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特表2024-542072周波数変調されたマルチレベルアウトフェージング電力増幅器の自動化調節のための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-13
(54)【発明の名称】周波数変調されたマルチレベルアウトフェージング電力増幅器の自動化調節のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241106BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526496
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022048486
(87)【国際公開番号】W WO2023081110
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/275,397
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク・サンヒョン
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084AA08
2G084CC13
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD55
2G084EE12
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH27
2G084HH28
2G084HH43
2G084HH52
(57)【要約】
【解決手段】高周波(RF)電力供給システムは、複数のRFインバータを含む。RFインバータの各々は、1つまたは複数のトランジスタデバイスの1つまたは複数のゲートに印加される入力信号から正弦波RF信号を生成するように構成される。コントローラが、所与の時間にRF電力供給システムの動作モードを制御するようにプログラムされる。動作モードは、どのRFインバータが所与の時間にオンであるか、どのRFインバータが所与の時間にオフであるか、およびどのRFインバータが所与の時間に位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義される。コントローラは、所与の時間に位相シフトされた入力信号に適用される位相シフト量を制御し、複数のRFインバータの結合出力電力を目標電力設定に実質的に一致させるようにプログラムされる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)電力供給システムであって、
複数のRFインバータであって、前記複数のRFインバータの各々は、1つまたは複数のトランジスタデバイスの1つまたは複数のゲートに印加される入力信号から正弦波RF信号を生成するように構成される複数のRFインバータと、
所与の時間に前記RF電力供給システムの動作モードを制御するようにプログラムされたコントローラであって、前記動作モードは、前記複数のRFインバータのうちのどれが前記所与の時間にオンであるか、前記複数のRFインバータのうちのどれが前記所与の時間にオフであるか、および前記複数のRFインバータのうちのどれが前記所与の時間に位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義され、前記コントローラは、前記所与の時間に前記位相シフトされた入力信号に適用される位相シフト量を制御し、前記複数のRFインバータの結合出力電力を目標電力設定に実質的に一致させるようにプログラムされるコントローラと
を備える、RF電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載のRF電力供給システムであって、
前記コントローラは、前記目標電力設定を含む前記RF電力供給システムに対するRF電力出力範囲を提供する前記RF電力供給システムの複数の実行可能な動作モードのうちの1つを決定するようにプログラムされる、RF電力供給システム。
【請求項3】
請求項2に記載のRF電力供給システムであって、
前記複数の実行可能な動作モードのうちの前記決定された動作モードは、他の前記複数の実行可能な動作モードと比較して、前記目標電力設定からの前記複数のRFインバータの前記結合出力電力におけるより大きな調整能力範囲を提供する、RF電力供給システム。
【請求項4】
請求項2に記載のRF電力供給システムであって、
前記複数の実行可能な動作モードのうちの前記決定された動作モードは、前記RF電力供給システムがRF電力を送給している負荷のインピーダンスに依存する、RF電力供給システム。
【請求項5】
請求項2に記載のRF電力供給システムであって、
前記複数の実行可能な動作モードのうちの前記決定された動作モードは、前記所与の時間に位相シフトされていない入力信号に従って動作する前記複数のRFインバータのうちの複数のRFインバータと、前記所与の時間に前記位相シフトされた入力信号に従って動作する前記複数のRFインバータのうちの複数のRFインバータとを含む、RF電力供給システム。
【請求項6】
請求項2に記載のRF電力供給システムであって、
前記コントローラは、前記RF電力供給システムの前記決定された動作モードに対するRF電力対位相シフト角データの記憶されたセットを使用して前記位相シフトされた入力信号に適用される位相シフトの初期量を決定し、前記複数のRFインバータの前記結合出力電力を最初に前記目標電力設定にほぼ一致させるようにプログラムされる、RF電力供給システム。
【請求項7】
請求項6に記載のRF電力供給システムであって、
前記複数のRFインバータの前記結合出力電力を測定するために接続されたセンサであって、前記センサは、前記複数のRFインバータの測定された結合出力電力を示す信号を前記コントローラに送信するように接続されるセンサ
をさらに備える、RF電力供給システム。
【請求項8】
請求項7に記載のRF電力供給システムであって、
前記コントローラは、負のフィードバック制御ループ内のフィードバック信号として前記センサから受信した前記信号を使用して前記所与の時間に前記位相シフトされた入力信号に適用される前記位相シフト量を制御し、前記複数のRFインバータの前記結合出力電力を前記目標電力設定に実質的に一致させるようにプログラムされる、RF電力供給システム。
【請求項9】
請求項8に記載のRF電力供給システムであって、
前記コントローラは、前記複数のRFインバータの前記測定された結合出力電力と前記目標電力設定との間の差の非ゼロ絶対値をさらに低減するためのさらなる位相シフト調整が不可能であることを決定し、これに応じて、前記RF電力供給システムの前記動作モードを、前記目標電力設定を含む前記RF電力供給システムに対する別のRF電力出力範囲を提供する前記複数の実行可能な動作モードのうちの別の動作モードに変更するようにプログラムされる、RF電力供給システム。
【請求項10】
請求項1に記載のRF電力供給システムであって、
前記RF電力供給システムは、RF電力をプラズマ処理チャンバのアンテナに送給し、前記プラズマ処理チャンバ内にプラズマを生成するように接続される、RF電力供給システム。
【請求項11】
高周波(RF)電力供給システムを動作させるための方法であって、
目標電力設定を受信することと、
前記目標電力設定を含む前記RF電力供給システムに対するRF電力出力範囲を提供する前記RF電力供給システムの動作モードを決定することであって、前記RF電力供給システムは、複数のRFインバータを含み、前記複数のRFインバータの各々は、1つまたは複数のそれぞれのトランジスタデバイスの1つまたは複数のゲートに印加されるそれぞれの入力信号からそれぞれの正弦波RF信号を生成するように構成され、前記動作モードは、前記複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間にオンであるか、前記複数のRFインバータのうちのどれが前記所与の時間にオフであるか、および前記複数のRFインバータのうちのどれが前記所与の時間に位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義されることと、
前記位相シフトされた入力信号についての位相シフト量を決定し、前記複数のRFインバータの結合出力電力を前記目標電力設定に実質的に一致させることと、
前記決定された動作モードおよび前記位相シフトされた入力信号についての前記決定された位相シフト量に従って動作するように前記RF電力供給システムに指示することと
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記決定された動作モードは、前記RF電力供給システムの複数の実行可能な動作モードのうちの1つであり、前記複数の実行可能な動作モードの各々は、前記目標電力設定を含む前記RF電力供給システムに対するそれぞれのRF電力出力範囲を提供し、前記決定された動作モードは、他の前記複数の実行可能な動作モードと比較して、前記目標電力設定からの前記複数のRFインバータの前記結合出力電力におけるより大きな調整能力範囲を提供する、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
(a)前記複数のRFインバータの前記結合出力電力を測定することと、
(b)前記複数のRFインバータの前記測定された結合出力電力と前記目標電力設定との間の差を低減する位相シフト調整を決定することと、
(c)前記位相シフト調整を前記位相シフトされた入力信号についての前記位相シフト量に適用することと
をさらに含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
(a)、(b)、および(c)を繰り返し、前記複数のRFインバータの前記結合出力電力と前記目標電力設定との間の実質的な一致を達成して維持すること
をさらに含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記複数のRFインバータの前記測定された結合出力電力と前記目標電力設定との間の前記差の非ゼロ絶対値をさらに低減するためのさらなる位相シフト調整が不可能であることを決定することと、
前記RF電力供給システムの前記動作モードを、前記目標電力設定を含む前記RF電力供給システムに対する別のRF電力出力範囲を提供する別の実行可能な動作モードに変更することであって、前記動作モードの前記変更は、さらなる位相シフト調整が不可能であるとの決定に応答して行われることと
をさらに含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記位相シフトされた入力信号に対する前記位相シフト量は、変更される前記動作モードと比較して、さらなる位相シフト調整が不可能であり、前記他の実行可能な動作モードにおいてオンである前記複数のRFインバータの数が少ない場合、約180度である、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記位相シフトされた入力信号に対する前記位相シフト量は、変更される前記動作モードと比較して、さらなる位相シフト調整が不可能であり、前記他の実行可能な動作モードにおいてオンである前記複数のRFインバータの数が多い場合、約0度である、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記RF電力供給システムの前記決定された動作モードは、前記RF電力供給システムがRF電力を送給している負荷のインピーダンスに依存する、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、
前記RF電力供給システムは、RF電力をプラズマ処理チャンバのアンテナに送給し、前記プラズマ処理チャンバ内にプラズマを生成するように接続される、方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、
