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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】半導体デバイスパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20241114BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01L23/02 Z
H01L23/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527518
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022047799
(87)【国際公開番号】W WO2023086202
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/278,424
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルハヴェルベケ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ハン-ウェン
(57)【要約】
本開示は、薄型フォームファクタ半導体デバイスパッケージを形成するための方法および装置に関する。ある種の実施形態では、ガラスまたはシリコン基板をレーザアブレーションによってパターニングして、ガラスまたはシリコン基板を貫通する相互接続の後続の形成のための構造を形成する。その後、この基板を、半導体デバイスパッケージを形成するためのフレームとして利用する。この半導体デバイスパッケージは、半導体デバイスパッケージ内に、1つまたは複数の埋込み両面ダイを有するものであってもよい。ある種の実施形態では、予め構造化された絶縁膜を基板上に積層することにより、基板の上に絶縁層を形成する。この絶縁膜は、レーザアブレーションによって予め構造化して絶縁膜に構造を形成し、続いて、形成された構造の側壁を選択的に硬化させたものであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を第2の表面の反対側に有するコアフレームであり、
シリコンを含むフレーム材料、
少なくとも1つのキャビティであり、前記少なくとも1つのキャビティ内に半導体ダイが配されており、前記半導体ダイが、前記半導体ダイの相対する2つの側に配された電気コンタクトを有する、少なくとも1つのキャビティ、および
ビア表面を含むビアであり、前記コアフレームを貫通して前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる開口を画定した、ビア
をさらに含む、コアフレームと、
前記第1の表面および前記第2の表面の上に配された絶縁層であり、前記半導体ダイのそれぞれの側の少なくとも一部分と接触した、絶縁層と、
前記ビア内に配された電気相互接続であり、前記ビア表面と前記電気相互接続との間に前記絶縁層が配された、電気相互接続と
を含むパッケージアセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのキャビティが、約3mm~約50mmの間の横方向寸法を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのキャビティの前記横方向寸法が、前記半導体ダイの横方向寸法よりも約150μm未満だけ大きい、請求項2に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項4】
前記半導体ダイが、第1の側に形成された集積回路、および前記第1の側の反対側の第2の側に形成された電力供給ネットワークを含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項5】
前記コアフレーム上に形成された酸化物層をさらに含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項6】
前記コアフレーム上に形成された金属層をさらに含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項7】
前記金属層がニッケルを含む、請求項6に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁層がエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂がセラミック粒子を含む、請求項8に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項10】
前記セラミック粒子がシリカ粒子を含む、請求項9に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項11】
前記電気相互接続と前記絶縁層との間に配された接着層またはシード層をさらに含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項12】
前記接着層がモリブデンを含み、前記シード層が銅を含む、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項13】
前記絶縁層の上に配され、前記半導体ダイの1つまたは複数のコンタクトに電気的に結合されたキャパシタをさらに含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項14】
前記絶縁層の上に形成された補剛フレームをさらに含み、前記補剛フレームがシリコン材料を含み、前記補剛フレームが、前記補剛フレームに形成された開口を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項15】
前記絶縁層の上かつ前記補剛フレームの前記開口内に配されたキャパシタをさらに含み、前記キャパシタが、前記半導体ダイの1つまたは複数のコンタクトに電気的に結合された、請求項14に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項16】
埋込みダイアセンブリであり、
シリコンを含むコアフレーム、
前記コアフレームの表面の上に配された酸化物層、
前記コアフレーム内に配された1つまたは複数の半導体ダイであり、第1の側に形成された集積回路、および前記第1の側の反対側の第2の側に形成された電力供給ネットワークを有する、1つまたは複数の半導体ダイ、ならびに
前記酸化物層上に形成された絶縁層であり、前記絶縁層がエポキシ樹脂材料を含み、前記エポキシ樹脂材料が、前記エポキシ樹脂材料中に配されたセラミック粒子を有する、絶縁層
を含む、埋込みダイアセンブリと、
前記埋込みダイアセンブリの一部分の内部に配された1つまたは複数の金属相互接続と
含むパッケージアセンブリ。
【請求項17】
前記コアフレームがさらに、
前記コアフレームに形成された1つまたは複数のキャビティであり、前記1つまたは複数のキャビティ内に配された前記1つまたは複数の半導体ダイを有する、1つまたは複数のキャビティ、および
前記コアフレームに形成された1つまたは複数のビアであり、前記1つまたは複数のビアを貫通して前記1つまたは複数の金属相互接続が配された、1つまたは複数のビアを含む、請求項16に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項18】
前記1つまたは複数の金属相互接続の各々と前記絶縁層との間に配されたモリブデン接着層および銅シード層をさらに含む、請求項16に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項19】
埋込みダイアセンブリであり、
シリコンを含むコアフレーム、
前記コアフレーム内に配された1つまたは複数の半導体ダイであり、前記1つまたは複数の半導体ダイの相対する2つの側に配された電気コンタクトを有する、1つまたは複数の半導体ダイ、
前記コアフレーム上に形成された第1の絶縁層であり、セラミック粒子を含むエポキシ樹脂材料を含む、第1の絶縁層、および
前記コアフレームまたは前記第1の絶縁層を貫通して配された1つまたは複数の電気相互接続
を含む、埋込みダイアセンブリと、
前記埋込みダイアセンブリ上に形成された再分布層と
を含み、前記再分布層が、
前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層、および
前記第2の絶縁層を貫通して配された1つまたは複数の電気再分布接続
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項20】
前記第2の絶縁層が、前記第1の絶縁層と同じ材料で形成された、請求項19に記載のパッケージアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は一般に、半導体デバイスパッケージ、および該半導体デバイスパッケージを形成する方法に関する。より詳細には、本明細書に記載された実施形態は、薄型フォームファクタ(thin-form-factor)半導体デバイスパッケージの構造体、および該構造体を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス技術の開発における継続中の傾向は、低減されたサイズおよび増大した回路密度を有する半導体部品を生み出している。半導体デバイスを継続的にスケーリングし、同時に性能を向上させることを求める要請に従って、これらの部品および回路は、デバイス設置面積の大幅な低減を容易にし、部品間のより短くより高速な接続を可能にする複雑な3D半導体デバイスパッケージに統合される。このようなパッケージは例えば、電子デバイスの回路板上に実装する半導体チップおよび他の複数の電子部品を統合することがある。
【0003】
基板内に特徴および接続を形成することの容易さおよび有機複合材に関連した比較的に安いパッケージ製造コストのため、半導体デバイスパッケージはこれまで有機パッケージ基板上に製造されてきた。しかしながら、回路密度が増大し、半導体デバイスがさらに小型化されるにつれて、デバイススケーリングおよび関連する性能要件を維持するための材料構造化解決策の限界のために、有機パッケージ基板の利用は非現実的になっている。
【0004】
より最近には、有機パッケージ基板に関連した限界のいくつかを補償するために、受動シリコンインタポーザ(passive silicon interposer)を再分布層として利用した2.5Dおよび/または3Dパッケージが製造されている。先進のパッケージング用途における高帯域密度、より低電力のチップツーチップ通信および異種統合要件に対する潜在性が、シリコンインタポーザの利用を後押ししている。さらに、シリコン貫通ビア(TSV)などの特徴をシリコンインタポーザに形成することは、依然として難しく、コストがかかる。特に、高アスペクト比シリコンビアエッチング、化学機械平坦化および半導体バックエンドオブライン(BEOL)相互接続は高コストを強いる。
【0005】
したがって、当技術分野では、先進のパッケージング用途向けの改良された半導体デバイスパッケージ構造体、および該構造体を形成する方法が求められている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、薄型フォームファクタ半導体デバイスパッケージのための構造体、および該構造体を形成する方法に関する。
【0007】
ある種の実施形態では、パッケージアセンブリが提供される。このパッケージアセンブリは、第1の表面を第2の表面の反対側に有するコアフレームを含み、このコアフレームは、シリコンを含むコアフレーム材料で形成されている。このコアフレームはさらに、少なくとも1つのキャビティであって、この少なくとも1つのキャビティ内に半導体ダイが配されており、この半導体ダイが、半導体ダイの相対する2つの側に配された電気コンタクトを有する、少なくとも1つのキャビティと、ビア表面を含むビアであって、コアフレームを貫通して第1の表面から第2の表面まで延びる開口を画定した、ビアとを含む。第1の表面および第2の表面の上に絶縁層が配されており、この絶縁層は、半導体ダイのそれぞれの側の少なくとも一部分と接触しており、ビア内に電気相互接続が配されており、ビア表面と電気相互接続との間には絶縁層が配されている。
【0008】
上に挙げた本開示の特徴を詳細に理解することができるように、そのうちのいくつかが添付図面に示されている実施形態を参照することによって、上に概要を簡単に示した本開示のより詳細な説明を得ることができる。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を本開示の範囲を限定するものとみなすべきではなく、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に記載された実施形態による、半導体デバイスパッケージを形成するためのプロセスの流れ図である。
図2】本明細書に記載された実施形態による、半導体デバイスパッケージを形成するために基板を構造化するためのプロセスの流れ図である。
図3A】本明細書に記載された実施形態による、図2に示された基板構造化プロセスの異なる段階における基板の概略断面図である。
図3B】本明細書に記載された実施形態による、図2に示された基板構造化プロセスの異なる段階における基板の概略断面図である。
図3C】本明細書に記載された実施形態による、図2に示された基板構造化プロセスの異なる段階における基板の概略断面図である。
図3D】本明細書に記載された実施形態による、図2に示された基板構造化プロセスの異なる段階における基板の概略断面図である。
図4A】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図4B】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図4C】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図4D】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図4E】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図4F】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5A】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5B】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5C】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5D】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5E】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図5F】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図6A】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図6B】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図6C】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図6D】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図6E】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図7A】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図7B】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図7C】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図7D】本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および後続の損傷除去の異なる段階における基板の概略断面図である。
図8】本明細書に記載された実施形態による、図2図3A図3D図4A図4F図5A図5F図6A図6Eおよび図7A図7Dに示されたプロセスを用いて構造化された基板の概略上面図である。
図9】本明細書に記載された実施形態による、アセンブリ貫通ビアおよびコンタクトホールを有する埋込みダイアセンブリを形成するためのプロセスの流れ図である。
図10A】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10B】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10C】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10D】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10E】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10F】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10G】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10H】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10I】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10J】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10K】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10L】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図10M】本明細書に記載された実施形態による、図9に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図11】本明細書に記載された実施形態による、アセンブリ貫通ビアおよびコンタクトホールを有する埋込みダイアセンブリを形成するためのプロセスの流れ図である。
図12A】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12B】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12C】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12D】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12E】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12F】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12G】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図12H】本明細書に記載された実施形態による、図11に示されたプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図13】本明細書に記載された実施形態による、埋込みダイアセンブリ内に相互接続を形成するためのプロセスの流れ図である。
図14A】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14B】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14C】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14D】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14E】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14F】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14G】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図14H】本明細書に記載された実施形態による、図13に示された相互接続形成プロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図15】本明細書に記載された実施形態による、埋込みダイアセンブリ上に再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化するためのプロセスの流れ図である。
図16A】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16B】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16C】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16D】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16E】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16F】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16G】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16H】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16I】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16J】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16K】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図16L】本明細書に記載された実施形態による、図15に示されているように再分布層を形成し、続いてパッケージを個片化する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図17A】本明細書に記載された実施形態による、図1図16Lに示されたプロセスを利用して形成された複数の半導体デバイスパッケージを含む例示的なスタックデバイスの概略断面図である。
