(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】圧力検知一体型装置
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20241114BHJP
F17C 5/06 20060101ALI20241114BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20241114BHJP
F17C 13/04 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F16K17/30 A
F17C5/06
F17C13/00 301A
F17C13/04 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532290
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022051247
(87)【国際公開番号】W WO2023101962
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ペルマル、ティネス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンタクマール、アラヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】グダティ、スバース
(72)【発明者】
【氏名】リービー、モントレー
(72)【発明者】
【氏名】バロリ、サナド
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エドワード イー.
【テーマコード(参考)】
3E172
3H060
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA06
3E172BA01
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD05
3E172JA01
3E172JA10
3H060AA04
3H060BB10
3H060CC40
3H060DC02
3H060DC10
3H060DD02
3H060EE06
3H060GG08
3H060HH05
(57)【要約】
圧力調整装置の機能を果たしうる圧力検知一体型装置(PSUD)を少なくとも一つ備えた、高圧流体貯蔵システム。PSUDは単一の一体型構造として製造されうる。ハウジング本体と内部圧力調整機構とは単一のユニット、材料、またはその両方から作られる。PSUDは溶接された部品を一切備えないか、複数の分離した部品から組み立てられることがないか、またはその両方である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の一体型本体を備えた装置であって、
前記単一の一体型本体は、
入口と出口とを含むハウジングと、
前記ハウジングに収容され、かつ前記入口と前記出口との間に配置される減圧機構と、を有し、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、装置。
【請求項2】
前記ハウジングおよび前記減圧機構が、溶接部または溶接された部品のいずれも含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記減圧機構がベローズ部分を含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記単一の一体型本体がステンレス鋼から作られる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記単一の一体型本体がさらに、第2の減圧機構を備え、
前記第2の減圧機構は、前記ハウジングに収容され、
前記第2の減圧機構は、前記減圧機構と前記出口との間に配置され、
前記第2の減圧機構は、前記減圧機構から前記二次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、三次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記一次圧力が亜大気圧よりも高い、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記二次圧力が亜大気圧である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記二次圧力が前記一次圧力よりも低い、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
単一の一体型本体を備えた装置であって、
前記単一の一体型本体は、ハウジングと減圧機構とからなり、
前記ハウジングは、入口と出口とを有し、
前記減圧機構は、前記ハウジングに接続され、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容され、
前記減圧機構は、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、前記一次圧力よりも低い二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、装置。
【請求項10】
前記ハウジングおよび前記減圧機構が、溶接部もしくは溶接された部品のいずれも含まない、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記減圧機構がベローズ部分を含む、請求項9または請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記単一の一体型本体がステンレス鋼から作られる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記一次圧力が亜大気圧ではない、請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記一次圧力が亜大気圧よりも高い、請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記二次圧力が亜大気圧である、請求項9~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記二次圧力が前記一次圧力よりも低い、請求項9~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
