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特表2024-541877ウエハの平面不均一性を低減するための底部カバープレート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】ウエハの平面不均一性を低減するための底部カバープレート
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241106BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241106BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/31 F
C23C16/44 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523638
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022038996
(87)【国際公開番号】W WO2023069170
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/508,581
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ファン ズービン
(72)【発明者】
【氏名】モハナ スリニヴァス トクル
(72)【発明者】
【氏名】ヤダマネ サンデシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウ カイ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ ジャレパリ
(72)【発明者】
【氏名】ユ シャオチョウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ペイチ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA12
4K030KA05
4K030KA45
5F045AA06
5F045AA08
5F045AD01
5F045AE01
5F045BB02
5F045DP02
5F045DQ10
5F045EK07
5F045EK24
5F045EM02
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA24
5F131BB03
5F131CA03
5F131CA06
5F131DB02
5F131DB52
5F131EA04
5F131EA13
5F131EA18
5F131EA24
5F131EB78
5F131EB81
5F131EB87
5F131GA14
(57)【要約】
本明細書に提供される本開示の実施形態は、一般に、基板を処理するためのチャンバ内部の加熱素子からの放射損失の制御を可能にする底部カバープレート(BCR)に関する。加熱素子は、処理前または処理中に基板を加熱するために使用され、チャンバ内の熱損失むらに起因して基板を均等に加熱しないことがある。例えば、基板の加熱むらにより、基板上に材料の堆積むらが生じることがあり、これにより、堆積を補正するための余分な処理が生じ、または不適切に処理された基板を廃棄することによる無駄な製品が生じることがある。BCRを使用して、基板の加熱むらを補正することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムで使用するための底部カバープレートであって、
前記基板処理システムのペデスタルのシャフト上に配置されるように構成された中央開口部と、
前記基板処理システムの前記ペデスタル上に配置された基板に面するように構成された対向面であり、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含む、対向面と
を備える、底部カバープレート。
【請求項2】
前記底部カバープレートの前記表面仕上げがテクスチャパターンである、請求項1に記載の底部カバープレート。
【請求項3】
前記底部カバープレートの前記テクスチャパターンが前記基板の熱プロファイルの逆パターンである、請求項2に記載の底部カバープレート。
【請求項4】
前記底部カバープレートが前記ペデスタルの前記シャフトの周りに回転して、前記底部カバープレートの前記テクスチャパターンをある配向に配向させるように構成されている、請求項3に記載の底部カバープレート。
【請求項5】
前記底部カバープレートが前記基板処理システム内に前記底部カバープレートを位置決めするように構成されたアダプタに係合するように構成され、前記アダプタが前記ペデスタルの前記シャフト上に配置されている、請求項4に記載の底部カバープレート。
【請求項6】
前記底部カバープレートが前記アダプタのロッキング特徴と係合するように構成されたキーイング特徴を備え、前記ロッキング特徴が前記キーイング特徴と係合するとき、前記底部カバープレートが静止したままである、請求項5に記載の底部カバープレート。
【請求項7】
前記底部カバープレートが前記キーイング特徴と位置合わせされた貫通孔を有し、前記貫通孔が、前記底部カバープレートの前記キーイング特徴が前記アダプタの前記ロッキング特徴と係合するときに、前記基板処理システムのリフトピンを前記貫通孔を通過させるように構成されている、請求項6に記載の底部カバープレート。
【請求項8】
前記底部カバープレートの前記異なる放射率の領域が前記底部カバープレートの一端から前記底部カバープレートの反対端まで連続的に増加する放射率を含む、請求項1に記載の底部カバープレート。
【請求項9】
前記底部カバープレートの前記一端および前記底部カバープレートの前記反対端が、前記底部カバープレートの中心および前記底部カバープレートの縁部を含む、請求項8に記載のボトムカバープレート。
【請求項10】
前記底部カバープレートの前記一端が前記底部カバープレートの第1の縁部であり、前記底部カバープレートの前記反対端が前記底部カバープレートの第2の縁部であり、
前記第2の縁部が前記第1の縁部よりも前記底部カバープレートの反対側にある、
請求項8に記載の底部カバープレート。
【請求項11】
前記底部カバープレートの放射率が直線状勾配または放射状勾配に従って増加する、請求項8に記載の底部カバープレート。
【請求項12】
前記底部カバープレートの前記異なる放射率の領域が第1の放射率の第1の領域と、第2の放射率の第2の領域とを含む、請求項1に記載の底部カバープレート。
【請求項13】
前記第1の放射率の前記第1の領域が前記底部カバープレートの中心から、前記中心からの半径までであり、前記第2の放射率の前記第2の領域が前記中心からの前記半径から前記底部カバープレートの縁部までである、請求項12に記載の底部カバープレート。
【請求項14】
前記底部カバープレートがスクライブマークをさらに備え、前記スクライブマークが前記異なる放射率の領域の配向をマークする、請求項1に記載の底部カバープレート。
【請求項15】
前記底部カバープレートの前記対向面が保護コーティングをさらに含む、請求項1に記載の底部カバープレート。
