス11の濃度は、
図2Aに示されるように、経時的に減衰する。t2からの十分な時間(
図2Aの減衰時間d1)後、第2のプロセスガス11は完全にパージされることになり、第1のプロセスガスのみが(
図2Aのt5において)プラズマ処理チャンバ内に残り得る。換言すれば、減衰時間d1は、第2のプロセスガス11の残留時間に対応する。吸着された前駆体種12の一部はまた、化学的に吸着される場合にも存在し得る。従来の原子層堆積(ALD)法では、前駆体が表面上にのみ存在する(例えば、
図2Aのt5又はその後における)そのような段階が必要となる場合があり、膜形成のための後続のプロセスは、専ら表面上の反応として進行し得る。対照的に、様々な実施形態では、パルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセスは、有利には、
図1B及び
図1Cに示されるように、気相中の前駆体の残留量のプラズマ誘導化学反応を採用する。換言すれば、ps-PECVDは、
図2Aでの減衰時間d1、すなわちt2~t5に、次のパルスショットプラズマ段階(例えば、
図1C)に進行し得る。
【0025】
パルスショットプラズマ段階は、流入停止段階の後に続く。様々な実施形態では、プラズマは、(
図2Aのt3において)RF電力を印加することによって生成され得る。特定の実施形態では、RF源周波数は、30MHz~300MHzであり得る。一実施形態では、RF源周波数は、少なくとも60MHzであり得る。別の実施形態では、RF源周波数は、160MHz~240MHzであり得る。様々な実施形態では、RF源電力は、50W~10000Wであり得、バイアス電力は、0W~200Wであり得る。ガスの総流量は、50~5000sccmであり得る。プロセス圧力は、10mTorr~10Torrであり得る。特定の実施形態では、電力パルス期間は、0.1秒~3秒(
図2Aのt3とt4の間の時間)であり得、他の実施形態では、パルス期間は、5秒以下であり得る。このパルスショットプラズマは、膜形成のための中間種を生成するための気相反応を誘導するために使用され得る。RF電力を印加すること(t3)は、第2のプロセスガス11の流入を停止した(t2)後、遅延時間d2で実行され得る。様々な実施形態では、遅延時間d2は、0秒~10秒であってもよいが、他の実施形態ではより長くてもよい。
【0026】
特定の実施形態では、時間t3において、RF電力は、複数の電力パルス(例えば、
図2Bに図示されるような2つのパルス)を含むパルス列として印加され得る。
【0027】
代替実施形態では、パルスショットプラズマ段階は、第2のプロセスガス11の流れを停止する前(すなわち、t2の前にt3)に開始してもよく、これは、中間種の生成を最大化するために有益であり得る。一実施形態では、RF電力は、複数の電力パルスを含むパルス列として印加されてもよく、電力パルスのうちの1つは、
図2Cに示されるように、第2のプロセスガス11の流れを停止する前(すなわち、t2の前)に印加されてもよく、電力パルスのうちの別のものは、停止した後(すなわち、t2の後)に印加されてもよい。
【0028】
図1Cに示されるように、RF電力を印加することによって生成されたプラズマ13は、第1のプロセスガス14の通電種を含み得る。第1のプロセスガス14の通電種により、第2のプロセスガス11の残留量が反応し、中間種15を生成し得る。特定の実施形態では、中間種15は、ラジカル種を含み得る。一実施形態では、中間種15は、Si
xN
yH
zラジカル種を含み得る。いくつかの実施形態では、プラズマ条件は、ラジカル種の濃度を最大化するように最適化され得る。更に、中間種15は、第1のプロセスガス10からの元素(例えば、窒素原子)を含み得る。様々な実施形態では、中間種15は、次いで、基板100上に等方的に堆積されて膜16を形成する。気相中の中間種15の存在は、ps-PECVDプロセスをALDプロセスから区別する。ALDが吸着された種の表面反応によって駆動される一方で、ps-PECVDプロセスは、気相中で形成される中間種を伴う。更に、本出願の発明者らは、中間種15内のラジカル種の存在により、等方性膜成長、それによって膜16のコンフォーマル性(例えば、基板100の凹部105及び上面内での膜16の均一な厚さ)、並びに膜16のウェットエッチング速度(WER)の均一性が劇的に改善され得ることを特定した。従って、プラズマ13のパラメータを含むプロセス条件は、中間種15中のラジカル種の濃度を最適化するように選択され得る。その結果、ラジカル駆動膜成長がより普及し、従って、反応性イオンによる基板100上のイオン損傷を最小化しながら、ps-PECVDプロセスを動作させることが可能になり得る。
【0029】
図2A~
