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特表2024-542837レンズ用のマウント、アセンブリ、リソグラフィシステム、および方法
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  • 特表-レンズ用のマウント、アセンブリ、リソグラフィシステム、および方法 図1
  • 特表-レンズ用のマウント、アセンブリ、リソグラフィシステム、および方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-15
(54)【発明の名称】レンズ用のマウント、アセンブリ、リソグラフィシステム、および方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20241108BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534022
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2022084493
(87)【国際公開番号】W WO2023104754
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021214140.4
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ラオ ラダクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】グロリアン ロビン
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA06
2H197AA12
2H197BA09
2H197CA06
2H197CA08
2H197FA03
2H197FA04
2H197FB03
(57)【要約】
本発明は、レンズ(114)用のマウント(126)であって、保持要素(316)を有するリング要素(300)であって、保持要素(316)がリング要素(300)に一体的に接続され、それによって保持要素が円周方向(U)に相互に離間し、保持要素がレンズ(114)を保持するように設計される、リング要素(300)と、迷光(214)をブロックするための絞り(226)であって、リング要素(300)と一体である絞り(226)とを備えるマウント(126)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ素子(114)用のマウント(126)であって、
保持要素(316)を有するリング要素(300)であって、前記保持要素(316)が、
前記リング要素(300)に一体的に接続され、
円周方向(U)に互いに離間され、
前記レンズ素子(114)を保持するように構成される、
リング要素(300)と、
迷光(214)を絞るためのストップ(226)であって、
前記リング要素(300)と一体的に形成され、
ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、前記保持要素(316)から機械的に分離される、
ストップ(226)と
を備えるマウント(126)。
【請求項2】
前記機械的分離が、前記ストップ(226)またはその前記ストップ要素(700、702、704)と前記保持要素(316)との間の直接的な機械的接続がないことによって引き起こされる、請求項1に記載のマウント。
【請求項3】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、ギャップ(410)を用いてそれぞれの保持要素(316)から離間される、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項4】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、前記円周方向(U)で少なくとも部分的に、前記保持要素(316)の間に配置される、請求項1~3のいずれかに記載のマウント。
【請求項5】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、少なくとも部分的に(412)、前記保持要素(316)よりも半径方向にさらに内側に配置される、請求項1~4のいずれかに記載のマウント。
【請求項6】
前記ストップ(226)が複数のストップ要素(700、702)から構成され、それぞれのストップ要素(700、702)が、少なくとも第1および第2の区間(402、404)を備え、前記第1の区間(402)が、前記リング要素(300)に一体的に固定され、前記第2の区間(404)が、前記円周方向(U)に前記保持要素(316)のうちの1つに隣接して配置される、請求項1~5のいずれかに記載のマウント。
【請求項7】
前記それぞれのストップ要素(700、702)が、前記保持要素(316)に半径方向内側に隣接して配置される第3の区間(412)を備える、請求項6に記載のマウント。
【請求項8】
それぞれの保持要素(316)が2つのストップ要素(700、702)の間に配置され、前記2つのストップ要素(700、702)が、その半径方向の内側の端部(414)でそれぞれの保持要素(316)の周りに延びる、請求項7に記載のマウント。
【請求項9】
前記ストップ(226)または前記それぞれのストップ要素(700、702、704)が有効面(718)を備え、前記有効面(718)が、前記ストップ(226)または前記それぞれのストップ要素(700、702、704)を軸方向(A)に前記保持要素(316)から離れるように曲げるために、曲げ工具用の接続点を形成する、請求項1~8のいずれかに記載のマウント。
【請求項10】
