IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテグリス・インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特表-選択性を高めた窒化ケイ素の堆積 図1
  • 特表-選択性を高めた窒化ケイ素の堆積 図2
  • 特表-選択性を高めた窒化ケイ素の堆積 図3
  • 特表-選択性を高めた窒化ケイ素の堆積 図4a
  • 特表-選択性を高めた窒化ケイ素の堆積 図4b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(54)【発明の名称】選択性を高めた窒化ケイ素の堆積
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/42 20060101AFI20241121BHJP
   C23C 16/02 20060101ALI20241121BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
C23C16/42
C23C16/02
H01L21/318 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534655
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 US2022052529
(87)【国際公開番号】W WO2023114132
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/289,714
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス, ブライアン クラーク
(72)【発明者】
【氏名】コンド, エリック
【テーマコード(参考)】
4K030
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA02
4K030AA13
4K030BA40
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA03
4K030FA01
4K030HA01
4K030JA01
4K030JA05
4K030JA06
4K030JA10
4K030JA16
4K030LA02
4K030LA15
5F058BA20
5F058BB06
5F058BC08
5F058BD10
5F058BF07
5F058BF24
5F058BF30
5F058BF37
5F058BF39
5F058BJ06
5F058BJ07
(57)【要約】
窒化ケイ素の選択的堆積の使用は、窒化ケイ素を選択された所望の領域にのみ堆積させることを可能にすることによって、従来のパターニングステップを排除することができる。ALDまたはパルスCVDモードで熱窒素源と交互にヨウ化ケイ素前駆体を使用して、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ストロンチウムなどの露出面への堆積をほとんど示さずに、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiOF、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素および低k基板などの表面に窒化ケイ素を優先的に堆積させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイス基板上に窒化ケイ素膜を堆積させるための方法であって、
a.蒸着条件下、約150℃~約400℃の温度、約15トール未満の圧力で、パルス化された四ヨウ化ケイ素または六ヨウ化二ケイ素、および窒素含有共反応物と前記基板を接触させ、それによってパルスサイクルを規定すること
を含み、
b.前記基板が、(i)アンモニアプラズマで前処理されており、
(ii)前記基板が、その後周期的にアンモニアプラズマでさらに処理される、
方法。
【請求項2】
前記基板が、10パルスサイクルごと~1000パルスサイクルごとの範囲内で、アンモニアプラズマで少なくとも1回さらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が、15パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板が、20パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板が、25パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板が、30パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板が、35パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板が、40パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板が、45パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板が、50パルスサイクルごと~200パルスサイクルごとの範囲内で、アンモニアプラズマで少なくとも1回さらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