図2Cに示されるように、中間種15の形成は、プラズマ処理チャンバ内の第1のプロセスガス14の残留通電種により、時間t4においてRF電力をオフにした後も継続し得る。従って、膜成長は、中間種15が完全に枯渇するまで継続し得る。RF電力をオフにした後の膜16の継続的な成長が、
図1Dに示されており、膜16は、中間種15の堆積によって駆動された基板にわたって厚さ方向で均一に成長することができる。
【0030】
最適な膜成長速度及び膜16の膜品質のために、遅延時間d2の期間(すなわち、
図2A~
図2CでのRF電力を印加するタイミングt3)が重要であり得る。従って、減衰プロファイル及びこの減衰時間d1の期間(すなわち、第2のプロセスガス11の残留時間)を正確に決定することが有用であり得る。残留時間は、t2においてプラズマ処理チャンバ内に存在する第2のプロセスガス11の量、及び第1のガス10の流量に依存するため、減衰プロファイルは、これらのパラメータに基づいて計算され得る。これらのパラメータは、例えば、圧力モニター、ガス流量モニター、及び/又はガス種密度モニターを備える、1つ以上のセンサによって監視され得る。特定の実施形態では、減衰プロファイルは、一般式C=C
t2×e
-αtを用いて時間tの関数として、指数関数的減衰として近似することができ、ここで、Cは、第2のプロセスガス11の濃度であり、C
t2は、t2におけるCであり、αは、減衰定数である。減衰定数αは、チャンバ容積Vと第1のプロセスガス10のガス流量との関係に依存し得る。一実施形態では、指数関数的減衰近似に基づいて、残留時間は、CがC
t2の1%に等しい時間とみなされ得る。別の実施形態では、残留時間は、CがC
t2の5%に等しい時間とみなされ得る。C
t2は、状態方程式PV=NkTに基づいて、N/Vとして決定することができ、ここで、Nは、プラズマ処理チャンバ内の第2のプロセスガス11の総モル数であり、Pは、第2のプロセスガス11の分圧であり、kはボルツマン定数であり、Tは温度である。別の実施形態では、第2のプロセスガス11の残留時間は、N/q
outとして決定することができ、ここで、q
outは、第2のプロセスガス11の流出におけるモル数であり、一定であると仮定される。q
outを監視して決定するために、ガス種密度モニターが使用され得る。上記では、第2のプロセスガス11の指数関数的減衰又は流出が一定であると仮定されているが、他の近似方法、例えばガウス分布もまた使用され得る。
【0031】
図2A~
図2Cには特に記載されていないが、温度などの任意の他のプロセスパラメータが、それぞれのプロセスレシピに従って、ps-PECVDプロセスの各段階において独立して制御及び/又は変更されてもよい。
【0032】
様々な実施形態では、ps-PECVDプロセスは、500℃未満の温度で実行され得る。特定の実施形態では、基板100の温度は、250℃~500℃に維持され得る。この500℃未満の温度範囲は、製造中の半導体デバイスに対する熱損傷を有利に低減し得る。
【0033】
様々な実施形態では、ps-PECVDプロセスは、
図1A~
図1D及び
図2に示される上述のステップを繰り返すことによって、周期的なプラズマ堆積プロセスとして実行され得る。様々な実施形態による周期的なプラズマ堆積の各サイクルに対するプロセス条件は、個別に選択され得る。ps-PECVD法の周期的な実施により、有利には、実質的に層ごとの方式で膜16を形成し、高い膜のコンフォーマル性及び/又は正確な厚さの制御を可能にし得る。ps-PECVDプロセスは、ターゲット膜厚を達成するために実行され得る。一実施形態では、膜厚は、1nm~50nmであり得る。
【0034】
特定の実施形態では、ps-PECVDプロセスの1つのサイクルは、パルスショットプラズマ段階におけるプラズマの複数のパルスを含み得、これは、例えば、減衰時間d1が数秒よりも長い場合に、中間種15の形成を微調整する際に有益であり得る。
【0035】
パルスショットプラズマエンハンスト化学気相成長(ps-PECVD)プロセスでは、中間種の制限された濃度の精密な制御は、プロセスレシピをインテリジェントに設計することによって可能になり得る。特に、重要なプロセスパラメータには、ガス流量、第2のプロセスガスの流入を停止するタイミング又はそのパルス期間、並びにパルスショットプラズマのタイミング、パルス期間、及び条件が含まれ得る。例えば、遅延時間d2(例えば、
