(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】高速リンクのためのベースラインワンダー、直流レベルシフト及び受信機線形等化の組合せ方式
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H04L25/02 R
H04L25/02 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525737
(86)(22)【出願日】2022-10-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022077853
(87)【国際公開番号】W WO2023081570
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ラジェシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】エドアルド プレーテ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド アール. タルボット
(72)【発明者】
【氏名】イーサン クレイン
(72)【発明者】
【氏名】トレイシー ジェイ. ファイスト
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー クーパー
【テーマコード(参考)】
5K029
【Fターム(参考)】
5K029DD24
5K029HH05
5K029HH08
(57)【要約】
信号の直流(direct current、DC)レベルシフトのためのコンボ方式を実装するためのシステム、装置及び方法が開示される。受信機回路は、第1のインターフェース上で入力信号を受信する。第1のインターフェースは、入力信号を第2のインターフェースに渡すコンデンサと並列の抵抗器に結合される。また、第1のインターフェースは、接地と電圧源との間の第1の対の電流源に結合され、第2のインターフェースは、接地と電圧源との間の第2の対の電流源に結合される。オペアンプは、感知されたコモンモード電圧と基準電圧との間の差に基づいて電流源を駆動する。この回路構成により、受信機回路は、ベースラインワンダーを防止し、入力信号のDCレベルシフトを行い、入力信号の線形等化を実現することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を受信するように構成された第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースに結合され、前記入力信号のベースラインワンダー補正バージョンとして出力信号を生成するように構成された回路であって、受信機-コンデンサ並列配置と、前記抵抗器-コンデンサ並列配置の何れかの端部に接続された1つ以上の電流源と、を含む回路と、
前記回路から前記第1の出力信号を受信するように構成された第2のインターフェースと、を備える
装置。
【請求項2】
前記回路は、
前記受信機-コンデンサ並列配置の第1の抵抗器であって、前記第1の抵抗器の第1のレッグが前記第1のインターフェースに結合されており、前記第1の抵抗器の第2のレッグが前記第2のインターフェースに結合されている、第1の抵抗器と、
前記受信機-コンデンサ並列配置の第1のコンデンサであって、前記第1のコンデンサの第1のレッグが前記第1のインターフェースに結合されており、前記第1のコンデンサの第2のレッグが前記第2のインターフェースに結合されている、第1のコンデンサと、
前記第1のインターフェースに結合された第1の電流源と、
前記第2のインターフェースに結合された第2の電流源と、を備える、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記装置は、
前記第1の抵抗器、前記第1のコンデンサ、前記第1の電流源及び前記第2の電流源の配置に基づいて、前記入力信号の直流(DC)レベルを前記第1のインターフェースから前記第2のインターフェースにシフトすることと、
前記第1の抵抗器、前記第1のコンデンサ、前記第1の電流源及び前記第2の電流源の配置に基づいて、比較的低い周波数で線形等化を実行することと、
を行うように構成されている、
請求項2の装置。
【請求項4】
前記回路は、前記第1の電流源及び前記第2の電流源を駆動するように構成された演算増幅器(オペアンプ)を備える、
請求項3の装置。
【請求項5】
前記回路は、
第3の電流源であって、前記第3の電流源の第1のレッグが前記第1のインターフェースに結合されている、第3の電流源と、
第4の電流源であって、前記第4の電流源の第1のレッグが前記第2のインターフェースに結合されている、第4の電流源と、を備える、
請求項4の装置。
【請求項6】
前記第1の電流源の第2のレッグは、電圧源に結合されており、
前記第2の電流源の第2のレッグは、接地に結合されており、
前記第3の電流源の第2のレッグは、接地に結合されており、
前記第4の電流源の第2のレッグは、前記電圧源に結合されており、
前記オペアンプは、前記第3の電流源及び前記第4の電流源を駆動するように構成されている、
請求項5の装置。
【請求項7】
前記オペアンプは、
第1の入力レッグ上で、前記第1のインターフェース上のコモンモード電圧を受け取ることと、
第2の入力レッグ上で、前記第2のインターフェースのための基準電圧を受け取ることと、
