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特表2024-543128静電チャックのガス供給用多孔質プラグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-19
(54)【発明の名称】静電チャックのガス供給用多孔質プラグ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241112BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241112BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241112BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20241112BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C16/458
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531022
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 US2022049524
(87)【国際公開番号】W WO2023096756
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/537,141
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スリマン, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】チャン, シュエ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】フセイン, アンワル
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ティモシー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ソマーズ, ジョセフ エフ.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA04
4K030AA06
4K030AA14
4K030AA18
4K030FA03
4K030GA02
4K030JA03
4K030KA14
4K030KA46
4K030LA15
5F004BA04
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F004CA04
5F004CB02
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA02
5F004DA04
5F004DA13
5F004DA17
5F004DA18
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
5F045AA08
5F045AC03
5F045AC11
5F045AC15
5F045AC16
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EF05
5F045EJ10
5F045EK07
5F045EM05
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
5F131AA33
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA04
5F131CA09
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB81
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
基板支持体中のガス供給用の多孔質プラグ、及びそれを組み込んだ基板支持体及び基板処理チャンバが本明細書で提供されている。幾つかの実施形態では、基板支持体に使用される多孔質プラグは、多孔質中央通路と、多孔質プラグの全長に沿って多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、多孔質中央通路に結合され、多孔質中央通路を取り囲む固体外殻であって、シール面に沿って多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、固体外殻とを含む。幾つかの実施形態では、1又は複数のOリング保持溝が、固体外殻の外面の周りに形成され得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体に使用される多孔質プラグであって、
多孔質中央通路と、
