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特表2024-542699非代替性トークンベースのデジタルアセットの履歴データの追跡及び処理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】非代替性トークンベースのデジタルアセットの履歴データの追跡及び処理
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/71 20140101AFI20241108BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241108BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20241108BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241108BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20241108BHJP
【FI】
A63F13/71
A63F13/79
A63F13/537
A63F13/69
G06Q20/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532493
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022050623
(87)【国際公開番号】W WO2023101857
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】17/539,875
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ハイアット
(72)【発明者】
【氏名】マシュー トムチェク
(72)【発明者】
【氏名】ベン ホンダ ロトラー
(72)【発明者】
【氏名】チャーリー デニソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォレン ベネデット
【テーマコード(参考)】
5L020
【Fターム(参考)】
5L020AA12
(57)【要約】
ビデオゲームで使用されるゲームアセットを追跡するための方法及びシステムは、ビデオゲームで使用されるゲームアセットの非代替性トークンを生成することを含む。ビデオゲームでのゲームアセットの使用は、ゲームプレイ中に監視されて、ゲームアセットが使用されるビデオゲームで発生する適格イベントを識別する。NFTは、適格イベントと関連付けられたメタデータを使用して更新される。メタデータは、ゲームアセットのレガシーを構築し、ビデオゲームでのデジタルアセットの使用を追跡するために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームプレイのためにプレーヤが選択したビデオゲームで使用されるデジタルアセットの非代替性トークン(NFT)を生成し、
前記ゲームプレイ中に前記ビデオゲームでの前記デジタルアセットの使用を監視して、前記デジタルアセットが使用される前記ビデオゲームで発生する適格イベントを識別し、
前記適格イベントと関連付けられたメタデータ、及び前記デジタルアセットのために生成された前記NFTに含まれるメタデータを使用して、前記デジタルアセットのために前記NFTの再生成を行い、
前記再生成されたNFTが、前記デジタルアセットの使用のレガシーの詳細を提供し、前記ビデオゲームでの前記デジタルアセットの使用を追跡するために使用される、
方法。
【請求項2】
前記NFTが、前記適格イベントが前記ビデオゲームで発生するたびに、前記適格イベントの前記メタデータで再生成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジタルアセットの前記メタデータが、前記デジタルアセットが前記プレーヤによって使用される前記ビデオゲームのゲーム空間と関連付けられた時間属性及び空間属性を使用して識別される、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタルアセットの前記NFTが、前記適格イベントの発生中に前記デジタルアセットを使用して前記プレーヤと関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プレーヤと関連付けられた前記デジタルアセット、及び前記デジタルアセットと関連付けられた前記NFTが、前記プレーヤによって他のビデオゲームに移植可能であり、前記NFT及び前記デジタルアセットの前記移植が、アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して可能にされる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記デジタルアセットの前記NFTの再生成では、前記ビデオゲーム内の前記デジタルアセットの前記再生成されたNFTの前記メタデータを、前記デジタルアセットが使用される他のビデオゲームと同期させる、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記メタデータが、少なくとも、前記デジタルアセットが使用される前記適格イベントと関連付けられたゲーム空間の特定の部分に対応する前記ビデオゲーム内のタイムライン、前記デジタルアセットを使用するプレーヤのプレーヤアイデンティティ、前記適格イベントの参加者の参加者アイデンティティ、前記ビデオゲームのゲームアイデンティティ、前記特定の部分と関連付けられたゲームレベルのレベルアイデンティティ、及び前記ビデオゲームの前記適格イベントのイベントアイデンティティ及び詳細に関係する情報を含み、
前記ゲーム空間の前記特定の部分が、前記ビデオゲームの前記ゲーム空間と関連付けられた時間属性及び空間属性を使用して識別され、
前記参加者が前記ビデオゲームの他のプレーヤまたは仮想キャラクタを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記適格イベントが、前記ビデオゲームの前記ゲームプレイ中に収集された統計に基づいて定義された、所定の閾値を満たすイベントである、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の閾値が、前記ビデオゲームで使用される前記デジタルアセットに対して定義されたレガシー目標と一致するようにスロットリングされる、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記イベントの前記所定の閾値が、前記ビデオゲームのゲーム開発者、またはプレーヤ、またはゲームホスト、またはゲームコンテンツスポンサによって定義される、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記NFTが、前記ビデオゲームで使用される前記デジタルアセットのために維持され、前記ビデオゲームの複数のゲームプレイセッションからのメタデータを使用して再生成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記使用を監視することが、前記デジタルアセットに前記NFTが利用できないときに、前記適格イベント中に前記プレーヤが使用する前記デジタルアセットのために前記NFTを生成する第1のオプションを前記プレーヤに提供することを含み、前記第1のオプションが、前記ビデオゲーム内のイベントが所定の閾値を満たして前記適格イベントになったことに応えて提供される、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記NFTの再生成では、第2のビデオゲームから前記デジタルアセットのための前記NFTを移植する第2のオプションを提供し、前記第2のオプションを選択すると、前記デジタルアセットが以前に使用された前記第2のビデオゲームから前記デジタルアセットの前記NFTに含まれる前記メタデータが取り出され、前記第2のビデオゲームから取り出された前記デジタルアセットの前記メタデータ、及び前記ビデオゲーム内の前記適格イベントの前記メタデータが、前記デジタルアセットのために前記NFTの再生成のために使用される、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタルアセットが使用された前記ビデオゲームの前記ゲームプレイ中に発生した複数の適格イベントを識別する前記ゲームプレイのタイムラインを提供することをさらに含み、前記複数の適格イベントが、前記識別された適格イベントを含み、前記複数の適格イベントのそれぞれが、前記タイムライン上にサムネイルとして提供され、前記タイムラインが、前記NFTに含まれる前記メタデータから識別された前記デジタルアセットの前記使用のレガシーの視覚的表示を提供し、前記サムネイルが、前記デジタルアセットが使用された前記適格イベントの前記ビデオゲームの前記ゲームプレイの部分のビデオ記録へのアクセスを提供する、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタルアセットを含む複数のデジタルアセットが使用された前記ゲームプレイ中に発生した前記識別された適格イベントを含む複数の適格イベントを識別する前記ゲームプレイのタイムラインを提供することをさらに含み、各適格イベントが、前記タイムライン上でサムネイルとして表され、前記サムネイルが、前記複数のデジタルアセットの少なくとも1つが使用された前記ビデオゲームの前記ゲームプレイの部分のビデオ記録へのアクセスを提供する、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ゲームプレイのために選択されたビデオゲームの入力をプレーヤから受信し、前記入力が、前記ビデオゲームのゲーム状態を更新し、前記プレーヤのクライアントデバイスでのレンダリングのためのゲームプレイデータを提供するために使用され、前記ゲームプレイデータが、前記プレーヤが前記ビデオゲーム内で現在位置しているゲーム空間を識別し、
前記プレーヤが位置している前記ゲーム空間内で利用可能な1つ以上のデジタルアセットを識別し、前記1つ以上のデジタルアセットの各デジタルアセットが、対応する非代替性トークン(NFT)と関連付けられ、前記対応するNFTに含まれるメタデータから識別され、
前記プレーヤの前記ゲーム空間内で利用可能な前記1つ以上のデジタルアセットに関係する詳細を提供して、前記プレーヤが前記ビデオゲームの前記ゲームプレイに関する戦略的な決定を下すことを支援し、
前記詳細が、前記1つ以上のデジタルアセットの前記対応するNFTに含まれるメタデータを使用して提供される、
方法。
【請求項17】
前記1つ以上のデジタルアセットが、前記プレーヤが前記ビデオゲーム内で位置する前記ゲーム空間を表すマップ上に提示され、前記1つ以上のデジタルアセットが、前記プレーヤが前記1つ以上のデジタルアセットを追跡することを可能にするために、可視インジケータを使用して提示される、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のデジタルアセットが、1人以上の他のプレーヤと関連付けられ、前記可視インジケータが、前記ビデオゲームの前記ゲーム空間内で前記の1人以上の他のプレーヤの前記1つ以上のデジタルアセットの追跡を可能にするために、前記1人以上の他のプレーヤを表す1つ以上の仮想キャラクタに提供される、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記可視インジケータが、前記デジタルアセットのそれぞれ1つが位置するゲーム空間内の位置に設けられたピン、バルーン、矢印、またはマーカの任意の1つを含み、前記可視インジケータが、各デジタルアセットと関連付けられたタイプに従って色分けされる、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記ビデオゲームが、前記プレーヤと他のプレーヤとの間でプレイされるマルチプレーヤゲームであり、
前記プレーヤが前記第2のプレーヤが所有するデジタルアセットを取得すると、前記第2のプレーヤと関連付けられた前記NFTが、前記第2のプレーヤから前記プレーヤに自動転送され、前記自動転送には、前記プレーヤに関係する情報と前記第2のプレーヤからの前記デジタルアセットの取得に関係する情報とで前記デジタルアセットの前記NFTを再生成することが含まれ、