図2Aのt2とt3との間の時間)を選択することにより、プロセス性能に顕著に影響を及ぼす場合がある。遅延時間d2に対して非常に短い期間(例えば、減衰時間d1の10分の1未満)が選択されると、前駆体を含む第2のプロセスガス11の残留濃度は、最初に設定された値に近似することができ、その結果、パルスショットプラズマ段階における中間種15の相対的な存在量が増加し得る。これは、1つのサイクルあたりの膜成長速度をより速くするために有益であり得るが、膜のコンフォーマル性及び品質が損なわれる場合がある。一方、遅延時間d2が長くなる(例えば、減衰時間d1の半分より大きくなる)と、第2のプロセスガス11の残存濃度が低くなる。従って、1つのサイクルあたりの膜成長速度はより遅くなるが、より良好な膜のコンフォーマル性及び品質が改善され得る。様々な実施形態では、ps-PECVDのプロセスパラメータは、半導体製造における膜の要求仕様に従って有利に調整され得る。ps-PECVDプロセスの利点には、(i)イオン駆動膜成長に依存し得る、利用可能な低温PECVDプロセスと比較して、より良好な膜のコンフォーマル性及び品質、並びに(ii)ALD及び/又はプラズマエンハンストALD(PEALD)プロセスと比較して、より速い膜成長及びより低いプロセス温度、が含まれ得る。
【0036】
様々な実施形態では、中間ステップは、基板100又は膜の表面官能基を修飾するために、基板100を処理ガスに露出させることによって実行され得る。中間ステップは、流入段階の前、プラズマ後の膜成長段階の間又は後に実行され得る。処理ガスは、例えば、水素又はアンモニア(NH3)を含み得るが、他の反応性ガス及び/又は不活性ガスが使用されてもよい。中間ステップは、膜内の欠陥を硬化させ及び/又はトリミングすることによって、膜のコンフォーマル性及び/又は膜の品質を改善する際に有益であり得る。更に、中間ステップはまた、処理ガスを使用するプラズマ処理を含み得る。一実施形態では、中間ステップは、水素を含むプラズマを使用するプラズマ処理であり得る。別の実施形態では、中間ステップは、例えば、不活性ガスを含む流れ下で、又は真空下で基板100を加熱することによって実行される熱処理であり得る。
【0037】
図3A及び
図3Bは、結果として得られる膜構造が異なる、様々な実施形態によるps-PECVDプロセスを完了した後の、凹部を有する基板100の断面図を示している。
【0038】
図3Aでは、膜16は、凹部105の壁を含む高い膜のコンフォーマル性で、基板100上に均一に形成されている。上述したように、従来の堆積技術では、コンフォーマルな膜成長、高速膜成長速度、及び中低温処理温度を同時に達成すること、特に3次元半導体デバイスにおいて有用な高アスペクト比の特徴部を達成することは困難であり得る。有利には、500℃以下でps-PECVD法を周期的に実施することにより、膜のコンフォーマル性を損なうことなく、ターゲット膜厚を達成することができる。特定の実施形態では、膜の厚さのばらつきは、平均膜厚さの10%以下であり得、例えば、一実施形態では0.5%~5%である。一実施形態では、膜16は、窒化シリコンを含み得、DRAMなどの3D半導体デバイスのスペーサ材料として使用され得る。
【0039】
図3Bでは、膜16は、膜のコンフォーマル性が低い。膜厚は、基板100にわたって均一ではなく、基板100の上面付近ではより厚く、凹部105の下半分ではより薄い。本出願の発明者らは、そのような非コンフォーマルな堆積が、従来の低温プラズマエンハンストプロセスにおいてしばしば発生する場合があり、これは、これらのプロセスにおけるイオン駆動膜成長及び特に高アスペクト比の特徴部などの3D構造におけるイオンフラックスの低い等方性に起因し得ることを特定した。凹部105の底面内の層の厚さは、イオンの濃度が低下するにつれて低減する。このシナリオでは、膜の厚さのばらつきが20%以上となり、膜のコンフォーマル性が低くなる場合がある。様々な実施形態によるps-PECVD法を用いて、より等方的なラジカル駆動膜成長を利用することによって、この非コンフォーマルな堆積を防止することができる。ps-PECVDを使用することにより、膜前駆体の濃度が制限され、プラズマ処理時間が短縮される。その結果、イオン種を制限しながら、例えば窒化シリコン膜形成のためのシリコン及び窒素を含むラジカル種を増加させることができる。ラジカル種は電子的に中性であるため、電界の影響をより受けにくくなり得、従って等方性がより高くなり得る。更に、イオンと比較すると、ラジカルは拡散がより遅く、表面上に膜を形成するのに時間がかかる場合があり、これがまた、膜のコンフォーマル性を改善するために有益であり得る。
【0040】
膜のコンフォーマル性に加えて、基板100にわたる膜の品質の均一性も、ps-PECVD法によって改善され得ることに留意されたい。例えば、膜の品質の1つの重要な要因は、ウェットエッチング速度(WER)である。特に、フッ化水素(HF)酸におけるWERは、スペーサ材料にとって重要な材料特性であり、希薄なHF水中において低くなければならない。スペーサのWERは、特に、結晶化度、形態、密度、化学量論、トラップ密度に依存し得る。本出願の発明者らは、多くの従来の低温プロセスが、3D構造において、高いWER及び/又は膜にわたるWERの不均一な分布を被る場合があることを特定した。一例では、ウェットエッチングは、凹部内の膜を優先的にエッチングし、その結果、膜のコンフォーマル性を低下させる場合がある(すなわち、凹部内の膜のウェットエッチング耐性を低くする)。この不均一なWERの問題は、高いWERと共に、様々な実施形態によるps-PECVD法によって可能になる等方的なラジカル駆動膜成長によって軽減又は除去され得る。