図17B】本明細書に記載された実施形態による、図1図16Lに示されたプロセスを利用して形成された複数の半導体デバイスパッケージを含む例示的なスタックデバイスの概略断面図である。
図18A】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的な半導体デバイスのさまざまな概略図である。
図18B】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的な半導体デバイスのさまざまな概略図である。
図18C】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的な半導体デバイスのさまざまな概略図である。
図18D】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的な半導体デバイスのさまざまな概略図である。
図19】本明細書に記載された実施形態による、埋込みダイアセンブリ上に補剛フレームを形成するためのプロセスの流れ図である。
図20A】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20B】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20C】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20D】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20E】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20F】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20G】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20H】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20I】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図20J】本明細書に記載された実施形態による、図19に示されているように補剛フレームを形成する異なる段階における埋込みダイアセンブリの概略断面図である。
図21】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームおよび1つまたは複数の熱交換器を有する例示的なデバイスの概略断面図である。
図22A】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的なデバイスの概略断面図である。
図22B】本明細書に記載された実施形態による、補剛フレームを有する例示的なデバイスの概略断面図である。
図23A】本明細書に記載された実施形態による、熱交換器を有する例示的なデバイスの概略断面図である。
図23B】本明細書に記載された実施形態による、熱交換器を有する例示的なデバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照符号を使用した。追加の記載なしに、1つの実施形態の要素および特徴を他の実施形態に有益に組み込むことができることが企図される。
【0011】
本開示は、薄型フォームファクタ半導体デバイスパッケージを形成するための方法および装置に関する。ある種の実施形態では、基板を貫通する相互接続の形成を可能にするために、マイクロブラストによって基板が構造化または整形される。別の実施形態では、基板が、直接レーザパターニングによって構造化される。その後、この基板は、その中にダイが配された1つまたは複数の半導体デバイスパッケージを形成するためのパッケージフレームまたはコアフレームとして利用される。さらに他の実施形態では、この基板が、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックなどの半導体デバイススタック用のコアフレームとして利用される。
【0012】
本明細書に開示された方法および装置はさらに、ガラスファイバ充填エポキシフレームおよびシリコンインタポーザを再分布層として利用するより従来のパッケージ構造体に取って代わることが意図された新規の薄型フォームファクタ半導体デバイスパッケージを含む。一般に、現行のパッケージのスケーラビリティは、さまざまなパッケージ構造体を形成するのに利用される材料(例えばエポキシ成形コンパウンド、エポキシ樹脂結合材を含むFR-4およびFR-5グレードの織りガラス繊維布など)の剛性および平面性によって制限されている。これらの材料の固有の特性は、これらの材料に微細な(例えば50μm未満の)特徴をパターニングすることを難しくする。さらに、現行のパッケージ材料の熱特性の結果、パッケージング基板、成形コンパウンドおよびその中に統合された任意の半導体ダイ間で熱膨張率(CTE)の不一致が生じることがあり、そのため、現行のパッケージ構造体は、CTEの不一致によって生じる任意の反りを軽減するために、より大きな間隔を有するより大きなはんだバンプを必要とする。したがって、従来のパッケージは、低いダイ対パッケージ面積比および低いパッケージ貫通帯域幅を特徴とし、その結果として全体の電力効率が低い。本明細書に開示された方法および装置は、従来のパッケージアーキテクチャに関連した上述の不都合の多くを解決する半導体デバイスパッケージを提供する。
【0013】
図1は、薄型フォームファクタ半導体デバイスパッケージを形成する代表的方法100の流れ図を示している。方法100は、複数の操作110、120、130および140を有する。それぞれの操作は、図2図16Lを参照してより詳細に説明される。この方法は、(文脈がその可能性を排除する場合を除き、)定められた操作のうちのいずれかの操作の前に、定められた操作のうちの2つの操作間に、または定められた全ての操作の後に実行する1つまたは複数の追加の操作を含んでいてもよい。
【0014】
一般に、方法100は、操作110で、コアフレームとして使用するために基板を構造化することを含む。この操作はさらに、図2図3A図3D図4A図4F図5A図5F図6A図6E図7A図7Dおよび図8を参照してより詳細に説明される。操作120で、1つまたは複数の埋込みダイおよび絶縁層を有する埋込みダイアセンブリを形成する。この操作は、図9および図10A図10Mならびに図11および図12A図12Hを参照してより詳細に説明される。操作130で、埋込みダイ-フレームセットの相互接続用の1つまたは複数の相互接続を、埋込みダイアセンブリ内におよび/または埋込みダイアセンブリを貫通して形成する。この操作は、図13および図14A図14Hを参照してより詳細に説明される。操作140で、相互接続の接点を埋込みダイアセンブリの表面の所望の横方向位置に再配置するための第1の再分布層を、埋込みダイアセンブリ上に形成する。いくつかの実施形態では、埋込みダイアセンブリから個々のパッケージを個片化する前に、第1の再分布層に加えて、1つまたは複数の追加の再分布層を形成してもよい。この操作は、図15および図16A図16Lを参照してより詳細に説明される。
【0015】
図2は、半導体デバイスパッケージの形成中にコアフレームとして利用するために基板を構造化するための代表的方法200の流れ図を示している。図3A図3Dは、図2に示された基板構造化プロセス200の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示している。したがって、本明細書では、明快にするために、図2および図3A図3Dを一緒に説明する。
【0016】
方法200は、操作210および対応する図3Aから始まる。基板302は、限定はされないが、III-V族化合物半導体材料、シリコン、結晶シリコン(例えばSi<100>もしくはSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされたもしくはドープされていないシリコン、ドープされたもしくはドープされていない多結晶シリコン、窒化ケイ素、石英、ホウケイ酸ガラス、ガラス、サファイヤ、アルミナおよびセラミックを含む、適当な任意のフレーム材料で形成されている。ある種の実施形態では、基板302が、単結晶性のp型またはn型シリコン基板である。ある種の実施形態では、基板302が、多結晶p型またはn型シリコン基板である。別の実施形態では、基板302が、p型またはn型シリコンソーラー基板である。基板302はさらに、多角形または円形の形状を有していてもよい。例えば、基板302は、約120mm~約180mmの間の横方向寸法を有する、面取り縁を持つまたは持たない、実質的に方形のシリコン基板を含んでいてもよい。別の例では、基板302が、約20mm~約700mmの間、例えば約100mm~約500mmの間などの、例えば約300mmの直径を有する円形のシリコン含有ウエハを含んでいてもよい。
【0017】
特に断らない限り、本明細書に記載された実施形態および例は、約50μm~約1000μmの間、例えば約90μm~約780μmの間などの厚さを有する基板上で実施される。例えば、基板302は、約100μm~約300μmの間の厚さ、例えば約110μm~約200μmの間の厚さなどを有する。別の例では、基板302が、約60μm~約160μmの間の厚さ、例えば約80μm~約120μmの間の厚さなどを有する。
【0018】
操作210の前に、ワイヤソーイング、スクライビングおよびブレーキング、機械的アブレイシブソーイングまたはレーザ切削によって基板302をスライスし、バルク材料から切り離してもよい。スライシングは通常、スライシングによって形成された基板表面の機械的欠陥または変形、例えばかき傷、微小亀裂、チッピングおよび他の機械的欠陥などを生じさせる。したがって、後の構造化およびパッケージング操作に備えて、操作210で、基板302を第1の損傷除去プロセスにかけて、基板302の表面を平滑化および平坦化し、いずれの機械的欠陥も除去する。いくつかの実施形態では、第1の損傷除去プロセスのプロセスパラメータを調整することによって基板302をさらに薄くしてもよい。例えば、第1の損傷除去プロセスにさらにかけることによって基板302の厚さを減らしてもよい。
【0019】
操作210での損傷除去プロセスは、基板302を基板研磨プロセスおよび/またはエッチングプロセスにかけ、続いてリンスプロセスおよび乾燥プロセスにかけることを含む。いくつかの実施形態では、操作210が、化学機械研磨(CMP)プロセスを含む。ある種の実施形態では、このエッチングプロセスが、所望の材料(例えば汚染物および他の望ましくない化合物)の除去に対して選択的なバッファードエッチング(buffered etch)プロセスを含む湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、このエッチングプロセスが、等方性水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。適当な任意の湿式エッチング剤または湿式エッチング剤の組合せをこの湿式エッチングプロセスに対して使用してもよい。ある種の実施形態では、エッチングのために基板302を水性HFエッチング溶液に浸す。別の実施形態では、エッチングのために基板302を水性KOHエッチング溶液に浸す。
【0020】
いくつかの実施形態では、このエッチングプロセスの間、エッチング溶液を、約30℃~約100℃の間、例えば約40℃~約90℃の間などの温度に加熱する。例えば、エッチング溶液を約70℃の温度に加熱する。さらに他の実施形態では、操作210でのエッチングプロセスがドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの例は、プラズマベースのドライエッチングプロセスを含む。エッチングプロセス中に使用するエッチング剤(例えばエッチング溶液)に基板302をさらす時間を制御することによって、基板302の厚さを調節する。例えば、エッチング剤への曝露を増やすことによって基板302の最終的な厚さを薄くする。あるいは、エッチング剤への曝露を減らすことによって基板302の最終的な厚さをより厚くしてもよい。
【0021】
操作220および230において、現在の平坦化された実質的に欠陥を含まない基板302は、基板302にパターニングされ平滑化された、ビア303およびキャビティ305などの1つまたは複数の特徴を有している(図3Bの基板302の下側の断面には1つのキャビティ305および4つのビア303が示されている)。ビア303は、基板302を貫通する直接接触電気相互接続を形成するために利用され、キャビティ305は、1つまたは複数の半導体ダイを受け取り、それらをキャビティ305内に封入する(すなわち埋め込む)ために利用される。図4A図4C図5A図5C図6A図6Cおよび図7A図7Bは、本明細書に記載された実施形態による、特徴形成および損傷または欠陥除去(例えば平滑化)プロセスの異なる段階における基板302の断面図を概略的に示している。したがって、次に、操作220および230を、図4A図4C図5A図5C図6A図6Cおよび図7A図7Bを参照してより詳細に説明する。
【0022】
基板302が約200μm未満の厚さ、例えば約100μmの厚さまたは約50μmの厚さなどを有する実施形態では、図4Aおよび5Aに示されているように、基板302を最初に、任意選択のキャリアプレート406に結合してもよい。キャリアプレート406は、基板構造化プロセス200の間、機械的支持を基板302に提供し、基板302が破損することを防ぐ。キャリアプレート406は、限定はされないが、ガラス、セラミック、金属などを含む、化学的および熱的に安定な適当な任意の高剛性材料で形成されている。キャリアプレート406は、約1mm~約10mmの間、例えば約2mm~約5mmの間などの厚さを有する。ある種の実施形態では、キャリアプレート406が、テクスチャ付き構造を有する。他の実施形態では、キャリアプレート406が、研磨または平滑化された表面を有する。
【0023】
基板302は、接着剤層408を介してキャリアプレート406に結合してもよい。接着剤層408は、限定はされないが、ワックス、グルー(glue)または同様の結合材料を含む適当な任意の一時的結合材料で形成されている。接着剤層408は、機械的ローリング、プレッシング、積層、スピンコーティングまたはドクタ-ブレーディングによってキャリアプレート406上に塗布する。ある種の実施形態では、接着剤層408が、水溶性または溶媒溶性の接着剤層である。他の実施形態では、接着剤層408がUVリリース接着剤層である。さらに他の実施形態では、接着剤層408が熱リリース接着剤層である。このような実施形態では、熱処理にかけることによって、例えば、接着剤層408を110℃よりも高い温度、例えば150℃などよりも高い温度にさらすことによって、接着剤層408の結合特性が劣化する。接着剤層408はさらに、ライナ、ベース膜、感圧膜および他の適当な層などの追加の膜(図示せず)のうちの1つまたは複数の層を含んでいてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、基板302をキャリアプレート406に結合した後に、基板302にレジスト膜を塗布して、図4Aおよび図5Aに示されたレジスト層404を形成する。基板302が約200μm超の厚さ、例えば約250μmなどの厚さを有する実施形態では、最初に基板302をキャリアプレート406に結合することなしに、基板302上にレジスト層404を形成する。レジスト層404は、後続の処理操作中に、その上にレジスト層404が形成された基板302に所望のパターンを転写するために使用される。パターニングされた後、レジスト層404は、後の構造化操作の間、その下の基板302の選択された領域を保護する。
【0025】
基板302は一般に、その上にレジスト層404が形成された実質的に平面の表面を有する。図5Aに示された実施形態などのいくつかの実施形態では、レジスト接着剤層409を介してレジスト層404を基板302に結合する。レジスト接着剤層409は、限定はされないが、ポリビニルアルコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールを含むトリエステル、他の水溶性または溶媒溶性材料を含む、適当な任意の一時的結合材料で形成されている。ある種の実施形態では、レジスト接着剤層409が、接着剤層408とは異なる材料で形成されている。ある種の実施形態では、レジスト接着剤層409の組成が、接着剤層408の組成と実質的に同様である。レジスト接着剤層409は、機械的ローリング、プレッシング、積層、スピンコーティングまたはドクタ-ブレーディングによって基板302上に塗布する。他の実施形態では、レジスト層404が、ポリビニルアルコールなどの一時的結合材料で形成されており、したがって、基板302の表面にレジスト層404をじかに塗布および結合することができる。レジスト層404は、1つまたは複数の層、例えば第1のレジスト層および第2のレジスト層(図示せず)を含んでいてもよい。
【0026】
図4Aに示された実施形態などのある種の実施形態では、レジスト層404が感光性層(例えばフォトレジスト)である。レジスト層404は、溶媒、フォトレジスト樹脂および光酸発生剤を含んでいてもよい。フォトレジスト樹脂は、任意のポジ型フォトレジスト樹脂であってもよく、または任意のネガ型フォトレジスト樹脂であってもよい。代表的フォトレジスト樹脂は、アクリレート、ノボラック樹脂、ポリ(メタクリル酸メチル)およびポリ(オレフィンスルホン)を含む。他のフォトレジスト樹脂を使用してもよい。光酸発生剤は、電磁気の放射にさらされると、酸カチオンおよびアニオンなどの荷電種を発生させる。光酸発生剤は、偏光した種を発生させるものであってもよい。光酸発生剤は、電磁気の放射に対する樹脂の感度を高める。代表的光酸発生剤は、例えばスルホン化された塩、スルホン化されたエステルおよびスルホニルオキシケトンなどのスルホン酸化合物を含む。他の適当な光酸発生剤は、アリールジアゾニウム塩、ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩およびスルホキソニウム塩、またはセレニウム塩などのオニウム塩を含む。他の代表的光酸発生剤は、ニトロベンジルエステル、s-トリアジン誘導体、イオン性ヨードニウムスルホナート、ペルフルオロアルカンスルホナート、アリールトリフラートならびにその誘導体および類似体、ピロガロール誘導体、ならびにアルキルジスルホンを含む。他の光酸発生剤を使用してもよい。図5Aに示された実施形態などのある種の実施形態では、レジスト層404がレーザ感受性レジストである。
【0027】
レジスト層404を形成した後、基板302上に形成されたレジスト層404を有する基板302を電磁気の放射で露光して、図4Bおよび図5Bに示されたレジスト層404をパターニングする。図4Bによって示された実施形態では、基板302上に形成されたレジスト層404を有する基板302を、紫外線(UV)範囲の電磁気の放射で露光する。レジスト層404の部分をUV放射で選択的に露光し、レジスト層404の部分をUV放射で選択的に露光しない。UV放射で露光すると、レジスト層404の選択的に露光された部分は構造的に弱められ(ハッチングで示されている)、一方、選択的に露光されなかった部分はその構造完全性を維持する。ある種の実施形態では、UV放射露光の前に、所望のパターンを有するマスク412を、感光性レジスト層404上にまたは感光性レジスト層404に隣接して形成する。他の実施形態では、マスク412が、レジスト層404とUV放射源との間に配置されたレチクルである。マスク412は、所望のUV放射パターンをレジスト層404に転写するように構成されている。マスク412は、限定はされないが、PTFE、PVDF、FEP、ポリイミドなどを含む、適当な任意のポリマー材料で形成されている。
【0028】
図5Bによって示された実施形態では、基板302上に形成されたレーザ感受性レジスト層404を有する基板302を、UV放射源の代わりにレーザ源307によって生成させた電磁気の放射で露光する。そのため、マスクを使用せず、標的レーザアブレーションによってパターニングを実施する。レーザ源307は、レジスト層404をパターニングするのに適した任意のタイプのレーザであってもよい。いくつかの例では、レーザ源307がフェムト秒グリーンレーザである。他の例では、レーザ源307がフェムト秒UVレーザである。レーザ源307は、レジスト層404をパターニングするための連続またはパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、100kHz~1200kHzの間、例えば約200kHz~約1000kHzの間などの周波数を有するパルスレーザビーム310を生成するものであってもよい。レーザ源307は一般に、レジスト層404に任意の所望のパターンを形成するように構成されている。さらに、動作中の電磁気の放射があるいは、レーザビームの代わりに電子ビームまたはイオンビームを含むことができることも企図される。
【0029】
レジスト層404は、レジスト層404をパターニングした後に、例えばネガ型フォトレジストを電磁気の放射で露光してレジストの材料を架橋させた後などに適当な硬さを有する任意の材料で形成されたものであってもよい。一般に、レジスト層404は、レジスト層404のパターニング(例えば堆積、露光、現像)後に望ましい1つまたは複数の機械的特性を有している必要がある。ある種の実施形態では、レジスト層404が、パターニング後に40~90の間、例えば60~70の間などのショアAスケール硬さ(Shore A scale hardness)値を有する材料で形成されている。例えば、レジスト層404は、パターニング後に約65のショアAスケール硬さ値を有する材料で形成されている。ある種の実施形態では、レジスト層404が、パターニング後に約0.5MPa~約10MPaの間、例えば約1MPa~約8MPaの間などの引張強度を有する材料で形成されている。例えば、レジスト層404は、パターニング後に約7MPaの引張強度を有する材料で形成されていてもよい。ある種の実施形態では、レジスト層404がポリジメチルシロキサン材料で形成されている。他の実施形態では、レジスト層404が、ポリビニルアルコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールを含むトリエステルなどで形成されている。