前記デジタルアセットが、前記第2のプレーヤを表す仮想キャラクタを倒す、または、前記第2のプレーヤを表す前記仮想キャラクタを殺す、または、前記第2のプレーヤから購入または交換する、のいずれか1つによって取得される、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非代替性トークンを使用してビデオゲームでのデジタルアセットの履歴使用を追跡及び処理することに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム及び他の対話型アプリケーションの人気が高まり、主流になってきた。ビデオゲームなどの対話型アプリケーション及び他の仮想/拡張現実/混合対話型アプリケーションの人気の高まりに伴い、対話型アプリケーションで使用されるデジタルアセットを追跡することにより、豊富で有用な情報を提供することができる。通常、ビデオゲームでは、プレーヤが、ビデオゲームでの自分の順位もしくはレベルを通じて、または課題を克服する技能を通じてのどちからにより、あるいはデジタルアセットを購入するか、またはデジタルアセットを別のデジタルアセットもしくは確率と交換するか、または別のレベルと交換することによってデジタルアセットを獲得すると、デジタルアセットはプレーヤと関連付けられる。デジタルアセットを所有している第1のプレーヤがビデオゲームで第2のプレーヤによって倒されるか、もしくは殺されるとき、またはデジタルアセットが獲得されるとき、デジタルアセットの関連付けは、所有者としての第1のプレーヤを削除し、第2のプレーヤを新しい所有者として含めるように更新される。結果的に、デジタルアセットの使用履歴は、第2のプレーヤがビデオゲームでデジタルアセットの使用を開始すると再開する。
【0003】
さらに、デジタルアセットを所有しているプレーヤは、プレーヤが所有またはプレイする別のビデオゲームでそのデジタルアセットを使用できない場合がある。
【0004】
本開示の実施形態は、このような背景の下になされたものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、デジタルアセットの非代替性トークン(NFT)を生成するための、及びNFTを使用してビデオゲームなどの対話型アプリケーション内でのデジタルアセットの使用を追跡するためのシステム及び方法に関する。NFTは、ブロックチェーン技術を使用して作成される。NFTは、その定義により、デジタルアセットが一意であり、交換可能ではないことを証明するデジタル台帳(つまり、ブロックチェーン)に格納されるデータの単位である。NFTは、写真、ビデオ、オーディオ、絵画、コレクション、及びゲームアセットなどの任意のアセットを表すために使用できる。各NFTが異なる原資産を表すため、NFTは、アセットごとに固有である異なる値を有する。NFTと関連付けられたメタデータは、アセットを別のアセットから区別するために、アセットの一意の識別コードを生成するための詳細を提供する。ブロックチェーン技術を使用してアセットのNFTが作成される(鋳造される、あるいはミント(mint)される)と、ブロックチェーンは、暗号ハッシュのセットを連結して一意の識別コードを定義するブロックを生成する。アセットが使用されると、ブロックチェーンは、アセットの使用に関係する暗号ハッシュの別のセットを、以前に生成された識別コードに連結することによって新しいデータブロックを生成し、新しいデータブロックを以前のデータブロックと連結して、一意の識別可能なデータブロックのチェーンを作成する。この一意の識別コードは、アセットの所有を追跡及び確証するために使用できる。ブロックチェーン技術を使用してアセットを「トークン化」すると、潜在的な詐欺または虚偽表示を恐れることなくアセットを購入、販売、または交換することが可能になる。ブロックチェーンにより、NFTを追跡できるため、NFTと関連付けられたアセットは、効率的かつ確実に追跡及び確証できる。
【0006】
NFTの概念は、ビデオゲームのコンテキストで拡張することができ、ブロックチェーン技術は、ゲームプレイで使用されるデジタルアセットのためにNFTを生成し、ビデオゲーム内でのデジタルアセットの使用を追跡するために使用され得る。デジタルアセットは、ゲームで先に進むか、もしくは課題を克服するか、またはゲームの仮想キャラクタもしくはゲーム内の他のプレーヤを表す仮想キャラクタを倒す、捕獲する、または殺すためにプレーヤが使用する武器または別のゲームアセットなどのゲームオブジェクトである場合がある。ゲームの課題を克服することに加えて、ゲームアセットは、ゲームでのプレーヤの順位を高めるためにプレーヤによって使用される場合もある。ゲームアセットを使用するプレーヤのゲームプレイと関連付けられたメタデータは、NFTを生成するために使用され、デジタルアセットの使用の十分な詳細を含む。デジタルアセットの使用の詳細は、誰がデジタルアセットを現在所有しているのか、誰が現在の所有者の前にデジタルアセットを使用していたのか、デジタルアセットがビデオゲームでどのように使用されたのか、デジタルアセットがビデオゲーム内のどこで使用されたのか、デジタルアセットを使用した結果がどうであったのかなどを含み得る。
【0007】
いくつかの実施態様では、デジタルアセットのNFTはビデオゲームのプレーヤと関連付けられ得る。プレーヤがビデオゲームでデジタルアセットを使用すると、デジタルアセットが使用されたビデオゲームのゲーム空間の部分の時間属性及び空間属性が決定され、デジタルアセットを追跡するために使用される。時間属性及び空間属性は、ゲーム空間内で発生しているイベントに関連する場合がある。空間属性は、デカルト座標(x、y、z座標)に対応でき、時間属性は、ゲームの部分のゲームプレイと関連付けられたタイムスタンプに対応し得る。これらの座標及びタイムスタンプは、イベントでプレーヤが使用するデジタルアセットのためにNFTを生成するために、ゲームの部分で発生しているイベントと関連付けられたメタデータを識別するために使用される。再生成されたNFTは、イベントでプレーヤが使用したデジタルアセットのアイデンティティ、イベントの参加者、イベントの結果などを含む使用履歴を決定するために使用できるメタデータを含む。ゲームアセットのために作成されたNFT(つまり、ミント(mint)されたNFT)は、重要なイベント、重要なイベントで使用されるデジタルアセット、及び/または重要なイベント中にデジタルアセットを所有及び使用したプレーヤと関連付けられ得る。
【0008】
デジタルアセットがビデオゲーム内で発生している追加の重要なイベントで使用され続けると、追加の重要なイベントと関連付けられたメタデータが使用されて、デジタルアセットのためにNFTを再生成する。デジタルアセットのために再生成されたNFTは、デジタルアセットが使用されたすべての重要なイベントの記録を保持し、それによりデジタルアセットのレガシーを作成する。レガシーは、プレーヤがビデオゲームのゲームプレイを戦略化するために使用できる。重要なイベントでのデジタルアセットの使用は、デジタルアセットの価額を高めるために使用でき、値は、例えばデジタルアセットの交換または販売中に使用できる。別の例では、使用履歴は、デジタルアセットがビデオゲームの課題を克服するために他のプレーヤによって使用された他のプレーヤのゲームプレイに対する洞察を提供し得る。デジタルアセットが第2のプレーヤに取引または販売されると、NFTが再生成されて、トランザクションと関連付けられたメタデータを使用して、デジタルアセットの所有権の第2のプレーヤへの変更を記録する。デジタルアセットのレガシーは、どのプレーヤが重要なイベントの発生中にデジタルアセットを使用していたのかに関係なく、デジタルアセットの現在の所有者を識別し、デジタルアセットと関連付けられた重要なイベントを強調表示する。
【0009】
重要なイベントの強調表示は、デジタルアセットが使用されたビデオゲームで発生した対応する重要なイベントのビデオクリップをタイムラインに沿って提供され得る。重要なイベントを識別することに加えて、デジタルアセット(例えば、ゲームアセットまたはゲームオブジェクト)のNFTに含まれる詳細は、プレーヤが現在インタラクトしているビデオゲームのゲームシーン内でプレーヤの近傍にある対応するNFTと関連付けられた他のデジタルアセットを識別し、マップフォーマットで他のプレーヤのNFTの位置を提示するために使用され得る。デジタルアセットを追跡する一部として、システムは、ゲームシーン内のプレーヤの位置と関連付けられ、異なるデジタルアセットのNFTの詳細に含まれる空間属性及び時間属性を使用して、プレーヤの近傍の他のデジタルアセットを識別する。マップで提供されるNFT情報は、プレーヤが自身のゲームプレイを戦略化するために使用され得る。
【0010】
NFTを使用して維持される様々なゲームアセットの使用履歴は、プレーヤに価値ある情報を提供して、プレーヤがビデオゲームでの動きを計画することを可能にする。使用履歴は、どのデジタルアセットが特定の課題または仮想キャラクタもしくはプレーヤを克服するために使用されたのか、どのプレーヤが特定の課題もしくは仮想キャラクタを克服するためにデジタルアセットを所有し、使用したのか、ビデオゲームでのデジタルアセットを使用した結果、デジタルアセットがどのように使用されたのかなどを判断するために使用できる。使用履歴は、どのデジタルアセットを収集するのか、どのデジタルアセットを取引または取得するのか、異なる状況で特定の課題を克服するためにどのデジタルアセットを使用するのか、異なる状況(例えば、ビデオゲーム内の異なるゲームシーンまたはゲームレベル)での使用に基づいたデジタルアセットの価値、デジタルアセットを獲得または使用するためにどのプレーヤとインタラクトするのか、インタラクションの性質及びタイプ(例えば、協働もしくは競合インタラクション)など、プレーヤがビデオゲームのゲームプレイを戦略化するために使用できる。対話型アプリケーションと関連付けられたデジタルアセットは、課題を克服する際に、及び/または敵(例えば、モンスター、ゲーム内の仮想キャラクタ、他のプレーヤに関係する仮想キャラクタなど)を倒すために有用なゲーム武器などのゲームオブジェクトまたはゲームアセットである場合もあれば、写真、ビデオ、ピクチャなどの収集可能なアイテム、ビデオゲームでの以前の使用もしくは価値に基づいて、他のゲームアイテム(複数可)もしくはゲームレベルなどをロック解除するためにまたは特定のイベントなどで特定のプレーヤが使用できるゴールデンキーもしくはゴールデンチケットなどの他のゲームオブジェクトである場合もある。デジタルアセットは、購入もしくは交換を通じて、または別のプレーヤもしくは仮想キャラクタを倒すことによって取得できる。他のプレーヤまたは仮想キャラクタは、ビデオゲーム内でデジタルアセットを所有する人である場合もあれば、他のプレーヤまたは仮想キャラクタを倒した結果、プレーヤがデジタルアセットで報酬を得ることができるほど重要である場合もある。デジタルアセットは、(a)ビデオゲームで前進し、ゲームプレイをより面白くしてユーザーの関与を改善するために、(b)ゲームの順位を高めるために(例えば、特定のタイプの武器または特定数の異なるタイプの武器等を用いて、プレーヤのゲームポイントまたはゲーム値を高める)、または(c)ビデオゲームでの交渉力を改善するために、プレーヤが使用できる。
【0011】
一つの実施の形態では、方法が開示される。方法は、ゲームプレイのためにプレーヤが選択したビデオゲームで使用されるデジタルアセットの非代替性トークン(NFT)を生成することを含む。ビデオゲームでのデジタルアセットの使用は、ゲームプレイ中に監視されて、デジタルアセットが使用されるビデオで発生する適格イベントを識別する。デジタルアセットのNFTは、NFTに含まれるメタデータと、適格イベントと関連付けられたメタデータとを使用して再生成される。再生成されたNFTは、デジタルアセットのレガシーを構築するために使用され、レガシーは、ビデオゲーム内でのデジタルアセットの使用を追跡するために使用できる。
【0012】
一つの実施の形態では、NFTは、適格イベントがビデオゲームで発生するたびに、適格イベントのメタデータで更新される。
【0013】
一つの実施の形態では、デジタルアセットのメタデータは、デジタルアセットがプレーヤによって使用されるビデオゲームのゲーム空間と関連付けられた時間属性及び空間属性を使用して識別される。
【0014】
一つの実施の形態では、デジタルアセットのNFTは、適格イベントの発生中にデジタルアセットを使用するプレーヤと関連付けられる。
【0015】
一つの実施の形態では、プレーヤと関連付けられたデジタルアセット、及びデジタルアセットと関連付けられたNFTは、プレーヤによって他のビデオゲームに移植可能である。NFT及びデジタルアセットの移植は、アプリケーションプログラミングインターフェースを使用して可能にされる。
【0016】
一つの実施の形態では、デジタルアセットのNFTの再生成は、ビデオゲーム内のデジタルアセットの再生成されたNFTのメタデータを、デジタルアセットが使用される他のビデオゲームと同期させることを含む。
【0017】
一つの実施の形態では、メタデータは、少なくとも、デジタルアセットが使用される適格イベントと関連付けられたゲーム空間の特定の部分に対応するビデオゲーム内のタイムライン、デジタルアセットを使用するプレーヤのプレーヤアイデンティティ、適格イベントの参加者の参加者アイデンティティ、ビデオゲームのゲームアイデンティティ、特定の部分と関連付けられたゲームレベルのレベルアイデンティティ、及びビデオゲームの適格イベントのイベントアイデンティティ及び詳細に関係する情報を含む。ゲーム空間の特定の部分は、ビデオゲームのゲーム空間と関連付けられた時間属性及び空間属性を使用して識別される。参加者は、ビデオゲームの他のプレーヤまたは仮想キャラクタを含む。
【0018】
一つの実施の形態では、適格イベントは、ビデオゲームのゲームプレイ中に収集された統計に基づいて定義された、所定の閾値を満たすイベントである。
