(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】カーボンプラグ形成のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241112BHJP
C23C 16/26 20060101ALI20241112BHJP
C23C 16/505 20060101ALI20241112BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20241112BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/26
C23C16/505
H01L21/302 101B
H01L21/302 105B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525213
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 US2022078501
(87)【国際公開番号】W WO2023081584
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンジョス・リグスビー・ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】シュローダー・トッド
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA09
4K030AA10
4K030AA13
4K030AA16
4K030AA17
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4K030KA41
4K030LA15
5F004AA16
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5F045EK07
5F045GH10
5F045HA03
5F045HA13
(57)【要約】
【解決手段】一実施例は、チャンバと、チャンバ内に配置されている台座電極およびシャワーヘッド電極と、チャンバへの1つ以上のガス入口と、真空ポンプシステムと、台座電極とシャワーヘッド電極との間で無線周波数(RF)プラズマを形成するように構成されているRF電源と、プロセッサおよびメモリを含むコントローラと、を備える作製ツールを提供する。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令であって、水素含有還元剤および炭化水素ガスをチャンバに導入するよう流量制御ハードウェアを操作し、台座電極とシャワーヘッド電極との間にプラズマを形成して、中間炭素除去プロセスのない単一プラズマ堆積サイクルで、チャンバ内の台座上に設置されたワークピースの凹部にカーボンプラグを完全に堆積させるようRF電源を操作するように実行可能な命令を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作製ツールであって、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置されている台座電極およびシャワーヘッド電極と、
前記チャンバへの1つ以上のガス入口および関連する流量制御ハードウェアと、
前記チャンバ内の圧力を低減するように構成されている真空ポンプシステムと、
前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間に無線周波数(RF)プラズマを形成するように構成されているRF電源と、
前記流量制御ハードウェアおよび前記RF電源に動作可能に接続され、プロセッサおよびメモリを含むコントローラと、を備え前記メモリは、
水素含有還元剤を前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアを操作し、
炭化水素ガスを前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアを操作し、
中間炭素除去プロセスのない単一プラズマ堆積サイクルで、前記チャンバの台座上に設置されたワークピースの凹部にカーボンプラグを完全に堆積させるために、前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間にプラズマを形成するように前記RF電源を操作する
ように、前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、作製ツール。
【請求項2】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、5メガヘルツ以上の範囲の1つ以上の周波数でRF電力を提供するように前記RF電源の操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項3】
請求項2に記載の作製ツールであって、
前記命令は、5メガヘルツ未満の周波数を除くRF電力を提供するように前記RF電源の操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項4】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記炭化水素ガスは、アルキンを含む、作製ツール。
【請求項5】
請求項4に記載の作製ツールであって、
前記アルキンは、アセチレンを含む、作製ツール。
【請求項6】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、前記水素含有還元剤および前記炭化水素ガスを、水素が20~35%のモル比で前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項7】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、さらに、アルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を希釈ガスとして前記チャンバにさらに導入するように実行可能である、作製ツール。
【請求項8】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、さらに、5~13Torrの処理ガス圧で前記カーボンプラグを堆積させるように前記流量制御ハードウェアの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項9】
請求項1に記載の作製ツールであって、さらに、
1つ以上のヒータを備え、前記命令は、プラグ形成中に前記台座電極を275~660℃の温度に維持するように前記1つ以上のヒータの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項10】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、前記ワークピースが700~1800秒の範囲の期間にわたって前記プラズマに曝された後に、前記プラズマを消弧するように実行可能である、作製ツール。
【請求項11】
集積回路作製方法であって、
単一プラズマ堆積サイクルでワークピースの凹部にカーボンプラグを形成し、前記単一プラズマ堆積サイクルは、プラズマ処理チャンバにおいて前記ワークピースを炭素堆積プラズマに曝すことによって行われ、前記プラズマは、
水素含有還元剤と、
炭化水素ガスと、
を含むガス混合物から形成される、集積回路作製方法。
【請求項12】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭素堆積プラズマは、無線周波数(RF)プラズマを含み、前記RFプラズマは、5メガヘルツ以上の範囲の1つ以上の周波数を含む、集積回路作製方法。
【請求項13】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭化水素ガスは、アルキンを含む、集積回路作製方法。
