(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】シャワーヘッドフェイスプレート構成
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241112BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241112BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530417
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022050241
(87)【国際公開番号】W WO2023096817
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルオ・ビン
(72)【発明者】
【氏名】トッピン・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・キース・ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ウェイフェン
(72)【発明者】
【氏名】バッバール・ヨゲシュ
(72)【発明者】
【氏名】スブラモニウム・ピラモド
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB02
2G084BB05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD67
2G084FF15
2G084FF39
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BC03
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA04
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE17
5F045EF05
5F045EH05
5F045EH12
5F045EJ09
(57)【要約】
【解決手段】基板を処理するためのシャワーヘッドは、バックプレートと、バックプレートに取り付けられたフェイスプレートとを備える。フェイスプレートは、バックプレートに面する第1の面と、第1の面と対向する第2の面と、第1の面と第2の面との間に延びる複数の貫通孔とを含む。第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的にコンタリングされている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するためのシャワーヘッドであって、
バックプレートと、
前記バックプレートに取り付けられたフェイスプレートと、を備え、
前記フェイスプレートは、
前記バックプレートに面する第1の面と、
前記第1の面と対向する第2の面と、
前記第1の面と前記第2の面との間に延びる複数の貫通孔と、を含み、
前記第1の面および前記第2の面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的にコンタリングされている、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に凹状である、シャワーヘッド。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に凸状である、シャワーヘッド。
【請求項4】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの外径から前記フェイスプレートの内径へ傾斜している、シャワーヘッド。
【請求項5】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの内径から前記フェイスプレートの外径へ傾斜している、シャワーヘッド。
【請求項6】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの一方の第1のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの内径から前記フェイスプレートの外径へ傾斜しており、
前記第1の面および前記第2の面のうちの他方の第2のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの前記外径から前記フェイスプレートの前記内径へ傾斜している、シャワーヘッド。
【請求項7】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、線形の傾きを有する、シャワーヘッド。
【請求項8】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方の前記少なくとも一部のコンタリング部分は、多項式の傾きを有する、シャワーヘッド。
【請求項9】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方の前記少なくとも一部のコンタリング部分は、線形の傾きおよび多項式の傾きを有する、シャワーヘッド。
【請求項10】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、前記バックプレートに向かって延びている、シャワーヘッド。
【請求項11】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、前記バックプレートから離れる方向に延びている、シャワーヘッド。
【請求項12】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの一方の第1のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、前記バックプレートに向かって延びており、
前記第1の面および前記第2の面のうちの他方の第2のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、前記バックプレートから離れる方向に延びている、シャワーヘッド。
【請求項13】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記貫通孔は、前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分内に配置される、シャワーヘッド。
【請求項14】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記貫通孔の一部は、前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分の外に配置される、シャワーヘッド。
【請求項15】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、
前記第1の面および前記第2の面のうちの前記少なくとも一方のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの内径内で延びている、シャワーヘッド。
【請求項16】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、
前記第2の面のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの外径内で延びている、シャワーヘッド。
【請求項17】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、
前記第1の面のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの内径内で延びており、
前記第2の面のコンタリング部分は、前記フェイスプレートの外径内で延びている、シャワーヘッド。
【請求項18】
請求項1に記載のシャワーヘッドであって、
前記バックプレートおよび前記フェイスプレートは筒状であって、前記フェイスプレートは、前記バックプレートに取り付けられた側壁を含み、前記バックプレートと、前記フェイスプレートと、前記側壁とがプレナムを規定し、前記シャワーヘッドは、
前記バックプレートに取り付けられ、ガス入口を含むステム部と、
前記ガス入口から、前記ステム部、前記バックプレート、および前記フェイスプレートを通じて前記プレナムまで延びる導管と、をさらに備え、
前記ガス入口、前記プレナム、および前記貫通孔が互いに流体連通している、シャワーヘッド。
【請求項19】
システムであって、
請求項1に記載のシャワーヘッドと、
前記基板を支持する台座と、
前記シャワーヘッドに対して相対的に前記台座を移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御するコントローラと、
を備える、システム。
【請求項20】
システムであって、
請求項18に記載のシャワーヘッドと、
前記入口にガスを供給するガス源と、
前記基板を支持する台座と、
無線周波数電力を供給して前記ガスを活性化させる無線周波数源と、
前記シャワーヘッドに対して相対的に前記台座を移動させるアクチュエータと、
前記ガス源、前記無線周波数源、および前記アクチュエータを制御するコントローラと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2021年11月29日に出願された米国仮特許出願第63/283,971号に基づき利益を主張する。上記出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システム内で使用されるシャワーヘッドのためのフェイスプレート構成に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術の欄で説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願時に先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システム(ツールとも称される)は、処理チャンバ(ステーションまたはプロセスモジュールとも称される)を備える。処理チャンバ内において、半導体基板(ウエハとも称される)が台座上に配置される。1つ以上のプロセスガスが、シャワーヘッドから処理チャンバに供給される。シャワーヘッドと台座との間でプラズマを衝突させることで、基板上に材料を堆積するか、または基板から材料を除去(エッチング)する。
【発明の概要】
【0005】
基板を処理するためのシャワーヘッドは、バックプレートと、バックプレートに取り付けられたフェイスプレートとを備える。フェイスプレートは、バックプレートに面する第1の面と、第1の面と対向する第2の面と、第1の面と第2の面との間に延びる複数の貫通孔とを含む。第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的にコンタリングされている。
【0006】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に凹状である。
【0007】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に凸状である。
【0008】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状であって、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、フェイスプレートの外径からフェイスプレートの内径へ傾斜している。
【0009】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状であって、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、フェイスプレートの内径からフェイスプレートの外径へ傾斜している。
【0010】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状である。第1の面および第2の面のうちの一方の第1のコンタリング部分は、フェイスプレートの内径からフェイスプレートの外径へ傾斜している。第1の面および第2の面のうちの他方の第2のコンタリング部分は、フェイスプレートの外径からフェイスプレートの内径へ傾斜している。
【0011】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、線形の傾きを有する。
【0012】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部のコンタリング部分は、多項式の傾きを有する。
【0013】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の少なくとも一部のコンタリング部分は、線形の傾きおよび多項式の傾きを有する。
【0014】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、バックプレートに向かって延びている。
【0015】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、バックプレートから離れる方向に延びている。
【0016】
追加の特徴では、第1の面および第2の面のうちの一方の第1のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、バックプレートに向かって延びている。第1の面および第2の面のうちの他方の第2のコンタリング部分は、少なくとも部分的に、バックプレートから離れる方向に延びている。
【0017】
追加の特徴では、貫通孔は、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分内に配置される。
【0018】
追加の特徴では、貫通孔の一部は、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分の外に配置される。
【0019】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状であって、第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方のコンタリング部分は、フェイスプレートの内径内で延びている。
【0020】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状であって、第2の面のコンタリング部分は、フェイスプレートの外径内で延びている。
【0021】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状である。第1の面のコンタリング部分は、フェイスプレートの内径内で延びている。第2の面のコンタリング部分は、フェイスプレートの外径内で延びている。
【0022】
