(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】基板
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20241108BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20241108BHJP
【FI】
G02F1/1339 500
G02F1/1333 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533338
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 KR2022019787
(87)【国際公開番号】W WO2023106824
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175385
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0175391
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169062
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ハン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リー、セウン ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ギム、ミン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨウン ジン
【テーマコード(参考)】
2H189
2H190
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189DA04
2H189DA08
2H189DA09
2H189DA18
2H189EA04X
2H189FA16
2H189GA05
2H189GA06
2H189HA05
2H189HA15
2H189JA06
2H189LA01
2H189LA03
2H189LA05
2H190JB02
2H190JB03
2H190KA06
2H190KA11
2H190LA01
2H190LA02
2H190LA21
(57)【要約】
本出願はスペーサパターンを含む基板を提供する。本出願では、多様な光学デバイスに適用されて回折(diffraction)現象などを含んだ光学的欠陥を誘発せず、活性領域を最大限確保しながらも、均一かつ安定して基板間の間隔を維持できる基板を提供することができる。本出願ではまた、前記基板を含む光学デバイスを提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層;および前記基材層上に形成されているスペーサパターンを含む基板であって、
前記基板は550nm波長のLED光の透過光の白黒イメージの白イメージの横、縦および左右対角線の長さの標準偏差が80以下である、基板。
【請求項2】
白イメージの横、縦および左右対角線の長さの平均が200~500の範囲内にある、請求項1に記載の基板。
【請求項3】
白イメージの回折面積比率(A)の前記白イメージの横、縦および左右対角線の長さの平均Lに対する比率(A/L)が0.43以上である、請求項1に記載の基板。
【請求項4】
550nm波長のLED光の透過光の白黒イメージの白イメージの回折面積比率が300%以下である、請求項1に記載の基板。
【請求項5】
スペーサパターンは複数の閉図形を形成するように互いに交差している複数のライン型スペーサを含む、請求項1に記載の基板。
【請求項6】
下記の式6を満足する、請求項5に記載の基板:
[式6]
A≠180×(n-2)/n
式6でAは、閉図形をなす交差点のうち隣接する3個の交差点によって形成される前記閉図形の内角であり、nは前記閉図形をなす交差点の数である。
【請求項7】
式6のAが10度~200度の範囲内にある、請求項6に記載の基板。
【請求項8】
閉図形を形成する交差点のうち隣接する交差点を連結するライン型スペーサは曲線の形態である、請求項5に記載の基板。
【請求項9】
曲線の形態の曲率半径が5R~95Rの範囲内にある、請求項8に記載の基板。
【請求項10】
閉図形を形成する交差点の数が3個~10個の範囲内にある、請求項5に記載の基板。
【請求項11】
複数の閉図形の面積の平均が0.01mm
2~2mm
2の範囲内にある、請求項5に記載の基板。
【請求項12】
閉図形の面積の標準偏差が50以下である、請求項11に記載の基板。
【請求項13】
任意の一つの閉図形および前記閉図形を直接囲む8個の閉図形である9個の閉図形の面積の平均に対する複数の閉図形の面積の平均の比率が0.5~1.5の範囲内にある、請求項11に記載の基板。
【請求項14】
任意の一つの閉図形と前記閉図形を直接囲む8個の閉図形の面積の標準偏差が50以下である、請求項13に記載の基板。
【請求項15】
基材層とスペーサパターンの間に電極層が追加で存在し、前記スペーサパターンは前記電極層に接している、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の基板。
【請求項16】
請求項1~請求項14のいずれか一項に記載された基板および前記基板と対向配置されており、前記基板のスペーサパターンによって前記基板との間隔が維持された第2基板を含む、光学デバイス。
【請求項17】
基板の間の間隔には液晶物質が存在する、請求項16に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年12月9日付大韓民国特許出願第10-2021-0175385号および第10-2021-0175391号と2022年12月6日付大韓民国特許出願第10-2022-0169062号に基づいた優先権の利益を主張し、該当特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本出願は基板およびその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
対向配置された2個の基板の間に、液晶化合物または液晶化合物と染料の混合物などのような光変調物質を配置させて光の透過率や色相および/または反射度などを調節できるように構成された光学デバイスは公知である。このような装置では基板の間の間隔を維持するために、いわゆるスペーサが前記基板の間に位置する。
【0004】
スペーサとしては、いわゆるボールスペーサと隔壁スペーサが代表的に使われる。
【0005】
前記スペーサの形態および配置は前記光学デバイスの性能に影響を及ぼす。例えば、規則的な形態および配置を有するスペーサは、一部の光学デバイスで回折(diffraction)現象などのような光学的欠陥を起こし、これは光学デバイスの視認性などの光学性能を悪化させる。
【0006】
コラムスペーサなどを不規則に配置させて前記光学的欠陥を解消する方式を考えることができる。ところが、このような場合には光学デバイスで基板間の間隔を均一に維持することが困難である。不均一な基板間の間隔も同様に光学的欠陥を誘発する。
【0007】
また、ボールまたはコラムスペーサは、光学デバイスの耐久性や機械的物性などの側面においても不利であり、光学デバイスを曲線の形態で構成したり、フレキシブルなデバイスを構成することにおいても不利である。
【0008】
また、ボールまたはコラムスペーサは基板と基板間の接着力などを確保する側面においても不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願はスペーサパターンを含む基板を提供する。本出願では、多様な光学デバイスに適用されて回折(diffraction)現象などを含んだ光学的欠陥を誘発せず、活性領域を最大限確保しながらも、均一かつ安定して基板間の間隔を維持できる基板を提供することを一つの目的とする。
【0010】
本出願ではまた、前記基板を含む光学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で言及する物性の中で測定温度がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別途に規定しない限り、該当物性は常温で測定した物性である。用語常温は加温または減温されていない自然そのままの温度であって、通常約10℃~30℃の範囲内の一温度または約23℃または約25℃程度である。また、本明細書で特に別途に言及しない限り、温度の単位は℃である。
【0012】
本明細書で言及する物性の中で測定圧力がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別途に規定しない限り、該当物性は常圧で測定した物性である。用語常圧は加圧または減圧されていない自然そのままの圧力であり、通常約1気圧程度、例えば、約740mmHg~780mmHg程度の圧力を常圧と指称する。
【0013】
本明細書で言及する物性の中で測定湿度がその結果に影響を及ぼす場合には、特に別途に規定しない限り、該当物性は常圧および常温で別途に調節されていない湿度で測定した物性である。
【0014】
本出願は、基板に関する。本出願の基板は基材層および前記基材層上に存在するスペーサパターンを含むことができる。
【0015】
本出願では前記スペーサパターンの形態を制御することによって、回折現象などの光学的欠陥がなく、光学デバイスの活性領域を最大限確保しながらも、均一かつ安定して基板間の間隔を維持できる基板を提供することができる。
【0016】
前記基板が回折現象などの光学的欠陥を示すかどうかは、前記基板に対するLED(Light Emitting Diode)透過光分析を通じて確認することができる。前記透過光分析は、直径が約3mm水準である円形LED光源を使って、550nmの波長の光を前記基板に透過させた後に、前記透過された光をカメラで受光してイメージを得、このイメージを白黒イメージに変換した後に前記白黒イメージの白イメージに対して遂行する。前記白イメージは、前記550nmの波長のLED光を前記基板に30cm離れた距離で照射して透過させ、前記基板を透過した光を前記基板から30cm離れた距離でカメラで受光したイメージを白黒イメージに変換して得たイメージである。このような白イメージを得る方式は実施例項目に詳しく記述する。
【0017】
前記基板は、前記550nm波長のLED光の透過光の白黒イメージの白イメージの横線、縦線および左右対角線の長さが適正な特性を示すことができる。前記横線、縦線および左右対角線は一つの点で交差し、線間の角度は45度であって同一であり得る。また、前記横線、縦線および左右対角線が交差する一つの点は前記白イメージの中心点であり得る。中心点は白イメージを前記横線と縦線のみで分割した時に現れる4つの部分が互いに実質的に同じ面積を有するようにする点であり、前記において横線と縦線がなす角度は90度である。また、前記長さは、前記透過光を受光したカメラでの白イメージが存在する部分のピクセルの数であり、これは無次元である。
【0018】
例えば、前記白イメージの横線、縦線および左右対角線の長さの標準偏差が所定範囲内であり得る。例えば、前記標準偏差の上限は、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5または3程度であり得、その下限は、0、5、10、15、20、25、30、35、40または45程度であってもよい。前記標準偏差は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0019】
本明細書の用語の標準偏差は特に別途に規定しない限り、次のような方式で計算した値である。例えば、n個の数値が存在するのであれば、まず各数値と算術平均の差の自乗を合算する。引き続き、前記合算値を(n-1)で割った後、その値の平方根(square root)を標準偏差と規定する。例えば、5、6、10および15の標準偏差は次のように求める。前記値の算術平均は9であり、したがって各数値と算術平均の差の自乗を合算した値として62(=(5-9)2+(6-9)2+(10-9)2+(15-9)2)を求める。引き続き、62を3(=n-1)で割った値(約20.7)の平方根を取って、該当平方根である4.5を標準偏差と定義することができる。