【請求項16】
基板処理システムで使用するための底部カバープレートアセンブリであって、
底部カバープレートであり、
前記基板処理システムのペデスタルのシャフト上に配置されるように構成された中央開口部、および
前記基板処理システムの前記ペデスタル上に配置された基板に面するように構成された対向面であり、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含む、対向面
を備える、底部カバープレートと、
アダプタであり、前記基板処理システム内に前記底部カバープレートを位置決めするように構成され、前記ペデスタルの前記シャフト上に配置されるように構成されている、アダプタと
を備える、底部カバープレートアセンブリ。
【請求項17】
前記底部カバープレートの前記表面仕上げがテクスチャパターンである、請求項16に記載の底部カバープレートアセンブリ。
【請求項18】
前記底部カバープレートの前記テクスチャパターンが前記基板の熱プロファイルの逆パターンである、請求項17に記載の底部カバープレートアセンブリ。
【請求項19】
基板を処理するための処理チャンバであって、
ペデスタルであり、
前記基板を加熱する加熱素子、および
シャフト
を備える、ペデスタル
を備える、処理チャンバと、
底部カバープレートであって、
中央開口部であり、前記底部カバープレートが前記中央開口部を介して前記ペデスタルの前記シャフト上に配置されている、中央開口部、および
前記基板に面するように構成され、テクスチャパターンを含む、対向面
を備える、底部カバープレートと
を備える、基板処理システム。
【請求項20】
前記テクスチャパターンが、直線状勾配または放射状勾配であり、前記基板の熱プロファイルの逆であり、
スクライブマークが前記直線状勾配または前記放射状勾配の配向をマークする、
請求項19に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、一般に、半導体処理に適した処理チャンバおよび処理チャンバを組み立てる方法に関する。より詳細には、本明細書に記載される実施形態は、加熱素子からの放射損失を制御するための境界、ならびにその設置および調整に関する。
【背景技術】
【0002】
堆積およびドライエッチングプロセスは、基板上に層を形成し、基板から1つまたは複数の層のすべてまたは一部を除去するために使用される。例えば、物理的気相堆積(PVD)としても知られているスパッタリングプロセスを使用して、基板上に、例えば、半導体基板上に直接、または半導体基板上に既に形成されている膜層上に、金属薄膜および誘電体膜を堆積させることが知られている。基板上に薄膜を形成する他の方法は、化学気相堆積(CVD)およびプラズマCVD(PECVD)である。ドライエッチングは、半導体処理において一般に使用され、反応性イオンエッチングプロセスによって、基板内に、または基板上の1つまたは複数の薄膜内に特徴を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
半導体およびフラットパネルディスプレイの製造に使用される多くの薄膜堆積およびエッチングプロセスは、基板処理システムと呼ばれるクラスタツールのメインフレームに取り付けられた基板処理チャンバを採用しており、1つまたは複数の基板が、基板上で実行されるプロセス中に基板を支持するための専用ハードウェアを内部に有する専用の処理チャンバ(例えば、真空チャンバ)にロードされる。均一なプロセス温度を維持することは、プロセス要件、安全性、および部品寿命にとって重要である。薄膜堆積およびエッチングプロセス中に、大量の熱が生成される。基板は、処理中に生成された熱の影響を受ける可能性があり、その結果、適切に制御されない場合には、基板全体にわたって温度が不均一になる可能性がある。例えば、基板の左側が右側よりも高温になることがある。基板の中心が基板の縁部よりも高温になることがあり、その逆もある。温度が不均一な場合、基板の平面パターンが不均一になる可能性があり、これには、基板の変形および材料の堆積むらが含まれてもよい。さらに、基板の温度は、基板処理システムの処理チャンバごとに異なることがあり、その結果、各処理チャンバの堆積量および堆積品質が異なることがある。
【0004】
基板の不均一な温度は、いくつかの要因によって引き起こされ得る。基板処理チャンバの幾何学的形状が基板への熱伝達を妨げることがあり、または基板から熱を奪うヒートシンクとなることがある。例えば、加熱素子からの熱は、基板ではなく処理チャンバの部分に引き込まれることがあり、その結果、基板の温度むらが生じることがある。基板上で実行されるプロセスは、基板全体ではなく基板の一部に熱を導入することがある。基板の温度を均一に維持することは、特に既存の処理チャンバでは、是正措置を実施するための基板処理チャンバ内の利用可能なスペースが限られているため、困難である。
【0005】
したがって、上述の問題を解決する、基板の平面パターンを調整するシステムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される実施形態は、一般に、半導体処理に適した処理チャンバおよび処理チャンバを組み立てる方法に関する。より詳細には、本明細書に記載される実施形態は、加熱素子からの放射損失を制御するための境界、ならびにその設置および調整に関する。
【0007】
一実施形態では、基板処理システムで使用するための底部カバープレートは、基板処理システムのペデスタルのシャフト上に配置されるように構成された中央開口部と、基板処理システムのペデスタル上に配置された基板に対向するように構成された対向面とを含む。対向面は、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含む。
【0008】
別の実施形態では、基板処理システムで使用するための底部カバープレートアセンブリは、底部カバープレートを含む。底部カバープレートは、基板処理システムのペデスタルのシャフト上に配置されるように構成された中央開口部と、基板処理システムのペデスタル上に配置された基板に面するように構成された対向面とを含む。対向面は、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含む。基板処理システムは、基板処理システム内に底部カバープレートを配置するように構成されたアダプタを含む。アダプタは、ペデスタルのシャフト上に配置されるように構成されている。
【0009】
別の実施形態では、基板処理システムは、基板を処理するための処理チャンバを含む。処理チャンバは、基板を加熱するように構成された加熱素子と、シャフトとを有するペデスタルを含む。処理チャンバは、中央開口部を有する底部カバープレートを含む。底部カバープレートは、中央開口部を介してペデスタルのシャフト上に配置される。底部カバープレートは、基板に面するように構成された対向面を含む。対向面は、テクスチャパターンを含む。