前記第1の入力レッグ上の電圧と前記第2の入力レッグ上の電圧との間の差に基づいて、前記第1の電流源、前記第2の電流源、前記第3の電流源及び前記第4の電流源を駆動するための制御信号を生成することと、
を行うように構成されている、
請求項6の装置。
【請求項8】
第1の回路が、第1の信号経路上及び第2の信号経路上で差動入力信号を受信することと、
1つ以上の第1の電流源が、前記第1の信号経路に電流を供給すること、又は、前記第1の信号経路から電流をシンクすることと、
1つ以上の第2の電流源が、前記第2の信号経路に電流を供給すること、又は、前記第2の信号経路から電流をシンクすることと、
前記差動入力信号の一方の側を、第1の受信機-コンデンサ並列配置を介して第3の信号経路に渡すことと、
1つ以上の第3の電流源が、前記第3の信号経路に電流を供給すること、又は、前記第3の信号経路から電流をシンクすることと、
前記差動入力信号の一方の側を、第2の受信機-コンデンサ並列配置を介して第4の信号経路に渡すことと、
1つ以上の第4の電流源が、前記第4の信号経路に電流を供給すること、又は、前記第4の信号経路から電流をシンクすることと、
前記第3の信号経路上及び第4の信号経路上で、前記差動信号の出力バージョンを第2の回路に供給することと、を含む、
方法。
【請求項9】
増幅器が、第1のレッグ上の感知されたコモンモード電圧を受け取ることと、
前記増幅器が、第2のレッグ上で基準電圧を受け取ることと、
前記感知されたコモンモード電圧及び前記基準電圧に基づいて制御信号を生成することと、
前記制御信号を前記第1の電流源、前記第2の電流源、前記第3の電流源及び前記第4の電流源にドライブすることと、を含む、
請求項8の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の第1の電流源は、
第1のレッグが電源電圧に結合されており、第2のレッグが前記第1のインターフェースに結合された第1の所定の電流源と、
第1のレッグが前記第1のインターフェースに結合されており、第2のレッグが接地に結合された第2の所定の電流源と、を備える、
請求項8の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の第2の電流源は、
第1のレッグが電源電圧に結合されており、第2のレッグが前記第2のインターフェースに結合された第1の所定の電流源と、
第1のレッグが前記第2のインターフェースに結合されており、第2のレッグが接地に結合された第2の所定の電流源と、を備える、
請求項8の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の第3の電流源は、
第1のレッグが電源電圧に結合されており、第2のレッグが前記第3のインターフェースに結合された第1の所定の電流源と、
第1のレッグが前記第3のインターフェースに結合されており、第2のレッグが接地に結合された第2の所定の電流源と、を備える、
請求項8の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の第4の電流源は、
第1のレッグが電源電圧に結合されており、第2のレッグが前記第4のインターフェースに結合された第1の所定の電流源と、
第1のレッグが前記第4のインターフェースに結合されており、第2のレッグが接地に結合された第2の所定の電流源と、を備える、
請求項8の方法。
【請求項14】
前記第2の回路は、受信機フロントエンド回路である、
請求項8の方法。
【請求項15】
システムであって、
第1の抵抗器であって、第1のインターフェースの第1のラインに接続された第1のレッグと、第2のインターフェースの第1のラインに接続された第2のレッグと、を含む第1の抵抗器と、
前記第1のインターフェースの前記第1のラインに接続された第1の電流シンクと、
前記第1のインターフェースの前記第1のラインに接続された第1の電流源と、
前記第2のインターフェースの前記第1のラインに接続された第2の電流シンクと、
前記第2のインターフェースの前記第1のラインに接続された第2の電流源と、を備える、
システム。
【請求項16】
共通制御信号が、前記第1の電流シンク、前記第1の電流源、前記第2の電流シンク及び前記第2の電流源に結合されている、
請求項15のシステム。
【請求項17】
前記共通制御信号を生成するように構成された演算増幅器(オペアンプ)を備える、
請求項16のシステム。
【請求項18】
第1のコンデンサであって、前記第1のインターフェースの前記第1のラインに接続された第1のレッグと、前記第2のインターフェースの前記第1のラインに接続された第2のレッグと、を含む第1のコンデンサを備える、
請求項15のシステム。
【請求項19】
第2の抵抗器であって、前記第1のインターフェースの第2のラインに接続された第1のレッグと、前記第2のインターフェースの第2のラインに接続された第2のレッグと、を含む第2の抵抗器と、
前記第1のインターフェースの前記第2のラインに接続された第3の電流シンクと、
前記第1のインターフェースの前記第2のラインに接続された第3の電流源と、
前記第2のインターフェースの前記第2のラインに接続された第4の電流シンクと、
前記第2のインターフェースの前記第2のラインに接続された第4の電流源と、を備える、
請求項15のシステム。
【請求項20】
共通制御信号は、前記第3の電流シンク、前記第3の電流源、前記第4の電流シンク及び前記第4の電流源に結合されている、