【0019】
一つの実施の形態では、所定の閾値は、ビデオゲームで使用されるデジタルアセットに対して定義されたレガシー目標と一致するようにスロットリング(throttled up or down)され、あるいは、調整される。
【0020】
一つの実施の形態では、イベントの所定の閾値は、ビデオゲームのゲーム開発者、またはプレーヤ、またはゲームホスト、またはゲームコンテンツスポンサによって定義される。
【0021】
一つの実施の形態では、NFTは、ビデオゲームで使用されるデジタルアセットのために維持され、ビデオゲームの複数のゲームプレイセッションからのメタデータを使用して再生成される。
【0022】
一つの実施の形態では、デジタルアセットの使用を監視することは、デジタルアセットにNFTが利用できないときに、適格イベント中にプレーヤが使用するデジタルアセットのためにNFTを生成する第1のオプションをプレーヤに提供することを含む。第1のオプションは、ビデオゲーム内のイベントが所定の閾値を満たして適格イベントになったことに応えて提供される。
【0023】
一つの実施の形態では、NFTを再生成することは、第2のビデオゲームからデジタルアセットのためのNFTを移植する第2のオプションを提供することを含む。第2のオプションを選択すると、デジタルアセットが以前に使用された第2のビデオゲームからデジタルアセットのNFTに含まれるメタデータが取り出される。第2のビデオゲームから取り出されたデジタルアセットのメタデータ、及びビデオゲーム内の適格イベントのメタデータは、デジタルアセットのためにNFTを再生成するために使用される。
【0024】
一つの実施の形態では、デジタルアセットが使用されたビデオゲームのゲームプレイ中に発生した複数の適格イベントを識別するゲームプレイのタイムラインが提供される。複数の適格イベントは、ビデオゲームの識別された適格イベントを含む。複数の適格イベントのそれぞれは、タイムライン上にサムネイルとして提供される。タイムラインは、NFTに含まれるメタデータから識別されたデジタルアセットの使用のレガシーの視覚的表示を提供する。サムネイルは、デジタルアセットが使用された適格イベントのビデオゲームのゲームプレイの部分のビデオ記録へのアクセスを提供する。
【0025】
一実施形態では、デジタルアセットを含む複数のデジタルアセットが使用されたゲームプレイ中に発生した識別された適格イベントを含む複数の適格イベントを識別するゲームプレイのタイムラインが提供される。各適格イベントは、タイムライン上でサムネイルとして表される。サムネイルは、複数のデジタルアセットの少なくとも1つが使用されたビデオゲームのゲームプレイの部分のビデオ記録へのアクセスを提供する。
【0026】
別の実施態様では、方法が開示される。方法は、プレーヤから、ゲームプレイのために選択されたビデオゲームの入力を受信することを含む。入力は、ビデオゲームのゲーム状態を更新し、プレーヤのクライアントデバイスでのレンダリングのためのゲームプレイデータを提供するために使用される。ゲームプレイデータは、プレーヤがビデオゲーム内で現在位置しているゲーム空間を識別する。プレーヤが位置しているゲーム空間内で利用可能な1つ以上のデジタルアセットが識別される。各デジタルアセットは、対応する非代替性トークン(NFT)と関連付けられ、対応するNFTに含まれるメタデータから識別される。プレーヤのゲーム空間内で利用可能な1つ以上のデジタルアセットに関係する詳細は、プレーヤがビデオゲームのゲームプレイに関する戦略的な決定を下すのを支援するためにプレーヤに提示される。詳細は、1つ以上のデジタルアセットの対応するNFTに含まれるメタデータを使用して提供される。
【0027】
一つの実施の形態では、1つ以上のデジタルアセットは、プレーヤがビデオゲーム内で位置するゲーム空間を表すマップ上に提示される。1つ以上のデジタルアセットは、プレーヤが1つ以上のデジタルアセットを追跡することを可能にするために、可視インジケータを使用して提示される。
【0028】
一つの実施の形態では、1つ以上のデジタルアセットは、1人以上の他のプレーヤと関連付けられる。可視インジケータは、ビデオゲームのゲーム空間内での1人以上の他のプレーヤの1つ以上のデジタルアセットの追跡を可能にするために、1人以上の他のプレーヤを表す1つ以上の仮想キャラクタに提供される。
【0029】
一つの実施の形態では、可視インジケータは、デジタルアセットのそれぞれ1つが位置するゲーム空間内の位置に設けられたピン、バルーン、矢印、またはマーカのいずれか1つを含む。可視インジケータは、各デジタルアセットと関連付けられたタイプに従って色分けされる。
【0030】
一つの実施の形態では、ビデオゲームは、プレーヤと他のプレーヤとの間でプレイされるマルチプレーヤゲームである。プレーヤが第2のプレーヤが所有するデジタルアセットを取得すると、第2のプレーヤと関連付けられたNFTは、第2のプレーヤからプレーヤに自動的に転送される。自動的な転送は、プレーヤに関係する情報、及び第2のプレーヤからのデジタルアセットの取得に関係する情報でデジタルアセットのNFTを再生成することを含む。デジタルアセットは、第2のプレーヤを表す仮想キャラクタを倒すこと、または第2のプレーヤを表す仮想キャラクタを殺すこと、第2のプレーヤからデジタルアセットを購入すること、または交換することのいずれか1つによって取得される。
【0031】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0032】
本開示は、添付図面と併せて解釈される以下の説明を参照することにより、最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本開示の一実施形態に従って、ビデオゲームで使用されるデジタルアセットのためにNFTを生成し、NFTを使用してデジタルアセットを追跡するためのデジタルアセット追跡エンジンを実行するシステムの簡略化されたブロック図を示す。
図2】本開示の一つの実施の形態による、図1のデジタルアセット追跡エンジンのゲームプレイデータアナライザのサブモジュールのいくつかを示す。
図3】本開示の一つの実施の形態による、図1のデジタルアセット追跡エンジンのNFT更新エンジンのサブモジュールのいくつかを示す。
図4】本開示の一つの実施の形態による、デジタルアセットのNFT内に維持されるメタデータから取得されたビデオゲームでのゲームアセットの使用を識別する表を示す。
図5】本開示の代替実施態様による、それぞれのデジタルアセットのNFT内に維持されるメタデータから取得されたビデオゲーム内の複数のゲームアセットの使用を識別する表を示す。
図6】本開示の一つの実施の形態による、NFTと関連付けられたゲームアセットが使用されたゲームプレイ中にビデオゲームで発生した適格イベントのタイムライン、及び適格イベントのビデオクリップを示す。
図7】本開示の一つの実施の形態による、ゲーム空間内に位置するプレーヤの近傍で利用可能なNFTを識別するビデオゲームのゲーム空間のマップを示す。
図8】本開示の一つの実施の形態による、デジタルアセットのためにNFTを生成し、NFTを使用してデジタルアセットの使用を追跡するために使用される方法の流れ操作を示す。
図9】本開示の一つの実施の形態による、ビデオゲームで使用されるデジタルアセットのためにNFTを生成し、デジタルアセットの使用を追跡するためにクラウドサーバが使用されるクラウドゲーミングサイトの簡略化されたブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の発明を実施するための形態では、本開示の完全な理解をもたらすために、いくつかの具体的な詳細が示されている。しかしながら、本開示は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくとも実践できることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を曖昧にしないために、周知のプロセスステップは詳細に説明していない。
【0035】
ブロックチェーン技術は、第三者を必要とせずに2つの当事者間で安全なデジタルトランザクションを有するための方法を提供するため、人気が高まっている。ブロックチェーン技術は、ありとあらゆるデジタルトランザクションを記録する自動デジタル台帳を維持し、各デジタルトランザクションの結果、トランザクションを構成するブロックのチェーンに追加される別個のブロックが作成される。デジタルアセットの様々なトランザクションを表すブロックチェーンは、非代替性トークン(NFT)を使用して表される。デジタルアセットのためのNFTは、デジタルアセットの真正性、過去の履歴、及び所有権を検証することによってデジタルアセットを確証するために使用できる。デジタルアセットのブロックチェーンは、複数のサーバに格納され、1つのサーバ上のブロックチェーンに含まれるデータが、複数のサーバに含まれるブロックチェーンデータと同じであることを保証することによって、デジタルアセットを認証するために使用される。
【0036】
ブロックチェーン技術を使用するNFTの概念は、ビデオゲームで使用される各ゲームアセットの使用記録を維持することによってビデオゲームに拡張される。ブロックチェーン概念を使用すると、ゲームアセットの各使用は、ゲームアセットのために維持または作成されたブロックチェーンに別個のブロックとして追加される。ビデオゲームで使用されるゲームアセットがより多くなるにつれて、より多くのブロックがブロックチェーンに追加される。ゲームアセットのためのNFTは、ゲームアセットの真正性を検証するだけではなく、過去の使用履歴及びゲームアセットの過去/現在の所有権(ビデオゲームに関する「デジタルアセット」とも呼ばれる)、ゲームアセットが使用されたゲーム空間の詳細などを取得するために使用できる十分な詳細を提供する。ビデオゲームで使用されるゲームアセットのために維持されるNFTは、ビデオゲーム内でゲームアセットを現在所有しているプレーヤと関連付けられ、ゲームアセットが新しいプレーヤによって取得されると、新しいプレーヤによる取得は、ゲームアセットの所有権を新しいプレーヤに更新することによってNFT内で自動的に記録される。いくつかの実施の形態では、ビデオゲーム内で使用されるゲームアセットのいくつかのみが、ビデオゲーム内で発生した適格イベントでの使用に基づいて、NFTと関連付けられ得る。他の実施の形態では、ビデオゲームで使用される各ゲームアセットは、最初にそれらと関連付けられたNFTを有し、適格イベントでのその使用に基づいて、ゲームアセットのNFTは更新され得る。
【0037】
NFTに記録されたゲームアセットの使用履歴は、現在または以前のゲームプレイセッション中に、ゲームアセットがプレーヤによって、または現在もしくは以前にゲームアセットを所有していた他のプレーヤのどちらかによって使用された様々な適格ゲームイベント(つまり、例えば、最小時間量でモンスターを殺すこと、最初の試みでモンスターを倒すこと、初めて特定のレベルで両方のモンスターを倒すことなどの所定の閾値を満たすゲームイベント)、各適格ゲームイベントでゲームアセットを使用したプレーヤのアイデンティティ、ゲームアセットを使用して実行されたアクティビティ(例えば、モンスターを倒すこと、ダンジョンを脱出すること、仮想キャラクタを殺すことなど)のタイプ、及び/またはゲームアセットを使用して実行されたアクション(複数可)(例えば、実行された様々なタイプ及び数の動きなど)の詳細を提供する。
【0038】
いくつかの実施の形態では、適格ゲームイベントでのゲームアセットの使用履歴は、ゲームアセットが使用された適格ゲームイベントを識別するタイムライン上でプレーヤ(複数可)に提示され得る。タイムラインはまた、ゲームアセットが使用された適格ゲームイベントに対応するビデオゲームの記録の部分のビデオクリップへのリンクを含み得る。ビデオクリップは、選択されると、適格ゲームイベントが発生し、ゲームアセットが使用された、プレーヤがプレイしたビデオゲームのゲームプレイのビデオ記録の部分をレンダリングする。
【0039】
ゲームアセットについてNFTが提供する履歴使用情報は、ゲームアセットの値を割り当てるために使用され得る。ゲームアセットがより多くの適格イベントで使用されるにつれて、ゲームアセットと関連付けられたNFTは、以前の使用履歴及び適格イベントに関係するメタデータを含めるために再生成され、ゲームアセットに割り当てられた値は増分され得る。使用履歴に基づいてNFTから取得されたゲームアセットの値は、ゲームアセットを所有するかどうか、どのゲームアセットを所有するのか、ゲームアセットの取得方法、いったん取得された場合、いつ、どこで、及びどのようにゲームプレイ中にゲームアセットを使用するのかなどを含む戦略的な決定を下すためにプレーヤが使用することができる。例えば、プレーヤは、ビデオゲームでの貯蔵武器を強化するためにゲームアセットを所有または取得する決定を下す場合がある。別の例では、プレーヤは、NFTに記録されたゲームアセットの一意の履歴のために、ゲームアセットをコレクションとして取得することを決定する場合がある。ゲームアセットを収集した結果、プレーヤは、ビデオゲームでの改善された順位を有する場合がある。
【0040】
