(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】共形炭素ドープ窒化ケイ素膜およびその方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/318 20060101AFI20241114BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
H01L21/318 B
C23C16/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531441
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 US2022080683
(87)【国際公開番号】W WO2023102440
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グプタ・オウニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・スクラヴェンディク・バート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】サブチャク・オクサナ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・フェンギャン
(72)【発明者】
【氏名】スリニヴァサン・イアスワー
(72)【発明者】
【氏名】オースティン・ダスティン・ザカリー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA13
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA40
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA05
4K030EA06
4K030FA01
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4K030HA01
4K030JA01
4K030JA05
4K030JA09
4K030JA10
4K030JA11
4K030JA16
4K030KA23
4K030LA02
4K030LA15
5F058BA09
5F058BC08
5F058BC10
5F058BD10
5F058BD13
5F058BF04
5F058BF07
5F058BF27
5F058BF30
5F058BF37
5F058BH16
5F058BJ05
5F058BJ06
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、窒化ケイ素膜を提供するための方法に関する。特に、膜は、炭素ドープ窒化ケイ素膜であり得る。方法は、ドープ窒化ケイ素を堆積することと、続いてドープ窒化ケイ素をプラズマ処理して共形膜を提供することとを含むことができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜を堆積する方法であって、
チャンバ内の基板を有機ケイ素含有前駆体に曝露することと、
前記基板を窒素含有反応剤に曝露することと、
前記基板をラジカル種に曝露し、それによって窒化ケイ素を含む膜を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記ドープ窒化ケイ素は、炭素ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、共形膜を含む、方法。
【請求項5】
請求項1~4に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I):
Si(R’)
4
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含む、
方法。
【請求項6】
請求項1~4に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(II):
(R’)
3Si-[L-Si(R’)
2]-R’
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含み、Lは、リンカーである、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3)、一重水素化アンモニア(NH
2D)、二重水素化アンモニア(NHD
2)、または三重水素化アンモニア(ND
3)を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露することは、水素(H
2)の存在下で前記窒素含有反応剤を提供することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板をラジカル種に前記曝露することは、アンモニア(NH
3)、窒素(N
2)、および水素(H
2)からなる群から選択されるソースガスを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、リモートプラズマ中の窒素含有ラジカルを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~10に記載の方法であって、
前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項1~11に記載の方法であって、
サイクルで前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項1~12に記載の方法であって、
前記方法は、リモートプラズマベースの原子層堆積プロセスを含む、方法。
【請求項14】
膜を堆積する方法であって、
基板の表面上に炭素含有層およびケイ素含有層を堆積することであって、前記基板は、チャンバ内に設けられることと、
窒素含有反応剤の存在下で前記炭素含有層および前記ケイ素含有層を熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することと、
ソースガスの存在下で前記ドープ窒化ケイ素をプラズマ処理し、それによって前記膜を形成することと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記堆積することは、前記基板の前記表面を有機ケイ素含有前駆体に曝露することを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I)または(II)の構造を含む、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記熱変換することは、前記基板の前記表面を前記窒素含有反応剤に曝露することを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3)を含み、任意選択で水素(H
2)を伴う、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記プラズマ処理することは、前記基板をソースガス内のラジカル種に曝露することを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、窒素含有ラジカルを含み、前記ソースガスは、アンモニア(NH
3)、窒素(N
2)、および水素(H
2)からなる群から選択される、方法。
【請求項21】
請求項14~20に記載の方法であって、
前記堆積すること、前記熱変換すること、および/または前記プラズマ処理することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
【請求項22】
請求項14~21に記載の方法であって、
サイクルで前記堆積すること、前記熱変換すること、および前記プラズマ処理することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項14~22に記載の方法であって、
前記膜は、共形炭素ドープ窒化ケイ素膜を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、窒化ケイ素膜を提供するための方法に関する。特に、膜は、炭素ドープ窒化ケイ素膜であり得る。方法は、ドープ窒化ケイ素を堆積することと、続いてドープ窒化ケイ素をプラズマ処理して共形膜を提供することとを含むことができる。
【背景技術】
【0003】
典型的には、窒化ケイ素の共形堆積は、ハロシランベースの前駆体を用いた炉ベースの熱プロセスの使用を含む。前駆体中のハロゲン原子の存在により、場合によっては、堆積膜内に望ましくない不純物としてハロゲンが提供される場合がある。
【0004】
ここで提供される背景の説明は、本技術の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本技術に対抗する先行技術として認められない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ドープ窒化ケイ素を堆積し、続いてドープ窒化ケイ素をプラズマ処理する方法に関する。場合によっては、この方法は、炭素ドープ窒化ケイ素を含む共形膜を提供する。炭素の存在により、高エネルギー電子トラップとして作用し得る有益なSi-C欠陥を有する膜が得られる可能性がある。そのようなトラップは、例えば、メモリセルにおけるトラップ層内で有用であり得る。他の実施形態では、膜は、デバイス(例えば、太陽電池)に使用することができる。炭素の存在により、ウェットエッチング速度が減少した膜が得られる可能性がある。一実施形態では、膜は、エッチストップ層として用いることができ、炭素ドープ窒化ケイ素は、窒化ケイ素単独と比較してウェットエッチング速度が減少し得る。追加の使用法についても、本明細書で説明される。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、サイクルごとに熱ALD変換およびそれに続くプラズマ処理を含むハイブリッド原子層堆積(ハイブリッドALD)プロセスとして特徴付けられる。例えば、熱ALD変換は、窒素含有反応剤の存在下で堆積された炭素含有層およびケイ素含有層を変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することを含むことができる。さらに、プラズマ処理は、ドープ窒化ケイ素をソースガスから得られる高エネルギー種に曝露することを含むことができる。いくつかの実施形態では、高エネルギー種は、窒素原子を含むことができる。他の実施形態では、高エネルギー種は、ラジカルを含むことができる。
【0007】
非限定的な実施形態では、方法は、ハロゲン原子を有する堆積前駆体を回避することによって、膜内のハロゲンの存在を回避する。特定の実施形態では、堆積前駆体は、有機ケイ素含有前駆体である。そのような前駆体は、典型的には、少なくとも1つのケイ素原子と、少なくとも1つの炭素原子とを含む。前駆体の非限定的な例は、本明細書で説明される。
【0008】
第1の態様では、本開示は、膜を堆積する方法を包含する。いくつかの実施形態では、方法は、チャンバ内の基板を有機ケイ素含有前駆体に曝露することと、基板を窒素含有反応剤に曝露することと、基板を高エネルギー種に曝露し、それによって窒化ケイ素を含む膜を形成することとを含む。特定の実施形態では、高エネルギー種は、ラジカル種である。
【0009】
いくつかの実施形態では、膜は、ドープ窒化ケイ素を含む。特定の実施形態では、ドープ窒化ケイ素は、炭素ドープ窒化ケイ素を含む。他の実施形態では、膜は、共形膜を含む。さらなる実施形態では、基板は、高アスペクト比(HAR)構造を含み、共形膜は、前記HAR構造の表面上に堆積される。
【0010】
いくつかの実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、式(I):
Si(R’)4
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含む。
【0011】
他の実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、式(II):
(R’)3Si-[L-Si(R’)2]-R’
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含み、Lは、リンカーである。
【0012】
いくつかの実施形態では、窒素含有反応剤は、アンモニア(NH3)、一重水素化アンモニア(singly deuterated ammonia)(NH2D)、二重水素化アンモニア(doubly deuterated ammonia)(NHD2)、または三重水素化アンモニア(triply deuterated ammonia)(ND3)を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、基板を窒素含有反応剤に前記曝露することは、水素(H2)の存在下で窒素含有反応剤を提供することを含む。
【0014】
他の実施形態では、基板を高エネルギー種(例えば、ラジカル種)に前記曝露することは、アンモニア(NH3)、窒素(N2)、水素(H2)、またはそれらの組み合わせの群から選択されるソースガスを含む。特定の実施形態では、高エネルギー種は、リモートプラズマ中の窒素含有高エネルギー種または窒素含有ラジカルを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、基板を有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、基板を窒素含有反応剤に前記曝露すること、および/または基板を高エネルギー種に前記曝露することの後、不活性ガスでチャンバをパージすることをさらに含む。他の実施形態では、方法は、サイクルで基板を有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、基板を窒素含有反応剤に前記曝露すること、および基板を高エネルギー種に前記曝露することを繰り返し、膜を形成することをさらに含む。
【0016】
他の実施形態では、方法は、リモートプラズマベースの原子層堆積プロセスを含む。
【0017】
第2の態様では、本開示は、膜を堆積する方法であって、基板の表面上に炭素含有層およびケイ素含有層を堆積することであって、基板は、チャンバ内に設けられることと、窒素含有反応剤の存在下で炭素含有層およびケイ素含有層を熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することと、ソースガスの存在下でドープ窒化ケイ素をプラズマ処理し、それによって膜を形成することとを含む、方法を包含する。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記堆積することは、チャンバ内の基板の表面を有機ケイ素含有前駆体に曝露することを含む。特定の実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、式(I)、(II)、または本明細書に記載のいずれかの式の構造を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記熱変換することは、基板の表面を窒素含有反応剤に曝露することを含む。窒素含有反応剤の非限定的な例には、アンモニア(NH3)が挙げられ、任意選択で水素(H2)と共に用いることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記プラズマ処理することは、基板をソースガス内の高エネルギー種(例えば、ラジカル種)に曝露することを含む。非限定的な高エネルギー種には、窒素含有高エネルギー種または窒素含有ラジカルが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ソースガスは、アンモニア(NH3)、窒素(N2)、水素(H2)、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、前記堆積すること、前記熱変換すること、および/または前記プラズマ処理することの後、不活性ガスでチャンバをパージすることをさらに含む。他の実施形態では、方法は、サイクルで前記堆積すること、前記熱変換すること、および前記プラズマ処理することを繰り返し、膜を形成することをさらに含む。
【0022】
本明細書のいずれかの実施形態では、膜は、共形炭素ドープ窒化ケイ素膜を含む。
【0023】
本明細書のいずれかの実施形態では、基板は、高アスペクト比(HAR)構造を含む。いくつかの実施形態では、膜(例えば、共形炭素ドープ窒化ケイ素膜)は、前記HAR構造の表面上に堆積される。
【0024】
本明細書のいずれかの実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、本明細書に記載のいずれかの式を含む。
【0025】
さらなる実施形態についても、本明細書で説明される。
【0026】
定義
「アシル」または「アルカノイル」という用語は、本明細書で交換可能に使用される場合、本明細書で定義されるカルボニル基を介して親分子基に結合した、直鎖、分岐、環状構成、飽和、不飽和、および芳香族、ならびにそれらの組み合わせの1、2、3、4、5、6、7、8個またはそれ以上の炭素原子の基、または水素を表す。この基は、ホルミル(-C(O)H)、アセチル(Acまたは-C(O)Me)、プロピオニル、イソブチリル、ブタノイルなどによって例示される。いくつかの実施形態では、アシル基またはアルカノイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族基、または芳香族基である。
【0027】
「アルカノイルオキシ」とは、本明細書で定義されるオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルカノイル基を意味する。この基は、アセトキシ(-OAcまたは-OC(O)Me)によって例示される。いくつかの実施形態では、アルカノイルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族基、または芳香族基である。
【0028】
「脂肪族」とは、少なくとも1個の炭素原子~50個の炭素原子(C1-50)、例えば1~25個の炭素原子(C1-25)、または1~10個の炭素原子(C1-10)を有する炭化水素基を意味し、これはアルカン(またはアルキル)、アルケン(またはアルケニル)、アルキン(またはアルキニル)を含み、それらの環状バージョンを含み、さらに直鎖および分岐鎖配列、ならびにすべての立体異性体および位置異性体も含む。脂肪族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、脂肪族基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0029】
「脂肪族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-カルボニル基は、C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0030】
「脂肪族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-カルボニルオキシ基は、OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0031】
「脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシ基(C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシ基は、O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0032】
「脂肪族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシカルボニル基(C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシカルボニル基は、C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【0033】
「アルキル-アリール」、「アルケニル-アリール」、および「アルキニル-アリール」とは、本明細書で定義されるアリール基を介して親分子基にカップリング(または結合)されるか、またはカップリング(または結合)することができる、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を意味する。アルキル-アリール基、アルケニル-アリール基、および/またはアルキニル-アリール基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルキル-アリール基、アルケニル-アリール基、および/またはアルキニル-アリール基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルキル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルキル-アリール)のもの、ならびに1~6個の炭素を有するアルキル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C1-6アルキル-C4-18アリール)を有するものである。例示的な非置換アルケニル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルケニル-アリール)のもの、ならびに2~6個の炭素を有するアルケニル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C2-6アルケニル-C4-18アリール)を有するものである。例示的な非置換アルキニル-アリール基は、7~16個の炭素(C7-16アルキニル-アリール)のもの、ならびに2~6個の炭素を有するアルキニル基および4~18個の炭素を有するアリール基(すなわち、C2-6アルキニル-C4-18アリール)を有するものである。いくつかの実施形態では、アルキル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。いくつかの実施形態では、アルケニル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルケニル基である。いくつかの実施形態では、アルキニル-アリール基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアリール基またはアリーレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアルキニル基である。
【0034】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子~50個の炭素原子(C2-50)、例えば2~25個の炭素原子(C2-25)、または2~10個の炭素原子(C2-10)、および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する不飽和一価炭化水素を意味し、不飽和一価炭化水素は、親アルケンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルケニル基は、分岐、直鎖、環状(例えば、シクロアルケニル)、シス、またはトランス(例えば、EまたはZ)であり得る。例示的なアルケニルには、1つまたは複数の二重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基が挙げられる。アルケニル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。アルケニル基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルケニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。非限定的なアルケニル基には、アリル(All)、ビニル(VI)、1-ブテニル、2-ブテニルなどが挙げられる。
【0035】
「アルコキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換された脂肪族基である。例示的なアルコキシ基には、限定はしないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、トリハロアルコキシ、例えばトリフルオロメトキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルコキシ基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルコキシ基には、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルコキシ基が挙げられる。
【0036】
「アルコキシアルキル」とは、本明細書で定義されるアルコキシ基で置換される、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的な非置換アルコキシアルキル基には、2~12個の炭素(C2-12アルコキシアルキル)、ならびに1~6個の炭素を有するアルキル基および1~6個の炭素を有するアルコキシ基(すなわち、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル)を有するものが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルコキシアルキル基は、-L-O-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0037】
「アルコキシカルボニル」とは、-C(O)-ORを意味し、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。特定の実施形態では、アルコキシカルボニル基は、-C(O)-OAkであり、Akは、本明細書で定義されるアルキル基である。アルコキシカルボニル基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルコキシカルボニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アルコキシカルボニル基には、C2-3、C2-6、C2-7、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0038】
「アルキル」とは、少なくとも1個の炭素原子~50個の炭素原子(C1-50)、例えば1~25個の炭素原子(C1-25)、または1~10個の炭素原子(C1-10)を有する飽和一価炭化水素を意味し、飽和一価炭化水素は、親化合物(例えば、アルカン)の1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルキル基は、分岐、直鎖、または環状(例えば、シクロアルキル)であり得る。例示的なアルキルには、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、iso-プロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、iso-ブチル(iBu)、sec-ブチル(sBu)、tert-ブチル(tBu)、ペンチル(Pe)、n-ペンチル(nPe)、イソペンチル(iPe)、s-ペンチル(sPe)、ネオペンチル(neoPe)、tert-ペンチル(tPe)、ヘキシル(Hx)、ヘプチル(Hp)、オクチル(Oc)、ノニル(Nn)、デシル(De)、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど、1~24個の炭素原子の分岐または非分岐の飽和炭化水素基が挙げられる。アルキル基はまた、置換または非置換であり得る。アルキル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。例えば、アルキル基は、以下からなる群から独立して選択される1、2、3個、または2個以上の炭素のアルキル基の場合には4個の置換基で置換することができる:(1)C1-6アルコキシ(例えば、-O-R、Rは、C1-6アルキルである)、(2)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(3)C1-6アルキルスルホニル(例えば、-SO2-R、Rは、C1-6アルキルである)、(4)アミノ(例えば、-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる)、(5)アリール、(6)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、アリールである)、(7)アリーロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、アリールである)、(8)アジド(例えば、-N3)、(9)シアノ(例えば、-CN)、(10)アルデヒド(例えば、-C(O)H)、(11)C3-8シクロアルキル、(12)ハロ、(13)ヘテロシクリル(例えば、本明細書で定義される、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6、または7員環など)、(14)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(15)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(16)ヒドロキシル(例えば、-OH)、(17)N-保護アミノ、(18)ニトロ(例えば、-NO2)、(19)オキソ(例えば、=O)、(20)C1-6チオアルコキシ(例えば、-S-R、Rは、アルキルである)、(21)チオール(例えば、-SH)、(22)-CO2R1、R1は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(23)-C(O)NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(24)-SO2R1、R1は、(a)C1-6アルキル、(b)C4-18アリール、および(c)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(25)-SO2NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18である)からなる群から選択される、ならびに(26)-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1-6アルキル、(d)C2-6アルケニル、(e)C2-6アルキニル、(f)C4-18アリール、(g)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18である)、(h)C3-8シクロアルキル、および(i)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)からなる群から選択され、一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して窒素原子に結合する基は2つも存在しない。アルキル基は、1つまたは複数の置換基(例えば、1つまたは複数のハロまたはアルコキシ)で置換された第一級、第二級、または第三級アルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、非置換アルキル基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、またはC1-24アルキル基である。
【0039】
「アルキレン」、「アルケニレン」、または「アルキニレン」とは、それぞれ本明細書で説明されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキレン基は、C1-3、C1-6、C1-12、C1-16、C1-18、C1-20、C1-24、C2-3、C2-6、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルキレン基である。他の実施形態では、アルキレン基は、C2-3、C2-6、C2-12、C2-16、C2-18、C2-20、またはC2-24アルケニレン基またはアルキニレン基である。アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基は、分岐または非分岐であり得る。アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0040】
「アルキルスルフィニル」とは、-S(O)-基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルフィニル基は、C1-6またはC1-12アルキルスルフィニル基である。他の実施形態では、アルキルスルフィニル基は、-S(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0041】
「アルキルスルフィニルアルキル」とは、アルキルスルフィニル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルフィニルアルキル基は、C2-12またはC2-24アルキルスルフィニルアルキル基(例えば、C1-6アルキルスルフィニル-C1-6アルキルまたはC1-12アルキルスルフィニル-C1-12アルキル)である。他の実施形態では、アルキルスルフィニルアルキル基は、-L-S(O)-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0042】
「アルキルスルホニル」とは、-SO2-基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルホニル基は、C1-6またはC1-12アルキルスルホニル基である。他の実施形態では、アルキルスルホニル基は、-SO2-Rであり、Rは、任意選択で置換されたアルキル(例えば、本明細書で説明される、任意選択で置換されたC1-12アルキル、ハロアルキル、またはパーフルオロアルキルを含む)である。
【0043】
「アルキルスルホニルアルキル」とは、アルキルスルホニル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アルキルスルホニルアルキル基は、C2-12またはC2-24アルキルスルホニルアルキル基(例えば、C1-6アルキルスルホニル-C1-6アルキルまたはC1-12アルキルスルホニル-C1-12アルキル)である。他の実施形態では、アルキルスルホニルアルキル基は、-L-SO2-Rであり、LおよびRの各々は、独立して、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0044】
「アルキニル」とは、少なくとも2個の炭素原子~50個の炭素原子(C2-50)、例えば2~25個の炭素原子(C2-25)、または2~10個の炭素原子(C2-10)、および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する不飽和一価炭化水素を意味し、不飽和一価炭化水素は、親アルキンの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから得ることができる。アルキニル基は、分岐、直鎖、または環状(例えば、シクロアルキニル)であり得る。例示的なアルキニルには、1つまたは複数の三重結合を有する任意選択で置換されたC2-24アルキル基が挙げられる。アルキニル基は、環状または非環状とすることができ、エチニル、1-プロピニルなどによって例示される。アルキニル基は、親分子基への適切な結合、または親分子基と別の置換基との間に適切な結合を形成するために1つまたは複数の水素を除去することによって、一価または多価(例えば、二価)になり得る。アルキニル基は、置換または非置換であり得る。例えば、アルキニル基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0045】
「周囲温度」とは、16℃~26℃、例えば19℃~25℃または20℃~25℃の範囲の温度を意味する。
【0046】
「アミド」とは、-C(O)NR1R2または-NHCOR1を意味し、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0047】
「アミノ」とは、-NR1R2を意味し、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。特定の実施形態では、R1およびR2の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。特定の実施形態では、R1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0048】
「アミノアルキル」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、アミノアルキル基は、-L-NR1R2であり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、または芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。他の実施形態では、アミノアルキル基は、-L-C(NR1R2)(R3)-R4であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、または芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができ、R3およびR4の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0049】
「アミノオキシ」とは、本明細書で定義されるアミノ基によって置換された、本明細書で定義されるオキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、アミノオキシ基は、-O-NR1R2であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。特定の実施形態では、R1およびR2の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。
