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特表2024-543313ラグスクリューおよび圧縮スクリューを備えた整形外科用固定装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】ラグスクリューおよび圧縮スクリューを備えた整形外科用固定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/72 20060101AFI20241114BHJP
【FI】
A61B17/72
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522557
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022048776
(87)【国際公開番号】W WO2023086256
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,574
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(71)【出願人】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイクス、ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ワタナベ、コウスケ
(72)【発明者】
【氏名】リッチ、ウィリアム エム.
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ダニエル エス.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL44
(57)【要約】
整形外科用固定装置(例えば、髄内(「IM」)釘または骨プレート)は、ラグスクリューおよび圧縮スクリューを含み、圧縮スクリューが、ラグスクリューと入れ子になっている。本開示の一つ以上の特徴によれば、圧縮スクリューは、部分ねじ無し内側セグメント、拡大された直径、および/またはカニューレ状ボアを含み得る。加えて、および/または代替的に、ラグスクリューは、ラグスクリューと外側スリーブとを含む統合組立品として提供され得、ラグスクリューが外側スリーブおよびIM釘に対して伸縮または摺動可能になる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
髄内(「IM」)釘であって、
それを通って形成された開口部を含む本体と、
第一のセグメントおよび第二のセグメントを含むラグスクリューであって、前記第一のセグメントが、複数の歯を含み、前記第二のセグメントが、患者の骨の一部分に係合するように配設および構成された複数のねじ山を含み、前記ラグスクリューが、前記本体内に形成された前記開口部内に位置決めされる、ラグスクリューと、
前記本体内に形成された前記開口部内に位置決めされ、第一のねじ付きセグメントおよび第二のねじ無しセグメントを含む、圧縮スクリューであって、その結果、前記圧縮スクリューは、部分的にねじ込まれ、前記第一のねじ付きセグメントが、前記ラグスクリュー上に形成された前記複数の歯と相互作用するように配設および構成された複数のねじ山を含み、その結果、使用時に、前記圧縮スクリューが回転すると、前記ラグスクリューが移動する、圧縮スクリューと、を備える、IM釘。
【請求項2】
前記圧縮スクリューは、その長さに延在するカニューレ状ボアを含む、請求項1に記載のIM釘。
【請求項3】
前記圧縮スクリューは、一定の直径を有するシャフトを含み、前記ラグスクリューは、直径を有するシャフトを含み、前記圧縮スクリューの前記直径が、前記ラグスクリューの前記直径よりも小さい、請求項1または2のいずれか一項に記載のIM釘。
【請求項4】
前記本体は、外側壁および内側壁を画定するカニューレ状ボアを含み、前記開口部が、前記圧縮スクリューおよび前記ラグスクリューがそれを通過可能であるように、前記外側壁および内側壁を通って延在する、請求項1~3のいずれかに記載のIM釘。
【請求項5】
前記IM釘の前記内側壁は、前記開口部内に延在するステップを含み、前記ステップが、前記圧縮スクリューの前進を防止するために、前記圧縮スクリューに接触するように配設および構成された縮小直径部分を画定する、請求項4に記載のIM釘。
【請求項6】
前記ラグスクリューは、ラグスクリュー組立品として配設および構成され、前記ラグスクリュー組立品が、前記ラグスクリューが前記IM釘の前記本体に向かって移動できるように、伸縮自在な組立品として配設および構成される、請求項1~5のいずれかに記載のIM釘。
【請求項7】
前記ラグスクリュー組立品は、前記ラグスクリュー、外側スリーブ、および組立品スクリューを含む、請求項6に記載のIM釘。
【請求項8】
前記外側スリーブは、前記IM釘の前記本体に形成された前記開口部内に位置決めされ、前記外側スリーブが、前記IM釘の前記本体に結合される、請求項7に記載のIM釘。
【請求項9】
前記ラグスクリューは、前記外側スリーブ内に位置決めされ、前記ラグスクリューが、前記組立品スクリューを介して、前記外側スリーブからの落下が防止される、請求項7および8のいずれか一項に記載のIM釘。
【請求項10】
前記組立品スクリューは、前記ラグスクリューに係合するように配設および構成される、請求項9に記載のIM釘。
【請求項11】
前記組立品スクリューは、前記ラグスクリュー上に形成されたねじ山に係合するための複数のねじ山を含む、請求項10に記載のIM釘。
【請求項12】
前記ラグスクリューは、前記外側スリーブに対して移動するように配設および構成される、請求項9~11のいずれか一項に記載のIM釘。
【請求項13】
前記外側スリーブは、前記ラグスクリューが前記IM釘から離れて移動するのを防止するように配設および構成された、縮小直径内側部分を画定する停止部を含む、請求項12に記載のIM釘。
【請求項14】
前記外側スリーブは、外面および内側ボアを含み、前記内側ボアが、前記ラグスクリューの一部分を受容するように配設および構成され、前記外側スリーブの前記外面が、前記圧縮スクリュー上に形成された前記複数のねじ山に係合するように配設および構成された前記複数の歯を含む、請求項7~13のいずれか一項に記載のIM釘。
【請求項15】
前記ラグスクリューは、前記外側スリーブの内側から前記外側スリーブの前記内側ボアに挿入され、前記組立品スクリューは、前記外側スリーブの外側から前記外側スリーブの前記内側ボアに挿入される、請求項14に記載のIM釘。
【請求項16】
前記外側スリーブの前記外面は、前記IM釘の前記本体のカニューレ状ボアと位置決めされた止めねじに係合するように配設および構成された複数の歯を含む、請求項14に記載のIM釘。
【請求項17】
前記外側スリーブの前記外面は、前記IM釘の前記本体のカニューレ状ボアと位置決めされた止めねじに接触するように配設および構成された平坦な表面を含む、請求項14に記載のIM釘。
【請求項18】
前記ラグスクリューが前記外側スリーブに対して移動することを防止するために、前記ラグスクリュー組立品に係合するように配設および構成された静的インサートをさらに備え、それによって、静的構成体を作成する、請求項7~17のいずれか一項に記載のIM釘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月12日出願の「Orthopedic Fixation Device with Lag Screw and Compression Screw」と題された係属中の米国仮特許出願第63/278,574号の非仮出願であり、その利益を主張するものであり、その出願の全体は、参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、例えば、一つ以上の患者の骨、骨部分、骨断片などを安定化するための髄内(IM)釘および/または骨プレートなどの整形外科用固定装置に関し、より具体的には、入れ子ラグおよび圧縮スクリューを利用する、整形外科用固定装置(例えば、IM釘または骨プレート)を対象とする。
【背景技術】
【0003】
