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特表2024-544467エピタキシャル堆積リアクタのための動的で局部化された温度制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-03
(54)【発明の名称】エピタキシャル堆積リアクタのための動的で局部化された温度制御
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20241126BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520538
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022036977
(87)【国際公開番号】W WO2023136858
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】17/573,228
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャーリー, サティヤ シュリーニバース
(72)【発明者】
【氏名】イェー, ジーユエン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030BB14
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA06
4K030FA10
4K030GA06
4K030JA10
4K030JA16
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA15
5F045AA03
5F045AD01
5F045AE29
5F045BB02
5F045DP04
5F045DP28
5F045DQ10
5F045EK11
5F045EK30
5F045GB11
5F045GB13
(57)【要約】
半導体基板上の膜成長均一性を改善するための方法および装置。膜成長均一性は、基板が回転させられる際にスポットヒーターによって基板に与えられる電力の量を調整することによって改善される。したがって、スポットヒーターによって加熱されている基板の部分が変化する際に、スポットヒーターによって基板に与えられる電力の量が変化する。スポットヒーターによって与えられる電力の変化は、コントローラによって適用される温度補正係数に依存する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造中に使用するのに好適な、処理中に基板の温度プロファイルを調整する方法であって、
スポットヒーターコントローラに複数の温度補正係数を送ることと、
スポットヒーターを使用して、第1の電力をもつ第1の放射ビームを前記基板の第1の角度セクションに照射することであって、前記第1の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第1の温度補正係数を使用して決定される、前記基板の第1の角度セクションに照射することと、
前記基板を中心軸の周りに回転させることと、
前記スポットヒーターを使用して、第2の電力をもつ第2の放射ビームを前記基板の第2の角度セクションに照射することであって、前記第2の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第2の温度補正係数を使用して決定され、前記第2の電力が前記第1の電力とは異なる、前記基板の第2の角度セクションに照射することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の角度セクションと前記第2の角度セクションの両方が前記基板の中心から同じ半径方向距離に配設された、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が、前記第1の角度セクションの前記照射することと前記第2の角度セクションの前記照射することとの間に前記基板の中心の周りを回転させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記温度補正係数が、較正動作中にテスト基板上の膜の厚さまたは組成を使用して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板または前記基板がその上に配設された基板支持体の第1の角度位置を決定するように構成された位置センサーを使用して、前記基板の前記第1の角度位置を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記温度補正係数が前記基板の角度位置に関連付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれ前記第1の角度セクションおよび前記第2の角度セクションに供給される前記第1の電力および前記第2の電力が、約2W/cmよりも大きい電力密度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スポットヒーターを使用して、第3の電力をもつ第3の放射ビームを前記基板の第3の角度セクションに照射することをさらに含み、前記第3の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第3の温度補正係数を使用して決定され、前記第3の電力が前記第1の電力および前記第2の電力とは異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
半導体製造中に使用するのに好適な、基板を処理するための装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配設された基板支持体と、
チャンバリッドと、
チャンバフロアと、
前記チャンバリッドと前記基板支持体との間に配設された上側ウィンドウと、
前記基板支持体と前記チャンバフロアとの間に配設された下側ウィンドウと、
前記上側ウィンドウと前記チャンバリッドとの間に配設された複数の上側ランプと、
前記下側ウィンドウと前記チャンバフロアとの間に配設された複数の下側ランプと、
前記チャンバリッド上に配設され、放射ビームを前記基板支持体のほうに導くように構成された、1つまたは複数のスポットヒーターと、
前記1つまたは複数のスポットヒーターを制御するように構成されたコントローラであって、
前記基板の角度位置を決定することと、
前記スポットヒーターが前記基板の複数の角度部分を加熱する際に1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力が変動するように、温度補正係数のセットを使用して1つまたは複数のスポットヒーターの前記電力出力を調整することと
を行うようにプログラムされたコントローラと
を備える、装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記放射ビームが、約10mm未満の直径を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基板または前記基板がその上に配設された基板支持体の前記角度位置を決定するように構成された位置センサーをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のスポットヒーターが、前記基板支持体の周りの、前記位置センサーとは異なる角度位置にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラが、スポット加熱マイクロコントローラであり、プロセスチャンバコントローラとは別個である、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの各々が、前記放射ビームを前記基板支持体の異なる半径方向位置に導くように配置された、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されたときに、
基板の角度位置を決定するステップと、
温度補正曲線を受信するステップと、