【0010】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって得ることができ、その実施形態の一部が添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の例示的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の等しく有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態による、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、および硬化チャンバを含む処理システムの平面図である。
図2】一実施形態による、処理システムのタンデムセクションに設置された底部カバープレート(BCP)の断面図である。
図3A】一実施形態による、BCPの上面図である。
図3B】一実施形態による、BCPの底面図である。
図3C】一実施形態による、BCPを位置決めするためのアダプタの上面図である。
図4A】一実施形態による、基板の上面図である。
図4B】一実施形態による、基板の熱プロファイルの概略図である。
図4C】一実施形態による、BCPの異なる放射率の領域の概略図である。
図4D】一実施形態による、基板の上面図である。
図4E】一実施形態による、基板の熱プロファイルの概略図である。
図4F】一実施形態による、BCPの上面図である。
図4G】一実施形態による、BCPの放射率プロファイルの概略図である。
図5A】一実施形態による、基板の別の実施形態の上面図である。
図5B】一実施形態による、基板の熱プロファイルの概略図である。
図5C】一実施形態による、BCPの別の実施形態の上面図である。
図5D】一実施形態による、BCPの放射率プロファイルの概略図である。
図5E】一実施形態による、基板の別の実施形態の上面図である。
図5F】一実施形態による、基板の熱プロファイルの概略図である。
図5G】一実施形態による、BCPの別の実施形態の上面図である。
図5H】一実施形態による、BCPの放射率プロファイルの概略図である。
図5I】一実施形態による、基板の熱プロファイルの別の実施形態の概略図である。
図5J】一実施形態による、BCPの放射率プロファイルの別の実施形態の概略図である。
図5K】一実施形態による、図5Iからの、基板の調整された熱プロファイルの概略図である。
図6】一実施形態による、処理システムのタンデムセクションに設置されたBCPの断面図である。
図7】一実施形態による、BCPおよびアダプタの等角断面図を示す。
図8】一実施形態による、基板の平面パターンを調整するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指定するために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに詳述することなく他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【0013】
以下の説明では、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には、本開示の一部の実施形態は、これらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数がなくても実施され得ることが明らかであろう。他の例では、本開示の1つまたは複数の実施形態を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている特徴については記載されていない。
【0014】
上記に鑑みて、基板処理チャンバ内の基板の平面パターンの均一性を向上させるための課題および機会の両方が存在する。したがって、処理チャンバには、平面パターンの不均一性を補正するための調整可能な加熱システムが設けられている。
【0015】
本明細書で提供される本開示の実施形態は、一般に、基板を処理するためのチャンバ内部の加熱素子からの放射損失の制御を可能にする底部カバープレート(BCP)に関する。加熱素子は、処理前または処理中に基板を加熱するために使用され、チャンバ内の熱損失むらに起因して基板を均等に加熱しないことがある。例えば、基板の加熱むらにより、基板上に材料の堆積むらが生じることがあり、これにより、堆積を補正するための余分な処理が生じ、または不適切に処理された基板を廃棄することによる無駄な製品が生じることがある。BCPを使用して、基板の加熱むらを補正することができる。
【0016】
処理中、基板の熱プロファイルは、直線状または放射状のパターンなどのパターンまたは勾配であってもよい。加熱素子からの熱は、基板の方向とは反対方向に放射されることがある。本明細書に記載されるBCPは、基板の熱プロファイルを調整するために、加熱素子から失われた熱を吸収し、その熱を基板に放射して戻すように構成された熱放射率境界を提供する。BCPは、基板の熱プロファイルを打ち消し、加熱むらを補償するために、熱プロファイルの逆パターンで、熱を基板に戻るように放射する放射率プロファイルを有することができる。放射率プロファイルは、表面粗さが変化するテクスチャ加工された表面パターンまたは勾配を含むことができる。
【0017】
処理システムの構成例
図1は、一実施形態による、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、および硬化チャンバを含む処理システム100の平面図を示す。図では、1対の前方開口型統一ポッド(FOUP)102が、様々なサイズの基板を供給し、これらの基板が、ロボットアーム104によって受け取られ、タンデムセクション109a~109cに配置された基板処理チャンバ108a~108fのうちの1つに配置される前に、低圧保持領域106に配置される。第2のロボットアーム110を使用して、基板(例えば、ウエハ)を保持領域106から基板処理チャンバ108a~108fに搬送したり、戻したりすることができる。各基板処理チャンバ108a~108fは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、ガス抜き、配向、および他の基板処理に加えて、本明細書に記載されたドライエッチング処理を含むいくつかの基板処理操作を実行するように装備され得る。
【0018】
基板処理チャンバ108a~108fは、基板上に誘電体膜または金属膜を堆積、アニール、硬化、および/またはエッチングするための1つまたは複数のシステム構成要素を含むことができる。一構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~108dおよび108e~108fを使用して、基板上に材料を堆積させることができ、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~108bを使用して、堆積させた材料をエッチングすることができる。別の構成では、3対のチャンバすべてが、例えば108a~108fが、基板上の誘電体膜または金属膜をエッチングするように構成されてもよい。記載されるプロセスのうちのいずれか1つまたは複数は、異なる実施形態に示される製造システムから分離されたチャンバ内で実行されてもよい。誘電体膜用の堆積、エッチング、アニーリング、および硬化チャンバの追加の構成が、処理システム100によって企図されることが理解されるであろう。
【0019】
