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特表2024-542561ゲートオールアラウンドトランジスタ及び形成方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】ゲートオールアラウンドトランジスタ及び形成方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301X
H01L29/78 301S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531204
(86)(22)【出願日】2022-10-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022048313
(87)【国際公開番号】W WO2023101780
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/285,276
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/967,099
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コロンボー, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】プラナタルティハラン, バラスブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, レクン
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA00
5F140BB05
5F140BB06
5F140BC15
5F140BG02
5F140BG08
5F140BG09
5F140BG11
5F140BG12
5F140BG14
5F140BH06
5F140BK09
5F140BK18
5F140BK21
5F140CB04
5F140CE10
(57)【要約】
本明細書の手法は、最適化されたゲートオールアラウンドトランジスタを形成するためのデバイス及び方法を提供する。1つの方法は、交互に配置された複数の第1の層と第2の層を各々が含む複数のナノシートを形成することと、第1の層に対して第2の層を横方向に陥凹させるために複数のナノシートをエッチングすることとを含みうる。本方法は、複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成すること、複数のナノシートの各々の第1の層からスペーサ材料を除去するためにスペーサ材料をエッチングすること、及びスペーサ材料が複数のナノシートの各々の第1の層から除去された後に、複数のナノシートに対して側壁処理を実行することによって、陥凹させた第2の層の上に内側スペーサを形成することを更に含みうる。
【選択図】図11B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に配置された複数の第1の層と第2の層を各々が含む複数のナノシートを形成することと、
前記第1の層に対して前記第2の層を横方向に陥凹させるために前記複数のナノシートをエッチングすることと、
陥凹させた前記第2の層の上に内側スペーサを形成することであって、
前記複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成すること、
前記複数のナノシートの各々の前記第1の層から前記スペーサ材料を除去するために前記スペーサ材料をエッチングすること、及び
前記スペーサ材料が前記複数のナノシートの各々の前記第1の層から除去された後に、前記複数のナノシートに対して側壁処理を実行すること
によって、内側スペーサを形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のナノシートの各々の前記露出部分に沿って前記スペーサ材料を形成することが、流動性化学気相堆積又は原子層堆積のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記側壁処理が、分離プラズマ処理又はプラズマドーピングイオン注入である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のナノシートの上に複数のダミーゲートを形成することであって、前記複数のナノシートが基板から形成される、複数のダミーゲートを形成することと、
前記複数のナノシートの上にかつ前記複数のダミーゲートの各々の側壁に沿って、スペーサを形成することと、
前記複数のナノシートの各々の前記部分を露出させるために、前記複数のナノシートの上の前記スペーサを除去することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のダミーゲートの各々の間にソース/ドレインエピタキシャル層を形成することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の層に対する所望量の横方向のくぼみを決定するための測定プロセスを実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層に対して前記第2の層を横方向に陥凹させるために前記複数のナノシートをエッチングすることが、前記第2の層に対して決定された前記所望量の横方向のくぼみに基づいて横方向のエッチングを実行することを含み、前記複数のナノシートの2つの隣接するナノシート間の距離が、前記2つの隣接するナノシートの下側部分と上側部分との間で一定である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサと、
メモリと
を備えるシステムであって、該メモリが、
交互に配置された複数の第1の層と第2の層を各々が含む複数のナノシートを形成することと、
前記第1の層に対して前記第2の層を横方向に陥凹させるために前記複数のナノシートをエッチングすることと、
陥凹させた前記第2の層の上に内側スペーサを形成することであって、
前記複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成すること、
前記複数のナノシートの各々の前記第1の層から前記スペーサ材料を除去するために前記スペーサ材料をエッチングすること、及び
前記スペーサ材料が前記複数のナノシートの各々の前記第1の層から除去された後に、前記複数のナノシートに対して側壁処理を実行すること
によって、内側スペーサを形成することと
を行うための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、システム。
【請求項9】
前記複数のナノシートの各々の前記露出部分に沿って前記スペーサ材料を形成するための、前記プロセッサによって実行可能な前記命令が、流動性化学気相堆積又は原子層堆積のうちの1つを実行することを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記側壁処理が、分離プラズマ処理又はプラズマドーピングイオン注入である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記メモリが、