請求項19のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年11月4日に出願された「COMBINATION SCHEME FOR BASELINE WANDER, DIRECT CURRENT LEVEL SHIFTING, AND RECEIVER LINEAR EQUALIZATION FOR HIGH SPEED LINKS」と題する米国仮特許出願第63/275,852号に対する優先権を主張し、当該出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
ベースラインワンダー(baseline wander)は、任意の交流(alternating current、AC)結合シリアライザ/デシリアライザ(serializer/deserializer、SerDes)リンクに共通の問題である。ベースラインワンダーは、DCワンダーと呼ばれることがあることに留意されたい。1又は0の長いストリングが信号経路上で送信される場合にはいつでも、信号は、AC結合コンデンサによって効果的に送信されないスペクトルの低周波数部分にエネルギーを有する。信号の拒絶された部分は、より小さい眼分離(smaller eye separation)のために、マルチレベルシグナリング(例えば、パルス振幅変調4レベル(pulse amplitude modulation 4-level、PAM4))にとって特に有害である低周波数ノイズを生成する。また、これは、ACコンデンサが回路基板上と比較して半導体のダイ上に配置される場合に重要な問題である。ACコンデンサがダイ上にある場合、典型的には、回路基板上にある場合と比較してあまり大きくすることができない。ベースラインワンダーに対する典型的な解決策は、フィードバック機構を含み、ベースラインワンダーの影響が推定され、補正として入力に加えられる。フィードバックは有限量の遅延を含み、これは、補正機構が決して完全ではないことを意味し、ベースラインワンダーによるリンクバジェットの非ゼロ障害につながる。
【0003】
本明細書に記載の方法及び機構の利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】送信機及び受信機を含む一般的なコンピュータ又は通信システムの一実施形態のブロック図である。
【
図2】コンピューティングシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図4】受信機回路の一実施形態のブロック図である。
【
図5】受信機回路の別の実施形態のブロック図である。
【
図6】電流源回路の一実施形態のブロック図である。
【
図7】受信機回路の別の実施形態のブロック図である。
【
図8】電流源回路の一実施形態のブロック図である。
【
図9】信号の直流レベルシフトのための組合せ方式を採用する方法の一実施形態を示す一般化されたフロー図である。
【
図10】ベースラインワンダーを防止し、DCレベル調整を実行し、線形等化を達成するための方法の一実施形態を示す一般化されたフロー図である。
【
図11】差動データ信号を受信して調整するための方法の一実施形態を示す一般化されたフロー図である。
【
図12】入力信号のベースラインワンダー補正バージョンを生成する方法の一実施形態を示す一般化されたフロー図である。
【
図13】回路表現を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の一実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、本明細書に提示される方法及び機構の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細なしに様々な実施形態を実施し得ることを認識すべきである。いくつかの場合では、本明細書において説明されるアプローチを不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、構成要素、信号、コンピュータプログラム命令及び技術が詳細に示されていない。説明を簡単且つ明確にするために、図に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0006】
信号の直流(direct current、DC)レベルシフトのためのコンボ方式を実装するための様々なシステム、装置及び方法が本明細書で開示される。一実施形態では、受信機回路は、第1のインターフェース上で入力信号を受信する。第1のインターフェースは、入力信号を第2のインターフェースに渡すコンデンサと並列の抵抗器に結合される。入力におけるコンデンサと並列な受信機の組合せは、全体の受信機伝達関数に0を加え、低周波信号に対する線形等化器(linear equalizer)として働く。また、第1のインターフェースは、接地と電圧源との間の第1の対の電流源に結合され、第2のインターフェースは、接地と電圧源との間の第2の対の電流源に結合される。一実施形態では、電流源を通る電流は、コモンモードフィードバックオペアンプによって自動的に調整される。このオペアンプは、一方の入力を入力パッドで感知されたコモンモード(VCMPAD)として有し、他方の入力を所望のコモンモード電圧基準(VCMREF)として有する。電流は、プロセス、電圧及び温度変動にわたってVCMPAD=VCMREFを維持するように連続的に調整される。この回路構成により、受信機回路は、ベースラインワンダーを防止し、入力信号のDCレベルシフトを行い、入力信号の線形等化(linear equalization)を実現することができる。
【0007】