1つまたは複数のスポットヒーターが前記基板の第1の半径方向位置に沿って前記基板の複数の角度部分を加熱する際に前記1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力が変動するように、前記温度補正曲線を使用して前記スポットヒーターの前記電力出力を調整するステップと
をコンピュータシステムに実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの放射ビームが、前記基板のほうに導かれ、約25mm未満の直径を有する、請求項15に記載の媒体。
【請求項17】
前記基板の前記角度位置を決定することが、位置センサーを使用して実行される、請求項15に記載の媒体。
【請求項18】
前記1つまたは複数のスポットヒーターが、前記基板の周りの、前記位置センサーとは異なる角度位置にあり、前記温度補正曲線が、前記基板に対する位置センサーの角度位置と前記基板に対する前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記角度位置との間の差を考慮するためにオフセットされる、請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記温度補正曲線が、複数の温度補正係数を使用して形成され、前記複数の温度補正係数が、較正動作中にテスト基板上の膜厚または材料組成を測定することによって決定される、請求項15に記載の媒体。
【請求項20】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記電力出力が、プロセスチャンバ内での堆積動作中に変動させられ、前記基板上の異なる角度位置における、前記基板上の第1の半径方向ロケーションにおいて成長している膜の均一性を改善する、請求項15に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、半導体処理のための装置および方法に関し、より詳細には、熱プロセスチャンバおよびスポットヒーターの利用に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板は、集積デバイスおよびマイクロデバイスの製作を含む幅広い用途のために処理される。処理中、基板はプロセスチャンバ内の基板支持体上に配置される。基板支持体は、中心軸の周りを回転可能である支持体シャフトによって支持される。基板の下方または上方に配設された複数の加熱ランプなど、加熱源の正確な制御により、極めて厳密な許容差内で基板を加熱することが可能になる。基板の温度の厳密な制御は基板上の均一な層の堆積を支援する。
【0003】
プロセスチャンバ内での加熱ランプの制御でも、基板上の均一な膜堆積を得ることはしばしば困難である。不均一性は、基板上の堆積がより大きいまたはより小さいエリアを含む。不均一性は、基板支持体および基板内の不均一な熱分布、ならびに不均一な前駆体流量など、1つまたは複数の要因によって生じ得る。したがって、半導体処理における加熱装置および加熱方法の改善が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一般に、半導体製造中に使用するのに好適な、処理中に基板の温度プロファイルを調整する方法に関する。本方法は、基板の第1の角度(angular)位置を決定することを含む。スポットヒーターコントローラに複数の温度補正係数(correction factor)が与えられる。スポットヒーターを使用して、基板の第1の角度セクションに、第1の電力をもつ第1の放射ビームが照射される。第1の電力は、複数の温度補正係数のうちの第1の温度補正係数を使用して決定される。基板の第1の角度セクションを照射した後に、基板は中心軸の周りを回転させられる。基板を回転した後に、スポットヒーターを使用して、基板の第2の角度セクションに、第2の電力をもつ第2の放射ビームが照射される。第2の電力は、複数の温度補正係数のうちの第2の温度補正係数を使用して決定される。第2の電力は第1の電力とは異なる。
【0005】
別の実施形態では、半導体製造中に使用するのに好適な、基板を処理するための装置について説明する。本装置は、チャンバ本体と、チャンバ本体内に配設された基板支持体と、チャンバリッドと、チャンバフロアと、チャンバリッドと基板支持体との間に配設された上側ウィンドウと、基板支持体とチャンバフロアとの間に配設された下側ウィンドウと、上側ウィンドウとチャンバリッドとの間に配設された複数の上側ランプと、下側ウィンドウとチャンバフロアとの間に配設された複数の下側ランプと、チャンバリッド上に配設され、放射ビームを基板支持体のほうに導くように構成された、1つまたは複数のスポットヒーターと、コントローラとを含む。コントローラは、1つまたは複数のスポットヒーターを制御するように構成され、基板の角度位置を決定し、スポットヒーターが基板の複数の角度部分を加熱する際に1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力が変動するように、温度補正係数のセットを使用して1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力を調整するようにプログラムされる。
【0006】
また別の実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体について説明する。非一時的コンピュータ可読媒体は命令を記憶し、命令は、プロセッサによって実行されたときに、基板の角度位置を決定するステップと、温度補正曲線を受信するステップと、1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力を調整するステップとをコンピュータシステムに実行させる。電力出力を調整することは、1つまたは複数のスポットヒーターが基板の第1の半径方向位置に沿って基板の複数の角度部分を加熱する際にスポットヒーターの電力出力が変動するように、温度補正曲線を使用することを含む。
【0007】
本開示の上述の特徴が詳細に理解され得るように、それの一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することによって、上記で手短に要約した、本開示のより詳細な説明が得られ得る。ただし、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の等しく有効な実施形態を許し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の一実施形態による、堆積チャンバの概略図である。
図1B】本開示の別の実施形態による、堆積チャンバの概略図である。
図2】本開示の一実施形態による、図1Aまたは図1Bのいずれかの堆積チャンバ上に配設されたスポットヒーターの概略図である。
図3】本開示の一実施形態による、スポット加熱照射経路の概略平面図である。
図4】基板上の膜均一性を改善するための、調整されたスポットヒーター強度を決定する方法のフローチャートである。
図5】スポットヒーター照射の強度を調整しながら基板を処理する方法のフローチャートである。
図6】較正動作中に基板上で測定された膜成長厚さを示すグラフである。
図7図6の膜成長不均一性を低減するための補正係数を示すグラフである。
図8A】角度位置センサーから90度だけ角度的にオフセットされたスポットヒーターの補正された信号出力を示すグラフである。
図8B】角度位置センサーから180度だけ角度的にオフセットされたスポットヒーターの補正された信号出力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、図に共通である同等の要素を指定するために、可能な場合、同等の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴が、さらなる詳述なしに他の実施形態に有利に組み込まれ得ることが企図される。
【0010】
