(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-21
(54)【発明の名称】圧力検知一体型デバイス
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20241114BHJP
F16K 1/00 20060101ALI20241114BHJP
F16K 1/14 20060101ALI20241114BHJP
F17C 5/06 20060101ALI20241114BHJP
F17C 13/00 20060101ALI20241114BHJP
F17C 13/04 20060101ALI20241114BHJP
【FI】
F16K17/30 A
F16K1/00 C
F16K1/14 A
F17C5/06
F17C13/00 301A
F17C13/04 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532874
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022051251
(87)【国際公開番号】W WO2023101964
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ペルマル、ティネス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンタクマール、アラヴィンド
(72)【発明者】
【氏名】グダティ、スバース
(72)【発明者】
【氏名】リービー、モントレー
(72)【発明者】
【氏名】バロリ、サナド
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、エドワード イー.
【テーマコード(参考)】
3E172
3H052
3H060
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC07
3E172BD05
3E172JA10
3H052AA01
3H052BA25
3H052CD02
3H052DA06
3H052EA01
3H052EA09
3H060AA03
3H060BB10
3H060CC40
3H060DD04
3H060EE06
3H060GG08
3H060HH05
(57)【要約】
圧力レギュレータデバイスの機能を実行することが可能である1つ以上の圧力検知一体型デバイス(PSUD)を有する高圧流体貯蔵システム。PSUDは、ハウジング本体及び内部圧力調整機構の両方が単一のユニットから作製されているか、単一の材料から作製されているか、又はその両方である、単一の一体型構造として製造されることが可能である。PSUDは、溶接された構成要素を有しないか、複数の別個の構成要素から組み立てられていないか、又はその両方である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
入口及び出口を備えるハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており、前記入口と前記出口との間に配置されている減圧機構と、を備える単一の一体型本体を備え、
前記減圧機構は、弁に接続されているダイヤフラム部分を備え、
前記減圧機構は、前記入口を介して入る第1の圧力を有する流体を受け取り、且つ、前記流体の流れを第2の圧力において前記出口に向けて案内するように構成されている、デバイス。
【請求項2】
前記減圧機構は、ステムをさらに備え、
前記弁は、ポペット弁を含み、
前記ステムの第1端が、前記ダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、
前記ステムの第2端が、前記ポペット弁に対し接続されており、
前記減圧機構は、前記ダイヤフラム部分が前記入口に向かって撓むときに前記ポペット弁が開状態となり、前記ダイヤフラム部分が静止状態にあるとき又は前記出口に向かって撓むときに前記ポペット弁が閉状態となるように動作する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ハウジング及び前記減圧機構は、溶接部又は溶接された構成要素を有していない、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記単一の一体型本体は、金属製である、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記金属は、ステンレス鋼を含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記単一の一体型本体は、
前記ハウジング内に収容されており、前記減圧機構と前記出口との間に配置されている第2の減圧機構をさらに備え、