【0050】
「芳香族」とは、別段の指定がない限り、単環(例えば、フェニル)、または少なくとも1つの環が芳香族(例えば、ナフチル、インドリル、またはピラゾロピリジニル)である複数の縮合環を有する環状の共役基または5~15個の環原子の部分を意味し、すなわち、少なくとも1つの環、および任意選択で複数の縮合環は、連続的な非局在化π電子系を有する。典型的には、面外π電子の数は、ヒュッケル則(4n+2)に対応する。親構造への結合点は、典型的には、縮合環系の芳香族部分を介する。芳香族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、芳香族基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0051】
「芳香族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0052】
「芳香族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0053】
「芳香族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0054】
「芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-カルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【0055】
「アリール」とは、単環または複数の縮合環を有する、少なくとも5個の炭素原子~15個の炭素原子(C5-15)、例えば5~10個の炭素原子(C5-10)を含む芳香族炭素環式基を意味し、その縮合環は、本明細書に開示される化合物の残りの位置への結合点が芳香族炭素環基の原子を介する場合、芳香族であってもなくてもよい。アリール基は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、他の官能基、またはそれらの任意の組み合わせなど、水素以外の1つまたは複数の基で任意選択で置換されてもよい。例示的なアリール基には、限定はしないが、ベンジル、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼンなどが挙げられる。アリールという用語は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を含む基として定義されるヘテロアリールも含む。ヘテロ原子の例には、限定はしないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが挙げられる。同様に、アリールという用語にも含まれる非ヘテロアリールという用語は、ヘテロ原子を含まない芳香族基を含む基を定義する。アリール基は、置換または非置換であり得る。アリール基は、以下からなる群から独立して選択される1、2、3、4、または5個の置換基で置換することができる:(1)C1-6アルカノイル(例えば、-C(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(2)C1-6アルキル、(3)C1-6アルコキシ(例えば、-O-R、Rは、C1-6アルキルである)、(4)C1-6アルコキシ-C1-6アルキル(例えば-L-O-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(5)C1-6アルキルスルフィニル(例えば、-S(O)-R、Rは、C1-6アルキルである)、(6)C1-6アルキルスルフィニル-C1-6アルキル(例えば-L-S(O)-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(7)C1-6アルキルスルホニル(例えば、-SO2-R、Rは、C1-6アルキルである)、(8)C1-6アルキルスルホニル-C1-6アルキル(例えば、-L-SO2-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(9)アリール、(10)アミノ(例えば、-NR1R2、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる)、(11)C1-6アミノアルキル(例えば、-L1-NR1R2または-L2-C(NR1R2)(R3)-R4、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはC1-6アルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができ、R3およびR4の各々は、独立して、HまたはC1-6アルキルである)、(12)ヘテロアリール、(13)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)、(14)アリーロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、アリールである)、(15)アジド(例えば、-N3)、(16)シアノ(例えば、-CN)、(17)C1-6アジドアルキル(例えば、-L-N3、Lは、C1-6アルキルである)、(18)アルデヒド(例えば、-C(O)H)、(19)アルデヒド-C1-6アルキル(例えば、-L-C(O)H、Lは、C1-6アルキルである)、(20)C3-8シクロアルキル、(21)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)、(22)ハロ、(23)C1-6ハロアルキル(例えば、-L1-Xまたは-L2-C(X)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはC1-6アルキルであり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R1およびR2の各々は、独立して、HまたはC1-6アルキルである)、(24)ヘテロシクリル(例えば、本明細書で定義される、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子を含む5、6、または7員環など)、(25)ヘテロシクリルオキシ(例えば、-O-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(26)ヘテロシクリロイル(例えば、-C(O)-R、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリルである)、(27)ヒドロキシル(-OH)、(28)C1-6ヒドロキシアルキル(例えば、-L1-OHまたは-L2-C(OH)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはアルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはC1-6アルキルである)、(29)ニトロ、(30)C1-6ニトロアルキル(例えば、-L1-NOまたは-L2-C(NO)(R1)-R2、L1は、C1-6アルキルであり、L2は、共有結合またはアルキルであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはC1-6アルキルである)、(31)N-保護アミノ、(32)N-保護アミノ-C1-6アルキル、(33)オキソ(例えば、=O)、(34)C1-6チオアルコキシ(例えば、-S-R、Rは、C1-6アルキルである)、(35)チオ-C1-6アルコキシ-C1-6アルキル(例えば、-L-S-R、LおよびRの各々は、独立して、C1-6アルキルである)、(36)-(CH2)rCO2R1、rは、0~4の整数であり、R1は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(37)-(CH2)rCONR1R2、rは、0~4の整数であり、各R1およびR2は、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から独立して選択される、(38)-(CH2)rSO2R1、rは、0~4の整数であり、R1は、(a)C1-6アルキル、(b)C4-18アリール、および(c)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択される、(39)-(CH2)rSO2NR1R2、rは、0~4の整数であり、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)C1-6アルキル、(c)C4-18アリール、および(d)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)からなる群から選択され、(40)-(CH2)rNR1R2、rは、0~4の整数であり、R1およびR2の各々は、独立して、(a)水素、(b)N-保護基、(c)C1-6アルキル、(d)C2-6アルケニル、(e)C2-6アルキニル、(f)C4-18アリール、(g)C4-18アリール-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C4-18アリールである)、(h)C3-8シクロアルキル、および(i)C3-8シクロアルキル-C1-6アルキル(例えば、-L-R、Lは、C1-6アルキルであり、Rは、C3-8シクロアルキルである)からなる群から選択され、一実施形態では、カルボニル基またはスルホニル基を介して窒素原子に結合する基は2つも存在しない、(41)チオール(例えば、-SH)、(42)パーフルオロアルキル(例えば、-(CF2)nCF3、nは、0~10の整数である)、(43)パーフルオロアルコキシ(例えば、-O-(CF2)nCF3、nは、0~10の整数である)、(44)アリールオキシ(例えば、-O-R、Rは、アリールである)、(45)シクロアルコキシ(例えば、-O-R、Rは、シクロアルキルである)、(46)シクロアルキルアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、シクロアルキルである)、ならびに(47)アリールアルコキシ(例えば、-O-L-R、Lは、アルキルであり、Rは、アリールである)。特定の実施形態では、非置換アリール基は、C4-18、C4-14、C4-12、C4-10、C6-18、C6-14、C6-12、またはC6-10アリール基である。
【0056】
「アリール-アルキル」、「アリール-アルケニル」、および「アリール-アルキニル」とは、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基を介して親分子基にカップリング(または結合)されるか、またはカップリング(または結合)することができる、本明細書で定義されるアリール基を意味する。アリール-アルキル基、アリール-アルケニル基、および/またはアリール-アルキニル基は、置換または非置換であり得る。例えば、アリール-アルキル基、アリール-アルケニル基、および/またはアリール-アルキニル基は、アリールおよび/またはアルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。例示的な非置換アリール-アルキル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルキル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および1~6個の炭素を有するアルキル基(すなわち、C4-18アリール-C1-6アルキル)を有するものである。例示的な非置換アリール-アルケニル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルケニル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および2~6個の炭素を有するアルケニル基(すなわち、C4-18アリール-C2-6アルケニル)を有するものである。例示的な非置換アリール-アルキニル基は、7~16個の炭素(C7-16アリール-アルキニル)のもの、ならびに4~18個の炭素を有するアリール基および2~6個の炭素を有するアルキニル基(すなわち、C4-18アリール-C2-6アルキニル)を有するものである。いくつかの実施形態では、アリール-アルキル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基またはアルキレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。いくつかの実施形態では、アリール-アルケニル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルケニル基またはアルケニレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。いくつかの実施形態では、アリール-アルキニル基は、-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキニル基またはアルキニレン基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0057】
「アリーレン」とは、本明細書で説明されるアリール基の多価(例えば、二価)形態を意味する。例示的なアリーレン基には、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、トリフェニレン、ジフェニルエーテル、アセナフテニレン、アントリレン、またはフェナントリレンが挙げられる。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、C4-18、C4-14、C4-12、C4-10、C6-18、C6-14、C6-12、またはC6-10アリーレン基である。アリーレン基は、分岐または非分岐であり得る。アリーレン基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アリーレン基は、アリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0058】
「アリールアルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリール-アルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、アリールアルコキシ基は、-O-L-Rであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0059】
「アリールオキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換されたアリール基である。いくつかの実施形態では、非置換アリールオキシ基は、C4-18またはC6-18アリールオキシ基である。他の実施形態では、Rは、アルキル、アルカノイル、アミノ、ヒドロキシルなどで任意選択で置換されたアリール基である。
【0060】
「アリールオキシカルボニル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリールオキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリールオキシカルボニル基は、C5-19アリールオキシカルボニル基である。他の実施形態では、アリールオキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0061】
「アリーロイル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合しているアリール基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリーロイル基は、C7-11アリーロイルまたはC5-19アリーロイル基である。他の実施形態では、アリーロイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0062】
「アリーロイルオキシ」とは、オキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアリーロイル基を意味する。いくつかの実施形態では、非置換アリーロイルオキシ基は、C5-19アリーロイルオキシ基である。他の実施形態では、アリーロイルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアリール基である。
【0063】
「アジド」とは、-N3基を意味する。
【0064】
「アジドアルキル」とは、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子基に結合したアジド基を意味する。いくつかの実施形態では、アジドアルキル基は、-L-N3であり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0065】
「アゾ」とは、-N=N-基を意味する。
【0066】
「カルバモイル」とは、本明細書で定義されるカルボニル基を介して親分子基に結合したアミノ基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルは、-C(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0067】
「カルバモイルオキシ」とは、本明細書で定義されるnオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるカルバモイル基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルは、-OC(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【0068】
「カルボンイミドイル」とは、-C(NR)-基を意味する。いくつかの実施形態では、Rは、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0069】
「カルボニル」とは、-C(O)-基を意味し、>C=Oとして表すこともできる。
【0070】
「カルボキシル」とは、-CO2H基またはその陰イオンを意味する。
【0071】
「触媒」とは、当業者によって容易に理解されるように、合成反応を触媒することが可能な、通常は反応剤に対して少量で存在する化合物を意味する。いくつかの実施形態では、触媒は、遷移金属配位錯体を含んでもよい。
【0072】
「シアナト」とは、-OCN基を意味する。
【0073】
「シアノ」とは、-CN基を意味する。
【0074】
「脂環式」とは、環状である、本明細書で定義される脂肪族基を意味する。
【0075】
「シクロアルコキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるシクロアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、シクロアルコキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるシクロアルキル基である。
【0076】
「シクロアルキルアルコキシ」とは、-O-L-R基を意味し、Lは、本明細書で定義されるアルキル基またはアルキレン基であり、Rは、本明細書で定義されるシクロアルキル基である。
【0077】
「シクロアルキル」とは、特に明記しない限り、3~8個の炭素の一価の飽和または不飽和非芳香族環状炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.ヘプチル]などによって例示される。シクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。例えば、シクロアルキル基は、アルキルについて本明細書で説明されるものを含む1つまたは複数の基で置換することができる。さらに、シクロアルキルは、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含み得る。
【0078】
「シクロヘテロ脂肪族」とは、環状である、本明細書で定義されるヘテロ脂肪族基を意味する。
【0079】
「ジシラニル」とは、Si-Si結合を含む基を意味する。いくつかの実施形態では、ジシラニル基は、-SiRS1RS2-SiRS3RS4RS5または-SiRS1RS2-SiRS3RS4-基であり、RS1、RS2、RS3、RS4、およびRS5の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。
【0080】
「ジスルフィド」とは、-SSRを意味し、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0081】
「電子供与基」とは、共鳴などによって、その電子密度の少なくとも一部を電子供与基が直接結合している環に供与することが可能な官能基を意味する。
【0082】
「電子吸引基」とは、誘導電子吸引などによって、電子吸引基が直接結合している環から電子密度を受け取ることが可能な官能基を意味する。
【0083】
「ハロ」とは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0084】
「ハロ脂肪族」とは、本明細書で定義される脂肪族基を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。
【0085】
「ハロアルキル」とは、本明細書で定義されるアルキル基を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。独立した実施形態では、ハロアルキルは、-CX3基とすることができ、各Xは、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードから選択することができる。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、-L-Xであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基であり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードである。他の実施形態では、ハロアルキル基は、-L-C(X)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、Xは、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードであり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0086】
「ハロヘテロ脂肪族」とは、本明細書で定義されるヘテロ脂肪族を意味し、1~10個の水素原子などの1つまたは複数の水素原子は、独立して、フルオロ、ブロモ、クロロ、またはヨードなどのハロゲン原子で置き換えられる。
【0087】
「ヘテロ脂肪族」とは、本明細書で定義される脂肪族基を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。ヘテロ脂肪族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、ヘテロ脂肪族基は、アルキルについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0088】
「ヘテロ脂肪族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0089】
「ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0090】
「ヘテロ脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシ基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0091】
「ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【0092】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」とは、それぞれ本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基(分岐、直鎖、または環状であり得る)を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。
【0093】
「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」、および「ヘテロアルキニレン」とは、それぞれ本明細書で説明されるヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、またはヘテロアルキニル基の多価(例えば、二価)形態を意味する。
【0094】
「ヘテロ芳香族」とは、本明細書で定義される芳香族基を意味し、少なくとも1個のヘテロ原子~20個のヘテロ原子、例えば1~15個のヘテロ原子、または1~5個のヘテロ原子を含み、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および群内のそれらの酸化形態から選択することができる。ヘテロ芳香族基は、非置換であるか、または例えば、本明細書で説明される官能基によって置換される。例えば、ヘテロ芳香族基は、アルキルおよび/またはアリールについて本明細書で説明される1つまたは複数の置換基で置換することができる。
【0095】
「ヘテロ芳香族-カルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、カルボニル基(-C(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0096】
「ヘテロ芳香族-カルボニルオキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、カルボニルオキシ基(-OC(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニルオキシ基は、-OC(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0097】
「ヘテロ芳香族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、オキシ基(-O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0098】
「ヘテロ芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-カルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【0099】
「ヘテロアリール」とは、少なくとも1個のヘテロ原子~6個のヘテロ原子、例えば1~4個のヘテロ原子を含むアリール基を意味し、これらは、限定はしないが、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、リン、および環内のそれらの酸化形態から選択することができる。そのようなヘテロアリール基は、単環または複数の縮合環を有することができ、縮合環は、結合点が芳香族ヘテロアリール基の原子を介する場合、芳香族であってもなくてもよく、かつ/またはヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロアリール基は、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、他の官能基、またはそれらの任意の組み合わせなど、水素以外の1つまたは複数の基で置換されてもよい。例示的なヘテロアリールには、芳香族である、すなわち、単環式または多環式環系内に4n+2個のπ電子を含む、本明細書で定義されるヘテロシクリル基のサブセットが挙げられる。
【0100】
「ヘテロアリーレン」とは、本明細書で説明されるヘテロアリール基の多価(例えば、二価)形態を意味する。
【0101】
「ヘテロ原子」とは、炭素以外の原子、例えば酸素、窒素、硫黄、ケイ素、ホウ素、セレン、またはリンを意味する。原子価の制約が許されない場合などの特定の開示された実施形態では、ヘテロ原子は、ハロゲン原子を含まない。
【0102】
「ヘテロシクリル」とは、別段の指定がない限り、1、2、3、または4個の非炭素ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン、硫黄、またはハロからなる群から独立して選択される)を含む5、6、または7員環を意味する。5員環は、0~2個の二重結合を有し、6員環および7員環は、0~3個の二重結合を有する。「ヘテロシクリル」という用語はまた、二環式、三環式、および四環式の基を含み、上記のヘテロ環のいずれかは、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、およびインドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの別の単環式ヘテロ環からなる群から独立して選択される1つ、2つ、または3つの環に縮合している。ヘテロ環には、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、チアニル、チエパニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ホモピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリドニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソインダゾイル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ウリシル、チアジアゾリル、ピリミジル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジチアゾリル、ジオキサニル、ジオキシニル、ジチアニル、トリチアニル、オキサジニル、チアジニル、オキソチオラニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルなどが挙げられる。
【0103】
「ヘテロシクリルオキシ」とは、酸素原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルオキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリル基である。
【0104】
「ヘテロシクリロイル」とは、カルボニル基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリロイル基は、-C(O)-Rであり、Rは、本明細書で定義されるヘテロシクリル基である。
【0105】
「ヒドラジノ」とは、-NR1-NR2R3を意味し、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1とR2の組み合わせ、またはR2とR3の組み合わせは、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。いくつかの実施形態では、R1、R2、またはR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。特定の実施形態では、R2およびR3は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0106】
「ヒドロキシル」とは、-OHを意味する。
【0107】
「ヒドロキシアルキル」とは、1~3個のヒドロキシル基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味するが、1個以下のヒドロキシル基がアルキル基の単一の炭素原子に結合され得るという条件付きであり、この基はヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピルなどによって例示される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキル基は、-L-OHであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。他の実施形態では、ヒドロキシアルキル基は、-L-C(OH)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0108】
「イミドイル」とは、カルボンイミドイル基を含む部分を意味する。いくつかの実施形態では、イミドイル基は、C(NR1)R2であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。他の実施形態では、イミドイル基は、-C(NR1)H、-C(NR1)RAk、または-C(NRN1)RArであり、R1は、水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたシリルオキシであり、RAkは、任意選択で置換されたアルキルまたは任意選択で置換された脂肪族であり、RArは、任意選択で置換されたアリールまたは任意選択で置換された芳香族である。
【0109】
「イミノ」とは、-NR-基を意味する。いくつかの実施形態では、Rは、水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族から選択される。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0110】
「イソシアナト」とは、-NCO基を意味する。
【0111】
「イソシアノ」とは、-NC基を意味する。
【0112】
「ケトン」とは、-C(O)Rまたはそのような基を含む化合物を意味し、Rは、本明細書で定義される脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。ケトンの一例には、R1C(O)Rが挙げられ、RおよびR1の各々は、独立して、本明細書で定義される脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、脂肪族-芳香族、ヘテロ脂肪族-芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0113】
「ニトロ」とは、-NO2基を意味する。
【0114】
「ニトロアルキル」とは、1~3個のニトロ基によって置換された、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、ニトロアルキル基は、-L-NOであり、Lは、本明細書で定義されるアルキル基である。他の実施形態では、ニトロアルキル基は、-L-C(NO)(R1)-R2であり、Lは、本明細書で定義される共有結合またはアルキル基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義されるHまたはアルキルである。
【0115】
「オキソ」とは、=O基を意味する。
【0116】
「オキシ」とは、-O-を意味する。
【0117】
「パーフルオロアルキル」とは、フッ素原子で置換された各水素原子を有する、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的なパーフルオロアルキル基には、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、パーフルオロアルキル基は、-(CF2)nCF3であり、nは、0~10の整数である。
【0118】
「パーフルオロアルコキシ」は、フッ素原子で置換された各水素原子を有する、本明細書で定義されるアルコキシ基を意味する。いくつかの実施形態では、パーフルオロアルコキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義されるパーフルオロアルキル基である。
【0119】