材料堆積プロセス中に、基板処理チャンバ108a~108fは、図2図4A図4B図4D図4E、および図5A図5Bに関連して説明するように、基板を不均等に加熱することがある。加熱むらは、加熱中の放射損失の結果である場合がある。例えば、タンデムセクション109a~109cの構成要素および処理チャンバ108a~108fの幾何学的形状が異なると、加熱素子と基板との間の熱伝達にむらが生じることがある。図2は、基板の熱プロファイルを調整し、加熱むらを補正するための装置を説明する。
【0020】
底部カバープレートアセンブリ例
図2は、一実施形態による、処理システム100のタンデムセクション109aに設置された底部カバープレート(BCP)200の断面図を示す。特に、図2は、基板206の上面206aに材料を堆積させるために使用される処理チャンバ108cの内部を示す。処理チャンバ108cは、共有中心軸216を有するシャフト214を有するペデスタル212と、加熱素子210と、基板支持体208とを備える。基板206の底面206bは、基板支持体208上に載置されている。図示の実施形態では、ペデスタル212は、処理のために基板206を昇降させるために垂直に移動することができる。ペデスタル212は、処理前および/または処理中に基板206を加熱するための加熱素子210をさらに備えることができる。
【0021】
処理チャンバ108cは、BCP200を含む。BCP200は、ペデスタル212のシャフト214上に配置された中央開口部220を有する。加熱素子210は、BCP200と基板206との間に配置される。BCP200の対向面200aは、加熱素子210および基板206に面し、加熱素子210によって放出された熱を吸収し、基板206に向かって熱を放射することができる。したがって、BCP200は、加熱素子210からの放射損失を防止するための境界として作用する。例えば、加熱素子210からの熱は、BCP200の対向面200aから放射され、基板206に向けられる。対向面200aは、図3A図3Cに関連して説明されるように、制御されたやり方で熱を吸収および放射するために、異なる放射率の領域を有する表面仕上げをさらに含むことができる。放射された熱は、図4および図5に関連して説明されるように、基板206の平面パターンを調整するために使用されることがある。
【0022】
BCP200は、BCP200を配向させるための取り付け面200bをさらに含む。図示の実施形態では、取り付け面200bは、BCP200の対向面200aとは反対側にある。取り付け面200bは、BCP200を位置決めするために使用され得るアダプタ202とインターフェースすることができる。例えば、取り付け面200bは、アダプタ202の上面202aと係合することができる。アダプタ202は、ペデスタル212のシャフト214上に配置された中央ボア244を有する。したがって、BCP200およびアダプタ202は、共有中心軸216上に配置されてもよい。アダプタ202の底面202bは、タンデムセクション109aの既存の構造215に適合することができる。一部の実施形態では、底面202bは、タンデムセクション109aの既存の構造215に取り外し可能に取り付けられる。一部の実施形態では、底面202bは、アダプタ202が回転するのを防止する。
【0023】
BCP200は、BCP200の配向を固定するためのキーイング特徴218(そのうちの1つが示されている)のアレイを備える。キーイング特徴218は、BCP200の取り付け面200bに配置されてもよい。図2に示される実施形態では、取り付け面200bは、フランジ230を含み、これは、キーイング特徴218をさらに含む。アダプタ202の上面202aは、ロッキング特徴242(そのうちの1つが示されている)のアレイを備える。BCP200は、図3A図3Cに関連して説明するように、ロッキング特徴242がキーイング特徴218に係合しているときに静止したままである。
【0024】
BCP200は、ピン貫通孔222(そのうちの1つが図示されている)のアレイをさらに備える。図示の実施形態では、リフトピン204は、基板支持体208および加熱素子210を貫通するなど、BCP200のピン貫通孔222およびペデスタル212の他の部分を貫通して移動する。ピン貫通孔222は、BCP200のキーイング特徴218がアダプタ202のロッキング特徴242と係合するときにリフトピン204がピン貫通孔222を通過するように、キーイング特徴218と位置合わせされる。リフトピン204は、多くのリフトピン204のうちの1つであってもよく、基板206が処理チャンバ108cとの間で移送されるときに、基板206を基板支持体208から持ち上げることができる。
【0025】
一部の実施形態では、BCP200はアダプタ202を含む。例えば、BCP200とアダプタ202は、BCP200の回転可能な部分が静止アダプタ202に回転可能に取り付けられるように、一体であってもよい。例えば、アダプタ202とBCP200は、一緒に貼り付けられた別個の部品であってもよい。別の例では、アダプタ202とBCP200は、一体構造の単一部品に形成されてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、BCP200と加熱素子210との間の距離は可変であってもよい。例えば、異なるアダプタ202を使用して、BCP200を加熱素子210のより近くにまたはより遠くに配置することができる。一部の実施形態では、アダプタ202は、BCP200またはアダプタ202を昇降させるための調整機構を含むことができる。例えば、アダプタ202は、処理チャンバ108cからアダプタ202を昇降させるための調整可能な脚部を含むことができる。アダプタ202は、BCP200を昇降させるための調整可能な支柱を含むことができる。
【0027】
上面206aおよび底面206bは、基板206の上面および底面として説明されているが、他の実施形態は、異なるように構成されてもよい。例えば、基板206は、(本ページに示されるような構成に対して)角度をつけた構成または垂直な構成で配置されてもよい。一部の実施形態では、基板206の上面206aは第1の面と呼ばれることがあり、底面206bは第2の面と呼ばれることがある。
【0028】
底部カバープレートの構成例
図3Aおよび図3Bは、一実施形態によるBCP200の上面図および底面図をそれぞれ示す。図2に関連して上述したように、BCP200の対向面200aは、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを有することができる。スクライブマーク326を使用して、異なる放射率の領域の配向をマークすることができる。例えば、スクライブマーク326は、放射率の高い領域を示すために使用されてもよい。したがって、スクライブマーク326は、加熱素子210(図2)から熱を吸収し、制御されたやり方で熱を放射するようにBCP200を位置決めするために使用されてもよく、放射率の高い領域は、放射率の低い領域よりも多くの熱を放射する。
【0029】