前記複数のナノシートの上に複数のダミーゲートを形成することであって、前記複数のナノシートが基板から形成される、複数のダミーゲートを形成することと、
前記複数のナノシートの上にかつ前記複数のダミーゲートの各々の側壁に沿って、スペーサを形成することと、
前記複数のナノシートの各々の前記部分を露出させるために、前記複数のナノシートの上の前記スペーサを除去することと
を行うための、前記プロセッサによって実行可能な命令を更に記憶する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記メモリが、前記複数のダミーゲートの各々の間にソース/ドレインエピタキシャル層を形成するための、前記プロセッサによって実行可能な命令を更に記憶する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記メモリが、前記第2の層に対する所望量の横方向のくぼみを決定するための測定プロセスを実行するための、前記プロセッサによって実行可能な命令を更に記憶する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の層に対して前記第2の層を横方向に陥凹させるために前記複数のナノシートをエッチングするための、プロセッサによって実行可能な前記命令が、前記第2の層に対して決定された前記所望量の横方向のくぼみに基づいて横方向のエッチングを実行することを更に含み、前記複数のナノシートの2つの隣接するナノシート間の距離が、前記2つの隣接するナノシートの下側部分と上側部分との間で一定である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
複数のナノシート上の複数のダミーゲートであって、前記複数のナノシートの各々が交互に配置された第1の層と第2の層を含み、前記複数のナノシートが基板ベースから垂直方向に延び、前記第2の層の水平方向における第1の厚さが、前記第1の層の前記水平方向における第2の厚さよりも小さい、複数のダミーゲートと、
前記第2の層にだけ沿って形成された内側スペーサと
を備える、デバイス。
【請求項16】
前記複数のナノシートの間に形成されたソース/ドレインエピタキシャル層を更に含む、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ソース/ドレインエピタキシャル層が前記内側スペーサと直接接触している、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1の層がシリコンであり、前記第2の層がシリコンゲルマニウムである、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数のナノシートの2つの隣接するナノシート間の距離が、前記2つの隣接するナノシートの下側部分と上側部分との間で一定である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項20】
前記内側スペーサの外面によって画定される第1の平面が、前記第1の層の外面によって画定される第2の平面と同一平面上にある、請求項15に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、2022年10月17日に出願された「ゲートオールアラウンドトランジスタ及び形成方法(GATE-ALL-AROUND TRANSISTORS AND METHODS OF FORMING)」と題する米国通常(非仮)特許出願17/967,099号の優先権を主張し、本米国通常(非仮)特許出願は、2021年12月2日に出願された「ゲートオールアラウンドトランジスタ及び形成方法(GATE-ALL-AROUND TRANSISTORS AND METHODS OF FORMING)」と題する米国仮特許出願63/285,276号の優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
[0002]本実施形態は、半導体デバイスのパターニングに関し、より詳細には、最適化されたゲートオールアラウンドトランジスタを形成するためのデバイス及び技法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路(IC)技術がより小さな技術ノードに向かって進歩するにつれて、ゲートチャネル接続を増加させ、オフ状態の電流を低下させ、短チャネル効果(SCE)を減らすことによってゲート制御を改善するために、マルチゲートデバイスが使用されてきた。マルチゲートデバイスは、概して、チャネル領域の複数の側面上に配置されたゲート構造又はその一部を有するデバイスを指す。フィン型電界効果トランジスタ(FinFET)とゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタは、どちらも非プレーナ型のトランジスタとして列挙され、高性能かつ低リークのアプリケーションを実現するマルチゲートデバイスの例である。GAAトランジスタは、通常、チャネル領域の周囲に部分的又は全体的に延びて2つ以上の側面においてチャネル領域にアクセスできるゲート構造を有している。GAAトランジスタのチャネル領域は、ナノワイヤ、ナノシート、又はその他のナノ構造から形成されうる。
【0004】
[0004]1つの集積回路においてナノワイヤトランジスタ及び/又はナノシートトランジスタを含む様々なマルチゲートデバイスを上手く集積化することは、困難である。例えば、ポリシリコンの結晶化配向になどによる横方向のエッチング速度の違いにより、側壁の表面が粗くなり、傾斜し、かつ/又は不均一になり、垂直プロファイルに歪みが生じる。処理が進むにつれて、不均一な側壁表面の上に形成されるコンフォーマルなスペーサがプロファイルの歪みを引継ぎ、ゲート長のパターニングに一貫性がなくなる。
【0005】
[0005]したがって、処理中のゲート長のばらつきを制御するための改良された手法が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本概要は、以下の「発明を実施するための形態」で更に詳述する構想から選んだものを、簡略化した形で紹介するために提示される。本概要は、特許請求される発明の主題の重要な特徴又は基本的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される発明の主題の範囲を決定する際の補助となることも意図していない。
【0007】
[0007]1つの態様では、方法は、交互に配置された複数の第1の層と第2の層を各々が含む複数のナノシートを形成することと、第1の層に対して第2の層を横方向に陥凹させるために複数のナノシートをエッチングすることとを含みうる。本方法は、複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成すること、複数のナノシートの各々の第1の層からスペーサ材料を除去するためにスペーサ材料をエッチングすること、及びスペーサ材料が複数のナノシートの各々の第1の層から除去された後に、複数のナノシートに対して側壁処理を実行することによって、陥凹させた第2の層の上に内側スペーサを形成することを更に含みうる。
【0008】