該減圧機構は、前記第2の圧力を有する前記減圧機構からの前記流体を受け取り、次いで、前記流体の前記流れを第3の圧力において前記出口に向けて案内するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の圧力は、大気圧未満の圧力よりも高い、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第2の圧力は、大気圧未満の圧力である、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも低い、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
流体供給システムであって、
第1の圧力において流体を貯蔵するための内部キャビティを形成する容器本体と、
前記内部キャビティに配置されており、且つ、単一の一体型本体である圧力レギュレータデバイスと、を備え、
前記単一の一体型本体は、
入口及び出口を備えるハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており、前記入口と前記出口との間に配置されている減圧機構と、を備え、
前記減圧機構は、弁に接続されているダイヤフラム部分を備え、
前記減圧機構は、前記入口を介して入る前記第1の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第2の圧力において前記出口に案内するように構成されており、前記第2の圧力は前記第1の圧力よりも低い、流体供給システム。
【請求項11】
前記減圧機構は、ステムをさらに備え、
前記弁は、ポペット弁を含み、
前記ステムの第1端が、前記ダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、
前記ステムの第2端が、前記ポペット弁に対し接続されており、
前記減圧機構は、前記ダイヤフラム部分が前記入口に向かって撓むときに前記ポペット弁が開状態となり、前記ダイヤフラム部分が静止状態にあるとき又は前記出口に向かって撓むときに前記ポペット弁が閉状態となるように動作する、請求項10に記載の流体供給システム。
【請求項12】
第2の圧力レギュレータデバイスをさらに備え、前記第2の圧力レギュレータデバイスの入口は、前記圧力レギュレータデバイスの前記出口に対し接続されている、請求項10又は11に記載の流体供給システム。
【請求項13】
前記第2の圧力レギュレータデバイスは、前記内部キャビティに配置されており、
前記第2の圧力レギュレータデバイスは、別の単一の一体型本体であり、
前記別の単一の一体型本体は、
第2の入口及び第2の出口を備える第2のハウジングと、
前記第2のハウジング内に収容されており、前記第2の入口と前記第2の出口との間に配置されている第2の減圧機構と、を備え、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口を介して入る前記第2の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第3の圧力において前記第2の出口に案内するように構成されており、前記第3の圧力は前記第2の圧力よりも低い、請求項12に記載の流体供給システム。
【請求項14】
前記第2の減圧機構は、
第2のダイヤフラム部分と、
第2のステムと、
第2のポペット弁と、を備え、
前記第2のステムの第1端が、前記第2のダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、
前記第2のステムの第2端が、前記第2のポペット弁に対し接続されており、
前記第2の減圧機構は、前記第2のダイヤフラム部分が前記入口に向かって撓むときに前記第2のポペット弁が開状態となり、前記第2のダイヤフラム部分が静止状態にあるとき又は前記出口に向かって撓むときに前記第2のポペット弁が閉状態となるように動作する、請求項13に記載の流体供給システム。
【請求項15】
前記圧力レギュレータデバイスの前記入口に接続されているフィルタデバイスをさらに備える、請求項10~14のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧力調整弁を有する真空作動シリンダ(VAC)及び大気圧未満圧力ガス送達システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
VACなどの大気圧未満圧力送達システムは、弁の開閉を調整するために圧力検知デバイスを使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本明細書に説明されている1つ以上のPSUDを有する大気圧未満圧力送達システムの非限定的な実施形態の概略図。
【
図2】本明細書に説明されているPSUDの非限定的な実施形態の斜視図。
【
図3A】
図2に示されているPSUDの非限定的な実施形態の斜視断面図。
【
図4】本明細書に説明されているPSUDの非限定的な実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