【0020】
本明細書で言及する平均または平均値は、特に別途に規定しない限り算術平均値である。
【0021】
前記分析で前記白イメージの横線、縦線および左右対角線の長さの平均(算術平均)が所定範囲内にあり得る。例えば、前記長さの平均の下限は、200、220、240、260、280または300程度であり得、その上限は、600、580、560、540、520、500、480、460、440、420、400、380、360、340、320、300、280、260または250程度であり得る。前記長さの平均は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0022】
前記分析で前記白イメージの回折面積比率が所定範囲内であり得る。前記において回折面積比率は、前記分析で基板を透過したLED光を受光して得られた白イメージの面積A1の前記LED光の白イメージの面積A2に対する比率(100×A1/A2)である。前記LED光の白イメージの面積A2は、前記LED光を前記基板を透過させず、直接前記カメラで受光して得られたイメージを白黒イメージに変換した時の白イメージを意味する。
【0023】
前記回折面積比率(100×A1/A2)の上限は、300%、280%、260%、240%、220%、200%、180%、160%、140%、120%または115%程度であり得、その下限は、100%、110%、120%、130%、140%、150%または160%程度であり得る。前記回折面積比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0024】
前記分析で前記回折面積比率(100×A1/A2)(A)の前記LED透過光の白イメージの横線、縦線および左右対角線の長さの平均(算術平均)(L)に対する比率(A/L)の下限は、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.5、0.51、0.52、0.53または0.54程度であり得、その上限は、10、8、6、4、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5または0.45程度であり得る。前記比率(A/L)の単位は%である。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0025】
基板が前記のような特性を示す場合、該当基板は回折現象などの光学的欠陥を示さないものと評価することができる。このような基板は、スペーサパターンの制御を通じて提供することができる。
【0026】
前記基板で前記基材層上にはスペーサパターンが存在する。用語スペーサパターンは、前記基材層のスペーサが形成された面を観察した時に確認されるスペーサの形成形態を意味する。このようなスペーサのパターンは互いに区別される2個以上のスペーサによって形成されてもよく、一つのスペーサによって形成されてもよい。
【0027】
前記スペーサパターンを形成するスペーサの種類は特に制限されない。例えば、前記スペーサはいわゆるボールスペーサ、コラムスペーサおよび/または隔壁スペーサであり得る。
【0028】
スペーサとして、隔壁スペーサを適用することによって、後述するような多様なスペーサパターンの構成を通じて光学デバイスでの光学的欠陥を防止および解消しながらも、基板と基板間の間隔をより効果的にかつ安定的に目的通りに維持することができる。
【0029】
隔壁スペーサは光学デバイスの耐久性や機械的物性などを確保し、基板と基板間の接着力を確保する側面においても有利であり、例えば光学デバイスを曲線の形態で構成したり、フレキシブルなデバイスを構成する側面においても有利である。
【0030】
用語隔壁スペーサは公知の通り、隔壁(partition wall)形態のスペーサを意味する。
【0031】
光学デバイスで優秀な光学性能を達成するために前記スペーサパターンが調節され得る。
【0032】
本出願の第1態様に係るスペーサパターンは、非線形ラインスペーサを含むことができる。このような非線形ラインスペーサは、前記隔壁スペーサであり得る。
【0033】
用語ラインスペーサは、上部で観察(具体的には、スペーサパターンが形成された基材層の表面を前記表面の法線方向に沿って観察)した時にラインの形状を示す隔壁スペーサを意味する。
【0034】
用語非線形ラインスペーサは、前記ライン形態で該当ラインの両端を連結する直線の長さより実際の長さが長いラインスペーサを意味する。このような非線形ラインスペーサの例示的な形態は例えば、
図1に示されている。
【0035】
図1でラインスペーサの両端を連結する直線はL1の点線で示されている。
【0036】
前記非線形ラインスペーサは、曲線部位を含むことができる。前記非線形ラインスペーサは全体的に曲線で形成されているか、あるいは曲線部位を一部含むことができる。
【0037】
前記非線形ラインスペーサは、曲率が互いに異なる2種以上の曲線部位を含むこともできる。
【0038】
前記非線形ラインスペーサの曲線部位は、所定範囲の曲率を有することができる。例えば、前記曲率の下限は、0R、5R、10R、15R、20R、25R、30R、35R、40R、45R、50R、55R、60R、65R、70R、75R、76R、77R、78R、79Rまたは80R程度であり得、その上限は、100R、95R、90R、89R、88R、87R、86R、85R、84R、83R、82R、81R、80R、79R、78R、77R、76R、75R、74R、73R、72R、71R、70R、69R、68R、67R、66R、65R、64R、63R、62R、61R、60R、59R、58R、57R、56R、55R、54R、53R、52R、51R、50R、45R、40R、35R、30R、25R、20R、15R、10Rまたは5R程度であってもよい。前記曲率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。本明細書で曲率の単位Rは、μmを意味する。すなわち、例えば、曲率が20Rとは、該当曲率が半径が20μmである円の曲がった程度であるということを意味する。
【0039】
前記非線形ラインスペーサは下記の式1のL1/Xが所定範囲内であり得る。
[式1]
L1/X
【0040】
式1でL1は前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さであり、Xは、前記長さL1の直線と平行な2個の直線であって、左側および右側方向に最も突出している前記非線形ラインスペーサの部位と接する2個の直線間の間隔である。前記式1でL1およびXは同じ単位を有し、単位が同一であれば、その単位の種類には制限がない。
【0041】
式1を確認する長さL
1の直線および前記直線と平行し、前記非線形ラインスペーサの左側および右側方向に最も突出している部位と接する2個の直線は
図1に点線で例示的に表示されている。
【0042】
図1でラインスペーサの両端を連結する直線はL1の点線で示されており、前記直線L1と平行し、スペーサの左側突出部に接する直線はLL1の点線で示されており、前記直線L1と平行し、スペーサの右側突出部に接する直線はRL1の点線で示されており、直線LL1とRL1の間隔はXで表示されている。
【0043】
式1のL1/Xの下限は、250、260、270、280、290、300、310または320程度であり得、その上限は、1000、950、900、850、800、750、700、650、600、550、500、490、480、460、440、420、400、380、360または340程度であってもよい。前記L1/Xは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0044】
前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線(式1の長さL1の直線)と平行な2個の直線であって、前記非線形ラインスペーサの左側および右側方向に最も突出している部位と接する2個の直線間の間隔(式1のX)の下限は、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μmまたは55μm程度であり得、その上限は、200μm、190μm、180μm、170μm、160μm、150μm、140μm、130μm、120μm、110μm、100μm、95μm、90μm、85μm、80μm、75μm、70μmまたは65μm程度であってもよい。前記間隔(X)は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0045】
前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線(式1の長さL1の直線)と平行な2個の直線であって、前記非線形ラインスペーサの左側および右側方向に最も突出している部位と接する2個の直線間の間隔(式1のX)の値は平均値であり得る。すなわち、スペーサのパターンが複数の非線形ラインスペーサを含む場合に、前記複数の非線形ラインスペーサの全体の前記間隔(式1のX)が前述した数値範囲内であるか、あるいは前記複数の非線形ラインスペーサの全体の前記間隔(式1のX)の平均値が前述した数値範囲内であり得る。
【0046】
本明細書で言及する用語平均または平均値は公知の算術平均を意味する。
【0047】
前記数値範囲が平均値である場合に前記間隔(式1のX)の標準偏差の上限は、5、4.5、4、3.5、2.5または2程度であり得、その下限は、0、0.5、1、1.5または2であり得る。前記標準偏差は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記で標準偏差の定義は前述した通りである。
【0048】
前記非線形スペーサがスペーサパターンに含まれる場合、それら間のピッチは目的に応じて適正範囲で設計され得る。前記非線形ラインスペーサ間のピッチは、非線形ラインスペーサの両端を連結する直線(式1の長さL
1の直線)間のピッチであり、これは
図2に例示的に説明されている。
図2でピッチはPで表示されている。前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線が互いに平行していない場合には、その直線間の最短距離Sと最長距離の平均L、すなわち(S+L)/2をピッチと規定することができる。
【0049】
前記ピッチの下限は、100μm、150μm、200μm、250μm、300μmまたは350μm程度であり得、その上限は、600μm、550μm、500μm、450μmまたは400μm程度であってもよい。前記ピッチは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0050】
前記のような形態の非線形ラインスペーサでスペーサパターンを構成することによって、目的とする効果を効率的に達成することができる。
【0051】
前記非線形ラインスペーサの設計方式を図面を参照して説明すると、次の通りである。
図3を参照して説明する。前記非線形ラインスペーサを設計するために、まず
図3の(a)に示した通り、正六角形が規則的に配置された、いわゆるハニカム形態を設計する。この時、前記正六角形の一辺の長さは目的とするピッチなどを考慮して定められ得る。その後、ライン形態が発生するように前記正六角形で辺を除去して
図3の(b)に示されたような形態を設計する。
【0052】
図3の(c)に示した通り、前記ライン形態の各点を所定の不規則度を有するように移動させる。
図3の(c)では各点の移動が点線矢印で表示されている。
【0053】
前記で所定の不規則度を有するように移動させるということを
図4を参照して説明する。
【0054】
図4は、
図3の(c)のライン形態の各点のうち、一つのラインに属する点の中で隣接する2個の点のみをその点を連結する直線を省略して表示したものである。前記2個の点を連結する直線の長さをPとする時、一つの点が存在する地点を基準として前記長さPの0.5倍の長さに対して一定比率となる長さの半径を有する円領域を指定し、その領域内で前記一つの点が無作為的に移動できるようにプログラムをセッティングして前記点を移動させる。例えば、