前記RF電力供給システムの前記決定された動作モードは、前記所与の時間に位相シフトされていない入力信号に従って動作する前記複数のRFインバータのうちの複数のRFインバータと、前記所与の時間に前記位相シフトされた入力信号に従って動作する前記複数のRFインバータのうちの複数のRFインバータとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラズマ処理システムは、半導体ウエハ上に半導体デバイス、例えば、チップ/ダイを製造するために使用される。プラズマ処理システムでは、半導体ウエハは、材料堆積および/または材料除去および/または材料注入および/または材料修正などを通じて、所定の変化を半導体ウエハの条件に引き起こすために様々なタイプのプラズマに曝露される。半導体ウエハのプラズマ処理中、高周波(RF)電力がチャンバ内のプロセスガスを通して伝達され、半導体ウエハに曝露される際にプロセスガスをプラズマに変換する。ラジカルおよびイオンなどのプラズマの反応性成分は、半導体ウエハ上の材料と相互作用して半導体ウエハ上で所定の効果を達成する。一部のプラズマ処理システムでは、生成されたRF電力が、プラズマ処理チャンバの外側に位置決めされたアンテナを介してプロセスガスに伝達される。本開示で説明される実施形態は、このような状況で生じるものである。
【発明の概要】
【0002】
例示的な実施形態では、RF電力供給システムが開示される。RF電力供給システムは、複数のRFインバータを含む。複数のRFインバータの各々は、1つまたは複数のトランジスタデバイスの1つまたは複数のゲートに印加される入力信号から正弦波RF信号を生成するように構成される。RF電力供給システムはまた、所与の時間にRF電力供給システムの動作モードを制御するようにプログラムされたコントローラを含む。動作モードは、複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間にオンであるか、複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間にオフであるか、および複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間に位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義される。コントローラは、所与の時間に位相シフトされた入力信号に適用される位相シフト量を制御し、複数のRFインバータの結合出力電力を目標電力設定に実質的に一致させるようにプログラムされる。
【0003】
別の例示的な実施形態では、RF電力供給システムを動作させるための方法が開示される。方法は、目標電力設定を受信することを含む。方法はまた、目標電力設定を含むRF電力供給システムに対するRF電力出力範囲を提供するRF電力供給システムの動作モードを決定することを含む。RF電力供給システムは、複数のRFインバータを含む。複数のRFインバータの各々は、1つまたは複数のそれぞれのトランジスタデバイスの1つまたは複数のゲートに印加されるそれぞれの入力信号からそれぞれの正弦波RF信号を生成するように構成される。動作モードは、複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間にオンであるか、複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間にオフであるか、および複数のRFインバータのうちのどれが所与の時間に位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義される。方法はまた、複数のRFインバータの結合出力電力を目標電力設定に実質的に一致させる位相シフトされた入力信号についての位相シフト量を決定することを含む。方法はまた、決定された動作モードおよび位相シフトされた入力信号についての決定された位相シフト量に従って動作するようにRF電力供給システムに指示することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、負のフィードバック制御ループに従ってRF電力供給システムを動作させることを含み、負のフィードバック制御ループでは、複数のRFインベンタの結合出力電力の測定値は、位相シフトされた入力信号についての位相シフト量を制御するフィードバック信号として使用され、それにより複数のRFインバータの測定された結合出力電力と目標電力設定との間の差が最小化される。
【0004】
実施形態の他の態様および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、RF電力をアンテナに供給し、プラズマ処理チャンバ内のプラズマ負荷を駆動するように接続されたRF電力供給システムを示す図である。
【0006】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、RFインバータの概略図である。
【0007】
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、RFインバータを入力信号によって所与の時間に制御することができる様々な方法を示す図である。
【0008】
図1D図1Dは、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ処理システムの例示的な垂直断面図である。
【0009】
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、アンテナの上面図である。
【0010】
図1F図1Fは、いくつかの例示的な実施形態による、コントローラの図である。
【0011】
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システムが複数の動作モードに従ってどのように動作することができるかの一例を示す図である。
【0012】
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、RFインバータのうちの位相がずれた(outphased)RFインバータに適用される位相シフト角の関数として、3つの動作モードについて出力RF信号によって提供される出力RF電力のプロットを示す図である。
【0013】
図2C図2Cは、いくつかの実施形態による、3つの動作モードについて出力RF信号によって提供される出力RF電力のプロットを示す図である。
【0014】
図3図3は、いくつかの実施形態による、図1AのRF電力供給システムの特定の実施態様に対応する例示的なRF電力供給システムを示す図である。
【0015】
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、図3の例示的なRF電力供給システムについての例示的な動作モードの表を示す図である。
【0016】
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、例示的なRF電力供給システムに対する図4Aの動作モードについて出力RF信号によって提供される出力RF電力のプロットを示す図である。
【0017】
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、目標RF電力設定値がRF電力供給システムの複数の動作モードのうちの1つに該当する例示的な状況を示す図である。
【0018】
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、目標RF電力設定値がRF電力供給システムの複数の動作モードによって達成され得る例示的な状況を示す図である。
【0019】
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システムの出力RF電力が温度の上昇と共に上方にドリフトする際、動作モード間でRF電力供給システムをシフトさせるように動作するコントローラの一例を示す図である。
【0020】
図5D図5Dは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システムの出力RF電力が温度の低下と共に下方にドリフトする際、動作モード間でRF電力供給システムをシフトさせるように動作するコントローラの一例を示す図である。
【0021】
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、例示的なプラズマ負荷インピーダンス動作ウィンドウを表示するチャートを示す図である。
【0022】
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、図6Aのプラズマ負荷インピーダンス動作ウィンドウ内の複数のインピーダンス点の各々における、異なる実行可能な動作モードについての出力RF電力範囲を示している例示的なチャートを示す図である。
【0023】
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システムを動作させるための方法のフローチャートである。
【0024】
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による、図7Aの方法の続きを示す図である。
【0025】
図7C図7Cは、いくつかの実施形態による、図7Aおよび図7Bの方法のさらなる続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本開示の実施形態がこれらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実践することができることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0027】
図1Aは、いくつかの実施形態による、RF電力をアンテナ/電極113に供給し、プラズマ処理チャンバ116内のプラズマ負荷115を駆動するように接続されたRF電力供給システム100を示す。RF電力供給システム100は、多数(N)のRFインバータ101-1~101-Nを含み、Nは、1よりも大きい。いくつかの実施形態では、RFインバータ101-1~101-Nの各々は、RFインバータ101-1~101-N内の1つまたは複数のトランジスタデバイス125(図1B参照)の1つまたは複数のゲート127に印加されるそれぞれの入力信号Vg1~VgNからそれぞれの正弦波RF信号Vs1~VsNを生成するように構成される。RFインバータ101-1~101-Nの各々は、電気接続105を通して直流(DC)電力供給部103の正端子(+)に接続されたそれぞれの電力入力端子104-1~104-Nを有する。RFインバータ101-1~101-Nの各々はまた、電気接続107を通して基準接地電位117に接続されたそれぞれの接地端子108-1~108-Nを有する。DC電力供給部103の負端子(-)もまた、電気接続107を通して基準接地電位117に接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ121が、接続122によってDC電力供給部103を直接制御するように接続される。
【0028】
RFインバータ101-1~101-Nの各々はまた、それぞれの電気接続106-1~106-Nを通してコントローラ121からそれぞれの制御信号を受信するように接続されたそれぞれの制御信号入力端子102-1~102-Nを有する。電気接続106-1~106-Nを通してコントローラ121から受信される制御信号は、所与の時間における周波数、大きさ、および位相に関して入力信号Vg1~VgNがどのように生成されるべきかを指定する。RFインバータ101-1~101-Nの各々はまた、それぞれの正弦波RF信号Vs1~VsNが通して送信されるそれぞれの出力端子112-1~112-Nを有する。出力端子112-1~112-Nの各々は、電気接続109を通してコンデンサ111の入力端子に電気的に接続される。コンデンサ111の出力端子は、電気接続114を通してアンテナ/電極113に電気的に接続される。コンデンサ111は、プラズマ負荷115とのインピーダンス整合を容易にする直列整合コンデンサとして機能する。コンデンサ111は、RF電力供給システム100の出力における電圧と電流との間の位相角の差を低減する役割を果たす。いくつかの実施形態では、コンデンサ111は、手動または遠隔でその静電容量設定の調整を行う可変コンデンサであり、例えばステッピングモータを直接制御するように動作するコントローラ121によって、コンデンサ111の静電容量設定を調整する。