前記多孔質プラグの全長に沿って前記多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、前記多孔質中央通路に結合され、前記多孔質中央通路を取り囲む固体外殻であって、シール面に沿って前記多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、前記固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、固体外殻と
を備える、多孔質プラグ。
【請求項2】
前記シール面は、16マイクロインチ以下の表面粗さRaを有する、請求項1に記載の多孔質プラグ。
【請求項3】
前記多孔質中央通路は、セラミック材料でできている、請求項1に記載の多孔質プラグ。
【請求項4】
固体外殻は、セラミック材料でできている、請求項3に記載の多孔質プラグ。
【請求項5】
前記固体外殻は、セラミック材料でできている、請求項1に記載の多孔質プラグ。
【請求項6】
前記多孔質中央通路は、約1/16インチから約3/4インチの直径を有する、
前記固体外殻は、約1/4インチから約1インチの外径を有する、又は、
前記シール面は、約3/32インチから約1/4インチの幅を有する
ことのうちの少なくとも1つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔質プラグ。
【請求項7】
前記固体外殻の外面の周りに形成された1又は複数のOリング保持溝を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔質プラグ。
【請求項8】
前記多孔質プラグの高さは、約1/2インチから約5インチである、請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔質プラグ。
【請求項9】
基板支持体であって、
絶縁体プレートによって分離された第1の電極と第2の電極とを含む複数の層と、
前記複数の層を貫通して形成された裏側ガスチャネルであって、少なくとも前記絶縁体プレートに形成されたプラグ開口部を含む、裏側ガスチャネルと、
前記基板支持体のプラグ開口部に配置された請求項1から5のいずれか一項に定義された多孔質プラグであって、多孔質中央通路は、それを通る裏側ガスの流れを促進するために前記裏側ガスチャネルに位置合わせされる、多孔質プラグと、
前記プラグ開口部に隣接するシール面と前記複数の層のうちの1つとの間に配置されたOリングと
を備える、基板支持体。
【請求項10】
前記プラグ開口部の対向面と固体外殻との間に画定された間隙を更に備え、前記間隙を横切って測定された距離は、約0.001から約0.030インチである、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項11】
前記複数の層は更に、前記第2の電極に結合され、誘電体層内に配置された1又は複数の電極を有する前記誘電体層を含む静電チャックを含む、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記多孔質プラグは第1の多孔質プラグであり、更に、
第2のプラグ開口部に配置された第2の多孔質プラグであって、前記第2の多孔質プラグは、前記第1の多孔質プラグに位置合わせされ、それを通る裏側ガスの流れを促進するために裏側ガスチャネルに位置合わせされた多孔質中央通路と、前記第2の多孔質プラグの全長に沿って前記多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、前記多孔質中央通路に結合され、前記多孔質中央通路を取り囲む固体外殻とを含み、前記固体外殻は、シール面に沿って前記多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、前記固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、第2の多孔質プラグと、
前記第1の多孔質プラグ及び前記第2の多孔質プラグのシール面の間に配置されたOリングと
を備える、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記第2のプラグ開口部は、第2の電極を貫通して配置されている、請求項12に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記プラグ開口部は、前記絶縁体プレートと前記第2の電極とを貫通して配置されている、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項15】
固体外殻の外面又は前記プラグ開口部の側壁の1又は複数に形成された1又は複数のOリング保持溝と、
前記1又は複数のOリング保持溝の各々に配置されたOリングと
を更に備える、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項16】
前記多孔質中央通路は、約1/16インチから約3/4インチの直径を有する、
固体外殻は、約1/4インチから約1インチの外径を有する、又は、
