(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】半導体製造のための環境効率監視・探査プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504517
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 US2022051859
(87)【国際公開番号】W WO2023107398
(87)【国際公開日】2023-06-15
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モラディアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】ケルカール, ウメシュ マドハヴ
(72)【発明者】
【氏名】ネヴィル, エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】トレホ, オルランド
(72)【発明者】
【氏名】メイロヴィッヒ, セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティック ビー.
(72)【発明者】
【氏名】カー, シュレヤス スレーシュ
(57)【要約】
半導体製造のための環境効率監視・探査プラットフォームを対象とする技術。1つの方法は、処理デバイスによって、製造設備の第1の構成を有し、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信することを含む。本方法は、処理デバイスによって、デジタルレプリカとともに第1のデータを使用して、環境資源データを決定することをさらに含む。デジタルレプリカは、基板製造システムのデジタル複製を含む。環境資源使用量データは、更新を組み込んだ基板製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す。本方法は、処理デバイスによって、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために環境資源使用量データを提供することをさらに含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理デバイスによって、製造設備の第1の構成を含み、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信することと、
前記処理デバイスによって、デジタルレプリカとともに前記第1のデータを使用して、環境資源使用量データを決定することであって、前記デジタルレプリカが、前記基板製造システムのデジタル複製を含み、前記環境資源使用量データが、前記更新を組み込んだ前記基板製造システムによって前記1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す、環境資源使用量データを決定することと、
前記処理デバイスによって、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために前記環境資源使用量データを提供することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記更新が、第1のハードウェアサブシステムデバイスを、前記第1のハードウェアサブシステムデバイスとは異なる1つまたは複数の動作仕様を有する第2のハードウェアサブシステムデバイスと交換することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記更新が、製造設備の前記第1の構成を製造設備の第2の構成に変えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記更新が、前記基板製造システムの物理的アセットのスケジュールされた動作モードを変えることを含み、前記スケジュールされた動作モードが、低減電力モードまたはアイドル状態を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記更新が、前記基板製造システムのサポートアセットのスケジュールされた動作モードを共有動作モードに変えることを含み、前記共有動作モードにおいて動作する前記サポートアセットが、前記1つまたは複数のプロセス手順を行う前記基板製造システムの複数の物理的アセットについてのサポート機能の実行を交互に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタルレプリカが、前記基板製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの物理学ベースのモデルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物理学ベースのモデルが、基板プロセスチャンバのサイズおよび形状寸法と前記環境資源消費との間の関係を示し、前記更新が、前記基板プロセスチャンバの前記サイズまたは前記形状寸法のうちの少なくとも1つへの修正に関連する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記物理学ベースのモデルが、前記基板製造システム内で使用されるガスのタイプと前記環境資源消費との間の関係を示し、前記更新が、第1のガスの、第2のガスへの修正に関連し、前記第1のガスと前記第2のガスとが、パージガス、反応性ガス、またはエッチャントガスのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記物理学ベースのモデルが、前記基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと前記環境資源消費との間の関係を示し、前記更新が、排熱デバイス、ガス軽減デバイス、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記環境資源使用量データを決定することが、
製造設備の選択の複数のツールについての環境資源消費メトリックを算出することと、
前記環境資源使用量データを決定するために、前記複数のツールについての前記環境資源消費メトリックを集計することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタルレプリカを使用して、前記1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す第2の環境資源使用量データを決定することと、
前記環境資源使用量データと前記第2の環境資源使用量データとの間の比較に基づいて、前記更新の環境効率影響を示す値を決定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基板製造システムが処理チャンバを備え、前記物理学ベースのモデルが、
前記処理チャンバに入る1つまたは複数のガスと、
前記処理チャンバ内に配設された基板上で生じる1つまたは複数の反応と、
前記1つまたは複数のガスと前記基板上で生じる前記1つまたは複数の反応との間の1つまたは複数の関係と
を示し、
前記更新が、前記1つまたは複数のガスの流れへの修正に対応し、
前記環境資源消費が、軽減を通して失われた前記1つまたは複数のガスの1つまたは複数の量を示す、
請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記環境資源使用量データが、前記1つまたは複数のプロセス手順を実施する前記基板製造システムに関連するエネルギー消費、ガス消費、または水消費のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記環境資源使用量データを使用して、前記更新を組み込んだ前記製造システムに関連するカーボンフットプリントデータを決定すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
メモリと、
前記メモリに結合された、処理デバイスとを備える、システムであって、前記処理デバイスが、
製造設備の第1の構成を含み、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信することと、
デジタルレプリカとともに前記第1のデータを使用して、環境資源使用量データを決定することであって、前記デジタルレプリカが、前記基板製造システムのデジタル複製を含み、前記環境資源使用量データが、前記更新を組み込んだ前記基板製造システムによって前記1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す、環境資源使用量データを決定することと、
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために前記環境資源使用量データを提供することと
を行う、システム。
【請求項16】
前記デジタルレプリカが、前記基板製造システム内で使用されるガスのタイプと前記環境資源消費との間の関係を示す物理学ベースのモデルを含み、前記更新が、第1のガスの、第2のガスへの修正に関連し、前記第1のガスと前記第2のガスとが、パージガス、反応性ガス、またはエッチャントガスのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記デジタルレプリカが、前記基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと前記環境資源消費との間の関係を示す物理学ベースのモデルを含み、前記更新が、排熱デバイス、ガス軽減デバイス、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連する、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記環境資源使用量データが、前記1つまたは複数のプロセス手順を実施する前記基板製造システムに関連するエネルギー消費、ガス消費、水消費、またはカーボンフットプリントインジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
命令を備える非一時的機械可読ストレージ媒体であって、前記命令は、処理デバイスによって実行されたとき、前記処理デバイスに、
製造設備の第1の構成を含み、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信することと、
デジタルレプリカとともに前記第1のデータを使用して、環境資源使用量データを決定することであって、前記デジタルレプリカが、前記基板製造システムのデジタル複製を含み、前記環境資源使用量データが、前記更新を組み込んだ前記基板製造システムによって前記1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す、環境資源使用量データを決定することと、
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために前記環境資源使用量データを提供することと
を行わせる、非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記環境資源使用量データが、前記1つまたは複数のプロセス手順を実施する前記基板製造システムに関連するエネルギー消費、ガス消費、水消費、またはカーボンフットプリントインジケータのうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、半導体製造設備の環境影響に関する。より詳細には、本明細書は、半導体製造プロセスおよびこの製造プロセスに関連する機能を実施する半導体製造設備の環境効率(ecological efficiency/eco-efficiency)を監視すること、その修正を識別すること、およびその最適化を実施することに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスに対する継続した需要は、半導体ウエハに対するますますより大きな需要を求める。これらのウエハを生産するための製造の増加は、資源利用および環境的に損害を与える廃棄物の作成の形態で環境にかなりの負担をかける。したがって、ウエハ製造および製造一般のより環境に優しく、環境的に責任を持てる方法に対する需要が増加している。ウエハ処理がエネルギー集約型であることを前提として、半導体産業の成長をその環境影響から切り離すことに価値がある。増大するチップ需要および増加するチップ複雑さは、環境的に影響を及ぼす資源消費を増加させている。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本開示のいくつかの態様の基本的理解を提供するための、本開示の簡略化された概要である。本概要は本開示の広範な概観ではない。本概要は、本開示の特定の実装形態の範囲または特許請求の範囲を定めるものではない。その唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0004】
半導体製造のための環境効率監視・探査プラットフォームを対象とする技術が説明される。いくつかの実施形態では、多数のプロセス方策および製造ハードウェア構成の環境効率を監視および探査することのフレキシビリティおよび容易さを提供する、センサデータ、物理学、モデル、アルゴリズム、およびユーザインターフェース(UI)を活用することによって、材料エンジニアリング仕様と環境効率仕様の両方を満たす、技術者開発プロセスおよび負担を支援することが可能なエンジニアリングプラットフォームが説明される。1つの方法は、処理デバイスによって、製造設備の第1の構成を有し、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信することを含む。本方法は、処理デバイスによって、デジタルレプリカとともに第1のデータを使用して、環境資源データを決定することをさらに含む。デジタルレプリカは、基板製造システムのデジタル複製を含む。環境資源使用量データは、更新を組み込んだ基板製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す。本方法は、処理デバイスによって、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために環境資源使用量データを提供することをさらに含む。