図4では前記長さPの0.5倍の長さである0.5Pの長さの半径を有する円領域を設定し、その領域内の任意の地点に前記点が移動する形態を模式的に示している。この時、前記点が移動する領域である円領域の半径が0.5Pである場合、前記点は100%の不規則度を有するように移動したと定義する。すなわち、前記不規則度は前記設定された円領域の半径の長さによって定められる。具体的には、前記円領域の半径の長さをkP(この時、Pは前記2個の点を連結する直線の長さ)とすれば、不規則度は100×(kP)/(0.5P)で計算される。
【0055】
前記kPでkは前記半径の長さによって定められる任意の数である。例えば、前記半径の前記直線長さPの1/4倍であれば、前記kは0.25となり、前記直線長さPの1/2倍であれば、前記kは0.5となる。
【0056】
前記のような方式で一つのラインに属するすべての点を所定の不規則度を有するように移動させ、移動された線を再び連結することによって前記非線形ラインスペーサを設計することができる。
【0057】
前記不規則度の下限は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%または約90%程度であり得、その上限は、約95%、約90%、約85%、約80%、75%または70%程度であり得る。前記不規則度は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記不規則度が大きくなるほど前記回折現象などの光学的欠陥を抑制する効果は大きくなる傾向があるが、スペーサパターンにより前記不規則度が過度に大きくなれば、スペーサパターンが基板間の間隔を維持する効率は低下し、基板または前記基板が適用された光学デバイスの外観不良が発生する可能性がある。したがって、スペーサのパターンに応じて適切な不規則度が選択され得る。
【0058】
非線形ラインスペーサを設計する過程において、前記点の移動と共に隣接する点と点を連結する直線に曲率を付与してもよく、このような曲率も所定の不規則度を有するように遂行され得る。直線に曲率を所定の不規則度を有するように付与するということの意味は次の通りである。まず、プログラムに曲率の下限を0Rとし、上限を100Rにセッティングする。その後、不規則度を指定し、指定された不規則度を上限として、前記下限(0R)と前記指定された上限の間で任意の曲率が前記直線に付与されるようにプログラムをセッティングして前記曲率を付与することができる。例えば、80%の不規則度で曲率を付与すれば、0R~100Rの範囲内で曲率の下限を0Rとし、曲率の上限を80Rとして、0R~80Rの範囲内で任意にいずれか一つの値の曲率を有するように直線を曲線化する。
【0059】
図3の(c)では前記曲線化の過程が実線矢印で例示されている。
【0060】
前記曲率を付与する不規則度の範囲も目的に応じて選択され得る。例えば、前記不規則度の下限は、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、76%、77%、78%、79%または80%程度であり得、その上限は、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、60%または55%程度であってもよい。前記不規則度は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0061】
前記のような方式でスペーサを設計する手段は特に制限されず、公知の乱数座標プログラム、例えば、Minitab、CAD、MATLAB(登録商標)、STELLAまたはExcel乱数座標プログラムなどを使うことができる。
【0062】
一つの例示において、前記非線形ラインスペーサを含むスペーサパターンは、前記複数の非線形ラインスペーサのうち隣接する非線形ラインスペーサを連結するブリッジを追加で含むことができる。前記ブリッジも隔壁ラインスペーサに該当する。例えば、2個のラインスペーサを連結している他のラインスペーサが存在する場合に、前記3個のラインスペーサのうち最も長さが短いラインスペーサがブリッジと定義され得る。
【0063】
このような形態のスペーサのパターンは、
図5および6に示されている。
【0064】
前記ブリッジは一つ以上存在することができる。
【0065】
前記ブリッジが複数存在する場合には例えば、下記の式2を満足するように存在することができる。
[式2]
0mm<G1≦0.4×L1
【0066】
式2でG1は隣接するブリッジ間の間隔(具体的には、隣接する2個の非線形ラインスペーサの間隔内に存在するブリッジの中で隣接するブリッジの間隔、単位mm)であり、L1は、非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(式1のL1と同一(単位:mm))である。
【0067】
式2でブリッジ間の間隔G1を求める方式は非線形ラインスペーサ間のピッチを求める方式と同一である。すなわち、前記ブリッジの両端をつなぐ直線間のピッチを前記間隔で規定することができる。
【0068】
前記ブリッジが存在する場合(例えば、式2を満足するようにブリッジが存在する場合)、該当ブリッジの個数は下記の式3のaが所定範囲内となるように調節され得る。
[式3]
L1×(m-1)=a×n
【0069】
式3でL1は前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(単位:mm)またはその平均値(単位:mm)であり、mは前記非線形ラインスペーサの数であり、nはブリッジの数である。
【0070】
式3を満足するaの下限は、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16または18程度であり得、その上限は20、18、16、14、12、10、8、6、5、4または3程度であり得る。前記aは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0071】
他の例示において、前記ブリッジは下記の式4のbが所定範囲を満足するように存在してもよい。
[式4]
0mm<G1≦b×L1
【0072】
式4でG1は複数のブリッジのうち隣接するブリッジ間の間隔であり、L1は、非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(単位:mm)またはその平均値(単位:mm)である。
【0073】
式4を満足するbの下限は、0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04または0.045程度であり得、その上限は、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02または0.015程度であり得る。前記bは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0074】
式4でブリッジ間の間隔G1を求める方式は式2の場合と同一である。また、前記ブリッジが存在する場合(例えば、式4を満足するようにブリッジが存在する場合)、該当ブリッジの個数は下記の式5のfが所定範囲内となるように調節され得る。
[式5]
L1×(m-1)=f×n
【0075】
式5でL1は前記非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(単位:mm)またはその平均値(単位:mm)であり、mは前記非線形ラインスペーサの数であり、nはブリッジの数である。
【0076】
式5を満足するfの下限は、0.01、0.05、0.1、0.5、1、1.5、2または2.5程度であり得、その上限は、10、9、8、7、6、5、4または3程度であってもよい。前記fは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0077】
前記規則にしたがってブリッジを配置することによって、目的とする基板の性能を確保することができる。
【0078】
前記ブリッジは直線の形態であるか、あるいは曲率を有する曲線の形態であり得、曲線部位と直線部位を含む形態であってもよい。
【0079】
ブリッジが曲線の形態であるか、曲線部位を含む場合に前記曲線の形態または曲線部位の曲率(例えば、最大曲率)の下限は、20R、25R、30R、35R、40R、45R、50R、55R、60R、65R、70R、75R、80Rまたは85R程度であり得、その上限は90R、85R、80R、75R、70R、65R、60R、55R、50R、45R、40R、35R、30Rまたは25R程度であってもよい。前記曲率(例えば、最大曲率)は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0080】
ブリッジが形成されたスペーサパターンも前述した方式で設計することができ、その例示的な内容は本明細書の実施例に記載されている。
【0081】
本出願の第2態様に係るスペーサパターンは、複数のラインスペーサを含み、前記複数のラインスペーサは、一つ以上の閉図形が形成されるように互いに交差している形態であってもよい。例えば、前記複数のラインスペーサは、ネット形態をなすように互いに交差していることができ、これに伴い、前記閉図形が形成され得る。
【0082】
このようなスペーサパターンで前記閉図形は一つまたは2個以上の複数で形成されてもよい。
【0083】
この時、前記閉図形またはネット形態をなすように交差しているラインスペーサは、前述した第1態様の非線形ラインスペーサであってもよく、前記とは異なる形態のラインスペーサであってもよい。
【0084】
このような形態のスペーサパターンは
図7~10などに例示されている。前記のうち
図7のパターンは前記第1態様の非線形ラインスペーサが交差している形態である。
【0085】
前記閉図形が形成されるスペーサパターンの一つの態様において、前記閉図形を形成する複数のラインスペーサの交差点のうち少なくとも一部の交差点で前記ラインスペーサは曲線の形態であり得る(条件1)。このような形態のスペーサパターンの例示は
図8および
図10などに示されている。前記でラインスペーサは前記交差点のすべてにおいて曲線の形態であってもよく、前記交差点のうち少なくとも一部で曲線の形態であり得る。
【0086】
例えば、前記閉図形のうち、一つの閉図形のすべての頂点(交差点)のうち前記ラインスペーサが曲線の形態をなす頂点の数の比率の下限は、5%、15%、20%または23%程度であり得、その上限は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%または20%程度であり得る。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0087】
図8に示されているスペーサパターンで形成される閉図形はそれぞれ4個の頂点(ラインスペーサの交差点)を有し、そのうちの1個の頂点で接するラインスペーサは曲線の形態である(すなわち、前記比率が25%)。
【0088】
このような場合、前記曲線の形態の曲率の上限は、70R、65R、60R、55Rまたは50R程度であり得、その下限は、30R、35R、40R、45Rまたは50R程度であり得る。前記曲率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0089】
前記閉図形が形成されるスペーサパターンの一つの態様において、前記複数のラインスペーサの交差点のうち少なくとも一部の隣接交差点を連結する前記ラインスペーサの長さは前記隣接交差点を連結する直線の長さより長くてもよい(条件2)。すなわち、(隣接交差点を連結しているラインスペーサの長さ)>(前記隣接交差点を連結する仮想の直線の長さ)の関係を有することができる。
【0090】
このような形態のスペーサパターンの例示は
図7、
図8および
図10などに示されている。
【0091】
例えば、
図11を参照すると、各閉図形の隣接する頂点(交差点)がV1およびV2で表示されており、前記交差点(V1、V2)を連結する仮想の直線が点線で示されている。
図11で隣接交差点を連結しているラインスペーサの長さは前記隣接交差点を連結する仮想の直線の長さより長い。
【0092】