【0029】
また、いくつかの実施形態では、電圧/電流(V/I)センサ110が、RFインバータ101-1~101-Nからアンテナ/電極113に向かうRF信号伝播方向に関して、コンデンサ111の入力端子の前の場所において電気接続109に存在する電圧および電流を測定するために接続される。いくつかの実施形態では、V/Iセンサ110は、所与の時間における二乗平均平方根(RMS)電圧(Vrms)、RMS電流(irms)、および測定されたRMS電圧(Vrms)と測定されたRMS電流(irms)との間の位相角(φ)を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、V/Iセンサ110はまた、以下のように、所与の時間における測定されたRMS電圧(Vrms)、測定されたRMS電流(irms)、および測定されたRMS電圧(Vrms)と測定されたRMS電流(irms)との間の位相角(φ)を使用することによって、所与の時間に電気接続109を通して送信されるRF電力(P)を決定するように構成される:P=(Vrms)(irms)cos(φ)。様々な実施形態において、V/Iセンサ110は、本質的に任意の利用可能な電気測定または測定算出技法を使用して、任意の所与の時間に電気接続109を通して送信されるリアルタイムRF電力を決定するように構成することができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、任意の所与の時間にV/Iセンサ110によって決定されたRF電力(P)を示す信号が、電気接続124を通してコントローラ121に搬送される。また、いくつかの実施形態では、任意の所与の時間における測定されたRMS電圧(Vrms)、測定されたRMS電流(irms)、および測定されたRMS電圧(Vrms)と測定されたRMS電流(irms)との間の位相角(φ)を示す信号が、電気接続124を通してコントローラ121に搬送される。
【0030】
図1Bは、いくつかの実施形態による、RFインバータ101-xの概略図を示す。RFインバータ101-xは、図1Aに示すRFインバータ101-1~101-Nの各々の一例を表す。RFインバータ101-xは、電力入力端子104-xにおける電気接続105を通してDC電力供給部103の正端子(+)から電力を受け取るように電気的に接続される。RFインバータ101-xの接地端子108-xは、電気接続107を通して基準接地電位117に電気的に接続される。RFインバータ101-xの出力端子112-xは、電気接続109に電気的に接続される。いくつかの実施形態では、RFインバータ101-xは、電気接続106-xを通してコントローラ121から入力信号Vgxを受信するように接続される。いくつかの実施形態では、RFインバータ101-xは、電気接続106-xを通してRFインバータ101-x上の入力信号Vgxの生成を指示する制御信号を受信するように接続される。いくつかの実施形態では、入力信号Vgxは、指定されたサイクル周波数に従って正のピーク振幅と負のピーク振幅との間でパルスする方形波形(デジタル波形)であり、1サイクルは、正のピーク振幅への入力信号Vgxの隣接する遷移間の持続時間に対応し、指定されたサイクル周波数は、単位時間当たりのサイクル数である。
【0031】
入力信号Vgxは、1つまたは複数のトランジスタデバイス125の1つまたは複数のゲート127に送信される。入力信号Vgxが正のピーク振幅にあるとき、第1の論理レベル(ハイ/1など)が、1つまたは複数のトランジスタデバイス125の1つまたは複数のゲート127に送信される。逆に、入力信号Vgxが負のピーク振幅にあるとき、第2の論理レベル(ロー/0など)が、1つまたは複数のトランジスタデバイス125の1つまたは複数のゲート127に送信される。このようにして、入力信号Vgxにより、1つまたは複数のトランジスタデバイス125が入力信号Vgxの周波数に従ってオンおよびオフになる。様々な実施形態において、入力信号Vgxの周波数は、本質的に任意の周波数に設定することができる。入力信号Vgxのいくつかの例示的な周波数には、他の周波数の中でも、400キロヘルツ(kHz)、2メガヘルツ(MHz)、13.56MHz、27MHz、60MHzが挙げられる。いくつかの実施形態では、ダイオード129が1つまたは複数のトランジスタデバイス125のドレイン端子130とソース端子132との間に接続され、1つまたは複数のトランジスタデバイス125にわたる電圧を制限する。1つまたは複数のトランジスタデバイス125がオンになると、1つまたは複数のトランジスタデバイス125にわたる電圧は、電圧がダイオード129によって制限されるまで増加する。ダイオード129は、1つまたは複数のトランジスタデバイス125を過剰な電流の流れから保護するように機能する。
【0032】
RFインバータ101-xは、RFインバータ101-xの入力端子104-xに電気的に接続された第1の端子123Aを有するインダクタ123を含む。インダクタ123の第2の端子123Bは、1つまたは複数のトランジスタデバイス125のドレイン端子130に電気的に接続される。RFインバータ101-xは、1つまたは複数のトランジスタデバイス125のドレイン端子130に電気的に接続された第1の端子131Aを有するコンデンサ131を含む。コンデンサ131の第2の端子131Bは、1つまたは複数のトランジスタデバイス125のソース端子132に電気的に接続される。RFインバータ101-xはまた、インダクタ123と直列に電気的に接続されたコンデンサ133およびインダクタ135を含む。コンデンサ133は、1つまたは複数のトランジスタデバイス125のドレイン端子130に電気的に接続された第1の端子133Aを有する。インダクタ135は、コンデンサ133の第2の端子133Bに電気的に接続された第1の端子135Aを有する。インダクタ135は、RFインバータ101-xの出力端子112-xに電気的に接続された第2の端子135Bを有する。RFインバータ101-xは、RFインバータ101-xの出力端子112-xに電気的に接続された第1の端子137Aを有するコンデンサ137を含む。コンデンサ137は、1つまたは複数のトランジスタデバイス125のソース端子132に電気的に接続された第2の端子137Bを有する。1つまたは複数のトランジスタデバイス125のゲート127に送信される入力信号Vgxに応じた1つまたは複数のトランジスタデバイス125の動作は、インダクタ123および135ならびにコンデンサ131、133、135、および137と組み合わせて、RFインバータ101-xの出力端子112-xにおける正弦波出力信号Vsxの生成を可能にする。出力端子112-xにおける正弦波出力信号Vsxの振幅は、RFインバータ101-xの入力端子104-xにおける電圧レベルを制御することによって制御される。出力端子112-xにおける正弦波出力信号Vsxの周波数および位相は、入力信号Vgxの周波数および位相を制御することによって制御される。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、電界効果トランジスタ(FET)である。図1Bに関して上述したようないくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、少なくとも閾値電圧がゲート127に印加されるとオンになるn型FETである。しかし、他の実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、少なくとも閾値電圧がゲート127に印加されるとオフになるp型FETである。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)として実装される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、とりわけ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、または金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、または接合型電界効果トランジスタ(JFET)として実装される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、炭化ケイ素、またはケイ素、または窒化ガリウムから作製される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、ハーフブリッジ構成で接続される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトランジスタデバイス125は、フルブリッジ構成で接続される。いくつかの実施形態では、RFインバータ101-xは、複数のトランジスタデバイス125が並列に接続され、かつ同時に駆動されるシングルスイッチインバータトポロジを有するように構成される。いくつかの実施形態では、入力信号Vgxは、複数のトランジスタデバイス125を駆動する複数のゲート駆動信号に複製および/または分割される。
【0034】
図1Cは、いくつかの実施形態による、RFインバータ101-1~101-Nを入力信号Vg1~VgNによって所与の時間に制御することができる様々な方法を示す。RFインバータ1 101-1は、指定された周波数(f)を有する周期方形波形信号として入力信号Vg1を受信する。RFインバータ2 101-2は、指定された周波数(f)および入力信号Vg1に対する指定された位相シフト201を有する周期方形波形信号として入力信号Vg2を受信する。RFインバータN 101-Nによって受信される入力信号VgNは、RFインバータN 101-Nがオフになるように、すなわち、出力信号VsNが生成されないように定義される。いくつかの実施形態では、RFインバータ101-xの1つまたは複数のトランジスタデバイス125がn型FETとして構成される場合、入力信号Vgxは、RFインバータ101-xがオフになるときに本質的に0電圧信号として提供される。いくつかの実施形態では、所与の時間にオンである様々な入力信号Vg1~VgNの指定された周波数(f)は、実質的に同じ周波数(f)である。しかし、いくつかの実施形態では、所与の時間にオンである様々な入力信号Vg1~VgNのうちのいずれか1つまたは複数は、所与の時間にオンである他の入力信号Vg1~VgNとは異なる周波数(f)を有するように定義することができる。様々な入力信号Vg1~VgNを制御することによって、各RFインバータ101-xは、所与の時間にオンまたはオフになるように別々に/独立して制御されてもよい。また、様々な入力信号Vg1~VgNを制御することによって、所与の時間にオンである任意のRFインバータ101-xは、所与の時間に同様にオンである1つまたは複数の他のRFインバータ101-1~101-Nに対して位相シフトされた出力信号Vsxを生成するように制御することができる。いくつかの実施形態では、所与の時間に位相シフトされた出力信号Vsxを生成する各RFインバータ101-xは、実質的に同じ量だけ位相シフトされたその入力信号Vgxを有する。しかし、いくつかの実施形態では、入力信号Vs1~VsNのうちの異なる入力信号は、所与の時間に異なる量だけ位相シフトされ得る。
【0035】
図1Dは、本開示のいくつかの実施形態による、プラズマ処理システム161の例示的な垂直断面図を示す。プラズマ処理システム161は、RF電力がアンテナ113からチャンバ116に伝達される誘導結合システムである。チャンバ116は、基準接地電位119に電気的に接続される。プラズマ処理領域163がチャンバ116内に設けられ、基板支持構造173がチャンバ116内に配置され、プラズマ処理動作中にプラズマ処理領域163に曝露された基板165を保持する。プラズマ115A(破線の楕円領域によって表される)がプラズマ処理領域163内で生成され、制御された方式で基板165に対して変化を与える。様々な製作プロセスにおいて、基板165に対する変化は、基板165上の材料または表面状態における変化であり得る。例えば、様々な製作プロセスにおいて、基板165に対する変化には、基板165からの材料のエッチング、基板165上への材料の堆積、または基板165上に存在する材料の修正のうちの1つまたは複数が挙げられ得る。プラズマ処理システム161は、RF電力がチャンバ116の外側に配置されたアンテナ113からチャンバ116内のプロセスガスに伝達され、プラズマ処理領域163内でプラズマ115Aを生成する任意のタイプのプラズマ処理システムであってもよいことを理解されたい。上部窓構造167が設けられ、RF電力がアンテナ113から上部窓構造167を通ってチャンバ116のプラズマ処理領域163に伝達されることを可能にする。