コンテナ本体と圧力調整装置とを備えた流体供給システムであって、
前記コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定し、
前記圧力調整装置は、前記内部キャビティに配置され、
前記圧力調整装置は、単一の一体型本体であり、
前記単一の一体型本体は、ハウジングと減圧機構とを含み、
前記ハウジングは、入口と出口とを含み、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容され、
前記減圧機構は、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、前記一次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、前記一次圧力よりも低い二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、流体供給システム。
【請求項18】
第2の圧力調整装置をさらに備え、前記第2の圧力調整装置の入口は前記圧力調整装置の前記出口に接続される、請求項17に記載の流体供給システム。
【請求項19】
前記第2の圧力調整装置が前記内部キャビティに配置され、
前記圧力調整装置はもう一つの単一の一体型本体であり、
前記もう一つの単一の一体型本体は、第2のハウジングと第2の減圧機構とを含み、
前記第2のハウジングは、第2の入口と第2の出口とを含み、
前記第2の減圧機構は、前記第2のハウジングに収容され、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口と前記第2の出口との間に配置され、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口を介して流入する、前記二次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、前記二次圧力よりも低い三次圧力で前記流体の流れを前記第2の出口に向けて誘導するように構成される、請求項18に記載の流体供給システム。
【請求項20】
前記圧力調整装置の前記入口に接続されたフィルター装置を備える、請求項17~19のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空作動シリンダー(VAC)、および圧力調整バルブを備えた亜大気圧ガス送達システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
VACなどの亜大気圧送達システムでは、バルブの開閉を制御するために圧力検知装置が使用されうる。
【発明の概要】
【0003】
圧力検知アセンブリ(PSA)は、一般に、組み立てられた様々な部品を含み、かつ組み立て後に様々な溶接された部品を含みうる。いくつかのPSAには、異なる材料から作られてともに組み立てられた、様々な(たとえば、17個以上の)分離した部品がありうる。PSAを製造するためにこれらの様々な部品を組み立てかつ同部品を溶接することは、不安定な性能、製造工程と品質管理の不備による不具合、またはその両方をもたらしうる。さらに、PSAの様々な部品は、異なる場所で、または異なる製造業者によって製造されることがしばしばあり、それらの部品間での公差のばらつきは、最終的に組み立てられたPSAが不安定な品質や性能を有することにつながる。不安定な性能は、例えば、ガススパイク、またはガス圧力の変動、またはその両方を含みうる。PSAの不具合は、一般に作動中に検出される。組み立てられたPSAにおいては、不具合の要因となりうる、多くの異なる部品が存在しうるゆえに、そのような不具合の具体的な原因を特定することは困難である。
【0004】
いくつかの実施形態では、PSAに取って代わることができる装置が本明細書にて開示されている。
本開示のいくつかの実施形態は、PSAの機能を果たすことができる圧力検知一体型装置(PSUD)に関する。いくつかの実施形態では、PSUDはVAC調整装置である。PSUDはPSAよりも安定性の高い性能を有し、ガススパイク、またはガス圧力の変動、またはその両方を軽減しうる。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態は、VAC調整装置を有したVACに関しており、VAC調整装置はPSUDの実施形態を含む。本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上のVAC調整装置を有するVACに関しており、VAC調整装置のうちの少なくとも1つはPSUDの実施形態を含む。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、PSAに存在しうる製造上の欠点のいずれも含まないPSUDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、溶接された部品を有さないPSUDに関する。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、複数の部品から組み立てられていないPSUDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、単一の一体型構造であるPSUDに関する。いくつかの実施形態では、一体型構造は積層造形(additive manufacturing)プロセス(3Dプリントなど)によって製造されうる。
【0008】
いくつかの実施形態では、PSUDは積層造形が可能な材料から作られる。いくつかの実施形態では、その材料はポリマーである。いくつかの実施形態では、その材料は、例えばステンレス鋼のような、金属である。いくつかの実施形態では、その材料は、複数の材料の組み合わせである複合材料である。
【0009】