図3Cは、一実施形態による、BCP200を位置決めするためのアダプタ202の上面図を示す。アダプタ202は、アダプタ202が回転しないように固定するために使用することができる、直線部分340として示されるクロッキング特徴を含む。例えば、処理チャンバ108c(図2)の対応する特徴(例えば、既存の構造215の嵌合直線部分、図示せず)は、対応する特徴がクロッキング特徴に係合するときにアダプタが静止したままとなるように、直線部分340に係合することができる。一部の実施形態では、クロッキング特徴は、図2に関連して論じたように、アダプタ202をタンデムセクション109aの既存の構造215に適合させることができ、既存の構造215が対応する特徴である。
【0030】
図3A図3Cは、3つのキーイング特徴218を有するBCP200と、6つのロッキング特徴242を有するアダプタ202とを示すが、他の実施形態は、より多くのまたはより少ないロッキング特徴を有することができる。BCP200のキーイング特徴218は、BCP200をシャフト214(図2)の周りに回転させてBCP200を異なる配向に位置決めすることができるように、アダプタ202のロッキング特徴242に位置合わせされる。例えば、突起であってもよいキーイング特徴218は、中心軸216(図2)からの半径(R)上に、等間隔で(例えば、それぞれ第1の角度で離間されて)配置される。凹部であってもよいロッキング特徴242も、キーイング特徴218と同じ大きさの中心軸216からの半径(R)上に、等間隔で(例えば、それぞれ第2の角度で離間されて)配置される。図示の実施形態では、キーイング特徴218の2倍の数のロッキング特徴242があるため、第1の角度は、第2の角度の2倍の大きさであってもよい。BCP200の異なる配向は、ロッキング特徴242に対応する。例えば、6つのロッキング特徴242があるため、BCP200に対して6つの潜在的な配向がある。各ロッキング特徴242は、BCP200の配向に対応する。各配向は、異なる放射率の領域の異なる構成に対応する。したがって、BCP200をシャフト214の回りに回転させて、異なる放射率の領域の構成を調整することができ、スクライブマーク326を使用して、異なる放射率の領域を基板206(図2)に位置合わせすることができる。各配向において、3つのキーイング特徴218は、ロッキング特徴242のうちの3つと係合する。
【0031】
ピン貫通孔222のアレイ(そのうちの1つがラベル付けされている)により、リフトピン204(図2)が離散的な位置でBCP200を通過することができる。図示の実施形態では、6つのピン貫通孔222があり、ラベル付けされたピン貫通孔222は、図3Aおよび図3Bにおいて同じピン貫通孔である。ピン貫通孔222は、BCP200が位置合わせされたときにリフトピン204が貫通孔を通過することができるように、キーイング特徴218と位置合わせされる。したがって、BCP200は、処理チャンバ108c(図2)に設置される場合に、6つの異なる配向で位置決めされ得て、各配向がピン貫通孔222に対応する。一部の実施形態では、より多いまたはより少ないピン貫通孔222が使用されてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、アダプタ202のロッキング特徴242の数は、BCP200のキーイング特徴218の数と同じであってもよく、またはそれよりも多くてもよい。一部の実施形態では、BCP200は、ロッキング特徴242を含んでもよく、アダプタ202は、キーイング特徴218を含んでもよい。
【0033】
一部の実施形態では、スクライブマーク326は、BCP200の異なる放射率の領域の方向を示す複雑な形状(例えば、図5Cのスクライブマーク526)または文字を含んでもよい。一部の実施形態では、スクライブマーク326は、取り付け面200b上などのBCP200上の別の位置に位置してもよい。
【0034】
図4Aおよび図4Bは、一実施形態による、基板206の上面図および基板206の熱プロファイル454(熱プロファイルインスタンス454aとして示される)の概略図をそれぞれ示す。熱プロファイル454は、処理中の基板206の温度のマッピングであってもよい。例えば、熱プロファイル454は、基板206の上面206aの温度に対応することができる。本例を続けると、熱プロファイルインスタンス454aは、図4Bに示される断面スライスに沿った温度のマッピングである。熱プロファイル454は、基板206の上面206aにわたって同じ傾きを維持することができる。例えば、熱プロファイル454は、基板206の上面206aにわたって(例えば、図4Bに示されるようにページの内外に)、熱プロファイルインスタンス454aと同じ傾きを維持することができる。
【0035】
基板206の均一性(例えば、変形または材料堆積厚さ)のマッピングであってもよい基板206の平面パターンは、熱プロファイル454に対応することがある。例えば、より高い温度は、より低い温度よりも、平面パターンの不均一性の量が大きくなることに対応する可能性がある。熱プロファイル454は、基板206の温度プロファイルであってもよい。したがって、平面不均一性は、基板206の加熱むらによって生じる可能性がある。図示の実施形態では、基板206の温度は、熱プロファイルインスタンス454aに示されるように、基板206の第1の縁部206cから基板の第2の縁部206dまで直線的に増加し、第2の縁部206dは、第1の縁部206cとは基板206の反対側にある。
【0036】
図4Cは、一実施形態による、BCP200の異なる放射率の領域の概略図を示す。特に、図4Cは、BCP200の放射率プロファイル424(放射率プロファイルインスタンス424aとして示される)を示しており、このプロファイルは、BCP200の第1の縁部200cからBCP200の第2の縁部200dまで減少する。
【0037】
放射率は、表面が熱エネルギーを放射する効率の尺度である。放射率は、所与の温度における表面粗さの増加とともに増加する可能性がある。例えば、対向面200aをテクスチャ加工する場合、より滑らかに作製された対向面200aの任意の部分は、一般に、それらの部分の放射率を減少させ、より粗く作製された対向面200aの任意の部分は、一般に、それらの部分の放射率を増加させる。図2に関連して説明したように、加熱素子210は、基板206とBCP200との間に配置される。加熱素子210からの熱は、通常、基板206から遠ざかる方に向かうと失われる。BCP200は、加熱素子210から通常失われる熱を吸収し、吸収した熱を加熱素子210および基板206に向かって放射して戻し、基板206上の熱不均一性を補償することができる。例えば、処理中の基板206上の熱不均一性は、基板206上の不均一な堆積につながる。しかしながら、基板206の温度がほぼ均一になるように調整されれば、不均一な堆積を補正することができる。
【0038】
第1の縁部200cなどの第1の領域におけるBCP200の対向面200aの放射率を、第2の縁部200dなどの第2の領域と比較して変化させることにより、有利には、他の不均一な堆積パターンまたは堆積以外のプロセスの他のプロセス結果パターンの中でも、中心が高い、中間が高い、または縁部が高い堆積などの不均一な堆積をもたらす熱不均一性を打ち消すことができる。対向面200aの放射率を変化させることによっても、基板206上の局所的なクールスポットまたはホットスポットを打ち消すことができる。BCP200の異なる放射率の領域は、基板206をより熱的に均一にすることができ、したがって、熱駆動プロセスの結果はより均一になる(例えば、材料が上面206aに均一に堆積する)。加えて、BCP200の放射率プロファイル424は、例えば、プラズマ不均一性、基板上のプロセスガス分布の不均一性などの、熱不均一性以外の要因によって引き起こされる不均一な処理結果に対抗するために、意図的に不均一になるように制御することもできる。