【0005】
例示的な実施形態では、更新は、第1のハードウェアサブシステムデバイスを、第1のハードウェアサブシステムデバイスとは異なる1つまたは複数の動作仕様を有する第2のハードウェアサブシステムデバイスと交換することを含む。たとえば、第1のハードウェアサブシステムデバイスは、特に、ヒータ、冷却モジュール、ガス注入などのアイテムを含み得る。例示的な実施形態では、更新は、製造設備の第1の構成を製造設備の第2の構成に変えることを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムの物理的アセットのスケジュールされた動作モードを変えることを含み、スケジュールされた動作モードは、低減電力モードを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムのサポートアセットのスケジュールされた動作モードまたはハードウェア構成を、共有能力において動作するように変えることを含む。たとえば、共有能力において動作するサポートアセットは、1つまたは複数のプロセス手順を行う基板製造システムの複数の物理的アセットについてのサポート機能の実行を交互に行う。
【0006】
例示的な実施形態では、デジタルレプリカは、基板製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの物理学ベースのモデルを含む。物理学ベースのモデルは、基板プロセスチャンバのサイズおよび形状寸法と環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、基板処理チャンバのサイズまたは形状寸法のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システム内で使用されるパージガスのタイプと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、システムをパージするために使用されるガスのタイプおよび量を修正することによって環境資源消費がどのように変更されるかに関連し得る。たとえば、特定の資源消費更新は、使用されるパージガスを、窒素などの第1のパージガスからクリーンドライエア(CDA)に変更することによって、環境資源消費がどのように影響を受けるかを含み得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、排熱デバイス、ガス軽減デバイス(gas abatement device)、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。
【0007】
本開示の態様および実装形態は、限定ではなく例として態様および実装形態を示すことが意図された、以下で与えられる詳細な説明から、および添付の図面から、より十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実装形態が動作し得る例示的なシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図2】本開示の実装形態が動作し得る環境効率持続可能性システムアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図3】製造プロセスを監視、持続、および/または最適化するための例示的な方法論のフロー図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカを示す図である。
【
図4B】本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカを示す図である。
【
図4C】本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカを示す図である。
【
図4D】本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカを示す図である。
【
図4E】本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカを示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実装形態による、プロセスパラメータ値窓の例示的な説明を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正と、生じた、環境効率への影響とを探査するための方法の説明を示す図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別することに関連する方法のフロー図である。
【
図7B】本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別することに関連する方法のフロー図である。
【
図7C】本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別することに関連する方法のフロー図である。
【
図8】本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別するための方法の説明を示す図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、例示的な環境資源消費報告を示す図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、例示的な環境資源消費報告を示す図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、例示的な環境資源消費報告を示す図である。
【
図10A-Left】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10A-Middle】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10A-Right】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10B-Left】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10B-Middle】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10B-Right】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10C-Left】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10C-Right】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10D-Left】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10D-Middle】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10D-Right】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10E-Left】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10E-Middle】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図10E-Right】いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の様々なビューを示す図である。
【
図11】本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する、例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
環境効率(ecological-efficiency/eco-efficiency)特性評価は、製造ツールのツール影響環境効率の使用中の特定の製造ツールに関連する入力(たとえば、資源、利用など)のレベルがどのくらい異なるかを決定するために使用される複雑な技法である。環境効率特性評価は、単位当たり(または単位時間当たり)の環境効率を最大限にし、有害な環境影響を最小限にする製造ツールを開発するのを助けるために、製造ツールの開発中に有益であり得る。環境効率特性評価は、ツール開発後にも有益であり得るが、ツールは、どのツールが動作しているかに従って特定のパラメータを考慮してツールの単位当たりの環境効率特徴を微調整するように動作可能である。
【0010】
本明細書で説明される実施形態は、製造ツールの環境効率特性評価を、そのツールの設計、開発、および製造プロセス全体にわたって系統的に実施するためのシステムを提供する。いくつかの実施形態では、多数のプロセス方策および製造ハードウェア構成の環境効率を監視および探査することのフレキシビリティおよび容易さを提供する、センサデータ、物理学、モデル、アルゴリズム、およびユーザインターフェース(UI)を活用することによって、材料エンジニアリング仕様と環境効率仕様の両方を満たす、技術者開発プロセスおよび負担を支援することが可能なエンジニアリングプラットフォームが説明される。実施形態は、複数のプロセス(たとえば、半導体デバイス(たとえば、メモリ、論理、集積回路(IC))当たりの累積消費)の環境効率特性評価および最適化の統合をさらに提供する。実施形態は、環境資源消費および/または環境影響(たとえば、デバイス、ダイ、ウエハ単位当たりなど)を低減するために修正および/または最適化をさらに決定するために、製造プロセスおよび/または製造設備に関連するデジタルレプリカを用いた環境効率特性評価を使用することをさらに提供する。実施形態は、(たとえば、物理的試験および経験的結果を必要とすることなしに)デジタルレプリカを使用して、製造システム修正および生じた環境効率影響を探査するためのプラットフォームをさらに提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、環境効率は、単位当たりで計算される。典型的には、単位当たりの環境効率は、製造ツール開発プロセスにおいては考慮されない。追加的に、製造ツールが使用中である間(たとえば、ツールがウエハ生産のために使用される間)、そのツールに関する設定を調節するために単位当たりの環境効率を特徴付けることは面倒で複雑なプロセスであり得る。さらに、以前の解決策は、人間の特別な環境効率訓練、ならびに環境効率特性評価分析のための専門的な技術者および分析者を使用していた。本開示の実施形態は、単位当たりでの環境効率特性評価のための改善された方法、システム、およびソフトウェアを提供する。これらの方法、システム、およびソフトウェアは、特別な環境効率訓練を受けていない個人によって使用され得る。
【0012】
一実施形態では、環境効率特性評価は、ウエハ製造設備の設計ステージおよび動作ステージの間を含む、製造設備ライフサイクルのすべてのステージにおいてソフトウェアツールによって実施され得る。環境効率は、設備生産の単位当たり(たとえば、ウエハ当たり、または製造されるデバイス当たり)に消費される環境資源(たとえば、電気エネルギー、水、ガスなど)の量を含み得る。環境効率はまた、設備生産の単位当たりに生成される環境影響(たとえば、CO2放出、重金属廃棄物など)の量として特徴付けられ得る。
【0013】
単位が製造ツールによって動作される任意の測定可能な量(たとえば、基板(ウエハ)、ダイ、面積(cm2)、時間期間、デバイスなど)である単位当たり分析は、環境効率のより精密な特性評価を可能にする。「単位当たり」での環境効率は、生産される単位当たりの資源使用量および環境影響の正確な決定を可能にし、値の尺度として容易に操作され得る。たとえば、特定の製造ツールが、ウエハ通過当たり1.0~2.0kWhの電気エネルギーウエハ通過当たり環境効率レーティングを有する(他の実施形態では、環境効率レーティングは、ウエハ通過当たり0.5kWh未満であり、最高20kWhであり、さらには20kWhよりも大きいことがある)と決定され得、これは、製造ツールによって動作される各ウエハが、たとえば、ウエハ通過当たり1.0~2.0kWhの電気エネルギーを使用し得ることを示す。他の実施形態では、様々な他の量の電気エネルギーが使用され得る。ウエハ通過当たりで環境効率を決定することは、年間ウエハスループットにおけるばらつきに起因して異なる年間電気エネルギー消費値を有する他の製造ツールとの容易な比較を可能にする。一実施形態では、環境効率はまた、ウエハ当たりの環境効率特性評価をウエハ当たりのデバイスの数で割ることによって、デバイス当たりで決定され得る。
【0014】
設備製造の早期設計ステージの間に環境効率特性評価を実施することは、設計者が最小限のコストで、より良好でより環境効率の高い設計選択をすることを可能にする。環境効率は、製造設備の設計ステージにおいて早期に操作および改善され得る。設計プロセスにおける早期の環境効率特性評価は、より良好でより環境に優しい構成要素選択、サブシステム設計、システム統合、プロセス設計、プロセス材料選択、およびシステム構成を可能にし得る。
【0015】
ツールのための開発プロセスにおけるいかなる時にも、技術者は、そのツールの構成を変え得、これは、そのツールのための環境効率モデルの変更を引き起こし得る。構成に対する変更、および生じた、環境効率モデルに対する変更は、データベースに記憶され得る。一実施形態では、設計者は、環境効率に関連する変更がなされたとき、製造設備設計の更新をリアルタイムで目にし得る。設計者は、所望の用途のために所望の環境効率をもつ設備または副構成要素を選択し得る。さらに、環境効率(たとえば、単位当たりの環境効率)は、副構成要素のための既知の環境効率特性評価(たとえば、単位当たりの環境効率特性評価)に基づいて製造設備について計算され得る。副構成要素についてのそのような既知の環境効率特性評価は、データベースに記憶され得る。別の実施形態では、環境効率は、製造設備の副構成要素の各々についての製造設備ベースの組み合わされたユーティリティおよび利用データについて計算され得る。