圧力検知アセンブリ(PSA)は、一般に、組み立てられた様々な構成要素を備え、組み立て後に様々な溶接された構成要素を備え得る。いくつかのPSAでは、様々な材料製の、一体に組み立てられた様々な(例えば、17個以上の)別個の構成要素が存在し得る。PSAを製造するためのこれらの様々な構成要素の組み立て及びこれらの構成要素の溶接は、一貫性のない性能、不十分な製造プロセス及び品質管理に起因する故障、又はその両方をもたらす可能性がある。更に、PSAの様々な構成要素は、多くの場合、様々な場所において、又は様々な製造業者によって製造され、それらの間の様々な公差は、一貫性のない品質及び性能を有する最終的に組み立てられたPSAをもたらす可能性がある。一貫性のない性能は、例えば、ガススパイク、ガス圧力振動、又はその両方を含む可能性がある。PSAの故障は、一般に動作中に検出される。故障の原因となる可能性がある多くの様々な構成要素が存在し得るため、組み立てられたPSAにおけるそうした故障の具体的な理由を特定することは困難である。
【0005】
いくつかの実施形態では、PSAと置き換え可能であるデバイスが本明細書に開示されている。
本開示のいくつかの実施形態は、PSAの機能を実行可能である圧力検知一体型デバイス(PSUD)に関する。いくつかの実施形態では、PSUDはVACレギュレータデバイスである。PSUDは、PSAよりも良好な性能の一貫性を有しており、ガススパイク、ガス圧力振動、又は両方を低減することが可能である。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態は、VACレギュレータデバイスを有するVACに関し、VACレギュレータデバイスは、PSUDの一実施形態を含む。本開示のいくつかの実施形態は、1つ以上のVACレギュレータデバイスを有するVACに関し、VACレギュレータデバイスのうちの1つ以上は、PSUDの一実施形態を含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、PSAに存在し得る製造欠陥のいずれも有しないPSUDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、溶接された構成要素を備えないPSUDに関する。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、複数の構成要素から組み立てられていないPSUDに関する。
本開示のいくつかの実施形態は、単一の一体型構造であるPSUDに関する。いくつかの実施形態では、一体型構造を、付加製造プロセス(例えば、3D印刷)によって製造することが可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、PSUDは、付加製造が可能な材料製である。いくつかの実施形態では、材料はポリマーである。いくつかの実施形態では、材料は、例えばステンレス鋼などの金属である。いくつかの実施形態では、材料は、複数の材料の組み合わせである複合材料である。
【0010】
いくつかの実施形態では、PSUDはハウジングと、減圧機構とを備え、ハウジング及び減圧機構は、ハウジング及び減圧機構が単一の一体型本体から形成されるように、一体型構造である。
【0011】
いくつかの実施形態では、減圧機構は、少なくとも、ベローズ、引込ばね、ステム、及び弁部分を備える。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、少なくとも、ハウジング及びダイヤフラムの一部分を含む。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、ハウジングの一部分、ダイヤフラム、引込ばね、ステム、又は弁部分のうちの1つ以上を備える。いくつかの実施形態では、単一の一体型本体は、少なくとも、ハウジングと、ダイヤフラムと、引込ばねと、ステムと、弁部分とを含む。
【0012】
ダイヤフラムを有するいくつかの実施形態では、入口は、第1の圧力において流体を流し、それによりダイヤフラムが撓み、次いで、流体がよりゆっくりとPSUDに流入することが可能になる。次いで、流体は、第1の圧力よりも低い第2の圧力において出口に向かって流れるように案内される。
【0013】
本明細書において使用される場合、「流体」という用語は気体を含む。
いくつかの実施形態では、ダイヤフラムとハウジングとの間に溶接部がない。
一実施形態では、デバイスが、入口及び出口を備えるハウジングと、前記ハウジング内に収容されており、前記入口と前記出口との間に配置されている減圧機構と、を備える単一の一体型本体を備え、前記減圧機構は、弁に接続されているダイヤフラム部分を備え、前記減圧機構は、前記入口を介して入る第1の圧力を有する流体を受け取り、且つ、前記流体の流れを第2の圧力において前記出口に向けて案内するように構成されている。
【0014】
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記減圧機構は、ステムをさらに備え、前記弁は、ポペット弁を含み、前記ステムの第1端が、前記ダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、前記ステムの第2端が、前記ポペット弁に対し接続されており、前記減圧機構は、前記ダイヤフラム部分が前記出口に向かって撓むときに前記ポペット弁が開状態となり、前記ダイヤフラム部分が静止状態にあるときに前記ポペット弁が閉状態となるように動作する。