窒化ケイ素が、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される表面上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記窒化ケイ素膜が、約85%を超える選択性で、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよびそれらの組み合わせから選択される表面上への堆積よりも、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される表面上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記デバイス基板が、二酸化ケイ素で構成された少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、前記方法が、前記二酸化ケイ素表面に堆積された窒化ケイ素膜において、約99%の選択性で、前記二酸化ケイ素上に窒化ケイ素を優先的に堆積させ、前記窒化ケイ素膜が少なくとも約200Åの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記デバイス基板が、二酸化ケイ素で構成された少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、前記方法が、前記二酸化ケイ素表面に堆積された窒化ケイ素膜において、約99%の選択性で、前記二酸化ケイ素上に窒化ケイ素を優先的に堆積させ、前記窒化ケイ素膜が少なくとも約50Åの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
異なる組成の複数の表面を有し、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される少なくとも1つの表面を含む少なくとも1つの第1の表面と、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムから選択される少なくとも1つの第2の表面を含む1つの表面とを含み、前記第1の表面が、前記表面上に、少なくとも200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、前記第2の表面が、前記表面上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイス。
【請求項16】
異なる組成の複数の表面を有し、二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、二酸化ケイ素を含む前記表面が、前記表面上に、少なくとも200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、酸化アルミニウムを含む前記表面が、前記表面上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本発明は、参照により本明細書に組み込まれる、出願日が2021年12月15日である米国仮出願第63/289,714号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、マイクロ電子デバイスの特定の表面上への窒化ケイ素の選択的堆積のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
窒化ケイ素は、集積回路の製作に一般的に使用される。例えば、これは、メモリセル、論理デバイス、メモリアレイなどの様々なマイクロ電子デバイスの製造における絶縁材料として使用されることが多い。従来、窒化ケイ素膜は基板表面全体にわたって堆積されるが、堆積は特定の領域でのみ必要とされ得る。結果として、不所望の領域を除去するために、追加のリソグラフィステップおよびエッチングステップが利用される。製作の全体的なコストを低減するための手段として、関与するリソグラフィステップおよびエッチングステップの数を低減することが非常に望ましい。さらに、窒化ケイ素が必要な場所にのみ選択的に堆積される場合、リソグラフィの誤差がコーティング領域の画定に影響を及ぼすことがない。したがって、そのような選択性が高められた窒化ケイ素堆積を達成することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
窒化ケイ素の選択的堆積の使用は、窒化ケイ素を選択された所望の領域にのみ堆積させることを可能にすることによって、従来のパターニングステップを排除することができる。ALDまたはパルスCVDモードで熱窒素源と交互にヨウ化ケイ素前駆体を使用して、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ストロンチウムなどの他の露出面への堆積をほとんど示さずに、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板などの表面に窒化ケイ素を優先的に堆積させることができる。
【0005】
さらに、(i)これらの表面をアンモニアプラズマで前処理することと、併せて、(ii)反応ゾーン内の基板を追加のレジームのアンモニアプラズマで周期的に直接処理することとの両方によって、窒化ケイ素のバルク堆積全体にわたって選択性を維持することができ、得られる膜の屈折率も改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】(比較例)直接アンモニアプラズマが反応ゾーン内で基板に適用され、続いて、四ヨウ化ケイ素およびアンモニア熱原子層堆積が行われる公知の方法のサイクル数に対する窒化ケイ素の厚さのオングストローム単位のプロットである。このプロットから、初期には、この方法は二酸化ケイ素表面上への堆積について選択的であるが、この選択性は、約100オングストローム(10nm)後に減少し始めることが観察され得る。