前記シール面は、約3/32インチから約1/4インチの幅を有する
ことのうちの少なくとも1つである、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項17】
前記多孔質プラグの高さは、約1/2インチから約5インチである、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項18】
処理チャンバであって、
内部領域を囲むチャンバ本体及びリッドと、
前記内部領域に配置された基板支持体であって、
絶縁体プレートによって分離された第1の電極と第2の電極とを含む複数の層と、
前記複数の層を貫通して形成された裏側ガスチャネルであって、少なくとも前記絶縁体プレートに形成されたプラグ開口部を含む、裏側ガスチャネルと
を含む、基板支持体と、
前記基板支持体のプラグ開口部に配置された請求項1から5のいずれか一項に開示された多孔質プラグであって、多孔質中央通路は、それを通る裏側ガスの流れを促進するために前記裏側ガスチャネルに位置合わせされる、多孔質プラグと、
前記プラグ開口部に隣接するシール面と前記複数の層のうちの1つとの間に配置されたOリングと
を備える、処理チャンバ。
【請求項19】
前記多孔質プラグは第1の多孔質プラグであり、更に、
第2のプラグ開口部に配置された第2の多孔質プラグであって、前記第2の多孔質プラグは、前記第1の多孔質プラグに位置合わせされ、それを通る裏側ガスの流れを促進するために前記裏側ガスチャネルに位置合わせされた多孔質中央通路と、前記第2の多孔質プラグの全長に沿って前記多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、前記多孔質中央通路に結合され、前記多孔質中央通路を取り囲む固体外殻とを含み、前記固体外殻は、シール面に沿って前記多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、前記固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、第2の多孔質プラグと、
前記第1の多孔質プラグ及び前記第2の多孔質プラグのシール面の間に配置されたOリングと
を備える、請求項18に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記固体外殻の外面又は前記プラグ開口部の側壁の1又は複数に形成された1又は複数のOリング保持溝と、
前記1又は複数のOリング保持溝の各々に配置されたOリングと
を更に備える、請求項19に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、基板処理装置に関し、より詳細には、基板処理装置にある、ガス供給部を有する基板支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体産業では、デバイスは、エッチング及び堆積等の多数の製造プロセスによって製造され、生産される構造のサイズはますます縮小している。エッチング及び堆積プロセスは、静電チャック等の基板支持体を有する処理チャンバ内の基板上で実行される。本発明者らは、高電力の静電チャックの電圧が上昇するにつれて、ガス供給部品等の静電チャックの部品がアーク放電に対してより脆弱になることを観察した。
【0003】
[0003]従って、本発明者らは、アーク放電を大幅に低減できる改良型多孔質プラグを提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004]基板支持体中のガス供給用の多孔質プラグ、並びにそれを組み込んだ基板支持体及び基板処理チャンバが本明細書で提供されている。幾つかの実施形態では、基板支持体に使用される多孔質プラグは、多孔質中央通路と、多孔質プラグの全長に沿って多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、多孔質中央通路に結合され、多孔質中央通路を取り囲む固体外殻であって、シール面に沿って多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、固体外殻とを含む。幾つかの実施形態では、1又は複数のOリング保持溝が、固体外殻の外面の周りに形成され得る。