追加の特徴では、バックプレートおよびフェイスプレートは筒状である。フェイスプレートは、バックプレートに取り付けられた側壁を含む。バックプレートと、フェイスプレートと、側壁とがプレナムを規定する。シャワーヘッドは、バックプレートに取り付けられたステム部をさらに備える。ステム部は、ガス入口を含む。導管は、ガス入口から、ステム部、バックプレート、およびフェイスプレートを通じてプレナムまで延びる。ガス入口、プレナム、および貫通孔は互いに流体連通している。
【0023】
追加の特徴では、システムは、シャワーヘッドと、基板を支持する台座と、シャワーヘッドに対して相対的に台座を移動させるアクチュエータと、アクチュエータを制御するコントローラとを備える。
【0024】
追加の特徴では、システムは、シャワーヘッドと、入口にガスを供給するガス源と、基板を支持する台座と、無線周波数電力を供給してガスを活性化させる無線周波数源と、シャワーヘッドに対して相対的に台座を移動させるアクチュエータとを備える。システムは、ガス源、無線周波数源、およびアクチュエータを制御するコントローラを備える。
【0025】
本開示の適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるであろう。
【0027】
【
図1】
図1は、処理チャンバを含む基板処理システムの例を示す。
【0028】
【
図2】
図2は、シャワーヘッドの例の断面図を示す。
【0029】
【
図3】
図3は、内側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板とは離れた位置に面する側のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【0030】
【
図4】
図4は、外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板に面する側のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【
図5】
図5は、外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板に面する側のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【
図6】
図6は、外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板に面する側のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【0031】
【
図7】
図7は、内側コンタリングおよび外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板とは離れた位置に面する側、および基板に面する側の両方のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【
図8】
図8は、内側コンタリングおよび外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板とは離れた位置に面する側、および基板に面する側の両方のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【
図9】
図9は内側コンタリングおよび外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板とは離れた位置に面する側、および基板に面する側の両方のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【
図10】
図10は、内側コンタリングおよび外側コンタリング(すなわち、フェイスプレートにおける基板とは離れた位置に面する側、および基板に面する側の両方のコンタリング)を伴うフェイスプレートを含むシャワーヘッドの例の断面図である。
【0032】
図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用される場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
基板処理システム(
図1の例を参照)において、1つ以上のプロセスガスをシャワーヘッドから供給することによって、台座上に配置された基板上にフィルムが堆積される場合がある。いくつかの堆積プロセスでは、堆積中にプラズマも使用する。多くの要因が基板上に堆積されるフィルムの特性(すなわち、厚さプロファイル)に影響を及ぼす。フィルム特性に影響を及ぼす要因の非限定的な例としては、シャワーヘッドのフェイスプレート内の貫通孔のサイズ、密度、および分布、フェイスプレートの形状、ならびにフェイスプレートと基板との間の距離が挙げられる。
【0034】
いくつかの適用は、基板上に堆積されるフィルムについて、径方向に均一な(平坦な)厚さプロファイルを要する一方で、他の適用は、径方向に均一ではなく径方向に変動するプロファイルを要する。フィルム特性を変動させるために多くの技術が使用される。例えば、シャワーヘッドを通るプロセスガスの流量、プラズマ密度分布などのパラメータを制御することで、フィルムプロファイルを調節できる。しかしながら、これらの技術は、適切でなく、望ましくない副作用をもたらす傾向がある。
【0035】
本開示は、基板上に堆積されるフィルムの特性を調節するために、様々な形状のフェイスプレートを提供する。具体的には、以下で詳細に説明するように、フェイスプレートは、内側(すなわち、基板とは離れた位置に面する側)、外側(すなわち、基板に面する側)、またはそれらの組み合わせにおいてコンタリングされてよい。本明細書で使用される場合、表面のコンタリングは、本開示で説明されるように表面を形成することを意味する。例えば、コンタリングされた表面は、本明細書に記載されるような形状、輪郭、またはプロファイルを有する表面である。例えば、コンタリングされた表面は、湾曲面、傾斜を有する面、または湾曲部分、傾斜を有する部分、平坦な面、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む表面を含む。フェイスプレートのコンタリングは、フェイスプレート内の貫通孔の高さ(または深さ)をシャワーヘッドの半径に沿って変化させる。半径に沿った貫通孔の深さの変動は、プロセスガスの流れに対する抵抗をシャワーヘッドの半径にわたって変化させる。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0036】
具体的には、フェイスプレートの内側コンタリングは、プロセスガスの圧力分布を径方向に調節することによって、フィルムの径方向プロファイルを調節できる。フェイスプレートの外側コンタリングは、プロセスガスの圧力分布を径方向に調節すること、およびプラズマ密度を径方向に調節することによって、フィルムの径方向プロファイルを調節できる。例えば、内側コンタリングおよび/または外側コンタリングされたフェイスプレートの使用に加えて、フェイスプレートと基板との間の距離(すなわち、シャワーヘッドと台座との間の隙間)を調整することで、フィルム特性をさらに調節できる。フェイスプレートの外側コンタリングは、基板上への応力などの他の特性にも影響を与え得る。本開示のこれらの特徴、および他の特徴について、以下で詳細に説明する。
【0037】
基板処理システム:
図1は、基板処理システム100の例を示す。基板処理システム100は、処理チャンバ102と、ガス分配システム104と、マニホールド106と、無線周波数(RF)源108と、バルブ110と、ポンプ112と、コントローラ114とを含む。処理チャンバ102は、台座120と、台座120の上方に配置されたシャワーヘッド122とを含む。基板124は、処理中に台座120上に配置される。
【0038】
台座120は、概して126に示される1つ以上の加熱器を含む。図示しないが、台座120は、クーラントが中を通って循環可能な冷却チャネルも含んでよい。台座120は、概して128に示される1つ以上の温度センサも含む。加熱器126および冷却チャネルは、処理中に基板124の温度を制御する。
【0039】
シャワーヘッド122は、基部130と、ステム部132とを含む。基部130は、概して筒状であり、バックプレートとフェイスプレートとを含む(以下で
図2~
図10を参照して詳細に示し説明される)。ステム部132は、基部130の中心から延びて処理チャンバ102の上部に取り付けられる。シャワーヘッド130はまた、加熱器と冷却チャネル(いずれも図示しない)とを含んでよい。シャワーヘッド130は、概して134に示される1つ以上の温度センサも含む。
【0040】
ガス分配システム104は、複数のガス源140と、複数のバルブ142と、複数のマスフローコントローラ(MFCs)144とを含む。ガス源140は、バルブ142およびMFCs144を通じてマニホールド106にプロセスガスを供給する。ガス分配システム104はまた、1つ以上のバルブ148を通じてマニホールド106に1つ以上の気化前駆体146を供給する。マニホールド106は、シャワーヘッド130のステム部132を通じて1つ以上のプロセスガスおよび/または1つ以上の気化前駆体をシャワーヘッド130に供給する。シャワーヘッド130は、シャワーヘッドのフェイスプレート内の貫通孔を介して処理チャンバ102内にガスを供給する。貫通孔は
図2~
図10に図示される。
【0041】
RF源108は、RF発生器150と整合回路152とを含む。RF発生器は、RF電力を生成する。整合回路152は、台座120が接地された状態でシャワーヘッド130にRF電力を供給する。代替的に、台座120にRF電力を供給し、シャワーヘッド130を接地できる。RF電力は、プロセスガスおよび/または前駆体を活性化することでプラズマ154を発生させる。
【0042】
アクチュエータ116は、台座120を上方および下方に動かすことで、処理中に台座120とシャワーヘッド130との間の隙間を調整する。代替的に、または追加で、図示しないが、1つ以上のアクチュエータを使用してシャワーヘッド130を台座120に対して相対的に移動できる。バルブ110およびポンプ112は、処理チャンバ102内の圧力を維持する、ならびに処理チャンバ102からガスを排気する。コントローラ114は、上述の基板処理システム100の全ての要素(すなわち構成要素)を制御する。
シャワーヘッド
【0043】
図2は、
図1に示す基板処理システム100内で使用可能なシャワーヘッド200の断面図を示す。シャワーヘッド200は、基部202と、基部202から延びるステム部204とを含む。ステム部204は、プロセスガスを受け取る入口206を含む。基部202は、バックプレート210と、フェイスプレート212とを含む。バックプレート210は、概して筒状である。フェイスプレート212は、以下でさらに詳細に説明されるように、バックプレート210の外径(OD)に取り付けられる。ステム部204は、バックプレート210の中心から延びる。
【0044】
フェイスプレート212は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート212は、筒状基部220と側壁222とを含む。側壁222は、筒状基部220から延びる。側壁222は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁222は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁222の内面223に対して直角である。バックプレート210の底面211は、筒状基部220およびバックプレート210が置かれる面と平行である。
【0045】
バックプレート210およびフェイスプレート212は、プレナム230を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部220の上面221、および側壁222の内面223がプレナム230を規定する。導管205は、入口206からステム部204およびバックプレート210を通じて延びる。導管205は、プレナム230と流体連通している。プレナム230は、入口206と流体連通している。
図3~
図10を参照して説明はしないが、導管205は
図3~
図10に図示され、
図3~
図10に図示される各プレナムに入口206を同様に接続する。
【0046】
筒状基部220は、複数の貫通孔232-1、232-2、232-3、・・・、および232-N(集合的に貫通孔232)を含む。貫通孔232は、フェイスプレート212の底からフェイスプレート212の上部に延びる。具体的には、貫通孔232は、筒状基部220の底から筒状基部220の上部に延びる。より具体的には、貫通孔232は、筒状基部220の底面234から筒状基部220の上面221に延びる。底面234は基板に面し、上面221は基板とは離れた位置に面する。
【0047】
筒状基部220の上面221および底面234に関する以下の説明は、
図3~
図10を参照して以下に示され説明される全てのシャワーヘッドの筒状基部の上面および底面に適用される。筒状基部220の上面221は、バックプレート210の底面211に面し、バックプレート210の底面211と平行である。したがって、筒状基部220の上面221は、基板とは離れた位置に面する。上面221は、筒状基部220の内面221と称されてもよく、底面234は、筒状基部220の外面234と称されてもよい。概して、上面221は、筒状基部220の第1の面と称されてもよく、底面234は、筒状基部220の第2の面と称されてもよい。筒状基部の上面および底面に関する代替用語、ならびにバックプレート210および基板に対する筒状基部の上面および底面の空間的関係は、
図3~
図10を参照して以下に説明される全てのシャワーヘッドの筒状基部の上面および底面に適用される。
【0048】
貫通孔232は、筒状基部220を通って、筒状基部220およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔232は、筒状基部220の中心から側壁222の内径(ID)にかけて分布する。貫通孔232は、プレナム230および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム230を通って、貫通孔232を介して処理チャンバ内に流れる。
【0049】
貫通孔232の以下の説明は、
図3~
図10を参照して以下に示され説明される全ての貫通孔に適用される。例示の便宜上、いくつかの貫通孔232のみが図示されるが、貫通孔232の数は数千のオーダーであり得る。いくつかの適用では、図示しないが、貫通孔232は異なるパターンで配置できる。例えば、貫通孔232は、正方形のパターン、六角形(ハニカム)のパターンなどで配置できる。いくつかの適用では、貫通孔232は、筒状基部220全体に分布する異なる形状の異なる領域またはゾーン内に配置できる。いくつかの適用では、貫通孔232の直径は変動可能であり、貫通孔232の密度はゾーンにわたって変動可能である。いくつかの適用では、貫通孔232は垂直でなくてもよい。加えて、
図3~