いくつかの実施の形態では、ゲームプレイ中にどのゲームアセットを取得するのかについてのプレーヤの戦略的な決定を支援するために、ビデオゲームのゲームシーンでプレーヤの近傍で利用可能な関連付けられたNFTを有するゲームアセットが識別され、プレーヤに提示され得る。いくつかの実施の形態では、プレーヤが存在しているビデオゲームのゲームシーンで利用可能なNFTを有するゲームアセットは、ゲームシーンを表すマップ上に提示され得る。いくつかの実施の形態では、ゲームアセットは、視覚インジケータを使用してマップに提示されてよい。これらのゲームアセットがNFTを生成するために適格イベント中に使用されなかったために、ビデオゲームのゲームシーンでプレーヤの近傍にこれらのゲームアセットと関連付けられたNFTがない他のゲームアセットがあり得ることに留意されたい。一つの実施の形態では、関連付けられたNFTを有するゲームアセットのみが、プレーヤが戦略的な決定を下すためにマップに提示され得る。プレーヤの近傍でマップ上にレンダリングされたゲームアセットは、ゲームプレイ中に購入もしくは交換するか、またはゲーム入力を提供するかのどちらかによって取得され得る。プレーヤによってゲーム入力が提供されると、ゲームアセットを現在所持または所有している他のプレーヤまたは仮想キャラクタが倒される場合がある。一つの実施の形態では、マップに識別された各ゲームアセットの簡潔な使用履歴または以前の使用もまた、プレーヤに提供され得る。一つの実施の形態では、ゲームアセットの簡潔な履歴または以前の使用は、プレーヤがマップ上にレンダリングされたそれぞれのゲームアセットにマウスを合わせるとプレーヤに提示され得る。他の実施形態では、ゲームシーンのマップは、関連付けられたNFTを有するゲームアセットと、関連付けられたNFTのないゲームアセットの両方ともを提示するために使用され得る。そのような場合、マップは、プレーヤがNFTを有するゲームアセットを容易に識別することを可能にするために、視覚インジケータを使用してNFTを有するゲームアセット(つまり、適格イベントに関わったゲームアセット)を識別し得る。いくつかの実施態様では、NFTを有するゲームアセットは、ビデオゲームの他のプレーヤに属する場合がある。そのような実施態様では、視覚インジケータは、NFTゲームアセット(複数可)を所有するプレーヤ(複数可)の仮想キャラクタに提供され得る。
【0041】
ゲームアセットが、適格イベントとして定義されたイベントで使用されると、ゲームアセットのためにNFTが作成(つまり、鋳造あるいはミント)され得る。NFTの作成及び/またはNFTのブロックチェーン技術への更新は時間及び資源を要するので、NFTが、ビデオゲームで発生するありとあらゆるイベントに対してではなく、適格イベント(つまり、重要なイベント)でのゲームアセットの使用について記録される場合、より効率的かつ有用である。一つの実施の形態では、ビデオゲームで発生するありとあらゆるイベントでのデジタルアセットの使用は、ゲームプレイデータに記録され得るが、適格イベントでのデジタルアセットの使用はNFTを使用して記録され得る。イベントが所定の条件または閾値を満たすと、イベントは重要なイベントまたは適格イベントになる。例えば、レベル7の記録タイムで特定のモンスターを倒すイベントは、適格イベントとして定義され得る。この例では、記録タイムについて所定の閾値は15秒であると定義され得る。プレーヤが15秒以内にモンスターまたは他のモンスターを倒した可能性がある他のレベルがある場合がある。ただし、他のプレーヤはレベル7に達しておらず、このレベルの記録タイムで特定のモンスターを倒したこともないので、レベル7の特定のモンスターを15秒未満で(例えば、12秒で)倒すことは、重要なイベントである場合があり、プレーヤは特定のゲームアセットを使用してこのゴールを達成した可能性がある。
【0042】
別の例では、第1のプレーヤはレベル7の記録タイム内に(つまり、12秒内に)特定のモンスターを倒した可能性があり、第1のプレーヤがモンスターを倒す際に使用されたゲームアセットのために生成または再生成されたNFTは、このイベントのメタデータを使用してこのイベントを記録する。プレーヤまたは第2のプレーヤが同じゲームアセットを使用して8秒以内にレベル7で同じモンスターを倒すと、モンスターを倒すために要した時間が新しい記録を達成したため、プレーヤまたは第2のプレーヤが8秒以内に特定のモンスターを倒すこのイベントはまた、適格イベントとして登録される。別の例では、適格イベントは、レベル10で最初の試みでモンスターを倒すことであると定義され得る。上述の例でのように、どのプレーヤも(a)レベル10に到達していない、(b)レベル10でモンスターを倒していない、及び(c)最初の試みでモンスターを倒していない場合がある。さらに別の例では、適格イベントは、第1のプレーヤが、特定のランキングレベルにいる第2のプレーヤを倒すことであると定義され得る。この例では、第1のプレーヤは、初心者プレーヤである場合があり、第2のプレーヤはエキスパートプレーヤ(例えば、最高のランキングを有するプレーヤ)である場合がある。この場合、初心者プレーヤは今まで経験豊富な(つまり、エキスパート)プレーヤを一度も倒したことはないと判断され得る。イベントは、イベント及びゲームプレイのコンテキストと関連付けられた統計に基づいて、適格イベントとして定義可能であり、所定の閾値は、統計に基づいて、そのようなイベントの発生頻度に従って定義され得る。いくつかの実施態様では、所定の閾値は、ビデオゲームのゲームプレイをより面白く魅力的にするために、ゲーム開発者もしくはゲームプロバイダによって、またはゲームスポンサもしくはプレーヤ自身によって定義され得る。
【0043】
異なるゲームアセットについて記録された履歴情報(つまり、NFTに含まれる詳細)は、ゲームプレイ中にビデオゲームの各ゲームシーン内に存在するNFTを有する他のゲームアセットを識別するために使用される。NFTを有する他のゲームアセットは、他のプレーヤによって所有される(仮想アバターまたは仮想キャラクタによって表される)場合もあれば、ビデオゲームのゲームシーンに含まれる1つ以上の仮想キャラクタと関連付けられる場合もあれば、ゲームシーン内で分配される場合もあれば、ゲームプレイ中にキャプチャするためにゲームシーンに導入される場合もある。他のNFTは、プレーヤの時間属性及び空間属性、NFTと関連付けられたゲームアセットの特定のゲームアセットを所有する他のプレーヤの時間属性及び空間属性、それぞれのゲームシーン内でNFTと関連付けられたゲームアセットの特定の他のゲームアセットの時間属性及び空間属性を使用して識別され得る。プレーヤの近傍のNFTを有する様々なゲームアセットは、プレーヤが使用可能なNFTを見ることができ得るように視覚インジケータを使用してゲームシーンに提示され得る。いくつかの実施態様では、ゲームプレイのコンテキスト、及びゲームシーンで現在発生しているまたは発生することが予定されるイベントに基づいて、イベントのために以前に使用されたゲームアセットの特定のゲームアセットが識別され、それらのゲームアセットのために視覚インジケータが提供され得る。例えば、剣またはスティックは、ゲームシーン内のイベントで課題を克服するために関連する場合があり、ゲームシーンで識別された剣及び/またはスティックは、プレーヤが、NFTを有するが、課題を克服するために関連性がないまたは有用ではない場合がある他のゲームアセットよりも、ゲームシーンで課題を克服するために関連性のあるそれらのゲームアセットを獲得することに集中できるように、視覚インジケータを提供することによって強調表示され得る。ゲームシーンでのゲームアセット、つまりゲームシーン内の課題のコンテキストに関連性があるなどのゲームアセットの識別は、機械学習を使用して行い得る。他のNFTに関係する情報は、ゲームシーンで課題を克服するという特定の目標を達成するために、適切なゲームアセットを獲得するためのゲームプレイ戦略を作成するためにプレーヤによって使用され得る。プレーヤがイベントについて定義されている所定の閾値を満たしているかまたは超えていることに基づいて、現在のゲームシーンで発生しているイベントが適格となり、重要なイベントとなる(例えば、記録タイムで特定の戦闘を通過する、または特定の戦闘で可能な最高スコアを達成するなど)とき、重要なイベントを達成するために使用されたゲームのNFTに含まれるメタデータ、及び現在のゲームシーン内の重要なイベントと関連付けられたメタデータは、ゲームアセットのためにNFTを再生成するために使用される。ゲームアセットの再生成されたNFTは、現在のゲームシーンでのゲームアセットの使用を記録する。
【0044】
特定のゲームアセットは、第1のプレーヤによって所有される場合があり、第2のプレーヤは、第1のプレーヤを倒すことによって、または第2のプレーヤの他のゲームアセットを、ゲームアセットと交換して取引することによって、または第1のプレーヤからゲームアセットを購入することによって特定のゲームアセットを取得する場合がある。適格イベント中に使用される特定のゲームアセットの所有権が変化すると、NFTは所有権の変更を記録するために再生成される。特定のゲームアセットを取得すると、第2のプレーヤは、特定のゲームアセットを使用して、現在のゲームシーン内のイベントを達成するか、または第1のプレーヤによって設定された目標を超えて、イベントを重要なイベントとして適格化し得る。そのような場合、特定のゲームアセットの再生成されたNFTは、第2のプレーヤがイベントの課題の克服を達成したことを記録し、これによってイベントは重要なイベントとして適格化された。再生成されたNFTは、第2のプレーヤによる現在のゲームシーンで達成された重要なイベントにおいて課題を克服するために使用された特定のゲームアセットの使用履歴を提供する。一つの実施の形態では、第1のプレーヤがゲームアセットを使用して現在のゲームシーンで達成した重要なイベントは、12秒以内に現在のゲームレベルでの課題を克服することであってよく、一方、イベントを重要なイベントとして適格化するための所定の閾値時間は、15秒以下に設定されていた。この例示的な実施態様では、現在のゲームシーンの後続の重要なイベントは、第1のプレーヤの達成を超える現在のゲームシーンでの課題を達成すること(つまり、所定の閾値時間が15秒に設定されていたとしても、12秒未満で課題を克服することであると定義され得る。第2のプレーヤが制限時間を超え、10秒以内に現在のゲームシーンで課題を克服すると(つまり、第1のプレーヤによって達成された12秒未満)、課題を克服するイベントは重要なイベントとして宣言され、後続の重要なイベントを達成する際のゲームアセットの使用をキャプチャするためにNFTが再生成され得る。代替の実施態様では、現在のゲームシーンの後続の重要なイベントは、別のプレーヤが15秒という所定の閾値の値内で課題を克服するときであり続け得る。機械学習は、ゲームプレイのコンテキストに基づいて、及びプレーヤ(複数可)のゲームプレイの統計に基づいて、プレーヤが現在のゲームシーン内でいつ重要なイベントを達成するかを決定するために使用され得る。
【0045】
本発明の全体的な理解により、ここでは、様々な図を参照して特定の実施態様が説明される。
【0046】
図1は、一つの実施の形態で、デジタルアセット追跡エンジンのインスタンスが、ビデオゲーム内のゲームアセットなどのデジタルアセットのためにNFTを作成するために実行されるコンピューティングシステムの簡略化されたブロック図を示す。ゲームアセットのNFTは、ゲームアセットが使用されるビデオゲーム内のゲームアセットを追跡するために使用される。コンピューティングシステムはクラウドシステムであってよく、デジタルアセット追跡エンジンのインスタンスは、クラウドシステム内のクラウドサーバ100上で実行され得る。クラウドサーバ100は、ゲーム実行エンジン102が実行している同じサーバである場合もあれば、ゲーム実行エンジンを実行するサーバ(100)に通信可能に接続される場合もある。ゲーム実行エンジンは、ゲームプレイのために選択されたビデオゲームのインスタンスを開始する。ビデオゲームは、クラウドサーバ100上で実行するビデオゲームの同じインスタンス、またはクラウドサーバ100内の複数のゲームコンソールで実行しているビデオゲームの異なるインスタンス、またはクラウドシステム内の複数のクラウドサーバ100で実行するビデオゲームの異なるインスタンスにアクセスする複数のプレーヤによるマルチプレーヤビデオゲームであってよい。複数のプレーヤは、異なるジオロケーションから異なるインスタンスに同時にアクセスし得る。ビデオゲームの複数のインスタンスが実行及びアクセスされている場合、プレーヤが提供するゲーム入力は、ビデオゲームのゲーム状態を更新するために使用され、ゲーム状態は、各プレーヤがビデオゲームの現在のゲーム状態を提示されるように、ビデオゲームのすべてのインスタンスにわたって同期される。
【0047】
ゲーム実行エンジンは、デジタルアセット追跡エンジン101に入力として提供され、ゲームプレイデータのデータストア150にも格納されるゲームプレイデータを生成する。ゲームプレイデータは、ビデオゲームの1人以上のプレーヤから受信される入力に基づいて、ゲームプレイ中にゲームシーンで発生している様々なイベントを識別する。入力は、プレーヤが所有しているゲームアセットを使用して、1人以上のプレーヤによって提供され得る。1人以上のプレーヤが提供するゲームプレイデータ及び入力は、デジタルアセット追跡エンジン101のゲームプレイデータアナライザ104が利用可能になる。