【0036】
いくつかの実施形態では、基板165は、製作手順を受ける半導体ウエハである。しかし、様々な実施形態において、基板165は、プラズマベースの製作プロセスを受ける本質的に任意のタイプの基板であってもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板165は、ケイ素、サファイア、GaN、GaAsもしくはSiC、または他の基板材料で形成された基板であってもよく、ガラスパネル/基板、金属箔、金属シート、ポリマー材料などを含んでもよい。また、様々な実施形態において、言及される基板165は、形態、形状、および/またはサイズが変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、言及される基板165は、他の半導体ウエハサイズの中でも、直径200mm(ミリメートル)の半導体ウエハ、直径300mmの半導体ウエハ、または直径450mmの半導体ウエハに対応し得る。また、いくつかの実施形態では、本明細書で言及される基板165は、他の形状の中でも、フラットパネルディスプレイ用の長方形基板などの非円形基板に対応し得る。
【0037】
チャンバ116内のプラズマ処理領域163は、矢印171によって表されるように、1つまたは複数のプロセスガスを制御された方式でプラズマ処理領域163に供給することができるように、プロセスガス供給システム169に接続される。プロセスガス供給システム169は、1つまたは複数のプロセスガス源と、制御された流量および制御されたフロー時間で1つまたは複数のプロセスガスをプラズマ処理領域163に供給することを可能にする弁およびマスフローコントローラの配置とを含む。また、様々な実施形態において、1つまたは複数のプロセスガスは、基板165に対して時間的に制御された方式と空間的に制御された方式の両方でプラズマ処理領域163に送給される。ICP処理システム161は、基板165上の材料または表面状態における変化を引き起こすために、プロセスガス供給システム169に1つまたは複数のプロセスガスをプラズマ処理領域163に流させ、RF電力をアンテナ113から1つまたは複数のプロセスガスに印加して基板165に曝露される1つまたは複数のプロセスガスをプラズマ115Aに変換することによって動作する。いくつかの実施形態では、コントローラ121は、プロセスガス供給システム169の動作を制御するように接続される。
【0038】
アンテナ113は、上部窓構造167の上に配置される。図1Dの例では、アンテナ113はラジアルコイルアセンブリとして形成され、アンテナ113の陰影部分が図面のページ内にターンし、アンテナ113の陰影のない部分が図面のページ外にターンする。図1Eは、いくつかの実施形態による、アンテナ113の上面図を示す。様々な実施形態において、アンテナ113は、上部窓構造167を通してRF電力をプラズマ処理領域163に伝達するのに適した本質的に任意の構成を有することが可能である。様々な実施形態において、アンテナ113は、上部窓構造167を通してRF電力をプラズマ処理領域163に伝達するために、必要に応じて任意のターン数、任意の断面サイズ、および形状(円形、楕円形、長方形、台形など)を有してもよい。アンテナ113は、電気接続114を通してRF電力供給システム100に電気的に接続される。
【0039】
図1Fは、いくつかの例示的な実施形態による、コントローラ121の図を示す。コントローラ121は、プロセッサ149、ストレージハードウェアユニット(HU)151(例えば、メモリ)、入力HU141、出力HU145、入出力(I/O)インターフェース143、I/ Oインターフェース147、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)155、およびデータ通信バス153を含む。プロセッサ149、ストレージHU151、入力HU141、出力HU145、I/Oインターフェース143、I/Oインターフェース147、およびNIC155は、データ通信バス153によって互いにデータ通信する。入力HU141の例には、マウス、キーボード、スタイラス、データ取得システム、データ取得カードなどが挙げられる。出力HU145の例には、ディスプレイ、スピーカ、デバイスコントローラなどが挙げられる。NIC155の例には、ネットワークインターフェースカード、ネットワークアダプタなどが挙げられる。様々な実施形態において、NIC155は、1つまたは複数の通信プロトコルおよび関連する物理層、例えば、とりわけイーサネットおよび/またはイーサキャットに従って動作するように構成される。I/Oインターフェース143および147の各々は、I/Oインターフェースに結合された異なるハードウェアユニット間の互換性を提供するように定義される。例えば、I/Oインターフェース143は、入力HU141から受信した信号をデータ通信バス153と互換性のある形態、振幅、および/または速度に変換するように定義されてもよい。また、I/Oインターフェース147は、データ通信バス153から受信した信号を出力HU145と互換性のある形態、振幅、および/または速度に変換するように定義されてもよい。本明細書に記載の様々な動作はコントローラ121のプロセッサ149によって実施されるが、いくつかの実施形態では、様々な動作は、コントローラ121の複数のプロセッサによって、および/またはコントローラ121に接続された複数のコンピューティングシステムの複数のプロセッサによって実施され得ることを理解されたい。
【0040】
様々な実施形態において、プラズマ処理システム161は、基板165の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化され、電子機器は、プラズマ処理システム161の様々な構成要素および/または副部品を制御するように構成および接続されたコントローラ121内に実装される。基板165の処理要件および/またはプラズマ処理システム161の特定の構成に応じて、コントローラ121は、本明細書に開示されるプロセスおよび/または構成要素を制御するようにプログラムされる。そのようなプロセスとしては、とりわけ、プロセスガス供給システム169によるプロセスガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、RF電力供給システム100の設定、電気信号周波数設定、ガス流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、プラズマ処理システム161に接続または連動するチャンバ116に対する基板165の搬入と搬出、および/またはロードロックに対する基板165の搬入と搬出が含まれる。
【0041】
広義には、様々な実施形態において、コントローラ121は、他のタスク/動作の中でも、命令を受信し、命令を発行し、デバイス動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にし、計測測定(光学的、熱的、電気的など)を可能にするなどの様々なタスク/動作を指示および制御する様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義される。いくつかの実施形態では、コントローラ121内の集積回路は、他のコンピューティングデバイスの中でも、プログラム命令を記憶するファームウェア、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロコントローラのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラ121に通信され、プラズマ処理システム161内の基板165上でプロセスを実行するための動作パラメータを定義する。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/または基板165上のダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピに含まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、コントローラ121は、プラズマ処理システム161と統合または接続されるか、他の方法でプラズマ処理システム161にネットワーク接続されるコンピュータの一部であり、またはそのようなコンピュータに接続され、またはそれらの組み合わせである。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ121は、「クラウド」またはファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部に実装され、これによりプラズマ処理システム161による基板165の処理を制御するためのリモートアクセスが可能となる。コントローラ121は、プラズマ処理システム161へのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況の監視を行い、過去の製作動作の履歴の検討を行い、複数の製作動作から傾向または性能基準の検討を行い、処理パラメータの変更を行い、後続の処理ステップの設定を行い、RF電力供給システム100の動作パラメータの仕様を定義し、かつ/または新しい基板165の製作プロセスの開始を行う。
【0043】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバコンピュータシステム)は、ローカルネットワークおよび/またはインターネットを含むコンピュータネットワークを通じてプロセスレシピをコントローラ121に提供する。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからコントローラ121に通信される。いくつかの例では、コントローラ121は、プラズマ処理システム161内で基板165を処理するための設定の形式で命令を受信する。設定は、基板165上で実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラ121が連動または制御するツール/デバイス/構成要素のタイプに特有のものであることを理解されたい。いくつかの実施形態では、コントローラ121は、例えば互いにネットワーク接続され、プラズマ処理システム161を動作させて基板165上に所定のプロセスを実施するなどの共通の目的に向けて動作するように同期される1つまたは複数の個別のコントローラ121を含むことによって分散される。このような目的のための分散型コントローラ121の一例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバ内のプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられる。また、プラズマ処理システム161によって実施されるプロセス動作に応じて、コントローラ121は、半導体製造工場を通じて様々なエンティティと、例えば、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、分散型ツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対して基板165の容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信する。
【0044】