【請求項14】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記水素含有還元剤および前記炭化水素ガスは、水素が20~35%のモル比で前記チャンバに導入される、集積回路作製方法。
【請求項15】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記ガス混合物は、さらに、希釈ガスとしてアルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を含む、集積回路作製方法。
【請求項16】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記カーボンプラグは、5~13Torrの処理ガス圧で形成される、集積回路作製方法。
【請求項17】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、さらに、
前記単一プラズマ堆積サイクル後に前記ワークピースを平坦化することにより、前記凹部の外側に堆積した炭素を除去することを備える、集積回路作製方法。
【請求項18】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記凹部は、メモリスタック構造のチャネルを含む、集積回路作製方法。
【請求項19】
メモリスタック構造を作製する集積回路作製方法であって、
堆積チャンバの台座上にワークピースを支持し、前記堆積チャンバは、電極間空間によってシャワーヘッド電極から分離された台座電極を備え、前記ワークピースは、第1のメモリデッキに凹部を含み、
減圧状態の前記堆積チャンバを通じてガス混合物を流し、前記ガス混合物は、水素含有還元剤および炭化水素も含み、
前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間の放電ギャップを通じてRF電流を送って炭素堆積プラズマを形成し、単一堆積サイクルで前記第1のメモリデッキの前記凹部にカーボンプラグを堆積させ、
前記単一堆積サイクルで前記第1の3D NANDの前記凹部に前記カーボンプラグを形成した後に、前記ワークピースを平坦化し、
前記第1のメモリデッキおよび前記カーボンプラグの上に第2のメモリデッキの層を堆積させること、
を備える、集積回路作製方法。
【請求項20】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭化水素は、アルキンを含む、集積回路作製方法。
【請求項21】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記カーボンプラグは、8~10Torrの処理ガス圧で形成される、集積回路作製方法。
【請求項22】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記台座電極は、プラグ形成中に275~660℃の範囲の温度に維持される、集積回路作製方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路は、領域選択的マスキング、エッチング、および堆積のいくつかのサイクルによって、半導体ウエハなどの基板上に作製されてよい。
【発明の概要】
【0002】
本欄は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明される様々な概念を簡潔に紹介するために提供される。本欄は、本願の主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することも、本願の主題の範囲を限定するために用いられることも意図しない。さらに、本願の主題は、本開示のいずれかに記載の一部または全ての不利益を解決する実施形態に限定されない。
【0003】
集積回路作製プロセスにおいて凹部にカーボンプラグを形成するためのシステムおよび方法に関する実施例が開示される。一実施例は、チャンバと、チャンバ内に配置されている台座電極およびシャワーヘッド電極とを備える作製ツールを提供する。作製ツールはさらに、チャンバへの1つ以上のガス入口と、関連する流量制御ハードウェアとを備える。作製ツールはさらに、真空ポンプシステムと、台座電極とシャワーヘッド電極との間で無線周波数(RF)プラズマを形成するように構成されているRF電源とを備える。作製ツールはさらに、プロセッサおよびメモリを含むコントローラを備える。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令であって、チャンバに水素含有還元剤を導入し、チャンバに炭化水素ガスを導入するよう流量制御ハードウェアを操作するように実行可能な命令を備える。命令はさらに、中間カーボン除去プロセスのない単一プラズマ堆積サイクルにおいて、台座電極とシャワーヘッド電極との間にプラズマを発生させて、チャンバの台座上に設置されたワークピースの凹部にカーボンプラグを完全に堆積させるようRF電源を操作するように実行可能である。
【0004】
いくつかのそのような実施例では、命令は、5メガヘルツ以上の範囲の1つ以上の周波数を有するRF電力を供給するようにRF電源の操作を実行可能である。
【0005】
いくつかのそのような実施例では、命令は、5メガヘルツ未満の周波数を除くRF電力を供給するようにRF電源の操作を実行可能である。
【0006】
いくつかのそのような実施例では、炭化水素ガスはアルキンを含む。
【0007】
いくつかのそのような実施例では、アルキンはアセチレンを含む。
【0008】
いくつかのそのような実施例では、命令は、水素含有還元剤が20~35%のモル比で水素および炭化水素ガスをチャンバに導入するように流量制御ハードウェアの操作を実行可能である。
【0009】
いくつかのそのような実施例では、命令はさらに、アルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を希釈ガスとしてチャンバにさらに導入するように実行可能である。
【0010】
いくつかのそのような実施例では、命令はさらに、5~13Torrの処理ガス圧で炭素を堆積させるように流量制御ハードウェアの操作を実行可能である。
【0011】
いくつかのそのような実施例では、作製ツールはさらに1つ以上のヒータを備え、命令はさらに、プラグ形成中に台座電極を275~660℃の範囲の温度に維持するように1つ以上のヒータの操作を実行可能である。
【0012】
いくつかのそのような実施例では、命令はさらに、ワークピースが700~1800秒の範囲の期間にわたってプラズマに曝された後に、プラズマを消弧するように実行可能である。
【0013】
別の実施例は、集積回路の作製プロセスを提供する。作製プロセスは、プラズマ処理チャンバにおいてワークピースを炭素堆積プラズマに曝すことにより、単一プラズマ堆積サイクルでワークピースの凹部にカーボンプラグを形成することを含む。炭素堆積プラズマは、水素含有還元剤および炭化水素ガスを含むガス混合物から形成される。
【0014】
いくつかのそのような実施例では、炭素堆積プラズマは、5メガヘルツ以上の範囲の、実質的に5メガヘルツ未満の周波数を除く、1つ以上の周波数を有する無線周波数(RF)プラズマを含む。
【0015】
いくつかのそのような実施例では、炭化水素ガスはアルキンを含む。
【0016】
いくつかのそのような実施例では、水素含有還元剤および炭化水素ガスは、水素が20~35%のモル比でチャンバに導入される。
【0017】
いくつかのそのような実施例では、ガス混合物はさらに、アルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を含む。
【0018】
いくつかのそのような実施例では、カーボンプラグは、5~13Torrの処理ガス圧で形成される。
【0019】
いくつかのそのような実施例では、この方法はさらに、単一プラズマ堆積サイクル後にワークピースを平坦化することにより、凹部の外側に堆積した炭素を除去することを含む。
【0020】
いくつかのそのような実施例では、凹部はメモリスタック構造のチャネルを画定する。
【0021】