[0008]別の態様では、システムは、プロセッサと、メモリとを備えうる。該メモリは、交互に配置された複数の第1の層と第2の層を各々が含む複数のナノシートを形成することと、第1の層に対して第2の層を横方向に陥凹させるために複数のナノシートをエッチングすることと、陥凹した第2の層の上に内側スペーサを形成することであって、複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成すること、複数のナノシートの各々の第1の層からスペーサ材料を除去するためにスペーサ材料をエッチングすること、及びスペーサ材料が複数のナノシートの各々の第1の層から除去された後に、複数のナノシートに対して側壁処理を実行することによって、内側スペーサを形成することとを行うための、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。
【0009】
[0009]更に別の態様では、デバイスは、複数のナノシート上の複数のダミーゲートであって、複数のナノシートの各々が交互に配置された第1の層と第2の層を含み、複数のナノシートが基板ベースから垂直方向に延び、第2の層の水平方向における第1の厚さが、第1の層の水平方向における第2の厚さよりも小さい、複数のダミーゲートと、第2の層にだけ沿って形成された内側スペーサとを含みうる。
【0010】
[0010]添付図面は、本開示の原理の実際的な応用を含む本開示の例示的な手法を以下のように示している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本開示の実施形態による、例示的なデバイスの基板の透視図を示す。
図2】[0012]本開示の実施形態による、デバイスの基板から形成された一対のナノシート構造の透視図を示す。
図3】[0013]本開示の実施形態による、デバイスのソーストレンチ分離(STI)層の透視図を示す。
図4】[0014]本開示の実施形態による、デバイスの一対のナノシート構造上に形成された複数のダミーゲートの透視図を示す。
図5】[0015]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造上及び複数のダミーゲート構造上に形成されたスペーサの透視図を示す。
図6】[0016]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の上からスペーサを除去した後のデバイスの透視図を示す。
図7A】[0017]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の一部を除去した後のデバイスの透視図を示す。
図7B】[0018]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の一部を除去した後のデバイスの側断面図を示す。
図8】[0019]本開示の実施形態による、測定プロセス中のデバイスの側断面図を示す。
図9A】[0020]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の第2の層を部分的に除去した後のデバイスの透視図を示す。
図9B】[0021]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の第2の層を部分的に除去した後のデバイスの側断面図を示す。
図10】[0022]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の上に形成されたスペーサ材料を含むデバイスの側断面図を示す。
図11A】[0023]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の第1の層の上からスペーサ材料を除去した後のデバイスの透視図を示す。
図11B】[0024]本開示の実施形態による、一対のナノシート構造の第1の層の上からスペーサ材料を除去した後のデバイスの側断面図を示す。
図11C】[0025]本開示の実施形態による、一対のナノシート注入中のデバイスの側断面図を示す。
図12A】[0026]本開示の実施形態による、複数のダミーゲート構造間にソース/ドレイン(S/D)エピタキシャル層を形成した後のデバイスの透視図を示す。
図12B】[0027]本開示の実施形態による、複数のダミーゲート構造間のS/Dエピタキシャル層を形成した後のデバイスの側断面図を示す。
図13】[0028]本開示の実施形態による例示的なシステムの概略図を示す。
図14A】[0029]本開示の実施形態による、デバイスを形成するための方法のプロセスフローを示す。
図14B】本開示の実施形態による、デバイスを形成するための方法のプロセスフローを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0030]図面は必ずしも縮尺通りではない。図面は単なる表示にすぎず、本開示の具体的なパラメータを描写することを意図するものではない。図面は、本開示の例示的な実施形態を示すためのものであり、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。図面では、類似の付番は類似の要素を表わしている。
【0013】
[0031]更に、一部の図の特定の要素は、説明を分かりやすくするために、省略されていることも、縮尺通りに図示されていないこともある。断面図は、「スライス(slices)」の、又は「近視眼的(near-sighted)」な断面図の形態であることがあり、説明を分かりやすくするために、「真の(true)」断面図であれば視認可能であったはずの特定の背景線が省略されている。更に、分かりやすくするために、特定の図面においては、一部の参照番号が省略されていることがある。
【0014】
[0032]以下、本開示による方法、システム、及びデバイスを、様々な実施形態が示されている添付図面を参照して、より詳細に説明する。本方法、システム、及びデバイスは、多くの異なる形態で具体化される可能性があり、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるものではない。代わりに、これらの実施形態は、開示が一貫しておりかつ完全なものとなり、当業者に方法の範囲を十分に伝えることができるように提供されている。
【0015】
[0033]本明細書に記載の実施形態は、有利には、ゲートオールアラウンド(gate-all-around(GAA))トランジスタの一組のナノシートの第1の層タイプを第2の層タイプに対して横方向にエッチングすることによって、ダミーゲートのCDのばらつきを低減し、ナノシートのゲート長さの均一性を向上させる。その後、ソース/ドレイン(S/D)エピ(epi)形成の前に、第1の層タイプの上に内側スペーサが形成されうる。いくつかの実施形態では、S/Dエピ形成の前に、内側スペーサに側壁処理が実行されうる。そうすることで、最適化されたゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタが形成されうる。
【0016】