【0015】
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記ハウジング及び前記減圧機構は、溶接部又は溶接された構成要素を有していない。
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記単一の一体型本体は、金属製である。
【0016】
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記金属は、ステンレス鋼を含む。
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記単一の一体型本体は、前記ハウジング内に収容されており、前記減圧機構と前記出口との間に配置されている第2の減圧機構をさらに備え、該減圧機構は、前記第2の圧力を有する前記減圧機構からの前記流体を受け取り、次いで、前記流体の前記流れを第3の圧力において前記出口に向けて案内するように構成されている。
【0017】
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記第1の圧力は、大気圧未満の圧力よりも高い。
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記第2の圧力は、大気圧未満の圧力である。
【0018】
前記デバイスのいくつかの実施形態では、前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも低い。
いくつかの実施形態では、流体供給システムは、第1の圧力において流体を貯蔵するための内部キャビティを形成する容器本体と、前記内部キャビティに配置されており、且つ、単一の一体型本体である圧力レギュレータデバイスと、を備え、前記単一の一体型本体は、入口及び出口を備えるハウジングと、前記ハウジング内に収容されており、前記入口と前記出口との間に配置されている減圧機構と、を備え、前記減圧機構は、弁に接続されているダイヤフラム部分を備え、前記減圧機構は、前記入口を介して入る前記第1の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第2の圧力において前記出口に案内するように構成されており、前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも低い。
【0019】
前記流体供給システムのいくつかの実施形態では、前記減圧機構は、ステムをさらに備え、前記弁は、ポペット弁を含み、前記ステムの第1端が、前記ダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、前記ステムの第2端が、前記ポペット弁に対し接続されており、前記減圧機構は、前記ダイヤフラム部分が前記出口に向かって撓むときに前記ポペット弁が開状態となり、前記ダイヤフラム部分が静止状態にあるときに前記ポペット弁が閉状態となるように動作する。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記流体供給システムは、第2の圧力レギュレータデバイスをさらに備え、前記第2の圧力レギュレータデバイスの入口は、前記圧力レギュレータデバイスの前記出口に対し接続されている。
【0021】
前記流体供給システムのいくつかの実施形態では、前記第2の圧力レギュレータデバイスは、前記内部キャビティに配置されており、前記第2の圧力レギュレータデバイスは、別の単一の一体型本体であり、前記別の単一の一体型本体は、第2の入口及び第2の出口を備える第2のハウジングと、前記第2のハウジング内に収容されており、前記第2の入口と前記第2の出口との間に配置されている第2の減圧機構と、を備え、前記第2の減圧機構は、前記第2の入口を介して入る前記第2の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第3の圧力において前記第2の出口に案内するように構成されており、前記第3の圧力は前記第2の圧力よりも低い。
【0022】
前記流体供給システムのいくつかの実施形態では、前記第2の減圧機構は、第2のダイヤフラム部分と、第2のステムと、第2のポペット弁と、を備え、前記第2のステムの第1端が、前記第2のダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、前記第2のステムの第2端が、前記第2のポペット弁に対し接続されており、前記第2の減圧機構は、前記第2のダイヤフラム部分が前記出口に向かって撓むときに前記第2のポペット弁が開状態となり、前記第2のダイヤフラム部分が静止状態にあるときに前記第2のポペット弁が閉状態となるように動作する。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記流体供給システムは、前記圧力レギュレータデバイスの前記入口に接続されているフィルタデバイスをさらに備える。