本開示は、一般に、半導体処理のための装置および方法に関し、より詳細には、熱プロセスチャンバおよびスポットヒーターの利用に関する。より詳細には、本開示は、基板上の膜成長均一性を改善するための、エピタキシャル堆積チャンバ中で利用されるスポットヒーターと、スポットヒーターを利用する方法とを対象とする。いくつかの事例では、前駆体流量および基板支持体の構造における不均一性により、プロセスチャンバ内の基板上に不均一な膜成長が生じる。基板の中心から半径方向における不均一性は、基板上の環状リングに、集中された放射ビーム照射を供給するためにスポットヒーターを利用することによって補正され得る。いくつかの実施形態では、スポットヒーターは、作動ベース(actuating base)を含み、環状リング以外のパターンの放射を基板に照射する。しかしながら、基板上の同じ半径方向位置の異なる角度位置において不均一な膜成長もあることが分かっている。
【0011】
本明細書で説明する実施形態は、放射ビームに対する基板の角度位置が変化した際に1つまたは複数のスポットヒーターによって基板に供給される放射量を連続的に調整することを可能にする。したがって、スポットヒーターを使用して、基板上の低温スポットにはより多い放射量を供給し、基板上の高温スポットにはより少ない放射量を供給することによって、基板上の異なる角度位置における不均一な膜成長を補正し得る。いくつかの実施形態では、堆積に続いて過剰材料をエッチングすることによって基板上の局部的な厚さのばらつきが補正される。エッチ動作中に、基板の局部的な場所をスポット加熱することは、材料の除去率を高め、全体的なプロファイル均一性の改善を支援し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、選択的成長動作の均一性を改善するために、局部的で可変のスポット加熱が使用される。選択的成長は、所望の照射された半導体エリア上でのみ単一の材料を成長させるために利用され、誘電体エリアなど、隣接エリア上では利用されない。選択的成長動作の後、誘電体エリアなど、望ましくないエリア上の膜成長がエッチバック(etch back)動作において除去される。
【0013】
基板上の異なる角度位置の選択的加熱は、したがって、基板支持体によってもたらされる熱的不均一性、または前駆体フローにおける不均一性をなくし得る。本明細書で説明する方法は、さらに、製造ばらつきにより除外される基板支持体構成要素の量を低減し得る。本明細書で説明する堆積チャンバなど、異なるプロセスチャンバの基板生産量も、現場にある間に、より厳密に適合させられ得る。したがって、同じ大量生産プロセスにおいていくつかのプロセスチャンバを使用しながら、異なるプロセスチャンバ中で処理される基板間の厚さおよび材料組成の差が低減される。
【0014】
異なる部分に供給される放射量を調整することは、複数の温度補正係数を使用して実行される。温度補正係数は、プロセスチャンバの保守動作中にテスト基板上に堆積される層堆積厚さを測定することによって決定される。層堆積厚さ測定値は、次いで、温度補正係数を決定するために使用される。温度補正係数は、プロセスチャンバ内での後続の基板処理動作中に適用され、また、スポットヒーターに供給される電力の量と、基板への後続のスポットヒーター信号(放射供給)とを決定し、それにより、放射ビームとスポットヒーターとからの基板の相対角度位置が変化した際に、そのスポットヒーター信号が連続的に変動するようにする。
【0015】
図1Aは、本開示の一実施形態による、1つのタイプのプロセスチャンバ100の概略図である。プロセスチャンバ100は、エピタキシャル堆積チャンバなど、堆積チャンバである。プロセスチャンバ100は、基板102など、基板上でエピタキシャル膜を成長させるために利用される。プロセスチャンバ100は基板102の上面150にわたって前駆体のクロスフロー(cross-flow)を作成する。
【0016】
プロセスチャンバ100は、上側本体156と、上側本体156の下に配設された下側本体148と、上側本体156と下側本体148との間に配設されたフローモジュール112とを含む。上側本体156、フローモジュール112、および下側本体148はチャンバ本体を形成する。チャンバ本体内には、基板支持体106、上側ドーム108、下側ドーム110、複数の上側ランプ141、および複数の下側ランプ143が配設される。図示のように、コントローラ120は、プロセスチャンバ100と通信しており、本明細書で説明するプロセスなど、プロセスを制御するために使用される。基板支持体106は上側ドーム108と下側ドーム110との間に配設される。複数の上側ランプ141は上側ドーム108とリッド154との間に配設される。リッド154は、プロセスチャンバ100内の温度を測定するためにその中に配設された複数のセンサー153を含む。複数の下側ランプ143は下側ドーム110とフロア152との間に配設される。複数の下側ランプ143は下側ランプアセンブリ145を形成する。
【0017】
上側ドーム108と下側ドーム110との間に処理ボリューム136が形成される。処理ボリューム136は、その中に配設された基板支持体106を有する。基板支持体106は、基板102がその上に配設される上面を含む。基板支持体106はシャフト118に取り付けられる。シャフト118は移動アセンブリ121に連結される。移動アセンブリ121は、処理ボリューム136内でのシャフト118および/または基板支持体106の動きおよび/または調整を行う1つまたは複数のアクチュエータおよび/または調整デバイスを含む。移動アセンブリ121は、プロセスチャンバ100の縦軸Aを中心にシャフト118および/または基板支持体106を回転させるロータリーアクチュエータ122を含む。移動アセンブリ121は、基板支持体106をz方向に上げ下げするための垂直アクチュエータ124をさらに含む。移動アセンブリは、基板支持体106の平面の向きを調整するために使用されるチルト調整デバイス126と、処理ボリューム136内でシャフト118および基板支持体106の位置を横方向に調整するために使用される横方向調整デバイス128とを含む。
【0018】
基板支持体106は、その中に配設されたリフトピンホール107を含み得る。リフトピンホール107は、堆積プロセスが実行される前または後のいずれかに、基板支持体106から基板102を持ち上げるためのリフトピン132を収容するようにサイズ決定される。リフトピン132は、基板支持体106が処理位置から移送位置に下げられたときに、リフトピンストップ134上に載り得る。
【0019】
フローモジュール112は、複数のプロセスガス入口114と、複数のパージガス入口164と、1つまたは複数の排気ガス出口116とを含む。複数のプロセスガス入口114および複数のパージガス入口164は、フローモジュール112の、1つまたは複数の排気ガス出口116とは反対の側に配設される。複数のプロセスガス入口114および1つまたは複数の排気ガス出口116の下方には1つまたは複数のフローガイド146が配設される。フローガイド146はパージガス入口164の上方に配設される。ライナー163がフローモジュール112の内面に配設され、堆積プロセス中に使用される反応ガスからフローモジュール112を保護する。プロセスガス入口114およびパージガス入口164は、処理ボリューム136内に配設された基板102の上面150に平行にガスを流すように配置される。プロセスガス入口114はプロセスガス源151に流体連結される。パージガス入口164はパージガス源162に流体連結される。1つまたは複数の排気ガス出口116は排気ポンプ157に流体連結される。プロセスガス源151およびパージガス源162の各々は、処理ボリューム136中に1つまたは複数の前駆体ガスまたはプロセスガスを供給するように構成され得る。
【0020】
1つまたは複数のスポットヒーター170がリッド154の上に配設される。いくつかの実施形態では、リッド154の上に配設された、2つのスポットヒーター170、3つのスポットヒーター170、または4つのスポットヒーター170など、複数のスポットヒーター170がある。スポットヒーター170の各々は集中放射供給ユニット172とホルダー174とを含む。集中放射供給ユニット172はホルダー174に機械的に結合され、それにより、ホルダー174を使用して放射供給ユニット172がリッド154に取り付けられる。ホルダー174は、集中放射供給ユニット172の向きを調整するように構成される。いくつかの実施形態では、ホルダー174は、プロセス動作間に、または単一のプロセス動作中に周期的に放射供給ユニット172の向きを変えるように構成される。