図2】四ヨウ化ケイ素/アンモニア原子層堆積(四ヨウ化ケイ素/アンモニアALD)の200サイクルの各実施後に直接アンモニアプラズマのステップを追加しながら、四ヨウ化ケイ素/アンモニアALDが行われる、本発明の実施形態によって達成される結果を示す。言い換えると、この方法では、アンモニア直接プラズマが適用され、続いて、200サイクルの四ヨウ化ケイ素/アンモニアALDが適用され、続いて、アンモニア直接プラズマが再適用され、続いて、200サイクルの四ヨウ化ケイ素/アンモニアALDが適用されるなどである。
図3】アンモニア直接プラズマを反応ゾーン内の基板に再適用するための様々な接合を使用した、堆積された窒化ケイ素の屈折率の付随する改善を示す。
図4a】窒化ケイ素の選択的堆積が所望される場合に直面する実際の課題を示す。図4aでは、所望の結果は、酸化アルミニウム側壁上の堆積を最小限に抑えながら、窪み(well)内に窒化ケイ素を堆積させることであり、したがって「充填」をもたらす。
図4b】窒化ケイ素の選択的堆積が所望される場合に直面する別の実際の課題を示す。図4bは、反対の課題、すなわち酸化アルミニウム底部に窒化ケイ素を堆積させずに、二酸化ケイ素側壁に堆積させることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「または」という用語は、一般に、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「および/または」を含む意味で使用される。
【0008】
「約」という用語は、一般に、列挙された値と等価である(例えば、同じ機能または結果を有する)と考えられる数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数字を含むことができる。
【0009】
端点を使用して表される数値範囲は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
【0010】
第1の態様では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイス基板上に窒化ケイ素を堆積させるための方法であって、
a.蒸着条件下、約150℃~約400℃の温度、約15トール未満の圧力で、パルス化された四ヨウ化ケイ素または六ヨウ化二ケイ素、および窒素含有共反応物と基板を接触させ、それによってパルスサイクルを規定すること
を含み、
b.基板が、(i)アンモニアプラズマで前処理されており、
(ii)基板が、その後周期的にアンモニアプラズマでさらに処理される、
方法を提供する。
【0011】
本発明は、様々なマイクロ電子デバイス基板上への窒化ケイ素層の選択的蒸着のための方法を提供する。一般的に言えば、本発明は、ケイ素、酸化ケイ素および/または窒化ケイ素表面を有するマイクロ電子デバイス基板上に、高k誘電体、金属および金属窒化物の表面で構成される表面にわたって、およびそれらの存在下で、窒化ケイ素膜を選択的に堆積することを可能にする。上記のように、ステップb(ii)は、アンモニアプラズマによる周期的処理を含む。「周期的」とは、四ヨウ化ケイ素(SiI)または六ヨウ化二ケイ素(Si)および窒素含有共反応物の各パルスサイクル後にアンモニアプラズマ処理が行われないことを意味する。
【0012】
特定の実施形態では、本発明の蒸着は、原子層堆積(ALD)である。本明細書の目的では、ALDは、基板が共反応物とは別個に1つの反応物に代替的に曝露されるように、様々な反応物および共反応物が空間または時間で分離される化学蒸着モードと呼ばれる。他の実施形態では、本発明の蒸着は、基板を異なる前駆体を含む位置に曝露することによって膜成長が達成される空間的ALDである。他の実施形態では、蒸着条件は、パルス化学蒸着(Pulsed CVD)条件を含み、これによって、四ヨウ化ケイ素または六ヨウ化ケイ素などの第1の反応物が、アンモニアへの基板のパルス曝露と共に、マイクロ電子デバイス基板を含む反応ゾーンに連続的に導入され、各パルスセットは、アンモニアプラズマによる基板の初期前処理によってサイクルを規定する。アンモニアプラズマのさらなるパルスが、選択されたサイクル数の後に反応ゾーンに導入される。ALDおよびパルスCVDレジームの両方において、反応ゾーンへのアンモニアプラズマのこの周期的な導入は、四ヨウ化ケイ素(または六ヨウ化ケイ素)およびアンモニアパルスの2サイクル以上の後に行われる。特定の実施形態では、アンモニアプラズマは、3、5、10、50、100、150、200もしくは1000回のそのようなサイクルの後、または3~1000回の範囲内の任意のそのようなパルスサイクルの後に周期的に導入される。言い換えると、アンモニアプラズマは、初期表面処理の少なくとも1回後に導入され、3~1000サイクルの範囲内で、規則的な間隔または不規則な間隔で複数回導入され得る。以下の実験結果に示すように、アンモニアプラズマによる基板の前処理は、窒化ケイ素の高度に選択的な堆積をもたらしたが、この選択性は、約10nm(100Å)の窒化ケイ素膜厚を達成した後に散逸し始めた。有利には、(本明細書のALDの例では)各200サイクル後のアンモニアプラズマによる処理が、選択性を大幅に改善した。
【0013】
本発明の実施では、適切な温度は約150℃~約400℃であり、圧力は約15トール未満である。他の実施形態では、温度は、約175℃~約350℃、または約200℃~約250℃である。選択的堆積は、窒化ケイ素膜が、いくらかの製造可能な速度で露出面の一部に堆積し、他の表面が、無視できるかまたは容易に除去される量の窒化ケイ素を受ける場合に達成される。
【0014】