整形外科用固定装置(例えば、インプラント)は、例えば、損傷を安定化し、骨折部を支持し、関節を癒合し、および/または変形を矯正するために使用され得る。整形外科用固定装置は、常設的または一時的に取り付けられ得、骨の管または他の空洞内に移植され、軟部組織の下に移植され、骨の外面に取り付けられ、または外部に配置され、ねじ、ピン、および/またはワイヤなどの締結具によって取り付けられるなど、様々な箇所で骨に取り付けられ得る。一部の整形外科用固定装置により、二つ以上の骨片、または二つ以上の骨の位置および/または配向が互いに対して調整可能になる。整形外科用固定装置は、一般的に、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、コバルトクロム合金、およびタンタルを含む金属などの等方性材料から機械加工または成形される。
【0004】
髄内(IM)釘は、一種の整形外科用固定装置である。IM釘の主な機能は、骨折断片を安定化し、それによって、骨の解剖学的アライメントを維持しながら、骨折部位にわたり荷重伝達を可能にすることである。現在、多数の異なる市販のIM釘が入手できる。
【0005】
一つの公知の種類のIM釘は、Smith Nephew, Inc.社が製造および販売するTRIGEN INTERTAN IM釘である。TRIGEN INTERTAN IM釘は、使用時に、転子間股関節骨折を治療するために使用され得る。図1A図1Bおよび図1Cを参照すると、Trigen Intertan IM釘システムは、患者の大腿骨の髄管に挿入されるように配設および構成されたIM釘10を含む。さらに、TRIGEN INTERTAN IM釘システムは、入れ子ラグおよび圧縮スクリュー20、30を含み、これは、IM釘10の本体に形成された開口部または孔(本明細書では、制限または区別する意図なしに、互換的に使用される用語)を通って、患者の骨折した大腿骨頸部および/または頭部内を通過して、大腿骨頸部および/または頭部を大腿骨のシャフトに向かって引き込むように配設および構成される。一般的に、ラグスクリュー20を受容するためのIM釘10の本体に形成された開口部の一部分の直径は、圧縮スクリュー30を受容するためのIM釘10の本体に形成された開口部の一部分の直径よりも大きい。
【0006】
一般的に、図示のように、ラグスクリュー20は、外側頭部分22、内側端24、および内側端24に隣接して配置された雄ねじ付きセグメント26を含む。使用時に、ラグスクリュー20は、IM釘10の本体に形成された開口部を通過する。圧縮スクリュー30は、拡大された外側頭部32、内側端部34、および外側頭部32から内側端部34に延在する雄ねじ付きセグメント36を含む。図示のように、圧縮スクリュー30は、非カニューレ状であり、その全長に沿って雄ねじ付きである。使用時に、圧縮スクリュー30のねじ付きセグメント36は、IM釘10の本体に形成された開口部を通過し、ラグスクリュー20の側面上に配置されたラック28(図1C)に係合する。すなわち、圧縮スクリュー30は、ラグスクリュー20上のラック28に係合して、ウォームギアとして作用する、完全ねじ付きスクリューである。このように配置されると、圧縮スクリュー30は、ラグスクリュー20と入れ子にされる(例えば、噛み合う)。
【0007】
使用時に、図1Cを参照すると、IM釘10は、内側壁12および外側壁14を画定するカニューレ状ボア16を含む。IM釘10の外側壁14は、その中に形成されたステップ18を含む。圧縮スクリュー30の外側頭部32は、IM釘10の外側壁14に形成されたステップ18に接触し、これは、圧縮スクリュー30のさらなる前進を防止する。ステップ18との接触が一旦起こると、圧縮スクリュー30の継続的な回転により、ラグスクリュー20が回転し、ラグスクリュー20をIM釘10に向かって横方向に移動させ、それによって、患者の骨折を閉鎖または圧縮させる(例えば、圧縮スクリュー30のステップ18との接触により、圧縮スクリュー30の前進が停止され、したがって、圧縮スクリュー30の継続的な回転により、ラグスクリュー20がIM釘10に向かって引き戻り、したがって、患者の骨折を閉鎖または圧縮させる)。すなわち、使用時に、当業者によって容易に理解されるように、ラグスクリュー20は、IM釘10を通って、患者の骨断片と係合するように、最初に挿入される。その後、圧縮スクリュー30は、IM釘10を通って、骨断片に挿入される。圧縮スクリュー30の回転により、最初に、圧縮スクリュー30は患者の骨断片内に前進する。しかしながら、圧縮スクリュー30がIM釘10内に形成されたステップ18に一旦接触すると、圧縮スクリュー30の継続的な回転により、ラグスクリュー20が横方向に移動して、患者の骨折部にわたって圧縮力が加わる。したがって、使用時に、圧縮スクリュー30を回転させることで、患者の骨の断片に以前に固定されたラグスクリュー20に軸方向の力が加わる。したがって、圧縮スクリュー30を回転させることで、ラグスクリュー20、およびラグスクリュー20に貼り付けられた骨断片が、圧縮スクリュー30の長さに沿った方向に、かつ適切な治癒のための位置に引き込まれる。
【0008】
圧縮スクリュー30が破損する場合、現在のシステムの一つの欠点は、圧縮スクリュー30が定位置にある間に、ラグスクリュー20が回転できないことである。したがって、ラグスクリュー20は、最初に圧縮スクリュー30を取り外すことなく、取り外され得ない。図2を参照すると、圧縮スクリュー30が破損する場合、インプラントの取り外しは困難であり得る。例えば、圧縮スクリュー30の外側断片30Aが取り外された後、それを係合および取り外しするための内側断片30Bとの界面は存在しない。さらに、ラグスクリュー20は、圧縮スクリュー30の内側断片30Bに依然として回転方向に係止され得る。すなわち、外側断片30Aが一旦取り外されると、圧縮スクリュー30の残りの内側断片30Bは、取り外しに回転させる必要があるが、内側断片30Bに係合するための機構はなく、したがって、それを取り外すために、内側断片30Bを回転させる機構はない。したがって、圧縮スクリュー30の残りの内側断片30Bを取り外しすることは、困難であり得る。さらに、最初に内側断片30Bを取り外すことなく、ラグスクリュー20を取り外しできない場合がある。
【0009】
圧縮スクリュー30が破断する可能性を最小限にするための一つの解決策は、圧縮スクリュー30の強度(例えば、サイズまたは直径)を増加させることである。しかしながら、圧縮スクリュー30の直径を増加させることは、除去される骨の量に対応する増加、ラグスクリュー20の直径の対応する減少、および/または圧縮スクリュー30の直径の増加を補償するために、IM釘10内に形成された開口部のサイズに対応する増加を決定し、それによって、ラグスクリュー20および/またはIM釘10の強度を減少させ、他の故障モードの発生を潜在的に増加させる。
【0010】
非入れ子ラグおよび圧縮スクリューを利用する既存のIM釘システムの代替例を示す図3を参照すると、転子間股関節骨折の治療のための現在のIM釘はまた、ラグスクリューがインプラント後に、IM釘内で、またはそれに対して摺動(例えば、移動)し得、骨断片が接触を維持し、二次的な折り畳み/股関節の短縮の発生により治癒可能になるオプションを含み得る。しかしながら、ラグスクリューの摺動を可能にする一つの欠点は、患者の軟組織におけるラグスクリューの外側隆起が増大し、結果として、組織炎症および潜在的に再手術をもたらし得ることである。図3は、移植後の頸部短縮(すなわち、短縮後の移植後の頸部の長さ「t’」と、移植中の頸部の長さ「t」とを比較)の発生を示し、これにより、ラグスクリューの外側隆起が延長される。
【0011】
外側隆起を防止または最小限にするために、電流溶液は、ラグスクリューが、例えば、止めねじなどで摺動することを防止するために、ラグスクリューをIM釘に固定することを含む。あるいは、ラグスクリューは、IM釘内に位置決めされた外側スリーブまたはバレル構成要素内に伸縮するように配設および構成され得る。しかし、止めねじを使用すると、骨折部は摺動できず、不安定な骨折における癒合不全のリスクが高まる。外側スリーブまたはバレルの組み込みは、図1A図1Bおよび図1Cに関連して上述するように、ラグスクリューおよび圧縮スクリューの入れ子を防止する。
【0012】
