(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】湿式化学エッチングによる金属構造体製造を改善するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20241108BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20241108BHJP
G03F 7/023 20060101ALI20241108BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/039 601
G03F7/023
H01L21/306 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527775
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022081910
(87)【国際公開番号】W WO2023088869
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】リー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ヘンペン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・チュンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ・ウェイホン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ハンヤン
【テーマコード(参考)】
2H225
5F043
【Fターム(参考)】
2H225AF05P
2H225AF83P
2H225AM80P
2H225AN39N
2H225AN72N
2H225AN72P
2H225AN82N
2H225AN82P
2H225CA12
2H225CB06
2H225CC03
2H225CC15
2H225CC21
5F043AA26
5F043BB18
5F043CC05
5F043FF03
5F043GG02
(57)【要約】
本発明の一つの観点は、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素にチオール部分が結合しているチオール誘導体を含むフォトレジスト組成物であって、このチオール添加剤が、全固形物の約0.5重量%から約3重量%までの範囲で存在する、フォトレジスト組成物である。本発明の他の観点の一つは、パターン化金属基材を生成するために金属基材の異方性湿式化学エッチングにおいてエッチングマスクとして使用されるパターン化フォトレジストを形成するために、金属基材上で前記フォトレジスト組成物を使用することである。本発明の更に別の観点の一つは、スピンキャスト用溶液中に前記のチオール誘導体を含む組成物、並びに上層のパターン化フォトレジストを、湿式化学エッチングのためのエッチングマスクとして使用して、金属基材の異方性エッチングをもたらすことにより、パターン化金属基材も生成することを可能にする、金属基材の処理方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオール部分が、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素に結合しているチオール誘導体を含み、このチオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約3重量%までの範囲で存在する、フォトレジスト組成物であって、但し、
前記構造(H1)において、Xtは、N(Rt
3)、C(Rt
1)(Rt
2)、O、S、Se、及びTeからなる群から選択され;
前記構造(H2)において、Yは、C(Rt
3)及びNからなる群から選択され;
前記構造(H3)において、Zは、C(Rt
3)及びNからなる群から選択され;及び
前記構造(H4)において、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択され、Rt
1、Rt
2、及びRt
3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択され、
Rt
4は、独立して、H、OH、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される、
フォトレジスト組成物。
【化1】
【請求項2】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.6重量%から約3重量%までの含有率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.7重量%から約3重量%までの含有率で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.8重量%から約3重量%までの含有率で存在する、請求項1~3のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項5】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.9重量%から約3重量%までの含有率で存在する、請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項6】
前記チオール誘導体が、全固形物の約1重量%から約3重量%までの含有率で存在する、請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項7】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約2.5重量%までの含有率で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約2.0重量%までの含有率で存在する、請求項1または7に記載の組成物。
【請求項9】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1.5重量%までの含有率で存在する、請求項1、7及び8のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項10】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1.4重量%までの含有率で存在する、請求項1,7及び8~9のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項11】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1.3重量%までの含有率で存在する、請求項1、7及び8~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項12】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1.2重量%までの含有率で存在する、請求項1、7及び8~11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1.1重量%までの含有率で存在する、請求項1、7及び8~12のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項14】
前記チオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約1重量%までの含有率で存在する、請求項1、7及び8~12のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項15】
前記チオール誘導体が構造(H2)を有する、請求項1~14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項16】
前記チオール誘導体が構造(H3)を有する、請求項1~14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項17】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有する、請求項1~14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項18】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)である、請求項1~14及び17のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項19】
前記チオール誘導体が構造(H1-A)を有し、ここで、X
1はNであり、X
2及びX
3は、個別に、N及びC(Rt
3)からなる群から選択され、そしてRx
1、Rx
2、Rx
3、Rx
4、及びRx
5は、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)からなる群から選択され、ここで、paは2から4までの範囲の整数であり、そしてRt
3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される、請求項1~14及び17~18のいずれか一つに記載の組成物。
【化2】
【請求項20】
前記チオール誘導体が構造(H1-B)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)からなる群から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数であり、Rc
2はH及びC1~C8アルキルから選択され、Rc
1はH及びC1~C8アルキルから選択される、請求項1~14及び17~19のいずれか一つに記載の組成物。
【化3】
【請求項21】
前記チオール誘導体が構造(H1-C)を有し、ここでRc
2は、H及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び17~19のいずれか一つに記載の組成物。
【化4】
【請求項22】
前記チオール誘導体が構造(H1-D)を有し、ここでRc
1はH及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び17~19のいずれか一つに記載の組成物。
【化5】
【請求項23】
前記チオール誘導体が構造(H1-E)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び17~19のいずれか一つに記載の組成物。
【化6】
【請求項24】
前記チオール誘導体が、構造(H1-EA)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14、17~19及び23のいずれか一つに記載の組成物。
【化7】
【請求項25】
前記チオール誘導体が、構造(H1-EB)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14、17~19及び23のいずれか一つに記載の組成物。
【化8】
【請求項26】
前記チオール誘導体が、構造(H1-EC)または構造(H1-ED)を有する、請求項1~14、17~19及び23~25のいずれか一つに記載の組成物。
【化9】
【請求項27】
前記チオール誘導体が構造(H1-EC)を有する、請求項1~14、17~19及び23~26のいずれか一つに記載の組成物。
【化10】
【請求項28】
前記チオール誘導体が構造(H1-ED)を有する、請求項1~14、17~19及び23~26のいずれか一つに記載の組成物。
【化11】
【請求項29】
前記チオール誘導体が構造(H1-EE)を有する、請求項1~14、17~19、23及び24のいずれか一つに記載の組成物。
【化12】
【請求項30】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、ここでAreneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択される、請求項1~14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項31】
前記Areneが置換されたまたは置換されていない多環式アレーンである、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記Areneがナフタレン、アントラセン及びピレンから選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、及び前記Areneが置換されたまたは置換されていないフェニルである、請求項1~14及び30のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項34】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、及び前記Areneが置換されていないフェニルである、請求項1~14及び30のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項35】
前記チオール誘導体が、構造(H4-A)を有し、ここでR
H4a、R
H4b、R
H4c、R
H4d、R
H4eは、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14、30及び33~34のいずれか一つに記載の組成物。
【化13】
【請求項36】
前記チオール誘導体が、構造(H4-B)を有し、ここでR
H4は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び33~35のいずれか一つに記載の組成物。
【化14】
【請求項37】
前記チオール誘導体が、構造(H4-C)を有し、ここでR
4Hは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び33~36のいずれか一つに記載の組成物。
【化15】
【請求項38】
前記チオール誘導体が、構造(H4-D)を有し、ここでRx
1は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項1~14及び33~37のいずれか一つに記載の組成物。
【化16】
【請求項39】
前記チオール誘導体が構造(H4-E)を有する、請求項1~14及び33~36のいずれか一つに記載の組成物。
【化17】
【請求項40】
前記チオール誘導体が構造(H4-F)を有する、請求項1~14及び34~36のいずれか一つに記載の組成物。
【化18】
【請求項41】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ非化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項42】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~41のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項43】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
光退色性染料、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~41のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項44】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
2000ppmから14,000ppmまでの界面活性剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~41のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項45】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中の溶液である、(メタ)アクリル酸から誘導される繰り返し単位を含む少なくとも一種のメタ(アクリレート)コポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~41のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項46】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項47】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストであって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストであり、更に、
ノボラック樹脂は含まない、
請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項48】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストであって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項49】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストであって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
少なくとも一種のノボラック樹脂、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項50】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストであって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
光退色性染料、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項51】
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくも一種の光酸発生剤(PAG)、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むポジ化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項52】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位であって、そのカルボン酸が酸不安定性基で官能化された(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、PAGからの光発生酸によって前記酸不安定性基が開裂された時に約0.26NのTMAH中に可溶性になる、少なくとも一種の(メタ)アクリレートコポリマー、
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項53】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位であって、そのカルボン酸が酸不安定性基で官能化された(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、PAGからの光発生酸によって前記酸不安定性基が開裂された時に約0.26NのTMAH中に可溶性になる、少なくとも一種の(メタ)アクリレートコポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のPAG、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項54】