「塩」とは、電気的に中性の化合物または構造を形成するカチオンまたはアニオン化合物を含む、化合物または構造(例えば、本明細書に記載の任意の式、化合物、または組成)のイオン形態を意味する。塩は、当技術分野で周知である。例えば、非毒性塩は、Berge S M et al.,“Pharmaceutical salts,”J.Pharm.Sci.1977 January;66(1):1-19、および“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,”Wiley-VCH,April 2011(2nd rev.ed.,eds.P.H.Stahl and C.G.Wermuthに記載されている。塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製中にin-situで、または遊離塩基基を適切な有機酸と反応させることによって(それによってアニオン塩を生成する)、または酸基を適切な金属もしくは有機塩と反応させることによって(それによってカチオン塩を生成する)、別々に調製することができる。代表的なアニオン塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二塩酸塩、二リン酸塩、ドデシル硫酸塩、エデト酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスル酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、硫酸ラウリル、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオフィリン酸塩、チオシアン酸塩、トリエチオジド、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なカチオン塩には、金属塩、例えばアルカリまたはアルカリ土類塩、例えば、バリウム、カルシウム(例えば、エデト酸カルシウム)、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど;他の金属塩、例えばアルミニウム、ビスマス、鉄、および亜鉛;ならびに、限定はしないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ピリジニウムなどを含む、非毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミノカチオンが挙げられる。他のカチオン塩には、クロロプロカイン、コリン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メチルグルカミン、およびプロカインなどの有機塩が挙げられる。さらに他の塩には、アンモニウム、スルホニウム、スルホキソニウム、ホスホニウム、イミニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、アミジニウム、グアニジニウム、ホスファジニウム、ホスファゼニウム、ピリジニウムなど、ならびに本明細書に記載の他のカチオン基(例えば、任意選択で置換されたイソキサゾリウム、任意選択で置換されたオキサゾリウム、任意選択で置換されたチアゾリウム、任意選択で置換されたピロリウム、任意選択で置換されたフラニウム、任意選択で置換されたチオフェニウム、任意選択で置換されたイミダゾリウム、任意選択で置換されたピラゾリウム、任意選択で置換されたイソチアゾリウム、任意選択で置換されたトリアゾリウム、任意選択で置換されたテトラゾリウム、任意選択で置換されたフラザニウム、任意選択で置換されたピリジニウム、任意選択で置換されたピリミジニウム、任意選択で置換されたピラジニウム、任意選択で置換されたトリアジニウム、任意選択で置換されたテトラジニウム、任意選択で置換されたピリダジニウム、任意選択で置換されたオキサジニウム、任意選択で置換されたピロリジニウム、任意選択で置換されたピラゾリジニウム、任意選択で置換されたイミダゾリニウム、任意選択で置換されたイソキサゾリジニウム、任意選択で置換されたオキサゾリジニウム、任意選択で置換されたピペラジニウム、任意選択で置換されたピペリジニウム、任意選択で置換されたモルホリニウム、任意選択で置換されたアゼパニウム、任意選択で置換されたアゼピニウム、任意選択で置換されたインドリウム、任意選択で置換されたイソインドリウム、任意選択で置換されたインドリジニウム、任意選択で置換されたインダゾリウム、任意選択で置換されたベンズイミダゾリウム、任意選択で置換されたイソキノリニウム、任意選択で置換されたキノリジニウム、任意選択で置換されたデヒドロキノリジニウム、任意選択で置換されたキノリニウム、任意選択で置換されたイソインドリニウム、任意選択で置換されたベンズイミダゾリニウム、および任意選択で置換されたプリニウム)が挙げられる。
【0120】
「シリル」とは、-SiR1R2R3または-SiR1R2-基を意味する。いくつかの実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。特定の実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたアミノである。他の実施形態では、シリル基は、-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0121】
「シリルオキシ」とは、-ORを意味し、Rは、本明細書で説明される任意選択で置換されたシリル基である。いくつかの実施形態では、シリルオキシ基は、-O-SiR1R2R3であり、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。特定の実施形態では、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、または任意選択で置換されたアミノである。他の実施形態では、シリルオキシ基は、-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0122】
「スルフィニル」とは、-S(O)-基を意味する。
【0123】
「スルホ」とは、-S(O)2OH基を意味する。
【0124】
「スルホニル」または「スルホン酸塩」とは、-S(O)2-基または-SO2Rを意味し、Rは、本明細書で定義される水素、脂肪族、ヘテロ脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、芳香族、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0125】
「チオアルキル」とは、硫黄原子を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。例示的な非置換チオアルキル基には、C1-6チオアルキルが挙げられる。いくつかの実施形態において、チオアルキル基は、-S-Rであり、Rは、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0126】
「チオール」とは、-SH基を意味する。
【0127】
当業者は、上記の定義が許容できない置換パターン(例えば、5つの異なる基で置換されたメチルなど)を含むことを意図していないことを認識するであろう。そのような許容できない置換パターンは、当業者によって容易に認識される。本明細書に開示され、かつ/または上で定義されたあらゆる官能基は、別段の指示がない限り、置換または非置換であり得る。
【0128】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、列挙された値の±10%を意味する。本明細書で使用される場合、この用語は、列挙された値、値の範囲、または1つまたは複数の範囲の終点を修飾する。
【0129】
本明細書で使用される場合、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「上方」、および「下方」という用語は、構造間の相対的な関係を提供するために使用される。これらの用語の使用は、特定の構造が装置内の特定の場所に位置されなければならないことを示したり要求したりするものではない。
【0130】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【
図1A】
図1Aは、特定の開示された実施形態による方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
【
図1B】
図1Bは、特定の開示された実施形態による方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
【
図1C】
図1Cは、特定の開示された実施形態による方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
【
図1D】
図1Dは、特定の開示された実施形態による方法についての動作を図示するプロセスフロー図である。
【0132】
【
図2A】
図2Aは、特定の開示された実施形態による方法におけるサイクルの例についてのタイミングシーケンス図である。
【
図2B】
図2Bは、特定の開示された実施形態による方法におけるサイクルの例についてのタイミングシーケンス図である。
【0133】
【
図3A】
図3Aは、プラズマ処理を含む第1のプロセス301およびプラズマ処理内での熱変換を含む第2のプロセス302を使用した堆積膜の非限定的な特性評価を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、プラズマ処理を含む第1のプロセス301およびプラズマ処理内での熱変換を含む第2のプロセス302を使用した堆積膜の非限定的な特性評価を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、プラズマ処理を含む第1のプロセス301およびプラズマ処理内での熱変換を含む第2のプロセス302を使用した堆積膜の非限定的な特性評価を示す図である。
【0134】
【
図4】
図4は、特定の開示された実施形態を実施するための例示的なプロセスチャンバ400の概略図である。
【0135】
【
図5】
図5は、特定の開示された実施形態を実施するための例示的なプロセスツール500の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0136】
半導体製作プロセスは、多くの場合、窒化ケイ素材料の堆積を伴う。一例では、窒化ケイ素は、半導体デバイス製作において、拡散バリア、ゲート絶縁体、側壁スペーサ、ライナ、トランジスタにおける歪み膜、エッチストップ層、およびカプセル化層として使用される場合がある。共形窒化ケイ素層がまた、他の用途にも使用され得る。例えば、窒化ケイ素は、メモリ構造の製作中に使用されてもよい。
【0137】
存在の開示は、窒化ケイ素膜を堆積するための方法に関する。特定の実施形態では、膜は、堆積層の熱変換およびその後のプラズマ処理を含む、ハイブリッドALDプロセスによって堆積される。堆積層は、炭素原子とケイ素原子の両方を含むことができ、熱変換は、窒素含有反応剤の存在下で行うことができる。プラズマ処理は、ソースガスの存在下で行うことができ、その中で窒素含有高エネルギー種が基板に送給される。
【0138】
特に、熱変換とプラズマ処理の組み合わせにより、共形膜が提供される。さらに、熱変換およびプラズマ処理動作は、所望の膜の厚さが得られるまでサイクルで行うことができる。一実施形態では、熱変換およびプラズマ処理は、すべてのサイクルで(例えば、すべてのALDサイクルで)行われる。機構に限定されることを望むものではないが、プラズマの使用は、表面を改質することができる高エネルギー種(例えば、ラジカル、イオン、中性種、準安定種など)を生成することができ、これによりプラズマ処理を行わない堆積プロセスよりも低い温度での共形膜堆積が可能になり得る。特定の実施形態では、熱変換中の窒素含有反応剤の使用は、プラズマ処理中の触媒として作用することができる。
【0139】
一実施形態では、熱変換により共形膜が得られ、プラズマ処理により膜内の炭素含有量を調節することが可能である。別の実施形態では、炭素含有量は、プラズマ処理を使用するのではなく、プロセス温度を変更して炭素含有量を調節することによって調節されてもよい。
【0140】
熱変換は、連続的な自己制限反応を使用して材料の薄層が堆積されるALD技法を含むことができる。典型的には、ALDサイクルは、少なくとも1つの反応剤を基板表面に送給して吸着させ、続いて吸着した反応剤を1つまたは複数の反応剤と反応させて膜の部分層を形成する動作を含む。一例として、窒化ケイ素堆積サイクルは、以下の動作を含むことが可能である:(i)ケイ素含有前駆体の送給/吸着、(ii)チャンバからのケイ素前駆体のパージ、(iii)窒素含有反応剤または窒素含有ガスの送給、および(iv)チャンバからの窒素含有反応剤のパージ。
【0141】
熱変換がプラズマ処理と共に用いられる場合、各サイクルは、ハイブリッドALDプロセスにおける両方の動作を含むことができる。一例として、窒化ケイ素堆積サイクルは、以下の動作を含むことが可能である:(i)ケイ素含有前駆体の送給/吸着、(ii)チャンバからのケイ素前駆体のパージ、(iii)窒素含有反応剤または窒素含有ガスの送給、(iv)チャンバからの窒素含有反応剤のパージ、(v)高エネルギー種(例えば、ラジカル種)の送給、および(vi)チャンバからの高エネルギー種のパージ。
【0142】
任意の高エネルギー種が、堆積またはプラズマ処理中に用いられ得る。本明細書で使用される場合、「高エネルギー種」は、堆積プロセス中に提供される1つまたは複数の成分と反応する任意の種を含むことができる。そのような構成要素には、前駆体、堆積層などが挙げられ得る。高エネルギー種の非限定的な例には、ラジカル、準安定種、イオン、中性種、プラズマ、光子、放射線、励起分子、励起原子、反応種、または本明細書に記載の他のものが挙げられる。1つの非限定的な実施形態では、準安定種は、約0.01~1eVのエネルギーを有する。別の非限定的な実施形態では、イオンは、約100~1000eVのエネルギーを有する。さらに別の非限定的な実施形態では、高エネルギー種は、約0.01~1000eVのエネルギーを有する。ラジカルおよび準安定種に関連する本明細書における任意の説明は、いくつかの非限定的な場合では、本明細書に記載の任意の高エネルギー種を包含し得る。
【0143】
化学気相堆積(CVD)技法とは異なり、ALDプロセスは、表面媒介堆積反応を使用して層ごとに膜を堆積する。ALDプロセスの一例では、表面活性部位の集合を含む基板表面は、基板を収容するように構成されたチャンバに提供される投与量で、ケイ素含有前駆体などの第1の前駆体の気相分布に曝露される。この第1の前駆体の分子は、第1の前駆体の化学吸着種および/または物理吸着分子を含め、基板表面上に吸着される。化合物が本明細書に記載のように基板表面上に吸着される場合、吸着層は、化合物ならびに化合物の誘導体を含み得ることを理解されたい。例えば、ケイ素含有前駆体の吸着層は、ケイ素含有前駆体ならびにケイ素含有前駆体の誘導体を含むことができる。第1の前駆体の投与後、チャンバを排気して気相に残っている第1の前駆体のほとんどまたはすべてを除去し、それにより吸着種の大部分または唯一が残るようにする。いくつかの実施態様では、チャンバは、完全に排気されない場合がある。例えば、気相中の第1の前駆体の分圧が反応を緩和するのに十分に低くなるように、チャンバを排気することが可能である。窒素含有反応剤などの第2の反応剤がチャンバに導入され、それによりこれらの分子の一部が表面上に吸着された第1の前駆体と反応する。いくつかのプロセスでは、第2の反応剤は、吸着した第1の前駆体と直ちに反応する。その後、チャンバを再び排気し、結合していない第2の反応剤分子を除去することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、チャンバは、完全に排気されなくてもよい。単一のサイクル内で、さらなる動作は、ラジカル種をチャンバに導入することを含むことができる。その後、チャンバを再び排気し、結合していないラジカル種を除去することができる。追加のALDサイクルを使用して、膜厚を構築してもよい。
【0144】
特定の実施形態では、ALDの第1の前駆体の投与量は、基板表面を部分的に飽和させる。いくつかの実施形態では、ALDサイクルの投与段階は、前駆体が基板に接触して表面を均一に飽和させる前に終了する。典型的には、前駆体の流れはこの時点で止められるか迂回され、パージガスのみが流れる。この亜飽和領域で動作することによって、ALDプロセスはサイクル時間を短縮し、スループットを増加させる。しかし、前駆体の吸着は飽和に制限されていないため、吸着した前駆体の濃度は基板表面全体にわたってわずかに変化する場合がある。亜飽和領域で動作するALDプロセスの例は、2013年10月23日に出願された「SUB-SATURATED ATOMIC LAYER DEPOSITION AND CONFORMAL FILM DEPOSITION」と題する米国特許出願第14/061,587号(現在の米国特許第9,355,839号)に提供されており、上記の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0145】
説明したように、いくつかの実施態様では、ALD法は、プラズマ活性化を含む。本明細書で説明されるように、本明細書に記載のALD方法および装置は、共形膜堆積(CFD)法であってもよく、これについては2011年4月11日に出願された「PLASMA ACTIVATED CONFORMAL FILM DEPOSITION」と題する米国特許出願第13/084,399号(現在の米国特許第8,728,956号)、および2011年4月11日に出願された「SILICON NITRIDE FILMS AND METHODS」と題する米国特許出願第13/084,305号(米国特許公開第2011/0256734号)に一般的に記載されており、上記の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0146】
ALD「サイクル」の概念は、本明細書における様々な実施形態の説明に関連する。一般に、サイクルは、1回だけ表面堆積反応を実施するために使用される最小セットの動作である。1サイクルの結果、基板表面上に少なくとも部分的な窒化ケイ素膜層が形成される。典型的には、ALDサイクルは、少なくとも1つの反応剤を基板表面に送給して吸着させ、続いて吸着した反応剤を1つまたは複数の反応剤と反応させて膜の部分層を形成する動作を含む。サイクルは、反応剤もしくは副生成物の1つをスイープすること、および/または堆積した部分膜を処理することなどの特定の補助動作を含み得る。
【0147】
本明細書では、本開示の特定の実施形態を詳細に参照する。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示は、これらの特定の実施形態と併せて説明されるが、本開示をそのような特定の実施形態に限定することを意図していないことが理解されるであろう。逆に、本開示の精神および範囲内に含まれ得る代替物、修正物、および均等物をカバーすることを意図している。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、本開示を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。
【0148】
ハイブリッドALD
本明細書の方法は、一般に、窒化ケイ素(SiN)膜、ドープSiN膜(例えば、炭素ドープSiN膜)、または炭窒化ケイ素(SiCN)を提供するハイブリッドALDプロセスに関する。特定の実施形態では、膜は、共形である。
【0149】
図1Aは、適切な厚さの膜を提供するためにn回繰り返すことができる、様々な曝露動作を有する非限定的な方法を示す。膜は、任意の有用な基板上に設けることができる。基板は、誘電体材料、導電性材料、または半導電性材料などの材料の1つまたは複数の層がその上に堆積されたウエハを含む、ケイ素ウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであってもよい。基板は、本明細書に記載のように高アスペクト比(HAR)構造などの構造を含むことができる。
【0150】
基板は、ビアまたはコンタクトホールなどの「フィーチャ」を有してもよく、これは、狭いおよび/またはリエントラント型の開口部、フィーチャ内の狭窄部、ならびに高アスペクト比のうちの1つまたは複数によって特徴付けることができる。フィーチャは、上述の層のうちの1つまたは複数に形成され得る。フィーチャの一例は、半導体基板または基板上の層における穴またはビアである。いくつかの実施形態では、フィーチャは、少なくとも約2:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1、少なくとも約10:1、またはそれ以上のアスペクト比を有する場合がある。フィーチャはまた、開口部付近の寸法、例えば、約10nm~500nm、例えば約25nm~約300nmの開口部直径または線幅を有してもよい。開示された方法は、約150nm未満の開口部を有するフィーチャを伴う基板上で実施され得る。フィーチャビアまたはトレンチは、未充填フィーチャまたは単にフィーチャと呼ばれることがある。フィーチャの底部、閉端、または内部からフィーチャ開口部に向かって狭くなるリエントラント型のプロファイルを有することができるフィーチャ。
【0151】
本明細書のいずれかの方法では、初期動作は、基板をプロセスチャンバに提供することを含むことができる。プロセスチャンバは、約10mTorr~約30Torr、または約1~3Torr、または約0.5~22Torrのチャンバ圧力に設定され得る。そのようなチャンバ圧力は、本明細書に記載の動作110~144全体を通じて使用することが可能である。
【0152】
基板は、約25℃~約900℃、または約500℃~約700℃の基板温度に加熱されてもよい。基板温度は、本明細書で使用される場合、基板を保持する台座が設定される温度を指し、いくつかの実施形態では、基板は、台座上の処理チャンバに提供されるとき、基板を処理する前に所望の基板温度に加熱され得ることが理解されるであろう。基板温度は、本明細書に記載の動作110~144全体を通じて同じであってもよい。あるいは、基板温度は、所望の炭素含有量を得るために修正(例えば、増加または減少)されてもよい。
【0153】
図1Aに戻ると、動作110において、基板は、有機ケイ素含有前駆体に曝露される。有機ケイ素含有前駆体は、基板の表面上に吸着する。動作110~144は、原子層堆積サイクルを構成することができる。本明細書に記載の実施形態は、有機ケイ素含有前駆体への曝露中または窒素含有反応剤への曝露中にプラズマが点火されないようなサイクルで実施される熱原子層堆積を伴い、その後プラズマは、任意選択で、そのような曝露ステップの後に点火することができる。
【0154】
動作110中に使用される有機ケイ素含有前駆体は、本明細書に記載のようにアミノシラン、イソシアナトシラン、アジドシラン、ヒドラジノシラン、シロキサンまたはその誘導体、混合シラン、シリルアミン、シラザンまたはその誘導体、混合アミン、環状シラザン、環状シロキサン、アミノシロキサンまたはその誘導体、シラノール、またはカルボニルオキシシランであってもよい。特定の実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、同じく本明細書に記載のように式(I)または(II)の構造を有する。様々な実施形態において、以下に説明する後続のパージ動作は、基板の表面から吸着された有機ケイ素含有前駆体を除去することが可能である。
【0155】
いくつかの実施形態では、基板の表面上への吸着により、基板の表面上に薄い炭素含有層およびケイ素含有層が形成され得る。薄層は単層未満であってもよく、約0.2Å~約3Å(例えば、約0.2~0.4Å)の厚さを有してもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、有機ケイ素含有前駆体は、約100sccm~約5000sccm(例えば、約100~2000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流される。前駆体は、任意の有用な期間(例えば、約0.1~10秒)および任意の有用な圧力(例えば、約1~25Torr)で流すことができる。
【0157】
動作110中、プッシュガスが流されてもよい。プッシュガスは、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、または本明細書に列挙された任意の他のものなどの不活性ガスであってもよい。プッシュガスは、プロセスチャンバの圧力および/もしくは温度制御、液体反応剤の蒸発、反応剤のより迅速な送給を支援するために、ならびに/またはプロセスチャンバおよび/もしくはプロセスチャンバ配管からプロセスガスを除去するためのスイープガスとして提供され得る。いくつかの実施形態では、プッシュガスは、約100sccm~約5000sccm(例えば、約500~2000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流される。有機ケイ素含有前駆体を伴うプッシュガスの流れにより、前駆体の希釈、ならびに動作中の圧力の安定が可能になり得る。
【0158】
動作140において、プロセスチャンバは、任意選択で、基板表面上に吸着しなかった有機ケイ素含有前駆体分子を除去するためにパージされる。
【0159】
チャンバをパージすることは、他の動作で使用されるキャリアガスであってもよいし、または異なるガスであってもよいパージガスまたはスイープガスを流すことを伴い得る。いくつかの実施形態では、パージは、チャンバを排気することを伴う場合がある。パージガスの例には、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、水素(H2)、ヘリウム(He)、酸素(O2)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ネオン(Ne)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。様々な実施形態において、パージガスは、不活性ガスである。パージガスは、1つまたは複数のガスを含むことができる。いくつかの実施形態では、動作140は、プロセスチャンバを排気するための1つまたは複数の排気サブ段階を含む場合がある。あるいは、いくつかの実施形態では動作140は省略されてもよいことが理解されよう。動作140は、約0秒~約60秒、例えば約0.01秒など、任意の適切な持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパージガスの流量を増加させると、動作140の持続時間が減少し得る。例えば、パージガス流量は、動作140の持続時間を修正するために、プロセスチャンバおよび/またはプロセスチャンバ配管の様々な反応剤の熱力学的特性および/または幾何学的特性に従って調整されてもよい。1つの非限定的な例では、パージ段階の持続時間は、パージガス流量を調節することによって調整され得る。これにより堆積サイクル時間が短縮され、基板のスループットを改善することが可能である。パージ後、有機ケイ素含有前駆体分子は、基板表面上に吸着されたままである。
【0160】
パージガスは、約1000sccm~約40000sccm(例えば、約100~2000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流すことができる。パージガスは、任意の有用な期間(例えば、約0.1~10秒)および任意の有用な圧力(例えば、約0.5~25Torr)で流すことができる。
【0161】
動作120において、基板は、プラズマなしで窒素含有反応剤ガスに曝露され、表面上に窒化ケイ素を形成する。様々な実施形態において、窒素含有反応剤は、窒素ガス(N2)である。いくつかの実施形態では、窒素含有反応剤は、アンモニア(NH3)またはその重水素化形態、例えば一重水素化アンモニア(NH2D)、二重水素化アンモニア(NHD2)、または三重水素化アンモニア(ND3)である。様々な実施形態において、窒素含有反応剤は、ヒドラジン系化合物、例えば、R1R2N-NR3R4であり、R1、R2、R3、およびR4の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、窒素含有反応剤は、アミン系化合物、例えば、NR1R2R3であり、R1、R2、およびR3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、または任意選択で置換された芳香族である。いくつかの実施形態では、ヒドラジン系化合物は、ヒドラジン(H2NNH2)、t-ブチルヒドラジン(H2NNHtBu)、またはテトラメチルヒドラジン(Me2NNMe2)である。これらの窒素含有反応剤の組み合わせもまた、用いることができる。
【0162】
窒素含有反応剤は、約1000sccm~約40000sccm(例えば、約2000~10000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流すことができる。窒素含有反応剤は、任意の有用な時間(例えば、約0.5~40秒)および任意の有用な圧力(例えば、約1~25Torr)で流すことができる。
【0163】
窒素含有反応剤ガスは、プッシュガスまたはキャリアガスと共に使用することができる。プッシュガスまたはキャリアガスは、本明細書に記載のような不活性ガスである。プッシュガスまたはキャリアガスは、約100sccm~約5000sccm(例えば、約500~2000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流すことができる。プッシュガスまたはキャリアガスは、任意の有用な期間(例えば、約0.5~40秒)および任意の有用な圧力(例えば、約1~25Torr)で流すことができる。
【0164】
さらに他の実施形態では、窒素含有反応剤は、還元ガスとの共流をさらに含むことができる。非限定的な還元ガスには、水素(H2)が挙げられ得る。1つの非限定的な場合では、動作120は、窒素含有反応剤(例えば、NH3またはN2)、還元ガス(例えば、H2)、および任意選択で不活性ガス(例えば、N2)を含む。還元ガスは、約0~約10000sccm(例えば、約0~5000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに流すことができる。還元ガスは、任意の有用な期間(例えば、約0.5~40秒)および任意の有用な圧力(例えば、約1~25Torr)で流すことができる。
【0165】
動作110および/または120中、半導体基板は、約300℃~約700℃の温度に設定された台座上に存在することができる。いくつかの実施形態では、半導体基板は、約10mTorr~約30Torrのチャンバ圧力に設定されたチャンバ内に存在する。様々な実施形態において、各熱原子層堆積サイクルはまた、半導体基板をケイ素含有前駆体に曝露することと半導体基板を窒素含有反応剤に曝露することとの間に、半導体基板を収容するチャンバをパージすることを含む。
【0166】
例えば、任意選択の動作142において、チャンバは、任意選択で、パージされて残留副生成物を除去する。動作142は、動作140に関して上述した条件のいずれかを使用して実施されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、チャンバは、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを流してチャンバから過剰な分子および/または残留副生成物をポンピングすることによってパージされる。
【0167】
動作130において、基板は、高エネルギー種(例えば、ラジカル種)に曝露される。様々な実施形態において、ラジカル種は、ソースガスから生成され、ソースガスは、窒素原子を含む。特定の実施形態では、ソースガスは、本明細書に記載のような窒素ガス(N2)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン系化合物、例えば、R1R2N-NR3R4、および/またはアミノ系化合物、例えば、NR1R2R3、ならびにこれらのいずれかの重水素化形態(例えば、一重水素化アンモニア(NH2D)、二重水素化アンモニア(NHD2)、または三重水素化アンモニア(ND3))である。さらに他の実施形態では、ソースガスは、還元ガスとの共流をさらに含むことができる。特定の実施形態では、ラジカル種は、NH*ラジカル種またはNR*ラジカル種であり、Rは、H、脂肪族、芳香族、ヘテロ脂肪族、またはヘテロ芳香族である。NH*ラジカル種は、NH3、N2/NH3、またはN2/H2プラズマなどの任意の有用な方式で生成することができる。プラズマ生成中、任意の有用なプロセス条件を修正することができ、その条件には、圧力、ガス比混合、およびプラズマ電力(例えば、電力が高いほどより高いラジカル流束を提供することができる)が挙げられ得る。
【0168】
他のラジカル種には、元素窒素ラジカル、アンモニアラジカル、およびアミンラジカルが挙げられ得る。アミンラジカルの例には、限定はしないが、メチルアミン、ジメチルアミン、およびアニリンのラジカルが挙げられる。いくつかの実施形態では、すべてまたは実質的にすべてのラジカルが基底状態にあり得、例えば、基板に隣接するラジカルの少なくとも約90%または95%が基底状態にある。いくつかの実施形態では、以下でさらに詳細に説明するように、ラジカル種は、リモートプラズマ源によって生成することができる。
【0169】
特定の実施形態では、ラジカル種は、N2とNH3の組み合わせ、またはN2とH2の組み合わせから形成されたプラズマで形成される。わかるように、窒素含有反応剤のみ、または窒素含有反応剤と還元ガス(例えば、水素またはH2など)の組み合わせを用いることによって、プラズマを形成することができる。さらに、不活性ガスを窒素含有反応剤と共に用いることも可能である。プラズマは、約0~約10000sccm(例えば、約0~5000sccm)の流量で基板を収容するチャンバに送給することができる。還元ガスは、任意の有用な期間(例えば、約0.5~40秒)および任意の有用な圧力(例えば、約0.5~25Torr)で流すことができる。
【0170】
一実施形態では、プラズマは、第1の窒素含有反応剤(例えば、約20~500sccmの流量を有する)、不活性ガス(例えば、約1000~40000sccmの流量を有する)、および還元ガス(例えば、約0~200sccmの流量を有する)の存在下で形成される。特定の実施形態では、プラズマは、NH3を含む第1の窒素含有反応剤(例えば、約50~250sccmの流量を有する)、N2を含む不活性ガス(例えば、約5000~25000sccmの流量を有する)、およびH2を含む還元ガス(例えば、約0~100sccmの流量を有する)の存在下で形成される。
【0171】
プラズマ電力は、300mmウエハの表面積当たり約75W~約12000Wであってもよい。プラズマは、遠隔で(リモートプラズマ発生器内などで)生成されてもよいし、基板を収容するチャンバ内で直接(すなわち、in situで)生成されてもよい。in situのプラズマは、約0.2122W/cm2~約2.122W/cm2の基板面積当たりの電力で点火され得る。例えば、4つの300mmウエハを処理するチャンバの場合、電力は約600W~約6000Wの範囲であってもよい。ALDプロセス用のプラズマは、2つの容量結合されたプレートを使用して高周波(RF)場をガスに印加することによって生成され得る。RF場によるプレート間のガスのイオン化によりプラズマが点火され、プラズマ放電領域内に自由電子が生成される。これらの電子はRF場によって加速され、気相反応剤分子と衝突する場合がある。これらの電子と反応剤分子の衝突により、堆積プロセスに関与するラジカル種が形成され得る。
【0172】
動作130中、RF場が任意の適切な電極を介して結合され得ることが理解されよう。電極の非限定的な例には、プロセスガス分配シャワーヘッドおよび基板支持台座が挙げられる。ALDプロセス用のプラズマは、RF場とガスの容量結合以外の1つまたは複数の適切な方法によって形成することができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、プラズマはリモートプラズマであり、それにより窒素含有反応剤またはソースガスがステーションの上流のリモートプラズマ発生器で点火され、その後、基板が収容されるステーションに送給される。
【0173】
動作144において、チャンバを任意選択でパージし、残留副生成物を除去する。動作144は、動作140に関して上述した条件のいずれかを使用して実施されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、チャンバは、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスを流してチャンバから過剰な分子および/または残留副生成物をポンピングすることによってパージされる。
【0174】
動作150において、所望の厚さの窒化ケイ素膜が堆積されたかどうかが決定される。堆積されていない場合、動作110~144が所望の厚さの窒化ケイ素を堆積するのに十分なサイクルで繰り返される。所望の膜厚の窒化ケイ素を堆積するために、任意の適切な数の堆積サイクルがALDプロセスに含まれてもよい。例えば、開示された実施形態を使用して基板上に窒化ケイ素膜を堆積するために、約20~約40回の堆積サイクルを実施することが可能である。いくつかの実施形態では、20~40回の堆積が実施される。
【0175】
図1Bは、所望の厚さの膜を提供するためにn回繰り返すことができる、様々な曝露動作を有する非限定的な方法を示す。動作1010において、炭素含有層およびケイ素含有層が基板の表面上に堆積される。堆積は、有機ケイ素含有前駆体を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した有機ケイ素含有前駆体を除去することとを含むことができる。
【0176】
動作1020において、炭素含有層およびケイ素含有層を窒素含有反応剤の存在下で熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することができる。窒素含有反応剤は、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。熱変換は、窒素含有反応剤を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した窒素含有反応剤を除去することとを含むことができる。
【0177】
動作1030において、ドープ窒化ケイ素は、ソースガスの存在下でプラズマ処理することができる。ソースガスは、窒素含有反応剤、例えば、本明細書に記載のいずれかを含むことができ、プラズマは、ソースガスの存在下で形成されたラジカル種を含むことができる。プラズマ処理は、ラジカル種を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着したラジカル種を除去することとを含むことができる。
【0178】
いくつかの方法は、プラズマ処理動作を含まない。例えば、プラズマ処理は堆積膜の炭素含有量を調節するのに有用であり得るが、熱変換は共形膜を得るためにのみ使用することができる。
図1Cは、所望の厚さの共形膜を提供するためにn回繰り返すことができる、様々な曝露動作を有する非限定的な方法を示す。
【0179】
動作1210において、炭素含有層およびケイ素含有層が基板の表面上に堆積される。堆積は、有機ケイ素含有前駆体を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した有機ケイ素含有前駆体を除去することとを含むことができる。
【0180】
動作1220において、炭素含有層およびケイ素含有層を窒素含有反応剤の存在下で熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することができる。窒素含有反応剤は、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。熱変換は、窒素含有反応剤を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した窒素含有反応剤を除去することとを含むことができる。動作1210および1220を繰り返すことにより、共形膜を含むドープケイ素膜を提供することができる(1225)。
【0181】
他の方法には、所望の炭素含有量を有する膜を提供するためのプラズマ処理動作または熱処理動作が挙げられる。