図1を参照すると、送信機105及び受信機110を含む汎用コンピュータ又は通信システム100の一実施形態のブロック図が示されている。一実施形態では、送信機105は、通信チャネル115を介して受信機110にデータを送信する。通信チャネル115は、送信機105と受信機110との間に任意の数の個々の接続(すなわち、信号経路)を含むことができ、接続の数は、実施形態に従って変化する。また、通信チャネル115の個々の接続は、差動信号及び/又はシングルエンド信号をサポートすることができる。一実施形態では、差動信号は、位相が異なり振幅が等しい2つの信号を含む。例えば、差動信号の一方の信号が正の信号を表し、他方の信号が負の信号を表してもよい。シングルエンド信号は、接地(すなわち、0ボルト)と電源電圧(すなわち、VDD)との間等のように、2つの電圧レベル間で遷移するデータを搬送する1つの信号である。本開示全体を通して、回路の多くは、差動信号をサポートする観点から説明される。しかしながら、当業者は、これらの回路がシングルエンド信号をサポートするようにも適合され得ることを理解するであろう。実施形態に応じて、通信チャネル115は、ケーブル、バックプレーン、1つ以上の金属トレース、又は、他のタイプの通信チャネルである。例えば、一実施形態では、チャネル115は、マルチチップモジュールの2つのチップ間の1つ以上の金属トレースである。物理レイヤにおいて、送信機105と受信機110との間の通信は、所定の送信プロトコルに従って単方向又は双方向であり得る。システム100は、任意の数及びタイプの他のデバイスを含むことができることに留意されたい。加えて、システム100は、システム全体に分散された任意の数の送信機-受信機の対を含むことができる。
【0008】
送信機105及び受信機110は、実施形態に応じて任意のタイプのデバイスであり得る。例えば、一実施形態では、送信機105は、処理ユニット(例えば、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU))であり、受信機110は、メモリデバイスである。メモリデバイスは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、シンクロナスDRAM(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート(double data rate、DDR、DDR2、DDR3等)SDRAM(mDDR3等のモバイルバージョンのSDRAM及び/又はLPDDR2等の低電力バージョンのSDRAMを含む)、RAMBUS DRAM(RDRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)等の任意のタイプのメモリであり得る。1つ以上のメモリデバイスを回路基板上に結合して、シングルインラインメモリモジュール(single inline memory module、SIMM)、デュアルインラインメモリモジュール(dual inline memory module、DIMM)等のメモリモジュールを形成することができる。あるいは、メモリデバイスは、チップオンチップ構成、パッケージオンパッケージ構成、又は、マルチチップモジュール(MCM)構成のシステムオンチップ(SoC)又は集積回路(IC)内に実装することができる。
【0009】
別の実施形態では、送信機105は、入力/出力(I/O)ファブリックであり、受信機110は、周辺デバイスである。周辺デバイスは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラ、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)等の様々なタイプのワイヤレス通信のためのデバイスを含むことができる。また、周辺デバイスは、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)ストレージ、ソリッドステートストレージ、ディスクストレージ等の追加のストレージも含むことができる。また、周辺デバイスは、タッチディスプレイスクリーン又はマルチタッチディスプレイスクリーンを含むディスプレイスクリーン、キーボード又は他の入力デバイス、マイクロフォン、スピーカ等のユーザインターフェースデバイスを含むことができる。他の実施形態では、送信機105及び受信機110は、他のタイプのデバイスである。システム100は、IC、SoC、MCM等の任意のタイプのシステムであり得ることに留意されたい。
【0010】
図2を参照すると、コンピューティングシステム200の一実施形態のブロック図が示されている。図示するように、システム200は、デスクトップコンピュータ210、ラップトップコンピュータ220、サーバ230、モバイルデバイス240等のチップ、回路、構成要素等を表す。他のシステム、装置、デバイス(例えば、ゲームコンソール、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、周辺デバイス)が可能であり、企図される。図示した実施形態では、システム200は、送信機202A~202N及び受信機203A~203Nの任意の数の対を含む。
【0011】
図3を参照すると、受信機300の一実施形態のブロック図が示されている。一実施形態では、(
図1の)受信機110は、受信機300の構成要素の1つ以上のインスタンスを含む。入力信号305は、受信機回路315によってインターフェース310上で受信される。一実施形態では、入力信号305は差動信号であり、インターフェース310は2つの別の物理接続を含む。別の実施形態では、入力信号305はシングルエンド信号であり、インターフェース310は1つの物理接続を含む。