図2Aは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システム100が複数の動作モードに従ってどのように動作することができるかの一例を示す。図2Aの例では、RF電力供給システム100は、RF電力(Vs_totによって表される)をプラズマ負荷115に供給するために接続された4つのRFインバータ101-1~101-4を含む。動作時(オン)、各RFインバータ101-1~101-4は、それぞれの正弦波RF信号Vs1~Vs4をそれぞれ生成するように構成される。動作中(オン)のRFインバータ101-1~101-4によって生成されたRF信号Vs1、Vs2、Vs3、および/またはVs4は組み合わされ、プラズマ負荷115に送信される出力RF信号Vs_totを形成する。RF電力供給システム100の所与の動作モードでは、RFインバータ101-1~101-Nのうちの1つまたは複数は、基準位相(φ=0)で互いに同相で動作しており(オン)、RFインバータ101-1~101-Nのうちの1つまたは複数は、基準位相(φ=0)に対して位相が異なって(φ≠0)動作しており(位相がずれている)、RFインバータ101-1~101-Nのうちの0個以上は、動作していない(オフ)。それぞれRFインバータ101-1~101-Nに印加される入力信号Vg1~VgNは、基準位相(φ=0)および位相ずれ量(amount of outphasing)(φ≠0)を定義するために使用される。図2Aの例における第1の動作モード201では、RFインバータ101-1、101-2、101-3、および101-4の各々は動作しており(オン)、RFインバータ101-1、101-2、および101-3は、基準位相(φ=0)で互いに同相で動作しており、RFインバータ101-4は、基準位相(φ=0)に対して位相がずれて(φ≠0)動作している。図2Aの例における第2の動作モード202では、RFインバータ101-1、101-2、および101-3の各々は動作しており(オン)、RFインバータ101-1および101-2は、基準位相(φ=0)で互いに同相で動作しており、RFインバータ101-3は、基準位相(φ=0)に対して位相がずれて(φ≠0)動作している。第2の動作モード202では、RFインバータ101-4は動作していない(オフ)。図2Aの例における第3の動作モード203では、RFインバータ101-1および101-2の各々は動作しており(オン)、RFインバータ101-1は、基準位相(φ=0)で動作しており、RFインバータ101-2は、基準位相(φ=0)に対して位相がずれて(φ≠0)動作している。第3の動作モード203では、RFインバータ101-3および101-4の各々は動作していない(オフ)。
【0045】
図2Bは、いくつかの実施形態による、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータに適用される位相シフト角(φ≠0)の関数として、3つの動作モード201、202、および203について出力RF信号Vs_totによって提供される出力RF電力のプロットを示す。位相シフト角(φ≠0)は、0度~180度の範囲に及び、0度は、位相ずれが適用されないことに対応し、180度は、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相のずれたRFインバータに適用される最大位相ずれに対応する。第1の動作モード201は、最も高い出力RF電力の平均大きさを有し、かつ位相シフト角(φ)の関数として最も大きい出力RF電力の勾配を有する。第3の動作モード203は、最も低い出力RF電力の大きさを有し、かつ位相シフト角(φ)の関数として最も小さい出力RF電力の勾配を有する。第2の動作モード202の出力RF電力の大きさの中央値は、第1の動作モード201の出力RF電力の大きさの中央値よりも小さい。また、第2の動作モード202の出力RF電力の大きさの中央値は、第3の動作モード203の出力RF電力の大きさの中央値よりも大きい。同様に、第2の動作モード202の位相シフト角(φ)の関数としての出力RF電力の勾配は、第1の動作モード201および第3の動作モード203の勾配の間にある。図2Bは、RFインバータ101-1~101-Nのうちの動作中(オン)のRFインバータの数が減少すると、RFインバータ101-1~101-Nのうちの動作中(オン)かつ位相がずれたRFインバータの数は同じに維持し、利用可能な出力RF電力範囲の大きさの中央値と、位相シフト角(φ)の関数としての出力RF電力の勾配の両方が減少することを示す。逆に、図2Bは、RFインバータ101-1~101-Nのうちの動作中(オン)のRFインバータの数が増加すると、RFインバータ101-1~101-Nのうちの動作中(オン)かつ位相がずれたRFインバータの数は同じに維持し、利用可能な出力RF電力範囲の大きさの中央値と、位相シフト角(φ)の関数としての出力RF電力の勾配の両方が増加することを示す。
【0046】
図2Cは、いくつかの実施形態による、3つの動作モード201、202、および203について出力RF信号Vs_totによって提供される出力RF電力のプロットを示す。図2Cは、いくつかの実施形態では、隣接する動作モードに対して利用可能な出力RF電力範囲に重複が存在することを示す。例えば、図2Cは、第2の動作モード202におけるRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータについて位相シフト角(φ)が0に近い場合、第2の動作モード202についての出力RF電力は、第1の動作モード201についての出力RF電力と重複することを示し、この出力RF電力の重複は、第2の動作モード202におけるRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータについて利用可能な位相シフト角(φ)範囲の一部(すべてではない)にわたって存在する。同様に、第3の動作モード203におけるRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータについて位相シフト角(φ)が0に近い場合、第3の動作モード203についての出力RF電力は、第2の動作モード202についての出力RF電力と重複し、この出力RF電力の重複は、第3の動作モード203におけるRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータについて利用可能な位相シフト角(φ)範囲の一部(すべてではない)にわたって存在する。したがって、いくつかの実施形態では、RF電力供給システム100の複数の異なる動作モードで同じ出力RF電力を有することが可能である。いくつかの実施形態では、RF電力供給システム100は、RF電力供給システム100についての全出力RF電力範囲がRF電力供給システム100の個々の動作モードについての出力RF電力範囲よりも大きくなるように、ある動作モードから別の動作モードなどに移行するように動作する。
【0047】
図3は、いくつかの実施形態による、RF電力供給システム100の特定の実施態様に対応する例示的なRF電力供給システム100Aを示す。例示的なRF電力供給システム100Aには、24個(N=24)のRFインバータ101-1~101-24が存在する。RFインバータ101-1~101-24は、動作モード制御の目的で3つのグループに編成される。具体的には、RFインバータ101-1~101-3は、第1の制御グループに含まれる。RFインバータ101-4~101-6は、第2の制御グループに含まれる。RFインバータ101-7~101-9は、第3の制御グループに含まれる。RFインバータ101-10~101-12は、第4の制御グループに含まれる。RFインバータ101-13~101-15は、第5の制御グループに含まれる。RFインバータ101-16~101-18は、第6の制御グループに含まれる。RFインバータ101-19~101-21は、第7の制御グループに含まれる。RFインバータ101-22~101-24は、第8の制御グループに含まれる。第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8の制御グループの各々は、動作(オン/オフ)に関して、および位相ずれに対して適用された位相シフト角(φ)に関して独立して制御可能である。様々な実施形態において、コントローラ121は、RFインバータ101-1~101-24の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、および第8の制御グループのうちのどれが所与に動作しており(オン)、所与の時間に動作しておらず(オフ)、かつ所与の時間に適用された位相シフト角(φ)だけ位相がずれているかを制御するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、位相シフト角(φ)は、入力信号Vg1~Vg24のうち所与の時間に位相シフトされた(位相がずれた)入力信号に適用され、位相シフト角(φ)は、入力信号Vg1~Vg24のうち所与の時間に位相シフトされていない(位相がずれていない)入力信号の位相に対して定義される。
【0048】
図4Aは、いくつかの実施形態による、図3の例示的なRF電力供給システム100Aについての例示的な動作モードの表を示す。図4Aに示す例示的な動作モードは、動作モードが例示的なRF電力供給システム100/100Aに対してどのように定義されるかについての説明を容易にするために提供されており、例示的なRF電力供給システム100/100Aの動作に対して定義され得る可能な動作モードの網羅的なセットを表すことを決して意図していないことを理解されたい。図4Aに示す例示的な動作モードは、40オームのリアクタンスおよび6オームの抵抗によって定義される例示的なプラズマ負荷115に対応する。図4Aは例示的な動作モード1を示しており、RFインバータ101-1~101-24のうちの24個が所与の時間に動作しており(オン)、RFインバータ101-1~101-24のうちの0個が所与の時間に動作しておらず(オフ)、所与の時間に動作している(オン)RFインバータ101-1~101-24のうちの6つはまた、所与の時間に動作している(オン)他のRFインバータ101-1~101-24と比較して、所与の時間に位相シフト角(φ)だけ位相がずれている。図4Aは例示的な動作モード2も示しており、RFインバータ101-1~101-24のうちの18個が所与の時間に動作しており(オン)、RFインバータ101-1~101-24のうちの6つが所与の時間に動作しておらず(オフ)、所与の時間に動作している(オン)RFインバータ101-1~101-24のうちの6つはまた、所与の時間に動作している(オン)他のRFインバータ101-1~101-24と比較して、所与の時間に位相シフト角(φ)だけ位相がずれている。図4Aは例示的な動作モード3も示しており、RFインバータ101-1~101-24のうちの9つが所与の時間に動作しており(オン)、RFインバータ101-1~101-24のうちの15個が所与の時間に動作しておらず(オフ)、所与の時間に動作している(オン)RFインバータ101-1~101-24のうちの3つはまた、所与の時間に動作している(オン)他のRFインバータ101-1~101-24と比較して、所与の時間に位相シフト角(φ)だけ位相がずれている。他の動作モードでは、RFインバータ101-1~101-24のいずれか1つまたは複数が所与の時間に動作することができ(オン)、残りのRFインバータ101-1~101-24が所与の時間に動作しておらず(オフ)、所与の時間に動作している(オン)RFインバータ101-1~101-24のうちのいくつかはまた、所与の時間に動作している(オン)他のRFインバータ101-1~101-24と比較して、所与の時間に位相シフト角(φ)だけ位相がずれていることを理解されたい。
【0049】