(i)ノボラックポリマー、(ii)置換されたもしくは置換されていないヒドロキシスチレンと、アクリレート、メタクリレート、またはアクリレートとメタクリレートとの混合物とを含むポリマー(前記アクリレート及び/またはメタクリレートは、脱ブロック化に高い活性化エネルギーを必要とする酸不安定性基で保護されている)と、(iii)ビニルエーテル及び置換されていないかもしくは置換された不飽和ヘテロ脂環式類から選択された化合物との間で、酸触媒の不在下に形成された反応生成物を含む成分;
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むポジ化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項55】
塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型フォトレジストであって、
(i)ノボラックポリマー、(ii)置換されたもしくは置換されていないヒドロキシスチレンと、アクリレート、メタクリレート、またはアクリレートとメタクリレートとの混合物とを含むポリマー(前記アクリレート及び/またはメタクリレートは、脱ブロック化に高い活性化エネルギーを必要とする酸不安定性基で保護されている)と、(iii)ビニルエーテル及び置換されていないかもしくは置換された不飽和ヘテロ脂環式類から選択された化合物との間で、酸触媒の不在下に形成された反応生成物を含む成分;
4-ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位、アセタール保護4-ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位、及び高エネルギー保護基で保護された(メタ)アクリル酸から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むポジ化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40及び46のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項56】
塩基水溶液中で現像可能な、ネガ非化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項57】
塩基水溶液中で現像可能なネガ非化学増幅型フォトレジストであって、
構造(INR)の少なくとも一つの単位を含む、少なくとも一種のアルカリ可溶性ポリマー、
【化19】
(式中、R’は、独立して、水素、(C
1-C
4)アルキル、塩素及び臭素から選択され、そしてmは1から4までの整数である)
構造(IINR)の少なくとも一種のモノマー、
【化20】
(式中、Wは、多価連結基であり、R
1~R
6は、独立して、水素、ヒドロキシ、(C
1-C
20)アルキル及び塩素から選択され、X
1及びX
2は、独立して、酸素またはN-R
7であり、ここでR
7は水素または(C
1-C
20)アルキルであり、そしてnは1に等しいかまたは1超の整数である)
少なくとも一種のラジカル光開始剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び56のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項58】
塩基水溶液中で現像可能な、ネガ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のラジカル光開始剤、
少なくとも一種の(メタ)アクリレート系架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び56のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項59】
塩基水溶液中で現像可能な、ネガ非化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種の(メタ)アクリレートポリマー、
少なくとも一種のラジカル光開始剤、
少なくとも一種の(メタ)アクリレート系架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び56のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項60】
塩基水溶液中で現像可能な、ネガ化学増幅型フォトレジストである、請求項1~40のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項61】
塩基水溶液中で現像可能な、ネガ化学増幅型フォトレジストであって、
ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレンコポリマー、及びこれらの混合物から選択される環結合ヒドロキシル基を有し、約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のフェノール系膜形成ポリマー型バインダー樹脂、
少なくとも一種のPAG、
PAGによって光発生された酸に暴露された時にカルボニウムイオンを形成し、かつエーテル化されたアミノプラストポリマーまたはコポリマーを含む、架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含むフォトレジストである、請求項1~40及び60のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項62】
金属基材をパターン化する方法であって、
i)半導体を覆う金属基材を、トリもしくはジカルボン酸の1~5重量%水溶液で洗浄し、その後、蒸留水ですすいで、洗浄された金属基材を得るステップ、
ii)前記の洗浄された金属基材をスピン乾燥するステップ、
iii)請求項1~61のいずれか一つに記載の組成物を、前記の洗浄及び乾燥された金属基材上に施用して、フォトレジストコーティングを得るステップ、
iv)90℃と120℃との間の温度でフォトレジストコーティングをベークして、溶剤を除去するステップ、
v)UV放射線を用いてフォトレジストをパターン化し、その後、水性塩基現像剤で現像して、金属基材を覆うパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを得るステップ、
vi)前記パターン化されたフォトレジストをエッチングされたバリアとして用いて湿式酸性化学エッチング剤で処理して、パターン化されたフォトレジストエッチングバリアで覆われた異方的にエッチングされた金属パターンを生成するステップ、
vii)上面を覆うパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを剥離剤で除去して、異方的にエッチングされた金属基材を生成するステップ、
を含む、方法。
【請求項63】
前記金属基材が、半導体基材を覆う金属基材であり、及びステップvii)が、半導体基材を覆う異方的にエッチングされた金属基材をもたらす、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素にチオール部分が結合しているチオール誘導体、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む組成物であって、
但し、前記チオール誘導体は、該組成物の約1重量%から約10重量%までの含有率で存在し、及び前記チオール誘導体は、全固形物の約98重量%から100重量%までを占め、及び更に、
前記構造(H1)において、Xtは、N(Rt
3)、C(Rt
1)(Rt
2)、O、S、Se、及びTeからなる群から選択され;
前記構造(H2)において、Yは、C(Rt
3)及びNからなる群から選択され;
前記構造(H3)において、Zは、C(Rt
3)及びNからなる群から選択され;及び
前記構造(H4)において、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択され、Rt
1、Rt
2、及びRt
3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択され、
Rt
4は、独立して、H、OH、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される、
組成物。
【化21】
【請求項65】
前記チオール誘導体が、該組成物の約1.25重量%から約10重量%までの含有率で存在する、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記チオール誘導体が、該組成物の約1.5重量%から約9.75重量%までの含有率で存在する、請求項64または65に記載の組成物。
【請求項67】
前記チオール誘導体が、該組成物の約1.75重量%から約9.50重量%までの含有率で存在する、請求項64~66のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項68】
前記チオール誘導体が、該組成物の約2重量%から約9.25重量%までの含有率で存在する、請求項64~67のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項69】
前記チオール誘導体が、該組成物の約2.25重量%から約9重量%までの含有率で存在する、請求項64~68のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項70】
前記チオール誘導体が、該組成物の約2.5重量%から約8.75重量%までの含有率で存在する、請求項64~69のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項71】
前記チオール誘導体が、該組成物の約2.75重量%から約8.5重量%までの含有率で存在する、請求項64~70のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項72】
前記チオール誘導体が、該組成物の約3重量%から約8.25重量%までの含有率で存在する、請求項64~71のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項73】
前記チオール誘導体が、該組成物の約3.25重量%から約8重量%までの含有率で存在する、請求項64~73のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項74】
前記チオール誘導体が、該組成物の約3.5重量%から約7.75重量%までの含有率で存在する、請求項64~73のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項75】
前記チオール誘導体が、該組成物の約3.75重量%から約7.5重量%までの含有率で存在する、請求項64~74のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項76】
前記チオール誘導体が、該組成物の約4重量%から約7.25重量%までの含有率で存在する、請求項64~75のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項77】
前記チオール誘導体が、該組成物の約4.25重量%から約7重量%までの含有率で存在する、請求項64~76のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項78】
前記チオール誘導体が構造(H2)を有する、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項79】
前記チオール誘導体が構造(H3)を有する、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項80】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有する、請求項65~78のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項81】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し、ここでXtはN(Rt
3)である、請求項64~77及び80のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項82】
前記チオール誘導体が構造(H1-A)を有し、ここでX
1はNであり、X
2及びX
3は、個別に、N及びC(Rt
3)からなる群から選択され、そしてRx
1、Rx
2、Rx
3、Rx
4及びRx
5は、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)からなる群から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数であり、及びRt
3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される、
請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化22】
【請求項83】
前記チオール誘導体が構造(H1-B)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)からなる群から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数であり、Rc
2はH及びC1~C8アルキルから選択され、Rc
1はH及びC1~C8アルキルから選択される、請求項64~77及び80~82のいずれか一つに記載の組成物。
【化23】
【請求項84】
前記チオール誘導体が構造(H1-C)を有し、ここでRc
2は、H及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77及び80~82のいずれか一つに記載の組成物。
【化24】
【請求項85】
前記チオール誘導体が構造(H1-D)を有し、ここでRc
1はH及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77及び80~82のいずれか一つに記載の組成物。
【化25】
【請求項86】
前記チオール誘導体が構造(H1-E)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化26】
【請求項87】
前記チオール誘導体が構造(H1-EA)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化27】
【請求項88】
前記チオール誘導体が構造(H1-EB)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化28】
【請求項89】
前記チオール誘導体が構造(H1-EC)または構造(H1-ED)を有する、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化29】
【請求項90】
前記チオール誘導体が構造(H1-EC)を有する、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化30】
【請求項91】
前記チオール誘導体が構造(H1-ED)を有する、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化31】
【請求項92】
前記チオール誘導体が構造(H1-EE)を有する、請求項64~77及び80~81のいずれか一つに記載の組成物。
【化32】
【請求項93】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、但し、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択される、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項94】
前記Areneが置換されたまたは置換されていない多環式アレーンである、請求項93に記載の組成物。
【請求項95】
前記Areneがナフタレン、アントラセン及びピレンから選択される、請求項93に記載の組成物。
【請求項96】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、及び前記Areneが置換されたまたは置換されていないフェニルである、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項97】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有し、及び前記Areneが置換されていないフェニルである、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項98】
前記チオール誘導体が構造(H4-A)を有し、ここでR
H4a、R
H4b、R
H4c、R
H4d、R
H4eは、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化33】
【請求項99】
前記チオール誘導体が構造(H4-B)を有し、ここでR
H4は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化34】
【請求項100】
前記チオール誘導体が構造(H4-C)を有し、ここでR
4Hは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化35】
【請求項101】
前記チオール誘導体が構造(H4-D)を有し、ここでRx
1は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化36】
【請求項102】
前記チオール誘導体が構造(H4-E)を有する、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化37】
【請求項103】
前記チオール誘導体が構造(H4-F)を有する、請求項64~77のいずれか一つに記載の組成物。
【化38】
【請求項104】
前記有機系スピンキャスト溶剤成分が、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3-メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-メトキシプロパノエート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、ジアセトンアルコール、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロパノエート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロパノエート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ガンマ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一つ以上を含む、請求項64~103のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項105】
前記有機系スピンキャスト溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びこれらの混合物から選択される、請求項64~104のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項106】
金属基材をパターン化して、異方的にエッチングされた金属基材を生成する方法であって、次のステップ:
ia)半導体を覆っている金属基材を、トリもしくはジカルボン酸の1~5重量%水溶液で洗浄し、次いで蒸留水ですすいで、洗浄された金属基材を得るステップ、
iia)前記の洗浄された金属基材をスピン乾燥するステップ、
iiia)請求項64~104のいずれか一つに記載の組成物を、前記の洗浄及び乾燥された金属基材上に施用して、処理された金属基材を得るステップ、