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、基板支持体が提供され、基板支持体は、絶縁体プレートによって分離された第1の電極と第2の電極とを含む複数の層と、複数の層を貫通して形成された裏側ガスチャネルであって、少なくとも絶縁体プレートに形成されたプラグ開口部を含む、裏側ガスチャネルと、プラグ開口部に配置された多孔質プラグであって、それを通る裏側ガスの流れを促進するために、裏側ガスチャネルに位置合わせされた多孔質中央通路と、多孔質プラグの全長に沿って多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、多孔質中央通路に結合され、多孔質中央通路を取り囲む固体外殻であって、シール面に沿って多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、固体外殻とを有する、多孔質プラグと、プラグ開口部に隣接するシール面と複数の層のうちの1つとの間に配置されたOリングとを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、基板支持体中の多孔質プラグは第1の多孔質プラグであり、基板支持体は更に、第2のプラグ開口部に配置された第2の多孔質プラグであって、第2の多孔質プラグは、第1の多孔質プラグに位置合わせされ、それを通る裏側ガスの流れを促進するために裏側ガスチャネルに位置合わせされた多孔質中央通路と、第2の多孔質プラグの全長に沿って多孔質中央通路と固体外殻との間に連続的な間隙が存在しないように、多孔質中央通路に結合され、多孔質中央通路を取り囲む固体外殻であって、シール面に沿って多孔質中央通路を取り囲むシールの形成が促進されるように、固体外殻の端部に配置されたシール面を含む、固体外殻とを含む、第2の多孔質プラグと、第1の多孔質プラグ及び第2の多孔質プラグのシール面の間に配置されたOリングとを含む。幾つかの実施形態では、基板支持体は静電チャックであってよい。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、処理チャンバが提供され、処理チャンバは、内部領域を囲むチャンバ本体及びリッドと、内部領域に配置された基板支持体と、本明細書に開示される実施形態のいずれかに記載の多孔質プラグとを含む。
【0008】
[0008]本開示の他の更なる実施形態を以下に説明する。
【0009】
[0009]添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、上記に要約し、以下により詳細に説明する本開示の実施形態を理解することができる。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を示すものに過ぎず、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく効果的な実施形態も許容しうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、プラズマ防止装置を有する半導体処理チャンバの断面図である。
図2】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、多孔質プラグを有する静電チャックの部分概略側面図である。
図3】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、多孔質プラグを有する静電チャックの部分概略側面図である。
図4】本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、多孔質プラグを有する静電チャックの部分概略側面図である。
図5】A~Dは、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、多孔質プラグを有する静電チャックをそれぞれ示す部分概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]理解を容易にするために、可能な限り、図面共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりに描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0012】
[0016]本開示の実施形態は、概して、多孔質プラグ、及び処理チャンバでの使用中に望ましくないアーク放電を防止又は制限するのに適した基板支持体における上記多孔質プラグの使用に関する。本発明者らは、多孔質プラグが高プラズマ出力領域での処理に特に有用であることを観察した。例えば、本発明者らは、高電力の静電チャックにおいて電圧が上昇するにつれて、システムの特定の部分がアーク放電に対してより脆弱になることを観察した。従って、本発明者らは、高電圧から接地までの経路に沿ってアーク放電又はプラズマ点灯することなく、高電圧静電チャックに裏側ガスを供給することを有利に可能にし、従って、故障することなく静電チャックに高電圧を印加することを可能にする、基板支持体に使用する改良型多孔質プラグを提供した。
【0013】
[0017]図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、基板支持体内に配置された多孔質プラグを有する半導体処理チャンバ100の一実施形態の断面図である。処理チャンバ100は、内部領域106を囲むチャンバ本体102及びリッド104を含む。本明細書に記載の多孔質プラグは、基板支持体内のアーク放電が懸念される他の構成を有する多くの異なる基板支持体及び/又は処理チャンバで使用することができるため、図1に記載の処理チャンバ100は例示であり、本開示を限定するものではない。