【0039】
したがって、BCP200のより高い放射率の領域がより多くの熱を放射して基板206のより低い温度を補償するため、放射率プロファイル424は、熱プロファイル454の逆プロファイルである。例えば、放射率プロファイルインスタンス424aは、図4Cに示される断面スライスに沿った放射率のマッピングであり、熱プロファイルインスタンス454aと逆である。放射率プロファイル424は、BCP200の対向面200aにわたって(例えば、図4Cに示されるようにページの内外に)、放射率プロファイルインスタンス424aに示されるのと同じ傾きを維持することができる。
【0040】
BCP200の異なる放射率の領域は、BCP200の一端からBCP200の反対端まで連続的に増加する放射率を含む。例えば、BCP200の放射率プロファイル424は、線形勾配に従って、第2の縁部206dから第1の縁部206cまで増加することができる。図示の実施形態では、放射率プロファイル424は、対向面200aの表面粗さを変化させることによって生成される。第1の縁部200cの領域などのより高い放射率の領域は、第2の縁部200dの領域などのより低い放射率の領域よりも高い表面粗さを有することができる。したがって、BCP200の表面仕上げは、基板206の熱プロファイル454の逆のパターンまたはプロファイルであるテクスチャパターンで対向面200aをテクスチャ加工することによって生成されてもよく、基板206のより低い温度は、BCP200のより粗い表面に対応し、基板のより高い温度は、BCP200のより滑らかな表面に対応する。表面粗さの逆パターンは、基板206の熱プロファイル454を有利に打ち消し、処理中に基板206を均一に加熱することができる。
【0041】
一部の実施形態では、対向面600aをテクスチャ加工することは、レーザ、ウォータジェット、ビードブラスト、または化学的テクスチャ加工を介して、BCP200の対向面200aを修正して、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを作成することを含んでもよい。一部の実施形態では、放射率プロファイル424は、コーティングを使用して生成されてもよい。例えば、異なる放射率の領域は、BCP200の対向面200aを高放射率コーティングでコーティングすることによって形成されてもよく、より高い放射率の領域は、より低い放射率の領域よりも多くの高放射率塗料を含む。より高い放射率の領域は、より低い放射率の領域よりも厚いコーティング、またはより多くの表面積のコーティングを含むことができる。高放射率コーティングは、高放射率を有することが知られている黒色塗料または他の特殊コーティングなどの高放射率塗料であってもよい。
【0042】
一部の実施形態では、BCP200は、放射率プロファイル424を損傷から保護するためのコーティングをさらに含むことができる。例えば、BCP200の対向面200aは、保護コーティングをさらに含む。
【0043】
一部の実施形態では、放射率プロファイル424は、BCP200の幾何学的形状を補償することができる。例えば、より薄い材料または負の特徴(例えば、ピン貫通孔222および中央開口部220)を取り囲む領域は、より薄い材料または負の特徴を補償するために、より高い放射率を有することができる。
【0044】
一部の実施形態では、放射率プロファイル424を生成する前に基板206の平面パターンが測定される。一部の実施形態では、基板206の平面パターンを測定することは、基板206の熱プロファイル454を生成することを含む。
【0045】
図4Dおよび図4Eは、一実施形態による、基板206の上面図および基板206の熱プロファイル454(熱プロファイルインスタンス454bとして示される)の概略図をそれぞれ示す。基板206は、図4Aの描写に対して180°回転して描かれているため、熱プロファイルインスタンス454bは、熱プロファイルインスタンス454aの鏡像プロファイルであってもよい。
【0046】
図4Fおよび図4Gは、一実施形態による、BCP200の上面図およびBCP200の放射率プロファイル424(放射率プロファイルインスタンス424bとして示される)の概略図をそれぞれ示す。図4Eに示される熱プロファイル454を打ち消すために、BCP200を図3Aに示される配向から回転させて、対向面200aの放射率プロファイル424、およびこのテクスチャパターンを、放射率プロファイル424が熱プロファイル454の逆プロファイルとなるように配向させる。例えば、図3A図3Cで説明したように、BCP200をシャフト214の周りに回転させて、放射率プロファイルインスタンス424bが熱プロファイルインスタンス454bと逆になり、BCP200のキーイング特徴218がアダプタ202のロッキング特徴242と係合するように、BCP200を配向させる。スクライブマーク326は、BCP200のテクスチャパターンを配向させるために使用されてもよい。
【0047】
一部の実施形態では、各基板の熱プロファイルがマッピングされる。一部の実施形態において、BCPのテクスチャパターンは、参照基板にマッピングされた放射率プロファイルを有する。参照基板は、処理チャンバ108c(図2)内で処理された基板を表すことができる。テクスチャパターンを参照基板にマッピングすることで、処理チャンバ108cによって処理される各基板の熱プロファイルをマッピングする必要がなくなるという利点がある。
【0048】
図5Aおよび図5Bは、一実施形態による基板506の上面図および基板506の熱プロファイル554の概略図をそれぞれ示す。図5Cおよび図5Dは、一実施形態によるBCP500の上面図およびBCP500の放射率プロファイル524の概略図をそれぞれ示す。基板506およびBCP500は、基板206およびBCP200と寸法的にも構造的にも同様であり、説明するように異なる。
【0049】
基板506は、上面506aと、底面506bと、第1の縁部506cと、第2の縁部506dとを含む。基板506の熱プロファイル554は、基板506の温度のマッピングであってもよく、基板軸558に関して対称であってもよい。例えば、第1の縁部506cおよび第2の縁部506dなどの、基板軸558から同じ半径上の位置における温度は、ほぼ同じ温度であってもよい。図示の実施形態では、熱プロファイル554は、放射状勾配に従って、基板506の中心(例えば、基板軸558)から基板506の縁部(例えば、第1の縁部506cおよび第2の縁部506d)まで半径方向に減少する。
【0050】