前記それぞれの保持要素(316)が、前記レンズ素子(114)が載るためのルーフエッジ(318)を備え、前記ルーフエッジ(318)と、前記ストップ(226)またはそれぞれの隣接するストップ要素(700、702、704)のルーフエッジ側の面(420)との間の軸距離(B422)が、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、かつ/または0.1mm超であり、かつ/あるいはそれぞれの保持要素(316)と、前記ストップ(226)またはそれぞれのストップ要素(700、702)との間のギャップ(410)が、1.5mm未満、好ましくは0.9mm未満、かつ/または0.5mm超の幅(B410)を有する、請求項1~9のいずれかに記載のマウント。
【請求項11】
前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)が、前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)のそれぞれの曲げ領域(724)、ならびに/あるいは前記リング要素(300)に配置された1つまたは複数のスルー開口(720、722、726)を備える、請求項1~10のいずれかに記載のマウント。
【請求項12】
レンズ素子(114)と、請求項1~11のいずれかに記載のマウント(126)とを備えるアセンブリ(104)、具体的には投影レンズであって、前記保持要素(316)が前記レンズ素子(114)を保持する、アセンブリ(104)。
【請求項13】
請求項12に記載のアセンブリ(104)を備えるリソグラフィ装置(100)、具体的にはDUVリソグラフィ装置であって、具体的には、別のレンズ素子(116)が設けられ、前記ストップ(226)が前記レンズ素子(114、116)の間に配置され、軸方向(A)の前記レンズ素子(114、116)の間の最小距離(d)が、前記2つのレンズ素子(114、116)の小さい方の直径(D114)の1%未満である、リソグラフィ装置(100)。
【請求項14】
請求項1~11のいずれかに記載のマウント(126)を製造する方法であって、
前記マウント(126)を得るために一体の生材料ブロックのサブトラクティブ機械処理
のステップを含む方法。
【請求項15】
前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)が、軸方向(A)に前記保持要素(316)から離れるように曲げられる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ装置内のレンズ素子用のマウント、アセンブリ、リソグラフィ装置、および前記マウントを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
優先権出願DE 10 2021 214 140.4の内容が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
マイクロリソグラフィは、微細構造構成要素、たとえば集積回路を製造するために使用される。マイクロリソグラフィプロセスは、照射系および投影系(「投影レンズ」とも呼ばれる)を備えるリソグラフィ装置を使用して実施される。照射系によって照射されたマスク(レチクル)の像が、ここでは投影系によって基板、たとえばシリコンウェハ上に投影され、基板は、感光層(フォトレジスト)で被覆され、基板の感光被覆にマスク構造を転写するために投影系の像平面内に配置される。
【0004】
作業光が所望のビーム経路から出る場合、リソグラフィ装置内の迷光が生じる。これは、たとえば作業光がレンズ素子の光学的に有効な表面上に入射し、そこで望ましくない方向に反射する場合に生じる。さらに、たとえば、作業光がレンズ素子の平面表面(plane surface)または面取り面(plane chamfer)上に入射し、そこで望ましくない方向に向けられる状況が生じる。一般的規則として、作業光がそのような平面表面または面取り面に入射することを実際には可能にしないように努力が払われることは確かである。これは、原理上はリソグラフィ装置内の照射設定を用いて制御され得る。しかしながら、照射設定がエンドカスタマ、すなわちチップ製造業者によって変更されることを経験は示している。これは、たとえば、リソグラフィ装置を用いて製造されるチップ上の構造を改善するために行われる。そのような照射設定は、リソグラフィ装置または投影レンズの製造業者にとって常に予見できるものではない。
【0005】
迷光の発生は様々な点で問題となる。まず、これは結像に直接的に悪影響を及ぼし得る。これは、迷光自体が反射して再びビーム経路内に戻り、露光すべき基板に達する場合に生じる。さらに、迷光により、リソグラフィ装置内の光学素子の望ましくない加熱、具体的には局所的な加熱が生じ得る。熱によって引き起こされる、対応するひずみが結像を損なうことがある。さらに、迷光は、リソグラフィ装置のハウジング内の光学素子または他の部品に対して有害な効果を有し得る。具体的には、迷光によって接着剤の分解が生じ得る。
【0006】
したがって、リソグラフィ装置で迷光ストップを使用することが長い間知られてきた。これが、たとえば文書DE 2015 207 159 A1で説明さている。したがって前記文書は、レンズ素子材料内に導入される回折格子の形の微細構造化について述べている。さらに、画定された表面粗さが、側壁表面での反射を回避するために使用される。さらに、この文書は、反射コーティングを設ける可能性について述べている。後者は、反射する光を、光を吸収し得るノンクリティカル領域内に向ける。
【発明の概要】
【0007】
この背景に対して、本発明の目的は、レンズ素子用の改良型のマウントを提供することである。
【0008】
したがって、第1の態様によれば、リソグラフィ装置内のレンズ素子用のマウントが提供される。マウントは、
保持要素を有するリング要素であって、保持要素が、
リング要素に一体的に接続され、
円周方向に互いに離間され、
レンズ素子を保持するように構成される、リング要素と、
迷光を絞るためのストップであって、リング要素と一体的に形成されるストップと
を備える。
【0009】
有利には、リング要素と一体的に形成されたストップまたは迷光ストップが、コンパクトな設計をもたらす。さらに、そのようなストップは、単純な方式で製造され得る。さらに、熱的な利点がもたらされる。これは、一体的接続を介してストップからリング要素内に熱が適切に伝達され得るからである。