図10を参照して以下で説明されるように、貫通孔232の高さは、筒状基部220をコンタリングすることで変動させ得る。いくつかの適用では、貫通孔232のこれらの配置を任意に組み合わせて使用できる。
【0050】
図3~
図10は、本開示にかかるフェイスプレートの様々な構成を含むシャワーヘッドを示す。
図3~
図10に示すシャワーヘッドは、
図1に示す基板処理システム100内で使用できる。
図3~
図10に示すシャワーヘッドのフェイスプレートは、以下に示されて説明されるように、フェイスプレート212とは異なる。
図3は、内側コンタリングを伴うフェイスプレートの例を示す。
図4~
図6は、外側コンタリングを伴うフェイスプレートの例を示す。
図7~
図10は、内側コンタリングおよび外側コンタリングを伴うフェイスプレートの例を示す。なお、筒状基部の上面および底面のいずれか、または両方のコンタリング部分の形状は、プロセス要件によって多様に変動可能である。
図3~
図10に示すコンタリングは、専ら例示的であって非限定的である。
内側コンタリングを伴うフェイスプレート
【0051】
図3は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド300を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような内側コンタリングを含む。シャワーヘッド300は、基部302とステム部204とを含む。基部302は、バックプレート210とフェイスプレート312とを含む。フェイスプレート312は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート312は、筒状基部320と側壁322とを含む。側壁322は、筒状基部320から延びる。側壁322は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁322は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁322の内面323に対して直角である。
【0052】
バックプレート210およびフェイスプレート312は、プレナム330を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部320の上面321、および側壁322の内面323がプレナム330を規定する。プレナム330は、入口206と流体連通している。
【0053】
筒状基部320の、基板とは離れた位置に面する上面321は平坦でない。代わりに、筒状基部320の上面321はコンタリングされている。例えば、筒状基部320の上面321は、概して凹状である。具体的には、上面321の第1の部分350は、第1の距離だけ、側壁322のIDから径方向内側に延びる。第1の部分350は、第1の距離だけ、側壁322の内面323から直角に延びる。第1の部分350は、第1の距離だけ、筒状基部320の底面334と平行に、かつバックプレート210の底面211と平行に延びる。
【0054】
そして、上面321の第2の部分352は、第2の距離だけ、第1の部分350から径方向内側に延び、筒状基部320の底面334に向かって先細になる。第2の部分352は、第2の距離だけ、筒状基部320の中心に向かって先細になる。そして、上面321の第3の部分354は、第3の距離だけ、第2の部分352から筒状基部320の中心まで延びる。第3の部分354は、第3の距離だけ、筒状基部320の底面334と平行に延びる。筒状基部320の、基板に面する底面334は、側壁322の内面323に対して直角であり、かつバックプレート210の底面211と平行である。したがって、上面321の第3の部分354もまた、第3の距離だけ、側壁322の内面323に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。
【0055】
筒状基部320の上面321はフェイスプレート312の内面でもあるため、上述の概して凹状の上面321の形成は、フェイスプレート312の内側コンタリングとも称される。なお、上面321のコンタリングは、筒状基部320の上面321上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、上面321のコンタリングは、筒状基部320の上面321上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、上面321のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0056】
筒状基部320は、複数の貫通孔332-1、332-2、332-3、・・・、および332-N(集合的に貫通孔332)を含む。貫通孔332は、フェイスプレート312の底からフェイスプレート312の上部に延びる。具体的には、貫通孔332は、筒状基部320の底から筒状基部320の上部に延びる。より具体的には、貫通孔332は、筒状基部320の底面334から筒状基部320の上面321に延びる。底面334は基板に面し、上面321は基板とは離れた位置に面する。底面334は、筒状基部320の外面334と称されてもよく、上面321は、筒状基部320の内面321と称されてもよい。
【0057】
貫通孔332は、筒状基部320を通って、筒状基部320およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔332は、筒状基部320の中心から側壁322の内径(ID)にかけて分布する。貫通孔332は、プレナム330および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム330を通って、貫通孔332を介して処理チャンバ内に流れる。
【0058】
筒状基部320の上面321のコンタリングによって、図示されるように、筒状基部320内の貫通孔332の高さ(または深さ)が側壁322のIDから筒状基部320の中心にかけて変動する。貫通孔332の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド300の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド300と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでシャワーヘッド300と基板との間のプラズマ密度が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0059】
具体的には、筒状基部320の上面321のコンタリングによって、筒状基部320は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部320は、それぞれZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部320の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁322のIDから筒状基部320の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁322のIDと同じである。筒状基部320の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部320の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部320の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部320の中心まで径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0060】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODと筒状基部320の中心との間の距離)は、第3の距離と等しい。筒状基部320のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔332の高さは、以下のように変動する。
【0061】
筒状基部320の上面321のコンタリングによって、側壁322のIDに最も近い、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔332の高さは、第2のゾーンZ2および第3のゾーンZ3内の貫通孔332の高さよりも大きい。筒状基部320の中心に最も近い、最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔332の高さは、第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2内の貫通孔332の高さよりも小さい。したがって、筒状基部320の最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して最も小さな抵抗をもたらし、筒状基部320の最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらす。第2ゾーン2内の貫通孔332の高さは、第3のゾーンZ3内の貫通孔332の高さよりも大きく、第1のゾーンZ1内の貫通孔332の高さよりも小さい。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して、第3のゾーンZ3内の貫通孔332よりも大きな抵抗をもたらし、かつ第1のゾーンZ1内の貫通孔332よりも小さな抵抗をもたらす。
【0062】
具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔332の高さは、第2のゾーンZ2内のコンタリング部分にわたって変動するため、第2のゾーンZ2内の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。より具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔332の高さは、第2のゾーンZ2のODから筒状基部320の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に減少する。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2のODから筒状基部320の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に減少する抵抗をもたらす。最も外側にある第1のゾーンZ1の貫通孔332は、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらす。したがって、シャワーヘッド300を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、シャワーヘッド200を使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0063】
さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド300と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド400、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。したがって、シャワーヘッド300を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、シャワーヘッド200を使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0064】
外側コンタリングを伴うフェイスプレート:
図4は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド400を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような外側コンタリングを含む。シャワーヘッド400は、基部402とステム部204とを含む。基部402は、バックプレート210とフェイスプレート412とを含む。フェイスプレート412は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート412は、筒状基部420と側壁422とを含む。側壁422は、筒状基部420から延びる。側壁422は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁422は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁422の内面423に対して直角である。
【0065】
バックプレート210およびフェイスプレート412は、プレナム430を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部420の上面421、および側壁422の内面423がプレナム430を規定する。プレナム430は、入口206と流体連通している。
【0066】
筒状基部420の、基板とは離れた位置に面する上面421は平坦である。筒状基部420の上面421は、側壁422の内面423に対して直角である。筒状基部420の上面421は、バックプレート210の底面211と平行である。筒状基部420の底面434は平坦でない。代わりに、筒状基部420の底面434はコンタリングされている。
【0067】
具体的には、底面434の第1の部分450は、第1の距離だけ、側壁422のODから径方向内側に延びる。第1の部分450は、第1の距離だけ、側壁422から直角に延びる。第1の部分450は、第1の距離だけ、筒状基部420の上面421と平行に、かつバックプレート210の底面211と平行に延びる。
【0068】
そして、底面434の第2の部分452は、第2の距離だけ、第1の部分450から径方向内側に延びる。第2の部分452は、第2の距離だけ、上面421に対して離れる方向に筒状基部420の中心に向かって先細になる。そして、底面434の第3の部分454は、第3の距離だけ、第2の部分452から筒状基部420の中心まで延びる。第3の部分454は、第3の距離だけ、筒状基部420の上面421と平行に延びる。筒状基部420の、基板とは離れた位置に面する上面421は、側壁422の内面423に対して直角であり、かつバックプレート210の底面211と平行である。したがって、底面434の第3の部分454もまた、第3の距離だけ、側壁422の内面423に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。
【0069】