【0021】
集中放射供給ユニット172はレーザーまたは集中ランプのうちの1つを含む。いくつかの実施形態では、レーザーは光ファイバーの端部であり、レーザー源は、スポットヒーター制御ボックス176内など、1つまたは複数のスポットヒーター170とは別個に配設される。集中放射供給ユニット172は、ミラー、レンズ、またはメタサーフェス(metasurface)デバイスなど、1つまたは複数の光学要素を含み得る。光学要素は、1つまたは複数のスポットヒーター170から基板102に向けて放出される放射ビームの放射の集中を増加または減少させることを支援し得る。
【0022】
1つまたは複数のスポットヒーター170は、直径が約20mm未満、約10mm未満、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満など、約25mm未満の放射ビームを放出するように構成される。一度に照射される基板102上の各スポットは、約1W~約100W、約2W~約100Wなど、約0.5W~約100Wの電力範囲に照射される。照射される基板102上のスポットのサイズを調整することはまた、照射の電力密度を調整する。したがって、放射ビームが基板102の上面150と交差する際の放射ビームの各々の電力密度は、約3W/cmよりも大きい、約5W/cmよりも大きい、約5W/cm~約1500W/cm、約5W/cm~約500W/cm、約5W/cm~約300W/cmなど、約2W/cmよりも大きくなるように構成される。電力密度は、成長している膜の成長速度と組成とに影響を及ぼすには十分に高いが、ウエハおよびサセプタが損傷するのを防ぐには十分に小さい。
【0023】
1つまたは複数のスポットヒーター170の各々は、第1のスポットヒーター170が基板102の第1の半径方向位置に向けられ、第2のスポットヒーター170が基板102の第2の半径方向位置に向けられるように、基板102の異なる部分のほうに向けられる。
【0024】
スポットヒーター制御ボックス176はスポットヒーター170の各々に電力を与えるように構成され、それにより、スポットヒーター制御ボックス176は1つまたは複数のワイヤまたは光ファイバーを通してスポットヒーター170に電力および/または放射を与える。スポットヒーター制御ボックス176は、1つまたは複数のスポットヒーター170の各々の放射ビームの強度を制御するために可変電圧源または可変アンペア源を含み得る。スポットヒーター制御ボックス176は1つまたは複数のレーザー源をさらに含む。レーザー源は、約750nm~約1800nm、約760nm~約1700nmなど、約700nm~約2000nmの波長をもつレーザーを放出するように構成される。
【0025】
角度位置センサー178が、プロセスチャンバ100内に配設され、基板102および基板支持体106のうちの一方または両方の角度位置を決定するように構成される。図1Aおよび図1Bの実施形態では、角度位置センサー178は、シャフト118に隣接して配設され、縦軸Aに対するシャフト118の角度位置を測定するように構成される。角度位置センサー178は、シャフト118上の1つまたは複数のシグナラー(signaler)がいつ角度位置センサー178の検知経路のそばを通るかを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシグナラーはシャフト118の側面上のノッチ、バーコード、反射体、またはバンプを含む。角度位置センサー178は光学式位置センサーまたは抵抗位置センサーであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、角度位置センサー178は、センサー153のうちの1つとしてリッド154を通して配設されるなど、フローモジュール112内にまたは基板支持体106の上方に配置される。角度位置センサー178は、その場合、基板102の縁部内のノッチロケーションまたは基板支持体106中のノッチを測定するように構成され得る。角度位置センサー178は、図1Bのマイクロコントローラ180など、コントローラ120またはマイクロコントローラのうちの1つに結合される。
【0027】
コントローラ120は、中央処理ユニット(CPU)159と、メモリデバイス135と、サポート回路158とを含む。コントローラ120は、プロセスチャンバ100を直接制御するか、あるいは特定のサポートシステム構成要素に関連付けられた、スポットヒーター制御ボックス176またはマイクロコントローラ180(図1B)など、他のコンピュータまたはコントローラを介してプロセスチャンバ100を制御し得る。コントローラ120は、様々なチャンバとサブプロセッサとを制御するための工業環境において使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであり得る。サポート回路158は、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路およびサブシステムなどを含む。処理ステップは、プロセスチャンバ100の動作を制御するためにコントローラ120を特殊目的コントローラに変えるために実行されるかまたは呼び出され得る、ソフトウェアルーチンとしてメモリデバイス135に記憶され得る。コントローラ120は、本明細書で説明するいずれかの方法を実行するように構成され得る。
【0028】
スポットヒーター170の制御と、基板102への関連する放射供給とを促進するために、CPU159は、様々なチャンバとサブプロセッサとを制御するためのプログラマブル論理コントローラ(PLC)など、工業環境において使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1つであり得る。メモリデバイス135はCPU159に結合され、メモリデバイス135は非一時的であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、またはローカルまたはリモートの任意の他の形態のデジタルストレージなど、容易に入手可能なメモリのうちの1つまたは複数であり得る。サポート回路158は、プロセッサを従来の様式でサポートするためにCPU159に結合される。プロセスガスフローおよび加熱命令は、一般にソフトウェアルーチンとして、概してメモリデバイス135に記憶される。ソフトウェアルーチンはまた、CPUによって制御されているハードウェアからリモートに位置する第2のCPUによって記憶および/または実行され得る。
【0029】
メモリデバイス135は、命令を含んでいるコンピュータ可読記憶媒体の形態であり、命令は、CPU159によって実行されたときに、スポットヒーター170の動作を促進する。メモリデバイス135中の命令は、本開示の方法を実装するプログラムなど、プログラム製品の形態である。プログラムコードはいくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに準拠し得る。一例では、本開示は、コンピュータシステムとともに使用するためにコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるプログラム製品として実装され得る。プログラム製品のプログラムは、(本明細書で説明する方法を含む)実施形態の機能を定義する。
【0030】
いくつかの実施形態では、プログラムは機械学習機能を実施する。様々なデータの特徴としては、処理時間、温度、圧力、電圧、極性、電力、気体種、前駆体流量など、プロセスパラメータがある。データを取り込み、プロセスチャンバ100とスポットヒーター170とによって実行されているプロセスを適応させるために機械学習アルゴリズムによる分析を可能にするために、特徴間の関係が識別され、定義される。機械学習アルゴリズムは教師あり学習技法または教師なし学習技法を採用し得る。プログラムによって実施される機械学習アルゴリズムの例としては、限定はしないが、とりわけ、線形回帰、ロジスティック回帰、デシジョンツリー、状態ベクトルマシン、ニューラルネットワーク、単純ベイズ(naive Bayes)、k近傍法、K平均法、ランダムフォレスト、次元削減アルゴリズム、および勾配ブースティングアルゴリズムがある。