図1Dは、所望の厚さおよび所望の炭素含有量のドープ窒化ケイ素膜を提供するためにn回繰り返すことができる、様々な曝露動作を有する非限定的な方法を示す。
【0182】
動作1410において、炭素含有層およびケイ素含有層が基板の表面上に堆積される。堆積は、有機ケイ素含有前駆体を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した有機ケイ素含有前駆体を除去することとを含むことができる。
【0183】
動作1420において、炭素含有層およびケイ素含有層を窒素含有反応剤の存在下で熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することができる。窒素含有反応剤は、本明細書に記載のいずれのものであってもよい。熱変換は、窒素含有反応剤を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着した窒素含有反応剤を除去することとを含むことができる。
【0184】
動作1430において、ドープ窒化ケイ素は、ソースガスの存在下でプラズマ処理または熱処理することができる。一実施形態では、ソースガスは、窒素含有反応剤、例えば、本明細書に記載のいずれかを含むことができ、プラズマは、ソースガスの存在下で形成されたラジカル種を含むことができる。プラズマ処理は、高エネルギー種(例えば、ラジカル種)を基板に送給することと、任意選択で、パージを行い基板の表面から吸着したラジカル種を除去することとを含むことができる。別の実施形態では、熱処理は、調節された炭素含有量を提供するソースガスを含む。非限定的なソースガスは、水素ガス(H2)を含んでも含まなくてもよい不活性ガス(例えば、窒素(N2)、アルゴン(Ar)など)を含むことができる。
【0185】
炭素含有量は、プラズマ処理中にRF電力および/またはRF時間を修正することによって調節することができる。一例では、高炭素ドーピングは、低いRF電力および/または短いRFストライク(例えば、約10ミリ秒~2秒または約50ミリ秒~1秒のプラズマ曝露時間)を有するプラズマ処理により提供され得る。別の例では、低炭素ドーピングは、より高いRF電力および/またはより長いRFストライク(例えば、約1秒~5秒のプラズマ曝露時間)を有するプラズマ処理により提供され得る。特定の実施形態では、基板は、約650℃の温度に維持される(例えば、約650℃の温度に台座を維持することによって)。動作1410~1430を繰り返すことにより、所望の炭素含有量を含むドープケイ素膜を提供することができる(1435)。
【0186】
図2Aは、特定の開示された実施形態による方法におけるサイクルの一例を示すタイミングシーケンス図を示す。タイミングシーケンス図は、有機ケイ素含有前駆体ガス、キャリアガス、窒素含有反応剤ガス、プラズマ、およびソースガスの流れについてのオン段階またはオフ段階を示す。
図2Aは、2つの堆積サイクル、すなわち堆積サイクル201Aおよび堆積サイクル201Bを有するプロセス200を含む。2つの堆積サイクルのみが図示されているが、より多くの堆積サイクルが実施されてもよいことに留意されたい。
【0187】
堆積サイクル201Aは、ケイ素曝露段階210A、パージ段階240A、窒素曝露段階220A、パージ段階242A、プラズマ曝露段階230A、およびパージ段階244Aを含む。ケイ素曝露段階210A中、キャリアガスの流れ(例えば、不活性ガスの流れ)がオンのまま継続し得る一方、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオンにされる。窒素含有反応剤ガスの流れはオフのままであり、ソースガスの流れはオフにされる。これは、
図1Aの動作110に対応し得る。パージ段階240A中、キャリアガスは、チャンバから過剰な分子を除去するのを助けるために流れ続けてもよい。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れもオフにされ、ソースガスの流れもオフにされる。これは、
図1Aの動作140に対応し得る。
【0188】
窒素曝露段階220A中、キャリアガスが流れ続けてもよい。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、窒素含有反応剤ガスをチャンバに送給するのを助けるために使用され、チャンバ内に迂回または流入することができる。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、ソースガスの流れもオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れはオンにされる。これは、
図1Aの動作120に対応し得る。パージ段階242A中、キャリアガスの流れはオンのまま継続し得、キャリアガスは、チャンバから過剰な分子および/または副生成物を除去するパージガスとして作用することができる。ケイ素含有前駆体ガスの流れ、窒素含有反応剤ガスの流れ、およびソースガスの流れは、オフにされる。
【0189】
プラズマ曝露段階230A中、キャリアガスが流れ続けてもよい。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、ソースガスから得られるラジカル種の送給を助けるために使用される。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされ、ソースガスの流れはオンにされる。これは、
図1Aの動作130に対応し得る。パージ段階244A中、キャリアガスの流れはオンのまま継続し得、キャリアガスは、チャンバから過剰なラジカル種、分子、および/または副生成物を除去するパージガスとして作用することができる。ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れは、オフにされる。
【0190】
図2Aのこの例では、堆積された窒化ケイ素膜の厚さが不十分であると決定され、別の堆積サイクル201Bが実施される。堆積サイクル201Bは、ケイ素含有前駆体曝露段階210B、パージ段階240B、窒素含有反応剤曝露段階220B、パージ段階242B、プラズマ曝露段階230B、およびパージ段階244Bを含む。ケイ素含有前駆体曝露段階210B中、キャリアガスを流し、ケイ素含有前駆体ガスの流れをオンにする一方、窒素含有反応剤ガスの流れおよびソースガスの流れをオフにすることができる。これは、膜が適切な厚さに堆積されていないと動作150で決定した後の、
図1Aの動作110の繰り返し動作に対応し得る。パージ段階240B中、キャリアガスの流れはオンのままであるが、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れとソースガスの流れは両方ともオフのままである。これは、
図1Aの動作140の繰り返し動作に対応し得る。窒素曝露段階220B中、キャリアガスの流れはオンのままであり得るが、窒素含有反応剤ガスの流れがオンにされ、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよびソースガスの流れはオフにされる。これは、
図1Aの動作120の繰り返し動作に対応し得る。パージ段階242B中、キャリアガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れ、窒素含有反応剤ガスの流れ、およびソースガスの流れがオフにされる。
【0191】
プラズマ曝露段階230B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。これは、
図1Aの動作130に対応し得る。パージ段階244B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。2つの堆積サイクルが
図2Aには図示されているが、追加の堆積サイクルも実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0192】
ガスのタイミングおよび流量を修正することで、堆積層の厚さおよび膜内の所望の炭素含有量などの有益な堆積条件を提供することが可能である。
図2Bは、特定の開示された実施形態による方法におけるサイクルの一例を示すタイミングシーケンス図を示す。タイミングシーケンス図は、有機ケイ素含有前駆体ガス、キャリアガス、窒素含有反応剤ガス、プラズマ、およびソースガスの流れについてのオン段階またはオフ段階を示す。
図2Bは、2つの堆積サイクル、すなわち堆積サイクル251Aおよび堆積サイクル251Bを有するプロセス250を含む。2つの堆積サイクルのみが図示されているが、より多くの堆積サイクルが実施されてもよいことに留意されたい。
【0193】
堆積サイクル251Aは、ケイ素曝露段階260A、パージ段階290A、窒素曝露段階270A、パージ段階292A、プラズマ曝露段階280A、およびパージ段階294Aを含む。ケイ素曝露段階260A中、キャリアガスの流れ(例えば、不活性ガスの流れ)がオンのまま継続し得る一方、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオンにされる。窒素含有反応剤ガスの流れはオフのままであり、ソースガスの流れはオフにされる。わかるように、ケイ素曝露段階260Aの期間は、
図2Aの同じ段階210Aと比較して短縮することができる。
【0194】
パージ段階290A中、キャリアガスは、チャンバから過剰な分子を除去するのを助けるために流れ続けてもよい。特定の実施形態では、パージ段階290Aに見られるように、キャリアガスの流量を増加させて過剰な分子の除去をさらに強化することができる。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れもオフにされ、ソースガスの流れもオフにされる。これは、
図1Aの動作140に対応し得る。
【0195】
窒素曝露段階270A中、キャリアガスが流れ続けてもよい。特定の実施形態では、キャリアガスの流量は、パージ段階290Aにおける流量と比較して減少させ、窒素曝露段階270A内の窒素含有反応剤の消費を低減することができる。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、窒素含有反応剤ガスをチャンバに送給するのを助けるために使用され、チャンバ内に迂回または流入することができる。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、ソースガスの流れもオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れはオンにされる。これは、
図1Aの動作120に対応し得る。パージ段階292A中、キャリアガスの流れはオンのまま継続し得、キャリアガスは、チャンバから過剰な分子および/または副生成物を除去するパージガスとして作用することができる。特定の実施形態では、パージ段階292Aに見られるように、キャリアガスの流量を増加させて過剰な分子の除去をさらに強化することができる。ケイ素含有前駆体ガスの流れ、窒素含有反応剤ガスの流れ、およびソースガスの流れは、オフにされる。
【0196】
プラズマ曝露段階280A中、キャリアガスが流れ続けてもよい。特定の実施形態では、キャリアガスの流量は、パージ段階292Aにおける流量と比較して減少させ、プラズマ曝露段階280A内のソースガスの消費を低減することができる。いくつかの実施形態では、キャリアガスは、ソースガスから得られるラジカル種の送給を助けるために使用される。この段階中、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされ、ソースガスの流れはオンにされる。これは、
図1Aの動作130に対応し得る。パージ段階294A中、キャリアガスの流れはオンのまま継続し得、キャリアガスは、チャンバから過剰なラジカル種、分子、および/または副生成物を除去するパージガスとして作用することができる。特定の実施形態では、パージ段階294Aに見られるように、キャリアガスの流量を増加させて過剰な分子の除去をさらに強化することができる。ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れは、オフにされる。
【0197】
図2Bのこの例では、堆積された窒化ケイ素膜の厚さが不十分であると決定され、別の堆積サイクル251Bが実施される。堆積サイクル251Bは、ケイ素含有前駆体曝露段階260B、パージ段階290B、窒素含有反応剤曝露段階270B、パージ段階292B、プラズマ曝露段階280B、およびパージ段階294Bを含む。ケイ素含有前駆体曝露段階260B中、キャリアガスを流し、ケイ素含有前駆体ガスの流れをオンにする一方、窒素含有反応剤ガスの流れおよびソースガスの流れをオフにすることができる。これは、膜が適切な厚さに堆積されていないと動作150で決定した後の、
図1Aの動作110の繰り返し動作に対応し得る。パージ段階290B中、キャリアガスの流れはオンのままであるが、ケイ素含有前駆体ガスの流れがオフにされ、窒素含有反応剤ガスの流れとソースガスの流れは両方ともオフのままである。これは、
図1Aの動作140の繰り返し動作に対応し得る。窒素曝露段階270B中、キャリアガスの流れはオンのままであり得るが、窒素含有反応剤ガスの流れがオンにされ、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよびソースガスの流れはオフにされる。これは、
図1Aの動作120の繰り返し動作に対応し得る。パージ段階292B中、キャリアガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れ、窒素含有反応剤ガスの流れ、およびソースガスの流れがオフにされる。
【0198】
プラズマ曝露段階280B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。これは、
図1Aの動作130に対応し得る。パージ段階294B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。2つの堆積サイクルが
図2Aには図示されているが、追加の堆積サイクルも実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0199】
一例では、方法は、共形SiN膜を提供することができ、これは高アスペクト比(HAR)構造上に堆積される。一実施形態では、(深さ対幅の)アスペクト比は、約180:1以上である。1つの非限定的な方法は、有機シラン前駆体の堆積、NH3ガスを使用する熱変換、およびその後の主にNH*ラジカルを生成するN2/NH3プラズマを使用するプラズマ処理を含む、ハイブリッドALDプロセスを含むことができる。特定の実施形態では、オルガノシラン前駆体は、アミノシラン前駆体を含む。ハイブリッドALDプロセスの後、得られた膜は、共形膜(例えば、100%のステップカバレッジを有する)となり得る。
【0200】
本明細書に記載のプロセス条件は、高度に共形である膜構造を提供することができる。特定の実施形態では、アスペクト比が約6:1の場合、炭化ケイ素膜は、約25%~約100%、典型的には約50%~80%、または約50%~100%の共形性で堆積され得る。
【0201】
特定の実施形態では、方法は、側壁に堆積される膜の成長速度を高める。一実施形態では、ハイブリッドALDプロセスを使用する成長速度は、熱変換動作を欠いているがプラズマ処理動作を含むプロセスと比較して、5倍以上、10倍以上、またはそれ以上改善される。
【0202】
図3Aに見られるように、膜は、深さおよび幅を有するフィーチャに堆積することができ、深さ対幅のアスペクト比は、約180:1である。堆積膜は、側壁上のその堆積厚さによって特徴付けることができ、フィーチャの頂部およびフィーチャの底部における堆積厚さを比較して共形性の測定を行うことが可能である。
【0203】
図3Bは、有機ケイ素含有前駆体としてDIPAS(ジ-iso-プロピルアミノシランまたはSiH
3[NiPr
2])を使用することによって堆積された膜を示す。ハイブリッドALD条件が、以下の表1に示される。ハイブリッドALDプロセスは、650℃で実施された。
【表1】
【0204】
非限定的なハイブリッドALDプロセスは、プラズマのみのプロセスと比較された。プラズマのみのプロセスは650℃で実施され、熱変換動作は含まなかった。むしろ、プラズマのみのプロセスは、堆積動作、第1のパージ動作、プラズマ処理動作、および第2のパージ動作を含んでいた。
【0205】
図3Cは、第1のプロセス301(プラズマのみの変換を含む)および第2のプロセス302(熱変換およびプラズマ処理を含むハイブリッドALDプロセス)を使用することによって形成された非限定的な膜の特性評価を示す。わかるように、側壁のサイクル当たりの成長速度(GPC)は、プラズマのみの変換プロセス301(0.04Å/サイクル)と比較して、ハイブリッドALDプロセス(第2のプロセス302では0.42Å/サイクル)を用いると約10倍増加した。プラズマのみの変換プロセス301(30%のステップカバレッジ)と比較して、ハイブリッドALDプロセス(第2のプロセス302では100%のステップカバレッジ)を用いると共形性の向上(またはステップカバレッジの増加)も観察された。
【0206】
膜内の炭素含有量もまた、制御することができる。例えば、炭素パーセンテージ(原子%)は、約2原子%から約25原子%になるように制御することができる。機構によって限定されることを望むものではないが、膜内の炭素(C)原子は、ケイ素(Si)-C結合を介して膜内のSi原子と結合することができる。そのような炭素不純物は、SiN膜内の欠陥中心のように作用することができ、それによって電子および正孔に対する荷電トラップ状態を提供する。電子トラップ状態は、約0.6~1.3eVに分布すると予想される(例えば、Al Ahmed SR&Kobayashi K,“Extraction of Energy Distribution of Electrons Trapped in Silicon Carbonitride(SiCN) Charge Trapping Films,”IEICE Transactions,2017;E100-C (7):662-668;およびKobayashi K&Mino H,“Hole trapping capability of silicon carbonitride charge trap layers,”Eur.Phys.J.Appl.Phys.,2020;91:10101,7 pp.(上記の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。使用中、これらの高エネルギートラップ状態は、非ドープSiN層と比較してより低いキャリア密度を必要とし、その結果、消費電力の低下および高速化(プログラミング/消去)をもたらす場合がある。正孔トラップ密度はまた、非ドープSiN膜と比較して、炭素ドープSiN膜の方が高いことを期待することができる。
【0207】
膜内の炭素含有量は、熱変換および/またはプラズマ処理を用いることによって変更することができる。炭素含有量は、約2原子%~約25原子%であり得、これは、任意の有用な方式(例えば、X線光電子分光法(XPS))で決定され得る。このようにして、膜内の炭素含有量を調節することができる。さらに、膜中の炭素パーセンテージの量を制御することによって、膜性質(例えば、荷電トラップ状態、電気的膜性質、漏れ電流、ブレークダウン電圧、密度、ウェットエッチング速度など)が大幅に変化すると予想され、したがってメモリ用途に対して広範囲の調節可能性が与えられることが予想される。
【0208】
膜は、任意の有用な方式で用いることができる。一例では、膜は、高エネルギー電子トラップとして作用することができる有益なSi-C欠陥を有する。そのようなトラップは、例えば、メモリセルにおけるトラップ層内で有用であり得る。他の実施形態では、膜は、デバイス(例えば、太陽電池)に使用することができる。炭素の存在により、ウェットエッチング速度が減少した膜が得られる可能性がある。一実施形態では、膜は、エッチストップ層として用いることができ、炭素ドープ窒化ケイ素は、窒化ケイ素単独と比較してウェットエッチング速度が減少し得る。特定の例では、炭素ドープ窒化ケイ素(例えば、25原子%の炭素を有する)は、選択的にエッチングされるように構成することができる。一実施形態では、選択的エッチングは、希釈HF(100:1)中で約0.05Å/分未満のエッチング速度を含むことができる。
【0209】
Si含有前駆体を含む前駆体
膜は、任意の有用なケイ素含有前駆体(Si含有前駆体)を使用して堆積され得る。いくつかの実施形態では、前駆体は、式(I):
Si(R’)4 (I)
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含む。他の実施形態では、少なくとも1つのR’は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、および/またはケイ素)を含む。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのR’は、炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、および/またはケイ素)を含む。特定の実施形態では、R’は、ハロゲン原子を含まない。
【0210】
他の実施形態では、前駆体は、式(II):
(R’)3Si-[L-Si(R’)2]-R’ (II)
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含み、Lは、リンカーである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのR’は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、および/またはケイ素)を含む。さらに他の実施形態では、少なくとも1つのR’は、炭素原子およびヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、および/またはケイ素)を含む。特定の実施形態では、R’は、ハロゲン原子を含まない。
【0211】
式(II)の場合、Lについての非限定的なリンカーには、共有結合、オキシ(-O-)、カルボニル(-C(O)-)、任意選択で置換されたカルボンイミドイル(例えば、-C(NR)-)、任意選択で置換されたイミノ(例えば、-NR-)、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたアリーレンなどが挙げられる。
【0212】
本明細書のいずれかの式の場合(例えば、式(I)または(II)の場合)、R’は、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト(-OCN)、イソシアナト(-NCO)、シアノ(-CN)、またはイソシアノ(-NC)であり得、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0213】
特定の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換された脂肪族を含む。非限定的な脂肪族基には、アルキル、アルケニル、またはアルキニルが挙げられ、それらの直鎖、分岐、環状、飽和、または不飽和形態を含む。そのような基は非置換であるか、またはアルキルに関して本明細書に記載の1つまたは複数の置換基などで置換され得る。脂肪族基のさらなる例には、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、iso-プロピル(iPr)、シクロプロピル(cPr)、ブチル(Bu)、sec-ブチル(sBu)、iso-ブチル(iBu)、tert-ブチル(tBu)、ペンチル(Pe)、tert-ペンチル(tPe)、アリル(All)、ビニル(Vi)、エチニルなどが挙げられる。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族を含む。ヘテロ脂肪族基は、1つまたは複数の炭素原子および1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素など)を含む任意の基を含むことができる。
【0215】
非限定的なヘテロ脂肪族基には、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)RAk)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)RAk)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-ORAk)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)ORAk)、アミノ(例えば、-NRN1RN2)、芳香族-カルボニル(例えば、アリーロイルまたは-C(O)RAr)、芳香族-カルボニルオキシ(例えば、アリーロイルオキシまたは-OC(O)RAr)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-ORAr)、芳香族-オキシカルボニル(例えば、アリールオキシカルボニルまたは-C(O)ORAr)、イミドイル(例えば、-C(NRN1)H、-C(NRN1)RAk、または-C(NRN1)RAr)、カルバモイル(例えば、-C(O)NRN1RN2)、カルバモイルオキシ(例えば、-OC(O)NRN1RN2)、カルボキシル(-CO2H)、ホルミル(-C(O)H)、ヘテロ芳香族、ヘテロシクリル(例えば、任意選択で置換されたフラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、モルホリニルなど)、ヒドラジノ(例えば、-NRN1-NRN2RN3)、シリル(例えば、-SiRS1RS2RS3)、およびシリルオキシ(例えば、-O-SiRS1RS2RS3)が挙げられる。これらの基の各々は、任意選択で、(例えば、アルキルに関して本明細書に記載のような)本明細書に記載のいずれかの置換基で置換することができる。ヘテロ脂肪族基は、それらの直鎖、分岐、環状(例えば、ヘテロシクリル)、飽和、または不飽和形態を含むことができる。
【0216】
ヘテロ脂肪族基は、RAkおよび/またはRAr部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキニル、または任意選択で置換されたヘテロシクリルである。他の実施形態において、RArは、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールである。
【0217】
窒素含有基(例えば、アミノ、イミドイルなど)は、窒素原子に結合したRN1、RN2、および/またはRN3部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、RN1、RN2、およびRN3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。特定の実施形態では、RN1およびRN2またはRN2およびRN3は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。そのような窒素含有基は、シリル基またはシリルオキシ基内などの他の部分内に含めることができる。
【0218】
ケイ素含有基(例えば、シリルなど)は、ケイ素原子に結合したRS1、RS2、および/またはRS3を含むことができる。いくつかの実施形態では、RS1、RS2、およびRS3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたアミノである。このようなケイ素含有基は、アミノ基などの他の部分内に含めることができる。
【0219】
いくつかの実施形態では、シリル基は、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の脂肪族基を有するアルキルシリル基である。一例では、アルキルシリル基は、-Si(R)a(RAk)bであり、Rは、独立して、H、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキニル、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なアルキルシリル基には、-SiH2RAk、-SiH[RAk]2、または-Si[RAk]3が挙げられ、RAkは、本明細書で提供されるいずれかである。
【0220】
いくつかの実施形態では、シリル基は、オキシ(-O-)基を介してケイ素原子に結合した1つまたは複数の脂肪族基を有するアルコキシシリル基である。一例では、アルコキシルシリル基は、-Si(R)a(ORAk)bであり、Rは、独立して、H、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキニル、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なアルコキシシリル基には、-SiH2[ORAk]、-SiH[ORAk]2、または-Si[ORAk]3が挙げられ、RAkは、本明細書に記載のいずれかである。
【0221】
他の実施形態では、シリル基は、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の芳香族基を有するアリールシリル基である。一例では、アリールシリル基は、-Si(R)a(RAr)bであり、Rは、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RArは、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なアリールシリル基には、-SiH2RAr、-SiH[RAr]2、または-Si[RAr]3が挙げられ、RArは、本明細書に記載のいずれかである。
【0222】
さらに他の実施形態では、シリル基は、オキシ(-O-)基を介してケイ素原子に結合した1つまたは複数の芳香族基を有するアリールオキシシリル基である。一例では、アリールシリル基は、-Si(R)a(ORAr)bであり、Rは、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RArは、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なアリールオキシシリル基には、-SiH2[ORAr]、-SiH[ORAr]2、または-Si[ORAr]3が挙げられ、RArは、本明細書に記載のいずれかである。
【0223】
シリル基はまた、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の任意選択で置換されたアミノ基を有するアミノシリルを含むことができる。一例では、アミノシリル基は、-Si(R)a(NRN1RN2)bであり、Rは、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシであり、RN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。アミノシリル基のさらに他の非限定的な実施形態には、-SiH2[NRN1RN2]、-SiH[RAk][NRN1RN2]、-Si[RAk]2[NRN1RN2]、-SiH[NRN1RN2]2、-Si[RAk][NRN1RN2]2、または-Si[NRN1RN2]3)、例えば-SiH2[NH2]、-SiHRAk[NH2]、-Si[RAk]2[NH2]、-SiH2[NH(RAk)]、-SiHRAk[NH(RAk)]、-Si[RAk]2[NH(RAk)]、-SiH2[N(RAk)2]、-SiHRAk[N(RAk)2]、-Si[RAk]2[N(RAk)2]、-SiH[NH2]2、-SiRAk[NH2]2、-SiH[NH(RAk)]2、-SiRAk[NH(RAk)]2、-SiH[NH(RAk)][NH2]、-SiRAk[NH(RAk)][NH2]、-SiH[N(RAk)2]2、-SiRAk[N(RAk)2]2、-SiH[N(RAk)2][NH2]、-SiRAk[N(RAk)2][NH2]、-Si[NH2]3、-Si[N(RAk)2][NH2]2、-Si[N(RAk)2]2[NH2]、-Si[N(RAk)2]3、-Si[NH(RAk)][NH2]2、-Si[NH(RAk)2]2[NH2]、-Si[NH(RAk)]3、-Si[NH(RAk)][N(RAk)2]2、-Si[NH(RAk)]2[N(RAk)2]などが挙げられ、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシであり、RN1およびRN2の各々は、本明細書に記載のいずれかである。
【0224】
いくつかの実施形態では、シリル基は、-Si(R’)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。
【0225】
他の実施形態では、本明細書のシリル基のいずれも、オキシ結合を介して親化合物に結合することができる。いくつかの実施形態では、シリルオキシ基は、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアルキル-アリール、または任意選択で置換されたアリール-アルキルである。さらに他の非限定的なシリルオキシ基には、-O-Si(R)a(RAk)b、-O-Si(R)a(ORAk)b、-O-Si(R)a(RAr)b、-O-Si(R)a(ORAr)b、-O-Si(R)a(NRN1RN2)bが挙げられ、Rは、独立して、H、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシクロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキニル、または任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、RArは、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシであり、RN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なシリルオキシ基には、アルキルシリルオキシ(例えば、-O-SiH2RAk、-O-SiH[RAk]2、または-O-Si[RAk]3)、アルコキシシリルオキシ(例えば、-O-SiH2[ORAk]、-O-SiH[ORAk]2、または-O-Si[ORAk]3)、アリールシリルオキシ(例えば、-O-SiH2RAr、-O-SiH[RAr]2、または-O-Si[RAr]3)、またはアリールオキシシリルオキシ(例えば、-O-SiH2[ORAr]、-O-SiH[ORAr]2、または-O-Si[ORAr]3)が挙げられる。いくつかの実施形態では、シリル基は、アミノシリルオキシ(例えば、-O-SiH2[NRN1RN2]、-O-SiH[RAk][NRN1RN2]、-O-Si[RAk]2[NRN1RN2]、-O-SiH[NRN1RN2]2、-O-Si[RAk][NRN1RN2]2、または-O-Si[NRN1RN2]3)である。
【0226】
シリル基およびシリルオキシ基は、脂肪族基と芳香族基の混合組み合わせを有することができる。一例では、シリル基は、-Si(R)a(RAk)b(RAr)cまたは-Si(R)a(ORAk)b(ORAr)cであり、Rは、独立して、H、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RAkは、任意選択で置換された脂肪族(例えば、任意選択で置換されたアルキル)または任意選択で置換されたヘテロ脂肪族(例えば、任意選択で置換されたアルコキシまたは任意選択で置換されたアミノ)であり、RArは、任意選択で置換された芳香族または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3である。
【0227】
別の例では、シリル基は、-Si(R)a(NRAk
2)b、-Si(R)a(NRAkRAr)b、または-Si(R)a(NRAr
2)bであり、Rは、独立して、H、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシであり、RN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、aおよびbの各々は、≧0であり、a+b=3である。
【0228】
さらに別の例では、シリルオキシ基は、-O-Si(R)a(RAk)b(RAr)c、-O-Si(R)a(ORAk)b(ORAr)c、-O-Si(R)a(NRAk
2)b、-O-Si(R)a(NRAkRAr)b、または-O-Si(R)a(NRAr
2)bであり、R、RAk、およびRArは、本明細書に記載のいずれかであり、a、b、およびcは、明細書に記載のいずれかである。
【0229】
いくつかの実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換された脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、芳香族-オキシ、またはヘテロ芳香族-オキシを含む。例えば、R’は、-O-Rであり得、Rは、任意選択で置換された脂肪族(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはシクロアルキニル)、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族(例えば、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、またはヘテロシクリル)、任意選択で置換された芳香族(例えば、アリール)、任意選択で置換されたヘテロ芳香族(例えば、ヘテロアリール)、任意選択で置換された脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたはC(O)RAk、RAkは、任意選択で置換された脂肪族または本明細書に記載のいずれかである)、任意選択で置換されたシリル(例えば、-SiRS1RS2RS3または-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、本明細書に記載のいずれかを含む)、または任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NRN1RN2、本明細書に記載のいずれかを含む)である。