[0034]図1は、本明細書に記載される1つ以上の実施形態による、処理の初期段階における半導体デバイス(以下「デバイス」)100の透視図を示す。デバイス100は、GAAデバイス構造、垂直GAAデバイス構造、水平GAAデバイス構造、又はナノシート電界効果トランジスタ(FinFET)デバイス構造でありうる。図示されるように、デバイス100は、基板ベース104と、基板ベース104上に形成される交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108とを含むナノシートスタック102を含みうる。様々な実施形態では、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108は、2~10個の第1の層106及び2~10個の第2の層108を含みうる。第1の層106の組成は、例えば、その後の処理中にエッチング選択性及び/又は異なる酸化速度を実現するために、第2の層108の組成とは異なりうる。いくつかの実施形態では、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108は、所望のエッチング選択性を実現するために、異なる材料、異なる構成原子%、異なる構成重量%、及び/又は他の異なる特性を含みうる。
【0017】
[0035]本実施形態では、第1の層106はシリコン(Si)を含み、第2の層108はシリコンとは異なるエッチングする選択性を有するシリコンゲルマニウム(SiGe)を含みうる。非限定的であるが、各第1の層106の厚さは約1nm~約10nmであり、各第2の層108の厚さは約1nm~約10nmであり、2つの厚さは同じであっても異なっていてもよい。非限定的ではあるが、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108は、所望の半導体層数に達するまで、描かれたインターリーブかつ交互配置される構成で、層ごとにエピタキシャル成長しうる。
【0018】
[0036]図2に示すように、ナノシートスタック102は、基板ベース104から垂直方向に延びる複数の構造、即ちナノシート110を形成するように処理(例えば、エッチング)されうる。ナノシート110の各々は、上面112と一組の反対側にある側壁面114を含みうる。隣接するナノシート110は、トレンチ109によって分離されうる。ナノシート110は、任意の適切な方法によってパターニングされうる。例えば、ナノシート110は、ダブルパターニングプロセス又はマルチパターニングプロセスを含む1つ以上のフォトリソグラフィプロセスを使用して、パターニングされうる。概して、ダブルパターニングプロセス又はマルチパターニングプロセスは、フォトリソグラフィと自己整合プロセスとを組み合わせ、例えば、単一の直接フォトリソグラフィプロセスを使用して別法で取得可能なピッチよりも小さいピッチのパターンを作成することができる。本明細書の実施形態は、この文脈に限定されない。
【0019】
[0037]図3に示すように、誘電体材料がトレンチ109(図2)に部分的に充填され、隣接するナノシート110間にソーストレンチ分離(source trench isolation(STI))層116を形成する。STI層116は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び炭素のうちの少なくとも1つを含みうる。STI層116は、流動性CVD(FCVD)、PECVD(プラズマ化学気相堆積)、PVD、ALD、及びMOCVDなどの任意の堆積方法によって堆積させることができる。
【0020】
[0038]次に、図4に示すように、複数のダミーゲート構造120をナノシート110上に形成されうる。複数のダミーゲート構造120は、STI層116の上に形成されうる。いくつかの実施形態では、ダミーゲート構造120は、ゲート材料層121及びハードマスク123を含む犠牲ゲートであり、ゲート材料層121は、エッチング停止層126の上に形成されうる。いくつかの実施形態では、ゲート材料層121は、アモルファスシリコン(a-Si)又はポリシリコンでありうる。ハードマスク123は、ゲート材料層121上にコンフォーマルに堆積させることができる。図示されるように、複数のダミーゲート構造120は、ナノシート110の長手方向に垂直な長手方向を有しうる。
【0021】
[0039]次に、図5に示すように、ダミーゲート120の各々の側壁124に沿った、かつナノシート110の交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108の上を含む、デバイス100の上に、複数のゲートスペーサ122が形成されうる。次いで、図6に示されるように、ゲートスペーサ122を除去(例えば、エッチング)して、ナノシート110の一部、即ち、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108を露出させることができる。図示されるように、ゲートスペーサ122は、ナノシート110の第2の層108の底層108-Aに沿って残りうる。非限定的であるが、ゲートスペーサ122は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、シリコンオキシカーボナイトライド(silicon oxy carbo-nitride)などの誘電体材料で形成され、単層構造を有していても、複数の誘電体層を含む多層構造を有してもよい。
【0022】
[0040]図7A図7Bに示すように、次にナノシート110の露出部分が除去されうる。いくつかの実施形態では、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108は、ダミーゲート構造120の側壁124に沿って形成されたゲートスペーサ122の外面128によって画定される平面に対して選択的なトレンチ134内でエッチングされうる。交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108はまた、ナノシート110のシリコン部分132の上面130に対して選択的にエッチングされうる。図7Bにより良く示されるように、ナノシート110の下側部分138に沿った2つの隣接するナノシート110間の第1の距離「D1」は、エッチング後のナノシート110の上側部分140に沿った第2の距離「D2」よりも小さくなりうる。硬化しない限り、ナノシート110の側壁間のこの不均一性は、垂直プロファイルの歪みにつながる。
【0023】
[0041]この欠点に対処するために、図8に示すように、デバイス100に対して測定プロセス144が実行されうる。測定プロセス144は、ナノシート110の第1の側壁146と第2の側壁148との間、例えば、その上側部分140と下側部分138との間、の複数の距離測定(例えば、GL1、GL2、GL3)を行うことを含みうる。より具体的には、距離測定GL1、GL2、GL3は、第2の層108の露出した側壁に沿って行われうる。エッチングプロセスのばらつきにより、GL3>GL2>GL1となる。第1の側壁146と第2の側壁148に沿った様々な点の間で、より多くの又はより少ない数の測定が行われうることが理解されよう。
【0024】
[0042]様々な実施形態において、測定プロセス144は、断面走査電子顕微鏡法(SEM)、透過電子顕微鏡法(TEM)、測長走査型電子顕微鏡法(CD-SEM)などを含むがこれらに限定されない、任意の数の異なる計測技法を含みうる。他の実施形態では、ナノシート110間のゲート長を測定するために、光学的限界寸法(OCD)測定、原子間力計測(AFM)、又は測長原子間力計測(CD-AFM)が使用されうる。いくつかの実施形態では、測定プロセス144は計測チャンバ内で行われうる。