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書において説明されている。ここで図面を詳細に具体的に参照すると、示されている実施形態は、例としてのものであり、本開示の実施形態の例示的な記載のためのものであることが強調される。この点に関して、図面とともになされる説明は、本開示の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0024】
開示されたそれらの利益及び改善の中で、本開示の他の目的及び利点は、添付の図と併せて以下の説明から明らかになり得る。本開示の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示される実施形態は、様々な形態において具体化され得る本開示の単なる例示であることが理解される。加えて、本開示の様々な実施形態に関して与えられる例の各々は、例示的であることが意図されており、限定的であることは意図されていない。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の用語は、文脈上別段の明らかな指定がない限り、本明細書において明示的に関連する意味を有する。本明細書で使用される「一実施形態では」、「実施形態では」、及び「いくつかの実施形態では」という句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らないが、同じ実施形態を指す場合もある。さらに、本明細書において使用される「別の実施形態では」及び「いくつかの他の実施形態では」という句は、必ずしも異なる実施形態を指さないが、異なる実施形態を指す場合もある。本開示の全ての実施形態は、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく組み合わせ可能であることが意図される。
【0026】
本明細書において使用される場合、「~に基づく(based on)」という用語は、排他的ではなく、文脈上別段の明らかな指定がない限り、説明されていない追加の要因に基づくことを可能にする。さらに、本明細書全体を通して、「1つの(a,an)」及び「その(the)」の意味は、複数の言及を含む。「~の中に(in)」の意味は、「~の中に」及び「~の上に(on)」を含む。
【0027】
本明細書において使用される場合、「~の間に(between)」という用語は、必ずしも他の要素に直接隣接して配置されることを必要としない。一般に、この用語は、あるものが2つ以上の他のものによって挟まれている構成を意味する。同時に、用語「~の間に」は、あるものが2つの対向するものに直接隣接していることを説明可能である。したがって、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれか1つ以上において、2つの他の構造要素の間に配置されている特定の構造部分は、
該特定の構造部分が該2つの他の構造要素の両方と直接接触するように、該2つの他の構造要素の両方の間に直接配置されているか、
該特定の構造部分が該2つの他の構造要素のうちの1つのみと直接接触するように、該2つの他の構造要素のうちの1つのみに直接隣接して配置されているか、
該特定の構造部分が該2つの他の構造要素のうちの1つのみと直接接触しないように、該2つの他の構造要素のうちの1つのみに間接的に隣接して配置されており、該特定の構造部分と該2つの他の構造要素のうちの該1つとに並置される別の要素が存在するか、
該特定の構造部分が該2つの他の構造要素の両方と直接接触しないように、該2つの他の構造要素の両方の間に間接的に配置されており、他のフィーチャがそれら2つの他の構造要素の間に配置されることが可能であるか、
それらの任意の組合せであることが可能である。
【0028】
本明細書において使用される場合、「一体型デバイス(unitary device)」という用語は、付加製造プロセス(例えば、3D印刷)によって一体的に形成又は構築されたデバイスを意味する。したがって、「一体型デバイス」は、付加製造されることが可能な材料製である。そうした材料の例は、ポリマー、金属、ステンレス鋼、複合材料、又はそれらの組み合わせを含む。
【0029】
図1は、流体の出力が大気圧未満の状態になるように流体の圧力を低下させるべく構成されている機械デバイス102,104を備える大気圧未満圧力送達システム100の非限定的な実施形態の概略図を示す。機械デバイス102,104は、段階1における第1のVACレギュレータ102と、段階2における第2のVACレギュレータ104とを備える。VACレギュレータ102,104の各々は、本明細書において説明されるPSUDであるか、又はそれを含むことが可能である。第1のVACレギュレータ102は、入口フィルタデバイス106に対し接続されており、また、第2のVACレギュレータ104に対しても接続されている。