【0031】
例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定はしないが、(i)情報がそれに永続的に記憶される書込み不可能な記憶媒体(たとえば、CD-ROMドライブによって読取り可能なCD-ROMディスクなど、コンピュータ内の読取り専用メモリデバイス、フラッシュメモリ、ROMチップまたは任意のタイプの固体不揮発性半導体メモリ)、(ii)変更可能な情報がそれに記憶される書込み可能な記憶媒体(たとえば、ディスケットドライブまたはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、または任意のタイプの固体ランダムアクセス半導体メモリタイプ)がある。本明細書で説明する方法の機能に指示するコンピュータ可読命令を担持しているときのそのようなコンピュータ可読記憶媒体は本開示の実施形態である。いくつかの実施形態では、コントローラ120はetherCATコントローラである。
【0032】
図1Bはプロセスチャンバ100の別の実施形態の概略図である。図1Bの実施形態では、スポットヒーター170を制御するためにマイクロコントローラ180が利用され、したがって、マイクロコントローラはスポットヒーター制御ボックス176と角度位置センサー178の両方に結合される。マイクロコントローラ180はさらにコントローラ120に結合され、したがって、マイクロコントローラ180は、コントローラ120からスポットヒーター170の制御を分離するが、依然として1次コントローラ120から入力または電力を受け取る。マイクロコントローラ180は、コントローラ120と同様であり、CPUと、メモリと、サポート回路とを含み得る。
【0033】
マイクロコントローラ180など、専用マイクロコントローラがより速い反応時間を与え、コントローラ120など、大きいコントローラネットワーク上の信号レイテンシを回避する。コントローラ120は、プロセスチャンバ100内の多数のセンサーから信号を受信しながら、ネットワーク上の多数の異なる構成要素とデバイスとに制御信号を送る。単純なマイクロコントローラを使用した際のサイクル時間は可能なサイクル時間を1マイクロ秒未満に低減することが推定される。マイクロコントローラ180を利用したときのサイクル時間は、したがって、最高少なくとも1000倍速くなる。
【0034】
サイクル時間が速くなると基板102上のスポット加熱のより正確な制御が可能になる。レーザーへの連続する信号間の時間が短くなると、電力をより速く変調することができ、それにより、基板102の極めて小さい角度位置の変化が異なる照射電力レベルを受信し得るようになる。ウエハ/サセプタの回転速度が高い場合でも、マイクロコントローラを用いて制御時間が短縮されると、正確な照射レベル制御が可能になる。
【0035】
図2は、図1Aまたは図1Bのいずれかのプロセスチャンバ100上に配設されたスポットヒーター170の概略図である。スポットヒーター170は、さらに、放射ビーム202がスポットヒーター170から基板102の上面150に向けられた状態で示されている。本明細書で説明したように、放射ビーム202の直径は、基板102および/または基板支持体106との接点において、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満など、約10mm未満である。
【0036】
図3は、基板102の上面150上のスポットヒーター照射経路302、304、306、308の概略平面図である。スポットヒーター照射経路302、304、306、308は、第1のスポットヒーター170a、第2のスポットヒーター170b、または第3のスポットヒーター170cのうちの1つなど、1つまたは複数のスポットヒーター170を使用して形成される。スポットヒーター照射経路302、304、306、308の各々は軸Aから基板102上の異なる半径方向位置に配設される。スポットヒーター照射経路302、304、306、308は、第1のスポットヒーター照射経路302と、第2のスポットヒーター照射経路304と、第3のスポットヒーター照射経路306と、第4のスポットヒーター照射経路308とを含む。スポットヒーター照射経路302、304、306、308の各々は、スポットヒーター照射経路302、304、306、308の環状部分の中心である中心線を含む。
【0037】
スポットヒーター照射経路302、304、306、308の各々は、第1のスポットヒーター照射経路302が基板102の軸Aから第1の半径方向距離Rに配設され、第2のスポットヒーター照射経路304が基板102の軸Aから第2の半径方向距離Rに配設され、第3のスポットヒーター照射経路306が基板102の軸Aから第3の半径方向距離Rに配設され、第4のスポットヒーター照射経路308が基板102の軸Aから第4の半径方向距離Rに配設されるように、異なる半径方向位置に配設される。第4の半径方向距離Rは第3の半径方向距離Rよりも大きい。第3の半径方向距離Rは第2の半径方向距離Rよりも大きい。第2の半径方向距離Rは第1の半径方向距離Rよりも大きい。
【0038】
角度位置センサー178は基板102の軸Aの周りの第1の角度位置に示されている。いくつかの実施形態では、角度位置センサー178は軸Aの周りの0角度位置に配設される。明快のために、角度位置センサー178は基板102の半径方向外側に配設されているが、角度位置センサー178は、基板102の下方または基板102の上方に、また基板102の外周の半径方向内側に配設され得ることを理解されたい。
【0039】
第1のスポットヒーター170aは、軸Aの周りに角度位置センサー178に対して第1の角度θに配設される。第2のスポットヒーター170bは、軸Aの周りに角度位置センサー178に対して第2の角度θに配設される。第3のスポットヒーター170cは、軸Aの周りに角度位置センサー178に対して第3の角度θに配設される。第1の角度θ、第2の角度θ、および第3の角度θは例示的であり、示されている角度とは異なる角度であり得る。第1の角度θは約90度(°)の角度である。第2の角度θは約180°の角度である。第3の角度θは約210°の角度である。
【0040】
スポットヒーター照射経路302、304、306、308の各々は複数のセクタ310a、310b、および310cに分割される。複数のセクタ310a、310b、および310cは異なる角度位置におけるスポットヒーター照射経路302、304、306、308の部分である。したがって、第2のスポットヒーター照射経路304の第1の角度位置が第1のセクタ310aである。第2のスポットヒーター照射経路304の第2の角度位置が第2のセクタ310bである。第2のスポットヒーター照射経路304の第3の角度位置が第3のセクタ310cである。第2のスポットヒーター照射経路304上の他の角度位置に複数の追加のセクタが配設される。第1のスポットヒーター照射経路302、第3のスポットヒーター照射経路306、および第4のスポットヒーター照射経路308の各々は異なる角度位置において同様のセクタに分割される。
【0041】
スポットヒーター170のホルダー174が電動ベースを含む実施形態では、スポット加熱照射経路の半径方向位置が基板102の360度回転毎に連続的に変動させられ得る。半径方向位置変動の範囲は、ウエハ回転速度と電動ベースのモーター速度とに応じて約5mm~約10mmに制限される。電動ベースは、したがって、基板102上の非球形スポット加熱照射経路を可能にする。いくつかの実施形態では、スポット加熱照射経路は、したがって、形状が卵形または放物線である。非球形のスポット加熱照射経路はスポット加熱用途における多用途性の向上を可能にする。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1のスポット加熱照射経路302など、スポット加熱照射経路のうちの1つは、基板102の外側の半径方向位置でもあり得るが、基板102の縁部の近くでもあり得る。熱拡散により、基板102の円周の外側の領域をスポット加熱することは、さらに基板102の縁部への加熱を行う。基板102の円周の外側の領域をスポット加熱することは、したがって、基板102の内側に影響を与えないようにしながら、主に基板102の縁部における膜の厚さおよび組成のばらつきをターゲットにするために利用され得る。いくつかの実施形態では、スポット加熱照射経路は、基板の外周から10mm未満、基板の外周から5mm未満など、基板の外周の10mm内である。