【0025】
[0043]測定プロセス144から収集されたデータは、ナノシート110間により均一なトレンチプロファイルを形成するために、第2の層108及び/又は第1の層106に対する所望量の横方向のくぼみを決定するために使用されうる。より具体的には、第1及び第2の距離D1、D2(図7B)が等しいか、又はほぼ等しいことが望ましい場合がある。これを実現するために、GL1、GL2、GL3などの測定データがエッチングデバイスにフィードフォワードされ(feed forward)、測定データに基づいて、エッチングプロセス/レシピ(recipe)が生成及び実行される。いくつかの実施形態では、エッチングプロセス/レシピは、第2の層108の特定の材料組成(例えば、SiGe)をターゲットにするように選択されうる。エッチングプロセスは、1つ又はいくつかのエッチングステップを含みうる。例えば、1つ以上のエッチングステップは、第1の層106上で実質的にエッチング損失が発生しない(又は発生する損失が最小である)第2の層108に対して調整された高いエッチング選択性を有しうる。本開示のいくつかの実施形態によれば、1つ以上のエッチングステップは、様々な異なるガスを使用する異方性エッチングプロセスを含みうる。
【0026】
[0044]図9A図9Bに示されるように、エッチングプロセス150は、ナノシート110の第1の層106に対して、かつゲートスペーサ122に対して、第2の層108を除去しうる。図示していないが、いくつかの実施形態では、エッチングプロセス150に先行して、第1の層106及び第2の層108の両方の一部を除去するための最初のエッチング工程が行われてもよい。例えば、第1及び第2の層106、108は、各トレンチ134内に平行な側壁を形成するように処理されうる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセス150は、オンボード計測(OBM)を備えた選択的高速プラズマエッチング(SRP)デバイスによって実行される横方向SiGeエッチングであり、上記のエッチングプロセスに従って、第2の層108を所望の水平深さ/距離までインデントするように最適化されている。エッチャント組成、エッチング温度、エッチング溶液濃度、エッチング時間、エッチング圧力、ソース電力、RFバイアス電圧、RFバイアス電力、エッチャント流量、他の適切なエッチングパラメータ、又はこれらの組み合わせなど、第2の層108の選択的エッチングを実現するために様々なエッチングパラメータが調整されうる。いくつかの実施形態では、エッチングは、フッ素含有ガス(例えば、HF、F、NF、CF、SF、CH、CHF、及び/又はC)による第2の層108への選択的等方性ドライエッチングプロセス(例えば、表面ガス/ラジカル反応プロセス)でありうる。いくつかの実施形態では、第2の層108のSiGeを選択的にエッチングするために、フッ素含有ガス対酸素含有ガス(例えば、O)の比、エッチング温度、及び/又はRF電力が調整されうる。
【0027】
[0045]図9Bに最も良く示されているように、ナノシート110に対する横方向のエッチング結果として、第2の層108の水平方向における第1の厚さ「T1」は、第1の層106の水平方向における第2の厚さ「T2」よりも小さい。いくつかの実施形態では、第2の層108の各々のT1は等しくなり又はほぼ等しくなりうる。他の実施形態では、第2の層108の底層108-Aの厚さは、第2の層108の上層108-Cの厚さよりも大きくなりうる。更に、いくつかの実施形態では、第1の層106の各々のT2は等しいか、又はほぼ等しくなりうる。他の実施形態では、第1の層106の底層106-Aの厚さは、第1の層106の上層106-Cの厚さよりも大きくなりうる。
【0028】
[0046]エッチングプロセス150に続いて、ナノシート110の第1の側壁146及び第2の側壁148は、互いに平行であるか、又はほぼ平行でありうる。より具体的には、第1の側壁146の第2の層108の外面152(図9B)によって画定される平面は、第2の側壁148の第2の層108の外面154によって画定される平面にほぼ等しくなりうる。同様に、第1の側壁146の第1の層106の外面156によって画定される平面は、第2の側壁148の第1の層106の外面158によって画定される平面にほぼ等しくなりうる。
【0029】
[0047]図10に示すように、次に、ナノシート110に沿ってスペーサ材料160が形成されうる。いくつかの実施形態では、スペーサ材料160は、ダミーゲート構造120及びトレンチ134内で露出されている交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108の表面など、デバイス100の様々な露出されている表面に沿って形成された誘電体でありうる。いくつかの実施形態では、スペーサ材料160は、後続のエッチングプロセス中に所望のエッチング選択性を実現するために、第1の層106及びゲートスペーサ122(図9B)における材料とは異なる材料を含みうる。いくつかの実施形態では、スペーサ材料160は、シリコン、酸素、炭素、窒素、その他の適切な材料、又はこれらの組み合わせ(例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、又は酸炭窒化ケイ素(silicon oxycarbonitride))などの誘電体材料を含む。いくつかの実施形態では、スペーサ材料160は、低誘電率の誘電体材料を含む。例示的な低誘電率の誘電体材料は、フッ化物がドープされたシリカガラス、炭素がドープされた酸化ケイ素、ブラックダイアモンド(登録商標)(リフォルニア州サンタクララのApplied Materials社)、ポリイミド、その他の低誘電率の誘電体率材料、又はこれらの組み合わせを含む。非限定的であるが、スペーサ材料160は、流動性化学気相堆積(FCVD)又は原子層堆積(ALD)を介して形成されうる。
【0030】
[0048]図11A図11Bに示すように、スペーサ材料160は、その後、第1の層106に対して選択的に除去(例えば、エッチング)されうる。より具体的には、SRPエッチング161は、第1の層106の外面156、158からスペーサ材料160を除去するために実行されうる。しかしながら、スペーサ材料160は、ナノシート110の各々の第2の層108に沿って残り、第1の層106の各々の間に内側スペーサ162を形成する。SRPエッチング161の結果、第1の層106の外面156、158がトレンチ134に露出される。いくつかの実施形態では、内側スペーサ162の外面166によって画定される平面は、第1の層106の外面156、158によって画定される平面にほぼ等しい。
【0031】