【0010】
リング要素は、具体的には環状であり、または卵形リングの形状である。好ましくは、リング要素は閉じた形で実施され、開口を備える。好ましくは、リング要素は内部円周および外部円周を備える。内部円周は開口に面する。外部円周では、リング要素は、たとえばねじ穴などの接続手段を有し得る。接続手段を用いて、マウントはリソグラフィ装置、具体的にはその投影レンズで固定可能である。保持要素は、リング要素の内部円周から内側に突出し得る。好ましくは、保持要素はそれぞれ、リング要素に面する端部と、リング要素から離れる方を向く端部とを有する。好ましくは、リング要素に面するそれぞれの保持要素のその端部は、リング要素と一体的に形成される。好ましくは、保持要素は、円周方向に互いに一様に離間されて配置される。実施形態では、保持要素はそれぞれ、レンズ素子が載る少なくとも1つの縁部(「ルーフエッジ」とも呼ばれる)を備える。好ましくは、レンズ素子は、ルーフエッジの両側の、ルーフエッジに隣接する領域内のそれぞれの保持要素に接着接合される。
【0011】
このケースでは、「一体的に」とは、リング要素が、その保持要素、さらにはストップと共に、1つの部片から、1つの同一の材料から製造されることを意味すると理解されたい。製造は、たとえば鋳造、押出しなどによる、1次形成ステップで行われる。好ましくは、その保持要素、さらにはストップを含むリング要素は、金属、具体的には鋼または何らかの他の合金から製造される。具体的には、たとえばインバーなどのニッケル鉄合金が、材料として適している。
【0012】
好ましくは、後でさらにより詳細に説明されるストップまたはそのストップ要素は、一平面内に延びる。好ましくは、この平面は、リング要素によって囲まれる開口の平面内にあり、またはその平面に対して平行である。好ましくは、ストップまたはそのストップ要素は、リング要素によって画定される開口の少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10%を覆う。
【0013】
「迷光」とは、光学系(たとえば、レンズ素子がその中に設置されるアセンブリまたはリソグラフィ装置)内の所望のビーム経路の外で移動する光を意味すると理解されたい。所望のビーム経路内で移動するその光は、使用される光または作業光と呼ばれる。
【0014】
ストップは複数のストップ要素を備え得る。好ましくは、ストップまたはそのストップ要素は、少なくとも合計で、リング要素の内部円周の30%超、好ましくは50%超、さらに好ましくは70%超、またはリング要素の内部円周に完全に沿って延びる。
【0015】
このケースでは、「レンズ素子」は、その2つの表面の少なくとも一方が湾曲する、透明な、具体的には円盤形の素子を意味する。通過する光は、(収斂レンズ素子のケースでは)光ビームの中心に向かって偏向し、(発散レンズ素子のケースでは)外向きに拡散する。
【0016】
好ましくは、その保持要素およびストップを有するリング要素は、材料ブランクからミリングされ、さらに、こうした部品のうちの1つまたは複数の曲げによって製造されてもよい。
【0017】
マウントは、具体的にはリソグラフィの分野では、具体的には光学系内への組込みのために適切に設計される。それに対応して、ストップは光学系内の迷光を絞る。光学系の例は、投影レンズ、またはレンズ素子を備える、もしくはリソグラフィ装置内の他のアセンブリである。
【0018】
一実施形態によれば、ストップまたはそのストップ要素は、保持要素から機械的に分離される。
【0019】
好ましくは、機械的分離は、ストップまたはそのストップ要素と保持要素との間の直接的な機械的接続がないことによって引き起こされる。ストップまたはそのストップ要素と、保持要素とは、リング要素のみによって互いに接続される。
【0020】
別の実施形態によれば、ストップまたはそのストップ要素は、ギャップを用いてそれぞれの保持要素から離間される。
【0021】
対応するギャップはまた、隣接するストップ要素の間で、かつ/あるいはストップ要素および保持要素をそれぞれ備える1つの対、複数の対、またはすべての対の間で設けられ得る。ギャップを用いて、保持要素からのストップまたはストップ要素の機械的分離が、単純な方式で達成される。ギャップまたは複数のギャップは、たとえば侵食によって単純な方式で生成され得る。保持要素とストップまたはそのストップ要素との間の熱応力および/または振動の伝達に関して、機械的分離は特に有利である。
【0022】
別の実施形態によれば、ストップまたはそのストップ要素は、円周方向で少なくとも部分的に、保持要素の間に配置される。
【0023】
したがって、ストップまたはストップ要素は、保持要素間のすき間で迷光を絞る。
【0024】
別の実施形態によれば、ストップまたはそのストップ要素は、少なくとも部分的に、保持要素よりも半径方向にさらに内側に配置される。
【0025】
その結果、ストップまたはストップ要素の絞り効果がさらに改善され得る。このケースでは、「半径方向」は、リング要素によって囲まれる開口の仮想中心点に関係する。
【0026】
別の実施形態によれば、ストップは複数のストップ要素から構成され、それぞれのストップ要素は、少なくとも第1および第2の区間を備え、第1の区間は、リング要素に一体的に固定され、第2の区間は、円周方向に保持要素のうちの1つに隣接して配置される。
【0027】
別の実施形態によれば、それぞれのストップ要素は、保持要素に半径方向に隣接して配置される第3の区間を備える。
【0028】
好ましくは、それぞれのストップ要素が、それぞれの保持要素を越えて投影し、それぞれの保持要素の自由端の前方で直接的に領域内の迷光を絞る。
【0029】
別の実施形態によれば、それぞれの保持要素が2つのストップ要素の間に配置され、2つのストップ要素は、その半径方向の内側の端部でそれぞれの保持要素の周りに延びる。
【0030】
対応するアセンブリは製造が容易である。さらに、それぞれの保持要素の周りに延びる2つのストップ要素は、対称的に実施され得る。ここでは対称軸は放射状線である。そのような対称性は熱変形に関して有利である。
