(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】プラズマ半導体処理用のセグメント化されたフォーカスリングおよびセグメント化されたフォーカスリングを使用するように構成された処理ツール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241106BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20241106BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20241106BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20241106BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C16/509
H05H1/46 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523442
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2022114823
(87)【国際公開番号】W WO2024040520
(87)【国際公開日】2024-02-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】パァン ユイリン
(72)【発明者】
【氏名】ヅァォ ヂィンロォン
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB14
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
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2G084DD37
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5F004AA01
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(57)【要約】
本開示は、プラズマ半導体プロセス、およびそのようなプロセス用の処理ツールに関する。一実施例では、処理ツールは、チャンバ、基板支持体、およびフォーカスリング(FR)移動アセンブリを含む。基板支持体は、チャンバ内に配置され、支持面を有する。FR移動アセンブリは、チャンバ内に配置され、フレームと、フレームに機械的に結合されたセグメント支持体とを含む。各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成されている。FR移動アセンブリは、支持面を横方向に取り囲むように配置された個別のセグメントを支持するように構成されている。FR移動アセンブリは、(i)セグメント支持体を支持面の平面内および中心部から半径方向と平行な方向に並進させる、ならびに/または(ii)セグメント支持体を支持面に平行なそれぞれの軸の周りに傾斜させる、ようにさらに構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理用の処理ツールであって、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置された基板支持体であって、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する、基板支持体と、
前記チャンバ内に配置されたフォーカスリング移動アセンブリと、を備え、前記フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、前記フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体と、を備え、前記複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成され、前記フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを備え、前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記支持面を横方向に取り囲むように配置された前記複数の個別のセグメントを支持し、前記複数のセグメント支持体をそれぞれの第1の方向に並進させるように構成され、前記それぞれの第1の方向の各第1の方向は、前記支持面の平面内にある前記支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である、
処理ツール。
【請求項2】
前記フレームは、複数の横方向並進ガイドトラックを備え、前記複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、前記複数の横方向並進ガイドトラックのそれぞれの横方向並進ガイドトラックに機械的に結合され、前記それぞれのセグメント支持体は、前記それぞれの横方向並進ガイドトラックに沿って横方向に並進させるように構成されており、
前記フォーカスリング移動アセンブリは、
駆動シャフトを含む駆動モータと、
複数の連結部と、をさらに備え、各連結部は、前記複数のセグメント支持体のそれぞれのセグメント支持体に機械的に結合された第1の端部を有し、前記駆動シャフトに機械的に結合された第2の端部を有し、前記駆動モータは、前記駆動シャフトおよび前記複数の連結部を移動させるように構成され、前記駆動シャフトおよび前記複数の連結部の前記移動は、前記複数のセグメント支持体を前記それぞれの第1の方向に並進させる、
請求項1に記載の処理ツール。
【請求項3】
前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させるようにさらに構成され、前記それぞれの軸の各軸は、前記支持面に平行である、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項4】
前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記複数のセグメント支持体を、前記支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの第2の方向に並進させるようにさらに構成されている、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項5】
複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに備え、前記複数の前記フォーカスリング電気コネクタの各フォーカスリング電気コネクタは、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの電極に電気的に接続し、電圧を供給するように構成されている、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項6】
複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに備え、前記複数の前記フォーカスリング電気コネクタの各対のフォーカスリング電気コネクタは、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの抵抗性熱素子に電気的に接続し、電流を供給するように構成されている、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項7】
電源の出力ノードに電圧を出力するように構成された、電源と、
複数の制御回路と、をさらに備え、前記複数の制御回路の各制御回路は、前記電源の前記出力ノードに電気的に結合された入力ノードを有し、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに電気的に結合されるように構成された出力ノードを有し、前記複数の制御回路の各制御回路は、前記電圧の振幅、位相、またはそれらの組み合わせを調整し、前記それぞれの制御回路の前記出力ノードに、対応する調整された電圧を出力するように制御可能である、
請求項1に記載の処理ツール。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサと、
記憶された命令を含む非一時的メモリであって、前記1つ以上のプロセッサによって前記命令が実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記複数の制御回路を制御させて、それぞれの前記振幅、それぞれの前記位相、またはそれらの組み合わせを調整させる、非一時的メモリと、
を備えるコントローラ、
をさらに備える、請求項7に記載の処理ツール。
【請求項9】
半導体処理用の処理ツールであって、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置された基板支持体であって、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する、基板支持体と、
前記チャンバ内に配置されたフォーカスリング移動アセンブリと、を備え、前記フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、前記フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体と、を備え、前記複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成され、前記フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを備え、前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記支持面を横方向に取り囲むように配置された前記複数の個別のセグメントを支持し、前記複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させるように構成され、前記それぞれの軸の各軸は、前記支持面に平行である、
処理ツール。
【請求項10】
前記フォーカスリング移動アセンブリは、
駆動シャフトを含む駆動モータと、
複数のリフトピンと、をさらに備え、各リフトピンは、前記駆動シャフトに機械的に結合され、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに接触するように構成され、前記駆動モータは、前記駆動シャフトおよび前記複数のリフトピンを移動させるように構成され、前記駆動シャフトおよび前記複数のリフトピンの前記移動は、前記複数のセグメント支持体を前記それぞれの軸の周りに傾斜させる、請求項9に記載の処理ツール。
【請求項11】
前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記複数のセグメント支持体をそれぞれの方向に並進させるようにさらに構成され、前記それぞれの方向の各方向は、前記支持面の平面内にあって前記支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である、請求項9に記載の処理ツール。
【請求項12】
前記フォーカスリング移動アセンブリは、前記複数のセグメント支持体を、前記支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの方向に並進させるようにさらに構成されている、請求項9に記載の処理ツール。
【請求項13】
複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに備え、前記複数の前記フォーカスリング電気コネクタの各フォーカスリング電気コネクタは、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの電極に電気的に接続し、電圧を供給するように構成されている、請求項9に記載の処理ツール。
【請求項14】
複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに備え、前記複数の前記フォーカスリング電気コネクタの各対のフォーカスリング電気コネクタは、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの抵抗性熱素子に電気的に接続し、電流を供給するように構成されている、請求項9に記載の処理ツール。
【請求項15】
電源の出力ノードに電圧を出力するように構成された、電源と、
複数の制御回路と、をさらに備え、前記複数の制御回路の各制御回路は、前記電源の前記出力ノードに電気的に結合された入力ノードを有し、前記フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに電気的に結合されるように構成された出力ノードを有し、前記複数の制御回路の各制御回路は、前記電圧の振幅、位相、またはそれらの組み合わせを調整し、前記それぞれの制御回路の前記出力ノードに、対応する調整された電圧を出力するように制御可能である、
請求項9に記載の処理ツール。
【請求項16】
1つ以上のプロセッサと、
記憶された命令を含む非一時的メモリであって、前記1つ以上のプロセッサによって前記命令が実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記複数の制御回路を制御させて、それぞれの前記振幅、それぞれの前記位相、またはそれらの組み合わせを調整させる、非一時的メモリと、
を備えるコントローラ、
をさらに備える、請求項15に記載の処理ツール。
【請求項17】
半導体処理のための方法であって、
フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることであって、前記半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置され、前記基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置され、前記フォーカスリングの前記複数のリングセグメントは、前記半導体基板を横方向に取り囲み、前記複数のリングセグメントを移動させることは、前記複数のリングセグメントをそれぞれの第1の方向に並進させることを含み、前記それぞれの第1の方向の各第1の方向は、前記支持面の平面内にあって前記支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である、ことと、
前記チャンバ内でプラズマを生成することであって、前記複数のリングセグメントが前記半導体基板に対して前記それぞれの位置にある間、前記半導体基板は前記プラズマに曝される、ことと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数のリングセグメントを移動させることは、前記複数のリングセグメントをそれぞれの軸の周りに傾斜させることをさらに含み、前記それぞれの軸の各軸は、前記支持面に平行である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のリングセグメントを移動させることは、前記複数のリングセグメントを、前記支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの第2の方向に並進させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電流を供給することをさらに含み、前記複数のリングセグメントの各リングセグメントは、抵抗加熱素子を含み、前記それぞれの電流は、前記抵抗加熱素子を通って流れる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電圧を印加することをさらに含み、前記複数のリングセグメントの各リングセグメントは、セグメント電極を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
半導体処理のための方法であって、
フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることであって、前記半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置され、前記基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置され、前記フォーカスリングの前記複数のリングセグメントは、前記半導体基板を横方向に取り囲み、前記複数のリングセグメントを移動させることは、前記複数のリングセグメントをそれぞれの軸の周りに傾斜させることを含み、前記軸の各軸は、前記支持面に平行である、ことと、
前記チャンバ内でプラズマを生成することであって、前記複数のリングセグメントが前記半導体基板に対して前記それぞれの位置にある間、前記半導体基板は前記プラズマに曝される、ことと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記複数のリングセグメントを移動させることは、前記複数のリングセグメントを前記支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの方向に並進させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電流を供給することをさらに含み、前記複数のリングセグメントの各リングセグメントは、抵抗加熱素子を含み、前記それぞれの電流は、前記抵抗加熱素子を通って流れる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電圧を印加することをさらに含み、前記複数のリングセグメントの各リングセグメントは、セグメント電極を備える、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
半導体処理のための方法であって、