【0041】
図4A~
図4Cは、様々な実施形態によるps-PECVDのプロセスフロー図を示している。プロセスフローは、上述した図(
図1A~
図1D及び
図2A~
図2C)に従うことができるため、再度の説明は省略する。
【0042】
図4Aでは、プロセスフロー40は、膜前駆体を含む第1のプロセスガス10及び第2のプロセスガス11を、基板100を保持するプラズマ処理チャンバに流すことによる流入段階で開始する(ブロック410、
図1A)。次に、第1のプロセスガス10を流しながら第2のプロセスガス11の流入を停止することによる流入停止段階が続く(ブロック420、
図1B)。中間種15を形成するプラズマを生成することによって、プロセスはパルスショットプラズマ段階に進行する(ブロック430、
図1C)。中間種15が基板100の上に堆積するにつれて膜が形成され始め、プラズマを維持するためにソース電力をオフにした後も、プラズマ後の膜成長段階(
図1D)が継続する。
【0043】
図4Bでは、プロセスフロー42は、ps-PECVD法の周期的な実施を示しており、基板100を保持するプラズマ処理チャンバに第1のプロセスガス10(ブロック412)を流すことによる流入段階で開始し、第1のプロセスガス10を流しながら、周期的なプラズマ処理が実行され得る。周期的なプラズマ処理は、プラズマ処理チャンバに膜前駆体を含む第2のプロセスガス11をパルス印加することによって開始することができる(ブロック422、
図1A及び
図1B)。このパルス印加は、先行する実施形態における流入段階及び流入停止段階の両方に対応する。次に、RF源電力のパルスを印加してプラズマを生成して中間種15を形成し(ブロック432、
図1C)、続いて、先行する実施形態と同様のプラズマ後の膜成長段階(ブロック440、
図1D)を行うことができる。特定の実施形態では、1つのサイクル(ブロック422、432、及び440)の後及び次のサイクルの前に、任意の数のサイクル中に、中間ステップ(ブロック450)が、基板100又は膜上の表面官能基を修飾するために、処理ガスに基板100を露出させることによって実行され得る。
【0044】
図4Cでは、プロセスフロー44は、ps-PECVD法の代替実施形態を示しており、基板100を保持するプラズマ処理チャンバ内に、膜前駆体を含む第1のプロセスガス10及び第2のプロセスガス11を流すことで開始する(ブロック414、
図1A)。次に、プラズマ処理チャンバの電極に電力を供給して、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成し(ブロック430、
図1C)、基板100上に膜を形成することができる。ブロック430の後5秒以内に、第1のプロセスガス10の流れを維持しながら、第2のプロセスガス11の流れを遮断する(ブロック420、
図1B)。或いは、電極への電力の供給及び第2プロセスガス11の流れの遮断は、同時に実行されてもよい(ブロック425)。
【0045】
図5は、様々な実施形態によるps-PECVDプロセスを実行するためのプラズマシステムを示している。
【0046】
例示のため、
図5は、底部付近のプラズマ処理チャンバ510内部の基板ホルダ554(例えば、円形静電チャック(ESC))上に配置された基板100を示している。基板100は、基板ホルダ554を取り囲むヒータ/クーラ556を使用して、任意選択的に、所望の温度に維持され得る。基板100の温度は、基板ホルダ554及びヒータ/クーラ556に接続された温度コントローラ540によって維持され得る。ESCは、基板ホルダ554に電気的接続が行われ得るように、導電性材料(例えば、炭素ベース又は金属窒化物ベースのコーティング)でコーティングされ得る。
【0047】
図5に示されるように、基板ホルダ554は、プラズマ処理チャンバ510の底部電極であり得る。
図5の例示的な実施例では、基板ホルダ554はRFバイアス電源570に接続されている。プラズマ処理チャンバ510内部の上部付近の導電性円形板は、上部電極552である。
図5では、上部電極552は、プラズマ処理システム50のRF電源550に接続されている。いくつかの他の実施形態では、上部電極は、プラズマ処理チャンバ510の外側で上部セラミック窓の上に位置する導電性コイルであり得る。
【0048】