iva)前記の処理された金属基材を、90℃と120℃との間の温度でベークして溶剤を除去し、次いで、有機系スピンキャスト溶剤ですすぐステップ、
va)UV照射後に塩基水溶液で現像可能なフォトレジストを、前記の処理及び乾燥した金属基材に施用して、フォトレジストコーティングを形成するステップ、
via)前記フォトレジストコーティングを90℃と120℃との間の温度でベークして溶剤を除去するステップ、
viia)フォトレジストをUV放射線でパターン化し、その後に水性塩基現像剤で現像して、前記金属基材を覆っているパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを得るステップ、
viiia)前記パターン化されたフォトレジストをエッチングバリアとして用いて、湿式酸性化学エッチング剤で処理して、パターン化されたフォトレジストエッチングバリアで覆われた、異方的にエッチングされた金属パターンを生成するステップ、
viva)上面を覆うパターン化フォトレジストエッチングバリアを剥離剤で除去して、異方的にエッチングされた金属基材を生成するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項107】
前記金属基材が、半導体基材を覆う金属基材であり、及び更に、ステップviva)が、半導体基材を覆う異方的にエッチングされた金属基材をもたらす、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
パターン化金属基材を生成するために金属基材の異方性湿式化学エッチングにおいてエッチングマスクとして使用されるパターン化フォトレジストを形成するための、金属基材上での請求項1~61または64~105のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される発明は、チオール誘導体を含むフォトレジスト組成物及びスピンキャスト溶剤組成物、及び湿式化学エッチングによる金属構造体製造を改善するためのこれらを使用するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト組成物は、コンピュータチップ、集積回路、発光ダイオード(LED)デバイス及びディスプレーの製造など、微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィプロセスに使用されている。これらのプロセスでは、一般的に、先ずフォトレジスト組成物の膜を、集積回路の製造に使用されるケイ素ウェハなどの基材に施す。次いで、コーティングされた基材をベークして、フォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させ、基材上にコーティングを定着させる。基材のコーティング及びベークされた表面は次に画像形成用放射線による像様暴露に付される。
【0003】
この放射線暴露は、コーティングされた表面の暴露された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、現在マイクロリソグラフィプロセスにおいて常用されている画像形成用の放射線種である。この像様暴露の後、コーティングされた基材を現像剤溶液で処理して、基材のコーティングされた表面の放射線暴露された領域または未暴露の領域のいずれかを溶解、除去する。
【0004】
塩基水溶液中で現像可能なフォトレジスト組成物には、ネガ作動型とポジ作動型の二つのタイプのものがある。更に、これらの二つのタイプのフォトレジスト組成物は、これらのフォトレジストの画像形性を可能にする異なる溶解特性を生み出す光化学的事象の量子収率が、触媒的鎖長によって増幅され、その結果、これらの化学増幅されたフォトレジストの放射線に対する感度が、化学増幅されていないものと比べて高くなる化学増幅型フォトレジストであってよく、他方、このような化学増幅されていないフォトレジストでは、これらのフォトレジストの画像形性を可能にする異なる溶解特性を生み出す光化学的事象がフォトレジスト内の感光性部分の量子収率によってのみ予測され、照射時の変換が触媒的事象によって増幅されない。
【0005】
ポジ作動性フォトレジスト組成物を放射線に像様暴露すると、放射線に暴露された領域のレジスト組成物が、現像剤溶液に対してより溶けやすくなる。このタイプの化学増幅型フォトレジストでは、その可溶性は、通常は光発生した酸の作用による、塩基可溶化基の触媒的放出によって達成され;これは、非化学増幅型フォトレジストとは対照的であり、というのも、後者では、塩基可溶性は通常はDNQ-PACなどの溶解防止剤の光分解によって達成され、このDNQ-PACの光分解の量子収率は触媒的事象によって増幅されるものではなく、それ故、化学増幅型ではないからである。両方のケースにおいて、フォトレジストコーティングの未暴露の領域は、塩基水溶液に対して比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ作動型レジストを現像剤で処理すると、露光された領域のフォトレジストコーティングが除去されてコーティングにポジ型の画像が形成され、それによって、元はフォトレジスト組成物が堆積していた下にある基材の表面の所望の部分が裸出される。
【0006】
ネガ作動性フォトレジスト組成物を放射線に像様暴露すると、放射線に暴露された領域のレジスト組成物が、現像剤溶液に対して不溶性になり、他方で、未暴露の領域は、塩基水溶液中への可溶性を維持する。このタイプの化学増幅型フォトレジストでは、その不溶性は、架橋剤または樹脂自体と相互作用して暴露された領域を不溶性にすることができる、カルボカチオンなどの反応性部分の触媒放出によって達成される。これとは対照的に、非化学増幅型フォトレジストでは、塩基不溶性は、通常は、架橋剤、通常はアクリレート系添加剤と相互作用して、暴露された領域の架橋を誘発し、そうしてそれを塩基水溶液中に不溶性にするラジカルの光発生によって達成される。両方のケースにおいて、フォトレジストコーティングの未暴露の領域は、このような溶液に対して可溶性のまま残る。それ故、暴露されたネガ作動型レジストを現像剤で処理すると、暴露されていない領域のフォトレジストコーティングが除去されてコーティングにネガ型の画像が形成され、それによって、元はフォトレジスト組成物が堆積していた下にある基材の表面の所望の部分が裸出される。
【0007】
厚手の膜のためのフォトレジストでは、樹脂は、水性塩基可溶性樹脂であるかまたはそれらの誘導体、通常は、カルボン酸もしくはフェノール系塩基可溶化基のいずれかを含むノボラック樹脂、様々なメタクリレート系繰り返し単位またはヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位を有する(メタ)アクリレート系コポリマー、またはこれらの異なるポリマーの混合物である。ポジ化学増幅型フォトレジストでは、これらの樹脂は、光酸発生剤(PAG)によって発生した光酸によって除去できる酸不安定性基を有するポリマーの一つ以上においてこれらの塩基可溶化樹脂のうちの少なくともどれかを有する。
【0008】
半導体アセンブリプロセスは、大量生産におけるウェハレベルパッケージング(WLP)の導入によって改善された。銅(Cu)再配線層(RDL)微細化は、小型で、薄くかつ軽量のチップの製造のためのキープロセスの一つである。ファインピッチ再配線層(RDL)は、半導体のための高密度ウェハレベルファンアウト(HDWLFO)パッケージングのマーケットトレンドである。
【0009】
湿式化学エッチングによる導体金属を構造化する減法的方策は、Alが主流の導体材料であった頃の初期のIC(集積回路)工業における主たる技術であった。ムーアの法則に従う微細化傾向により、新世代CD(限界寸法)ノードへと推し進められているために、特に湿式化学エッチングによる金属構造体の構成の減法的方策は、もはや工業的な要求を満たすことができなくなった。これは、主に、高い十分な忠実度を提供できない湿式化学エッチングの等方性の故である。基板工程(FEOL)配線形成では、プラズマ乾式エッチングなどの代替的な減法的技術、または物理蒸着(PVD)もしくは原子層堆積(ALD)のような付加的技術が普及し始め、配線工程(BEOL)では、AlからCuへの並びにCoもしくはRhなどの他の金属への導体材料シフトと共に、リフト-オフプロセスにおける電気メッキなどの付加的技術(1.NEGATIVE-ACTING CHEMICALLY AMPLIFIED PHOTORESIST COMPOSITION,EP1297386B1(特許文献1)、2.NEGATIVE RESIST FORMULATION FOR PRODUCING UNDERCUT PATTERN PROFILES,WO2018/197379Al(特許文献2))が使用され始めた。しかし、導体金属の構造化の付加的方策のスループットは、追加的なプロセスステップの故にまたはPVDなどの或る特定のステップの固有の低速度の故に損なわれる。また、上面を覆うパターン化されたフォトレジストパターンを使用した金属基材の湿式エッチングは、上面を覆うパターン化フォトレジストへの金属の接着不良が問題となり、その結果、再現性に劣りかつ湿式エッチング後に生じるパターン化金属の図形サイズを制限する下にある金属の等方性エッチングを招く。これは主に、高い十分な忠実度を提供できない湿式化学エッチングの等方性の故であるが、配線の構造化の付加的方策のスループットは、追加的なプロセスステップの故にまたはPVDなどの或る特定のステップの固有の低速度の故に損なわれる。しかし、金属湿式化学エッチングは、特に解像像に関する要求が比較的緩やかで、コスト上の利益がより重要であるような場合において、個別素子やMEMS(微小電気機械システム)などの多くの用途においてなおも好ましい技術として残っている。それ故、湿式エッチングが異方性となり、かつ良好な均一性を有するエッチングされた金属パターンを生成し、また比較的小さなエッチングされた金属図形を解像することもできるように、リソグラフィプロセッシングの間の金属基材の湿式エッチングを改善することができる組成物及び方法への要望がある。
【0010】
フォトレジストによる従来のリソグラフィパターン化に対して、マイクロコンタクト印刷でパターン化された超薄レジストとしての自己集合単層(SAM)を用いることによって、より小さな図形が報告されているが、湿式化学エッチングは、本質的に、それの等方的な性質の故に>3μmの図形にしか考慮することができない(“Microcontact Printing of Alkanethiols on Copper and Its Application in Microfabrication”,Y.Xia et al.,Chem.Mater.1996,8,601-603 1(非特許文献1))。加えて、典型的な刺激の強いエッチング用の化学品及び時間がかかるプロセスは、「マウスバイト」またはノッチング、フォトレジストクラックから、極端なケースではフォトレジストの剥離まで及ぶ望ましくない欠陥を招く虞がある。基材上でのレジストの接着不良が、再現性不良を引き起こし、また湿式エッチング後に生じるパターン化金属の図形サイズを制限するこれらの欠陥を招く根本的原因として一般的に考えられてきた。しかし、Siの場合に基材表面を下塗りするためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を用いた周知の接着促進による方策(“Wet etchants penetration through photoresist during wet patterning”,P.Garnier,et al.,Solid State Phenomena,2018,141-146(非特許文献2))とは異なり、金属基材の場合には類似の方策及び材料は存在しない(“Improved adhesion of novolac and epoxy based resists by cationic organic materials on critical substrates for high volume patterning applications” A.Voigt,et al.,Proc.SPIE 9051,Advances in Patterning Materials and Processes XXXI,2014,90511K(非特許文献3))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP1297386B1
【特許文献2】WO2018/197379Al
【特許文献3】US8,017,296
【特許文献4】US9,012,126
【特許文献5】US8,841,062
【特許文献6】WO2021/094350
【特許文献7】WO2020/048957
【特許文献8】WO2019/224248
【特許文献9】US20200183278
【特許文献10】WO2021/094423
【特許文献11】US6,852,465
【特許文献12】US6,576,394
【特許文献13】US8,906,594
【特許文献14】US20200393758
【特許文献15】US7,601,482
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】“Microcontact Printing of Alkanethiols on Copper and Its Application in Microfabrication”,Y.Xia et al.,Chem.Mater.1996,8,601-603 1
【非特許文献2】“Wet etchants penetration through photoresist during wet patterning”,P.Garnier,et al.,Solid State Phenomena,2018,141-146
【非特許文献3】“Improved adhesion of novolac and epoxy based resists by cationic organic materials on critical substrates for high volume patterning applications” A.Voigt,et al.,Proc.SPIE 9051,Advances in Patterning Materials and Processes XXXI,2014,90511K
【発明の概要】
【0013】
驚くべきことに、リソグラフィパターン化及び金属基材の加工の間の金属基材の湿式エッチング性能が、金属基材への改善されたフォトレジスト接着を得るために金属下塗り剤として様々なチオール誘導体を施用することよって改善でき、これが先に記載の典型的に欠陥に関連する問題を解消することが見出された。これらのチオール誘導体金属下塗り剤は、フォトレジストのコーティングの前に、このチオール誘導体下塗り剤と有機系スピンキャスト溶剤とを含む調合物として別個のコーティングとして施用できるか、またはその代わりに、化学増幅型または非化学増幅型双方のポジ型及びネガ型フォトレジストを始めたとした異なる様々なタイプのフォトレジスト中の添加剤として施用することができる。画像形成されたフォトレジストで覆われた金属基材の慣用の湿式エッチングの際にいずれかの方策を用いることで、金属上の画像形成されたフォトレジストパターンの改善された接着が、金属基材へのフォトレジストの接着不良によって引き起こされる金属の等方性エッチングの問題を回避する明確な画定及び大きな側壁角を有する異方的にエッチングされた金属基材をもたらす。
【0014】
本発明の一つの観点は、チオール誘導体であって、そのチオール部分が、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素に結合しているチオール誘導体を含み、このチオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約3重量%までの範囲で存在する、フォトレジスト組成物である:
前記構造(H1)において、Xtは、N(Rt3)、C(Rt1)(Rt2)、O、S、Se、及びTeからなる群から選択され;
前記構造(H2)において、Yは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;
前記構造(H3)において、Zは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;及び
前記構造(H4)において、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択され、Rt1、Rt2及びRt3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択され、Rt4は、独立して、H、OH、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される。
【0015】
【化1】
本発明の他の観点の一つは、パターン化金属基材を生成するための金属基材の異方性湿式化学エッチングにおいてエッチングマスクとして使用されるパターン化フォトレジストを形成するために、このフォトレジスト組成物を金属基材上に使用することである。
【0016】
本発明の更に別の観点の一つは、上記のチオール誘導体をスピンキャスト溶剤中に含む組成物、及び金属基材をこの溶液で処理し、この基材をフォトレジストに画像を形成するために使用し、そしてこの画像形成されたフォトレジストを、湿式化学エッチングに対してマスクとして使用して、金属基材の異方性エッチングをもたらしてパターン化金属基材を生成する方法である。
【0017】
添付の図面は、開示された発明の更なる理解をもたらし、そして本明細書中に取り入れられ、それの一部を構成するものであるが、これらは、開示された発明の態様を例示し、そして発明の詳細な説明と共に、開示された発明の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、フリーのPAC成分として使用し得る及び/またはアセタール含有連結基を介してフェノール系部分上でポリマー成分に結合したPAC部分を形成するように使用し得るDNQ PAC化合物の非限定的な例を示す。
【
図2】
図2は、スルホン酸類及び他の強酸を発生する光酸発生剤の非限定的な例を示す。
【
図3】
図3は、HClまたはHBrを発生する光酸発生剤の非限定的な例を示す。
【
図4】
図4は、二段階プロセスを用いた銅ウェハの湿式エッチング性能を示す断面SEM画像を示す。CuウェハがPMTで下塗りされた例1、2、未処理のCuウェハである参照例、及びウェハが脂肪族チオールで処理された比較例1。
【
図5】
図5は、二段階プロセスを用いた銅ウェハの湿式エッチング性能を示す断面SEM画像を示す。CuウェハがHPMTで下塗りされた例3、4、及び未処理のCuウェハである参照例。
【
図6】
図6は、例5、比較例2を用いた銅ウェハ、及びフォトレジストに何の添加剤も加えられていない参照用Cuウェハの湿式エッチング性能を比較した断面SEM画像を示す。
【
図7】フォトレジストへの添加剤としてPMTを様々な量で使用した例6、7及び8の断面SEM画像を示す。
【
図8】HPMTを様々な量で使用した例9及び10の断面SEM画像を示す。
【
図9】HPMTを様々な量で使用した例11、12及び13の断面SEM画像を示す。
【
図10】PMTまたはHPMTのいずれかをドープしたフォトレジストを、4.7ミクロンのCu層(トップ)またはより厚い9ミクロンのCu層(ボトム)上に使用した比較を示す、例14及び15の断面SEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明に関してそれを限定するものではないと理解するべきである。本願において、他に具体的に記載がなければ、単数形の使用は複数を包含し、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という記載、並びに「含まれる」などの他の動詞形の使用は限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの記載は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む要素及び成分、並びに1つ超の構成単位を含む要素または成分を包含する。他に指示が無ければ、ここで使用する「及び」という接続詞は両立的であることを意図しており、「または」という接続詞は排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0020】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献及び類似の資料の一つ以上における用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【0021】