別の実施例は、メモリスタック構造を作製する方法を提供する。この方法は、堆積チャンバの台座上にワークピースを支持することを含む。堆積チャンバは、電極間空間によってシャワーヘッドから分離された台座電極を備える。ワークピースは、第1のメモリデッキに凹部を含む。この方法はさらに、減圧状態のチャンバを通じてガス混合物を流すことを含む。ガス混合物は水素含有還元剤を含み、炭化水素も含む。この方法はさらに、台座電極とシャワーヘッド電極との間の放電ギャップを通じてRF電流を送って炭素堆積プラズマを形成し、単一堆積サイクルで凹部にカーボンプラグを堆積させることを含む。この方法はさらに、カーボンプラグの形成後にワークピースを平坦化し、第1のメモリデッキおよびカーボンプラグの上に第2のメモリデッキの層を堆積させることを含む。
【0022】
いくつかのそのような実施例では、炭化水素はアルキンを含む。
【0023】
いくつかのそのような実施例では、カーボンプラグは、5~13Torrの処理ガス圧で形成される。
【0024】
いくつかのそのような実施例では、台座電極は、プラグ形成中に275~660℃の範囲の温度に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【
図1B】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【
図1C】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【
図1D】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【
図1E】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【
図1F】エッチストップとしてのカーボンプラグの形成を含む例示的なメモリスタック作製プロセスにおける中間構造を示す概略図。
【0026】
【
図2A】単一サイクル堆積プロセスを用いる比較的薄いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図2B】単一サイクル堆積プロセスを用いる比較的薄いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図2C】単一サイクル堆積プロセスを用いる比較的薄いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【0027】
【
図3A】例示的な複数サイクル堆積/エッチングプロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図3B】例示的な複数サイクル堆積/エッチングプロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図3C】例示的な複数サイクル堆積/エッチングプロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図3D】例示的な複数サイクル堆積/エッチングプロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図3E】例示的な複数サイクル堆積/エッチングプロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【0028】
【
図4A】水素含有還元剤を含むガス混合物を用いた例示的な単一サイクル堆積プロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図4B】水素含有還元剤を含むガス混合物を用いた例示的な単一サイクル堆積プロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【
図4C】水素含有還元剤を含むガス混合物を用いた例示的な単一サイクル堆積プロセスによる比較的厚いカーボンプラグの形成を示す概略図。
【0029】
【
図5】例示的なプラズマ強化化学蒸着ツールの態様図。
【0030】
【
図6】例示的な集積回路作製プロセスを示すフロー図。
【0031】
【
図7】例示的なコンピュータシステムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
半導体ダイ上の集積回路部品の密度は、現在のフォトリソグラフィ技術によって課されたフィーチャサイズの制約などの要因によって制限される。しかし、二次元(2D)集積回路から三次元(3D)集積回路への作製の遷移により、集積回路内で構成部品を積み重ねることで、より大きなデバイス密度が実現可能になる。
【0033】
図1A~1Fは、3Dメモリスタック構造を形成するために用いられる例示的プロセス100の間に形成される中間構造を概略的に示す。
図1Aは、第1の材料106および第2の材料108の交互積層を含むデッキ104Aが、3D NOT AND(NAND)メモリ構造作製プロセスにおいて中間構造として形成された基板102を示す。用語NANDは、メモリの否定論理積ゲートアーキテクチャを表す。基板102は、3D NAND作製プロセスにおいて交互積層が形成できる任意の適した構造を表す。いくつかの実施例では、第1の材料106は酸化物(例えば、シリコン酸化物)を含み、第2の材料108は窒化物(例えば、シリコン窒化物)を含む。他の実施例では、第1の材料106はシリコン酸化物を含み、第2の材料108はポリシリコンを含んでよい。さらなる実施例では、デッキ104Aは、任意の他の適した第1の材料106および第2の材料108の交互積層を含んでよい。
図1A以降の図では、第1の材料106および第2の材料108の部分番号は省略され、代わりにまとめてデッキ104Aとして表されている。
【0034】
図1Bは、凹部110Aがデッキ104Aを通って基板102までエッチングされた後のデッキ104Aを示す。凹部110Aは、後の作製プロセスにおいて3D NANDメモリ用のチャネル構造が形成されるチャネルホールとして機能する。凹部110Aは、第2の材料108のフィールド領域112に囲まれているが、他の実施例では、第1の材料106のフィールド領域に囲まれてよい。凹部110Aは、任意の適したエッチングプロセス(例えば、適したマスキングと併用されたプラズマエッチング)で形成されてよい。図のように、凹部110Aは比較的高いアスペクト比を有する(例えば、いくつかの実施例では深さ:幅の比が60:1~100:1)。いくつかの実施例では、凹部110Aは、90ナノメートル(nm)の幅および6000~11000nmの深さを有してよい。
【0035】
第1の材料106および第2の材料108の交互層を多数用いることで、基板102上に多くのNANDメモリセルが作製できる。しかし、方向性エッチングによって形成できる凹部の深さについては実用限界が存在する。そのようなエッチング深さにおける限界に対処する1つの方法は、複数段階で3D NANDメモリを作製することである。そのようなプロセスでは、凹部110Aのエッチング後にデッキ104Aの上に交互材料の第2のデッキが形成される。しかし、複数のデッキの堆積およびエッチングによる3D NANDメモリの作製は、様々な課題をもたらす。例えば、交互材料の第2のデッキに凹部を形成するために用いられる方向性エッチングは、凹部110Aの内部を傷付ける可能性がある。凹部110Aの内部を保護するための1つの手法は、凹部110Aが形成された後で、次の交互材料のデッキの堆積が始まる前に、適したエッチストップ層で凹部110Aを保護することである。カーボンプラグは、凹部110Aを保護するためのエッチストップ層として用いるのによく適しているだろう。炭素は、凹部110Aを形成するのに用いられる方向性エッチング化学物質に耐性があるだろう。さらに炭素は、好都合なことに、アッシングプロセスによって高アスペクト比の凹部から除去できる。そのようなカーボンプラグは、凹部110A内および凹部110A周辺のフィールド領域に炭素を堆積させることで形成できる。堆積した炭素は次に機械的に(例えば、化学機械研磨(CMP)を用いて)平坦化されて、フィールド領域112から炭素が除去され、カーボンプラグが残る。