【0016】
構成要素および副構成要素は、比較および対比され得る。環境効率モデルが特定の設備または副構成要素のためにまだ存在していない場合、設計者は、その設備に関して環境効率分析を実施し、生じた環境効率モデルをデータベースに記憶し得る。設計者らは、開発中の設備の様々なバージョンを保存するための選択肢を有し得、各バージョンが、関連する環境効率モデルを有する。このやり方では、バージョニングは追跡可能であり、環境効率は、所望の環境効率を有する設備設計バージョンを決定することによって最適化され得る。いくつかの実施形態では、構成要素および副構成要素間の比較は、複数のチャンバマッチングを有する複数のデバイス間のチャンバとチャンバのマッチングへの、パターン、問題、および/または見解を決定するために使用され得る。構成要素および副構成要素またはバージョン間のそのような比較および対比の結果として、全体的な環境効率性能、カーボンフットプリントなどの消費節約が報告され得る。
【0017】
製造設備およびサブシステムは、時々、様々な用途で使用され、各用途がそれ自体の環境効率を有する。そのような状況では、同じ設備または副構成要素が異なる条件下で使用されるための複数の環境効率特性評価がデータベースに記憶され得る。設計者がデータベースから適切な設備を選択したとき、設計者は、各々がそれ自体の環境効率特性評価をもつ設備についての様々な用途を提示され得る。設計者は、適切な用途にマッチするように設備のパラメータを修正し、環境効率特性評価を実施し、結果をデータベースに戻して記憶し得る。
【0018】
別の実施形態では、環境効率特性評価は、動作中、製造設備自体に対して実施され得る。製造設備は、設備の利用およびユーティリティ使用データなどのリアルタイム変数にアクセスし、そのリアルタイム変数を環境効率モデルにおいて使用し得る。この実施形態では、製造設備は、製造設備の現在の動作条件を考慮して環境効率を最大限にするために設備に関する設定を微調整し得る。設備に対する環境効率特性評価は、理論上の、平均の、または予想される変数条件を使用して設計された製造設備の環境効率を微調整するのに有益であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、環境効率特性評価は、デジタルレプリカを使用して決定され得る。製造プロセス、または製造プロセスの第1の製造プロセスの製造動作を実施するための製造設備のうちの1つを含む選択が、デジタルレプリカに入力され得る。デジタルレプリカは、製造プロセスおよび/または製造設備の物理学ベースのモデルを含み得る。物理学ベースのモデルは、モジュール/サブシステム消費が、完全に物理学ベースのモデルまたは低減次数モデル(たとえば、赤外ベースのランプ加熱サブシステムなどのサブシステムが開発される前に概念化されたランプ加熱変動)を使用して推定される仮定のシナリオを可能にし得る。いくつかの実施形態では、デジタルレプリカは、製造プロセスまたは製造設備の物理条件(たとえば、ガスが排気(exhaust)および/またはフォアラインから出ることによって行われる加熱損失、エネルギー消費など)を決定するために、統計モデルなどの他のモデルを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、環境効率特性評価は、複数の製造プロセスに統合され得る。たとえば、デバイスまたはプロセス構成要素当たりの累積消費が、累積環境効率をまとめるために様々なデバイスおよびプロセスにわたって計算され得る。追加的または代替的に、複数の製造設備にわたって共有される設備などの補助またはサポート設備(たとえば、副製造設備)設備が特徴付けられ得る。たとえば、ポンプ、軽減(abatement)、ヒータジャケット、ろ過システムなどのデバイスおよび/または設備、あるいは基板を直接的に処理するために使用されない他のデバイスも同様に環境効率について監視され、特徴付けられ得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、製造プロセス(たとえば、プロセスのサブセットまたは複数のプロセス)への修正は、環境資源使用量データまたは環境効率特性評価に基づいて決定され得る。たとえば、環境資源使用量データは、機械学習モデルへの入力として使用され得る。機械学習モデルからの1つまたは複数の出力が取得され得、それらは、製造プロセスへの修正、およびいくつかの実施形態では、修正がしきい値条件を満たすという信頼性のレベルを示す。製造プロセスへの修正は、製造プロセスの選択の環境効率を改善すること(たとえば、環境資源消費および/または環境影響を低減すること)に関連し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、製造プロセスへの1つまたは複数の修正を決定することは、製造プロセスのための最適化手順に関連し得る。本システムおよび/または方法論は、所定の環境最適化要件を満たすように、製造プロセスに適用するための複数の修正を決定し得る。たとえば、地方条例は、いくつかの資源(たとえば、電力、水など)の使用量のレベルに対して制限を課すか、または異なる報酬メカニズムによってより低い消費実践への動機づけを行い得る。本明細書で説明される環境効率システムおよび方法論(たとえば、監視特徴としてのリアルタイムダッシュボード)は、準拠の証拠として必要な報告を準備するために容易に使用され得、環境効率最適化特徴は、製造システムのための節約を実現するために使用され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、準拠報告は、半導体製造設備のためのエネルギー、電気、および生産保全のための半導体施設システムガイドライン(SEMI S23-0813)において公表される半導体製造装置材料協会(SEMI)などの一般に認められたコードおよび/または規格に基づく報告を含み得る。たとえば、SEMI S23-0813は、重要なユーティリティのエネルギー変換因子(ECF)(たとえば、流量単位当たりのエネルギー消費)を提供する。ECFは、ユーティリティのエネルギー消費を推定し得、半導体製造施設におけるエネルギー節約を推定するために使用される。
【0024】
いくつかの実施形態では、環境効率は、たとえば、エネルギー消費、(水素、窒素、薄膜のエッチングまたは堆積のために使用される化学物質、CDA(クリーンドライエア)などの)ガス消費、および/または(プロセス冷却水(PCW)、脱イオン水(DIW)、および超純水(UPW)などの)水消費など、資源消費に基づく。しかしながら、いくつかの実施形態では、環境効率は、製造設備に関連する構成要素のライフサイクルデータに基づく。たとえば、環境効率特性評価に関連する環境資源消費および/または環境影響は、製造設備の消耗部品の交換手順または維持手順に関連し得る。修正は、製造設備の消耗部品の維持手順に関連し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、製造プロセスを特徴付けること、および最適化することは、方策ビルダ方法論を含み得る。方策ビルダ方法論は、個々の製造ステップの資源消費および/または環境影響を、方策生成および/または修正プロセスの一部として動的に計算することを含み得る。ユーザは、処理ステップを実施するためにプロセスステップおよび/または製造設備の様々な組合せ、部分的組合せ、および/または順序付けを追加、削除、および/または修正することが可能であり得る。修正された方策は、修正された方策の環境効率を決定するために分析され得る。プロセスを実施することは、たとえば、ウエハを処理すること、ウエハを輸送すること、プロセスステップを可能にする補助/サポート設備、および/または製造プロセスに関連する他の機能を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、製造設備の第1の構成を有し、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新が受信される。更新は、環境資源データを決定するためにデジタルレプリカとともに使用され得る。デジタルレプリカは、基板製造システムのデジタル複製を含み得る。環境資源使用量データは、上記で説明されたように、更新を組み込んだ基板製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示し得る。環境資源使用量データは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために提供され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、製造システムの更新は、第1のハードウェアサブシステムデバイスを、第1のハードウェアサブシステムデバイスとは異なる1つまたは複数の動作仕様を有する第2のハードウェアサブシステムデバイスと交換することを含み得る。例示的な実施形態では、製造システムの更新は、製造設備の第1の構成を製造設備の第2の構成に変えることを含み得る。例示的な実施形態では、製造システムの更新は、基板製造システムの物理的アセットのスケジュールされた動作モードを変えることを含み得、スケジュールされた動作モードは、低減電力モードを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムのサポートアセットのスケジュールされた動作モードを共有動作モードに変えることを含み、共有動作モードにおいて動作するサポートアセットは、1つまたは複数のプロセス手順を行う基板製造システムの複数の物理的アセットについてのサポート機能の実行を交互に行う。
【0028】
前に説明されたように、デジタルレプリカは、基板製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの物理学ベースのモデルを含み得る。物理学ベースのモデルは、基板プロセスチャンバのサイズおよび形状寸法と環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、基板処理チャンバのサイズまたは形状寸法のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システム内で使用されるパージガスのタイプと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、システムをパージするために使用されるガスのタイプおよび量を修正することによって環境資源消費がどのように変更されるかに関連し得る。たとえば、特定の資源消費更新は、使用されるパージガスを、窒素などの第1のパージガスからクリーンドライエア(CDA)に変更することによって、環境資源消費がどのように影響を受けるかを含み得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、排熱デバイス、ガス軽減デバイス、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。
【0029】
図1は、本開示の実装形態が動作し得る例示的なシステムアーキテクチャ100を示すブロック図である。
図1に示されているように、システムアーキテクチャ100は、製造システム102、データストア112、サーバ120、クライアントデバイス150、および/または機械学習システム170を含む。機械学習システム170は、サーバ120の一部であり得る。いくつかの実施形態では、機械学習システム170の1つまたは複数の構成要素は、完全にまたは部分的にクライアントデバイス150に統合され得る。製造システム102、データストア112、サーバ120、クライアントデバイス150、および機械学習システム170は、各々、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイル通信デバイス、セルフォン、ハンドヘルドコンピュータ、または同様のコンピューティングデバイスを含む、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによってホストされ得る。本明細書で使用されるサーバは、サーバを指し得るが、エッジコンピューティングデバイス、オンプレミスサーバ、クラウドなどをも含み得る。
【0030】
製造システム102、データストア112、サーバ120、クライアントデバイス150、および機械学習システム170は、(たとえば、本明細書に説明される方法論を実施するために)ネットワークを介して互いに結合され得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク160は、互いへのアクセスおよび他のプライベートで利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスをシステムアーキテクチャ100の各要素に提供するプライベートネットワークである。ネットワーク160は、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤネットワーク(たとえば、イーサネットネットワーク)、ワイヤレスネットワーク(たとえば、802.11ネットワークまたはWi-Fiネットワーク)、セルラネットワーク(たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、クラウドネットワーク、クラウドサービス、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、および/またはそれらの任意の組合せを含み得る。代替的または追加的に、システムアーキテクチャ100の要素のいずれかは、一緒に統合され得るか、またはさもなければネットワーク160の使用なしに結合され得る。
【0031】