筒状基部420の底面434はフェイスプレート412の外面でもあるため、上述の概して凸状の底面434の形成は、フェイスプレート412の外側コンタリングとも称される。なお、底面434のコンタリングは、筒状基部420の底面434上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面434のコンタリングは、筒状基部420の底面434上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、底面434のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0070】
筒状基部420は、複数の貫通孔432-1、432-2、432-3、・・・、および432-N(集合的に貫通孔432)を含む。貫通孔432は、フェイスプレート412の底からフェイスプレート412の上部に延びる。具体的には、貫通孔432は、筒状基部420の底から筒状基部420の上部に延びる。より具体的には、貫通孔432は、筒状基部420の底面434から筒状基部420の上面421に延びる。底面434は基板に面し、上面421は基板とは離れた位置に面する。底面434は、筒状基部420の外面434と称されてもよく、上面421は、筒状基部420の内面421と称されてもよい。
【0071】
貫通孔432は、筒状基部420を通って、筒状基部420およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔432は、筒状基部420の中心から側壁422のIDにかけて分布する。貫通孔432は、プレナム430および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム430を通って、貫通孔432を介して処理チャンバ内に流れる。
【0072】
筒状基部420の底面434のコンタリングによって、図示されるように、筒状基部420内の貫通孔432の高さ(または深さ)が側壁422のIDから筒状基部420の中心にかけて変動する。貫通孔432の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド400の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたっての変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0073】
加えて、筒状基部420の底面434のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔432を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド400と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド400、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0074】
具体的には、筒状基部420の底面434のコンタリングによって、筒状基部420は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部420は、それぞれZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部420の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁422のODから筒状基部420の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁422のIDと同じである。筒状基部420の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部420の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部420の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部420の中心まで径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0075】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODと筒状基部420の中心との間の距離)は、第3の距離と等しい。筒状基部420のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔432の高さは、以下のように変動する。
【0076】
筒状基部420の底面434のコンタリングによって、側壁422のIDに最も近い、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔432の高さは、第2のゾーンZ2および第3のゾーンZ3内の貫通孔432の高さよりも小さい。筒状基部420の中心に最も近い、最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔432の高さは、第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2内の貫通孔432の高さよりも大きい。したがって、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して最も小さな抵抗をもたらし、最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらす。第2ゾーン2内の貫通孔432の高さは、第1のゾーンZ1内の貫通孔432の高さよりも大きく、第3のゾーンZ3内の貫通孔432の高さよりも小さい。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して、第1のゾーンZ1内の貫通孔432よりも大きな抵抗をもたらし、かつ第3のゾーンZ3内の貫通孔432よりも小さな抵抗をもたらす。
【0077】
具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔432の高さは、第2のゾーンZ2内のコンタリング部分にわたって変動するため、第2のゾーンZ2内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。より具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔432の高さは、第2のゾーンZ2のODから筒状基部420の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に増大する。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2のODから筒状基部420の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に増大する抵抗をもたらす。最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔432は、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらす。
【0078】
さらに、コンタリングによって、プロセスガスは、第1のゾーンZ1および第3のゾーンZ3内の貫通孔432とは異なる方向に第2のゾーンZ2内の貫通孔432を介して抜ける。さらに、異なるゾーン内の貫通孔432と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド400を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、シャワーヘッド200および300を使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0079】
図5は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド500を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような外側コンタリングを含む。シャワーヘッド500は、基部502とステム部204とを含む。基部502は、バックプレート210とフェイスプレート512とを含む。フェイスプレート512は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート512は、筒状基部520と側壁522とを含む。側壁522は、筒状基部520から延びる。側壁522は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁522は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁522の内面523に対して直角である。
【0080】
バックプレート210およびフェイスプレート512は、プレナム530を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部520の上面521、および側壁522の内面523がプレナム530を規定する。プレナム530は、入口206と流体連通している。
【0081】
筒状基部520の、基板とは離れた位置に面する上面521は平坦である。筒状基部520の上面521は、側壁522の内面523に対して直角である。筒状基部520の上面521は、バックプレート210の底面211と平行である。筒状基部520の底面534は平坦でない。代わりに、筒状基部520の底面534はコンタリングされている。
【0082】
具体的には、底面534の第1の部分550は、第1の距離だけ、側壁522のODから径方向内側に延びる。第1の部分550は、第1の距離だけ、側壁522から直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。そして、底面534の第2の部分552は、第2の距離だけ、第1の部分550から延びる。第2の部分552は、第2の距離だけ、上面521に向かって径方向内側に先細になる。第2の部分552は、第2の距離だけ、筒状基部520の中心に向かって先細になる。
【0083】
そして、底面534の第3の部分554は、第3の距離だけ、第2の部分552から延びる。第3の部分554は、第3の距離だけ、筒状基部520の中心に向かって径方向内側に延びる。第3の部分554は、第3の距離だけ、側壁522に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。第3の部分554は、第1の部分550と平行である。
【0084】
そして、底面534の第4の部分556は、第4の距離だけ、第3の部分554から延びる。第4の部分556は、第4の距離だけ、上面521に対して離れる方向に筒状基部520の中心に向かって先細になる。そして、底面534の第5の部分558は、第5の距離だけ、第4の部分556から延びる。第5の部分558は、第5の距離だけ、第4の部分556から筒状基部520の中心まで延びる。第5の部分558は、第5の距離だけ、筒状基部520の上面521と平行に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。筒状基部520の、基板とは離れた位置に面する上面521は、側壁522の内面523に対して直角であり、かつバックプレート210の底面211と平行である。したがって、底面534の第5の部分558もまた、第5の距離だけ、側壁522の内面523に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。第5の部分558は、第3の部分554および第1の部分550と平行である。
【0085】
筒状基部520の底面534はフェイスプレート512の外面でもあるため、上述の概して凸状の底面534の形成は、フェイスプレート512の外側コンタリングとも称される。なお、底面534のコンタリングは、筒状基部520の底面534上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面534のコンタリングは、筒状基部520の底面534上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、第1、第2、第3、第4、および第5の距離は変動可能である。さらに、底面534のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0086】
筒状基部520は、複数の貫通孔532-1、532-2、532-3、・・・、および532-N(集合的に貫通孔532)を含む。貫通孔532は、フェイスプレート512の底からフェイスプレート512の上部に延びる。具体的には、貫通孔532は、筒状基部520の底から筒状基部520の上部に延びる。より具体的には、貫通孔532は、筒状基部520の底面534から筒状基部520の上面521に延びる。底面534は基板に面し、上面521は基板とは離れた位置に面する。底面534は、筒状基部520の外面534と称されてもよく、上面521は、筒状基部520の内面521と称されてもよい。
【0087】
貫通孔532は、筒状基部520を通って、筒状基部520およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔532は、筒状基部520の中心から側壁522のIDにかけて分布する。貫通孔532は、プレナム530および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム530を通って、貫通孔532を介して処理チャンバ内に流れる。
【0088】
筒状基部520の底面534のコンタリングによって、図示されるように、筒状基部520内の貫通孔532の高さ(または深さ)が側壁522のIDから筒状基部520の中心にかけて変動する。貫通孔532の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド500の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0089】
加えて、筒状基部520の底面534のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔532を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド500と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド500、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0090】
具体的には、筒状基部520の底面534のコンタリングによって、筒状基部520は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部520は、それぞれZ1、Z2、Z3、Z4、およびZ5として示される第1、第2、第3、第4、および第5の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部520の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁522のODから筒状基部520の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁522のODと同じである。図示の例では、第1のゾーンZ1は、いかなる貫通孔532も含まない。
