(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】タングステン化学機械研磨スラリー
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241121BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20241121BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20241121BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09K3/14 550F
C09K3/14 550Z
C09G1/02
B24B37/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532741
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022080603
(87)【国際公開番号】W WO2023102392
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ステンダー
(72)【発明者】
【氏名】アグネス デレックスキー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ブレンナン
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、タングステン含有半導体デバイスの化学機械平坦化(CMP)において使用することができるスラリー、方法及びシステムに関する。アルコキシシランアミン化合物で任意選択的に処理されたシリカ粒子、酸化剤、少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤、タングステン研磨のための活性剤を含むCMPスラリーは、ディッシング及びエロージョントポグラフィーに影響することなく、タングステンの除去速度及びタングステン対TEOSの除去選択性の改善を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水;
0.05重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;又は0.01重量%~0.5重量%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%;0.001重量%~1重量%;又は0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;又は1.0重量%~3.0重量%の酸化剤;
キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)からなる群から選択される少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤;並びに
任意選択的には、
腐食防止剤;
安定化剤;
pH調整剤;
水混和性有機溶媒;
界面活性剤;及び
殺生物剤又は生物学的成長抑制剤;
を含む研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14、1~7、又は2~5のpHを有する、研磨組成物。
【請求項2】
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上のゼータ電位を有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項3】
前記研磨粒子は、20~200nmの粒径を有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、キトサンを含み、前記キトサンは以下の構造によって表され、
【化1】
nは20~2,250;50~1,500;又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、
以下の構造によって表されるキトサン
【化2】
nは20~2,250;50~1,500又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化ポリアクリルアミドである;及び
ポリアクリルアミド;
を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、
以下の構造式によって表されるキトサン
【化3】
nは20~2,250;50~1,500又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化ポリアクリルアミドである;及び
ポリアミン;
を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項7】
前記ポリアミンは、以下の構造を有するポリエーテル-ポリアミンであり
【化4】
(x+y+z)=5又は6である、請求項6に記載の研磨組成物。
【請求項8】
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上のゼータ電位を有し;前記アルコキシシランアミンは、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項9】
前記pHが2~5である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項10】
前記可溶性活性剤化合物が、シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、クエン酸鉄(III)三塩基一水和物、鉄(III)アセチルアセトナート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択され;固体粒子上に被覆された前記活性剤化合物は、固体粒子上に被覆された鉄である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項11】
前記可溶性活性剤が、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、グルコン酸鉄、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記組成物が4未満のpHを有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項12】
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、過ギ酸、過酢酸、プロパン過酸(propaneperoxoic acid)、置換又は無置換ブタン過酸(butaneperoxoic acid)、ヒドロペルオキシ-アセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、ペルオキシモノ硫酸アンモニウムからなる群から選択されるペルオキシ化合物;及び亜硝酸鉄(III)、KClO
4、KBrO
4、KMnO
4からなる群から選択される非ペルオキシ化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項13】
前記水混和性有機溶媒が存在し、それはアルコールである、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項14】
前記腐食防止剤が存在し、それはグリシン、リジン、アラニン、プロリン、セリン、アルギニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項15】
前記安定化剤が存在し、それはアジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸;リン酸;置換又は無置換ホスホン酸、ニトリル;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及びその共役塩基からなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項16】
前記pH調整剤が存在し、それは(a)前記研磨組成物のpHを下げるために、硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々の多価カルボン酸及びそれらの組み合わせ;並びに(b)前記研磨組成物のpHを上げるために、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項17】
前記界面活性剤が存在し、それは(a)非イオン性表面湿潤剤;(b)アニオン性表面湿潤剤;(c)カチオン性表面湿潤剤;(d)両性表面湿潤剤;及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;前記界面活性剤の量は、約0.0001重量%~約1.0重量%、及び好ましくは約0.010重量%~約0.1重量%の範囲である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項18】
水;
0.05重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;又は0.01重量%~0.5重量%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%;0.001重量%~1重量%;又は0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;又は1.0重量%~3.0重量%の酸化剤;
以下の一般式によって表される少なくとも1種の水溶性カチオン性多糖類
を含み:
【化5】
R
sacchは、多糖類原料に由来する多糖類繰り返し単位の残基であり;
Qは、以下からなる群から選択され、
【化6】
R
4は、
【化7】
並びに、
【化8】
及び水素の混合物からなる群から選択され;
Zは50~約20,000であり;並びに各R1、R2、及びR3は、独立して、以下の置換基構造式によって表され:
【化9】
Aはアニオンであり;
aは1~約3の整数であり;
mは0~約6の整数であり;
nは、0~約3の整数であり、但し、多糖類繰り返し単位1モル当たりの第四級窒素原子の平均モル数によって定義されるカチオン性置換基のレベル、CSは、0より大きく;
pは0~約6の整数であり;
qは0又は1であり;
各R
5及びR
7は個別に、エチレン、プロピレン又はヒドロキシプロピレンであり;
R
6は2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価の、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、窒素原子及び任意の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子があり;
R
8は水素、ヒドロキシル、R
h、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R
8は水素又はR
hであり;
各R
9、R
10及びR
11は個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアリール又はアルコキシアルキルであり、アルコキシアリール又はアルコキシアルキル基中の酸素原子を、窒素原子から分離する少なくとも2個の炭素原子を有し;
R
hは、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基を含有する疎水性基であり;
vはAの原子価に等しく;並びに
yは0又は1である、研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14、1~7、又は2~5のpHを有する、研磨組成物。
【請求項19】
以下の構造を有するポリエーテル-ポリアミンをさらに含む、請求項18に記載の研磨組成物であって、
【化10】
(x+y+z)=5又は6である、研磨組成物。
【請求項20】
ポリアクリルアミドをさらに含む、請求項18に記載の研磨組成物。
【請求項21】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、前記方法は:
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;
b)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面に請求項1~20に記載の研磨組成物を送達する工程;及び
c)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記研磨組成物で研磨する工程;
を含み、3psiのダウンフォースにおけるタングステンの研磨速度は1000Å/分超である、研磨方法。
【請求項22】
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含有し;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、請求項21に記載の研磨方法。
【請求項23】
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、請求項22に記載の研磨方法。
【請求項24】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨システムであって;
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面;
b)研磨パッド;及び
c)請求項1~20に記載の研磨組成物
を含み、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面は、前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、研磨システム。
【請求項25】
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含み;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、請求項24に記載の研磨システム。
【請求項26】
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、請求項25に記載の研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2021年12月2日に出願された米国仮特許出願第63/264,801号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、半導体デバイスの化学機械研磨又は平坦化(CMP)のために、特にタングステンを含有する物質のために使用されるスラリー、システム及び方法に関する。