[0049]図11Cに示すように、スペーサ材料160がナノシート110の第1の層106から除去された後、側壁処理168が内側スペーサ162に対して実行されうる。いくつかの実施形態では、側壁処理168は、ナノシート110に衝撃を与えるプラズマ処理(例えば、分離プラズマ処理(decoupled plasma treatment:DPX)又はプラズマドーピング(PLAD))である。様々な実施形態において、側壁処理168は、図示されるように、ナノシート110の第1の側壁146及び第2の側壁148内に斜めに、又は垂直方向に行われる。非限定的であるが、側壁処理168は、ヘリウム、アルゴン、窒素、酸素、及び/又は水素を含むプラズマ処理でありうる。プラズマ投与量(dose)は一定であっても変動してもよい。側壁処理168の結果、内側スペーサ162をエッチングのような後続のデバイス処理に対してより耐性を持たせるために、内側スペーサ162が硬化又は高密度化されうる。側壁処理168が酸素を含む場合、内側スペーサ162のK値が低減されうる。
【0032】
[0050]次に、図12A図12Bに示すように、複数のダミーゲート120の各々の間及びナノシート110の各々の間のトレンチ134内に半導体材料を選択的に成長させることによって、S/Dエピタキシャル領域/層170が形成されうる。いくつかの実施形態では、エピタキシー(epitaxy)プロセスは、S/D層170を形成するために、化学気相堆積(CVD)技法(例えば、気相エピタキシー及び/又は超高真空CVD)、分子線エピタキシー、その他の適切なエピタキシャル成長プロセス、又はこれらの組み合わせを使用しうる。エピタキシープロセスは、気体及び/又は液体の前駆体を使用することができ、これらの前駆体は、基板ベース104(図示せず)の組成及びナノシート110の第1の層106と相互作用させる。図12Bに最もよく示されているように、S/Dエピタキシャル層170は、第1の層106の外面156、158と直接接触し、かつ内側スペーサ162と直接接触しうる。更に示すように、S/Dエピタキシャル層170は、ナノシート110のシリコン部分132の上に直接形成されうる。いくつかの実施形態では、S/Dエピタキシャル層170の形成は、SRP、DPX、PLAD、及びエピタキシャル堆積機能を有するクラスタツールを使用して実行されうる。図11A図11Bに示した選択的エッチングバック、更には図11Cに示した側壁処理168を実行するために、同一のクラスタツールが使用されうる。しかし、実施形態はこの文脈に限定されない。
【0033】
[0051]いくつかの実施形態では、S/D層170は、n型ドーパント及び/又はp型ドーパントでドープされうる。非限定的ではあるが、n型トランジスタの場合、S/D層170はシリコンを含み、炭素、リン、ヒ素、その他のn型ドーパント、又はこれらの組み合わせ(例えば、Si:Cエピタキシャルソース/ドレインフィーチャ、Si:Pエピタキシャルソース/ドレインフィーチャ、又はSi:C:Pエピタキシャルソース/ドレインフィーチャを形成する)でドープされうる。p型トランジスタの場合、S/D層170は、シリコンゲルマニウム又はゲルマニウムを含み、ホウ素、その他のp型ドーパント、又はこれらの組み合わせ(例えば、Si:Ge:Bエピタキシャルソース/ドレインフィーチャを形成する)でドープされうる。更に、ドーピングは、インシトゥ(その場)(即ち、エピタキシープロセスのソース材料に不純物を加えることによって堆積中にドープされる)又はエクスシトゥ(現場外)(例えば、堆積プロセスの後にイオン注入プロセスによってドープされる)でありうる。いくつかの実施形態では、S/D層170内のドーパントを活性化するために、アニーリングプロセス(例えば、急速熱アニーリング(RTA)及び/又はレーザーアニーリング)が実行される。
【0034】
[0052]図13は、本開示の実施形態による例示的なシステム/装置200の概略図を示す。デバイス100を参照して、システム200の動作が説明される。いくつかの実施形態では、システム200は、本明細書に記載のデバイス100を形成するのに必要なプロセスを実行するように動作可能なクラスタツールでありうる。非限定的ではあるが、システム200は、少なくとも1つの中央移送ステーション/チャンバ202と、移送ステーション/チャンバ202内の1つ以上のロボット204とを含みうる。ロボット204は、ロボットブレード及びウエハを、移送ステーション/チャンバ202と接合された、又はこれらに隣接して配置された複数の処理チャンバ210A~210Dの各々との間で動かすように動作可能である。いくつかの実施形態では、システム200は、エッチングチャンバ210A、第1の堆積チャンバ210B、第2の堆積チャンバ210C、及び計測チャンバ210Dを含むが、これらに限定されない、任意の種々の適切なチャンバを含みうる。処理チャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変化させることができ、本開示の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
【0035】
[0053]いくつかの実施形態では、エッチングチャンバ210Aは、ナノシート110の露出部分を除去するために使用されうる。本明細書で説明するように、交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108は、トレンチ134内でエッチングされうる。エッチングチャンバ210Aは、複数のナノシート110をエッチングして、第1の層106sに対して第2の層108を横方向に陥凹させるために更に使用されうる。いくつかの実施形態では、エッチングは、ナノシート110の第1の層106に対して、かつゲートスペーサ122に対して、第2の層108を除去することを含みうる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、エッチングチャンバ210A内のSRPデバイスによって実行される横方向のSiGeエッチングでありうる。
【0036】
[0054]エッチングチャンバ210Aは、第1の層106に対して選択的にスペーサ材料160をエッチングするために更に使用されうる。より具体的には、SRPエッチング161は、第1の層106の外面156、158からスペーサ材料160を除去するために実行されうる。スペーサ材料160は、ナノシート110の各々の第2の層108に沿って残り、第1の層106の各々の間に内側スペーサ162を形成しうる。SRPエッチング161の結果として、第1の層106の外面156、158がトレンチ134内で露出される。
【0037】
[0055]いくつかの実施形態では、第1の堆積チャンバ210Bは、ナノシート110に沿ってスペーサ材料160を形成するために使用されうる。いくつかの実施形態では、スペーサ材料160は、ダミーゲート構造120、ゲートスペーサ122の外面128、及びトレンチ134内に露出される交互に配置された複数の第1の層106及び第2の層108の表面など、デバイス100の様々な露出表面に沿って形成された誘電体でありうる。いくつかの実施形態の第1の堆積チャンバ210Bは、原子層堆積チャンバ、プラズマ強化原子層堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、プラズマ強化化学気相堆積チャンバ、又は物理的堆積のうちの1つ以上を含む。
【0038】
[0056]いくつかの実施形態では、第2の堆積チャンバ210Cは、複数のダミーゲート120の各々の間及びナノシート110の各々の間のトレンチ134内にS/Dエピタキシャル領域/層170を形成するために使用されうる。いくつかの実施形態では、エピタキシープロセスは、S/D層170を形成するために、化学気相堆積、分子線エピタキシー、又はその他の適切なエピタキシャルプロセスを使用しうる。代替的な実施形態では、システム200には単一の堆積チャンバのみが存在する。
