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特表2024-542518配管温度制御装置及び配管温度制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】配管温度制御装置及び配管温度制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 23/19 20060101AFI20241108BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G05D23/19 J
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530508
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 CN2022139907
(87)【国際公開番号】W WO2023116602
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111570560.7
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー ツァイファン
【テーマコード(参考)】
5H323
【Fターム(参考)】
5H323AA01
5H323BB17
5H323CA01
5H323CB01
5H323CB42
5H323DA01
5H323DB09
5H323FF03
5H323GG01
5H323HH02
5H323KK05
5H323MM06
(57)【要約】
本願は、配管温度制御装置及び配管温度制御方法を開示する。半導体装置に適用され、配管温度制御装置は、処理デバイスと、被温度制御配管の延在方向に分布している複数の加熱アセンブリと、を含み、各加熱アセンブリは加熱デバイス、第1温度測定デバイス、第2温度測定デバイス及び制御デバイスを含み、各加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスはいずれも被温度制御配管のリアルタイム温度を測定することに用いられ、加熱アセンブリの制御デバイスに接続され、複数の制御デバイスはいずれも処理デバイスに接続され、処理デバイスは、各加熱アセンブリの第1温度測定デバイス又は第2温度測定デバイスの測定値に基づいて、複数の制御デバイスによって、複数の被加熱部分がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすまで複数の加熱デバイスの動作をそれぞれ制御することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置に適用される配管温度制御装置であって、
処理デバイスと、複数の加熱アセンブリと、を含み、複数の前記加熱アセンブリは、被温度制御配管の延在方向に分布していることで、前記被温度制御配管の複数の被加熱部分の温度を対応して制御し、各前記加熱アセンブリは加熱デバイス、第1温度測定デバイス、第2温度測定デバイス及び制御デバイスを含み、
各前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスは、いずれも、前記被温度制御配管の、前記加熱アセンブリの前記加熱デバイスに対応する前記被加熱部分のリアルタイム温度を測定することに用いられ、各前記加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスはいずれも前記加熱アセンブリの前記制御デバイスに接続され、複数の前記制御デバイスはいずれも前記処理デバイスに接続され、
前記処理デバイスは、前記被温度制御配管の複数の前記被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の前記加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の前記制御デバイスによって、複数の前記被加熱部分の温度がそれぞれの前記目標温度をそれぞれ満たすまで複数の前記加熱デバイスの動作をそれぞれ制御することに用いられ、
前記処理デバイスはさらに、前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記第2温度測定デバイスの測定値及び対応する前記被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが前記被加熱部分を加熱するように制御することに用いられ、
前記処理デバイスはさらに、いずれかの前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御することに用いられることを特徴とする配管温度制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の配管温度制御装置に適用される配管温度制御方法であって、
温度制御コマンドを受信するステップS1と、
前記被温度制御配管の複数の前記被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の前記加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の前記制御デバイスによって、複数の前記被加熱部分がそれぞれの前記目標温度をそれぞれ満たすまで複数の前記加熱デバイスの動作をそれぞれ制御するステップS2と、
前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記第2温度測定デバイスの測定値及び対応する前記被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが前記被加熱部分を加熱するように制御するステップS3と、
いずれかの前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御するステップS4と、を含むことを特徴とする配管温度制御方法。
【請求項3】
前記ステップS2は、具体的には、
前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大する場合、前記第1温度測定デバイスの測定値及び前記第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項4】
前記ステップS2は、具体的には、
前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの所定期間での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、前記第1温度測定デバイスと前記第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差以下である場合、又は、前記第1温度測定デバイスの測定値が前記第2温度測定デバイスの測定値よりも大きく、且つ前記第1温度測定デバイスと前記第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が前記第1所定差よりも大きい場合、前記第1温度測定デバイスの測定値及び前記第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の配管温度制御方法。
【請求項5】
前記ステップS2は、具体的には、
前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大し、且つ前記第2温度測定デバイスの測定値が前記所定期間において変わらない場合、前記第1温度測定デバイスの測定値及び前記第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の配管温度制御方法。
【請求項6】
前記ステップS3は、具体的には、
前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの所定期間での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、前記第1温度測定デバイスの測定値が前記第2温度測定デバイスの測定値よりも小さく、且つ前記第1温度測定デバイスと前記第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、前記第2温度測定デバイスの測定値及び前記第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項7】
前記ステップS3は、具体的には、
前記第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大し、且つ前記第1温度測定デバイスの所定期間での測定値が変わらない場合、前記第2温度測定デバイスの測定値及び前記第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項8】
前記ステップS3は、具体的には、
前記第1温度測定デバイスの測定値が所定期間において第1所定値を超え続けるか、又はジャンプ振幅が第2所定値を超える回数が所定回数に達し、且つ前記第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大する場合、前記第2温度測定デバイスの測定値及び前記第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、前記被加熱部分の温度が前記目標温度を満たすように、対応する前記加熱デバイスの加熱を制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項9】
前記ステップS4は、具体的には、
前記第2温度測定デバイスの測定値が前記所定期間において変わらない場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項10】
前記ステップS4は、具体的には、
前記第1温度測定デバイスの所定期間での測定値が異常であり、且つ前記第2温度測定デバイスの測定値が所定期間において第1所定値を超え続けるか、又はジャンプ振幅が第2所定値を超える回数が所定回数に達する場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【請求項11】
前記ステップS4の後、