【0043】
図4は、基板102など、基板上の膜均一性を改善するために、調整されたスポットヒーター強度を決定する方法400のフローチャートである。方法400は、図1Aの実施形態におけるコントローラ120または図1Bの実施形態におけるマイクロコントローラ180のうちの1つに記憶される。コントローラ120および/またはマイクロコントローラ180は、それに記憶されている方法400を実行するように構成される。方法400は、スポットヒーター170とスポットヒーター制御ボックス176とを制御することを含む。
【0044】
方法400は、スポットヒーター170に補正を適用する前に、最初に、基板上の複数のポイントにおいて望まれる補正の量を決定する。層を堆積するなどのプロセスが動作402の間にテスト基板上で実行される。プロセスは、層堆積プロセス、エッチプロセス、または熱処理プロセスのうちの1つである。基板は、テスト基板であるが、サイズ、形状、および組成が、プロセスチャンバ内で処理されるべき他の基板と同様である。テスト基板上に層を堆積することまたはエッチングすることは温度依存性であり、基板内の温度不均一性はテスト基板上の不均一な膜厚を生じる。温度不均一性は、さらに、基板のプロファイルにわたる層の材料組成および元素組成の差を生じる。
【0045】
テスト基板の厚さまたは材料組成プロファイルは、基板上に層を堆積またはエッチングした後に、別の動作404中に測定される。温度の不一致により不均一な膜厚形成および不均一な材料組成が生じることにより、厚さプロファイルおよび/または材料組成プロファイルは、基板上の推定温度プロファイルを決定するために利用される。したがって、層の堆積がより少ない場合、そのロケーションにおける温度は、層の堆積がより多いロケーションにおける温度よりも低い。材料組成は、さらに、基板上の様々なロケーションにおける処理温度を決定するために利用され得、したがって、より高いまたはより低い材料濃度は特定のロケーションにおけるより高いまたはより低い処理温度を示す。
【0046】
厚さまたは材料組成プロファイルは、テスト基板を別個のプロセスチャンバ中に移動することによって測定され得る。別個のプロセスチャンバは、テスト基板の厚さプロファイルと材料組成プロファイルの一方または両方を測定するように構成される。厚さプロファイルは、非接触厚さ測定デバイスまたは接触厚さ測定デバイスのうちの一方を使用して測定される。非接触厚さ測定デバイスとしては、カメラ、エリプソメータ(ellipsometer)、またはX線回折デバイスがある。接触厚さ測定デバイスとしてはライン走査ツールがある。エリプソメータは、材料厚さを測定するためにテスト基板の表面から反射された1つまたは複数の光ビームの光学的性質の変化を測定する。厚さ測定デバイスはテスト基板の厚さプロファイルを得る。いくつかの実施形態では、厚さ測定デバイスは、搬送チャンバ、ロードロック(load-lock)チャンバ、または処理チャンバに機械的に結合されたファクトリーインターフェース(図示せず)の内側に配設される。いくつかの実施形態では、厚さ測定デバイスは、処理チャンバに結合されていないインラインツール中に配置される。
【0047】
テスト基板の表面にわたる膜の材料組成は、エリプソメトリ(ellipsometry)とX線回折とを含む非接触方法を用いて測定される。電気的特性に大きい影響を及ぼす、ホウ素、リンなど、いくつかのドーパントを含んでいる層の場合は、膜の組成を決定するために抵抗率測定またはキャリア濃度測定(たとえば、ホール効果測定)のいずれかが使用される。そのような組成データ(組成対位置)は、次いで、図6に示された例示的な厚さプロファイルと同様の濃度プロットまたはグラフを形成するために利用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、厚さおよび/または材料組成プロファイルは基板上の特定の半径方向ロケーションについてのみ得られる。一例では、厚さおよび/または材料組成プロファイルは、基板の中心から20mmよりも大きい半径方向ロケーションについて得られる。厚さプロファイルおよび/または材料組成は、単一の半径方向位置において、5個よりも多い厚さおよび/または材料組成測定値、10個よりも多い厚さおよび/または材料組成測定値、15個よりも多い厚さおよび/または材料組成測定値、20個よりも多い厚さおよび/または材料組成測定値など、複数の厚さおよび/または材料組成測定値を含む。図6は、複数の厚さ測定値をもつグラフ600を示す。グラフ600は、基板上の単一の半径方向ロケーションに沿って26個の厚さ測定値を含む。厚さは、オングストローム(A)で測定され、約875Aと約950Aとの間で変動する。図6の実施形態では、ゼロ(0)の測定値は26の測定値と同じ基板上のポイントであり、それらの間の各測定値は、同じ半径方向ロケーションにおける基板上の異なる角度位置の測定値である。
【0049】
動作404中に基板の厚さおよび/または材料組成プロファイルが得られると、動作406中に厚さおよび/または材料組成プロファイルから温度補正係数が決定される。温度補正係数は、望まれる補正の量と、異なる温度における基板上の膜の成長速度と、プロセスチャンバの温度と、スポットヒーターの電力とに依存する。温度補正係数は、厚さプロファイルおよび/または材料組成プロファイル測定値を反転させ、厚さプロファイルおよび/または材料組成プロファイル測定値を正規化することによって得られる。厚さプロファイルおよび/または材料組成プロファイル測定値を反転させることは、第1の厚さ値または第1の材料組成値から各厚さ値および/または材料組成値を減算することを含む。いくつかの実施形態では、第1の厚さ値および/または第1の材料組成値は厚さプロファイル測定値および/または材料組成測定値のうちの最大厚さ値および/または最大材料組成値である。厚さプロファイル測定値および/または材料組成測定値を正規化することは、反転した厚さプロファイル測定値および/または材料組成測定値を、反転した厚さプロファイル測定値および/または材料組成測定値の最大値で除算することを含む。次いで、正規化された補正係数曲線を得るために、正規化された厚さプロファイル測定値または材料組成プロファイル測定値に対して補間が実行される。
【0050】
正規化された厚さプロファイル測定値および/または材料組成プロファイル測定値の補間は、線形補間、2次補間、または3次補間のうちの1つであり得る。次いで、温度補正曲線を得るために、正規化された補正係数曲線に補正乗数値が乗算される。補正乗数値は、基板内での堆積および/またはエッチング中のプロセスチャンバ内の他のプロセス状態に少なくとも部分的に依存する。一例では、補正乗数値は、12ビット補正値の場合、4095である。図7のグラフ700は、動作406において説明したように得られた温度補正曲線の1つの例を示す。いくつかの例では、補正係数値は、スポットヒーターによって、またはスポットヒーターに結合されたレーザーによって放出されるワット数またはジュールの差など、スポットヒーターに適用される電力の差と等価である。
【0051】
温度補正係数曲線および温度補正値を決定した後に、1つまたは複数のスポットヒーターからの信号出力が、動作408中に温度補正係数値によって決定されるように調整される。1つまたは複数のスポットヒーターの信号出力を調整することについて図5の方法500においてさらに説明する。厚さプロファイル、材料組成プロファイル、および/または温度補正曲線を決定することは、プロセスチャンバ100内での基板の処理の前に保守プロシージャ中に実行される。
【0052】