【0091】
筒状基部520の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部520の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部520の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部520の中心に向かって径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0092】
筒状基部520の第4のゾーンZ4は、第4の距離だけ、第3のゾーンZ3のIDから筒状基部520の中心に向かって径方向内側に延びる。第4のゾーンZ4のODは、第3のゾーンZ3のIDと同じである。筒状基部520の第5のゾーンZ5は、第5の距離だけ、第4のゾーンZ4のIDから筒状基部520の中心まで径方向内側に延びる。第5のゾーンZ5のODは、第4のゾーンZ4のIDと同じである。
【0093】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODとIDとの間の差)は、第3の距離と等しい。第4のゾーンZ4の幅(すなわち、第4のゾーンZ4のODとIDとの間の差)は、第4の距離と等しい。第5のゾーンZ5の幅(すなわち、第5のゾーンZ5のODと筒状基部520の中心との間の距離)は、第5の距離と等しい。筒状基部520のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔532の高さは、以下のように変動する。
【0094】
筒状基部520の底面534のコンタリングによって、最も外側にある第2のゾーンZ2内の貫通孔532の高さは変動し、したがって、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔532の高さは、第2のゾーンZ2のODから第2のゾーンZ2のIDにかけて(すなわち、筒状基部520の中心に向かって)徐々に減少する。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔532は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2のODから第2のゾーンZ2のIDにかけて(すなわち、筒状基部520の中心に向かって)徐々に減少する抵抗をもたらす。
【0095】
第3のゾーンZ3内の貫通孔532の高さは、第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4、および第5のゾーンZ5内の貫通孔532の高さよりも小さい。したがって、第3のゾーンZ3内の貫通孔532は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4、および第5のゾーンZ5内の貫通孔532よりも小さな抵抗をもたらす。図示の例では、第3のゾーンZ3内の貫通孔532の高さは、第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4、および第5のゾーンZ5内の貫通孔532と比較して最も小さい。したがって、第3のゾーンZ3内の貫通孔532は、第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4、および第5のゾーンZ5内の貫通孔532と比較して、プロセスガスの流れに対して最も小さな抵抗をもたらす。
【0096】
第4のゾーンZ4内の貫通孔532の高さは変動し、したがって、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。具体的には、第4のゾーンZ4内の貫通孔532の高さは、第4のゾーンZ4のODから第4のゾーンZ4のIDにかけて(すなわち、筒状基部520の中心に向かって)徐々に増大する。したがって、第4のゾーンZ4内の貫通孔532は、プロセスガスの流れに対して、第4のゾーンZ4のODから第4のゾーンZ4のIDにかけて(すなわち、筒状基部520の中心に向かって)徐々に増大する抵抗をもたらす。第4のゾーンZ4内の貫通孔532の高さは、第3のゾーンZ3内の貫通孔532よりも大きく、第5のゾーンZ5内の貫通孔532の高さよりも小さい。したがって、第4のゾーンZ4内の貫通孔532は、プロセスガスの流れに対して、第3のゾーンZ3内の貫通孔532よりも大きな抵抗をもたらし、かつ第5のゾーンZ5内の貫通孔532よりも小さな抵抗をもたらす。
【0097】
最も内側にある第5のゾーンZ5内の貫通孔532の高さは最も大きく、したがって、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらす。さらに、コンタリングによって、プロセスガスは、第3のゾーンZ3および第5のゾーンZ5内の貫通孔532とは異なる方向に第2のゾーンZ2および第4のゾーン4内の貫通孔532を抜ける。さらに、異なるゾーン内の貫通孔532と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド500を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、シャワーヘッド200、300、および400を使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0098】
図6は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド600を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような外側コンタリングを含む。シャワーヘッド600は、基部602とステム部204とを含む。基部602は、バックプレート210とフェイスプレート612とを含む。フェイスプレート612は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート612は、筒状基部620と側壁622とを含む。側壁622は、筒状基部620から延びる。側壁622は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁622は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁622の内面623に対して直角である。
【0099】
バックプレート210およびフェイスプレート612は、プレナム630を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部620の上面621、および側壁622の内面623がプレナム630を規定する。プレナム630は、入口206と流体連通している。
【0100】
筒状基部620の、基板とは離れた位置に面する上面621は平坦である。筒状基部620の上面621は、側壁622の内面623に対して直角である。筒状基部620の上面621は、バックプレート210の底面211と平行である。筒状基部620の底面634は平坦でない。代わりに、筒状基部620の底面634はコンタリングされている。
【0101】
具体的には、底面634の第1の部分650は、第1の距離だけ、側壁622のODから径方向内側に延びる。第1の部分650は、第1の距離だけ、側壁622から直角に延びる。第1の部分650は、第1の距離だけ、筒状基部620の上面621と平行に、かつバックプレート210の底面211と平行に延びる。
【0102】
そして、底面634の第2の部分652は、第2の距離だけ、第1の部分650から径方向内側に延びる。第2の部分652は、第2の距離だけ、筒状基部620の上面621に向かって先細になる。第2の部分652は、第2の距離だけ、筒状基部620の中心に向かって先細になる。
【0103】
そして、底面434の第3の部分654は、第3の距離だけ、第2の部分652から筒状基部620の中心まで延びる。第3の部分654は、第3の距離だけ、筒状基部620の上面621と平行に延びる。筒状基部620の、基板とは離れた位置に面する上面621は、側壁622の内面623に対して直角であり、かつバックプレート210の底面211と平行である。したがって、底面634の第3の部分654もまた、第3の距離だけ、側壁622の内面623に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。
【0104】
筒状基部620の底面634はフェイスプレート612の外面でもあるため、上述の概して凹状の底面634の形成は、フェイスプレート612の外側コンタリングとも称される。なお、底面634のコンタリングは、筒状基部620の底面634上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面634のコンタリングは、筒状基部620の底面634上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、底面634のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0105】
筒状基部620は、複数の貫通孔632-1、632-2、632-3、・・・、および632-N(集合的に貫通孔632)を含む。貫通孔632は、フェイスプレート612の底からフェイスプレート612の上部に延びる。具体的には、貫通孔632は、筒状基部620の底から筒状基部620の上部に延びる。より具体的には、貫通孔632は、筒状基部620の底面634から筒状基部620の上面621に延びる。底面634は基板に面し、上面621は基板とは離れた位置に面する。底面634は、筒状基部620の外面634と称されてもよく、上面621は、筒状基部620の内面621と称されてもよい。
【0106】
貫通孔632は、筒状基部620を通って、筒状基部620およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔632は、筒状基部620の中心から側壁622のIDにかけて分布する。貫通孔632は、プレナム630および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム630を通って、貫通孔632を介して処理チャンバ内に流れる。
【0107】
筒状基部620の底面634のコンタリングによって、図示されるように、筒状基部620内の貫通孔632の高さ(または深さ)が側壁622のIDから筒状基部620の中心にかけて変動する。貫通孔632の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド600の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0108】
加えて、筒状基部620の底面634のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔632を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド600と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド600、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0109】
具体的には、筒状基部620の底面634のコンタリングによって、筒状基部620は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部620は、それぞれZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部620の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁622のODから筒状基部620の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁622のIDと同じである。筒状基部620の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部620の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部620の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部620の中心まで径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0110】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODと筒状基部620の中心との間の距離)は、第3の距離と等しい。筒状基部620のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔632の高さは、以下のように変動する。
【0111】
筒状基部620の底面634のコンタリングによって、側壁622のIDに最も近い、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔632の高さは、第2のゾーンZ2および第3のゾーンZ3内の貫通孔632の高さよりも大きい。筒状基部620の中心に最も近い、最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔632の高さは、第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2内の貫通孔632の高さよりも小さい。したがって、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して最も大きな抵抗をもたらし、最も内側にある第3のゾーンZ2内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して最も小さな抵抗をもたらす。第2ゾーン2内の貫通孔632の高さは、第1のゾーンZ1内の貫通孔632の高さよりも小さく、第3のゾーンZ3内の貫通孔632の高さよりも大きい。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して、第1のゾーンZ1内の貫通孔632よりも小さな抵抗をもたらし、かつ第3のゾーンZ3内の貫通孔632よりも大きな抵抗をもたらす。
【0112】