前記被加熱部分を所定時間加熱した後、前記被加熱部分の現在温度を取得し、前記被加熱部分の目標温度と前記現在温度との差の絶対値が所定値よりも小さいと判定する場合、対応する前記被加熱部分の制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが前記被加熱部分を保温加熱するように制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の配管温度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体加工の技術分野に属し、具体的には、配管温度制御装置及び配管温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の加工過程では、通常、ウェハに対して複数のプロセスを行う必要があり、一部のプロセスにおいて配管を介して特定のプロセスガスを注入する必要があり、良好なプロセス効果を確保するように、プロセスガスの注入中、プロセスガスの温度を制御する必要がある。現在、通常、配管に加熱デバイスを設定することで、プロセスチャンバー内に輸送されるプロセスガスを加熱し、加熱デバイスに温度制御熱電対が装備されており、温度制御熱電対で測定された温度フィードバックによって加熱デバイスの加熱状況を調整し、それによって配管及びそれによって輸送されたプロセスガスがその目標温度を満たすことを可能にする。しかしながら、上記技術的解決手段の動作過程では、温度制御熱電対が故障すると、加熱が制御不能になり、プロセスの中止やウェハの廃棄が発生し、プロセスの連続性に多大な悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、現在、温度制御熱電対が故障すると、プロセスの中止やウェハの廃棄が発生し、プロセスプロセスの連続性に多大な悪影響を及ぼすという問題を解決することができる配管温度制御装置及び配管温度制御方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するために、本願の実施例は、以下のように実現される。
【0005】
第1態様では、本願の実施例は、半導体装置に適用され、処理デバイスと、複数の加熱アセンブリと、を含み、複数の前記加熱アセンブリは、被温度制御配管の延在方向に分布していることで、前記被温度制御配管の複数の被加熱部分の温度を対応して制御し、各前記加熱アセンブリは加熱デバイス、第1温度測定デバイス、第2温度測定デバイス及び制御デバイスを含み、
各前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスは、いずれも、前記被温度制御配管の、前記加熱アセンブリの前記加熱デバイスに対応する前記被加熱部分のリアルタイム温度を測定することに用いられ、各前記加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスはいずれも前記加熱アセンブリの前記制御デバイスに接続され、複数の前記制御デバイスはいずれも前記処理デバイスに接続され、
前記処理デバイスは、前記被温度制御配管の複数の前記被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の前記加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の前記制御デバイスによって、複数の前記被加熱部分の温度がそれぞれの前記目標温度をそれぞれ満たすまで複数の前記加熱デバイスの動作をそれぞれ制御することに用いられ、
前記処理デバイスはさらに、前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記第2温度測定デバイスの測定値及び対応する前記被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが前記被加熱部分を加熱するように制御することに用いられ、
前記処理デバイスはさらに、いずれかの前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御することに用いられる配管温度制御装置を提供する。
【0006】
第2態様では、本願の実施例は、上記配管温度制御装置に適用され、
温度制御コマンドを受信するステップS1と、
前記被温度制御配管の複数の前記被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の前記加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の前記制御デバイスによって、複数の前記被加熱部分がそれぞれの前記目標温度をそれぞれ満たすまで複数の前記加熱デバイスの動作をそれぞれ制御するステップS2と、
前記第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記第2温度測定デバイスの測定値及び対応する前記被加熱部分の目標温度に応じて、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが前記被加熱部分を加熱するように制御するステップS3と、
いずれかの前記加熱アセンブリの前記第1温度測定デバイス及び前記第2温度測定デバイスの両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する前記制御デバイスによって、対応する前記加熱デバイスが隣接する前記被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して前記被加熱部分を加熱するように制御するステップS4と、を含む、配管温度制御方法を提供する。
【0007】
本願の実施例は、配管温度制御装置及び配管温度制御方法を開示し、配管温度制御装置は、処理デバイスと、複数の加熱アセンブリと、を含み、複数の加熱アセンブリは被温度制御配管の延在方向に分布しており、それによって配管温度制御装置は被温度制御配管の複数の位置から被温度制御配管に対して加熱温度制御動作を同時に行うことができる。そして、複数の加熱アセンブリはいずれも制御デバイス、第1温度測定デバイス、第2温度測定デバイス及び加熱デバイスを含み、各加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスはいずれも被温度制御配管の対応する位置の温度を検出することができ、各第1温度測定デバイス及び各第2温度測定デバイスはいずれも検出データを制御デバイスを介して処理デバイスに送信することができ、それによって処理デバイスは各加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのそれぞれの測定値の正確性を判断することができる。
【0008】
そして、各加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値が正常である場合、第1温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分のリアルタイム温度として使用し、いずれかの加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値が異常であり、且つ該加熱アセンブリの第2温度測定デバイスの測定値が正常である場合、該加熱アセンブリの第2温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分のリアルタイム温度として使用する。被温度制御配管の該加熱アセンブリに対応する被加熱部分の目標温度、及び第1温度測定デバイス又は第2温度測定デバイスが上記被加熱部分のリアルタイム温度を測定した測定値に基づいて、処理デバイスは、該被加熱部分に対応する制御デバイスによって、該被加熱部分の温度を上記目標温度に加熱するように対応する加熱デバイスの動作を制御することができる。
【0009】
また、いずれかの加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも異常である場合、該加熱アセンブリに隣接する別の加熱アセンブリの加熱デバイスの加熱状態を利用してもよく、それによって、処理デバイスは、制御デバイスによって、被温度制御配管の温度測定が異常な被加熱部分に対応する加熱デバイスが上記被加熱部分を加熱して上記被加熱部分の温度をその目標温度にできるだけ近くするか等しくするように制御することができる。
【0010】
上記技術的解決手段によれば、配管温度制御装置のいずれかの第1温度測定デバイス及び/又はいずれかの第2温度測定デバイスが故障した場合でも、被温度制御配管の加熱動作をほぼ正常に継続できることを確保でき、プロセスの中止を回避し、さらにウェハの歩留まりを向上させ、プロセスプロセスの良好な連続性を確保することができる。
【0011】
また、上述したように、複数の加熱アセンブリは被温度制御配管の延在方向に分布しており、さらに複数の加熱アセンブリの共同作用で、被温度制御配管の複数の位置に加熱動作をそれぞれ行うことができ、プロセスガスを予め加熱し、プロセスガス輸送経路における被加熱部分の長さを増加させることによって、被温度制御配管で輸送されるプロセスガスがプロセスチャンバー内に輸送される時の温度を所定温度に近くすることを確保でき、プロセス効果を向上させる。
【0012】
ここで説明される図面は、本願をさらに理解するためのものであり、本願の一部として組み込まれ、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を解釈することに用いられ、本願に対する不適切な限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願の実施例に係る配管温度制御装置の概略構成図である。
図2】本願の実施例に係る配管温度制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例に係る配管温度制御装置の第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値の分布模式図である。
図4】本願の実施例に係る配管温度制御装置の第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値の分布模式図である。
図5】本願の実施例に係る配管温度制御装置の温度測定デバイスに開回路が発生した場合の測定値の分布模式図である。
図6】本願の実施例に係る配管温度制御装置の温度測定デバイスにジャンプが発生した場合の測定値の分布模式図である。
図7】本願の実施例に係る配管温度制御方法のフローチャートである。
図8】本願の実施例に係る配管温度制御方法のフローの一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の技術的解決手段について、本願の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得るすべてのほかの実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0015】
以下、本願の各実施例に係る技術的解決手段について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、本願の実施例は、配管温度制御装置を開示し、該配管温度制御装置を使用して、プロセスガスを輸送するための被温度制御配管の温度を制御し、さらに被温度制御配管で輸送されるプロセスガスの温度を制御する。配管温度制御装置は、処理デバイス100と、複数の加熱アセンブリ200と、を含む。
【0017】
処理デバイス100は、配管温度制御装置においてデータ処理及び全体的な制御を提供するためのデバイスであり、関連アルゴリズムや温度制御データなどを処理デバイス100に予め入力することによって、処理デバイス100自体は上記関連アルゴリズムや温度制御データによって、被温度制御配管の異なる位置の実際の温度と併せて、被温度制御配管の対応する部分の温度がそれに対応する目標温度をそれぞれ満たすことができるように複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの動作を制御することができる。