【0003】
集積回路は、周知の多層配線の使用を介して相互接続される。相互接続構造は、通常、メタライゼーションの第1の層、相互接続層、メタライゼーションの第2レベル、並びに、典型的には、メタライゼーションの第3レベル及びその後のレベルを有する。二酸化ケイ素及び時には低k物質のような層間誘電体物質は、ケイ素基板又はウェル内の異なるレベルのメタライゼーションを電気的に絶縁するために使用される。異なる相互接続レベル間の電気的接続は、金属化ビア及び特にタングステンビアの使用を介してなされる。米国特許第4,789,648号明細書は、複数の金属化層及び金属化ビアを絶縁体膜中に調製するための方法を説明する。同様の方法で、金属接点は、相互接続レベル及びウェル内に形成されるデバイスの間に電気的接続を形成するために使用される。金属ビア及び接点は、一般に、タングステンで満たされ、一般に、窒化チタン(TiN)及び/又はチタンなどの接着層を採用して、タングステン金属層などの金属層を誘電体物質に接着する。
【0004】
ある半導体製造プロセスにおいて、金属化ビア又は接点が、ブランケットタングステン堆積とその後のCMP工程によって形成される。典型的なプロセスにおいて、ビアホールは、層間誘電体(ILD)を介して相互接続配線又は半導体基板にエッチングされる。次に、窒化チタン及び/又はチタンのような薄い接着層が、一般にILDの上に形成され、エッチングされたビアホールに向けられる。次に、タングステン膜が、接着層の上及びビア内にブランケット堆積される。堆積は、ビアホールがタングステンで満たされるまで継続される。最後に、過剰のタングステンをCMPにより除去し、金属ビアを形成する。
【0005】
別の半導体製造プロセスにおいて、タングステンがトランジスタ内のゲート電極物質として使用されるが、これは、A.Yagishitaらの、IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES、VOL.47、NO.5、MAY 2000によって教示されているように、ゲート電極物質として従来使用されてきたポリシリコンよりもタングステンの電気的特性が優れているためである。
【0006】
典型的なCMPプロセスにおいて、基板は、回転研磨パッドに直接接触して配置される。キャリアは基板の裏面に対して圧力を適用する。研磨プロセス中、パッド及びテーブルは、下向きの力が基板の裏に対して維持されている間、回転する。研磨中、研磨「スラリー」、研磨「組成物」又は研磨「配合物」と一般に呼ばれる、研磨化学的反応性溶液がパッド上に堆積され、ウエハに対するパッドの回転及び/又は運動が、研磨パッド及び基板表面の間の空間に前記スラリーをもたらす。スラリーは、研磨された膜と化学的に反応することにより、研磨プロセスを開始する。研磨プロセスは、スラリーがウエハ/パッドの界面に提供されるにつれて、基板に対するパッドの回転運動によって促進される。この方法で、絶縁体上の所望の膜が除去されるまで研磨を続ける。CMPにおいてタングステンの除去は、機械的摩耗及びタングステンの酸化に続く溶解の間の相乗作用によると考えられる。
【0007】
特にタングステンのような金属用途におけるCMPにおいて、一般的に遭遇する問題の1つは、タングステン配線のディッシング及び金属配線のアレイのエロージョンである。タングステンCMPスラリーは、機能デバイスにとって重要な特定の設計目標を満たすために、ディッシング及びエロージョンを最小限にすることができるように配合されなければならない。
【0008】
研磨において所望の除去速度を維持する一方で、エロージョンを低減することができる新規なCMPタングステンスラリーが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、研磨半導体デバイス又は基板における所望の除去速度を維持する一方で、ディッシングを低減するCMPスラリー、システム及びCMPスラリーの使用方法に関する。より具体的には、本発明は、タングステンを含有する半導体デバイス又は基板の研磨中に、優れたディッシング及びエロージョン性能を有する高選択性タングステンスラリーを提供するCMPスラリー、システム及びCMPスラリーの使用方法に関する。
【0010】
一態様において、本開示は:水;0.05重量%~10.0重量%のシリカを含む研磨粒子;0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;0.5重量%~約10.0重量%の酸化剤;キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)からなる群から選択される少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤;並びに任意選択的には、腐食防止剤;安定化剤;pH調整剤;水混和性有機溶媒;界面活性剤;及び殺生物剤又は生物学的成長抑制剤を含む研磨組成物を提供し、研磨組成物は1~7のpHを有する。
【0011】
別の態様において、本明細書では、水;0.05重量%~10.0重量%のシリカを含む研磨粒子;0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;0.5重量%~約10.0重量%の酸化剤;以下の一般式によって表される少なくとも1種である少なくとも1種の水溶性カチオン性多糖類を含む研磨組成物が提供される:
【化1】
R
sacchは、多糖類原料由来の多糖類繰り返し単位の残基であり;Qは、以下からなる群から選択され、
【化2】
R
4は、
【化3】
並びに、
【化4】
及び水素の混合物からなる群から選択され;
Zは50~約20,000であり;各R1、R2、及びR3は、独立して、以下の置換基構造式によって表され:
【化5】
Aはアニオンであり;aは1~約3の整数であり;mは0~約6の整数であり;nは0~約3の整数であり、但し、多糖類繰り返し単位1モル当たりの第四級窒素原子の平均モル数によって定義されるカチオン性置換基のレベル、CSは、0より大きく;pは0~約6の整数であり;qは0又は1であり;各R
5及びR
7は個別にエチレン、プロピレン又はヒドロキシプロピレンであり;R
6は2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価の、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、窒素原子及び任意の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子があり;R
8は水素、ヒドロキシル、R
h、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R
8は水素又はR
hであり;各R
9、R
10及びR
11は個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアリール又はアルコキシアルキルであり、アルコキシアリール又はアルコキシアルキル基中の酸素原子を、窒素原子から分離する少なくとも2個の炭素原子を有し;R
hは、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基を含有する疎水基であり;vはAの原子価に等しく;yは0又は1であり、研磨組成物は、1~7のpHを有する。
【0012】
別の態様において、本明細書では、タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、タングステンを含有する少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;水;0.05重量%~10.0重量%のシリカを含む研磨粒子;0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;0.5重量%~約10.0重量%の酸化剤;キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)からなる群から選択される少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤;並びに任意選択には、腐食防止剤;安定化剤;pH調整剤;水混和性有機溶媒;界面活性剤;及び殺生物剤又は生物学的成長抑制剤を含む研磨組成物であって、1~7のpHを有する研磨組成物を、タングステンを含有する少なくとも1つの表面に送達する工程;並びにc)タングステンを含有する少なくとも1つの表面を研磨組成物で研磨する工程であって;3psiのダウンフォースにおけるタングステンの研磨速度は4000Å/分超である工程を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付図面と共に以下で説明され、同様の数字は同様の要素を示す。
【0014】
【
図1】
図1は、タングステン(W)及びTEOSについての除去速度、並びに異なる配合物を使用するW:TEOSの除去選択性を示す。
【
図2】
図2は、異なる配合物を使用したタングステンパターン化ウエハ上で、測定されたディッシングを示す。
【
図3】
図3は、異なる配合物を使用したタングステンパターン化ウエハ上で、測定されたエロージョンを示す。
【
図4】
図4は、1μのフィーチャについて、様々な濃度におけるキトサンのエロージョン抑制効果を示すグラフである。
【
図5】
図5は、0.25μのフィーチャについて、様々な濃度におけるキトサンのエロージョン抑制効果を示すグラフである。
【
図6】
図6は、0.18μのフィーチャについて、様々な濃度におけるキトサンのエロージョン抑制効果を示すグラフである。
【
図7】
図7は、10μのフィーチャについて、本明細書に開示される様々な組成物のディッシング抑制効果を示すグラフである。
【
図8】
図8は、1μのフィーチャについて、本明細書に開示される様々な組成物のディッシング抑制効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
半導体デバイスウエハ製造工程における伝導性金属フィーチャの形成は、ウエハをパターン化すること、誘電体物質中の配線トレンチ又はビアをエッチングすること、これらのビア又は配線トレンチを伝導性金属で満たすこと、及び、次いで過剰な金属を除去し、非常に平面な表面を提供するために、化学機械平坦化(CMP)を実施することを含む。研磨されたウエハの平面性を定義する重要なCMPパラメータは、ディッシング及びエロージョンである。ディッシングとは、フィールドレベルに対する個別の配線又はビアの窪みを指す。ディッシングは、主に、より大きなフィーチャ(典型的には、1ミクロンより大きい)及びパターン化密度の低い領域で重大な問題である。エロージョンは、フィールドレベルと比較した金属構造のアレイの窪みである。エロージョンは、一般的に、フィーチャサイズが10ミクロン以下、及びパターン化金属密度が50%以上の狭い金属化構造の密なアレイについて、より問題となる。
【0016】
CMP後に観察されたディッシング及びエロージョントポグラフィーの描写は、ElbelらのJ.Electrochem Soc.,Col.145,No.5,May 1998 pp.1659-1664における
図1に示される。
【0017】
本発明は、タングステン含有半導体デバイス、基板、又は膜の化学機械平坦化(CMP)において使用することができるスラリーに関する。本発明のCMPスラリーは、タングステン構造のディッシングを低減し、誘電体物質のエロージョンを低減するという独特の結果を提供する一方で、高い除去速度を提供する。
【0018】
タングステン膜は純タングステンでもよく、合金元素を含有してもよい。
【0019】
本発明の配合物は、パターン化構造において使用される多くの種類の誘電体に適切であり得る。誘電体物質の例としては、熱酸化物、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、高密度プラズマ(HDP)酸化物、高アスペクト比プロセス(HARP)膜、フッ素化酸化物膜、ドープ酸化物膜、有機ケイ酸ガラス(OSG)低k誘電体膜、スピンオンガラス(SOG)、ポリマー膜、流動性化学気相堆積物(CVD)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、オキシ炭窒化ケイ素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
幾つかの他の実施形態において、タングステン及びTEOS除去速度の間の所望の研磨選択性は、25超、若しくは好ましくは40超、又はより好ましくは90超である。
【0021】
CMPスラリーは、アルコキシシランアミン化合物で表面処理されたシリカ粒子、酸化剤、タングステン研磨のための活性剤、水系溶媒を含み、スラリーのpHは2~14であり、好ましくは1~7であり、より好ましくは2~5である。
【0022】
アルコキシシランアミンで処理されたシリカ粒子は、アルコキシシランによって修飾されたシェル構造を含まない。
【0023】
動的光散乱法によって測定される粒子のサイズは、10nm~300nm、好ましくは20nm~200nm、又はより好ましくは30~100nmであり;粒子上のゼータ電位は15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上である。
【0024】
CMPスラリーは、任意選択的には、界面活性剤;安定化及び不動態化剤;分散剤;キレート剤;膜形成耐腐食剤;ディッシング低減剤並びに研磨増強剤を含んでもよい。
【0025】
特定の好ましい実施形態において、3.0psiのダウンフォース及び80RPMのテーブル速度におけるタングステンブランケット膜の研磨速度は、2500Å/分超、好ましくは3000Å/分超、より好ましくは4000Å/分超、又は最も好ましくは4500Å/分超;一方、TEOSの研磨速度は、150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満である。
【0026】
特定の好ましい実施形態において、パターン化ウエハ上で測定される9×1ミクロンアレイ(1ミクロン幅の誘電体配線によって分離された9ミクロン幅のタングステン配線幅)のエロージョンは、渦電流測定又は光学的終点検出などの適切な方法を使用することによって検出されたパターン化ウエハ研磨終点の後に、ウエハが15秒間の追加時間で研磨される場合、1000Å未満、好ましくは500Å未満、又はより好ましくは300Å未満である。
【0027】
研磨剤
本明細書で開示されるCMPスラリー組成物は、アルコキシシランアミン化合物で処理された表面を有する表面修飾されたシリカ粒子を任意選択的に含む、0.01重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;0.01重量%~0.5重量%の研磨粒子を含む。