【0230】
特定の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換された芳香族または任意選択で置換されたヘテロ芳香族を含む。非限定的な芳香族基およびヘテロ芳香族基には、フェニル、ベンジル、ナフチル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリルなどが挙げられる。
【0231】
特定の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NH2、-NRN1H、または-NRN1RN2)を含む。特定の実施形態では、RN1およびRN2の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアミノ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。特定の実施形態では、RN1およびRN2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0232】
RN1およびRN2の非限定的な例には、H、脂肪族、アルキル(例えば、-RAk)、アルケニル、アルキニル、脂肪族カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)RAk)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)RAk)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-ORAk)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)ORAk)、アミノ(例えば、-NR2、各Rは、例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族である)、芳香族(例えば、アリールまたは-RAr)、芳香族-カルボニル(例えば、アリーロイルまたは-C(O)RAr)、芳香族-カルボニルオキシ(例えば、アリールオキシまたは-OC(O)RAr)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-ORAr)、芳香族-オキシカルボニル(例えば、アリールオキシカルボニルまたは-C(O)ORAr)、イミドイル(例えば、-C(NR)H、-C(NR)RAk、または-C(NR)RAr、各Rは、例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族である)、カルバモイル(例えば、-C(O)NR2、各Rは、例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族である)、カルバモイルオキシ(例えば、-OC(O)NR2、各Rは、例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族である)、カルボキシル(-CO2H)、ホルミル(-C(O)H)、ヘテロ芳香族、ヘテロシクリル(例えば、任意選択で置換されたフラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、モルホリニルなど)、ヒドロキシル(-OH)、シリル(例えば、-SiRS1RS2RS3または-Si(R’)a(OR)b(NR2)c)、およびシリルオキシ(例えば、-O-SiRS1RS2RS3または-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c)が挙げられ得る。これらの基のいずれについても、示されている場合、RAk、RAr、R’、R、RS1、RS2、RS3、a、b、およびcは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0233】
さらに他の非限定的なアミノ基には、-NH2、-NHMe、-NMe2、-NHEt、-NMeEt、-NEt、-NHnPr、-NMenPr、-NnPr2、-NHiPr、-NMeiPr、-NiPr2、-NHsBu、-NMesBu、-NsBu2、-NHtBu、-NMetBu、-NtBu2、-N[SiH3]2、-N[Si(Me)3]2、-N[Si(Et)3]2、-NH[SiH3]、-NH[Si(Me)3]、-NH[Si(Et)3]、-NMe[SiH3]、-NMe[Si(Me)3]、-NMe[Si(Et)3]、-N[SiH2Me]2、-N[SiHMe2]2、-N[SiH2Et]2、-N[SiHEt2]2、-N[SiHMeEt]2、-NH[SiH2Me]、-NH[SiHMe2]、-NH[SiH2Et]、-NH[SiHEt2]2、-NH[SiHMeEt]、-NMe[SiH2Me]、-NMe[SiHMe2]、-NMe[SiH2Et]、-NMe[SiHEt2]2、-NMe[SiHMeEt]などが挙げられる。
【0234】
特定の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換されたヒドラジノ(例えば、-NH-NH2または-NRN1-NRN2RN3)を含む。特定の実施形態では、RN1、RN2、およびRN3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアミノ、ヒドロキシル、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、任意選択で置換されたアルキル-アリール、任意選択で置換されたアリール-アルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。特定の実施形態では、RN1およびRN2またはRN2およびRN3は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。さらに他の非限定的なヒドラジノ基には、-NH-NH2、-NMe-NH2、-NH-NHMe、-NH-NMe2、-NMe-NMe2、-NEt-NH2、-NH-NHEt、-NH-NEt2、-NMe-NEt2などが挙げられる。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換されたシリルを含む。一実施形態では、シリルは、-SiRS1RS2RS3であり、RS1、RS2、およびRS3の各々は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換されたヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたシリルオキシ、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたヘテロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアルケニル、任意選択で置換されたヘテロアルキニル、任意選択で置換されたヘテロシクリル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたアリールオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、イソシアノなどである。非限定的なシリル基には、本明細書に記載のいずれか、例えば-Si(R)a(RAk)b、-Si(R)a(ORAk)b、-Si(R)a(RAr)b、-Si(R)a(ORAr)b、-Si(R)a(NRN1RN2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)cなどが挙げられる。さらに他の非限定的なシリル基には、-SiH3、-SiH2Me、-SiHMe2、-SiMe3、-Si(OH)3、-SiH2(OMe)、-SiH(OMe)2、-Si(OMe)3、-SiH2(NH2)、-SiHMe(NH2)、-SiMe2(NH2)、-SiH(NH2)2、-SiMe(NH2)2、-Si(NH2)3、-SiH2(NMe2)、-SiH2(NMe2)、-SiHMe(NMe2)、-Si(Me)2(NMe2)2、-SiMe(NMe2)2、-Si(NMe2)3、-SiH2(NHMe)、-SiHMe(NHMe)、-SiH(NHMe)2、-SiMe(NHMe)2、-Si(NHMe)3などが挙げられる。
【0236】
他の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、任意選択で置換されたシリルオキシを含む。非限定的なシリルオキシ基には、本明細書に記載のいずれか、例えば-O-Si(R)a(RAk)b、-O-Si(R)a(ORAk)b、-O-Si(R)a(RAr)b、-O-Si(R)a(ORAr)b、-O-Si(R)a(NRN1RN2)b、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)cなどが挙げられる。さらに他の非限定的なシリルオキシ基には、-O-SiH3、-O-SiH2Me、-O-SiHMe2、-O-SiMe3、-O-Si(OH)3、-O-SiH2(OMe)、-O-SiH(OMe)2、-O-Si(OMe)3、-O-SiH2(NH2)、-O-SiHMe(NH2)、-O-SiMe2(NH2)、-O-SiH(NH2)2、-O-SiMe(NH2)2、-O-Si(NH2)3、-O-SiH2(NMe2)、-O-SiH2(NMe2)、-O-SiHMe(NMe2)、-O-Si(Me)2(NMe2)2、-O-SiMe(NMe2)2、-O-Si(NMe2)3、-O-SiH2(NHMe)、-O-SiHMe(NHMe)、-O-SiH(NHMe)2、-O-SiMe(NHMe)2、-O-Si(NHMe)3などが挙げられる。
【0237】
さらに他の実施形態では、本明細書のいずれかの式(例えば、式(I)または(II)の場合)中の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のR’は、アジド(-N3)、ヒドロキシル(-OH)、シアナト(-OCN)、イソシアナト(-NCO)、シアノ(-CN)、および/またはイソシアノ(-NC)を含む。
【0238】
有機ケイ素含有前駆体は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、前述のシランのいずれかのアミン置換バージョン、およびトリシリルアミンからなる群から選択されてもよい。
【0239】
有機ケイ素含有前駆体の例には、限定はしないが、シラン、ポリシラン、ハロシラン、およびアミノシランが挙げられる。シランは、水素基および/または炭素基を含むが、ハロゲンを含まない。ポリシランは、式(H3Si-(SiH2)n-SiH3)を有し得、n≧1である。シランの例には、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、トリシラン、テトラシラン、およびオルガノシラン、例えばメチルシラン、エチルシラン、イソプロピルシラン、t-ブチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジ-t-ブチルシラン、アリルシラン、sec-ブチルシラン、テキシルシラン、イソアミルシラン、t-ブチルジシラン、ジ-t-ブチルジシラン、テトラ-エチル-オルト-シリケート(テトラ-エトキシ-シランまたはTEOSとしても知られる)などが挙げられる。
【0240】
アミノシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つの窒素原子を含むが、水素、酸素、ハロゲン、および炭素も含み得る。アミノシランの例は、モノアミノシラン、ジアミノシラン、トリアミノシラン、およびテトラアミノシラン(それぞれ、H3Si(NH2)4、H2Si(NH2)2、HSi(NH2)3、およびSi(NH2)4)、ならびに置換モノアミノシラン、置換ジアミノシラン、置換トリアミノシラン、および置換テトラアミノシラン、例えば、t-ブチルアミノシラン、メチルアミノシラン、tert-ブチルシランアミン、ビス(ターシャリーブチルアミノ)シラン(SiH2(NHC(CH3)3)2(BTBAS)、tert-ブチルシリルカルバメート、SiH(CH3)-(N(CH3)2)2、SiHCl-(N(CH3)2)2、(Si(CH3)2NH)3、ジ(sec-ブチルアミノ)シラン(DSBAS)、ジ(イソプロピルアミド)シラン(DIPAS)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(BDEAS)などである。アミノシランのさらなる例は、トリシリルアミン(N(SiH3)3)である。
【0241】
炭化ケイ素を堆積するためのケイ素含有前駆体の例には、シロキサン、アルキルシランもしくは炭化水素置換シラン、または窒素含有炭素含有反応剤が挙げられる。シロキサンの例には、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、ヘプタメチルシクロテトラシロキサン(HMCTS)、シルセスキオキサン、ジシロキサン、例えばペンタメチルジシロキサン(PMDSO)またはテトラメチルジシロキサン(TMDSO)、およびトリシロキサン、例えばヘキサメチルトリシロキサンまたはヘプタメチルトリシロキサンが挙げられる。アルキルシランは、1つまたは複数のアルキル基が結合し、かつ1つまたは複数の水素原子が結合した中心ケイ素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基のいずれかの1つまたは複数は、1~5個の炭素原子を含む。炭化水素基は、飽和または不飽和であってもよい(例えば、アルケン(例えば、ビニル)、アルキン、および芳香族基)。例には、限定はしないが、トリメチルシラン(3MS)、トリエチルシラン、ペンタメチルジシラメタン((CH3)2Si-CH2-Si(CH3)3)、およびジメチルシラン(2MS)が挙げられる。加えて、モノシランの代わりに、ジシラン、トリシラン、または他の高級シランが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ケイ素原子のうちの1つは、結合した炭素含有基または炭化水素基を有することができ、ケイ素原子のうちの1つは、結合した水素原子を有することができる。窒素を含む例示的な炭素含有反応剤には、テトラメチルジシラザンおよびヘキサメチルトリシラザンなどのメチル置換ジシラザンおよびトリシラザンが挙げられる。
【0242】
有機ケイ素含有前駆体のさらに他の例には、シロキサン、例えばヘプタメチルシクロテトラシロキサン(HMCTS)およびテトラメチルシクロテトラシロキサンなどのシクロテトラシロキサンが挙げられ得る。他の環状シロキサンにはまた、限定はしないが、シクロトリシロキサンおよびシクロペンタシロキサンが挙げられ得る。適切な前駆体の他の例には、限定はしないが、ジシロキサンなどの直鎖シロキサン、例えばペンタメチルジシロキサン(PMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルトリシロキサン、およびヘプタメチルトリシロキサンが挙げられる。非ドープ炭化ケイ素の場合、適切な前駆体の例には、例えば、1~5個の炭素原子を含む1つまたは複数のアルキル基、アルケン基、および/またはアルキン基で置換されたモノシランが挙げられる。例には、限定はしないが、トリメチルシラン(3MS)、ジメチルシラン(2MS)、トリエチルシラン(TES)、およびペンタメチルジシラメタンが挙げられる。加えて、モノシランの代わりに、ジシラン、トリシラン、または他の高級シランが使用されてもよい。アルキルシランクラスからのそのようなジシランの1つの一例は、ヘキサメチルジシラン(HMDS)である。アルキルシランクラスからのジシランの別の例には、ペンタメチルジシラン(PMDS)が挙げられ得る。他のタイプのアルキルシランには、ケイ素原子に結合した炭素ならびにケイ素原子に結合したアルキル基を有する分岐ポリマー構造を有することができるアルキルカルボシランが挙げられ得る。例には、ジメチルトリメチルシリルメタン(DTMSM)およびビス-ジメチルシリルエタン(BDMSE)が挙げられる。他の適切な前駆体の例には、例えば、アルキルジシラザン、および場合によっては、1つまたは複数のケイ素原子に別々に結合したアミノ(-NH2)基およびアルキル基を含む化合物が挙げられる。アルキルジシラザンは、シリザンと、2つのケイ素原子に結合したアルキル基とを含む。一例には、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン(TMDSN)が挙げられる。
【0243】
本明細書に記載のSi含有前駆体では、異なる種類のR’をケイ素原子に結合させることができる。さらなるSi含有前駆体については、本明細書で説明される。
【0244】
アミノシラン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の任意選択で置換されたアミノ基を含むことができ、それによって非限定的なアミノシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’’2)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0245】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(NR’’ 2)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0246】
特定の実施形態では、Lは、-NR-などの任意選択で置換されたイミノであり、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、Lは、-SiR2-などの任意選択で置換されたシリルであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。
【0247】
一例では、少なくとも1つのxは、0ではない。別の実施形態では、xは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、xは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルを含む。
【0248】
特定の実施形態では、少なくとも1つのR’またはR’’は、Hではない。前駆体は、1つまたは複数のケイ素原子に結合したR’基とアミノ基(NR’’2)の任意の有用な組み合わせを有することができる。
【0249】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0250】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0251】
前駆体は、ケイ素原子に結合した少なくとも1つのR’基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)(H)3-xSi(NR’’2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、xは、1、2、または3である。別の実施形態では、前駆体は、(R’)(H)2Si(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)(H)Si(NR’’2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’)2(H)Si(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’)2Si(NR’’ 2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)3Si(NR’’ 2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0252】
前駆体は、ケイ素原子に結合したR’基を欠いている場合がある。一実施形態では、前駆体は、(H)4-xSi(NR’’ 2)xの式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、xは、1、2、3、または4である。別の実施形態では、前駆体は、Si(NR’’ 2)xの式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、各R’’は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族である。
【0253】
前駆体は、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)3Si(NR’’2)、(H)2Si(NR’’2)2、または(H)Si(NR’’2)3の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、各R’’は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0254】
前駆体は、窒素原子を有するヘテロシクリル基を含むことができる。一実施形態では、式は、H
3Si-Hetの式を有し、Hetは、少なくとも1つの窒素原子を含む任意選択で置換されたヘテロシクリルである。特定の実施形態では、前駆体は、以下の化学式1の式を有し、ヘテロシクリル基は、任意選択で置換することができ(例えば、アルキルについての置換基として本明細書に記載のいずれかの置換基で)、nは、1、2、3、4、または5である。一実施形態では、式は、R’
3Si-Hetの式を有し、Hetは、少なくとも1個の窒素原子を含む任意選択で置換されたヘテロシクリルであり、各R’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、前駆体は、以下の化学式2の式を有し、ヘテロシクリル基は、任意選択で置換することができ(例えば、アルキルについての置換基として本明細書に記載のいずれかの置換基で)、各R’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、4、または5である。
【化1】
【化2】
【0255】
場合によっては、前駆体は、2つ以上のケイ素原子を有することができ、前駆体は、Si-Si結合を含むことができる。特定の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-Si(R’)3-x(NR’’2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’2N)(R’)2Si-Si(R’)2(NR’’2)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’ 2N)2(R’)Si-Si(R’)(NR’’2)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)3Si-Si(NR’’2)3の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0256】
前駆体は、ケイ素原子に結合した異なる基を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’’2N)x(R’)3-xSi-SiH3の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0257】
リンカーは、2つのケイ素原子の間に存在することができる。一例では、前駆体は、(R’’ 2N)x(R’)3-xSi-NR-Si(R’)3-x(NR’’ 2)xの式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。別の例では、前駆体は、(R’’2N)x(H)3-xSi-NR-Si(H)3-x(NR’’2)xの式を有し、R、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0258】
前駆体は、R’基とヘテロ原子を有するリンカーの組み合わせを含むことができる。一例では、前駆体は、(R’)3Si-NR-Si(R’)3の式を有し、RおよびR’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’)3Si-L-Si(R’)3の式を有し、LおよびR’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、Lは、オキシ(-O-)、任意選択で置換されたイミノ(例えば、-NR-)、または任意選択で置換されたシリル(例えば、-SiR2-)である。
【0259】
前駆体は、2つのケイ素原子と組み合わせたR’基およびNR’’2基の任意の有用な組み合わせを含むことができる。一例では、前駆体は、(R’’2N)(R’)2Si-L-Si(R’)2(NR’’2)xの式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0260】
前駆体は、ケイ素原子および窒素原子を含むヘテロ環基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、以下の化学式3の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化3】
【0261】
別の実施形態では、前駆体は、以下の化学式4の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。さらに別の実施形態では、前駆体は、化学式5の式を有し、各R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。別の実施形態では、前駆体は、化学式6の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。さらに別の実施形態では、前駆体は、化学式7の式を有し、R’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【0262】
本明細書のいずれかの前駆体において、2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0263】
前駆体は、以下のいずれか、例えば、(RAk)Si(NH2)(NRAk
2)2、(RAk)Si(NRAk
2)3、(RAk)2Si(NHRAk
2)2、(RAk)(H)Si(NHRAk)2、(RAk)3Si(NRAk
2)、(RAk)3Si(NHRAk)、H2Si(NHRAk
2)2、(RAk)(H)Si(NRAk
2)2、HSi(NH2)(NRAk
2)2、HSi(NRAk
2)3、Si(NRAk
2)4、(R’)(H)Si(NR’’2)2、(R’)2Si(NRAk
2)2、(R’)2Si(N[SiH3]2)2、(R’)2Si(N[SiR’’3]2)2、または(R’)3Si(NHRAk)を含むことができる。いくつかの実施形態では、R’およびR’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる(例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニル)。他の実施形態では、各RAkは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。特定の実施形態では、RAkは、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、iso-プロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、sec-ブチル(sBu)、iso-ブチル(iBu)、tert-ブチル(tBu)などである。
【0264】
前駆体の非限定的な例には、以下のいずれかが挙げられる:メチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHMe])、ジメチルアミノジメチルシラン(SiMe2H[NMe2])、ジメチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NMe2])、ジメチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NMe2])、ジメチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NMe2])、エチルメチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NMeEt])、エチルメチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NMeEt])、エチルメチルアミノトリエチルシラン(SiHEt2[NMeEt])、エチルメチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NMeEt])、ジエチルアミノメチルシラン(SiH2Me[NEt2])、ジエチルアミノエチルシラン(SiH2Et[NEt2])、エチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHEt])、ジエチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NEt2])、ジエチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NEt2])、ジエチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NEt2])、ジエチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NEt2])、iso-プロピルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NHiPr])、iso-プロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHiPr])、iso-プロピルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NHiPr])、iso-プロピルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NHiPr])、ジ-イソプロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NiPr2])、ジ-iso-プロピルアミノシラン(SiH3[NiPr2]、C6H17NSi、またはDIPAS)、ジ-iso-プロピルアミノメチルシラン(SiH2Me[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノトリエチルシラン(SiHEt2[NiPr2])、ジ-イソプロピルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NiPr2])、n-プロピルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHnPr])、ジ-sec-ブチルアミノシラン(SiH3[NsBu2]またはDSBAS)、ジ-sec-ブチルアミノメチルシラン(SiH2Me[NsBu2])、iso-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHiBu])、n-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHnBu])、tert-ブチルアミノジメチルシラン(SiHMe2[NHtBu])、tert-ブチルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHtBu])、tert-ブチルアミノジエチルシラン(SiHEt2[NHtBu])、tert-ブチルアミノトリエチルシラン(SiEt3[NHtBu])、ジシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NCy2]、Cyは、シクロヘキシルである)、N-プロピルイソプロピルアミノシラン(SiH3[NiPrnPr])、N-メチルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NMeCy])、N-エチルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NEtCy])、アリルフェニルアミノシラン(SiH3[NAllPh])、N-イソプロピルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NiPrCy])、アリルシクロペンチルアミノシラン(SiH3[NAllCp])、フェニルシクロヘキシルアミノシラン(SiH3[NHCy])、シクロヘキシルアミノトリメチルシラン(SiMe3[NHCy]、Cyは、シクロヘキシルである)、ピロリルトリメチルシラン(SiMe3[NHPy]、Pyは、ピロリルである)、ピロリジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPyr]、Pyrは、ピロリンジルである)、ピペリジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPip]、Pipは、ピペリジニルである)、ピペラジノトリメチルシラン(SiMe3[NHPz]、Pzは、ピペラジニルである)、イミダゾリルトリメチルシラン(SiMe3[NHIm]、Imは、イミダゾリルである)、ビス(ジメチルアミノ)シラン(SiH2[NMe2]2またはBDMAS)、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(SiMeH[NMe2]2)、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NMe2]2またはBDMADMS)、ビス(ジメチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NMe2]2)、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NMe2]2)、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)シラン(SiH2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NMeEt]2)、ビス(エチルメチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NMeEt]2)、ビス(ジエチルアミノ)シラン(SiH2[NEt2]2、C8H22N2Si、またはBDEAS)、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NEt2]2)、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NEt2]2)、ビス(ジエチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NEt2]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHiPr]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NHiPr]2)、ビス(iso-プロピルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NHiPr]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)シラン(SiH2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NiPr2]2)、ビス(ジ-iso-プロピルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NiPr2]2)、ビス(メチルアミノ)シラン(SiH2[NHMe]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)シラン(SiH2[NHsBu]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)メチルシラン(SiHMe[NHsBu]2)、ビス(sec-ブチルアミノ)エチルシラン(SiHEt[NHsBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH2[NHtBu]2またはBTBAS)、ビス(tert-ブチルアミノ)ジメチルシラン(SiMe2[NHtBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)メチルビニルシラン(SiMeVi[NHtBu]2)、ビス(tert-ブチルアミノ)ジエチルシラン(SiEt2[NHtBu]2)、ビス(1-イミダゾリル)ジメチルシラン(SiMe2[Im]2、Imは、イミダゾリルである)、トリス(ジメチルアミノ)シラン(SiH[NMe2]3または3DMAS)、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン(SiPh[NMe2]3)、トリス(ジメチルアミノ)メチルシラン(SiMe[NMe2]3)、トリス(ジメチルアミノ)エチルシラン(SiEt[NMe2]3)、トリス(エチルメチルアミノ)シラン(SiH[NEtMe]3)、トリス(ジエチルアミノ)シラン(SiH[NEt2]3)、トリス(iso-プロピルアミノ)シラン(SiH[NHiPr]3、C9H25N3Si、またはTIPAS)、トリス(ジメチルアミノ)シリルアミド(Si[NMe2]3[NH2])、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si[NMe2]4)、テトラキス(エチルメチルアミノ)シラン(Si[NEtMe]4)、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン(Si[NEt2]4)、1,2-ジエチル-テトラキス(ジエチルアミノ)ジシラン([Et2N]2EtSi-SiEt[NEt2]2)、1,2-ジメチル-テトラキス(ジメチルアミノ)ジシラン([Me2N]2MeSi-SiMe[NMe2]2)、1,2-ジメチル-テトラキス(ジエチルアミノ)ジシラン([Et2N]2MeSi-SiMe[NEt2]2)、ヘキサキス(メチルアミノ)ジシラン([MeHN]3Si-Si[NHMe]3)、ヘキサキス(エチルアミノ)ジシラザン([EtHN]3Si-Si[NHEt]3)、ヘキサキス(ジメチルアミノ)ジシラザン(Me2N-Si[Me2]2-Si[NMe2]2-NMe2)など。