【0014】
[0018]チャンバ本体102は、典型的には、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の適切な材料から作製される。チャンバ本体102は、概して、処理チャンバ100の内部領域106を少なくとも部分的に画定するチャンバ壁(例えば、側壁108)及び底部110を含む。処理チャンバ100からの基板144の出入りを容易にするために、基板アクセスポート(図示せず)が概して側壁108内に画定され、スリットバルブによって選択的に密閉される。
【0015】
[0019]チャンバ本体102の内部領域106には、1又は複数のライナが配置され得る。例えば、外側ライナ116が、チャンバ本体102の側壁108に対して又は側壁108上に配置され得る。外側ライナ116は、酸化アルミニウムから作製され得る、及び/又はイットリア、イットリア合金、又はY等のその酸化物等のプラズマ又はハロゲン含有ガス耐性材料でコーティングされ得る。
【0016】
[0020]例えば、発光分光法(OES)、又は処理チャンバ100の内部領域106内を見る必要がある他の技術を介したプロセス監視及び制御を容易にするために、処理チャンバ100内に窓112が形成され得る。例えば、窓112は、側壁108及びライナ(例えば、外側ライナ116)を貫通して形成され得る。窓112に近接する側壁108と外側ライナ116との間に漂遊プラズマ防止装置を配置して、その間のプラズマ点灯を防止することができる。
【0017】
[0021]排気ポート126がチャンバ本体102内に画定され、内部領域106をポンプシステム128に結合させる。ポンプシステム128は、概して、処理チャンバ100の内部領域106の圧力を排気及び調節するために用いられる1又は複数のポンプ及びスロットルバルブを含む。一実施形態では、ポンプシステム128は、内部領域106内の圧力を維持する。
【0018】
[0022]リッド104は、チャンバ本体102の側壁108に密閉可能に支持される。リッド104は、処理チャンバ100の内部領域106へのアクセスを可能にするために開けることができる。リッド104は、オプションとして、光学的プロセス監視を容易にする窓142を含み得る。一実施形態では、窓142は、光学モニタリングシステム140によって利用される信号の伝送を可能にする石英又は他の適切な材料で構成される。
【0019】
[0023]内部領域106にプロセスガス及び/又は洗浄ガスを供給するために、ガスパネル158が処理チャンバ100に連結される。処理ガスの例は、特に、C、SF、SiCl、HBr、NF、CF、Cl、CHF、CF、及びSiF等のハロゲン含有ガス、及びO、又はNO等の他のガスを含み得る。キャリアガスの例は、N、He、Ar、プロセスに不活性な他のガス、非反応性ガスを含む。ガスがガスパネル158からガス分配アセンブリ130を通して処理チャンバ100の内部領域106に供給されることを可能にするために、入口ポート132′、及びオプションの132″が、リッド104内に設けられる。
【0020】
[0024]ガス分配アセンブリ130は、リッド104の内面114に連結される。ガス分配アセンブリ130は、ガス分配プレート194を有する。ガス分配アセンブリ130は、リッド104とガス分配プレート194との間に画定されたプレナム127を有する。ガス分配プレート194は、導電性ベースプレート196に連結されていてよい、又は導電性ベースプレート196を有していてよい。導電性ベースプレート196はRF電極として機能し得る。ガス分配プレート194は、基板144の方を向いたガス分配プレート194の下面に形成された複数の開孔134を有する平坦なディスクであってよい。ガス分配プレート194は、窓142に対応する部分138も有し得る。部分138は、光学的プロセス監視を容易にするために、窓142と同様の材料で作製され得る。開孔134は、ガスが入口ポート132(132′、132″として示す)からプレナム127を通って開孔134から処理チャンバ100の内部領域106の中へ、処理チャンバ100内で処理される基板144の表面全体にわたって所定の分布で流れることを可能にする。
【0021】
[0025]基板支持アセンブリ148が、ガス分配アセンブリ130の下方の処理チャンバ100の内部領域106に配置される。基板支持アセンブリ148は、処理中に基板144を保持する。エッジ堆積リング146は、プラズマ及び堆積材料から基板支持アセンブリ148を保護しながら、その上に基板144を受け入れるサイズに設定される。基板支持アセンブリ148の周辺部に内側ライナ118がコーティングされ得る。内側ライナ118は、外側ライナ116用に使用される材料と実質的に同様のハロゲン含有ガス耐性材料であってよい。一実施形態では、内側ライナ118は、外側ライナ116の材料と同じ材料から作製することができる。
【0022】