いくつかの実施形態では、PSUDは、ハウジングと減圧機構とを含み、ハウジングおよび減圧機構は、ハウジングおよび減圧機構が単一の一体型本体から形成されるような、一体型構造である。
【0010】
いくつかの実施形態では、減圧機構は、少なくとも、ベローズと、引き戻しばねと、ステムと、バルブ部分と、を含む。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、少なくとも、ハウジングの一部とベローズとを含む。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、ハウジングの一部、ベローズ、引き戻しばね、ステムあるいはバルブ部分のうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、少なくとも、ハウジングと、ベローズと、引き戻しばねと、ステムと、バルブ部分と、を含む。いくつかの実施形態では、バルブはボールを含む。いくつかの実施形態では、ボール(バルブ)はベローズが動作することで開閉する。
【0011】
ベローズを有するいくつかの実施形態において、入口はベローズを拡張させる一次圧力で流体を流し込み、よりゆっくりと流体がPSUD内へ流入するようにする。そして流体は、一次圧力よりも低い二次圧力で出口に向かって流れるよう誘導される。
【0012】
本明細書で使用される場合、「流体」という用語はガスを含む。
いくつかの実施形態では、ベローズはハウジングと一体的に構成される複数の薄片を有する。従って、ベローズとハウジングとの間には溶接部がない。
【0013】
装置のいくつかの実施形態では、装置は単一の一体型本体を備えている。単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングと、減圧機構と、を有している。減圧機構は、ハウジングに収容されている。減圧機構は、入口と出口との間に配置されている。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0014】
装置のいくつかの実施形態では、装置は単一の一体型本体を備えている。単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングと、減圧機構と、第2の減圧機構と、を有している。減圧機構は、ハウジングに収容されている。減圧機構は、入口と出口との間に配置されている。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。第2の減圧機構は、ハウジングに収容されている。第2の減圧機構は、減圧機構と出口との間に配置されている。第2の減圧機構は、二次圧力を有する流体を減圧機構から受け入れるとともに、三次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0015】
装置のいくつかの実施形態では、ハウジングおよび減圧機構は、溶接部または溶接された部品のいずれも含まない。
装置のいくつかの実施形態では、減圧機構はベローズを含む。
【0016】
装置のいくつかの実施形態では、単一の一体型本体はステンレス鋼から作られる。
装置のいくつかの実施形態では、一次圧力は亜大気圧ではない。
装置のいくつかの実施形態では、一次圧力は亜大気圧よりも高い。
【0017】
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は亜大気圧である。
装置のいくつかの実施形態では、二次圧力は一次圧力よりも低い。
いくつかの実施形態では、装置は単一の一体型本体を備える。単一の一体型本体は基本的に、入口と出口とを含むハウジングと、減圧機構とからなる。減圧機構は、ハウジングに接続されている。減圧機構は、ハウジングに収容されている。減圧機構は、入口と出口との間に配置されている。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、一次圧力よりも低い二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、装置は単一の一体型本体を備え、単一の一体型本体は入口と出口とを含むハウジングと、減圧機構と、からなる。減圧機構は、ハウジングに接続されている。減圧機構は、ハウジングに収容されている。減圧機構は、入口と出口との間に配置されている。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、一次圧力よりも低い二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態では、流体供給システムはコンテナ本体と圧力調整装置とを備える。コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定する。圧力調整装置は、内部キャビティに配置され、かつ単一の一体型本体である。単一の一体型本体は、入口と出口とを含むハウジングと、減圧機構と、を含む。減圧機構は、ハウジングに収容され、さらに入口と出口との間に配置されている。減圧機構は、入口を介して流入する、一次圧力を有する流体を受け入れるとともに、一次圧力よりも低い二次圧力で流体の流れを出口に向けて誘導するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、流体供給システムはさらに、第2の圧力調整装置を備える。第2の圧力調整装置の入口は、圧力調整装置の出口に接続される。
流体供給システムのいくつかの実施形態では、第2の圧力調整装置は内部キャビティに配置されている。圧力調整装置はもう1つの単一の一体型本体である。もう1つの単一の一体型本体は、第2のハウジングと第2の減圧機構とを含む。第2のハウジングは、第2の入口と、第2の出口と、を含む。第2の減圧機構は、第2のハウジングに収容され、かつ第2の入口と第2の出口との間に配置される。第2の減圧機構は、第2の入口を介して流入する、二次圧力を有する流体を受け入れるとともに、二次圧力よりも低い三次圧力で流体の流れを第2の出口に向けて誘導するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、流体供給システムはさらに、圧力調整装置の入口に接続されたフィルター装置を備える。