図1Cは、凹部110A内に炭素を堆積させることにより形成された中間構造が、続いて平坦化された結果、隣接するフィールド領域112とほぼ同一平面のカーボンプラグ114がもたらされることを表す。
図1Dに示されるように、デッキ104Aの上面を平坦化することは、第2のデッキ104Bの第1の材料と第2の材料との交互層を堆積させるのに適した表面を提供する。いくつかの実施例では、カーボンプラグ114は、非晶質炭素を含む。非晶質炭素は、sp
2炭素およびsp
3炭素の両方を含むナノスケール微結晶を有してよい。他の実施例では、カーボンプラグ114は、任意の他の適した組成を有してよい。
【0036】
次に
図1Eを参照すると、(
図1Aに関して上記したように)交互材料層の堆積によって第2のデッキ104Bが形成された後に、凹部110Bは適したパターニング技術を用いて、凹部110Aに対して空間的に位置決めされてデッキ104Bにエッチングされる。一実施例では、凹部110Bをエッチングするために用いられるパターニング技術は、凹部110Aをエッチングするための上記技術と同様であってよい。別の実施例では、凹部110Bをエッチングするために用いられるパターニング技術は、凹部110Aをエッチングするための上記技術と異なってよい。本プロセスでは、カーボンプラグ114はエッチストップとして機能する。次に
図1Fを参照すると、凹部110Bのエッチング後に、カーボンプラグ114はアッシングによって除去されて、凹部110Aおよび110Bが結合して結合凹部110になる。
図1A~1Fのプロセスは、任意の適した数のデッキを通して凹部を形成するために繰り返されてよい。あるいは、
図1A~1Eのプロセスは複数のデッキを形成するために繰り返され、結果として生じた複数のカーボンプラグは単一アッシング工程で除去されてよい。次に、本明細書には示されていない後続処理工程を用いて、結合凹部110内に3D NANDチャネルが形成されてよい。
【0037】
カーボンプラグ114を形成する非晶質炭素は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)によって凹部110Aに堆積されてよい。PECVDプロセス用の炭素含有前駆体は、低分子量炭化水素などの炭素含有ガスであってよい。そのようなガスの例には、一般式CnH2n+2(n=0~10)を有するアルカン類(例えば、メタン、エタンなど)、一般式CnH2n(n=0~10)を有するアルカン類(例えば、エチレン、プロピレンなど)、一般式CnH2n-2(n=0~10)を有するアルキン類(例えば、アセチレン、プロピンなど)、および、処理条件下で気相の他の炭化水素(例えば、環状炭化水素および窒素含有化合物)が含まれる。
【0038】
しかし、カーボンプラグを形成するための非晶質炭素のPECVD堆積は課題をもたらすだろう。例えば、炭素含有前駆体分子の付着係数(表面に衝突した前駆体分子の全数に対する表面に吸着した前駆体分子数の比)は、炭素に薄型プラグを形成させるだろう。
図2A~2Cは、この問題を説明するためにPECVDプロセス200の選択された態様を概略的に示す。
図2Aは、炭素を堆積させる前の凹部110Aを表す。
図2Bは、炭素202を堆積した後の凹部110Aを表す。図のように、炭素は炭素含有前駆体の付着係数により、デッキ104Aのフィールド領域112および凹部の比較的浅い部分に優先的に堆積する傾向があるだろう。堆積を続けると、凹部の浅部への炭素のさらなる蓄積が凹部110Aの開口を閉鎖させる。これにより、凹部110Aの開口の下方に比較的浅い深さを有するカーボン層202が形成される。よって、平坦化は比較的薄いカーボンプラグ204をもたらす。そのような比較的薄いカーボンプラグ204は脆弱で、頼りないエッチストップ特性を提供するだろう。
【0039】
図2のプロセスによって形成されるカーボンプラグよりも比較的厚いカーボンプラグを形成する1つの可能な方法は、凹部の開口付近における優先的な炭素堆積を軽減するPECVD中のエッチングガスの使用と併せて、カーボンプラグ形成プロセスにおいて堆積およびエッチングの複数サイクルを用いることである。そのような方法はより頑丈なプラグを形成する一方で、欠点は複数の炭素堆積/除去サイクルを実施することである。そのような複数サイクル手法は、
図3A~3Eの300に示されている。
図3Aは、炭素が堆積する前の凹部110Aを示す。次に、炭素はPECVDによって凹部110Aに堆積する。例えば、カーボン層302は、堆積およびエッチングプロセスの複数の連続するサイクルを用いて堆積する。例として、フィールド領域112は非反応性ガス(例えば、Arおよび/またはN
2)の存在下で炭素含有前駆体(例えば、アセチレンなどの炭化水素)に曝されて、カーボン層302が形成される。カーボン層302は次に、二酸化炭素(CO
2)などの炭素含有エッチングガスに曝される。エッチングガスは、炭素含有前駆体の比較的高い付着係数を補償する。
【0040】
図3Bに示されるように、カーボン層302は凹部110Aに比較的深く堆積し、図のような一実施例では、基板102まで延びる。図のような一実施例では、カーボン層302はフィールド領域112の側壁に沿って堆積し(
図3A)、カーボン層302はフィールド領域112の上で横方向に延びて、凹部110A内部に堆積したカーボン層302が凹部110Aの上面で食い切られる。この食い切りによって、カーボン層302は凹部110A内でボイド303を伴う逆V字を形成する。
【0041】
次にプラズマエッチングは、凹部110A内に堆積したカーボン層302の一部を部分的にエッチングしながら、デッキ104Aのフィールド領域112に堆積した炭素も除去する。このエッチングプロセスは、凹部110Aの開口304から遠いカーボン層302と比べて、開口304の近くの凹部110A内のカーボン層302を優先的にエッチングして、
図3Cに示される構造を形成してよい。次の堆積サイクルは、開口が再び閉まるまで凹部110Aの内部およびデッキ104Aのフィールド領域112の上に追加の炭素305を加え、
図3Dに示される構造をもたらす。
図3Dの構造では、ボイド306は、ボイド303よりも開口304から遠く離れている。凹部110A内に十分な厚さのカーボン層が得られるまで、追加のエッチングおよび堆積サイクルが実施されてよい。この構造は次に平坦化されて、追加の炭素305のフィールド領域が除去され、
図3Eに示されたように凹部110A内に堆積したカーボンプラグ307が残る。いくつかの実施例では、カーボンプラグ307は、凹部110Aの幅の少なくとも2倍の深さまで凹部110Aを充填する。そのようなカーボンプラグ307は、平坦化の応力に耐え、続くチャネル凹部エッチングプロセスにおいて頑丈なエッチストップとして機能するのに十分な硬度を提供してよい。他の実施例では、カーボンプラグ307は、凹部110Aを任意の他の適した深さまで充填してよい。
【0042】
上記のように、
図3A~3Eに示されたカーボンプラグ形成プロセスの欠点は、適した厚さのカーボンプラグを形成するために複数の炭素堆積/除去プロセスが必要となることである。いくつかの実施例では、カーボンプラグ形成プロセスは、多くの(例えば、>3~5)の堆積および除去サイクルを必要とする可能性がある。そのようなサイクリングは、作製されるデバイスに製造時間および製造コストを追加するだろう。
【0043】
従って、中間炭素除去工程とそれに続く、通常、従来のカーボンプラグを形成するために実施される他の炭素堆積サイクルとがない単一堆積サイクルを用いて、エッチストップ層として機能するために適した厚さのカーボンプラグを形成することに関する実施例が開示される。そのため、形成されるカーボンプラグは、3D NANDチャネルエッチングプロセス、または他の集積回路製造プロセスにおいてエッチストップ層として用いるのに適しているだろう。簡単に言うと、少なくとも1つの炭素含有前駆体および1つ以上の水素含有還元剤(例えば、水素分子(H2)および/またはアンモニア(NH3))が炭素堆積用のガス混合物で用いられる。炭素含有前駆体の例には、一般式CnH2n+2(n=0~10)を有するアルカン類(メタン、エタンなど)、一般式CnH2n(n=0~10)を有するアルカン類(例えば、エチレン、プロピレンなど)、一般式CnH2n-2(n=0~10)を有するアルキン類(例えば、アセチレン、プロピンなど)、および、処理条件下で気相の他の炭化水素(例えば、環状炭化水素および窒素含有化合物)が含まれる。