他に指示がなければ、「アルキル」とは、線状、分岐状(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及び類似物)、または環状(例えばシクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似物)、多環式(例えばノルボルニル、アダマンチル及び類似物)であることができる炭化水素基を指す。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。「アルキル」という用語は、C1~C20炭素を有するこのような部分を指す。構造上の理由から、線状アルキルはC1から始まり、他方で、分岐状アルキル及び環状アルキルはC3から始まり、そして多環式アルキルはC5から始まると理解される。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシは、他に記載がなければ、同じ炭素数範囲を有すると理解される。上記とは異なるアルキル基の長さが規定される場合は、アルキルの前記の定義は、前記の全てのタイプのアルキル部分を包含する点でなおも有効であり、及び所与のタイプのアルキル基の最小炭素数に関しての前記の構造に関する考慮はなおも該当する。
【0022】
アルキルオキシ(別称はアルコキシ)は、オキシ(-O-)部分を介して結合したアルキル基を指す(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1,2-イソプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及び類似物)。これらのアルキルオキシ部分は、以下に記載のように置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0023】
ハロまたはハライドは、一つの結合手によって有機部分に結合するハロゲン、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0024】
ハロアルキルは、水素のうちの少なくとも一つが、F、Cl、Br、I、または1超のハロ部分が存在する場合にはこれらの混合物の群から選択されるハライドによって置き換えられている、上述したものなどの、線状、環状または分岐状の飽和アルキル基を指す。フルオロアルキルは、これらの部分の特定のサブグループである。
【0025】
フルオロアルキルは、水素が部分的にもしくは完全にフッ素に置き換えられた先に定義したような線状、環状または分岐状飽和アルキル基を指す(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシル及び類似物)。これらのフルオロアルキル部分は、完全にフッ素化されていない場合には、以下に記載のように置換されていても、置換されていなくともよい。
【0026】
フルオロアルキルオキシは、オキシ(-O-)部分を介して結合した先に定義したようなフルオロアルキル基を指し、これは完全にフッ素化されていても(別称では、パーフルオロ化)またはその代わりに部分的にフッ素化されていてもよい(例えば、トリフルオロメチルオキシ、パーフルオロエチルオキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、パーフルオロシクロヘキシルオキシ及び類似物)。これらのフルオロアルキル部分は、完全にフッ素化されていない場合には、以下に記載のように置換されていても、置換されていなくともよい。
【0027】
ここで、C1から始まる炭素原子数の可能な範囲を有するアルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル、フルオロアルキルオキシ部分、例えば非限定的な例として「C1~C20アルキル」または「C1~C20フルオロアルキル」に言及するときは、この範囲は、C1から始まる線状アルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル及びフルオロアルキルオキシを包含するが、分岐状アルキル、分岐状アルキルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、分岐状フルオロアルキル及び環状フルオロアルキルについてはC3以上のみを指定する。
【0028】
「アルキレン」という用語は、線状、分岐状または環状であることができ、二つ以上の結合点を有する炭化水素基を指す(二つの結合点を有するものでは、例えばメチレン、エチレン、1,2-イソプロピレン、1,4-シクロヘキシレン及び類似物、三つの結合点を有するものでは、例えば1,1,1-置換メタン、1,1,2-置換エタン、1,2,4-置換シクロヘキサン及び類似物が挙げられる)。この場合もまた、可能な炭素数範囲、例えば非限定的な例としてC1~C20を指定する時は、この範囲は、C1から始まる線状アルキレンを包含するが、分岐状アルキレンまたはシクロアルキレンについてはC3以上のみを指定する。これらのアルキレン部分は、以下のように、置換されていてもまたは置換されていなくともよい。
【0029】
ここで使用する固形成分という用語は、有機系スピンキャスト溶剤成分以外の成分を指す。それ故、全固形物の「重量%」は、全固形成分の合計に対する個々の固形成分の重量%を指す。
【0030】
「モノ及び“オリゴマー”アルキレンオキシアルキレン」という用語は、単純なアルキレンオキシアルキレン部分、例えばエチレンオキシエチレン(-CH2-CH2-O-CH2-CH2-)、プロピレンオキシプロピレン(-CH2-CH2-CH2-O-CH2-CH2-CH2-)及び類似物、並びにオリゴマー材料、例えばジ(エチレンオキシ)エチレン(-CH2-CH2-O-CH2-CH2-O-CH2-CH2-)、ジ(プロピレンオキシ)プロピレン(-CH2-CH2-CH2-O-CH2-CH2-CH2-O-CH2-CH2-CH2-)及び類似物の両方を包含する。
【0031】
「アリール」または「芳香族基」という用語は、6~24個の炭素原子を含むこのような基、例えばフェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル類、ビス-フェニル類、トリス-フェニル類、及び類似物を指す。これらのアリール基は、前記の適当な置換のうちの任意のもの、例えば前記のアルキル、アルコキシ、アシル、またはアリール基によって更に置換されていてよい。
【0032】
「ノボラック」(別称ではNovolac)という用語は、ここで使用する場合、構造の他の修飾がない場合には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの水性塩基中に可溶性のノボラック樹脂を指す。
【0033】
「PAG」という用語は、他に記載がなければ、ディープUVまたはUV照射、例えば200~300nm、i-線、h-線、g-線及び/またはブロードバンド照射下に、酸(別称では光酸)を発生することができる光酸発生剤を指す。前記の酸は、スルホン酸類、HCl、HBr、HAsF6、及び類似物であってよい。これは、非限定的な例として、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、HAsF6、HSbF6、HBF4、HPF6、CF3SO3H、HC(SO2CF3)2、HC(SO2CF3)3、HN(SO2CF3)2、HB(C6H5)4、HB(C6F5)4、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート酸、p-トルエンスルホン酸、HB(CF3)4、及び電子吸引基でペンタ置換されたシクロペンタジエン、例えばシクロペンタ-1,3-ジエン-1,2,3,4,5-ペンタカルボニトリルなどの強酸を光化学的に発生することができる、当技術分野で既知のオニウム塩及び他の感光性化合物を包含する。他の光酸発生剤としては、HBrまたはHClなどのハロゲン化水素を発生できる、トリハロメチル化合物や、トリハロメチル複素環式化合物の感光性誘導体などが挙げられる。
【0034】
チオール誘導体を含むフォトレジスト組成物、及び異方的にエッチングされた金属基材を生成するためにこれらを使用する方法
フォトレジスト組成物
この観点の一つでは、本発明は、チオール誘導体であって、そのチオール部分が、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素に結合しているチオール誘導体を含み、このチオール誘導体が、全固形物の約0.5重量%から約3重量%までの範囲で存在する、フォトレジスト組成物である:
前記構造(H1)において、Xtは、N(Rt3)、C(Rt1)(Rt2)、O、S、Se、及びTeからなる群から選択され;
前記構造(H2)において、Yは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;
前記構造(H3)において、Zは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;及び
前記構造(H4)において、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択され、Rt1、Rt2、及びRt3は、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から独立して選択され、
Rt4は、H、OH、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から独立して選択される。
【0035】
【化2】
本発明の一つの観点において、前記チオール誘導体は、前記の一般構造(H1)、(H2)もしくは(H3)またはこれらの互変異性体から選択されるヘテロ環状チオールであり、ここで、このようなヘテロ環状チオールは、限定はされないが、置換されていないまたは置換された形態の以下の化合物(H5)~(H23)から選択してよい:
【0036】
【化3】


前記の本発明の組成物が、前記の一般構造(H1)、(H2)もしくは(H3)またはこれらの互変異性体を有する少なくとも一種のヘテロ環状チオールを含む態様の他の観点の一つでは、このようなヘテロ環状チオールは、2-チオウラシルなどのチオウラシル誘導体から選択してよい。これらには、限定はされないが、5-メチル-2-チオウラシル、5,6-ジメチル-2-チオウラシル、6-エチル-5-メチル-2-チオウラシル、6-メチル-5-n-プロピル-2-チオウラシル、5-エチル-2-チオラシル、5-n-プロピル-2-チオウラシル、5-n-ブチル-2-チオウラシル、5-n-ヘキシル-2-チオウラシル、5-n-ブチル-6-エチル-2-チオウラシル、5-ヒドロキシ-2-チオウラシル、5,6-ジヒドロキシ-2-チオウラシル、5-ヒドロキシ-6-n-プロピル-2-チオウラシル、5-メトキシ-2-チオウラシル、5-n-ブトキシ-2-チオウラシル、5-メトキシ-6-n-プロピル-2-チオウラシル、5-ブロモ-2-チオウラシル、5-クロロ-2-チオウラシル、5-フルオロ-2-チオウラシル、5-アミノ-2-チオウラシル、5-アミノ-6-メチル-2-チオウラシル、5-アミノ-6-フェニル-2-チオウラシル、5,6-ジアミノ-2-チオウラシル、5-アリル-2-チオウラシル、5-アリル-3-エチル-2-チオウラシル、5-アリル-6-フェニル-2-チオウラシル、5-ベンジル-2-チオウラシル、5-ベンジル-6-メチル-2-チオウラシル、5-アセトアミド-2-チオウラシル、6-メチル-5-ニトロ-2-チオウラシル、6-アミノ-2-チオウラシル、6-アミノ-5-メチル-2-チオウラシル、6-アミノ-5-n-プロピル-2-チオウラシル、6-ブロモ-2-チオウラシル、6-クロロ-2-チオウラシル、6-フルオロ-2-チオウラシル、6-ブロモ-5-メチル-2-チオウラシル、6-ヒドロキシ-2-チオウラシル、6-アセトアミド-2-チオウラシル、6-n-オクチル-2-チオウラシル、6-ドデシル-2-チオウラシル、6-テトラドデシル-2-チオウラシル、6-ヘキサデシル-2-チオウラシル、6-(2-ヒドロキシエチル)-2-チオウラシル、6-(3-イソプロピルオクチル)-5-メチル-2-チオウラシル、6-(m-ニトロフェニル)-2-チオウラシル、6-(m-ニトロフェニル)-5-n-プロピル-2-チオウラシル、6-α-ナフチル-2-チオウラシル、6-α-ナフチル-5-tert-ブチル-2-チオウラシル、6-(p-クロロフェニル)-2-チオウラシル、6-(p-クロロフェニル)-2-エチル-2-チオウラシル、5-エチル-6-エイコシル-2-チオウラシル、6-アセトアミド-5-エチル-2-チオウラシル、6-エイコシル-5-アリル-2-チオウラシル、5-アミノ-6-フェニル-2-チオウラシル、5-アミノ-6-(p-クロロフェニル)-2-チオウラシル、5-メトキシ-6-フェニル-2-チオウラシル、5-エチル-6-(3,3-ジメチルオクチル)-2-チオウラシル、6-(2-ブロモエチル)-2-チオウラシル、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオール、4-(5-メルカプト-1H-テトラゾール-1-イル)フェノール、これらの互変異性体及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0037】
前記の本発明の組成物が、前記一般構造(H1)、(H2)または(H3)またはこれらの互変異性体から選択される少なくとも一種のヘテロ環状チオールを含む他の態様の一つでは、このようなヘテロ環状チオールは、置換されていないトリアゾールチオール、置換されたトリアゾールチオール、置換されていないイミダゾールチオール、置換されたイミダゾールチオール、置換されたトリアジンチオール、置換されていないトリアジンチオール、置換されたメルカプトピリミジン、置換されていないメルカプトピリミジン、置換されたチアジアゾールチオール、置換されていないチアジアゾールチオール、置換されたインダゾールチオール、置換されていないインダゾールチオール、これらの互変異性体及びこれらの組み合わせからなる群から選択してよい。
【0038】
ここに記載のフォトレジスト組成物では、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)の前記チオール誘導体は、全固形物の約0.6重量%から約3重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール化合物は、全固形物の約0.7重量%から約3重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール化合物は、全固形物の約0.8重量%から約3重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール化合物は、全固形物の約0.9重量%から約3重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール化合物は、全固形物の約1重量%から約3重量%までの含有率で存在する。
【0039】
ここに記載のこのフォトレジスト組成物の他の観点の一つでは、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)の前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約2.5重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約2.0重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1.5重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1.4重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1.3重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1.2重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1.1重量%までの含有率で存在する。この態様の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は、全固形物の約0.5重量%から約1重量%までの含有率で存在する。
【0040】
ここに記載のこのフォトレジスト組成物の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は構造(H2)を有する。
【0041】
ここに記載のこのフォトレジスト組成物の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は構造(H3)を有する。
【0042】
ここに記載のこのフォトレジスト組成物の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は構造(H1)を有する。
【0043】
ここに記載のこのフォトレジスト組成物の他の観点の一つでは、前記チオール誘導体は構造(H1)を有し、XtはN(Rt3)である。
【0044】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-A)を有し、ここでX1はNであり、X2及びX3は、個別に、N及びC(Rt3)からなる群から選択され、そしてRx1、Rx2、Rx3、Rx4及びRx5は、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)pa-アルキル)からなる群から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数であり、及びC(Rt3)において、Rt3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される。
【0045】
【化4】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-B)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)からなる群から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。Rc
2はH及びC1~C8アルキルから選択され、Rc
1はH及びC1~C8アルキルから選択される。
【0046】
【化5】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-C)を有し、ここでRc
2は、H及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0047】
【化6】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-D)を有し、ここでRc
1はH及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0048】
【化7】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-E)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0049】