クライアントデバイス150は、任意のパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビジョン(「スマートTV」)、ネットワーク接続メディアプレイヤ(たとえば、ブルーレイプレイヤ)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OOT)ストリーミングデバイス、オペレータボックスなどであり得るか、またはこれを含み得る。クライアントデバイス150は、ブラウザ152、アプリケーション154、ならびに/または、説明されるような、およびシステムアーキテクチャ100の他のシステムによって実施されるような、他のツールを含み得る。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス150は、製造システム102、データストア112、サーバ120、および/または機械学習システム170にアクセスすることと、1つまたは複数の環境資源消費(たとえば、環境資源消費)および/または環境影響を含む環境効率の指示、ならびに/あるいは本明細書で説明されるような、システムアーキテクチャ100の処理の様々なステージにおける様々なプロセスツール(たとえば、構成要素統合ツール122、デジタルレプリカツール124、最適化ツール126、方策ビルダツール128、資源消費ツール130など)の入力および出力を通信すること(たとえば、送信および/または受信すること)とが可能であり得る。
【0032】
図1に示されているように、製造システム102は、機械設備104、設備コントローラ106、プロセス方策108、およびセンサ110を含む。機械設備104は、イオン注入装置、エッチングリアクタ(たとえば、処理チャンバ)、フォトリソグラフィデバイス、(たとえば、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、イオン支援堆積(IAD)などを実施するための)堆積デバイスの任意の組合せ、または製造デバイスの任意の他の組合せであり得る。
【0033】
製造方策または製造プロセス命令とも呼ばれるプロセス方策108は、指定の順序で適用されたとき、製造されたサンプル(たとえば、所定の性質を有する、または所定の仕様を満たす基板またはウエハ)を作成するプロセス実装形態を伴う機械動作の順序付けを含む。いくつかの実施形態では、プロセス方策は、データストアに記憶されるか、あるいは、代替的または追加的に、製造プロセスのステップまたは動作を示すデータの表を生成するような様式で記憶される。各ステップは、所与のプロセスステップの既知の環境効率を記憶し得る。代替的または追加的に、各プロセスステップは、プロセスステップによって必要とされる物理条件(たとえば、ターゲット圧力、温度、排気、エネルギースループットなど)を示すパラメータを記憶し得る。
【0034】
設備コントローラ106は、プロセス方策108のステップを行うことが可能なソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を含み得る。設備コントローラ106は、センサ110を通して製造プロセスを監視し得る。センサ110は、プロセス基準が満たされているかどうかを決定するためにプロセスパラメータを測定し得る。プロセス基準は、(たとえば、
図5に関連して説明されるような)プロセスパラメータ値窓に関連し得る。センサ110は、消費(たとえば、電力、電流など)を(明示的に、または消費の尺度として)測定するために使用され得る様々なセンサを含み得る。センサ110は、物理センサ、モノのインターネット(IoT)、および/または仮想センサ(たとえば、物理センサではないが、パラメータ値を推定するモデルに基づく仮想測定値に基づくセンサ)を含み得る。
【0035】
追加的または代替的に、設備コントローラ106は、様々なプロセスステップの資源消費(たとえば、排気、エネルギー消費、プロセス原料消費など)を測定することによって、環境効率を監視し得る。いくつかの実施形態では、設備コントローラ106は、関連する機械設備104の環境効率を決定する。設備コントローラ106はまた、現在の製造条件を踏まえて設備104の環境効率を最適化するように、(たとえば、プロセス方策108への決定された修正を含む)決定された環境効率モデルに基づいて製造設備104に関連する設定を調節し得る。
【0036】
一実施形態では、設備コントローラ106は、メインメモリ(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、および/または2次メモリ(たとえば、ディスクドライブ(drive)などのデータストアデバイス(たとえば、データストア112またはクラウドデータ))を含み得る。メインメモリおよび/または2次メモリは、様々なタイプの製造プロセス(たとえば、プロセス方策108)を実施するための命令を記憶し得る。
【0037】
一実施形態では、設備コントローラ106は、製造設備104に関連する第1のユーティリティ使用データおよび製造設備104に関連する第1の利用データに基づいて、製造設備104に関連する実際の環境効率特性評価を決定し得る。第1のユーティリティ使用データおよび第1の利用データは、たとえば、設備コントローラ106によって決定され得る。別の実施形態では、第1のユーティリティ使用データおよび第1の利用データは、外部ソース(たとえば、サーバ120、クラウドサービス、および/またはクラウドデータストア)から受信される。設備コントローラ106は、実際の環境効率特性評価を、製造設備104に関連する第1の環境効率特性評価(たとえば、第1の推定環境効率特性評価)と比較し得る。環境効率特性評価は、動作している製造設備104に関連する実際の値とは異なる使用および利用データ値が第1の環境効率特性評価を算出するために使用されたとき、異なり得る。
【0038】
一実施形態では、設備コントローラ106は、第1の環境効率特性評価が、実際の環境効率特性評価よりも環境効率が高いことを決定し得、これは、環境効率のために製造設備104をより良好に最適化するために製造設備104に関する設定を調節することが可能であり得ることを示す。いくつかの実施形態では、製造設備104は、環境効率をより良好に最適化するために副構成要素設定を制御および調節し得る。
【0039】
設備コントローラ106はまた、実際の使用データ、実際の利用データ、および環境効率特性評価に基づいて、実際の使用データまたは実際の利用データが第1の環境効率特性評価に関連する使用データおよび利用データと同じでないことを決定し得る。これは、公称または推定データ値が、第1の環境効率特性評価を決定するために使用され、異なる実際の記録されたデータ値が、製造設備104が動作している間に使用されるとき、当てはまり得る。そのようなシナリオでは、製造設備104に関連する1つまたは複数の設定に対する調節は、製造設備の環境効率を最適化するのに有益であり得る。
【0040】
データストア112は、メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ)、ドライブ(たとえば、ハードドライブ、フラッシュドライブ)、データベースシステム、あるいはクラウドサーバおよび/またはプロセッサによって提供されるストアなど、データを記憶することが可能な別のタイプの構成要素またはデバイスであり得る。データストア112は、1つまたは複数の履歴センサデータを記憶し得る。データストア112は、(たとえば、履歴および/または現在の環境効率データを含む)1つまたは複数の環境効率データ114、(たとえば、履歴および/または現在のセンサおよびプロセス方策データ116を含む)センサおよびプロセス方策データ116、(たとえば、履歴および/または現在の修正および最適化データ118を含む)修正および最適化データ、ならびにデジタルレプリカデータ119を記憶し得る。センサおよびプロセス方策データ116は、重複する製造設備上で複数のプロセスを実施するために、様々なプロセスステップ、プロセスパラメータ窓、代替のプロセスステップ、プロセスキューイング命令などを含み得る。センサおよびプロセス方策データ116は、様々なプロセスステップ、方策などにわたる環境効率を追跡するために、環境効率データ114とリンクされ得るか、またはさもなければこれに関連し得る。修正および最適化データ118は、(個々のプロセスステップ、または複数のプロセス方策のまとまりを含む)以前のプロセス方策に対して行われた履歴修正、および修正から生じた関連する環境効率変更を含み得る。
【0041】
環境効率データ114は、環境効率特性評価において使用される様々な消費資源を含み得る。一実施形態では、環境効率データ114は、水使用量、放出、電気エネルギー使用量、およびそれらの任意の組合せのうちの1つまたは複数を組み込む。他の実施形態では、環境効率データ114は、ガス使用量、重金属使用量、および富栄養化ポテンシャルなどの他のカテゴリーについての資源消費を含み得る。
【0042】
デジタルレプリカデータ119は、デジタルレプリカに関連するデータを含み得る。デジタルレプリカデータ119は、デジタルツインに関連するデータを含み得る。本明細書で使用されるデジタルツインは、製造設備104など、物理的アセットのデジタルレプリカを含み得る。デジタルツインは、製造プロセスの各ステージにおける物理的アセットの特徴を含み、特徴は、限定はしないが、座標軸次元、重み特徴、材料特徴(たとえば、密度、表面粗さ)、電気的特徴(たとえば、導電率)、光学的特徴(たとえば、反射率)などを含む。
【0043】
前に説明されたように、デジタルレプリカは、基板製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの物理学ベースのモデルを含み得る。デジタルレプリカデータ119は、物理学ベースのモデルの1つまたは複数の態様に関連する関係、パラメータ、仕様などをカプセル化し得る。たとえば、物理学ベースのモデルは、基板プロセスチャンバのサイズおよび形状寸法と環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、基板処理チャンバのサイズまたは形状寸法のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システム内で使用されるパージガスのタイプと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、システムをパージするために使用されるガスのタイプおよび量を修正することによって環境資源消費がどのように変更されるかに関連し得る。たとえば、特定の資源消費更新は、使用されるパージガスを、窒素などの第1のパージガスからクリーンドライエア(CDA)に変更することによって、環境資源消費がどのように影響を受けるかを含み得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、排熱デバイス、ガス軽減デバイス、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。
【0044】
サーバ120は、構成要素統合ツール122、デジタルレプリカツール124、最適化ツール126、方策ビルダツール128、資源消費ツール130、および/または探査ツールを含み得る。構成要素統合ツール122は、デバイス当たり(たとえば、個々の製造設備当たり)の累積消費を決定し得る。サーバ120の様々なツールは、本明細書で説明されるように、各々の機能を行うために互いの間でデータを通信し得る。
【0045】
構成要素統合ツール122は、製造データ(たとえば、方策、方策の選択、製造設備、方策間および方策内プロセスなど)を受信し、データの様々な区分にわたって環境効率分析を実施し得る。いくつかの実施形態では、構成要素統合ツール122は、個々のプロセス方策から複数のプロセスステップにわたって環境効率特性評価を決定し得る。たとえば、構成要素統合ツール122は、開始から終了までチップ製造プロセスのすべてのステップにわたって環境効率特性評価を決定し得る。たとえば、各製造ステップは、各々が、環境効率特性評価と、一緒に、共同環境効率特性評価とを有する、1つまたは複数の製造ステップ(たとえば、数百個の製造ステップ)を含み得る。別の例では、プロセスの選択は、製造プロセスステップのサブセットの環境効率を決定するために使用され得る。
【0046】
別の実施形態では、構成要素統合ツール122は、方策間プロセスの環境効率特性評価を実施し得る。たとえば、環境効率特性評価は、複数の異なる製造プロセス(たとえば、プロセス方策108)からの複数の異なるプロセスステップを実施する(たとえば、製造システム102の)製造デバイスに関連し得る。別の例では、様々なプロセスステップ(たとえば、方策内または方策間)の順序付けは、全体的な環境効率に影響を及ぼし得る。構成要素統合ツール122は、製造デバイスのシステムおよび/またはプロセスのシーケンスにわたって全体的な環境効率特性評価を実施し得る。たとえば、構成要素統合ツール122は、同様の機能を実施する副構成要素(たとえば、複数の処理チャンバ)間で環境効率比較を実施し得る。
【0047】
例示的な例では、各プロセスステップは、エピタキシャル堆積またはエッチングなど、処理チャンバによって行われ得る。これらの各々は、プロセス方策を使用して行われる。エピタキシャル堆積などのプロセスを実施するための多くの異なるプロセス方策があり得る。たとえば、プロセス方策は、1)チャンバをパージする、2)ポンピングする、3)ガスを流入する、4)チャンバを加熱するなど、複数のステップを含み得る。これらのステップは、1つまたは複数のプロセス方策に関連し得る。
【0048】
別の実施形態では、構成要素統合ツール122は、補助設備の環境効率を含む環境効率特性評価を実施し得る。補助設備は、製造のために直接的には使用されないが、様々なプロセス方策を行うことを支援する設備を含み得る。たとえば、補助設備は、様々な製造デバイス間でウエハを移動させるように設計された基板輸送システムを含み得る。別の例では、補助設備は、ヒートシンク、共有の排気口、電力供給システムなどを含み得る。構成要素統合ツール122は、補助デバイス資源消費を考慮し、補助デバイス資源消費と製造資源消費とを組み合わせて、プロセス方策(たとえば、サブセットまたは全方策)または方策(たとえば、サブセットまたは全方策)の組合せについての資源消費を決定し得る。
【0049】