特定の実施形態では、窒化ケイ素堆積が所望されるマイクロ電子デバイス表面の1つ(すなわち、「第1の」表面)は、窒化ケイ素表面を含む。他の実施形態では、そのような第1の表面は、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiOC、SiOF、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素および低k基板などの酸化物から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体は、多孔質材料である。いくつかの実施形態では、多孔質誘電体は、互いに接続された細孔を含むが、他の実施形態では、細孔は互いに接続されていない。いくつかの実施形態では、誘電体は、約4.0未満の誘電値を有する絶縁体として定義される低k材料を含む。いくつかの実施形態では、低k材料の誘電値は、約3.5未満、約3.0未満、約2.5未満または約2.3未満である。いくつかの実施形態では、第1の表面は、Si-O結合を含む。
【0015】
特定の実施形態では、マイクロ電子デバイスはまた、窒化ケイ素の堆積が所望されない基板または表面(すなわち、「第2の」表面)を有する。一実施形態では、この第2の表面は、酸化アルミニウムである。他の実施形態では、この第2の表面は、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよびそれらの組み合わせから選択される。
【0016】
特定の実施形態では、デバイス基板は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面および少なくとも1つの酸化アルミニウム表面で構成され、これによって、窒化ケイ素は、酸化アルミニウム表面に選択的に堆積される。
【0017】
特定の実施形態では、デバイス基板は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面および少なくとも1つの二酸化ジルコニウム表面で構成され、窒化ケイ素は、少なくとも1つの二酸化ジルコニウム表面に選択的に堆積される。
【0018】
特定の実施形態では、デバイス基板は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面および少なくとも1つの酸化アルミニウム表面で構成され、デバイス表面は、アンモニアプラズマで前処理され、続いて、本明細書に記載のアンモニアプラズマで周期的に処理され、これによって、窒化ケイ素は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面に選択的に堆積される。
【0019】
特定の実施形態では、デバイス基板は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面および少なくとも1つの酸化ハフニウム表面で構成され、デバイス表面は、アンモニアプラズマで前処理され、これによって、窒化ケイ素は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面に選択的に堆積され、続いて、本明細書に記載のアンモニアプラズマで周期的に処理される。
【0020】
特定の実施形態では、デバイス基板は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面および少なくとも1つの二酸化ジルコニウム表面で構成され、デバイス表面は、アンモニアプラズマで前処理され、これによって、窒化ケイ素は、少なくとも1つの二酸化ケイ素表面に選択的に堆積され、続いて、本明細書に記載のアンモニアプラズマで周期的に処理される。
【0021】
そのような実施形態では、「選択的に堆積させる」または「選択性」という用語は、ある表面上の窒化ケイ素の別の表面よりも優先的な堆積を反映することを意図している。同じ2つの表面の被覆率の合計に正規化された2つの表面間の被覆率の差として、Gladfelterによって数値定義が与えられている[Chem.Mater.5,1372(1993)]。実際には、方法の選択性は、一般に、膜の厚さに依存する。本発明は、厚さ97Åで約89%を超える選択性を可能にする。他の実施形態では、ある表面上の窒化ケイ素の別の表面よりも優先的な堆積は、190Åを超える厚さで、99%を超える発生率で起こる。
【0022】
この方法論は、一「シリコン」前駆体として四ヨウ化ケイ素(SiI)または六ヨウ化二ケイ素(Si)を使用し、共反応物または別の前駆体として窒素含有材料を利用し、使用する。窒素含有材料は、有機(例えば、t-ブチルヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1-ジメチルヒドラジン、1,2-ジメチルヒドラジン、アルキルアミンもしくはピリジン)または無機(例えば、アンモニアもしくはヒドラジン)であり得る。いくつかの実施形態では、窒素含有材料の混合物がALDの前駆体として利用されてもよく、他の実施形態では、1つの窒素含有材料のみがALDの前駆体として利用されてもよい(例えば、アンモニアのみ、またはt-ブチルヒドラジンのみ)。本明細書で使用される場合、「窒素含有材料」という用語は、純粋な(例えば、完全にアンモニアまたは完全にt-ブチルヒドラジンである)前駆体材料を指すために利用され得るか、または窒素含有材料の混合物の一部として「窒素含有材料」を含有する前駆体を指し得る。特定の実施形態では、本発明の蒸着を使用して、ケイ素および窒素を含む材料を形成することができる。そのような材料は、窒化ケイ素を含んでもよく、本質的にそれからなってもよく、またはそれからなってもよく、および/または他の成分を有してもよい。
【0023】