【0018】
複数の加熱アセンブリ200は、被温度制御配管の延在方向に分布していることで、複数の加熱アセンブリ200の作用で、被温度制御配管の複数の被加熱部分の温度を対応して制御する。言い換えれば、被温度制御配管の複数の被加熱部分の温度がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすことができるように、複数の加熱アセンブリ200を使用して被温度制御配管の複数の被加熱部分に対して温度制御動作をそれぞれ行う。
【0019】
各加熱アセンブリ200は、加熱デバイス210、第1温度測定デバイス220、第2温度測定デバイス230及び制御デバイス240を含む。加熱デバイス210は、加熱アセンブリ200において加熱作用を提供するためのデバイスであり、具体的には、抵抗線などの電気加熱デバイスであってもよい。各加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230は、グループをなして設けられ、且ついずれも被温度制御配管の、該加熱アセンブリ200の加熱デバイス210に対応する被加熱部分のリアルタイム温度を測定することができる。すなわち、各加熱アセンブリ200について、その加熱デバイス210、第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230に対応する被温度制御配管の位置が同じであることで、該加熱アセンブリ200が被温度制御配管の該位置の実際の温度に応じて、加熱デバイス210の加熱電力及び加熱時間などのパラメータを対応して制御できることを確保する。
【0020】
具体的には、第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230は、赤外線温度測定デバイス、レーザー温度測定デバイス又は熱電対などであってもよく、制御デバイス240は、スイッチなど制御機能を有するデバイスであってもよく、制御デバイス240は、制御デバイス240が加熱デバイス210の加熱電力などを変更できることを確保するように、可変抵抗器をさらに含んでもよい。
【0021】
加熱アセンブリ200では、各加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230はいずれも該加熱アセンブリ200の制御デバイス240に接続され、それによって第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230の測定値をいずれも制御デバイス240に送信できることを確保する。第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230の測定値はそれぞれTCn-C及びTCn-Mとして記されてもよく、両者はいずれも温度測定デバイスであるため、両者の測定値はTCn-*と総称されてもよい。
【0022】
そして、複数の制御デバイス240はいずれも処理デバイス100に接続され、それによって複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230の測定値をいずれも制御デバイス240を介して処理デバイス100に送信することができ、これにより処理デバイス100は、被温度制御配管の、複数の第1温度測定デバイス220及び複数の第2温度測定デバイス230にそれぞれ対応する複数の部分のリアルタイム温度を取得することができる。
【0023】
上述したように、関連アルゴリズム及び被温度制御配管の複数の被加熱部分の目標温度などのパラメータを処理デバイス100に予め入力してもよく、それによって、処理デバイス100は、被温度制御配管の複数の被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの第1温度測定デバイス220が被温度制御配管の上記複数の部分の温度を測定した測定値に応じて、複数の制御デバイス240によって、複数の被温度制御配管の複数の被加熱部分の温度がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすまで複数の加熱デバイス210の動作をそれぞれ制御する。
【0024】
勿論、処理デバイス100は、複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの第1温度測定デバイス220の測定値の正確性を判断してもよく、いずれかの第1温度測定デバイス220の所定期間内での測定値が異常である場合、上記データが異常な第1温度測定デバイス220に対応する第2温度測定デバイス230の測定値、及び被温度制御配管の、上記データが異常な第1温度測定デバイス220に対応する被加熱部分の目標温度に応じて、上記データが異常な第1温度測定デバイス220に対応する制御デバイス240によって、被温度制御配管の上記被加熱部分の温度がその目標温度を満たすように、上記データが異常な第1温度測定デバイス220に対応する加熱デバイス210が被加熱部分を加熱するように制御することができる。
【0025】
そして、処理デバイス100は、複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの第2温度測定デバイス230の測定値の正確性を判断してもよく、いずれかの加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230の両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、上記測定データが異常な(第1温度測定デバイス220及び)第2温度測定デバイス230に対応する制御デバイス240によって、上記測定データが異常な(第1温度測定デバイス220及び)第2温度測定デバイス230に対応する加熱デバイス210が、被温度制御配管の、上記測定データが異常な(第1温度測定デバイス220及び)第2温度測定デバイス230に対応する被加熱部分に隣接する別の被加熱部分に対応する加熱デバイス210の加熱状態に追従して、被温度制御配管の、上記測定データが異常な(第1温度測定デバイス220及び)第2温度測定デバイス230に対応する被加熱部分を加熱するように制御することができ、それによって、被温度制御配管の、上記測定データが異常な(第1温度測定デバイス220及び)第2温度測定デバイス230に対応する被加熱部分の温度が該被加熱部分の目標温度に近いか又は目標温度を満たすことができる。
【0026】
なお、被温度制御配管の各被加熱部分の目標温度は、被温度制御配管の材料、及び輸送される媒体の具体的な種類や流量などのパラメータに応じて柔軟に決定されてもよく、ここで限定しない。これに対応して、上記アルゴリズムは、複数の加熱アセンブリ200のそれぞれの加熱デバイス210の加熱電力、被温度制御配管の材料やサイズ、及び輸送される媒体の比熱容量や流量などのパラメータに応じて決定されてもよい。すなわち、輸送される媒体のリアルタイム温度及び目標温度に応じて、所要の熱量を得て、さらに加熱デバイス210の出力電力及び加熱時間を得て、加熱デバイス210が上記出力電力で上記加熱時間動作することを確保するだけで、輸送される媒体をリアルタイム温度から目標温度に加熱することができる。
【0027】
また、配管温度制御装置の動作過程では、フィードバック調整方法を使用して、被温度測定配管のリアルタイム温度を間欠的に測定することによって、上記関連アルゴリズムに基づいて、各加熱アセンブリ200の加熱パラメータを対応して調整するようにしてもよく、それによって、被温度制御配管の温度がその目標温度をより良く満たすことを最大限に確保し、プロセス結果を向上させることができる。
【0028】
本願の実施例は、配管温度制御装置及び配管温度制御方法を開示し、配管温度制御装置は、処理デバイス100と、複数の加熱アセンブリ200とを含み、複数の加熱アセンブリ200は被温度制御配管の延在方向に分布していることで、配管温度制御装置は被温度制御配管の複数の位置から被温度制御配管に対して加熱温度制御動作を同時に行うことができる。そして、複数の加熱アセンブリ200はいずれも制御デバイス240、第1温度測定デバイス220、第2温度測定デバイス230及び加熱デバイス210を含み、各加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230はいずれも被温度制御配管の対応する位置の温度を検出することができ、各第1温度測定デバイス220及び各第2温度測定デバイス230はいずれも検出データを制御デバイス240を介して処理デバイス100に送信することができ、これにより処理デバイス100は、各加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230のそれぞれの測定値の正確性を判断することができる。
【0029】
そして、各加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220の測定値が正常である場合、第1温度測定デバイス220の測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイス220に対応する被加熱部分のリアルタイム温度として使用し、いずれかの加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220の測定値が異常であり、且つ該加熱アセンブリ200の第2温度測定デバイス230の測定値が正常である場合、該加熱アセンブリ200の第2温度測定デバイス230の測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイス220に対応する被加熱部分のリアルタイム温度として使用する。被温度制御配管の該加熱アセンブリ200に対応する被加熱部分の目標温度、及び第1温度測定デバイス220又は第2温度測定デバイス230が上記被加熱部分のリアルタイム温度を測定した測定値に基づいて、処理デバイス100は、該被加熱部分に対応する制御デバイス240によって、該被加熱部分の温度を上記目標温度に加熱するように対応する加熱デバイス210の動作を制御することができる。
【0030】
また、いずれかの加熱アセンブリ200の第1温度測定デバイス220及び第2温度測定デバイス230の両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、該加熱アセンブリ200に隣接する別の加熱アセンブリ200の加熱デバイス210の加熱状態を利用してもよく、これにより、処理デバイス100は、制御デバイス240によって、被温度制御配管の温度測定が異常な被加熱部分に対応する加熱デバイス210が上記被加熱部分を加熱して上記被加熱部分の温度をその目標温度にできるだけ近くするか等しくするように制御することができる。
【0031】
上記技術的解決手段によれば、配管温度制御装置のいずれかの第1温度測定デバイス220及び/又はいずれかの第2温度測定デバイス230が故障した場合でも、被温度制御配管の加熱動作をほぼ正常に継続できることを確保でき、プロセスの中止を回避し、さらにウェハの歩留まりを向上させ、プロセスプロセスの良好な連続性を確保することができる。
【0032】