【0031】
別の実施形態によれば、ストップまたはそれぞれのストップ要素は有効面を備え、有効面は、ストップまたはそれぞれのストップ要素を軸方向に保持要素から離れるように曲げるために、曲げ工具用の接続点を形成する。
【0032】
ストップもしくはそれぞれのストップ要素および/または保持要素を曲げることにより、マウントを特に簡単に製造することが可能である。実施形態では、これは、専用の有効面なしでも可能である。具体的には、曲げにより、それぞれ反対側に位置する、ストップまたはそれぞれのストップ要素とレンズ素子表面との間の軸ギャップを生み出すことが可能となる。このケースでは、「軸」は、リング要素によって囲まれる開口を含む平面に垂直な方向を意味する。
【0033】
別の実施形態によれば、それぞれの保持要素は、レンズ素子がその上に載るためのルーフエッジを備え、ルーフエッジと、ストップまたはそれぞれの隣接するストップ要素のルーフエッジ側の面との間の軸距離が、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、かつ/または0.1mm超である。
【0034】
その結果、有利には、迷光がビーム経路から抜け出し得る領域が限定される。同時に、後の時点でさらに詳細に説明されるように、距離は、具体的には、ストップまたはストップ要素からのレンズ素子の熱および他の機械的分離を保証し、パージガスの流れを改善する。
【0035】
別の実施形態によれば、それぞれの保持要素と、ストップまたはそれぞれのストップ要素との間のギャップは、1.5mm未満、好ましくは0.9mm未満、かつ/または0.5mm超の幅を有する。
【0036】
この寸法も、ビーム経路から抜け出し得る迷光の量を削減し、機械的分離、およびパージガスを用いるパージングを改善する。
【0037】
別の実施形態によれば、ストップまたはストップ要素は、ストップまたはストップ要素のそれぞれの曲げ領域、ならびに/あるいはリング要素に配置された1つまたは複数のスルー開口を備える。
【0038】
材料は、スルー開口によって局所的に弱められ、したがって画定された曲げがこうした領域内で可能となる。さらに、そのようなスルー開口は、具体的には熱流がリング要素内に誘導され、保持要素から離れるという意味で、リング要素への熱流を画定し得る。さらに、そのようなスルー開口はガスフローを改善し得る。具体的には、結果として、パージガス、具体的にはリソグラフィ装置または投影レンズの内部に位置する窒素がより良好に流れ去り得る。スルー開口は、具体的には切込み、すなわち細長い切欠きであり得る。曲げ領域内のスルー開口に加えて、またはその代替として、リング要素内の1つまたは複数のスルー開口が設けられ得る。リング要素内のスルー開口は、同様に、パージガスを伴う通過流を改善し得る。リング要素内のスルー開口は、たとえば3mm超、好ましくは6mm超の直径を有し得る。例として、2、4、8、または12以上のそのようなスルー開口、具体的には穿孔が設けられ得る。
【0039】
第2の態様によれば、前述のように、レンズ素子およびマウントを備えるアセンブリ、具体的には投影レンズが設けられる。保持要素はレンズ素子を保持する。
【0040】
具体的には、ストップまたはストップ要素は、レンズ素子または(同様にアセンブリの部分である)別のレンズ素子の1つまたは複数の平面表面および/または面取り面をマスクするように配置され得る。その結果、迷光は、こうした平面表面または面取り面に到達せず、こうした平面表面または面取り面で反射することができず、したがって、リソグラフィ装置または投影レンズのハウジング内の迷光のさらなる伝播が回避される。
【0041】
第3の態様によれば、前述のアセンブリを備えるリソグラフィ装置、具体的にはDUVリソグラフィ装置が提供される。
【0042】
DUVは「深紫外線」を表し、30nm~250nmの間の作業光の波長を指す。
【0043】
具体的には、リソグラフィ装置は別のレンズ素子を備え、マウントのストップがレンズ素子の間に配置され、軸方向のレンズ素子の間の最小距離が、2つのレンズ素子の小さい方の直径の1%以下未満である。
【0044】
軸方向は、ここではマウントまたはマウントの通過開口の中心軸に関係する。
【0045】
第4の態様によれば、前述のマウントを製造する方法が提供される。方法は、具体的には以下のステップを含む。
マウントを得るための、一体の材料ブロックのサブトラクティブ機械処理。
【0046】
サブトラクティブ機械処理は、具体的にはミリングおよび/または侵食を含む。
【0047】
方法の一実施形態によれば、ストップまたはストップ要素が、保持要素から軸方向に離れるように曲げられる。
【0048】
その結果、ストップまたはストップ要素が単純な方式で製造され得る。
【0049】
第1の態様実施形態および特徴は、同様に、このケースで説明される別の態様にも当てはまり、逆も同様である。
【0050】
本発明の別の可能な実施はまた、例示的実施形態に関連して上記または以下で説明される特徴または実施形態の明示的に述べていない組合せをも包含する。このケースでは、当業者はまた、本発明のそれぞれの基本形に対する改良または補色として個々の態様を追加することになる。
【0051】
本発明の別の有利な構成および態様は、従属請求項、さらには以下で説明される本発明の例示的実施形態の主題である。好ましい実施形態に基づいて、添付の図を参照しながら、本発明が以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】DUVリソグラフィ装置の一実施形態の概略図である。
図2図1の部分断面IIを示す図である。
図3図2のマウントの斜視図である。
図4図3のそれぞれの断面IV-IVの斜視図である。
図5図4の視野Vを示す図である。
図6図4の視野VIを示す図である。
図7】別の例示的実施形態による、図4の視野を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