破損のリスクを防止または少なくとも低減するために、ラグスクリューおよび/またはIM釘の対応する減少を必要とせずに、圧縮スクリューを強化することは有益であろう。さらに、破断した圧縮スクリューのより容易な取り外しを促進することは有益であろう。さらに、圧縮スクリューと入れ子になり得る伸縮自在なラグスクリューを提供することは有益であろう。
【0013】
したがって、改善された整形外科用固定装置を提供する必要性が依然として存在する。本発明は、これらのニーズを満たし、新規かつ自明でない様式で、他の利益および利点を提供する。
【発明の概要】
【0014】
本発明の概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される、簡略化された形態における一連の概念を導入するために提供される。本発明の概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴または基本的な特徴を識別することを意図しておらず、特許請求の範囲の主題の範囲を決定するための一助としても意図されない。
【0015】
改善された整形外科用固定装置は、本明細書に開示される。一部の実施例では、整形外科用固定装置は、IM釘の形態であってもよい。代替的な実施例では、整形外科用固定装置は、骨プレートの形態であってもよい。いずれの場合でも、整形外科用固定装置は、ラグ骨係合部材またはスクリューおよび圧縮骨係合部材またはスクリューを含み、ラグおよび圧縮骨係合部材またはスクリューが、一緒に入れ子にされる(骨係合部材およびスクリューは、限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される)。例えば、一部の実施例では、整形外科用固定装置は、患者の骨の髄内管内に受容されるように配設および構成されたIM釘を含み、IM釘が、それを通って形成された開口部を有する本体と、IM釘内に形成された開口部を通って、骨断片内に通過するように配設および構成されたラグスクリューと、IM釘内に形成された開口部を通って、骨断片内に通過するように配設および構成された圧縮スクリューと、を含む。圧縮スクリューは、ラグスクリューと入れ子式または噛み合っている。すなわち、一部の実施例では、ラグスクリューは、第一のセグメントおよび第二のセグメントを含む。第一のセグメントは、複数の歯を含む。第二のセグメントは、患者の骨の一部分に係合するように配設および構成された複数のねじ山を含む。圧縮スクリューは、圧縮スクリューが部分的にねじ込まれるように、第一のねじ付きセグメントおよび第二のねじ無しセグメントを含む。第一のねじ付きセグメントは、使用時に、圧縮スクリューの回転により、ラグスクリューが移動するように、ラグスクリュー上に形成された複数の歯と相互作用するように配設および構成された複数のねじ山を含む。
【0016】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリューは、骨断片に係合するように配設および構成された複数のねじ山と、圧縮スクリューと相互作用するように配設および構成された複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山などと、を含む。
【0017】
任意の先行または後続の実施例において、圧縮スクリューは、部分的にねじ込まれる。つまり、圧縮スクリューは、第一または外側セグメントおよび第二または内側セグメントを含み、第一または外側セグメントが、ラグスクリュー上に形成された複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェットと、ねじ山などと相互作用または係合するように配設および構成された複数のねじ山を含み、その結果、使用時に、ラグスクリューを、IM釘を通って、骨断片に埋め込んだ状態で、圧縮スクリューの回転により、ラグスクリューが横方向に移動し、それによって、患者の骨折が圧縮される。第二または内側セグメントは、ねじ無し(例えば、任意のねじ山を欠く)である。
【0018】
任意の先行または後続の実施例では、圧縮スクリューは、カニューレ状であってもよい。すなわち、圧縮スクリューは、その長さに延在するカニューレ状ボアを含み得る。
【0019】
任意の先行または後続の実施例では、圧縮スクリューは、より大きな直径を含む。すなわち、内側のねじ無しセグメントを利用することによって、圧縮スクリューの直径は、圧縮スクリューおよびラグスクリューを受容するためのIM釘内に形成された開口部の対応する増加、またはラグスクリューの直径の減少なしに、増加させ得る。一部の実施例では、圧縮スクリューは、一定の直径を有するシャフトを含み、ラグスクリューは、直径を有するシャフトを含み、圧縮スクリューの直径が、ラグスクリューの直径よりも小さい。一部の実施例では、圧縮スクリューのシャフトの直径は、約5.3mmであり得、これは、7.0mmの大径および4.9mmの小径を含む段付きまたは可変直径を有する現在の圧縮スクリューとは対照的である。
【0020】
任意の先行または後続の実施例では、IM釘は、外側壁および内側壁を画定するカニューレ状ボアを含む本体を含み、開口部が、圧縮およびラグスクリューがそれを通過可能になるための外側壁および内側壁に形成される。IM釘は、圧縮スクリューのさらなる前進を防止するために、圧縮スクリューに接触するように配設および構成された開口部内に延在するステップ(例えば、縮小直径部分を画定するステップ)をさらに含む。一部の実施例では、ステップは、IM釘の内側壁に形成される。
【0021】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリューで入れ子にされる破断した圧縮スクリューを、IM釘から取り外す方法が開示される。一部の実施例では、方法は、破断した圧縮スクリューの第一または外側断片を、IM釘に対して第一または外側断片を回転させることによって、IM釘内に形成された開口部から取り外すことを含む。次に、破断した圧縮スクリューの第二または外側断片は、第二または外側断片を把持および引っ張ることによって、IM釘内に形成された開口部を通って取り外され得る。その後、ラグスクリューのIM釘からの取り外しが達成され得る。
【0022】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリューは、ラグスクリューが、軟組織内のラグスクリューの外側隆起を防止または少なくとも最小限にしながら、患者の骨折部にわたる接触および/または圧縮を維持するために、IM釘に向かって摺動、移動、伸縮などを行うことができるように、ラグスクリュー組立品(例えば、伸縮自在な組立品として)の形態で提供され得る。
【0023】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリュー組立品は、外側スリーブまたはバレルおよびラグスクリューを含む。さらに、ラグスクリュー組立品はまた、組立品スクリューを含んでもよい。一部の実施例では、外側スリーブは、IM釘の本体に形成された開口部内に位置決めされ、外側スリーブが、例えば、止めねじ、ラチェット機構などを介して、IM釘に結合される。ラグスクリューは、例えば、組立品スクリューを介して、外側スリーブに結合され(例えば、ラグスクリューは、外側スリーブ内に位置決めされ、ラグスクリューは、組立品スクリューを介して、外側スリーブからの落下が防止される)、その結果、使用時に、ラグスクリューは、横方向に摺動し得、患者の骨折を閉鎖または圧縮する(例えば、ラグスクリューは、ラグスクリューが外側スリーブに対して横方向に移動できるように、外側スリーブの内側で伸縮する)。
【0024】
任意の先行または後続の実施例では、組立品スクリューおよび外側スリーブは、ラグスクリューがIM釘から内側に移動するのを防止するように配設および構成される。
【0025】
任意の先行または後続の実施例では、外側スリーブは、外面および内側ボアを含み、内側ボアが、ラグスクリューのセグメントまたは部分を受容するように配設および構成される。外側スリーブの外面は、圧縮スクリュー上に形成されたねじ山に係合するように配設および構成された複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山などを含み得る。
【0026】