図1に示すシステム100は、直列接続として一列に並んだ入口フィルタデバイス106と、第1のVACレギュレータ102と、第2のVACレギュレータ104とを備える。したがって、例えば、ゲージ圧約689.5kPa(100psig)~約11031kPa(1600psig)等の高圧において貯蔵される流体は、入口フィルタ106に流入し、次いで、第1のVACレギュレータ102と、第2のVACレギュレータ104とを通過し、VACレギュレータ102,104は、流体の圧力を低下させ、流体は、大気圧未満においてシステム100の外に送達されることが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、機械デバイス102,104の各々は、一体型デバイスである。したがって、2つの一体型デバイス102,104は、
図1に示される実施形態例に示されるように、一体に接合されることが可能である。
【0031】
図2は、PSUD200の非限定的な実施形態の斜視図を示す。PSUD200は、入口204と、出口206とを有するハウジング202を備える。いくつかの実施形態によれば、2つ以上のPSUDが単一のハウジングにおいて一体に形成されることが可能であることが理解され得る(例えば、
図1及び
図4を参照)。
【0032】
図3A及び
図3Bは、
図2に示されるPSUD200の異なる斜視断面図を示す。
図3Cは、PSUD200内部の流体の流路(矢印によって示される)を示す概略側面図を示す。PSUD200は、単一の一体型本体から作製されているハウジング202及び他の構成要素を備える。ハウジング202は、単一の一体型本体を有する一体型デバイスである。ハウジング202は、流体を収容する、流体を調整する、流体の流れを案内する、又はそれらの任意の組合せのための1つ以上の内部キャビティ及び1つ以上のチャネルを形成する。
【0033】
第1のチャンバ300は、入口204に最も近く、入口204を介して流入する流体は、最初に第1のチャンバ300に受け入れられる。セパレータ構成要素302は、第1のチャンバ300と第2のチャンバ306とを分割し、穴308及び弁(例えば、ポペット弁)310が、穴308に対する弁310の位置に基づいて、閉状態及び開状態を有するように構成されている。弁310のこの相対位置は、ステム312の移動によって制御される。
【0034】
弁310は、ステム312の一端312aに対し接続されている。ステム312は、第2のチャンバ306内に収容されており、且つ、第2のチャンバ306を通して延在しており、ステム312の別の端312bは、ダイヤフラム部分304の片側304aに対し接続されている。ばね部分316は、ステム312に接続されている側とは反対のダイヤフラム部分304の別の側304bに接続する。
【0035】
ダイヤフラム部分304は、可撓性材料(例えば、可撓性であるように構成されたステンレス鋼などの可撓性金属)製である。ダイヤフラム部分304の撓み運動により、ステム312及び関連する弁310の運動が生じる。ダイヤフラム部分304が順方向に撓む(例えば、入口204に対して凹状形状を形成する)と、ステム312は、第1のチャンバ300に向かって移動する。ステム312のこの移動によって、弁310が穴308から離れるように移動し、弁310の開状態がもたらされる。ダイヤフラム部分304が静止状態にあるか、又は出口206に向かって撓むとき、ステム312は、同様に出口206方向に向かって移動され、ステム312のこの移動(又は移動しない)によって、弁310が穴308を閉鎖し、弁310の閉状態がもたらされる。
【0036】
第2のチャンバ306は、流体の流れを第2のチャンバ306から出口206に案内するように構成されている1つ以上の内部チャネル314に接続する。
ダイヤフラム部分304の撓みは、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の差圧によって引き起こされ、また、ばね部分316のばね定数によっても影響を受ける。ばね部分316は、ダイヤフラム部分304の振動運動を減衰させるように構成されている。ダイヤフラム部分304のこの減衰は、排出される流体の圧力、内部チャネル314を通る流体の流れ、又はその両方を調整するのを助けることが可能である。
【0037】
図3A-
図3Cに示す実施形態では、ハウジング202、ダイヤフラム部分304、セパレータ構成要素302、ステム312、弁310は全て、単一の一体型本体から作製されている。流路などの、ハウジング202の内部構造によって形成される他の様々な部分もまた、同じ単一の一体型デバイスから作製されており、
図3A-
図3Cに示される構造部分の全ては、例えば付加製造プロセスを介して一体に形成される。したがって、
図3A-3Cに示される構成要素及び構造のいずれも、それらを一体に接続するために溶接を必要としない。
図3A-
図3Cに示される内部構造は、製造プロセスの完了時にハウジング202によって収容され、取り囲まれる。
【0038】
いくつかの実施形態では、機械的デバイス(
図1に示す102,104)は一体に、一体型デバイス、PSUD400である。