別段に示されていない限り、各図では、同一または機能的に同一の要素に同一の参照符号が与えられている。さらに、図の挿絵は必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。
【0054】
図1は、ビーム整形および照射系102および投影系104(このケースでは、「投影レンズ」とも呼ばれる)を備えるDUVリソグラフィ装置100を概略的に示す。好ましくは、ビーム整形および照射系102および投影系104はそれぞれ、真空ハウジング(図示せず)内に配置される。各真空ハウジングは排気デバイス(図示せず)を用いて排気される。真空ハウジングが機械室(図示せず)によって取り囲まれ、光学素子を機械的に移動し、または設定するための駆動デバイスが、機械室内に設けられ得る。さらに、電気コントローラなども機械室内に配置され得る。
【0055】
DUVリソグラフィ装置100は光源106を備える。たとえば、たとえば193nmの放射108を放射するArFエキシマレーザが、光源106として設けられ得る。ビーム整形および照射系102では、放射108が集束し、所望の動作波長(作業光)が放射108から選別される。ビーム整形および照射系102は光学素子(図示せず)、たとえば鏡またはレンズ素子を有し得る。ビーム整形および照射系102を通過した後、放射108がフォトマスク(レチクル)110上に誘導される。フォトマスク110は、透過型光学素子として構成され、システム102、104の外部に配置され得る。フォトマスク110は、投影系104によって縮小された形でウェハ112上に結像される(imaged)構造を有する。
【0056】
投影系104は、複数のレンズ素子114、116、118、および/または鏡120、122を備える。ここで示されるレンズ素子および鏡の数が純粋に例示的なものであり、図示される数に制限されないことに留意されたい。
【0057】
最後のレンズ素子(図示せず)とウェハ112との間のエアギャップは、1よりも大きい屈折率を有する液体媒体124によって置換され得る。液体媒体124は、たとえば高純度水であり得る。そのようなセットアップは液浸リソグラフィとも呼ばれ、向上したフォトリソグラフィック分解能を有する。媒体124は侵液とも呼ばれる。
【0058】
好ましくは、パージガス、具体的には窒素がシステム102、104(図1には図示せず)を通じて流れる。パージガスは、具体的には、超微粒子、具体的には摩耗した材料を、光学素子、すなわち具体的にはレンズ素子および鏡に近づけないという任務を有する。しかしながら、別の実施形態では、そのようなパージガスは不要であり得る。
【0059】
さらに、図1は、直に連続して配置されたレンズ素子114、116が投影系104内のマウント126、128によってそれぞれ保持されることを示す。このケースでは、投影系104またはその部分は、「アセンブリ」とも呼ばれる。
【0060】
図2は、レンズ素子114、116を、割り当てられたマウント126、128と共に示す、図1の縦方向断面IIの詳細を示す。図2は、マウント126またはその開口302(図3参照)の中心軸200をさらに示す。この軸は、投影系または投影レンズ104の縦方向中心軸と一致し得る。マウント126、128は、(中心軸200に沿った)軸方向Aに互いにフランジが付けられ得、ハウジング206またはその部分を形成し、ハウジングは、中心軸200に対して円周方向U(図3参照)に閉じられる。このケースでは、図2の例として参照符号202で示される、他のハウジング部分も、マウント126、128に接続され得る。
【0061】
さらに、図2は、純粋に例として示される迷光ストップ204を示し、迷光ストップ204は、ハウジング206の容積208内に配置される。迷光ストップ204は、迷光210が容積208内で伝播することを防止する任務を有する。迷光210は、所望のビーム経路212内で移動しない、放射108の光の一部である。これは、たとえば、レンズ素子114の上流側に配設されたレンズ素子(図示せず)の製造の不正確によって引き起こされ得る、前記不正確により、予見できない光の屈折が生じる。迷光210は、可能な最大の範囲で迷光ストップ204によって吸収される。
【0062】
同様に、レンズ素子114、116の間のすき間216に迷光214が入射する。すき間216の寸法は比較的狭い。これは、軸方向Aのレンズ素子114、116の間の最小距離dが比較的小さいからである。具体的には、距離dがレンズ素子114の直径D114の1%未満であり、これは、たとえば1cm未満の値に対応し得る。具体的には、直径D114(その最大直径)は、レンズ素子116の最大直径D116未満である。このケースでは、レンズ素子114、116は、互いに反対向きの、それぞれの凹面区間218、220と共に位置し得る。凹面区間218、220は、レンズ素子114、116のそれぞれの光学活性領域を備える。
【0063】
凹面区間218、220はそれぞれ、中心軸200に対して円周方向に縁部領域222、224によって境界を画される。縁部領域222では、後の時点でさらに詳細に説明されるように、レンズ素子114はマウント126上に載る。レンズ素子116の縁部領域224は平面表面を形成する。マウント126は、ストップ226(「迷光ストップ」とも呼ばれる)を備え、ストップ226は、ビーム経路212からの迷光214が平面表面224に入射することができることを防止し、平面表面224から、迷光214は容積208内にさらに反射し、そこで不都合な効果をもたらし得る。不都合な効果は、たとえば熱膨張、光の作用による接着剤の劣化などを含む。
【0064】
ストップ226を備えるマウント126に関する第1の例示的実施形態が、図3~6を参照しながら以下でより詳細に説明される。図3は、マウント126の斜視図を示し、図4は、図3の断面IV-IVを示し、図5図4の平面図Vを示し、図6図4の視野VIを示す。
【0065】
マウント126はリング要素300を備える。リング要素300は開口302を囲む。図2に示される放射108のビーム経路212が開口302を通る。リング要素300は、中心軸200に関して円周方向に閉じられるように実施される。円周方向は、図3ではUで示される。