[0026]一実施形態では、基板支持アセンブリ148は、取付けプレート162、ベース164、及び静電チャック166を含む。取付けプレート162は、チャンバ本体102の底部110に連結され、特に、流体、電力線、センサリード線等のユーティリティをベース164及び静電チャック166に配線するための通路を含む。
【0023】
[0027]幾つかの実施形態では、ベース164又は静電チャック166の少なくとも一方は、基板支持アセンブリ148の横方向の温度プロファイルを制御するために、少なくとも1つのオプションの埋込ヒータ176及び複数の導管170を含み得る。導管170は、それを通して温度調節流体を循環させる流体源172に流体的に結合されている。ヒータ176は電源178によって調節される。導管170及びヒータ176は、ベース164の温度を制御するために用いられ、したがって静電チャック166を加熱及び/又は冷却する。
【0024】
[0028]静電チャック166は、チャッキング電源182を使用して制御される少なくとも1つのクランプ電極180を備える。幾つかの実施形態では、電極180は更に、処理チャンバ100内のプロセス及び/又は他のガスから形成されたプラズマを維持するための整合回路188を通して、1又は複数のRF電源184に連結され得る。RF電源184は、一般に、約50kHzから約3GHzの周波数及び最大約10000ワットの電力を有するRF信号を生成することができる。内部領域106に入るガスは、処理チャンバ100の内部領域106内のプラズマを維持するために、RF電極によって電圧が加えられ得る。静電チャック166に連結された1又は複数のRF源を有するものとして説明したが、1又は複数のRF源は、代替的に又は追加的に、導電性ベースプレート196、又はリッド104内又はリッド104に近接して配置された他のいずれかの電極に連結され得る。
【0025】
[0029]基板支持アセンブリ148は更に、裏側ガス源174からのヘリウム等の裏側ガスを基板144の裏側と静電チャック166の支持面との間の領域に供給するために、基板支持アセンブリ148を通って静電チャック166の支持面まで延在する1又は複数のチャネルを含む。1又は複数のチャネルは、異なる電位を有する層を含む、基板支持アセンブリ148の様々な層間に延在する。本発明者らは、基板支持体内の異なる電位を有する2つの電極間(例えば、給電電極と接地電極との間)でアーク放電が発生する可能性があることを観察した。
【0026】
[0030]例示的な構成を有する基板支持アセンブリ148を上述したが、本明細書に記載の多孔質プラグは、より一般的には、裏側ガスチャネルにおけるアーク放電を最小限に抑える又は防止するために、裏側ガスチャネルに沿った1又は複数の位置に設けられ得る。多孔質プラグは、高電圧から接地までの経路に沿って、アーク放電又はプラズマ点灯を低減又は全く発生させることなく、高電圧基板支持体(例えば、静電チャック)への裏側ガス(例えば、ヘリウム)の供給を有利に促進し、したがって、故障することなく基板支持体に高電圧を印加することを有利に可能にする。
【0027】
[0031]例えば、図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、多孔質プラグ200を有する基板支持体202の部分概略側面図である。基板支持体202は、図1に関して上述した基板支持アセンブリ148として使用することができる。基板支持体202は、概して、接地プレート204(例えば、第1の電極)、接地プレート204の上に配置された絶縁体プレート206、絶縁体プレート206の上に配置された導電性ベースプレート208(例えば、第2の電極)、及び絶縁体プレート206の上に配置された誘電体層212(例えば、静電チャック)等の複数の層のスタックを含む。誘電体層212は、結合層210を介して絶縁体プレート206に結合され得る。誘電体層212は、処理チャンバ内での処理中に基板214(例えば、半導体ウエハ等)を基板支持体202上に静電的に保持するのを容易にするために、その中に配置されたメッシュ電極等の1又は複数の電極216を含む。
【0028】
[0032]基板214の裏側と誘電体層212の支持面との間の領域への裏側ガス(例えば、図1に関して説明した裏側ガス源174から)の供給を促進するために、基板支持体202の様々な層を貫通する1又は複数の裏側ガス導管を形成することができる。例えば、図2に示すように、裏側ガス導管は、接地プレート204を貫通して形成されたチャネル218、多孔質プラグ200を受容するために絶縁体プレート206を貫通して形成されたプラグ開口部232、並びにベースプレート208、結合層210、及び誘電体層212を貫通して形成されたチャネル220によって形成される。図2の矢印で示すように、裏側ガスは基板支持体202を通って誘電体層212の支持面へ供給され得る。基板支持体202の様々な層を貫通して垂直に形成されたものを図示したが、裏側ガス導管は、代替的に、又は組み合わせて、基板支持体の1又は複数の層を貫通して横方向に延在するセクションを有していてよい、及び/又は単一の入力から複数の出力に分岐していてよい。