【化8】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-EA)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0050】
【化9】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-EB)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0051】
【化10】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-EC)または構造(H1-ED)を有する。この態様の一つの観点では、これは構造(H1-EC)を有する。この態様の一つの観点では、これは構造(H1-ED)を有する。
【0052】
【化11】
前記チオール誘導体が構造(H1)を有し及びXtがN(Rt
3)であるここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは構造(H1-EE)を有する。
【0053】
【化12】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択される。この態様の一つの観点では、前記Areneは、置換されたまたは置換されていない多環式アレーンである。この態様の他の観点の一つでは、前記Areneは、ナフタレン、アントラセン及びピレンから選択される。この態様の更に別の観点の一つでは、前記Areneは、置換されたまたは置換されていないフェニルである。この態様の一つの観点では、前記Areneはフェニルである。
【0054】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-A)を有し、ここでRH4a、RH4b、RH4c、RH4d、RH4eは、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0055】
【化13】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-B)を有し、ここでR
H4は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0056】
【化14】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-C)を有し、ここでR
4Hは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0057】
【化15】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-D)を有し、ここでRx
1は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)から選択され、ここでpaは2から4までの範囲の整数である。
【0058】
【化16】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-E)を有する。
【0059】
【化17】
前記チオール誘導体が構造(H4)を有するここに記載のこのフォトレジスト組成物の一つの観点では、これはより具体的には構造(H4-F)を有する。
【0060】
【化18】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ非化学増幅型フォトレジストである。
【0061】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0062】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
光退色性染料、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0063】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
2000ppmから14,000ppmまでの界面活性剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0064】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中の溶液である、(メタ)アクリル酸から誘導される繰り返し単位を含む少なくとも一種のメタ(アクリレート)コポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0065】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物である。
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物であって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含み、更に、
ノボラック樹脂は含まない、フォトレジスト組成物である。
【0066】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物であって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジスト組成物である。
【0067】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物であって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
少なくとも一種のDNQ PAC成分、
少なくとも一種のノボラック樹脂、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジスト組成物である。
【0068】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物であって、
少なくとも一種の光酸発生剤、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
光退色性染料、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジスト組成物である。
【0069】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジスト組成物であって、
一つ以上の(メタ)アクリレート繰り返し単位を含み、更に少なくとも一つの酸解裂性基を有する一つ以上の繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種の光酸発生剤(PAG)、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジスト組成物である。
【0070】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位であって、そのカルボン酸が酸不安定性基で官能化された(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、PAGからの光発生酸によって前記酸不安定性基が開裂された時に約0.26NのTMAH中に可溶性になる、少なくとも一種の(メタ)アクリレートコポリマー、
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0071】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、前記フォトレジスト組成物は、塩基水溶液中で現像可能な、ポジ化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位であって、そのカルボン酸が酸不安定性基で官能化された(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、PAGからの光発生酸によって前記酸不安定性基が開裂された時に0.26NのTMAH中に可溶性になる、少なくとも一種の(メタ)アクリレートコポリマー、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のPAG、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0072】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジストであって、
(i)ノボラックポリマー、(ii)置換されたもしくは置換されていないヒドロキシスチレンと、アクリレート、メタクリレート、またはアクリレートとメタクリレートとの混合物とを含むポリマー(前記アクリレート及び/またはメタクリレートは、脱ブロック化に高い活性化エネルギーを必要とする酸不安定性基で保護されている)と、(iii)ビニルエーテル及び置換されていないかもしくは置換された不飽和ヘテロ脂環式類から選択された化合物との間で、酸触媒の不在下に形成された反応生成物を含む成分;
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0073】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なポジ化学増幅型フォトレジストであって、
(i)ノボラックポリマー、(ii)置換されたもしくは置換されていないヒドロキシスチレンと、アクリレート、メタクリレート、またはアクリレートとメタクリレートとの混合物とを含むポリマー(前記アクリレート及び/またはメタクリレートは、脱ブロック化に高い活性化エネルギーを必要とする酸不安定性基で保護されている)と、(iii)ビニルエーテル及び置換されていないかもしくは置換された不飽和ヘテロ脂環式類から選択された化合物との間で、酸触媒の不在下に形成された反応生成物を含む成分;
4-ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位、アセタール保護4-ヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位、及び高エネルギー保護基で保護された(メタ)アクリル酸から誘導される繰り返し単位を含む、少なくとも一種のポリマー、
少なくとも一種のPAG、
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0074】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ非化学増幅型フォトレジストである。
【0075】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ非化学増幅型フォトレジストであって、
構造(INR)の少なくとも一つの単位を含む、少なくとも一種のアルカリ可溶性ポリマー、
【0076】
【化19】
(式中、R’は、独立して、水素、(C
1-C
4)アルキル、塩素及び臭素から選択され、そしてmは1から4までの整数である)
構造(IINR)の少なくとも一種のモノマー、
【0077】
【化20】
(式中、Wは、多価連結基であり、R
1~R
6は、独立して、水素、ヒドロキシ、(C
1-C
20)アルキル及び塩素から選択され、X
1及びX
2は、独立して、酸素またはN-R
7であり、ここでR
7は水素または(C
1-C
20)アルキルであり、そしてnは1に等しいかまたは1超の整数である)
少なくとも一種のラジカル光開始剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0078】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ非化学増幅型フォトレジストであって、
約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のノボラックタイプ樹脂、
少なくとも一種のラジカル光開始剤、
少なくとも一種の(メタ)アクリレート系架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0079】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ非化学増幅型(メタ)アクリレート系フォトレジストであって、
(メタ)アクリル酸誘導繰り返し単位、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも一つから誘導される繰り返し単位を含み、約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種の(メタ)アクリレートポリマー、
少なくとも一種のラジカル光開始剤、
少なくとも一種の(メタ)アクリレート系架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0080】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ化学増幅型フォトレジストである。
【0081】
このフォトレジスト組成物の一つの観点では、これは、塩基水溶液中で現像可能なネガ化学増幅型フォトレジストであって、
ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレンコポリマー、及びこれらの混合物から選択される環結合ヒドロキシル基を有する少なくとも一種のフェノール系膜形成ポリマー型バインダー樹脂であって、約0.26NのTMAH中に可溶性の少なくとも一種のフェノール系膜形成ポリマー型バインダー樹脂、
少なくとも一種のPAG、
PAGによって光発生された酸に暴露された時にカルボニウムイオンを形成し、かつエーテル化されたアミノプラストポリマーまたはオリゴマーを含む、架橋剤、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む、フォトレジストである。
【0082】
異方的にエッチングされた金属基材を生成するために、チオール誘導体を含むフォトレジスト組成物を使用する方法
本発明の他の観点の一つは、金属基材をパターン化して、異方的にエッチングされた金属基材を生成する方法であって、
i)半導体を覆う金属基材を、トリもしくはジカルボン酸の1~5重量%水溶液で洗浄し、その後、蒸留水ですすいで、洗浄された金属基材を得るステップ、
ii)前記の洗浄された金属基材をスピン乾燥するステップ、
iii)前記の洗浄及び乾燥された金属基材上に、本発明の組成物を施用して、フォトレジストコーティングを得るステップ、
iv)90℃と120℃との間の温度でフォトレジストコーティングをベークして、溶剤を除去するステップ、
v)UV放射線を用いてフォトレジストをパターン化し、その後、水性塩基現像剤で現像して、金属基材を覆うパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを得るステップ、
vi)前記パターン化されたフォトレジストをエッチングバリアとして用いて湿式酸性化学エッチング剤で処理して、パターン化されたフォトレジストエッチングバリアで覆われた異方的にエッチングされた金属パターンを生成するステップ、
vii)上面を覆うパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを剥離剤で除去して、異方的にエッチングされた金属基材を生成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0083】
金属基材をパターン化して、異方的にエッチングされた金属基材を生成する方法の他の観点の一つでは、金属基材は、半導体基材を覆う金属基材であり、及びステップvii)は、半導体基材を覆う異方的にエッチングされた金属基材を生成する。
【0084】
この方法の他の観点の一つでは、前記金属基材は、銅基材、アルミニウム基材、アルミニウム合金基材、銀、金、ニッケル及びタングステンから選択される。この態様の他の観点の一つでは、金属基材は銅基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はアルミニウムである。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はアルミニウム合金である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材は銀基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材は金基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はニッケル基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はタングステン基材である。
フォトレジスト調合物に適した他の成分についての詳細
【0085】
ノボラック成分
ノボラック樹脂を含むここに記載の非化学増幅型及び化学増幅型フォトレジスト調合物では、この成分は、0.26N TMAHなどの水性現像剤中に23℃で可溶性のノボラック樹脂である。このノボラック樹脂は、構造(N)の繰り返し単位を含んでよく、ここでRa1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、(i)水素、(ii)置換されていないC1~C4アルキル、(iii)置換されたC1~C4アルキル、(iv)置換されていない-X-フェノール基(ここでXは、-O-、-C(CH3)2-、-CH2-、-(C=O)-または-SO2-である)、または(v)置換された-X-フェノール基(ここでXは、-O-、-C(CH3)2-、-CH2-、-C(=O)-または-SO2-である)である。この態様の他の観点の一つでは、Ra1及びRa2はそれぞれ水素であり、そしてRa3は、置換されていないC1~C4アルキルである。この態様の更に別の観点の一つでは、Ra1及びRa2はそれぞれ水素であり、そしてRa3は-CH3である。この態様のなお更に別の観点の一つでは、繰り返し単位(N)は構造(NA)を有する。この態様の他の観点の一つでは、ノボラックベースの樹脂成分は、構造(NB)の繰り返し単位の一つ以上を更に含み、ここで(i)Ra1、Ra2及びRa3は、各々独立して、水素、置換されていないC1~C4アルキル、または置換されたC1~C4アルキルであり、(ii)Xは、-O-、-C(CH3)2-、-CH2-、-C(=O)-、または-SO2-であり、そして(iii)各Ra4は、独立して、水素、置換されていないC1~C4アルキルまたは置換されたC1~C4アルキルであり、この態様の具体的な観点の一つでは、構造(NB)はより具体的な構造(NC)を有する。
【0086】
【0087】
DNQ PAC成分
DNQ PAC成分が存在するここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、これは、1,2-ジアゾナフトキノン-5-スルホネート化合物または1,2-ジアゾナフトキノン-4-スルホネート化合物から誘導し得る。
図1は、これらのタイプのDNQ PACの非限定的な例を示し、これらはフリーのPAC成分として使用し得;この図において、部分DはHであるかまたは構造(DNQa)及び構造(DNQb)から選択される部分であり、ここで
図1に示される各化合物において、少なくとも一つのDは、構造(DNQa)または(DNQb)の部分である。
【0088】
【化22】
ここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このDNQ PAC成分は、構造(DNQc)を有する単一のDNQ PAC化合物であるかまたは複数種のDNQ PAC化合物の混合物のいずれかであり、ここでD
1c、D
2c、D
3c及びD
4cは、個別に、Hまたは構造(DNQa)を有する部分から選択され、更に、D
1c、D
2c、D
3cまたはD
4cのうちの少なくとも一つは構造(DNQa)を有する部分である。
【0089】
【化23】
DNQ PAC成分を含むここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このDNQ PAC成分は、構造(DNQc)を有する単一のDNQ PAC化合物であるかまたは複数種のPAC化合物の混合物のいずれかであり、ここでD