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に具体的に参照すると、示されている実施形態は、例としてのものであり、本開示の実施形態の例示的な説明を目的としたものであることが強調される。この点に関し、図面とともに説明することにより、本開示の実施形態がどのように実施されうるかが、当業者には明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本明細書に記載されるPSUDを1つ以上有する亜大気圧送達システムの、非限定的な一実施形態の模式図を示す。
【
図2A】本明細書に記載されるPSUDの非限定的な一実施形態の斜視図を示す。
【
図2B】
図2Aに示した非限定的な一実施形態の側面図を示す。
【
図3B】
図3Aに示したPSUDの非限定的な一実施形態の側断面図を示す。
【
図4】本明細書に記載されるPSUDの非限定的な一実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
開示されたこれらの利点および改良のうち、本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて以下の説明から明らかになるであろう。本開示の詳細な実施形態は本明細書で開示される。しかしながら、開示される実施形態は、様々な形態で具体化されうる本開示の単なる例示であることを理解されたい。加えて、本開示の様々な実施形態に関して提示された各例は、例示を意図したものであり、限定することを意図したものではない。
【0024】
文脈上明らかに別段の指示がない限り、以下の用語は、明細書および特許請求の範囲を通して、本明細書において明示的に関連した意味を有する。本明細書で使用される「一(one)実施形態では」、「一(an)実施形態では」および「いくつかの(some)実施形態では」といった言い回しは、同じ実施形態を示すこともあるが、必ずしもそうであるとは限らない。さらに、本明細書で使用される「もう1つの実施形態では」や「他のいくつかの実施形態では」といった言い回しは、異なる実施形態を示すことがあるものの、必ずしもそうであるとは限らない。本開示の全ての実施形態は、開示内容の範囲や趣旨から逸脱することなく組み合わせ可能であることを意図している。
【0025】
本明細書で使用される場合、「~に基づいて(based on)」という用語は排他的ではなく、文脈で別途明確に指示されていない限り、記載されていない追加的な要因に基づくことを許容する。加えて、本明細書を通して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の意味には、複数の対象が含まれる。「~に(in)」の意味には、「~の中に(in)」と「~の上に(on)」が含まれる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「~の間に(between)」という用語は必ずしも他の要素と直接隣り合うことを要しない。一般に、この用語はある物体が2つ以上の他の物体に挟まれた状態を意味する。同時に、「~の間に(between)」という用語は、対向した2つの物体と直接隣り合う物体を説明しうる。従って、本明細書で開示される、いずれか1つ以上の実施形態では、2つの他の構造的要素の間に配置される特定の構造部分は、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素の両方と直接接触するように、他の2つの構造的要素の両方の間に直接配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接接触するように、他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接隣り合って配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のうちの一方のみと直接接触しないように、かつ、特定の構造部分と、他の2つの構造的要素のうちの前記一方とに並列する他の構造的要素が存在するように、他の2つの構造的要素のうちの一方のみと間接的に隣り合って配置される、
特定の構造部分が他の2つの構造的要素のいずれにも直接接触しないように、かつ、それらの間に他の要素が配置されるように、他の2つの構造的要素の両方の間に間接的に配置される、または、
それらの組合せ、でありうる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「一体型装置」という用語は、積層造形プロセス(3Dプリントなど)によって一体的に形成または構築された装置を意味する。従って、「一体型装置」は積層造形が可能な材料から作られる。そのような材料の例として、ポリマー、金属、ステンレス鋼、複合材料、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0028】
図1は、流体の出力が亜大気圧になるように流体を減圧するように構成された機械装置102,104を有する、亜大気圧送達システム100の非限定的な一実施形態の模式図を示す。機械装置102,104は、ステージ1での第1のVAC調整器102と、ステージ2での第2のVAC調整器104と、を含む。VAC調整器102,104の各々は、本明細書で開示されるPSUDでありうるか、PSUDを含みうる。第1のVAC調整器102は、入口フィルター装置106および第2のVAC調整器104に接続されている。
図1に示されるシステム100は、直列接続体として一列に並んだ入口フィルター装置106と、第1のVAC調整器102と、第2のVAC調整器104と、を有する。従って、例えば(0.689476~11.03161MPa(100~1600psig))のような高圧で貯蔵される流体は、入口フィルター装置106に流入し、次に、第1のVAC調整器102と第2のVAC調整器104とを通過する。この際、流体はVAC調整器102,104によって減圧されて、亜大気圧でシステム100外へと送達されうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、機械装置102,104の各々は一体型装置である。従って、2つの機械装置102,104は、