図4Bは、いくつかの実施形態による、例示的なRF電力供給システム100/100Aに対する図4Aの動作モード1、2、および3について出力RF信号Vs_totによって提供される出力RF電力のプロットを示す。動作モード1についての出力RF電力範囲は、約8kW~約2kWに及ぶ。動作モード2についての出力RF電力範囲は、約4kW~約450Wに及ぶ。動作モード3についての出力RF電力範囲は、約860W~約95Wに及ぶ。図4Bは、位相シフト角(φ)のある範囲にわたって、例示的なRF電力供給システム100/100Aの動作モード1および2についての出力RF電力に重複が存在することを示す。同様に、位相シフト角(φ)のある範囲にわたって、例示的なRF電力供給システム100/100Aの動作モード2および3についての出力RF電力に重複が存在する。したがって、いくつかの実施形態では、異なる動作モードの各々に適用される位相シフト角(φ)の制御を通じて、異なる動作モードで同じ出力RF電力を生成するようにRF電力供給システム100/100Aを制御することが可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、目標RF電力設定値(RFsp)がプラズマ処理システム161によって実施されるプラズマ処理動作に対して指定される。いくつかの実施形態では、コントローラ121は、目標RF電力設定値(RFsp)を含む出力RF電力範囲を提供するRF電力供給システム100/100Aについての動作モードを決定するように動作する。いくつかの実施形態では、コントローラ121は、特定のインピーダンス(X、R、ここでXはリアクタンスであり、Rは抵抗である)を有するものとして特徴付けられるプラズマ負荷115に対してRF電力を供給する際のRF電力供給システム100/100Aの様々な動作モードについての出力RF電力範囲データを含むデータベースまたはルックアップテーブルにアクセスする。
【0051】
図5Aは、いくつかの実施形態による、目標RF電力設定値(RFsp)がRF電力供給システム100/100Aの複数の動作モードのうちの1つに該当する例示的な状況を示す。目標RF電力設定値(RFsp)を提供することが可能なRF電力供給システム100/100Aの動作モードが1つだけである場合、コントローラ121は、その1つの動作モードに従って動作するようにRF電力供給システム100/100Aに指示する。例えば、図5Aでは、4.5kWの目標RF電力設定値(RFsp)は動作モード1では提供することができるが、動作モード2および3では提供することができないため、コントローラ121は、動作モード設定510によって示されるように、目標RF電力設定値(RFsp)でRF電力を生成するために、動作モード1に従って動作するようにRF電力供給システム100/100Aに指示する。
【0052】
図5Bは、いくつかの実施形態による、目標RF電力設定値(RFsp)がRF電力供給システム100/100Aの複数の動作モードによって達成され得る例示的な状況を示す。いくつかの実施形態では、目標RF電力設定値(RFsp)を提供することが可能なRF電力供給システム100/100Aの複数の動作モードが存在する場合、コントローラ121は、いずれの位相シフト角(φ)調整方向(0度に向かって減少するか、または180度に向かって増加するかのいずれか)においても位相シフト角(φ)の関数として最小の出力RF電力調整能力を有さない動作モードに従って動作するようにRF電力供給システム100/100Aに指示する。例えば、図5Bでは、2.5kWの目標RF電力設定値(RFsp)は、約165度の位相シフト角(φ)を有する動作モード1と、約80度の位相シフト角(φ)を有する動作モード2の両方によって提供することができる。動作モード1は、位相シフト角(φ)調整の下降方向(約165度から0度)に上向きの出力RF電力調整能力範囲(output RF power adjustability range)501を有する。動作モード1はまた、位相シフト角(φ)調整の上昇方向(約165度から約180度)に下向きの出力RF電力調整能力範囲503を有する。動作モード2は、位相シフト角(φ)調整の下降方向(約80度から0度)に上向きの出力RF電力調整能力範囲505を有する。動作モード2は、位相シフト角(φ)調整の上昇方向(約80度から約180度)に下向きの出力RF電力調整能力範囲507を有する。いくつかの実施形態では、動作モード1の下向きの出力RF電力調整能力範囲503は、動作モード1および2についての目標RF電力設定値(RFsp)からのいずれかの位相シフト角(φ)調整方向における位相シフト角(φ)の関数として最小の出力RF電力調整能力範囲であるため、コントローラ121は、動作モード設定520によって示されるように、動作モード2がRF電力供給システム100/100Aの動作に対して使用され、目標RF電力設定値(RFsp)でRF電力を生成することを決定する。
【0053】
プラズマ処理システム161の動作中、RF電力供給システム100/100Aの出力RF電力は、温度などの他の動作パラメータが変化するにつれて変化する場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、RF電力供給システム100/100Aの出力RF電力は、温度が上昇すると上方にドリフトし、温度が減少すると下方にドリフトする。コントローラ121は、目標RF電力設定値(RFsp)に出力RF電力を維持するために、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)を自動的に調整するようにプログラムされる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ121は、RF電力供給システム100/100Aの温度が上昇するにつれてRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)を増加させ、目標RF電力設定値(RFsp)に出力RF電力を維持する。次いで、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)が現在の動作モードにおいて約180度に達したとき(または180度の指定範囲内、例えば、180度の約5度以内に入ったとき)、コントローラ121は、RF電力供給システム100/100Aを、目標RF電力設定値(RFsp)に出力RF電力を維持するための別の動作モードにシフトさせるように動作する。
【0054】
図5Cは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システム100/100Aの出力RF電力が温度の上昇と共に上方にドリフトする際、RF電力供給システム100/100Aを動作モード1から動作モード2にシフトさせるように動作するコントローラ121の一例を示す。RF電力供給システム100/100Aが動作モード1で動作すると、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)は、必要に応じてコントローラ121によって自動的に増加され、動作モード設定530によって示されるように、位相シフト角(φ)が約180度になりそれ以上調整することができなくなるまで、目標RF電力設定値(RFsp)に出力RF電力を維持する。次に、コントローラ121は、矢印534および動作モード設定532によって示されるように、RF電力供給システム100/100Aを動作モード1から動作モード2に自動的にシフトさせるように動作する。次いでコントローラ121は、必要に応じて動作モード2においてRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)を調整し続け、目標RF電力設定値(RFsp)にRF電力供給システム100/100Aの出力RF電力を維持する。
【0055】
図5Dは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システム100/100Aの出力RF電力が温度の低下と共に下方にドリフトする際、RF電力供給システム100/100Aを動作モード2から動作モード1にシフトさせるように動作するコントローラ121の一例を示す。RF電力供給システム100/100Aが動作モード2で動作すると、RFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)は、必要に応じてコントローラ121によって自動的に減少され、動作モード設定540によって示されるように、位相シフト角(φ)が約0度になりそれ以上調整することができなくなるまで、目標RF電力設定値(RFsp)に出力RF電力を維持する。次に、コントローラ121は、矢印544および動作モード設定542によって示されるように、RF電力供給システム100/100Aを動作モード2から動作モード1に自動的にシフトさせるように動作する。次いでコントローラ121は、必要に応じて動作モード1においてRFインバータ101-1~101-Nのうちの位相がずれたRFインバータの位相シフト角(φ)を調整し続け、目標RF電力設定値(RFsp)にRF電力供給システム100/100Aの出力RF電力を維持する。ここでも、コントローラ121は、必要に応じて任意の2つ以上の実行可能な動作モードの間でRF電力供給システム100/100Aを自動的にシフトさせるように動作し、目標RF電力設定値(RFsp)にRF電力供給システム100/100AのRF電力の出力を維持することを理解されたい。
【0056】
RF電力供給システム100/100Aの所与の動作モードについての出力RF電力範囲は、プラズマ負荷115のインピーダンスの関数として変化する。このため、いくつかの実施形態では、目標RF電力設定値(RFsp)に対するRF電力供給システム100/100Aの適切な動作モードを決定するためにコントローラ121によって使用されるデータベース(ルックアップテーブル)は、プラズマ負荷115のインピーダンスの関数として、異なる実行可能な動作モードについての出力RF電力範囲データを含む。したがって、所与のプラズマ処理動作に対するプラズマ負荷115のインピーダンスに関する利用可能な情報を用いて、コントローラ121は、プラズマ負荷115のインピーダンスを考慮して、目標RF電力設定値(RFsp)に対するRF電力供給システム100/100Aの適切な動作モードを決定するように動作する。いくつかの実施形態では、プラズマ負荷115のインピーダンスはリアルタイムで決定され、入力パラメータとしてコントローラ121に提供される。
【0057】
図6Aは、いくつかの実施形態による、例示的なプラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)動作ウィンドウ601を表示するチャートを示す。いくつかの実施形態では、RF電力供給システム100/100Aを動作させ、動作ウィンドウ601内の任意のインピーダンスでプラズマ負荷115を駆動することが望ましい。図6Aは、RF電力供給システム100/100Aの出力RF電力がプラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)における変化に伴ってどのように移動し得るかを示す例示的な曲線603を含む。いくつかの実施形態では、目標RF電力設定値(RFsp)に対するRF電力供給システム100/100Aの適切な動作モードを決定するためにコントローラ121によって使用されるデータベース(ルックアップテーブル)は、例として、プラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)動作ウィンドウ601内の複数のインピーダンス点Z1~Z15の各々における、異なる実行可能な動作モードについての出力RF電力範囲データを含む。
【0058】
図6Bは、いくつかの実施形態による、図6Aのプラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)動作ウィンドウ601内の複数のインピーダンス点Z1~Z15の各々における、異なる実行可能な動作モード(動作モード1、2、および3)についての出力RF電力範囲を示している例示的なチャートを示す。図6Bに示すチャートは、目標RF電力設定値(RFsp)および指定されたプラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)に対するRF電力供給システム100/100Aの適切な動作モードを決定するためにコントローラ121によって使用されるデータベース(ルックアップテーブル)に記憶されたデータのグラフィック表現である。いくつかの実施形態では、コントローラ121は、目標RF電力設定値(RFsp)および現在のプラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)に対するRF電力供給システム100/100Aの適切な動作モードを決定するために、複数のインピーダンス点Z1~Z15の各々における異なる実行可能な動作モードについての出力RF電力範囲データの間を補間するようにプログラムされる。