【0030】
レジスト層404のパターニングに続いて、図4Cおよび図5Cに示されているように、基板302上に形成されたレジスト層404を有する基板302をマイクロブラストして、基板302に所望のパターンを形成する。このマイクロブラスト中に、高圧キャリアガスの使用によって粉末粒子309の流れを基板302に向かって推進して、基板302および/または基板302上に形成された層の露出部分を取り除く。このマイクロブラストプロセスは、適当な任意の基板アブレーディングシステムを使用して実行する。
【0031】
このマイクロブラストプロセスは、粉末粒子309の材料特性、基板302の露出した表面に当たる粉末粒子の運動量、ならびに基板302の材料特性および適用可能なときにはレジスト層404の選択的に露光された部分の材料特性によって決定される。所望の基板パターニング特性を達成するために、粉末粒子309のタイプおよびサイズと、アブレーディングシステムのアプリケータノズルのサイズおよび基板302までの距離と、圧力はキャリアガスの速度および流量と相関する、粉末粒子309を推進するのに利用するキャリアガスの圧力と、流体流中の粉末粒子309の密度とを調整する。例えば、マイクロブラストデバイスの固定された所望のノズルオリフィスサイズに対する、粉末粒子309を基板302に向かって推進するのに使用するキャリアガスの所望の流体圧力は、基板302および粉末粒子309の材料に基づいて決定される。ある種の実施形態では、約300~約1000メートル/秒(m/s)の間のキャリアガスおよび粒子速度、ならびに/または約0.001~約0.002立方メートル/秒(m3/s)の間の流量を達成するために、基板302をマイクロブラストするのに利用する流体圧力が、約50psi~約150psiの間、例えば約75psi~約125psiの間などの範囲にある。例えば、約2350m/sのキャリアガスおよび粒子速度を達成するための、マイクロブラスト中に粉末粒子309を推進するのに利用する不活性ガス(例えば窒素(N2)、CDA、アルゴン)の流体圧力は、約95psiである。ある種の実施形態では、基板302から約1mm~約5mmの間、例えば約2mm~約4mmの間などの距離のところに配された、基板302をマイクロブラストするのに利用するアプリケータノズルが、約0.1~約2.5ミリメートル(mm)の間の内径を有する。例えば、マイクロブラストの間、アプリケータノズルは基板302から約3mmの距離のところに配される。
【0032】
一般に、このマイクロブラストプロセスは、基板302および/または基板302上に形成された任意の層と接触したときに粒子が接着するのを防ぐのに十分な硬さおよび高い融点を有する粉末粒子309を用いて実行する。例えば、このマイクロブラストプロセスは、セラミック材料で形成された粉末粒子309を利用して実行する。ある種の実施形態では、このマイクロブラストプロセスにおいて利用する粉末粒子309が、酸化アルミニウム(Al23)で形成されたものである。別の実施形態では、粉末粒子309が、炭化シリコン(SiC)で形成されたものである。粉末粒子309に対する他の適当な材料も企図される。粉末粒子309の粒径は一般に、直径約15μm~約60μmの間、例えば直径約20μm~約40μmの間などの範囲にある。例えば、粉末粒子309は直径約27.5μmの平均粒径である。別の例では、粉末粒子309が直径約23μmの平均粒径を有する。
【0033】
図4Cおよび図5Cに示された操作220でのマイクロブラストプロセスの有効性はさらにレジスト層404の材料特性に依存する。高すぎるショアAスケール硬さを有する材料を利用すると、レジスト層404の側壁間で粉末粒子309が不必要に飛び跳ね、したがって粉末粒子309が基板302に衝突する速度が低下し、最終的に、基板302の露出した領域を侵食するまたは取り除く際の粉末粒子309の有効性が低下する可能性がある。反対に、低すぎるショアAスケール硬さを有する材料を利用すると、レジスト層404への粉末粒子309の不必要な接着が起こる可能性がある。上述のとおり、レジスト層404の材料に対しては約40~約90の間のショアAスケール硬さ値を利用することが企図される。
【0034】
図4Cに示された実施形態など、レジスト層404がフォトレジストである実施形態では、マイクロブラストプロセスの開始時に基板302が露出していないままである。したがって、粉末粒子309は最初にフォトレジストの表面に衝突し、それによって、フォトレジストのUVで露光され、構造的に弱められた部分の材料が取り除かれ、除去される。最終的に、粉末粒子309は、UVで露光されたもろい部分に侵入し、その部分を除去して、レジスト層404にボイドを形成し、基板302の所望の領域を露出させる。一方、基板302の他の領域は、フォトレジストのUVで露光されなかった部分によって保護されたままである。次いで、粉末粒子309が、基板302の露出した領域から所望の量または深さの材料を取り除き、除去するまで、マイクロブラストを続け、基板302に所望のパターンを形成する。図5Cに示された実施形態など、レーザアブレーションによってレジスト層404をパターニングする実施形態では、マイクロブラストプロセスの前に、レジスト層404のボイドを通して基板302の所望の領域が既に露出している。したがって、マイクロブラスト中のレジスト層404の除去を最小限にすること、またはマイクロブラスト処理中にレジスト層404を全く除去しないことが企図される。
【0035】
基板302に特徴を形成するための操作220での上述のプロセスによって、基板302の表面に、チッピングおよび亀裂などの不必要な機械的欠陥が生じることがある。したがって、操作220を実行して基板302に所望の特徴を形成した後に、操作230で、基板302を第2の損傷除去および洗浄プロセスにかけて、基板302の表面を平滑化し、不必要な破片を除去し、続いてレジスト層404を剥脱し、任意選択でキャリアプレート406から基板302を剥離する。図4D図4Fおよび図5D図5Fは、本明細書に記載された実施形態による、第2の損傷除去、洗浄、レジスト剥脱および基板剥離プロセスの異なる段階における基板302の断面図を概略的に示している。したがって、次に、操作230を、図4D図4Fおよび図5D図5Fを参照してより詳細に説明する。
【0036】
操作230での第2の損傷除去プロセスは、操作210での第1の損傷除去プロセスと実質的に同様であり、基板302をエッチングプロセスにかけ、続いてリンスおよび乾燥にかけることを含む。このエッチングプロセスを所定の時間、続けて、基板302の表面、特にマイクロブラストプロセスにかけられた表面を平滑化する。別の態様では、このエッチングプロセスを利用して、マイクロブラストプロセスによって残った望ましくない破片を除去する。このエッチングプロセス中に、基板302に付着した残りの粉末粒子を除去してもよい。図4Dおよび図5Dは、破片を除去し、表面を平滑化した後の基板302を概略的に示している。
【0037】
ある種の実施形態では、このエッチングプロセスが、レジスト層404の材料よりも基板表面を優先的にエッチングするバッファードエッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。例えば、このバッファードエッチングプロセスは、ポリビニルアルコールに対して選択的である。他の実施形態では、このエッチングプロセスが、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。この湿式エッチングプロセスに対して、適当な任意の湿式エッチング剤または湿式エッチング剤の組合せを使用してもよい。ある種の実施形態では、エッチングのために基板302を水性HFエッチング溶液に浸す。別の実施形態では、エッチングのために基板302を水性KOHエッチング溶液に浸す。さらに、このエッチングプロセスの間、エッチング溶液を、約40℃~約80℃の間、例えば約50℃~約70℃の間などの温度に加熱してもよい。例えば、エッチング溶液を約60℃の温度に加熱する。このエッチングプロセスは等方性であってもまたは異方性であってもよい。さらに他の実施形態では、操作230でのエッチングプロセスがドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの例は、プラズマベースのドライエッチングプロセスを含む。
【0038】
破片を除去し、基板表面を平滑化した後、基板302をレジスト剥脱プロセスにかける。図4Eおよび図5Eに示されているように、この剥脱プロセスを利用して基板302からレジスト層404を剥離する。ある種の実施形態では、湿式プロセスを使用して、レジスト接着剤層409を溶解する/可溶化することより、基板302からレジスト層404を剥離する。レジスト接着剤層409をリリースするための他のタイプのエッチングプロセスも企図される。ある種の実施形態では、機械的ローリングプロセスを使用して、基板302からレジスト層404またはレジスト接着剤層409を物理的に剥がす。ある種の実施形態では、灰化プロセスを使用して、例えば酸素プラズマ支援プロセスを使用することにより、基板302からレジスト層404を除去する。
【0039】
レジスト剥脱プロセスの後、図4Fおよび図5Fに示されているように、基板302を、任意選択のキャリア剥離プロセスにかける。キャリア剥離プロセスを利用は、基板302がキャリアプレート406に結合されているかどうか、および基板302とキャリアプレート406とを結合するのに利用した結合材料のタイプに依存する。上で説明し、図4A図4Fおよび図5A図5Fに示したとおり、基板302が約200μm未満の厚さを有する実施形態では、操作220で特徴を形成する間、機械的支持のために、基板302がキャリアプレート406に結合されている。基板302は、接着剤層408を介してキャリアプレート406に結合されている。したがって、マイクロブラストならびに後続の基板エッチングおよびレジスト剥脱の後、キャリアプレート406に結合された基板302をキャリア剥離プロセスにかけて、接着剤層408をリリースすることにより、基板302をキャリアプレート406から剥離する。
【0040】
ある種の実施形態では、基板302をベークプロセスにかけることにより接着剤層408をリリースする。基板302を、約50℃~約300℃の間の温度、例えば約100℃~約250℃の間の温度などにさらす。例えば、接着剤層408をリリースするために、基板302を、所望の期間、約150℃~約200℃の間、例えば約160℃などの温度にさらす。他の実施形態では、基板302をUV放射にさらすことによって接着剤層408をリリースする。
【0041】
図4Fおよび図5Fは、操作210~230が完了した後の基板302を概略的に示している。図4Fおよび図5Fの基板302の断面は、基板302を貫通して形成された単一のキャビティ305を示しており、そのいずれの側方にも2つのビア303がある。図4A図4Fおよび図5A図5Fを参照して説明した操作が終了した後の基板302の概略上面図が図8に示されており、図8については後にさらに詳細に説明する。
【0042】
図6A図6Eは、上で説明したものと同様の操作220および230に対する代替シーケンス中の基板302の概略断面図を示している。操作220および230に対して示されたこの代替シーケンスは、1つの表面だけをパターニングするのとは対照的に、基板302の両側の2つの主要面をパターニングすることを含み、したがって基板302を構造化する間の効率を増大させることができる。図6A図6Eに示された実施形態は、図4A図4Fおよび図5A図5Fを参照して説明した実質的に全てのプロセスを含む。例えば、図6Aは、図4Aおよび図5Aと一致し、図6Bは、図4Bおよび図5Bと一致し、図6Cは、図4Cおよび図5Cと一致し、図6Dは、図4Dおよび図5Dと一致し、図6Eは、図4Fおよび図5Fと一致する。しかしながら、以前の実施形態とは違い、図6A図6Eに示された操作220の実施形態は、単一の表面に形成された1つのレジスト層404を有する基板302とは対照的に、基板302の両側の主要面606、608に形成された2つのレジスト層404を有する基板302を含む。したがって、操作210~230の間に実行されるプロセスは、それぞれの操作中に、基板の両側で同時刻に(すなわち同時に)または順々に(すなわち逐次的に)実行する必要がある。図6A図6Eはビア303の形成だけを示しているが、本明細書に記載されたプロセスを使用してキャビティ305を形成すること、またはキャビティ305およびビア303を形成することもできる。
【0043】
したがって、表面608を含む側などの基板302の一方の側のレジスト層404をパターニングのために電磁気の放射で露光した後、図6Bに示されているように、任意選択で、基板302を裏返して、反対側の表面606のレジスト層404もパターニングのために電磁気の放射で露光されるようにしてもよい。同様に、基板302の表面608にマイクロブラストプロセスを実行した後、図6Cに示されているように、任意選択で、基板302を裏返して、反対側の表面606に対してマイクロブラストを実行することができるようにしてもよい。その後、基板302を、図6D図6Eに示されている、第2の損傷除去および洗浄プロセスならびにレジスト剥脱プロセスにかける。基板302の両側の主要面606、608の2つのレジスト層404を利用し、両方の表面606および608に対してマイクロブラストプロセスを実行することにより、マイクロブラストプロセスによって基板302に形成された特徴の潜在的なテーパリングを低減または排除することができ、基板302を構造化するのに使用するプロセスの効率を増大させることができる。
【0044】
図7A図7Dは、直接レーザアブレーションによって基板302に所望のパターンを形成する、操作220および230に対する別の代替シーケンス中の基板302の概略断面図を示している。図7Aに示されているように、ソーラー基板またはさらには半導体ウエハなどの基板302を、レーザアブレーションシステム(図示せず)のスタンド706上に置く。スタンド706は、レーザアブレーションの間、基板302に機械的支持を提供するための、高剛性で平らなまたはテクスチャが付けられた(例えば構造化された)適当な任意の表面であってもよい。いくつかの実施形態では、スタンド706が、基板302をスタンド706に静電チャックするための静電チャックを含む。いくつかの実施形態では、スタンド706が、基板302をスタンド706に真空チャックするための真空チャックを含む。スタンド706上に基板302を置いた後、図7Bに示されたレーザアブレーションによって基板302に所望のパターンを形成する。
【0045】
レーザアブレーションシステムは、基板302をパターニングするのに適した任意のタイプのレーザ源307を含んでいてもよい。いくつかの例では、レーザ源307が赤外線(IR)レーザである。いくつかの例では、レーザ源307がピコ秒UVレーザである。他の例では、レーザ源307がフェムト秒UVレーザである。さらに他の例では、レーザ源307がフェムト秒グリーンレーザである。レーザ源307は、基板302をパターニングするための連続またはパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、5kHz~500kHzの間、例えば10kHz~約200kHzの間などの周波数を有するパルスレーザビーム310を生成するものであってもよい。一例では、レーザ源307が、約10ワット~約100ワットの間の出力パワーとともに約200nm~約1200nmの間の波長および約10ns~約5000nsの間のパルス持続時間のパルスレーザビームを供給するように構成されている。レーザ源307は、キャビティ305およびビア303を含む、所望の任意のパターンおよび特徴を基板302に形成するように構成されている。
【0046】
マイクロブラストと同様に、基板302の直接レーザパターニングのプロセスによって、基板302の表面に、チッピングおよび亀裂を含む不必要な機械的欠陥が生じることがある。したがって、直接レーザパターニングによって基板302に所望の特徴を形成した後に、基板302を、上で説明した実施形態と実質的に同様の第2の損傷除去および洗浄プロセスにかける。図7C図7Dは、第2の損傷除去および洗浄プロセスを実行する前および実行した後の構造化された基板302を示しており、このプロセスの結果、基板302に形成されたキャビティ305および4つのビア303を有する平滑化された基板302が得られる。
【0047】
次に図2および図3Dを再び参照すると、操作230で基板302の機械的欠陥を除去した後、ある種の実施形態では、操作240で基板302を酸化プロセスにかけて、基板302の所望の表面に絶縁酸化物膜(すなわち層)314を成長または堆積させてもよい。例えば、基板302の全ての表面に酸化物膜314を、基板302を取り囲むような態様で形成してもよい。絶縁酸化物膜314は、基板302上のパッシベーティング層の働きをし、腐食および他の形態の損傷に抵抗する外側保護バリアを提供する。ある種の実施形態では、この酸化プロセスが熱酸化プロセスである。この熱酸化プロセスは、約800℃~約1200℃の間、例えば約850℃~約1150℃の間などの温度で実行する。例えば、この熱酸化プロセスは、約900℃~約1100℃の間の温度、例えば約950℃~約1050℃の間の温度などで実行する。ある種の実施形態では、この熱酸化プロセスが、水蒸気を酸化剤として利用する湿式酸化プロセスである。ある種の実施形態では、この熱酸化プロセスが、分子状酸素を酸化剤として利用する乾式プロセスである。操作240で、基板302を、適当な任意の酸化プロセスにかけて、基板302上に酸化物膜314を形成してもよいことが企図される。酸化物膜314は一般に、約100nm~約3μmの間、例えば約200nm~約2.5μmの間などの厚さを有する。例えば、酸化物膜314は、約300nm~約2μmの間、例えば約1.5μmなどの厚さを有する。
【0048】
ある種の実施形態では、操作240で、基板302をメタライゼーションプロセスにかけて、基板302の1つまたは複数の表面に金属クラッド層316を形成する。ある種の実施形態では、基板302の実質的に全ての外面に金属クラッド層316を、金属クラッド層114が基板302を実質的に取り囲むような態様で形成する。金属クラッド層316は、基準層(例えば接地層または電圧供給層)の働きをし、金属クラッド層316は、続いて形成される相互接続を電磁気の干渉から保護し、さらに、基板302を形成するのに使用された半導体材料(Si)から電気信号を遮蔽するために、基板302上に配される。ある種の実施形態では、金属クラッド層316が、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む導電性金属層を含む。ある種の実施形態では、金属クラッド層316が、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む合金または純金属を含む金属層を含む。金属クラッド層316は一般に、約50nm~約10μmの間、例えば約100nm~約5μmの間などの厚さを有する。
【0049】
ある種の例では、金属クラッド層316の少なくとも一部分が、直接置換メッキまたは置換メッキによって基板302(例えばn-Si基板またはp-Si基板)の表面に形成された堆積ニッケル(Ni)層を含む。例えば、0.5M NiSO4およびNH4OHを含む組成物を有する、温度が約60℃~約95℃の間およびpHが約11のニッケル置換メッキ浴に、基板302を、約2分間~約4分間の間、さらす。還元剤を含まないニッケルイオンがロードされた水性電解液にシリコン基板302をさらすと、基板302の表面で限局された酸化/還元反応が起こり、したがって基板302の表面に金属ニッケルのメッキができる。したがって、ニッケル置換メッキは、安定な溶液を利用して基板400のシリコン材料上に薄くて純粋なニッケル層を選択的に形成することを可能にする。さらに、このプロセスは自己制御式であり、したがって、基板302の全ての表面がメッキされると(例えばニッケルが形成しうるシリコンが残っていない場合)、反応は停止する。ある種の実施形態では、ニッケル金属クラッド層316を、追加の金属層をメッキするためのシード層、例えば無電解メッキ法および/または電解メッキ法によってニッケルまたは銅をメッキするためなどのシード層として利用してもよい。さらなる実施形態では、基板302へのニッケル金属クラッド層316の接着を促進するため、ニッケル置換メッキ浴の前に、基板302を、SC-1前洗浄溶液およびHF酸化物エッチング溶液にさらす。
【0050】
後続のパッケージング操作では、金属クラッド層316を共通グラウンドに接続するために、金属クラッド層316を、結果として生じる半導体デバイスパッケージ内に形成された1つまたは複数の接続点、例えば相互接続に結合してもよい。例えば、金属クラッド層316をグラウンドに接続するために、結果として生じる半導体デバイスパッケージの片側または両側に相互接続を形成してもよい。あるいは、金属クラッド層316を、電源電圧などの基準電圧に接続してもよい。
【0051】
図8は、一実施形態による、構造化された例示的な基板302の概略上面図を示している。基板302は、操作210~240の間に、図2図3A図3D図4A図4F図5A図5F図6A図6Eおよび図7A図7Dを参照して上で説明したとおりに構造化されたものであってもよい。基板302は、四辺形の2つのキャビティ305を有するものとして示されており、それぞれのキャビティ305は複数のビア303によって取り囲まれている。ある種の実施形態では、それぞれのキャビティ305が、四辺形のキャビティ305のそれぞれの辺306a~dに沿って配置された2列801、802のビア303によって取り囲まれている。それぞれの列801、802には10個のビア303が示されているが、1つの列に任意の所望の数のビア303を形成してもよいことが企図される。さらに、操作220の間に、基板302に、任意の所望の数および配置のキャビティ305およびビア303を形成してもよい。例えば、基板302は、基板302に形成された2つよりも多数のまたは2つよりも少数のキャビティ305を有していてもよい。別の例では、基板302が、キャビティ305のそれぞれの辺306a~dに沿って形成された2列よりも多数のまたは2列よりも少数のビア303を有していてもよい。別の例では、基板302が、それぞれの列のビア303が別の列のビア303と互い違いに配置されており、整列していない、2列以上のビア303を有していてもよい。