図1が示す例示的な実施形態で表されるように、ともに接合されることができる。
【0030】
図2Aは、PSUD200の非限定的な一実施形態における斜視図を示す。
図2BはPSUD200の側面図を示す。PSUD200は、入口204と出口206とを備えたハウジング202を有する。入口204は高圧の流体を受け入れて、流体がハウジング202の内部キャビティに流入するよう誘導する。出口206は(入口204を介して受け入れた高圧の流体と比べて)より低圧の流体をハウジング202から放出する。いくつかの実施形態によれば、2つ以上のPSUDが単一のハウジングの中に一緒に形成されうる(例えば、
図1および
図4を参照)ことを理解されたい。
【0031】
図3Aは、
図2Aおよび
図2Bに示されるPSUD200の断面斜視図を示す。
図3BはPSUD200の側断面図を示す。PSUD200は、単一の一体型本体から作られる、ハウジング202と他の部品とを有する。ハウジング202は単一の一体型本体を有する一体型装置である。ハウジング202は1つ以上の内部キャビティを画定する。圧力調整(または減圧)部208はハウジング202の内部キャビティに収容される。他の様々な部分が、ハウジング202の内部構造および圧力調整部208によって画定されるとともに、ハウジング202内部キャビティの中で流体の流れを誘導するように構成される。これらの様々な部分、例えば流路や圧力調整部208は、ハウジング202との単一の一体型装置であり、
図3Aおよび
図3Bが示す全ての部分は、積層造形プロセスなどによってともに形成される。従って、
図3Aおよび
図3Bが示す部品や構造はどれも、それらをともに接合するために溶接が必要であるような分離した部品ではない。内部構造および圧力調整部208は、
図3Aおよび
図3Bが示す内部構造が製造工程の完了時にハウジング202に包み込まれかつ囲まれるように、ハウジング202とともに形成される。
【0032】
図3Aおよび
図3Bが示すのは、例として、ベローズ208である圧力調整部208であり、ベローズ208は入口204からの流体(例えば、ガス)を減圧し、出口206に向けて放出するように機械的に動作する複数の薄片208aを有する。ベローズ208は出口206で実質的に一定の圧力を有するか、出口208での流体の圧力スパイクを軽減するか、あるいはその両方であるように構成される。ハウジング202とベローズ208とはいずれも、例えばステンレス鋼といった、金属などの適切な材料から作られうる。
【0033】
いくつかの実施形態では、機械装置(
図1で示される102,104)はともに一体型装置PSUD400である。
図4が示すように、PSUD400のそのような実施形態では、連続して単一のハウジング406に収容される2つの部分402,404(内部構造は図示していないが、例えば
図2A~
図3Bが示すものと類似する)があり、これらハウジング406および2つの圧力部402,404は単一の一体型本体から形成される。このような単一の一体型本体は、例えば、積層造形プロセスによって作られうる。従って、PSUD400は、製造後に組み立てられるような複数の部品を必要としない。よって、PSUD400はいかなる溶接部も含まず、かつ複数の部品を溶接することも必要としない。いくつかの実施形態では、部分402,404の各々は、
図2A~
図3Bに示すように、独立して動作するが、依然として一体型装置として接続されたベローズ部分を含む。従って、流体は入口408を介して流入し、部分402の内部ベローズ部分と部分404の内部ベローズ部分とを通過して、出口410を介して出ていくことができる。
図4が2つの部分402,404を示す一方で、PSUDのいくつかの実施形態においては、2つを超える数の部分が直列、並列、またはそれらのいずれかの組合せの状態で存在しうることを理解されたい。
【0034】
詳細について、特に、用いられる構成材料や、部品の形状、大きさ、配置については、本開示の範囲を逸脱することなく変更がありうることを理解されたい。本明細書および記載される実施形態は例であり、本開示の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体と圧力調整装置とを備えた流体供給システムであって、
前記コンテナ本体は、流体を一次圧力で貯蔵するための内部キャビティを画定し、
前記圧力調整装置は、前記内部キャビティに配置され、
前記圧力調整装置は、単一の一体型本体であり、
前記単一の一体型本体は、ハウジングと減圧機構とを含み、
前記ハウジングは、入口と出口とを含み、
前記減圧機構は、前記ハウジングに収容され、
前記減圧機構は、前記入口と前記出口との間に配置され、
前記減圧機構は、前記入口を介して流入する、前記一次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、前記一次圧力よりも低い二次圧力で前記流体の流れを前記出口に向けて誘導するように構成される、流体供給システム。
【請求項2】
第2の圧力調整装置をさらに備え、前記第2の圧力調整装置の入口は前記圧力調整装置の前記出口に接続される、請求項
1に記載の流体供給システム。
【請求項3】
前記第2の圧力調整装置が前記内部キャビティに配置され、
前記圧力調整装置はもう一つの単一の一体型本体であり、
前記もう一つの単一の一体型本体は、第2のハウジングと第2の減圧機構とを含み、
前記第2のハウジングは、第2の入口と第2の出口とを含み、
前記第2の減圧機構は、前記第2のハウジングに収容され、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口と前記第2の出口との間に配置され、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口を介して流入する、前記二次圧力を有する前記流体を受け入れるとともに、前記二次圧力よりも低い三次圧力で前記流体の流れを前記第2の出口に向けて誘導するように構成される、請求項
2に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記圧力調整装置の前記入口に接続されたフィルター装置を備える、請求項
1~
3のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【国際調査報告】