【0044】
理論に縛られることを望むものではないが、単一サイクルのカーボンプラグ堆積プロセスに1つ以上の水素含有還元剤(例えば、水素および/またはアンモニア)を含むことは、堆積中にエッチング剤として機能することで高付着係数の炭素含有前駆体を低減する。これにより、炭素が凹部内の異なる深さでより均等に成長できる。
【0045】
図4A~4Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、単一堆積サイクルでカーボンプラグを形成し、続いて平坦化するための例示的プロセス400を示す。
図4Aは、炭素堆積前のデッキ104Aおよび凹部110Aを示す。次に
図4Bを参照すると、水素含有還元剤および炭素含有前駆体(例えば、炭化水素ガス)を用いる単一炭素堆積サイクルは、凹部110A内に頑丈なカーボンプラグを提供するのに十分な厚さのカーボン層402を形成する。いくつかの実施例では、水素含有還元剤および炭素含有前駆体は、20~35%のモル比の水素含有還元剤に含まれる。
図4Bに示されるように、単一炭素堆積サイクルは、フィールド領域112の側壁に沿って、フィールド領域112の上に横方向に延びるカーボン層402を堆積させる。不要なカーボン層402を平坦化することで、
図4Cのカーボンプラグ114が形成され、フィールド領域112から炭素が除去される。
図4Cに示される、結果として生じた構造は、次のメモリデッキ用の交互層を堆積させるのに適した構造を提供する。そのため、炭素堆積およびエッチングの複数サイクルが回避される。いくつかの実施例では、炭素含有前駆体と水素含有還元剤との比は、凹部におけるカーボン層堆積の深さを制御するために変更されてよい。
【0046】
単一サイクルのカーボンプラグ形成プロセスを詳しく説明する前に、
図5は、本開示によるカーボンプラグ堆積プロセスを実施するために用いられうる例示的作製ツール500を示す。本明細書に開示の例示的方法を実行するために他の適したツールが用いられてよいため、作製ツール500は例であり、限定するものではないことが理解されるだろう。任意の適した作製ツールが用いられてよい。
【0047】
作製ツール500は、堆積チャンバ502を備えるPECVDツールの形態を取る。堆積チャンバ502は、1つ以上のポンプを備える真空ポンプシステム504によって、堆積プロセス中に低圧で維持されるように構成される。真空ポンプシステム504は、真空ポンプシステム504および以下に記載の他の構成部品に制御信号を出力するように構成されているコントローラ506と電気連通する。
【0048】
台座電極508およびシャワーヘッド電極510は、堆積チャンバ502内に配置される。台座電極508およびシャワーヘッド電極510は、放電ギャップ512を画定する電極間空間によって分離されている。台座514は、台座電極508の上に配置され、または台座電極508と一体化され、ワークピース516(この実施例では、ウエハ)は、台座514の上に配置されている状態で示されている。図の実施例では、ヒータ518が台座電極508の下方に位置している。ヒータ518は、台座電極508を所望の設定温度に維持するように、コントローラ506からの制御信号によって制御される。
【0049】
作製ツール500はさらに、堆積チャンバ502を通じてガス混合物を低圧で流すように構成されている流量制御ハードウェア520を備える。流量制御ハードウェア520は、マニホールド522と、コントローラ506からの制御信号によって制御される複数のガスの各々の計量された流量を提供する質量流および/または体積流コントローラ524A、524B、および524Cとを備える。以下により詳しく説明されるように、流量コントローラ524A、524B、および524Cによって計量されたガスは、水素含有還元剤および少なくとも1つの炭化水素を含む。いくつかの実施例では、1つ以上の他のガス(例えば、窒素(N
2)、ヘリウム(He)、および/またはアルゴン(Ar))も計量されてよい(例えば、1つ以上の希釈ガスおよび/またはパージガスとして)。
図5の実施例では3つの流量コントローラ524A、524B、および524Cが示されているが、他の実施例では任意の他の適した数の流量コントローラが用いられてよい。
【0050】
作製ツール500はさらに、シャワーヘッド電極510と台座電極508との間の放電ギャップを通じて電流を送るように構成されている電源526を備える。このため、電源526は、コントローラ506から制御信号を受信して、送られる電流の様々な態様を制御する。電源526は、放電ギャップを通じて無線周波数(RF)電流を送るように構成されている1つ以上のRF電源を含む。異なるRFバンドに対して異なるRF電源が提供されてよい。そのようなバンドは、例えば、5メガヘルツ(MHz)以上の周波数を含む高周波(HF)バンド、および5MHz未満の周波数を含む低周波(LF)バンドを含んでよい。放電ギャップ512を通じて送られる電流は、堆積チャンバ502におけるガス混合物のイオン化によって生成されたイオンを含む炭素堆積プラズマを支援してよい。作製ツール500はさらに、RF電源のインピーダンス整合のために電源526とシャワーヘッド電極510との間に配置されている整合ネットワーク528を備える。
【0051】
上記のように、作製ツール500のコントローラ506は、真空ポンプシステム504、ヒータ518、流量コントローラ524、電源526だけでなく、作製ツール500の他の制御可能な構成部品にも動作可能に接続されている。コントローラ506は、少なくとも1つのプロセッサ530およびメモリ532を備える。メモリ532は、少なくとも1つのプロセッサ530によって実行可能な命令であって、とりわけ本明細書に開示の作製プロセスに関連する制御機能を実行するようコントローラ506を指示する命令を保持する。いくつかの実施例では、コントローラ506は、作製ツール500の他の構成部品に対して局所的であってよい。他の実施例では、コントローラ506は、作製ツール500の他の構成部品に対して遠隔に設置されてよい。さらに他の実施例では、コントローラ506は、作製ツール500に関して局所位置と遠隔位置との間に分散されてよい。コントローラ506での使用に適した例示的なハードウェア部品は、
図8を参照して以下により詳しく説明される。
【0052】
図6は、メモリスタック構造(例えば、3D NANDメモリスタックまたは他の適したメモリスタック(例えば、3D NOR(NOT-OR)メモリスタック))などの集積回路の作製時にカーボンプラグを形成するための例示的方法600を表すフロー図を示す。方法600は、
図5の作製ツールの構成部品を参照して説明されるが、任意の適したツールおよび/または技術を用いて実施されてよいことが理解されるだろう。方法600は、メモリ532に記憶された命令をコントローラ506が実行することにより、堆積ツール500によって実施されてよい。
【0053】
602に示されるように、ワークピース上の凹部内でのカーボンプラグ形成より前に様々な上流作製プロセスが実施される。いくつかの実施例では、604に示されるように、上流作製プロセスは第Nの3Dメモリデッキを作製するように実施される(Nは、ゼロよりも大きい整数)。そのため、用語「第N」は、第1、第2、第3などのメモリデッキを表してよい。第Nの3Dメモリデッキは、複数の交互材料層(例えば、酸化物/窒化物または酸化物/ポリシリコン)と、メモリチャネル構造の作製を提供するエッチング凹部とを含む。他の実施例では、上流作製プロセスは、デバイス作製プロセスにおいて任意の他の中間構造に相当する凹部を形成してよい。
【0054】