任意の先行または後続の実施例では、外側スリーブは、外面および内側ボアを含み、内側ボアが、ラグスクリューのセグメントまたは部分および圧縮スクリューのセグメントまたは部分の両方を受容するように配設および構成され、その結果、ラグスクリューおよび圧縮スクリューの両方は、外側スリーブの内側ボア内に位置決めされる。このように配置されると、圧縮スクリューのラグスクリューとの係合が、外側スリーブの内側ボア内で生じる。
【0027】
任意の先行または後続の実施例では、組立品スクリューは、ラグスクリューに係合するように配設および構成される。一部の実施例では、組立品スクリューは、ラグスクリュー上に形成されたねじ山に係合するための複数のねじ山を含む。
【0028】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリューは、外側スリーブの内側開口部または側面から外側スリーブの内側ボアに挿入され、組立品スクリューは、外側スリーブの外側開口部または側面から外側スリーブの内側ボアに挿入される。
【0029】
任意の先行または後続の実施例では、外側スリーブの内側ボアは、組立品スクリューが内側に向かって前進するのを防止し、したがって、ラグスクリューがIM釘から離れて摺動することを防止するように配設および構成された、縮小直径内側部分を画定する停止部を含む。
【0030】
任意の先行または後続の実施例では、外側スリーブの外面は、IM釘の本体のカニューレ状ボアに位置決めされた止めねじに係合するための、その上に複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山などを含む。
【0031】
任意の先行または後続の実施例では、外側スリーブの外面は、IM釘の本体のカニューレ状ボアと位置決めされた止めねじに接触するように配設および構成された平坦な表面または傾斜部を含む。
【0032】
任意の先行または後続の実施例では、組立品スクリューは、第一のセグメントおよび第二のセグメントを含むばね式組立品スクリューであり得、第一のセグメントが、ばねの形態で提供され、第二のセグメントがラグスクリューに係合する。
【0033】
任意の先行または後続の実施例では、止めねじは、止めねじが外側スリーブ、組立品スクリュー、または外側スリーブおよび組立品スクリューに所望に応じて係合できるように、外側止めねじおよび内側止めねじを含み得る。
【0034】
任意の先行または後続の実施例では、ラグスクリュー組立品は、ラグスクリューが外側スリーブに対して移動することを防止するために、ラグスクリュー組立品に係合するように配設および構成された静的インサートをさらに含み、それによって、静的構成体を作り出す(例えば、静的インサートは、ラグスクリューが外側スリーブに対して移動することを防止するために、外側スリーブの内側ボア内に位置決めされるように配設および構成される)。
【0035】
本開示の例示的な実施形態は、多数の利点を提供する。例えば、IM釘システム内のラグスクリューと入れ子になるように配設および構成された部分ねじ付き圧縮スクリューを提供することによって、より大きな直径の圧縮スクリューが提供され得、それによって、圧縮スクリューが破断する可能性を低減する。さらに、圧縮スクリューの破断が発生した場合、部分ねじ付き圧縮スクリューにより、インプラントの取り外しが容易になる。加えて、および/または代替的に、一体型の伸縮自在なラグスクリュー組立品を提供することによって、ラグスクリューは、IM釘に対して摺動可能で、それによって、患者の骨折部にわたり圧縮を促進する。
【0036】
本発明の例示的な実施形態の少なくとも一部のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な例示的な実施形態の構造および動作を、添付図面を参照することで、以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
例として、開示される装置の特定の実施例を、以下の添付図面を参照することで、ここに説明する。
【0038】
図1A図1Aは、転子間股関節骨折の治療に使用される髄内(IM)釘システムの従来的な実施例の図であり、IM釘システムが、入れ子式ラグスクリューおよび圧縮スクリューを利用するIM釘を含む。
【0039】
図1B図1Bは、図1Aに示すIM釘システムの側面図である。
【0040】
図1C図1Cは、図1Aに示すIM釘システムの断面図である。
【0041】
図2図2は、患者の骨内に移植された図1Aに示すIM釘システムの斜視図であり、IM釘システムが、破断した圧縮スクリューを示す。
【0042】
図3図3は、転子間股関節骨折の治療に使用されるIM釘システムの代替的な従来の実施例の様々な図を示し、IM釘システムが、非入れ子式ラグスクリューおよび圧縮スクリューを含み、様々な図が、移植後の頸部短縮を示す。
【0043】
図4図4は、本開示の一つ以上の特徴に係る、圧縮スクリューの実施例の側面図であり、圧縮スクリューが、図1A図1Bおよび図1CのIM釘システムに関連して使用されるように配設および構成される。
【0044】
図5図5は、本開示の一つ以上の特徴に係る、IM釘システムで使用される図4の圧縮スクリューの断面図である。
【0045】
図6図6は、図5のIM釘の断面図である。
【0046】
図7図7は、本開示の一つ以上の特徴に係る、IM釘システムの代替の実施例の図であり、IM釘システムが、IM釘、伸縮自在なラグスクリュー組立品、および圧縮スクリューを含み、伸縮自在なラグスクリュー組立品および圧縮スクリューが、一緒に入れ子になっている。
【0047】
図8図8は、図7のIM釘システムの断面図である。
【0048】
図9図9は、図7のIM釘システムで使用される伸縮自在なラグスクリュー組立品の分解斜視図である。
【0049】
図10A図10Aは、図7のIM釘システムの断面図であり、断面図が、伸縮自在なラグスクリュー組立品に関連して使用される外側スリーブまたはバレルの第一の実施例を示す。
【0050】
図10B図10Bは、図7のIM釘システムの断面図であり、断面図が、伸縮自在なラグスクリュー組立品に関連して使用される外側スリーブまたはバレルの第二の実施例を示す。
【0051】
図11A図11Aは、図10Aの外側スリーブまたはバレルと圧縮スクリューの係合または結合を示す側面図である。
【0052】
図11B図11Bは、図11Aの断面図である。
【0053】
図12A図12Aは、図10Bの外側スリーブまたはバレルと圧縮スクリューの係合または結合を示す側面図である。
【0054】
図12B図12Bは、図12Aの断面図である。
【0055】
図13A図13Aは、図7のIM釘システムで使用され得る伸縮自在なラグスクリュー組立品の代替の実施例の分解斜視図である。
【0056】
図13B図13Bは、図13Aの伸縮自在なラグスクリュー組立品の図であり、伸縮自在なラグスクリュー組立品が、拡張位置で示される。
【0057】
図13C図13Cは、図13Aの伸縮自在なラグスクリュー組立品の図であり、伸縮自在なラグスクリュー組立品が、折り畳み位置で示される。
【0058】
図14図14は、本開示の一つ以上の特徴に係る、止めねじの実施例の様々な図を示し、止めねじが、図7のIM釘システムにおける使用のために配設および構成される。
【0059】
図15A図15Aおよび図15Bは、IM釘システムに結合された図14に示す止めねじの様々な図を示し、止めねじが、外側スリーブのみに係合するように配設および構成される。
図15B】同上。
【0060】
図16A図16Aおよび図16Bは、IM釘システムに結合された図14に示す止めねじの様々な図を示し、止めねじが、外側スリーブおよび組立品スクリューに係合するように配設および構成される。
図16B】同上。
【0061】
図17図17は、IM釘システムに結合された図14に示す止めねじの断面図を示し、止めねじが、組立品スクリューのみに係合するように配設および構成される。
【0062】
図18A図18Aは、伸縮自在なラグスクリュー組立品および圧縮スクリューの代替の実施例の側面図であり、伸縮自在なラグスクリューおよび圧縮スクリューが、図7のIM釘システムに使用されるように配設および構成される。
【0063】
図18B図18Bは、図18Aに示す伸縮自在なラグスクリュー組立品および圧縮スクリューの断面図である。
【0064】