【0265】
イソシアナトシラン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のイソシアナト基を含むことができ、それによって非限定的なイソシアナトシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NCO)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0266】
別の実施形態では、前駆体は、(R’)zSi(NCO)x(NR’’2)yの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
yおよびzの各々は、独立して、0、1、2、または3であり、
x+y+z=4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0267】
さらに別の実施形態では、前駆体は、(NCO)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(NCO)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0268】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0269】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0270】
前駆体は、以下のいずれか、例えば、(R’)Si(NCO)(NR’’2)2、(R’)2Si(NCO)(NR’’2)、(R’)2Si(NCO)(N[SiR3]2)、またはテトライソシアナトシラン(Si[NCO]4)を含むことができる。いくつかの実施形態では、R’およびR’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる(例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニル)。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールである。
【0271】
アジドシラン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のアジド基を含むことができ、それによって非限定的なアジドシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(N3)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0272】
別の実施形態では、前駆体は、(R’)zSi(N3)x(NR’’2)yの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
yおよびzの各々は、独立して、0、1、2、または3であり、
x+y+z=4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0273】
さらに別の実施形態では、前駆体は、(N3)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(N3)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0274】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0275】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0276】
前駆体は、以下のいずれか、例えば、(R’)3Si(N3)、(R’)2Si(N3)2、(R’)Si(N3)3、またはSi(N3)(NR’’2)3を含むことができる。いくつかの実施形態では、R’およびR’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる(例えば、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニル)。前駆体の非限定的な例にはまた、トリス(ジメチルアミノ)シリルアジド([Me2N]3SiN3)、ジ-tert-ブチルジアジドシラン(tBu2Si(N3)2)、エチルシリコントリアジド(EtSi(N3)3)などが挙げられる。
【0277】
ヒドラジノシラン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の任意選択で置換されたヒドラジノ基を含むことができ、それによって非限定的なヒドラジノシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’’-NR’’2)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0278】
別の実施形態では、前駆体は、(NR’2-NR’’)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(NR’’-NR’’2)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0279】
さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’’-L-NR’’ 2)xの式を有し、xは、1、2、3、または4であり、各L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0280】
特定の実施形態では、Lは、-NR-などの任意選択で置換されたイミノであり、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、Lは、-SiR2-などの任意選択で置換されたシリルであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。さらに他の実施形態において、Lは、-NR-NR-であり、Rは、本明細書に記載のいずれかである(例えば、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である)。
【0281】
一例では、少なくとも1つのxは、0ではない。別の実施形態では、xは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、xは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルを含む。
【0282】
前駆体は、R’基とヒドラジノ基の任意の有用な組み合わせを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)3Si(NR’’-L-NR’’2)または(R’)3Si(NR’’-NR’’2)の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0283】
前駆体は、複数のヒドラジノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)2Si(NR’’-L-NR’’2)2、(R’)2Si(NR’’-NR’’2)2、または(R’)2Si(NH-NHR’’)2の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0284】
前駆体は、少なくとも2つのケイ素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(NR’’2-NR’’)(R’)2Si-Si(R’)2(NR’’-NR’’2)の式を有し、各R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0285】
非限定的な前駆体には、ビス(tert-ブチルヒドラジノ)ジエチルシラン(SiEt2[NH-NHtBu]2)、トリス(ジメチルヒドラジノ)シラン(SiH[NH-NMe2]3)などが挙げられ得る。
【0286】
シロキサンおよびその誘導体
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の脂肪族-オキシ基、芳香族-オキシ基、および/またはオキシ基を含むことができ、それによって1つまたは複数のSi-O、O-Si-O、またはSi-O-Si結合を有するシロキサンまたはその誘導体が提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(OR’’’)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0287】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’’O)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(OR’’’)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0288】
特定の実施形態では、Lは、-NR-などの任意選択で置換されたイミノであり、Rは、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、Lは、-SiR2-などの任意選択で置換されたシリルであり、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換された芳香族である。他の実施形態では、Lは、-O-L’-O-であり、L’は、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル(例えば、SiR2-)、任意選択で置換されたアルキレン(例えば、-(CH2)n-、nは、1~6である)、任意選択で置換されたアリーレンなどである。さらに他の実施形態では、Lは、オキシである。
【0289】
一例では、少なくとも1つのxは、0ではない。別の実施形態では、xは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、xは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルを含む。
【0290】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0291】
他の実施形態では、R’’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0292】
前駆体は、ケイ素原子に結合した1つまたは複数の水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、H3Si(OR’’’)、H2Si(OR’’’)2、またはHSi(OR’’’)3の式を有し、各R’’’は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0293】
前駆体は、前駆体内にR’基とOR’’’基の任意の組み合わせを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)3Si(OR’’’)、(R’)2Si(OR’’’)2、または(R’)Si(OR’’’)3の式を有し、R’およびR’’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。前駆体は、(RAk)3Si(ORAk)、(RAk)2Si(ORAk)2、または(RAk)Si(ORAk)3の式を有する前駆体内などにアルキル基を含むことができ、RAkは、任意選択で置換されたアルキルである。
【0294】
場合によっては、前駆体は、2つ以上のケイ素原子を有することができ、前駆体は、Si-Si結合を含むことができる。特定の実施形態では、前駆体は、(R’’’ O)x(R’)3-xSi-Si(R’)3-x(OR’’’)xの式を有し、R’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’’O)(R’)2Si-Si(R’)2(OR’’’)の式を有し、R’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0295】
前駆体は、R’基とヘテロ原子を有するリンカーの組み合わせを含むことができる。一例では、前駆体は、(R’)3Si-O-Si(R’)3の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’)3Si-O-L’-O-Si(R’)3の式を有し、LおよびR’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の例では、前駆体は、(R’)3Si-(OSiR’ 2)z-R’の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、zは、1、2、3、4、またはそれ以上である。別の例では、前駆体は、(R’)4-xSi-[(OSiR’ 2)z-R’]xの式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、xは、1、2、3、または4であり、zは、1、2、3、4、またはそれ以上である。
【0296】
前駆体は、2つのケイ素原子と組み合わせたR’基およびOR’’’基の任意の有用な組み合わせを含むことができる。一例では、前駆体は、(R’’’ O)x(R’)3-xSi-O-Si(R’)3-x(OR’’’)xの式を有し、R’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’’’O)x(R’)3-xSi-O-L’-O-Si(R’)3-x(OR’’’)xの式を有し、L’、R’、およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0297】
非限定的な前駆体には、メトキシジメチルシラン(SiHMe2[OMe])、エトキシジメチルシラン(SiHMe2[OEt])、iso-プロポキシジメチルシラン(SiHMe2[OiPr])、t-ブトキシジメチルシラン(SiHMe2[OtBu])、t-ペントキシジメチルシラン(SiHMe2[OtPe])、フェノキシジメチルシラン(SiHMe2[OPh])、アセトキシジメチルシラン(SiHMe2[OAc])、メトキシトリメチルシラン(SiMe3[OMe])、エトキシトリメチルシラン(SiMe3[OEt])、iso-プロポキシトリメチルシラン(SiMe3[OiPr])、t-ブトキシトリメチルシラン(SiMe3[OtBu])、t-ペントキシトリメチルシラン(SiMe3[OtPe])、フェノキシトリメチルシラン(SiMe3[OPh])、アセトキシトリメチルシラン(SiMe3[OAc])、メトキシトリエチルシラン(SiEt3[OMe])、エトキシトリエチルシラン(SiEt3[OEt])、iso-プロポキシトリエチルシラン(SiEt3[OiPr])、t-ブトキシトリエチルシラン(SiEt3[OtBu])、t-ペントキシトリエチルシラン(SiEt3[OtPe])、フェノキシトリエチルシラン(SiEt3[OPh])、アセトキシトリエチルシラン(SiEt3[OAc])、ジメトキシシラン(SiH2[OMe]2)、ジエトキシシラン(SiH2[OEt]2)、ジ-iso-プロポキシシラン(SiH2[OPr]2)、ジ-tert-ブトキシシラン(SiH2[OtBu]2またはDTBOS)、ジ-tert-ペントキシシラン(SiH2[OtPe]2またはDTPOS)、ジアセトキシシラン(SiH2[OAc]2)、ジメトキシジメチルシラン(SiMe2[OMe]2)、ジエトキシジメチルシラン(SiMe2[OEt]2)、ジ-iso-プロポキシジメチルシラン(SiMe2[OPr]2)、ジ-tert-ブトキシジメチルシラン(SiMe2[OtBu]2)、ジアセトキシジメチルシラン(SiMe2[OAc]2)、ジメトキシジエチルシラン(SiEt2[OMe]2)、ジエトキシジエチルシラン(SiEt2[OEt]2)、ジ-iso-プロポキシジエチルシラン(SiEt2[OiPr]2)、ジ-tert-ブトキシジエチルシラン(SiEt2[OtBu]2)、ジ-iso-ジアセトキシジエチルシラン(SiEt2[OAc]2)、ジメトキシジフェニルシラン(SiPh2[OMe]2)、ジメトキシジ-iso-プロピルシラン(Si[iPr]2[OMe]2)、ジエトキシジ-iso-プロピルシラン(Si[iPr]2[OEt]2)、ジ-iso-プロポキシジイソプロピルシラン(Si[iPr]2[OiPr]2)、ジ-tert-ブトキシジイソプロピルシラン(Si[iPr]2[OtBu]2)、ジアセトキシジ-iso-プロピルシラン(Si[iPr]2[OAc]2)、ジメトキシメチルビニルシラン(SiMeVi[OMe]2)、ジエトキシメチルビニルシラン(SiMeVi[OEt]2)、ジ-iso-プロポキシメチルビニルシラン(SiMeVi[OiPr]2)、ジ-tert-ブトキシメチルビニルシラン(SiMeVi[OtBu]2)、ジアセトキシメチルビニルシラン(SiMeVi[OAc]2)、トリエトキシシラン(SiH[OEt]3またはTES)、トリメトキシエチルシラン(SiEt[OMe]3)、トリエトキシメチルシラン(SiMe[OEt]3)、トリエトキシフェニルシラン(SiPh[OEt]3)、テトラメトキシシラン(Si[OMe]4)、テトラエトキシシラン(Si[OEt]4またはTEOS)、テトラ-n-プロポキシシラン(Si[OnPr]4)、テトラ-iso-プロポキシシラン(Si[OiPr]4)、テトラ-n-ブトキシシラン(Si[OnBu]4)、テトラ-t-ブトキシシラン(Si[OtBu]4)、テトラメチルジシロキサン(O[SiHMe2]2またはTMDO)、ヘキサメチルジシロキサン(O[SiMe3]2)、ヘキサエチルジシロキサン(O[SiEt3]2)、ヘキサプロピルジシロキサン(O[SiPr3]2)、ヘキサフェニルジシロキサン(O[SiPhPr3]2)、ヘキサメチルトリシロキサン(Me2SiH-O-SiMe2-O-SiHMe2)などが挙げられ得る。
【0298】
酸素および窒素を含む混合シラン
ケイ素含有前駆体は、脂肪族-オキシ基または芳香族-オキシ基のいずれかで任意選択で置換された1つまたは複数のアミノ基を含むことができ、それによって非限定的な混合シランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)zSi(OR’’’)x(NR’’2)yの式を有し、
xおよびyの各々は、独立して、1、2、3、または4であり、
zは、0、1、または2であり、
x+y+z=4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0299】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)y(R’’’O)x(R’)zSi-L-Si(R’)z(OR’’’)x(NR’’2)yの式を有し、
xおよびyの各々は、0よりも大きく(例えば、1または2)、
zは、0または1であり、
x+y+z=3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0300】
R’、R’’、およびR’’’の非限定的な例は、例えば、アミノシラン、シロキサン、またはそれらの誘導体などについて本明細書に記載されている。
【0301】
前駆体は、R’基、NR’’2基、およびOR’’’基の任意の組み合わせを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)Si(OR’’’)2(NR’’2)または(R’)2Si(OR’’’)2(NR’’2)の式を有し、R’、R’’、およびR’’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。他の実施形態では、前駆体は、(R’)2Si(OR’’’)(N[SiR3]2)の式を有し、R’およびR’’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができ、Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0302】
前駆体は、ケイ素原子に結合したアミノ基およびオキシ含有基のみを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、Si(OR’’’)3(NR’’2)、Si(OR’’’)2(NR’’2)2、またはSi(OR’’’)(NR’’2)3の式を有し、R’’およびR’’’の各々は、独立して、本明細書に記載のいずれかとすることができる。非限定的な前駆体には、例えば、ジエトキシ(iso-プロピルアミノ)シラン(SiH[NHiPr][OEt]2)、ジエトキシ(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHtBu][OEt]2)、ジエトキシ(tert-ペンチルアミノ)シラン(SiH[NHtPe][OEt]2)、ジ-tert-ブトキシ(メチルアミノ)シラン(SiH[NHMe][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(エチルアミノ)シラン(SiH[NHEt][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(iso-プロピルアミノ)シラン(SiH[NHiPr][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(n-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHnBu][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(sec-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHsBu][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(iso-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHiBu][OtBu]2)、ジ-tert-ブトキシ(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHtBu][OtBu]2)、ジ-tert-ペントキシ(メチルアミノ)シラン(SiH[NHMe][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(エチルアミノ)シラン(SiH[NHEt][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(iso-プロピルアミノ)シラン(SiH[NHiPr][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(n-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHnBu][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(sec-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHsBu][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(iso-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHiBu][OtPe]2)、ジ-tert-ペントキシ(tert-ブチルアミノ)シラン(SiH[NHtBu][OtPe]2)、ジメトキシ(フェニルメチルアミノ)シラン(SiH[NPhMe][OMe]2)、ジエトキシ(フェニルメチルアミノ)シラン(SiH[NPhMe][OEt]2)、ジメトキシ(フェニルメチルアミノ)メチルシラン(SiMe[NPhMe][OMe]2)、ジエトキシ(フェニルメチルアミノ)メチルシラン(SiEt[NPhMe][OEt]2)などが挙げられ得る。
【0303】
シリルアミン
ケイ素含有前駆体は、窒素原子に結合した1つまたは複数の任意選択で置換されたシリル基を含むことができ、それによって非限定的なシリルアミンが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN(SiR’ 3)yの式を有し、
yは、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0304】
別の実施形態では、前駆体は、(R’ 3Si)y(R’’)2-yN-L-N(R’’)2-y(SiR’ 3)yの式を有し、
各yは、独立して、0、1、または2であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
任意選択でN-L-Nは、一緒になって、多価ヘテロシクリル基を形成する。
【0305】
一例では、少なくとも1つのyは、0ではない。別の実施形態では、yは、0とすることができる(例えば、Lが炭素原子またはヘテロ原子を含む場合)。さらに別の実施形態では、yは、0であり、および/またはLは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0306】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3または-SiR2-L-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。Lは、任意の有用なリンカー(例えば、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、オキシ、イミノ、シリルなど)とすることができる。
【0307】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0308】
前駆体は、窒素原子に結合した少なくとも1つのR’’基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)N(SiR’ 3)2または(R’’)2N(SiR’ 3)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)2N(SiH3)または(R’’)N(SiH3)2の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、R’は、任意選択で置換されたアルキル、アミノ、またはアルコキシであり、R’’は、任意選択で置換されたアルキルまたはアミノであり、任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する。
【0309】
前駆体は、窒素原子に結合した少なくとも1つの水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(H)N(SiRAk
3)2の式を有し、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルとすることができる。
【0310】
前駆体は、窒素原子に結合した3つのケイ素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、N(SiR’ 3)3の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、N(SiH3)(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、N(SiH3)(SiRAk
3)2の式を有し、RAkは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルとすることができる。
【0311】
前駆体は、2つ以上の窒素原子を有することができ、前駆体は、N-N結合を含む。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0312】
リンカーは、窒素原子の間に存在することができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-L-N(R’’)(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-L-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、Lは、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、-O-、-SiR2-、または-Si-である。特定の実施形態では、R’’の少なくとも1つは、Hではない。別の例では、前駆体は、(H3Si)(R’’)N-L-N(R’’)(SiH3)の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0313】
リンカーは、ケイ素原子を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-SiR’ 2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-SiR’ 2-N(R’’)(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-SiR’ 2-N(R’’)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0314】
リンカーは、SiH2基を含むことができる。一例では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-SiH2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の例では、前駆体は、(R’ 3Si)HN-SiH2-NH(SiR’ 3)または(R’ 3Si)2N-SiH2-N(R’’)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0315】
複数の窒素含有部分およびケイ素含有部分が、前駆体内に存在し得る。一実施形態では、前駆体は、(R’ 3Si)(R’’)N-SiR’ 2-N(R’’)-SiR’ 2-N(R’’)(SiR’ 3)の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0316】
非限定的な前駆体には、例えば、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン(NH[SiHMe2]2またはTMDS)、1,1,2,3,3-ペンタメチルジシラザン(NMe[SiHMe2]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(NH[SiMe3]2またはHMDS)、ヘプタメチルジシラザン(NMe[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチル-2-エチルジシラザン(NEt[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiMe3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiEt3]2)、1,1,3,3-テトラメチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiHMe2]2)、1,1,3,3-テトラエチル-2-イソプロピルジシラザン(NiPr[SiHEt2]2)、1,3-ジエチルテトラメチルジシラザン(NH[SiMe2Et]2)、1,1,3,3-テトラエチルジシラザン(NH[SiHEt2]2)、1,1,3,3-テトラエチル-2-メチルジシラザン(NMe[SiHEt2]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチルジシラザン(NH[SiEt3]2)、1,1,1,3,3,3-ヘキサエチル-2-メチルジシラザン(NMe[SiEt3]2)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタエチルジシラザン(NEt[SiEt3]2)、1,2,3-トリメチルトリシラザン(N[SiH2Me]3)、ノナメチルトリシラザン(N[SiMe3]3)、ジイソプロピルシリルアミン(NiPr2[SiH3])、ジエチルシリルアミン(NEt2[SiH3])、ジイソプロピルシリルアミン(NiPr2[SiH3])、ジ-sec-ブチルシリルアミン(NsBu2[SiH3])、ジ-tert-ブチルシリルアミン(NtBu2[SiH3])、ジシリルメチルアミン(NMe[SiH3]2)、ジシリルエチルアミン(NEt[SiH3]2)、ジシリルイソプロピルアミン(NiPr[SiH3]2)、ジシリル-tert-ブチルアミン(NtBu[SiH3]2)、ビス(トリメチルシリル)アミン(NH[SiMe3]2)、ビス(トリエチルシリル)アミン(NH[SiEt3]2)などが挙げられ得る。
【0317】
シラザンおよびその誘導体
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のアミノ基、シリル基、および/またはイミノ基を含むことができ、それによって1つまたは複数のSi-N、N-Si-N、Si-N-Si、N-Si-Si、またはN-Si-N-Si結合を有するシラザンまたはその誘導体が提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-SiR’ 3)yの式を有し、
yは、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0318】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-SiR’ 2-NR’’2)yの式を有し、yは、1、2、または3であり、L、R’およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0319】
さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN(SiR’ 2-L-NR’’2)yの式を有し、yは、1、2、または3であり、L、R’およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0320】
一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’-L-SiR’ 3)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0321】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’2N)-(SiR’ 2-L)z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、または3であり、L、R’およびR’’の各々は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0322】
いくつかの実施形態では、Lは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0323】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-カルボニルオキシ(例えば、アルカノイルオキシまたは-OC(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3または-SiR2-L-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。Lは、任意の有用なリンカー(例えば、共有結合、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、オキシ、イミノ、シリルなど)とすることができる。
【0324】
他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシである。いくつかの実施形態では、R’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)である。他の実施形態では、R’’は、-SiR’ 3、-SiR3、-Si(R’)a(OR)b、-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(NR2)b、-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、-Si(R)a(OR)b(NR2)c、-O-SiR’ 3、-O-SiR3、-O-Si(R’)a(OR)b、-O-Si(R)a(OR)b、-O-Si(R’)a(NR2)b、-O-Si(R’a(NR2)b)、-O-Si(R’)a(OR)b(NR2)c、または-O-Si(R)a(OR)b(NR2)cであり、各R’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a、b、およびcの各々は、≧0であり、a+b+c=3またはa+b=3(cが存在しない場合)である。特定の実施形態では、Rは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。
【0325】
前駆体は、1つまたは複数のジシラニル基およびアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 3の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。他の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-SiH3の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiR’ 2-SiR’ 3)yの式を有し、y、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiH2-SiH3)yの式を有し、yおよびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0326】