具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔632の高さは、第2のゾーンZ2内のコンタリング部分にわたって変動するため、第2のゾーンZ2内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。具体的には、第2のゾーンZ2内の貫通孔632の高さは、第2のゾーンZ2のODから筒状基部620の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に減少する。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2のODから筒状基部620の中心に向かって(すなわち、第2のゾーンZ2のIDに向かって)徐々に減少する抵抗をもたらす。最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔632は、プロセスガスの流れに対して最も小さな抵抗をもたらす。
【0113】
さらに、コンタリングによって、プロセスガスは、第1のゾーンZ1および第3のゾーンZ3内の貫通孔632とは異なる方向に第2のゾーンZ2内の貫通孔632を抜ける。さらに、異なるゾーン内の貫通孔632と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド600を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、
図2~
図5に図示されるシャワーヘッドを使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
内側コンタリングおよび外側コンタリングを伴うフェイスプレート
【0114】
図7は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド700を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような内側コンタリングおよび外側コンタリングの両方を含む。シャワーヘッド700は、基部702とステム部204とを含む。基部702は、バックプレート210とフェイスプレート712とを含む。フェイスプレート712は、
図3および
図4に示すフェイスプレート302および402の特徴の組み合わせを含む。
【0115】
フェイスプレート712は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート712は、筒状基部720と側壁722とを含む。側壁722は、筒状基部720から延びる。側壁722は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁722は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁722の内面723に対して直角である。
【0116】
バックプレート210およびフェイスプレート712は、プレナム730を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部720の上面721、および側壁722の内面723がプレナム730を規定する。プレナム730は、入口206と流体連通している。
【0117】
筒状基部720の、基板とは離れた位置に面する上面721、および基板に面する底面734はいずれも平坦でなく、代わりに、コンタリングされている。例えば、筒状基部720の上面721は、概して凹状であり、筒状基部720の底面734は、概して凸状である。
【0118】
具体的には、上面721の第1の部分750は、第1の距離だけ、側壁722のIDから径方向内側に延びる。第1の部分750は、第1の距離だけ、側壁722の内面723から直角に延びる。第1の部分750は、第1の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。そして、上面721の第2の部分752は、第2の距離だけ、第1の部分750から径方向内側に延び、筒状基部720の底面734に向かって先細になる。第2の部分752は、第2の距離だけ、筒状基部720の中心に向かって先細になる。
【0119】
そして、上面721の第3の部分754は、第3の距離だけ、第2の部分752から筒状基部720の中心まで延びる。第3の部分754は、第3の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。バックプレート210の底面211は、側壁722の内面723に対して直角である。したがって、上面721の第3の部分754もまた、第3の距離だけ、側壁722の内面723に対して直角に延びる。
【0120】
筒状基部720の上面721はフェイスプレート712の内面でもあるため、上述の概して凹状の上面721の形成は、フェイスプレート712の内側コンタリングとも称される。なお、上面721のコンタリングは、筒状基部720の上面721上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、上面721のコンタリングは、筒状基部720の上面721上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、上面721についての第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、上面721のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0121】
さらに、底面734の第1の部分751は、第1の距離だけ、側壁722のODから径方向内側に延びる。第1の部分751は、第1の距離だけ、側壁722から直角に延びる。第1の部分751は、第1の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。そして、底面734の第2の部分753は、第2の距離だけ、第1の部分751から径方向内側に延びる。第2の部分753は、第2の距離だけ、上面721に対して離れる方向に筒状基部720の中心に向かって先細になる。
【0122】
そして、底面734の第3の部分755は、第3の距離だけ、第2の部分753から筒状基部720の中心まで延びる。第3の部分755は、第3の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。バックプレート210の底面211は、側壁722の内面723に対して直角である。したがって、底面734の第3の部分755もまた、第3の距離だけ、側壁722の内面723に対して直角に延びる。
【0123】
筒状基部720の底面734はフェイスプレート712の外面でもあるため、上述の概して凸状の底面734の形成は、フェイスプレート712の外側コンタリングとも称される。なお、底面734のコンタリングは、筒状基部720の底面734上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面734のコンタリングは、筒状基部720の底面734上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、底面734についての第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、底面734のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0124】
筒状基部720の上面721および底面734のコンタリングは、対称に示されるが、上面721および底面734のコンタリングは、非対称であってもよい。例えば、いくつかの適用では、上面721および底面734についての第1、第2、および第3の距離は、別様に変動可能である。
【0125】
筒状基部720は、複数の貫通孔732-1、732-2、732-3、・・・、および732-N(集合的に貫通孔732)を含む。貫通孔732は、フェイスプレート712の底からフェイスプレート712の上部に延びる。具体的には、貫通孔732は、筒状基部720の底から筒状基部720の上部に延びる。より具体的には、貫通孔732は、筒状基部720の底面734から筒状基部720の上面721に延びる。底面734は基板に面し、上面721は基板とは離れた位置に面する。底面734は、筒状基部720の外面734と称されてもよく、上面721は、筒状基部720の内面721と称されてもよい。
【0126】
貫通孔732は、筒状基部720を通って、筒状基部720およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔732は、筒状基部720の中心から側壁722のIDにかけて分布する。貫通孔732は、プレナム730および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム730を通って、貫通孔732を介して処理チャンバ内に流れる。
【0127】
筒状基部720の上面721および底面734のコンタリングによって、筒状基部720内の貫通孔732の高さ(または深さ)が側壁722のIDから筒状基部720の中心にかけて変動可能である。例えば、上面721および底面734の一部が延びる距離は同一に図示されるが、それらの距離は異なり得る。したがって、図示の例では、貫通孔732の高さは同じに示されるが、異なるゾーンにおいて貫通孔732の高さは異なり得る(以下で説明される)。貫通孔732の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド700の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0128】
加えて、筒状基部720の底面734のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔732を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド700と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド700、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0129】
具体的には、筒状基部720の上面721および底面734のコンタリングによって、筒状基部720は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部720は、それぞれZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部720の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁722のIDから筒状基部720の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁722のIDと同じである。筒状基部720の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部720の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部720の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部720の中心まで径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0130】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODと筒状基部720の中心との間の距離)は、第3の距離と等しい。筒状基部720のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔732の高さは、筒状基部720の上面721および底面734のコンタリングに応じて変動可能である。さらに、筒状基部720の底面734のコンタリングによって、プロセスガスは、第1のゾーンZ1および第3のゾーンZ3内の貫通孔732とは異なる方向に第2のゾーンZ2内の貫通孔732を抜ける。さらに、異なるゾーン内の貫通孔732と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド700を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、
図2~
図6に図示されるシャワーヘッドを使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0131】
図8は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド800を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような内側コンタリングおよび外側コンタリングの両方を含む。シャワーヘッド800は、基部802とステム部204とを含む。基部802は、バックプレート210とフェイスプレート812とを含む。フェイスプレート812は、
図3および
図5に示すフェイスプレート302および502の特徴の組み合わせを含む。
【0132】
フェイスプレート812は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート812は、筒状基部820と側壁822とを含む。側壁822は、筒状基部820から延びる。側壁822は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁822は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁822の内面823に対して直角である。バックプレート210の底面211は、側壁822の内面823に対して直角である。
【0133】
バックプレート210およびフェイスプレート812は、プレナム830を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部820の上面821、および側壁822の内面823がプレナム830を規定する。プレナム830は、入口206と流体連通している。
【0134】
筒状基部820の、基板とは離れた位置に面する上面821、および基板に面する底面834はいずれも平坦でなく、代わりに、コンタリングされている。例えば、筒状基部820の上面821は、概して凹状であり、筒状基部820の底面834は、概して凸状である。
【0135】
具体的には、上面821の第1の部分850は、第1の距離だけ、側壁822のIDから径方向内側に延びる。第1の部分850は、第1の距離だけ、側壁822の内面823から直角に延びる。第1の部分850は、第1の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。そして、上面821の第2の部分852は、第2の距離だけ、第1の部分850から径方向内側に延び、筒状基部820の底面834に向かって先細になる。第2の部分852は、第2の距離だけ、筒状基部820の中心に向かって先細になる。
【0136】