処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することであって、フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、前記プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲み、前記第1のプロセス条件は、前記第1の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第1の半径方向距離に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する、ことと、
前記第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する前記第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することであって、前記第1の特性は前記プラズマ半導体プロセスによって形成される、ことと、
前記第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する前記第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することであって、前記第2の特性は前記プラズマ半導体プロセスによって形成される、ことと、
プロセッサベースシステムによって、前記第1の特性および前記第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上で前記プラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することであって、前記第2のプロセス条件は、前記第2の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第2の半径方向距離に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する、ことと、
前記処理ツールを使用して、前記第2の複数の基板上で前記第2のプロセス条件を有する前記プラズマ半導体プロセスを実行することと、
を含む、方法。
【請求項27】
前記第1のプロセス条件は、前記第1の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し、
前記第2のプロセス条件は、前記第2の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応する、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のプロセス条件は、前記第1の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し、
前記第2のプロセス条件は、前記第2の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応する、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第1のプロファイル角度を含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第2のプロファイル角度を含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第1の深さを含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第2の深さを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板上に堆積された膜の第1の厚さを含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記膜の第2の厚さを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項32】
半導体処理のための方法であって、
処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することであって、フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、前記プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲み、前記第1のプロセス条件は、前記第1の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する、ことと、
前記第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する前記第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することであって、前記第1の特性は前記プラズマ半導体プロセスによって形成される、ことと、
前記第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する前記第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することであって、前記第2の特性は前記プラズマ半導体プロセスによって形成される、ことと、
プロセッサベースシステムによって、前記第1の特性および前記第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上で前記プラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することであって、前記第2のプロセス条件は、前記第2の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する、ことと、
前記処理ツールを使用して、前記第2の複数の基板上で前記第2のプロセス条件を有する前記プラズマ半導体プロセスを実行することと、
を含む、方法。
【請求項33】
前記第1のプロセス条件は、前記第1の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し、
前記第2のプロセス条件は、前記第2の複数の基板上の前記プラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された前記複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応する、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第1のプロファイル角度を含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第2のプロファイル角度を含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第1の深さを含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記それぞれの基板にエッチングされた凹部の第2の深さを含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接する前記それぞれの基板上に堆積された膜の第1の厚さを含み、
前記第2の特性は、前記第1の複数の基板の各基板について、前記それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する前記膜の第2の厚さを含む、
請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラズマ処理は、半導体産業において広く普及している。プラズマ半導体プロセスは、材料のエッチング、材料の堆積などに使用されてきた。このようなプラズマプロセスは、半導体基板上の処理品質または得られる特性を向上させることが判明している。例えば、プラズマ化学気相成長法(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)は、従来の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)に比べて、堆積温度の低下、材料純度の向上、ステップカバレッジの改善などの利点を有することが判明している。しかし、プラズマの導入には様々な課題がもたらされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示の一実施形態は、半導体処理用の処理ツールを提供する。処理ツールは、チャンバと、基板支持体と、フォーカスリング移動アセンブリとを含む。チャンバは、チャンバ内の内部容積を有する。基板支持体は、チャンバ内に配置される。基板支持体は、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する。フォーカスリング移動アセンブリは、チャンバ内に配置される。フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体とを含む。複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを含む。フォーカスリング移動アセンブリは、支持面を横方向に取り囲むように配置された複数の個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの第1の方向に並進させるように構成されている。それぞれの第1の方向の各第1の方向は、支持面の平面内にあって支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である。
【0003】
本開示の別の実施形態は、半導体処理用の処理ツールを提供する。処理ツールは、チャンバと、基板支持体と、フォーカスリング移動アセンブリとを含む。チャンバは、チャンバ内の内部容積を有する。基板支持体は、チャンバ内に配置される。基板支持体は、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する。フォーカスリング移動アセンブリは、チャンバ内に配置される。フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体とを含む。複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを含む。フォーカスリング移動アセンブリは、支持面を横方向に取り囲むように配置された複数の個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させるように構成され、それぞれの軸の各軸は、支持面に平行である。
【0004】
本開示の別の実施形態は、半導体処理のための方法を提供する。この方法は、フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることを含む。半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置される。基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置される。フォーカスリングの複数のリングセグメントは、半導体基板を横方向に取り囲む。複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントをそれぞれの第1の方向に並進させることを含む。それぞれの第1の方向の各第1の方向は、支持面の平面内にあって支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である。この方法は、チャンバの処理容積内でプラズマを生成することを含む。複数のリングセグメントが半導体基板に対してそれぞれの位置にある間、半導体基板はプラズマに曝される。
【0005】
本開示の別の実施形態は、半導体処理のための方法を提供する。この方法は、フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることを含む。半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置される。基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置される。フォーカスリングの複数のリングセグメントは、半導体基板を横方向に取り囲む。複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントをそれぞれの軸の周りに傾斜させることを含む。それらの軸の各軸は、支持面に平行である。この方法は、チャンバの処理容積内でプラズマを生成することを含む。複数のリングセグメントが半導体基板に対してそれぞれの位置にある間、半導体基板はプラズマに曝される。
【0006】
本開示の別の実施形態は、半導体処理のための方法を提供する。この方法は、処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1の処理条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲む。第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第1の半径方向距離に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することを含む。第1の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することを含む。第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、プロセッサベースシステムによって、第1の特性および第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上でプラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することを含む。第2のプロセス条件は、第2の複数の半導体基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第2の半径方向距離に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、処理ツールを使用して、第2の複数の基板上で第2のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。
【0007】
本開示の別の実施形態は、半導体処理のための方法を提供する。この方法は、処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1の処理条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲む。第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することを含む。第1の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することを含む。第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、プロセッサベースシステムによって、第1の特性および第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上でプラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することを含む。第2のプロセス条件は、第2の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、処理ツールを使用して、第2の複数の基板上で第2のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。
【0008】
前述の要約は、以下の詳細な説明をより良く理解できるように、本開示の実施例の様々な特徴をかなり大まかに概説したものである。このような実施例のその他の特徴および利点については、後述する。記載された実施例は、添付の特許請求の範囲内にある他の実施例を修正または設計するための基礎として容易に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述の特徴を詳細に理解することができるように、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照する。
【0010】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理用の処理ツールの概略図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリングのレイアウト図および断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリングのレイアウト図および断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリングのレイアウト図および断面図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリングのレイアウト図および断面図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの横方向、半径方向の並進を示すセグメント化されたフォーカスリングのレイアウト図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング半径方向並進アセンブリの簡略化された断面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング半径方向並進アセンブリの斜視図である。
【
図7】
図5および
図6のフォーカスリング半径方向並進アセンブリによる、フォーカスリングセグメントの横方向、半径方向の並進を示す。
【
図8】
図5および
図6のフォーカスリング半径方向並進アセンブリによる、フォーカスリングセグメントの横方向、半径方向の並進を示す。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントと半導体基板の端部との間の間隙が、プラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントと半導体基板の端部との間の間隙が、プラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの傾斜を示す、セグメント化されたフォーカスリングのフォーカスリングセグメントの断面図である。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング傾斜アセンブリの簡略化された断面図である。