別の実施形態では、構成要素統合ツール122は、プロセスまたは方策のシーケンスを考慮する環境効率特性評価を実施し得る。たとえば、プロセスステップA、それに続いてプロセスステップBを実施することは、第1の資源消費を生じ得る一方、プロセスステップB、それに続いてプロセスステップAを実施することは、第1の資源消費とは異なる第2の資源消費を生じ得る。構成要素統合ツール122は、複数の機械設備および/またはプロセスステップにわたって環境効率を統合し、プロセス方策(たとえば、サブセットまたは全方策)または方策(たとえば、サブセットまたは全方策)の組合せのためのプロセスステップのシーケンスを考慮する。
【0050】
いくつかの実施形態では、プロセスステップの各々のために異なる製造設備がある。たとえば、ウエハ上の膜は、複数の層を有し得る。第1の機械は、第1の動作(たとえば、堆積)を実施し得、第2の機械は、第2の動作(たとえば、エッチング)を実施し得、第3の機械は、第3の動作(たとえば、堆積)を実施し得るなどである。構成要素統合ツール122は、複数の機械にわたる複数の処理ステップを追跡してデータ保管報告を生成するように資源消費トラッカーに命令し得る。前に述べたように、消費報告は、開始から終了までのウエハの寿命を含む、処理方策の選択のために描写され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、構成要素統合ツール122は、チャンバとチャンバの環境資源消費比較を実施し得る。構成要素統合ツールは、2つのチャンバ間の環境効率の差についての論拠を示す1つまたは複数の物理的データを提供するために、デジタルレプリカツール124を活用し得る。
【0052】
デジタルレプリカツール124は、製造システム102および/またはクライアントデバイス150から製造データを受信し、その製造データに関連するデジタルレプリカを生成する。製造データは、機械設備104およびプロセス方策108へのプロセスステップの選択を含み得る。デジタルレプリカツール124は、製造システムの物理システムアーキテクチャまたは(たとえば、クライアントデバイス150上でユーザによって生成された)仮想入力されたシステムのデジタルツインを生成する。
【0053】
デジタルレプリカツール124によって生成されるデジタルレプリカは、物理学モデル、統計モデル、および/またはハイブリッドモデルのうちの1つを含み得る。物理学モデルは、入力された製造データの物理条件(たとえば、排気温度、電力供給要件、および/または環境資源消費に関連する物理学環境を示す他の条件)を推定するように設計された物理学ベースの制約および制御アルゴリズムを含み得る。たとえば、ユーザは、クライアントデバイス150上でプロセス方策を作成し得る。プロセス方策は、プロセスまたは方策のためのパラメータおよび機械設備を特定のやり方で使用するための命令を含み得る。デジタルレプリカツール124は、この製造データをとり、システムの物理制約(たとえば、動作温度、圧力、排気パラメータなど)を決定する。たとえば、物理学モデルは、チャンバのハードウェア構成(たとえば、タイプAの設備材料を使用するか、タイプBの設備材料を使用するか)および/または方策パラメータに基づいてシステムの物理条件を識別し得る。別の例では、物理条件は、水、空気、ならびに/または暖房、換気、および空調(HVAC)設備への熱損失に影響を及ぼす関連機械設備部品から決定され得る。デジタルレプリカツール124は、受信された製造データの環境効率特性評価を予測するために他のツール(たとえば、構成要素統合ツール122および/または資源消費ツール130)と協働し得る。デジタルレプリカツール124は、製造設備104によってプロセス方策を実施することから経験的データを受信することなく、製造プロセスおよび製造設備の選択の環境効率を予測し得るということを留意されたい。したがって、製造設備のデジタルレプリカは、実際に特定の設備設計を構築することまたは特定のプロセス方策を実行することなく、設備設計および/またはプロセス方策の環境効率を予測するために使用され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカツール124は、デジタルツインに関連して動作し得る。本明細書で使用されるデジタルツインは、製造された部品など、物理的アセットのデジタルレプリカである。デジタルツインは、製造プロセスの各ステージにおける物理学アセットの特徴を含み、特徴は、限定はしないが、特に、座標軸次元、重み特徴、材料特徴(たとえば、密度、表面粗さ)、電気的特徴(たとえば、導電率)、光学的特徴(たとえば、反射率)を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカツール124によって使用される物理モデルは、流体流モデリング、ガス流および/または消費モデリング、化学ベースモデリング、熱伝達モデリング、電気エネルギー消費モデリング、プラズマモデリングなどを含み得る。
図4A~
図4Eは、デジタルレプリカツール124によって活用され得る様々な物理学ベースのモデルを概説する。
【0056】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカツール124は、統計モデリングを用いて製造データの環境効率を予測し得る。統計モデルは、製造データを検証、予測、および/または変換するために統計動作を使用して、以前に処理された履歴環境効率データ(たとえば、環境効率データ114)に基づいて製造データを処理するために使用され得る。いくつかの実施形態では、統計モデルは、データについての制御限界を決定し、それらの制御限界に基づいてデータを多かれ少なかれ信頼できるものとして識別するために、統計プロセス制御(SPC)分析を使用して生成される。いくつかの実施形態では、統計モデルは、単変量および/または多変量データ分析に関連する。たとえば、様々なパラメータが、統計プロセス(たとえば、範囲、最小、最大、四分位数、分散、標準偏差など)を通してパターンおよび相関を決定するために統計モデルを使用して分析され得る。別の例では、複数の変数間の関係は、回帰分析、経路分析、因子分析、多変量統計プロセス制御(MCSPC)、および/または多変量分散分析(MANOVA)を使用して確認され得る。
【0057】
最適化ツール126は、プロセス方策108および機械設備104の選択を受信し得、環境効率を改善する(たとえば、資源消費、資源コスト消費、および/または環境影響(たとえば、大気に入るガスまたは微粒子核種)を低減する)ために選択への修正を識別し得る。最適化ツール126は、機械学習モデル(たとえば、機械学習システム170のモデル190)の使用を組み込み得る。機械学習モデルは、プロセス方策および/または機械設備の選択を入力として受信し、製造システム102によって実施されるときにその選択の全体的な環境効率を改善する、選択への1つまたは複数の修正を決定し得る。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、訓練のために合成製造データを生成するためのデジタルレプリカツールを使用し得る。代替的または追加的に、機械学習モデルは、機械学習モデルを訓練するために履歴データ(たとえば、環境効率データ114、センサおよびプロセス方策データ116、ならびに/または修正および最適化データ118)を使用し得る。
【0058】
最適化ツール126によって識別される修正は、プロセスステップを変えること、プロセスの順序を変更すること、1つの機械設備によって実施されるパラメータを変えること、第1のプロセス方策と第2のプロセス方策との相互作用(たとえば、順序、同時動作、遅延時間など)を変えることなどを含み得る。いくつかの実施形態では、最適化ツール126は、最適化を直接的に実施するために命令を製造システム102に送り得る。しかしながら、他の実施形態では、最適化ツールは、オペレータが操作するためにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に修正を表示し得る。たとえば、デジタルレプリカツール124は、ブラウザ152および/またはアプリケーション154における表示のために、1つまたは複数の修正をクライアントデバイス150に送り得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、最適化ツール126は、デジタルレプリカツール124によって生成されたデジタルツインモデルのハイパーパラメータを調節し得る。後の実施形態において説明されるように、最適化ツール126は、シミュレートされた修正をデジタルレプリカに対して実行し、デジタルレプリカから出力された環境効率結果を評価することによって、強化学習および/または深層学習を組み込み得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、最適化ツール126は、環境効率特性評価、および環境資源の1つまたは複数のタイプを優先させる最適化を実施し得る。たとえば、前に説明されたように、環境効率特性評価は、水使用量、ガス使用量、エネルギー使用量などの様々な資源消費に基づき得る。最適化ツール126は、第1の資源消費(たとえば、水使用量)を第2の資源消費(たとえば、ガス使用量)よりも優先させる最適化を実施し得る。いくつかの実施形態では、最適化ツール126は、重み付けされた優先システムを使用する最適化を実施し得る。たとえば、環境効率を最適化し、および/または製造プロセスへの環境効率修正を識別するとき、1つまたは複数の資源消費は、関連する単位当たりの資源消費のための最適化優先を示す重みを割り当てられ得る。
【0061】
方策ビルダツール128は、製造プロセスおよび/または機械設備の選択を受信し、仮想製造プロセスおよび/または設備選択に対する各追加、削除、および/または修正後に、ステップごとに動的に環境効率を決定および予測し得る。方策ビルダツール128は、製造方策が更新されたとき、決定された環境効率を動的に更新するために、他のツール(たとえば、構成要素統合ツール122、デジタルレプリカツール124、最適化ツール126、および資源消費ツール130)を使用することができる。たとえば、ユーザは、製造方策を作成し得る。方策ビルダツール128は、プロセス方策の現在の反復の現在の環境効率を出力し得る。方策ビルダツール128は、プロセス方策を更新した現在の反復への修正を受信し得る。方策ビルダツール128は、更新された環境効率特性評価を出力し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、方策ビルダツール128および最適化ツール126は、1つまたは複数の方策を他のものよりも環境効率的であるものとして識別するために使用され得る。たとえば、方策ビルダツール128は、プロセスツールに関連する最もエネルギー効率的な方策のうちの1つまたは複数(たとえば、上位3つ)の、GUI(たとえば、クライアントデバイス150)上での提示を引き起こすか、またはさもなければ行い得る。方策ビルダツール128は、デジタルレプリカツール124を使用して、1つまたは複数のエネルギー効率的な方策が、なぜ対応する高い環境効率においてよく機能しているかについての論拠を示す詳細を提供し得る。
【0063】
資源消費ツール130は、様々な資源消費を追跡し得る。たとえば、前に述べたように、環境特性評価は、エネルギー消費、ガス放出、水使用量などのより幅広い資源に基づき得る。しかしながら、資源消費ツール130は、資源消費をより具体的に追跡することができる。いくつかの実施形態では、プロセス方策および/または製造設備の選択は、資源消費ツール130によって受信される。資源消費ツール130は、製造設備および/またはプロセス方策の選択に関連する構成要素のライフサイクルデータを決定することができる。たとえば、製造設備は、使用によりすり減り、いくつかの事例では、交換および/または構成要素を修理することなどの是正処置を必要とする。この是正処置はまた、環境消費(たとえば、是正処置を実施すべき資源消費)に関連する。資源消費ツール130は、構成要素寿命データを個々に追跡し、実施されるべき予期される将来の是正処置に基づいて単位当たりの環境資源消費および/または環境影響を提供し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、環境資源消費は、様々な内訳(breakdown)にわたって監視、追跡、および/またはさもなければ決定され得る。いくつかの実施形態では、資源消費ツール130は、エネルギー、ガスおよび水消費のライブ監視を実施し得る。資源消費ツール130は、(たとえば、ウエハ当たり、一日当たり、一週間当たり、一年当たりなどの)チャンバの総電気、ガス、および水消費を計算することを含む、チャンバレベル消費を決定し得る。資源消費ツール130は、(たとえば、一日当たり、一週間当たり、一年当たりなどの)ツールの総電気、ガス、および水消費を決定することを含む、ツールレベル消費を決定し得る。資源消費ツール130は、(たとえば、ウエハ当たり、一日当たり、一週間当たり、一年当たりなどの)個々のガス消費の分割(break up)を計算することを含む、個々のガス消費を決定し得る。資源消費ツール130は、チャンバおよびツールレベルのエネルギー、ガス、および水消費を含む、標準報告を生成し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、資源消費ツール130は、(たとえば、一日当たり、一週間当たり、一年当たりなどの)すべての副製造構成要素の総電気、ガス、および水消費を決定し得る。資源消費ツールは、対応するチャンバおよび/またはツール上で実行される任意の方策の総電気、ガス、および水消費を含む、方策レベル消費を決定し得る。資源消費ツールは、チャンバ中のすべてのエネルギー消費構成要素についてのエネルギー消費の分割を含む、構成要素レベル消費を決定し得る。資源消費ツール130は、オンデマンドのカスタマイズされた情報を決定することを含むオンデマンドのカスタマイズされた報告と、オンデマンドでのカスタマイズされた環境効率報告とを実施し得る。資源消費ツール130は、異なる方策についてのエネルギー消費、および/エネルギー節約を定量化することを含む時点と、方策最適化を使用する(たとえば、最適化ツール126を使用する)エネルギー節約機会との間の比較を実施し得る。
【0066】