【0048】
ゲームプレイデータアナライザ104は、ゲームプレイデータを分析して、ビデオゲームのゲームプレイ中に発生している様々なイベント、及び様々なイベントと関連付けられた統計を識別する。一つの実施の形態では、ゲームプレイデータアナライザ104は、ドラマエンジン104aを関与させてイベントに関係する統計データを使用して、特定のイベントが、NFTを生成または再生成するための資格を満たしている重要なイベント(つまり、適格イベント)であるかどうかを判断し得る。例えば、プレーヤが記録タイムでより高いレベルに到達するか、もしくは特定のレベルで最高点を得点するか、もしくは記録タイムでモンスターを倒すか、または新人のプレーヤが単一のクォーターなどで最高点を得点するインスタンスがある場合がある。ドラマエンジン104aは、ゲームシーンで発生している各イベントを識別するように構成され、イベントの統計に基づいて、ゲームプレイで発生しているイベントを適格イベントと適格化する。イベントは、複数回、適格イベントになり得る。例えば、プレーヤが記録タイムでより高いレベルに達するゲームイベントは、適格イベントとして定義される。第1のプレーヤがゲームアセットを使用し、ゲームアセットを使用して記録タイムでより高いレベルを達成すると、次に第1のプレーヤは、記録タイムでより高いレベルに達すること-つまり適格イベント-であるイベントの目標を達成したと見なされる。イベントは、ゲームプレイデータの分析から決定されたゲームプレイの統計、及びビデオゲーム内の様々なイベントについて定義された所定の閾値に基づいて、適格イベントであると定義される。適格イベントは、適格イベントの課題を無事に克服するという目標を達成するために使用されたゲームアセットと関連付けられる。ここで、第2のプレーヤが第1のプレーヤと同じゲームアセットを使用して同じより高いレベルを達成するが、第1のプレーヤによって達成された記録タイムに優ると、次に、第2のプレーヤが同じゲームアセットを使用してより高いレベルを達成するイベントは、ここで後続の適格イベントになる。
【0049】
ゲームプレイの統計を決定するため、及びイベントを適格イベントとして定義するために、ゲームプレイデータアナライザ104のドラマエンジン104aは、ゲームプレイデータ及びプレーヤからの入力を分析して、ゲームプレイデータ及び入力と関連付けられた時間属性及び空間特性を識別する。ゲームプレイデータの時間属性及び空間属性は、プレーヤによって提供された入力と関連付けられた時間属性及び空間属性に相互に関連する。ゲームプレイデータの空間属性は、現在のゲームシーン、特定のプレーヤが位置するビデオゲームの現在のゲームシーン内の位置、及び現在のゲームシーンで発生しているイベントを識別するために使用される。特定のプレーヤの入力からの時間属性は、特定のプレーヤの入力が受信された時点に発生するイベントの時間特性に相互に関連し、空間属性とともに、入力を提供する特定のプレーヤのアイデンティティ、特定のプレーヤがイベントに入力を提供するために使用したゲームアセット、提供された入力のタイプ(複数可)提供された入力の数(複数のストライク対単一のストライク)、入力の結果などの関連性のあるデータが識別される。プレーヤからの入力は、ビデオゲームの結果(つまり、ゲーム状態)を決定するために使用される。
【0050】
ゲームプレイデータの時間属性及び空間属性、ならびにプレーヤの入力を使用して取得された関連データは、デジタルアセット追跡エンジン101内でNFT更新エンジン106に対する入力として提供される。NFT更新エンジン106は、イベントが、NFTを生成する必要がある適格イベントであるかどうかを判断し、そのような判断は、ゲームプレイデータから取得される統計に基づいて行われる。モンスターを殺すことなどのイベントは、ビデオゲームの初期のゲームシーン内ですでに複数回、発生している可能性がある。しかしながら、ゲームプレイの統計に基づいて、モンスターが、初めて特定のレベルで、または最短期間内で、または最初の試みで殺されたと判断され得る。そのような場合、モンスターを殺すイベントは、適格イベントとして適格となる。イベントが適格イベントであると判断されると、次にNFT更新エンジン106は、NFTが、ビデオゲームのイベントで使用されたゲームアセットのためにすでに作成されているかどうかを判断する。ゲームアセットのためにNFTが利用できない場合、次に、NFT更新エンジン106内のNFT作成エンジン106aがイベント中にプレーヤが使用したゲームアセットのためにNFTを生成(つまり、鋳造あるいはミント)するために関与する。イベントに関係するメタデータは、NFTを作成するために使用される。ゲームアセットのために新しミントされたNFTは、ビデオゲーム内のゲームアセットに使用されるレガシーを構築するように、適格イベント及びプレーヤと関連付けられる。ゲームアセットのために新規にミントされたNFTは、NFTデータのデータストア140に格納される。
【0051】
一方、NFTがすでにゲームアセットのために存在し、プレーヤがゲームアセットを使用しているゲームシーンで発生しているイベントが適格イベントであると判断された場合、次にゲームアセットのためのNFTは、プレーヤが現在のゲームシーンで達成した適格イベントからの詳細を含むように再生成される。この場合、NFT更新エンジン106は、NFT取り出しエンジン106bを関与させて、最初にゲームアセットのNFTに含まれるメタデータをNFTデータのデータストア140から取り出し、次に、ブロックチェーン技術を使用して、NFTデータのデータストア140から取り出したメタデータと、現在のゲームシーンで達成された適格イベントのメタデータとを使用するゲームアセットのためにNFTを再生成させる。再生成されたNFTは、ゲームアセットの使用のレガシーをキャプチャし、NFTデータのデータストア140に格納される。
【0052】
作成(つまり、生成)及び/または再生成されたNFTは、ゲームアセットのNFTデータが格納されるすべてのサーバにわたって同期される。NFT更新エンジン106のNFT同期エンジン106cは、ゲームアセットのNFTの同期を実行するために使用される。ゲームアセットのためのNFTデータは、個々のビデオゲームレベルで、またはすべてのビデオゲームにわたって集合的に同期され得る。一つの実施の形態では、ゲームアセットは、あるビデオゲームから別のビデオゲームに移植(つまり、転送)可能であり、NFT同期エンジン106cは、ゲームアセットが使用され得るすべてのビデオゲームにわたってゲームアセットと関連付けられたNFTデータを同期し得る。一つの実施の形態では、異なるビデオゲームは、異なるゲームプラットフォームに実装され得る。そのような実施の形態では、1つのビデオゲームにゲームアセットのためのNFTの生成または再生成に含めるためのメタデータは標準化され、すべてのゲームプラットフォームでのゲームアセットの使用のレガシーを一意に識別するために使用できる必須データのみを含む。異なるゲームプラットフォームで実行している他のビデオゲームにわたる必須メタデータの同期は、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用して行い得る。
【0053】
ゲームアセットのためにNFTデータを生成することに加え、ゲームプレイデータの分析からドラマエンジン104aによって識別される統計データは、プレーヤが存在するゲームシーン内でNFTを有する様々なゲームアセットを識別するために使用され得る。デジタルアセット追跡エンジン101のNFT識別エンジン108は、ゲームシーン内でNFTを有する様々なゲームアセットを識別し、ゲームアセット自体またはゲームアセットを所有する仮想キャラクタに視覚インジケータを提供するために使用され得る。プレーヤはまた、ゲームシーン内で識別されたゲームアセットに関係する情報を使用して、ゲームプレイに関する戦略的な決定を下すことができる場合がある。例えば、ゲームシーン内で識別されたゲームアセットは、ビデオゲームで異なる重要なイベントを達成するために使用されたNFTを有する2つの異なるゲームアセットを識別し得る。プレーヤは、プレーヤの近傍にあるゲームアセットのNFTデータに含まれる使用履歴詳細を使用して、課題でプレーヤを支援するためにゲームアセットの1つ以上数を取得する必要があるかどうかを判断し、どのゲームアセットを取得するのか、識別されたゲームアセットを取得するためにどの他のプレーヤとインタラクトするのか、異なるゲームシーン内で特定の課題を克服するためにどのゲームアセットを使用するのか、総合的なゲーム順位を改善するためにどのゲームアセットを取得するのかなどを識別し得る。
【0054】
一つの実施の形態では、ゲームシーン内の様々なNFT関連ゲームアセットは、ゲームシーンを表すマップ上でプレーヤに提示され得る。NFT関連のゲームアセットを有するマップは、プレーヤの現在のゲームプレイの統計に基づいて、プレーヤのために動的に生成され得る。例えば、プレーヤは、イベントが適格イベントとして適格となる可能性が高い方法でプレイしている場合があり、適格イベントの発生確率は、現在のゲームプレイ中に収集された統計に基づいて決定され得る。一つの実施の形態では、ゲームプレイの統計を識別し、適格イベントを決定するためのゲームプレイデータの分析は、機械学習アルゴリズムを使用して実行され得る。適格イベントの発生の尤度に基づいて、デジタルアセット追跡エンジン101は、ビデオゲームでプレーヤが現在所有しているゲームアセット、及び重要なイベントとしてイベントを適格化するであろう課題を完了するためにプレーヤがおそらく獲得する必要があるゲームアセット(複数可)を調べ得る。デジタルアセット追跡エンジンは、マップ生成エンジン112を関与させて、ゲームシーンのマップを動的に生成し、プレーヤがゲームアセットのどの1つを取得するのかを決定するのを支援し、ゲームアセットを取得するためのゲームプレイを戦略化するために、ゲームシーン内で、プレーヤが獲得する必要があるNFTを有するゲームアセットの場所を識別し得る。マップは、ゲームアセットの位置(つまり、ゲームシーン内のゲームアセットまたは場所(複数可)を所有する仮想キャラクタ)を識別し得るだけではなく、どのプレーヤが現在ゲームアセットを所有しているのか、どのゲームシーン及びどの重要なイベントにゲームアセットが使用されたのか、どのプレーヤがゲームアセットを使用して、重要なイベントとしてイベントを適格化した課題を克服したのかなど、識別されたNFTを有するゲームアセットの属性を提供し得る。ゲームアセットの属性は、ゲームアセットのNFTデータに含まれるゲームアセットのメタデータから取得される。ゲームアセットの属性は、ゲームシーンの部分でレンダリングされたポップアップウィンドウ内に、またはプレーヤが画定する表示画面の特定の部分内に情報メッセージとして提供でき、プレーヤがゲームアセットのレガシーを見て、詳細な情報を得た上での決定を下すことを可能にする。
【0055】
別の実施の形態では、マップの代わりに、またはマップに加えて、重要なイベント中に使用されたゲームアセットの属性はまた、タイムライン内でプレーヤに提示されて、ゲームアセットが使用された適格イベントのクイックビューを提供し得る。この実施形態では、タイムラインは、ゲームアセットのみを使用して達成された適格なイベントまたは重要なイベントを識別する。一つの実施の形態では、タイムラインは、ビデオゲームで、または代わりに別のビデオゲームで使用されるなんらかのレガシーを有するゲームアセットごとに生成され得る。別の実施形態では、ビデオゲームのために生成されたタイムラインは、ビデオゲーム内で異なるプレーヤが使用する複数のゲームアセットの重要なイベントを含み得る。デジタルアセット追跡エンジン101のタイムライン関連付けエンジン110は、ビデオゲームのゲームプレイ中に発生した適格イベントまたは重要なイベントを識別するタイムラインを生成するために関与する。一つの実施の形態では、タイムラインは、ビデオゲームの現在のゲームプレイセッションに生成され、ゲームアセットが使用されたゲームプレイ中に発生した適格イベントを含み得る。ゲームプレイが続くと、ゲームアセットが使用されている追加の適格イベントが発生する場合があり、タイムラインは、追加の適格イベントを含むように動的に更新され得る。他の実施形態では、タイムラインは、ビデオゲームの以前のゲームプレイセッションからの適格イベントを含み得る。ビデオゲームで発生した適格イベントを識別することに加えて、タイムラインはまた、適格ゲームイベントが発生したときのビデオゲームのゲームプレイの部分の記録のビデオクリップを含んでもよい。ビデオクリップは、ゲームアセットがどのように使用されたのか、誰によって使用されたのか、及びどのゲームイベントに対して使用されたのかに関する情報をプレーヤに提供し得る。
【0056】