【0029】
[0033]多孔質プラグ200は、裏側ガス導管内、例えば絶縁体プレート206を貫通して形成されたプラグ開口部232内に配置される。多孔質プラグは、概して、プラグ開口部232と同じ形状を有する。プラグ開口部232及び多孔質プラグ200は、概して、どのような形状であってもよく、幾つかの実施形態では、製造を容易にし、鋭利な角を最小限に抑えるために円筒形である。
【0030】
[0034]多孔質プラグ200は、多孔質中央通路222と、固体又は非多孔質外殻(固体外殻224)とを含む。多孔質中央通路222は、多孔質プラグ200の全長(例えば、上から下まで)に沿ってその間に連続的な間隙が存在しないように、固体外殻224に結合される。
【0031】
[0035]多孔質中央通路222は、セラミック、例えば酸化アルミニウム等の適切な材料でできていてよい。多孔質中央通路222は、約5μmから約500μmの範囲の孔サイズを有していてよい。しかしながら、特定の用途において必要に応じて、より小さい又はより大きい孔径を使用することができる。例えば、現在使用されているよりも高電圧の用途では、更に小さい孔径が有用であり得る。多孔質中央通路222は、概して、どのような形状であってもよく、幾つかの実施形態では円筒状である。幾つかの実施形態では、多孔質中央通路222は、約1/16インチから約3/4インチの直径を有する。
【0032】
[0036]固体外殻224は、セラミック、例えば酸化アルミニウム等の適切な材料でできていてよい。固体外殻224は、概して、どのような形状であってもよく、幾つかの実施形態では円筒形である。幾つかの実施形態では、固体外殻224は、約1/4インチから約1インチの外径を有する。
【0033】
[0037]多孔質プラグ200の幅は、多孔質プラグ200の外面とプラグ開口部232の壁との間に小さい間隙226が画定されるようにサイズ設定される。幾つかの実施形態では、間隙226を横切った距離は約1から約30ミル(0.001から約0.030インチ)である。間隙226は、多孔質プラグ200又はプラグ開口部232のいずれかの公差にもかかわらず、プラグ開口部232内への多孔質プラグ200の挿入を有利にしやすくする。間隙226は更に、熱膨張係数の差による加熱及び冷却サイクル中の異なる構成要素の移動を有利に容易にし、したがって、構成要素に発生する全ての応力又は基板支持体202の異なる層を通る裏側ガス流路のずれを最小限に抑える。
【0034】
[0038]固体外殻224は更に、多孔質中央通路222を取り囲むOリング又は他のガスケット(例えば、図2に示すOリング230)とのシール形成を容易にするために、固体外殻224の両端部上にシール面228を含む。幾つかの実施形態では、固体外殻224の端部のシール面228は、16マイクロインチ以下の表面粗さRaを有する。シール面228の幅は、設置されたときに表面に対して設けられるOリング又は他のガスケット材料でシールを形成するのに十分であり得る。幾つかの実施形態では、シール面228は、約3/32インチから約1/4インチの幅を有する。ガスケット又はOリングは、静電チャック用途に適した任意のエラストマー材料であってよい。
【0035】
[0039]本発明者らは、固体外殻224を有しない多孔質プラグは、機械的理由(例えば、上述したような公差及び熱運動)で通常は間隙が存在しなければならないため、多孔質材料と絶縁体プレートとの間の低圧接合面で破損する可能性があることを観察した。本明細書で開示される多孔質プラグは、多孔質中央通路222を固体外殻224に結合させることによって、多孔質材料と多孔質材料を取り囲む固体絶縁体材料との間の低圧接合面における間隙がゼロとなることを有利に可能にする。
【0036】
[0040]このように、固体外殻224の端部に沿ってシールを設けることで、低圧の裏側ガス導管(例えば、多孔質中央通路222を通って流れる)を、大気圧又は大気圧付近等のより高い圧力に維持され得る間隙226から有利に分離しやすくする。間隙226をより高い圧力に維持することにより、アーク放電及びプラズマ点灯が起こりにくくなり、更に、あらゆるアーク放電の事象から形成される可能性のあるあらゆる微粒子がガス導管、及び基板214又は処理チャンバの内部領域に到達し得ることから分離される。例えば、いかなるアーク放電も、低圧(例えば、多孔質中央通路222を通って)ではなく、大気圧(例えば、固体外殻224の周囲)で移動することを余儀なくされる。
【0037】
[0041]固体外殻224(及び多孔質中央通路222)の高さは、基板支持体202の様々な層の熱膨張及びガスケット又はOリングの圧縮に基づいて決定することができる。例えば、高さは、基板支持体202が加熱により膨張したときに、シールを維持しながらOリング230の最大圧縮を超えないように選択することができる。幾つかの実施形態では、固体外殻224の高さは、約1/2インチから約5インチであり得る。選択される高さは、基板支持体及び多孔質プラグの構成に依存する。幾つかの実施形態では、複数の多孔質プラグのスタックを同じ開口部内に設けることができる。