そして、上面821の第3の部分854は、第3の距離だけ、第2の部分852から筒状基部820の中心まで延びる。第3の部分854は、第3の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。バックプレート210の底面211は、側壁822の内面823に対して直角である。上面821の第3の部分854もまた、第3の距離だけ、側壁822の内面823に対して直角に延びる。
【0137】
筒状基部820の上面821はフェイスプレート812の内面でもあるため、上述の概して凹状の上面821の形成は、フェイスプレート812の内側コンタリングとも称される。なお、上面821のコンタリングは、筒状基部820の上面821上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、上面821のコンタリングは、筒状基部820の上面821上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、上面821についての第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、上面821のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0138】
さらに、底面834の第1の部分860は、第1の距離だけ、側壁822のODから径方向内側に延びる。第1の部分860は、第1の距離だけ、側壁822から直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。そして底面834の第2の部分862は、第2の距離だけ、第1の部分860から延びる。第2の部分860は、第2の距離だけ、上面821に向かって径方向内側に先細になる。第2の部分862は、第2の距離だけ、筒状基部820の中心に向かって先細になる。
【0139】
そして、底面834の第3の部分864は、第3の距離だけ、第2の部分862から延びる。第3の部分864は、第3の距離だけ、筒状基部820の中心に向かって径方向内側に延びる。第3の部分864は、第3の距離だけ、側壁822に対して直角に延び、かつバックプレート210の底面211と平行である。第3の部分864は、第1の部分860とも平行である。なお、筒状基部820の底面834についての第1、第2、および第3の距離は、筒状基部820の上面821についての第1、第2、および第3の距離とは異なる。
【0140】
そして、底面834の第4の部分866は、第4の距離だけ、第3の部分864から延びる。第4の部分866は、第4の距離だけ、上面821に対して離れる方向に筒状基部820の中心に向かって先細になる。そして、底面834の第5の部分868は、第5の距離だけ、第4の部分866から延びる。第5の部分868は、第5の距離だけ、第4の部分866から筒状基部820の中心まで延びる。第5の部分868は、バックプレート210の底面211と平行に延びる。第5の部分868は、第5の距離だけ、側壁822の内面823に対して直角に延びる。第5の部分868は、第3の部分864および第1の部分860とも平行である。
【0141】
筒状基部820の底面834はフェイスプレート812の外面でもあるため、上述の概して凸状の底面834の形成は、フェイスプレート812の外側コンタリングとも称される。なお、底面834のコンタリングは、筒状基部820の底面834上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面834のコンタリングは、筒状基部820の底面834上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、いくつかの適用では、底面834についての第1、第2、第3、第4、および第5の距離は別様に変動可能である。さらに、底面834のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0142】
筒状基部820の上面821および底面834の一部のコンタリングは、対称に示されるが、上面821および底面834のこれらの部分のコンタリングは、非対称であってもよい。例えば、いくつかの適用では、上面821についての第2の距離および第3の距離と、底面834についての第4の距離および第5の距離とが別様に変動可能である。
【0143】
筒状基部820は、複数の貫通孔832-1、832-2、832-3、・・・、および832-N(集合的に貫通孔832)を含む。貫通孔832は、フェイスプレート812の底からフェイスプレート812の上部に延びる。具体的には、貫通孔832は、筒状基部820の底から筒状基部820の上部に延びる。より具体的には、貫通孔832は、筒状基部820の底面834から筒状基部820の上面821に延びる。底面834は基板に面し、上面821は基板とは離れた位置に面する。底面834は、筒状基部820の外面834と称されてもよく、上面821は、筒状基部820の内面821と称されてもよい。
【0144】
貫通孔832は、筒状基部820を通って、筒状基部820およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔832は、筒状基部820の中心から側壁822のIDにかけて分布する。貫通孔832は、プレナム830および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム830を通って、貫通孔832を介して処理チャンバ内に流れる。
【0145】
筒状基部820の上面821および底面834のコンタリングによって、筒状基部820内の貫通孔832の高さ(または深さ)が側壁822のIDから筒状基部820の中心にかけて変動可能である。例えば、上面821および底面834のコンタリングの部分は類似して図示されるが、上面821および底面834のこれらの部分のコンタリングは異なり得る。したがって、図示の例では、一部の貫通孔832の高さは同じに示されるが、
図3および
図5を参照して上記で説明されたものと同様に、異なるゾーンにおいて貫通孔832の高さは異なり得る。
【0146】
さらに、図示の例では、側壁822のIDに最も近い、最も外側のゾーン内の貫通孔832の高さは、残りの貫通孔832の高さよりも大きい。最も外側のゾーンの例としては、
図5に第2のゾーンZ2として示される。さらに、筒状基部820の底面834のコンタリングによって、最も外側にあるゾーン内の貫通孔832の高さは変動し、したがって、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。具体的には、最も外側にあるゾーン内の貫通孔832の高さは、側壁822のIDから筒状基部820の中心に向かって徐々に減少する。したがって、最も外側にあるゾーン内の貫通孔832は、プロセスガスの流れに対して、側壁822のIDから筒状基部820の中心に向かって徐々に減少する抵抗をもたらす。
【0147】
したがって、貫通孔832の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド800の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。加えて、筒状基部820の底面834のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔832を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。また、異なるゾーン内の貫通孔832と基板との間の距離も異なる。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド800と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド800、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。したがって、シャワーヘッド800を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、
図2~
図7に図示されるシャワーヘッドを使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0148】
図9は、
図8に図示されるシャワーヘッド800の変形例であるシャワーヘッド900を示す。シャワーヘッド900は、本開示にかかるフェイスプレート812-1を含む。シャワーヘッド900は、フェイスプレート812-1における以下の違いを除いて、シャワーヘッド800と同様である。
図8を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド800では、筒状基部820の上面821の第1の部分850は、第1の距離だけ、バックプレート210底面211と平行に延びる。代わりに、シャワーヘッド900では、上面821の最も外側の部分は、
図9の870に示されるように先細になっている。したがって、
図8に示される第1の部分850は、
図9に第1の部分850-1として示される。
【0149】
具体的には、上面821の最も外側の部分870は、第4の距離だけ、側壁822のIDから径方向内側に延びる。最も外側の部分870は、第4の距離だけ、バックプレート210の底面211に向かって延びる。そして、第1の部分850-1は、
図8に図示される第1の部分850を参照して説明された第1の距離よりも短い距離だけ、最も外側の部分870から径方向内側に延びる。第1の部分850-1は、第1の距離より短い距離だけ、側壁822の内面823に対して直角に、かつバックプレート210の底面211と平行に延びる。シャワーヘッド900の残りの箇所は、シャワーヘッド800の残りの箇所と同様である。
【0150】
先細になった最も外側の部分870によって、最も外側の(例えば、
図5に示される第2のゾーンZ2内の)貫通孔832の高さは変動し、プロセスガスの流れに対して変動する抵抗をもたらす。加えて、最も外側の部分870が先細ることで、プロセスガスが最も外側の貫通孔832を抜ける方向も変動し、それによって、シャワーヘッド800と比較して、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、最も外側の貫通孔832と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド900を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、シャワーヘッド800、ならびに
図2~
図7に図示される他のシャワーヘッドを使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0151】
図10は、本開示にかかるフェイスプレートを含むシャワーヘッド1000を示す。フェイスプレートは、以下で詳細に説明するような内側コンタリングおよび外側コンタリングの両方を含む。シャワーヘッド1000は、基部1002とステム部204とを含む。基部1002は、バックプレート210とフェイスプレート1012とを含む。フェイスプレート1012は、
図3および
図6に示すフェイスプレート302および602の特徴の組み合わせを含む。
【0152】
フェイスプレート1012は、概してC形状で、かつ筒状でもある。具体的には、フェイスプレート1012は、筒状基部1020と側壁1022とを含む。側壁1022は、筒状基部1020から延びる。側壁1022は、バックプレート210に向かって延びてバックプレート210に取り付けられる。具体的には、側壁1022は、バックプレート210のODに取り付けられる。バックプレート210の底面211は、側壁1022の内面1023に対して直角である。
【0153】
バックプレート210およびフェイスプレート1012は、プレナム1030を規定する。具体的には、バックプレート210の底面211、筒状基部1020の上面1021、および側壁1022の内面1023がプレナム1030を規定する。プレナム1030は、入口206と流体連通している。
【0154】
筒状基部1020の、基板とは離れた位置に面する上面1021、および基板に面する底面1034はいずれも平坦でなく、代わりに、コンタリングされている。例えば、筒状基部1020の上面1021は、概して凹状であり、筒状基部1020の底面1034もまた、概して凹状である。図示の例では、筒状基部1020の上面1021および底面1034のコンタリングは、筒状基部1020の上面1021および底面1034が互いに鏡像のようになっている。しかしながら、いくつかの適用では、筒状基部1020の上面1021および底面1034のコンタリングは異なり得る。
【0155】
図示のように、上面1021の第1の部分1050は、第1の距離だけ、側壁1022のIDから径方向内側に延びる。第1の部分1050は、第1の距離だけ、側壁1022の内面1023から直角に延びる。第1の部分1050は、第1の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。そして、上面1021の第2の部分1052は、第2の距離だけ、第1の部分1050から径方向内側に延び、筒状基部1020の底面1034に向かって先細になる。第2の部分1052は、第2の距離だけ、筒状基部1020の中心に向かって先細になる。そして、上面1021の第3の部分1054は、第3の距離だけ、第2の部分1052から筒状基部1020の中心まで延びる。第3の部分1054は、第3の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。バックプレート210の底面211は、側壁1022の内面1023に対して直角である。したがって、上面1021の第3の部分1054もまた、第3の距離だけ、側壁1022の内面1023に対して直角に延びる。
【0156】
筒状基部1020の上面1021はフェイスプレート1012の内面でもあるため、上述の概して凹状の上面1021の形成は、フェイスプレート1012の内側コンタリングとも称される。なお、上面1021のコンタリングは、筒状基部1020の上面1021上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、上面1021のコンタリングは、筒状基部1020の上面1021上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、上面1021についての第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、上面1021のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0157】
さらに、底面1034の第1の部分1051は、第1の距離だけ、側壁1022のODから径方向内側に延びる。第1の部分1051は、第1の距離だけ、側壁1022から直角に延びる。第1の部分1051は、第1の距離だけ、バックプレート210の底面211と平行に延びる。上面1021の第1の部分1051は、底面1034の第1の部分1050と平行である。そして、底面1034の第2の部分1053は、第2の距離だけ、第1の部分1051から径方向内側に延びる。第2の部分1053は、第2の距離だけ、筒状基部1020の上面1021に向かって先細になる。第2の部分1053は、第2の距離だけ、筒状基部1020の中心に向かって先細になる。