一つの実施の形態では、ビデオクリップは、タイムライン上にサムネイルとして提供され得る。タイムライン関連付けエンジン110内のサムネイル生成エンジン110aは、NFT識別エンジン108によって識別されたビデオクリップのためにサムネイルを生成するために使用され得る。サムネイルは、ゲームプレイのそれぞれのビデオクリップにアクセスするためのインタラクティブリンクを提供する。ゲームアセットが使用される適格イベントを、ビデオクリップのサムネイルを有するタイムラインに提示することは、適格イベントを提示するために採用された1つのフォーマットであり、それ以外のフォーマットも採用され得ることに留意されたい。
【0057】
図2は、ゲームプレイデータを分析して、イベントを、NFTデータを記録する必要のある特定のゲームアセットが使用された重要なイベント(全文を通じて「適格イベント」とも呼ばれる)として適格化する統計を識別するために使用されるゲームプレイデータアナライザ104内のドラマエンジン104aのサブモジュールのいくつかを示す。ドラマエンジン104aは、ビデオゲームのコンテキストでのゲームプレイの統計を記録し、イベントを重要なイベントとして適格化するように構成される。イベントはそれ自体、追跡する価値がある、または単独で意味がある(つまり、適格イベントまたは重要なイベント)トロフィーではない場合がある。しかしながら、ゲームプレイのコンテキスト及びゲームプレイ中に収集された統計に基づいて、イベントはゲームプレイ中に重要になる場合がある。例えば、より高いレベルに達するプレーヤは、単独でトロフィーの価値がないか、または意味がない場合がある。しかしながら、プレーヤが記録タイムでより高いレベルに到達できると、次に、プレーヤのそのような達成は重要なイベントであると見なされる。ゲームプレイ中に収集された統計は、いつイベントが重要なイベントになるのか、または適格となり、重要なイベントになるのかを判断するために使用される。別の例では、プレーヤが特定のレベルでモンスターを倒すことは、単独では意味がない場合がある。しかしながら、プレーヤが記録タイムで特定のレベルでモンスターを倒すと、次に、特定のレベルでモンスターを倒すイベントは重要なイベントになる。イベントを重要なイベントとして適格化するための条件は、ビデオゲームに対して定義可能で、所定の閾値は、ビデオゲームのコンテキスト及びゲームプレイ中に収集された統計に基づいて異なる条件に対して設定され得る。
【0058】
ドラマエンジン104aは、少なくともゲームシーン識別エンジン104bと、デジタルアセット識別エンジン104cと、イベント適格化エンジン104dと、NFT識別エンジン104eとを含む。上述のサブモジュールは、単なる例として提供されており、より少ないまたは追加のサブモジュールがドラマエンジン104a内で想定され得る。一つの実施の形態では、ドラマエンジン104aは、ゲームシーン識別エンジン104bを使用して、プレーヤが現在位置するビデオゲーム内のゲームシーンを識別するためにゲームプレイデータを使用する。ゲームシーン識別エンジン104bは、ゲームプレイデータのデータストア150から取り出されたゲームプレイデータを分析して、ゲームプレイデータと関連付けられた時間属性及び空間属性を識別する。時間属性及び空間属性は、プレーヤが位置するゲームシーンを識別するために使用される。複数のプレーヤがビデオゲームのゲームプレイセッションに関与しているとき、ゲームシーン識別エンジン104bは時間属性及び空間属性を使用して、ゲームシーン内の各プレーヤの位置を識別する。すべてのプレーヤが、単一のゲームシーンに存在する場合もあれば、一度に異なるゲームシーンに存在する場合もある。
【0059】
プレーヤのゲームシーンを識別することに加えて、ドラマエンジン104aは、一つの実施の形態で、課題を重要なイベントとして適格化する、課題を実行する際に使用されたゲームアセット(つまり、デジタルアセット)を識別するために使用され得る。ゲームアセットは、プレーヤが所有し、敵を倒すか、またはゲームシーンで課題を克服するために使用する、剣、槌、弓、ディスクなどであってよい。ゲームアセットは、所望の結果-つまり、敵を倒すか、または課題を克服すること-を提供するために、特殊な力を有する場合もあれば、特殊な方法で使われる場合もある。ドラマエンジン104a内のデジタルアセット識別エンジン104cは、プレーヤが提供する入力をゲームプレイデータの時間属性と空間属性と相互に関連付けることによってゲームアセットを識別するために使用され、入力は、入力を提供するために使用されるゲームアセットのタイプ、プレーヤがゲームアセットを使用して所望の結果を達成しようとした試行数、各試行の結果などを識別する。
【0060】
ドラマエンジン104aのイベント適格化エンジン104dは、ゲームプレイデータ及びプレーヤの入力の分析から識別された統計データを使用して、ビデオゲームで発生したイベントを識別し、識別したイベントが、NFTが生成されることを必要とする重要なイベント(つまり、適格イベント)として適格となるかどうかを判断する。イベント適格化エンジン104dは、各イベントに定義された条件及び対応するイベント固有の所定の閾値104d-1を参照して、イベントが適格となり、重要なイベントになるかどうかを判断してもよい。ビデオゲームで発生する各イベントは、コンテキスト、レベル、及び/またはゲームシーンに基づいてビデオゲーム内で設定された別個の閾値を有し得る。例えば、モンスターを捕獲することは、プレーヤを倒すことに定義された閾値とは異なる可能性があり、敵の基地などを破壊することに定義された閾値とは異なる可能性がある特定の閾値を有する場合がある。いくつかの例では、同じイベントは異なるゲームシーンで定義された異なる閾値を有する場合がある。ゲームプレイデータから収集された統計データに基づいて、イベント適格化エンジン104dはイベントを適格イベントとして識別するか、または識別しない。イベントが適格イベントである場合、次にイベントはそのようなものとしてフラグを立てられ、この情報はNFT更新エンジン106に入力として提供される統計データ及び他の関連データとともに含まれる。
【0061】
イベント固有スロットリングエンジン104d-2は、一つの実施の形態で、イベントを重要なイベントとして適格化するために使用される所定の閾値をスロットリングするためにイベント適格化エンジン104dによって使用され得る。スロットリングは、特定のイベントに対して動的に行うことができ、ビデオゲームのゲームプレイから収集された統計データに基づく場合がある。例えば、記録タイムでビデオゲームのレベル8でモンスターを捕獲することなどのイベントは、記録タイムを10秒以下であると定義する閾値を有し得る。第1のプレーヤは、レベル8で10秒でモンスターを捕獲でき、第1のプレーヤの後にビデオゲームの同じレベルでプレイする第2のプレーヤは9秒で同じモンスターを捕獲でき、第1と第2のプレーヤの後にビデオゲームの同じレベルをプレイする第3から第5のプレーヤは、それぞれ7秒で同じモンスターを捕獲し得る。プレーヤの数(つまり、プレーヤ1~5)及びプレーヤが所定の閾値以下でレベル8のモンスターを無事に捕獲できる頻度に基づいて、イベントの所定の閾値は、閾値をより厳しくするために動的にスロットリングされる(例えば、8秒以下にスロットリングされる)場合がある。一方、レベル8でモンスターを捕獲できるプレーヤの数が2人以下である場合、次に閾値はより寛容にされ(例えば、15秒にスロットリングされ)てもよい。この例では、イベント固有スロットリングエンジン104d-2は、特定のイベントの統計データを調べ、イベントを、ゲームアセットのためにNFTを生成するための適格イベントとして判断するために使用できる所定の閾値の動的スロットリングを実行するために使用され得る。
【0062】
一つの実施の形態では、ドラマエンジン104aは、NFTが、デジタルアセット識別エンジン104cによって識別されたゲームアセットに対して存在するかどうかを判断し得る。ゲームプレイデータの分析から取得された時間属性及び空間属性は、イベント及びイベントで使用されたゲームアセットを決定するために使用され得る。NFT識別エンジン104eは、識別されたゲームアセットに対してNFTが存在するかどうかを判断するためにNFTデータのデータストア140に問い合わせに使用し得る。NFTがゲームアセットのために存在する場合、次に、ゲームアセットのNFTデータに含まれるメタデータが取り出され、ゲームプレイデータアナライザ104からの統計データ及び他の関連データとともにNFT更新エンジン106に提供される。
【0063】
図3は、一つの実施の形態で、ビデオゲームの適格イベントで使用された特定のゲームアセットのためにNFTデータを生成または再生成するために使用されるNFT更新エンジン106のサブモジュールのいくつかを示す。NFT更新エンジン106は、ゲームプレイデータアナライザ104から入力を受信し、ビデオゲームでちょうど発生した適格イベントで使用されたゲームアセットのためにNFTを生成するためにNFT作成エンジン116を関与させるか、またはNFT取り出しエンジン118を使用して、ゲームアセットのためにすでに生成されていたNFTのメタデータを取り出し、適格イベントで使用されるゲームアセットのためにNFTデータを再生成するかのどちらかである。適格イベントで使用されるゲームアセットに対して利用可能なNFTデータがないとき、NFT作成エンジン116は、ブロックチェーン技術を使用してゲームアセットのためにNFTデータ記録を生成する。ゲームアセットのためのNFTは、ゲームアセットが使用された適格イベントに関連するゲームプレイのメタデータを使用して生成される。NFTに含まれるメタデータは、ゲームアセットを識別及び確証するために十分な詳細を提供し、ゲームアセットのレガシーを作成する。適格イベント関連付けエンジン116aは、生成されたNFTデータを適格イベントと関連付ける。ゲームイベントのNFTデータはまた、ゲームイベントに参加し、ゲームアセットを使用して入力を提供して課題を達成するプレーヤと関連付けられる。プレーヤ関連付けエンジン116bは、プレーヤを識別し、ゲームアセットのNFTデータをプレーヤと関連付けるために使用される。
【0064】
ゲームアセットのために生成されたNFTデータは、ビデオゲーム関連付けエンジン116cを使用してビデオゲームと関連付けられる。ビデオゲームは、ゲームアセットが適格イベントを達成するために使用されたゲームシーンを含む。ゲームシーン関連付けエンジン116dは、ゲームアセットがゲームプレイ中に使用された適格イベントが発生した特定のゲームシーンと、NFTデータを関連付けるために使用される。ブロックチェーン技術を使用してゲームアセットのために生成されたNFTデータは、ゲームアセットが最近使用されたビデオゲーム、ゲームアセットが使用されたビデオゲームのゲームシーン、ゲームシーンで発生した適格イベント、適格イベントの課題を克服するために使用されたゲームアセット、及びゲームアセットを使用して入力を提供したプレーヤの詳細を含む。ゲームアセットのために新規に生成されたNFTデータは、入力としてNFT同期エンジン120に提供されて、ビデオゲームのゲームプレイデータ及びゲームアセットのためのNFTデータが格納される複数のサーバにわたってNFTデータを同期させることを可能にする。
【0065】
NFTがゲームアセットのためにすでに生成されている場合、NFT取り出しエンジン118は、NFTデータのデータストア140に問い合わせし、ビデオゲームの適格イベント中に使用されるゲームアセットのNFTに含まれるメタデータを取り出すために使用される。ゲームアセットの取り出されたメタデータ及び適格イベントのメタデータは、ゲームアセットのためにNFTを再生成するために使用される。再生成されたNFTは新しいエントリとしてゲームアセットのブロックチェーンに書き込まれ、新しいエントリは、適格イベントのメタデータを、以前の使用(つまり、使用のレガシー)を識別する既存のメタデータに追加する。適格イベントのためのメタデータは、ドラマエンジン104aによって提供される統計データ及び他の情報から取得される。再生成されたNFTは、ビデオゲーム内のゲームアセットの現在の使用だけではなく以前の使用の詳細も含む、ゲームアセットの完全な使用履歴を提供する。ゲームアセットの以前の使用は、現在のゲームプレイセッションのみからの場合もあれば、ビデオゲームの以前のゲームプレイセッションからの場合もある。さらに、NFT内に維持されたゲームアセットの以前の使用は、プレーヤ固有またはビデオゲーム固有またはゲームアセット固有であってよい。プレーヤ固有の詳細は、ゲームアセットが、プレーヤが所持しており、ビデオゲームで使用されたとき、ゲームアセットの使用履歴をキャプチャする。ビデオゲーム固有の詳細は、NFTで識別されたビデオゲーム内で使用されたときにゲームアセットの使用履歴をキャプチャする。ゲームアセット固有の詳細は、異なるビデオゲーム内の、及びゲームアセットが使用される異なるビデオゲームのそれぞれの複数のゲームプレイセッションでの、複数のプレーヤによるゲームアセットの完全な使用履歴をキャプチャする。以前の使用が、ゲームアセットが他のプレーヤに使用されたことを識別し、現在の使用が、プレーヤによるゲームアセットの使用を識別したとき、更新プレーヤ関連付けエンジン118aは、プレーヤ情報、及びゲームアセットのためのNFTが再生成されたときの現在のプレーヤのゲームアセットへの関連付けを更新するために使用され得る。更新適格イベント関連付けエンジン118bは、適格イベントでのゲームアセットの最新の使用を記録するためにNFTを再生成するときに、適格イベント情報、及び適格イベントへのゲームアセットの関連付けを更新するために使用される。ゲームアセットについて取り出されたNFTのメタデータに記録された直前の使用が第2のビデオゲームを識別し、ゲームアセットの現在の使用が、ビデオゲーム(つまり、第2のビデオゲームとは異なる第1のビデオゲーム)内であったとき、更新ビデオゲーム関連付けエンジン118cは、ゲームアセットの最新の使用を記録するためにNFTを再生成するときに、ビデオゲーム情報を更新し、ゲームアセットをビデオゲームと関連付けるために使用される。ゲームアセットの再生成されたNFTに含まれるメタデータは、入力としてNFT同期エンジン120に入力として転送される。