【
図13A】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング傾斜アセンブリの斜視図である。
【
図13B】本開示のいくつかの実施形態による、
図13Aのフォーカスリング傾斜アセンブリの一部の斜視図である。
【
図14】
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリによる、フォーカスリングセグメントの傾斜を示す。
【
図15】
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリによる、フォーカスリングセグメントの傾斜を示す。
【
図16】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの傾斜がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図17】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの傾斜がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図18】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよびフォーカスリング傾斜サブアセンブリを含むフォーカスリング移動アセンブリを示す。
【
図19】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング垂直並進サブアセンブリを含むそれぞれのフォーカスリング移動アセンブリの簡略化された断面図である。
【
図20】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング垂直並進サブアセンブリを含むそれぞれのフォーカスリング移動アセンブリの簡略化された断面図である。
【
図21】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング垂直並進サブアセンブリを含むそれぞれのフォーカスリング移動アセンブリの簡略化された断面図である。
【
図22】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの垂直並進がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図23】本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメントの垂直並進がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
【
図24】本開示のいくつかの実施形態による、
図1の処理ツールの無線周波数(Radio Frequency:RF)電力システムの概略図である。
【
図25】本開示のいくつかの実施形態による、
図1の処理ツールと共に実装され得るRF電力システムの概略図である。
【
図26】本開示のいくつかの実施形態による、プロセッサベースシステムである。
【
図27】本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理方法のフローチャートである。
【
図28】本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理のための方法のフローチャートである。
【0011】
図面、および添付の詳細な説明は、様々な例の特徴を理解するために提供されるものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。図面に図示され、添付の詳細な説明に記載された実施例は、添付の特許請求の範囲内にある他の実施例を修正または設計するための基礎として容易に利用され得る。図面間で共通する同一の要素を指定するために、可能な限り、同一の参照番号が使用される場合がある。図は、関連する要素または特徴を明確に説明するために描かれており、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して様々な特徴を説明する。実施例は、図示された全ての態様または利点を有するわけではない。特定の実施例と関連して記載された態様または利点は、必ずしもその実施例に限定されるものではなく、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に記載されていなくても、他の実施例において実施することができる。さらに、本明細書で説明する方法は、特定の動作順序で説明されることがあるが、他の実施例による他の方法は、より多いまたはより少ない動作で、様々な他の順序(例えば、様々な動作の異なる逐次または並列実行を含む)で実施され得る。
【0013】
本開示は、プラズマ半導体プロセス、ならびにプラズマ半導体プロセス用の構成要素および処理ツールに関する。本明細書に記載される本開示のいくつかの実施形態は、複数の個別のフォーカスリングセグメントからなるセグメント化されたフォーカスリングを含む。一般に、フォーカスリングセグメントは、それぞれの横方向、半径方向に並進させることができ、かつ/またはそれぞれの傾斜角度に傾斜させることができる。さらに、本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリングセグメントは、それぞれの垂直方向に並進させることができる。フォーカスリングセグメントの移動および/または位置決めは、半導体基板の端部におけるプラズマの制御に寄与することができる。本明細書に記載される様々な他の実施例は、フォーカスリングセグメントを移動および/または位置決めするように構成されたフォーカスリング移動アセンブリを含む処理ツールを含む。さらに、本明細書に記載される他の実施例は、例えば、このようなセグメント化されたフォーカスリングおよび処理ツールを使用する半導体処理方法を含む。さらなる実施例は、半導体処理の以前の処理の結果に基づいて、半導体基板の後続の処理において実施されるフォーカスリングセグメントの位置を決定するための、半導体処理のための方法を含む。
【0014】
さらに、本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリングセグメントは、無線周波数(RF)信号などのそれぞれの電圧が印加され得るそれぞれの電極を含み得る。本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリングセグメントは、それぞれの電圧が印加され得るそれぞれの加熱素子を含み得る。処理ツールは、このような電圧をフォーカスリングセグメントに印加するための構成要素を含み得る。プラズマ半導体プロセスは、フォーカスリングセグメントにこのような電圧を印加することを含み得る。
【0015】
半導体プロセスにおけるプラズマの不均一性は、製造されている集積回路(Integrated Circuit:IC)ダイに欠陥をもたらす可能性がある。プラズマの不均一性は、半導体基板(例えば、ウェハ)の中央部と半導体基板の端部に近接する部分との間で観察されている。かなりの数のICダイが半導体基板の端部に近接して製造されるため、半導体基板の端部におけるプラズマの不均一性は、歩留まりの大きな損失をもたらす可能性がある。
【0016】
半導体基板の中心部と比較して半導体基板の端部における構造的な違いが、半導体基板の中心部と端部との間のプラズマの不均一性に寄与する可能性がある。例えば、半導体基板の端部では、プラズマを含むまたは規定する構造が、半導体基板の中心部とは異なる場合がある。中心部では、プラズマは半導体表面の平坦な横方向の表面によって含まれるまたは規定されるが、垂直な側面を有する端部は、平坦な横方向の表面とは構造的に異なる。このような構造上の差異を軽減するために、半導体基板を取り囲むフォーカスリングが使用されることがあるが、製造公差のためにフォーカスリングと半導体基板との間に間隙が存在することがある。プラズマのプラズマシースが端部の周囲で曲がって間隙に入り込むことがあり、これにより、半導体基板の中心部とは異なる角度で、半導体基板の端部付近にイオン衝撃をもたらす可能性がある。
【0017】
さらに、処理ツールの物理的構造は、プラズマを生成するために使用される電磁場を少なくとも部分的に決定することができる。プラズマが生成される電極間の構造は、電磁場を決定することができる。電極の中心部では、電磁場は無限平面から生成したものとしてモデル化することができ、エッジ効果はないか、またはほとんどない。電極の端部付近では、エッジ効果がより顕著になり、電磁場の指向性を低下させるおよび/または変化させる可能性がある。その結果、半導体基板の端部では、基板の中央部と比較してプラズマ密度が異なる可能性がある。さらに、電極の端部は、処理ツールのチャンバの壁により近く、これにより、中心部と端部との間のプラズマ密度およびイオンエネルギー差をもたらし得る低抵抗電磁ループが生じる可能性がある。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態は、プラズマ半導体プロセスに関連するこれらの課題のいくつかに対処および/または軽減することができる。フォーカスリングセグメントの位置を調整することにより、プラズマシースは、半導体基板の中心部に対して端部でより均一な角度のイオン衝撃を引き起こすように調整され得る。さらに、フォーカスリングの電極に電圧を印加することにより、電磁場を局所的に制御してプラズマの均一性を促進することができ、または、フォーカスリングの加熱素子に電圧を印加することにより、プラズマのエネルギーを局所的に制御してプラズマの均一性を促進することができる。本明細書に記載される様々な態様を使用して、他の利点または利益を達成することができる。
【0019】
簡潔さおよび利便性のために、図に示される同様の構成要素は、個別に、または集合的に、同じ基本参照番号で参照される場合がある。図において、このような構成要素のインスタンスは、それぞれのインスタンス識別子(「-#」の形式)を付加した基本参照番号をラベル付けすることができる。例えば、説明では、x個のウィジェットZZZを参照することがあり、図中のインスタンスは、ZZZ-1、ZZZ-2、...ZZZ-xとラベル付けされている。説明における構成要素の特定のインスタンスへの参照は、基本参照番号および対応するインスタンス識別子(例えば、ウィジェットZZZ-2のインスタンス)への参照を含む。
【0020】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理用の処理ツール100の概略図である。
図1は、様々な向きの説明を容易にするためにX-Y-Z軸を含み、そのような軸は、他の図でも向きに従って再現される。
図1の処理ツール100は、本明細書に記載される様々な態様を不明瞭にしないように、単純化して図示されている。当業者であれば、処理ツール100の他の態様を容易に理解するであろう。処理ツール100は、この例では、容量結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma:CCP)処理ツールとして示されている。他の実施例では、処理ツール100は、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)処理ツール、電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)処理ツール、または他の処理ツールとして構成することができる。当業者であれば、本明細書に記載された態様が、そのような他の処理ツールにも適用可能であることを容易に理解するであろう。処理ツール100は、スパッタリング、物理気相成長法(Physical Vapor Deposition:PVD)、変形二重プラズマ(Modified Double Plasma:MDP)、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、イオンビームエッチング(Ion Beam Etching:IBE)、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)、および他の半導体プロセスなどのプラズマ半導体プロセスを実行するためのものとすることができる。
【0021】
処理ツール100は、チャンバ102を含む。チャンバ102は、チャンバ102の内壁によって画定される内部容積104を有する。処理ツール100は、チャンバ102の内部容積104に配置された基板支持体106を含む。基板支持体106は、静電チャック(ESC)108、ミッドプレート110、およびベースプレート112を含む。図示の構成において、ミッドプレート110はベースプレート112の上に配置され、ESC108はミッドプレート110の上に配置されている。基板支持体106は、ペデスタル114上に配置され、ペデスタル114によって支持されている。ベースプレート112は、ペデスタル114上に配置されている。
【0022】
基板支持体106は、半導体プロセス中に半導体基板120を支持するように構成された支持面116を有する。半導体プロセス中、半導体基板120は基板支持体106の支持面116上に配置される。支持面116は、図示の例では、ESC108の上面である。支持面116は、
図1の図示例では、x-y平面内にある。
【0023】
ESC108は、チャッキング電極122を含む。チャッキング電極122は、支持面116上の半導体基板120をチャッキングするために、直流(Direct Current:DC)電圧が印加されるように構成されている。ESC108は、チャッキング電極122間の直接接触から電気的に絶縁するために、チャッキング電極122を被覆する誘電体材料を含むことができる。誘電体材料は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)など、またはそれらの組み合わせなどの任意の非導電性材料であるか、またはそれらを含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、ESC108は、電流が流れるように構成された抵抗加熱素子を含み、これにより半導体基板120に伝導される熱エネルギーを生成することができる。
【0024】
ミッドプレート110は、n個のRF電極132を含む。RF電極132は、プラズマを生成および/または制御するために電圧(例えば、RF信号)が印加されるように構成される。RF電極132は、任意の配置および任意の数の電極を有することができる。複数のRF電極132を含むことにより、チャンバ102内のプラズマの局所的な制御が達成され得る。RF電極132は、RF電極132の他の構成要素への直接的な電気的接触から電気的に絶縁するために、その上に誘電体材料を有してもよい。本開示のいくつかの実施形態では、ミッドプレート110は、半導体基板120から熱エネルギーを除去および放散するために、そこを流れる流体(例えば、液体)を有するように構成された流体チャネルを含む。流体チャネルは、冷却器と呼ばれることもある。
【0025】
ベースプレート112は、n個のバイアス電極136を含む。バイアス電極136は、RF電極132の駆動能力を促進するためにバイアス電圧(例えば、RF信号)が印加されるように構成されている。バイアス電極136は、任意の配置および任意の数の電極を有することができる。本開示のいくつかの実施形態では、バイアス電極136の数および配置は、RF電極132の数および配置に対応する。本開示のいくつかの実施形態では、ベースプレート112は、1つのバイアス電極136を有する。バイアス電極136は、バイアス電極136の他の構成要素への直接的な電気的接触から電気的に絶縁するために、その上に誘電体材料を有してもよい。
【0026】
処理ツール100は、フォーカスリング移動アセンブリを含む。
図1に一般的に示されているように、フォーカスリング移動アセンブリはフレーム138を含む。フレーム138は、図示の例では、ペデスタル114から横方向に突出している。フレーム138は、支持面116上に配置された半導体基板120を横方向に取り囲む、セグメント化されたフォーカスリングを支持するように構成されている。
図1に示すように、セグメント化されたフォーカスリングは、フォーカスリング移動アセンブリによって支持され、半導体基板120を横方向に取り囲む、m個のフォーカスリングセグメント140を含む。後に詳述するように、様々な実施例において、フレーム138は、移動可能または固定可能であり得、さらに、基板支持体106から分離され得るか、または基板支持体106(例えば、ESC108)に取り付けられ、固定され、および/もしくは、それと一体であり得る。様々な実施例において、フォーカスリング移動アセンブリは、(i)フォーカスリングセグメント140を(例えば、支持面116に平行なx-y平面内で)横方向、半径方向に並進させる、(ii)フォーカスリングセグメント140を(例えば、支持面116に垂直な軸に対してそれぞれの角度で)傾斜させる、または(iii)それらの組み合わせを行うように構成されている。様々な実施例において、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリングセグメント140を垂直方向に(例えば、支持面116に対して垂直なz方向に)並進させるようにさらに構成されてもよい。フォーカスリング移動アセンブリの追加の詳細については後述する。
【0027】