条件2を満足する場合の一つの態様として、前記スペーサのパターンで隣接交差点を連結するラインスペーサ、すなわち前記閉図形の辺をなすラインスペーサは曲線の形態であり得る。このような場合、前記曲線の形態の曲率は目的に応じて調節されるものであって、特に制限はない。例えば、前記曲率の上限は、95R、90R、85R、80R、75R、70R、65R、60R、55Rまたは50R程度であり得、その下限は、5R、10R、15R、20R、25R、30R、35R、40R、45R、50R、55R、60R、65R、70R、75R、80R、85Rまたは90R程度であり得る。前記曲率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記の通りに頂点に曲線の形態を形成するためには後述する設計方式が適用される。
【0093】
前記閉図形を含むスペーサパターンで前記閉図形は、下記の式6を満足することができる(条件3)。他の態様において、前記閉図形を含むスペーサパターンで前記閉図形は、下記の式6を満足することができなくてもよい(条件4)。
[式6]
A≠180×(n-2)/n
【0094】
式6でAは、前記閉図形をなす交差点のうち隣接する3個の交差点によって形成される前記閉図形の内角であり、nは前記閉図形をなす交差点の数である。
【0095】
式6で閉図形をなす交差点のうち隣接する3個の交差点によって形成される閉図形の内角は前記3個の交差点を直線で連結した状態で求められる内角である。
【0096】
閉図形が前記式6を満足する場合は、前記閉図形をなす頂点を直線で連結して形成される図形が正多角形でないことを意味し(四角形の場合、正四角形または長方形でないことを意味)、前記式6を満足しない場合は、前記閉図形をなす頂点を直線で連結して形成される図形が正多角形であることを意味する。
【0097】
例えば、
図12を参照すると、
図12の(a)は、前記閉図形が式6を満足しない場合であり、(b)は式6を満足する場合である。
【0098】
条件3または4を満足する態様で前記内角(式6のA)の下限は、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、180度または190度程度であり得、その上限は、200度、190度、180度、170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度または20度程度であり得る。前記内角は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0099】
閉図形を含むスペーサパターンは、前記条件1~4のうち少なくとも一つを満足することができる。
【0100】
例えば、前記スペーサパターンは、少なくとも前記条件1を満足することができる。前記条件1を満足するスペーサパターンは必要に応じて前記条件2を追加で満足することができる。
【0101】
例えば、前記スペーサパターンは、少なくとも前記条件3を満足することができる。前記条件3を満足するスペーサパターンは必要に応じて前記条件2を追加で満足することができる。
【0102】
例えば、前記スペーサパターンは、前記条件1および2を満足することができる。前記条件1および2を満足する態様は前記条件3または4を追加で満足することができる。条件1~3を満足する態様は
図10に例示されており、条件1、2および4を満足する態様は、
図8に例示されている。
【0103】
例えば、前記スペーサパターンは、少なくとも前記条件3を満足することができ、このような態様は、
図9および10に例示されている。
【0104】
例えば、前記スペーサパターンは、少なくとも前記条件2および4を満足することができ、このような態様は、
図7に例示されている。
【0105】
一つの例示において、前記閉図形を含むスペーサパターン(条件1~4のうち一つ以上を満足するパターン)で前記閉図形の辺のうち対向する辺は同じ方向に曲がっていてもよい(条件5)。このような場合は通常前記交差点の数が偶数である場合であるが、これに制限されるものではない。特に前記条件1および2を満足する態様、特に前記条件1、2および4を満足する態様を前記のように設計することによって、目的とする効果をより適切に満足させることができる。
【0106】
条件5を満足する場合、前記同じ方向に曲がった対向する辺が形成する曲線の形態のラインスペーサ間の曲率の差が適正範囲内にあり得る。前記曲率の差は、前記対向するスペーサのうちいずれか一つの曲率をR1とし、他の一つの曲率をR2とした場合に100×(R1-R2)/R2の方式で計算された値の絶対値である。このような曲率の差の絶対値の上限は、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.5%、1%または0.5%程度であり得、その上限は、0%程度であり得る。前記差の絶対値は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0107】
条件5を満足する場合、前記単一の閉図形の辺をなす頂点間の直線距離の標準偏差の上限は、2、1.5、1、0.5、0.1または0.05程度であり得、その下限は、0であり得る。前記標準偏差は絶対値は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0108】
条件5を満足する場合、前記スペーサのパターンで隣接交差点を連結するラインスペーサ、すなわち前記閉図形の辺をなすラインスペーサは曲線の形態であり得る。このような場合、前記曲線の形態の曲率は目的に応じて調節されるものであって、特に制限はない。例えば、前記曲率の上限は、70R、65R、60R、55Rまたは50R程度であり得、その下限は、30R、35R、40R、45Rまたは50R程度であり得る。前記曲率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0109】
前記のような場合に前記曲線の形態のラインスペーサは一つの曲率中心を有するか、または前記ラインスペーサを基準として同じ方向に曲率中心を形成する曲線の形態であり得る。
【0110】
前記でラインスペーサが一つの曲率中心を有するとは、前記隣接頂点の間で前記ラインスペーサの曲がった程度が一定であり、曲率中心も1個のみ形成される場合を意味する。
【0111】
ラインスペーサが前記ラインスペーサを基準として同じ方向に曲率中心を形成する曲線の形態とは、前記曲率中心が1個のみ形成される場合、および前記隣接頂点の間で前記ラインスペーサの曲がった程度が一定でないため曲率中心が2個以上存在するとしても、前記複数の曲率中心が前記ラインスペーサを基準として前記ラインスペーサの左側、右側、上部および下部のうちいずれか一つにすべて存在する場合を意味する。
【0112】
例えば、
図13の(a)の場合は、前記一つの曲率を有する場合である。
図13の(b)は、前記隣接頂点の間で前記ラインスペーサの曲がった方向が異なるため、形成された2個の曲率中心がラインスペーサの左側および右側にそれぞれ一つずつ形成された場合である。
【0113】
このような形態を構成することによって、目的とする効果をより有利に確保することができる。
【0114】
前記閉図形を含むスペーサパターン(前記条件1~5のうち一つ以上を満足するパターン)で前記ネット形態で単一の閉図形をなす交差点(すなわち、閉図形の頂点)の数の下限は、3個、4個、5個または6個であり得、その上限は、10個、9個、8個、7個、6個、5個または4個であってもよい。前記交差点(すなわち、閉図形の頂点)の数は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0115】
閉図形を含むスペーサパターン(前記条件1~5のうち一つ以上を満足するパターン)で隣接交差点間の間隔(例えば、閉図形の辺をなす2個の交差点間の間隔)の下限は、100μm、150μm、200μm、250μm、300μmまたは350μm程度であり得、その上限は、1000μm、950μm、900μm、850μm、800μm、750μm、700μm、650μm、600μm、550μm、500μm、450μm、400μmまたは350μm程度であり得る。前記間隔は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0116】
閉図形を含むスペーサパターンで前記閉図形の所定の面積関係を有するように形成され得る(条件6)。
【0117】
例えば、条件6で前記スペーサパターンの閉図形の面積の平均の下限は、0.01mm2、0.05mm2、0.1mm2、0.15mm2、0.2mm2、0.25mm2、0.3mm2、0.35mm2、0.4mm2、0.45mm2、0.5mm2、0.55mm2、0.6mm2、0.65mm2、0.7mm2、0.75mm2、0.8mm2または0.85mm2程度であり得、その上限は、2mm2、1.9mm2、1.8mm2、1.7mm2、1.6mm2、1.5mm2、1.4mm2、1.3mm2、1.2mm2、1.1mm2、1mm2、0.95mm2、0.9mm2、0.85mm2、0.8mm2、0.75mm2、0.7mm2、0.65mm2、0.60mm2、0.55mm2、0.50mm2、0.45mm2、0.4mm2、0.35mm2、0.3mm2、0.25mm2または0.2mm2程度であってもよい。前記面積の平均は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記面積の平均は、前記スペーサパターンに含まれているすべての閉図形の面積の算術平均である。前記スペーサパターンが後述する設計方式によって形成される場合には、スペーサパターンの形成ロジックによって前記パターンに存在する閉図形の中で任意的に選択された一部の閉図形に対する面積の算術平均を前記全体閉図形の面積の算術平均値で代替することができる。例えば、後述する設計方式で形成された前記スペーサパターンが少なくとも10,000個以上の閉図形を含む場合、該当閉図形のうち1%(100個)の閉図形を任意に選択して各閉図形の面積の算術平均を求めれば、前記全体閉図形の面積の算術平均値で代替することができる。
【0118】
閉図形の面積の平均値が前記範囲である場合に前記閉図形の面積の標準偏差の上限は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.8、0.6、0.4、0.2、0.1、0.08、0.06または0.04程度であり得、その下限は、0、0.01、0.03、0.05、0.07、0.09、0.1または0.15程度であってもよい。前記標準偏差は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0119】
条件6を満足するスペーサパターンで前記パターンに含まれる閉図形のうち隣接する9個の閉図形の面積の平均値(算術平均)が一定範囲で調節され得る。前記隣接する9個の閉図形は、スペーサパターンで選択された任意の一つの閉図形(中心閉図形)および前記閉図形を直接囲んでいる8個の閉図形である。前記で閉図形を直接囲んでいるとは、前記8個の閉図形と前記中心閉図形の間に他の閉図形が存在しない場合を意味する。
【0120】
前記隣接する9個の閉図形を選択する方式を
図14を参照して説明する。
図14は互いに交差するラインスペーサによって形成されたネット形態での閉図形を含むスペーサパターンの例示であり、前記パターンで各閉図形は順にナンバリングされている。
図14でナンバリングされている閉図形のうち前記方式で選択された9個の閉図形は、1、2、3、11、12、13、21、22および23の閉図形、4、5、6、14、15、16、25、26および27の閉図形または8、9、10、18、19、20、28、29および30の閉図形である。
【0121】
前記隣接する9個の閉図形の面積の平均の下限は、0.01mm2、0.05mm2、0.1mm2、0.15mm2、0.2mm2、0.25mm2、0.3mm2、0.35mm2、0.4mm2、0.45mm2、0.5mm2、0.55mm2、0.6mm2、0.65mm2、0.7mm2、0.75mm2、0.8mm2または0.85mm2程度であり得、その上限は、2mm2、1.9mm2、1.8mm2、1.7mm2、1.6mm2、1.5mm2、1.4mm2、1.3mm2、1.2mm2、1.1mm2、1mm2、0.95mm2、0.9mm2、0.85mm2、0.8mm2、0.75mm2、0.7mm2、0.65mm2、0.60mm2、0.55mm2、0.50mm2、0.45mm2、0.4mm2、0.35mm2、0.3mm2、0.25mm2または0.2mm2程度であってもよい。前記面積の平均は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0122】