1c、D
2c、D
3c及びD
4cは、個別に、Hまたは構造(DNQb)を有する部分から選択され、及び更に、D
1c、D
2c、D
3cまたはD
4cのうちの少なくとも一つは、構造(DNQb)を有する部分である。
【0090】
【化24】
フリーのPAC成分を含むここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このPAC成分は、構造(DNQd)を有する単一のPAC化合物であるかまたは複数種のPAC化合物の混合物のいずれかであり、ここでD
1d、D
2d、D
3d及びD
4dは、個別に、Hまたは構造(DNQa)を有する部分から選択され、及び更に、D
1d、D
2d、D
3dまたはD
4dのうちの少なくとも一つは、構造(DNQa)を有する部分である。
【0091】
【化25】
DNQ PAC成分を含むここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このDNQ PAC成分は、構造(DNQd)を有する単一のDNQ PAC化合物であるかまたは複数種のPAC化合物の混合物であり、ここでD
1d、D
2d、D
3d及びD
4dは、個別に、Hまたは構造(DNQb)を有する部分から選択され、及び更に、D
1d、D
2d、D
3dまたはD
4dのうちの少なくとも一つは、構造(DNQb)を有する部分である。
【0092】
【化26】
DNQ PAC成分を含むここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このDNQ PAC成分は、構造(DNQe)を有する単一のDNQ PAC化合物であるかまたは複数種のPAC化合物の混合物のいずれかであり、ここでD
1e、D
2e、及びD
3eは、個別に、Hまたは構造(DNQa)を有する部分から選択され、及び更に、D
1e、D
2eまたはD
3eのうちの少なくとも一つは、構造(DNQa)を有する部分である。
【0093】
【化27】
フリーのPAC成分を含むここに記載のフォトレジスト組成物の他の態様では、このPAC成分は、構造(DNQe)を有する単一のPAC化合物であるかまたは複数種のPAC化合物の混合物のいずれかであり、ここでD
1e、D
2e、及びD
3cは、個別に、Hまたは構造(DNQb)を有する部分から選択され、及び更に、D
1e、D
2eまたはD
3eのうちの少なくとも一つは、構造(DNQb)を有する部分である。
【0094】
【0095】
光酸発生剤(PAG)成分
PAG成分を含むここに記載の化学増幅型フォトレジスト調合物では、この成分は、UV放射線(例えばブロードバンド、i-線、g-線、248nm、193nm、及びEUV)などの放射線に感度を示す材料であり、これは、この放射線に暴露されると酸(別称では光酸)を放出し、この酸は、tert-アルキルエステルまたはアセタールなどの酸不安定性基を開裂し、それにより、ポジ化学増幅型フォトレジストでは、使用した樹脂中に塩基可溶化基を放出して、これらの暴露された領域を塩基可溶性に変え、そうしてポジ画像を生成するか、またはその代わりに、ネガ化学増幅型フォトレジストでは、基を開裂しカルボカチオンを発生させ、これが、フォトレジスト樹脂と反応して塩基可溶性樹脂を架橋し、それを暴露された領域において不溶性に変え、そうしてネガ画像を生成することができる。この光酸は、スルホン酸類、HCl、HBr、HAsF6、及び類似物であってよい。これは、非限定的な例として、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、HAsF6、HSbF6、HBF4、HPF6、CF3SO3H、HC(SO2CF3)2、HC(SO2CF3)3、HN(SO2CF3)2、HB(C6H5)4、HB(C6F5)4、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレート酸、p-トルエンスルホン酸、HB(CF3)4、及び電子吸引基でペンタ置換されたシクロペンタジエン、例えばシクロペンタ-1,3-ジエン-1,2,3,4,5-ペンタカルボニトリルなどの強酸を光化学的に発生することができる、当技術分野で既知のオニウム塩及び他の感光性化合物を包含する。他の光酸発生剤としては、HBrまたはHClなどのハロゲン化水素を発生させることができる、トリハロメチル化合物や、トリハロメチルヘテロ環状化合物の感光性誘導体などが挙げられる。前記PAGは、有機スルホン酸の芳香族イミドN-オキシスルホネート誘導体、有機スルホン酸の芳香族スルホニウム塩、トリハロトリアジン誘導体、またはこれらの混合物であってよい。
【0096】
図2は、スルホン酸及び他の強酸を発生する光酸発生剤の非限定的な例を示す。
【0097】
図3は、HClまたはHBrのいずれかを発生する光酸発生剤の非限定的な例を示す。
【0098】
この態様の一つの観点では、これは構造(P)を有し、ここで、R1pはフルオロアルキル部分であり、そしてR2pはH、アルキル、オキシアルキル、チオアルキル、またはアリール部分である。代替的に、このPAGは構造(PA)を有してよく、ここでR3pはフルオロアルキル、アルキルまたはアリール部分であり、そしてR4pはH、アルキル、オキシアルキル、チオアルキル、またはアリール部分である。ここに記載の本発明の組成物の他の観点の一つは、成分d)である光酸発生剤(PAG)成分が、1,3-ジオキソ-1H-ベンゾ[de]イソキノリン-2(3H)-イルトリフルオロメタンスルホネート(NIT PAG)を含む場合である。
【0099】
ここに記載のこのPAG成分は、固形物の全重量%の約0.1重量%から約2重量%までの範囲であることができる。
【0100】
【0101】
塩基添加剤成分
PAGを含むここに記載の化学増幅型フォトレジスト調合物では、添加し得る任意選択の成分は、光酸の結果生じるフォトレジストの暴露領域における酸の拡散を緩和するための塩基成分である。この塩基成分は、光酸を中和するのに十分な塩基性を有する任意の塩基成分であってよい。ここに記載の本発明の組成物の他の観点の一つは、成分e)の塩基添加剤であり、ここでこの塩基添加剤には、限定はされないが、大気圧で100℃超の沸点及び少なくとも1のpKaを有するアミン化合物または複数種のアミン化合物の混合物などの、塩基性材料または複数種の材料の組み合わせなどが挙げられ得る。このような酸クエンチャとしては、限定はされないが、構造(BIa)、(BIb)、(BIc)、(BId)、(BIe)、(BIf),(BIg)、(BIh)、(BIi)、(BIj)、(BIk)及び(BIl)を有するアミン化合物またはこの群からの複数種の化合物の混合物などが挙げられ、ここで、Rb1はC1~C20飽和アルキル鎖またはC2~C20不飽和アルキル鎖であり;Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb6、Rb7、Rb8、Rb9、Rb10、Rb11、Rb12及びRb13は、独立して、H及びC1~C20アルキルの群から選択される。
【0102】
【化30】
この塩基添加剤成分は、限定はされないが、ジカルボン酸のテトラアルキルアンモニウムもしくはトリアルキルアンモニウム塩またはこれらの混合物である、塩基性材料または複数種の材料の組み合わせから選択することができる。具体的な非限定的な例は、ジカルボン酸のモノ(テトラアルキルアンモニウム)、ジカルボン酸のジ(テトラアルキルアンモニウム)塩、ジカルボン酸のモノ(トリアルキルアンモニウム)、またはジカルボン酸のジ(トリアルキルアンモニウム)塩である。これらの塩のための適当なジカルボン酸の非限定的な例は、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、フタル酸、及び類似物である。構造(BIma)、(BImb)、(BImc)または(BImd)は、このような材料の一般的な構造式を与えるものであり、式中、Rqa、Rqb及びRqcは、独立して、C4~C8アルキル基であり、Rqeは原子価結合、アリーレン部分、C1~C4アルキレン部分、アルケニル部分(-C(Rqf)=C(Rqg)-(Rqf及びRqgは独立してHまたはC1~C4アルキルである)である。構造(BIme)は、このような材料の具体例を与える。
【0103】
【化31】
この塩基添加剤成分は、存在する場合には、全固形物の約0.0001重量%から約0.020重量%までの範囲である。
【0104】
ポジ化学増幅型フォトレジスト用の、酸開裂性基を有するアクリル系樹脂
ここに記載のアクリレート樹脂を含むポジ化学増幅型フォトレジストのためには、適した樹脂は、光酸によって開裂された時に樹脂を水性塩基現像剤中に可溶性にする酸開裂性基を含むものであり、非限定的な例としては、US8,017,296(特許文献3)、US9,012,126(特許文献4)、US8,841,062(特許文献5)、WO2021/094350(特許文献6)、WO2020/048957(特許文献7)に記載のものなどが挙げられる。
【0105】
ポジ化学増幅型フォトレジスト用の、酸開裂性基を有するヒドロキシスチレン樹脂
ヒドロキシスチレン樹脂を含む、ここに記載のポジ化学増幅型フォトレジストのためには、このタイプの適した樹脂は、光酸によって開裂された時に、この樹脂を水性塩基現像剤中に可溶性にする酸開裂性基を有するものであり、例えば、非限定的な例としては、WO2019/224248(特許文献8)、US20200183278(特許文献9)に記載のものなどが挙げられる。
ポジ非化学増幅型フォトレジスト用のアクリル系樹脂
ここに記載のポジ非化学増幅型フォトレジストのためには、適当な樹脂は、水性塩基現像剤中に可溶性のアクリレート樹脂であり、例えば非限定的な例としてWO2021/094423(特許文献10)に記載のものである。
【0106】
ポジ非化学増幅型フォトレジストに使用するための塩基水溶液中に可溶性のフェノール系樹脂
ノボラックや、ヒドロキシスチレンから誘導される樹脂などのフェノール系樹脂を含む、ここに記載のポジ非化学増幅型フォトレジストのためには、適当なノボラック樹脂は、ここでもまた、非限定的な例として、US6,852,465(特許文献11)及びWO2021/094423(特許文献10)に記載のものである。
【0107】
ネガ化学増幅型フォトレジスト用のアクリレート系樹脂
ここに記載の、アクリレート系樹脂を含むネガ化学増幅型フォトレジストのためには、適した樹脂は、非限定的な例としてUS6,576,394(特許文献12)に記載のものなどの、水性塩基現像剤中に可溶性のアクリル系樹脂である。
【0108】
ネガ非化学増幅型フォトレジスト用のアクリレート系樹脂
ここに記載の、アクリレート系樹脂を含むネガ非化学増幅型フォトレジストのためには、適した樹脂は、非限定的な例としてUS8,906,594(特許文献13)またはUS20200393758(特許文献14)に記載のものなどの、水性塩基現像剤中に可溶性のアクリレート系樹脂である。
【0109】
ネガ非化学増幅型フォトレジスト用のヒドロキシスチレン樹脂
ここに記載の、ヒドロキシスチレン樹脂を含むネガ非化学増幅型フォトレジストのためには、適した樹脂は、非限定的な例として、水性塩基現像剤中に可溶性である、任意選択のアクリレート系繰り返し単位を含んでよいヒドロキシスチレン樹脂であり、例えば非限定的な例としてUS7,601,482(特許文献15)に記載のものなどである。
【0110】
有機系スピンキャスト溶剤
ここに記載の非化学増幅型及び化学増幅型フォトレジスト調合物では、有機系スピンキャスト溶剤成分は、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3-メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-メトキシプロパノエート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、ジアセトンアルコール、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロパノエート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロパノエート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ガンマ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテル及びガンマブチロラクトンのうちの一つ以上を含む。この態様の一つの観点では、前記有機系スピンキャスト溶剤はただ一種の溶剤である。この態様の他の観点の一つでは、前記有機系スピンキャスト溶剤は、二種以上の溶剤の混合物である。他の観点の一つでは、これは三種の溶剤の混合物であり、この態様の一つの観点では、溶剤は、PGMEA、3-メトキシブチルアセテート及びガンマ-ブチロラクトンの混合物である。この態様の他の観点の一つでは、該溶剤混合物は、PGMEAが約55重量%から約80重量%までの範囲であり、3-メトキシブチルアセテートが約5重量%から約20重量%までの範囲であり、及びガンマブチロラクトンが約1重量%から約2重量%までの範囲であり、ここで、これらの個々の成分の重量%の合計は100重量%に等しい、前記混合物である。
【0111】
任意選択成分
ここに記載のフォトレジスト調合物は、任意選択に、少なくとも一種の任意選択の表面レベリング剤、例えば一種以上の界面活性剤を更に含んでよい。この態様において、界面活性剤には特に制限はなく、そしてそれの例には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、及びポリオキシエチレンオレインエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、例えばポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ソルビタン脂肪酸エステル、例えばソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノバルミテート、及びソルビタンモノステアレート;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのノニオン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレンソルビタントリオレエート、及びポリオキシエチレンソルビタントリステアレート;フッ素化界面活性剤、例えばF-Top EF301、EF303及びEF352(ジェムコ社製)、Megafac F171、F172、F173、R08、R30、R90及びR94(大日本インキ化学工業社製)、Florad FC-430、FC-431、FC-4430及びFC-4432(住友3M社製)、Asahi Guard AG710、Surflon S-381、S-382、S-386、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106、Surfinol E1004、KH-10、KH-20、KH-30及びKH-40(旭硝子社製);有機シロキサンポリマー、例えばKP-341、X-70-092及びX-70-093(信越化学工業社製);及びアクリル酸もしくはメタクリル酸ポリマー、例えばPolyflow No.75及びNo.95(共栄社化学社製)などが挙げられる。一つの態様において界面活性剤が存在する場合は、これは、全固形物の約0.01重量%から約0.3重量%までの範囲である。
【0112】
チオール誘導体及び有機系スピンキャスト溶剤を含む組成物、及び異方性にエッチングされた金属基材を生成するためにこれらを使用する方法
チオール誘導体及び有機系スピンキャスト溶剤を含む組成物
本発明の他の観点の一つは、
チオール誘導体であって、チオール部分が、構造(H1)、(H2)、(H3)または(H4)を有する環の一部であるSP2炭素に結合しているチオール誘導体、及び
有機系スピンキャスト溶剤、
を含む組成物であって、前記チオール誘導体が、該組成物の約1重量%から約10重量%までを構成し、及び前記チオール誘導体が、全固形物の約98重量%から100重量%までを構成し、及び更に
前記構造(H1)において、Xtは、N(Rt3)、C(Rt1)(Rt2)、O、S、Se、及びTeからなる群から選択され;
前記構造(H2)において、Yは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;
前記構造(H3)において、Zは、C(Rt3)及びNからなる群から選択され;及び
前記構造(H4)において、Areneは、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分及び置換された多環式アレーン部分から選択され、Rt1、Rt2、及びRt3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択され、
Rt4は、独立して、H、OH、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される、
組成物である。
【0113】
【化32】
有機溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記組成物は、これらの二つの成分のみからなる。
【0114】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は、該組成物の約1.25重量%から約10重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約1.5重量%から約9.75重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約1.75重量%から約9.50重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約2重量%から約9.25重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約2.25重量%から約9重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約2.5重量%から約8.75重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約2.75重量%から約8.5重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約3重量%から約8.25重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約3.25重量%から約8重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約3.5重量%から約7.75重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約3.75重量%から約7.5重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約4重量%から約7.25重量%までの含有率で存在する。この態様の一つの観点では、これは、該組成物の約4.25重量%から約7重量%までの含有率で存在する。
【0115】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、チオール誘導体は、構造(H1)、(H2)または(H3)のいずれかを有するヘテロ環状チオール誘導体である。この態様では、これは、前記のフォトレジスト組成物に使用するのに適したものとして記載したヘテロ環状チオール誘導体のいずれか一つから選択し得る。例えば、構造(H5)~(H23)を有するヘテロ環状チオール材料、またはこれらの材料を含むフォトレジスト組成物に関するセクションにおいて、それらの化学名によって列挙したヘテロ環状チオール化合物のいずれか一つである。
【0116】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H2)を有する。