【0066】
リング要素300は、たとえば第1の区間304および第2の区間306から構成され得る。第1の区間304は、(中心軸200に対して)半径方向Rに関して外側区間としても示され得、第2の区間306は内側区間としても示され得る。外側区間304は、たとえば、そのフランジ310で複数の穿孔308を備え得る。穿孔308により、ハウジング206を形成するために、マウント126、128および別のハウジング部分202が互いに固定され、または互いにフランジが付けられる。
【0067】
内側区間306は、たとえばたわみなどの機械的分離要素312によって外側区間304に固定される。さらに、内側区間306および外側区間304は、ギャップ314によって互いに分離される。リング要素300の前述の構成は、純粋に例によるものであり、投影レンズ104およびリソグラフィ装置100に応じて変動し得る。
【0068】
リング要素300上で、保持要素316が(縦方向中心軸300に対して)内側に設けられる。保持要素316は、リング要素300、具体的にはその内側区間306と一体的に形成される。さらに、保持要素316は、互いに離間して、具体的には円周方向Uに互いに一様に離間して設けられる。保持要素316はレンズ素子114を保持し、レンズ素子114は、その縁部領域222(図2参照)によって、それぞれの保持要素316のいわゆるルーフエッジ318(図2参照)上に載る。ルーフエッジ318の両端の領域400(図2および4参照)では、保持要素318が、レンズ素子114の縁部領域222に接着接合される。
【0069】
ストップ226は、図3~6の例示的実施形態では一体的ストップとして実施される。すなわち、このストップは、1つの部片で、中心軸200の周りを円周方向Uに閉じた形で延びる。第2の例示的実施形態が図7に関連して説明され、その例示的実施形態では、ストップ126は、複数のストップ要素700、702、704から構成される。
【0070】
図4に戻ると、図4は、ストップ226がリング要素300またはその内側区間306と一体的に形成されることを示す。好ましくは、リング要素300またはその内側区間306は、保持要素316およびストップ226と共に、一様な材料のブランクから製造されることによって一体的に製造される。ブランクは、たとえば鋳造などの1次形成方法で製造される。具体的には、金属がブランク用の材料、したがってリング要素300、保持要素316、およびストップ226用の材料として適している。好ましくは、ブランクのための製造方法または処理方法は、図3~6に示されるマウント126を製造するために、ミリングや侵食などのサブトラクティブ処理方法、および1次形成方法、具体的には曲げを含む。
【0071】
例示的実施形態によれば、ストップ226は、図4から明らかなように、軸区間402および半径方向区間404を備え、「軸」および「半径方向」は中心軸200に関係する。同様に、保持要素316は、図2および4からわかるように、軸区間406および半径方向区間408を備える。半径方向区間408は、その上面でルーフエッジ318を支え、それを図4で確認することができる。軸区間402、406はそれぞれ、その一端416、418で、そのリング要素300または内側区間306と一体的に隣接する。半径方向区間404、408は、それぞれの軸区間402および406と角度α(図4参照)およびβ(図2参照)で隣接し得る。角度αおよびβはそれぞれ、以下でさらに詳細に説明されるように、たとえば90°を含み、または互いにわずかに異なり得る。軸区間402および半径方向区間404(後者は部分的のみ)はそれぞれ、円周方向Uに保持要素316の間に配置される。
【0072】
それぞれの保持要素316は、ストップ226からギャップ410(図5参照)だけ分離され得る。このケースでは、ギャップ410は、図5の平面図で、リング要素300またはその内側区間306から保持要素316の周りにU型に延び、したがって保持要素316はストップ226から完全に離間する。その結果、保持要素316およびストップ226は互いに機械的に分離される。これは、機械的な観点と熱的な観点の両方からのものである。具体的には、結果として、これらの部品の間のいわゆる漏話が防止される。
【0073】
具体的には、軸区間402、406と、半径方向区間404、408とが、互いにギャップ410だけ離間する。円周方向Uと半径方向R(図5参照)の両方で、ギャップ410の幅B410が、選好では1.5mm未満であり、好ましくは0.9mm未満であり、さらに好ましくは0.5mm未満である。具体的には、半径方向区間404は、保持要素316またはその半径方向区間408の前方に半径方向に延びる部分区間412(このケースでは「第3の区間」とも呼ばれる)を備える。別の言い方をすれば、部分区間412は、具体的には中心軸200に対して半径方向内側に見て、半径方向区間408の自由端414の直に反対側に位置する。
【0074】
図6に関して、図4とは対照的に、レンズ素子114がそこに示されていることを指摘しておく。図6の視野は、半径方向Rから見た視界方向(図4の矢印VIの方向の視野)に対応する。縁部領域222(レンズ素子114の下面)と、ストップ226の半径方向区間404の上面420(図4および6参照)との間に軸ギャップ422があることをここで識別することができる。ギャップ422の幅B422が、選好では1mm未満であり、好ましくは0.6mm未満であり、かつ0.1mm超である。好ましくは、幅B422(同じことがそれに対応してギャップ410の幅B410に当てはまる)は最小ギャップ寸法を表す。これは、たとえば、ギャップ422を参照して、表面420(図4参照)に沿ってどこでギャップ422(図6参照)が測定されるかに応じて、このギャップについて異なるギャップ寸法B422が得られることを意味する。しかしながら、前述の値の範囲は、表面420に沿った最小の検出可能なギャップ寸法B422に関係する。
【0075】