【0066】
NFT同期エンジン120は、NFT作成エンジン116によって提供されたゲームアセットのために生成されたNFTからのメタデータ、またはNFT取り出しエンジン118によって提供されたゲームアセットのために再生成されたNFTからのメタデータを受信し、生成または再生成されたNFTのメタデータを、ゲームアセットのためにNFTを格納しているすべてのサーバにわたって同期させる。NFTデータの他のサーバとの同期は、APIコールを介してであってよく、NFTデータは、ネットワークプロトコルを使用し、インターネット130などのネットワーク接続を介して他のサーバに送信され得る。ゲームアセットは、異なるデータ伝送プロトコルを使用する異なるプラットフォーム上で実行している他のビデオゲームで使用され得る。結果的に、ゲームアセットの現在の使用を含む使用履歴をキャプチャする生成または再生成されたNFTのメタデータは、メタデータを他のプラットフォームで容易にかつ適切に解釈できるように、NFT同期エンジン120でロジックを使用して標準化され得る。NFTの標準化されたメタデータは、次に適切なAPIを通して伝送される。NFT同期エンジン120によって伝送されるNFTデータは、異なるサーバ100a~100cにわたって維持されるNFTデータのデータストア140に更新される。更新されたNFTデータは、ゲームアセットの履歴及び所有権を確証するために使用できるゲームアセットに関係する十分な情報を提供する。
【0067】
図4は、一つの実施の形態で、ゲームアセットが使用され、ゲームアセットのNFTが生成または再生成された例示的な適格イベントの表を示す。表は、単一のゲームアセット(例えば、剣)が使用された適格イベントを識別する。NFTに含まれるメタデータに提供される詳細は、単一のゲームアセットの使用のレガシーを追跡するために使用できる。表は、ビデオゲームのアイデンティティ、ゲームレベル、ゲームレベル内のゲームシーン、ゲームアセットを所有していたプレーヤ、ゲームアセットが使用された適格イベント、及び適格イベントの参加者などの詳細を識別する。言うまでもなく、上述の詳細は、単なる例として提供されており、包括的と見なされるべきではない。他の詳細がNFTデータに含まれる場合もある。本実施形態では、ゲームアセットは、ビデオゲーム1で使用されるとして示されており、レガシーは、異なるゲームシーンで及び異なるゲームレベルで発生している様々な適格イベント内で課題を克服するためにゲームアセットを所有及び使用した異なるプレーヤを識別する。一つの実施の形態では、ゲームアセットの使用のレガシーは、ビデオゲームの1つのゲームプレイセッションに基づく場合がある。別の実施形態では、ゲームアセットの使用のレガシーは、ビデオゲームの複数のゲームプレイセッションに基づく場合がある。
【0068】
図5は、一つの実施の形態では、異なるゲームアセットを使用して課題が無事に克服された適格イベントを識別するNFTデータのデータストアに維持される異なるビデオゲームの異なるゲームアセットのためのNFTに含まれるメタデータから生成された表を示す。本実施形態では、ビデオゲーム1で使用されるゲームアセットのいくつかは、ビデオゲーム2でも使用されると示されている。これは、第1のビデオゲームで使用される特定のゲームアセットが、第2のビデオゲームで課題を克服する際に使用するために第2のビデオゲームに無事に移植(つまり、転送)されたためによる場合がある。異なるビデオゲームへのゲームアセットの移植は、異なるビデオゲームがゲームアセットのそのような移植を可能にするようにセットアップされているときに可能である場合がある。そのような移植を可能にするようにセットアップされているビデオゲームは、1つのゲームプラットフォーム上で実行している(つまり、独自のゲームプレイプロトコルを有する)場合もあれば、複数のゲームプラットフォームで実行している場合もある。ビデオゲーム間でのゲームアセットの移植を可能にすると、プレーヤが1つのビデオゲームから、他のビデオゲームでプレイするために独自の貯蔵武器を持ち込むと感じられるので、そのようなビデオゲームのゲームプレイは、プレーヤにとってはるかに面白く、刺激的、かつ個人的になるであろう。移植は、プレーヤからの明示的な命令に基づいて行われ得る。例えば、オプションは、ビデオゲーム2のゲームプレイセッションの開始時にゲームプレイセッションのセットアップの一部として、またはビデオゲーム1のゲームプレイセッションの終了時にゲームプレイセッションの完了の一部として、または任意の他のときにプレーヤに提供される場合がある。プレーヤが、移植するゲームアセットと、移植元のビデオゲームと、移植先のビデオゲームとを選択すると、ゲームアセットの移植が開始するであろう。プレーヤの明示的な命令に基づいて第1のビデオゲームから第2のビデオゲームに移植されるゲームアセットは、プレーヤが第2のビデオゲームにアクセスするとすぐに、またはゲームアセットの移植が成功した後に、プレーヤが利用できるようになる。
【0069】
一つの実施の形態では、プレーヤがビデオゲーム1から移植することを選択できるゲームアセットは、そのような移植を可能にするために、ビデオゲーム1のプレーヤが所持している必要がある場合がある。そのような実施の形態では、移植するオプションは、プレーヤが移植の選択のために、プレーヤが現在所有しているゲームアセットのリストとともに提供され得る。他の実施形態では、プレーヤは、ゲームアセットを使用するゲームプレイを可能にするために、ビデオゲーム内でプレーヤが利用できる任意のゲームアセットを選択して別のビデオゲームに移植(つまり転送)することが可能であってよい。本実施形態では、プレーヤが移植するために選択するゲームアセットは、移植用にセットアップされる必要がある場合があり、移植するオプションは、プレーヤが移植用に選択できるゲームアセットのリストを含み得る。図5は、ビデオゲーム1と2が、ゲームアセットの移植性を可能にするように設計されており、それぞれのプレーヤの選択に応えて、プレーヤ1が所有していたダブルブレードライトセーバーが、プレーヤ1によってビデオゲーム1からビデオゲーム2に移植され、プレーヤ2が所有していた魔法の剣がプレーヤ2によってビデオゲーム1からビデオゲーム2に移植された例を示す。転送されたゲームアセットは、ビデオゲーム2のゲームプレイ中にそれぞれのプレーヤが利用できるようになる。上記例では、ゲームアセットの転送(つまり、移植)がビデオゲーム1からビデオゲーム2であるとして示されていても、転送は、他の方向-つまり、ビデオゲーム2からビデオゲーム1で起こる可能性があることに留意されたい。ビデオゲーム2へゲームアセットを転送した結果、それらのゲームアセットと関連付けられたNFTは、それぞれのゲームアセットが関連付けられているビデオゲームでの変更を反映するために再生成される(つまり、ビデオゲーム1からビデオゲーム2)。再生成されたNFTのメタデータは、各ゲームアセットの転送を開始したプレーヤのアイデンティティ、及びゲームアセットの転送元及び転送先のビデオゲームアイデンティティなどを含む。一つの実施の形態では、第1のプレーヤは、ビデオゲーム1で勝ち取ったまたは獲得したゲームアセットをビデオゲーム2に移植し、さらに、ゲームアセットを第2のプレーヤに転送して、第2のプレーヤがビデオゲーム2で使用することを可能にする。別の実施形態では、第1のプレーヤは、ビデオゲーム1で勝ち取ったまたは獲得したゲームアセットをビデオゲーム1内で第2のプレーヤに移植し得る。上記の2つの実施形態では、ゲームアセットがビデオゲーム2または1で第2のプレーヤに無事に移植されると、第2のプレーヤは、それぞれのビデオゲームのゲームプレイのためにゲームアセットにアクセスし、使用することができてよい。再度、ゲームアセットのためと関連付けるためのビデオゲーム及び/またはプレーヤの変更を検出すると、ゲームアセットのためのNFTデータは、ゲームアセット及びゲームアセットが使用されるビデオゲームの現在の所有権を反映するために再生成される。
【0070】
転送されたゲームアセットが、例えば、ビデオゲーム2の適格イベント中に使用されると、それぞれのゲームアセットのNFTデータは、それぞれのゲームアセットの使用と関連付けられるメタデータを含むように再生成され、それによってそれぞれのゲームアセットのレガシーを追加する。使用のレガシー(つまり、使用履歴)は、様々なビデオゲーム、様々なゲームシーン、ゲームアセットを使用できる及び/または異なるプレーヤによって使用された様々な適格ゲームイベントを決定するために使用することができ、NFTデータの生成及び/再生成で使用されるブロックチェーン技術は、ゲームアセットの使用のそのような追跡を可能にする。
【0071】
図6は、一実施形態では、ゲームアセットが1人以上のプレーヤによってゲームプレイ中に使用された適格イベントを識別するビデオゲームのために生成されたサンプルタイムラインを示す。ゲームアセットは、ゲームプレイの過程で、ゲームアセットを所持していた敵または仮想キャラクタまたはプレーヤに勝つ、それを交換する、購入する、または倒すことを通して、1人のプレーヤに所持されている場合もあれば、複数のプレーヤによって所有されている場合もある。タイムラインは、ゲームアセットが使用された適格イベントのクイックビューを提供する。タイムラインはまた、ゲームアセットが使用された各適格イベントをキャプチャするゲームプレイの記録の部分のビデオクリップを提供する。ビデオクリップは、リンクとしてまたはインタラクティブクリップとして提供可能で、インタラクティブクリップは、ビデオクリップでプレーヤまたは他のユーザー(例えば、観客)からのインタラクションに応えて、適格イベントのゲームプレイの記録の部分をレンダリングするように設計され得る。一つの実施の形態では、インタラクションは、明示的な選択アクション、またはホバリングもしくはマウスオーバーアクションであってよい。図6のタイムラインは、7つの適格イベントを示す。一つの実施の形態では、タイムラインは、ビデオゲームの現在のゲームプレイセッションのために生成可能で、適格イベント及び適格イベントのビデオクリップは、適格イベントが完了するにつれ、及び完了すると、タイムラインの適切なタイムスロットで識別され、含まれ得る。本実施形態では、タイムラインはオンザフライで生成され、ビデオゲームの現在のゲームプレイセッションの間に動的に更新され得る。他の実施形態では、タイムラインは、適格イベントと、ゲームアセットが以前のゲームプレイセッションの間に使用された適格イベントのビデオクリップとを含み得る。本実施形態でタイムラインに提供された詳細は、ゲームアセットが使用されたすべての適格イベントをプレーヤに通知するためであってよい。
【0072】
図7は、一つの実施の形態では、プレーヤ(例えば、プレーヤ1)がインタラクティブにプレイしているビデオゲームのゲームシーンのマップを示す。ビデオゲームのゲームプレイ中に様々なゲームアセットのために収集されたNFTデータは、プレーヤ1の近傍にある関連付けられたNFTを有する異なるゲームアセットを識別するために時間属性及び空間属性を含む。プレーヤ1の近傍で識別された各ゲームアセットは、別のプレーヤ、ビデオゲーム内の仮想キャラクタと関連付けられる場合もあれば、ビデオゲームのゲームシーン内にランダムに位置するか、利用可能になる場合もある。一つの実施の形態では、マップは、現在のゲームプレイセッションについてプレーヤにとって関連性がある場合がある、他のプレーヤが所有するゲームアセットの位置を識別し得る。関連性のあるゲームアセットは、プレーヤが位置するゲームシーンのコンテキストに、及びビデオゲームのゲームプレイから収集された現在の統計に基づいて識別され得る。図7に示す例示的なマップでは、NFTを有する2つの関連性のあるゲームアセットは、プレーヤ1の近傍で識別され、それぞれプレーヤ2及び3と関連付けられると示され、残りのゲームアセットは、ゲームシーンに分布するように識別される。関連付けられたNFTを有するゲームアセットは、ゲームアセットに向けてプレーヤ1の注意を引き付けるために視覚インジケータを提示され得る。例えば、図7に示すように、プレーヤ2と3に所持されている関連性のあるゲームアセットは、プレーヤ1がゲームプレイ中に使用できる場合がある2つの関連性のあるゲームアセットの存在をプレーヤ1に通知するために強調表示される。プレーヤ1は、ゲームシーンの様々なゲームアセットの位置情報を使用して、ゲームプレイでの次の動きを戦略化できる場合がある。例えば、プレーヤ1は、現在のレベルでの課題を乗り切る(あるいは生き残る)か、または克服するのを支援するために関連性のあるゲームアセットの一方または両方を取得する必要があるかどうか、2つの関連性のあるゲームアセットのどちらの1つを取得するのか、関連性のあるゲームアセットの一方または両方を取得するモード(例えば、第2及び/または第3のプレーヤを倒す、第2/第3のプレーヤから交換または購入するなど)、コレクションとしてゲームアセットを取得するのかを決定し得る。NFTは、プレーヤが、様々なゲームアセットを獲得または交換することに関してゲームプレイで詳細な情報を得た上で決定を下すことを可能にするために、様々なゲームアセットが使用されているまたは使用されていた履歴ゲームイベントに関係する情報を提供するために使用できる十分な履歴及び追跡データを提供する。