【0038】
[0042]例えば、図2に示すように、単一の多孔質プラグ200が、絶縁体プレート206に形成されたプラグ開口部232に設けられる。Oリング230が下側シール面228と接地プレート204との間に配置され、Oリング230が上側シール面228とベースプレート208との間に配置される。
【0039】
[0043]しかし、図3に示すように、第1のプラグ302が第2のプラグ304と共に設けられていること以外は多孔質プラグ200と同様の多孔質プラグ300が提供されている。第1及び第2のプラグ302、304は、第1のプラグが絶縁体プレート206に形成されたプラグ開口部232に配置され、第2のプラグ304がベースプレート208に形成されたプラグ開口部332に配置されること以外は、多孔質プラグ200と同様である。第1のプラグ302は、上述した多孔質プラグ200と同様である。第2のプラグ304も上述の多孔質プラグ200と同様であり、多孔質中央通路322、固体外殻324、及びシール面328を有する。第2のプラグ304は、上述した間隙226と同様の間隙326を有するようにサイズ設定される。第1のプラグ302と第2のプラグ304との間には、低圧領域(多孔質中央通路222及び多孔質中央通路322)と高圧領域(間隙226及び間隙326)との間のシールを維持するために、追加のOリング230が設けられている。
【0040】
[0044]あるいは、図4に示すように、多孔質プラグ400の長さが、プラグ開口部232、332内に適合するようにサイズ設定された単一のプラグであること以外は多孔質プラグ200と同様である多孔質プラグ400が提供される。多孔質プラグ400は、上述した多孔質プラグ200と同様であり、多孔質中央通路422、固体外殻424、及びシール面428を有する。多孔質プラグ400は、上述した間隙226、326と同様の間隙426を有するようにサイズ設定される。
【0041】
[0045]幾つかの実施形態では、1又は複数の追加のガスケット又はOリングが、多孔質プラグの外側の側壁(単数又は複数)の周囲に設けられ得る。多孔質プラグの側部に設けられた追加の1又は複数のOリングは、プラグ開口部内での多孔質プラグの間隔配置及び位置合わせを容易にし、多孔質プラグの周囲により同心状の嵌合及び均一な間隙を有利に維持する。追加の1又は複数のOリングはまた、多孔質プラグの適所での保持を有利にしやすくし得る。追加の1又は複数のOリングはまた、間隙に沿って視線を更に遮り、間隙でのアーク放電又はプラズマ点灯を更に制限又は防止することを有利に促進し得る。
【0042】
[0046]例えば、図5A図5Dはそれぞれ、本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、側部Oリングを有する多孔質プラグ500を有する静電チャックを示す部分概略側面図である。多孔質プラグ500は、上述した多孔質プラグ200、300、400のいずれかであってよい。多孔質プラグは、絶縁体プレート206又はベースプレート208のうちの1又は複数に形成されたプラグ開口部に配置される。図5Aに示すように、幾つかの実施形態では、1又は複数のOリング504(図5Aには2つを示す)が、間隙502(例えば、間隙226、326、及び/又は426)内の多孔質プラグ500の周囲に設けられている。幾つかの実施形態では、図5Aに示すように、Oリングは、多孔質プラグ500の外面の周囲(例えば、固体外殻224、324、及び/又は424の周囲)に配置されるのみであり得る。幾つかの実施形態では、図5Bに示すように、保持溝506を多孔質プラグ500の外面の周り(例えば、固体外殻224、324、及び/又は424の周囲)に形成して、Oリングを所望の位置に保持しやすくすることができる。幾つかの実施形態では、図5Cに示すように、保持溝508をプラグ開口部(例えば、プラグ開口部232及び/又は332)の内面に沿って形成して、Oリングを所望の位置に保持しやすくすることができる。幾つかの実施形態では、図5Bに示すように、保持溝506を多孔質プラグ500の外面の周り(例えば、固体外殻224、324、及び/又は424の周囲)に形成して、Oリングを所望の位置に保持しやすくすることができる。幾つかの実施形態では、図5Dに示すように、所望の位置でのOリングの保持を容易にするために、保持溝506及び508を両方設けることができる。
【0043】
[0047]静電チャック(例えば、誘電体層212)はまた、基板214とベースプレート208との間、又は電極216とベースプレート208との間の電圧差に起因するアーク放電を更に制限又は防止するために、本設計又は既存の設計を使用した別個の多孔質プラグを有していてよい。
【0044】
[0048]上記は本開示の実施形態を対象としたものであるが、本開示の他の及び更なる実施形態を、その基本的範囲から逸脱することなく考案することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
【国際調査報告】