BCP500は、対向面500aと、取り付け面500bと、第1の縁部500cと、第2の縁部500dとを含む。BCP500の放射率プロファイル524は、表面粗さのテクスチャパターンに対応してもよく、BCP軸528に関して対称であってもよい。さらに、BCP500の放射率プロファイル524は、基板506の熱プロファイル554の逆プロファイルであってもよい。図示の実施形態では、放射率プロファイル524は、表面500aの表面粗さを変化させることによって生成される。BCP500の異なる放射率の領域は、BCP500の一端からBCP500の反対端まで連続的に増加する放射率を含む。例えば、BCP500の放射率プロファイル524は、放射状勾配に従って、BCP500の中心(例えば、BCP軸528)からBCP500の縁部(例えば、第1の縁部500cおよび第2の縁部500d)まで増加してもよい。
【0051】
その結果、BCP500の放射率プロファイル524は、図5Dの透視図に示すように、BCP500がBCP軸528を中心に回転しても同じままであり、このBCP軸528は図2に関連して説明した共有中心軸216と同一直線上にあってもよい。したがって、BCP500の位置合わせには、図2に関連して説明した処理チャンバ108cなどの処理チャンバに設置される場合に、基板506の熱プロファイル554に従って放射率プロファイル524を配向させるためにBCP500を回転させる必要はない。スクライブマーク526は、放射率プロファイル524の放射状勾配の方向性(例えば、BCP500の中心からBCP500の縁部に向かって増加する)を示すために使用されてもよい。例えば、スクライブマーク526は、放射率が増加する方向(例えば、BCP500の縁部に向かう方向)を指す矢印であってもよい。
【0052】
図5E図5Hは、一実施形態による、熱プロファイル555を有する基板556と、放射率プロファイル525を有するBCP550とを示す。基板556およびBCP550は、熱プロファイル555および放射率プロファイル525以外は、基板506およびBCP500と同様である。
【0053】
基板556は、上面556aと、底面556bと、第1の縁部556cと、第2の縁部556dと、基板軸559とを含む。基板556の熱プロファイル555は、図5Bに示す熱プロファイル554の逆プロファイルであってもよい。図示の実施形態では、熱プロファイル555は、放射状勾配に従って、基板556の中心(例えば、基板軸559)から基板556の縁部(例えば、第1の縁部556cおよび第2の縁部556d)まで半径方向に減少する。
【0054】
BCP550は、対向面550aと、取り付け面550bと、第1の縁部550cと、第2の縁部550dと、BCP軸529とを含む。BCP550の放射率プロファイル525は、熱プロファイル555の逆プロファイルであってもよい。例えば、BCP550の放射率プロファイル525は、放射状勾配に従って、BCP550の中心(例えば、BCP軸529)からBCP550の縁部(例えば、第1の縁部550cおよび第2の縁部550d)まで減少してもよい。したがって、BCP550の位置合わせには、基板556の熱プロファイル555に従って放射率プロファイル525を配向させるために、BCP550を回転させる必要ない。スクライブマーク527は、放射率プロファイル525の放射状勾配の方向性(例えば、BCP550の縁部からBCP550の中心に向かって増加する)を示すために使用されてもよい。例えば、スクライブマーク527は、放射率が増加する方向(例えば、BCP550の中心に向かう方向)を指す矢印であってもよい。
【0055】
直線状勾配および放射状勾配が議論されているが、基板の熱プロファイルおよびBCPの放射率プロファイルは異なってもよい。一部の実施形態では、勾配プロファイルは湾曲していてもよい。例えば、勾配経路は、指数関数的または対数的であってもよい。一部の実施形態では、勾配は、矩形であってもよく、または方程式などの経路に従ってもよい。一部の実施形態では、放射率プロファイルは、図5I図5Jに記載されるように基板にホットゾーンまたはコールドゾーンを形成するために、または基板の熱プロファイルのホットゾーンまたはコールドゾーンを補正するために、連続的ではなく離散的であってもよい。例えば、放射率プロファイルは、連続的に変化する放射率の代わりに、離散的な放射率領域を有してもよい。一部の実施形態では、熱プロファイルは勾配でなくてもよく、不均一に変化してもよい。このような実施形態において、放射率プロファイルは、熱プロファイルの逆プロファイルであってもよい。
【0056】
図5Iおよび図5Jは、一実施形態による、基板566の熱プロファイル564およびBCP570の放射率プロファイル574の概略図をそれぞれ示す。具体的には、図5Iは、上面566aと、底面566bと、第1の縁部566cと、第2の縁部566dと、基板566の中心にある基板軸569とを含む基板566を示す。基板の熱プロファイル564は、説明を容易にするために、基板566にわたって一定の温度として示されているが、上述の実施形態などの一部の実施形態では、熱プロファイル564は一定でなくてもよい。
【0057】
図5Jは、BCP570を示しており、BCP570は、対向面570aと、取り付け面570bと、第1の縁部570cと、第2の縁部570dと、BCP570の中心にあるBCP軸579とを含む。対向面570aは、基板566内に高温または低温の領域またはゾーンを形成するために使用することができる放射率プロファイル574を含む。放射率プロファイル574は、第1の放射率の第1の領域576a(例えば、高放射率領域574a)および第2の放射率の第2の領域576b(例えば、低放射率領域574b)を含むことができる。図示の実施形態では、第1の放射率の第1の領域576aは、BCP570の中心(例えば、BCP軸579)から、中心からの半径(R)までであり、第2の放射率の第2の領域は、半径Rから底部カバープレートの縁部(例えば、第1または第2の縁部566cおよび566d)までである。したがって、第1の領域576aおよび第2の領域576bは、それぞれ、放射率プロファイル574が、上方から見たときに離散的な放射率のターゲット状パターン(例えば、高放射率領域574aおよび低放射率領域574b)を形成するように(図示せず)、BCP軸579を中心に掃引する。
【0058】
図5Kは、一実施形態による、基板566の調整された熱プロファイル565の概略図を示す。基板566の熱プロファイル564へのBCP570の放射率プロファイル574からの放射は、調整された熱プロファイル565を形成することができる。
【0059】
調整された熱プロファイル565は、第1の温度の第1の領域567a(例えば、高温領域565a)と、第2の温度の第2の領域567b(例えば、低温領域565b)とを含む。放射率プロファイル574は、高放射率領域574aが高温領域565aを生成し、低放射率領域574bが低温領域565bを生成するように、調整された熱プロファイル565に対応する。例えば、放射率プロファイル574は、基板566のホット縁部(例えば、第1または第2の縁部566cおよび566d)およびコールド中心(例えば、基板軸569における)を形成することができる。したがって、離散的な放射率プロファイル574は、離散的な温度の領域を有する基板(例えば、基板566)をもたらすことができる。
【0060】