ギャップ寸法B422は、具体的には保持要素316またはストップ226によって、あるいはそれぞれの半径方向区間408または404が上向きまたは下向き(すなわち、軸方向Aに沿った両方向)に曲げられることによって制御され得る。好ましくは、マウント126の製造の状況で、半径方向区間404が、図4では、角度αが90°未満となるように、曲げ工具を用いて軸方向下向き(すなわち、レンズ素子114から離れる向き)にプレスされる。例として、角度αは、80から90°の間、特に80から88°の間の値を有する。一方、角度β(図2参照)は、たとえば90°である。
【0076】
図7を参照して、第2の例示的実施形態が説明され、第2の例示的実施形態では、前述のように、ストップ226が複数のストップ要素700、702、704を備える。具体的には、2つのストップ要素700、702は、それぞれの部分区間412によって、保持要素316の半径方向区間408の自由端414の周りに延びる。部分区間412は、それらの間にギャップ706を有する。幅B410を有するギャップ410に関して既に与えられた説明は、ギャップ706の幅B706に当てはまる。具体的には、好ましくはギャップ706は侵食によっても製造される。ストップ要素700、702は、ギャップ706を通る半径方向対称軸707に関して対称的に実施され得る。
【0077】
さらに、図7は、ストップ要素704が円周方向Uに2つのストップ要素700、702の間に配置され、それ自体は保持要素316のうちの1つに直に隣接しないことを示す。したがって、この例示的実施形態では、少なくとも3つのストップ要素700、702、704が、それぞれの2つの保持要素316の間に位置する。ストップ要素704と700との間、および700と702との間に、幅B708およびB710をそれぞれ有するそれぞれのギャップ708および710が設けられる。幅B410に関して与えられた説明は、幅B708およびB710関してそれぞれ当てはまる。ストップ要素704は、隣接するストップ要素700および702の区間402および404にそれぞれ平行に延びる軸区間712および半径方向区間714を備える。ストップ要素700、702、704は、開口302(図3参照)の境界を定めるほぼ連続的な縁部716を画定する。
【0078】
さらに、ストップ要素700、702、704はそれぞれ、軸ステップ718を備える。ステップ718は、ストップ要素700、702、704を図7の軸方向Aの下向きに曲げるために、曲げ工具(図示せず)用の接続点を形成する。
【0079】
曲げを容易にするために、好ましくは、円周方向Uに延びる切込み720、722がストップ要素700、702、704の両端に設けられる。切込み720、722の代わりに、他の形態の材料弱体化も設けられ得、または他の開口、通路、または切欠きが、それぞれのストップ要素700、702、704で設けられ得る。それぞれギャップ708、410、および708、710から進む切込み720、722は、円周方向にそれぞれのストップ要素700、702、704内に延びる。好ましくは、切込み720、722は、それぞれのコーナ領域724に設けられる。コーナ領域724では、それぞれの半径方向区間404、714が、それぞれのストップ要素700、702、704のそれぞれの軸区間402、712に隣接する。さらに、投影系104を通るパージガスの通過流が、切込み720、722によって制御され得る。対応するパージガス流が、図2では228によって示されている。パージガス、具体的には窒素は、光学的に有効なレンズ素子領域(参照符号218、220を参照)の領域の外に、粒子、具体的には摩耗した粒子を誘導する働きをする。
【0080】
切込み720、722に加えて、またはその代替として、リング要素300またはその内側区間306は、パージガスを外に誘導するための通路、具体的には穿孔726を備え得る(参照符号228を参照)。好ましくは、これらは、たとえば4から8mmの間の直径D726を有し得る。さらに、パージガス228は、ギャップ410、706、708、710(図7参照)、さらにはレンズ素子114、116の間のギャップ422(図6参照)を介して外に誘導される。
【0081】
上記の態様は、単にDUVリソグラフィ装置100用のマウント126にだけでなく適用され得る。むしろ、オプティクスの分野全体、具体的にはリソグラフィの分野での適用が考えられる。この点で、たとえば、そのようなマウント126は、リソグラフィの分野の測定装置または製造装置でも使用され得る。
【0082】
本発明が、このケースでは好ましい例示的実施形態に基づいて説明されたが、本発明はそれに制限されず、むしろ多種多様な形で修正され得る。
【符号の説明】
【0083】
100 DUVリソグラフィ装置
102 ビーム整形および照射系
104 投影系
106 光源
108 放射
110 フォトマスク
112 ウェハ
114 レンズ素子
116 レンズ素子
118 レンズ素子
120 鏡
122 鏡
124 媒体
126 マウント
128 マウント
200 中心軸
202 ハウジング部分
204 迷光ストップ
206 ハウジング
208 容積
210 迷光
212 ビーム経路
214 迷光
216 すき間
218 凹面区間
220 凹面区間
222 縁部領域
224 縁部領域
226 ストップ
228 パージガス流
300 リング要素
302 開口
304 外側区間
306 内側区間
308 穿孔
310 フランジ
312 たわみ
314 ギャップ
316 保持要素
318 ルーフエッジ
400 領域
402 軸区間
404 半径方向区間
406 軸区間
408 半径方向区間
410 ギャップ
412 部分区間
414 端部
416 端部
418 端部
420 表面
422 ギャップ
700 ストップ要素
702 ストップ要素
704 ストップ要素
706 ギャップ
707 対称軸
708 ギャップ
710 ギャップ
712 軸区間
714 半径方向区間
716 縁部
718 ステップ
720 切込み
722 切込み
724 コーナ領域
726 穿孔
A 軸方向
410 ギャップ幅
422 ギャップ幅
706 ギャップ幅
708 ギャップ幅
710 ギャップ幅
d 軸距離
114 直径
116 直径
726 直径
R 半径方向
U 円周方向