方法600はさらに、606において、減圧状態のチャンバ内に配置されている台座電極上にワークピースを支持する工程を含む。上記のように台座電極は、放電ギャップを画定する電極間空間によってシャワーヘッド電極から分離されている。608において方法600は、プラズマ処理用のガス混合物を形成するために複数のガスを計量および混合する工程を含む。いくつかの実施例では、ガス混合物は、水素含有還元剤および少なくとも1つの炭化水素を含む。水素含有還元剤および少なくとも1つの炭化水素は、任意の適した比でチャンバに導入されてよい。いくつかの実施例では、水素含有還元剤および少なくとも1つの炭化水素は、水素含有還元剤が20~35%のモル比でチャンバに導入される。より具体的な実施例では、水素含有還元剤と少なくとも1つの炭化水素とのモル比は、ほぼ1:4である。用語「ほぼ」は、流量コントローラおよび他のプロセスハードウェアがモル比を制御できる許容差範囲を意味する。いくつかの実施例では、ガスはチャンバに導入される前にマニホールドで混合されてよいが、他の実施例では、ガスはチャンバに別々に導入された後に混合されてよい。さらにいくつかの実施例では、水素含有還元剤は、H2およびNH3のいずれかまたは両方であってよい。
【0055】
任意の適した炭化水素化合物が少なくとも1つの炭化水素として用いられてよい。いくつかの実施例では、少なくとも1つの炭化水素は、アセチレンを含む。他の実施例では、少なくとも1つの炭化水素は、メタンおよび/またはプロピレンを含む。さらに他の実施例では、少なくとも1つの炭化水素は、任意の他の適した材料を含む。適した材料の例には、一般式CnH2n+2(n=0~10)を有するアルカン類(例えば、メタン、エタンなど)、一般式CnH2n(n=0~10)を有するアルカン類(例えば、エチレン、プロピレンなど)、一般式CnH2n-2(n=0~10)を有するアルキン類(例えば、アセチレン、プロピンなど)、および、処理条件下で気相の他の炭化水素(例えば、環状炭化水素および窒素含有化合物)が含まれる。
【0056】
いくつかの実施例では、ガス混合物は(例えば、希釈ガスとして)窒素を含んでよい。より特定の実施例では、少なくとも1つの炭化水素に対する窒素のモル比は、4:5モル比の20%以内であってよい。
【0057】
いくつかの実施例では、ガス混合物は(例えば、希釈ガスとして)アルゴンを含んでもよい。いくつかの実施例では、少なくとも1つの炭化水素に対するアルゴンのモル比は、12:5モル比の20%以内であってよい。いくつかの実施例では、ガス混合物は、二酸化炭素を実質的に除く。用語「実質的に除く」は、ガス混合物に意図的に導入される二酸化炭素がなく、混合物中の二酸化炭素は不純物として存在することを意味する。
【0058】
610に示されるように、ガス混合物は減圧状態のチャンバを通じて流される。いくつかの実施例では、ガス混合物の絶対圧は5~13Torrである。いくつかの実施例では、ガス混合物が減圧状態のチャンバを通じて流される間、台座電極は設定台座電極温度に維持される。設定台座電極温度は、いくつかの実施例では275~660℃であってよい。さらに設定値は、いくつかの実施例では閉ループで制御されてよい。同様に、シャワーヘッド電極は設定シャワーヘッド電極温度に維持されてよい。設定シャワーヘッド電極温度は、いくつかの実施例では240~360℃であってよい。設定温度は、閉ループで制御されてもよい。
【0059】
続けると、612において方法600は、台座電極とシャワーヘッド電極との間の放電ギャップ全体にガス混合物を通じて電流を送る工程を含む。そのような電流は、ガス混合物内のガスのイオン化によるイオンを含む炭素堆積プラズマを維持する。いくつかの実施例では、放電ギャップを通じて送られた電流は、RFプラズマを形成するためのRF電流を含む。いくつかのそのような実施例では、RF電流は、5メガヘルツ以上の1つ以上の周波数を含み、5メガヘルツ未満の周波数を実質的に除く。上記のように、炭化水素に加えて水素含有還元剤を含む処理ガス混合物の使用は、炭化水素の高付着係数を低減する可能性がある。これは、単一堆積サイクルによって、続くエッチングプロセスにおいてエッチストップ層として機能するように適した厚さを有するカーボンプラグを形成するのに役立つだろう。続くエッチングプロセスの例は、
図1D~1Eに示されたような3Dメモリ構造チャネルエッチングプロセスである。いくつかの実施例では、カーボンプラグは、凹部の幅の少なくとも2倍の深さまで凹部を充填する。他の実施例では、カーボンプラグは、任意の他の適した深さまで凹部を充填する。
【0060】
614において方法600は、ワークピースが一定期間プラズマに曝された後にプラズマ堆積を停止する工程を含む。上記の処理条件を用いるいくつかの実施例では、その期間は900~1300秒であってよい。他の実施例では、その期間は任意の他の適した時間範囲であってよい。616において、炭素の堆積後にワークピースは平坦化され、それにより凹部の外側に堆積した炭素が除去される。平坦化は、凹部の開口まで炭素を除去できる。凹部の外側に堆積した炭素を除去するのに任意の適したプロセスが用いられてよい。いくつかの実施例では、CMPプロセスが用いられてよい。
【0061】
炭素の単一堆積サイクル後に堆積した炭素が平坦化されると、カーボンプラグ作製プロセスは終了する。カーボンプラグの形成後に、618に示されるような、カーボンプラグを用いる様々な下流作製プロセスが実施されてよい。一例として、下流作製プロセスは、620におけるメモリデッキ(N+1)の作製を含んでよい。そのようなプロセスは、例えば、第Nのデッキの上に交互材料層の(N+1)デッキを堆積させる工程を含んでよい。そのようなプロセスは、方位性エッチングプロセスによってメモリデッキ(N+1)に凹部を形成する工程を含んでもよい。メモリデッキ(N+1)に形成された凹部は、凹部に形成されたカーボンプラグまで延びる。メモリデッキ(N+1)に凹部を形成した後に、622において、以前に形成されたメモリデッキを保護するために形成されたカーボンプラグは除去される。カーボンプラグの除去は、一例としてアッシングプロセスによって都合よく実施されてよい。
【0062】
実験では、第1のカーボンプラグ構造および第2のカーボンプラグ構造はアセチレンを用いて作製された。第1のカーボンプラグ構造は、水素ガス流を含む条件で作製された。第2のカーボンプラグ構造は、同様の条件で作製されたが、水素ガス流は用いられなかった。堆積条件は、窒素およびアルゴンだけでなくアセチレンおよび水素も含み、上記の組成範囲、圧力、および温度であった。
【0063】
第1のカーボンプラグ構造は、凹部の幅の約3.2倍の深さまで延びた。一方で、第2のカーボンプラグ構造は、凹部の幅のほんの一部の深さまで延びた。この実験は、被試験処理条件下のチャンバに入れられたガス混合物に、水素含有還元剤(この例では、水素)をアセチレンと共に含むことの有利な効果を示した。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法およびプロセスは、1つ以上のコンピュータ装置のコンピュータシステムに関係してよい。特に、そのような方法およびプロセスは、コンピュータアプリケーションプログラムもしくはコンピュータアプリケーションサービス、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、ライブラリ、および/または他のコンピュータプログラム製品として実行されてよい。
【0065】
図7は、上記の方法およびプロセスの1つ以上を実行できるコンピュータシステム700の非限定的実施形態を概略的に示す。コンピュータシステム700は、簡略化されて示されている。コンピュータシステム700は例として、1つ以上のパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、および処理装置と一体化したコンピュータの形態を取ってよい。コントローラ506は、コンピュータシステム700の一例である。
【0066】
コンピュータシステム700は、論理マシン702およびストレージマシン704を備える。コンピュータシステム700は、必要に応じて、表示サブシステム706、入力サブシステム708、通信サブシステム710、および/または、
図7に示されていない他の構成要素を備えてよい。
【0067】