一実施形態では、異なる組成の表面または基板を有するマイクロ電子デバイスをアンモニアプラズマによって前処理し、続いて、選択された数のサイクルまたはパルスの後にアンモニアプラズマを周期的に導入することによって、四ヨウ化ケイ素およびアンモニアなどの窒素化合物を介して約0.3~約5.0ナノメートルの窒化ケイ素を二酸化ケイ素表面に選択的に堆積させることができるが、いくつかの金属酸化物表面(例えば、Al、HfOおよびZrO)には堆積が達成されないか、または限定された堆積が達成される。
【0024】
原子層堆積では、連続的な処理ステップは、一般に「パルス」またはサイクルと呼ばれる。したがって、ALD法は、前駆体化学物質の制御された自己制限的な表面反応に基づいている。本発明は、完全に飽和した反応、またはより製造可能な場合、前駆体および共反応物の単に別個のパルスで実施することができる。気相反応は、基板を前駆体と交互に順次接触させることによって実質的に回避される。これは、基板を異なる反応物および共反応物の領域から移動させることによって、またはガス流を固定基板上で交互にすることによって実施することができる。いずれの場合も、気相反応物は、例えば、反応パルス間で反応チャンバから過剰な反応物および/または反応物副生成物を除去することによって、時間的におよび基板表面上で互いに分離される。いくつかの実施形態では、1つ以上の基板表面を、2つ以上の気相前駆体または反応物と交互に順次接触させる。基板表面を気相反応物と接触させることは、反応物蒸気が限られた期間、基板表面と接触していることを意味する。言い換えると、基板表面が限られた期間、各気相反応物に曝露されると理解することができる。
【0025】
簡潔には、少なくとも第1の表面および第2の異なる表面を含む基板は、一般に約0.5~15トール未満の低い圧力で、150℃~400℃の範囲内の適切な堆積温度に加熱される。他の実施形態では、温度は、約175℃~350℃または200℃~250℃である。堆積温度は、一般に、反応物の熱分解温度未満であるが、反応物の凝縮を回避し、所望の「選択的」表面反応の活性化エネルギーを提供するのに十分高い温度に維持される。
【0026】
基板の表面は、気相の第1の反応物と接触する。特定の実施形態では、気相の第1の反応物のパルスが、基板を含む反応空間に提供される。他の実施形態では、基板は、気相の第1の反応物を含む反応空間に移動される。条件は、一般に、約1以下の単層の第1の反応物が自己制限的に基板表面に吸着されるように選択される。適切な接触時間は、特定の条件、基板および反応器構成に基づいて当業者によって容易に決定され得る。過剰な第1の反応物および反応副生成物は、存在する場合、例えば不活性ガスでパージすることによって、または第1の反応物の存在から基板を除去することによって、基板表面から除去される。
【0027】
パージとは、例えばチャンバを真空ポンプで排気することによって、および/または反応器内のガスをアルゴンまたは窒素などの不活性ガスで置き換えることによって、気相前駆体および/または気相副生成物が基板表面から除去されることを意味する。特定の実施形態では、パージ時間は、約0.05~20秒、約1~10秒または約1~3秒である。しかしながら、非常に高いアスペクト比の構造または複雑な表面形態を有する他の構造に対する高度にコンフォーマルな段差被覆性が必要な場合など、必要に応じて他のパージ時間を利用することができる。
【0028】
基板の表面は、気相の第2のガス状反応物と接触する。特定の実施形態では、第2のガス状反応物のパルスが、基板を含む反応空間に提供される。他の実施形態では、基板は、気相の第2の反応物を含む反応空間に移動される。過剰な第2の反応物および表面反応のガス状副生成物は、存在する場合、基板表面から除去される。接触および除去のステップは、所望の厚さの薄膜が基板の第1の表面上に選択的に形成されるまで繰り返され、各サイクルは、約1以下の分子単層を残す。三元材料などのより複雑な材料を形成するために、基板の表面を他の反応物と交互に順次接触させることを含む追加の段階を含めることができる。
【0029】
各サイクルの各段階は、一般に、自己制限的である。過剰の反応物前駆体を各段階で供給して、影響を受けやすい構造表面を飽和させる。表面飽和は、(例えば、物理的サイズまたは「立体障害」の拘束を受ける)すべての利用可能な反応部位の反応物占有を確実にし、したがって優れた段差被覆性を確実にする。典型的には、1未満の分子層の材料が各サイクルで堆積されるが、いくつかの実施形態では、サイクル中に1より多い分子層が堆積される。
【0030】
過剰な反応物を除去することは、反応空間の内容物の一部を排出すること、および/または反応空間をヘリウム、窒素もしくは別の不活性ガスでパージすることを含むことができる。特定の実施形態では、パージは、反応空間に不活性キャリアガスを流し続けながら、反応性ガスの流れをオフにすることを含むことができる。別の実施形態では、パージステップは、表面から過剰な反応物を除去するために真空ステップを使用することができる。
【0031】
アンモニアプラズマに関して、本方法は、プラズマが反応器内で直接生成される直接プラズマ生成方法、または代替的に、プラズマが反応ゾーンおよび基板の「遠隔」で生成され、反応器内に供給される遠隔プラズマ生成方法を含み得る。これに関して、無線周波数(RF)源などのエネルギー源は、前処理ステップとして導入され、その後周期的に導入されるアンモニアガスをイオン化するのに十分な電力を堆積チャンバに提供することができる。アンモニアプラズマで処理するステップでは、印加される電力は、200Wよりも大きく、特定の実施形態では、約250Wよりも大きく、約275Wよりも大きく、約300Wよりも大きく、約325Wよりも大きく、またはさらには約350Wよりも大きい。例えば、印加される電力は、約250~約500Wの範囲内、約300~約475Wの範囲内、約350~約450Wの範囲内または約375~約425Wの範囲内であり得る。アンモニアプラズマ処理のステップ中、印加される電力は、処理期間にわたって電力を増加させることなどによって、任意選択的に変化してもよい。