ガスは、ガス送達システム520によってプラズマ処理チャンバ510内に導入され得る。ガス送達システム520は、チャンバ内への複数のガスの流れを制御するための複数のガス流量コントローラを備える。いくつかの実施形態では、任意選択の中心/エッジスプリッタを使用して、基板100の中心及びエッジにおけるガス流量を独立して調整することができる。更に、ガス送達システム520は、プラズマ処理チャンバ510の上部に配置された特別のシャワーヘッド構成を有し得る。例えば、ガス送達システム520は、上部電極522と一体化されてもよく、上部電極522上にシャワーヘッド構成を有し、適切に間隔を空けた複数のガス入口を含む、基板100の全体を覆っている。或いは、ガスは、任意の他の適切な構成の専用ガスインレットを通して導入され得る。プラズマ処理チャンバ510は、圧力モニター、ガス流量モニター、及び/又はガス種密度モニターなどの、1つ以上のセンサ515を更に装備し得る。センサ515は、特定の実施形態では、ガス送達システム520の一部として一体化され得る。センサ515及びガス送達システム520のガス流量コントローラは、遅延時間d2(例えば、
図2Aでのt2とt3との間の時間)並びに電力パルス期間(例えば、
図2Aでのt3とt4との間の時間)を決定及び制御するために使用され得る。
【0049】
RFバイアス電源570は、プラズマ560などのプラズマを維持するために連続波(CW)又はパルスRF電力を供給するために使用され得る。上部電極552と底部電極(基板ホルダ554でもある)との間に示されるプラズマ560は、プラズマ処理システム50のプラズマ処理チャンバ510内で基板100の近くで生成される直接プラズマを例示している。
【0050】
上述のプラズマ処理システム50の構成は、単なる例示にすぎない。代替実施形態では、プラズマ処理システム50の様々な代替構成を使用することができる。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)は、上部誘電体カバーの上の平面コイルに結合されたRF源電力で使用されてもよく、ガス入口及び/又はガス出口は、上部壁などに結合されてもよい。様々な実施形態では、RF電力、チャンバ圧力、基板温度、ガス流量、及び他のプラズマ処理パラメータは、それぞれのプロセスレシピに従って選択され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ処理システム50は、ヘリカル共振器などの共振器であり得る。
【0051】
ここで、本発明の例示的な実施形態を要約する。他の実施形態も、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解され得る。
【0052】
実施例1.プラズマ処理方法であって、基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガス及び第2のガスを流すことであって、第2のガスが膜前駆体を含む、ことと、第1の時間インスタンスにおいて、第1のガスの流れを維持しながら、プラズマ処理チャンバ内への第2のガスの流れを遮断することと、第1の時間インスタンス後の第2の時間インスタンスにおいて、プラズマ処理チャンバ内にプラズマを生成するためにプラズマ処理チャンバの電極に電力を供給することであって、基板の上に膜を形成するために基板の表面を生成されたプラズマに露出させる、ことと、を含む、方法。
【0053】
実施例2.第2の時間インスタンスが、ある時間遅延によって第1の時間インスタンスから分離されており、時間遅延が、プラズマ処理チャンバ内の第2のガスの残留時間以下である、実施例1に記載の方法。
【0054】
実施例3.膜前駆体が、Cl、C、H、N、又はFを含むシラン、又はCl、C、H、N、又はFを含むボランを含む、実施例1又は2に記載の方法。
【0055】
実施例4.膜が、Si、B、H、N、O、C、又はFを含む誘電体材料を含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0056】
実施例5.第1のガスが、窒素又は二窒素(N2)を含み、膜が、窒化シリコン又は窒化金属を含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0057】
実施例6.プラズマ処理チャンバの圧力、第1のプロセスガスのガス流量、第2のプロセスガスのガス流量、第1のプロセスガスの分圧、又は第2のプロセスガスの分圧のうちの1つ以上を監視することと、監視することに基づいて、第1の時間インスタンス及び第2の時間インスタンスのタイミングを決定することと、を更に含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0058】
実施例7.方法が、500℃以下の温度において実行される、実施例1~6のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