【0052】
ある種の実施形態では、キャビティ305およびビア303が、基板302の厚さに等しい深さを有しており、したがって、基板302の両側の面に穴(例えば基板302の厚さを貫通する穴)を形成している。例えば、基板302に形成されたキャビティ305およびビア303は、基板302の厚さに応じて、約50μm~約1mmの間、例えば約100μm~約200μmの間、例えば約110μm~約190μmの間などの深さを有していてもよい。他の実施形態では、キャビティ305および/またはビア303が、基板302の厚さに等しいかまたは基板302の厚さよりも小さい深さを有していてもよく、したがって、基板302の1つの表面(例えば1つの側)だけに穴を形成していてもよい。
【0053】
ある種の実施形態では、それぞれのキャビティ305が、(後により詳細に説明する)パッケージ製造中にキャビティ305に埋め込む1つまたは複数の半導体ダイ1026(図10Bに示されている)のサイズに応じて、約3mm~約50mmの間、例えば約8mm~約12mmの間、例えば約9mm~約11mmの間などの範囲の横方向寸法を有する。半導体ダイは一般に、一片の半導体材料などの基板材料上および/または基板材料内に形成された複数の集積電子回路を含む。ある種の実施形態では、キャビティ305のサイズが、キャビティ305に埋め込むダイ1026の横方向寸法と実質的に同様の横方向寸法を有するように決められる。例えば、それぞれのキャビティ305は、ダイ1026の横方向寸法よりも約150μm未満、例えば約120μm未満、例えば100μm未満などだけ大きい横方向寸法を有するように形成される。キャビティ305とキャビティ305に埋め込むダイ1026のサイズの差異が小さいと、その後に利用される穴埋め材料の量が小さくなる。
【0054】
ある種の実施形態では、それぞれのビア303が、約50μm~約200μmの間、例えば約60μm~130μmの間、例えば約80μm~110μmの間などの範囲の直径を有する。列801のビア303の中心と列802の隣り合うビア303の中心との間の最小ピッチ807は、約70μm~約200μmの間、例えば約85μm~約160μmの間、例えば約100μm~140μmの間などである。実施形態は図8を参照して説明されるが、操作210~240ならびに図2、3A~3B、4A~4C、5A~5C、6A~6Cおよび7A~7Bに関して上で説明した基板構造化プロセスを利用して、所望の深さ、横方向寸法および形態を有するパターニングされた特徴を基板302に形成してもよい。
【0055】
基板302を構造化した後、基板302をコアフレームとして利用することにより、基板302の周囲に1つまたは複数のパッケージを形成する。図9および図11はそれぞれ、最終的なパッケージ形成の前に基板302の周囲に中間埋込みダイアセンブリ1002を製造するための代表的方法900および1100の流れ図を示している。図10A図10Mは、図9に示された方法900の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示しており、図12A図12Hは、図11に示された方法1100の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示している。明快にするために、本明細書では図9および図10A図10Mを一緒に説明し、図11および図12A図12Hを一緒に説明する。
【0056】
一般に、方法900は、操作902および図10Aから始まり、操作902および図10Aで、基板302に形成された所望の特徴を有する基板302の第1の側1075(例えば表面606であり、この表面は、この表面に形成された酸化物層または金属クラッド層を有していてもよい)を第1の絶縁膜1016a上に置く。ある種の実施形態では、第1の絶縁膜1016aが、ポリマーベースの誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含む。例えば、第1の絶縁膜1016aは、流動可能なビルドアップ材料(build-up material)で形成された1つまたは複数の層を含む。図10Aに示された実施形態では、第1の絶縁膜1016aが流動可能層1018aを含む。流動可能層1018aは、セラミック充填材含有エポキシ樹脂、例えば、シリカ(SiO2)粒子が充填された(例えばSiO2粒子を含む)エポキシ樹脂などで形成されていてもよい。流動可能層1018aおよび絶縁膜1016aの他の層を形成するのに利用してもよいセラミック充填材またはセラミック粒子の他の例は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al23)、炭化シリコン(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、Sr2Ce2Ti516、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO4)、ウォラストナイト(CaSiO3)、酸化ベリリウム(BeO)、二酸化セリウム(CeO2)、窒化ホウ素(BN)、酸化カルシウム銅チタン(CaCu3Ti412)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)などを含む。いくつかの例では、流動可能層1018aを形成するのに利用されるセラミック充填材が、約40nm~約1.5μmの間、例えば約80nm~約1μmの間などの範囲の粒径を有する粒子を有する。例えば、流動可能層1018aを形成するのに利用されるセラミック充填材は、約200nm~約800nmの間、例えば約300nm~約600nmの間などの範囲の粒径を有する粒子を有する。いくつかの実施形態では、流動可能層1018aを形成するのに利用されるセラミック充填材が、所望の特徴(例えばビア、キャビティまたはアセンブリ貫通ビア)の幅または直径の約25%未満の粒径、例えば所望の特徴の幅または直径の約15%未満の粒径などを有する粒子を含む。
【0057】
流動可能層1018aは通常、約60μm未満の厚さ、例えば約5μm~約50μmの間の厚さなどを有する。例えば、流動可能層1018aは、約10μm~約25μmの間の厚さを有する。ある種の実施形態では、絶縁膜1016aがさらに、1つまたは複数の支持層を含む。例えば、絶縁膜1016aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)または同様の軽量プラスチック支持層1022aを含む。しかしながら、絶縁膜1016aに対しては、層および絶縁材料の適当な任意の組合せが企図される。いくつかの実施形態では、絶縁膜1016aの全体が、約120μm未満の厚さ、例えば約90μm未満の厚さなどを有する。
【0058】
さらに、後の処理操作中の機械的支持のために、任意選択で、基板302の第1の側1075が絶縁膜1016a、具体的には絶縁膜1016aの流動可能層1018aに結合された基板302を、キャリア1024上に置いてもよい。このキャリアは、機械的および熱的に安定な適当な任意の材料で形成されている。例えば、キャリア1024はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成されている。別の例では、キャリア1024がPETで形成されている。
【0059】
操作904で、図10Bに示されているように、基板302に形成されたキャビティ305内に1つまたは複数の半導体ダイ1026を置く(図10Bには単一の半導体ダイ1026が示されている)。ダイ1026は、例えば真空グリッパを使用してキャビティ305内に置き、キャビティ305を通して露出した絶縁膜1016aの表面に配置する。ダイ1026を所定の位置に固定するため、ある種の実施形態では、ダイ1026を、絶縁膜1016a上に配されたまたは絶縁膜1016a上に形成された接着剤層(図示せず)上に置く。ある種の実施形態では、半導体ダイ1026を置く間、基板302および/または絶縁膜1016aを加熱して、半導体ダイ1026と絶縁膜1016aとの間の追加の接着を提供し、したがって半導体ダイ1026を置く間の半導体ダイ1026の移動を低減させる。例えば、ある種の実施形態では、半導体ダイ1026を置く間、キャリア1024を加熱してもよい。
【0060】
ある種の実施形態では、ダイ1026が、その上に形成された1つまたは複数の集積回路を有する能動多目的ダイを含む。例えば、そのような実施形態では、ダイ1026が、ダイ1026の表側1028aに形成された信号を運ぶ相互接続のための1つまたは複数の信号コンタクト1030を含んでいてもよい。さらなる実施形態では、ダイ1026がさらに、ダイ1026の裏側1028bに形成された電力コンタクト1031を含む裏側電力供給ネットワークを含んでいてもよい。このようなダイは「両面」ダイと呼ばれることがある。例示的な両面ダイが図10Mに示されており、これについては後に説明する。しかしながら、さらに他の実施形態では、ダイ1026が、キャパシタ、抵抗器、インダクタ、RF部品などの受動ダイまたは受動部品を含んでいてもよい。
【0061】
ダイ1026をキャビティ305内に置いた後、操作906および図10Cで、基板302の第2の側1077(例えば表面608)の上に第1の保護膜1060を置く。保護膜1060が、キャビティ305内に配されたダイ1026の能動面1028と接触し、能動面1028を覆うような態様で、保護膜1060を、第1の絶縁膜1016aの反対側の基板302の第2の側1077に結合する。ある種の実施形態では、保護膜1060が、支持層1022aの材料と同様の材料で形成されている。例えば、保護膜1060は、2軸PETなどのPETで形成されている。しかしながら、保護膜1060は、適当な任意の保護材料で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1060が、約50μm~約150μmの間の厚さを有する。
【0062】
次に、第1の側1075が絶縁膜1016aに張り付けられており、第2の側1077が保護膜1060に張り付けられており、さらに、基板302内に配されたダイ1026を有する基板302を、操作908で、積層プロセスにかける。この積層プロセス中に、基板302を高温にさらし、それによって絶縁膜1016aの流動可能層1018aを軟化させ、絶縁膜1016aと保護膜1060との間の開いたボイドまたは容積、例えばビア303およびキャビティ305の内壁とダイ1026との間の間隙1051などに、流動可能層1018aを流入させる。したがって、半導体ダイ1026は、図10Dに示されているように、絶縁膜1016aおよび基板302の材料の中に少なくとも部分的に埋め込まれる。
【0063】
ある種の実施形態では、この積層プロセスが、オートクレーブまたは他の適当なデバイス内で実行してもよい真空積層プロセスである。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、ホットプレスプロセスを使用することによって実行する。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、約80℃~約140℃の間の温度で、約5秒間~約1.5分間の間、例えば約30秒間~約1分間の間など、実行する。いくつかの実施形態では、この積層プロセスが、約1psig~約50psigの間の圧力をかけ、その一方で、基板302および絶縁膜1016aに約80℃~約140℃の間の温度を約5秒間~約1.5分間の間、加えることを含む。例えば、この積層プロセスを、約5psig~約40psigの間の圧力、約100℃~約120℃の間の温度で、約10秒間~約1分間の間、実行する。例えば、この積層プロセスを、約110℃の温度で約20秒間、実行する。
【0064】
操作910で、保護膜1060を除去し、次に基板302および1つまたは複数のダイ1026を少なくとも部分的に取り囲んでいる流動可能層1018aの積層絶縁材料を有する基板302を、第2の保護膜1062上に置く。図10Eに示されているように、第2の保護膜1062は、第2の保護膜1062が絶縁膜1016aの支持層1022aに接して(例えば隣接して)配されるような態様で、基板302の第1の側1075に結合される。いくつかの実施形態では、このとき、任意選択で、第1の側1075の追加の機械的支持のために、保護膜1062に結合された基板302をキャリア1024上に置いてもよい。いくつかの実施形態では、このとき、絶縁膜1016aが積層された基板302に保護膜1062を結合する前に、保護膜1062をキャリア1024上に置く。一般に、保護膜1062の組成は保護膜1060の組成と実質的に同様である。例えば、保護膜1062は、2軸PETなどのPETで形成されていてもよい。しかしながら、保護膜1062は、適当な任意の保護材料で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1062が、約50μm~約150μmの間の厚さを有する。
【0065】
基板302を第2の保護膜1062に結合した後、操作912および図10Fで、第1の絶縁膜1016aと実質的に同様の第2の絶縁膜1016bを基板302の第2の側1077に置く。したがって保護膜1060に代えて第2の絶縁膜1016bを置く。ある種の実施形態では、第2の絶縁膜1016bの流動可能層1018bがキャビティ305内のダイ1026の能動面1028と接触し、能動面1028を覆うような態様で、第2の絶縁膜1016bを基板302の第2の側1077に配置する。ある種の実施形態では、基板302上に第2の絶縁膜1016bを置くことによって、絶縁膜1016bと、1つまたは複数のダイ1026を部分的に取り囲んでいる流動可能層1018aの既に積層された絶縁材料との間に、1つまたは複数のボイドを形成してもよい。第2の絶縁膜1016bは、流動可能なポリマーベースの誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含んでいてもよい。図10Fに示されているように、第2の絶縁膜1016bは、上で説明した流動可能層1018aと同様の流動可能層1018bを含む。第2の絶縁膜1016bはさらに、PETまたは他の軽量プラスチック材料などの、支持層1022aと同様の材料で形成された支持層1022bを含んでいてもよい。
【0066】
操作914で、図10Gに示されているように、第2の絶縁膜1016bの上に第3の保護膜1064を置く。一般に、保護膜1064の組成は、保護膜1060、1062の組成と実質的に同様である。例えば、保護膜1064は、2軸PETなどのPETで形成されている。しかしながら、保護膜1064は、適当な任意の保護材料で形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1064が、約50μm~約150μmの間の厚さを有する。
【0067】
次に、第2の側1077が絶縁膜1016bおよび支持層1064に張り付けられ、第1の側1075が保護膜1062および任意選択のキャリア1024に張り付けられた基板302を、操作916および図10Hで、第2の積層プロセスにかける。操作908での積層プロセスと同様に、基板302を高温にさらし、それによって絶縁膜1016bの流動可能層1018bを軟化させ、絶縁膜1016bと流動可能層1018aの既に積層された絶縁材料との間の任意の開いたボイドまたは容積に流動可能層1018bを流入させ、したがって流動可能層1018b自体を流動可能層1018aの絶縁材料と統合させる。したがって、キャビティ305およびビア303は絶縁材料で充填され(例えば満たされ、封止され)、キャビティ305内に以前に置かれた半導体ダイ1026は、流動可能層1018a、1018bの絶縁材料の中に完全に埋め込まれる。
【0068】
ある種の実施形態では、この積層プロセスが、オートクレーブまたは他の適当なデバイス内で実行してもよい真空積層プロセスである。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、ホットプレスプロセスを使用することによって実行する。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、約80℃~約140℃の間の温度で、約1分間~約30分間の間、実行する。いくつかの実施形態では、この積層プロセスが、約10psig~約150psigの間の圧力をかけ、その一方で、基板302および絶縁膜1016bに約80℃~約140℃の間の温度を約1分間~約30分間の間、加えることを含む。例えば、この積層プロセスを、約20psig~約100psigの間の圧力、約100℃~約120℃の間の温度で約2分間~10分間の間、実行する。例えば、この積層プロセスを、約110℃の温度で約5分間、実行する。
【0069】
積層後、操作918で、基板302をキャリア1024から分離し、保護膜1062、1064を除去し、その結果として積層埋込みダイアセンブリ1002を得る。図10Iに示されているように、埋込みダイアセンブリ1002は、基板302に形成され、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填された1つまたは複数のキャビティ305および/またはビア303を有する基板302と、キャビティ305内の埋込みダイ1026とを含む。流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料は、絶縁材料が基板302の少なくとも2つの表面または側、例えば2つの主要面606、608および埋込み半導体ダイ1026の全ての側を覆うなどのような態様で、基板302を包み込んでいる。いくつかの例では、操作918で、埋込みダイアセンブリ1002から支持層1022a、1022bも除去する。一般に、支持層1022aおよび1022b、キャリア1024、ならびに保護膜1062および1064は、埋込みダイアセンブリ1002から剥がすプロセスなど、適当な任意の機械的プロセスによって埋込みダイアセンブリ1002から除去する。
【0070】
支持層1022a、1022bおよび保護膜1062、1064を除去した後、埋込みダイアセンブリ1002を硬化プロセスにかけて、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を十分に硬化させ(すなわち化学反応および架橋によって硬くし)、したがって硬化した絶縁層1018を形成する。絶縁層1018は、基板302および基板302に埋め込まれた半導体ダイ1026を実質的に取り囲んでいる。例えば、絶縁層1018は、少なくとも(表面606、608を含む)基板302の側1075、1077およびそれぞれの半導体ダイ1026の少なくとも6つの側もしくは表面と接触しており、またはそれらを封入している。それぞれの半導体ダイ1026は、図10Iに示されているとおり直方柱の形状を有する(すなわち、2Dの図では、4つの表面1028a、10298bおよび1029a、1029bだけが示される)。
【0071】
ある種の実施形態では、硬化プロセスを高温で実行して、埋込みダイアセンブリ1002を十分に硬化させる。例えば、硬化プロセスを、約140℃~約220℃の間の温度で約15分間~約45分間の間、例えば約160℃~約200℃の間の温度で約25分間~約35分間の間など、実行する。例えば、硬化プロセスを、約180℃の温度で約30分間、実行する。さらなる実施形態では、操作918での硬化プロセスを、周囲(例えば大気)圧力条件でまたは周囲(例えば大気)圧力条件に近い条件で実行する。
【0072】
硬化後、操作920で、後続の相互接続形成のために、埋込みダイアセンブリ1002を貫通する1つまたは複数のアセンブリ貫通ビア1003をあけて、埋込みダイアセンブリ1002の全厚を貫通するチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003および後続のコンタクトホール1032を形成する間の機械的支持のために、埋込みダイアセンブリ1002を、キャリア1024などのキャリア上に置いてもよい。アセンブリ貫通ビア1003は、基板302に形成され、続いて絶縁層1018で充填されたビア303にあけられる。したがって、アセンブリ貫通ビア1003の周囲は、ビア303に充填された絶縁層1018によって取り囲まれていてもよい。絶縁層1018のセラミック充填材含有エポキシ樹脂材料でビア303の壁を内張りすることによって、導電性シリコンベースの基板302と(図13および図14E図14Hを参照して説明する)相互接続1444との間の容量性結合、したがって(図15および図16Kおよび図16Lを参照して説明する)完成したパッケージ1602の隣接して配置されたビア303および/または(図15および図16H図16Lを参照して説明する)再分布接続1644間の容量性結合が、従来のビア絶縁ライナまたはビア絶縁膜を利用する他の従来の相互接続構造に比べて大幅に低減する。さらに、エポキシ樹脂材料の流動性が、より一貫したより信頼性の高い封入および絶縁を可能にし、したがって、完成したパッケージ1602の漏れ電流を最小化することにより電気性能を強化する。
【0073】
ある種の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003が、約100μm未満、例えば約75μm未満などの直径を有する。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、約60μm未満、例えば約50μm未満などの直径を有する。ある種の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003が、約25μm~約50μmの間の直径、例えば約35μm~約40μmの間の直径などを有する。ある種の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003が、適当な任意の機械的プロセスを使用して形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、機械的穴あけプロセスを使用して形成される。ある種の実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003が、レーザアブレーションによって埋込みダイアセンブリ1002を貫通して形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、紫外線レーザを使用して形成される。ある種の実施形態では、レーザアブレーションのために利用されるレーザ源が、約5kHz~約500kHzの間の周波数を有する。ある種の実施形態では、レーザ源が、パルス持続時間が約10ns~約100nsの間、パルスエネルギーが約50マイクロジュール(μJ)~約500μJの間のパルスレーザビームを供給するように構成されている。エポキシ樹脂材料中の小さなセラミック充填材粒子は、レーザアブレーションプロセス中にビアを形成するエリアから離れた位置へのレーザ光反射、レーザ光の散乱、回折および透過の低減を示すため、小さなセラミック充填材粒子を有するエポキシ樹脂材料を利用することは、ビア1003などの小径ビアのより精密で正確なレーザパターニングをさらに促進する。