【0028】
研磨剤は、一般に、1種の物質又は異なる物質の組み合わせの研磨粒子、典型的には多くの研磨粒子の形態である。
【0029】
一般に、適切な研磨粒子は、大体球形又は繭形であり、10~300nm、好ましくは20~200nm、又はより好ましくは30~100nmの有効径を有する。
【0030】
強凝集(aggregated)又は弱凝集(agglomerated)粒子の形態における研磨剤は、好ましくは、さらに処理され、個別の研磨粒子を形成する。
【0031】
粒径は、静的光散乱法、動的光散乱法、流体力学的流体分画(Hydrodynamic Fluid Fractionation)、沈降分析、電気的検知帯分析及び動的画像分析、ディスク遠心分離機分析を含むがこれらに限定されない任意の適切な技術によって測定され得る。粒径及び粒度分布測定のための好ましい方法は、動的光散乱法である。
【0032】
幾つかの実施形態において、研磨粒子は、修飾されたそれらの表面を有しない。他の実施形態において、研磨粒子は、アルコキシシランアミン化合物で処理されたそれらの表面を有するシリカ粒子である。
【0033】
シリカ粒子は、ゾル-ゲル、水熱、加水分解、プラズマ、パイロジェニック、エアロゲル、煙霧及び沈殿技術、並びにそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な技術によって生成され得る。
【0034】
好ましい実施形態において、シリカ粒子表面を処理するために使用されるアルコキシシランアミン化合物はまた、アミノ基を含む。
【0035】
アルコキシシランアミン化合物は、以下の一般構造によって表すことができ:
【化6】
R
1、R
2、R
3及びR
4は、アルキル基若しくはアリール基、又はアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、若しくはアミン基のような加水分解性基から独立に選択され、R基の少なくとも1つはアルコキシ基であり、R基の少なくとも1つはアミン基である。
【0036】
幾つかの好ましい実施形態において、R1、R2及びR3は、アルコキシ基官能基を含み、R4は、アミン基を含む。
【0037】
好ましいアルコキシシランの例として、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書に開示されるCMPスラリー中のアルコキシシランアミン修飾粒子は、それらに付加した活性剤化合物を含まない。
【0039】
アルコキシシランアミン化合物による表面処理は、粒子の表面上でのみ起こる。コアシリカ粒子を取り囲むシェル形成はない。
【0040】
スラリー及びDI水中の粒子のゼータ電位は15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上である。
【0041】
動的光散乱法によって測定される粒子のサイズは、10~300nm、好ましくは20~200nm、又はより好ましくは30~100nmである。
【0042】
特定の好ましい実施形態において、研磨剤は、繭型強凝集粒子である。
【0043】
スラリーは、2種以上の種類の研磨剤を有してもよく、異なる種類の研磨剤に対して異なるサイズを有することが有利であり得る。
【0044】
研磨剤の種類の1つは、金属酸化物、金属酸化物若しくは半金属酸化物、又は金属酸化物若しくは半金属酸化物の化学混合物であり得る。
【0045】
適切な金属酸化物研磨剤としては、アルミナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、スピネル、チタニア、タングステン酸化物若しくは窒化物、ジルコニア、又は1種以上の他の鉱物若しくは元素でドープされた上記のいずれか、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。金属酸化物研磨剤は、ゾル-ゲル、水熱、加水分解、プラズマ、パイロジェニック、エアロゲル、煙霧及び沈殿技術、並びにそれらの任意の組み合わせを含む、種々の技術のいずれかによって生成され得る。
【0046】
沈殿した金属酸化物及び半金属酸化物は、金属塩及び酸又は他の沈殿剤との反応による公知のプロセスによって得ることができる。発熱性金属酸化物及び/又は半金属酸化物粒子は、酸素/水素炎中で適切な気化性原料を加水分解することによって得られる。一例は、四塩化ケイ素からのパイロジェニック二酸化ケイ素である。酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ゲルマニウム及び酸化バナジウムのパイロジェニック酸化物並びにそれらの化学的及び物理的混合物が適切である。
【0047】
研磨剤は、2種の分子種SiO2及びAl2O3からなるような、混合酸化物であってもよい。アルミナ被覆シリカを含む研磨剤も有用であり得る。
【0048】
好ましい一実施形態において、金属酸化物研磨剤は、沈降又はヒュームド研磨剤であり、好ましくはヒュームド研磨剤である。例として、ヒュームド金属酸化物研磨剤は、ヒュームドシリカ若しくはヒュームドアルミナ又はヒュームドシリカ/アルミナであってもよい。
【0049】
研磨粒子は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、鉄などの金属不純物を除去するためにイオン交換などの適切な方法を使用して精製され得る。或いは、高純度シリカ粒子が使用される。特定の好ましい実施形態において、シリカ粒子中の全金属含有量は、100ppm未満若しくはより好ましくは10ppm未満又は最も好ましくは1ppm未満である。
【0050】
一般に、上述の研磨剤は、単独で又は互いに組み合わせて使用することができる。また、優れた性能を得るために、サイズの異なる2種以上の研磨粒子を組み合わせることもできる。
【0051】
本発明のほとんどの実施形態において、研磨剤は、コロイダルシリカ;ヒュームドシリカ;アルミナ;チタニア;セリア;ジルコニア;活性剤含有粒子、複合粒子、及び格子状ドープ無機酸化物粒子からなる群から選択される表面修飾粒子;並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0052】
研磨剤の濃度は、0.01重量%~30重量%、好ましくは約0.05重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~2重量%の範囲であり得る。重量%は、組成物の総重量に対するものである。
【0053】
ディッシング低減又はタングステン腐食抑制のための添加剤
スラリー配合物は、タングステンフィーチャのディッシングを低減するため、又はCMP中のタングステンエッチング及び腐食を低減するための添加剤を含んでもよい。
【0054】
スラリー中に使用される添加剤は、サルコシネート、関連カルボン酸化合物、及び炭化水素置換サルコシネート;ポリエチレンオキシド(PEO)などのエチレンオキシド繰り返し単位を含有する分子を有する有機ポリマー及びコポリマー、並びにエトキシル化界面活性剤、窒素-水素結合を含まない窒素含有複素環、硫化物、オキサゾリジン類又は1種の化合物中の官能基の混合物、アルキルアンモニウムイオンを形成する3個以上の炭素原子を有する窒素含有化合物、3個以上の炭素原子を有するアミノアルキル、少なくとも1種の窒素含有複素環又は第三級若しくは第四級窒素原子の繰り返し基を含むポリマー腐食防止剤、例えば、セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ポリカチオン性アミン化合物、シクロデキストリン化合物、ポリエチレンイミン化合物、グリコール酸、キトサン、糖アルコール、多糖類、アルギネート化合物、ホスホニウム化合物、スルホン酸ポリマー、アミジン化合物、及びポリアクリルアミドなどを含むが、これらに限定されない。
【0055】
ディッシング及び腐食を低減するための好ましい添加剤は、窒素含有ポリマー添加剤である。窒素含有ポリマー添加剤は、ポリマーポリアミン、例えば、キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)(ホモポリマー又はコポリマーであり得る)を含み得る。
【0056】
窒素含有ポリマー添加剤がポリアミンを含む実施形態において、ポリアミンは、1,2-ジアミノエタン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、HMDA)、1,12-ジアミノドデカン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノベンゼン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(2-メチル-ペンタメチレンジアミン)、1,3-ペンタンジアミン、及び1,8-ジアミノオクタンから選択されるジアミンを含み得る。窒素含有反応物は、第一級ポリアミンポリエーテル-ポリアミンを含んでもよく;前記ポリエーテル-ポリアミンは、ジアミン又はトリアミンであってもよい。一実施形態において、ポリエーテル-ポリアミンは、Jeffamine T-403 Polyetheramine(Huntsman Corporation)として知られる440の平均分子量を有する三官能性第一級アミンである。
【0057】
一般的に言えば、例えば、ポリアクリルアミドなどの窒素含有ポリマー添加剤について、ポリマー添加剤の分子量は、約200MW~約500,000MW、より好ましくは約500MW~約100,000MW、さらにより好ましくは約1,000MW~約20,000MW、及び最も好ましくは約5,000MW~約15,000MWの範囲であり、MWは、1モル当たりのグラム数で表される分子量に対応する。好ましくは、ポリマー添加剤は、マイクロ電子デバイスの表面上に実質的に堆積しない。
【0058】
幾つかの実施形態において、キトサンは添加剤である。キトサンは、以下の構造を有し:
【化7】
nは20~2,250及び好ましくは50~1500;又は200~1,000の数である。好ましくは、使用されるキトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化である。
【0059】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、タングステン金属上のディッシングを低減するための添加剤として、少なくとも1種の水溶性カチオン性多糖類を含む。
【0060】
本発明の水溶性カチオン性多糖類を、容易に入手可能な物質から製造することができる。このような多糖類は、天然に生じる多糖類、又はこれらのエーテル化によって修飾されたものに由来し、これらは、窒素含有化合物で四級化され、疎水性基を含有する、窒素含有化合物などの化合物でアルキル化される。
【0061】
多糖類原料は、天然に生じる、生合成された及び誘導体化された炭水化物ポリマー又はそれらの混合物を含む。このような物質は、グリコシド結合によって結合された単糖単位から構成される高分子量ポリマーを包含する。これらの物質としては、デンプン全体並びにセルロース族;ペクチン;キトサン;キチン;寒天及びカラギーナンのような海藻産物;アルギネート;グアー、アラビア及びトラガントのような天然ゴム;キサンタンのような生物由来ゴムなどが挙げられる。好ましい原料としては、化学綿花、コットンリンター、木材パルプ、アルカリセルロースのような、セルロースエーテルの調製のために慣用的に使用されるセルロース類など及びそれらのエーテル誘導体が挙げられる。このようなセルロースエーテルとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。特に好ましい多糖類原料はヒドロキシエチルセルロースである。多糖類原料は、通常50から約20,000までの、多糖類繰り返し単位の数に対応する分子量を持つ。多糖類の分子量は、当技術分野で公知の制御された分解手順によって変化させることができる。
【0062】
エーテル化多糖類は、商業的に得ることができ、又は前述の多糖類原料から製造することができる。エーテル化は、多糖類バックボーンにおけるペンダントヒドロキシル基を、そのようなヒドロキシル基と反応性の官能基を含有するエーテル化剤又はそれらの混合物と反応させることを伴う。エーテル化は、例えばエトキシル化によって、多糖類の水溶性を高めるために行うことができる。典型的なエーテル化剤としては、低アルキル化剤、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、塩化メチル、臭化メチル、塩化エチル、臭化エチル又は塩化n-プロピルなど;ヒドロキシアルキル化剤、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン又はグリシドールなど;並びにカルボキシアルキル化剤、例えば、モノクロロ酢酸、クロロ酢酸ナトリウム又はクロロプロピオン酸など挙げられる。
【0063】
多糖類原料には、四級化反応を経て、第四級窒素含有置換基が付与される。四級化は、多糖類を第四級アンモニウム塩(それらの混合物を含む)である四級化剤と反応させて、多糖類鎖を第四級窒素含有基で置換することによって達成され得る。利用することができる典型的な第四級アンモニウム塩としては、第四級窒素含有ハロゲン化物、ハロヒドリン及びエポキシドが挙げられる。第四級アンモニウム塩は疎水性基を含有し得る。例示的なアンモニウム塩としては、以下の1種以上が挙げられる:
【0064】
3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロリド;3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド;3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルオクチルアンモニウムクロリド;
【0065】
3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;2-クロロエチルトリメチルアンモニウムクロリド;2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなど。好ましい四級化剤としては、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルドデシルアンモニウムクロリド;3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド;
【0066】
3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド;及び3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0067】