一部の実施形態では、BCP570の放射率プロファイル574は、BCP570がコールド縁部およびホット中心を有する基板566をもたらし得るように反転させることができる。一部の実施形態では、放射率プロファイル574は、ターゲット状パターンでBCP軸579の周りに配置されていない離散的な放射率の領域を含むことができる。例えば、離散的な放射率の領域は、BCP570の対向面570aにわたって異なる境界を有する領域を含むことができる。離散的な放射率の領域は、基板566に異なる温度の領域を形成してもよく、または基板の熱プロファイルにおける高温または低温の領域またはゾーンを補正するために使用されてもよい。
【0061】
追加の底部カバープレートアセンブリの例
図6は、一実施形態による、処理システム100のタンデムセクション109aに設置された異なるBCP600の断面図を示す。BCP600は、特記される以外は、BCP500と同様である。例えば、BCP600は、BCP600がリフトピン204を侵害しないように、小さくなっている。したがって、BCP600は、図2および図3に関連して説明したピン貫通孔222を必要としない。BCP600は、ペデスタル212のシャフト214上に配置された中央開口部620を有する。BCP600の対向面600aは、加熱素子210によって放出された熱を吸収し、吸収した熱を基板506に向けて放射することができる。対向面200aは、図3図5に関連して前述したように、また図7に関連して説明したように、吸収された熱を制御されたやり方で放射するために、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含むことができる。
【0062】
BCP600の対向面600aは、図5Dに関連して説明した放射率プロファイル524と同様の放射率プロファイル(図示せず)を含む。BCP600、したがって対向面600aは、図5Cに関連して説明したBCP500または図2に示すBCP200ほど基板506の大きな領域には投影しない。したがって、BCP600の放射率プロファイルは、基板506の熱プロファイル554(図5B)の一部のみを打ち消すことができる。一部の実施形態では、放射率プロファイルは、BCP600の最外縁部からより多くの熱を放射することによって、より小さい対向面600aを補償するように、放射率プロファイル524よりも急勾配を含んでもよい。
【0063】
BCP600の取り付け面600bは、アダプタ602の上面602aに係合することができる。アダプタ602は、ペデスタル212のシャフト214上に配置された中央ボア644を有し、BCP600を位置決めするために使用することができる。BCP600は、アダプタ602のロッキング特徴642と係合するキーイング特徴618をさらに備える。キーイング特徴618は、BCP600の取り付け面600bに配置されてもよい。例えば、キーイング特徴618は、取り付け面600bのフランジ630上に配置されてもよい。ロッキング特徴642は、アダプタ602の上面602aに配置されてもよい。アダプタの底面602bは、タンデムセクション109aの既存の構造215に適合することができる。
【0064】
図示の実施形態では、キーイング特徴618は、中央開口部620の周りに形成されたリッジであってもよい。ロッキング特徴642は、中央ボア644の周りの上面602aに形成された溝またはチャネルであってもよい。一部の実施形態では、BCP600のキーイング特徴618は、図2および図3に関連して説明したキーイング特徴218を含むことができる。アダプタ602のロッキング特徴242は、図2および図3に関連して説明したロッキング特徴242を含むことができる。
【0065】
一部の実施形態では、BCP600はアダプタ602を含む。例えば、BCP600およびアダプタ602は、BCP600の回転可能な部分が静止アダプタ602に回転可能に取り付けられるように、一体であってもよい。BCP600は、代替として、BCP600およびアダプタ602が一体としてのみ回転し得るように、アダプタ602に固定されてもよい。
【0066】
図7は、一実施形態による、BCP600およびアダプタ602の等角断面図を示す。特に、図7は、図6で説明した要素および特徴の異なる視点を提供する。
【0067】
図8は、一実施形態による、基板の平面パターンを調整するための方法800の流れ図を示す。方法800は、図2および図6に関連して説明したように、基板処理システムの処理チャンバ内に底部カバープレートを配置するブロック802で開始する。
【0068】
方法は、図2図6に関連して説明したように、基板の平面パターンを調整するために、異なる放射率の領域を有する表面仕上げに従って底部カバープレートを位置合わせするブロック804に続く。
【0069】
方法800の一部の実施形態では、底部カバープレートは、図2図6に関連して説明したように、異なる放射率の領域を有する表面仕上げを含む。方法800の一部の実施形態では、異なる放射率の領域を有する表面仕上げは、図2および図6に関連して説明したように基板に面する。
【0070】
一部の実施形態では、底部カバープレートは、図2図3A図3C、および図6に関連して説明したように、処理チャンバのペデスタルの中心軸上に配置される。
【0071】
一部の実施形態では、異なる放射率の領域を有する表面仕上げは、図2図6に関連して説明したようなテクスチャパターンである。
【0072】
一部の実施形態では、基板の平面パターンは、図2および図4A図4Bに関連して説明したような基板の熱プロファイルに対応する。
【0073】
一部の実施形態では、底部カバープレートを位置合わせすることは、図2図4に関連して説明したように、底部カバープレートを中心軸の周りで回転させて、テクスチャパターンが基板の熱プロファイルと逆になる配向に底部カバープレートのテクスチャパターンを配向させることを含む。
【0074】
一部の実施形態は、図2および図6に関連して説明したように、底部カバープレートと基板との間に配置された加熱素子を使用して基板を加熱することをさらに含む。
【0075】
一部の実施形態では、処理チャンバは、図2図6、および図7に関連して説明したようなアダプタをさらに備える。一部の実施形態では、底部カバープレートは、処理チャンバ内に配置されたときにアダプタに係合する。一部の実施形態では、アダプタは、ペデスタルの中心軸上に配置され、処理チャンバの特徴に係合し、底部カバープレートを配向させるためのインターフェースを提供し、底部カバープレートが中心軸の周りを回転するときに静止したままである。
【0076】
図8は方法の一例に過ぎず、本開示と一致する、より少ない、追加の、または代替のブロックを含む他の方法が可能であることに留意されたい。
【0077】
本開示の実施形態は、特定の実施形態を参照して上述された。しかしながら、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された本発明のより広い精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、前述の説明および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図6
図7
図8
【国際調査報告】