また、上述したように、複数の加熱アセンブリ200は被温度制御配管の延在方向に分布しており、さらに複数の加熱アセンブリ200の共同作用で、被温度制御配管の複数の位置に加熱動作をそれぞれ行うことができ、プロセスガスを予め加熱し、プロセスガス輸送経路における被加熱部分の長さを増加させることによって、被温度制御配管で輸送されるプロセスガスがプロセスチャンバー内に輸送される時の温度を所定温度に近くすることを確保でき、プロセス効果を向上させる。
【0033】
図2に示すように、本願の実施例は、配管温度制御方法をさらに開示し、上記実施例に係る配管温度制御装置に適用され、該配管温度制御方法は、以下のステップを含む。
【0034】
S1:温度制御コマンドを受信する。
【0035】
温度制御コマンドは、具体的には、処理デバイスによって送信されてもよく、処理デバイスは温度制御コマンドを複数の制御デバイスに送信してもよく、制御デバイスは該温度制御コマンドを対応する加熱デバイスに送信する。上記温度制御コマンドは、被温度制御配管の複数の対応する被加熱部分の温度がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすように、被温度制御配管の対応する被加熱部分を加熱することを指示することに用いられる。
【0036】
S2:被温度制御配管の複数の被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の制御デバイスによって、複数の被加熱部分がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすまで複数の加熱デバイスの動作をそれぞれ制御する。
【0037】
具体的には、複数の加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスを使用して被温度制御配管の対応する部分の温度を測定し、複数の第1温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の複数の対応する被加熱部分の実際の温度として使用するようにしてもよい。さらに、温度制御コマンドを受信した後、被温度制御配管の複数の被加熱部分のそれぞれの目標温度、及び複数の加熱アセンブリのそれぞれの第1温度測定デバイスの測定値に応じて、複数の制御デバイスによって、複数の被加熱部分がそれぞれの目標温度をそれぞれ満たすまで複数の加熱デバイスの動作をそれぞれ制御することができる。
【0038】
勿論、第1温度測定デバイスの測定値が不正確である可能性があるため、これに基づいて、本願の実施例に係る配管温度制御方法は、ステップS3をさらに含む。
【0039】
S3:第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する第2温度測定デバイスの測定値及び対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが被加熱部分を加熱するように制御する。
【0040】
つまり、いずれかの加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、該第1温度測定デバイスの測定値を被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度として使用し続けることができないため、ほかの方法を採用して被温度制御配管の該第1測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度を得る必要がある。さらに、上述したように、配管温度制御装置では、各加熱アセンブリの第2温度測定デバイスも被温度制御配管の対応する被加熱部分の温度を測定することができ、これに基づいて、いずれかの第1温度測定デバイスの測定値が異常である場合、該第1温度測定デバイスに対応する第2温度測定デバイスの測定値、及び被温度制御配管の該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、該第2温度測定デバイスに対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが上記被加熱部分を加熱するように制御することができ、それによって、第1温度測定デバイスが故障した場合でも、該第1温度測定デバイスに対応する第2温度測定デバイスの測定値を使用して、被温度制御配管の対応する被加熱部分に対して温度制御を行うという目的を実現することができる。
【0041】
同様に、第2温度測定デバイスの測定値が不正確である可能性もあるため、これに基づいて、第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常である場合、本願の実施例に係る配管温度制御方法は、ステップS4をさらに含む。
【0042】
S4:いずれかの加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの両方のそれぞれの所定期間内での測定値が異常である場合、対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが隣接する被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して被加熱部分を加熱するように制御する。
【0043】
すなわち、いずれかの加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも異常である場合、被温度制御配管の上記加熱アセンブリに対応する被加熱部分に隣接する被加熱部分に対応する加熱デバイスの加熱状況を、被温度制御配管の、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも異常な被加熱部分の加熱パラメータとして使用してもよく、これにより、該被加熱部分に対応する加熱デバイスが依然として加熱動作を継続できることを確保し、該被加熱部分の温度をその目標温度に近くするか等しくする。
【0044】
図3に示すように、上記ステップS2は、具体的には、
第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大する場合、第1温度測定デバイスの測定値及び第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する制御デバイスによって、被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、対応する加熱デバイスの加熱を制御するステップを含む。
【0045】
本実施例では、第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第1温度測定デバイスの測定値に異常がないと判定でき、すなわち、第1温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができ、それによって、第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に基づいて、制御デバイスによって、該被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、上記被加熱部分に対応する加熱デバイスが動作して被加熱部分を加熱するように制御する。
【0046】
これに対応して、本実施例に基づいて、複数の加熱アセンブリのいずれかの第1温度測定デバイスの測定値が上記条件を満たす限り、該第1温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度として使用することができる。
【0047】
さらに、上記ステップS2は、具体的には、
第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、この場合、基本的には、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスに開回路、短絡や接触不良が発生していないと判定できるステップを含んでもよい。
【0048】
上記条件を満たす場合、第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差以下であると、又は、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも大きく、且つ第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差よりも大きいと、第1温度測定デバイスの測定値を、該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができると判定できる。第1所定差の実際の数値は、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの種類や被温度制御配管の温度制御パラメータなどに応じて決定されてもよく、ここで限定しない。
【0049】
詳細には、第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差以下である場合、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスがいずれも正常動作状態であることを示し、第1所定差は、両者の測定値間の誤差範囲であり、両者の差の絶対値が上記誤差範囲を満たす場合、両者の測定値がいずれも比較的正確であることを示し、この場合、第1温度測定デバイスの測定値を被加熱部分の実際の温度として使用することができる。
【0050】
一方、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも大きく、且つ両者の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、第2温度測定デバイスと被加熱部分との間隔が比較的大きいか、又は第2温度測定デバイスと被加熱部分との接触関係が悪いなどの問題があり得ることを示すが、第2温度測定デバイスの測定値も時間の経過とともに増大するため、さらに第2温度測定デバイスがまだ正常な機能を備えており、ただ、その測定値の精度が比較的低いと判定でき、従って、この場合、第1温度測定デバイスの測定値を被加熱部分の実際の温度として使用することもできる。
【0051】
以上のように、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大するという条件に基づいて、両者の差の絶対値が第1所定差以下である場合、又は、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも大きく、且つ両者の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、いずれも、第1温度測定デバイスの測定値及び該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度を使用して、対応する制御デバイスによって、被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、対応する加熱デバイスの加熱を制御することができる。
【0052】
選択可能に、図3に示すように、上記ステップS2は、具体的には、