処理ツール100は、チャンバ102の内部容積104内に配置されたガス分配プレート142およびガスシャワーヘッド144をさらに含む。ガス分配プレート142は開口部を有し、ガスシャワーヘッド144は開口部を有する。ガス分配プレート142およびガスシャワーヘッド144は、接地ノードに電気的に結合されている(例えば、電気的に接地されている)。チャンバ102は、ガス供給システム148に流体的に結合されたガス注入口146を有し、排気システム152に流体的に結合されたガス出口150を有する。ガス分配プレート142およびガスシャワーヘッド144は、基板支持体106に対してチャンバ102の内部容積104内に配置され、それにより、半導体プロセス中に、ガスが、ガス供給システム148から、ガス注入口146を通って、ガス分配プレート142を通る開口部を通って、ガスシャワーヘッド144を通る開口部を通って、内部容積104内の処理容積154に流れる。処理容積154は、ガスシャワーヘッド144と基板支持体106との間に配置され、一般に、半導体プロセス中に(処理容積154に流入したガスを使用して)プラズマが生成される場所である。基板支持体106の支持面116上に配置された半導体基板120は、半導体プロセス中、処理容積154内のプラズマに曝される。その後、ガスはガス出口150を通って排気システム152に流れ、チャンバ102の内部容積104から排気され得る。
【0028】
処理ツール100は、DC電源160および絶縁フィルタ162を含む。DC電源160は、DC電圧を生成して出力するように構成されている。DC電源160の出力ノード(例えば、正出力ノードおよび負出力ノード)は、絶縁フィルタ162の入力ノードに電気的に結合され、絶縁フィルタ162の出力ノードは、それぞれのチャッキング電極122に電気的に結合されている。絶縁フィルタ162は、例えばローパスフィルタであってもよい。DC電源160は、半導体基板120をチャックおよびリリースするために、選択的にオンおよびオフにすることができる。
【0029】
処理ツール100は、RF電源164およびn個の信号制御回路166を含む。RF電源164は、RF電力発生器およびRF整合ネットワークを含んでもよく、RF電源164の出力ノードにRF電圧(例えば、連続RF信号および/またはパルスRF信号であってもよいRF信号)を、生成して出力するように構成されている。RF電源164の出力ノードは、信号制御回路166のそれぞれの入力ノードに電気的に結合されている。信号制御回路166は、RF電源164から受信したRF電圧に基づいて、それぞれの調整されたRF電圧を生成するように個別に制御可能である。それぞれの信号制御回路166によって生成される調整されたRF電圧は、受信したRF電圧の調整された振幅(例えば、信号制御回路166の利得によって、1より大きい、1に等しい、または1より小さい大きさを有してもよい)を有してもよく、および/または受信されたRF電圧からの位相オフセットを有してもよい。利得および/または位相オフセットは、信号制御回路166が実施するように構成される利得および/または位相オフセットのセットからそれぞれ選択可能であってよい。各信号制御回路166は、ミッドプレート110の対応するRF電極132に電気的に結合される出力ノードを有する。各信号制御回路166は、それぞれの調整されたRF電圧を出力ノードに出力するように構成されており、したがって、調整されたRF電圧をそれぞれのRF電極132に印加することができる。各信号制御回路166によって出力されるRF電圧は、処理容積154内でプラズマを生成および/または制御する(例えば、局所的に生成および/または制御する)ために、使用することができる。
【0030】
処理ツール100は、RF電源168およびn個の信号制御回路172を含む。RF電源168は、RF電力発生器およびRF整合ネットワークを含んでもよく、RF電源168の出力ノードにRF電圧(例えば、連続RF信号および/またはパルスRF信号であってもよいRF信号)を、生成して出力するように構成されている。RF電源168の出力ノードは、信号制御回路172のそれぞれの入力ノードに電気的に結合されている。信号制御回路166と同様に、信号制御回路172は、信号制御回路172から受信したRF電圧に基づいて、調整されたRF電圧を生成するように個別に制御可能である。それぞれの信号制御回路172によって生成される調整されたRF電圧は、受信したRF電圧の調整された振幅(例えば、信号制御回路172の利得によって、1より大きい、1に等しい、または1より小さい大きさを有してもよい)を有してもよく、および/または受信されたRF電圧からの位相オフセットを有してもよい。利得および/または位相オフセットは、それぞれの信号制御回路172が実施するように構成される利得および/または位相オフセットのセットからそれぞれ選択可能であってよい。各信号制御回路172は、ベースプレート112の対応するバイアス電極136に電気的に結合される出力ノードを有する。ベースプレート112が単一のバイアス電極136を有する例では、信号制御回路172も同様に、単一のバイアス電極136に電気的に結合された出力ノードを有する(例えば、追加の信号制御回路172は省略されてもよい)。
【0031】
ベースプレート112は、この例では、ミッドプレート110内のRF電極132に強く容量結合され得る。したがって、本開示のいくつかの実施形態によれば、ベースプレート112は、信号制御回路172によって出力されるRF電圧によってバイアスされ、プラズマを生成するためのRF電極132の駆動能力を向上させる。信号制御回路172は、動作において、対応するRF電極132に印加されるRF電圧に対してそれぞれの目標振幅およびそれぞれの目標位相オフセットを有するそれぞれのRF電圧を出力する。このようなRF電圧がベースプレート112のバイアス電極136に印加されることで、プラズマを生成し制御するための、RF電極132の駆動能力を向上させることができる。
【0032】
処理ツール100は、RF電源180およびm個の信号制御回路182を含む。RF電源180は、RF電力発生器およびRF整合ネットワークを含んでもよく、RF電源180の出力ノードにRF電圧(例えば、連続RF信号および/またはパルスRF信号であってもよいRF信号)を、生成して出力するように構成されている。RF電源180の出力ノードは、信号制御回路182のそれぞれの入力ノードに電気的に結合されている。信号制御回路182はそれぞれ、RF電源180から受信したRF電圧に基づいて、調整されたRF電圧を生成するように個別に制御可能である。それぞれの信号制御回路182によって生成される調整されたRF電圧は、受信されたRF電圧の調整された振幅(例えば、信号制御回路182の利得によって、1より大きい、1に等しい、または1より小さい大きさを有してもよい)を有してもよく、および/または受信されたRF電圧からの位相オフセットを有してもよい。利得および/または位相オフセットは、それぞれの信号制御回路182が実施するように構成される利得および/または位相オフセットのセットからそれぞれ選択可能であってよい。各信号制御回路182は、セグメント化されたフォーカスリングの対応するフォーカスリングセグメント140の外部電気コネクタ186に、電気的に結合される出力ノードを有する。それぞれの信号制御回路182は、調整されたRF電圧を出力ノードに出力するように構成されており、したがって、調整されたRF電圧をそれぞれのフォーカスリングセグメント140に印加することができる。信号制御回路182によって出力されるRF電圧は、半導体基板120の端部に近接する処理容積154内のプラズマを制御するために使用することができる。
【0033】
処理ツール100は、コントローラ190を含む。コントローラ190は、任意のプロセッサベースシステムとすることができ、またはそれを含むことができ、プロセッサベースのシステムは、ハード化されたプロセッサアーキテクチャ、ソフトプロセッサ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)のプログラマブルファブリック上に実装される)、もしくはそれらの組み合わせであってもよく、またはそれらを含んでもよい。例えば、コントローラ190は、コンピュータ、サーバ、プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller:PLC)など、もしくはそれらの組み合わせとすることができ、またはそれらを含むことができる。コントローラ190は、処理ツール100の動作を制御することができ、本明細書に記載されるような処理ツール100の動作を実施するようにプログラムすることができる。とりわけ、コントローラ190は、信号制御回路166、172、182に通信可能に結合されている。コントローラ190は、信号制御回路166、172、182を制御するための様々な設定値を実施するようにプログラムされ得る。設定値は、対応する利得および/または位相オフセットを達成するようにそれぞれの制御回路を実施および/または選択的に構成するために、信号制御回路166、172、182に実装することができる。
【0034】
図1の処理ツール100に関するセグメント化されたフォーカスリング(フォーカスリングセグメント140からなる)は、チャンバ102内のプラズマを制御するために実装されるものとして説明されているが、セグメント化されたフォーカスリングは、ICP処理ツールなどの他の処理ツールにおいて実装されてもよい。本明細書に記載される態様は、プラズマを制御するための他のツールおよび構成に適用可能である。
【0035】
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリング200のレイアウト図および断面図である。
図2Aは、
図2Bに示される断面2B-2Bを示す。セグメント化されたフォーカスリング200は、この例では12個のフォーカスリングセグメント240(例えば、
図1のフォーカスリングセグメント140に対応する)を含む。他の実施例では、他の数のフォーカスリングセグメントが実装されてもよい。
【0036】
各フォーカスリングセグメント240は、それぞれの電極250を含む。フォーカスリングセグメント240の電極250は、それぞれの外部電気コネクタ186に電気的に結合されており、この外部電気コネクタ186は、信号制御回路182に電気的に結合されるように構成されている。誘電体材料252が電極250を被覆している。誘電体材料252は、隣接するフォーカスリングセグメント240の電極250を含む他の構成要素との直接的な電気的接触から、電極250を電気的に絶縁することができる。例示的な誘電体材料252は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)などの任意の非導電性材料、またはそれらの組み合わせを含む。電極250は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タングステン(W)などの任意の導電性材料(例えば、金属)、またはそれらの組み合わせで形成することができる。
【0037】
それぞれのRF電圧をフォーカスリングセグメント240の電極250に印加して、プラズマ半導体プロセスにおいて半導体基板120の端部に近接する電磁場を制御することができる。複数のフォーカスリングセグメント240を使用することにより、電磁場を各フォーカスリングセグメント240に近接して局所的に制御することができる。電磁場を制御することにより、半導体基板120の端部におけるプラズマを局所的に制御することができ、プラズマの均一性が促進され得る。
【0038】
図3Aおよび
図3Bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、セグメント化されたフォーカスリング300のレイアウト図および断面図である。
図3Aは、
図3Bに示される断面3B-3Bを示す。セグメント化されたフォーカスリング300は、この例では12個のフォーカスリングセグメント340(例えば、
図1のフォーカスリングセグメント140に対応する)を含む。他の実施例では、他の数のフォーカスリングセグメントが実装されてもよい。
【0039】
各フォーカスリングセグメント340は、それぞれの抵抗加熱素子350を含む。フォーカスリングセグメント340の抵抗加熱素子350は、それぞれの外部電気コネクタ186の2つのノード間に電気的に結合されており、この外部電気コネクタ186は、信号制御回路182に電気的に結合されるように構成されている。抵抗加熱素子350は、それぞれの外部電気コネクタ186の2つのノード間に電気的に結合されるように、抵抗加熱素子350を通って電流が流れ、熱エネルギーを生成するように構成されている。抵抗加熱素子350は、それぞれのフォーカスリングセグメント340内に蛇行配置で配置されている。誘電体材料352が抵抗加熱素子350を被覆している。誘電体材料352は、隣接するフォーカスリングセグメント340の抵抗加熱素子350を含む他の構成要素との直接的な電気的接触から、抵抗加熱素子350を電気的に絶縁することができる。
【0040】
フォーカスリングセグメント240によって熱エネルギーを生成することにより、プラズマ半導体プロセスにおいて半導体基板120の端部に近接するプラズマのエネルギーを変化させることができる。フォーカスリングセグメント340の抵抗加熱素子350に印加されるRF電圧は、そのフォーカスリングセグメント340に近接するプラズマのエネルギーを増加させることができる。複数のフォーカスリングセグメント340を使用することにより、プラズマの熱エネルギーを各フォーカスリングセグメント340に近接して局所的に制御することができる。熱エネルギーを制御することにより、半導体基板120の端部におけるプラズマを局所的に制御することができ、プラズマの均一性が促進され得る。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリングセグメント140を(例えば、支持面116に平行なx-y平面内で)横方向、半径方向に並進させるように構成されたフォーカスリング半径方向並進アセンブリである。
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメント140の横方向、半径方向の並進を示すセグメント化されたフォーカスリング(フォーカスリングセグメント140からなる)のレイアウト図である。各フォーカスリングセグメント140は、セグメント化されたフォーカスリングの中心部404からそれぞれの横方向、半径方向402に沿って(例えば、支持面116および/または半導体基板120の上面に平行なx-y平面内で)並進させることができる。各フォーカスリングセグメント140は、支持面116および/または半導体基板120に最も近接する近位位置410に配置され得る。近位位置410において、それぞれのフォーカスリングセグメント140は、それぞれのフォーカスリングセグメント140の内側側壁表面と半導体基板120の端部との間に最小の横方向、半径方向の間隙412を有することができる。それぞれのフォーカスリングセグメント140は、支持面116および/または半導体基板120から最も遠位の遠位位置420に配置され得る。遠位位置420において、それぞれのフォーカスリングセグメント140は、それぞれのフォーカスリングセグメント140の内側側壁表面と半導体基板120の端部との間に、最大の横方向、半径方向の間隙422を有することができる。フォーカスリング半径方向並進アセンブリは、フォーカスリングセグメントを、それぞれの近位位置410から遠位位置420までの任意のそれぞれの位置に、横方向、半径方向に並進させ得る。
【0042】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング半径方向並進アセンブリの簡略化された断面図であり、
図6は、フォーカスリング半径方向並進アセンブリの斜視図である。この例におけるフォーカスリング半径方向並進アセンブリは、6つのフォーカスリングセグメント140を支持し移動させるように構成されている。他の例では、フォーカスリング半径方向並進アセンブリは、任意の数のフォーカスリングセグメント140を支持するように構成され得る。
図5には、半導体基板120、フォーカスリングセグメント140、ESC108、ペデスタル114、およびコントローラ190が、文脈のために示されている。
【0043】
フォーカスリング半径方向並進アセンブリは、駆動シャフト504を有するモータ502、垂直ブラケット508を有するフレーム506、横方向並進ガイドトラック510、セグメント支持体512、および連結部514を含む。モータ502は、駆動シャフト504を(例えば、Z方向に沿って)垂直に突出および後退させるように構成されている。本開示のいくつかの実施形態では、モータ502は、ステッピングモータ(例えば、ヘリカルステッピングモータ)、空気圧モータ、またはリニアアクチュエータ/駆動モータであり、他の例では、モータ502は、他のタイプのモータであり得る。モータ502は、コントローラ190に通信可能に結合されており、コントローラ190は、モータ502の動作を制御するように構成されている。
【0044】
モータ502は、図示例ではフレーム506上に配置され、フレーム506によって支持されている。他の実施例では、モータ502とフレーム506は分離され、かつ相対的に固定されていてもよい。例えば、フレーム506は基板支持体106に取り付けられるか、または基板支持体106と一体であってもよく、モータ502はペデスタル114に固定的に配置されてもよい。
【0045】
フレーム506は、フレーム506の縁部に沿ったそれぞれの位置に配置された垂直ブラケット508を有する。垂直ブラケット508は、フレーム506から垂直方向に(例えば、Z方向に)突出している。それぞれの横方向並進ガイドトラック510は、それぞれの垂直ブラケット508上に(例えば、支持面116に近接する垂直ブラケット508の上部に)配置されている。それぞれのセグメント支持体512は、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に、機械的に結合または取り付けられている。横方向並進ガイドトラック510は、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に沿ってそれぞれのセグメント支持体512の横方向、半径方向の並進を可能にするように配置され、それぞれのセグメント支持体512に機械的に結合されている。
【0046】
各連結部514は、それぞれのセグメント支持体512と駆動シャフト504との間に機械的に結合されている。連結部514は、ピン516または他のヒンジ結合を介してセグメント支持体512および駆動シャフト504に機械的に結合されている。図示されているように、連結部514の第1の端部は、ピン516を介してそれぞれのセグメント支持体512に機械的に結合され、第2の端部(例えば、それぞれの第1の端部の反対側)は、ピン516を介して駆動シャフト504に機械的に結合されている。連結部514(およびピン516)は、駆動シャフト504の垂直方向の並進(例えば、z方向に沿って)を、フォーカスリングセグメント140の横方向、半径方向の並進(例えば、セグメント化されたフォーカスリングの中心部から半径方向のx-y平面内)に変えるように構成されている。