適切な水溶性カチオン性多糖類は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,663,159号明細書の開示に従って作製することができる。
【0068】
幾つかの実施形態において、タングステンディッシングを防止するために、添加剤として本明細書で使用されるカチオン性多糖類は、以下の一般式によって表される:
【化8】
【0069】
式Iにおいて、Rsacchは、先に記載された多糖類原料に由来する多糖類繰り返し単位の残基である。多糖類繰り返し単位は、例えば、エーテル化、四級化又はアルキル化に利用可能な繰り返し単位当たり最大11個のヒドロキシル基を提供するキサンタンガムのように、繰り返し単位当たり3個超の反応性ヒドロキシル基を含有するそれらの多糖類のために、3個超の「R」置換基を含有することができる。Rsacchは、好ましくは、無水グルコース繰り返し単位の、特に、セルロースからの残基である。
【0070】
式I中のパラメータQは、利用される特定の多糖類に依存して変化する。例えば、Qは、特定の多糖類が、デンプン、セルロースなどにおいて無水グルコース繰り返し単位を含む場合、─O─である。
【0071】
同様に、Qは、
【化9】
R
4は水素及びキトサン中の
【化10】
基の混合物である。Qは好ましくは、─O─、すなわち、酸素原子である。
【0072】
式Iにおいてzによって定義される多糖類繰り返し単位の数は、通常約50~約20,000、好ましくは約100~約6,000;及び最も好ましくは約250~約4,000である。疎水性置換されたカチオン性多糖類の対応する分子量は、通常、数千から数百万までの範囲である。
【0073】
式I中のR
1、R
2及びR
3置換基は、多糖類の未反応ヒドロキシル基を表す場合は、水素、又はエーテル化、四級化及び/若しくはアルキル化によって提供されるこれらの置換基のいずれかである。各R
1、R
2及びR
3は、置換基構造式(II)によって個別に表される:
【化11】
【0074】
式IIにおいて、Aは、アニオンの混合物を含むアニオンである。例示的なアニオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、スルフェート、メチルスルフェート、スルホン酸、ニトレート、ホスフェートなどの無機アニオン;及びアセテートなどの有機アニオンなどが挙げられる。一価アニオンが好ましく、特にハロゲン化物であり、とりわけ塩化物である。アニオンは、典型的には、四級化剤として使用される第四級アンモニウム塩の残部として、又はイオン交換技術によって提供される。
【0075】
式II中のaによって定義されるアルキレン置換基は、aが1~約3の値を有する整数であるように、1~約3個の炭素原子を含有する。
【0076】
式II中のm及びpによって定義されるオキシアルキレン置換基によるエーテル化の程度は、それぞれ0~約6のオキシアルキレン基の範囲であり、すなわち、mは0~約6の整数であり、pは0~約6の整数である。式II中のqによって定義されるエーテル化の追加の程度は、qが0又は1、好ましくは0であるように、アルキレン基すなわちCaH2aが存在しないか又は存在するかに依存する。
【0077】
エーテル化の全体の程度は、通常0より大きく、好ましくは約1.2~約4.5であり、及び最も好ましくは約1.8~約3.6である。
【0078】
式IIにおいてnによって定義される置換基当たりの第四級窒素原子の数は、0~約3であり、すなわち、nは、0~約3の整数である。前述のようにCSとして特徴づけられる四級化の程度は、0より大きく、より好ましくは1より小さく、及び最も好ましくは約0.01~約0.6である。
【0079】
オキシアルキレン置換基を定義する各R5及びR7は、個別に、エチレン(オキシエチレンを提供する)、プロピレン(オキシプロピレンを提供する)又はヒドロキシプロピレン(ヒドロキシ置換オキシプロピレンを提供する)単位である。R5及びR7は、好ましくはエチレン又はイソプロピレンであり、及び最も好ましくはエチレンである。
【0080】
式IIにおいてR
6として定義される、第四級窒素を多糖類分子に連結する部分は、2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価、分岐鎖又は直鎖、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、例えばエーテル置換基又は多糖類残基中の、窒素原子及び任意の酸素原子の間に、少なくとも2個の炭素原子が存在する。R
6は、エチレン、C
3炭化水素基、又は─CH
2CH=CHCH
2─、最も好ましくは
【化12】
であり得る。
【0081】
式II中のR8は、水素、ヒドロキシル、以下に定義されるRh、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R8は水素又はRhである。R8は、好ましくは、水素又はRhである。R8が水素であり、m、n、p及びqがすべて0である場合、置換基構造式は、無置換多糖類ヒドロキシル基を提供する。
【0082】
式IIにおいてR9、R10及びR11によって定義される窒素置換基は、それぞれ個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアルキル又はアルコキシアリールである。アルコキシアルキル又はアルコキシアリール置換基が提供される場合、少なくとも2個の炭素原子が、置換基酸素原子を窒素原子から分離する。疎水性を持たない窒素置換基としては:メチル又はエチルのような1~約3個の炭素原子を有する低級アルキル;フェニルのようなアリール;ベンジルのようなアラルキルなどが挙げられる。好ましくは、各繰り返し単位の少なくとも2個の窒素置換基はメチルであり、残りの置換基は、多糖類分子中の窒素含有繰り返し単位のうちのRh又はRh及びメチルの混合物である。
【0083】
式IIにおいてRhにより定義される疎水性基は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは約10~約24個の炭素原子、及び最も好ましくは約10又は12~約18個の炭素原子を有する長鎖アルキル基を含有する。8個未満の炭素原子を有するアルキル基又はアリール基を含有する疎水性基は、一般に、本発明の疎水性置換多糖類によって示される特性の優れた組み合わせを生成するために十分な疎水性置換を第四級窒素含有多糖類に提供しない。
【0084】
本明細書に開示される多糖類は、実質的な水溶性を持つことに加えて、多糖類を含有する水溶液の増強された粘性化、発泡、及び好ましくは表面張力低下、並びに有意なパーソナルケア有用性を提供するために十分な量で、8個以上のアルキル炭素原子を含む疎水性基を含有する。本発明の好ましい多糖類は、粘度、発泡性又は表面張力特性におけるごくわずかな増強を提供するという犠牲を払ったとしても、有意なパーソナルケア有用性を提供し得る。
【0085】
Rhは、R9、R10若しくはR11として存在する場合、第四級窒素に直接的に付加され;R8としてエーテル置換基に付加され;並びに/又はm、n、p及びqがすべて0の場合、R8として直接的に多糖類残基に付加され得る。疎水性基は、これらの位置のいずれか又は全てにおける、多糖類分子内の同一又は異なる繰り返し単位で提供され得る。
【0086】
Rhはまた、アルキル基を多糖類に連結するために使用されるアルキル化剤に含有される官能基に依存して、アルキル及びエーテル酸素原子の間に連結部分を含み得る。例えば、Rhは:アルキルハライドがアルキル化剤である場合、アルキル基;エポキシドがアルキル化剤である場合、α-ヒドロキシアルキル基;イソシアネートがアルキル化剤である場合、ウレタンアルキル基;アルキル化剤がカルボン酸又はアシルハライドである場合、アシルアルキル基などであり得る。Rhは、好ましくは、酸素原子に直接的に、又は最も好ましくは、第四級窒素原子に結合した長鎖アルキル基である。
【0087】
式IIにおいてvとして定義される、アニオンAの原子価は、整数であり、好ましくは1である。
【0088】
第四級窒素置換基中のエーテル酸素が存在しないか又は存在するかは、式II中のyによって定義され、すなわち、yは、それぞれ、0又は1であり、但し、さらなるエーテル置換が存在しない、すなわち、nが0より大きく、yが0である場合、p及びqは0であり、R8は水素である。好ましくは、yは1である。
【0089】
これらの添加剤の量は、0.0001重量%~約2.0重量%;好ましくは約0.001重量%~1.0重量%、及びより好ましくは0.01重量%~約0.5重量%の範囲である。
【0090】
一実施形態において、水溶性カチオン性多糖類は、以下の一般式によって表される少なくとも1種である:
【化13】
R
sacchは、多糖類原料に由来する多糖類繰り返し単位の残基であり;
Qは以下からなる群から選択され、
【化14】
R
4は、
【化15】
並びに、
【化16】
及び水素の混合物からなる群から選択され;
Zは50~約20,000であり;並びに各R1、R2、及びR3は、独立して、以下の置換基構造式によって表され:
【化17】
Aはアニオンであり;
aは1~約3の整数であり;
mは0~約6の整数;
nは0~約3の整数であり、但し、多糖類繰り返し単位1モル当たりの第四級窒素原子の平均モル数によって定義されるカチオン性置換基のレベル、CSは、0より大きく;
pは0~約6の整数であり;
qは0又は1であり;
各R
5及びR
7は個別にエチレン、プロピレン又はヒドロキシプロピレンであり;
R
6は2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価の、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、窒素原子及び任意の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子があり;
R
8は水素、ヒドロキシル、R
h、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R
8は水素又はR
hであり;
各R
9、R
10及びR
11は個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアリール又はアルコキシアルキルであり、アルコキシアリール又はアルコキシアルキル基中の酸素原子を、窒素原子から分離する少なくとも2個の炭素原子を有し;
R
hは、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基を含有する疎水基であり;
vはAの原子価に等しく;
yは0又は1である。
【0091】
幾つかの実施形態において、yが0である場合、そのとき、p及びqは0であり、R8は、水素である。
【0092】
幾つかの実施態様において、添加剤は、少なくとも1種のポリアミン及び少なくとも1種のポリアクリルアミドからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、添加剤は、キトサン及びポリアクリルアミドを含む。他の実施形態において、添加剤は、キトサン及びポリエーテル-ポリアミン(Jeffamine T-403)を含む。さらに他の実施形態において、添加剤は、キトサン、ポリアクリルアミド、及びポリエーテル-ポリアミンを含む。
【0093】
酸化剤
本発明のCMPスラリーは、0.1重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;1.0重量%~3.0重量%の物質の化学エッチングのための酸化剤を含む。CMPスラリーの酸化剤は、基板と接触し、基板表面上の標的物質の化学的除去を補助する流体組成物中にある。したがって、酸化剤成分は、組成物の物質除去速度を向上又は増加させると考えられる。好ましくは、組成物中の酸化剤の量は、化学的除去プロセスを補助するために十分である一方、取り扱い、環境、又はコストのような同様の若しくは関連する問題を最小限にするためにできるだけ少ない。
【0094】
有利には、本発明の一実施形態において、酸化剤は、少なくとも1種の活性剤に曝露されると、少なくとも選択された構造上で増加したエッチング速度を与えるフリーラジカルを生成する成分である。以下に記載するフリーラジカルは、ほとんどの金属を酸化し、表面を他の酸化剤からの酸化に対してより敏感にする。しかしながら、酸化剤は、活性剤に曝露された場合、幾つかの酸化剤はフリーラジカルを容易に形成しないため、以下に論じる「化合物生成フリーラジカル(Compound Producing Free Radicals)」とは別に列挙され、幾つかの実施形態において、基板上に見出され得る金属の種々の組み合わせにおける整合されたエッチング又は好ましいエッチング速度を提供する1種以上の酸化剤を有することが有利である。
【0095】
当技術分野において公知であるように、一部の酸化剤は、他の成分よりも特定の成分により適している。本発明の幾つかの実施形態において、当技術分野において公知であるように、別の金属とは対照的に、1種の金属に対するCMPシステムの選択性が最大化される。しかしながら、本発明の特定の実施形態において、酸化剤の組み合わせは、導体及びバリアの組み合わせに対して(単純なエッチング速度と対照的に)実質的に同様のCMP速度を提供するために選択される。
【0096】
一実施形態において、酸化剤は、無機又は有機パー化合物である。
【0097】
パー化合物は、一般に、過塩素酸などの酸化の最高状態の元素を含有する化合物;又は過酢酸及び過クロム酸などの少なくとも1つのペルオキシ基(-O-O-)を含有する化合物として定義される。
【0098】
少なくとも1つのペルオキシ基を含有する適切なパー化合物としては、過酢酸又はその塩、過炭酸、並びに過酸化ベンゾイル、過酸化水素尿素、及び/又はジ-t-ブチルペルオキシドなどの有機過酸化物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
少なくとも1つのペルオキシ基を含有する適切なパー化合物としては、過酸化物が挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「過酸化物」は、R-O-O-R’を包含し、R及びR’は、各々独立して、H、C1~C6の直鎖又は分枝鎖アルキル、アルカノール、カルボン酸、ケトン(例えば)、又はアミンであり、上記の各々は、それ自体がOH又はC1-C5アルキルで置換され得る1つ以上のベンジル基(例えば、過酸化ベンゾイル)、並びにそれらの塩及び付加物で独立して置換され得る。したがって、この用語は、過酸化水素、過ギ酸、過酢酸、プロパン過酸(propaneperoxoic acid)、置換又は無置換ブタン過酸(butaneperoxoic acid)、ヒドロペルオキシ-アセトアルデヒドなどの一般的な例を含む。また、この用語には、過酸化物、例えば過酸化尿素などの一般的な錯体も包含される。
【0100】