第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大し、且つ第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が変わらない場合、第1温度測定デバイスの測定値及び該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する制御デバイスによって、被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、対応する加熱デバイスの加熱を制御するステップをさらに含む。
【0053】
本実施例では、第2温度測定デバイスの測定値が所定期間において変わらないと、第2温度測定デバイスに短絡故障が発生したと判定し、これに基づいて、第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第1温度測定デバイスの測定値が正常な状況を満たすと判定し、さらに第1温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度として使用することができる。
【0054】
選択可能に、上記ステップS3は、具体的には、
第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、この場合、基本的には、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのいずれにも開回路、短絡や接触不良が発生していないと判定できるステップを含む。
【0055】
上記条件を満たす場合、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも小さく、且つ第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差よりも大きいと、第2温度測定デバイスの測定値を、該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができると判定できる。
【0056】
詳細には、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも小さく、且つ両者の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、第1温度測定デバイスと被加熱部分との間隔が比較的大きいか、又は第1温度測定デバイスと被加熱部分との接触関係が悪いなどの問題があり得ることを示すが、第1温度測定デバイスの測定値も時間の経過とともに増大するため、さらに第1温度測定デバイスがまだ正常な機能を備えており、ただ、その測定値の精度が比較的低いと判定でき、従って、この場合、第2温度測定デバイスの測定値を被加熱部分の実際の温度として使用することもできる。
【0057】
以上のように、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大するという条件に基づいて、第1温度測定デバイスの測定値が第2温度測定デバイスの測定値よりも小さく、且つ両者の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、第2温度測定デバイスの測定値及び該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度を使用して、対応する制御デバイスによって、被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、対応する加熱デバイスの加熱を制御することができる。
【0058】
選択可能に、図4に示すように、上記ステップS3は、具体的には、
第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大し、且つ第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が変わらない場合、第2温度測定デバイスの測定値及び該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、対応する制御デバイスによって、被加熱部分の温度が目標温度を満たすように、対応する加熱デバイスの加熱を制御するステップをさらに含む。
【0059】
本実施例では、第1温度測定デバイスの測定値が所定期間において変わらないと、第1温度測定デバイスに短絡故障が発生したと判定し、これに基づいて、第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第2温度測定デバイスの測定値が正常な状況を満たすと判定し、さらに第2温度測定デバイスの測定値を、被温度制御配管の該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度として使用することができる。
【0060】
選択可能に、図5及び図6に示すように、上記ステップS3は、具体的には、
第1温度測定デバイスの測定値が所定期間において第1所定値を超え続けるか、又は、第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値のジャンプ振幅が第2所定値を超える回数が所定回数に達する場合、第1温度測定デバイスの測定値が異常であると判定することもできるステップをさらに含む。
【0061】
具体的には、第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値について、第1所定値を超え続けると、第1温度測定デバイスに開回路故障が発生したことを示し、この場合、第1温度測定デバイスの測定値は、通常、その最大レンジの数値として表示される。さらに、第1所定値は、具体的には、被温度制御配管の最高温度制御温度よりも高い値であってもよく、それによって、第1温度測定デバイスの測定値が第1所定値を超えると、第1温度測定デバイスが異常であり、且つ開回路故障が発生した確率が高いと判定でき、第1温度測定デバイスの測定値を第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができない。
【0062】
第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値のジャンプ振幅が第2所定値を超え、且つ超える回数が所定回数に達すると、第1温度測定デバイスが接触不良状態であることを示し、さらに第1温度測定デバイスの測定値を第1温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができない。ジャンプは、隣接する2つの時点における第1温度測定デバイスの測定値間に大きな差があることであり、差の振幅が第2所定値を超え、且つ上記差の所定期間内での出現回数が多く、すなわち、第2所定値を超えると、該差は第1温度測定デバイスの性能によるものではなく、第1温度測定デバイスに故障があると判定できる。
【0063】
上記場合に基づいて、第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第2温度測定デバイスの測定値を、該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができる。上記測定値及び該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の目標温度を使用し、対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスの加熱を制御することで、同様に被加熱部分の温度が目標温度を満たすことができる。
【0064】
また、上記実施例では、制御デバイスが加熱デバイスの動作を制御する際に使用されるデータが該加熱アセンブリの第2温度測定デバイスに由来のものであると、上記加熱アセンブリの第1温度測定デバイスが異常であることを示し、この場合、警報信号を送信してもよく、該警報信号には、上記加熱アセンブリの第1温度測定デバイスが異常であるという情報が含まれる。
【0065】
選択可能に、図4に示すように、上記ステップS4は、具体的には、
第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が異常であり、且つ第2温度測定デバイスの測定値が所定期間において第1所定値を超え続けるか、又はジャンプ振幅が第2所定値を超える回数が所定回数に達する場合、対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが隣接する被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して被加熱部分を加熱するように制御するステップを含む。
【0066】
本実施例では、第2温度測定デバイスの測定値が所定期間において変わらないと、第2温度測定デバイスに短絡故障が発生したと判定し、すなわち、第2温度測定デバイスの測定値を該第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができない。
【0067】
これに基づいて、本実施例は、上記被加熱部分に隣接する被加熱部分に対応する加熱デバイスの加熱状態を利用して、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する加熱デバイスに加熱パラメータを提供することで、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する加熱デバイスが依然として加熱動作を継続できることを確保し、且つ上記故障した第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分をその目標温度に近いか等しいまで加熱し続けることができる。勿論、本実施例では、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する第1温度測定デバイスも異常である。
【0068】
より詳細には、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分は、具体的には、第1被加熱部分であってもよく、上記第1被加熱部分に隣接する被加熱部分は、具体的には、第2被加熱部分であってもよい。第2被加熱部分は、第1被加熱部分の下流側に位置してもよく、第1被加熱部分の上流側に位置してもよく、本明細書ではこれを限定しない。しかし、第2被加熱部分を実際に選択する際に、第1被加熱部分の下流側にある被加熱部分を第2被加熱部分として優先的に選択し、それにより被温度制御配管の流体輸送方向の温度に過熱が発生する確率が比較的小さい。
【0069】
選択可能に、図5及び図6に示すように、上記ステップS4は、具体的には、
第2温度測定デバイスの測定値が所定期間において第1所定値を超え続けるか、又はジャンプ振幅が第2所定値を超える回数が所定回数に達する場合、対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが隣接する被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して被加熱部分を加熱するように制御するステップをさらに含む。
【0070】