【0059】
図7Aは、いくつかの実施形態による、RF電力供給システム(例えば、100/100A)を動作させるための方法のフローチャートを示す。方法は、目標RF電力設定値(RFsp)を受信するための動作701を含む。動作701から、方法は、目標RF電力設定値(RFsp)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に対するRF電力出力範囲を提供するRF電力供給システム(例えば、100/100A)の動作モードを決定するための動作703に進む。RF電力供給システム(例えば、100/100A)は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)を含む。複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の各々は、1つまたは複数のそれぞれのトランジスタデバイス(例えば、125)の1つまたは複数のゲート(例えば、127)に印加されるそれぞれの入力信号(例えば、Vg1~VgN)からそれぞれの正弦波RF信号(例えば、Vs1~VsN)を生成するように構成される。動作703で決定される動作モードは、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間にオンであるか、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間にオフであるか、および複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間に入力信号(例えば、Vg1~VgN)のうちの位相シフトされた入力信号に従って動作するかによって定義される。
【0060】
動作703で決定される動作モードは、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の複数の実行可能な動作モードのうちの1つである。複数の実行可能な動作モードの各々は、目標RF電力設定値(RFsp)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に対するそれぞれのRF電力出力範囲を提供する。また、図5Bに関して説明したように、動作703で決定される動作モードはまた、他の複数の実行可能な動作モードと比較して、目標RF電力設定値(RFsp)からの複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力におけるより大きな調整能力範囲を提供する。動作703で決定される動作モードはまた、RF電力供給システム(例えば、100/100A)がRF電力を送給している負荷(例えば、プラズマ負荷115)のインピーダンスに依存する。いくつかの状況では、動作703で決定される動作モードは、所与の時間に位相シフトされていない入力信号(例えば、Vg1(φ=0)~VgN(φ=0))に従って動作する複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちの複数のRFインバータと、所与の時間に入力信号のうちの位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ≠0)~VgN(φ≠0))に従って動作する複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちの複数のRFインバータとを含む。
【0061】
動作703と併せて、方法は、RFインバータ(例えば、101-1~101-N)への入力信号(例えば、Vg1(φ≠0)~VgN(φ≠0))のうちの位相シフトされた入力信号についての位相シフト量(φ)を決定し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を目標RF電力設定値(RFsp)にほぼ一致させるための動作705を含む。いくつかの実施形態では、目標RF電力設定値(RFsp)にほぼ一致させることは、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を目標RF電力設定値(RFsp)の約10%以内、または目標RF電力設定値(RFsp)の約5%以内、または目標RF電力設定値(RFsp)の約3%以内、または目標電力設定(RFsp)の約1%以内にすることである。いくつかの実施形態では、動作703および705は、プラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)の関数としてRF電力供給システム(例えば、100/100A)の様々な動作モードに対する出力RF電力範囲データを提供するデータベースまたはルックアップテーブルにアクセスし、目標RF電力設定値(RFsp)に対応する動作モードを決定するように動作するコントローラ(例えば、121)を含む。動作705から、方法は、RFインバータ(例えば、101-1~101-N)に供給される入力信号(例えば、Vg1~VgN)のうちの位相シフトされた入力信号に適用される、動作703で決定された動作モードおよび動作705で決定された位相シフト量(φ)に従って動作するようにRF電力供給システム(例えば、100/100A)に指示するための動作707に進む。いくつかの実施形態では、RF電力供給システム(例えば、100/100A)は、RF電力をプラズマ処理チャンバ(例えば、116)のアンテナ(例えば、113)に送給し、プラズマ処理チャンバ(例えば、116)内にプラズマ(例えば、115A)を生成するように接続される。
【0062】
図7Bは、いくつかの実施形態による、図7Aの方法の続きを示す。方法は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を測定するための動作709を含む。いくつかの実施形態では、センサ(例えば、110)が、リアルタイムで複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を測定し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力の測定値をコントローラ(例えば、121)に送信するために使用される。このようにして、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力の測定値は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を調節して目標RF電力設定値(RFsp)に一致させるためのフィードバック信号として使用される。動作709から、方法は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の測定された結合出力電力と目標RF電力設定値(RFsp)との間の差を低減する位相シフト調整(Δφ)を決定するための動作711に進む。動作711から、方法は、位相シフト調整(Δφ)をRFインバータ(例えば、101-1~101-N)への入力信号(例えば、Vg1~VgN)のうちの位相シフトされた入力信号についての位相シフト量(φ)に適用するための動作713に進む。動作713から、方法は、一連の動作709、711、および713のセットを繰り返し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力と目標RF電力設定値(RFsp)との間の実質的な一致を達成して維持するための動作715に進む。図7Bの方法は、コントローラ(例えば、121)によって実装される閉ループフィードバック制御ループを構成することを理解されたい。また、RF電力供給システム(例えば、100/100A)がパルスモードで動作しているとき、コントローラ(例えば、121)は、次の動作パルス期間の開始時において前の動作パルス期間の終了時に存在する動作モード設定を使用するようにプログラムされる。
【0063】
図7Cは、いくつかの実施形態による、図7Aおよび図7Bの方法のさらなる続きを示す。方法は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の現在の動作モードにおける複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の測定された結合出力電力と目標RF電力設定値(RFsp)との間の差の非ゼロ絶対値(non-zero absolute magnitude)をさらに低減するためのさらなる位相シフト調整(Δφ)が不可能であることを決定するための動作717を含む。動作717から、方法は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の動作モードを、目標RF電力設定値(RFsp)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に対する別のRF電力出力範囲を提供する別の実行可能な動作モードに変更するための動作719に進む。動作719における動作モードの変更は、動作717においてさらなる位相シフト調整(Δφ)がRF電力供給システム(例えば、100/100A)の現在の動作モードでは不可能であるとの決定に応答して行われる。いくつかの実施形態では、RFインバータ(例えば、101-1~101-N)への入力信号(例えば、Vg1~VgN)のうちの位相シフトされた入力信号に対する位相シフト量(φ)は、変更される現在の動作モードと比較して、さらなる位相シフト調整(Δφ)が不可能であり、他の実行可能な動作モードにおいて動作している(オン)複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の数が少ない場合、約180度である。また、いくつかの実施形態では、RFインバータ(例えば、101-1~101-N)への入力信号(例えば、Vg1~VgN)のうちの位相シフトされた入力信号に対する位相シフト量(φ)は、変更される現在の動作モードと比較して、さらなる位相シフト調整(Δφ)が不可能であり、他の実行可能な動作モードにおいて動作している(オン)複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の数が多い場合、約0度である。いくつかの実施形態では、動作719は、プラズマ負荷115のインピーダンス(X、R)の関数としてRF電力供給システム(例えば、100/100A)の様々な動作モードに対する出力RF電力範囲データを提供するデータベースまたはルックアップテーブルにアクセスし、目標RF電力設定値(RFsp)に対応する動作モードを決定するように動作するコントローラ(例えば、121)を含む。
【0064】
上記に従って、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に関する例示的な実施形態が開示されており、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の各々は、1つまたは複数のトランジスタデバイス(例えば、125)の1つまたは複数のゲート(例えば、127)に印加される入力信号(例えば、Vg1~VgN)から正弦波RF信号(例えば、Vs1~VsN)を生成するように構成される。RF電力供給システム(例えば、100/100A)は、所与の時間にRF電力供給システム(例えば、100/100A)の動作モードを制御するようにプログラムされたコントローラ(例えば、121)を含む。動作モードは、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間に動作している(オン)か、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間に動作していない(オフ)か、および複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちのどれが所与の時間に位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ≠0)~VgN(φ≠0))に従って動作するかによって定義される。コントローラ(例えば、121)は、所与の時間に位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))に適用される位相シフト量(φ)を制御し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を目標電力設定、すなわち、目標RF電力設定値(RFsp)に実質的に一致させるようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、RF電力供給システム(例えば、100/100A)は、RF電力をプラズマ処理チャンバ(例えば、116)のアンテナ(例えば、113)に送給し、プラズマ処理チャンバ(例えば、116)内にプラズマ(例えば、115A)を生成するように接続される。