【0032】
アンモニアプラズマの例示的な流量は、少なくとも50sccm、少なくとも約100sccm、少なくとも約150sccmまたは少なくとも約175sccmである。より具体的な態様では、還元ガスの流量は、約100~約400sccmの範囲内、約150~約300sccmの範囲内または約175~約275sccmの範囲内である。チャンバ内に流入するアンモニアプラズマの量は、アンモニアプラズマ処理ステップ中にチャンバ内に流入する全ガス(アンモニアプラズマおよび不活性ガス)に対するアンモニアプラズマの量に関して任意選択的に表すことができる。例えば、アンモニアプラズマの量は、アンモニアプラズマ処理ステップ中にチャンバ内に流入するガスの総量の約10%~約50%、約15%~約40%または約20%~約35%の範囲内であり得る。
【0033】
本発明の方法で使用することができる反応器には、ALD反応器、ならびに反応物を「パルス」式に提供するための適切な装置および手段を備えたCVD反応器が含まれる。特定の実施形態によれば、シャワーヘッド反応器を使用することができる。使用され得る適切な反応器の例としては、市販の装置、ならびにホームビルドの反応器が挙げられ、CVDおよび/またはALDの当業者に公知である。
【0034】
本明細書で使用される場合、「マイクロ電子デバイス」という用語は、マイクロ電子部品、集積回路またはコンピュータチップ用途で使用するために製造された、3D NAND構造、論理デバイス、DRAM、パワーデバイス、フラットパネルディスプレイおよび微小電気機械システム(MEMS)を含む半導体基板に対応する。「マイクロ電子デバイス」という用語は、決して限定することを意味するものではないことを理解されたい。
【0035】
本発明の方法が窒化ケイ素の高度に選択的な堆積を可能にする限り、結果として得られるマイクロ電子デバイス基板は、したがって、不所望の表面上に堆積される窒化ケイ素を最小限にすることによって有利である。したがって、さらなる態様では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される少なくとも1つの表面を含む少なくとも1つの第1の表面と、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ストロンチウムから選択される少なくとも1つの第2の表面を含む1つの表面とを含む、マイクロ電子デバイスを提供する。
【0036】
一実施形態では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される少なくとも1つの表面を含む少なくとも1つの第1の表面と、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムから選択される少なくとも1つの第2の表面を含む1つの表面とを含み、第1の表面が、その上に、少なくとも200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、第2の表面が、その上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイスを提供する。
【0037】
別の実施形態では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって、二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、二酸化ケイ素を含む表面が、その上に、少なくとも200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、酸化アルミニウムを含む表面が、その上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイスを提供する。
【0038】
本発明は、その特定の実施形態の以下の実施例によってさらに説明することができるが、これらの実施例は単に例示の目的で含まれ、特に明記しない限り本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されよう。
【実施例
【0039】
[実施例1]
この実施例では、窒化ケイ素を、基板の第2、第3および第4の異なる表面に対して、基板の第1の表面上に選択的に堆積させた。基板の第1の表面は、天然の酸化ケイ素を含んでいた。基板の第2の表面は、ALDによって堆積されたAlを含んでいた。基板の第3の表面は、ALDによって堆積されたHfOを含んでいた。基板の第4の表面は、ALDによって堆積されたZrOを含んでいた。窒化ケイ素の堆積の前に、基板をアンモニアプラズマ処理方法に供した。
【0040】
窒化ケイ素膜は、第1の前駆体として四ヨウ化ケイ素(SiI)を使用し、第2の前駆体としてアンモニアを使用するALD法によって選択的に堆積させた。四ヨウ化ケイ素をProE-Vapアンプルに含有させ、100℃に加熱した。Nキャリアガスは、200℃の温度および1.5トールの反応チャンバ圧力で、基板を有する加熱されたチャンバ内に四ヨウ化ケイ素蒸気を運ぶ固体四ヨウ化ケイ素の表面上を流れた。各堆積サイクルは、10秒間の四ヨウ化ケイ素蒸気パルス、3秒間の不活性Nパージ、10秒間のアンモニアパルスおよび3秒間の不活性Nパージを含んだ。図1を参照すると、100~600の堆積サイクルからなるALD法を使用して試料を堆積させ、第1のプラズマ処理された天然の酸化ケイ素の表面上に堆積された材料の厚さを測定し、第2、第3および第4のプラズマ処理されたAl、HfOおよびZrO表面上に堆積された材料の厚さと比較した。図1は、プラズマ処理された天然の酸化ケイ素の表面上の窒化ケイ素堆積が、400サイクルまで、プラズマ処理されたAl表面と比較して、非常に高い選択性を有したことを示す。(選択性は95%を超える)。しかしながら、プラズマ処理されたHfOおよびZrO表面は、300サイクルまでのみ、95%の同じ選択性を示した。