具体的には、第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値について、第1所定値を超え続けると、第2温度測定デバイスに開回路故障が発生したことを示し、この場合、第2温度測定デバイスの測定値は、通常、その最大レンジの数値として表示される。さらに、第1所定値は、具体的には、被温度制御配管の最高温度制御温度よりも高い値であってもよく、それによって、第2温度測定デバイスの測定値が第1所定値を超えると、第2温度測定デバイスが異常であり、且つ開回路故障が発生した確率が高いと判定でき、第2温度測定デバイスの測定値を第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができない。
【0071】
第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値のジャンプ振幅が第2所定値を超え、且つ超える回数が所定回数に達すると、第2温度測定デバイスが接触不良状態であることを示し、さらに第2温度測定デバイスの測定値を第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分の実際の温度とすることができない。ジャンプは、隣接する2つの時点における第2温度測定デバイスの測定値間に大きな差があることであり、差の振幅が第2所定値を超え、且つ上記差の所定期間内での出現回数が多く、すなわち、第2所定値を超えると、該差は第2温度測定デバイスの性能によるものではなく、第2温度測定デバイスに故障があると判定できる。
【0072】
これに基づいて、図7に示すように、本実施例に係る配管温度制御方法は、被加熱部分の温度データを取得して分析することによって、対応する被加熱部分の第1温度測定デバイスの測定値が異常であるか否かを判断し、正常であると、第1温度測定デバイスの測定値を実際の温度として、対応する制御デバイスによって対応するパラメータを設定して、被加熱部分が目標温度を満たすようにPID温度制御加熱を行い、第1温度測定デバイスの測定値が異常であると、処理デバイスによって警報を送信して第1温度測定デバイスの異常を通知するとともに、第2温度測定デバイスの測定値が異常であるか否かを判断し、正常であると、第2温度測定デバイスの測定値を実際の温度として、対応する制御デバイスによって対応するパラメータを設定して、被加熱部分が目標温度を満たすようにPID温度制御加熱を行い、第2温度測定デバイスの測定値も異常であると、処理デバイスによって警報を送信して第2温度測定デバイスの異常を通知するとともに、上記被加熱部分に隣接する被加熱部分に対応する加熱デバイスの加熱状態を利用して、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する加熱デバイスに加熱パラメータを提供することで、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する加熱デバイスが加熱動作を継続できることを確保し、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分をその目標温度に近いか等しいまで加熱し続けることができる。勿論、本実施例では、上記隣接する被加熱部分の加熱デバイスは加熱状態であり、そうでなければ、温度制御プログラムを直接終了させ、加熱を停止する。
【0073】
より詳細には、上記故障した第2温度測定デバイスに対応する被加熱部分は、具体的には、第1被加熱部分であってもよく、上記第1被加熱部分に隣接する被加熱部分は、具体的には、第2被加熱部分であってもよい。第2被加熱部分は、第1被加熱部分の下流側に位置してもよく、第1被加熱部分の上流側に位置してもよく、本明細書ではこれを限定しない。
【0074】
以下の表に示すように、被温度制御配管の延在方向において、配管内の流体の流動方向から、被加熱部分Z、Z…Z(n-1)及びZは順に隣接して分布しており、Zは、被温度制御配管の最上流側に位置し、Zは、被温度制御配管の最下流側に位置する。第2被加熱部分を実際に選択する際に、第1被加熱部分Zn-1(n≦m)の下流側にある被加熱部分Zを第2被加熱部分として優先的に選択し、それにより、被温度制御配管の温度の正確性が高くなり、勿論、第1被加熱部分が被温度制御配管の最下流側にある1つの被加熱部分であり、すなわち、Zである場合、第1被加熱部分Zの上流側に隣接する被加熱部分Zn-1を第2被加熱部分として選択することができる。
【0075】
図8は、配管温度制御方法のフローの一部を示す具体的な模式図であり、図8では、Pは温度制御範囲の基準値であり、TZnS-TZnA≧Pの場合、被加熱部分の現在温度と目標温度との間にまだ大きな差があることを示し、該被加熱部分を加熱し続ける必要があり、一方、|TZnS-TZnA|<Pの場合、被加熱部分の現在温度が目標温度に近く、温度制御要件を満たすことを示し、保温加熱状態に入ることができるとともに、現在温度が目標温度よりも大きいか否かを判断する必要があり、YESであると、加熱異常を示し、異常処理を行う必要がある。温度制御過程では、各被加熱部分の温度制御パラメータは、以下の表に示される。
【0076】
【表1】
【0077】
そして、複数の加熱アセンブリのうち、第1被加熱部分に対応する加熱アセンブリは第1加熱アセンブリであり、第2被加熱部分に対応する加熱アセンブリは第2加熱アセンブリであり、第1加熱アセンブリと第2加熱アセンブリは隣接して設けられ、上記内容に基づいて、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも所定期間において異常である場合、
【0078】
対応する制御デバイスによって、対応する加熱デバイスが隣接する被加熱部分の加熱デバイスの加熱状態に追従して被加熱部分を加熱するように制御する上記ステップは、具体的には、
第2加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第2加熱アセンブリに対応する被加熱部分の目標温度に応じて、第1加熱アセンブリの制御デバイスによって、第1加熱アセンブリに対応する被加熱部分の温度が第2加熱アセンブリに対応する被加熱部分の目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが被温度制御配管の第1加熱アセンブリに対応する被加熱部分を加熱するように制御するステップを含んでもよい。
【0079】
すなわち、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのいずれに機能異常がある場合、第1加熱アセンブリに隣接する第2加熱アセンブリの加熱パラメータを使用して第1加熱アセンブリに対応する被加熱部分を加熱する必要がある。加熱過程では、使用されるパラメータは、第2加熱アセンブリの第1温度測定デバイスにより測定された温度パラメータであり、第2加熱アセンブリに対応する被加熱部分の目標温度に基づいて、第1加熱アセンブリの制御デバイスを使用して、第1加熱アセンブリに対応する被加熱部分の温度が第2加熱アセンブリに対応する被加熱部分の目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが動作して第1加熱アセンブリに対応する被加熱部分を加熱するように制御し、それによってプロセスの継続を確保し、プロセスの中止によるウェハの廃棄を防止し、損失及びコストを低減させる。
【0080】
また、上記実施例では、制御デバイスが加熱デバイスの動作を制御する際に使用されるデータが該加熱アセンブリに隣接する別の加熱アセンブリの加熱デバイスに由来のものであると、上記加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスがいずれも異常であることを示し、この場合、警報信号を送信してもよく、該警報信号には、上記加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスがいずれも異常であるという情報が含まれる。
【0081】
上記実施例に係る配管温度制御方法に基づいて、図7及び図8に示すように、本願の実施例は、以下の内容をさらに開示する。配管温度制御装置では、複数の加熱アセンブリは、具体的には、2つの加熱アセンブリであってもよく、それぞれ第1加熱アセンブリ及び第2加熱アセンブリである。勿論、加熱アセンブリの数は、3つ、4つ、5つ又はそれ以上であってもよく、これに対応して、加熱アセンブリは、それぞれ第1加熱アセンブリ、第2加熱アセンブリ、第3加熱アセンブリ…第n加熱アセンブリであってもよい。これに対応して、被温度制御配管の第1加熱アセンブリ、第2加熱アセンブリ、第3加熱アセンブリ…第n加熱アセンブリに対応する被加熱部分は、それぞれ第1被加熱部分、第2被加熱部分、第3被加熱部分…第n被加熱部分であり、上記部分は被温度制御配管の延在方向に順に隣接する。
【0082】
上記内容に基づいて、上記ステップS2は、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0083】
S21:第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大する場合、第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第1加熱アセンブリに対応する第1被加熱部分の第1目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御する。
【0084】
つまり、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスが正常動作状態であると、第1温度測定デバイスの測定値及び第1被加熱部分の第1目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第1目標温度、すなわち、温度制御コマンドで指示される温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスの動作を制御する。
【0085】
第1目標温度は、予め設定された温度であってもよく、具体的には、第1被加熱部分の材料及び輸送される媒体の種類や流量などに応じて決定されてもよく、具体的には、実際の応用において設定された温度を基準とし、本実施例では特に限定しない。なお、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第1温度測定デバイスは正常な温度測定データを提供でき、正常動作状態である条件を満たすと判定し、上記正常動作状態は、相対的な結果であり、第1温度測定デバイスの動作状態は絶対的な意味で正常ではない。
【0086】
S22:第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大せず、且つ第1加熱アセンブリの第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大する場合、第2温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第1加熱アセンブリに対応する第1被加熱部分の第1目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御する。
【0087】