探査ツール132は、製造設備104の1つまたは複数の更新の影響を決定する際に、デジタルレプリカツール124と通信し得る。探査ツール132は、基板製造システム(たとえば、製造設備104)のデジタル複製を含むデジタルレプリカを生成するために、デジタルレプリカツール124を活用し得る。探査ツールは、製造設備の更新を受信し、ユーザが、特に、使用される設備の様々な代替配置、設備の構成、設備性能に関連するプロセスパラメータを探査することを可能にし得る。探査ツール132は、本明細書で説明されるように更新を組み込んだ基板製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源使用量データを決定するために、資源消費ツール130を用い得る。環境資源使用量データは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の(たとえば、クライアントデバイス150上の)表示のために提供され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、製造システムの更新は、第1のハードウェアサブシステムデバイスを、第1のハードウェアサブシステムデバイスとは異なる1つまたは複数の動作仕様を有する第2のハードウェアサブシステムデバイスと交換することを含み得る。例示的な実施形態では、製造システムの更新は、製造設備の第1の構成を製造設備の第2の構成に変えることを含み得る。例示的な実施形態では、製造システムの更新は、基板製造システムの物理的アセットのスケジュールされた動作モードを変えることを含み得、スケジュールされた動作モードは、低減電力モードを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムのサポートアセットのスケジュールされた動作モードを共有動作モードに変えることを含み、共有動作モードにおいて動作するサポートアセットは、1つまたは複数のプロセス手順を行う基板製造システムの複数の物理的アセットについてのサポート機能の実行を交互に行う。
【0068】
いくつかの実施形態では、デジタルツインは、製造プロセスステップに関連するいくつかの消耗品の寿命を推定するために使用され得る。寿命データは、寿命持続時間を推定し、予測された寿命に応答してとられるべき次の矯正ステップを予測するために使用され得る。たとえば、寿命データは、交換部品注文についてサプライチェーンに事前対応的に通知することによって、最適化された環境効率性能を維持するために使用され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、サーバの他のツールによって決定される環境資源使用量データは、第1の製造設備の消耗部品の交換手順または維持手順のうちの一方に関連する環境資源消費および/または環境影響を含み得る。いくつかの実施形態では、最適化ツール126は、機械設備(たとえば、機械設備104)の構成要素に関連する補正された処置を実施することを含み得る製造プロセスへの修正を決定し得る。
【0070】
探査ツール132は、製造システムに関連する所有コスト分析を実施し得る。所有コスト分析は、システムを所有し、および/または動作させるための総コストを計算するために、製造システムのインターワーキングへの包括的な分析を含み得る。探査ツール132は、顧客が特定の製造手順を実施するためのコストを計算し得る。探査ツール132は、ウエハコスト、システムによって使用されるガスに対応するコスト、使用されているツールに関連するコスト(たとえば、寿命低下データ)、および製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施するための電気を決定し得る。所有コストは、単位当たり(たとえば、ウエハ当たり)で計算され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、機械学習システム170は、サーバマシン172、サーバマシン180、および/またはサーバマシン192をさらに含む。サーバマシン172は、機械学習モデル190を訓練、検証、および/または試験するためにデータセット(たとえば、データ入力のセットおよびターゲット出力のセット)を生成することが可能なデータセットジェネレータ174を含む。データセットジェネレータ174のいくつかの動作は、
図7A~
図7Cに関して以下で詳細に説明される。
【0072】
サーバマシン180は、訓練エンジン182、検証エンジン184、および/または試験エンジン186を含む。エンジン(たとえば、訓練エンジン182、検証エンジン184、および/または試験エンジン186)は、ハードウェア(たとえば、回路、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコード、処理デバイスなど)、(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、または専用マシン上で実行される命令などの)ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、またはそれらの組合せを指し得る。訓練エンジン182は、データセットジェネレータ174からの訓練セットに関連する特徴の1つまたは複数のセットを使用して機械学習モデル190を訓練することが可能であり得る。訓練エンジン182は、1つまたは複数の訓練された機械学習モデル190を生成し得、各訓練された機械学習モデル190は、訓練セットの特徴の個別セットおよび/または訓練セットのラベルの個別セットに基づいて訓練され得る。たとえば、第1の訓練された機械学習モデルは、デジタルレプリカツール124によって出力される資源消費データを使用して訓練されていることがあり、第2の訓練された機械学習モデルは、履歴環境効率データ(たとえば、環境効率データ114)を使用して訓練されていることがある、などである。
【0073】
検証エンジン184は、データセットジェネレータ174からの検証セットを使用して、訓練された機械学習モデル190を検証することが可能であり得る。試験エンジン186は、データセットジェネレータ174からの試験セットを使用して、訓練された機械学習モデル190を試験することが可能であり得る。
【0074】
(1つまたは複数の)機械学習モデル190は、データ入力、およびいくつかの実施形態では、対応するターゲット出力(たとえば、それぞれの訓練入力のための正しい回答)を含む訓練セットを使用して訓練エンジン182によって作成される1つまたは複数の訓練された機械学習モデルを指し得る。データ入力をクラスタ化する、および/またはデータ入力をターゲット出力(正しい回答)にマッピングするデータセット中のパターンが発見され得、機械学習モデル190は、これらのパターンを捕捉する、マッピングを提供される、および/またはマッピングを学習する。(1つまたは複数の)機械学習モデル190は、人工ニューラルネットワーク、深層ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク(たとえば、長短期メモリ(LSTM)ネットワーク、convLSTMネットワークなど)、および/または他のタイプのニューラルネットワークを含み得る。機械学習モデル190は、追加的または代替的に、線形回帰、ガウス回帰、ランダムフォレスト、サポートベクトルマシンなどのうちの1つまたは複数を使用するものなど、他のタイプの機械学習モデルを含み得る。
【0075】
修正識別構成要素194は、現在のデータを訓練された機械学習モデル190に提供し得、入力に対して訓練された機械学習モデル190を実行して、1つまたは複数の出力を取得し得る。修正識別構成要素194は、訓練された機械学習モデル190の出力から、決定を行うことおよび/または動作を実施することが可能であり得る。MLモデル出力は、MLモデル出力(たとえば、修正および最適化パラメータ)が、適用されると製造プロセスおよび/または製造設備の選択の全体的な環境効率を改善する修正に対応するという信頼性のレベルを示す信頼性データを含み得る。修正識別構成要素194は、いくつかの実施形態では、MLモデル出力に基づいてプロセス方策修正を実施し得る。修正識別構成要素194は、サーバ120の1つまたは複数のツールにMLモデル出力を提供し得る。
【0076】
信頼性データは、MLモデル出力が正しい(たとえば、MLモデル出力が訓練データアイテムに関連する既知のラベルに対応する)という信頼性のレベルを含み得るか、またはこれを示し得る。一例では、信頼性のレベルは、両端値を含む0から1の間の実数であり、0は、MLモデル出力が正しいという信頼性がないことを示し、1は、MLモデル出力が正しいという絶対的な信頼性を示す。信頼性データが、所定の数のインスタンス(たとえば、インスタンスのパーセンテージ、インスタンスの頻度、インスタンスの総数など)についてしきい値レベルを下回る信頼性のレベルを示すことに応答して、サーバ120は、訓練された機械学習モデル190が再訓練されることを引き起こし得る。
【0077】
限定ではなく説明の目的のために、本開示の態様は、プロセス方策データを使用し、製造プロセスおよび/または製造設備の現在の選択を訓練された機械学習モデルに入力して、MLモデル出力(特定の資源消費のターゲット環境効率などのプロセス修正および最適化パラメータ)を決定する機械学習モデルの訓練を説明する。他の実装形態では、発見的モデルまたはルールベースのモデルが、(たとえば、訓練された機械学習モデルを使用せずに)出力を決定するために使用される。
【0078】
いくつかの実施形態では、製造システム102、クライアントデバイス150、機械学習システム170、データストア112、および/またはサーバ120の機能は、より少ない数のマシンによって提供され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、サーバマシン172および180が、単一マシンに統合され得る一方、いくつかの他の実施形態では、サーバマシン172、サーバマシン180、およびサーバマシン192が、単一マシンに統合され得る。いくつかの実施形態では、サーバ120、製造システム102、およびクライアントデバイス150が、単一マシンに統合され得る。
【0079】
一般に、一実施形態では製造システム102、クライアントデバイス150、および/または機械学習システム170によって実施されるものとして説明される機能は、適切な場合、他の実施形態では、サーバ120上でも実施され得る。加えて、特定の構成要素に帰属する機能性は、一緒に動作する異なるまたは複数の構成要素によって実施され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、サーバ120は、製造データを受信し、機械学習動作を実施し得る。別の例では、クライアントデバイス150は、訓練された機械学習モデルからの出力に基づいて製造データ処理を実施し得る。
【0080】
加えて、特定の構成要素の機能は、一緒に動作する異なるまたは複数の構成要素によって実施され得る。サーバ120、製造システム102、または機械学習システム170のうちの1つまたは複数は、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通して他のシステムまたはデバイスに提供されるサービスとしてアクセスされ得る。
【0081】
実施形態では、「ユーザ」が、単一の個人として表され得る。しかしながら、本開示の他の実施形態は、「ユーザ」が、複数のユーザおよび/または自動ソースによって制御されるエンティティであることを包含する。たとえば、管理者のグループとしてフェデレーションされた(federated)個人ユーザのセットが、「ユーザ」とみなされ得る。
【0082】
図2は、本開示の実装形態が動作し得る環境効率持続可能性システムアーキテクチャ200を示すブロック図である。システムアーキテクチャ200は、1つまたは複数の副構成要素204(たとえば、処理チャンバ)をもつ処理ツール202の選択を含む。システムアーキテクチャは、1つまたは複数の副構成要素をサポートする、電源、ポンプ、空気流、冷却剤流など、サポート設備をさらに含み得る。前に説明されたように、処理ツール202は、基板を処理するために使用される様々な製造ツールを含む。線206において、センサは、製造データ(たとえば、エネルギー消費センサデータ、ガスおよび水消費データなど)を測定し、コモングラウンドアーキテクチャ208に送信する。コモングラウンドアーキテクチャ208は、製造プロセスステップを行い、プロセスパラメータ(たとえば、臨界プロセスパラメータ、機械設備診断パラメータ、または製造プロセスを別途示すパラメータ)を管理するように構成された1つまたは複数の制御アルゴリズムを含み得る。
【0083】
コモングラウンドアーキテクチャ208は、センサデータを(たとえば、ワイヤードセンサ、および/またはモノのインターネット(IOT)センサなどのワイヤレスセンサから)データ管理アルゴリズム(たとえば、積分アルゴリズム210)に送信し得る。積分アルゴリズム210は、処理ツール202から受信された製造データをパースして、環境効率特性評価を実施するためのデータの一部分を選択し得る。積分アルゴリズム210は、製造プロセスステップおよび/または製造設備の選択に対して累積環境効率特性評価を実施するためにデータを引き出す。選択されたデータは、処理ツール202の(たとえば、各副構成要素204の)物理条件を決定するために物理学ベースのモデル214に関連して使用され得る。データは、(たとえば、線218において)搭載シーケンサおよび/またはプランナからの、あるいはオペレータからのスケジューリング情報と組み合わせられ得る。スケジューリング情報は、次の方策、ツールアイドル状態、保守などを示すデータを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数のデータおよび/またはモデルは、製造中央スケジューラネットワークまたはソフトウェアシステム、あるいは製造実行システムのうちの1つまたは複数において統合され得る。
【0084】