少なくとも1つのペルオキシ基を含有する適切なパー化合物としては、過硫酸(persulfates)が挙げられる。本明細書中で使用される場合、用語「過硫酸」は、一過硫酸、二過硫酸、並びにそれらの酸及び塩並びに付加物を包含する。含まれるものは例えば、ペルオキシジスルフェート、ペルオキシモノ硫酸及び/又はペルオキシモノスルフェート、カロ酸であり、例えばペルオキシモノ硫酸カリウムのなどの塩を含むが、好ましくはペルオキシモノ硫酸アンモニウムなどの非金属塩が挙げられる。
【0101】
少なくとも1つのペルオキシ基を含有する適切なパー化合物としては、上で定義される過リン酸(perphosphate)が挙げられ、ペルオキシジホスフェートを含む。
【0102】
また、オゾンは、単独で、又は1種以上の他の適切な酸化剤と組み合わせて、適切な酸化剤である。
【0103】
ペルオキシ基を含有しない適切なパー化合物としては、過ヨウ素酸及び/又は任意の過ヨウ素酸塩(以下、「過ヨウ素酸(periodates)」)、過塩素酸及び/又は任意の過塩素酸塩(以下、「過塩素酸(perchlorates)」)、過臭素酸及び/又は任意の過臭素酸塩(以下、「過臭素酸(perbromates)」)、並びに過ホウ酸及び/又は任意の過ホウ酸塩(以下、「過ホウ酸(perbromates)」)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
他の酸化剤もまた、本発明の組成物の適切な成分である。ヨウ素酸塩は有用な酸化剤である。
【0105】
2種以上の酸化剤を組み合わせて、相乗的な性能利点を得ることもできる。
【0106】
酸化剤濃度は、0.01重量%~30重量%の範囲にあることができるが、酸化剤のより好ましい量は、約0.5重量%~約10重量%である。重量%は組成物に対するものである。
【0107】
本発明のほとんどの実施形態において、酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、過ギ酸、過酢酸、プロパン過酸、置換又は無置換ブタン過酸、ヒドロペルオキシ-アセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、ペルオキシモノ硫酸アンモニウムからなる群から選択されるペルオキシ化合物;及び亜硝酸鉄(III)、KClO4、KBrO4、KMnO4からなる群から選択される非ペルオキシ化合物からなる群から選択される。
【0108】
活性剤
活性剤又は触媒は、流体中に存在する少なくとも1種のフリーラジカル生成化合物によるフリーラジカルの形成を促進する物質である。活性剤が金属イオン、又は金属含有化合物である場合、活性剤は、流体と接触する固体の表面と関連する薄層中にある。活性剤が非金属含有物質である場合、活性剤を流体中に溶解させることができる。活性剤は、所望の効果を促進するために十分な量で存在することが好ましい。
【0109】
例えば、米国特許第7014669号明細書、同第6362104号明細書、同第5958288号明細書、同第8241375号明細書、同第7887115号明細書、同第6930054号、米国特許出願公開第2014/315386号明細書、同第2016/280962号明細書、及び韓国公開第10-2011-0036294号公報の活性剤又は触媒をこの量で使用することができ、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
活性剤は、スラリー中に存在することができ、又は研磨パッド上に存在することができ、若しくは酸化剤を含有するスラリーが、パッド及びウエハ基板の間を通過する前に活性剤と接触する場所に存在することができる。
【0111】
活性剤は、1つ以上の異なる形態で存在し得る。活性剤の異なる形態の例としては、(i)スラリー中の可溶性活性剤化合物、(ii)活性剤化合物で表面修飾された粒子、(iii)粒子コア及び表面の両方に含まれる活性剤を有する粒子、(iv)表面に露出した活性剤を含むコア-シェル複合粒子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
一実施形態において、活性剤は、活性剤としてフェントン反応において有用であることが知られている任意の金属含有化合物であり、酸化剤は、過酸化物、特に過酸化水素である。銅、マンガン、コバルト、及びセリウムのような遷移金属、並びにより伝統的な鉄及び銅は、この反応を触媒することができる。
【0113】
重要な一実施形態において、活性剤は、元素周期律表の第4(b)族、第5(b)族又は第6(b)族の金属以外の金属を有する金属含有化合物を含む。一実施形態において、第1(b)族又は第8族の金属の化合物は、好ましい金属含有活性剤である。
【0114】
金属含有活性剤化合物を、スラリー中の可溶性化合物の形成において使用することができる。本発明のpH範囲に適した活性剤化合物として、シュウ酸アンモニウム鉄(III)三水和物、クエン酸鉄(III)三塩基一水和物、鉄(III)アセチルアセトナート-エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム鉄(III)塩水和物が挙げられるが、これらに限定されない。可溶性活性剤はまた、Ag、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Ni、Os、Pd、Ru、Sn、Ti、V及び複数の酸化状態を有するそれらの混合物の金属化合物であってもよい。本発明のほとんどの実施形態において、活性剤として、遷移金属が挙げられるが、これに限定されない。クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸などの強い化学的配位子を有する金属の化合物は、一般にアルカリ性のpHにおいて安定である。
【0115】
硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)及びグルコン酸鉄などの幾つかの活性化化合物は、pHが4未満などの酸性のpHにおいて安定である。
【0116】
スラリー中の可溶性活性剤化合物の量は、約0.0001重量%~約10重量%;好ましくは0.0005重量%~2重量%;より好ましくは0.001重量%~1重量%;最も好ましくは0.005重量%~0.5重量%の範囲である。
【0117】
別の重要な実施形態において、活性剤は、フリーラジカルを生成する化合物と反応することができ、固体と結合する任意の遷移金属含有化合物を含む。すなわち、本発明の活性剤は、流体に溶解しない。活性剤は粒子と結合することができる。粒子は研磨剤であってもよく、又はそれは活性剤のための担体であってもよい。幾つかの好ましい実施形態において、活性剤は、分子種、小粒子として又は単層若しくは部分層として、研磨剤の表面に化学的又は物理的に吸着され得る。幾つかの別の実施形態において、研磨剤は、金属酸化物上に担持された活性剤の密な混合物を含有する固体粒子を形成するために、活性剤が別の酸化物と均一に混合される、共形成研磨剤であり得る。
【0118】
研磨剤と結合した鉄が特に有用であり、最も好ましい活性剤である。シリカと結合した鉄が最も好ましいシステムである。多数のOH基を有するシリカは、鉄と多重結合することができ、多くの共有結合及び/又はイオン型結合によって、シリカとしっかり結合されている鉄を保持する。しかし、吸収、吸着、又は被覆されたシリカ上への鉄の複数の結合は、シリカ表面から分離する傾向を有する鉄がなく、酸化状態間の容易な変換を可能にする。驚くべきことに、シリカと結合した鉄は、高いpH値、例えばpH5~pH7、場合によってはpH12までで使用することができる。
【0119】
鉄は、塩、例えば第二鉄塩、第一鉄塩の形態で研磨剤と結合することができ、ある形態では酸化第二鉄であり、ある形態では金属性金属である。一般に、金属性金属は、酸化剤の存在下で第二鉄又は第一鉄形態に変換される。鉄の付加的な利点は、それが環境に優しく、有意な廃棄上の問題をもたらさないことである。
【0120】
鉄活性剤、すなわちスラリー内に含有される固体粒子上に被覆された鉄を有するスラリーを有するシステムは、活性剤鉄の量が約2~500ppmの全活性剤鉄、好ましくは3~100ppmの全活性剤鉄、及び低鉄の実施形態については約4~20ppmの全活性剤鉄である場合、優れたフリーラジカル活性を示す。例えば、粒子構造から逃げることができるフリーラジカルを生成することができない粒子マトリックス内の鉄を含む、流体と接触していない鉄は、活性剤鉄という用語に含まれない。フリーラジカルの形成を活性化できない鉄は、例えば、酸化状態間の変化が推奨されないマトリックス内に組み込まれるため、活性化鉄に含まれない。最後に、キレート化されるか、そうでなければフリーラジカルを生成する化合物との反応に利用可能でない鉄は、活性化鉄として含まれない。例示的なスラリーは、約10ppm~約300ppmの全活性剤鉄を有し、その大部分は、研磨剤上に吸収、吸着、又は被覆される。
【0121】
活性剤化合物を含む粒子を、0.01重量%~2重量%、若しくは好ましくは0.05重量%~1重量%、又は最も好ましくは0.07重量%~0.5重量%の濃度範囲において、CMPスラリー中に使用することができる。
【0122】
活性剤は、非金属含有化合物であってもよい。ヨウ素は、例えば過酸化水素と共に、フリーラジカルを形成するために、有用である。ヨウ素は、所望のフリーラジカル活性を生成するために十分な量で存在し得る。幾つかの実施形態において、ヨウ素は、約1ppm~約5,000ppm、好ましくは約10ppm~約1,000ppmの範囲の量で存在し得る。非金属活性剤は、しばしば、金属含有活性剤と相乗的に組み合わされる。
【0123】
活性剤はまた、酸化チタン(及び活性剤として使用される光)などの光活性化活性剤であってもよい。米国特許第6,362,104号明細書の光活性化物質は、この量において使用でき、この開示は、参照により組み込まれる。
【0124】
水混和性有機溶媒(任意)
本発明の研磨組成物は、任意選択的に1種以上の水混和性有機溶媒を含む。使用することができる水混和性有機溶媒の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル(例えば、Dowanol DBの商品名で市販されている)、ヘキシルオキシプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフルフリルアルコール、グリセロール、アルコール、スルホキシド、又はそれらの混合物である。好ましい溶媒は、アルコール、ジオール、又はそれらの混合物である。最も好ましい溶媒は、例えばプロピレングリコールのようなジオールである。
【0125】
ほとんどの用途について、水混和性有機溶媒の量は、存在する場合、組成物の約5~75重量%を含むと考えられる。好ましくは、溶媒は、組成物の5~約50重量%、及び最も好ましくは約5~約30重量%を含む。
【0126】
幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、組成物に添加される、上記の水混和性有機溶媒のいずれか又は全てを含まないか実質的に含まず、全ての水混和性有機溶媒を含まないか実質的に含まない。
【0127】
pH調整剤
組成物のpHは、約pH1~約pH14、及び好ましくは約pH1~約pH7、並びにより好ましくは約pH2~約pH5のオーダーが望ましい。
【0128】
適切な酸、塩基、アミン、又はそれらの任意の組み合わせのような酸性又は塩基性pH調整剤を、CMP研磨組成物を最適化pH値に調整するために、使用することができる。
【0129】
pH調整剤としては、酸性pH調整剤が挙げられるが、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機若しくは有機酸、それらの混合物、及びより酸性の方向にpHを調整するために使用され得る他の化学試薬に限定されない。
【0130】
pH調整剤としてはまた、塩基性pH調整剤、例えば水素化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化有機第四級アンモニウム化合物、有機アミン、及びよりアルカリ性の方向にpHを調整するために使用され得る他の化学試薬が挙げられる。
【0131】
好ましくは、組成物中に使用されるpH調整剤は、望ましくない金属成分が組成物中に導入されないように、金属イオンを含有しない。
【0132】
スラリー中のpH調整剤の量は、約0.0001重量%~約2.0重量%の範囲である。
【0133】
殺生物剤
特定の実施形態において、CMP組成物は、殺生物剤をさらに含む。封入されたCMP研磨組成物中の殺生物剤の使用は、特にCMP研磨組成物のpH値が中性pH条件に近いか又はその付近である場合、細菌及び他の微生物を減少又は排除する。
【0134】
殺生物剤又は生物学的成長抑制剤は、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、及び水酸化アルキルベンジルジメチルアンモニウムからなる群から選択され、ここで、アルキル鎖は、1~約20個の炭素原子、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせの範囲である。
【0135】
殺生物剤は約0.0001重量%から約0.03重量%の範囲である。
【0136】
促進剤
上記のように、基板に接触する流体中に溶解された複数の酸化状態を有する金属は、酸化剤として作用することができるが、本発明の最も好ましい実施形態は、複数の酸化状態を有する金属を実質的に有さない。
【0137】
幾つかの実施形態において、溶液に少量溶解したAl、Ag、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、Mo、Mn、Nb、Nd、Ni、Os、Pd、Pt、Rh、Ru、Sc、Sm、Ta、Ti、V又はWの化合物は、有用である。これらは、米国特許第5,958,288号明細書に記載されているように、酸化剤の作用を促進すると考えられ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。溶液中の金属イオンは、基板、特に金属基板に対してある程度の親和性を有する酸化剤として作用すると考えられる。流体中の他の酸化剤によって酸化され得る場合、2種の間に幾らかの相乗作用がある。しかし、ほとんどの場合、促進剤はフリーラジカルの作用を促進しないと考えられる。触媒又は基板に曝露されると促進剤を形成する化合物、例えば米国特許第5,863,838号明細書に記載されているこれらの化合物などは、また有用であり、その開示は参照により組み込まれる。
【0138】
本発明の幾つかの実施形態において、基板と接触する流体組成物は、本明細書において促進剤と呼ばれる少量の金属イオン酸化剤を有する。銅、アルミニウム、セリウム、及び鉄の可溶性化合物又は塩は、CMP溶液中の酸化剤又は促進剤として使用される。使用される場合、好ましい金属含有酸化剤促進剤は、可溶性セリウム塩又はアルミニウム塩である。