実施例8.電極への電力の供給が、少なくとも60MHzの周波数を有するRF電力を印加することによって実行される、実施例1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0060】
実施例9.基板の上に膜を形成する方法であって、基板を保持するプラズマ処理チャンバに第1のガスを流すことと、第1のガスを流しながら、周期的なプラズマ処理を実行することであって、周期的なプラズマ処理が、複数のサイクルを含み、複数のサイクルの各々が、プラズマ処理チャンバ内に膜前駆体を含む第2のガスをパルス印加することと、プラズマを生成して膜前駆体からガス状中間体化学種を形成するために、プラズマ処理チャンバに結合された電極に第1のパルス電力を印加することであって、ガス状中間体化学種が、膜を形成するために基板の上に堆積される、第1のパルス電力を印加することと、を含む、周期的なプラズマ処理を実行することと、を含む、方法。
【0061】
実施例10.周期的なプラズマ処理が、最初の電力パルスを印加した後、電極に1つ以上の後続の電力パルスを印加することを更に含む、実施例9に記載の方法。
【0062】
実施例11.電力のパルスを印加することが、第2のガスのパルス印加に対する遅延時間で実行され、遅延時間が10秒以下である、実施例9又は10に記載の方法。
【0063】
実施例12.第1のガスが、窒素又は二窒素(N2)を含み、膜前駆体が、シリコンを含み、膜が、窒化シリコンを含む、実施例9~11のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
実施例13.複数のサイクルのうちの1つ以上が、中間ステップを実行することを更に含み、中間ステップが、基板又は膜の表面官能基を修飾するために基板を処理ガスに露出させることを含み、処理ガスが、H、C、N、O、F、He、Ar、Ne、又はKrを含む、実施例9~12のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施例14.処理ガスが、二水素(H2)、二酸素(O2)、又はアンモニア(NH3)を含む、実施例9~13のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
実施例15.第2のガスのパルス期間が、10秒以下であり、又は電力のパルス期間が、5秒以下である、実施例9~14のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施例16.基板が、凹部を有し、膜が、10%以下の厚さのばらつきを有する、実施例9~15のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施例17.プラズマ処理方法であって、基板を含むプラズマ処理チャンバ内に第1のガス及び第2のガスを流すことであって、第2のガスが膜前駆体を含み、膜前駆体が、H、B、C、N、O、F、Si、Ti、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Y、Zr、In、Sn、Sb、Hf、Ta、又はWを含み、基板の温度が500℃以下である、ことと、第1の時間インスタンスにおいて、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成するためにプラズマ処理チャンバの電極に電力を供給することであって、基板の上に膜を形成するために基板の表面を生成されたプラズマに露出させる、ことと、第2の時間インスタンスにおいて、第1のガスの流れを維持しながら、プラズマ処理チャンバ内への第2のガスの流れを遮断することと、を含む、方法。
【0069】
実施例18.第1の時間インスタンスと第2の時間インスタンスとが、同じである、実施例17に記載の方法。
【0070】
実施例19.第2の時間インスタンスが、第1の時間インスタンス後の5秒以内である、実施例17に記載の方法。
【0071】
実施例20.電極に電力を供給することが、RF源電力のパルスを印加することを含み、RF源電力が、少なくとも60MHzの周波数を有する、実施例17~19のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
本発明について、複数の例示的な実施形態を参照して記述してきたが、限定的な意味で解釈されることを意図されない。例示的な実施形態の様々な変更形態及び組み合わせ並びに本発明の他の実施形態は、上の記述を参照して当業者に明らかになるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、そのような変更形態又は実施形態を包含することを意図する。
【国際調査報告】