本実施例では、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスが非動作状態、すなわち、異常状態であり、且つ第2温度測定デバイスが正常動作状態であると、第2温度測定デバイスの測定値及び第1被加熱部分の第1目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第1目標温度、すなわち、温度制御コマンドで指示される温度を満たすように第1加熱アセンブリの加熱デバイスの動作を制御する。
【0088】
つまり、第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大せず、且つ第2温度測定デバイスの測定値が上記期間において時間の経過とともに増大すると、該第1温度測定デバイスに故障が発生した可能性が高く、さらに該第1温度測定デバイスにより測定された温度データを温度制御データとすることができない。
【0089】
本願の実施例では、まず、温度制御コマンドを受信し、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第1温度測定デバイスが正常動作状態であると判定し、さらに第1温度測定デバイスの測定値及び被加熱部分の第1目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御する。第1温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大せず、且つ第1加熱アセンブリの第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値が時間の経過とともに増大すると、第1温度測定デバイスが異常動作状態であり、且つ第2温度測定デバイスが正常動作状態であると判定し、さらに第2温度測定デバイスの測定値及び被加熱部分の第1目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御することができる。
【0090】
本願の実施例では、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイスが正常に動作する場合、第1温度測定デバイスにより測定された温度を使用して、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1被加熱部分を加熱するように制御し、第1温度測定デバイスが正常に動作せず、且つ第1加熱アセンブリの第2温度測定デバイスが正常に動作する場合、第2温度測定デバイスにより測定された温度を使用して、加熱デバイスが第1被加熱部分を加熱するように制御し、それによって第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの一方が異常である場合、他方を使用して被温度制御配管の対応する第1被加熱部分の温度を測定し、1つの温度測定デバイスの異常(損傷又は接触不良など)のため、配管温度制御装置が正常に動作できず、機械を停止してメンテナンスせざるを得ず、その結果、ウェハの加工プロセスが中止し、生産コストが大幅に上がり、プロセスが遅れることを防止し、上記技術的解決手段を採用すると、上記問題をある程度解決し、プロセスの連続性を一定の範囲内で確保することができる。
【0091】
さらに、本願の別の具体的な実施形態では、ステップS21は、ステップS211を含んでもよい。
【0092】
S211:第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、且つ第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差以下である場合、第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第1加熱アセンブリに対応する第1被加熱部分の第1目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御する。
【0093】
本実施例では、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも時間の経過とともに増大すると、両者がいずれも上記正常動作状態であると判定でき、被温度制御配管の第1被加熱部分の温度制御の正確性をさらに向上させるために、さらに第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値と第1所定差との関係を判断し、上記差の絶対値の差が第1所定差以下であると、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値の正確性がいずれも比較的高いと判定でき、すなわち、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値はいずれも基本的に第1被加熱部分の実際の温度である。これに基づいて、第1温度測定デバイスの測定値及び第1被加熱部分の第1目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすように、加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御することができる。
【0094】
本実施例は、第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスにより測定された温度を比較することによって、第1温度測定デバイスが正常動作状態であるか否かをより正確に判定でき、さらに第1被加熱部分の被温度制御度を第1目標温度に近くし、加熱結果をより正確にし、さらにプロセス効果を向上させることができる。
【0095】
上述したように、配管温度制御装置の複数の加熱アセンブリは、第1加熱アセンブリを含んでもよく、第1加熱アセンブリは、被温度制御配管の第1被加熱部分に対して温度制御を行うことに用いられる。選択可能に、本実施例では、配管温度制御装置の複数の加熱アセンブリは、第2加熱アセンブリを含んでもよく、同様に、第2加熱アセンブリは、被温度制御配管の第2加熱アセンブリに対応する第2被加熱部分に対して温度制御を行うことに用いられ、第1加熱アセンブリ及び第2加熱アセンブリは被温度制御配管の延在方向に分布している。上記配管温度制御装置に基づいて、本実施例に係る配管温度制御方法では、上記ステップS1の後、配管温度制御方法はステップS23をさらに含んでもよい。
【0096】
S23:第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大し、且つ第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差よりも大きく、及び第2加熱アセンブリの加熱デバイスが動作する場合、第2加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第2加熱アセンブリに対応する第2被加熱部分の第2目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第2目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作するように制御する。
【0097】
本実施例では、前の実施例と同様に、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定値がいずれも時間の経過とともに増大すると、両者がいずれも上記正常動作状態であると判定できるとともに、第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値と上記第1所定差とを比較することによって、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスが正常動作状態であるか否かの判断結果の正確性をさらに向上させることができる。これに対応して、第1温度測定デバイスと第2温度測定デバイスとの測定値の差の絶対値が第1所定差よりも大きい場合、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのうちの少なくとも一方の温度測定デバイスが異常であることを示す。これに基づいて、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのどれが異常であるかを直接判定することはできないため、温度制御動作の信頼性を確保するように、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのいずれか一方の測定値を被温度制御配管の第1被加熱部分の実際の温度とすることができない。
【0098】
被温度制御配管において第1被加熱部分と第2被加熱部分は空間的に互いに近接し、被温度制御配管で輸送される媒体は第1被加熱部分及び第2被加熱部分をそれぞれ流れ、これに基づいて、本実施例では、被温度制御配管の第1被加熱部分に近接する第2被加熱部分の温度を第1被加熱部分のリアルタイム温度として使用することができる。勿論、上記場合の前提は、第2加熱アセンブリが動作状態であることであり、それによって、第2加熱アセンブリの加熱デバイスが動作状態である場合、第2加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第2加熱アセンブリに対応する第2被加熱部分の第2目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第2目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作するように制御することができる。
【0099】
上記技術的解決手段を採用すると、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの測定結果がいずれも不正確である可能性がある場合でも、第2加熱アセンブリの関連データを使用して、第1加熱アセンブリが動作し続けるように制御することができ、さらにプロセスの継続を確保し、プロセスの中止によるウェハの廃棄を防止し、損失及びコストを低減させる。
【0100】
好ましくは、第2加熱アセンブリは、複数の加熱アセンブリのうち被温度制御配管の延在方向において第1加熱アセンブリとの距離が最も近い加熱アセンブリであってもよく、それによって、第2加熱アセンブリの対応するデータを使用して第1加熱アセンブリの動作を制御するときに、第1被加熱部分が到達する第2目標温度を元々加熱されるべき第1目標温度に近くし、被温度制御配管で輸送される媒体がプロセスチャンバーに輸送される時の温度の正確性をさらに向上させる。
【0101】
上述したように、本願に係る配管温度制御装置における複数の加熱アセンブリは、第1加熱アセンブリと、第2加熱アセンブリと、を含んでもよい。これに基づいて、本願の実施例に係る配管温度制御方法では、上記ステップS1の後、配管温度制御方法はステップS24をさらに含んでもよい。
【0102】
S24:第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増大せず、且つ第1加熱アセンブリ及び第2加熱アセンブリの加熱デバイスがいずれも動作する場合、第2加熱アセンブリの第1温度測定デバイスの測定値及び被温度制御配管の第2加熱アセンブリに対応する第2被加熱部分の第2目標温度に応じて、第1被加熱部分の温度が第2目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作するように制御する。