【0039】
[0057]いくつかの実施形態では、計測チャンバ210Dは、1つ以上の計測ツールとまとめて測定プロセス144中に使用されうる。本明細書で説明するように、1つ以上の計測ツールは、ナノシート110の第1の側壁146と第2の側壁148との間、例えば、その上側部分140と下側部分138との間の距離測定を複数回実行しうる。次いで測定結果が、様々なエッチングプロセスに役立てられるようにフィードフォワードされる。
【0040】
[0058]システムコントローラ220は、ロボット204、移送ステーション/チャンバ202、及び複数の処理チャンバ210A~210Dと通信している。システムコントローラ220は、処理処理チャンバ210A~210D内で行われるプロセスと同様に、処理チャンバ210A~210D及びロボット204を制御することができる任意の適切な構成要素でありうる。例えば、システムコントローラ220は、中央処理装置222、メモリ224、適切な回路/ロジック/命令、及びストレージを含むコンピュータでありうる。
【0041】
[0059]プロセス又は命令は、概して、プロセッサ222によって実行されると、処理チャンバ210A~210Dに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ220のメモリ224に記憶されうる。また、ソフトウェアルーチンは、プロセッサ222によって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行されうる。また、本開示の1つ以上の方法の一部又は全部が、ハードウェアで実行されうる。したがって、本プロセスは、ソフトウェアに実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路又は他のタイプのハードウェア実装としてのハードウェアで、又はソフトウェアとハードウェアの組合せとして実行されうる。ソフトウェアルーチンは、プロセッサ222によって実行されると、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定用途コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0042】
[0060]次に図14A図14Bに注目すると、本開示の実施形態によるプロセス300が示されている。ブロック301において、プロセス300は、複数のナノシート上に複数のダミーゲートを形成することを含みうる。複数のナノシートは基板から形成され、複数のナノシートの各々は、交互に配置された複数の第1の層及び第2の層を含む。いくつかの実施形態では、第1の層はシリコンを含み、第2の層はシリコンゲルマニウムを含む。
【0043】
[0061]ブロック302において、プロセス300は、複数のナノシート上に、複数のダミーゲートの各々の側壁に沿ってスペーサを形成することを含みうる。いくつかの実施形態では、スペーサは、ダミーゲートの各々の側壁に沿った、かつナノシートの交互に配置された複数の第1の層及び第2の層の上を含む、デバイス上に形成された複数のゲートスペーサでありうる。その後、交互に配置された複数の第1の層と第2の層を露出させるために、ブロック303でスペーサが除去されうる。より具体的には、ナノシートの各々の一部を露出させるために、スペーサがナノシート上で除去されうる。
【0044】
[0062]ブロック304において、プロセス300は、ナノシートの各々の1つ以上の露出部分に対して計測測定プロセスを実行することを含みうる。いくつかの実施形態では、計測測定プロセスは、SEM、TEM、CD-SEMなどを含むがこれらに限定されない、任意の数の異なる計測技法を含みうる。他の実施形態では、ナノシートの露出部分間のゲート長を測定するために、OCD測定、AFM、又はCD-AFMが使用されうる。いくつかの実施形態では、計測測定プロセスは計測チャンバ内で行われうる。
【0045】
[0063]ブロック305において、プロセス300は、計測測定プロセスに基づいて、隣接するナノシート間に均一なトレンチプロファイルを形成するために、第2の層及び/又は第1の層に対する所望量の横方向のくぼみを決定することを含みうる。いくつかの実施形態では、様々な測定データがエッチングデバイスにフィードフォワードされ、エッチングプロセス/レシピが測定データに基づいて生成及び実行される。いくつかの実施形態では、エッチングプロセス/レシピは、第2の層の特定の材料組成(例えば、SiGe)をターゲットにするように選択されうる。エッチングプロセスは、1つ以上のエッチングステップを含みうる。例えば、1つ以上のエッチングステップは、第1の層106上で実質的にエッチング損失が発生しない(又は発生する損失が最小である)第2の層に対して調整された高いエッチング選択性を有しうる。
【0046】
[0064]ブロック306において、プロセス300は、第1の層に対して第2の層を横方向に陥凹させるために、第2の層及び/又は第1の層に対する所望量の横方向のくぼみに基づいて、ナノシートをエッチングすることを含みうる。いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、SRPデバイス+OBMによって実行される横方向SiGeエッチングであってよく、第2の層を所望の水平深さ/距離にインデントするように最適化されている。いくつかの実施形態では、第2の層の1つ以上の層は、第2の層の別の1つ以上の層よりも陥凹されうる。いくつかの実施形態では、複数のナノシートの2つの隣接するナノシート間の距離は、複数のナノシートの下側部分と上側部分との間で一定である。
【0047】
[0065]ブロック307では、エッチングされた横方向の凹部が所望の横方向のくぼみ量に一致するかどうかが判定される。一致しない場合、プロセスはブロック304に戻る。一致する場合、プロセスはブロック308に進み、次に陥凹させた第2の層の上に内側スペーサが形成される。より具体的には、ブロック308において、プロセス300は、複数のナノシートの各々の露出部分に沿ってスペーサ材料を形成することを含みうる。いくつかの実施形態では、スペーサ材料は、FCV堆積又はALD堆積のいずれかを使用して形成されうる。
【0048】
[0066]ブロック309において、プロセスは、複数のナノシートの各々の第1の層のみからスペーサ材料を除去するために、スペーサ材料をエッチングすることを含みうる。スペーサ材料は、内側スペーサを形成するために、複数のナノシートの各々の第2の層に沿って残りうる。いくつかの実施形態では、隣接するナノシート上に形成されたスペーサ材料間の均一な距離を確認するために、追加の計測測定プロセスが実施されうる。必要であれば、プロセスは、追加のスペーサ材料を堆積させるためにブロック308に戻りうる。
【0049】
[0067]ブロック310において、プロセス300は、スペーサ材料が複数のナノシートの第1の層のみから除去された後に、ナノシートに対して側壁処理を実行することを含みうる。いくつかの実施形態では、プラズマ処理は、分離プラズマ処理又はPLADイオン注入でありうる。
【0050】