論理マシン702は、命令を実行するように構成されている1つ以上の物理的装置を含む。例えば、論理マシンは、1つ以上のアプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、または他の論理的構造物の一部である命令を実行するように構成されてよい。そのような命令は、タスクを実行し、データ型を実現し、1つ以上のコンポーネントの状態を変換し、技術的効果を達成し、そうでなければ所望の結果をもたらすように実施されてよい。
【0068】
論理マシンは、ソフトウェア命令を実行するように構成されている1つ以上のプロセッサを備えてよい。加えてまたはあるいは、論理マシンは、ハードウェア命令またはファームウェア命令を実行するように構成されている1つ以上のハードウェア論理マシンまたはファームウェア論理マシンを含んでよい。論理マシンのプロセッサは、シングルコアまたはマルチコアであってよく、そこで実行される命令は、連続処理、並列処理、および/または分散処理のために構成されてよい。論理マシンの個々の構成要素は、必要に応じて、2つ以上の別々の装置間で分散されてよく、2つ以上の別々の装置は遠隔に設置されてよい、および/または連携処理のために構成されてよい。論理マシンの態様は仮想化され、クラウドコンピュータ構成で設定された、リモートアクセス可能な、ネットワーク接続されたコンピュータ装置によって実行されてよい。
【0069】
ストレージマシン704は、論理マシンによって実行可能な命令であって、本明細書に記載の方法およびプロセスを実施するように実行可能な命令を保持するように構成されている1つ以上の物理的装置を含む。そのような方法およびプロセスが実施されるときは、ストレージマシン704の状態は、例えば、異なるデータを保持するように変換されてよい。
【0070】
ストレージマシン704は、リムーバブル装置および/または組み込み装置を含んでよい。ストレージマシン704は、とりわけ、光メモリ(例えば、CD、DVD、HD-DVD、ブルーレイディスクなど)、半導体メモリ(例えば、RAM、EPROM、EEPROMなど)、および/または、磁気メモリ(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピディスクドライブ、テープドライブ、MRAMなど)を含んでよい。ストレージマシン704は、揮発性装置、不揮発性装置、動的装置、静的装置、読み込み/書き込み用装置、読み込み専用装置、ランダムアクセス装置、シーケンシャルアクセス装置、位置アドレッシング可能装置、ファイルアドレッシング可能装置、および/または、内容アドレッシング可能装置を含んでよい。
【0071】
ストレージマシン704は、1つ以上の物理的装置を備えることが認識されるだろう。しかし、本明細書に記載の命令の態様は代わりに、限られた期間に物理的装置に保持されない通信媒体(例えば、電磁信号、光信号など)によって伝えられてよい。
【0072】
論理マシン702およびストレージマシン704の態様は、1つ以上のハードウェア論理回路に統合されてよい。そのようなハードウェア論理回路には、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定プログラム向けおよび特定用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、特定プログラム向けおよび特定用途向け標準集積回路(PSSP/ASSP)、システムオンチップ(SOC)、ならびにコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)が含まれてよい。
【0073】
表示サブシステム706が含まれるときは、ストレージマシン704が保持するデータの視覚表現を提供するために用いられてよい。この視覚表現は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)の形態を取ってよい。本明細書に記載の方法およびプロセスは、ストレージマシンが保持するデータを変更し、ストレージマシンの状態を変換するため、表示サブシステム706の状態も同様に、基礎となるデータの変更を視覚的に表現するために変換されてよい。表示サブシステム706は、視覚的にあらゆる種類の技術を用いる1つ以上の表示装置を含んでよい。そのような表示装置は、共有格納装置において論理マシン702および/もしくはストレージマシン704と結合されてよい、または、そのような表示装置は周辺表示装置であってよい。
【0074】
入力サブシステム708が含まれるときは、キーボード、マウス、またはタッチ画面などの1つ以上のユーザ入力装置を含んでよい、またはそれらと接続されてよい。いくつかの実施形態では、入力サブシステムは、選択されたナチュラルユーザ入力(NUI)構成部品を含んでよい、またはNUI構成部品と接続されてよい。そのような構成部品は、統合もしくは周辺装置であってよい、および/または、入力動作の処理は基板上でもしくは基板外で行われてよい。例示的NUI構成部品は、発話および/または音声認識のためのマイクと、マシンビジョンおよび/またはジェスチャ認識のための、赤外線カメラ、カラーカメラ、立体カメラ、および/または深さカメラとを含んでよい。
【0075】
通信サブシステム710が含まれるときは、通信サブシステム710は、コンピュータシステム700を1つ以上の他のコンピュータ装置に通信可能に接続するように構成されてよい。通信サブシステム710は、1つ以上の異なる通信プロトコルと互換性のある有線および/または無線の通信装置を含んでよい。非限定的な例として、通信サブシステムは、無線電話網、または無線もしくは有線のローカルエリアネットワークもしくは広域ネットワークによる通信のために構成されてよい。いくつかの実施形態では、通信サブシステムは、コンピュータシステム700がインターネットなどのネットワークを介して他の装置との間でメッセージをやり取りできるようにしてよい。
【0076】
本明細書に記載の構成および/または手法は、いくつかの変更が可能であるため本質的に例であり、これらの具体的な実施形態または実施例が限定的とみなされるべきでないことが理解されるだろう。本明細書に記載の具体的なルーチンまたはプロセスは、1つ以上の任意の数の処理方法を表してよい。そのため、例示および/または記載の様々な動作は、例示および/もしくは記載の順序で、他の順序で、並行して実施されてよく、または省略されてよい。同様に、上記プロセスの順序は変更されてよい。
【0077】
本開示の主題は、本明細書に開示の様々なプロセス、システムおよび構成、ならびに、他の特徴、機能、動作、および/または特性の全ての新規かつ非自明な組み合わせならびに部分的組み合わせを含み、それらのあらゆる同等物を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作製ツールであって、
チャンバと、
前記チャンバ内に配置されている台座電極およびシャワーヘッド電極と、
前記チャンバへの1つ以上のガス入口および関連する流量制御ハードウェアと、
前記チャンバ内の圧力を低減するように構成されている真空ポンプシステムと、
前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間に無線周波数(RF)プラズマを形成するように構成されているRF電源と、
前記流量制御ハードウェアおよび前記RF電源に動作可能に接続され、プロセッサおよびメモリを含むコントローラと、を備え前記メモリは、
水素含有還元剤を前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアを操作し、
炭化水素ガスを前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアを操作し、
中間炭素除去プロセスのない単一プラズマ堆積サイクルで、前記チャンバの台座上に設置されたワークピースの凹部にカーボンプラグを完全に堆積させるために、前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間にプラズマを形成するように前記RF電源を操作する
ように、前記プロセッサによって実行可能な命令を含む、作製ツール。
【請求項2】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、5メガヘルツ以上の範囲の1つ以上の周波数でRF電力を提供するように前記RF電源の操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項3】