【0047】
図7および
図8は、
図5および
図6のフォーカスリング半径方向並進アセンブリによる、フォーカスリングセグメント140の横方向、半径方向の並進を示す。
図7を参照すると、駆動シャフト504はモータ502から突出した位置にあり、これによりセグメント支持体512は、(連結部514を介して)それぞれの遠位横方向、半径方向位置になる。セグメント支持体512がそれぞれの遠位横方向、半径方向位置にあることにより、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120の端部との間に、それぞれの最大の横方向、半径方向間隙422が生じる。
【0048】
図8を参照すると、駆動シャフト504は、モータ502の作動によって垂直方向に移動802して後退した位置になり、これによりセグメント支持体512は、(連結部514を介して)それぞれの近位横方向、半径方向位置になる。セグメント支持体512がそれぞれの近位横方向、半径方向位置にあることにより、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120の端部との間に、それぞれの最小の横方向、半径方向間隙412が生じる。
【0049】
一般に、モータ502が駆動シャフト504を
図7の突出した位置に移動させるように動作すると、連結部514は、駆動シャフト504の垂直方向の移動(例えば、上方移動)を、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に沿って並進するセグメント支持体512の外向きの横方向、半径方向の並進に変える。したがって、駆動シャフト504を突出した位置に向けて移動させるモータ502は、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120との間の間隙を拡大するように動作する。モータ502が駆動シャフト504を
図8の後退した位置に移動させるように動作すると、連結部514は、駆動シャフト504の垂直方向の移動(例えば、下方移動)を、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に沿って並進するセグメント支持体512の内向きの横方向、半径方向の並進に変える。したがって、駆動シャフト504を後退した位置に向けて移動させるモータ502は、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120との間の間隙を縮小するように動作する。
【0050】
図9および
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120の端部との間の間隙が、プラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
図9および
図10は、(
図1の処理ツール100に配置されたような)半導体基板120およびフォーカスリングセグメント140の断面図である。
図9では、横方向、半径方向の間隙902が半導体基板120とフォーカスリングセグメント140との間にあり、
図10では、横方向、半径方向の間隙1002が半導体基板120とフォーカスリングセグメント140との間にある。
図9の横方向、半径方向の間隙902は、
図10の横方向、半径方向の間隙1002よりも大きい。
図9では、プラズマシース912は半径方向の間隙902に窪み、
図10において、プラズマシース1012は半径方向の間隙1002に窪む。プラズマシース912は、プラズマシース1012が
図10の半径方向の間隙1002に窪むよりも大きく、
図9の半径方向の間隙902に窪む。
図9および
図10では、プラズマシース912、1012は、半導体基板120の中心において概ね平坦であり、したがって、半導体基板120の中心部上のプラズマからのイオン衝撃914、1014は、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。
図9では、半導体基板120の端部において、プラズマシース912は、プラズマシース912が半径方向の間隙902に窪むにつれて湾曲し、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃916は、半導体基板120の上面に対して概してオフノーマル(例えば、法線からある角度)であり得る。
図10を参照すると、半導体基板120の端部において、プラズマシース1012が半径方向の間隙1002に軽く窪むので、プラズマシース1012の湾曲はそれほどひどくなく、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃1016は、半導体基板120の上面に対して概ね法線に近くなり得る。したがって、半導体基板120の中央部におけるイオン衝撃1014および半導体基板120の端部におけるイオン衝撃1016は、両方とも、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。したがって、半導体基板120の端部とフォーカスリングセグメント140との間の間隙を調整することにより、プラズマシースの湾曲と、その結果生じる半導体基板120へのイオン衝撃の角度とを制御することができる。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリングセグメント140を(例えば、支持面116に垂直な軸に対してそれぞれの角度で)傾斜させるように構成されたフォーカスリング傾斜アセンブリである。
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメント140の傾斜を示す、セグメント化されたフォーカスリングのフォーカスリングセグメント140の断面図である。各フォーカスリングセグメント140は、セグメント化されたフォーカスリングの中心部からそれぞれの横方向、半径方向402に垂直なそれぞれの横軸に沿って(例えば、支持面116および/または半導体基板120の上面に平行なx-y平面内で)傾斜させ得る。フォーカスリングセグメントを傾斜させ得る横方向の軸は、フォーカスリングセグメント140の外側にある場合もあり(例えば、
図11のY方向の軸1102)、またはフォーカスリングセグメント140と交差する場合もある(例えば、
図11のY方向の軸1104)。
図11は、フォーカスリングセグメント140の第1の傾斜位置1112および第2の傾斜位置1114を示す。フォーカスリングセグメント140の上面に対して垂直な軸1122が、第1の傾斜位置1112および第2の傾斜位置1114に対して示されている。傾斜角度1132は、第1の傾斜位置1112と第2の傾斜位置1114における軸1122の間にある。傾斜角度1132の範囲は任意の範囲とすることができる。傾斜角度1132は、フォーカスリングセグメント140が傾斜していない位置にあるとき(例えば、フォーカスリングセグメント140の上面が支持面116に平行であるとき)に対して、正または負とすることができる。
【0052】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング傾斜アセンブリの簡略化された断面図である。この例におけるフォーカスリング傾斜アセンブリは、6つのフォーカスリングセグメント140を支持し移動させるように構成されている。他の例では、フォーカスリング傾斜アセンブリは、任意の数のフォーカスリングセグメント140を支持するように構成され得る。
図12には、半導体基板120、フォーカスリングセグメント140、ESC108、ペデスタル114、およびコントローラ190が、文脈のために示されている。
【0053】
フォーカスリング傾斜アセンブリは、駆動シャフト1204を有するモータ1202、垂直ブラケット1208を有する固定フレーム1206、セグメント支持体1210、ヒンジ1212、可動フレーム1214、およびリフトピン1216を含む。モータ1202は、駆動シャフト1204を(例えば、Z方向に沿って)垂直に突出および後退させるように構成されている。本開示のいくつかの実施形態では、モータ1202は、ステッピングモータ(例えば、ヘリカルステッピングモータ)、空気圧モータ、またはリニアアクチュエータ/駆動モータであり、他の例では、モータ1202は、他のタイプのモータであり得る。モータ1202は、コントローラ190に通信可能に結合されており、コントローラ190は、モータ1202の動作を制御するように構成されている。
【0054】
モータ1202は、
図12の図示例では固定フレーム1206上に配置され、固定フレーム1206によって支持されている。他の実施例では、モータ1202と固定フレーム1206は分離され、かつ相対的に固定されていてもよい。例えば、固定フレーム1206は基板支持体106に取り付けられるか、または基板支持体106と一体であってもよく、モータ1202はペデスタル114に固定的に配置されてもよい。
【0055】
固定フレーム1206は、固定フレーム1206の縁部に沿ったそれぞれの位置に配置された垂直ブラケット1208を有する。垂直ブラケット1208は、固定フレーム1206から垂直方向(例えば、Z方向)に突出している。それぞれのセグメント支持体1210は、それぞれの1つ以上の垂直ブラケット1208に機械的に結合されている。セグメント支持体1210は、ヒンジ1212によってなど、セグメント支持体1210を傾斜させることができる任意の結合によって、1つ以上の垂直ブラケット1208に機械的に結合され得る。
【0056】
可動フレーム1214は、駆動シャフト1204に機械的に取り付けられている。可動フレーム1214は、垂直ブラケット1208を越えて(例えば、貫通して)横方向に延びている。リフトピン1216は、可動フレーム1214に機械的に取り付けられており、可動フレーム1214から垂直方向に(例えば、Z方向に)突出している。リフトピン1216の1つ以上は、それぞれのセグメント支持体1210の下面に接触する。リフトピン1216がセグメント支持体1210の下面に接触する位置は、この例では、ヒンジ1212が配置される位置よりも、セグメント化されたフォーカスリングの中心部から横方向、半径方向により遠位である。ヒンジ1212が支持面116、ひいては半導体基板120により近接して位置することにより、セグメント支持体1210の傾斜動作は、フォーカスリングセグメント140が支持面116、ひいては半導体基板120により近い位置に留まる結果となり得る。
【0057】
図13Aは、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング傾斜アセンブリの斜視図であり、
図13Bは、
図13Aのフォーカスリング傾斜アセンブリの一部の斜視図である。
図13Aおよび
図13Bのフォーカスリング傾斜アセンブリは、一般に、
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリであり、したがって、同様の構成要素についての説明はここでは省略する。
図13Aおよび
図13Bは、基板支持体106に取り付けられるか、または基板支持体106と一体である固定フレーム1306を示す。リフトピン1216は、固定フレーム1306を通って(例えば、それぞれの開口部1316を通って)垂直に延びている。
図13Aおよび
図13Bでは、2つのリフトピン1216がそれぞれのセグメント支持体1210の下面に接触している。
【0058】
図14および
図15は、
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリによる、フォーカスリングセグメント140の傾斜を示す。
図14を参照すると、駆動シャフト1204はモータ1202から第1の位置にあり、これによりセグメント支持体1210は、それぞれの上面が支持面116と平行になる。フォーカスリングセグメント140の上面に垂直な軸1402は、支持面116に垂直な軸に(例えば、z方向に)平行である。
【0059】
図15を参照すると、駆動シャフト1204は、モータ1202の動作により、第2の(例えば、突出した)位置まで垂直方向に移動し1502、これにより、リフトピン1216が垂直方向に移動する。リフトピン1216の垂直方向の移動は、セグメント支持体1210の半径方向遠位部分を垂直方向に押す。ヒンジ1212がセグメント支持体1210を機械的に結合し、リフトピン1216がセグメント支持体1210を押すことにより、セグメント支持体1210が傾く(例えば、それぞれのヒンジ1212を中心にいくらか回転する)。セグメント支持体1210の傾斜は、
図14の位置における軸1402に対する、
図15の位置における軸1402の角度1504による。
【0060】
一般に、モータ1202が駆動シャフト1204をより後退した位置に移動させるように動作すると、リフトピン1216が下がり、それにより、セグメント支持体1210、およびその上のフォーカスリングセグメント140が、支持面116および/または半導体基板120から離れる回転方向に、それぞれのヒンジを中心に回転する。モータ1202が駆動シャフト1204をより突出した位置に移動させるように動作すると、リフトピン1216が持ち上げられ、それにより、セグメント支持体1210、およびその上のフォーカスリングセグメント140が、支持面116および/または半導体基板120に向かう回転方向に、それぞれのヒンジを中心に回転する。
【0061】
図16および
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメント140の傾斜がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
図16および
図17は、(
図1の処理ツール100に配置されたような)半導体基板120およびフォーカスリングセグメント140の断面図である。
図16では、フォーカスリングセグメント140は、半導体基板の上面に平行な上面を有し、
図17では、フォーカスリングセグメント140は、半導体基板120に向かっていくらか傾斜している(例えば、半導体基板120に向かって回転している)。
図16では、プラズマシース1612は、半導体基板120の端部とフォーカスリングセグメント140との間の間隙に窪み、
図17では、プラズマシース1712は、間隙にあまり大きく窪まず、傾斜したフォーカスリングセグメント140の輪郭を描く。
図16および
図17では、プラズマシース1612、1712は、半導体基板120の中心部において概ね平坦であり、したがって、半導体基板120の中心上のプラズマからのイオン衝撃1614、1714は、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。
図16では、半導体基板120の端部において、プラズマシース1612は、プラズマシース1612が間隙に窪むにつれて湾曲し、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃1616は、半導体基板120の上面に対して概してオフノーマル(例えば、法線からある角度)であり得る。
図17を参照すると、半導体基板120の端部において、プラズマシース1712が間隙に軽く窪むので、プラズマシース1712の湾曲はそれほどひどくなく、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃1716は、半導体基板120の上面に対して概ね法線に近くなり得る。したがって、半導体基板120の中央部におけるイオン衝撃1714および半導体基板120の端部におけるイオン衝撃1716は、両方とも、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。したがって、フォーカスリングセグメント140の傾斜を調整することにより、プラズマシースの湾曲と、その結果生じる半導体基板120へのイオン衝撃の角度とを制御することができる。
【0062】
本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよびフォーカスリング傾斜サブアセンブリを含む。
図18は、このようなフォーカスリング移動アセンブリの例を示す。一般に、
図18から明らかなように、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリは、
図5のフォーカスリング半径方向並進アセンブリと同様の構成要素を含み、フォーカスリング傾斜サブアセンブリは、
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリと同様の構成要素を含む。
図18のフォーカスリング移動アセンブリのいくつかの構成要素は、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリとフォーカスリング傾斜サブアセンブリの両方の構成要素であると見なされ得る。
【0063】
フォーカスリング移動アセンブリは、それぞれの駆動シャフト504、1204を有するモータ502、1202、垂直ブラケット508を有するフレーム506、横方向並進ガイドトラック510、連結部514、可動ブラケット1808、垂直並進ガイドトラック1810、セグメント支持体1210、伸縮アーム1816を有するフレーム1814、およびリフトピン1216を含む。モータ502、駆動シャフト504、フレーム506、垂直ブラケット508、および横方向並進ガイドトラック510は、概して、
図5に関して説明したように構成されている。それぞれの可動ブラケット1808は、各横方向並進ガイドトラック510に機械的に結合または取り付けられている。横方向並進ガイドトラック510は、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に沿ってそれぞれの可動ブラケット1808の横方向、半径方向の並進を可能にするように配置され、それぞれの可動ブラケット1808に機械的に結合されている。それぞれのセグメント支持体1210は、それぞれの可動ブラケット1808に機械的に結合されている。セグメント支持体1210は、ヒンジ1212によってなど、セグメント支持体1210を傾斜させることができる任意の結合によって、可動ブラケット1808に機械的に結合され得る。