前記隣接する9個の閉図形肺の標準偏差の上限は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.8、0.6、0.4、0.2、0.1、0.08、0.06または0.04程度であり得、その下限は、0、0.01、0.03、0.05、0.07、0.09、0.1または0.15程度であってもよい。前記標準偏差は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0123】
条件6を満足する場合、前記9個の隣接する閉図形の面積の平均(A)に対する前記全体閉図形の面積の平均(B)の比率(B/A)の下限は、0.5、0.7、0.9または0.95であり得、その上限は、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05程度であり得る。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0124】
前記条件6を満足するスペーサパターンは前記条件1~5のうちいずれか一つまたは2個以上を満足するスペーサパターンであり得る。
【0125】
前記閉図形を含むスペーサパターンは次の方式で設計することができる。
【0126】
例えば、
図8に示されたパターンを形成するためには、まず直線型ラインスペーサで
図15に示されたようなパターンを形成し、該当パターンの各閉図形の辺に前述した不規則度を与えながら曲率を付与する方式で前記辺を曲線化することによって望むパターンを形成することができる。この時、不規則度は目的とする曲率を勘案して決定される。
【0127】
このような過程は
図16に示されている。
図16の左側パターンは前記
図15のパターンであり、右側パターンを前記パターンの各辺に曲率を付与する例示である。曲率を付与して辺が曲がる方向は
図16で矢印で表示されている。この過程で一つの頂点を基準としてその頂点に連結される両辺を同じ方向に曲がるようにし、このとき曲率を同一に付与すれば、前述した頂点でラインスペーサが曲線であるパターンも得ることができるが、曲線を付与する方式はこれに制限されるものではない。
【0128】
例えば、
図7に示されたスペーサパターンは、
図1および2に示された非線形ラインスペーサのパターンを2個設計した後に設計された2個のパターンを互いにクロスさせて設計することができる。
図1および2に示された方式で設計されたラインスペーサの実際の写真は、
図17に示されている。
【0129】
例えば、
図9に示されたスペーサパターンは、
図15のように規則的な四角形を含むパターンを形成した後、前記パターンの四角形の各頂点を前述した不規則度を与える方式(
図4に例示された方式)で移動させてパターンを再構成することによって、目的とするパターンを形成することができる。
【0130】
このような場合に与えられる不規則度の下限は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%または約90%程度であり得、その上限は、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%または約70%程度であり得る。前記不規則度は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記過程で不規則度を過度に大きく付与すれば、前記条件6を満足する閉図形が形成され難い。
【0131】
例えば、
図10に例示されたスペーサパターンは、
図18に示した通り、正六角形形態の閉図形が規則的に配置された、いわゆるハニカムパターンを設計し、前記正六角形形態の各単一閉図形の辺を前述した任意の不規則度を与える方式で曲線化して前記パターンを形成することができる。前記で最初の形態を正六角形として例示したが、その形態は必ずしも正六角形でなければならないものではなく、正三角形、正四角形または正五角形などの他の形態も適用され得る。必要の場合、前記曲線化のための不規則度とともに前記六角形の各頂点も前述した不規則度を付与して移動させてもよい。
図19はこのような設計方式の例示であり、
図19で頂点の移動は点線矢印で表示されており、曲線化は実線矢印で表示されている。
【0132】
前記曲線化のための不規則度の下限は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%または約90%程度であり得、その上限は、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%または約70%程度であり得る。前記不規則度は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0133】
前記頂点の移動のために与えられる不規則度の下限は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%または約90%程度であり得、その上限は、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%または約70%程度であり得る。前記不規則度は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0134】
前記過程で不規則度を過度に大きく付与すれば、前記条件6を満足する閉図形が形成され難い。
【0135】
前記スペーサパターン(第1および第2態様のパターン)を形成するラインスペーサの線幅と高さは目的に応じて制御されるものであり、特に制限されるものではない。
【0136】
例えば、前記ラインスペーサの高さの下限は、0.5μm、1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、3.5μm、4μm、4.5μm、5μm、5.5μmまたは6μm程度であり得、その上限は、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μmまたは10μm程度であり得る。前記高さは、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0137】
例えば、前記ラインスペーサの線幅の下限は、2μm、4μm、6μm、8μm、10μm、12μmまたは14μm程度であり得、その上限は、200μm、180μm、160μm、140μm、120μm、100μm、80μm、60μm、40μmまたは20μm程度であってもよい。前記線幅は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0138】
本出願の基板で基材層上に形成されるスペーサパターンは、すべて前記第1態様または第2態様のスペーサパターンであり得るか、または前記スペーサパターンの少なくとも一部が前記第1または第2態様のスペーサパターンであり得る。例えば、前記基材層上に形成されたスペーサパターンが占有する全体面積のうち前記第1または第2態様のスペーサパターンの面積の比率の下限は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%程度であり得、その上限は、100%程度であり得る。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。
【0139】
本出願の前記のようなスペーサパターンは、光学デバイスの活性領域を最大限確保しながらも、前記光学的欠陥を誘発することなく基板間の間隔を均一かつ安定して維持することができる。
【0140】
前記で活性領域とは、一般的に前記基材層の全体面積のうち前記スペーサパターンが形成されていない部分を意味する。このような部分に液晶物質などの光変調物質が存在するので、光学デバイスで前記スペーサパターンが存在せず、かつ前記液晶物質などの光変調物質が存在する領域が前記活性領域となり得る。
【0141】
例えば、本出願の基板で全体基板(基材層)の面積対比スペーサパターンが占める面積の比率の下限は、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%程度であり得、その上限は、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%程度であり得る。前記比率は、前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満であるか、または前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過であるか、または前述した上限のうち任意のいずれか一上限以下または未満でありながら、前述した下限のうち任意のいずれか一下限以上または超過である範囲内にあり得る。前記面積は本明細書で開口率だと呼ぶこともできる。
【0142】
本出願の基板上のスペーサパターンは前述したパターンのうちいずれか一種であるか2種以上の組み合わせであり得、前記占有面積が達成される限り他の種類のスペーサや他の形態のスペーサパターンも基板上に存在することができる。
【0143】
一つの例示において、前記スペーサパターンは前記隔壁スペーサとともにボールスペーサを含むことができる。このようなボールスペーサは前記隔壁スペーサに付着されているか、あるいはその内部に埋め込まれていてもよい。前記ボールスペーサは業界で公知になっている通常の意味の円形スペーサである。
【0144】
前記形態のスペーサパターンは後述する方式で製作でき、これによって優秀な寸法均一性と基材層に対する密着性を同時に示すスペーサパターンを形成することができる。ただし、前記ボールスペーサは本出願の必須構成要素には該当しない。
【0145】
前記スペーサパターンは、例えば、隔壁形態のスペーサを製作することに使う通常のバインダーを適用して製造することができる。通常隔壁形態のスペーサは、感光性バインダーであって、紫外線硬化型化合物を前記化合物の硬化を開始させる開始剤などと混合したバインダーをパターン露光して製造する。本出願でもこのような材料が適用され得る。このような場合、前記紫外線硬化型化合物の硬化物が前記隔壁を形成することができる。紫外線硬化型化合物の具体的な種類は特に制限されず、例えば、アクリレート系列高分子材料またはエポキシ系列の高分子などが使われ得るが、これに制限されるものではない。業界では隔壁を製作できる多様な種類のバインダーが知られている。
【0146】
本出願でボールスペーサが適用される場合、そのボールスペーサの種類は特に制限されず、公知のボールスペーサの中から適切な種類が選択されて使われ得る。
【0147】
ボールスペーサの具体的な平均粒径の範囲は特に制限されず、隔壁の寸法に応じて前述した比率範囲を満足するようにする範囲で平均粒径を有することができる。
【0148】
前述したスペーサパターンはブラックパターンであるか、透明パターンであり得る。
【0149】
本明細書で言及する用語透明は、少なくとも一定水準以上の透過率を有する場合を意味する。例えば、用語透明は、透過率が略70%以上、75%以上、80%以上、85%以上または90%以上である場合を意味する。前記透明状態の透過率の上限は特に制限されず、例えば、約100%以下または約99%以下程度であり得る。前記透過率は可視光に対する透過率であり、例えば、約380nm~700nmの範囲内の波長のうちいずれか一つの波長に対する透過率であるか、前記範囲内の光全体に対する平均透過率であり得る。
【0150】
用語ブラックスペーサパターンは、その光学密度(Optical Density)が1.5~4の範囲内に測定されるパターンを意味し得る。前記光学密度は、前記スペーサパターンに対する透過率(transmittance、単位:%)またはそれと同じ成分を含む層の透過率(transmittance、単位:%)を測定した後、これを光学密度の数式(光学密度=-log10(T)、Tは前記透過率)に代入して求めることができる。前記でスペーサパターンと同じ成分を含む層は、例えば、コーティング、蒸着またはメッキなどの方式で形成することができる。この時、前記形成される層の厚さは、約12μm程度であり得る。例えば、ブラックスペーサパターンの範疇には、それと同じ成分で形成される前記厚さ約12μm程度の層の光学密度が前記言及した範囲にあるか、実際のスペーサパターンの光学密度が前記範囲にあるか、前記厚さ約12μm程度の層の光学密度を実際のブラックスペーサパターンの厚さを勘案して換算した数値が前記範囲にある場合が含まれ得る。
【0151】