図5は、スポットヒーター照射の強度を調整しながら基板を処理する方法500を示す。方法500は、基板の位置を検出する動作502を含む。動作502中に検出される基板の位置は基板の角度位置である。角度位置は、図1Aおよび図1Bの角度位置センサー178など、位置センサーを使用して決定される。角度位置は、さらに、軸Aの周りの基板支持体の回転の速度を知ることによって決定される。基板の位置を検出することは、後の動作中にスポットヒーターによって出力される温度補正信号が基板の補正角度位置に供給されることを保証することを支援する。いくつかの実施形態では、基板の位置は、基板または基板支持体上のノッチまたはシグナラーがいつ角度位置センサーを通るかを記録することによって知られる。
【0053】
動作502中に基板の角度位置が決定された後に、温度補正係数値および/または温度補正曲線がスポットヒーターコントローラに与えられる。スポットヒーターコントローラは、コントローラ120、マイクロコントローラ180、またはスポットヒーター制御ボックス176のうちの1つであり得る。角度位置センサーによって検出された基板の特定の角度位置に関連付けられた温度補正係数値はスポットヒーターコントローラに与えられる。
【0054】
いくつかの実施形態では、スポットヒーターコントローラは、それに記憶された温度補正係数値および/または温度補正曲線をすでに含んでいる。しかしながら、基板の角度位置に関連付けられた温度補正係数値は温度補正曲線の温度補正係数値セットから呼び出される。
【0055】
温度補正係数値が内部スポットヒーターコントローラメモリまたは外部メモリソースのいずれかからスポットヒーターコントローラによって呼び出された後に、動作506中にスポットヒーターのうちの1つまたは複数の信号出力が温度補正係数値に基づいて調整される。1つまたは複数のスポットヒーターの信号出力を調整することは、電力出力、波長出力、ビームサイズ、またはビーム角のうちの1つまたは複数を調整することを含む。信号出力が電力出力である実施形態では、電力出力は、温度補正係数値が大きくなると高くなり、温度補正値がより小さくなると小さくなる。基板に供給される電力の量は、スポットヒーターの総電力の約0%~スポットヒーターの総電力の100%、約10%~約95%、約20%~約95%などの範囲内で変動する。いくつかの実施形態では、動作506中にスポットヒーターによって出力される最小電力は約2W/cmであり、したがって、基板の第1の角度セクションに供給される電力出力は、約5W/cmよりも大きい、約5W/cm~約1500W/cm、約5W/cm~約500W/cm、約5W/cm~約300W/cmなど、約2W/cmよりも大きい。スポットヒーターによって出力され、基板に供給される電力の範囲は、補正されるべき基板上の厚さばらつき範囲と、基板に供給される電力に対する膜成長厚さの感度の両方に依存する。基板の厚さばらつきを補正することに加えて、基板の材料組成も、同じプロセスを使用して調整することが可能である。
【0056】
1つまたは複数のスポットヒーターは、直径約20mm未満、約10mm未満、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満など、約25mm未満の放射ビームを放出する。一度に照射される基板102上の各スポットは、約1W~約100W、約2W~約100Wなど、約0.5W~約100Wの電力範囲に照射される。照射される基板102上のスポットのサイズを調整することは、照射の電力密度をも調整する。
【0057】
基板に供給される放射の波長は、約750nm~約1800nm、約760nm~約1700nmなど、約700nm~約2000nmである。
【0058】
スポットヒーターが、基板の異なる部分を照射するために基板の上を走査される際に、異なる温度補正係数が適用される。基板が、角度位置センサーによって決定された第1の角度位置に配設されている間、スポットヒーターコントローラに第1の温度補正係数が与えられる。第1の温度補正係数は、基板の第1の角度セクションに、第1の電力をもつ第1の放射ビームが照射されるように、スポットヒーターの第1の出力信号を調整するために利用される。第1の電力は、第1の温度補正係数値を使用して決定される。第1の角度位置は、基板の、第2のスポットヒーター照射経路304など、円環の、第1のセクタ310aなど、第1のセクタであり得る。
【0059】
基板は、次いで、同じ半径方向位置の第2の角度位置まで回転させられる。第2の角度位置にある間、スポットヒーターコントローラに第2の温度補正係数値が与えられる。第2の温度補正係数は、基板の第2の角度セクションに、第2の電力をもつ第2の放射ビームが照射されるように、スポットヒーターの第2の出力信号を調整するために利用される。第2の電力は、第2の温度補正係数値を使用して決定される。第2の温度補正係数が第1の温度補正係数とは異なるとき、第2の電力は第1の電力とは異なる。第2の角度位置は、基板の、第2のスポットヒーター照射経路304など、円環の、第2のセクタ310bなど、第2のセクタであり得る。
【0060】
基板は、次いで、同じ半径方向位置の第3の角度位置まで回転させられる。第3の角度位置にある間、スポットヒーターコントローラに第3の温度補正係数値が与えられる。第3の温度補正係数値は、基板の第3の角度セクションに、第3の電力をもつ第3の放射ビームが照射されるように、スポットヒーターの第3の出力信号を調整するために利用される。第3の電力は、第3の温度補正係数値を使用して決定される。第3の温度補正係数値が第1の温度補正係数値または第3の温度補正係数値のいずれとも異なるとき、第3の電力は第1の電力および第2の電力とは異なる。第3の角度位置は、基板の、第2のスポットヒーター照射経路304など、円環の、第3のセクタ310cなど、第3のセクタであり得る。
【0061】
追加の温度補正係数値に相関する異なる電力値において追加の角度位置がスポットヒーターによって加熱される。15個よりも大きい異なる電力値をもつ15個よりも大きい角度位置、20個よりも大きい異なる電力値をもつ20個よりも大きい角度位置など、10個よりも大きい異なる電力値をもつ10個よりも大きい角度位置があり得る。いくつかの実施形態では、100個を超える温度補正係数値が温度補正曲線から決定される。いくつかの実施形態では、300個を超える温度補正係数値など、200個を超える温度補正係数値がある。いくつかの実施形態では、各角度位置は円環の一部分であり、したがって、円環は、約45度未満、約30度未満、約15度未満、約10度未満、約5度未満、約3度未満、約2度未満、約1度未満など、60度未満の領域をもつセクタに分割される。
【0062】
図8Aは、角度位置センサーから90度だけ角度的にオフセットされたスポットヒーターの補正された信号出力を示すグラフ800である。したがって、スポットヒーター照射のセクションの角度は、図3の第1のスポットヒーター170aと同様に、角度位置センサーから90度だけオフセットされる。照射される領域が、位置センサー測定値の角度からオフセットされた角度に配設されたとき、スポットヒーターコントローラへの補正信号出力は同様にオフセットされる。図8Bに示されているように、スポットヒーターの補正信号出力および調整された電力出力は、スポットヒーター照射のロケーションが角度位置センサー測定値と同じ角度位置であった場合、補正信号出力に対して90度だけ調整される。
【0063】
図8Bは、角度位置センサーから180度だけ角度的にオフセットされたスポットヒーターの補正された信号出力を示すグラフ850である。したがって、スポットヒーター照射のセクションの角度は、図3の第2のスポットヒーター170bと同様に、角度位置センサーから180度だけオフセットされる。図8Bに示されているように、スポットヒーターの補正信号出力および調整された電力出力は、スポットヒーター照射のロケーションが角度位置センサー測定値と同じ角度位置であった場合、補正信号出力に対して180度だけ調整される。
【0064】
本明細書で説明した実施形態は、スポットヒーターが処理中に基板の異なる角度領域を照射する際に、1つまたは複数のスポットヒーターによって基板に適用される電力を変動させることを可能にする。異なる角度領域に対して基板に与えられる放射の量を調整することは、異なる角度領域における不均一性を低減するかまたはなくすことを可能にする。スポットヒーターによって適用される電力の変化は、成長したまたはエッチングされた膜の厚さが測定される較正動作によって決定される。厚さは温度補正係数値と相関し、温度補正係数値は、グラフ表示され、温度補正係数曲線を補間するために使用される。温度補正係数曲線は、異なる角度位置において基板に与えられる電力と放射量とを調整するために追従させられ得る曲線を与える。