【0064】
各連結部514は、それぞれ可動ブラケット1808と駆動シャフト504との間に機械的に結合されている。連結部514は、ピン516または他のヒンジ結合を介して可動ブラケット1808および駆動シャフト504に機械的に結合されている。連結部514(およびピン516)は、駆動シャフト504の垂直方向の並進(例えば、z方向に沿って)を、フォーカスリングセグメント140の横方向、半径方向の並進(例えば、セグメント化されたフォーカスリングの中心部から半径方向のx-y平面内)に変えるように構成されている。
【0065】
モータ1202は、駆動シャフト504上に配置され、駆動シャフト504によって支持されている。フレーム1814は、モータ1202の駆動シャフト1204に機械的に取り付けられている。伸縮アーム1816は、フレーム1814に機械的に取り付けられている。伸縮アーム1816の半径方向外側部分(例えば、チューブ)は、フレーム1814に機械的に取り付けられている伸縮アーム1816の半径方向内側部分に対して半径方向に並進するように構成されている。伸縮アーム1816の半径方向外側部分は、垂直並進ガイドトラック1810に機械的に結合されている。リフトピン1216は、伸縮アーム1816のそれぞれの半径方向外側の部分に機械的に取り付けられており、伸縮アーム1816から垂直方向に(例えば、Z方向に)突出している。伸縮アーム1816および垂直並進ガイドトラック1810は、可動ブラケット1808が横方向並進ガイドトラック510に沿って半径方向、横方向に移動すると、それぞれのセグメント支持体1210に対するリフトピン1216の位置決めを維持するように構成されている。垂直並進ガイドトラック1810は、一般に、それぞれの可動ブラケット1808に対する伸縮アーム1816の半径方向外側部分の横方向の移動を許容しない。したがって、可動ブラケット1808が横方向、半径方向に移動すると、それぞれの伸縮アーム1816は、可動ブラケット1808の移動に対応して後退または突出する。
【0066】
一般に、モータ502が駆動シャフト504を垂直方向に移動1830させるように動作すると、連結部514は、駆動シャフト504の垂直方向1830の移動を、それぞれの横方向並進ガイドトラック510に沿って並進する可動ブラケット1808(したがって、セグメント支持体1210)の横方向、半径方向の並進に変える。したがって、駆動シャフト504を垂直方向に移動1830させるモータ502は、セグメント支持体1210を横方向、半径方向に並進1832させるように動作し、それによって、フォーカスリングセグメント140と半導体基板120との間の間隙を調整する。一般に、モータ1202が駆動シャフト1204を垂直方向に移動1834させるように動作すると、伸縮アーム1816は垂直並進ガイドトラック1810に沿って垂直方向に並進し、これによりリフトピン1216が垂直方向に移動する。リフトピン1216の垂直方向の移動により、セグメント支持体1210、およびその上のそれぞれのフォーカスリングセグメント140が、それぞれのヒンジ1212を中心に傾斜する1836。
【0067】
図示の実施例では、モータ1202は、駆動シャフト504上に配置され、駆動シャフト504によって支持されているので、モータ502が駆動シャフト504を移動させるように動作されるとき、モータ1202は、場合によっては、モータ502の動作と相互に、または連動して動作することができる。例えば、モータ502がセグメント支持体1210を横方向に移動させるように動作する場合、駆動シャフト504の移動はモータ1202および駆動シャフト1204を垂直方向に移動させ、リフトピン1216の垂直方向の移動を引き起こす。このような状況で、セグメント支持体1210の傾斜を半径方向、横方向の移動で維持しようとすると、駆動シャフト1204は、駆動シャフト504から等しい移動距離で反対方向に移動することになる。モータ502、1202に通信可能に結合されたコントローラ190は、モータ502、1202の一般的な制御に加えて、駆動シャフト504、1204のそのような移動を制御および調整することができる。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態では、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよび/またはフォーカスリング傾斜サブアセンブリに加えて、フォーカスリング垂直方向並進サブアセンブリを含む。
図19、
図20、および
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリング垂直並進サブアセンブリを含むそれぞれのフォーカスリング移動アセンブリの簡略化された断面図である。フォーカスリング垂直並進サブアセンブリは、駆動シャフト1904を有するモータ1902を含み、フレーム1906を含む。フレーム1906は、駆動シャフト1904に機械的に取り付けられている。モータ1902は、コントローラ190と通信可能に結合されており、コントローラ190は、モータ1902の動作を制御するように構成されている。
【0069】
図19を参照すると、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリに加えて、フォーカスリング垂直方向並進サブアセンブリを含む。フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリは、
図5のフォーカスリング半径方向並進アセンブリである。フレーム506は、フレーム1906に機械的に取り付けられ、フレーム1906によって支持されている。
図5に関して説明したように、モータ502による駆動シャフト504の垂直移動1920は、セグメント支持体512の横方向、半径方向の並進1922を引き起こす。駆動シャフト1904の垂直移動1910は、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリの垂直移動を引き起こし、それによりセグメント支持体512の垂直移動1912を引き起こす。
【0070】
図20を参照すると、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリング傾斜サブアセンブリに加えて、フォーカスリング垂直方向並進サブアセンブリを含む。フォーカスリング傾斜サブアセンブリは、
図12のフォーカスリング傾斜アセンブリである。固定フレーム1206は、フレーム1906に機械的に取り付けられ、フレーム1906によって支持されている。
図12に関して説明したように、モータ1202による駆動シャフト1204の垂直移動2020は、セグメント支持体1210の傾斜2022を引き起こす。駆動シャフト1904の垂直移動1910は、フォーカスリング傾斜サブアセンブリの垂直移動を引き起こし、それによりセグメント支持体1210の垂直移動1912を引き起こす。
【0071】
図21を参照すると、フォーカスリング移動アセンブリは、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよびフォーカスリング傾斜サブアセンブリに加えて、フォーカスリング垂直並進サブアセンブリを含む。フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよびフォーカスリング傾斜サブアセンブリは、
図18に示され、
図18に関して説明されたとおりである。フレーム506は、フレーム1906に機械的に取り付けられ、フレーム1906によって支持されている。
図18に関して説明したように、モータ502による駆動シャフト504の垂直移動1830は、セグメント支持体1210の横方向、半径方向の並進1832を引き起こし、モータ1202による駆動シャフト1204の垂直移動1834は、セグメント支持体1210の傾斜1836を引き起こす。駆動シャフト1904の垂直移動1910は、フォーカスリング半径方向並進サブアセンブリおよびフォーカスリング傾斜サブアセンブリの垂直移動を引き起こし、それによりセグメント支持体1210の垂直移動1912を引き起こす。
【0072】
図22および
図23は、本開示のいくつかの実施形態による、フォーカスリングセグメント140の垂直並進がプラズマ制御にどのように寄与し得るかを示す。
図22および
図23は、(
図1の処理ツール100に配置されたような)半導体基板120およびフォーカスリングセグメント140の断面図である。
図22では、フォーカスリングセグメント140は第1の垂直位置にあり、
図23では、フォーカスリングセグメント140は第1の垂直位置よりも高い第2の垂直位置にある。
図22では、プラズマシース2212は、半導体基板120の端部とフォーカスリングセグメント140との間の間隙に窪み、
図23では、プラズマシース2312は、フォーカスリングセグメント140まで輪郭を描く。
図22および
図23では、プラズマシース2212、2312は、半導体基板120の中心部において概ね平坦であり、したがって、半導体基板120の中心部上のプラズマからのイオン衝撃2214、2314は、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。
図22では、半導体基板120の端部において、プラズマシース2212は、プラズマシース2212が間隙に窪むにつれて湾曲し、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃2216は、半導体基板120の上面に対して概してオフノーマル(例えば、法線からある角度)であり得る。
図23を参照すると、半導体基板120の端部において、プラズマシース2312がフォーカスリングセグメント140まで輪郭を描くので、プラズマシース2312の湾曲はそれほどひどくなく、したがって、半導体基板120の端部におけるプラズマからのイオン衝撃2316は、半導体基板120の上面に対して概ね法線に近くなり得る。したがって、半導体基板120の中央部におけるイオン衝撃2314および半導体基板120の端部におけるイオン衝撃2316は、両方とも、半導体基板120の上面に対して概ね法線になり得る。したがって、フォーカスリングセグメント140の垂直位置を調整することにより、プラズマシースの湾曲と、その結果生じる半導体基板120へのイオン衝撃の角度とを制御することができる。
【0073】
図24は、本開示のいくつかの実施形態による、処理ツール100のRF電力システム2400の概略図である。RF電力システム2400は、RF電源2402、s個の信号制御回路2404、およびs個の電極2406を含む。RF電源2402は、RF電源164、168、180(各々は、RF電力発生器およびRF整合ネットワークを含み得る)とすることができ、信号制御回路2404は、信号制御回路166、172、182とすることができ、電極2406は、RF電極132、バイアス電極136、ならびに/またはフォーカスリングセグメント140の電極250および/もしくは抵抗加熱素子350とすることができる。
【0074】
各信号制御回路2404は、それぞれの電圧/電力制御回路2412、およびそれぞれの位相制御回路2414を含む。例えば、信号制御回路2404-1は、電圧/電力制御回路2412-1および位相制御回路2414-1を含み、信号制御回路2404-sは、電圧/電力制御回路2412-sおよび位相制御回路2414-sを含む。各電圧/電力制御回路2412は、それぞれの信号制御回路2404の入力ノードである入力ノードを有し、RF電源2402の出力ノードに電気的に結合されている。各電圧/電力制御回路2412は、それぞれの位相制御回路2414の入力ノードに電気的に結合された出力ノードを有する。各位相制御回路2414は、それぞれの電極2406に電気的に結合されたそれぞれの信号制御回路2404の出力ノードである出力ノードを有する。それぞれの信号制御回路2404の電圧/電力制御回路2412および位相制御回路2414は、例えばコントローラ190に通信可能に結合されて、それぞれの信号制御回路2404のための1つ以上の設定値を受信する。設定値(複数可)は、電圧/電力制御回路2412の利得および位相制御回路2414の位相オフセットを選択的に設定するデジタル数値またはコードである。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態では、電圧/電力制御回路2412は、増幅器と、RF電圧を受信し、受信したRF電圧に対して利得調整されたRF電圧を出力するように構成された、選択的に構成可能なインピーダンスネットワークとを含み得る。選択的に構成可能なインピーダンスネットワークは、例えば、並列接続されたいくつかのスイッチ抵抗器(switched resistor)を含むことができる。例えば、スイッチ抵抗器は、トランジスタのチャネルと電気的に直列に接続された抵抗器を含むことができる。例えば、設定値のビット、または設定値をデコードした結果のビットであり得る信号をトランジスタのゲートに印加することで、トランジスタのチャネルを選択的に導通状態または非導通状態にすることができる。抵抗器を選択的に電気的に並列接続および/または並列切断することにより、電圧/電力制御回路2412の利得を選択的に構成することができる。当業者であれば、電圧/電力制御回路2412の構成、および、そのような電圧/電力制御回路2412が異なる利得を実現するためにどのように選択的に構成可能であるかを容易に理解するであろう。これは、抵抗器、コンデンサ、および/またはインダクタなどのインピーダンス素子の任意の組み合わせを使用することによって行われ得る。
【0076】
同様に、本開示のいくつかの実施形態では、位相制御回路2414は、増幅器と、RF電圧を受信し、受信したRF電圧に対して位相オフセット調整されたRF電圧を出力するように構成された選択的に構成可能なインピーダンスネットワークとを含み得る。選択的に構成可能なインピーダンスネットワークは、例えば、抵抗器、コンデンサ、および/またはインダクタを含む、いくつかの並列接続されたスイッチインピーダンス素子(switched impedance element)を含むことができる。例えば、設定値のビット、または設定値をデコードした結果のビットであり得る信号をトランジスタのゲートに印加することで、トランジスタのチャネルを選択的に導通状態または非導通状態にすることができる。インピーダンス素子を選択的に電気的に並列接続および/または並列切断することにより、位相制御回路2414の位相オフセットを選択的に構成することができる。当業者であれば、位相制御回路2414の構成、およびそのような位相制御回路2414が異なる位相オフセットを実現するためにどのように選択的に構成可能であるかを容易に理解できるであろう。
【0077】
図25は、本開示のいくつかの実施形態による処理ツール100と共に実装され得るRF電力システム2500の概略図である。
図25のRF電力システム2500は、
図24のRF電力システム2400の改良型である。RF電力システム2400は、多周波RF電力システムである。RF電力システム2400は、t個のRF電源2402を含む。各RF電源2402は、目標周波数でRF電圧を生成するように構成されており、RF電源2402の目標周波数は異なり得る。例えば、RF電源2402-1の目標周波数は13.56MHzであり得、RF電源2402-tの目標周波数は60MHzであり得る。
【0078】
RF電力システム2500は、各RF電源2402に対してs個の信号制御回路2404を含む。合計で、RF電力システム2500は、(s×t)個の信号制御回路2404を含む。図において、各信号制御回路2404には「-ij」が付加されており、iは所定の信号制御回路2404がどの電極2406と関連しているかを示し、jは所定の信号制御回路2404がどのRF電源2402と関連しているかを示す。各信号制御回路2404は、電圧/電力制御回路2412および位相制御回路2414を含み、
図24に関して上述したように構成されている。
【0079】
各RF電源2402について、それぞれのRF電源2402の出力ノードは、そのRF電源2402に関連するs個の信号制御回路2404の入力ノードに電気的に結合されている。各信号制御回路2404は、それぞれのRF絶縁フィルタ2502(信号制御回路2404と同様に名称が付されている)の入力ノードに電気的に結合された出力ノードを有する。各RF絶縁フィルタ2502は、関連するRF電源2402によって生成されたRF電圧の目標周波数を有するRF電圧を通過させるように構成されている。各RF絶縁フィルタ2502は、目標周波数からある程度の周波数の信号を除去または減衰させることができる。例えば、RF絶縁フィルタ2502は、関連するRF電源2402によって生成されたRF電圧の周波数を中心としたバンドパスフィルタとすることができる。
【0080】
RF電力システム2500は、s個のアナログ加算器/加算回路2504を含む。各アナログ加算器/加算回路2504は、t個の入力ノードを有し、それぞれの電極2406に関連する。所定の電極2406に関連するそれぞれのRF絶縁フィルタ2502の出力ノードは、その所定の電極2406に関連するアナログ加算器/加算回路2504のそれぞれの入力ノードに電気的に結合されている。各アナログ加算器/加算回路2504は、RF電圧を生成するために、それぞれのRF絶縁フィルタ2502から受信したt個のRF電圧を合計するように構成されている。各アナログ加算器/加算回路2504は、アナログ加算器/加算回路2504が関連する電極2406に電気的に結合された出力ノードを有する。アナログ加算器/加算回路2504によって生成されたRF電圧は、出力ノードで電極2406に出力される。異なる周波数のRF電圧を生成する複数のRF電源2402を有することにより、RF電圧は電極2406に印加される複数のRF構成要素を含むことができる。RF電力システム2500の他の態様は、
図24のRF電力システム2400の説明を含むこれまでの説明を考慮すれば、当業者には明らかである。
【0081】