【0012】
一実施形態では、受信機回路315は、調整された信号をインターフェース320に渡す前に、インターフェース310上で受信された入力信号305について3つの異なる目標を達成する。この実施形態では、受信機回路315は、ベースラインワンダー(すなわち、DCワンダー)を防止し、DCレベルシフトを実行し、入力信号305の線形等化を達成する。受信機回路315を実装する異なる方法の例は、本開示の残りの部分を通して提供される。インターフェース320に結合された後、受信機315からの出力信号は、受信機フロントエンド325に提供される。受信機フロントエンド325は、信号によって搬送されるデータを抽出するためにサンプリングされるように信号を準備することができる。
【0013】
図4を参照すると、受信機回路400の一実施形態のブロック図が示されている。一実施形態では、受信機回路315は、受信機回路400について示された構成要素及び構造を含む。一実施形態では、差動入力データ信号は、チャネル405A~405B上で受信機回路400によって受信される。例えば、一実施形態では、差動信号の正の信号は405Aによって受信され、差動信号の負の信号は405Bによって受信される。2つの電流源410A及び410Cはパッド405Aに結合され、電流源410Aの第1のレッグは電圧源に結合され、電流源410Aの第2のレッグはパッド405Aに結合され、電流源410Cの第1のレッグはパッド405Aに結合され、電流源410Cの第2のレッグは接地に結合される。同様に、2つの電流源430A及び430Cはパッド405Bに結合され、電流源430Aの第1のレッグは電圧源に結合され、電流源430Aの第2のレッグはパッド405Bに結合され、電流源430Cの第1のレッグはパッド405Bに結合され、電流源430Cの第2のレッグは接地に結合される。
【0014】
受信機パッド405Aは、抵抗器415の第1のレッグ及びコンデンサ420の第1のレッグに結合され、抵抗器415及びコンデンサ420は並列に配置される。受信機パッド405Aは、第1の差動信号線入力405Aと呼ぶこともできることに留意されたい。受信機パッド405Aから延在する線は、伝送線405A、信号経路405A又は信号線405Aと呼ぶこともできることにも留意されたい。抵抗器415の第2のレッグ及びコンデンサ420の第2のレッグは、受信機フロントエンド信号線入力465Aに結合される。受信機フロントエンド信号線入力405Aから延びる線は、伝送線465A、信号経路465A又は信号線465Aと呼ばれることもあることに留意されたい。また、2つの電流源410B及び410Dが信号線入力465Aに結合され、電流源410Bの第1のレッグが電圧源に結合され、電流源410Bの第2のレッグが信号線入力465Aに結合され、電流源410Dの第1のレッグが信号線入力465Aに結合され、電流源410Dの第2のレッグが接地に結合される。
【0015】
同様に、受信機パッド405Bは、抵抗器435の第1のレッグ及びコンデンサ440の第1のレッグに結合され、抵抗器435及びコンデンサ440は並列に配置される。抵抗器435の第2のレッグ及びコンデンサ440の第2のレッグは、受信機フロントエンド信号線入力465Bに結合される。また、2つの電流源430B及び430Dが信号線入力465Bに結合され、電流源430Bの第1のレッグが電圧源に結合され、電流源430Bの第2のレッグが信号線入力465Bに結合され、電流源430Dの第1のレッグが信号線入力465Bに結合され、電流源430Dの第2のレッグが接地に結合される。
【0016】
直列に配置された一対の抵抗器455及び460は、受信機フロントエンド信号線入力465Aと受信機フロントエンド信号線入力465Bとの間に結合される。抵抗器455及び460の中点は、オペアンプ450の第1の入力に結合され、基準電圧は、オペアンプ450の第2の入力に結合される。オペアンプ450の出力は、電流源410A~410D及び430A~430Dに結合される。オペアンプ450は、電流源410A~410D及び430A~430Dを通る電流の流れを制御して、信号線入力465A~465B上の適切なDCレベルを達成し、後続の回路(例えば、受信機フロントエンド回路)によって要求されるものに一致させる。
【0017】
受信機回路400は、ベースラインワンダーを防止し、入力信号のDCレベルをシフトし、線形等化を達成することができる。典型的なSerDesリンクは、高周波数成分に対してデータ信号の低周波数成分を減衰させるために、送信機において有限インパルス応答(finite impulse response、FIR)フィルタの使用を採用する。これは、チャネルの受信機端においてより平坦な応答をもたらす。加えて、受信機は、判定帰還型等化器(decision feedback equalizer、DFE)を使用して、以前に送信されたデータの1つ以上のビットをキャンセルし得る。しかしながら、これらの技術は、より低い周波数成分(ナイキスト周波数の1/20未満)に対して十分な減衰を提供しない。これは、1又は0の長いストリングがチャネルを介して送信される場合に残留符号間干渉(residual intersymbol interference、ISI)をもたらす。しかしながら、
図4に示された受信機回路400は、ベースラインワンダーを回避するために使用される回路を、より低い周波数で線形等化器として機能するように再利用する。これは、低周波数0(例えば、16GHzナイキスト周波数に対して~800MHz)の追加によって達成される。