図4に示されるように、PSUD400のそうした実施形態では、単一のハウジング406に直列に収容されている2つの部分402,404(内部構造は図示されていないが、例えば
図3A-
図3Cに示されるものと同様である)があり、ハウジング406及び2つの圧力部分402,404は、単一の一体型本体から形成されている。そうした単一の一体型本体を、例えば、付加製造プロセスによって作製することが可能である。したがって、PSUD400は、複数の構成要素の製造後に組み立てられるそうした複数の構成要素を必要としない。したがって、PSUD400はいかなる溶接部も含まず、複数の構成要素のいかなる溶接も必要としない。いくつかの実施形態では、部分402,404の各々は、独立して動作するが、それでもなお一体型デバイスとして接続されている。したがって、流体は、入口408を介して入り、内部コンパートメント(たとえば、
図3A-
図3Cに示され、本明細書において説明されるような)を通って移動し、次いで、部分404の内部コンパートメント(たとえば、
図3A-
図3Cに示され、本明細書で説明されるような)を通って移動し、次いで、出口410を介して出ることが可能である。
図4は2つの部分402,404を示すが、PSUDのいくつかの実施形態では、直列、並列、又はそれらの任意の組み合わせにおいて2つより多い部分が存在することが可能であることが理解され得る。
【0039】
本開示の範囲から逸脱することなく、特に、採用される構成材料、ならびに部品の形状、サイズ、及び部品の配置に関して、詳細に変更が行われ得ることを理解される。本明細書及び説明されている実施形態は例であり、本開示の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給システムであって、
第1の圧力において流体を貯蔵するための内部キャビティを形成する容器本体と、
前記内部キャビティに配置されており、且つ、単一の一体型本体である圧力レギュレータデバイスと、を備え、
前記単一の一体型本体は、
入口及び出口を備えるハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており、前記入口と前記出口との間に配置されている減圧機構と、を備え、
前記減圧機構は、弁に接続されているダイヤフラム部分を備え、
前記減圧機構は、前記入口を介して入る前記第1の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第2の圧力において前記出口に案内するように構成されており、前記第2の圧力は前記第1の圧力よりも低い、流体供給システム。
【請求項2】
前記減圧機構は、ステムをさらに備え、
前記弁は、ポペット弁を含み、
前記ステムの第1端が、前記ダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、
前記ステムの第2端が、前記ポペット弁に対し接続されており、
前記減圧機構は、前記ダイヤフラム部分が前記入口に向かって撓むときに前記ポペット弁が開状態となり、前記ダイヤフラム部分が静止状態にあるとき又は前記出口に向かって撓むときに前記ポペット弁が閉状態となるように動作する、請求項
1に記載の流体供給システム。
【請求項3】
第2の圧力レギュレータデバイスをさらに備え、前記第2の圧力レギュレータデバイスの入口は、前記圧力レギュレータデバイスの前記出口に対し接続されている、請求項
1に記載の流体供給システム。
【請求項4】
前記第2の圧力レギュレータデバイスは、前記内部キャビティに配置されており、
前記第2の圧力レギュレータデバイスは、別の単一の一体型本体であり、
前記別の単一の一体型本体は、
第2の入口及び第2の出口を備える第2のハウジングと、
前記第2のハウジング内に収容されており、前記第2の入口と前記第2の出口との間に配置されている第2の減圧機構と、を備え、
前記第2の減圧機構は、前記第2の入口を介して入る前記第2の圧力を有する前記流体を受け取り、前記流体の流れを第3の圧力において前記第2の出口に案内するように構成されており、前記第3の圧力は前記第2の圧力よりも低い、請求項
3に記載の流体供給システム。
【請求項5】
前記第2の減圧機構は、
第2のダイヤフラム部分と、
第2のステムと、
第2のポペット弁と、を備え、
前記第2のステムの第1端が、前記第2のダイヤフラム部分の片側に対し接続されており、
前記第2のステムの第2端が、前記第2のポペット弁に対し接続されており、
前記第2の減圧機構は、前記第2のダイヤフラム部分が前記入口に向かって撓むときに前記第2のポペット弁が開状態となり、前記第2のダイヤフラム部分が静止状態にあるとき又は前記出口に向かって撓むときに前記第2のポペット弁が閉状態となるように動作する、請求項
4に記載の流体供給システム。
【請求項6】
前記圧力レギュレータデバイスの前記入口に接続されているフィルタデバイスをさらに備える、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の流体供給システム。
【国際調査報告】