【0139】
スラリー中の促進剤の量は、約0.0001重量%~約1.0重量%;好ましくは0.0005重量%~0.5重量%、より好ましくは0.0025重量%~0.1重量%の範囲である。
【0140】
キレート剤
(溶解)金属含有実施形態が望まれない場合、流体はキレート剤を有し得る。キレート剤は、本質的に、流体中に溶解した形態で存在する複数の酸化状態を有する金属を捕捉し、単離することができる。溶解した金属がキレート化形態である場合、本質的には、基板からそれらを単離し、促進剤としてのそれらの効率を損なうが、金属イオンの汚染を防止する。しかしながら、これは、酸化剤のスラリーのポットライフを延長することができ、低濃度におけるキレート剤は、フリーラジカルの効率を効果的に損なわない。
【0141】
したがって、少量のキレート剤のみを使用すべきである。キレート剤は、一般に、フリーラジカル補足剤として作用し得る有機酸部分を含有する。これはシステムの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0142】
本発明のほとんどの実施形態において、キレート剤としては、有機カルボン酸、有機スルホン酸、及び有機リン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0143】
一般に、3重量%未満、好ましくは1重量%未満、例えば0.5重量%未満のキレート剤が好ましい。
【0144】
安定化剤
組成物はまた、種々の任意の添加剤の1種以上を含み得る。適切な任意の添加剤は、安定化剤を含む。これらの任意の添加剤は、一般に、沈降、凝集(粒子の沈殿、強凝集又は弱凝集などを含む)、及び分解に対する組成物の安定化を容易に又は促進するために使用される。安定化剤は、フリーラジカルを生成する化合物を含む酸化剤のポットライフを延長するために、活性剤物質を単離することによって、フリーラジカルを消光することによって、又はフリーラジカルを形成する化合物を別の方法で安定化することによって使用することができる。
【0145】
幾つかの物質は、過酸化水素を安定化するために有用である。金属汚染の1つの例外は、スズなどの選択された安定化金属の存在である。本発明の幾つかの実施形態において、スズは、少量、典型的には約25ppm未満、例えば約3~約20ppmで存在することができる。同様に、亜鉛も安定化剤としてよく使用される。本発明の幾つかの実施形態において、亜鉛は、少量、典型的には約20ppm未満、例えば約1~約20ppmで存在することができる。別の好ましい実施形態において、基板に接触する流体組成物は、スズ及び亜鉛を除いて複数の酸化状態を有する、500ppm未満、例えば100ppm未満の溶解金属を有する。本発明の最も好ましい商業的実施形態において、基板に接触する流体組成物は、スズ及び亜鉛を除いて複数の酸化状態を有する9ppm未満の溶解金属、例えば、複数の酸化状態を有する2ppm未満の溶解金属を有する。本発明の幾つかの好ましい実施形態において、基板に接触する流体組成物は、スズ及び亜鉛を除いて、50ppm未満、好ましくは20ppm未満、及びより好ましくは10ppm未満の溶解総金属を有する。
【0146】
溶液中の金属は一般に推奨されないため、これらの非金属含有酸化剤は、典型的には塩形態、例えば過硫酸塩、酸形態及び/又は過硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩形態で存在することが好ましい。
【0147】
他の安定化剤としては、フリーラジカル捕捉剤が挙げられる。議論されるように、これらは、生成されるフリーラジカルの有用性を損なう。したがって、存在する場合、それらは少量で存在することが好ましい。ほとんどの酸化防止剤、すなわちビタミンB、ビタミンC、クエン酸などはフリーラジカル消光剤である。ほとんどの有機酸はフリーラジカル消光剤であるが、有効であり、他の有益な安定化特性を有する3種は、ホスホン酸、結合剤シュウ酸、及び非ラジカル捕捉封鎖剤没食子酸である。
【0148】
さらに、カーボネート及びホスフェートは、活性剤上に結合し、流体の接近を妨げると考えられる。カーボネートは、スラリーを安定化するために使用することができるため特に有用であるが、少量の酸が安定化イオンを迅速に除去することができる。吸収された活性剤に有用な安定化剤は、シリカ粒子上に膜を形成する膜形成剤であり得る。
【0149】
適切な安定化剤としては、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸のような有機酸;及びリン酸;置換又は無置換ホスホン酸、すなわちホスホネート化合物;ニトリル;並びに活性剤物質に結合し、したがって酸化剤を分解する反応を低減するような他の配位子、並びに前述の作用剤の任意の組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される場合、酸安定化剤は、酸安定化剤及びその共役塩基の両方を指す。すなわち、種々の酸安定化剤はまた、それらの共役形態で使用され得る。例として、本明細書では、アジピン酸安定化剤は、アジピン酸及び/又はその共役塩基を包含し、カルボン酸安定化剤は、上記の酸安定化剤のためのカルボン酸及び/又はその共役塩基、カルボキシレートなどを包含する。単独で、又は1種以上の他の安定化剤と組み合わせて使用される適切な安定化剤は、CMPスラリーに混合される場合、過酸化水素のような酸化剤が分解する速度を減少する。
【0150】
一方、組成物中に安定化剤が存在することは、活性剤の有効性を損なうことがある。その量は、CMPシステムの有効性に対する悪影響が最も少なく、必要とされる安定性に適合するように調整されるべきである。一般に、これらの任意の添加剤のいずれも、組成物を実質的に安定化させるために十分な量で存在すべきである。必要な量は、選択される特定の添加剤、及び研磨成分の表面の性質のようなCMP組成物の特定の構成に応じて変化する。使用される添加剤が少なすぎる場合、添加剤は組成物の安定性にほとんど又は全く影響を及ぼさない。一方、使用される添加剤が多すぎる場合、添加剤は、組成物中の望ましくない発泡及び/又は凝集の形成に寄与し得る。
【0151】
一般に、これらの任意の添加剤の適切な量は、組成物に対して約0.0001重量%~約2.0重量%、好ましくは約0.0005~1.0重量%、又はより好ましくは0.001~0.5重量%の範囲である。これらの任意の添加剤は、組成物に直接添加されてもよいし、組成物の研磨成分の表面に適用されてもよい。
【0152】
固体表面に付加した活性剤化合物を含む特定の実施形態において、一旦スラリーに添加されると、安定化剤化合物は、酸化剤の分解を防止するために必要とされなくてもよい。
【0153】
好ましい安定化剤はマロン酸である。
【0154】
界面活性剤
界面活性剤がCMPスラリーに添加される場合、そのとき、界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性界面活性剤若しくは両性界面活性剤であってよく、又は2種以上の界面活性剤の組み合わせを採用することができる。
【0155】
1000未満~30,000を超える範囲の分子量を有する種々のアニオン性及びカチオン性界面活性剤が、分散剤として考えられる。ラウリル硫酸塩、アルキルポリリン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、エトキシル化及び硫酸化ラウリルアルコール、並びにエトキシル化及び硫酸化アルキルフェノールが含まれる。
【0156】
種々のカチオン性界面活性剤としては、ポリエチレンイミン、エトキシル化脂肪族アミン及びステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド又はニトレートが挙げられる。本発明において考えられる別の分散剤としては、ポリエチレングリコール、レシチン、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレン、イソオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、アルキルアリールスルホン酸のアミン塩、ポリアクリレート及び関連する塩、ポリメタクリレートが挙げられる。
【0157】
一般に、CMPスラリーに使用され得る界面活性剤は、スラリーの効果的な安定化を達成するために十分であるべきであり、典型的には、選択される特定の界面活性剤及び金属酸化物研磨剤の表面の性質に依存して変化する。例えば、選択された界面活性剤が十分でない量で使用される場合、CMPスラリー安定化に対してほとんど又は全く効果を有しないだろう。一方、CMPスラリー中で多すぎる界面活性剤は、スラリー中に望ましくない発泡及び/又は凝集をもたらすことがある。
【0158】
また、界面活性剤の添加は、ウエハのウエハ内不均一性(WIWNU)を低減し、それによってウエハの表面を改良し、ウエハ欠陥を低減するのに有用であり得ることが見出された。
【0159】
組成物には多くの適切な界面活性剤添加剤があるが、好ましい界面活性剤添加剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム塩、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。適切な市販の界面活性剤としては、Union Carbide製のTRITON DF 16(商標)及びAir Products and Chemicals製のSURFYNOL(商標)が挙げられる。
【0160】
界面活性剤は一般に、本発明のスラリー中に約0.001~約0.2重量%、好ましくは約0.001~約0.1重量%の範囲の量で存在する。
【0161】
さらに、添加剤は、スラリーに直接添加されてもよく、又は公知の技術を利用して金属酸化物研磨剤の表面上に処理されてもよい。いずれの場合も、添加剤の量は、研磨スラリー中の所望の濃度を達成するように調整される。
【0162】
本発明のCMPスラリーの成分は、単一成分スラリーとして一緒に混合されてもよく、又は使用時点で混合される2種以上の成分中に提供されてもよい。使用時点で酸化剤を添加することが好ましい場合がある。特定の好ましい実施形態において、スラリーは、使用前に水で希釈し、酸化剤を添加することができるように、濃縮形態で提供されることができる。スラリーは、使用時点で加えることができる水が、好ましくはスラリーの体積の2倍、若しくはより好ましくはスラリーの体積の3倍超、又は最も好ましくはスラリーの体積の5倍超であるように濃縮することができる。
【実施例】
【0163】
一般的な実験手順
パラメータ
Å:オングストローム(s)-長さの単位
【0164】
BP:背圧、単位psi
【0165】
CMP:化学機械平坦化=化学機械研磨
【0166】
DF:ダウンフォース:CMP中に適用される圧力、単位psi
【0167】
min:分
【0168】
ml:ミリリットル
【0169】
mV:ミリボルト
【0170】
psi:平方インチ当たりのポンド
【0171】
PS:rpm(回転数/分)における、研磨ツールのプラテン回転速度
【0172】
SF:研磨組成物フロー、ml/分
【0173】
TEOS:前駆体としてオルトケイ酸テトラエチルを用いた化学気相堆積(CVD)による酸化ケイ素膜
【0174】
除去速度(RR)=(研磨前の膜厚-研磨後の膜厚)/研磨時間。
【0175】
成分の全ての濃度は、別段の指示がない限り、重量%である。
【0176】
以下に表す実施例において、CMP実験は、以下に与えられる手順及び実験条件を使用して行った。
【0177】
実施例において使用したCMPツールは、米国、Applied Materials製のMirraである。Dow Chemicalsから供給されたIC1010研磨パッドをCMPプロセスに使用した。
【0178】
タングステン膜若しくはTEOS膜で被覆された、又はタングステン含有パターン化構造を有する、直径200mmのシリコンウエハ(SKW Associates,Inc 2920 Scott Blvd.Santa Clara、CA 95054より入手)を用いた。ブランケット膜の研磨時間は1分間であった。タングステン除去速度は、シート抵抗測定技術を用いて測定された。TEOS除去は、光学技術を用いて測定された。パターン化ウエハは、エバラポリッシャー上の渦電流技術に基づいた時間で研磨された。パターン化ウエハの研磨時間は、渦電流終点技術によって同定された終点を15秒過ぎた。パターン化ウエハは、KLA Tencor P15 Profiler(大型フィーチャサイズ)又はAFMツール(小型フィーチャサイズ)を用いて分析された。
【0179】
研磨は、3psiのダウンフォース、80RPMのテーブル速度、81RPMのキャリア速度及び100ml/分のスラリー流量で使用して行った。
【0180】
実施例1
ベース配合物1は、pHを2.3に調整した水中に、0.01重量%の硝酸鉄(III)、0.08重量%のマロン酸(安定化剤)、2.5重量%の過酸化水素、0.1重量%のグリシン、0.0005重量%のセチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドを含んでいた。
【0181】
研磨スラリーを作製するために、ベース配合物に異なる研磨粒子を添加した。本試験に用いた粒子は全て、扶桑化学工業株式会社(日本103-00 東京都中央区日本橋本町2丁目2番5号)から入手したものである。
【0182】
扶桑PL-3は粒径約70nmの繭形シリカ粒子である。扶桑PL-3Cは、粒径約70nmの、アミノプロピルトリアルコキシシラン化合物で表面修飾された繭形シリカ粒子である。扶桑PL-3Lは粒径約70nmの球状シリカ粒子である。
【表1】
【0183】
配合物7は、1.0重量%の過酸化水素を有すること以外は、配合物6と同じ量の化学物質を有した。
【0184】
表1及び
図1は、異なる粒子を使用して配合されたスラリーについて、タングステン及びTEOS除去速度を要約したものである。
【0185】
表1のデータは、アルコキシシランアミン修飾研磨粒子を使用することによって、タングステンの除去速度が増加し、それに伴いTEOSの除去速度が減少し、その結果、タングステン対TEOSブランケットの除去選択性が3又は11から44超へ大幅に増加したことを示している
【0186】
3.0psiのダウンフォース及び80RPMのテーブル速度におけるタングステンブランケット膜の研磨速度は、2500Å/分より大きく、3000Å/分より大きく、4000Å/分より大きく、又は4500Å/分より大きいことが示された。
【0187】
実施例2
これらの配合物について、20%の過剰研磨で異なる配線フィーチャ(2μm×2μm、5μm×5μm、10μm×10μm、100μm×100μm、7μm×3μm、9μm×1μm)を有する異なるパターン化構造についてのディッシング及びエロージョンデータを、それぞれ表2及び