【0018】
受信機回路400は、ベースラインワンダーを防止し、入力信号のDCレベルをシフトし、線形等化を達成するための受信機回路の一例に過ぎないことを理解されたい。他の実施形態では、受信機回路の構成要素及び/又は他の適切な構造の他の組合せを使用することができる。言い換えれば、受信機回路400に関して示された構成要素の配置に対する変形形態が、他の実施形態において使用され得ることを理解されたい。(
図5の)受信機回路500及び(
図7の)受信機回路700について2つの変形例が提示され、以下でさらに詳細に説明される。
【0019】
図5を参照すると、受信機回路500の別の実施形態のブロック図が示されている。受信機回路500は、
図4に示した受信機回路400の構成を変形したものである。送信機と受信機との間の電圧差が既知であり、入力パッド505A~505Bにおけるコモンモード電圧が受信機フロントエンド入力パッド565A~565Bにおけるコモンモード電圧よりも低いシナリオでは、電流源のうちの2つを入力チャネル及び出力チャネルから省略することができる。したがって、入力信号経路505Aは、電流シンクとして機能する電流源510Cに接続され、出力信号経路565Aは、抵抗器515を通って電流源510Cに流れる電流を供給する電流源510Bに接続される。同様に、入力信号経路505Bは、電流シンクとして作用する電流源530Cに接続され、出力信号経路565Bは、抵抗器535を通って電流源530Cに流れる電流を供給する電流源530Bに接続される。受信機回路500の他の構成要素は、受信機回路400と同様である。
【0020】
図6を参照すると、電流源回路600の一実施形態のブロック図が示されている。一実施形態では、(
図5の)電流源510B及び510Cは、回路600の構成要素及び構造を使用して実装される。「Opamp_out」とラベル付けされた信号は、オペアンプ(例えば、オペアンプ550)によって生成される制御信号を指す。また、「Vin,p」とラベル付けされた信号は信号経路505Aに対応し、「Vout,p」とラベル付けされた信号は信号経路565Aに対応する。
図6に示すように、P型トランジスタ605及び610は、電源電圧と「Vout,p」との間に直列に結合される。P型トランジスタ615及び620は、電源電圧とN型トランジスタ625のドレインとの間に直列に結合される。N型トランジスタ625及びN型トランジスタ630のゲートは互いに結合され、N型トランジスタ625及び630のソースポートは接地に結合され、N型トランジスタ630のドレインポートは「Vin,p」に結合される。また、P型トランジスタ635及び640のソースポートは電源電圧に結合され、P型トランジスタ635及び640のドレインポートはそれぞれN型トランジスタ645及び650のドレインポートに結合される。N型トランジスタ645及び650のゲートは、共に、N型トランジスタ650のドレインポートに結合され、N型トランジスタ645及び650のソースポートは、接地に結合される。P型トランジスタ635及び610のゲートは、互いに結合され、「Vbias,p」とラベル付けされる。回路600に示されているトランジスタの配置は、一実施形態による電流源510B及び510C並びに電流源530B及び530Cを実装するための1つの可能な方式にすぎないことに留意されたい。他の実施形態では、他の適切な回路配置を使用して、電流源510B及び510Cと電流源530B及び530Cとを構成することができる。
【0021】
図7を参照すると、受信機回路700の別の実施形態のブロック図が示されている。受信機回路700は、
図4に示した受信機回路400の構成を変形したものである。送信機と受信機との間の電圧差が既知であり、入力パッド705A~705Bにおけるコモンモード電圧が受信機フロントエンド入力パッド765A~765Bにおけるコモンモード電圧よりも高いシナリオでは、電流源のうち2つを入力信号経路及び出力信号経路から省略することができる。したがって、入力信号経路705Aは、抵抗器715を介して電流源710Dに電流を供給する電流源710Aに接続され、出力信号経路765Aは、電流シンクとして機能する電流源710Dに接続される。同様に、入力信号経路705Bは、抵抗器735を介して電流源730Dに電流を供給する電流源730Aに接続され、出力信号経路765Bは、電流シンクとして機能する電流源730Dに接続される。受信機回路700の他の構成要素は、受信機回路400と同様である。
【0022】
図8を参照すると、電流源回路800の一実施形態のブロック図が示されている。一実施形態では、(
図7の)電流源710A及び710Dは、回路800の構成要素及び構造を使用して実装される。「Vin,p」とラベル付けされた信号は信号経路705Aに対応し、「Vout,p」とラベル付けされた信号は信号経路765Aに対応する。
図8に示すように、P型トランジスタ805及び810のソースポートは電源電圧に接続され、P型トランジスタ805及び810のゲートは互いに接続され且つP型トランジスタ805のドレインポートに接続される。P型トランジスタ810のドレインポートは、「Vin,p」とラベル付けされた信号に結合される。「Vout,p」とラベル付けされた信号は、N型トランジスタ830のドレインポートに接続され、N型トランジスタ830のゲートは、N型トランジスタ820及び825のゲートに接続され、「Vbias,n」とラベル付けされる。N型トランジスタ825のドレインポートは、P型トランジスタ805のドレインポートに接続される。電流源815は、電源電圧とN型トランジスタ820のドレインポートとの間に接続されている。N型トランジスタ820、825、830のソースポートは接地されている。回路800内に示されるトランジスタの配置は、一実施形態による電流源710A及び710D並びに電流源730A及び730Dを実装するための1つの可能な方式に過ぎないことに留意されたい。他の実施形態では、他の適切な回路配置を使用して、電流源710A及び710Dと電流源730A及び730Dとを構成することができる。