【0073】
図8は、一つの実施の形態で、ビデオゲームでのゲームアセットの使用を追跡するための方法の様々なフロー動作を示す。方法は、非代替性トークン(NFT)がビデオゲームで使用されるゲームアセットのために生成される動作810で開始する。NFTは、ブロックチェーン技術を使用して生成される。生成されたNFTは、インターネットなどのネットワークを介して異なるサーバに送信され、異なるサーバに格納される。ビデオゲームでのゲームアセットの使用は、動作820に示すように、ゲームアセットがいつ適格イベントで使用されるのかを判断するために監視される。ゲームアセットは、ビデオゲームの様々な課題を克服するために使用され得る。ゲームアセットが、ゲームイベントを適格イベントまたは重要なイベントとして適格化するゲームイベントで使用されると、ゲームアセットのNFTは、動作830に示すように、適格イベントと関連付けられたメタデータを使用して再生成される。ゲームアセットの再生成されたNFTは、生成されたNFTに含まれていたメタデータと、ビデオゲームで現在発生した適格イベントのメタデータとを含む。再生成されたNFTは、プレーヤがゲームプレイで戦略的な決定を下すために使用できる、ビデオゲームでのゲームアセットの使用のレガシーを維持する。
【0074】
図9は、クラウドゲーミングサイトを通じて利用可能なゲームのゲームファイルをロードするために使用される例示的なシステムを示す。システムは、ネットワーク902(図3の130)を介してクラウドゲームサイト904に通信可能に接続された複数のクライアントデバイス900を含み、ネットワーク902は、LAN、有線、無線、セルラー(例えば、4G、5Gなど)、またはインターネットを含む任意の他のタイプのデータネットワークを含むことができる。クラウドゲーミングサイト904にアクセスする要求がクライアントデバイス900から受信されると、クラウドゲーミングサイト904は、ユーザーデータストア908に格納されたユーザーアカウント情報906にアクセスして、クライアントデバイスと関連付けられたユーザーを識別し、これを通じて要求が開始される。いくつかの実施形態では、クラウドゲームサイトはまた、ユーザーが閲覧/プレイすることを許可されているすべてのゲームを決定するために、識別されたユーザーを確証することができる。ユーザーアカウントの識別/確証に続いて、クラウドゲーミングサイトは、ゲームタイトルデータ910にアクセスして、要求を開始するユーザーアカウントに対してゲームクラウドサイトで利用可能であるゲームタイトルを識別する。ゲームタイトルデータストア910は次に、ゲームデータベース912とインタラクトして、クラウドゲームサイトに対して利用可能なすべてのゲームのゲームタイトルを取得する。新たなゲームが導入されると、ゲームデータベース912は、ゲームコードで更新され、ゲームタイトルデータストア910は、新規に導入されたゲームのゲームタイトル情報を提供される。要求が開始されたクライアントデバイス900は、要求が開始されたときにクラウドゲームサイトに登録される場合もあれば、されない場合もある。要求を開始するクライアントデバイス900のユーザーが登録ユーザーでない場合、クラウドゲームサイトは、そのユーザーを新しいユーザーとして識別して、新規ユーザーに適切なゲームタイトル(例えば、ゲームタイトルのデフォルトのセット)を選択し得る。識別されたゲームタイトルは、ディスプレイ画面900-a上に提示するためにクライアントデバイス900に返される。
【0075】
クライアントデバイスでレンダリングされたゲームタイトルの1つでのユーザーインタラクションが検出され、信号がクラウドゲームサイトに送信される。信号は、ユーザーインタラクションが検出され、ユーザーインタラクションがゲームタイトルで登録されたゲームタイトル情報を含む。クライアントデバイスから受信された信号に応えて、クラウドゲーミングサイトは、複数のデータセンタ(914-a~914d)の中から、ゲームがホストされているデータセンタを先を見越して決定し、識別したデータセンタ914に信号を送信して、ユーザーインタラクションが検出されたゲームタイトルと関連付けられたゲームをロードする。いくつかの実施形態では、複数のデータセンタ914がゲームをホストしている場合がある。そのような実施形態では、クラウドゲーミングサイト904は、要求を開始したクライアントデバイスのジオロケーションを決定し、クライアントデバイス900に地理的に近いデータセンタ914を識別し、データセンタ914にゲームをプリロードするように信号を送信し得る。ユーザーのジオロケーションは、いくつか例を挙げると、クライアントデバイス内の全地球測位システム(GPS)メカニズム、クライアントのIPアドレス、クライアントのping情報を使用して、決定され得る。当然ながら、ユーザーのジオロケーションを検出する上述の方法は例示であり、他の種類のメカニズムまたはツールを使用して、ユーザーのジオロケーションを決定してもよい。クライアントデバイスに近いデータセンタを識別することにより、ゲームとユーザーインタラクション中のレイテンシを最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、識別されたデータセンタは、ゲームをホストするために必要な帯域幅/能力/リソースを有さない場合もあれば、酷使されている場合もある。これらの実施形態では、クラウドゲームサイトは、クライアントデバイスに地理的に近い第2のデータセンタを識別し得る。ゲームをロードすることは、ゲームコードをロードすることと、ゲームのインスタンスを実行することとを含む。
【0076】
クラウドゲーミングサイトから信号を受信したことに応えて、識別されたデータセンタは、データセンタ914の複数のサーバの中からサーバ916を選択して、サーバ上でゲームをインスタンス化し得る。サーバは、利用可能なハードウェア/ソフトウェアの能力及びゲーム要件に基づいて選択される。サーバは、複数のゲームコンソール918を含むことができ、サーバは、ゲームをロードするために、複数のゲームコンソールのどのゲームコンソールを使用するかを決定し得る。ゲームコンソールは、独立したゲームコンソールに類似する場合もあれば、ラックマウントサーバまたはブレードサーバである場合もある。ブレードサーバは、次に、複数のサーバブレードを含むことが可能であり、各ブレードは、ビデオゲームなどの単一の専用の対話型アプリケーションをインスタンス化するために必要な回路を有する。当然ながら、上述のゲームコンソールは例示であり、限定として見なされるべきではない。ゲームステーションなどを含む他の種類のゲームコンソール、及び他の形態のブレードサーバも、識別されたゲームをホストするために関与し得る。
【0077】
ゲームコンソールが識別されると、そのゲームの一般的なゲーム関連コードはゲームコンソールにロードされ、ゲームをインスタンス化するゲームコンソールを識別する信号は、ネットワーク経由でクラウドゲームサイトを介してクライアントデバイスに返される。したがって、ロードされたゲームはユーザーが利用できるようになる。
【0078】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施の形態に組み合わされてもよく、または組み立てられてもよいことを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせて、より多くの実施形態を規定することによって可能である様々な実施形態に制限を加えるものではない。いくつかの例では、いくつかの実施形態は、開示されたまたは同等の実施形態の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0079】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能家庭用電化製品、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践されてよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが実行される分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、通信は、無線技術を使用して促進され得る。そのような技術は、例えば、5G無線通信技術を含み得る。5Gは第5世代のセルラーネットワーク技術である。5Gネットワークはデジタルセルラーネットワークであり、ここでは、プロバイダがカバーするサービスエリアが、セルと言われる小さい地理的領域に分割される。音及び映像を表すアナログ信号は、電話でデジタル化され、アナログーデジタルコンバータによって変換され、ビットストリームとして伝送される。セル内のすべての5G無線デバイスは、他のセルで再利用される周波数のプールからトランシーバによって割り当てられた周波数チャネルを介して、セル内のローカルアンテナアレイ及び低電力自動トランシーバ(送信機と受信機)と電波によって通信する。ローカルアンテナは、高帯域幅光ファイバまたは無線バックホール接続によって、電話網及びインターネットに接続される。他のセルネットワークと同様に、あるセルから別のセルに移るモバイルデバイスは、自動的に新しいセルに移される。5Gネットワークは単に通信ネットワークのタイプ例であり、本開示の実施形態では、前の世代の無線または有線通信、ならびに5Gの後に来る後の世代の有線または無線技術を用いてもよいことを理解されたい。
【0081】
上記の実施形態を考慮すると、当然ながら、本開示はコンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実施動作を採用することができる。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。本開示の一部を形成する本明細書で説明される動作のいずれも、有用なマシン動作である。本開示はまた、これらの動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は必要な目的に対して特別に構成することもできるし、または装置を、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または構成される汎用コンピュータとすることもできる。詳細には、本明細書の教示にしたがって書かれたコンピュータプログラムとともに様々な汎用マシンを使用することができる。または、必要な動作を実行するためにさらに特化した装置を構築するほうがより好都合な場合もある。
【0082】
方法動作を特定の順序で説明したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、動作間に他のハウスキーピング動作が実行されてもよく、または動作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に動作を分散することで、様々な処理関連間隔で処理動作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0083】
1つ以上の実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータストレージデバイスであり、データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ならびに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体を含み得る。
【0084】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示として見なされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正されてもよい。
【0085】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施形態に組み合わされてもよく、または組み立てられてもよいことを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせて、より多くの実施形態を規定することによって可能である様々な実施形態に制限を加えるものではない。いくつかの例では、いくつかの実施形態は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
図1
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【国際調査報告】