ブラックまたは透明スペーサパターンを形成できる材料は多様に公知になっており、本出願ではこのような公知の材料をすべて適用することができる。
【0152】
例えば、前記ブラックスペーサパターンは、例えば、通常的にスペーサの形成に適用される前述した材料(例えば、前述したバインダーなど)にブラックを具現できる成分(暗色化材料)を追加して製作することができる。
【0153】
したがって、前記スペーサパターンは、暗色化が可能な顔料または染料などを含むことができ、具体的には金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、カーボンブラック、黒鉛、アゾ系顔料、フタロシアニン顔料または炭素系物質などを含むことができる。前記で適用され得る暗色化材料として、金属酸化物としては、クロム酸化物(CrxOyなど)または銅酸化物(CuxOyなど)等が例示され得、金属酸窒化物としてはアルミニウム酸窒化物(AlxOyNzなど)等が例示され得るがこれに制限されるものではない。また、前記炭素系物質としては、炭素ナノチューブ(CNT)、グラフェン、活性炭(activated carbon)のような多孔性炭素などが例示され得るが、これに制限されるものではない。
【0154】
例えば、前記材料(ex.炭素系材料)を前述したバインダーに配合した後に硬化させるか、適切な方式で材料自体を蒸着またはメッキなどに適用することによって前記ブラックスペーサパターンを製作することができる。
【0155】
本出願で使用できる顔料または染料などの種類は前記に制限されず、目的とする暗色化(光学密度)等により適正種類が選択され得、その比率も前記暗色化などを考慮して選択することができる。
【0156】
前記基板の基材層としては、特に制限なく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やOLED(Organic Light Emitting Device)のどのような公知の光学デバイスの構成で基板として使われる任意の基材層が適用され得る。例えば、基材層は無機基材層であるか有機基材層であり得る。無機基材層としてはガラス(glass)基材層などが例示され得、有機基材層としては、多様なプラスチックフィルムなどが例示され得る。プラスチックフィルムとしてはTAC(triacetyl cellulose)フィルム;ノルボルネン誘導体などのCOP(cyclo olefin copolymer)フィルム;PMMA(poly(methyl methacrylate)等のアクリルフィルム;PC(polycarbonate)フィルム;PE(polyethylene)またはPP(polypropylene)等のポリオレフィンフィルム;PVA(polyvinyl alcohol)フィルム;DAC(diacetyl cellulose)フィルム;Pac(Polyacrylate)フィルム;PES(poly ether sulfone)フィルム;PEEK(polyetheretherketon)フィルム;PPS(polyphenylsulfone)フィルム、PEI(polyetherimide)フィルム;PEN(polyethylenemaphthatlate)フィルム;PET(polyethyleneterephtalate)フィルム;PI(polyimide)フィルム;PSF(polysulfone)フィルムまたはPAR(polyarylate)フィルムなどが例示され得るが、これに制限されるものではない。
【0157】
本出願で前記基材層の厚さは特に制限されず、用途に応じて適正範囲が選択され得る。
【0158】
本出願の基板は、前記基材層とスペーサパターンに追加で光学デバイスの駆動に要求される他の要素を含むことができる。このような要素は多様に公知になっており、代表的には電極層などがある。一例示において、前記基板は、前記基材層と前記スペーサパターンの間に電極層を追加で含むことができる。電極層としては、公知の素材が適用され得る。例えば、電極層は、金属合金、電気伝導性化合物または前記のうち2種以上の混合物を含むことができる。このような材料としては、金などの金属、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZTO(Zinc Tin Oxide)、アルミニウムまたはインジウムがドープされた亜鉛オキシド、マグネシウムインジウムオキサイド、ニッケルタングステンオキサイド、ZnO、SnO2またはIn2O3等の酸化物材料や、ガリウムニトライドのような金属ニトライド、亜鉛セレニドなどのような金属セレニド、亜鉛スルフィドのような金属スルフィドなどが例示され得る。透明な正孔注入性電極層は、また、Au、AgまたはCuなどの金属薄膜とZnS、TiO2またはITOなどのような高屈折の透明物質の積層体などを使っても形成することができる。
【0159】
電極層は、蒸着、スパッタリング、化学蒸着または電気化学的手段などの任意の手段で形成され得る。電極層のパターン化も特に制限なく公知の方式で可能であり、例えば、公知のフォトリソグラフィやシャドウマスクなどを使った工程を通じてパターン化されてもよい。
【0160】
本出願の基板はまた、前記基材層とスペーサパターン上に存在する配向膜を追加で含むことができる。
【0161】
他の例示的な本出願の基板は、基材層;前記基材層上に存在する前記スペーサパターン;および前記基材層とスペーサパターン上に形成された配向膜を含むことができる。
【0162】
前記基材層とスペーサパターン上に形成される配向膜の種類も特に制限されず、公知の配向膜、例えば、公知のラビング配向膜または光配向膜が適用され得る。
【0163】
前記配向膜を基材層とスペーサパターン上に形成し、それに対する配向処理を遂行する方式も公知の方式に従う。
【0164】
一例示において、前記基板は、追加構成として保護フィルムを含むことができる。例えば、前記基板は、前記基材層のスペーサパターンが形成された面に付着された保護用粘着フィルムを追加で含むことができる。前記のような構成で粘着フィルムとしては特に制限なく公知の保護用粘着フィルムが使われ得る。
【0165】
前記のような本出願の基板は、光学デバイスに適用されて不要な回折(diffraction)現象などを誘発せず、均一かつ優秀な光学性能を確保することができる。
【0166】
本出願はまた、前記基板を使って形成した光学デバイスに関する。
【0167】
本出願の例示的な光学デバイスは、前記基板および前記基板と対向配置されており、前記基板のスペーサによって前記基板との間隔が維持された第2基板を含むことができる。
【0168】
前記光学デバイスで2個の基板の間の間隔には光変調層が存在することができる。本出願で用語光変調層には、入射した光の偏光状態、透過率、色調および反射率などの特性のうち少なくとも一つの特性を目的に応じて変化させることができる公知のすべての種類の層が含まれ得る。
【0169】
例えば、前記光変調層は、液晶物質を含む層であり、電圧、例えば垂直電界や水平電界のオンオフ(on-off)によって拡散モードと透過モードの間でスイッチングされる液晶層であるか、透過モードと遮断モードの間でスイッチングされる液晶層であるか、透過モードとカラーモードでスイッチングされる液晶層または互いに異なる色のカラーモードの間をスイッチングする液晶層であり得る。
【0170】
前記のような作用を遂行できる光変調層、例えば、液晶層は多様に公知になっている。一つの例示的な光変調層としては通常の液晶ディスプレイに使われる液晶層の使用が可能である。他の例示において、光変調層は多様な形態のいわゆるゲストホスト液晶層(Guest Host Liquid Crystal Layer)、高分子分散型液晶層(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、画素孤立型液晶層(Pixcel-isolated Liquid Crystal)、浮遊粒子デバイス(Suspended Particle Deivice)または電気変色ディスプレイ(Electrochromic device)等であってもよい。
【0171】
前記で高分子分散型液晶層(PDLC)は、いわゆるPILC(pixel isolated liquid crystal)、PDLC(polymer dispersed liquid crystal)、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)またはPSLC(Polymer Stablized Liquid Crystal)等を含む上位概念である。高分子分散型液晶層(PDLC)は、例えば、高分子ネットワークおよび前記高分子ネットワークと相分離された状態で分散されている液晶化合物を含む液晶領域を含むことができる。
【0172】
前記のような光変調層の具現方式や形態は特に制限されず、目的に応じて公知の方式を制限なく採択することができる。
【0173】
また、前記光学デバイスは必要な場合、追加的な公知の機能性層、例えば、偏光層、ハードコート層および/または反射防止層なども追加で含むことができる。
【発明の効果】
【0174】
本出願はスペーサパターンを含む基板を提供する。
【0175】
本出願では、多様な光学デバイスに適用されて回折(diffraction)現象などを含んだ光学的欠陥を誘発せず、活性領域を最大限確保しながらも、均一かつ安定して基板間の間隔を維持できる基板を提供することができる。本出願ではまた、前記基板を含む光学デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【
図1】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図2】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図3】
図17のスペーサパターンを形成する過程を示す例示的な図面である。
【
図4】本出願のスペーサパターンを形成する過程を説明するための例示的な図面である。
【
図5】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図6】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図7】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図8】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図9】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図10】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図11】条件2を満足するスペーサパターンを説明するための例示的な図面である。
【
図12】条件3または4を満足するスペーサパターンを説明するための例示的な図面である。
【
図13】条件5の説明のための例示的な図面である。
【
図14】本出願の例示的なスペーサパターンの閉図形の面積を計算する過程を説明するための例示的な図面である。
【
図15】比較例のスペーサパターンに対する図面である。
【
図16】スペーサパターンを形成するための曲線化過程の例示である。
【
図17】本出願の例示的なスペーサパターンに対する図面である。
【
図18】
図10のスペーサパターンを形成する過程を説明するための例示的な図面である。
【
図19】スペーサパターンを形成する過程を説明するための例示的な図面である。
【
図20】本出願の基板に対して遂行される回折テストを模式的に説明するための図面である。
【
図21】白イメージの回折パターンの大きさを測定する方式を示す図面である。
【
図22】比較例のスペーサパターンに対する図面である。
【
図23】比較例のスペーサパターンに対する図面である。
【