【0074】
操作922および図10Kで、埋込みダイアセンブリの第2の側1077に絶縁層1018を貫通する1つまたは複数のコンタクトホール1032をあけて、それぞれの埋込みダイ1026の表側1028aに形成された1つまたは複数の信号コンタクト1030を露出させる。コンタクトホール1032は、レーザアブレーションによって絶縁層1018を貫通するようにあけて、半導体ダイ1026の全ての外面を、絶縁層1018よって覆われ、絶縁層1018よって取り囲まれたままとし、信号コンタクト1030を露出させる。したがって、信号コンタクト1030は、操作922でのコンタクトホール1032の形成によって露出する。ある種の実施形態では、レーザ源が、約100kHz~約1000kHzの間の周波数を有するパルスレーザビームを生成するものであってもよい。ある種の実施形態では、レーザ源が、約100nm~約2000nmの間の波長、約10E-4ns~約10E-2nsの間のパルス持続時間および約10μJ~約300μJの間のパルスエネルギーを有するパルスレーザビームを供給するように構成されている。ある種の実施形態では、コンタクトホール1032を、CO2、グリーンまたはUVレーザを使用してあける。ある種の実施形態では、コンタクトホール1032が、約5μm~約60μmの間の直径、例えば約20μm~約50μmの間の直径などを有する。
【0075】
ダイ1026が両面ダイである実施形態では、操作924および図10Lで、埋込みダイアセンブリ1002を裏返し、埋込みダイアセンブリの第1の側1075に絶縁層1018を貫通する1つまたは複数のコンタクトホール1032をあけて、それぞれの埋込みダイ1026の裏側1028bに形成された1つまたは複数の電力コンタクト1031を露出させる。コンタクトホール1032は、操作922に関して説明した方法と実質的に同様の方法、例えばレーザアブレーションによって形成してもよく、実質的に同様の寸法を有していてもよい。
【0076】
所望の全てのコンタクトホール1032を形成した後、埋込みダイアセンブリ1002をデスミア(de-smear)プロセスにかけて、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032の形成中にレーザアブレーションによって生じた任意の不必要な残留物および/または破片を除去する。したがって、このデスミアプロセスは、後続のメタライゼーションに備えて、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を洗浄し、埋込みダイ1026の能動面1028のコンタクト1030を十分に露出させる。ある種の実施形態では、このデスミアプロセスが湿式デスミアプロセスである。この湿式デスミアプロセスに対して、適当な任意の水性エッチング剤、溶媒および/またはこれらの組合せを利用してもよい。一例では、過マンガン酸カリウム(KMnO4)溶液をエッチング剤として利用してもよい。残留物の厚さに応じて、操作922で埋込みダイアセンブリ1002を湿式デスミアプロセスにかける量を変化させてもよい。別の実施形態では、このデスミアプロセスが乾式デスミアプロセスである。例えば、このデスミアプロセスは、O2:CF4混合ガスを用いるプラズマデスミアプロセスであってもよい。このプラズマデスミアプロセスは、約700Wの電力を約60秒間~約120秒間の間、適用し、O2:CF4を約10:1(例えば100:10sccm)の比率で流すことにより、プラズマを発生させることを含んでいてもよい。さらなる実施形態では、このデスミアプロセスが、湿式プロセスと乾式プロセスの組合せである。
【0077】
このデスミアプロセスの後、埋込みダイアセンブリ1002は、図13および図14A図14Hを参照して後に説明する相互接続路を埋込みダイアセンブリ1002内に形成するための準備ができている。
【0078】
図10Mは、本明細書に記載された半導体デバイスパッケージ構造体および方法とともに利用してもよい例示的な両面ダイ1026を概略的に示している。より従来の半導体チップでは通常、シリコン基板またはコアの単一の側に、トランジスタとともに全ての相互接続(電力および信号)が配される。したがって、トランジスタをより小型化し続けるときには、トランジスタを他のデバイスまたはデバイス要素に接続する相互接続をますます近づけて詰め込まねばならず、かつますます微細に作らなければならない。これは特に、それらの相互接続が電力相互接続と空間を共有するためである。このことが、抵抗の増大、RCに関係した限界および電力損失につながることがあり、これらが、チップ設計上およびデバイスパッケージング上の問題を生み出すことがある。図10Mの例のような両面チップを利用することにより、配電用の相互接続と信号中継用の相互接続をチップの別々の側に分離し、そのようにして、トランジスタにより大きな電力を供給することを容易にするためのより大きな電力接続のためのより大きな横方向空間を可能にし、同時に、信号相互接続のためのより大きな空間を可能にすることができる。
【0079】
図10Mに示されているように、両面ダイ1026はコア1080を含み、コア1080は、コア1080の第1の側に形成された信号部分1094および反対側のコア1080の第2の側に形成された電力供給部分1096を有する。コア1080は一般に、シリコン、結晶シリコン(例えばSi<100>もしくはSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされたまたはドープされていないシリコン、ドープされたまたはドープされていない多結晶シリコン、窒化ケイ素、単結晶p型またはn型シリコン、多結晶p型または型シリコンなど、302に関して説明した材料を含む適当な任意のシリコン含有材料で形成されていてもよい。コア1080は、適当な任意のシリコン含有ガラス材料で交互に形成されていてもよい。
【0080】
信号部分1096は、トランジスタ(フィン1082によって表されている)および信号相互接続1084を有する1つまたは複数の集積回路を含み、信号相互接続1084は、ダイ1026の第1の表面1028aの信号コンタクト1030に導電結合されている。ある種の実施形態では、トランジスタ1082および信号相互接続1084が、コア1080の上に形成された、二酸化ケイ素または他の酸化物絶縁体などの誘電体絶縁層1092内に配されている。信号相互接続1084は、銅、コバルト、ルテニウム、ニッケル、アルミニウム、金、銀、パラジウム、スズ、モリブデンなどを含む適当な任意の導電性材料で形成されていてもよい。
【0081】
電力供給部分1096は、1つまたは複数の電力相互接続1090のネットワーク(例えば電力供給ネットワークまたは「PDN」)を含み、この1つまたは複数の電力相互接続1090は、コア1080の第2の側からダイ1026の第2の表面1028bの電力コンタクト1031まで延びている。信号相互接続と同様に、電力相互接続1090も、銅、コバルト、ルテニウム、ニッケル、アルミニウム、金、銀、パラジウム、スズ、モリブデンなどを含む適当な任意の導電性材料で形成されていてもよく、酸化物絶縁体で形成された誘電体絶縁層1092内に配されていてもよい。
【0082】
トランジスタ1082および/または信号相互接続1084を電力供給部分1096(例えば電力相互接続1090)に電気的に結合するため、コア1080の少なくとも一部分を貫通する1つまたは複数の埋設パワーレール1086を形成し、トランジスタ1082および/または信号相互接続1084に接続してもよい。埋設パワーレール1086は、トランジスタの下方を通り、コア1080を通り抜け、電力供給部分1096に向かって延びる電力接続を提供し、したがって、回路を集積するためのコア1080の第1の側のより大きな空間を可能にする。特に、埋設パワーレール1086は、トランジスタの上方の信号を運ぶ相互接続のためのより大きな空間を容易にし、したがってダイ1027の回路密度の増大および性能の向上を可能にする。
【0083】
ある種の実施形態では、埋設パワーレール1086が、信号部分1096からコア1080の全厚を横切って延びて電力相互接続1090に結合する。ある種の他の実施形態では、図10Mに示されているように、埋設パワーレール1086がコア1080の厚さの一部分を横切って延びる。このような実施形態では、埋設パワーレールをシリコン貫通相互接続1088に電気的に結合してもよく、さらにシリコン貫通相互接続1088を電力相互接続1090に結合してもよく、シリコン貫通相互接続1088は、電力供給部分1096からコア1088の中へ延びていてもよい。
【0084】
上で論じたとおり、図9および図10A図10Mは、中間埋込みダイアセンブリ1002を形成するための代表的方法900を示している。図11および図12A図12Hは、方法900と実質的に同様だが方法900よりも操作数が少ない代替法1100を示している。方法1100は一般に7つの操作1110~1180を含む。しかしながら、方法1100の操作1110、1120、1160、1170および1180はそれぞれ、方法900の操作902、904、920、922および924と実質的に同様である。したがって、明快にするために、本明細書では、それぞれ図12C図12Dおよび図12Eに示された操作1130、1140および1150だけを説明する。
【0085】
キャビティ305を通して露出した絶縁膜1016aの表面に1つまたは複数の半導体ダイ1026を置いた後、積層の前に、操作1130および図12Cで、基板302の第2の側1077(例えば表面608)の上に第2の絶縁膜1016bを配置する。いくつかの実施形態では、第2の絶縁膜1016bの流動可能層1018bが、キャビティ305内のダイ1026の能動面1028と接触し、能動面1028を覆うような態様で、基板302の第2の側1077に第2の絶縁膜1016bを配置する。いくつかの実施形態では、後の処理操作中の追加の機械的支持のために、第2の絶縁膜1016bの支持層1022bに第2のキャリア1025を張り付ける。図12Cに示されているように、絶縁膜1016aと1016bとの間に、ビア303を貫通する1つまたは複数のボイド1050が形成され、半導体ダイ1026とキャビティ305の内壁との間に間隙1051が形成される。
【0086】
次に、操作1140および図12Dで、絶縁膜1016aおよび1016bに張り付けられており、基板302内に配されたダイ1026を有する基板302を、単一の積層プロセスにかける。この単一の積層プロセス中に、基板302を高温にさらし、それによって両方の絶縁膜1016a、1016bの流動可能層1018aおよび1018bを軟化させ、絶縁膜1016a、1016b間の開いたボイドまたは容積、例えばビア303およびキャビティ305の内壁とダイ1026との間の間隙1051などに、流動可能層1018aおよび1018bを流入させる。したがって、半導体ダイ1026は、絶縁膜1016a、1016bの材料の中に埋め込まれ、ビア303は、絶縁膜1016a、1016bの材料で充填される。
【0087】
図9および図10A図10Kを参照して説明した積層プロセスと同様に、操作1140での積層プロセスは、オートクレーブまたは他の適当なデバイス内で実行してもよい真空積層プロセスであってもよい。別の実施形態では、この積層プロセスを、ホットプレスプロセスを使用することによって実行する。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、約80℃~約140℃の間の温度で、約1分間~約30分間の間、実行する。いくつかの実施形態では、この積層プロセスが、約1psig~約150psigの間の圧力をかけ、その一方で、基板302および絶縁膜1016a、1016b層に約80℃~約140℃の間の温度を約1分間~約30分間の間、加えることを含む。例えば、この積層プロセスを、約10psig~約100psigの間の圧力および約100℃~約120℃の間の温度で、約2分間~10分間の間、実行する。例えば、この積層プロセスを、約110℃の温度で約5分間、実行する。
【0088】
操作1150で、基板302から絶縁膜1016aおよび1016bの1つまたは複数の支持層を除去し、その結果として積層埋込みダイアセンブリ1002を得る。図12Eに示されているように、埋込みダイアセンブリ1002は、基板302に形成され、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填された1つまたは複数のキャビティ305および/またはビア303を有する基板302と、キャビティ305内の埋込みダイ1026とを含む。この絶縁材料は、絶縁材料が基板302の少なくとも2つの表面または側、例えば表面606、608を覆うような態様で、基板302を包み込んでいる。一例では、埋込みダイアセンブリ1002から支持層1022a、1022bを除去し、したがって埋込みダイアセンブリ1002をキャリア1024、1025から分離する。一般に、支持層1022a、1022bおよびキャリア1024、1025は、埋込みダイアセンブリ1002から剥がすプロセスなど、適当な任意の機械的プロセスによって除去する。
【0089】
支持層1022a、1022bを除去した後、埋込みダイアセンブリ1002を硬化プロセスにかけて、流動可能層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を十分に硬化させる。絶縁材料の硬化の結果、硬化した絶縁層1018が形成される。図12Eに示されているように、絶縁層1018は、図10Iに対応する操作918と同様に、基板302および基板302に埋め込まれた半導体ダイ1026を実質的に取り囲んでいる。
【0090】
ある種の実施形態では、硬化プロセスを高温で実行して、埋込みダイアセンブリ1002を十分に硬化させる。例えば、硬化プロセスを、約140℃~約220℃の間の温度で約15分間~約45分間の間、例えば約160℃~約200℃の間の温度で約25分間~約35分間の間などで、実行する。例えば、硬化プロセスを、約180℃の温度で約30分間、実行する。さらなる実施形態では、操作1150での硬化プロセスを、周囲(例えば大気)圧力条件でまたは周囲(例えば大気)圧力条件に近い条件で実行する。
【0091】
操作1150での硬化の後、方法1100は、方法900の操作920~924と実質的に同様である。例えば、埋込みダイアセンブリ1002は、絶縁層1018を貫通してあけられた1つまたは複数のアセンブリ貫通ビア1003および1つまたは複数のコンタクトホール1032を有する。続いて、埋込みダイアセンブリ1002をデスミアプロセスにかけ、その後、埋込みダイアセンブリ1002は、後に説明する相互接続路を埋込みダイアセンブリ1002の中に形成する準備ができている。
【0092】
図13は、埋込みダイアセンブリ1002を貫通する電気相互接続を形成する代表的方法1300の流れ図を示している。図14A図14Hは、図13に示された方法1300のプロセスの異なる段階における埋込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示している。したがって、本明細書では、明快にするために、図13および図14A図14Hを一緒に説明する。
【0093】
ある種の実施形態では、埋込みダイアセンブリ1002を貫通して形成される電気相互接続が銅で形成される。したがって、方法1300は、任意選択で、操作1310および図14Aから始まってもよく、操作1310および図14Aで、埋込みダイアセンブリ1002に形成されたアセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を有する埋込みダイアセンブリ1002は、埋込みダイアセンブリ1002上に形成された接着層1440および/またはシード層1442を有する。参照のため、埋込みダイアセンブリ1002上に形成された接着層1440およびシード層1442の拡大部分図が図14Hに示されている。接着層1440は、続いて形成するシード層1442および銅相互接続1444の接着を促進し、拡散を阻むのを助けるために、埋込みダイアセンブリ1002の主要面1005、1007、ならびにそれぞれのダイ1026上のコンタクトホール1032の能動面1028およびアセンブリ貫通ビア1003の内壁など、絶縁層1018の所望の表面に形成してもよい。したがって、ある種の実施形態では接着層1440が接着層の働きをし、別の実施形態では接着層1440がバリア層の働きをする。とはいえ、以後、両方の実施形態において接着層1440を「接着層」と記述する。
【0094】
ある種の実施形態では、任意選択の接着層1440が、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルトもしくは他の適当な任意の材料、またはこれらの組合せで形成される。ある種の実施形態では、接着層1440が、約10nm~約300nmの間、例えば約50nm~約150nmの間などの厚さを有する。例えば、接着層1440は、約75nm~約125nmの間、例えば約100nmなどの厚さを有する。接着層1440は、限定はされないが、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、プラズマCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)などを含む適当な任意の堆積プロセスによって形成する。
【0095】
任意選択のシード層1442は、接着層1440上に形成してもよく、または絶縁層1018上にじかに(例えば接着層1440を形成することなく)形成してもよい。シード層1442は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金もしくは他の適当な任意の材料、またはこれらの組合せなどの導電性材料で形成される。ある種の実施形態では、シード層1442が、約50nm~約500nmの間、例えば約100nm~約300nmの間などの厚さを有する。例えば、シード層1442は、約150nm~約250nmの間、例えば約200nmなどの厚さを有する。ある種の実施形態では、シード層1442が、約0.1μm~約1.5μmの間の厚さを有する。接着層1440と同様に、シード層1442も、CVD、PVD、PECVD、乾式ALDプロセス、湿式無電解メッキプロセスなどの適当な任意の堆積プロセスによって形成する。ある種の実施形態では、埋込みダイアセンブリ上に、モリブデンの接着層1440を、銅のシード層1442と組み合わせて形成する。Mo接着層とCuシード層の組合せは、絶縁層1018の表面との改良された接着を可能にし、操作1370での後続のシード層エッチングプロセス中の導電性相互接続線のアンダーカットを低減させる。
【0096】
それぞれ図14Bおよび図14Cに対応する操作1320および1330で、埋込みダイアセンブリ1002の両方の主要面1005、1007にフォトレジストなどのスピンオン/スプレーオンまたは乾式のレジスト膜1450を塗布し、続いてパターニングする。ある種の実施形態では、UV放射で選択的に露光することによってレジスト膜1450をパターニングする。ある種の実施形態では、レジスト膜1450を形成する前に、埋込みダイアセンブリ1002に接着促進剤(図示せず)を塗布する。この接着促進剤は、レジスト膜1450のための界面結合層を生成することにより、および埋込みダイアセンブリ1002の表面からいずれの水分も除去することにより、埋込みダイアセンブリ1002へのレジスト膜1450の接着を改良する。いくつかの実施形態では、この接着促進剤が、ビス(トリメチルシリル)アミンまたはヘキサメチルジシリザン(HMDS)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で形成されている。
【0097】
操作1340および図14Dで、埋込みダイアセンブリ1002をレジスト膜現像プロセスにかける。図14Dに示されているように、レジスト膜1450を現像し、その結果として、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を露出させる。このとき、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032は、それらの上に形成された接着層1440およびシード層1442を有している。ある種の実施形態では、この膜現像プロセスが湿式プロセス、例えば、レジストを溶媒にさらすことを含む湿式プロセスなどである。ある種の実施形態では、この膜現像プロセスが、水性エッチングプロセスを利用する水性エッチングプロセスである。他の実施形態では、この膜現像プロセスが、所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。このレジスト膜現像プロセスに対して、適当な任意の湿式溶媒、または湿式エッチング剤の適当な任意の組合せを使用してもよい。
【0098】
それぞれ図14Eおよび図14Fに対応する操作1350および1360で、露出したアセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を貫通する相互接続1444を形成し、その後にレジスト膜1450を除去する。相互接続1444は、電気メッキおよび無電解堆積を含む適当な任意の方法によって形成する。ある種の実施形態では、湿式プロセスによってレジスト膜1450を除去する。図14Eおよび図14Fに示されているように、形成された相互接続1444は、アセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032を充填し、かつ/またはアセンブリ貫通ビア1003およびコンタクトホール1032の内側周囲壁を覆い、レジスト膜1450の除去後に、埋込みダイアセンブリ1002の表面1005、1007および1028から突き出る。ある種の実施形態では、相互接続1444が銅で形成される。他の実施形態では、相互接続1444が、限定はされないが、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含む適当な任意の導電性材料で形成されてもよい。