図19A図19Aおよび図19Bは、図7のIM釘システムで使用され得る伸縮自在なラグスクリュー組立品の代替の実施例の様々な図を示し、伸縮自在なラグスクリュー組立品が、静的インサートを含む。
図19B】同上。
【0065】
図19C図19Cおよび図19Dは、図19Aおよび図19Bに示す静的インサートの様々な斜視図を示す。
図19D】同上。
【0066】
図面が必ずしも正確な縮尺ではなく、開示された実施例が、図式的および部分的な図で例示される場合があることは、理解されるべきである。特定の事例では、開示された方法および装置の理解に必要ではない、または他の詳細を知覚困難にする詳細は、省略され得る。本開示が、本明細書に例示される特定の実施例に限定されないことは、さらに理解されるべきである。図面では、同様の数字は、別段の記載がない限り、全体を通して同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
ここで、転子間股関節骨折を治療するように配設および構成された、例えば、IM釘などの整形外科用固定装置、システム、および/または方法の様々な特徴を、整形外科用固定装置、システム、および/または方法の一つ以上の特徴が示され、説明される添付図面を参照して、以下でより完全に説明する。様々な特徴が、互いに独立して使用しても、組み合わせて使用してもよいことは理解される。本明細書に開示される整形外科用固定装置、システム、および/または方法が、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に示す実施例に限定されるものとして解釈されるべきではないことは、理解されよう。むしろ、これらの実施例は、本開示が整形外科用固定装置、システム、および/または方法の特定の特徴を当業者に伝達するように、提供される。
【0068】
本明細書に記載のように、「実施形態」または「実施例」(添付の図面に図示されるものなど)は、開示された特徴が提供もしくは具現化され得る環境もしくは物品もしくは構成要素の例示的な表現、または特徴が提供もしくは具現化され得る様式の表現を指し得ることは理解されるべきである。しかしながら、かかる例示的な実施例は、例として理解されるべきものであり(別段の記載がない限り)、本開示からの特徴を学ぶ際に当業者であれば理解し得るような、記載の特徴を具現化する他の様式は、本開示の範囲内である。加えて、図面が、特徴の一つ以上の実施形態を、かかる特徴を組み込む環境、物品、または構成要素の単一の実施形態において一緒に示し得る一方、かかる特徴が、互いに独立し、分離しているものとして理解され(別途指定されない限り)、利便性の目的で一緒に示されるものであって、一緒に存在するまたは使用されることに制限することを意図していないことは理解されるであろう。例えば、一つの実施例の一部として図示または説明される特徴は、別個に、または別の実施形態とともに使用され得、なおさらなる実施例をもたらす。このため、本主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にあるような修正および変形を網羅することが意図される。
【0069】
本明細書では、転子間股関節骨折の改善された治療を容易にするように配設および構成された一つ以上の特徴を含む、様々な整形外科用固定装置、システム、および/または方法が開示される。一部の実施例では、整形外科用固定装置、システム、および/または方法は、IM釘、ラグスクリュー、および圧縮スクリューを含み、ラグスクリューおよび/または圧縮スクリューは、転子間股関節骨折の改善された治療を提供するように配設および構成された一つ以上の特徴を含む。本開示の固定装置、システム、および/または方法が、IM釘に関連して説明および示されるが、本開示は、そのように限定されず、整形外科用固定装置、システム、および/または方法は、例えば、骨プレートなどの他の形態で提供され得る。したがって、本開示は、具体的に請求されない限り、IM釘に限定されるべきではない。
【0070】
図4および図5を参照すると、本開示の一つ以上の特徴に係る、IM釘システム100の実施例が示される。図示のように、IM釘システム100は、IM釘110、ラグスクリュー130、および圧縮スクリュー150を含む。一部の実施例では、IM釘110は、患者の大腿骨の髄管に移植されるように配設および構成された本体112を含む。本体112は、近位端114および遠位端(図示せず)を含む。一部の実施例では、本体112が、実質的に円筒形状を有し得るが、他の構成も想定される。例えば、本体112の近位端114は、円筒形状を有し得、代替的に、台形、長方形などであってもよい。一部の実施例では、当業者によって容易に理解されるように、ボア116が近位端114から遠位端まで延在するように、本体112は、カニューレ状であってもよい。カニューレ状ボア116は、本体112の外壁を画定する。このように配置されると、IM釘110の本体112は、外側壁118および内側壁120を含むものとして特徴付けられ得る。さらに、本体112は、それを通って延在する孔または開口部122(例えば、外側壁118および内側壁120を通って延在する孔または開口部122)を含み得る(用語である孔および開口部は、限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される)。使用時に、開口部122は、ラグスクリュー130および圧縮スクリュー150がIM釘110の本体112を通過し得、当業者によって容易に理解されるように、患者の大腿骨の破断した首部および/または頭部に係合できるように、ラグスクリュー130および圧縮スクリュー150を受容するように配設および構成される。
【0071】
ラグスクリュー130および圧縮スクリュー150が、特定のIM釘に関連して示され、かつ記述されるが、本開示は、そのように限定されず、現在公知または今後開発されるIM釘のいずれかは、使用され得る。
【0072】
本明細書に記載されるように、本開示は、ラグ骨係合部材またはスクリュー130および圧縮骨係合部材またはスクリュー150(用語である骨係合部材およびスクリューは、限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される)を記載する。ラグスクリュー130は、第一または外側セグメントまたは端部134と、第二または内側セグメントまたは端部136(用語であるセグメントおよび端部は、限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される)と、を含む。第二または内側セグメント136は、骨係合要素を含む。使用時に、ラグスクリュー130の骨係合要素は、例えば、ねじ山、らせん状の溝、またはブレードなどを含む、現在既知であるか、または今後開発される任意の好適な骨係合要素であり得る。したがって、ラグスクリュー130が、「ねじ山」を含むように説明および図示されるが、本開示は、そのように限定されず、ねじ山は、例えば、らせん状のブレードまたは溝などの他の骨係合要素を含むと解釈されるべきである。
【0073】
さらに、骨係合要素がねじ山の形態である場合、ねじ山は、現在既知または今後開発される任意のサイズ、構成、ピッチなどを有し得る。例えば、図10Aは、従来のねじ山と比較して、引き抜き強度を増加させるための「hi-lo」設計を含み得る(図10B)。使用時に、ラグスクリュー130は、任意のスレッド形態を有し得、異なる骨質に対する異なる代替物を提供するキットで提供されてもよい。
【0074】
図5を引き続き参照すると、前述のように、ラグスクリュー130は、外側セグメント134、内側セグメント136、およびそれを通って延在するカニューレ状ボア138を有するシャフト132を含む。図示のように、ラグスクリュー130の内側セグメント136は、患者の骨折した大腿骨頸部および/または頭部に係合するように配設および構成された複数のねじ山140(例えば、骨係合要素)を含み得る。さらに、シャフト132は、以下でより詳細に説明するように、圧縮スクリュー150と相互作用するように配設および構成される、複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山など142(限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される用語)を含み得る。