【0065】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態が、それの基本範囲から逸脱することなく考案され得、それらの範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2024-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造中に使用するのに好適な、処理中に基板の温度プロファイルを調整する方法であって、
スポットヒーターコントローラに複数の温度補正係数を送ることと、
スポットヒーターを使用して、第1の電力をもつ第1の放射ビームを前記基板の第1の角度セクションに照射することであって、前記第1の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第1の温度補正係数を使用して決定される、前記基板の第1の角度セクションに照射することと、
前記基板を中心軸の周りに回転させることと、
前記スポットヒーターを使用して、第2の電力をもつ第2の放射ビームを前記基板の第2の角度セクションに照射することであって、前記第2の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第2の温度補正係数を使用して決定され、前記第2の電力が前記第1の電力とは異なる、前記基板の第2の角度セクションに照射することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の角度セクションと前記第2の角度セクションの両方が前記基板の中心から同じ半径方向距離に配設された、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が、前記第1の角度セクションの前記照射することと前記第2の角度セクションの前記照射することとの間に前記基板の中心の周りを回転させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記温度補正係数が、較正動作中にテスト基板上の膜の厚さまたは組成を使用して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板または前記基板がその上に配設された基板支持体の第1の角度位置を決定するように構成された位置センサーを使用して、前記基板の前記第1の角度位置を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記温度補正係数が前記基板の角度位置に関連付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれ前記第1の角度セクションおよび前記第2の角度セクションに供給される前記第1の電力および前記第2の電力が、約2W/cmよりも大きい電力密度を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スポットヒーターを使用して、第3の電力をもつ第3の放射ビームを前記基板の第3の角度セクションに照射することをさらに含み、前記第3の電力が、前記複数の温度補正係数のうちの第3の温度補正係数を使用して決定され、前記第3の電力が前記第1の電力および前記第2の電力とは異なる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
半導体製造中に使用するのに好適な、基板を処理するための装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配設された基板支持体と、
チャンバリッドと、
チャンバフロアと、
前記チャンバリッドと前記基板支持体との間に配設された上側ウィンドウと、
前記基板支持体と前記チャンバフロアとの間に配設された下側ウィンドウと、
前記上側ウィンドウと前記チャンバリッドとの間に配設された複数の上側ランプと、
前記下側ウィンドウと前記チャンバフロアとの間に配設された複数の下側ランプと、
前記チャンバリッド上に配設され、放射ビームを前記基板支持体のほうに導くように構成された、1つまたは複数のスポットヒーターと、
前記1つまたは複数のスポットヒーターを制御するように構成されたコントローラであって、
前記基板の角度位置を決定することと、
前記1つまたは複数のスポットヒーターが前記基板の複数の角度部分を加熱する際に前記1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力が変動するように、温度補正係数のセットを使用して前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記電力出力を調整することと
を行うようにプログラムされたコントローラと
を備える、装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記放射ビームが、約10mm未満の直径を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基板または前記基板がその上に配設された前記基板支持体の前記角度位置を決定するように構成された位置センサーをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のスポットヒーターが、前記基板支持体の周りの、前記位置センサーとは異なる角度位置にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コントローラが、スポット加熱マイクロコントローラであり、プロセスチャンバコントローラとは別個である、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの各々が、前記放射ビームを前記基板支持体の異なる半径方向位置に導くように配置された、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されたときに、
基板の角度位置を決定するステップと、
温度補正曲線を受信するステップと、
1つまたは複数のスポットヒーターが前記基板の第1の半径方向位置に沿って前記基板の複数の角度部分を加熱する際に前記1つまたは複数のスポットヒーターの電力出力が変動するように、前記温度補正曲線を使用して前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記電力出力を調整するステップと
をコンピュータシステムに実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの放射ビームが、前記基板のほうに導かれ、約25mm未満の直径を有する、請求項15に記載の媒体。
【請求項17】
前記基板の前記角度位置を決定することが、位置センサーを使用して実行される、請求項15に記載の媒体。
【請求項18】
前記1つまたは複数のスポットヒーターが、前記基板の周りの、前記位置センサーとは異なる角度位置にあり、前記温度補正曲線が、前記基板に対する前記位置センサーの角度位置と前記基板に対する前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記角度位置との間の差を考慮するためにオフセットされる、請求項17に記載の媒体。
【請求項19】
前記温度補正曲線が、複数の温度補正係数を使用して形成され、前記複数の温度補正係数が、較正動作中にテスト基板上の膜厚または材料組成を測定することによって決定される、請求項15に記載の媒体。
【請求項20】
前記1つまたは複数のスポットヒーターの前記電力出力が、プロセスチャンバ内での堆積動作中に変動させられ、前記基板上の異なる角度位置における、前記基板上の第1の半径方向ロケーションにおいて成長している膜の均一性を改善する、請求項15に記載の媒体。
【国際調査報告】