図24】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図25】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図26】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図27】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図28】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図29】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図30】実施例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図31】比較例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図32】比較例に対して遂行した回折テストの結果である。
【
図33】比較例に対して遂行した回折テストの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0177】
以下、実施例を通じて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲は下記の実施例によって制限されるものではない。
【0178】
1.基板の回折(diffraction)パターン分析(LED光の透過光分析)
実施例または比較例で製造された基板(基材層/ITO(Indium Tin Oxide)電極層/スペーサパターンの構造)に対してそれぞれ回折パターンを分析した。回折パターンの分析は、横および縦の長さがそれぞれ100mmである基板に対して遂行した。
【0179】
前記分析を進める過程を模式的に表示すれば、
図20の通りである。
【0180】
図20のように、円形LED光源100と前記光源からの光を受光できるカメラ200を約60cmの間隔で配置した。その後、前記光源100とカメラ200の間に前記基板10を配置した。基板10は
図20に示した通り、光源100およびカメラ200それぞれに対して30cmの距離を有するように配置した。
【0181】
光源100が前記基板10の重心に光を照射するように配置し、カメラ200は前記基板10がない場合に光源100から照射される光が直接入射し得る位置に配置した。また、基板10はスペーサが形成された面が光源100の方向に向かうように配置した。
【0182】
前記光源100は約550nm波長の光を照射するLED(Light Emitting Diode)光源100であり、直径が約3mm程度である円形状であった。カメラ200としてはNikon社の製品(製品名:COOLPIX S8200)を使った。
【0183】
前記の状態で光源100から基板10に向かって光を照射し、基板10を透過した光によるイメージをカメラ200に記録した。この時、カメラ200の撮影モードは風景モードにした。
【0184】
Image Jプログラム(ImageJ bundled with 64-bit Java(登録商標) 1.8.0_172)を使って記録されたイメージ(分析対象イメージ)を白黒イメージに変更した。
【0185】
受光された光を分析するためにImage JプログラムのThreshold機能を使った。基板がない状態で
図20のLED光源100から光を照射して、カメラ200で受光したイメージを白黒イメージに変更したものでの白イメージを基準イメージ(Refernce image)とした。前記基準イメージの変更時にImage JプログラムのThreshold機能を通じて自動指定されたthreshold値を他のイメージの分析時にも同一に入力した。
【0186】
得られたイメージ(分析対象イメージを白黒イメージに変更したイメージ)に対して
図21に示した通り、横線L1および縦線L2と前記横線L1および縦線L2により形成される角度(90度)を二等分する方向に2個の対角線(L3およびL4)を指定し、各線に沿って白イメージのピクセルの長さを求め、また、白イメージの面積を求めた。
【0187】
図21は前記白黒イメージを模式的に表示したものであり、
図21でBで表示された部分は前記白黒イメージの黒色領域であり、Wで表示された部分は白色領域(白イメージ)である。
【0188】
前記白イメージのピクセルの長さは、白イメージが存在する部分のピクセルの数であり、これは無次元である。すなわち、前記で横線L1、縦線L2および対角線L3、L4のピクセルの長さはそれぞれ前記横線L1、縦線L2および対角線L3、L4が占有する領域のピクセルの数である。
【0189】
前記横線L1の長さは白黒イメージの垂直方向に前記白イメージの中心を通る線の長さであり、縦線L2の長さは白黒イメージの水平方向に前記白イメージの中心を通る線の長さである。前記横線L1と縦線L2が交差する地点(中心点)は、前記横線L1と縦線L2により分割される白イメージの4個の領域が互いに実質的に同じ面積を有することができる位置に設定した。また、前記左右の対角線L3、L4は前記白イメージの中心点を通りながら、前記縦線L2および横線L1それぞれと45度をなす方向である。すなわち、前記横線L1、縦線L2および対角線L3、L4方向はそれぞれ互いに45度をなしている。
【0190】
前記のような方式で求めた分析対象イメージの白黒イメージでの白イメージの面積と基準イメージの白イメージの面積の偏差が少ないほど、回折現象が少ないということを意味する。
【0191】
前述した通り、基準イメージは、基板10がない状態でLED光源100から光を照射して、カメラ200で受光したイメージを白黒イメージに変更して得られる白イメージであるので、そのイメージの面積は本明細書のLED光の白黒イメージの白イメージの面積A2である。
【0192】
下記の表では、前記基準イメージである白イメージの面積A2を100%と見た場合での分析対象イメージ、すなわち基板にLED光を透過させて得た白黒イメージでの白イメージの面積A1(光源の面積対比面積比率(単位:%))を記載し、それらの比率(A1/A2)も共に記載した。
【0193】
前記のような方式で求めた分析対象イメージの白黒イメージでの白イメージに対して求めた前記4個の線(L1~L4)の長さの標準偏差が50以下である場合に回折現象が少ないと評価することができる。
【0194】
2.光学密度の評価
光学密度は、次の方式で測定した結果である。透明なPET(poly(ethylene terephthalate))基材フィルム上に透明層(ITO(indium tin oxide)層)が形成された積層体の前記透明層上にスペーサパターン製造用硬化性組成物を塗布して紫外線を照射(波長:約365nm、紫外線照射量:2,200mJ/cm2~4,400mJ/cm2)して硬化させて厚さが6μm程度である層を形成する。本明細書で厚さはOptical Profiler測定装備(メーカー:Nano System、商品名:Nano View-E1000)を使って測定した値である。引き続き、前記形成された層の透過率と光学密度を測定装備(メーカー:x-rite、商品名:341C)を利用して測定する。前記測定装備は可視光線波長範囲(400~700nm)内の光に対する透過率(transmittance、単位:%)(T)を測定し、それを通じて光学密度(D)を求める装備であり、前記光学密度は、測定された透過率Tを数式(光学密度(OD)=-log10(T)、Tは前記透過率)に代入して該当厚さ(6μm)に対して求める。
【0195】
3.隔壁の高さおよび線幅の測定
以下で記載するスペーサの高さは測定装備(Optical profiler、Nano System社、Nano View-E1000)を使って確認した。スペーサの線幅は、光学顕微鏡(Olympus BX 51)を利用して確認した。
【0196】
実施例1.
スペーサパターンの設計
図17に示されたようなラインスペーサのパターンは次の方式で設計した。
図17はスペーサパターンを光学顕微鏡で撮影したものである(倍率:x10)。前記スペーサパターンの設計のために
図3の(a)に示した通り、正六角形が規則的に配置された、いわゆるハニカム形態を設計した。この時、前記正六角形の一辺の長さは約350μm程度に設定した。引き続き、
図3の(b)に示した通り、前記正六角形で辺を除去してラインスペーサのパターンを形成した。
【0197】
その後、形成されたラインスペーサの各点(
図3の(c)で点線矢印で例示された移動、他のスペーサに対しても同一に適用)を90%の不規則度で移動させ、また、前記点のうち隣接する点を連結する線に約80%の不規則度で曲率を付与して曲線に変更した(
図3の(c)に実線矢印で例示された曲線化)。前記で90%の不規則度で点を移動させるとは、一つのラインスペーサで隣接する点を連結する直線の長さがPである場合に、前記直線長さPを形成する2個の点それぞれを円の中心とし、前記長さPの0.5倍の長さである0.5P対比90%の長さ(0.45P)の半径を有する円領域を設定した後に設定された円内の領域の任意の地点に前記点を移動させたということを意味する。
【0198】
前記で80%の不規則度で曲率を付与したとは、曲率の下限を0Rとし、曲率の上限を100Rとした後に0R~80Rの範囲内で任意にいずれか一つの値の曲率を有するように直線を曲線化したということを意味する。
【0199】
前記スペーサの設計は乱数座標プログラムであるMinitabを利用して遂行したし、以下すべての実施例で同じプログラムを利用した。
【0200】
前記設計の結果である
図17の非線形ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(L
1)(
図1のL1に対応する長さ)は略18~22mm程度の範囲内であり、その平均は約20mm水準であった。
【0201】
それぞれの非線形ラインスペーサの両端を連結する直線と平行な2個の直線であって、前記スペーサの左側および右側方向への最も突出した部位と接する2個の直線間の間隔(
図1のXに対応する間隔)は約58μm~65μm水準であり、その平均は約61μm、標準偏差は約2程度であった。
【0202】
また、前記複数の非線形ラインスペーサそれぞれの両端を連結する直線間のピッチ(
図2のPに対応)は約350μm水準であった。
【0203】
基板などの製造
スペーサパターン製造用硬化性組成物は次の方式で製造した。コラムスペーサの製造に通常的に適用されるバインダーであって、紫外線硬化型アクリレート化合物、重合開始剤および分散剤を含むバインダーにボールスペーサを混合して前記組成物を製造した。この時、ボールスペーサとしては、平均粒径が6μm程度であるブラックボールスペーサを使った。前記ボールスペーサは、前記バインダー重量(アクリレート化合物、開始剤および分散剤などの合計重量)100重量部対比約2.5重量部で配合した。前記ボールスペーサはブラックボールスペーサであり、前記硬化性組成物には暗色化材料として、カーボンブラック(carbon black)が略3.5重量%の比率で配合されていた。前記製造された組成物の光学密度(OD:Optical Density)を前述した方式で確認した結果、略6μmの厚さを基準として約0.9程度であった。表面に非結晶質のITO(Indium Tin Oxide)電極層が形成された一軸延伸PET(poly(ethylene terephthalate))フィルムの前記電極層上に前記組成物を約2mL~3mL程度滴加(dropping)し、マスクを媒介として紫外線を照射して前記硬化性組成物層を硬化させた(紫外線照射量:14,400mJ/cm2)。マスクとしては通常のフォトマスクであって、前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使った。
【0204】
紫外線照射後、未硬化された硬化性組成物を除去(現像)して
図17に示されたようなスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。前記製造された基板を使って公知の方式で光学デバイスを製造した。具体的には、前記基板のスペーサパターンに液晶物質を投入し、前記基板と対向して第2基板を前記基板のスペーサパターン上に付着して光学デバイスを製造した。このような光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0205】
比較例1
図22のように、直線形態のラインスペーサが約350μm程度の間隔で規則的に配置された形態のスペーサパターンを形成したことを除いては、実施例1と同一に基板を製造した。前記ラインスペーサの線幅と高さおよび開口率は実施例1と同一にした。このような比較例1の基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0206】
実施例2.