【0075】
ラグスクリュー130と同様に、図4および図5を参照すると、圧縮スクリュー150は、第一または外側セグメント154および第二のまたは内側セグメント156を含む。以下でより詳細に説明するように、第二または内側セグメント156は、骨接触面を含む。すなわち、図示のように、圧縮スクリュー150は、外側セグメント154および内側セグメント156を有するシャフト152を含む。内側セグメント156は、患者の骨折した大腿骨頸部および/または頭部を穿刺するように配設および構成された先端158で終結する。本開示によれば、圧縮スクリュー150は、IM釘システム100の改善された動作を容易にするために、一つ以上の特徴を含む。
【0076】
一部の実施例では、図示のように、第一または外側セグメント154は、ラグスクリュー130のシャフト132上に形成された複数の歯142と相互作用し、係合するなどのように配設および構成された複数のねじ山160を含み、その結果、使用時に、ラグスクリュー130がIM釘110を通って、患者の骨折大腿骨頸部および/または頭部に埋め込まれている状態で、圧縮スクリュー150の挿入および回転により、ラグスクリュー130が横方向に移動し、それによって、患者の骨折が圧縮される(例えば、ラグスクリュー130および圧縮スクリュー150は、例えば、ウォームギア機構を介して、互いに相互作用するように配設および構成され、その結果、使用時に、ラグスクリュー130がIM釘110を通って、患者の骨折大腿骨頸部および/または頭部に埋め込まれている状態で、圧縮スクリュー150の挿入および回転により、ラグスクリュー130が横方向に移動し、それによって、患者の骨折が圧縮される)。本開示の一つ以上の特徴によれば、圧縮スクリュー150の第二または内側セグメント156は、ねじ無しであり得る(例えば、任意のねじ山を欠く)。このように配置されると、圧縮スクリュー150は、部分的にねじ込まれるものとして特徴付けられ得る。使用時に、圧縮スクリュー150のねじ山160は、圧縮スクリュー150が、以下でより詳細に説明するように、IM釘110内に形成された縮小直径部分またはステップ125(図5および図6)に一旦接触すると、ラグスクリュー130を圧縮するようにのみ機能する。したがって、ステップ125の内側のねじ山を取り外すことができる(例えば、第二または内側セグメント156は、任意のねじ山を完全に欠き得る)。あるいは、停止部、肩部などが、IM釘110に接触するための圧縮スクリュー上に形成され得ることは想定される。
【0077】
IM釘110のラグスクリュー130と入れ子または噛み合う部分ねじ付き圧縮スクリュー150を利用することは、複数の利点を提供する。まず、圧縮スクリュー150のシャフト152の外径を増加させることができ(例えば、当業者によって理解されるように)、圧縮スクリューの強度は、ねじ山を第二または内側セグメント156から取り外すことによって、シャフトの直径(すなわち、ねじ付きセグメントの小径)に比例し、圧縮スクリュー150の直径を増加させることができ、それによって、IM釘110内に形成された開口部122のサイズおよび/またはラグスクリュー130の直径を変更することなく、圧縮スクリュー150の強度を増加させる)。一部の実施例では、圧縮スクリュー150は、一定の直径を有するシャフトを含み、ラグスクリュー130は、直径を有するシャフトを含み、圧縮スクリュー150の直径が、ラグスクリュー130の直径よりも小さい。一部の実施例では、圧縮スクリュー150は、ねじ無しの第二または内側セグメント156におよそ5.3mmの外径を有し得、これは、ねじ付きの第一または外側セグメント154の小径と同じであり得る。あるいは、ねじ付きの第一または外側セグメント154の小径は、ねじ無しの第二または内側セグメント156の外径とは異なってもよい。代替的な実施例では、ねじ付きの第一または外側セグメント154の小径は、ラグスクリュー130および圧縮スクリュー150が外側部分内にのみ入れ子になるように、ねじ無しの第二または内側セグメント156の外径よりも大きくてもよい。対照的に、現在の圧縮スクリューは、7.0mmの外径、およびその全長に延在する4.9mmの小径を有する。したがって、圧縮スクリュー150の強度は、ラグスクリュー130の直径の対応する減少、またはIM釘110の本体112に形成された開口部122の対応する増加なしに、増加させることができる。したがって、圧縮スクリュー150が破断する可能性は、代替的な故障モードの可能性を増加させることなく、低減される(例えば、より大きな直径の圧縮スクリューは、より小さな直径の圧縮スクリューよりも破断する可能性が低い(すなわち、疲労の減少))。
【0078】
第二に、圧縮スクリュー150が破損または故障する場合、ねじ無しの第二または内側セグメント156は、より簡単な取り外しを促進する。すなわち、前述のように、圧縮スクリューが破損または故障する場合、外側断片は、圧縮スクリュー150の第一または外側セグメント154に係合およびそれを回転することによって、取り外され得る。その後、圧縮スクリュー150の第二または内側セグメント156は、IM釘110の本体112に形成された開口部122を通って、破断した第二または内側セグメント156を把持および引っ張ることによって、取り外され得る。したがって、ラグスクリューで入れ子にされる破断した圧縮スクリューをIM釘システムから取り外す方法が開示されている。方法は、IM釘に対して第一または外側断片を回転させることによって、IM釘内に形成された開口部から、破断した圧縮スクリューの第一または外側断片を取り外すことを含む。次に、破断した圧縮スクリューの第二または外側断片は、第二または外側断片を把持および引っ張ることによって、IM釘内に形成された開口部を通って取り外され得る。その後、ラグスクリューのIM釘からの取り外しが達成され得る。
【0079】
さらに、部分ねじ付き圧縮スクリューと独立してまたは組み合わせて使用され得る、本開示の一つ以上の特徴によれば、圧縮スクリュー150は、外側端部から内側端部までそれを通って延在するカニューレ状ボア164を含み得る。圧縮スクリュー150内にカニューレ状ボア164を提供することによって、第二または内側セグメント156の取り外しは、カニューレ状スクリュー抽出器を使用して、破損した圧縮スクリューの第二のまたは内側セグメント156を取り外し可能にすることによって、より容易にされる。
【0080】
さらに、カニューレ状ボアを含む部分ねじ付き圧縮スクリューおよび/または圧縮スクリューと独立してまたは組み合わせて使用され得る、本開示の一つ以上の特徴によれば、IM釘110の本体112は、その内側壁120上に位置決めされた縮小直径部分またはステップ125を含み得る。つまり、図5および図6を参照すると、本開示の一つ以上の特徴によれば、使用時にIM釘110の本体112内に形成された本体112および/または開口部122は、圧縮スクリュー150のさらなる前進を防止するために、縮小直径部分またはステップ125を含む(例えば、使用時に、IM釘110を通り、したがって骨折した大腿骨頸部および/または頭部への圧縮スクリュー150の前進は、圧縮スクリュー150のステップ125との接触によって防止される)。ステップ125と一旦接触すると、圧縮スクリュー150の継続的な回転により、圧縮スクリュー150がラグスクリュー130と相互作用し、ラグスクリュー130をIM釘110に向かって引き込み、それによって、患者の骨折を閉鎖する。本開示に係る、IM釘の本体の外側壁上のステップを含む、市販の従来のIM釘とは対照的に、ステップ125は、IM釘110の本体112の内側壁120上に位置決めされ得る。このように配置されると、圧縮スクリュー150のラグスクリュー130との係合は、ステップ125の横方向に、したがってIM釘110内に形成された開口部122内で生じる。
【0081】