【0117】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H3)を有する。
【0118】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1)を有する。
【0119】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1)を有し、かつXtはN(Rt3)である。
【0120】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-A)を有し、ここで、X1はNであり、X2及びX3は、個別に、N及びC(Rt3)からなる群から選択され、そしてRx1、Rx2、Rx3、Rx4、及びRx5は、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)pa-アルキル)(ここで、paは2から4までの範囲の整数である)からなる群から選択され、そしてC(Rt3)中のRt3は、独立して、H、炭素原子数1~8の置換されたアルキル基、炭素原子数1~8の置換されていないアルキル基、炭素原子数2~8の置換されたアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルケニル基、炭素原子数2~8の置換されたアルキニル基、炭素原子数2~8の置換されていないアルキニル基、炭素原子数6~20の置換された芳香族基、炭素原子数3~20の置換されたヘテロ芳香族基、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、及び炭素原子数3~20の置換されていないヘテロ芳香族基からなる群から選択される。
【0121】
【化33】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-B)を有し、ここでRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)からなる群から選択され、Rc
2はH及びC1~C8アルキルから選択され、Rc
1はH及びC1~C8アルキルから選択される。
【0122】
【化34】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-C)を有し、ここで、Rc
2は、H及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0123】
【化35】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-D)を有し、ここで、Rc1は、H及びC1~C8アルキルから選択され、そしてRxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0124】
【化36】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-E)を有し、ここで、Rxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0125】
【化37】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-EA)を有し、ここで、Rxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0126】
【化38】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-EB)を有し、ここで、Rxは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、アリール、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0127】
【化39】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-EC)または(H1-ED)を有する。
【0128】
【化40】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-EC)を有する。
【0129】
【化41】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-ED)を有する。
【0130】
【化42】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H1-EE)を有する。
【0131】
【化43】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4)を有し、ここでArene部分は、置換されていないフェニル、置換されたフェニル、置換されていない多環式アレーン部分、及び置換された多環式アレーン部分から選択される。
【0132】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記Areneは、置換されたまたは置換されていない多環式アレーンである。
【0133】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記Areneは、ナフタレン、アントラセン及びピレンから選択される。
【0134】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4)を有しかつ前記Areneは置換されたまたは置換されていないフェニルである。
【0135】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4)を有しかつ前記Areneは置換されていないフェニルである。
【0136】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-A)を有し、ここで、RH4a、RH4b、RH4c、RH4d、RH4eは、個別に、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0137】
【化44】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-B)を有し、ここで、R
H4は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0138】
【化45】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-C)を有し、ここで、R
4Hは、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0139】
【化46】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-D)を有し、ここで、Rx
1は、H、OH、ハライド、C1~C8アルキル、炭素原子数6~20の置換されていない芳香族基、少なくとも一つのヒドロキシで置換された炭素原子数6~20の芳香族基、C1~C8アルキレンヒドロキシ(-アルキレン-OH)、C2~C8アルキレンオキシアルキル(-アルキレン-O-アルキル)、及びC5~C15ポリアルキレンオキシアルキル(-(アルキレン-O)
pa-アルキル)(ここでpaは2から4までの範囲の整数である)から選択される。
【0140】
【化47】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-E)を有する。
【0141】
【化48】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記チオール誘導体は構造(H4-F)を有する。
【0142】
【化49】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記有機系スピンキャスト溶剤成分は、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸3-メトキシブチル、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、エチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-エトキシプロパノエート、メチル-3-メトキシプロパノエート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、ジアセトンアルコール、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロパノエート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロパノエート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ガンマ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、テトラメチレンスルホン、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルのうちの一つ以上を含む。
【0143】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物の一つの観点では、前記有機系スピンキャスト溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びこれらの混合物から選択される。
【0144】
二段階プロセスで使用する有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の全ての組成物の一つの観点において、この組成物が、ここに記載の、フォトレジストでのコーティング、パターン化及び湿式エッチングの前に、金属製基材をコーティングするために使用される場合には、これは、任意選択成分として、前記チオール誘導体を含むフォトレジスト調合物についてここに記載した界面活性剤またはレベリング剤を含んでよい。
【0145】
有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物を用いた、金属基材のパターン化方法
本発明の他の観点の一つは、次のステップを含む、異方的にエッチングされた金属基材を生成するために金属基材をパターン化する方法である:
ia)半導体を覆っている金属基材を、トリもしくはジカルボン酸の1~5重量%水溶液で洗浄し、次いで蒸留水ですすいで、洗浄された金属基材を得るステップ、
iia)前記の洗浄された金属基材をスピン乾燥するステップ、
iiia)ここに記載の有機系スピンキャスト溶剤中の前記チオール誘導体の組成物を、前記の洗浄及び乾燥された金属基材上に施用して、処理された金属基材を得るステップ、
iva)前記の処理された金属基材を、90℃と120℃との間の温度でベークして溶剤を除去し、次いで、有機系スピンキャスト溶剤ですすぐステップ、
va)UV照射後に塩基水溶液で現像可能なフォトレジストを、前記の処理及び乾燥した金属基材に施用して、フォトレジストコーティングを形成するステップ、
via)前記フォトレジストコーティングを90℃と120℃との間の温度でベークして溶剤を除去するステップ、
viia)UV放射でフォトレジストをパターン化し、その後に塩基水溶液で現像して、前記金属基材を覆っているパターン化されたフォトレジストエッチングバリアを得るステップ、
viiia)前記パターン化されたフォトレジストをエッチングバリアとして用いて、湿式酸性化学エッチング剤で処理して、パターン化されたフォトレジストエッチングバリアが上塗りされている、異方的にエッチングされた金属パターンを生成するステップ、
viva)上面を覆うパターン化フォトレジストエッチングバリアを剥離剤で除去して、異方的にエッチングされた金属基材を生成するステップ。
【0146】
この方法の一つの観点では、金属基材は、半導体基材を覆う金属基材であり、及び更に、ステップviva)は、半導体基材を覆う異方的にエッチングされた金属基材を生成する。
【0147】
この方法の他の観点の一つでは、前記金属基材は、銅基材、アルミニウム基材、アルミニウム合金基材、銀、金、ニッケル、及びタングステンから選択される。
【0148】
この態様の他の観点の一つでは、金属基材は銅基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はアルミニウムである。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はアルミニウム合金である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材は銀基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材は金基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はニッケル基材である。この態様の他の観点の一つでは、金属基材はタングステン基材である。
【実施例】
【0149】
以下、本開示のより具体的な態様及びこのような態様の裏付けとなる実験結果について説明する。これらの例は、開示された発明をより十分に説明するために以下に記載したものであり、どのような形でも開示された発明を限定するものと解釈するべきではない。
【0150】
様々な改良及び変更を、開示された発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された発明及びここに提供される具体例に対して行うことができることは当業者には明らである。それ故、以下の例によって提供される記載を含めた開示された発明は、いずれの請求項及びそれらと等価のものの範囲内に入る、開示された発明の改良及び変更を包含することが意図される。
【0151】
化学品
他に指示がなければ、全ての化学品はMillipore Sigmaから入手した。市販のフォトレジスト及びリンス液は、他に指示がなければ、EMD Performance Materials Corp.から入手した。
【0152】
調合物のコーティング:
全ての調合物は、6または8インチ径のSi及びCuウェハ上で試験した。Siウェハは脱水ベークし、そしてヘキサメチルジシラザン(HMDS)で蒸気下地処理した。Cuウェハは、5,000オングストロームの二酸化ケイ素、250オングストロームの窒化タンタル、及び3,500オングストロームのCu(PVD蒸着)でコーティングしたケイ素ウェハであった。
【0153】
画像形成:
これらのウェハは、SUSS MA200CCマスクアライナまたはASML 250i-線ステッパで露光した。レジストを、ポスト露光ベークは施さずに10~60分間待機させ、次いで、AZ(登録商標)300MIF(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド=TMAHの0.26N水溶液)中、23℃で、120~360秒間パドル現像した。現像されたレジスト画像を、Hitachi S4700またはAMRAY 4200L電子顕微鏡を用いて検査した。
【0154】
調合物のコーティング
全ての調合物は、8インチ径のSi及びCuウェハ上で試験した。
【0155】
接触角測定
表面の接触角は、Dataphysics Contact Angle System OCAを用いて決定した。
【0156】
コーティングされたウェハの画像形成
コーティングされたウェハは、SUSS MA200 CCマスクアライナまたはORCi-線ステッパで露光した。ウェハを100℃で100秒間ベークし、次いでAZ(登録商標)300MIF(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド=TMAHの0.26N水溶液)中、23℃で120~360秒間パドル現像した。金属基材上のこの現像されたレジスト画像を、Hitachi S4700またはAMRAY 4200L電子顕微鏡で検査した。
【0157】
金属エッチング
以下の一段階または二段階式手順の例のいずれかを用いてエッチングされた金属基材は、特定の金属または金属スタックによって定義される特定の湿式エッチング剤を用いてエッチングして、パターン化されたフォトレジストで被覆されていない領域において金属を除去した。表1は、種々の金属に使用したエッチング条件の概要を示す。
【0158】
二段階式の手順では、スピンキャスト溶剤溶液中の、硫黄がSP2炭素に結合している本発明のチオール誘導体を、フォトレジストのコーティングの前に、金属基材を下塗りするために使用し、次いで、この下塗りされた基材上にフォトレジストをコーティングし、画像形成し、それを現像し、そしてパターン化されたフォトレジストで被覆されていない金属基材を湿式エッチングした。
【0159】
二段階プロセスでは、本発明のチオール誘導体を市販のフォトレジストに加え、そしてこの変性した市販のフォトレジストを、金属基材上にコーティングし、画像形成し、それを現像し、そしてパターン化されたフォトレジストで被覆されていない金属を湿式エッチングした。
【0160】
【0161】
二段階プロセスの手順
金属基材の下塗り
PMT(5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾール)またはそれの類似物、例えば1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール)、5-メルカプト-1-(4-メトキシフェニル)-1H-テトラゾール、1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾールなどを、有機溶剤(例えばPGMEA)中に溶解して、1~5重量%の溶液を調製した。生じた溶液を使用して、金属基材(AlSiCu、Cu、Agなど)上にスピンコートした。90~120℃でソフトベークを施した後、PMTタイプの材料の過剰量を、AZ(登録商標)EBR70/30を用いてすすぎ落としてPMTが下塗りされた金属基材を形成した。これは、下塗りしていない金属基材とは異なる水接触角を有した。一般的な手順は次の通りであった:
金属基材を2%クエン酸水溶液で洗浄した(2分間パドルし、その後、脱イオン水ですすぎ、そしてスピン乾燥した)。
【0162】
下塗り溶液を、この洗浄された金属基材上にスピンコートした(1500rpm、30秒間)。
【0163】
このコーティングされた基材をベークして(110℃で1~2分間)、金属基材に対して下塗り剤を化学グラフトさせた。
【0164】
次いで、下塗り剤の過剰量を、AZ(登録商標)EBR70/30パドル及びスプレーですすぎ、その後、スピン乾燥して、下塗りされた金属基材を得た。
【0165】
フォトレジストのパターン化
フォトレジスト(例えば、ノボラック-DNQタイプ、化学増幅タイプ、またはフォトポリマータイプ)を、以下のように、標準的なフォトリソグラフィ技術を用いて、PMTが下塗りされた金属基材上に施用、パターン化して、選択されたフォトレジストでパターン化された金属基材を得た。
【0166】
下塗りされた金属基材を、選択されたフォトレジストでコーティングした(具体的なコーティングパラメータは、選択されたレジスト及び目的のレジスト膜厚によって決定される)。
【0167】
選択されたレジストでコーティングされた、得られた基材は、典型的な露光ツール(SUSSブロードバンドアライナまたはASLM i-線ステッパ)で露光した。具体的な露光パラメータは、目的のレジスト膜厚によって決定される。
【0168】
露光された基材は、レジスト現像剤(例えばAZ MIF300)で現像して、パターン化された金属基材を生成した。
【0169】
金属のエッチング
二段階プロセスを用いた金属エッチング
本発明のチオール誘導体溶液含有フォトレジストで下塗り、パターン化された生じた金属基材を、特定の金属または金属スタックで定義される特定の湿式エッチング剤で処理して、フォトレジストで保護されていない不要の金属を除去して、マスクパターンで画定される或る金属構造体を生成した。最大限急な傾斜の金属側壁プロフィルを可能とするためには、多くの場合に、湿式エッチング前のハードベークが必要であり、そして最適なハードベーク温度は、特定のフォトレジスト毎に様々である。表1は、種々の金属のための一般的なエッチング条件を示す。