請求項2に記載の作製ツールであって、
前記命令は、5メガヘルツ未満の周波数を除くRF電力を提供するように前記RF電源の操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項4】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記炭化水素ガスは、アルキンを含む、作製ツール。
【請求項5】
請求項4に記載の作製ツールであって、
前記アルキンは、アセチレンを含む、作製ツール。
【請求項6】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、前記水素含有還元剤および前記炭化水素ガスを、水素が20~35%のモル比で前記チャンバに導入するように前記流量制御ハードウェアの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項7】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、さらに、アルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を希釈ガスとして前記チャンバにさらに導入するように実行可能である、作製ツール。
【請求項8】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、さらに、5~13Torrの処理ガス圧で前記カーボンプラグを堆積させるように前記流量制御ハードウェアの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項9】
請求項1に記載の作製ツールであって、さらに、
1つ以上のヒータを備え、前記命令は、プラグ形成中に前記台座電極を275~660℃の温度に維持するように前記1つ以上のヒータの操作を実行可能である、作製ツール。
【請求項10】
請求項1に記載の作製ツールであって、
前記命令は、前記ワークピースが700~1800秒の範囲の期間にわたって前記プラズマに曝された後に、前記プラズマを消弧するように実行可能である、作製ツール。
【請求項11】
集積回路作製方法であって、
単一プラズマ堆積サイクルでワークピースの凹部にカーボンプラグを形成し、前記単一プラズマ堆積サイクルは、プラズマ処理チャンバにおいて前記ワークピースを炭素堆積プラズマに曝すことによって行われ、前記プラズマは、
水素含有還元剤と、
炭化水素ガスと、
を含むガス混合物から形成される、集積回路作製方法。
【請求項12】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭素堆積プラズマは、無線周波数(RF)プラズマを含み、前記RFプラズマは、5メガヘルツ以上の範囲の1つ以上の周波数を含む、集積回路作製方法。
【請求項13】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭化水素ガスは、アルキンを含む、集積回路作製方法。
【請求項14】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記水素含有還元剤および前記炭化水素ガスは、水素が20~35%のモル比で前記チャンバに導入される、集積回路作製方法。
【請求項15】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記ガス混合物は、さらに、希釈ガスとしてアルゴンおよび窒素のいずれかまたは両方を含む、集積回路作製方法。
【請求項16】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記カーボンプラグは、5~13Torrの処理ガス圧で形成される、集積回路作製方法。
【請求項17】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、さらに、
前記単一プラズマ堆積サイクル後に前記ワークピースを平坦化することにより、前記凹部の外側に堆積した炭素を除去することを備える、集積回路作製方法。
【請求項18】
請求項11に記載の集積回路作製方法であって、
前記凹部は、メモリスタック構造のチャネルを含む、集積回路作製方法。
【請求項19】
メモリスタック構造を作製する集積回路作製方法であって、
堆積チャンバの台座上にワークピースを支持し、前記堆積チャンバは、電極間空間によってシャワーヘッド電極から分離された台座電極を備え、前記ワークピースは、第1のメモリデッキに凹部を含み、
減圧状態の前記堆積チャンバを通じてガス混合物を流し、前記ガス混合物は、水素含有還元剤および炭化水素も含み、
前記台座電極と前記シャワーヘッド電極との間の放電ギャップを通じてRF電流を送って炭素堆積プラズマを形成し、単一堆積サイクルで前記第1のメモリデッキの前記凹部にカーボンプラグを堆積させ、
前記単一堆積サイクルで第1の
メモリデッキの前記凹部に前記カーボンプラグを形成した後に、前記ワークピースを平坦化し、
前記第1のメモリデッキおよび前記カーボンプラグの上に第2のメモリデッキの層を堆積させること、
を備える、集積回路作製方法。
【請求項20】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記炭化水素は、アルキンを含む、集積回路作製方法。
【請求項21】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記カーボンプラグは、8~10Torrの処理ガス圧で形成される、集積回路作製方法。
【請求項22】
請求項19に記載の集積回路作製方法であって、
前記台座電極は、プラグ形成中に275~660℃の範囲の温度に維持される、集積回路作製方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
上記のように、作製ツール500のコントローラ506は、真空ポンプシステム504、ヒータ518、流量コントローラ524、電源526だけでなく、作製ツール500の他の制御可能な構成部品にも動作可能に接続されている。コントローラ506は、少なくとも1つのプロセッサ530およびメモリ532を備える。メモリ532は、少なくとも1つのプロセッサ530によって実行可能な命令であって、とりわけ本明細書に開示の作製プロセスに関連する制御機能を実行するようコントローラ506を指示する命令を保持する。いくつかの実施例では、コントローラ506は、作製ツール500の他の構成部品に対して局所的であってよい。他の実施例では、コントローラ506は、作製ツール500の他の構成部品に対して遠隔に設置されてよい。さらに他の実施例では、コントローラ506は、作製ツール500に関して局所位置と遠隔位置との間に分散されてよい。コントローラ506での使用に適した例示的なハードウェア部品は、図7を参照して以下により詳しく説明される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
炭素の単一堆積サイクル後に堆積した炭素が平坦化されると、カーボンプラグ作製プロセスは終了する。カーボンプラグの形成後に、618に示されるような、カーボンプラグを用いる様々な下流作製プロセスが実施されてよい。一例として、下流作製プロセスは、620におけるメモリデッキ(N+1)の作製を含んでよい。そのようなプロセスは、例えば、第Nのデッキの上に交互材料層の第(N+1)デッキを堆積させる工程を含んでよい。そのようなプロセスは、方位性エッチングプロセスによってメモリデッキ(N+1)に凹部を形成する工程を含んでもよい。メモリデッキ(N+1)に形成された凹部は、第Nのデッキの凹部に形成されたカーボンプラグまで延びる。メモリデッキ(N+1)に凹部を形成した後に、622において、以前に形成されたメモリデッキを保護するために形成されたカーボンプラグは除去される。カーボンプラグの除去は、一例としてアッシングプロセスによって都合よく実施されてよい。
【国際調査報告】