図7図8図9図10A図10B図11A図11B図12A図12B図13A図13B図13C図14図15A図15B図16A図16B図17図18A図18B図19A図19B図19Cおよび図19Dを参照すると、IM釘システム200の代替例が開示されている。様々な実施例では、図示のように、IM釘システム200は、IM釘210、ラグスクリュー組立品230、および圧縮スクリュー250を含み得る。記載のように、様々な実施例では、圧縮スクリュー250は、図4図5および図6に関連して上記に示され、記載された圧縮スクリュー150と類似し得るが、これは、一つの構成にすぎず、他の圧縮スクリューも使用され得る。本明細書でより詳細に説明されるように、使用時に、ラグスクリュー組立品230は、患者の骨折部にわたって圧縮および/または接触を維持する(例えば、大腿骨シャフトへの骨折した大腿骨頸部の圧縮および/または接触を維持する)一方、前述したように、組織の炎症や再手術につながる可能性がある、軟組織におけるラグスクリューの外側隆起を防止または少なくとも最小限に抑えるために、ラグスクリューがIM釘210に向かって摺動、移動、伸縮可能にするように配設および構成される。
【0082】
当業者によって理解されるべきであるように、伸縮自在なラグスクリュー組立品230が示され、別個の例として説明されるが、伸縮自在なラグスクリュー組立品230は、例えば、上記に説明および図示した部分ねじ付き圧縮スクリューなどの他の機構と組み合わせることができる。それ故に、様々な実施例の機構は、別個かつ独立して、または一緒に組み合わせて使用することができることが意図される。
【0083】
本開示の一つ以上の特徴によると、ラグスクリュー組立品230は、摺動、移動、伸縮など(限定または区別する意図なしに、互換的に本明細書で使用される用語)するように配設および構成される。図示のように、一部の実施例では、ラグスクリュー組立品230は、外側スリーブまたはバレル232およびラグスクリュー234を含む(用語である外側スリーブおよびバレルは、限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される)。様々な実施例では、ラグスクリュー組立品230がまた、組立品スクリュー236を含み得るが、ラグスクリュー234および組立品スクリュー236は、一体的に形成され得、それ故に組立品スクリュー236を任意選択にすることが想定される。
【0084】
本明細書で説明するように、使用時に、外側スリーブ232は、IM釘210に結合される。前述したように、ラグスクリュー234は、患者の骨折した大腿骨頸部および/または頭部に係合するための雄ねじ239を含む。さらに、ラグスクリュー234は、例えば、組立スクリュー236を介して、外側スリーブ232に結合され(例えば、外側スリーブ232内に保持されるが、それに対して軸方向に移動可能であり)、その結果、使用時に、ラグスクリュー234は、IM釘210の外側スリーブ232および本体212に対して横方向に摺動し得、患者の骨折を閉鎖または圧縮する(例えば、ラグスクリュー234は、外側スリーブ232の内側で伸縮する)。様々な実施例では、組立品スクリュー236および外側スリーブ232は、ラグスクリュー234がIM釘210から離れて内側に移動するのを防止するように配設および構成され、これは、患者の骨折を開放させる可能性がある。このように配置されると、使用時に、伸縮自在なラグスクリュー組立品230は、患者の骨折した大腿骨頸部および/または頭部の微細な動きが、大腿骨頸部の長さの短縮(図3に一般的に図示するように)を収容または補償可能にする一方、ラグスクリュー組立品230が圧縮スクリュー250と入れ子になることを可能にする。
【0085】
一部の実施例では、図7図8図9図10A図11Aおよび図11Bを参照すると、外側スリーブ232は、外面270および内側ボア272を含む。一部の実施例では、内側ボア272は、ラグスクリュー234のセグメントまたは部分(例えば、外側セグメントまたは部分)を受容するように配設および構成される。使用時に、ラグスクリュー234は、外側スリーブ232の内側ボア272内で摺動するように配設および構成される。このように配置されると、ラグスクリュー234は、ラグスクリュー234の外側隆起および結果として生じる刺激を防止しながら、外側スリーブ232に対して摺動し得る。さらに、外側スリーブ232の外面270は、圧縮スクリュー250上に形成されたねじ山260に係合するように配設および構成された、複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山など276(限定または区別する意図なしに、本明細書で互換的に使用される用語)を含み得る。
【0086】
別の方法として、図10B図12A、および図12Bを参照すると、外側スリーブ232の内側ボア272は、ラグスクリュー234のセグメントまたは部分(例えば、外側セグメントまたは部分)と、圧縮スクリュー250のセグメントまたは部分との両方を受容するように配設および構成され得る。すなわち、この実施例に関連して、図示するように、ラグスクリュー234および圧縮スクリュー250の両方は、外側スリーブ232の内側ボア272内に位置決めされ得る。このように配置されると、圧縮スクリュー250のラグスクリュー234との係合は、外側スリーブ232の内側ボア272内で生じる(例えば、圧縮スクリュー250上に形成されたねじ山260は、外側スリーブ232上に形成された歯276に係合する)。
【0087】
図7図8および図9を引き続き参照すると、ラグスクリュー234が患者の骨折部にわたる圧縮の喪失をもたらし得る、IM釘210から離れて移動するのを防止するために、ラグスクリュー組立品230は、組立品スクリュー236を含み得る。使用時に、組立品スクリュー236は、ラグスクリュー234に係合するように配設および構成される。例えば、図示のように、組立品スクリュー236は、ラグスクリュー234の端部上に形成されたねじ山235に係合するための複数のねじ山238を含み得る。使用時に、ラグスクリュー234が外側スリーブ232の内側開口部または側面を介して挿入され、組立品スクリュー236が外側スリーブ232内に形成された外側開口部または側面を介して挿入された状態で、組立品スクリュー236は、ラグスクリュー234に結合され得る。その後、使用時に、外側スリーブ232の内側ボア272内に形成された停止部または縮小直径部分240は、組立品スクリュー236が内側に向かって前進することを防止し、したがって、ラグスクリュー234がIM釘210から離れるように摺動することを防止する(例えば、組立品スクリュー236および停止部280は、ラグスクリュー234がIM釘210から離れるように前進するのを防止することによって、患者の骨折部にわたって圧縮を維持するために、ラグスクリュー234の内側前進を防止する)。
【0088】
前述したように、外側スリーブ232は、外側スリーブ232がIM釘210の本体212内に形成された開口部222内に位置決めされる場合、IM釘210に対する外側スリーブ232の移動を防止するために、IM釘210に固定的に結合される。使用時に、外側スリーブ232は、例えば、IM釘210の本体212などのIM釘210に、現在既知であるか、または今後開発される任意の好適な機構を介して、結合され得る。例えば、図8および図10Aに最もよく示すように、IM釘210の本体212は、カニューレ状ボア216および雄ねじ付き止めねじ300に係合するための複数の雌ねじ218を含み得る。使用時に、止めねじ300の圧縮により、外側スリーブ232の外面270上に形成された複数の歯、隆起、鋸歯、ラチェット、ねじ山、またはこれに類するもの278に係合する。外側スリーブ232の外面270上の歯278を利用すると、止めねじ300との摩擦接触の単一の点を、機械的停止部に変更することによって、止めねじ300と外側スリーブ232との間の改善された固定が容易になるが、これは、一つの構成に過ぎず、他の構成も想定される。例えば、図18Aおよび図18Bを参照すると、ラグスクリュー組立品230の代替例が示される。使用時に、ラグスクリュー組立品230は、図10A図11Aおよび図11Bに示すラグスクリュー組立品230と実質的に類似するが、外側スリーブ232が傾斜部277(例えば、平坦な側面または表面)を含み得ることを除く。使用時に、傾斜部277は、外側スリーブ232を定位置に維持するために、止めねじ300と相互作用するように配設および構成される。傾斜部277を利用することで、応力上昇の発生が除去される、または少なくとも低減され、これは、複数の歯278の組み込みと比較して、組立品を弱める場合がある。しかしながら、代替的に、歯278および傾斜部277の両方が取り外され得、丸みのある外側スリーブ232が利用され得る。使用時に、歯278または傾斜部277の組み込みは、止めねじの係合を改善することが意図される。