【0041】
[実施例2]
この実施例では、窒化ケイ素を、基板の第2、第3および第4の異なる表面に対して、基板の第1の表面上に選択的に堆積させた。基板の第1の表面は、天然の酸化ケイ素を含んでいた。基板の第2の表面は、ALDによって堆積されたAlを含んでいた。基板の第3の表面は、ALDによって堆積されたHfOを含んでいた。基板の第4の表面は、ALDによって堆積されたZrOを含んでいた。窒化ケイ素の堆積の前に、基板をアンモニアプラズマ処理方法に供した。200回の堆積サイクルごとに、アンモニアプラズマ処理方法を基板のすべての表面に再適用した。図2を参照すると、200~800の堆積サイクルからなるALD法を使用して試料を堆積させ、第1のプラズマ処理された天然の酸化ケイ素の表面上に堆積された材料の厚さを測定し、第2、第3および第4のプラズマ処理されたAl、HfOおよびZrO表面上に堆積された材料の厚さと比較した。図2は、プラズマ処理された天然の酸化ケイ素の表面上の窒化ケイ素堆積が、800サイクルまで、プラズマ処理されたAl表面と比較して、非常に高い選択性を有したことを示す。(選択性は95%を超える)。しかしながら、プラズマ処理されたHfOおよびZrO表面は、それぞれ600および400サイクルまでのみ、95%の同じ選択性を示した。図1図2とを比較すると、アンモニアプラズマ処理方法を再適用することにより、天然の酸化ケイ素と他の3つの表面すべてとの間の選択性が大幅に向上する。
【0042】
[実施例3]
この実施例では、実施例1および2で説明した方法を使用して堆積された窒化ケイ素の屈折率(RI)を、分光エリプソメトリーを使用して測定した。異なるアンモニアプラズマ処理の再適用頻度を、200サイクルごとから50サイクルごとまで変化させた。再適用なしとバルク窒化ケイ素膜のRIとを比較すると、50サイクルごとに再適用することにより、堆積された窒化ケイ素膜のRIが大幅に向上した。
【0043】
態様
第1の態様では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイス基板上に窒化ケイ素膜を堆積させるための方法であって、
a.蒸着条件下、約150℃~約400℃の温度、約15トール未満の圧力で、パルス化された四ヨウ化ケイ素または六ヨウ化二ケイ素、および窒素含有共反応物と基板を接触させ、それによってパルスサイクルを規定すること
を含み、
b.基板が、(i)アンモニアプラズマで前処理されており、
(ii)基板が、その後周期的にアンモニアプラズマでさらに処理される、
方法を提供する。
【0044】
第2の態様では、本発明は、第1の態様の方法であって、基板が、10パルスサイクルごと~1000パルスサイクルごとの範囲内で、アンモニウムプラズマで少なくとも1回さらに処理される、方法を提供する。
【0045】
第3の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、15パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0046】
第4の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、20パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0047】
第5の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、25パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0048】
第6の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、30パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0049】
第7の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、35パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0050】
第8の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、40パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0051】
第9の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、45パルスサイクルごとにアンモニアプラズマでさらに処理される、方法を提供する。
【0052】
第10の態様では、本発明は、第1または第2の態様の方法であって、基板が、50パルスサイクルごと~200パルスサイクルごとの範囲内で、アンモニアプラズマで少なくとも1回さらに処理される、方法を提供する。
【0053】
第11の態様では、本発明は、第1~第10の態様のいずれかの方法であって、窒化ケイ素が、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される表面上に堆積される、方法を提供する。
【0054】
第12の態様では、本発明は、第1~第10の態様のいずれか1つの方法であって、窒化ケイ素膜が、約85~約99%の選択性で、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよびそれらの組み合わせから選択される表面上への堆積よりも、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される表面上に堆積される、方法を提供する。