図2、並びに表3及び
図3に要約した。
【0188】
【0189】
【0190】
表2及び表3に示されるディッシング及びエロージョンのデータは、アルコキシシランアミン修飾研磨粒子を使用することによって、タングステン対TEOSブランケットの除去選択性が、アレイ構造のディッシング及びエロージョンに影響を及ぼすことなく増加したことを示している。
【0191】
幾つかのアレイ構造のディッシング及びエロージョンが改善された。
【0192】
パターン化ウエハ上で測定された9×1ミクロンアレイ(1ミクロン幅の誘電体線によって、分離された9ミクロン幅のタングステン線幅)のエロージョンは、渦電流測定又は光学的終点検出などの適切な方法を使用することによって検出されたパターンウエハ研磨終点の後に、ウエハが15秒間追加の時間研磨された場合、1000Å未満、500Å未満、又は300Å未満であった。
【0193】
実施例3
以下の配合物を比較のために行った:
【表4】
【0194】
成分をDI水に混合し、撹拌した。表は、使用時点の配合物を表す。
【0195】
実施例4:エロージョンに及ぼすキトサンの効果
以下の表は、TEOS誘電体に及ぼすキトサンのエロージョン抑制の効果について評価された配合物を要約する:
【表5】
【0196】
図4~
図6は、TEOS誘電体層中の異なるサイズのフィーチャ上のキトサンの量を変化させたエロージョン抑制結果を示す。
【0197】
実施例5
上記配合物8及び配合物9を、タングステンディッシング及び誘電体エロージョンに及ぼすそれらの効果について互いに対して試験した。
【0198】
以下の表は、一緒に使用した場合のキトサン及びポリアクリルアミドが、ポリアクリルアミドをJeffamine(登録商標)T-403で置き換えた同様の配合物と比較して、ディッシング及びエロージョンの改善を示すことを示す。
【0199】
【0200】
実施例6:タングステンディッシングへの効果
以下の配合物を、タングステンディッシングの評価のために調製した:
【表8】
【0201】
結果は、
図7及び
図8に示されており、ここでは、タングステンディッシングを最小化する相乗効果が、キトサン及びポリアクリルアミド並びに異なるフィーチャサイズの間で観察されることが示される。
【0202】
実施例7
実施例7のための参照としてのベース配合物は、pHを2.3に調整された水中に、0.02重量%の硝酸鉄(III)、0.08重量%のマロン酸(安定化剤として)、3.0重量%の過酸化水素、0.1重量%のグリシン、0.3重量%の研磨剤として扶桑PL-2C高純度コロイド状シリカ粒子、及び殺生物剤として0.00056重量%のNeolone M-10を含んでいた。
【0203】
実施例7における実施配合物は、ベース配合物に分子量10~50KDaを有するキトサン又は分子量80~200KDaを有するキトサンを添加剤としてそれぞれ30ppm又は60ppmの濃度で添加したものである。pHを全ての試験配合物で2.3に調整した。
【0204】
W除去速度及びTEOS膜除去速度に及ぼすキトサン分子量及び濃度の影響は、表4に記載される。
【0205】
表4.W RR及びTEOS RRに及ぼすキトサンMW及び濃度の影響
【表9】
【0206】
結果として表4に示されるように、30ppmの濃度で添加剤として2つの異なる分子量のキトサンを使用したとき、W膜除去速度は約9%増加し、TEOS膜除去速度は最小限に変化した。
【0207】
実施例8
実施例7に記載されたものと同じ配合物を実施例8で使用した。W配線ディッシングに及ぼすキトサン分子量及び濃度の影響は、表5に要約された。
【0208】
表5.W配線ディッシングに及ぼすキトサンMW及び濃度の影響
【表10】
【0209】
結果として表5に示されるように、W配線ディッシングは、キトサンの適切な分子量及び濃度を使用して改善された。
【0210】
実施例9
実施例9の参照としてのベース配合物は、実施例7に記載したものと同じ配合物である。
【0211】
エロージョンに及ぼすキトサン分子量及び濃度の影響は、表6に記載される。
【0212】
表6.エロージョンに及ぼすキトサンMW及び濃度の影響
【表11】
【0213】
結果として表6に示されるように、エロージョンは、50×50mmのより高い濃度のキトサンを除いて、全ての配合物について改善された。
【0214】
前述の実施例及び実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定するものとしてではなく、例示するものとして解釈されるべきである。容易に理解されるように、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱することなく、上記の特徴の多数の変形及び組合せを利用することができる。このような変形は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0214
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0214】
前述の実施例及び実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定するものとしてではなく、例示するものとして解釈されるべきである。容易に理解されるように、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱することなく、上記の特徴の多数の変形及び組合せを利用することができる。このような変形は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
以下の項目[態様1]~[態様26]に本発明の実施形態の例を列記する。
[態様1]
水;
0.05重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;又は0.01重量%~0.5重量%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%;0.001重量%~1重量%;又は0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;又は1.0重量%~3.0重量%の酸化剤;
キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)からなる群から選択される少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤;並びに
任意選択的には、
腐食防止剤;
安定化剤;
pH調整剤;
水混和性有機溶媒;
界面活性剤;及び
殺生物剤又は生物学的成長抑制剤;
を含む研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14、1~7、又は2~5のpHを有する、研磨組成物。
[態様2]
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上のゼータ電位を有する、態様1に記載の研磨組成物。
[態様3]
前記研磨粒子は、20~200nmの粒径を有する、態様1に記載の研磨組成物。
[態様4]
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、キトサンを含み、前記キトサンは以下の構造によって表され、
【化18】
nは20~2,250;50~1,500;又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化である、態様1に記載の研磨組成物。
[態様5]
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、
以下の構造によって表されるキトサン
【化19】
nは20~2,250;50~1,500又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化ポリアクリルアミドである;及び
ポリアクリルアミド;
を含む、態様1に記載の研磨組成物。
[態様6]
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、
以下の構造式によって表されるキトサン
【化20】
nは20~2,250;50~1,500又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化ポリアクリルアミドである;及び
ポリアミン;
を含む、態様1に記載の研磨組成物。
[態様7]
前記ポリアミンは、以下の構造を有するポリエーテル-ポリアミンであり
【化21】
(x+y+z)=5又は6である、態様6に記載の研磨組成物。
[態様8]
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上、好ましくは20mV以上、又はより好ましくは25mV以上のゼータ電位を有し;前記アルコキシシランアミンは、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の研磨組成物。
[態様9]
前記pHが2~5である、態様1に記載の研磨組成物。
[態様10]
前記可溶性活性剤化合物が、シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、クエン酸鉄(III)三塩基一水和物、鉄(III)アセチルアセトナート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択され;固体粒子上に被覆された前記活性剤化合物は、固体粒子上に被覆された鉄である、態様1に記載の研磨組成物。
[態様11]
前記可溶性活性剤が、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、グルコン酸鉄、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記組成物が4未満のpHを有する、態様1に記載の研磨組成物。
[態様12]
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、過ギ酸、過酢酸、プロパン過酸(propaneperoxoic acid)、置換又は無置換ブタン過酸(butaneperoxoic acid)、ヒドロペルオキシ-アセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、ペルオキシモノ硫酸アンモニウムからなる群から選択されるペルオキシ化合物;及び亜硝酸鉄(III)、KClO
4
、KBrO
4
、KMnO
4
からなる群から選択される非ペルオキシ化合物からなる群から選択される、態様1に記載の研磨組成物。
[態様13]
前記水混和性有機溶媒が存在し、それはアルコールである、態様1に記載の研磨組成物。
[態様14]
前記腐食防止剤が存在し、それはグリシン、リジン、アラニン、プロリン、セリン、アルギニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の研磨組成物。
[態様15]
前記安定化剤が存在し、それはアジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸;リン酸;置換又は無置換ホスホン酸、ニトリル;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及びその共役塩基からなる群から選択される、態様1に記載の研磨組成物。
[態様16]
前記pH調整剤が存在し、それは(a)前記研磨組成物のpHを下げるために、硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々の多価カルボン酸及びそれらの組み合わせ;並びに(b)前記研磨組成物のpHを上げるために、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、態様1に記載の研磨組成物。
[態様17]
前記界面活性剤が存在し、それは(a)非イオン性表面湿潤剤;(b)アニオン性表面湿潤剤;(c)カチオン性表面湿潤剤;(d)両性表面湿潤剤;及びそれらの組み合わせからなる群から選択され;前記界面活性剤の量は、約0.0001重量%~約1.0重量%、及び好ましくは約0.010重量%~約0.1重量%の範囲である、態様1に記載の研磨組成物。
[態様18]
水;
0.05重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;又は0.01重量%~0.5重量%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%;0.001重量%~1重量%;又は0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;又は1.0重量%~3.0重量%の酸化剤;
以下の一般式によって表される少なくとも1種の水溶性カチオン性多糖類
を含み:
【化22】
R
sacch
は、多糖類原料に由来する多糖類繰り返し単位の残基であり;
Qは、以下からなる群から選択され、
【化23】
R
4
は、
【化24】
並びに、
【化25】
及び水素の混合物からなる群から選択され;
Zは50~約20,000であり;並びに各R1、R2、及びR3は、独立して、以下の置換基構造式によって表され:
【化26】
Aはアニオンであり;
aは1~約3の整数であり;
mは0~約6の整数であり;
nは、0~約3の整数であり、但し、多糖類繰り返し単位1モル当たりの第四級窒素原子の平均モル数によって定義されるカチオン性置換基のレベル、CSは、0より大きく;
pは0~約6の整数であり;
qは0又は1であり;
各R
5
及びR
7
は個別に、エチレン、プロピレン又はヒドロキシプロピレンであり;
R
6
は2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価の、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、窒素原子及び任意の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子があり;
R
8
は水素、ヒドロキシル、R
h
、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R
8
は水素又はR
h
であり;
各R
9
、R
10
及びR
11
は個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアリール又はアルコキシアルキルであり、アルコキシアリール又はアルコキシアルキル基中の酸素原子を、窒素原子から分離する少なくとも2個の炭素原子を有し;
R
h
は、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基を含有する疎水性基であり;