[0068]ブロック311において、プロセス300は、複数のダミーゲートの各々の間にS/Dエピタキシャル層を形成することを含みうる。いくつかの実施形態では、S/Dエピタキシャル層は、ナノシート110の第1の層の外面と直接接触し、かつ内側スペーサと直接接触しうる。いくつかの実施形態では、S/Dエピタキシャル層の形成は、SRP、DPX、PLAD、及びエピタキシャル堆積機能を備えたクラスタツールを使用して実行されうる。
【0051】
[0069]本明細書では詳細に説明しないが、例えば、デバイス100上にエッチング停止層(CESL)及びレベル間(inter-level)誘電体(ILD)層を形成し、続いて、ゲートトレンチを形成するためにデバイス100からダミーゲート構造120を除去することによって、デバイス100の処理が継続しうる。
【0052】
[0070]様々な実施形態において、例えば本明細書で説明するように、デバイスの半導体層をパターニングするために使用されるデータセットを作成するための設計ツールが提供及び構成されうる。例えば、データセットは、リソグラフィ工程中に使用されるフォトマスクを生成して、本明細書に記載される構造のための層をパターニングするために生成されうる。そのような設計ツールは、1つ以上のモジュールの集合を含むことができ、ハードウェア、ソフトウェア、又これらの組合せで構成することも可能である。したがって、例えば、ツールは、1つ以上のソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュール、ソフトウェア/ハードウェアモジュール、又は、これらの任意の組み合わせ若しくは置換の集合でありうる。他の例として、ツールは、ソフトウェアを実行する計算装置若しくは他の機器であってよく、又は、ハードウェアで実装されていてよい。
【0053】
[0071]本明細書で使用されるように、基板ベース104は、シリコンウエハなどのシリコンでありうる。代替的に又は追加的には、基板ベース104は、別の元素半導体(ゲルマニウムなど)、化合物半導体(炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、リン化インジウム、ヒ化インジウム、及び/又はアンチモン化インジウムなど)、合金半導体(シリコンゲルマニウム(SiGe)、GaAsP、AlInAs、AlGaAs、GaInAs、GaInP、及び/又はGaInAsPなど)、又はこれらの組み合わせを含みうる。代替的には、基板ベース104は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板、シリコンゲルマニウムオンインシュレータ(SGOI)基板、又はゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)基板などの半導体オンインシュレータ基板でありうる。半導体オンインシュレータ基板は、酸素注入による分離(SIMOX)、ウエハ結合、及び/又はその他の適切な方法を使用して製造することができる。基板ベース104は、デバイス100の設計要件に応じて様々なドープされた領域を含みうる。例えば、基板ベース104は、n型GAAトランジスタ用に構成されたp型のドープされた領域、及びp型GAAトランジスタ用に構成されたn型のドープされた領域を含みうる。P型のドープされた領域は、ホウ素、インジウム、他のp型ドーパント、又はこれらの組み合わせなどのp型ドーパントでドープされる。N型のドープされた領域は、リン、ヒ素、その他のn型ドーパント、又はこれらの組み合わせなどのn型ドーパントでドープされる。いくつかの実施態様では、基板ベース104は、p型ドーパントとn型ドーパントの組み合わせで形成されたドープされた領域を含む。様々なドープされた領域は、基板ベース104の真上及び/又は基板ベース104内に形成することができ、例えば、pウェル構造(p-well structure)、nウェル構造(n-well structure)、デュアルウェル構造(dual-well structure)、隆起構造、又はこれらの組み合わせを提供する。様々なドープされた領域を形成するために、イオン注入プロセス、拡散プロセス、及び/又は他の適切なドーピングプロセスが実行されうる。
【0054】
[0072]便宜上及び明確性のために、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」、「横方向(lateral)」、及び「縦方向(longitudinal)」といった用語は、本明細書では、図に見られるように、様々な構成要素及びそれらを構成する部分の相対的な配置及び配向を説明するために使用される。専門用語には、具体的に言及される文言、その派生語、及び、同様の重要度の文言が含まれよう。
【0055】
[0073]本明細書で使用される場合、「1つの/ある」(「a」又は「an」)という語から始まる、単数形で記載された要素又は動作は、複数の要素又は動作を除外することが明示的に記載されていなければ、複数の要素又は動作を含むと理解されたい。更に、本開示の「1つの実施形態(one embodiment)」への言及は、限定を意図するものではない。追加の実施形態は、記載された特徴を組み込むこともできよう。
【0056】
[0074]更に、「実質的(substantial)」又は「実質的に(substantially)」という語、それに加えて「およその(approximate)」又は「約/およそ(approximately)」という語は、一部の実施形態では互換的に使用されてよく、当業者によって許容される任意の相対的尺度を使用して説明されうる。例えば、これらの語は、基準パラメータとの比較としての役割を果たして、(意図されている機能を提供することは可能な)ずれを示しうる。非限定的ではあるが、基準パラメータからの偏差は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満などの量でありうる。
【0057】
[0075]更に、当業者は、層、領域、又は基板といった要素が、別の要素上の「上に(on、over、又はatop)」形成され、堆積され、又は配置されると言及される場合、その要素が他の要素の上に直接的に存在しうるか、又は介在要素が存在しうることも理解するだろう。対照的に、ある要素が別の要素の「真上(directly on、directly over、又はdirectly atop)」にあると言及される場合には、介在要素は存在しない。
【0058】
[0076]本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載された実施形態に加えて、本開示の他の様々な実施形態及び本開示の変形例は、当業者であれば、上述の説明及び添付図面から明らかだろう。このため、そのような他の実施形態及び変形例は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示は、特定の目的のための特定の環境における特定の実施態様の文脈で本明細書に記載されてきた。当業者であれば、本開示の有用性はこれに限定されるものではなく、本開示は、任意の数の目的のために任意の数の環境で有益に実施されうることを認識するだろう。したがって、以下に記載される特許請求項の範囲は、本明細書に記載した本開示の全範囲及び思想の観点を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
【国際調査報告】