【0023】
図9を参照すると、信号の直流レベルシフトのための組合せ方式を使用する方法900の一実施形態が示されている。説明の目的で、この実施形態におけるステップ及び
図10~
図12のステップが順番に示されている。しかしながら、記載された方法の様々な実施形態では、記載された要素の1つ以上が、図示された順序とは異なる順序で同時に実行されるか、又は、完全に省略されることに留意されたい。必要に応じて、他の追加の要素も実行される。本明細書に記載の様々なシステム又は装置の何れも、方法900(及び、方法1000~1200)を実施するように構成される。
【0024】
第1の回路は、第1のインターフェース上で入力信号を受信する(ブロック905)。入力信号は、実施形態に応じて、差動信号又はシングルエンド信号の一方の側(例えば、正又は負の何れか)であり得る。第1のインターフェースは、第1の信号経路、第1の信号線、第1のパッド、第1のノード又は第1の伝送線と呼ぶこともできることに留意されたい。入力信号は、抵抗器とコンデンサの並列組合せを介して第2のインターフェースに至る(ブロック910)。抵抗器は、低周波数成分のためのフィードフォワード経路を提供する。第1及び第2のインターフェースに結合された複数の電流源は、電流モード電圧と基準電圧との間の差に基づいて第1の入力信号の直流(DC)レベルを調整する(ブロック915)。複数の第1の電流源は、実施形態に応じて、4つの電流源又は8つの電流源を含むことができる。入力信号は、第2のインターフェースを介して第2の回路に提供される(ブロック920)。一実施形態では、第2の回路は、受信機フロントエンド回路である。ブロック920の後、方法900は終了する。
【0025】
図10を参照すると、ベースラインワンダーを防止し、DCレベル調整を実行し、線形等化を達成するための方法1000の一実施形態が示されている。受信機回路の複数の電流源は、第1のインターフェース上の入力信号の直流(direct current、DC)レベルを第2のインターフェース上の出力信号の所望の基準電圧に変換する(ブロック1005)。交流(alternating current、AC)コンデンサと並列のフィードフォワード抵抗器は、入力信号のベースラインワンダーを防止するために、低周波信号成分のためのフィードフォワード抵抗器経路を提供する(ブロック1010)。また、ACコンデンサと並列のフィードフォワード抵抗器は、高周波信号成分に対して入力信号の低周波信号成分を減衰させるように、入力信号の線形等化を実行する(ブロック1015)。ブロック1015の後、方法1000は終了する。方法1000を実行した結果として、入力信号は、第1のインターフェースから第2のインターフェースに渡される一方で、ベースラインワンダーを防止すること、DCレベルを調整すること、及び、線形等化を受けることの3つの目標を達成する。
【0026】
図11を参照すると、差動データ信号を受信して調整するための方法1100の一実施形態が示されている。受信機回路は、第1及び第2の信号経路上で差動入力信号を受信する(ブロック1105)。第1の信号経路は、ワイヤ、トレース又は他の物理的接続媒体とすることができ、第2の信号経路は、ワイヤ、トレース、又は、第1のチャネルとは別の異なる他の物理的接続媒体とすることができることに留意されたい。1つ以上の第1の電流源は、第1の信号経路に電流を提供する(すなわち、供給する)か、又は、第1の信号経路から電流をシンクする(ブロック1110)。1つ以上の第2の電流源は、第2の信号経路に電流を提供するか、又は、第2の信号経路から電流をシンクする(ブロック1115)。
【0027】
差動入力信号の一方の側は、第1の信号経路上で、抵抗器及びコンデンサの第1の並列配置を介して第3の信号経路に渡される(ブロック1120)。1つ以上の第3の電流源は、第3の信号経路に電流を提供するか、又は、第3の信号経路から電流をシンクする(ブロック1125)。また、差動入力信号の他方の側は、第2の信号経路上で、抵抗器及びコンデンサの第2の並列配置を介して第4の信号経路に渡される(ブロック1130)。1つ以上の第4の電流源は、第4の信号経路に電流を提供するか、又は、第4の信号経路から電流をシンクする(ブロック1135)。増幅器(例えば、オペアンプ)は、第1のレッグ上で感知されたコモンモード電圧を受信し、第2のレッグ上で基準電圧を受信して、第1、第2、第3及び第4の電流源を駆動するための制御信号を生成する(ブロック1140)。入力差動信号の出力バージョンが、第3及び第4の信号経路上で受信機フロントエンド回路に提供される(ブロック1145)。ブロック1145の後、方法1100は終了する。方法1100を実行することによって、差動信号の出力バージョンは、ベースラインワンダーを回避し、DCレベルシフトを受け、線形等化を達成する。
【0028】