図26は、本開示のいくつかの実施形態による、プロセッサベースシステム2600を示す。プロセッサベースシステム2600は、コンピュータ、サーバ、PLCなど、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれらを含むことができる。プロセッサベースシステム2600は、コントローラ190として実装されてもよく、または本明細書で説明する任意の動作を実施するための他のプロセッサベースシステムとして実装されてもよい。プロセッサベースシステム2600は、1つ以上のプロセッサ2602、メモリシステム2612、通信バス2622、1つ以上の入出力(I/O)インターフェース2632、およびネットワークインターフェース2642を含む。
【0082】
各プロセッサ2602は、1つ以上のプロセッサコア2604を含むことができる。各プロセッサ2602および/またはプロセッサコア2604は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、縮小命令セットコンピューティング(Reduced Instruction Set Computing:RISC)プロセッサ、複合命令セットコンピューティング(Complex Instruction Set Computing:CISC)プロセッサ、グラフィック処理ユニット(Graphics Processing Unit:GPU)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)などのハード化されたプロセッサ(hardened processor)、もしくはそれらの組み合わせ、またはFPGAなどのプログラマブルロジック上に実装されたソフトプロセッサであり得る。
【0083】
メモリシステム2612は、1つ以上のメモリコントローラ2614およびメモリ2616を含む。メモリコントローラ2614は、特定のメモリ2616またはメモリ2616のサブセットへの読み出しおよび/または書き込みアクセスを制御するように構成されている。メモリ2616は、メインメモリ、ディスクストレージ、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含み得る。メモリ2616は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory:SRAM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory:EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory:EEPROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートストレージなど、任意のタイプの揮発性メモリまたは不揮発性メモリを含み得る。メモリ2616は、非一時的機械可読記憶媒体である。命令2618は、メモリ2616に格納される。命令2618は、機械実行可能コード(例えば、機械コード)であってもよく、ファームウェア、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、または他の機械実行可能コードから構成されてもよい。命令2618は、例えば、ソフトウェアモジュール2620を具現化することができ、このソフトウェアモジュール2620は、1つ以上のプロセッサ2602によって命令2618が実行されると、本明細書で説明する様々な機能性および動作を実行する。
【0084】
1つ以上のI/Oインターフェース2632は、1つ以上のI/Oデバイス2634に電気的および/または通信的に結合されるように構成されている。I/Oデバイス2634には、信号制御回路166、172、182およびモータ502、1202、1902が含まれる。信号制御回路166、172、182およびモータ502、1202、1902は、I/Oインターフェース2632を介してそれぞれの設定値を受信することができる。他の例示的なI/Oデバイス2634には、キーボード、マウス、ディスプレイデバイス、プリンタなどが含まれる。1つ以上のI/Oインターフェース2632は、産業用アプリケーション接続、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)接続、高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI(登録商標))接続、Bluetooth(登録商標)回路などの、コネクタまたは結合回路を含むことができる。
【0085】
ネットワークインターフェース2642は、ネットワーク2644に通信可能に結合されるように構成されている。ネットワークインターフェース2642は、イーサネット接続などの有線通信用の回路を含むことができ、および/またはWi-Fi(登録商標)通信用の回路などの無線通信用の回路を含むことができる。例えば、ネットワーク2644に通信可能に結合された1つ以上のコンピュータおよび/またはサーバは、レシピ、プロセス条件などを、ネットワーク2644およびネットワークインターフェース2642を介してプロセッサベースシステム2600に通信し得る。
【0086】
通信バス2622は、1つ以上のプロセッサ2602、メモリシステム2612、1つ以上のI/Oインターフェース2632、およびネットワークインターフェース2642に通信可能に接続されている。様々な構成要素は、通信バス2622を介して互いに通信することができる。通信バス2622は、通信を調停するためのアービタを含むなどによって、通信の流れを制御することができる。
【0087】
図27は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理の方法2700のフローチャートである。方法2700は、前述の処理ツール100を使用して実施することができる。方法2700の動作は、コントローラ190によって(例えば、1つ以上のプロセッサ2602による命令2618の実行によって)開始および/または制御され得る。ブロック2702では、半導体基板120が処理ツール100のチャンバ102内に搬送され、チャンバ102内の基板支持体106(例えば、ESC108)上に載せられる。セグメント化されたフォーカスリング(フォーカスリングセグメント140を含む)は、半導体基板120がチャンバ102内に搬送される際に、フォーカスリング移動アセンブリ上に配置され得る。半導体基板120は、チャッキング電極122にDC電圧を印加することにより(例えば、半導体基板120をチャッキングして)、ESC108に固定することができる。DC電圧は、DC電源160によって生成され、チャッキング電極122に印加され得る。半導体基板120がチャンバ102内に搬送され、支持面116上に配置された状態で、セグメント化されたフォーカスリングが半導体基板120を横方向に取り囲むように配置される。
【0088】
ブロック2704では、セグメント化されたフォーカスリングのフォーカスリングセグメント140が、半導体基板120に対してそれぞれの位置に移動される。フォーカスリングセグメント140は、半導体基板120とフォーカスリングセグメント140との間の間隙を調整するために、横方向、半径方向に並進させることによって移動させることができる。フォーカスリングセグメント140は、半導体基板120の上面に対するフォーカスリングセグメント140の上面の角度を調整するために、傾斜または回転させることによって移動させることができる。さらに、フォーカスリングセグメント140は、垂直方向に並進させることによって移動させることができる。前述したように、移動の任意の組み合わせまたは順列が実施され得る。フォーカスリングセグメント140は、フォーカスリング移動アセンブリによって移動させることができ、このフォーカスリング移動アセンブリは、前述のフォーカスリング移動アセンブリのいずれかであってもよく、または他のアセンブリであってもよい。コントローラ190は、前述したように、それぞれのモータ502、1202、1902に、フォーカスリングセグメント140を移動させるようにすることができる。
【0089】
ブロック2706では、処理ツール100のチャンバ102内でプラズマ半導体プロセスが実行される。プラズマ半導体プロセスは、例えば、エッチングプロセス、堆積プロセス、またはその他の適用可能なプロセスとすることができる。プラズマ半導体プロセスの例としては、スパッタリング、PVD、MDP、PECVD、IBE、およびRIEが含まれる。ブロック2706は、ブロック2708において、チャンバ102の処理容積154内でプラズマを生成することを含む。半導体基板120は、処理容積154内でプラズマに曝され得る。プラズマは、ガスをチャンバ内102に流し(例えば、ガス供給システム148から、ならびにガス注入口146、ガス分配プレート142、およびガスシャワーヘッド144を通して)、RF電圧をそれぞれのRF電極132に印加することによって、生成され得る。プラズマは、RF電極132上のRF電圧と、ガスシャワーヘッド144が接地された結果として生成され得る。
【0090】
ブロック2706はさらに、ブロック2710において、半導体基板120の周辺部でプラズマを制御することを含む。簡単にするために別々に説明するが、ブロック2708、2710は同じ動作(複数可)で実施することができる。プラズマは、RF電極132に印加されるRF電圧によって半導体基板120の周辺部で制御することができる。プラズマは、フォーカスリングセグメント140を含むセグメント化されたフォーカスリングを使用して、周辺部で制御することができる。
【0091】
図2Aおよび
図2Bのように、フォーカスリングセグメント140がそれぞれの電極250を含む例では、それぞれのRF電圧(例えば、RF信号)をフォーカスリングセグメント140の電極250に印加して周辺部の電磁場を制御することによって、プラズマを周辺部で制御することができる。
図3Aおよび
図3Bのように、フォーカスリングセグメント140がそれぞれの抵抗加熱素子350を含む例では、フォーカスリングセグメント140の抵抗加熱素子350にそれぞれのRF電圧(例えば、RF信号)を印加して抵抗加熱素子350に電流を流し、熱エネルギーを生成することによって、プラズマを周辺部で制御することができる。電極250または抵抗加熱素子350のいずれであっても、電圧は、RF電源180および信号制御回路182を介して供給され得、これらは、例えば、前述したように、コントローラ190によって制御され得る。
【0092】
プラズマは、半導体基板120に対するフォーカスリングセグメント140のそれぞれの位置により、半導体基板120の周辺部で制御され得る。前述したように、フォーカスリングセグメント140の横方向、半径方向の距離、傾斜、および/または垂直方向の位置決めによって、周辺部のプラズマを制御することができる。位置決めの任意の組み合わせまたは順列が実施され得る。位置決めは、ブロック2704におけるフォーカスリングセグメント140の移動によって達成することができる。
【0093】
さらに、バイアス電極136のバイアスは、ブロック2708、2710の間に実行することができる。バイアスには、バイアス電極136にRFバイアス電圧を印加することが含まれ得る。
【0094】
ブロック2712では、プラズマ半導体プロセスが終了し、半導体基板120が処理ツール100のチャンバ102から搬出される。プラズマ半導体プロセスの終了時に、RF電圧はRF電極132およびバイアス電極136への印加を停止することができる(例えば、RF電源164、168をオフにする)。さらに、電圧は、フォーカスリングセグメント140の電極250または抵抗加熱素子350への印加を停止することができる(例えば、RF電源180をオフにする)。ガスは、チャンバ102内への供給を停止し、チャンバ102から排気することができる。次に、フォーカスリング移動アセンブリは、半導体基板120を搬送するためのクリアランスを提供するために、フォーカスリングセグメント140をある位置に移動させ得る。DC電圧は、半導体基板120をESC108から解放するために(例えば、DC電源160をオフにすることによって)停止させることもできる。その後、半導体基板120をチャンバ102から搬出することができる。
【0095】
図28は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理のための方法2800のフローチャートである。ブロック2802では、
図27に関して説明したようなプラズマ半導体プロセスが、処理ツール100を使用して、第1の複数の半導体基板(例えば、半導体基板の1つ以上のロット)上で実行される。プラズマ半導体プロセスは、第1のプロセス条件で実行される。第1のプロセス条件は、該当する場合、信号制御回路166、172、182およびモータ502、1202、1902の設定値を含むことができる。それぞれの設定値に基づいて、RF電圧がRF電極132に印加され、RF電圧がバイアス電極136に印加され、RF電圧(例えば、RF信号)がフォーカスリングセグメント140の電極250または抵抗加熱素子350に印加され、フォーカスリングセグメント140が横方向、半径方向位置、傾斜位置、および/または垂直位置に応じて配置される。
【0096】
ブロック2804では、第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する第1の複数の半導体基板のそれぞれの第1の特性が測定され、ブロック2806では、第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する第1の複数の半導体基板のそれぞれの第2の特性が測定される。第1の特性および第2の特性は、同一の特徴または構成要素であり得る。「第1」および「第2」の使用は、参照を容易にするためである。測定は計測ツールで実行することができる。本開示のいくつかの実施形態では、第1および第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによってエッチングされた凹部のプロファイル角度であり得るか、またはこれを含み得る。本開示のいくつかの実施形態では、第1および第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによってエッチングされた凹部の深さであり得るか、またはそれを含み得る。本開示のいくつかの実施形態では、第1および第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによって堆積された膜の厚さであり得るか、またはそれを含み得る。その他の特性を測定することもできる。第1の特性と第2の特性との間の変動は、第1の複数の基板が処理されたときのプラズマ半導体プロセスにおけるプラズマの不均一性を示し得る。
【0097】
ブロック2808では、1つ以上のプロセッサベースのシステムを使用して、プラズマ半導体プロセスが第2の複数の半導体基板上で実行される間に処理ツール内で適用されるべき第2のプロセス条件が決定される。第2のプロセス条件は、ブロック2804、2806で測定された第1の特性および第2の特性に基づいて決定され、例えば、第1の特性と第2の特性との間の差などである。第2のプロセス条件は、第1のプロセス条件とそれぞれ同じタイプのプロセス条件であるが、第1のプロセス条件と第2のプロセス条件の値またはデータは、異なっていてもよい。一例として、高度プロセス制御(Advanced Process Control:APC)アルゴリズムを動作させるプロセッサベースのシステムは、RF電極132およびバイアス電極136に印加されるRF電圧(例えば、それぞれの振幅および位相を含み得るRF信号)を決定してもよく、フォーカスリングセグメント140の電極250または抵抗加熱素子350に印加されるRF電圧(例えば、それぞれの振幅および位相を含み得るRF信号)を決定してもよく、横方向、半径方向位置、傾斜位置、および/または垂直位置を含む、フォーカスリングセグメント140の位置決めを決定してもよい。次に、APCアルゴリズムを動作させるプロセッサベースのシステムは、該当する場合、信号制御回路166、172、182およびモータ502、1202、1902を設定する設定値を決定してもよい。
【0098】
ブロック2810では、プラズマ半導体プロセス用の処理ツールに第2のプロセス条件が適用される。例えば、APCアルゴリズムを動作させるプロセッサベースシステムは、第2のプロセス条件を(例えば、ネットワーク2644を介して)コントローラ190に通信し得る。コントローラ190は、第2のプロセス条件を有するようにプラズマ半導体プロセスのレシピをリセットすることができ、第2のプロセス条件(例えば、設定値)を信号制御回路166、172、182に伝達することができ、これにより、信号制御回路166、172、182が第2のプロセス条件に基づいて選択的に構成されるようになり、かつモータ502、1202、1902に伝達することができ、これにより、モータ502、1202、1902が応答的にフォーカスリングセグメント140を位置決めするようになる。
【0099】
ブロック2812では、処理ツール100を使用して、プラズマ半導体プロセスを第2の複数の半導体基板上で実行する。プラズマ半導体プロセスは、第2のプロセス条件で実行される。第2のプロセス条件の設定値に基づいて、RF電圧が印加され、モータ502、1202、1902は、プラズマ半導体プロセス中にフォーカスリングセグメント140を位置決めする。
【0100】
第1の実施形態は、半導体処理用の処理ツールである。処理ツールは、チャンバと、基板支持体と、フォーカスリング移動アセンブリとを含む。チャンバは、チャンバ内の内部容積を有する。基板支持体は、チャンバ内に配置される。基板支持体は、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する。フォーカスリング移動アセンブリは、チャンバ内に配置される。フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体とを含む。複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを含む。フォーカスリング移動アセンブリは、支持面を横方向に取り囲むように配置された複数の個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの第1の方向に並進させるように構成されている。それぞれの第1の方向の各第1の方向は、支持面の平面内にあって支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である。