α 角度
β 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ素子(114)用のマウント(126)であって、
保持要素(316)を有するリング要素(300)であって、前記保持要素(316)が、
前記リング要素(300)に一体的に接続され、
円周方向(U)に互いに離間され、
前記レンズ素子(114)を保持するように構成される、
リング要素(300)と、
迷光(214)を絞るためのストップ(226)であって、
前記リング要素(300)と一体的に形成され、
ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、前記保持要素(316)から機械的に分離される、
ストップ(226)と
を備えるマウント(126)。
【請求項2】
前記機械的分離が、前記ストップ(226)またはその前記ストップ要素(700、702、704)と前記保持要素(316)との間の直接的な機械的接続がないことによって引き起こされる、請求項1に記載のマウント。
【請求項3】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、ギャップ(410)を用いてそれぞれの保持要素(316)から離間される、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項4】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、前記円周方向(U)で少なくとも部分的に、前記保持要素(316)の間に配置される、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項5】
前記ストップ(226)またはそのストップ要素(700、702、704)が、少なくとも部分的に(412)、前記保持要素(316)よりも半径方向にさらに内側に配置される、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項6】
前記ストップ(226)が複数のストップ要素(700、702)から構成され、それぞれのストップ要素(700、702)が、少なくとも第1および第2の区間(402、404)を備え、前記第1の区間(402)が、前記リング要素(300)に一体的に固定され、前記第2の区間(404)が、前記円周方向(U)に前記保持要素(316)のうちの1つに隣接して配置される、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項7】
前記それぞれのストップ要素(700、702)が、前記保持要素(316)に半径方向内側に隣接して配置される第3の区間(412)を備える、請求項6に記載のマウント。
【請求項8】
それぞれの保持要素(316)が2つのストップ要素(700、702)の間に配置され、前記2つのストップ要素(700、702)が、その半径方向の内側の端部(414)でそれぞれの保持要素(316)の周りに延びる、請求項7に記載のマウント。
【請求項9】
前記ストップ(226)または前記それぞれのストップ要素(700、702、704)が有効面(718)を備え、前記有効面(718)が、前記ストップ(226)または前記それぞれのストップ要素(700、702、704)を軸方向(A)に前記保持要素(316)から離れるように曲げるために、曲げ工具用の接続点を形成する、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項10】
前記それぞれの保持要素(316)が、前記レンズ素子(114)が載るためのルーフエッジ(318)を備え、前記ルーフエッジ(318)と、前記ストップ(226)またはそれぞれの隣接するストップ要素(700、702、704)のルーフエッジ側の面(420)との間の軸距離(B422)が、1mm未満、好ましくは0.6mm未満、かつ/または0.1mm超であり、かつ/あるいはそれぞれの保持要素(316)と、前記ストップ(226)またはそれぞれのストップ要素(700、702)との間のギャップ(410)が、1.5mm未満、好ましくは0.9mm未満、かつ/または0.5mm超の幅(B410)を有する、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項11】
前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)が、前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)のそれぞれの曲げ領域(724)、ならびに/あるいは前記リング要素(300)に配置された1つまたは複数のスルー開口(720、722、726)を備える、請求項1または2に記載のマウント。
【請求項12】
レンズ素子(114)と、請求項1または2に記載のマウント(126)とを備えるアセンブリ(104)、具体的には投影レンズであって、前記保持要素(316)が前記レンズ素子(114)を保持する、アセンブリ(104)。
【請求項13】
請求項12に記載のアセンブリ(104)を備えるリソグラフィ装置(100)、具体的にはDUVリソグラフィ装置であって、具体的には、別のレンズ素子(116)が設けられ、前記ストップ(226)が前記レンズ素子(114、116)の間に配置され、軸方向(A)の前記レンズ素子(114、116)の間の最小距離(d)が、前記2つのレンズ素子(114、116)の小さい方の直径(D114)の1%未満である、リソグラフィ装置(100)。
【請求項14】
請求項1または2に記載のマウント(126)を製造する方法であって、
前記マウント(126)を得るために一体の生材料ブロックのサブトラクティブ機械処理
のステップを含む方法。
【請求項15】
前記ストップ(226)または前記ストップ要素(700、702、704)が、軸方向(A)に前記保持要素(316)から離れるように曲げられる、請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】