【0065】
コントローラ(例えば、121)は、目標電力設定(RFsp)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に対するRF電力出力範囲を提供することが可能なRF電力供給システム(例えば、100/100A)の複数の実行可能な動作モードのうちの1つを決定するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、複数の実行可能な動作モードのうちの決定された動作モードは、他の複数の実行可能な動作モードと比較して、目標電力設定(RFsp)からの複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力におけるより大きな調整能力範囲を提供する。いくつかの実施形態では、複数の実行可能な動作モードのうちの決定された動作モードは、RF電力供給システム(例えば、100/100A)がRF電力を送給している負荷(例えば、プラズマ負荷115)のインピーダンスに依存する。いくつかの実施形態では、複数の実行可能な動作モードのうちの決定された動作モードは、所与の時間に位相シフトされていない入力信号(φ=0)に従って動作する複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちの複数のRFインバータと、所与の時間に位相シフトされた入力信号(φ≠0)に従って動作する複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)のうちの複数のRFインバータとを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、121)は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の決定された動作モードに対するRF電力対位相シフト角データの記憶されたセットを使用してRFインバータ(例えば、101-1~101-N)への位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))に適用される位相シフトの初期量(φ)を決定し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を最初に目標電力設定(RFsp)にほぼ一致させるようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、センサ(例えば、110)が、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力を測定するために接続され、センサ(例えば、110)は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の測定された結合出力電力を示す信号をコントローラ(例えば、121)に送信するように接続される。いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、121)は、負のフィードバック制御ループ内のフィードバック信号としてセンサ(例えば、110)から受信した信号を使用して所与の時間に位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))に適用される位相シフト量(φ)を制御し、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の結合出力電力が目標電力設定(RFsp)に実質的かつ継続的に一致することを保証するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、121)は、複数のRFインバータ(例えば、101-1~101-N)の測定された結合出力電力と目標電力設定(RFsp)との間の差の非ゼロ絶対値をさらに低減するためのさらなる位相シフト調整(Δφ)が不可能であることを決定するようにプログラムされる。そして、さらなる位相シフト調整(Δφ)が現在の動作モードでは不可能であるとの決定に応答して、コントローラ(例えば、121)は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の動作モードを、目標電力設定(RFsp)を含むRF電力供給システム(例えば、100/100A)に対する別のRF電力出力範囲を提供する複数の実行可能な動作モードのうちの別の動作モードに変更するようにプログラムされる。
【0067】
本明細書に開示されたRF電力供給システム(例えば、100/100A)およびコントローラ(例えば、121)は、指定された目標電力設定(RFsp)に従ってプラズマ負荷を駆動するマルチレベルアウトフェージング(multilevel outphasing)RF電力増幅器の出力電力の自動調節を可能にする。本明細書に開示されたRF電力供給システム(例えば、100/100A)およびコントローラ(例えば、121)は、周波数変調、マルチレベルオン/オフ電力変調、およびアウトフェージング電力変調(これらはすべて、コントローラ(例えば、121)によって閉ループ方式で自動的に制御される)を実装することによって、プラズマ負荷のインピーダンスが動的かつ広範囲に変化する場合にプラズマ負荷の駆動を行う。いくつかの実施形態では、コントローラ(例えば、121)は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の動作周波数(例えば、入力信号Vg1~VgNの周波数(f))の調整を指示し、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の出力における電圧と電流との間の位相角の差を最小化することによってプラズマ負荷115のインピーダンスにおける変動を低減する。コントローラ(例えば、121)は、RF電力供給システム(例えば、100/100A)の出力RF電力を目標RF電力設定値(RFsp)に実質的に一致させるために、いくつのRFインバータ(例えば、101-1~101-N)をオンにするか、いくつのRFインバータ(例えば、101-1~101-N)をオフにするか、および所与の時間に入力信号のうちの位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))にどのような位相シフト(φ)を適用するかを決定することによって、RF電力供給システム(例えば、100/100A)に対する動作モードを自動的に決定するようにプログラムされる。コントローラ(例えば、121)は、必要に応じてリアルタイムで入力信号のうちの位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))の位相シフト調整(Δφ)を自動的に指示してRF電力供給システム(例えば、100/100A)の出力RF電力を調節し、目標RF電力設定値(RFsp)に実質的かつ継続的に一致させるようにさらにプログラムされる。コントローラ(例えば、121)は、目標RF電力設定値(RFsp)にRF電力供給システム(例えば、100/100A)の出力RF電力を維持するために、いくつのRFインバータ(例えば、101-1~101-N)をオンにするか、いくつのRFインバータ(例えば、101-1~101-N)をオフにするか、および入力信号のうちの位相シフトされた入力信号(例えば、Vg1(φ)~VgN(φ))にどのような位相シフト(φ)を適用するかをリアルタイムで動的かつ自動的に変更するようにさらにプログラムされる。本明細書に開示されたRF電力供給システム(例えば、100/100A)およびコントローラ(例えば、121)は、マルチレベルアウトフェージング調節を周波数変調と組み合わせてプラズマ負荷(例えば、115)のインピーダンス範囲を圧縮し、そうすることで高い電力変換効率を維持しながら、広い電力範囲(例えば、0W~数kW、またはそれ以上)にわたってインピーダンスが大きく変化するプラズマ負荷(例えば、115)の駆動が可能になる。
【0068】
本明細書に記載の様々な実施形態は、ハンドヘルドハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成と併せて実践することができる。本明細書に記載の様々な実施形態はまた、コンピュータネットワークを介してリンクされたリモート処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境と併せて実践することができる。本明細書に開示される様々な実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実装動作の実施を含むことも理解されたい。これらのコンピュータ実装動作は、物理量を操作する動作である。様々な実施形態において、コンピュータ実装動作は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータのいずれかによって実施される。いくつかの実施形態では、コンピュータ実装動作は、選択的にアクティブ化されるコンピュータによって実施され、かつ/またはコンピュータメモリに記憶されるかコンピュータネットワークを介して取得される1つまたは複数のコンピュータプログラムによって指示される。コンピュータプログラムおよび/またはデジタルデータがコンピュータネットワークを介して取得される場合、そのデジタルデータは、コンピュータネットワーク上の他のコンピュータ(例えば、計算資源のクラウド)によって処理されてもよい。コンピュータプログラムおよびデジタルデータは、非一時的コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして記憶される。非一時的コンピュータ可読媒体は、データを記憶する任意のデータストレージハードウェアユニット、例えば、メモリデバイスなどであり、データはその後コンピュータシステムによって読み取られる。非一時的コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)、デジタルビデオ/バーサタイルディスク(DVD)、磁気テープ、ならびに他の光学および非光学データストレージハードウェアユニットが挙げられる。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムおよび/またはデジタルデータは、コンピュータプログラムおよび/またはデジタルデータが分散方式で実行および/または記憶されるように、結合されたコンピュータシステムのネットワーク内の異なるコンピュータシステムに位置する複数のコンピュータ可読媒体の間で分散される。
【0069】
前述の開示は、明確な理解のためにいくつかの詳細を含むが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。例えば、本明細書に開示される任意の実施形態の1つまたは複数の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示と見なされるべきであり、特許請求の範囲は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではなく、記載された実施形態の範囲および均等物内で修正されてもよい。
【0070】
特許請求の範囲は、以下の通りである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】