【0099】
操作1370および図14Gで、埋込みダイアセンブリ1002内に形成された相互接続1444を有する埋込みダイアセンブリ1002を、接着および/またはシード層エッチングプロセスにかけて、接着層1440およびシード層1442を除去する。ある種の実施形態では、このシード層エッチングが、埋込みダイアセンブリ1002のリンスおよび乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。ある種の実施形態では、このシード層エッチングプロセスが、銅、タングステン、アルミニウム、銀または金などの所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスである。他の実施形態では、このエッチングプロセスが水性エッチングプロセスである。このシード層エッチングプロセスに対して、適当な任意の湿式エッチング剤または湿式エッチング剤の適当な任意の組合せを使用してもよい。
【0100】
操作1370でのシード層エッチングプロセスに続いて、埋込みダイアセンブリ1002から、電気的に機能する1つまたは複数のパッケージを個片化してもよい。あるいは、相互接続1444の接点を埋込みダイアセンブリ1002の表面の所望の位置までリルートすることを可能にするために、埋込みダイアセンブリ1002が、必要に応じて、埋込みダイアセンブリ1002上に形成された1つまたは複数の再分布層1658および/または1660(図16K~16Lに示されている)を有してもよい。図15は、埋込みダイアセンブリ1002上に再分布層1658を形成する代表的方法1500の流れ図を示している。図16A図16Lは、図15に示された方法1500の異なる段階における埋込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示している。したがって、本明細書では、明快にするために、図15および図16A図16Lを一緒に説明する。
【0101】
方法1500は、上で説明した方法900、1100および1300と実質的に同様である。一般に、方法1500は操作1502および図16Aから始まり、操作1502および図16Aで、埋込みダイアセンブリ1002の所望の側に絶縁膜1616を置き、その後に積層する。絶縁膜1616は、絶縁膜1016と実質的に同様であってもよく、ポリマーベースの流動可能な誘電体材料で形成された1つまたは複数の層を含む。ある種の実施形態では、図16Aに示されているように、絶縁膜1616が、流動可能層1618および1つまたは複数の支持層1622を含む。ある種の実施形態では、絶縁膜1616が、セラミック充填材含有エポキシ樹脂流動可能層1618および1つまたは複数の支持層1622を含んでいてもよい。別の例では、絶縁膜1616が、フォトデファイナブルポリイミド(photodefinable polyimide)の流動可能層1618および1つまたは複数の支持層1622を含んでいてもよい。フォトデファイナブルポリイミドの材料特性は、フォトデファイナブルポリイミドから形成された相互接続層を貫通するより小さな(例えばより細い)ビアの形成を可能にする。しかしながら、絶縁膜1616に対しては、層および絶縁材料の適当な任意の組合せが企図される。例えば、絶縁膜1616は、非感光性ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、二酸化ケイ素および/または窒化ケイ素の流動可能層1618を含んでいてもよい。1つまたは複数の支持層1622に対する適当な材料の例はPETおよびポリプロピレン(PP)を含む。
【0102】
いくつかの例では、流動可能層1618が、上で説明した流動可能層1018a、1018bとは異なるポリマーベースの流動可能な誘電体材料を含む。例えば、流動可能層1018は、セラミック充填材含有エポキシ樹脂を含んでいてもよく、流動可能層1618はフォトデファイナブルポリイミドを含んでいてもよい。別の例では、流動可能層1618が、流動可能層1018a、1018bとは異なる無機誘電体材料から形成される。例えば、流動可能層1018a、1018bは、セラミック充填材含有エポキシ樹脂を含んでいてもよく、流動可能層1618は二酸化ケイ素層を含んでいてもよい。
【0103】
絶縁膜1616は、約200μm未満の厚さ、例えば約10μm~約180μmの間の厚さなどを有する。例えば、流動可能層1618およびPET支持層1622を含む絶縁膜1616は、約50μm~約100μmの間の全厚を有する。ある種の実施形態では、流動可能層1618が、約60μm未満の厚さ、例えば約5μm~約50μmの間の厚さ、例えば約20μmの厚さなどを有する。絶縁膜1616は、ダイ1026の能動面1028のコンタクト1030に結合された露出した相互接続1444、および/またはメタライゼーションされたアセンブリ貫通ビア1003に結合された露出した相互接続1444を有する埋込みダイアセンブリ1002の表面、例えば主要面1005などに置かれる。
【0104】
絶縁膜1616を置いた後、埋込みダイアセンブリ1002を、操作908、916および1140を参照して説明した積層プロセスと実質的に同様の積層プロセスにかける。埋込みダイアセンブリ1002を高温にさらして、流動可能層1618を軟化させる。続いて、流動可能層1618が、埋込みダイアセンブリ1002上に既に形成されている絶縁層1018に結合する。したがって、ある種の実施形態では、流動可能層1618が、絶縁層1018と統合され、絶縁層1018の延長部分を形成する。流動可能層1618と絶縁層1018との統合は、以前に露出させた相互接続1444を覆う拡張および統合された絶縁層1018に帰着する。したがって、本明細書では、結合された流動可能層1618と絶縁層1018を合わせて絶縁層1018と記述する。しかしながら、他の実施形態では、流動可能層1618の積層および後続の硬化が、絶縁層1018上に第2の絶縁層(図示せず)を形成する。いくつかの例では、この第2の絶縁層が、絶縁層1018とは異なる材料層で形成される。
【0105】
ある種の実施形態では、この積層プロセスが、オートクレーブまたは他の適当なデバイス内で実行してもよい真空積層プロセスである。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、ホットプレスプロセスを使用することによって実行する。ある種の実施形態では、この積層プロセスを、約80℃~約140℃の間の温度で、約1分間~約30分間の間、実行する。いくつかの実施形態では、この積層プロセスが、10psig~約100psigの間の圧力をかけ、その一方で、基板302および絶縁膜1616に約80℃~約140℃の間の温度を約1分間~約30分間の間、加えることを含む。例えば、この積層プロセスを、約30psig~約80psigの間の圧力および約100℃~約120℃の間の温度で、約2分間~約10分間の間、実行する。例えば、この積層プロセスを、約110℃の温度で約5分間、実行する。さらなる例では、この積層プロセスを、約30psig~約70psigの間、例えば約50psigなどの圧力で実行する。
【0106】
操作1504および図16Bで、埋込みダイアセンブリ1002から支持層1622およびキャリア1624を、機械的プロセスによって除去する。支持層1622およびキャリア1624を除去した後、埋込みダイアセンブリ1002を硬化プロセスにかけて、新たに拡張された絶縁層1018を十分に硬化させる。ある種の実施形態では、この硬化プロセスが、操作918および1150に関して説明した硬化プロセスと実質的に同様である。例えば、硬化プロセスを、約140℃~約220℃の間の温度で約15分間~約45分間の間、例えば約160℃~約200℃の間の温度で約25分間~約35分間の間など、実行する。例えば、硬化プロセスを、約180℃の温度で約30分間、実行する。さらなる実施形態では、操作1504での硬化プロセスを、周囲圧力条件でまたは周囲圧力条件に近い条件で実行する。
【0107】
次いで、操作1506および図16Cで、埋込みダイアセンブリ1002をレーザアブレーションによって選択的にパターニングする。操作1506でのレーザアブレーションは、新たに拡張された絶縁層1018を貫通する再分布ビア1603を形成し、所望の相互接続1444を、それらの相互接続の接触点の再分布のために露出させる。ある種の実施形態では、再分布ビア1603が、約5μm~約60μmの間の直径、例えば約10μm~約50μmの間、例えば約20μm~約45μmの間などの直径を有する。ある種の実施形態では、操作1506でのレーザアブレーションプロセスをCO2レーザを利用して実行する。ある種の実施形態では、操作1506でのレーザアブレーションプロセスをUVレーザを利用して実行する。別の実施形態では、操作1506でのレーザアブレーションプロセスをグリーンレーザを利用して実行する。例えば、レーザ源は、約100kHz~約1000kHzの間の周波数を有するパルスレーザビームを生成するものであってもよい。一例では、レーザ源が、約100nm~約2000nmの間の波長、約10E-4ns~約10E-2nsの間のパルス持続時間および約10μJ~約300μJの間のパルスエネルギーを有するパルスレーザビームを供給するように構成されている。
【0108】
埋込みダイアセンブリ1002をパターニングした後、埋込みダイアセンブリ1002を、操作922および1170でのデスミアプロセスと実質的に同様のデスミアプロセスにかける。操作1506でのデスミアプロセスの間に、再分布ビア1603の形成中にレーザアブレーションによって形成された任意の不必要な残留物および破片を再分布ビア1603から除去して、再分布ビア1603の表面を、後続のメタライゼーションのために清浄にする(例えば洗浄する)。ある種の実施形態では、このデスミアプロセスが湿式プロセスである。この湿式デスミアプロセスに対して、適当な任意の水性エッチング剤、溶媒および/またはこれらの組合せを利用してもよい。一例では、KMnO4溶液をエッチング剤として利用してもよい。別の実施形態では、このデスミアプロセスが乾式デスミアプロセスである。例えば、このデスミアプロセスは、O2/CF4混合ガスを用いるプラズマデスミアプロセスであってもよい。さらなる実施形態では、このデスミアプロセスが、湿式プロセスと乾式プロセスの組合せである。
【0109】
操作1508および図16Dで、絶縁層1018上に、任意選択の接着層1640および/またはシード層1642を形成する。ある種の実施形態では、接着層1640が、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルトもしくは他の適当な任意の材料、またはこれらの組合せから形成される。ある種の実施形態では、接着層1640が、約10nm~約300nmの間、例えば約50nm~約150nmの間などの厚さを有する。例えば、接着層1640は、約75nm~約125nmの間、例えば約100nmなどの厚さを有する。接着層1640は、限定はされないが、CVD、PVD、PECVD、ALDなどを含む適当な任意の堆積プロセスによって形成してもよい。
【0110】
任意選択のシード層1642は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金もしくは他の適当な任意の材料、またはこれらの組合せなどの導電性材料から形成される。ある種の実施形態では、シード層1642が、約50nm~約500nmの間、例えば約100nm~約300nmの間などの厚さを有する。例えば、シード層1642は、約150nm~約250nmの間、例えば約200nmなどの厚さを有する。ある種の実施形態では、シード層1642が、約0.1μm~約1.5μmの間の厚さを有する。接着層1640と同様に、シード層1642も、CVD、PVD、PECVD、乾式ALDプロセス、湿式無電解メッキプロセスなどの適当な任意の堆積プロセスによって形成してもよい。ある種の実施形態では、操作1520での後続のシード層エッチングプロセス中の導電性接続線のアンダーカットを低減させるために、埋込みダイアセンブリ1002上にモリブデンの接着層1640および銅のシード層1642を形成する。
【0111】
それぞれ図16E図16Fおよび図16Gに対応する操作1510、1512および1514で、埋込みダイアセンブリ1002の接着および/またはシード表面の上に、フォトレジストなどのスピンオン/スプレーオンまたは乾式レジスト膜1650を塗布し、続いてパターニングおよび現像する。ある種の実施形態では、レジスト膜1650を置く前に、埋込みダイアセンブリ1002に接着促進剤(図示せず)を塗布する。レジスト膜1650を露光および現像すると、その結果、再分布ビア1603が開口する。したがって、レジスト膜1650のパターニングは、レジスト膜1650の部分をUV放射で選択的に露光することによって実行してもよく、続くレジスト膜1650の現像は、湿式エッチングプロセスなどの湿式プロセスによって実行してもよい。ある種の実施形態では、このレジスト膜現像プロセスが、所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、このレジスト膜現像プロセスが、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。このレジスト膜現像プロセスに対して、適当な任意の湿式エッチング剤または湿式エッチング剤の適当な任意の組合せを使用してもよい。
【0112】
それぞれ図16Hおよび図16Iに対応する操作1516および1518で、露出した再分布ビア1603を貫通する再分布接続1644を形成し、その後にレジスト膜1650を除去する。再分布接続1644は、電気メッキおよび無電解堆積を含む適当な任意の方法によって形成する。ある種の実施形態では、湿式プロセスによってレジスト膜1650を除去する。図16Hおよび図16Iに示されているように、再分布接続1644は再分布ビア1603を充填し、レジスト膜1650の除去後に、再分布接続1644は、埋込みダイアセンブリ1002の表面から突き出ている。ある種の実施形態では、再分布接続1644が銅で形成される。他の実施形態では、再分布接続1644が、限定はされないが、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含む適当な任意の導電性材料で形成されていてもよい。
【0113】
操作1520および図16Jで、埋込みダイアセンブリ1002の上に形成された再分布接続1644を有する埋込みダイアセンブリ1002を、操作1370のプロセスと実質的に同様のシード層エッチングプロセスにかける。ある種の実施形態では、このシード層エッチングが、埋込みダイアセンブリ1002のリンスおよび乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。ある種の実施形態では、このシード層エッチングプロセスが、シード層1642の所望の材料に対して選択的なバッファードエッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、このエッチングプロセスが、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。このシード層エッチングプロセスに対して、適当な任意の湿式エッチング剤または湿式エッチング剤の適当な任意の組合せを使用してもよい。
【0114】
操作1522で、図16Kおよび図16Lに示されているように、埋込みダイアセンブリ1002から、完成した1つまたは複数のパッケージ1602を個片化する。しかしながら、操作1522の前に、上で説明したシーケンスおよびプロセスを利用して、図16Lに示されているように、埋込みダイアセンブリ1002上に追加の再分布層を形成してもよい(図16Kは、追加の1つの再分布層1658を有する完成したパッケージ1602を示している)。例えば、埋込みダイアセンブリ1002の第1の追加の再分布層1658とは反対の側または表面に、例えば主要面1007などに、1つまたは複数の追加の再分布層1660を形成してもよい。あるいは、第1の追加の再分布層1658(図示せず)と同じ側または表面に、例えば主要面1005などに、1つまたは複数の追加の再分布層1660を形成してもよい。次いで、所望の全ての再分布層を形成した後に、埋込みダイアセンブリ1002から、完成したパッケージ1602を個片化してもよい。
【0115】
上で説明した方法によって形成されたパッケージ構造体、例えば中間埋込みダイアセンブリ1002および/またはパッケージ1602は、適当な任意のパッケージング用途および適当な任意の構成で利用されてもよい。図17Aに概略的に示された例示的な1つの実施形態では、スタック構造体1700、例えばDRAMスタックを形成するために、4つのパッケージ1602が利用されている。これに応じて、それぞれのパッケージ1602は、基板302に埋め込まれ、絶縁層1018によって封入された(例えばそれぞれの側の一部分が絶縁層1018と接触した)両面ダイ1026(例えばメモリまたは同様のチップ)を含む。それぞれのパッケージ1602の全厚を貫通する1つまたは複数の相互接続1444が形成されており、それらの相互接続1444は、隣り合う(すなわち上または下にスタックされた)パッケージ1602の主要面1005と主要面1007との間に配された1つまたは複数のはんだバンプ1746とじかに接触している。例えば、スタック構造体1700に示されているように、それぞれのパッケージ1602の相互接続1444を隣り合うパッケージ1602の相互接続1444に橋絡(例えば接続、結合)するために、隣り合うパッケージ1602間に4つ以上のはんだバンプ1746が配される。
【0116】
ある種の実施形態では、はんだバンプ1746の信頼性を増強するために、はんだバンプ1746によって接続された隣り合うパッケージ1602間のボイドに封入材料1748が充填される。封入材料1748は、適当な任意のタイプの封入剤またはアンダーフィルであってもよい。一例では、封入材料1748が、ノーフローアンダーフィル(no-flow underfill)(NUF)材料、非導電性ペースト(nonconductive paste)(NCP)材料および非導電性膜(nonconductive film)(NCF)材料などのプリアセンブリアンダーフィル材料を含む。一例では、封入材料1748が、キャピラリアンダーフィル(capillary underfill)(CUF)材料およびモールデッドアンダーフィル(molded underfill)(MUF)材料などのポストアセンブリアンダーフィル材料を含む。ある種の実施形態では、封入材料1748が、SiO2、AlN、Al23、SiC、Si34、Sr2Ce2Ti516、ZrSiO4、CaSiO3、BeO、CeO2、BN、CaCu3Ti412、MgO、TiO2、ZnOなどが充填された(例えばこれらを含む)エポキシ樹脂などの低膨張充填材含有樹脂を含む。
【0117】
ある種の実施形態では、はんだバンプ1746が、スズ(Sn)と鉛(Pb)、銀(Ag)、Cuとの組合せ、またはこれらのうちの他の適当な任意の金属の組合せなど、1つまたは複数の金属間化合物で形成されている。例えば、はんだバンプ1746は、Sn-Pb、Sn-Ag、Sn-Cuまたは他の適当な任意の材料あるいはこれらの組合せなどのはんだ合金で形成されている。ある種の実施形態では、はんだバンプ1746が、C4(コントロールドコラプスチップコネクション(controlled collapse chip connection))バンプを含む。ある種の実施形態では、はんだバンプ1746が、C2(はんだキャップを有するCuピラーなどのチップ接続)バンプを含む。C2はんだバンプの利用は、コンタクトパッド間のより小さなピッチ、ならびにスタック構造体1700に対する改良された熱および/または電気特性を可能にする。いくつかの実施形態では、はんだバンプ1746が、約10μm~約150μmの間の直径、例えば約50μm~約100μmの間の直径などを有する。はんだバンプ1746はさらに、限定はされないが、電気化学堆積(ECD)および電気メッキを含む、適当な任意のウエハバンピングプロセスによって形成されたものであってもよい。
【0118】
図17Bに概略的に示された例示的な別の実施形態では、4つのパッケージ1602をスタックし、それぞれのパッケージ1602の1つまたは複数の相互接続1444を隣り合う1つまたは複数のパッケージ1602の相互接続1444にじかに接合することにより、スタック構造体1701が形成されている。示されているように、パッケージ1602は、ハイブリッド接合によって接合されていてもよく、その際には、隣り合うパッケージの主要面1005および1007を平坦化し、互いに十分に接触させる。したがって、それぞれのパッケージ1602の1つまたは複数の相互接続1444は、それぞれのパッケージ1602の全厚を貫通して形成され、隣り合う少なくとも別のパッケージ1602の1つまたは複数の相互接続1444とじかに接触する。
【0119】
スタック構造体1700および1701は、従来のスタックパッケージ構造体に勝る多数の利点を提供する。このような利点には、薄型フォームファクタおよび高いダイ対パッケージ体積比が含まれ、これらは、人工知能(AI)およびハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のますます増大する帯域幅および電力効率需要を満たすためのより大きなI/Oスケーリングを可能にする。構造化されたシリコンコアフレームの利用は、3次元集積回路(3D IC)アーキテクチャの改良された電気性能、熱管理および信頼性のための最適な材料剛性および熱伝導率を提供する。さらに、本明細書に記載されたアセンブリ貫通ビアおよびビアインビア構造体の製造方法は、3D集積化のための高い性能および柔軟性を、従来のTSV技術に比べて比較的に安い製造コストで提供する。
【0120】
本開示のある種の態様において、開示されたデバイスおよび方法は、これらのさまざまな構造体を形成するために典型的に利用される材料の固有の特性によって制限されるより従来的なフリップチップボールグリッドアレイ(fcBGA)パッケージ構造体に取って代わることが意図されている。特に、従来のfcBGAパッケージ構造体は、パッケージ構造体の部品間の熱膨張の不一致に起因するより大きな機械的ストレスを示すことがあり、これにより基板の曲り、反りおよび/または崩壊(collapse)が高率で生じる。信号完全性および電力供給を向上させるためにこれらのデバイスのための基板をスケーリングすると、このようなストレスはさらに増幅され、その結果、デバイスの構造安定性が低下する。これに応じて、本明細書に開示されたデバイスを補剛フレームと統合することができ、したがって、従来のfcBGAパッケージ構造体に関連した上述の不都合の多くを解決する半導体パッケージデバイスを提供することができる。