スペーサパターンの設計
図5のようなラインスペーサのパターンは次の方式で設計した。まず実施例1と同じ方式で非線形ラインスペーサを含むスペーサパターンを設計した。引き続き、形成された複数の非線形ラインスペーサの中で隣接するスペーサをブリッジが連結するようにした。この時、ブリッジは各ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(設計された平均値約20mm)を基準として4mmの長さの領域別に1個のブリッジが任意に形成されるようにした。この時、ブリッジは80%程度の不規則度で曲率を付与した(すなわち、曲率の下限を0Rとし、上限を100Rとした後に0R~80Rの範囲内で任意にいずれか一つの値の曲率を有するように直線を曲線化)。
【0207】
その結果、隣接する非線形ラインスペーサの間隔内に平均的に約5個のブリッジが形成された。また、前記隣接する非線形ラインスペーサの間隔内に隣接ブリッジ間の間隔は、約0mm超過~7mmの範囲内にあった。また、ラインスペーサ30個あたり約55個のブリッジが形成された。
【0208】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0209】
実施例3.
スペーサパターンの設計
図6のようなラインスペーサのパターンは次の方式で設計した。まず、実施例1と同じ方式で非線形ラインスペーサを含むスペーサパターンを設計した。引き続き、設計された非線形ラインスペーサを含むパターンを約90度の角度でクロスさせて
図7のような形態のパターンを形成させた。引き続き、
図7のパターンで縦方向に形成された非線形ラインスペーサのうち隣接する非線形ラインスペーサの間隔に存在するスペーサラインを除去して目的とするパターンを形成した。
【0210】
前記除去は、前記縦方向に形成された各ラインスペーサの両端を連結する直線の長さ(設計された平均値約20mm)を基準として1mmの長さの領域別に1個~4個のブリッジが残存するように遂行した。
【0211】
その結果、隣接する非線形ラインスペーサの間隔内にブリッジが形成された。また、前記隣接する非線形ラインスペーサの間隔内に隣接ブリッジ間の間隔は、約250μm~1000μmの範囲内であったし、ラインスペーサ20個あたり略140個程度のブリッジが形成された。
【0212】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約10%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0213】
比較例2
図23のように直線形態のラインスペーサが約350μm程度の間隔で規則的に配置されており、隣接するラインスペーサの間隔を直線形態のブリッジが連結している形態のスペーサパターンを形成したことを除いては、実施例2と同一に基板を製造した。前記ラインスペーサの線幅と高さおよび開口率は実施例2と同一にした。
図22のパターンではラインスペーサ20個あたり約140個のブリッジが存在したし、ブリッジ間の間隔は約700μm程度であって同一であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0214】
実施例4.
スペーサパターンの設計
図8のようなスペーサのネットパターンは次の方式で設計した。まず、
図15のような形態のスペーサのネットパターンを形成した。
図15のパターンの形態は、一定の間隔で配置された直線パターンがクロスされて形成されるパターンであって、各単一閉図形である四角形が一辺の長さが約350μm水準である正四角形であるパターンである。引き続き、前記閉図形である正四角形の各辺を約50R程度の曲率を有する曲線に変更した。曲率付与時に前記正四角形の対向する2個の辺は同じ方向に曲がるようにしたし、その結果、一つの閉図形の一つの頂点は他の閉図形の頂点と接する部分で曲線の形態を有し、残りの3個の頂点は他の閉図形の頂点と接する部分で曲線の形態が形成されなかった。設計結果スペーサパターンの開口率は約8%程度であった。最終的に形成された閉図形の各頂点の距離は、前記正四角形の辺と同じ値であった。
【0215】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0216】
実施例5.
スペーサパターンの設計
実施例1と同じ方式で非線形ラインスペーサを含むスペーサパターンを設計し、前記設計された非線形ラインスペーサを含むパターンを約90度の角度でクロスさせて
図7と同じネット形態のパターンを形成した。前記方式で形成した時のネット形態に存在する閉図形の数は約10,000個であり、この中で100個の閉図形を選択してその面積を計算した時に面積の平均値は約0.195mm
2程度であり、標準偏差は約0.031程度であった。前記で100個の閉図形は横に10個の閉図形が存在し、縦の10個の閉図形が存在する四角形態となるように選択した(
図14参照)。また、形成された閉図形を
図14のような方式でナンバリングし、1、2、3、11、12、13、21、22および23の閉図形、4、5、6、14、15、16、25、26および27の閉図形、8、9、10、18、19、20、28、29および30の閉図形を選択する方式ですべて9個の閉図形を選択してその面積で確認した結果平均値は約0.191mm
2程度であり、標準偏差は約0.040程度であった。
【0217】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0218】
実施例6.
スペーサパターンの設計
図9のようなスペーサのネットパターンは次の方式で設計した。まず、
図15のような形態のスペーサのネットパターンを形成した。前記形態は、一定の間隔で配置された直線パターンがクロスされて形成されるパターンであって、各単一閉図形である四角形が一辺の長さが約350μm水準である正四角形であるパターンである。その後、前記単一閉図形である四角形の各頂点を70%の不規則度で移動させてパターンを形成した。前記で70%の不規則度で点を移動させるとは、前記各頂点を連結する直線の長さ(本実施例の場合、前記正四角形の辺の長さ)がPである場合に、前記直線長さPを形成する2個の頂点それぞれを円の中心とし、前記長さPの0.5倍である長さ0.5P対比70%の長さ(0.35P)の半径を有する円領域を設定した後に設定された円内の領域の任意の地点に前記点を移動させたということを意味する(
図4参照)。
【0219】
前記方式で形成した時のネット形態に存在する閉図形の数は約10000個であり、この中で100個の閉図形を選択してその面積を計算した時に面積の平均値は約0.192mm
2であり、標準偏差は約0.14程度であった。前記で100個の閉図形は横に10個の閉図形が存在し、縦の10個の閉図形が存在する四角形態となるように選択した(
図14参照)。形成された閉図形を
図14に示された方式でナンバリングし、1、2、3、11、12、13、21、22および23の閉図形、4、5、6、14、15、16、25、26および27の閉図形、8、9、10、18、19、20、28、29および30の閉図形を選択する方式ですべて9個の閉図形を選択してその面積で確認した結果平均値は約0.190mm
2程度であり、標準偏差は約0.171程度であった。前記パターンで最終形成された各閉図形の辺の長さの平均値は約350μm程度であった。
【0220】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0221】
比較例3
実施例4でスペーサパターンを形成するために適用した
図15の形態のネット形態のスペーサパターンを適用したことを除いては、実施例4と同一に基板を形成した。前記パターンで単一閉図形である正四角形が一辺の長さは実施例4の場合と同じである。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0222】
実施例7
スペーサパターンの設計
図10のようなスペーサのネットパターンは次の方式で設計した。まず、
図18と同じ形態のハニカムスペーサのネットパターンを形成した。前記
図18の形態は、正六角形の閉図形が規則的に配置された、いわゆるハニカムパターンであり、各単一閉図形である六角形が一辺の長さが約350μm水準である正四角形であるパターンである。
【0223】
引き続き、
図19に示した通り、前記六角形の頂点を移動させ(
図19の点線矢印で例示された移動)、同時に前記六角形の辺を曲線化した(
図19の実線矢印で例示された曲線化)。前記頂点の移動は70%の不規則度で遂行した。前記で70%の不規則度で点を移動させるとは、前記各頂点を連結する直線の長さ(本実施例の場合、前記六角形の辺の長さ)がPである場合に、前記直線長さPを形成する2個の頂点それぞれを円の中心とし、前記長さPの0.5倍である長さ0.5P対比70%の長さ(0.35P)の半径を有する円領域を設定した後に設定された円内の領域の任意の地点に前記点を移動させたということを意味する(
図4参照)。
【0224】
前記六角形の辺の曲線化は、約80%程度の不規則度で曲率を付与して遂行した。すなわち、0R~100Rの範囲内で曲率を付与できるようにまずセッティングし、さらに前記範囲内で曲率の下限を0Rとし、曲率の上限を80Rとして、0R~80Rの範囲内で任意にいずれか一つの値の曲率を有するように前記六角形の各辺を曲線化した。曲率付与時に六角形の各辺の曲がる方向は任意に選択されるように設定した。
【0225】
前記方式で形成した時のネット形態に存在する閉図形の数は約10000個であり、この中で100個の閉図形を選択してその面積を計算した時に面積の平均値は約0.306mm
2程度であり、標準偏差は約0.0899程度であった。前記で100個の閉図形は横に10個の閉図形が存在し、縦の10個の閉図形が存在する四角形態となるように選択した(
図14参照)。形成された閉図形を
図14のような方式でナンバリングし、1、2、3、11、12、13、21、22および23の閉図形、4、5、6、14、15、16、25、26および27の閉図形、8、9、10、18、19、20、28、29および30の閉図形を選択する方式ですべて9個の閉図形を選択してその面積で確認した結果平均値は約0.314mm
2程度であり、標準偏差は約0.093程度であった。
【0226】
基板などの製造
フォトマスクとして前記設計されたスペーサパターンと同じ形態の開口部が形成されたマスクを使ったことを除いては、実施例1と同一にスペーサパターンを形成した。形成されたスペーサパターンは設計されたものと同一の形態を有し、その線幅は約15μm程度であり、高さは約6μm程度であった。また、開口率(基板の全体面積対比スペーサパターンの占有面積の百分率)は約8%程度であった。製造された基板を使って実施例1と同じ方式で光学デバイスを製造した。製造された光学デバイスでは前記2個の基板間の間隔が安定的に維持され、前記基板間隔の不均一などによる外観不良が観察されなかった。
【0227】
実施例と比較例の回折パターンに対する分析結果を下記の表1に整理して記載した。
【表1】
【0228】
図24~
図30はそれぞれ実施例1~7に対するイメージであり、
図31~
図33はそれぞれ比較例1~3に対するイメージである。それぞれの図面で左側イメージは白黒変換前のイメージであり、右側イメージは白黒変換後のイメージである。
【国際調査報告】