vはAの原子価に等しく;並びに
yは0又は1である、研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14、1~7、又は2~5のpHを有する、研磨組成物。
[態様19]
以下の構造を有するポリエーテル-ポリアミンをさらに含む、態様18に記載の研磨組成物であって、
【化27】
(x+y+z)=5又は6である、研磨組成物。
[態様20]
ポリアクリルアミドをさらに含む、態様18に記載の研磨組成物。
[態様21]
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、前記方法は:
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;
b)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面に態様1~20に記載の研磨組成物を送達する工程;及び
c)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記研磨組成物で研磨する工程;
を含み、3psiのダウンフォースにおけるタングステンの研磨速度は1000Å/分超である、研磨方法。
[態様22]
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含有し;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、態様21に記載の研磨方法。
[態様23]
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、態様22に記載の研磨方法。
[態様24]
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨システムであって;
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面;
b)研磨パッド;及び
c)態様1~20に記載の研磨組成物
を含み、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面は、前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、研磨システム。
[態様25]
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含み;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、態様24に記載の研磨システム。
[態様26]
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、態様25に記載の研磨システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水;
0.05重量%~10.0重量%
又は0.01重量%~2.0重量
%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%
又は0.001重量%~1重量
%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%
又は0.5重量%~5.0重量
%の酸化剤;
キトサン、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリ(N-ビニル-N-メチルアミン)、ポリアミノスチレン、ポリビニルアミン(polyvinylamine)、(ポリビニル)アミン(polyvinyl amine)からなる群から選択される少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤;並びに
任意選択的には、
腐食防止剤;
安定化剤;
pH調整剤;
水混和性有機溶媒;
界面活性剤;及び
殺生物剤又は生物学的成長抑制剤;
を含む研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14
又は1~
7のpHを有する、研磨組成物。
【請求項2】
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上
又は25mV以上のゼータ電位を有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項3】
前記研磨粒子は、20~200nmの粒径を有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、キトサンを含み、前記キトサンは以下の構造によって表され、
【化1】
nは20~2,25
0又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の窒素含有ポリマー添加剤は、
以下の構造によって表されるキトサン
【化2】
nは20~2,25
0又は200~1,000の数であり;使用される前記キトサンは、70%~90%又は75%~85%脱アセチル化ポリアクリルアミドである;及び
ポリアクリルアミド
又はポリアミン;
を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項6】
前記ポリアミンは、以下の構造を有するポリエーテル-ポリアミンであり
【化4】
(x+y+z)=5又は6である、請求項
5に記載の研磨組成物。
【請求項7】
前記シリカ粒子は、アルコキシシランアミンで表面処理され、15mV以上
又は25mV以上のゼータ電位を有し;前記アルコキシシランアミンは、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、11-アミノウンデシルトリエトキシシラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエトキシシラン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項8】
前記pHが2~5である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項9】
前記可溶性活性剤化合物が、シュウ酸鉄(III)アンモニウム三水和物、クエン酸鉄(III)三塩基一水和物、鉄(III)アセチルアセトナート及びエチレンジアミン四酢酸、鉄(III)ナトリウム塩水和物からなる群から選択され;固体粒子上に被覆された前記活性剤化合物は、固体粒子上に被覆された鉄であ
り;並びに
前記酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、過ギ酸、過酢酸、プロパン過酸(propaneperoxoic acid)、置換又は無置換ブタン過酸(butaneperoxoic acid)、ヒドロペルオキシ-アセトアルデヒド、過ヨウ素酸カリウム、ペルオキシモノ硫酸アンモニウムからなる群から選択されるペルオキシ化合物;及び亜硝酸鉄(III)、KClO
4
、KBrO
4
、KMnO
4
からなる群から選択される非ペルオキシ化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項10】
前記可溶性活性剤が、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)、クエン酸鉄(III)、グルコン酸鉄、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記組成物が4未満のpHを有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項11】
前記研磨組成物は、
アルコールである前記水混和性有機溶媒;
グリシン、リジン、アラニン、プロリン、セリン、アルギニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される前記腐食防止剤;
アジピン酸、フタル酸、クエン酸、マロン酸、オルトフタル酸;リン酸;置換又は無置換ホスホン酸、ニトリル;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及びその共役塩基からなる群から選択される前記安定化剤;
(a)前記研磨組成物のpHを下げるために、硝酸、硫酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マロン酸、種々の脂肪酸、種々の多価カルボン酸及びそれらの組み合わせ;並びに(b)前記研磨組成物のpHを上げるために、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化テトラエチルアンモニウム、エチレンジアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミン、修飾ポリエチレンイミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される前記pH調整剤;並びに
(a)非イオン性表面湿潤剤;(b)アニオン性表面湿潤剤;(c)カチオン性表面湿潤剤;(d)両性表面湿潤剤;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される前記界面活性剤であって;前記界面活性剤の量は、約0.0001重量%~約1.0重量%、及び好ましくは約0.010重量%~約0.1重量%の範囲である、前記界面活性剤
からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項12】
水;
0.05重量%~10.0重量%;0.01重量%~2.0重量%;又は0.01重量%~0.5重量%のシリカを含む研磨粒子;
0.0005重量%~2重量%;0.001重量%~1重量%;又は0.005重量%~0.5重量%の可溶性活性剤化合物;
0.5重量%~約10.0重量%;0.5重量%~5.0重量%;又は1.0重量%~3.0重量%の酸化剤;
以下の一般式によって表される少なくとも1種の水溶性カチオン性多糖類
を含み:
【化5】
R
sacchは、多糖類原料に由来する多糖類繰り返し単位の残基であり;
Qは、以下からなる群から選択され、
【化6】
R
4は、
【化7】
並びに、
【化8】
及び水素の混合物からなる群から選択され;
Zは50~約20,000であり;並びに各R1、R2、及びR3は、独立して、以下の置換基構造式によって表され:
【化9】
Aはアニオンであり;
aは1~約3の整数であり;
mは0~約6の整数であり;
nは、0~約3の整数であり、但し、多糖類繰り返し単位1モル当たりの第四級窒素原子の平均モル数によって定義されるカチオン性置換基のレベル、CSは、0より大きく;
pは0~約6の整数であり;
qは0又は1であり;
各R
5及びR
7は個別に、エチレン、プロピレン又はヒドロキシプロピレンであり;
R
6は2~約4個の炭素原子を有する二価又は三価の、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和炭化水素であり、但し、窒素原子及び任意の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子があり;
R
8は水素、ヒドロキシル、R
h、カルボキシル若しくはアルカリ金属又はアミンカルボキシレートであり、但し、qが0である場合、R
8は水素又はR
hであり;
各R
9、R
10及びR
11は個別にRh、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキル、アルコキシアリール又はアルコキシアルキルであり、アルコキシアリール又はアルコキシアルキル基中の酸素原子を、窒素原子から分離する少なくとも2個の炭素原子を有し;
R
hは、少なくとも8個の炭素原子を有するアルキル基を含有する疎水性基であり;
vはAの原子価に等しく;並びに
yは0又は1である、研磨組成物であって、前記研磨組成物は、2~14
又は1~
7のpHを有する、研磨組成物。
【請求項13】
ポリエーテル-ポリアミン又はポリアクリルアミドをさらに含み、前記ポリエーテル-ポリアミンは以下の構造を有し、
【化10】
(x+y+z)=5又は6である、
請求項12に記載の研磨組成物。
【請求項14】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨方法であって、前記方法は:
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を研磨パッドと接触させる工程;
b)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面に請求項1
又は12に記載の研磨組成物を送達する工程;及び
c)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面を前記研磨組成物で研磨する工程;
を含み、3psiのダウンフォースにおけるタングステンの研磨速度は1000Å/分超である、研磨方法。
【請求項15】
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含有し;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、請求項
14に記載の研磨方法。
【請求項16】
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、請求項
15に記載の研磨方法。
【請求項17】
タングステンを含有する少なくとも1つの表面を含む半導体デバイスの化学機械平坦化のための研磨システムであって;
a)前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面;
b)研磨パッド;及び
c)請求項1
又は12に記載の研磨組成物
を含み、前記タングステンを含有する少なくとも1つの表面は、前記研磨パッド及び前記研磨組成物と接触している、研磨システム。
【請求項18】
前記半導体デバイスは、TEOS;ケイ素、炭素、酸素及び水素を含む多孔質又は非多孔質低K膜;非多孔質物質のキャッピング層を有する多孔質低K物質からなる群から選択される誘電体層をさらに含み;タングステン及び前記誘電体層の間の前記除去速度選択性が1超である、請求項
17に記載の研磨システム。
【請求項19】
前記誘電体層は、TEOSであり;3psiのダウンフォースにおけるTEOSの研磨速度が150Å/分未満、好ましくは80Å/分、又はより好ましくは50Å/分未満であり;並びにタングステン及びTEOSの間の前記除去速度選択性が25超、好ましくは40超、又はより好ましくは90超である、請求項
18に記載の研磨システム。
【請求項20】
前記研磨組成物は、2~5のpHを有する、請求項14に記載の研磨方法。
【国際調査報告】