【0121】
図18A図18Bは、本開示のある種の実施形態による、補剛フレーム1810と統合されたパッケージ1602を含む、デバイス1800の異なる構成の側断面図を概略的に示している。ある種の例では、スタック構成にある追加の半導体パッケージまたは他のデバイスの構造支持および電気相互接続のためにデバイス1800を利用してもよく、これらの追加の半導体パッケージまたは他のデバイスは、適当な任意の技術、例えばフリップチップまたはウエハバンピングを利用してデバイス1800に実装してもよい。ある種の例では、半導体ダイ1026に加え、チップまたはグラフィックスカードなどの表面実装デバイスに対するキャリア構造体として、デバイス1800を利用してもよい。
【0122】
図18A図18Bに示されているとおり、デバイス1800は、デバイス1800の第1の側1007および/または第2の側1007に形成された補剛フレーム1810を含む。補剛フレーム1810は、デバイス1800の全体構造に追加の剛性を提供し、したがって、高密度集積デバイス(例えばスタックされた半導体パッケージ、PCBアセンブリ、PCBスペーサアセンブリ、チップキャリアアセンブリ、中間キャリアアセンブリ、メモリスタックなど)にデバイス1800を統合する間の、例えば基板302またはパッケージ1602の反りまたは崩壊のリスクを低減させまたは排除する。したがって、補剛フレーム1810をパッケージ1602と統合することは、より薄い基板302の利用を可能にし、このことは、基板302の両側の部品間の信号完全性の向上(例えば低い挿入損失)および電力供給の向上(例えば低い電力損失)を容易にする。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810がさらに、埋め込まれたまたはパッケージ1602とともにスタックされた、図18A図18Bに示された半導体ダイ1026または1820などの1つまたは複数の半導体ダイまたはデバイスに対する遮蔽効果を提供してもよい。
【0123】
一般に、補剛フレーム1810は、多角形または円形のリング状形状を有しており、適当な任意の基板材料を含むパターニングされた基板から形成されている。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、基板302の材料と実質的に同様の材料を含み、したがって基板302の熱膨張率(CTE)と一致し、組立て中の反りのリスクを低減させまたは排除する基板から形成されていてもよい。例えば、補剛フレーム1810は、III-V族化合物半導体材料、シリコン(例えば、約1~約10オーム-comの間の抵抗率、もしくは約100W/mKの導電率を有するシリコン)、結晶シリコン(例えばSi<100>もしくはSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされたもしくはドープされていないシリコン、ドープされていない高抵抗率シリコン(例えば、より低い溶存酸素含量および約5000~約10000オーム-cmの間の抵抗率を有するフロートゾーンシリコン)、ドープされたもしくはドープされていない多結晶シリコン、窒化ケイ素、炭化シリコン(例えば、約500W/mKの導電率を有する炭化シリコン)、石英、ガラス(例えばホウケイ酸ガラス)、サファイヤ、アルミナおよび/またはセラミック材料から形成されていてもよい。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、単結晶p型またはn型シリコンを含む。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、多結晶p型またはn型シリコンを含む。
【0124】
補剛フレーム1810は、約50μm~約1500μmの間の厚さT、例えば約100μm~約1200μmの間の厚さTなどを有する。例えば、補剛フレーム1810は、約200μm~約1000μmの間の厚さT、例えば約400μm~約800μmの間の厚さT、例えば約775μmの厚さTなどを有する。別の例では、補剛フレーム1810が、約100μm~約700μmの間の厚さT、例えば約200μm~約500μmの間の厚さTなどを有する。別の例では、補剛フレーム1810が、約800μm~約1400μmの間の厚さT、例えば約1000μm~約1200μmの間の厚さTなどを有する。さらに別の例では、補剛フレーム1810が、約1200μm超の厚さTを有する。
【0125】
補剛フレーム1810は、適当な任意の方法によってパッケージ1602に取り付けられていてもよい。例えば、図18A図18Bに示されているように、補剛フレーム1810は、接着剤1811によってパッケージ1602に取り付けられていてもよく、接着剤1811は、積層接着材料、ダイアタッチ膜、接着膜、グルー、ワックスなどを含んでいてもよい。ある種の実施形態では、接着剤1811が、絶縁層1018の誘電体材料と同様の、セラミック充填材を有するエポキシ樹脂材料などの未硬化の誘電体材料の層である。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、主要面1005または1007の絶縁層1018にじかに取り付けられている(図18A)。他のある種の実施形態では、補剛フレーム110が、基板302にじかに取り付けられており、または基板302上に形成されたパッシベーティング層もしくは金属クラッド層に取り付けられている(図18B)。このような実施形態では、基板302への補剛フレーム1810の取付けを可能にするために、絶縁層1018の所望の部分が例えばレーザアブレーションによって除去されていてもよい。
【0126】
補剛フレーム1810を貫通する1つまたは複数の開口1877を形成するために補剛フレーム1810はパターニングされていてもよく、ある種の実施形態では、1つまたは複数の開口1877が、その中に、1つもしくは複数の半導体ダイ1820(または他のデバイス)を受け取っていてもよい。したがって、開口1877は、補剛フレーム1810を貫通する相互接続のさらなる延長を必要とすることなく、パッケージ1602の絶縁層1018上または基板302上のいずれかに半導体ダイ1820をじかに統合(例えばスタッキング)することを可能にする。さらなる実施形態では、補剛フレーム1810がさらに、ダイ1820に対する機械的および/または電気的遮蔽効果を提供してもよい。例えば、図18A図18Bに示されているように、補剛フレーム1810は、補剛フレーム1810上に形成され、グラウンド(図示せず)に接続された金属クラッド層1812を含んでいてもよく、金属クラッド層1812は、開口1877内に配されたダイ1820またはパッケージ1602に埋め込まれたダイ1026に対する電磁干渉(EMI)遮蔽効果を提供してもよい。このような実施形態では、金属クラッド層1812が、上述の金属クラッド層316と実質的に同じ材料を含んでいてもよく、金属クラッド層316と実質的に同様のプロセスによって形成されたものであってもよい。例えば、金属クラッド層1812は、ニッケル置換メッキ、または他の無電解もしくは電解メッキプロセスで形成されたものであってもよい。ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、高抵抗率シリコンで形成されており、デバイス1800に対する絶縁体の働きをする。このような実施形態では、補剛フレーム1810が、はんだ付けによってパッケージ1602に取り付けられてもよい。例えば、パッケージ1602上に金属または表面層(例えばニッケルまたは銅層)を形成してもよく、その後にパッケージ1602上に補剛フレーム1810をはんだ付けしてもよい。
【0127】
1つまたは複数の開口1877は一般に、1つまたは複数の開口1877に例えば半導体ダイ1820または他の所望のデバイスを収容するのに適した任意の形態および寸法を有していてもよい。例えば、ある種の実施形態では、開口1877が、実質的に四辺形または多角形の形状を有していてもよい。ある種の実施形態では、開口1877が、実質的に円形の形状または不規則な形状を有していてもよい。ある種の実施形態では、開口1877のうちの1つまたは複数の開口が、図18A図18Bに示されているように実質的にテーパが付けられた(すなわち角度が付けられた)側壁1821、または実質的に垂直な(例えば直角の、例えば表面1005に対して直角の)側壁1821を有する。
【0128】
ある種の実施形態では、1つまたは複数の開口1877が、約0.5mm~約50mmの間の範囲の横方向寸法D、例えば約3mm~約12mmの間の範囲の横方向寸法D、例えば約8mm~約11mmの間の範囲の横方向寸法Dなどを有し、横方向寸法Dは、パッケージまたはシステムの製造中に1つまたは複数の開口1877の中に置く半導体ダイ1820または他のデバイスのサイズおよび数によって決めてもよい。ある種の実施形態では、開口1877の中に置く半導体ダイ1820の横方向寸法と実質的に同様の横方向寸法を有するように、開口1877のサイズが決められる。例えば、それぞれの開口1877は、半導体ダイ1820の横方向寸法よりも約150μm未満、例えば約120μm未満、例えば100μm未満などだけ大きい横方向寸法を有するように形成されていてもよい。
【0129】
半導体ダイ1820は、メモリダイ、マイクロプロセッサ、コンプレックスシステムオンチップ(SoC)、標準ダイまたは受動半導体デバイスを含む、適当な任意のタイプのダイ、チップまたは半導体デバイスであってもよい。ある種の実施形態では、半導体ダイ1820が、DRAMダイまたはNANDフラッシュダイである。ある種の実施形態では、半導体ダイ1820が、デジタルダイ、アナログダイまたは混合ダイを含む。ある種の実施形態では、半導体ダイ1820が、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、RF要素などの受動半導体デバイスを含み、それらは、デバイス1800を横切るより安定な電力供給を可能にするために、パッケージ1602に埋め込まれた半導体ダイ1026の電力コンタクト1031に電気的に結合されていてもよい。例えば、半導体ダイ1820は、デカップリングキャパシタ、トレンチキャパシタまたは平面のキャパシタを含んでいてもよい。ある種の実施形態では、半導体ダイ1820が、シリコン材料など、基板302、ダイ1026および/または補剛フレーム1810の材料と実質的に同様の材料で形成されていてもよい。基板302、ダイ1026および/または補剛フレーム1810の材料と同じまたは同様の材料で形成された半導体ダイ1820を利用することは、それらの間でCTEを一致させることを容易にすることがあり、基本的には、組立て中に反りが発生することを排除することがある。
【0130】
図18A図18Bに示されているように、それぞれの半導体ダイ1820は、パッケージ1602の主要面1005、1007の一方に隣接して配されていてもよく、はんだバンプ1824を介して1つまたは複数の再分布接続1644に電気的に結合されたコンタクト1822を有する。ある種の実施形態では、コンタクト1822および/またははんだバンプ1824が、相互接続1444および再分布接続1644の材料と実質的に同様の材料で形成されている。例えば、コンタクト1822およびはんだバンプ1824は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金もしくは他の適当な任意の材料、またはこれらの組合せなどの導電性材料で形成されていてもよい。
【0131】
ある種の実施形態では、はんだバンプ1824がC4はんだバンプを含む。ある種の実施形態では、はんだバンプ1824がC2(はんだキャップを有するCuピラー)はんだバンプを含む。C2はんだバンプの利用は、より小さいピッチ長、ならびにデバイス1800に対する改良された熱および/または電気特性を可能にすることがある。はんだバンプ1824は、限定はされないが、電気化学堆積(ECD)および電気メッキを含む、適当な任意のウエハバンピングプロセスによって形成されたものであってもよい。
【0132】
図18C図18Eは、本開示のある種の実施形態による、デバイス1800の異なる構成の上面図を示している。特に、図18C図18Eは、補剛フレーム1810の異なる形態/配置を示している。
【0133】
図18Cでは、デバイス1800が、開口1877内に配された半導体ダイ1820を取り囲み、デバイス1800(したがって下方に配されたパッケージ1602)の横方向周囲を実質的になぞるスクワークル形(squircular)(例えば丸コーナを有する矩形)のリング形補剛フレーム1810を含む。したがって、補剛フレーム1810の外側寸法は、パッケージ1602の外側寸法と実質的に同様である。図18Cの補剛フレーム1810は丸コーナを有するように示されているが、面取りコーナまたは直角コーナも企図されることに留意されたい。
【0134】
図18Dでは、異なるサイズの複数の半導体ダイ1820を収容するために、デバイス1800上に形成された補剛フレーム1810が不規則な多角形の形状を有する。補剛フレーム1810内に単一の開口1877が形成されているが、単一の開口1877は、それぞれの半導体ダイ1820の周囲の異なる横向寸法内に形成されている。
【0135】
図18Eでは、補剛フレーム1810が、デバイス1800(したがって下方に配されたパッケージ1602)の表面を横切って延びる1つまたは複数の横断リブ1830によって仕切られた矩形のリング状形状を有する。したがって、リブ1830は、複数の半導体ダイ1820を収容するための複数の開口1877を形成している。補剛フレーム1810内にリブ1830を形成することは、デバイス1800に追加の機械的支持/剛性を提供することがある。ある種の実施形態では、リブ1830が、デバイス1800の上に十字形または交差パターンで配されていてもよい。図18Eの補剛フレーム1810は、直角コーナを有する矩形として示されているが、他の全体形状および/またはコーナタイプも企図されることに留意されたい。
【0136】
図18C図18Eに示されているように、ある種の実施形態では、補剛フレーム1810が、パッケージ1602と実質的に一致する、またはパッケージ1602と実質的に同様の横方向寸法を有していてもよい。したがって、このような実施形態では、外側横方向寸法L1およびL2が、パッケージ1602の外側横方向寸法の約500μm以内、例えば約300μm以内などにある。ある種の実施形態では、横方向のL1とL2が互いに実質的に等しい。
【0137】
図19は、本開示のある種の実施形態による、例えば上で説明した埋込みダイアセンブリ1002を利用した、補剛フレーム2010を有するパッケージ構造体、例えばfcBGA型デバイスを形成する代表的方法1900の流れ図を示している。図20A図20Jは、方法1900の異なる段階における埋込みダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示している。明快にするために、本明細書では、図19および図20A図20Jを明快にするために一緒に説明する。
【0138】
図19および図20A図20Jの操作は、埋込みダイアセンブリ1002を利用するものとして説明されるが、図19および図20A図20Jの方法は、以前に個片化されたパッケージ1602上で同様に実行してもよい。さらに、図19および図20A図20Jは、fcBGA型パッケージ構造体上に補剛フレームを形成することに関して説明されるが、以下で説明する操作は、PCBアセンブリ、PCBスペーサアセンブリ、(例えばグラフィックスカード用の)チップキャリアおよび中間キャリアアセンブリ、メモリスタックなどの他のタイプのデバイス上で実行してもよい。
【0139】
方法1900は一般に操作1902および図20Aから始まり、操作1902および図20Aで、中間コアアセンブリ1002の「表側」または「デバイス側」表面にはんだマスク2066aを塗布する。例えば、埋込みダイアセンブリ1002の主要面1005にはんだマスク2066aを塗布する。一般に、はんだマスク2066aは、約10μm~約100μmの間、例えば約15μm~約90μmの間などの厚さを有する。例えば、はんだマスク2066aは、約20μm~約80μmの間の厚さを有する。
【0140】
ある種の実施形態では、はんだマスク2066aが、パターニングされた織りメッシュを通して埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側の絶縁層1018上にシルクスクリーン塗布された熱硬化性エポキシ液である。ある種の実施形態では、はんだマスク2066aが、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側にシルクスクリーン塗布またはスプレー塗布された液体フォトイミジアブルはんだマスク(liquid photo-imageable solder mask)(LPSM)または液体フォトイミジアブルインク(LPI)である。液体フォトイミジアブルはんだマスク2066aは次いで、所望のパターンを形成するために後続の操作で露光および現像される。他の実施形態では、はんだマスク2066aが、ドライフィルムフォトイミジアブルはんだマスク(DFSM)であり、このDFSMは、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側に真空積層され、次いで後続の操作で露光および現像される。このような実施形態では、はんだマスク2066aにパターンが画定された後に、熱硬化または紫外線硬化が実行される。
【0141】
操作1904および図20Bで、埋込みダイアセンブリ1002を裏返し、埋込みダイアセンブリ1002の「裏側」または「非デバイス側」表面に第2のはんだマスク2066bを塗布する。例えば、埋込みダイアセンブリ1002の主要面1007にはんだマスク2066bを塗布する。一般に、はんだマスク2066bははんだマスク2066aと実質的に同様であるが、ある種の実施形態では、はんだマスク2066bが、上述のはんだマスクのタイプ/材料の中から選択された、はんだマスク2066aとは異なるタイプまたは材料のはんだマスクである。
【0142】
操作1906および図20Cで、埋込みダイアセンブリ1002を再び裏返し、はんだマスク2066aをパターニングして、はんだマスク2066aにビア2003aを形成する。ビア2003aは、製造中のパッケージの外側表面への指定された信号ルーティングのために、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側の所望の相互接続1444および/または再分布接続1644を露出させる。
【0143】
ある種の実施形態では、上で説明した方法によってはんだマスク2066aをパターニングしてもよい。さらに他の実施形態では、はんだマスク2066aを、例えばレーザアブレーションによってパターニングする。このような実施形態では、レーザアブレーションパターニングプロセスを、CO2レーザ、UVレーザまたはグリーンレーザを利用して実行してもよい。例えば、レーザ源は、約100kHz~約1000kHzの間の周波数を有するパルスレーザビームを生成するものであってもよい。一例では、レーザ源が、約100nm~約2000nmの間の波長、約10E-4ns~約10E-2nsの間のパルス持続時間および約10μJ~約300μJの間のパルスエネルギーを有するパルスレーザビームを供給するように構成されている。
【0144】
操作1908および図20Dで、埋込みダイアセンブリ1002をもう一度裏返し、はんだマスク2066bをパターニングして、はんだマスク2066bにビア2003bを形成する。ビア2003aと同様に、ビア2003bも、製造中のパッケージの外側表面への指定された信号ルーティングのために、埋込みダイアセンブリ1002上の所望の相互接続1444および/または再分布接続1644を露出させる。一般に、はんだマスク2066bは、レーザアブレーションを含む、上で説明した方法のうちのいずれかの方法によって形成してもよい。
【0145】
埋込みダイアセンブリ1002の両側をパターニングした後、埋込みダイアセンブリ1002を硬化ラックに移し、操作1910および図20Eで、埋込みダイアセンブリ1002に取り付けられたはんだマスク2066a、2066bを有する埋込みダイアセンブリ1002を十分に硬化させる。ある種の実施形態では、この硬化プロセスを、約80℃~約200℃の間の温度で約10分間~約80分間の間、例えば約90℃~約200℃の間の温度で約20分間~約70分間の間など、実行する。例えば、この硬化プロセスを、約180℃の温度で約30分間、または約100℃の温度で約60分間、実行する。さらなる実施形態では、操作1910での硬化プロセスを、周囲(例えば大気)圧力条件でまたは周囲(例えば大気)圧力条件に近い条件で実行する。
【0146】
操作1912および図20Fで、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側と非デバイス側の両方でメッキプロセスを実行して、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側(例えば表面1005を含む上向きに示された側)および非デバイス側(例えば表面1007を含む下向きに示された側)にそれぞれ導電層2070aおよび2070bを形成する。図20Fに示されているように、メッキされた導電層2070a、2070bは、デバイス側のビア2003aおよび非デバイス側のビア2003bを通して相互接続1444および/または再分布接続1644を延長して、相互接続1444および/または再分布接続1644と他のデバイスおよび/またはパッケージ構造体との電気接続を容易にする。
【0147】
それぞれの導電層2070aおよび2070bは、無電解メッキによって形成された1つまたは複数の金属層で形成される。例えば、ある種の実施形態では、それぞれの導電層2070aおよび2070bが、無電解ニッケル/置換金メッキ(electroless nickel immersion gold)(ENIG)または無電解ニッケル/無電解パラジウム/置換金メッキ(electroless nickel electroless palladium immersion gold)(ENEPIG)によって形成された、金および/またはパラジウムの薄層で覆われた無電解ニッケルメッキ層を含む。しかしながら、軟強磁性金属合金および高導電性純金属を含む他の金属材料およびメッキ技術も企図される。ある種の実施形態では、導電層2070aおよび/または2070bが、銅、クロム、スズ、アルミニウム、ニッケルクロム、ステンレス鋼、タングステン、銀などの1つまたは複数の層で形成される。