前駆体は、二価ジシラニル基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 2-L-NR’’2の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-SiR’ 2-NR’’2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0327】
リンカーLは、2つのシリル基の間に存在することができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-SiR’ 3またはR’’N-(SiR’ 2-L-SiR’ 3)2の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-SiR’ 2-NR’’2の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN-(SiR’ 2-L-SiH3)yの式を有し、y、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0328】
前駆体は、シリル基として-SiH3を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-SiH3の式を有し、R’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、(R’’)N-(SiH2-L-SiH3)2または(R’’)2N-(SiH2-L-SiH3)の式を有し、LおよびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0329】
前駆体は、例えば、-NR’’-SiR’ 3などのシリル置換アミノ基を含むことができ、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(NR’’-SiR’ 3)xまたは(R’)4-xSi(NH-SiR’ 3)xの式を有し、xは、1、2、3、または4であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、H2Si(NR’’-SiR’ 3)3の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0330】
前駆体は、例えば、-N(SiR’ 3)2などのビス-トリシリルアミノ基を含むことができ、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-N(SiR’ 3)2の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiH2-N(SiH3)2の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。さらに別の実施形態では、前駆体は、(R’ 3Si)2N-[SiR’ 2-N(SiR’ 3)]z(SiR’ 3)の式を有し、zは、0、1、2、または3であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0331】
前駆体は、ケイ素原子と窒素原子との間に配置されたリンカーLを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-L-NR’’2の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0332】
前駆体は、2つの窒素原子の間に配置されたリンカーLを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’ 3Si-SiR’ 2-NR’’-L-NR’’-SiR’ 2-SiR’ 3の式を有し、L、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0333】
リンカーは、例えば、-N(SiR’ 3)-などのシリルイミノ基を含むことができ、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-[SiR’ 2-N(SiR’ 3)]z-SiR’ 3またはR’’2N-[N(SiR’ 3)]z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、3、またはそれ以上であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0334】
リンカーは、シリル基とイミノ基の両方を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-[SiR’ 2-NR’’]z-SiR’ 3の式を有し、zは、1、2、3、またはそれ以上であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0335】
非限定的な前駆体には、例えば、ジ-iso-プロピルアミノジシラン([iPr2N]-SiH2-SiH3)、ジ-sec-ブチルアミノジシラン([sBu2N]-SiH2-SiH3)、メチルシクロヘキシルアミノジシラン([MeCyN]-SiH2-SiH3)、メチルフェニルアミノジシラン([MePhN]-SiH2-SiH3)、ピペリジノジシラン、3,5-ジメチルピペリジノジシラン、ジ-iso-プロピルアミノトリシリルアミン([iPr2N]-SiH2-N[SiH3]2)、ジエチルアミノトリシリルアミン([Et 2 N]-SiH2-N[SiH3]2)、iso-プロピルアミノトリシリルアミン([iPrHN]-SiH2-N[SiH3]2)などが挙げられる。
【0336】
ケイ素および酸素を含む混合アミン
ケイ素含有前駆体は、シリル基で置換された1つまたは複数のアミノ基を含むことができ、それによって非限定的な混合アミンが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(OR’’’)xR’3-x]yの式を有し、
xおよびyの各々は、独立して、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができ、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0337】
R’、R’’、およびR’’’の非限定的な例は、例えば、アミノシラン、シロキサン、シリルアミン、またはそれらの誘導体などについて本明細書に記載されている。
【0338】
前駆体は、R’’基とケイ素含有基の任意の組み合わせを含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yまたは(RAk)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yの式を有し、R’’、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかとすることができ、RAkは、H、任意選択で置換された脂肪族、または任意選択で置換されたヘテロ脂肪族である。特定の実施形態では、RAkは、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルキレン、または任意選択で置換されたアルキニルである。他の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[Si(ORAk)xH3-x]yまたは(R’’)3-yN[Si(ORAk)H(RAk)]yの式を有し、R’’、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0339】
前駆体は、2つのケイ素含有基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(R’’)N[Si(ORAk)xRAk
3-x]2または(RAk)N[Si(ORAk)xRAk
3-x]2の式を有し、R’’、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかである。特定の実施形態では、xは、1または2である。
【0340】
前駆体は、窒素原子に結合した水素原子を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、(H)3-yN[Si(ORAk)xRAk
3-x]yまたは(H)3-yN[Si(ORAk)xH3-x]yまたは(H)3-yN[Si(ORAk)H(RAk)]yの式を有し、RAk、x、およびyは、本明細書に記載のいずれかである。特定の実施形態では、xは、1または2である。
【0341】
非限定的な前駆体には、例えば、ビス(ジメトキシシリル)アミン(NH[Si(OMe)2H]2)、ビス(ジエトキシシリル)アミン(NH[Si(OEt)2H]2)、N-iso-プロピルビス(ジエトキシシリル)アミン(NiPr[Si(OEt)2H]2)、ビス(メトキシメチルシリル)アミン(NH[Si(OMe)MeH]2)、トリス(ジメトキシシリル)アミン(N[Si(OMe)2H]3)、トリス(メトキシメチルシリル)アミン(N[Si(OMe)MeH]3)、トリス(ジエトキシシリル)アミン(N[Si(OEt)2H]3)、トリス(トリメトキシシリル)アミン(N[Si(OMe)3]3)などが挙げられる。
【0342】
環状シラザン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の窒素原子を有する環状基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、[NR’’-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
nは、1、2、または3であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0343】
一実施形態では、前駆体は、[NR’’-(SiR’ 2)n-L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
各nは、独立して、1、2、または3であり、
各Lは、独立して、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0344】
別の実施形態では、前駆体は、[NR’’-L-NR’’-(SiR’ 2)n]zの式を有し、zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、各nは、独立して、1、2、または3であり、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0345】
さらに別の実施形態では、前駆体は、[L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、各nは、独立して、1、2、または3であり、Lは、イミノ(例えば、-NR-)、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、またはそれらの組み合わせであり、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、Lがヘテロ原子を含まない場合、R’は、1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、窒素原子)を含む。
【0346】
一実施形態では、前駆体は、以下の化学式8の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化8】
【0347】
別の実施形態では、前駆体は、以下の化学式9の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化9】
【0348】
さらに別の実施形態では、前駆体は、以下の化学式10の式を有し、R’’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。特定の実施形態では、各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【化10】
【0349】
一実施形態では、前駆体は、以下の化学式11の式を有し、R’は、ヘテロ原子(例えば、任意選択で置換されたアミノ、アジド、イソシアナト、または任意選択で置換されたヒドラジノ中などの窒素原子)を含むことができ、nは、1、2、3、または4である。
【化11】
【0350】
いくつかの実施形態では、Lは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキレン、任意選択で置換されたアルケニレン、任意選択で置換されたアルキニレン、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたヘテロアルキレン、任意選択で置換されたヘテロアルケニレン、任意選択で置換されたヘテロアルキニレン、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリーレン、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたヘテロアリーレン、オキシ(-O-)、イミノ(例えば、-NR-または-N(SiR3)-)、またはシリル(例えば、-SiR2-)、ならびにそれらの組み合わせ(例えば、-SiR2-NR-、-NR-SiR2-、-SiR2-NR-SiR2-など)を含む。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族である。
【0351】
他の実施形態では、Lは、任意選択で置換されたアルキレンであり、少なくとも1つのR’は、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換された脂肪族-オキシ、または任意選択で置換されたアルコキシを含む。
【0352】
いくつかの実施形態では、各R’は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたアリールである。他の実施形態では、各R’は、独立して、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアミノ、または任意選択で置換されたアルコキシである。
【0353】
他の実施形態では、各R’’は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたシリル、任意選択で置換されたアミノ、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、または任意選択で置換されたヘテロアリールである。
【0354】
非限定的な前駆体には、1,3,3-トリメチルシクロジシラザン([NH-SiMe2][NH-SiMeH])、ヘキサメチルシクロトリシラザン([NH-SiMe2]3)、オクタメチルシクロテトラシラザン([NH-SiMe2]4)などが挙げられる。
【0355】
環状シロキサン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の酸素原子を有する環状基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、[L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
nは、1、2、または3であり、
Lは、酸素含有リンカー(例えば、オキシまたはヘテロアルキレン)であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0356】
一実施形態では、前駆体は、[O-L’-O-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
nは、1、2、または3であり、
各L’は、独立して、リンカー、例えば任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル(例えば、-SiR2-)、任意選択で置換されたアルキレン(例えば、-(CH2)n-、nは、1~6である)、および任意選択で置換されたアリーレンであり、
R’は、本明細書に記載のいずれかである。
【0357】
別の実施形態では、前駆体は、[O-(SiR’ 2)n-L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、
各nは、独立して、1、2、または3であり、
各Lは、独立して、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリル、ならびにそれらの組み合わせであり、
R’は、本明細書に記載のいずれかである。
【0358】
さらに別の実施形態では、前駆体は、[L-(SiR’ 2)n]zの式を有し、
zは、1、2、3、4、5、またはそれ以上であり、各nは、独立して、1、2、または3であり、Lは、オキシ(-O-)、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、またはそれらの組み合わせであり、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、Lがヘテロ原子を含まない場合、R’は、1つまたは複数のヘテロ原子(例えば、酸素原子)を含む。
【0359】
一実施形態では、前駆体は、以下の化学式12の式を有し、R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化12】
【0360】
別の実施形態では、前駆体は、以下の化学式13の式を有し、R’およびR’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。
【化13】
【0361】
さらに別の実施形態では、前駆体は、以下の化学式14の式を有し、R’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができ、nは、1、2、3、または4である。特定の実施形態では、各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【化14】
【0362】
一実施形態では、前駆体は、以下の化学式15の式を有し、R’は、ヘテロ原子(例えば、任意選択で置換された脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、任意選択で置換されたアルコキシ、任意選択で置換されたアルコキシカルボニル、任意選択で置換されたアルカノイル、任意選択で置換されたアルカノイルオキシ中などの酸素原子)を含むことができ、nは、1、2、3、または4である。
【化15】
【0363】
いくつかの実施形態では、各R’は、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたアミノアルキル、任意選択で置換された芳香族、または任意選択で置換されたアリールである。他の実施形態では、各R’は、独立して、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアミノ、または任意選択で置換されたアルコキシである。
【0364】
非限定的な前駆体には、例えば、テトラメチルシクロテトラシロキサン([OSiHMe]4またはTMCTS)、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン([OSiMe2OSiHMe]2またはHMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン([OSiMe2]4、C8H24O4Si4、またはOMCTS)、デカメチルシクロペンタシロキサン([OSiMe2]5またはC10H30O5Si5)、2-ジメチルアミノ-2,4,4,6,6-ペンタメチルシクロトリシロキサン([OSiMe2]2[OSiMe(NMe2)])、2-ジメチルアミノ-2,4,4,6,6,8,8-ヘプタメチルシクロテトラシロキサン([OSiMe2]3[OSiMe(NMe2)])などが挙げられる。
【0365】
アミノシロキサンおよびその誘導体
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のアミノ置換基を有するシロキサンまたはその誘導体を含むことができ、それによって1つまたは複数のSi-O、O-Si-O、またはSi-O-Si結合を有し、かつ1つまたは複数の-NR2置換基を有するシロキサンまたはその誘導体が提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-R’]yの式を有し、
yは、1、2、または3であり、
zは、1、2、3、またはそれ以上であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、またはアミノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、または任意選択で2つのR’’は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。
【0366】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’)3-yN[(SiR’ 2-O)z-SiR’ 3]yの式を有し、R’、R’’、y、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0367】
前駆体は、任意選択で置換されたシリル基を有する任意選択で置換されたアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-R’またはR’’2N-SiR’ 2-O-SiR’ 3の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、R’’2N(SiR’ 2-O)z-SiR’ 3の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0368】
前駆体は、2つの任意選択で置換されたアミノ基を含むことができる。一実施形態では、前駆体は、R’’2N-SiR’ 2-(OSiR’ 2)z-NR’’2の式を有し、R’、R’’、およびzは、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0369】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。他の実施形態では、R’’は、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、または任意選択で置換されたアルキニルである。特定の実施形態では、zは、1、2、または3である。
【0370】
非限定的な前駆体には、例えば、1-ジメチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(Me2N-SiMe2-OSiMe3)、1-ジエチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(Et2N-SiMe2-OSiMe3)、1-エチルメチルアミノ-ペンタメチルジシロキサン(EtMeN-SiMe2-OSiMe3)、1,3-ビス(ジメチルアミノ)テトラメチルジシロキサン(Me2N-SiMe2-OSiMe2-NMe2)、1-ジメチルアミノ-ヘプタメチルトリシロキサン(Me2N-SiMe2-[OSiMe2]2-Me)、1,5-ビス(ジメチルアミノ)ヘキサメチルトリシロキサン(Me2N-SiMe2-[OSiMe2]2-NMe2)などが挙げられ得る。
【0371】
アルキルシラノールまたはアルコキシシラノールを含む、シラノール
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数のヒドロキシル基を含むことができ、それによって非限定的なシラノールが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(OH)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0372】
他の実施形態では、前駆体は、(R’)zSi(OH)x(OR’’’)yの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
yおよびzの各々は、独立して、0、1、2、または3であり、
x+y+z=4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-カルボニルオキシ、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-カルボニルオキシ、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-カルボニルオキシ、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、シリル、またはシリルオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0373】
前駆体は、1つのヒドロキシル基を有することができる。一実施形態では、前駆体は、(R’)3Si(OH)の式を有し、各R’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。別の実施形態では、前駆体は、Si(OH)(OR’’’)3の式を有し、各R’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。特定の実施形態では、R’’’は、任意選択で置換されたアルキル(例えば、Me、Et、nPr、iPr、sBu、またはtBu)であり、任意選択で置換されたアルキルは、直鎖、分岐、置換、または非置換である。
【0374】
非限定的な前駆体には、例えば、トリ(t-ブトキシ)シラノール(SiOH[OtBu]3)、トリ(t-ペントキシ)シラノール(SiOH[OtPe]3)などが挙げられる。
【0375】
カルボニルオキシシラン
ケイ素含有前駆体は、1つまたは複数の任意選択で置換された脂肪族-カルボニルオキシ基を含むことができ、それによって非限定的なカルボニルオキシシランが提供される。一実施形態では、前駆体は、(R’)4-xSi(OC(O)-R’’’)xの式を有し、
xは、1、2、3、または4であり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、またはアミノオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0376】
別の実施形態では、前駆体は、(R’’’-C(O)O)x(R’)3-xSi-L-Si(R’)3-x(OC(O)-R’’’)xの式を有し、
各xは、独立して、0、1、2、または3であり、
Lは、リンカー、例えば共有結合、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、オキシ(-O-)、イミノ、またはシリルであり、
各R’は、独立して、H、脂肪族、脂肪族-カルボニル、脂肪族-オキシ、脂肪族-オキシカルボニル、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族-カルボニル、ヘテロ脂肪族-オキシ、ヘテロ脂肪族-オキシカルボニル、芳香族、芳香族-カルボニル、芳香族-オキシ、芳香族-オキシカルボニル、ヘテロ芳香族、ヘテロ芳香族-オキシ、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル、シリルオキシ、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、
各R’’’は、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、アミノ、またはアミノオキシであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよい。
【0377】
いくつかの実施形態では、R’は、H、任意選択で置換されたアミノ(例えば、-NR2)、脂肪族-オキシ(例えば、アルコキシまたは-OR)、脂肪族-カルボニル(例えば、アルカノイルまたは-C(O)R)、脂肪族-オキシカルボニル(例えば、アルコキシカルボニルまたは-C(O)OR)、シリル(例えば、-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリル(例えば、アルコキシシリルまたは-Si(R)a(OR)b)、アミノシリル(例えば、-Si(R)a(NR2)b)、シリルオキシ(例えば、-O-SiR3)、脂肪族-オキシ-シリルオキシ(例えば、アルコキシシリルオキシまたは-O-Si(R)a(OR)b)、アミノシリルオキシ(例えば、-O-Si(R)a(NR2)b)、芳香族(例えば、アリール)、芳香族-オキシ(例えば、アリールオキシまたは-OR)、ヒドロキシル(-OH)、ホルミル(-C(O)H)などである。特定の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたアリール、および任意選択で置換されたヘテロ芳香族であり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。いくつかの実施形態では、2つのR基は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、任意選択で置換されたヘテロシクリルを形成することができる。他の実施形態では、各Rは、独立して、H、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、または任意選択で置換されたアリールである。
【0378】
いくつかの実施形態では、R’’’は、H、場合によって置換されたアルキル、場合によって置換されたアルケニル、場合によって置換されたアルキニル、場合によって置換されたアルコキシ、場合によって置換されたアリールオキシ、場合によって置換されたアミノ、または場合によって置換されたアミノオキシである。
【0379】
非限定的な前駆体には、(R’)2Si(OC(O)-R’’’)2の式を有する前駆体が挙げられ、R’およびR’’’は、本明細書に記載のいずれかとすることができる。
【0380】
装置
本開示はまた、本明細書に記載の方法を実施するように構成された装置を包含する。一態様では、半導体基板を処理するための装置であって、装置は、基板を保持するための台座を含む少なくとも1つのプロセスチャンバと、真空に結合するための少なくとも1つの出口と、1つまたは複数の有機ケイ素含有前駆体ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、1つまたは複数の窒素含有反応剤ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、装置内の動作を制御するためのコントローラであって、時間的に分離されたパルスで有機ケイ素含有前駆体ガスおよび窒素含有反応剤ガスを導入し、熱原子層堆積によって基板の表面上に窒化ケイ素を形成するための機械可読命令を含むコントローラとを含み、ケイ素含有前駆体ガスのパルスおよび窒素含有反応剤ガスのパルスは、1つの熱原子層堆積サイクルを構成し、それによって膜を堆積する。一実施形態では、膜の炭素含有量は、プロセス温度を変更することによって修正することができる。
【0381】
別の態様では、半導体基板を処理するための装置であって、装置は、基板を保持するための台座を含む少なくとも1つのプロセスチャンバと、真空に結合するための少なくとも1つの出口と、1つまたは複数の有機ケイ素含有前駆体ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、1つまたは複数の窒素含有反応剤ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、1つまたは複数のプラズマ源と、装置内の動作を制御するためのコントローラであって、時間的に分離されたパルスで有機ケイ素含有前駆体ガスおよび窒素含有反応剤ガスを導入し、熱原子層堆積によって基板の表面上に窒化ケイ素を形成するための機械可読命令を含むコントローラとを含み、ケイ素含有前駆体ガスのパルスおよび窒素含有反応剤ガスのパルスは、1つの熱原子層堆積サイクルを構成し、基板の表面をラジカル種に曝露することで、1つまたは複数のプラズマ源を形成する。特定の実施形態では、ラジカル種は、窒素含有ラジカルを含む。
【0382】
図4は、いずれもプラズマ強化されてもよい、原子層堆積(ALD)および/または化学気相堆積(CVD)を使用して材料を堆積するために使用され得るプロセスステーション400の一実施形態を概略的に示す。簡略化のために、プロセスステーション400は、低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体402を有する独立型プロセスステーションとして図示されている。しかし、複数のプロセスステーション400が共通のプロセスツール環境に含まれてもよいことが理解されよう。さらに、いくつかの実施形態では、プロセスステーション400の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(以下で詳細に説明されるものを含む)は、1つまたは複数のコンピュータコントローラによってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
【0383】
プロセスステーション400は、プロセスガスを分配シャワーヘッド406に送給するための反応剤送給システム401と流体連通する。反応剤送給システム401は、シャワーヘッド406に送給するプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器404を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁420は、混合容器404へのプロセスガスの導入を制御することができる。同様に、シャワーヘッド入口弁405は、シャワーヘッド406へのプロセスガスの導入を制御することができる。
【0384】
本明細書のいずれかのケイ素含有前駆体と同様に、一部の反応剤は、プロセスステーションでの気化前、およびその後のプロセスステーションへの送給前に液体の形態で保管され得る。例えば、
図4の実施形態は、混合容器404に供給される液体反応剤を気化させるための気化ポイント403を含む。いくつかの実施形態では、気化ポイント403は、加熱された気化器であり得る。このような気化器から発生された反応剤蒸気は、下流の送給配管で凝縮する可能性がある。凝縮した反応剤に不適合なガスを曝露すると、小さな粒子が生成される場合がある。これらの小さな粒子は、配管を詰まらせたり、弁の動作を妨げたり、基板を汚染したりする可能性がある。これらの問題に対処するいくつかのアプローチは、送給配管を掃除および/または排気し、残留反応剤を除去することを伴う。しかし、送給配管を掃除すると、プロセスステーションのサイクル時間が増加し、プロセスステーションのスループットが低下する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、気化ポイント403の下流の送給配管は、ヒートトレースされ得る。いくつかの例では、混合容器404もまた、ヒートトレースされ得る。1つの非限定的な例では、気化ポイント403の下流の配管は、混合容器304において約100℃~約150℃に及ぶ上昇温度プロファイルを有する。
【0385】
いくつかの実施形態では、反応剤液体は、液体注入器で気化され得る。例えば、液体注入器は、液体反応剤のパルスを混合容器の上流のキャリアガス流に注入することができる。1つのシナリオでは、液体注入器は、液体を高圧から低圧にフラッシュすることによって反応剤を気化させることができる。別のシナリオでは、液体注入器は、液体を分散微小液滴に霧化し、続いて加熱された送給パイプ内で気化することができる。小さな液滴は大きな液滴よりも速く気化することができ、液体注入と完全気化との間の遅延を減少させることが理解されよう。気化が速いほど、気化ポイント403から下流の配管の長さを短くすることができる。1つのシナリオでは、液体注入器は、混合容器404に直接取り付けられてもよい。別のシナリオでは、液体注入器は、シャワーヘッド406に直接取り付けられてもよい。
【0386】
いくつかの実施形態では、気化されてプロセスステーション400に送給される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラを気化ポイント403の上流に設けることができる。例えば、液体流コントローラ(LFC)は、LFCの下流に位置する熱質量流量計(MFM)を含み得る。次に、LFCのプランジャ弁は、MFMと電気的に通信する比例積分微分(PID)コントローラによって提供されるフィードバック制御信号に応答して調整され得る。しかし、フィードバック制御を使用して液体の流れを安定化するには1秒以上かかる場合がある。これは、液体反応剤の投与時間を延長する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、LFCは、フィードバック制御モードと直接制御モードとの間で動的に切り替えられてもよい。いくつかの実施形態では、LFCの感知管およびPIDコントローラを無効にすることによって、LFCをフィードバック制御モードから直接制御モードに動的に切り替えることができる。
【0387】
シャワーヘッド406は、プロセスガスを基板412に向かって分配する。
図4に示す実施形態では、基板412は、シャワーヘッド406の下に位置し、台座408上に静止した状態で示されている。シャワーヘッド406は、任意の適切な形状を有してもよく、プロセスガスを基板412に分配するための任意の適切な数および配置のポートを有してもよいことが理解されよう。
【0388】