図12を参照すると、入力信号のベースラインワンダー補正バージョンを生成するための方法1200の一実施形態が示されている。装置は、第1のインターフェース上で入力信号を受信する(ブロック1205)。一実施形態では、入力信号は差動信号である。別の実施形態では、入力信号はシングルエンド信号である。さらなる実施形態では、入力信号は、差動信号対の一方の信号である。第1のインターフェースに接続された回路は、入力信号のベースラインワンダー補正バージョンとして出力信号を生成し、回路は、受信機-コンデンサ並列配置と、抵抗器-コンデンサ並列配置の何れかの端部に接続された1つ以上の電流源と、を含む(ブロック1210)。第2のインターフェースは、回路から出力信号を受信し、出力信号を受信機フロントエンド回路に転送する(ブロック1215)。ブロック1215の後、方法1200は終了する。入力信号のベースラインワンダー補正バージョンを生成することに加えて、回路は、入力信号のDCレベルをシフトし、比較的低い周波数で線形等化を実行することもできることに留意されたい。
【0029】
図13を参照すると、回路表現1305を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体1300の一実施形態を示すブロック図が示されている。一実施形態では、回路製造システム1310は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体1300に記憶された回路表現1305を処理し、回路表現1305に基づいて任意の数の集積回路1315A~1315Nを製造する。
【0030】
非一時的なコンピュータ可読記憶媒体1300は、様々な適切なタイプのメモリデバイス又は記憶デバイスの何れかを含むことができる。媒体1300は、インストール媒体(例えば、サムドライブ、CD-ROM)、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ(例えば、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAM)、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュ、磁気媒体、ハードドライブ、光学記憶装置)、レジスタ、又は、他のタイプのメモリ要素であり得る。媒体1300は、他のタイプの非一時的なメモリ又はそれらの任意の組合せを含むことができる。媒体1300は、異なる場所(例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステム)に存在する2つ以上のメモリ媒体を含むことができる。
【0031】
様々な実施形態では、回路表現1305は、VHDL、Verilog、SystemC、SystemVerilog、RHDL等のハードウェア記述言語を含むがこれらに限定されない様々な適切なコンピュータ言語のうち何れかを使用して指定される。回路表現1305は、集積回路1315A~1315Nのうち1つ以上の少なくとも一部を製造するために回路製造システム1310によって使用可能である。回路表現1305のフォーマットは、少なくとも1つの回路製造システム1310によって認識可能である。いくつかの実施形態では、回路表現1305は、集積回路1315A~1315Nの合成及び/又はレイアウトを指定する1つ以上のセルライブラリを含む。
【0032】
回路製造システム1310は、集積回路を製造するように構成された様々な適切な要素のうち何れかを含む。これは、例えば、半導体材料を(例えば、マスキングを含むことができるウェハ上に)堆積させるための要素、材料を除去するための要素、堆積された材料の形状を変更するための要素、(例えば、材料をドーピングすることによって、又は紫外線処理を使用して誘電率を修正することによって)材料を修正するための要素等を含むことができる。また、回路製造システム1310は、正確な動作のために製造された回路の試験を実行することができる。
【0033】
様々な実施形態では、集積回路1315A~1315Nは、回路表現1305によって指定される回路設計に従って動作し、これは、本明細書で説明する機能のうち何れかを実行することを含むことができる。例えば、集積回路1315A~1315Nは、本明細書に示される回路に示される様々な要素のうち何れか、及び/又は、本明細書に示される回路の複数のインスタンスを含むことができる。さらに、集積回路1315A~1315Nは、他の構成要素と共に本明細書で説明される様々な機能を実行することができる。例えば、集積回路1315A~1315Nは、(例えば、電圧源自体を含むのとは対照的に)電源電圧を提供するように構成された電圧源回路に結合することができる。さらに、本明細書で説明する機能は、複数の接続された集積回路によって実行することができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「回路の設計を指定する回路表現」という形式の句は、要素が満たされるために問題の回路が製造されなければならないことを暗示しない。むしろ、この句は、回路が製造されると、示された動作を実行するように構成されるか、又は、指定された構成要素を含む回路を記述することを示す。
【0035】
上記の実施形態は、実施形態の非限定的な例に過ぎないことを強調しておきたい。実施形態は、アップスケーリングされた画像、ダウンスケーリングされた画像、及び、スケーリングされていない画像に適用される。上記の開示が十分に理解されると、多数の変形及び修正が当業者に明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形及び修正を包含すると解釈されることが意図されている。
【国際調査報告】