【0148】
ある種の実施形態では、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側または非デバイス側において、それぞれの導電層2070aおよび/または2070bが、約0.2μm~約20μmの間、例えば約1μm~約10μmの間などの厚さを有する。導電層2070aおよび2070bのメッキの間に、露出した相互接続1444および/または再分布接続1644は、後続の製造操作における追加のデバイスとのさらなる結合を容易にするために、はんだマスク2066a、2066bを通して埋込みダイアセンブリ1002から外側にさらに延長される。
【0149】
操作1914および図20Gで、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側と非デバイス側の両方の上でソルダオンパッド(SOP)プロセスを実行して、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側および非デバイス側にそれぞれはんだパッド1280aおよび1280bを形成する。例えば、ある種の実施形態では、ビア2003a、2003bにはんだを塗布し、次いでリフローさせ、続いてコイニングなどの平坦化プロセスを実行して、はんだパッド2080a、2080bのための実質的に平坦な表面を形成する。
【0150】
操作1916および図20Hで、その上に補剛フレーム2010を取り付けるはんだマスク2066a(例えばデバイス側)の所望のエリア/表面に結合層2090を塗布する。ある種の実施形態では、結合層2090が、積層接着材料、ダイアタッチ膜、接着膜、グルー、ワックスなどを含む。ある種の実施形態では、結合層2090が、絶縁層1018の誘電体材料と同様の、セラミック充填材を有するエポキシ樹脂材料などの誘電体材料の層である。ある種の実施形態では、結合層2090がはんだ層である。結合層2090は、機械的ローリング、プレッシング、積層、スピンコーティング、ドクタ-ブレーディングなどによってはんだマスク2066aに塗布してもよい。
【0151】
しかしながら、ある種の実施形態では、結合層2090をはんだマスク2066aに塗布するのではなしに、結合層2090を補剛フレーム2010にじかに塗布してもよく、その後に、補剛フレーム2010を、埋込みダイアセンブリ1002のはんだマスク2066aに取り付けてもよい。このような実施形態でダイアタッチ膜または接着膜を結合層2090として使用するときには、補剛フレーム2010を構造化/パターニングするときに、補剛フレーム2010の横方向寸法まで膜を切りそろえてもよい。
【0152】
埋込みダイアセンブリ1002に結合層2090を塗布した後、操作1918および図20Iで、結合層2090に補剛フレーム2010を取り付ける。示されているように、補剛フレーム2010は、後続の操作でその中に半導体ダイを取り付けてもよい1つまたは複数の開口2017を含む。開口2017を形成するために、操作1916の前に、図2図7Dを参照して上で説明した方法によって補剛フレーム2010をパターニングしてもよい。
【0153】
操作1920および図20Jで、埋込みダイアセンブリ1002のデバイス側の開口2017を通して露出したはんだパッド2080aに、はんだバンプ2024を介して1つまたは複数の半導体ダイ2020を電気的に結合し、非デバイス側のはんだパッド2080bにボールグリッドアレイ(BGA)2040を実装し、埋込みダイアセンブリ1002を単一化して、電気的に機能する1つまたは複数のデバイス2000にする(図19および図20A図20Jの操作を個片化されたパッケージ1602上で実行する実施形態ではさらに個片化する必要はない)。ある種の実施形態では、C4型またはC2型バンプを形成するために電気化学堆積によってBGA2040を形成する。ある種の実施形態では、半導体ダイ2020を裏返し、半導体ダイ2020のコンタクトまたは結合パッド2022をはんだパッド2080aに接続するフリップチップダイ取付けプロセスによって、半導体ダイ2020をはんだパッド2080aに結合する。ある種の例では、コンタクト2022とはんだパッド2080aとの接続を、マスリフローまたは熱圧縮結合(thermo-compression bonding)(TCB)によって実施する。このような例では、半導体ダイ2020と埋込みダイアセンブリ1002との間に、キャピラリアンダーフィル、非導電性ペーストまたは非導電性膜を積層してもよい。ある種の実施形態では、半導体ダイ2020および/またはBGA2040を埋込みダイアセンブリ1002に結合してから補剛フレーム1810を取り付け、その後に埋込みダイアセンブリ1002を個片化する。
【0154】
個片化した後、その後に、個片化されたそれぞれのデバイス2000を、他の半導体デバイスおよびパッケージと、同種または異種3Dスタックシステムなどのさまざまな2.5Dおよび3D配置およびアーキテクチャで統合してもよい。一般に、その後により大きなスタックシステムに統合されるデバイス2000に補剛フレーム、例えば補剛フレーム2010が組み込まれているとき、デバイス2000の反りの有益な低減はさらにシステム全体に及ぶ。すなわち、デバイス2000の構造完全性を高めると、統合されたシステム全体の反りまたは崩壊の可能性が低下する。
【0155】
図21は、本明細書に記載された実施形態による、例示的なスタックシステム2100の側断面図を概略的に示しており、スタックシステム2100は、デバイス2000上に形成された補剛フレーム1810を有するデバイス2000を統合しており、それによってシステム2100の構造完全性を向上させている。示されているように、デバイス2000に加えて、例示的なシステム2100はさらに、垂直にスタックされていてもよくまたは横並びに配されていてもよい1つまたは複数のPCB2120と、メモリダイと中央処理ユニット(CPU)コアまたは論理ダイとの間の大きな並列相互接続密度を有する高帯域幅メモリ(HBM)モジュール2130と、1つまたは複数の熱交換器2110とを含む。図21の例では、デバイス2000の半導体ダイ2020が、パッケージ1602を貫通して配された相互接続1444ならびにはんだバンプ2024およびBGA2040を介してHBM2130に電気的に結合されたグラフィックス処理ユニット(GPU)を表していてもよい。デバイス2000はPCB2120に、例えばデバイス2000の非デバイス側に形成された再分布接続1644およびPCB2120上に形成されたピン型コネクタ2122を介して電気的に接続されていてもよい。
【0156】
ヒートシンクなどの熱交換器2110の統合は、熱を伝達することにより、例えば、半導体ダイ2020、埋込みダイ1026、HBM2130および/またはシリコン基板302によって伝導された熱を伝達することにより、デバイス2000、したがってシステム2100の熱放散および熱特性を向上させる。熱放散が向上することにより反りの可能性はさらに低下する。適当なタイプの熱交換器2110は、ピンヒートシンク、ストレートヒートシンク、フレア型ヒートシンクなどを含み、これらのヒートシンクは、アルミニウムまたは銅などの適当な任意の材料で形成されていてもよい。ある種の実施形態では、熱交換器2110が、押出しアルミニウムで形成されている。ある種の実施形態では、熱交換器2110が、図21に示されているように、半導体ダイ2020およびHBMモジュール2130の1つまたは複数のダイなど、システム2100内に統合された1つまたは複数の半導体ダイにじかに取り付けられている。他の実施形態では、熱交換器2110が、基板302にじかに取り付けられており、または絶縁層1018を介して基板302に間接的に取り付けられている。このような配置は、低い熱伝導率を有するガラス繊維強化エポキシ積層板で形成された従来のPCBよりも特に有益である。従来のPCBへの熱交換器の追加に価値はほとんどないであろう。
【0157】
図22A図22Bはそれぞれ、本明細書に記載された実施形態による、デバイス2000の追加のデバイス構成2200および2201の側断面図を概略的に示している。図22Aに示されているように、補剛フレーム2010にリッド2210が取り付けられており、リッド2210は、デバイス2000上にスタックされ、デバイス2000に電気的に結合された半導体ダイ2020を覆っている。マイクロプロセッサまたはGPUなどの従来の一部の集積回路は、デバイスの損傷またはデバイスの停止を回避するために運び去らなければならないかなりの量の熱を動作中に発生させる。このようなデバイスに対して、リッド2210は、保護カバーおよび熱伝達経路の役目を果たす。さらに、リッド2210は、デバイス2000上に形成された補剛フレーム2010を既に含むデバイス2000に追加の構造強化を提供する。したがって、デバイス構成2200は、従来のパッケージ構造体と比べたときの熱放散および熱特性の向上ならびに構造完全性の向上を容易にする。
【0158】
一般に、リッド2210は、多角形または円形のリング状の形状を有しており、適当な任意の基板材料を含むパターニングされた基板から形成されている。ある種の実施形態では、リッド2210が、補剛フレーム2010および基板302の材料と実質的に同様の材料を含み、したがって補剛フレーム2010および基板302の熱膨張率(CTE)と一致し、組立て中のデバイス構成2200の反りのリスクを低減させまたは排除する基板から形成されていてもよい。例えば、リッド2210は、III-V族化合物半導体材料、シリコン(例えば、約1~約10オーム-comの間の抵抗率、もしくは約100W/mKの導電率を有するシリコン)、結晶シリコン(例えばSi<100>もしくはSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされたもしくはドープされていないシリコン、ドープされていない高抵抗率シリコン(例えば、より低い溶存酸素含量および約5000~約10000オーム-cmの間の抵抗率を有するフロートゾーンシリコン)、ドープされたもしくはドープされていない多結晶シリコン、窒化ケイ素、炭化シリコン(例えば、約500W/mKの導電率を有する炭化シリコン)、石英、ガラス(例えばホウケイ酸ガラス)、サファイヤ、アルミナおよび/またはセラミック材料から形成されていてもよい。ある種の実施形態では、リッド2210が、単結晶p型またはn型シリコンを含む。ある種の実施形態では、リッド2210が、多結晶p型またはn型シリコンを含む。
【0159】
リッド2210は、約50μm~約1500μmの間の厚さT、例えば約100μm~約1200μmの間の厚さTなどを有する。例えば、リッド2210は、約200μm~約1000μmの間の厚さT、例えば約300μm~約775μmの間の厚さT、例えば約750μmまたは775μmの厚さTなどを有する。別の例では、リッド2210が、約100μm~約700μmの間の厚さT、例えば約200μm~約500μmの間の厚さTなどを有する。別の例では、リッド2210が、約800μm~約1400μmの間の厚さT、例えば約1000μm~約1200μmの間の厚さTなどを有する。さらに別の例では、リッド2210が、約1200μm超の厚さTを有する。
【0160】
リッド2210は、適当な任意の方法によって補剛フレーム2010に取り付けられる。例えば、図22Aに示されているように、リッド2210は、結合層2290によって補剛フレーム2210に取り付けられていてもよく、結合層2290は、積層接着材料、ダイアタッチ膜、接着膜、グルー、ワックスなどを含んでもよい。ある種の実施形態では、結合層2290が、絶縁層1018の誘電体材料と同様の、セラミック充填材を有するエポキシ樹脂材料などの未硬化の誘電体材料の層である。
【0161】
補剛フレーム2010に取り付けられていることに加えて、リッド2210は、熱伝達経路を半導体ダイ2020に提供するために、サーマルインターフェースマテリアル(thermal interface material)(TIM)層2292を介して半導体ダイ2020にも間接的に取り付けられている。一般に、TIM層2292は、熱伝達および熱放散を最大化するために、半導体ダイ2020とリッド2020との間の空隙または空間を排除して、断熱体の働きをする空隙または空間を半導体ダイ2020とリッド2020との間の界面から排除する。ある種の実施形態では、TIM層2292が、熱ペースト、熱接着剤(例えばグルー)、熱テープ、アンダーフィル材料またはポッティング化合物を含む。ある種の実施形態では、TIM層2292が、絶縁層1018の流動可能な誘電体材料と実質的に同様の流動可能な誘電体材料の薄層、例えば、酸化または窒化アルミニウム充填材を含む流動可能なエポキシ樹脂などの薄層である。
【0162】
図22Bは、リッド2210をデバイス2000と統合する別のデバイス構成2201を示している。この例では、リッド2210および補剛フレーム2010がともにメタライゼーションされている。示されているように、リッド2210は金属層2296を含み、補剛フレーム2010は金属層2212を含む。金属層2212、2296は、上で説明した金属クラッド層316に関して上で説明した材料および方法を含む、適当な任意の金属材料で形成されていてもよく、適当な任意の方法によって形成されてもよい。例えば、ある種の実施形態では、金属層2212および/または金属層2296が、ニッケル(例えば漬浸メッキによって形成されたもの)、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む導電性金属層を含む。ある種の実施形態では、金属層2212および/または金属層2296が、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む合金または純金属を含む金属層を含む。ある種の実施形態では、金属層2212と金属層2296とが同じ材料で形成されており、他の実施形態では、金属層2212と金属層2296とが異なる材料で形成されている。
【0163】
図22Bに示されているように、金属層2212と金属層2296は、リッド2210と補剛フレーム2010との間に配された1つまたは複数のはんだボール2294を利用して互いに電気的に結合されていてもよい。このような実施形態では、はんだボール2294の周囲に結合層2290を形成してもよく、したがってはんだボール2294を結合層2290に実質的に埋め込んでもよい。ある種の実施形態では、金属層2212および/または金属層2296がさらにグラウンドに電気的に結合されており、例えば、はんだボール2294を介してグラウンドに電気的に結合されており、したがって接地されたリッド2210および補剛フレーム2010を提供する。ある種の実施形態では、金属層2212および/または金属層2296がさらに、メタライゼーションされた基板302に結合されており、例えば、はんだボール2294ならびに相互接続1444および/または再分布接続1644を介して、メタライゼーションされた基板302に結合されている。
【0164】
図23A図23Bはそれぞれ、本明細書に記載された実施形態による例示的なデバイス2300および2301の側断面図を概略的に示しており、デバイス2300および2301はパッケージ1602を含み、パッケージ1602は、パッケージ1602に埋め込まれた両面ダイ1026を有する。図23A図23Bの例では、パッケージ1602がさらに熱交換器2330と統合されている。ヒートシンクなどの熱交換器2330の統合は、熱を伝達することにより、例えば、半導体ダイ1026および/もしくは基板302によって生成された、または例えば半導体ダイ1026および/もしくは基板302によって伝導された熱を伝達することにより、パッケージデバイス1602、したがってデバイス2300および2301の熱放散および熱特性を向上させる。熱放散が向上することにより反りの可能性はさらに低下し、デバイス2300および2301の性能は向上する。このような配置は、低い熱伝導率を有するガラス繊維強化エポキシ積層板で形成された従来のPCBよりも特に有益である。従来のPCBへの熱交換器の追加に価値はほとんどないであろう。本明細書に記載された実施形態とともに使用するのに適したタイプの熱交換器2330は、ピンヒートシンク、ストレートヒートシンク、フレア型ヒートシンクなどを含み、これらのヒートシンクは、アルミニウムまたは銅などの適当な任意の材料で形成されていてもよい。ある種の実施形態では、熱交換器2330が、押出しアルミニウムで形成されている。
【0165】
一般に、熱交換器2330は、デバイス2300または2301の片側または両側に追加してもよい。ある種の実施形態では、熱交換器2330が、基板302の上にじかに取り付けられ、または絶縁層1018を介して間接的に取り付けられる。このような構成を達成するため、パッケージ1602(または埋込みダイアセンブリ1002)の絶縁層1018の所望のエリアをレーザアブレーションしてポケットを形成してもよく、その後に、基板302上に熱交換器2330を実装してもよい。例えば、絶縁層10018の誘電体材料だけをアブレーションし、基板302を無傷のまま残すように構成されたCO2、UVまたはIRレーザによって、熱交換器2330の横方向寸法に対応する横方向寸法を有する絶縁層1018のエリアを除去してもよい。次いで、その開口内に熱交換器2330を置き、適当な任意の実装方法によって熱交換器2330を基板302上に実装してもよい。基板302は、酸化物層または金属クラッド層を含んでいてもよい。ある種の実施形態では、熱交換器2330と基板302との間に接着剤層または界面層を置いてもよい。
【0166】
他の実施形態では、熱交換器2330を、デバイス2300または2301とともにスタックされた1つまたは複数の半導体ダイ、例えば上で説明した半導体ダイ1820にじかに取り付ける。さらなる実施形態では、図23Aに示されているように、熱交換器2330を、埋込み半導体ダイ1026および基板302の上に置いてもよく、絶縁層1018または絶縁層1018の上に配された別の層に取り付けてもよい。例えば、デバイス2300は、パッケージ1600と熱交換器2330との間に配されたメタライゼーションされた平面2310および界面層2320を含む。メタライゼーションされた平面2310は、銅、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む適当な任意の金属材料で形成された導電性金属層を含んでいてもよく、グラウンドに接続されていてもよい。ある種の実施形態では、メタライゼーションされた平面2310が、銅、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズなどを含む合金または純金属で形成された金属層を含む。ある種の実施形態では、メタライゼーションされた平面2310が、上記の材料で形成された金属メッシュまたはグリッドを含む。ある種の実施形態では、界面層2320が、熱接着剤またはポッティング化合物などのサーマルインターフェースマテリアル(TIM)材料を含む。ある種の実施形態では、界面層2320が、絶縁層1018の材料と実質的に同様の流動可能な誘電体材料の薄層である。
【0167】
図23Bに示された別の例示的なデバイス2301では、半導体ダイ1026へのより安定な電力供給を可能にするために、熱交換器2330とパッケージ1602との間に1つまたは複数のキャパシタ2340または他の受動デバイスが配されている。このような実施形態では、これらのキャパシタを、絶縁層1018を含む、半導体ダイ1026の上に配された1つまたは複数の層内に埋め込んでもよく、または配置してもよく、相互接続1444および/または再分布接続1644によって半導体ダイ1026に電気的に接続してもよい。図23Bには、半導体ダイ1026の上に配され、メタライゼーションされた平面2310、界面層2320およびヒートスプレッダ層2350によって取り囲まれた2つのキャパシタ2340が示されている。ある種の実施形態では、ヒートスプレッダ層2350が、銅、ニッケル、アルミニウム、金、コバルト、銀、パラジウム、スズ、これらの組合せまたはこれらの合金などを含む、熱を伝導し拡散させるのに適した金属材料で形成されている。ある種の実施形態では、ヒートスプレッダ層2350と熱交換器2330との間に、別のTIM層などの追加の界面層2360が形成されていてもよく、追加の界面層2360はさらに、キャパシタ2340と接触していてもよく、またはキャパシタ2340の上に形成されていてもよい。
【0168】
有利には、本明細書に記載された実施形態は、先進の集積回路パッケージを製造するための基板構造化およびダイ組立ての改良された方法を提供する。上で説明した方法を利用することによって、ガラスおよび/またはシリコン基板上に高アスペクト比特徴を形成することができ、したがって、より薄くてより狭い半導体デバイスパッケージの経済的な形成を可能にする。上で説明した方法を利用することによって製造された薄型小フォームファクタパッケージは、高いI/O密度ならびに改良された帯域幅および電力という利益を提供するだけでなく、低減された重量/慣性に起因する低い応力および柔軟なはんだボール分布を可能にするパッケージアーキテクチャによるより高い信頼性という利益も提供する。上で説明した方法のさらなる長所には、2面メタライゼーション能力と、従来のパッケージおよび先進のパッケージの大量製造において特徴を傷つけやすいフリップチップ取付けステップおよびオーバーモールディングステップを排除することによる高い生産歩留りとを有する経済的な製造が含まれる。
【0169】
以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の実施形態の基本的な範囲を逸脱することなく本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態が考案される可能性があり、本開示の実施形態の範囲は請求項によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図10J
図10K
図10L
図10M
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図16I
図16J
図16K
図16L
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図20H
図20I
図20J
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
【国際調査報告】