いくつかの実施形態では、マイクロ体積407がシャワーヘッド406の下に位置する。プロセスステーションの全体積ではなくマイクロ体積でALDおよび/またはCVDプロセスを実施することは、反応剤への曝露および掃除時間を短縮することができ、プロセス条件(例えば、圧力、温度など)を変更するための時間を短縮することができ、プロセスガスへのプロセスステーションロボットの曝露を制限することなどが可能である。例示的なマイクロ体積サイズには、限定はしないが、0.1リットル~2リットルの体積が挙げられる。このマイクロ体積もまた、生産性スループットに影響を与える。サイクル当たりの堆積速度が低下する一方で、サイクル時間も同時に短縮される。場合によっては、後者の影響は、膜の所与の目標厚さに対するモジュールの全体的なスループットを改善するのに十分効果的である。
【0389】
いくつかの実施形態では、台座408を上昇または下降させて基板412をマイクロ体積407に露出させ、かつ/またはマイクロ体積407の体積を変化させることができる。例えば、基板移送段階では、台座408を下降させ、基板412が台座408上にロードされることを可能にすることができる。堆積プロセス段階中、台座408を上昇させ、マイクロ体積407内に基板412を位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロ体積407は、基板412ならびに台座408の一部を完全に包囲し、堆積プロセス中に流れインピーダンスの高い領域を形成することができる。
【0390】
任意選択で、台座408は、マイクロ体積407内のプロセス圧力、反応剤濃度などを調節するために、堆積プロセスの一部の間に下降および/または上昇されてもよい。プロセスチャンバ本体402が堆積プロセス中にベース圧力のままである1つのシナリオでは、台座408を下降させることにより、マイクロ体積407を排気することができる。マイクロ体積対プロセスチャンバ体積の例示的な比には、限定はしないが、1:100~1:10の体積比が挙げられる。いくつかの実施形態では、台座の高さは、適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
【0391】
別のシナリオでは、台座408の高さを調整することにより、堆積プロセスに含まれるプラズマ活性化サイクルおよび/またはプラズマ処理サイクル中にプラズマ密度を変化させることが可能になり得る。堆積プロセス段階の終わりに、別の基板の移送段階中に台座408を下降させ、台座408から基板412を取り出し可能にすることができる。
【0392】
本明細書に記載の例示的なマイクロ体積変動は高さ調整可能な台座に言及しているが、いくつかの実施形態では、シャワーヘッド406の位置を台座408に対して調整し、マイクロ体積407の体積を変化させることができることが理解されよう。さらに、台座408および/またはシャワーヘッド406の垂直位置は、本開示の範囲内の任意の適切な機構によって変化させてもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、台座408は、基板412の配向を回転させるための回転軸を含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの例示的な調整の1つまたは複数は、1つまたは複数の適切なコンピュータコントローラによってプログラム的に実施することができることが理解されよう。
【0393】
図4に示す実施形態に戻ると、シャワーヘッド406および台座408は、プラズマに電力を供給するために、RF電源414および整合ネットワーク416と電気的に通信する。いくつかの実施形態では、プラズマエネルギーは、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングの1つまたは複数を制御することによって制御することができる。例えば、RF電源414および整合ネットワーク416は、任意の適切な電力で動作してラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成することができる。適切な電力の例は、上記に含まれている。同様に、RF電源414は、任意の適切な周波数のRF電力を提供することができる。いくつかの実施形態では、RF電源414は、互いに独立して高周波および低周波のRF電源を制御するように構成され得る。例示的な低周波RF周波数は、限定はしないが、50kHz~1000kHzの周波数を含み得る。例示的な高周波RF周波数は、限定はしないが、1.8MHz~2.45GHzの周波数を含み得る。表面反応のためのプラズマエネルギーを提供するために、任意の適切なパラメータを離散的または連続的に調節することができることが理解されよう。1つの非限定的な例では、プラズマ電力を断続的にパルス化し、連続的に電力を供給されるプラズマと比較して基板表面でのイオン衝撃を低減することができる。
【0394】
いくつかの実施形態では、プラズマは、1つまたは複数のプラズマモニタによってin-situで監視することができる。1つのシナリオでは、プラズマ電力は、1つまたは複数の電圧、電流センサ(例えば、VIプローブ)によって監視され得る。別のシナリオでは、プラズマ密度および/またはプロセスガス濃度は、1つまたは複数の発光分光センサ(OES)によって測定されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプラズマパラメータは、そのようなin-situプラズマモニタからの測定値に基づいてプログラム的に調整することができる。例えば、OESセンサは、プラズマ電力のプログラム制御を提供するためのフィードバックループで使用され得る。いくつかの実施形態では、他のモニタを使用して、プラズマおよび他のプロセス特性を監視することができることが理解されよう。そのようなモニタには、限定はしないが、赤外線(IR)モニタ、音響モニタ、および圧力変換器が挙げられ得る。
【0395】
いくつかの実施形態では、プラズマは、入出力制御(IOC)シーケンス命令を介して制御され得る。一例では、プラズマプロセス段階に対するプラズマ条件を設定するための命令は、堆積プロセスレシピの対応するプラズマ活性化レシピ段階に含まれてもよい。場合によっては、プロセスレシピ段階は、堆積プロセス段階に対するすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプラズマパラメータを設定するための命令が、プラズマプロセス段階に先行するレシピ段階に含まれ得る。例えば、第1のレシピ段階は、不活性ガスおよび/または有機ケイ素含有前駆体ガスの流量を設定するための命令、プラズマ発生器を電力設定点に設定するための命令、および第1のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第2の後続のレシピ段階は、不活性ガスおよび/または反応剤ガスの流量を調整または停止するための命令、キャリアガスまたはパージガスの流量を調節するための命令、および第2のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第3のレシピ段階は、窒素含有ガスの流量を調節するための命令、キャリアガスまたはパージガスの流量を調節するための命令、および第3のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第4の後続のレシピ段階は、不活性ガスおよび/または反応剤ガスの流量を調節または停止するための命令、キャリアガスまたはパージガスの流量を調節するための命令、および第4のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第5の後続のレシピ段階は、プラズマ発生器を有効にするための命令および第5のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第6のレシピ段階は、プラズマ発生器を無効にするための命令および第6のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。第7の後続のレシピ段階は、不活性ガスおよび/または反応剤ガスの流量を調節または停止するための命令、キャリアガスまたはパージガスの流量を調節するための命令、および第7のレシピ段階のための時間遅延命令を含んでもよい。これらのレシピ段階は、本開示の範囲内で任意の適切な方法でさらに細分化および/または反復され得ることが理解されよう。
【0396】
いくつかの堆積プロセスでは、プラズマストライクは、持続時間が数秒以上続く。特定の実施態様では、はるかに短いプラズマストライクが使用されてもよい。これらは10ミリ秒~1秒程度、典型的には、約20~80ミリ秒であり、具体的な例としては50ミリ秒である。そのような非常に短いRFプラズマストライクは、プラズマの非常に迅速な安定化を必要とする。これを実現するために、プラズマ発生器は、周波数が変動することを許容しながら、インピーダンス整合が特定の電圧に設定事前設定されるように構成され得る。従来、高周波プラズマは、約13.56MHzのRF周波数で生成される。本明細書に開示される様々な実施形態において、周波数は、この標準値とは異なる値に変動することが許容される。インピーダンス整合を所定の電圧に固定しながら周波数を変動させることによって、プラズマははるかに迅速に安定化することができ、この結果は、ある種の堆積サイクルに関連する非常に短いプラズマストライクを使用する場合に重要となり得る。
【0397】
いくつかの実施形態では、台座408は、ヒータ410を介して温度制御され得る。さらに、いくつかの実施形態では、堆積プロセスステーション400についての圧力制御は、バタフライ弁418によって提供され得る。
図4の実施形態に示すように、バタフライ弁418は、下流の真空ポンプ(図示せず)によって提供される真空を絞る。しかし、いくつかの実施形態では、プロセスステーション400の圧力制御はまた、プロセスステーション400に導入される1つまたは複数のガスの流量を変化させることによって調整することができる。
【0398】
図5は、インバウンドロードロック502およびアウトバウンドロードロック504を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を備え得るマルチステーション処理ツール500の一実施形態の概略図を示す。ロボット506は、大気圧において、ポッド508を介してロードされたカセットから、大気圧ポート510を介してインバウンドロードロック502にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット506によって、インバウンドロードロック502の台座512上に載置され、大気圧ポート510が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック502がリモートプラズマ源を備える場合、ウエハは、処理チャンバ514に導入される前にロードロック内でリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸収したガスを除去するためにインバウンドロードロック502においても加熱されてもよい。次に、処理チャンバ514へのチャンバ搬送ポート516が開かれ、別のロボット(図示せず)が、ウエハをリアクタ内に移動させ、リアクタ内に示す第1のステーションの台座上に処理のために載置する。
図5に図示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されよう。
【0399】
図示の処理チャンバ514は、
図5に示す実施形態において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを備える。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して518で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されよう。図示の処理チャンバ514は4つのステーションを備えるが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0400】
図5はまた、処理チャンバ514内でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム590の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム590は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを移送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されよう。非限定的な例には、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。
図5はまた、プロセスツール500のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ550の一実施形態を図示する。システムコントローラ550は、1つまたは複数のメモリデバイス556と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス554と、1つまたは複数のプロセッサ552とを含むことができる。プロセッサ552は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0401】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550は、プロセスツール500の活動のすべてを制御する。システムコントローラ550は、大容量記憶デバイス554に記憶され、メモリデバイス556にロードされ、プロセッサ552で実行されるシステム制御ソフトウェア558を実行する。システム制御ソフトウェア558は、タイミング、ガスの混合、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、パージ条件およびタイミング、ウエハ温度、RF電力レベル、RF周波数、基板、台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール500によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア558は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、開示された方法に従って様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア558は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0402】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェア558は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。例えば、ハイブリッドALDまたはPEALDプロセスの各段階は、システムコントローラ550によって実行される1つまたは複数の命令を含み得る。ハイブリッドALDまたはPEALDプロセス段階についてのプロセス条件を設定するための命令は、対応するハイブリッドALDまたはPEALDレシピ段階に含めることができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッドALDまたはPEALDレシピ段階は、ハイブリッドALDまたはPEALDプロセス段階についてのすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、連続して配置され得る。
【0403】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550に関連する大容量記憶デバイス554および/またはメモリデバイス556に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムのセクションの例には、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムが挙げられる。
【0404】
基板位置決めプログラムは、基板を台座518上にロードし、基板とプロセスツール500の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
【0405】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、ガス組成および流量を制御するためのコード、および任意選択で、堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。プロセスガス制御プログラムは、開示された範囲のいずれか内にガス組成および流量を制御するためのコードを含んでもよい。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。圧力制御プログラムは、開示された圧力範囲のいずれか内にプロセスステーション内の圧力を維持するためのコードを含んでもよい。
【0406】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。ヒータ制御プログラムは、開示された範囲のいずれか内に基板の温度を維持するための命令を含んでもよい。
【0407】
プラズマ制御プログラムは、例えば本明細書に開示されるRF電力レベルのいずれかを使用して、1つまたは複数のプロセスステーション内のプロセス電極に適用されるRF電力レベルおよび周波数を設定するためのコードを含むことができる。プラズマ制御プログラムはまた、各プラズマ曝露の持続時間を制御するためのコードを含むことができる。
【0408】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0409】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ550によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例には、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RF電力レベル、周波数、および曝露時間など)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0410】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ550のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール500のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例には、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などが挙げられる。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0411】
開示された実施形態を実施するために、任意の適切なチャンバを使用することができる。例示的な堆積装置には、限定はしないが、各々がカリフォルニア州フリーモントのLam Research社から入手可能なALTUS(登録商標)製品ファミリー、VECTOR(登録商標)製品ファミリー、および/もしくはSPEED(登録商標)製品ファミリーからの装置、または様々な他の市販されている処理システムのいずれかが挙げられる。2つ以上のステーションが、同じ機能を実施してもよい。同様に、2つ以上のステーションが異なる機能を実施してもよい。各ステーションは、所望の特定の機能/方法を実施するように設計/構成することができる。
【0412】
いくつかの実施態様では、コントローラ550はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、いくつかのシステムにおける高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0413】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0414】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0415】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0416】
上記のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0417】
結論
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本明細書に開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示とみなされるべきであり、それらの実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜を堆積する方法であって、
チャンバ内の基板を有機ケイ素含有前駆体に曝露することと、
前記基板を窒素含有反応剤に曝露することと、
前記基板をラジカル種に曝露し、それによって窒化ケイ素を含む膜を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記ドープ窒化ケイ素は、炭素ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記膜は、共形膜を含む、方法。
【請求項5】
請求項1~4
のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I):
Si(R’)
4
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含む、
方法。
【請求項6】
請求項1~4
のいずれか一項に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(II):
(R’)
3Si-[L-Si(R’)
2]-R’
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含み、Lは、リンカーである、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3)、一重水素化アンモニア(NH
2D)、二重水素化アンモニア(NHD
2)、または三重水素化アンモニア(ND
3)を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露することは、水素(H
2)の存在下で前記窒素含有反応剤を提供することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記基板をラジカル種に前記曝露することは、アンモニア(NH
3)、窒素(N
2)、および水素(H
2)からなる群から選択されるソースガスを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、リモートプラズマ中の窒素含有ラジカルを含む、方法。
【請求項11】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法であって、
サイクルで前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
【請求項13】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記方法は、リモートプラズマベースの原子層堆積プロセスを含む、方法。
【請求項14】
膜を堆積する方法であって、
基板の表面上に炭素含有層およびケイ素含有層を堆積することであって、前記基板は、チャンバ内に設けられることと、
窒素含有反応剤の存在下で前記炭素含有層および前記ケイ素含有層を熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することと、
ソースガスの存在下で前記ドープ窒化ケイ素をプラズマ処理し、それによって前記膜を形成することと
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記堆積することは、前記基板の前記表面を有機ケイ素含有前駆体に曝露することを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I)または(II)の構造を含む、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、
前記熱変換することは、前記基板の前記表面を前記窒素含有反応剤に曝露することを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3)を含み、任意選択で水素(H
2)を伴う、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法であって、
前記プラズマ処理することは、前記基板を
前記ソースガス内のラジカル種に曝露することを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、窒素含有ラジカルを含み、前記ソースガスは、アンモニア(NH
3)、窒素(N
2)、および水素(H
2)からなる群から選択される、方法。
【請求項21】
請求項14~20
のいずれか一項に記載の方法であって、
前記堆積すること、前記熱変換すること、および/または前記プラズマ処理することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
【請求項22】
請求項14~
20のいずれか一項に記載の方法であって、
サイクルで前記堆積すること、前記熱変換すること、および前記プラズマ処理することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項14~
20のいずれか一項に記載の方法であって、
前記膜は、共形炭素ドープ窒化ケイ素膜を含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
「脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる脂肪族基を意味し、脂肪族基は、オキシ基(-(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、脂肪族-オキシ基は、O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された脂肪族基である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
「芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができる芳香族基を意味し、芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、芳香族-オキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換された芳香族基である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
「カルバモイルオキシ」とは、本明細書で定義されるオキシ基を介して親分子基に結合した、本明細書で定義されるカルバモイル基を意味する。いくつかの実施形態では、カルバモイルオキシは、-OC(O)NR1R2基であり、R1およびR2の各々は、独立して、本明細書で定義される水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたシリル、または任意選択で置換されたシリルオキシ、またはそれらの任意の組み合わせから選択されるか、またはR1およびR2は、各々が結合している窒素原子と一緒になって、本明細書で定義されるヘテロシクリル基を形成することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
「ヘテロ脂肪族-オキシ」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ脂肪族基を意味し、ヘテロ脂肪族基は、オキシ基(-(O)-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族-オキシ基は、-O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ脂肪族基である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
「ヘテロ芳香族-オキシカルボニル」とは、本明細書に開示される化合物にカップリングされるか、またはカップリングすることができるヘテロ芳香族基を意味し、ヘテロ芳香族基は、オキシカルボニル基(-C(O)O-)を介してカップリングされるか、またはカップリングされるようになる。いくつかの実施形態では、ヘテロ芳香族-オキシカルボニル基は、-C(O)O-Rであり、Rは、本明細書で定義される任意選択で置換されたヘテロ芳香族基である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0198
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0198】
プラズマ曝露段階280B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。これは、
図1Aの動作130に対応し得る。パージ段階294B中、キャリアガスの流れおよびソースガスの流れはオンのままであり得るが、ケイ素含有前駆体ガスの流れおよび窒素含有反応剤ガスの流れがオフにされる。2つの堆積サイクルが
図2Bには図示されているが、追加の堆積サイクルも実施されてもよいことが理解されるであろう。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0222
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0222】
さらに他の実施形態では、シリル基は、オキシ(-O-)基を介してケイ素原子に結合した1つまたは複数の芳香族基を有するアリールオキシシリル基である。一例では、アリールオキシシリル基は、-Si(R)a(ORAr)bであり、Rは、独立して、H、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アミノ、ヒドラジノ、アジド、ヒドロキシル、シリル(例えば、アミノシリル、アルコキシシリルなど)、シリルオキシ(例えば、アミノシリルオキシ、アルコキシシリルオキシなど)、シアナト、イソシアナト、シアノ、またはイソシアノであり、これらのいずれかは、任意選択で置換されてもよく、RArは、任意選択で置換された芳香族、任意選択で置換されたヘテロ芳香族、任意選択で置換されたアリール、または任意選択で置換されたヘテロアリールであり、a≧0、b≧1、およびa+b=3である。さらに他の非限定的なアリールオキシシリル基には、-SiH2[ORAr]、-SiH[ORAr]2、または-Si[ORAr]3が挙げられ、RArは、本明細書に記載のいずれかである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0381
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0381】
別の態様では、半導体基板を処理するための装置であって、装置は、基板を保持するための台座を含む少なくとも1つのプロセスチャンバと、真空に結合するための少なくとも1つの出口と、1つまたは複数の有機ケイ素含有前駆体ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、1つまたは複数の窒素含有反応剤ガス源に結合された1つまたは複数のプロセスガス入口と、1つまたは複数のプラズマ源と、装置内の動作を制御するためのコントローラであって、時間的に分離されたパルスで有機ケイ素含有前駆体ガスおよび窒素含有反応剤ガスを導入し、熱原子層堆積によって基板の表面上に窒化ケイ素を形成するための機械可読命令を含むコントローラとを含み、ケイ素含有前駆体ガスのパルスおよび窒素含有反応剤ガスのパルスは、1つの熱原子層堆積サイクルを構成し、基板の表面を1つまたは複数のプラズマ源からのラジカル種に曝露する。特定の実施形態では、ラジカル種は、窒素含有ラジカルを含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0417
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0417】
結論
前述の実施形態は、明確な理解のために多少詳しく説明されてきたが、一定の変更および修正が添付の特許請求の範囲の範囲内で実践されてもよいことは明らかであろう。本明細書に開示された実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしで実践することができる。他の例では、開示された実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。さらに、開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置の実施には多くの別の方法があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示とみなされるべきであり、それらの実施形態は本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。また、本開示は以下の形態として実現できる。
[形態1]
膜を堆積する方法であって、
チャンバ内の基板を有機ケイ素含有前駆体に曝露することと、
前記基板を窒素含有反応剤に曝露することと、
前記基板をラジカル種に曝露し、それによって窒化ケイ素を含む膜を形成することと
を含む、方法。
[形態2]
形態1に記載の方法であって、
前記膜は、ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
[形態3]
形態2に記載の方法であって、
前記ドープ窒化ケイ素は、炭素ドープ窒化ケイ素を含む、方法。
[形態4]
形態1に記載の方法であって、
前記膜は、共形膜を含む、方法。
[形態5]
形態1~4に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I):
Si(R’)
4
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含む、
方法。
[形態6]
形態1~4に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(II):
(R’)
3
Si-[L-Si(R’)
2
]-R’
の構造を含み、
少なくとも1つのR’は、炭素原子を含み、Lは、リンカーである、
方法。
[形態7]
形態1に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3
)、一重水素化アンモニア(NH
2
D)、二重水素化アンモニア(NHD
2
)、または三重水素化アンモニア(ND
3
)を含む、方法。
[形態8]
形態1に記載の方法であって、
前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露することは、水素(H
2
)の存在下で前記窒素含有反応剤を提供することを含む、方法。
[形態9]
形態1に記載の方法であって、
前記基板をラジカル種に前記曝露することは、アンモニア(NH
3
)、窒素(N
2
)、および水素(H
2
)からなる群から選択されるソースガスを含む、方法。
[形態10]
形態1に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、リモートプラズマ中の窒素含有ラジカルを含む、方法。
[形態11]
形態1~10に記載の方法であって、
前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
[形態12]
形態1~11に記載の方法であって、
サイクルで前記基板を前記有機ケイ素含有前駆体に前記曝露すること、前記基板を前記窒素含有反応剤に前記曝露すること、および前記基板を前記ラジカル種に前記曝露することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
[形態13]
形態1~12に記載の方法であって、
前記方法は、リモートプラズマベースの原子層堆積プロセスを含む、方法。
[形態14]
膜を堆積する方法であって、
基板の表面上に炭素含有層およびケイ素含有層を堆積することであって、前記基板は、チャンバ内に設けられることと、
窒素含有反応剤の存在下で前記炭素含有層および前記ケイ素含有層を熱変換し、ドープ窒化ケイ素を形成することと、
ソースガスの存在下で前記ドープ窒化ケイ素をプラズマ処理し、それによって前記膜を形成することと
を含む、方法。
[形態15]
形態14に記載の方法であって、
前記堆積することは、前記基板の前記表面を有機ケイ素含有前駆体に曝露することを含む、方法。
[形態16]
形態15に記載の方法であって、
前記有機ケイ素含有前駆体は、式(I)または(II)の構造を含む、方法。
[形態17]
形態14に記載の方法であって、
前記熱変換することは、前記基板の前記表面を前記窒素含有反応剤に曝露することを含む、方法。
[形態18]
形態17に記載の方法であって、
前記窒素含有反応剤は、アンモニア(NH
3
)を含み、任意選択で水素(H
2
)を伴う、方法。
[形態19]
形態14に記載の方法であって、
前記プラズマ処理することは、前記基板をソースガス内のラジカル種に曝露することを含む、方法。
[形態20]
形態19に記載の方法であって、
前記ラジカル種は、窒素含有ラジカルを含み、前記ソースガスは、アンモニア(NH
3
)、窒素(N
2
)、および水素(H
2
)からなる群から選択される、方法。
[形態21]
形態14~20に記載の方法であって、
前記堆積すること、前記熱変換すること、および/または前記プラズマ処理することの各々の後、不活性ガスで前記チャンバをパージすることをさらに含む、方法。
[形態22]
形態14~21に記載の方法であって、
サイクルで前記堆積すること、前記熱変換すること、および前記プラズマ処理することを繰り返し、前記膜を形成することをさらに含む、方法。
[形態23]
形態14~22に記載の方法であって、
前記膜は、共形炭素ドープ窒化ケイ素膜を含む、方法。
【国際調査報告】