スケジューリングデータと組み合わせられた製造データの選択は、物理学ベースのモデル214に入力される。いくつかの実施形態では、物理学ベースのモデルは、機構モデルである。機構モデルは、データ結合の物理/機構表現を決定するために、製造データの個々のデータ点およびスケジューリング情報の仕組み、ならびに個々のデータ点が結合される様式を調査する。いくつかの実施形態では、機構モデルは、資源消費の予測を決定するためにデータを処理することを含み得る。たとえば、機構モデルは、製造データを処理して、資源消費(たとえば、水、エネルギー、ガスなど)予測および/または環境影響(たとえば、大気に入るガスまたは微粒子核種)を決定し得る。機構モデルは、履歴製造データを使用して生成され得、後に、予測を決定するために現在のデータに対して使用され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)物理学ベースのモデル214は、熱力学、流体力学、エネルギー保全、気体法則、機械システム、エネルギー保全、輸送、および供給などの様々な物理学関係を組み込み得る。たとえば、処理ツールは、冷却プロセスを実施するために製造設備デバイスの一部への冷却水流を含み得る。物理学モデルは、生の製造データを、その環境効率について特徴付けられ得るシステムプロセスデータに変換するためのモデルを決定するために、流体機構を熱伝達と組み合わせ得る。いくつかの実施形態では、物理学モデルは、しきい値資源消費条件が満たされているかどうかを決定するために使用され得る。同じ例によると、物理学モデルは、副構成要素内の流体の流量、および熱伝達率を決定するために使用され得る。この熱伝達率がしきい値を下回る場合、追加のエネルギーが、排気のために失われ得る。したがって、物理学モデルは、所望のレベルの環境効率を維持するために流体流量が所望の流量レベルを下回って動作していることを決定することができる。(1つまたは複数の)物理学ベースのモデル214に関する追加の詳細が、
図4A~
図4Eに関連して説明される。
【0086】
いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)物理学ベースのモデル214は、補助または周辺設備動作資源消費を組み込む。たとえば、制御アルゴリズムを処理ツール202に(たとえば、コモングラウンドアーキテクチャ208を使用して)提供するために処理デバイスに電力供給するエネルギー消費。補助設備は、製造設備に近接して配設されないことがあり、また単一の製造プロセスに直接的に関連しないことがあるが、(1つまたは複数の)物理学ベースのモデル214を使用する様々な製造プロセスステップ(または個々の製造プロセス)への寄与として割り当てられ得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、物理学モデルの使用に加えて、またはこれと代替的に、統計モデルが、製造データに対して使用される。統計モデルは、製造データを検証、予測、および/または変換するために、統計動作に基づいてデータを処理するために使用され得る。いくつかの実施形態では、統計モデルは、データについての制御限界を決定し、それらの制御限界に基づいてデータを多かれ少なかれ信頼できるものとして識別するために、統計プロセス制御(SPC)分析を使用して生成される。いくつかの実施形態では、統計モデルは、単変量および/または多変量データ分析に関連する。たとえば、様々なパラメータが、統計プロセス(たとえば、範囲、最小、最大、四分位数、分散、標準偏差など)を通してパターンおよび相関を決定するために統計モデルを使用して分析され得る。別の例では、複数の変数間の関係は、回帰分析、経路分析、因子分析、多変量統計プロセス制御(MCSPC)、および/または多変量分散分析(MANOVA)を使用して確認され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、システムアーキテクチャ200は、適応型最適化アルゴリズム216を含む。適応型最適化アルゴリズム216は、製造プロセスおよび/または関連プロセスを実施する製造設備の選択への修正を決定するために、(1つまたは複数の)物理学ベースのモデル214と協働する。いくつかの実施形態では、適応型最適化アルゴリズムは、(たとえば、線224において)ソフトウェアを制御するために自動最適化コマンドを出力する。他の実施形態では、適応型最適化アルゴリズムは、(たとえば、線220において)性能を最適化するためにオペレータに提案を出力し得る。いくつかの実施形態では、適応型最適化アルゴリズムは、(たとえば、線222において)ハードウェア構成要素に向けた自動最適化コマンドを出力する。
【0089】
いくつかの実施形態では、適応型最適化アルゴリズム216は、製造プロセスおよび/または製造設備への修正を決定するために機械学習モデルを使用する。機械学習モデルは、(たとえば、方法700A~Cを使用して訓練および実行される)訓練された機械学習モデルであり得る。さらなる実施形態において説明されるように、機械学習モデルは、入力として受信される製造プロセスおよび/または設備への修正を識別するために物理学ベースのモデルとともに動作し得る。
【0090】
システムアーキテクチャ200は、総合ダッシュボードGUI212を含み得る。総合ダッシュボードGUIは、関連製造データ(たとえば、センサデータ、機械設備診断、機械設備ステータス、製造プロセスステータスなど)を表示するように設計され得る。いくつかの実施形態では、総合ダッシュボードGUIは、ユーザからの入力を受信するための方法を含む。たとえば、ユーザは、方策を生成するために製造データを(たとえば、方策ビルダツール128を使用して)入力し得る。この追加の製造データは、(1つまたは複数の)物理学ベースのモデルおよび適応型最適化アルゴリズム216のうちの1つまたは複数への入力として使用され得る。実施形態では、ダッシュボードは、フリートビューと、ツールビューと、設備ビューと、対応する環境資源消費を示す図表を用いて様々なデータを示すシステム概略図とを含む。
図10A~
図10Eは、総合ダッシュボードGUI212に関係するさらなる特徴、態様、および/または詳細を説明する。
【0091】
図3は、製造プロセスを監視、持続、および/または最適化するための例示的な方法論300のフロー図を示す。例示的な方法論は、2つの部分:第1に、機械学習モデルを訓練すること324、および第2に、製造プロセスを実装すること304に分けられ得る。例示的な方法論300は、一実施形態では、機械学習モデル302、ツールソフトウェア306、ツールハードウェア308、および物理学モデル312を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、製造プロセスおよび/または製造設備の選択を受信すること、ならびに環境効率を改善する(たとえば、資源消費を低減する)ために製造プロセスおよび/または製造設備への1つまたは複数の修正を出力することである。いくつかの実施形態では、物理学モデル312は、シミュレートされた訓練/検証データ320を(たとえば、方法700Aを使用して)生成するために使用される。受信されたシミュレートされた訓練/検証データ320に応答して、機械学習モデル302は、物理学モデル312に返され、検証され得るシミュレートされた修正318を生成する。機械学習モデル302は、様々なシミュレートされたおよび/または実際の訓練/検証データ320に対して訓練される。一旦訓練されると、機械学習モデル302は、システムによって実施されるべき経験的な製造システムおよび/またはプロセス方策の選択を受信し得る。機械学習モデル302は、ツールソフトウェア306を実装する設備コントローラ(たとえば、設備コントローラ106)に製造プロセス命令および/または修正304を出力する。これらの修正は、環境効率を改善し得る。ツールソフトウェア306は、製造プロセス命令314をツールハードウェア308に提供する。ツールハードウェア308は、製造プロセスを実施する。ツールハードウェアは、ツールソフトウェア306を実装する設備コントローラにセンサデータを報告するセンサを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、設備コントローラは、ツールハードウェアの1つまたは複数の物理条件を、しきい値条件に違反するものとして識別する。(たとえば、高温、過圧、ガス漏れ、電力不足など)。設備コントローラは、(たとえば、機械学習モデル302からの出力に基づいて)違反しているしきい値条件を是正するために製造プロセス命令を修正し得る。
【0094】
ツールハードウェア308を含む製造システムは、経験的な訓練/検証310を物理学モデル312に報告する。次いで、物理学モデルは、更新され得、機械学習モデルのさらなる訓練のために使用され得るシミュレートされた訓練/検証データ320を生成および更新し得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の)物理学モデル312は、シミュレートされた訓練/検証データを生成するが、他の実施形態では、(1つまたは複数の)物理学モデルは、製造プロセスへの修正を出力する。そのような実施形態では、機械学習モデルは、製造プロセスをさらに最適化するための修正を識別するためにハイパーパラメータ(たとえば、製造データパラメータ)を調整する最適化モデルとして使用され得る。たとえば、製造プロセスは、物理学モデル312への入力として使用され得る。機械学習モデルは、次いで、製造プロセスに対する可能な変更(すなわち、ハイパーパラメータ)を識別するために物理学モデル312の出力を処理し得る。識別された変更は、物理学モデルに対して実行されて、対応する更新された環境効率を決定し得る。これは、設備設計および/または方策設計を微調整するために反復プロセスにおいて繰り返され得る。一例では、最適化モデルは、ブロイデンフレッチャーゴールドファーブシャンノ(BFGS)アルゴリズムのインスタンス、共役勾配(CG)アルゴリズム、ネルダーミードアルゴリズムのインスタンス、および/またはモデル予測制御(MPC)アルゴリズムを使用して生成および/または実装され得る。
【0096】
図4A~
図4Eは、本開示のいくつかの実装形態による、例示的なデジタルレプリカ400A~Eを示す。デジタルレプリカ400は、製造システムの選択のデジタルツインを含み得、たとえば、同じチャンバ、弁、ガス供給線、材料、チャンバ構成要素などを含む製造システムのデジタル複製を含み得る。デジタルレプリカ400は、製造設備処理データ(たとえば、センサデータ)404A~Cおよびプロセス方策404Dを入力として受信し、製造システムの物理条件406を出力することができる。いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400は、熱力学、流体力学、エネルギー保全、気体法則、機械システム、エネルギー保全、輸送、および供給などの様々な物理学関係を組み込むことができる物理学ベースのモデルを含む。
【0097】
たとえば、
図4Aに見られるように、デジタルレプリカ400Aは、第1のガス404Aの第1のガス流、第2のガス404Bの第2のガス流、および第3のガス404Cの第3のガス流、ならびに第1のプロセス方策404Dを入力として受信する。デジタルレプリカは、ガス流による、チャンバから出るエネルギーの量を推定するために物理学ベースのモデルを使用する。たとえば、このモデルは、排気の温度および排気を通る総エネルギー流を決定する。別の例では、同じデジタルレプリカ400が、チャンバの異なるハードウェア構成(たとえば、第1の線タイプAを使用するのか、第2の線タイプBを使用するのか)などの環境効率最適化修正を出力し得る。デジタルレプリカは、水、空気、およびHVACへの熱損失に影響を及ぼすシステムの関連部分を識別し、エネルギー保全を改善するために、提案された最適化を識別し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Aは、製造システム全体にわたって1つまたは複数の場所において使用されるガスを含んでいる1つまたは複数のガスパネルまたはガスボックスについての排気を決定することを含むことができる。たとえば、各ガスボックスは、(たとえば、毒素が製造施設、または製造システムの望ましくないロケーションに入らないようにするために)ガス線の漏れまたはより一般的には誤動作の場合などにガスを効果的に排出するために、負圧を用いた専用の排気を使用し得る。デジタルレプリカは、ガスボックスのガスの可能なタイプおよび体積に関する情報を活用するデジタルツインの一部であり、ガスを適切に処分する(たとえば、漏れを排出する)ために必要とされる排気流の調節を決定し得る。排出流量は、排気圧力および流れを考慮して決定され得る。排出流は、最小安全しきい値および/または規格を維持しながら環境効率を最適化するような、関連するパラメータの決定を含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Aは、プロセスチャンバ内の加熱に基づいて、排気の温度と、排気を通る総エネルギー流とを示し得る。たとえば、プロセスチャンバは、基板プロセス手順中に基板ペデスタルなどの1つまたは複数のプロセス設備を含み得る。チャンバ内からの過剰熱は、排気を通して軽減され得る。ペデスタルの動作は、排気を通して失われる熱を低減するために変えられ得る。加熱要素と、ペデスタル内のまたは基板とペデスタルとの間のガスまたは液体冷却剤などの冷却媒体を循環させることによって過剰熱を除去する冷却要素との両方を含む、基板をサポートするためのペデスタルなどの熱伝達アセンブリにおける熱伝達を制御するために報告されたいくつかの方法がある。プロセス中に、設定された範囲を超えて基板温度が増加したとき、加熱要素はオフにされ、冷却要素はアクティブにされて、過剰熱を除去し、それにより温度を制御する。このプロセスに関連する1つまたは複数のパラメータは、どのくらいの過剰熱が排気を通して失われたかを決定するために、デジタルレプリカ400Aへの入力として使用され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Aは、エネルギー流、および/あるいは、失われた前駆体または軽減もしくはスクラバシステムから出た反応の副産物を含む、化学物質を示し得る。たとえば、電子材料、デバイス、製品、太陽電池およびメモリ物品(以下「電子デバイス」)の製造からのガス流出物(effluent)ストリームは、多種多様な化合物、有機化合物、酸化剤、フォトレジストおよび他の試薬の分解産物、ならびに、望ましくは流出物ストリームがプロセス施設から大気に排出される前に流出物ストリームから除去され得る他のガスおよび浮遊微粒子を伴い得る。