【0170】
一般的なプロセスは次の通りである:
レジストでパターン化された金属基材は、先ず、選択されたレジストに応じて90~120℃でベークした。
【0171】
次いで、このレジストでパターン化された金属基材を、複数のエッチング剤浴中に順次浸漬し、そして特定の金属スタックに応じて選択された特定の条件下にエッチングした。
【0172】
各々のエッチング剤の間に、脱イオン水ですすいだ。スルースタックエッチングの最後に、基材を50℃の脱イオン水ですすぎ、そしてN2下に乾燥した。
【0173】
エッチング後の基材は、エッチングの結果のより良好な分析のために、除去剤(例えばAZ(登録商標)910)で処理してレジストをストライプ状にすることができる。
【0174】
例1
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2%のクエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中5重量%の1-(フェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール)溶液2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0175】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約58°である。
【0176】
次いで、この下塗りされたウェハを、AZ(登録商標)P4620M(ノボラック-DNQポジトーンフォトレジスト)でパターン化した。H3PO4/H2O2ベースのエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約65℃の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mでパターン化された未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。
【0177】
例2
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中5重量%の1-(フェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール)溶液2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0178】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約16°である。
【0179】
次いで、この下塗りされたウェハを、AZ(登録商標)P4620M(ノボラック-DNQポジトーンフォトレジスト)によってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約65°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。
【0180】
比較例1
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中5重量%の3-(2’-エチル-4’-(4-ペンチルシクロヘキシル)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-1-チオール2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0181】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約65°である。
【0182】
次いで、この下塗りされたウェハを、AZ(登録商標)P4620M(ノボラック-DNQポジトーンフォトレジスト)によってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約35°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。加えて、かなりより大きなアンダーカットの故に、レジストが、エッチングプロセスの間に金属構造体から剥離した。
【0183】
図4は、CuウェハをPGMEA中の溶液としてのチオール誘導体1-(フェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾールを下塗りした例1及び2から生じたパターン化フォトレジストを比較する断面SEM画像を示し、これらの例は、エッチングされたCuの基材との大きな角度によって示されるCuの異方性湿式エッチングを示している。
図4は、この溶液で処理されていない参照Cuウェハで得られた湿式エッチング結果も示し、ここでは、かなりより浅い角度が得られ、これは、下面のCuに対する上層のパターン化フォトレジストの接着不良の結果として生じる等方性エッチングを示唆した。
図4は、PGMEA中の溶液としての脂肪族チオール誘導体(この場合、チオールはSP2炭素に結合していない)がCuウェハの処理に使用された比較例1の湿式エッチングの結果も示し;この場合、未処理のCuウェハと同様に、エッチングされたCuに非常に浅い角度が観察され、等方性エッチングを示唆した。驚くべきことに、この脂肪族チオールを用いた処理は、上層のパターン化フォトレジストが、化学湿式エッチングの間に接着性を失うので、より一層不良の結果を与えた。
【0184】
例3
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中5重量%の5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾール溶液2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0185】
下塗りしたCuウェハの水接触角は、約66°の未処理のCuウェハと比べて、約58°であった。
【0186】
次いで、下塗りしたウェハを、化学増幅型ネガトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約65°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0187】
例4
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中5重量%の1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0188】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約16°である。
【0189】
次いで、下塗りしたウェハを、化学増幅型ネガトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約60°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0190】
図5は、Cuウェハを、PGMEA中の溶液としてのチオール誘導体1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾールを下塗りした例3及び4から生じたパターン化フォトレジストを比較する断面SEM画像を示し、これらは、エッチングされたCuの基材との大きな角度によって示されるCuの異方性湿式エッチングを示す。
図5は、この溶液で処理されていない参照Cuウェハで得られた湿式エッチング結果も示し、ここでは、かなりより浅い角度が得られ、これは、下面のCuに対する上層のパターン化フォトレジストの接着不良の結果として生じる等方性エッチングを示唆した。
【0191】
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中1重量%の4-メルカプトフェノール2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0192】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約25°である。
【0193】
次いで、下塗りしたウェハを、化学増幅型ネガトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約73°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0194】
比較例2
電着された銅ウェハを、以下のプロセスを用いて下塗りした:
2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いでスピン乾燥した;
PGMEA中1重量%の4-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)フェノール2mLでスピンコートした;
110℃で1分間ベークした;
AZ(登録商標)EBR70/30ですすいだ。
【0195】
この下塗りされたCuウェハの水接触角は、未処理のCuウェハの約66°と比べて、約25°である。
【0196】
次いで、下塗りしたウェハを、化学増幅型ネガトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとしたエッチング剤中で銅をエッチングした後、テーパ角が約13°の急傾斜の金属側壁が得られ、他方、これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTでパターン化した未処理の銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0197】
図6は、下塗り用溶液が、PGMEA中の溶液として4-メルカプトフェノールを含む例5から生じたパターン化フォトレジストを比較する断面SEM画像を示し、これは、エッチングされたCuの基材との大きな角度によって示されるCuの異方性湿式エッチングを示している。
図5は、この溶液で処理していない参照用Cuウェハを用いて得られた湿式エッチング結果を示し、この場合は、かなりより浅い角度が得られ、これは、Cuに対する上層のパターン化フォトレジストの接着不良の結果として生じる等方性エッチングを示唆した。最後に、下塗り用溶液が、PGMEA中の4-(5-メチル-1H-テトラゾール-1-イル)フェノール(SP2炭素に結合したチオールを含まない材料)である比較例2では、かなりより浅い角度が得られ、これは、下面のCuに対する上層のパターン化フォトレジストの接着不良の結果として生じる等方性エッチングを示唆した。
図6に示したこれらの三つの実験の全ては、350nmのCu上で行った。
【0198】
一段階プロセス
フォトレジスト調合物
各フォトレジスト調合物は以下のように調製した:
PMT(5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾール)またはそれの類似物、例えば1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール、5-メルカプト-1-(4-メトキシフェニル)-1H-テトラゾール、1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾールなどを、フォトレジスト調合物の成分の一つとして使用して、金属基材(AlSiCu、Cu、Agなど)上にインサイチューで下塗りを供した。主たるフォトレジスト樹脂は、化学増幅型のノボラック-DNQタイプであることができる。PMTタイプの添加剤の含有率は、フォトレジスト調合物に使用した全固形物の0.3~3重量%であった。
【0199】
フォトレジストのパターン化
PMT様添加剤を含むフォトレジスト(例えば、ノボラック-DNQ型、化学増幅型またはフォトポリマー型)を、標準的なフォトリソグラフィプロセスを用いて、金属基材上に施用、パターン化した。
【0200】
下塗りされた金属基材を、選択されたフォトレジストでコーティングした(具体的なコーティングパラメータは、選択されたレジスト及び目的のレジスト膜厚によって決定される)。
【0201】
選択されたレジストでコーティングされた生じた基材を、典型的な露光ツール(SUSSブロードバンドアライナまたはASLMi-線ステッパ)中で露光した。具体的な露光パラメータは、目的のレジスト膜厚によって決定する。
【0202】
露光された基材を、典型的なレジスト現像剤(例えばAZ MIF300)を用いて現像して、パターン化金属基材を生成した。
【0203】
一段階プロセスを用いた金属エッチング
PMT含有フォトレジストを用いてパターン化した生じた金属基材を、金属または金属スタップによって定義される特定の湿式エッチング剤を用いて処理して、フォトレジストで保護されていない不要の金属を除去し、それにより、マスクパターンによって画定される或る金属構造体を生成した。最大限急な傾斜の金属側壁プロフィルを可能とするためには、多くの場合に、湿式エッチング前のハードベークが必要であり、そして最適なハードベーク温度は、特定のフォトレジスト毎に様々である。表1は、種々の金属のための一般的なエッチング条件を示す。
【0204】
レジストでパターン化された金属基材は、先ず、選択されたレジストに応じて90~120℃でベークした。
【0205】
次いで、レジストでパターン化された金属基材を、複数のエッチング剤浴中に順次浸漬し、そして特定の金属スタックに応じて選択された特定の条件下にエッチングした;各エッチング剤の間に、脱イオン水ですすいだ。スルースタックエッチングの最後に、基材を50℃の脱イオン水ですすぎ、そしてN2下に乾燥した。
【0206】
エッチング後の基材は、エッチングの結果のより良好な分析のために、典型的な除去剤(例えばAZ(登録商標)910)で処理してレジストをストライプ状にすることができる。
【0207】
例6
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを0.5重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約50°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。
【0208】
例7
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを1重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約65°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。
【0209】
例8
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを3重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約75°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)P4620Mによってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約35°であった。
【0210】
図7は、例6~7で得られた湿式エッチングしたSEM断面プロフィルを示す。
【0211】
例9
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール)を1重量%の含有率で含む、化学増幅型ネガトーンフォトレジストである、AZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約70°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTによってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0212】
例10
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで1-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メルカプト-1H-テトラゾール)を3重量%の含有率で含む、化学増幅型ネガトーンフォトレジストである、AZ(登録商標)15nXTによってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約75°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)15nXTによってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約33°であった。
【0213】
図8は、例9及び10で得られた湿式エッチングしたSEM断面プロフィルを示す。
【0214】
例11
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを0.1重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)TD2010によってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約48°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)TD2010によってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約30°であった。
【0215】
例12
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを0.75重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)TD2010によってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約55°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)TD2010によってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約30°であった。
【0216】
例13
先ず、電着した銅ウェハを、2重量%クエン酸水溶液で洗浄し、次いで5-メルカプト-1-フェニル-1H-テトラゾールを1重量%の含有率で含む、ノボラック-DNQポジトーンフォトレジストであるAZ(登録商標)TD2010によってパターン化した。H3PO4/H2O2をベースとするエッチング剤中で銅をエッチングした後、約80°のテーパ角の急傾斜の金属側壁が得られた。これとは対照的に、AZ(登録商標)TD2010によってパターン化した銅ウェハの参照用サンプルのテーパ角は約30°であった。
【0217】
図9は、例11及び12及び13で得られた湿式エッチングしたSEM断面プロフィルを示す。
【0218】
例14
例6を繰り返したが、この場合は、4.7ミクロン厚のCuの代わりに9ミクロン厚のCuを使用した。
図10は、4.7ミクロン(上図)及び9.0ミクロン(下図)を用いたエッチング結果の比較を示す;生じたエッチングされた画像は、このかなりより厚手のCu基材を用いた場合に、テーパ角が約70°の急傾斜金属側壁がエッチングされたCuについて得られたことから示されるように、保護パターン化P4520Mフォトレジストの下にあるCuの良好な異方性エッチングを示した。
【0219】
例15
例9を繰り返したが、この場合は、4.7ミクロン厚のCuの代わりに9ミクロン厚のCuを使用した。
図10は、4.7ミクロン(上図)及び9.0ミクロン(下図)を用いたエッチング結果の比較を示す;生じたエッチングされた画像は、このかなりより厚手のCu基材を用いた場合に、テーパ角が約70°の急傾斜金属側壁がエッチングされたCuについて得られたことから示されるように、保護パターン化P4520Mフォトレジストの下にあるCuの良好な異方性エッチングを示した。
【国際調査報告】