【0055】
第13の態様では、本発明は、第1~第10の態様のいずれか1つの方法であって、デバイス基板が、二酸化ケイ素で構成された少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、方法が、二酸化ケイ素表面に堆積された窒化ケイ素膜において、約99%の選択性で、二酸化ケイ素上に窒化ケイ素を優先的に堆積させ、窒化ケイ素膜が約200Åの厚さを有する、方法を提供する。
【0056】
第14の態様では、本発明は、第1~第10の態様のいずれか1つの方法であって、デバイス基板が、二酸化ケイ素で構成された少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、方法が、二酸化ケイ素表面に堆積された窒化ケイ素膜において、約99%の選択性で、二酸化ケイ素上に窒化ケイ素を優先的に堆積させ、窒化ケイ素膜が少なくとも約50Åの厚さを有する、方法を提供する。
【0057】
第14の態様では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される少なくとも1つの表面を含む少なくとも1つの第1の表面と、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムから選択される少なくとも1つの第2の表面を含む1つの表面とを含み、第1の表面が、その上に、約200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、第2の表面が、その上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイスを提供する。
【0058】
第15の態様では、本発明は、異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって、二酸化ケイ素を含む少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、二酸化ケイ素を含む表面が、その上に、約200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させ、酸化アルミニウムを含む表面が、その上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜を堆積させている、マイクロ電子デバイスを提供する。
【0059】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態を作成および使用することができることを容易に理解するであろう。本文書によって網羅される本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で例示にすぎないことが理解されよう。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4a
図4b
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイス基板上に窒化ケイ素膜を堆積させるための方法であって、
a.蒸着条件下、約150℃~約400℃の温度、約15トール未満の圧力で、パルス化された四ヨウ化ケイ素または六ヨウ化二ケイ素、および窒素含有共反応物と前記基板を接触させ、それによってパルスサイクルを規定すること
を含み、
.(i)前記基板が、アンモニアプラズマで前処理されており、
(ii)前記基板が、その後周期的にアンモニアプラズマでさらに処理される、
方法。
【請求項2】
前記基板が、50パルスサイクルごと~200パルスサイクルごとの範囲内で、アンモニアプラズマで少なくとも1回さらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記窒化ケイ素膜が、約85%を超える選択性で、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよびそれらの組み合わせから選択される表面上への堆積よりも、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される表面上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デバイス基板が、二酸化ケイ素で構成された少なくとも1つの表面と、酸化アルミニウムを含む少なくとも1つの表面とを含み、前記方法が、前記二酸化ケイ素表面に堆積された窒化ケイ素膜において、約99%の選択性で、前記二酸化ケイ素上に窒化ケイ素を優先的に堆積させ、前記窒化ケイ素膜が少なくとも約50Åの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
異なる組成の複数の表面を有するマイクロ電子デバイスであって前記マイクロ電子デバイスが、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、SiCO、SiC、SiON、SiOFおよび低k基板から選択される少なくとも1つの表面を含む少なくとも1つの第1の表面と、窒化チタン、窒化タンタル、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムから選択される少なくとも1つの第2の表面を含む1つの表面とを含み、前記第1の表面上に、少なくとも200Åの厚さを有する窒化ケイ素膜堆積されており、前記第2の表面上に、約3Å以下の厚さを有する窒化ケイ素膜堆積されている、マイクロ電子デバイス。
【国際調査報告】