【0089】
別の方法として、図10B図12および図12Bに示すように、外側スリーブ232は、外側スリーブ232の外面270およびIM釘210の本体212内に形成された開口部222の内面に組み込まれたラチェット機構を介して、IM釘210に結合され得る。例えば、一部の実施例では、IM釘210の本体212内に形成された開口部222は、外側スリーブ232の外面270上に形成された歯279と相互作用するためにその中に延びる突出部を含み得る。図10Bに示すように、一部の実施例では、ラチェット機構は、外側スリーブ232が、圧縮スクリュー250が移植されるまで、IM釘210の本体212に対して自由に移動または摺動できるように、屈曲するように配設および構成される。圧縮スクリュー250の存在は、ラチェットが屈曲することを防止し、したがって、外側スリーブ232が移動する(例えば、摺動する)ことを防止する。
【0090】
図13A図13Bおよび図13Cを参照すると、ラグスクリュー組立品230の代替例が開示される。図示のように、この実施例に関連して、ラグスクリュー組立品230は、外側スリーブ232、ラグスクリュー234、およびばね式組立品スクリュー290を含み得る。使用時に、ばね式スクリュー290は、第一のセグメント292および第二のセグメント294を含み得る。図示のように、第一のセグメント292は、例えば、圧縮または付勢ばねなどのばねの形態で提供され得る。第二のセグメント294は、ラグスクリュー234の端とねじ込み可能に係合するために、スクリューの形態で提供されてもよい。このように配置されると、ばね式組立品スクリュー290が外側スリーブ232内に位置決めされ、および/または外側スリーブ232に結合され、ラグスクリュー234に結合された状態で、ばね式組立品スクリュー290は、ラグスクリュー234が摺動し始めた後であっても、非重量ベアリング活動中に患者の骨折部にわたって圧縮を維持するように配設および構成される。
【0091】
前述のように、外側スリーブ232は、止めねじ300を介して、IM釘210に固定的に結合され得る。図14図15A図15B図16A図16Bおよび図17を参照すると、止めねじ300の代替的な実施例は、所望に応じて、外側スリーブ232、組立品スクリュー236、または外側スリーブ232および組立品スクリュー236と係合、ロック、またはこれに類するように提供され得る。このように配置されると、IM釘210に対する外側スリーブ232の位置を固定するのに加えておよび/またはその代替として、止めねじ300は、IM釘210に対する組立品スクリュー236の移動を制御、制限、またはこれに類するように配設および構成され得る(例えば、組立品スクリュー236をIM釘210にロックすることは、外科医に、別個のラグスクリューインプラントを必要とすることなく、摺動を防止するオプションを提供する)。例えば、図示のように、一部の実施例では、止めねじ300は、内側止めねじまたはインサート304を受容するためにその中に形成された雌ねじ付きボア302を含み得る。したがって、止めねじ300は、外側止めねじおよび内側止めねじを有することを特徴とし得る。使用時に、図15Aおよび図15Bを参照すると、止めねじ300は、外側スリーブ232(例えば、外側スリーブ232の外面270上に形成された歯278)のみに係合するように配設および構成され得る。別の方法として、図16Aおよび図16Bを参照すると、外側スリーブ232の外面270は、内側止めねじまたはインサート304の挿入を可能にするためにその中に形成された開口部273を含み得る。このように配置されると、内側止めねじまたはインサート304が、組立品スクリュー236に係合し得る一方、外側止めねじ300は、外側スリーブ232に係合し得る。あるいは、図17を参照すると、外側スリーブ232の外面270は、内側止めねじまたはインサート304の挿入を可能にするためにその中に形成された開口部273を含み得る。このように配置されると、内側止めねじまたはインサート304は、組立品スクリュー236のみに係合し得る。
【0092】
図19A図19B図19Cおよび図19Dを参照すると、一部の実施例では、ラグスクリュー組立品230などのラグスクリュー組立品は、静的インサート400を含み得る。使用時に、静的インサート400は、外側スリーブ232の内側ボア272に挿入され、外側スリーブ232の内側ボアに係合するように配設および構成される。一部の実施例では、図示のように、静的インサート400は、外側スリーブ232の内側ボアに形成された凹部と相互作用するように配設および構成されたタブ410を含む。さらに、静的インサート400は、例えば、図示のように、曲がるように配設および構成され得、静的インサート400は、静的インサート400が、静的インサート400の外側スリーブ232の内側ボアとの係合を促進するために、屈曲可能にするように配設および構成された、正反対に対向するスロット412を含み得る。使用時に、(例えば、外側スリーブ232の内側ボアとの)ラグスクリュー組立品230との静的インサート400の係合により、ラグスクリュー234が外側スリーブ232に対して伸縮または移動することが防止され、それによって、静的構成体を作成する。すなわち、静的インサート400は、ラグスクリュー234が外側スリーブ232に対して移動することを防止するために、外側スリーブ232の内側ボア内に位置決めされるように配設および構成される。このように配置されると、外科医は、ラグスクリューが伸縮可能になるかどうかを選択的に決定する融通性が増している。
【0093】
上述の説明は、幅広い用途を有する。したがって、いずれの実施例の考察も、説明のみを目的とし、特許請求の範囲を含む本開示の範囲が、これらの例示的な実施例に限定されることを示唆することを意図するものではない。言い換えれば、本開示の例示的な実施形態が本明細書に詳述されているが、本発明の概念が、別様に様々に具現化され用いられ得ること、および添付の特許請求の範囲が、先行技術によって限定される場合を除き、このような変形例を含むように解釈されることが意図されることは、理解される。
【0094】
本明細書で使用する用語「a」または「an」が先行する物体は、その物体が一つ以上であることを指す。したがって、用語「a」(または「an」)、「一つ以上の」、および「少なくとも一つの」は、本明細書では交換可能に使用され得る。本明細書における「含む」、「備える」、または「有する」、およびその変形例の使用は、その後列挙される品目およびその等価物、ならびに追加の品目を包含することを意味する。したがって、用語「含む」、「備える」、または「有する」およびそれらの変形例は、非限定的表現であり、本明細書で互換的に使用され得る。本明細書で使用する語句「少なくとも一つ」、「一つ以上」、および「および/または」は、運用において、連言的および選言的の両方である非限定的表現である。
【0095】
全ての方向の言及語(例えば、近位、遠位、上、下、上向き、下向き、左、右、側方、長手方向、前、後、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、半径方向、軸方向、時計回り、および反時計回り)は、特に、本開示の位置、配向、または使用に関して、読み手の本開示の理解を助けるための識別目的のみに使用され、限定を生じさせない。接続の言及語(例えば、取り付け、結合、接続、および接合)は、広く解釈されるべきであり、別途示されない限り、要素の集合体の間の中間部材、および要素間の相対的な移動を含み得る。そのため、接続の言及語は、二つの要素が直接接続され、互いに固定関係にあることを必ずしも意味しない。識別の言及語(例えば、一次、二次、第一、第二、第三、第四など)は、重要性または優先順位を示すことを意図しておらず、一つの特徴を別の特徴と区別するために使用される。図面は例示のみを目的とし、本明細書に添付された図面に反映される寸法、位置、順序、およびサイズに対する相対性は、変更され得る。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図19D
【国際調査報告】