【0158】
そして、底面1034の第3の部分1055は、第3の距離だけ、第2の部分1053から筒状基部1020の中心まで延びる。第3の部分1055は、バックプレート210の底面211と平行に延びる。バックプレート210の底面211は、側壁1022の内面1023に対して直角である。したがって、底面1034の第3の部分1055もまた、第3の距離だけ、側壁1022の内面1023に対して直角に延びる。上面1021の第3の部分1054は、底面1034の第3の部分1055と平行である。
【0159】
筒状基部1020の底面1034はフェイスプレート1012の外面でもあるため、上述の概して凹状の底面1034の形成は、フェイスプレート1012の外側コンタリングとも称される。なお、底面1034のコンタリングは、筒状基部1020の底面1034上の任意の径方向位置で開始してよい。同様に、底面1034のコンタリングは、筒状基部1020の底面1034上の任意の径方向位置で終了してもよい。例えば、底面1034についての第1、第2、および第3の距離は変動可能である。さらに、底面1034のコンタリング部分の傾きは、線形または多項式であってよい。
【0160】
図示の例では、第1、第2、第3の距離は、上面1021および底面1034について等しく示されている。しかしながら、いくつかの適用では、上面1021についての第1、第2、第3の距離は、底面1034についての第1、第2、第3の距離と異なっていてもよい。したがって、上面1021および底面1034のコンタリングは、対称に示されるが、上面1021および底面1034のコンタリングは、非対称であり得る。
【0161】
筒状基部1020は、複数の貫通孔1032-1、1032-2、1032-3、・・・、および1032-N(集合的に貫通孔1032)を含む。貫通孔1032は、フェイスプレート1012の底からフェイスプレート1012の上部に延びる。具体的には、貫通孔1032は、筒状基部1020の底から筒状基部1020の上部に延びる。より具体的には、貫通孔1032は、筒状基部1020の底面1034から筒状基部1020の上面1021に延びる。底面1034は基板に面し、上面1021は基板とは離れた位置に面する。底面1034は、筒状基部1020の外面1034と称されてもよく、上面1021は、筒状基部1020の内面1021と称されてもよい。
【0162】
貫通孔1032は、筒状基部1020を通って、筒状基部1020およびバックプレート210が置かれる面に対して直角な軸に沿って垂直に延びる。貫通孔1032は、筒状基部1020の中心から側壁1022のIDにかけて分布する。貫通孔1032は、プレナム1030および入口206と流体連通している。入口206から受け取ったガスは、プレナム1030を通って、貫通孔1032を介して処理チャンバ内に流れる。
【0163】
筒状基部1020の上面1021および底面1034のコンタリングによって、筒状基部1020内の貫通孔1032の高さ(または深さ)が側壁1022のIDから筒状基部1020の中心にかけて変動可能である。貫通孔1032の高さが変動することにより、プロセスガスの流れに対する抵抗がシャワーヘッド1000の半径にわたって変化する。プロセスガスの流れに対する抵抗が半径にわたって変化することにより、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルが変化する。
【0164】
加えて、筒状基部1020の底面1034のコンタリングによって、プロセスガスが貫通孔1032を抜ける方向も変動し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。さらに、
図1を参照して上記で説明したように、シャワーヘッド1000と基板との間の隙間は変動可能である。隙間を変化させることでプラズマ密度、シャワーヘッド1000、および基板が変化し、それによって、基板上に堆積されるフィルムのフィルムプロファイルがさらに変化する。
【0165】
具体的には、筒状基部1020の上面1021および底面1034のコンタリングによって、筒状基部1020は複数の同心円状の径方向ゾーンに分割される。図示の例では、筒状基部1020は、それぞれZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の同心円状の径方向ゾーンに分割される。筒状基部1020の第1のゾーンZ1は、第1の距離だけ、側壁1022のIDから筒状基部1020の中心に向かって径方向内側に延びる。第1のゾーンZ1のODは、側壁1022のIDと同じである。筒状基部1020の第2のゾーンZ2は、第2の距離だけ、第1のゾーンZ1のIDから筒状基部1020の中心に向かって径方向内側に延びる。第2のゾーンZ2のODは、第1のゾーンZ1のIDと同じである。筒状基部1020の第3のゾーンZ3は、第3の距離だけ、第2のゾーンZ2のIDから筒状基部1020の中心まで径方向内側に延びる。第3のゾーンZ3のODは、第2のゾーンZ2のIDと同じである。
【0166】
第1のゾーンZ1の幅(すなわち、第1のゾーンZ1のODとIDとの間の差)は、第1の距離と等しい。第2のゾーンZ2の幅(すなわち、第2のゾーンZ2のODとIDとの間の差)は、第2の距離と等しい。第3のゾーンZ3の幅(すなわち、第3のゾーンZ3のODと筒状基部1020の中心との間の距離)は、第3の距離と等しい。筒状基部1020のZ1、Z2、およびZ3として示される第1、第2、および第3の径方向ゾーン内の貫通孔1032の高さは、筒状基部1020の上面1021および底面1034のコンタリングに応じて変動可能である。
【0167】
例えば、最も外側にある第1のゾーンZ1内の貫通孔1032の高さは、第2のゾーンZ2および第3のゾーンZ3内の貫通孔1032の高さよりも大きい。したがって、第1のゾーンZ1内の貫通孔1032は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2および第3のゾーンZ3内の貫通孔1032よりも大きな抵抗をもたらす。最も内側にある第3のゾーンZ3内の貫通孔1032の高さは、第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2内の貫通孔1032の高さよりも小さい。したがって、第3のゾーンZ3内の貫通孔1032は、プロセスガスの流れに対して、第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2内の貫通孔1032よりも小さな抵抗をもたらす。
【0168】
さらに、第2のゾーンZ2内の貫通孔1032の高さは、第2のゾーンZ2のODから第2のゾーンZ2のIDにかけて(すなわち、筒状基部1034の中心に向かって)減少する。したがって、第2のゾーンZ2内の貫通孔1032は、プロセスガスの流れに対して、第2のゾーンZ2のODから第2のゾーンZ2のIDにかけて(すなわち、筒状基部1034の中心に向かって)徐々に減少する抵抗をもたらす。
【0169】
さらに、筒状基部1020の底面1034のコンタリングによって、プロセスガスは、第1のゾーンZ1および第3のゾーンZ3内の貫通孔1032とは異なる方向に第2のゾーンZ2内の貫通孔1032を抜ける。さらに、異なるゾーン内の貫通孔1032と基板との間の距離も異なる。したがって、シャワーヘッド1000を使用して処理された基板のフィルムプロファイルは、
図2~
図9に図示されるシャワーヘッドを使用して処理された基板のフィルムプロファイルとは異なる。
【0170】
なお、フェイスプレートの凸状の内側コンタリングについては明示的に示されないが、シャワーヘッド200において、フェイスプレート212の筒状基部234の上面221は、凸形を有するようにコンタリング可能である。例えば、フェイスプレート212の筒状基部234の上面221は、バックプレート210の底面211に向かって湾曲できる。この構成では、
図3を参照して説明した貫通孔の特性、および貫通孔を介するプロセスガスの流れの特性が、逆転あるいは反転されるであろう。さらに、筒状基部の上面の同様の凸状コンタリングが、
図4~
図10に示すシャワーヘッドにおける筒状基部の底面のコンタリングと共に実施されることで、追加のフィルムプロファイルおよび特性を達成できる。
【0171】
前述の説明は本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、その適用または使用を限定することは意図されていない。本開示の広範な教示は、様々な形で実施できる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると、他の変形例が明らかになるであろうことから、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。ある方法における1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行され得ることを理解すべきである。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載されているこれらの特徴のうちのいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかに実装でき、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができ、その組み合わせは、たとえ明示的に説明されていなくてもよい。換言すれば、記載した実施形態は相互排他的ではなく、1つ以上の実施形態の順序を互いに並べ換えることは、本開示の範囲内にとどまる。
【0172】
要素間の空間的および機能的関係(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣の」、「上の」、「上方の」、「下方の」、および「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上述した開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、1つ以上の介在要素が(空間的または機能的のいずれかで)第1の要素と第2の要素との間に存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用する場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、という表現は、非排他的論理和ORを使用した論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0173】
いくつかの実装形態では、コントローラはシステムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理部品(ウエハ台座、ガスフローシステムなど)を含む半導体処理設備を含み得る。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の電子機器の操作を制御するために、電子機器と統合されてもよい。電子機器は、1つまたは複数のシステムの様々な部品またはサブ部品を制御し得る「コントローラ」と称する場合がある。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示のいずれかのプロセス(例えば、処理ガスの送達、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送達設定、位置および動作設定、ツールへのウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出など)を制御するようにプログラムされていてよい。
【0174】
概して、コントローラは、例えば、命令を受信し、命令を出し、動作を制御し、洗浄動作を可能とし、エンドポイント計測を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する動作パラメータを定義するものであってよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイの製作中に1つ以上の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0175】
いくつかの実装形態では、コントローラは、システムと一体化された、システムに結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続されたコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製作工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、製作動作の現在の進行を監視し、過去の製作動作の履歴を検証し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェイスを含んでもよく、パラメータおよび/または設定はその後リモートコンピュータからシステムに伝達される。
【0176】
いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実行される各処理ステップのパラメータを特定するデータの形式で命令を受信する。パラメータは、実行されるプロセスの種類や、コントローラが結合または制御するように構成されるツールの種類に特有のものであり得ることを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載されるプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって働く1つ以上の別個のコントローラを含めることなどにより、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされて、(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなど)遠隔に配置された1つ以上の集積回路と通信する、チャンバ上の1つ以上の集積回路が挙げられる。
【0177】
システムの例としては、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連づけられるか、または使用され得る他の任意の半導体処理システムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0178】
上述のように、ツールによって行われる1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェイス、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートへウエハの容器を搬入出する材料輸送に用いられるツールのうちの1つ以上と通信してもよい。
【国際調査報告】