【0101】
第1の実施形態の処理ツールにおいて、フレームは、複数の横方向並進ガイドトラックを含み得る。複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、複数の横方向並進ガイドトラックのそれぞれの横方向並進ガイドトラックに機械的に結合され得、それぞれのセグメント支持体は、それぞれの横方向並進ガイドトラックに沿って横方向に並進させるように構成され得る。フォーカスリング移動アセンブリは、駆動シャフトを含む駆動モータと、複数の連結部とをさらに含み得る。複数の連結部の各連結部は、複数のセグメント支持体のそれぞれのセグメント支持体に機械的に結合された第1の端部を有し得、駆動シャフトに機械的に結合された第2の端部を有し得る。駆動モータは、駆動シャフトおよび複数の連結部の移動を引き起こすように構成され得、駆動シャフトおよび複数の連結部の移動は、複数のセグメント支持体をそれぞれの第1の方向に並進させ得る。
【0102】
第1の実施形態の処理ツールにおいて、フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させるようにさらに構成され得、それぞれの軸の各軸は、支持面に平行であり得る。
【0103】
第1の実施形態の処理ツールにおいて、フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体を、支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの第2の方向に並進させるようにさらに構成され得る。
【0104】
第1の実施形態の処理ツールは、複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに含み得る。複数のフォーカスリング電気コネクタの各フォーカスリング電気コネクタは、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの電極に電気的に接続し、電圧を供給するように構成され得る。
【0105】
第1の実施形態の処理ツールは、複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに含み得る。複数のフォーカスリング電気コネクタの各対のフォーカスリング電気コネクタは、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの抵抗性熱素子に電気的に接続し、電流を供給するように構成され得る。
【0106】
第1の実施形態の処理ツールは、電源と、複数の制御回路とをさらに含み得る。電源は、電源の出力ノードに電圧を出力するように構成され得る。複数の制御回路の各制御回路は、電源の出力ノードに電気的に結合された入力ノードを有し得、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに電気的に結合されるように構成された出力ノードを有し得る。複数の制御回路の各制御回路は、電圧の振幅、位相、またはそれらの組み合わせを調整し、それぞれの制御回路の出力ノードに、対応する調整された電圧を出力するように制御可能であり得る。さらに、処理ツールは、コントローラをさらに含み得る。コントローラは、1つ以上のプロセッサと、非一時的メモリとを含み得る。非一時的メモリは、記憶された命令を含み得、1つ以上のプロセッサによってこの命令が実行されると、1つ以上のプロセッサに、複数の制御回路を制御させて、それぞれの振幅、それぞれの位相、またはそれらの組み合わせを調整させ得る。
【0107】
第2の実施形態は、半導体処理用の処理ツールである。処理ツールは、チャンバと、基板支持体と、フォーカスリング移動アセンブリとを含む。チャンバは、チャンバ内の内部容積を有する。基板支持体は、チャンバの内部容積に配置される。基板支持体は、半導体基板を支持するように構成された支持面を有する。フォーカスリング移動アセンブリは、チャンバの内部容積に配置される。フォーカスリング移動アセンブリは、フレームと、フレームに機械的に結合された複数のセグメント支持体とを含む。複数のセグメント支持体の各セグメント支持体は、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリングは、複数の個別のセグメントを含む。フォーカスリング移動アセンブリは、支持面を横方向に取り囲むように配置された複数の個別のセグメントを支持するように構成されている。フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させるように構成され、それぞれの軸の各軸は、支持面に平行である。
【0108】
第2の実施形態の処理ツールにおいて、フォーカスリング移動アセンブリは、駆動シャフトを含む駆動モータと、複数のリフトピンとをさらに含み得る。複数のリフトピンの各リフトピンは、駆動シャフトに機械的に結合され得、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに接触するように構成され得る。駆動モータは、駆動シャフトおよび複数のリフトピンの移動を引き起こすように構成され得、駆動シャフトおよび複数のリフトピンの移動は、複数のセグメント支持体をそれぞれの軸の周りに傾斜させる。
【0109】
第2の実施形態の処理ツールにおいて、フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体をそれぞれの方向に並進させるようにさらに構成され得る。それぞれの方向の各方向は、支持面の平面内にあって支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行であり得る。
【0110】
第2の実施形態の処理ツールにおいて、フォーカスリング移動アセンブリは、複数のセグメント支持体を支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの方向に並進させるようにさらに構成され得る。
【0111】
第2の実施形態の処理ツールは、複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに含み得る。複数のフォーカスリング電気コネクタの各フォーカスリング電気コネクタは、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの電極に電気的に接続し、電圧を供給するように構成され得る。
【0112】
第2の実施形態の処理ツールは、複数のフォーカスリング電気コネクタをさらに含み得る。複数のフォーカスリング電気コネクタの各対のフォーカスリング電気コネクタは、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントの抵抗性熱素子に電気的に接続し、電流を供給するように構成され得る。
【0113】
第2の実施形態の処理ツールは、電源と、複数の制御回路とをさらに含み得る。電源は、電源の出力ノードに電圧を出力するように構成され得る。複数の制御回路の各制御回路は、電源の出力ノードに電気的に結合された入力ノードを有し得、フォーカスリングのそれぞれの個別のセグメントに電気的に結合されるように構成された出力ノードを有し得る。複数の制御回路の各制御回路は、電圧の振幅、位相、またはそれらの組み合わせを調整し、それぞれの制御回路の出力ノードに、対応する調整された電圧を出力するように制御可能であり得る。さらに、処理ツールは、コントローラをさらに含み得る。コントローラは、1つ以上のプロセッサと、非一時的メモリとを含み得る。非一時的メモリは、記憶された命令を含み得、1つ以上のプロセッサによってこの命令が実行されると、1つ以上のプロセッサに、複数の制御回路を制御させて、それぞれの振幅、それぞれの位相、またはそれらの組み合わせを調整させ得る。
【0114】
第3の実施形態は、半導体処理のための方法である。この方法は、フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることを含む。半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置される。基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置される。フォーカスリングの複数のリングセグメントは、半導体基板を横方向に取り囲む。複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントをそれぞれの第1の方向に並進させることを含む。それぞれの第1の方向の各第1の方向は、支持面の平面内にあって支持面の中心部からのそれぞれの半径方向と平行である。この方法は、チャンバの処理容積内でプラズマを生成することを含む。複数のリングセグメントが半導体基板に対してそれぞれの位置にある間、半導体基板はプラズマに曝される。
【0115】
第3の実施形態において、複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントをそれぞれの軸の周りに傾斜させることをさらに含み得る。それぞれの軸の各軸は、支持面に平行であり得る。
【0116】
第3の実施形態において、複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントを、支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの第2の方向に並進させることをさらに含み得る。
【0117】
第3の実施形態は、複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電流を供給することをさらに含み得る。複数のリングセグメントの各リングセグメントは、抵抗加熱素子を含み得る。それぞれの電流は、抵抗加熱素子を通って流れ得る。
【0118】
第3の実施形態の方法は、複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電圧を印加することをさらに含み得る。複数のリングセグメントの各リングセグメントは、セグメント電極を含み得る。
【0119】
第4の実施形態は、半導体処理のための方法である。この方法は、フォーカスリングの複数のリングセグメントを半導体基板に対してそれぞれの位置に移動させることを含む。半導体基板は、基板支持体の支持面上に配置される。基板支持体は、処理ツールのチャンバ内に配置される。フォーカスリングの複数のリングセグメントは、半導体基板を横方向に取り囲む。複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントをそれぞれの軸の周りに傾斜させることを含む。それらの軸の各軸は、支持面に平行である。この方法は、チャンバの処理容積内でプラズマを生成することを含む。複数のリングセグメントが半導体基板に対してそれぞれの位置にある間、半導体基板はプラズマに曝される。
【0120】
第4の実施形態において、複数のリングセグメントを移動させることは、複数のリングセグメントを支持面に垂直な方向と平行なそれぞれの方向に並進させることをさらに含み得る。
【0121】
第4の実施形態の方法は、複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電流を供給することをさらに含み得る。複数のリングセグメントの各リングセグメントは、抵抗加熱素子を含み得る。それぞれの電流は、抵抗加熱素子を通って流れ得る。
【0122】
第4の実施形態の方法は、複数のリングセグメントの各リングセグメントにそれぞれの電圧を印加することをさらに含み得る。複数のリングセグメントの各リングセグメントは、セグメント電極を含み得る。
【0123】
第5の実施形態は、半導体処理のための方法である。この方法は、処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1の処理条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲む。第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第1の半径方向距離に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することを含む。第1の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することを含む。第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、プロセッサベースシステムによって、第1の特性および第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上でプラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することを含む。第2のプロセス条件は、第2の複数の半導体基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板からそれぞれの第2の半径方向距離に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、処理ツールを使用して、第2の複数の基板上で第2のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。
【0124】
第5の実施形態において、第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得、第2のプロセス条件は、第2の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得る。
【0125】
第5の実施形態において、第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得、第2のプロセス条件は、第2の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得る。
【0126】
第5の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第1のプロファイル角度を含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第2のプロファイル角度を含み得る。
【0127】
第5の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第1の深さを含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第2の深さを含み得る。
【0128】
第5の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板上に堆積された膜の第1の厚さを含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する膜の第2の厚さを含み得る。
【0129】
第6の実施形態は、半導体処理のための方法である。この方法は、処理ツールを使用して、第1の複数の基板上で第1の処理条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。フォーカスリングの複数の個別のセグメントが、プラズマ半導体プロセス中に基板を横方向に取り囲む。第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの中心部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第1の特性を測定することを含む。第1の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、第1の複数の基板のそれぞれの端部に近接する第1の複数の基板のそれぞれの第2の特性を測定することを含む。第2の特性は、プラズマ半導体プロセスによって形成される。この方法は、プロセッサベースシステムによって、第1の特性および第2の特性に基づいて、第2の複数の基板上でプラズマ半導体プロセスを実行する間に適用されるべき第2のプロセス条件を決定することを含む。第2のプロセス条件は、第2の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板の上面に対してそれぞれの傾斜角度で配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置に対応する。この方法は、処理ツールを使用して、第2の複数の基板上で第2のプロセス条件を有するプラズマ半導体プロセスを実行することを含む。
【0130】
第6の実施形態において、第1のプロセス条件は、第1の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得、第2のプロセス条件は、第2の複数の基板上のプラズマ半導体プロセス中に基板に対してそれぞれの垂直位置に配置された複数の個別のセグメントのそれぞれの位置にさらに対応し得る。
【0131】
第6の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第1のプロファイル角度を含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第2のプロファイル角度を含み得る。
【0132】
第6の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第1の深さを含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接するそれぞれの基板にエッチングされた凹部の第2の深さを含み得る。
【0133】
第6の実施形態において、第1の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの中心部に近接するそれぞれの基板上に堆積された膜の第1の厚さを含み得、第2の特性は、第1の複数の基板の各基板について、それぞれの基板のそれぞれの端部に近接する膜の第2の厚さを含み得る。
【0134】
様々な実施例を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることを理解されたい。
【国際調査報告】