【0103】
本実施例では、第1加熱アセンブリの2つの温度測定デバイスの所定期間内での測定値がいずれも時間の経過とともに増加せず、且つ第1加熱アセンブリの加熱デバイスが動作する場合、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが出力電流を有するが、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスがいずれも加熱デバイスの加熱結果を対応してフィードバックできないことを示し、この場合、第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスがいずれも異常状態であると判定する。この場合、第1加熱アセンブリの測定値を使用して第1加熱アセンブリの加熱動作を制御することはできない。
【0104】
プロセスの継続を確保するように、依然として第2加熱アセンブリの関連データを第1被加熱部分のデータとして使用して第1加熱アセンブリを制御することができる。勿論、上記技術的解決手段では、第2加熱デバイスが動作状態であるか否かを判断する必要もあり、第2加熱アセンブリの加熱デバイスが動作状態である場合、第2加熱アセンブリに対応する第2被加熱部分の第2目標温度を使用して、第1被加熱部分の温度が第2目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作するように制御する。
【0105】
上記技術的解決手段を採用すると、第2加熱アセンブリの関連データを使用して第1加熱アセンブリの動作を制御することもでき、第1加熱アセンブリは依然として温度制御配管の第1被加熱部分の温度を第1目標温度に比較的近い第2目標温度に加熱できることを確保し、プロセスの継続を確保し、プロセスの中止によるウェハの廃棄を防止する。
【0106】
上述したように、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスが異常である場合、第2加熱アセンブリの関連データを使用して第1被加熱部分に対して温度制御を行うことができる。これに基づいて、上記配管温度制御方法は、
第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で動作するように制御する場合、第1警報信号を送信するステップであって、第1警報信号には、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び/又は第2温度測定デバイスの動作異常が含まれるステップをさらに含んでもよい。
【0107】
つまり、第1加熱アセンブリが第2電力で動作すると、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのうちの少なくとも一方が異常状態であることを示し、そのため、第1警報信号を送信することによって、第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び第2温度測定デバイスのうちの少なくとも一方が異常であることを作業員又は処理デバイスに通知し、それによって作業員はタイムリーに問題を見つける又はデバイスを交換することができ、後のプロセス結果が要件をより満たすことができることを確保する。
【0108】
プロセス過程では、被温度制御配管で輸送される媒体はプロセスチャンバーに断続的に供給される可能性があり、これに基づいて、輸送される媒体がプロセスチャンバー内に供給される時の温度を依然として所要の温度に維持できることを確保するように、選択可能に、本実施例では、配管温度制御方法はステップS3をさらに含んでもよい。
【0109】
S3:第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作した後、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たし続けるように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第3電力で動作するように制御する。
【0110】
つまり、第1加熱アセンブリの第1被加熱部分の温度が第2目標温度に到達した後、第1加熱アセンブリの加熱デバイスを継続的に動作させることによって、第1被加熱部分を保温する。そして、第1加熱アセンブリによって、第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たすことができる第3電力で第1被加熱部分を保温し、保温によって、元々第2目標温度に加熱された第1被加熱部分の温度が元々設定された第1目標温度をさらに満たすこともでき、さらに被温度制御配管で輸送される媒体の温度制御効果を高め、プロセス結果を向上させる。
【0111】
なお、第1被加熱部分の材料、及び輸送される媒体の種類や流量などのパラメータに応じて、単位時間あたりに第1被加熱部分内に収容された媒体によって放出される熱量を決定されてもよく、これに基づいて、単位時間あたりに第1被加熱部分の温度を第1目標温度に維持することに必要な熱量を得ることができ、さらに第3電力の具体的なパラメータを得ることができる。
【0112】
上述したように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作するように制御することによって、第1被加熱アセンブリの温度が第1目標温度を満たすことができ、選択可能に、第1目標温度を満たすことは、具体的には、第1目標温度に等しいことであってもよく、本願の別の実施例では、第1目標温度を満たすことは、第1目標温度の値と第1被加熱部分のリアルタイム温度の値との差の絶対値が第2所定差よりも小さいことであってもよい。つまり、第1目標温度を満たす条件を拡大することによって、判断過程の厳しさを低減させ、第1被加熱部分の温度が1つの範囲区間にある限り、第1目標温度を満たすと判定し、配管温度制御方法の適用範囲を拡大する。
【0113】
上述したように、第1被加熱部分の温度が第2目標温度を満たすように、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第2電力で第2所定時間動作する場合、第1被加熱部分を保温することができ、それによって、媒体がプロセスチャンバー内に輸送される時の温度が依然として所要の温度を満たすことを確保し、熱損失によってプロセス効果に悪影響を及ぼすことはない。
【0114】
同様に、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作する場合、加熱保温によって、第1被加熱部分内の媒体の温度が第1目標温度を長時間満たすことを確保することもでき、これに基づいて、本実施例では、配管温度制御方法は、ステップS4をさらに含んでもよい。
【0115】
S4:第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第1電力で第1所定時間動作した後、第1被加熱部分の温度と第1目標温度との差の絶対値を第3所定差以下に維持するように、第1加熱アセンブリが第3電力で動作するように制御する。本実施例に係る技術的解決手段を採用する場合、保温し続けることによって、第1被加熱部分内の媒体の温度が第1目標温度を長時間満たすことができ、さらに媒体がプロセスチャンバー内に輸送される時の温度が所要の温度を満たすことができることを確保し、時間の経過に伴う媒体の放熱により温度が低下してプロセス効果に悪影響を及ぼすことはない。
【0116】
上記ステップS4では、加熱し続けることによって、第1被加熱部分内の媒体が第1目標温度を満たすことができ、しかし、実際の応用では、予期せぬ状況によって保温故障を引き起こす可能性があり、これに基づいて、さらに、本実施例では、配管温度制御方法はステップS51をさらに含んでもよい。
【0117】
S51:第1加熱アセンブリが第3電力で第3所定時間動作し、且つ第1目標温度と第1被加熱部分の温度との差が第3所定差よりも小さい場合、温度制御コマンドを送信する。
【0118】
本実施例では、第1加熱アセンブリが第3電力で第3所定時間動作した後、第1目標温度と第1被加熱部分の温度との差が第3所定差よりも小さいと、第1被加熱部分の現在温度が第1目標温度よりも低く、第1目標温度を満たさなくなることを示し、従って、上記媒体の温度が第1目標温度を再度満たすように、第1被加熱部分内の媒体を再加熱する必要があり、これに基づいて、温度制御コマンドを送信し、上記S1、及びS1に対応する後のステップを再実行し、上記手段は、上記実施例では詳細に説明されており、テキストを簡潔にするために、本実施例では詳しい説明を省略する。
【0119】
これに対応して、配管温度制御方法は、S52ステップをさらに含んでもよい。
【0120】
S52:第1加熱アセンブリが第3電力で第3所定時間動作し、且つ第1被加熱部分の温度と第1目標温度との差が第3所定差よりも大きい場合、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが動作を停止するように制御し、第2警報信号を送信し、第2警報信号には保温加熱異常情報が含まれる。
【0121】
本実施例では、第1加熱アセンブリが第3電力で第3所定時間動作した後、第1被加熱部分の温度と第1目標温度との差が第3所定差よりも大きいと、第1被加熱部分の現在温度が第1目標温度よりも高くなり、且つ第1被加熱部分の温度が第1目標温度を満たさなくなることを示し、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが第3電力で保温加熱していない可能性があること、又は第1加熱アセンブリの第1温度測定デバイス及び/又は第2温度測定デバイスに測定異常があることを反映する。この場合には、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが異常動作状態であることを示す。これに対応して、第1加熱アセンブリの加熱デバイスが動作を停止するように制御する必要があり、媒体の過熱による安全問題を防止するとともに、デバイスの損傷を防止する。また、さらに第2警報信号を送信することで、現在第1加熱アセンブリに加熱異常があることを作業員及び/又は処理デバイスに通知し、それによってタイムリーに問題を見つける又はデバイスを交換する。
【0122】
本願の上記実施例では各実施例の相違点を重点的に説明しており、各実施例の異なる最適化された特徴は、矛盾しない限り、より好適な実施例を形成するために組み合わせることができ、テキストを簡潔にするために、ここで詳しい説明を省略する。
【0123】
上記は本願の実施例にすぎず、本願を限定するものではない。当業者にとって、本願に種々の変更や変形を行うことができる。本願の趣旨及び原理を逸脱せずに行われるすべての変更、同等置換、改良などは本願の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0124】
100 処理デバイス
200 加熱アセンブリ
210 加熱デバイス
220 第1温度測定デバイス
230 第2温度測定デバイス
240 制御デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】