【0101】
軽減されるべき流出物ストリームは、電子デバイス製造プロセスによって生成された核種、および/または電子デバイス製造プロセスに供給され、化学的変質なしにプロセスチャンバを通過した核種を含み得る。本明細書で使用される「電子製造プロセス」という用語は、電子デバイスの製造におけるすべての処理および単位動作、ならびに、電子デバイスおよび/またはLCD製造施設において使用されるかまたはそれによって生産された材料の扱いまたは処理を伴うすべての動作、ならびに、アクティブ製造(例は、プロセス設備の調整、動作の準備において化学物質供給線をパージすること、プロセスツールチャンバのエッチング洗浄、電子デバイスおよび/またはLCD製造施設によって生産された流出物からの毒性のもしくは危険なガスの軽減などを含む)を伴わない電子デバイスおよび/またはLCD製造施設に関して行われるすべての動作を含むと広く解釈されるものとする。
【0102】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Aは、漏れているガスの、または洗浄手順の一部としての排気流を考慮する。たとえば、ガスは、アセットの寿命を増加させるために、製品の性能を改善するために、または実施するために準備しタスクを与えた異なる機能について製品を準備するためになど、製造アセットから定期的にフラッシュされ得る。デジタルレプリカ400は、このパージ手順を実施することに関連する環境消費(たとえば、エネルギー消費、ガス消費)を決定し得る。たとえば、デジタルレプリカ400Aは、システムをフラッシュする(たとえば、システム内の動的ガス移動を維持するために、常にシステムにガス流を提供する)ために使用されるエネルギーおよび/またはガス消費を示し得る。デジタルレプリカ400Aは、処理システム内の1つまたは複数のガス流量(たとえば、パージガス)を調節することによってエネルギーおよび/またはガス消費がどのように変えられるかを示し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Aは、プロセス方策408Aを活用し、どんなガスが処理チャンバに入っているか、処理チャンバ内に配設された基板上でどんな反応が生じているか、基板反応とともにガスのどんな利用が生じるかを決定し得る。デジタルレプリカ400Aは、基板の表面上で反応が生じた後にどんなガスがどんな量で残っているかをさらに決定し得る。デジタルレプリカ400Aは、軽減を通して失われたガスの量およびタイプをさらに決定し得る。デジタルレプリカ400Aは、それのどんな最終副産物が軽減されるかと、最終副産物が環境に対して及ぼす全体的な影響とをさらに決定し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の基板処理手順は、ターゲットプロセス結果条件を満たす基板を処理するために処理チャンバへのおよび/または処理チャンバからの一貫したガス流を必要とし得る。基板処理システムは、チャンバへの空気流をオン/オフにすることからの過渡空気流を低減するために、1つまたは複数の、排出口への流れ(flow-to-vent)-チャンバへの流れ(flow-to-chamber)遷移を実施することによって、定常ガス流手順を行い得る。たとえば、第1のガス流が初期化および排出され得、ガス流が安定すると、排出された空気をチャンバに向けることによって、ガスの定常流がプロセスチャンバに提供され得る。デジタルレプリカ400Aは、このプロセスの結果としてのガス消費(たとえば、排出を通して失われたガス)を決定し得る。たとえば、デジタルレプリカは、遷移時間と、ガスの流れを初期化または終了することの過渡期間中にガスを排出することを通して失われたガスの量とを識別し得る。デジタルレプリカは、ガスの排出とガスをチャンバに向けることとの間の遷移に対する最適化を決定し得る。遷移時間を最適化することは、ガスが定常状態に達した時間を識別しながら、排出を通して失われるガスを低減し得る。いくつかの実施形態では、ガス流の遷移カデンス(cadence)は、プロセス結果要件に基づいて決定され得る。たとえば、ガス流遷移時間は、対応するプロセスチャンバ内のプロセス結果に悪影響を及ぼさない流量を含むように決定(たとえば、最適化)され得る。
【0105】
図4Bは、製造システムの物理的アセットの1つまたは複数の動作状態に関連する環境効率データを決定することに関連するデジタルレプリカ400Bを示す。
図4Bに示されているように、デジタルレプリカ400Bは、製造システムの物理的アセットの1つまたは複数の動作状態に関連するデータを受信し得る。たとえば、デジタルレプリカ400Bは、低減電力データ402Bと、スリープモードデータ404Bと、共有動作モードデータ406Bと、デジタルレプリカ400Bによって表される製造システムによって実施される1つまたは複数の処理手順を示すプロセス方策データ408Bとを受信し得る。
【0106】
1つまたは複数の物理的アセットが動作時間およびアイドル時間中に様々な動作状態において動作するとき、エネルギー節約が生じ得る。たとえば、製造プロセスの異なるステップにおいて、サブファブ設備の様々な要素は、必要でないことがあり、したがって、要素がどのくらいすぐに必要とされる可能性があるかに依存して、スリープ状態、アイドル状態、休止状態、またはオフ状態に入れられ得る。電力節約低電力状態の例は、アイドル状態、スリープ状態、および休止状態を含む。3つの電力節約状態間の主な差は、持続時間およびエネルギー消費である。スリープまたは休止など、より深いレベルのアイドルモードエネルギー節約は、製造プロセスの品質または歩留まりに影響を及ぼすことなしにフル生産を達成するためにエネルギー節約モードから回復するのに、より長い時間期間を必要とする。最もよく知られている方法(BKM:best known method)温度および圧力への、プロセスチャンバおよび関連するサブファブ設備の回復は、サブファブ設備およびプロセスチャンバの電力節約状態に関連するBKMチャンバ条件からの逸脱の程度に応じて、数秒、数分、または数時間を要し得る。アイドル状態は典型的には数秒間持続し、スリープ状態は典型的には数分間持続し、休止状態は典型的には数時間持続する。
【0107】
デジタルレプリカ400Bは、製造システムの物理的アセットの1つまたは複数の動作/電力状態を識別し、所与のシナリオ(たとえば、システムハードウェアアーキテクチャ、サブシステムハードウェアアーキテクチャ、プロセスの1つまたは複数のプロセス方策、いくつかのスケジュールされたプロセスを実施することなど)においてその電力状態を使用することの影響を決定し得る。たとえば、デジタルレプリカ400Bは、製造システムに対して(1つまたは複数の)電力調節を実際に実施する前に、アイドルまたはフル電力または変調について、そのような電力状態およびシナリオのその影響を決定する、デジタルツインの一部であり得る。
【0108】
プロセスツールと、関連する製造システムサブファブとは、動作必要に基づいて様々な異なる電力構成を有し得る。たとえば、製造動作を完了した後に運転停止動作を実施するために、様々な空気流および軽減システムがフル能力において動作している間にプロセスツールが「オフ」状態にある、電力構成が存在し得る。本出願では、「低電力構成」という用語は、プロセスツールおよび/または製造システムサブファブの1つまたは複数の要素が、1つまたは複数のコントローラによって、特定のプロセス方策ステップ中のエネルギー消費の異なるレベルなど、電力節約モードにおいて、あるいは、上記で説明されたアイドル、スリープ、および休止状態、またはオフ状態など、動作の非生産アイドルモードにおいて動作するように命令される、任意の状態を指す。
【0109】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のサポートアセットが、2つ以上の他の物理的アセットにサポート機能性を提供し得る。たとえば、2つのプロセスチャンバのポンピングは、単一のポンプによって実施され得る。2つの物理的アセット間で動作を交互に行うためにサポートアセットを活用することは、エネルギーと全体的な環境コストとを低減し得る。
【0110】
デジタルレプリカ400Bは、1つまたは複数の対応する動作モードにおいて動作する1つまたは複数の物理的アセットに関連する環境資源消費データ410Bを識別し得る。デジタルレプリカ400Bは、1つまたは複数の物理的アセットが、対応するツールがアイドル状態、または物理的アセットの需要が低い状態を経験する期間中に、低減電力状態、スリープモード状態、休止状態、および/または共有動作モードデータを活用することを推奨することによって、環境消費コストの低減のための推奨を提供し得る。
【0111】
図4Cは、製造システムの物理的アセットの1つまたは複数の設計に関連する環境効率データを決定することに関連するデジタルレプリカ400Cを示す。デジタルレプリカ400Cは、環境資源消費データ410Cを決定するために、アセット形状寸法データ402Cと、アセット交換データ404Cと、アセット構成データ406Cと、プロセス方策408Cとのうちのいずれか1つまたは複数を入力として受信し得る。
【0112】
アセット形状寸法データ402Cは、製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの1つまたは複数のサイズ、形状、および寸法を示し得る。たとえば、基板処理チャンバは、第1の幾何学的レイアウトを示す仕様を含み得る。処理チャンバの幾何学的レイアウト(たとえば、サイズ、寸法、全体的な形状、ペデスタルのロケーション、プラズマ源から基板までの距離など)は、性能を改善するために変えられ得る。しかしながら、処理チャンバの幾何学的レイアウトを変えることは、環境資源要件に影響を及ぼし得る。たとえば、より大きい体積のチャンバを真空にすることは、概して、より小さい体積のチャンバを真空にするよりも資源集約型である。別の例では、より密なクレビスをもつチャンバを洗浄することは、より大きい量のパージガスを必要とし得る。これらの幾何学的考慮事項の多くは、製造システムの1つまたは複数の処理を実施するための環境資源消費に影響を及ぼす。デジタルレプリカ400Cは、アセット形状寸法の選択および/またはアセット形状寸法の更新を受信し、その選択および/または更新に対応する、対応する環境資源消費データを決定し得る。
【0113】
アセット交換データ404Cは、製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの変更(たとえば、交換)を示す。アセット交換データ404Cは、古いアセットおよび新しいアセットの1つまたは複数の動作パラメータを含み得る。たとえば、動作仕様(たとえば、ポンプ速度、ポンプ負荷、エネルギー要件など)をもつ古いポンプは、新しい動作仕様をもつ新しいポンプと交換され得る。デジタルレプリカ400Cは、1つまたは複数の物理的アセットの交換に関連するデータを受信し、交換に関連する環境資源消費の効果的な更新を決定し得る。いくつかの実施形態では、アセット交換は、製造システムをサポートする、および/または場合によっては製造システムに関係する、製造システムの、電源、ヒータ、ガス流デバイス、流体流デバイス、プラズマ源などのプロセスチャンバの要素、基板処理設備、真空密封設備、計測学設備、システムセンサ、処理デバイスなど、他の物理的アセットを含み得る。
【0114】
アセット構成データ406Cは、製造システムの1つまたは複数のアセットの1つまたは複数の構成を示す。アセット構成データ406Cは、製造システム内の変更がどのように下流プロセスに影響を及ぼし得るかを示す。たとえば、ヒータが変更された場合、デジタルレプリカ400Cは、他のシステムが製造システムの他のサブシステムの変更を補償することを必要とし得る、基板処理(たとえば、ウエハエッチング)効率への影響を決定し得る。別の例では、製造システムは、排気のために失われる熱および環境効率を低減するために、処理チャンバ内に絶縁および/または熱シールドを追加することによって、修正され得る。絶縁および/または熱シールドの追加は、処理チャンバ内の基板の処理に影響を及ぼし得、更新された環境資源コストを生じ得る。デジタルレプリカ400Cは、システムに対する変更を受信し、上流および/または下流プロセスおよび/または手順への影響による環境資源更新を決定する。
【0115】
上述のように、製造システムのサブシステムは、ファクタの中でも、ハードウェア、動作規格、処理手順に応じて、環境資源を動的に消費し得る。前に説明されたのと同様の、サブシステムに対する変更(たとえば、アセット交換、動作状態変更、システム構成更新など)は、サブシステムが1つまたは複数の動作を変えることを生じ得、これは、関連する環境影響の更新を生じ得る。1つまたは複数の変えられた動作は、他の結合されたサブシステムの環境資源消費に影響を及ぼし得る(たとえば、環境資源消費を増加または減少させ得る)。たとえば、互いに近接して配設された複数のRFデバイスは、性能に悪影響を及ぼし得、プロセスは、製造プロセスを実施するためにより大きい量の資源(たとえば、エネルギー)を必要とし得る。デジタルレプリカ400Cは、第1のシステムの変更に基づいて第2のシステムの環境資源消費を決定し得る。デジタルレプリカ400Cは、サブシステム結合(たとえば、別のサブシステムによるサブシステムに対する環境効率および環境資源消費の影響)を定量化し得る。
【0116】
図4Dは、製造システムの物理的アセットの予防保守(PM)および/または洗浄を実施することに関連する環境効率データを決定することに関連するデジタルレプリカ400Dを示す。
図4Dに示されているように、デジタルレプリカ400Dは、パージガスデータ402Dと、洗浄プロセスデータ404Dと、予防保守データ406Dと、チャンバ回復データ407Dと、プロセス方策408Dとを受信すること、および環境資源消費410Dを含み得る。
【0117】
基板処理は、回路設計に従って、半導体、たとえば、シリコンウエハ中の電気回路を生産する一連のプロセスを含み得る。これらのプロセスは、一連のチャンバにおいて行われ得る。現代の半導体製造施設の成功した動作は、ウエハ中に電気回路を形成する過程においてあるチャンバから別のチャンバに移動されるべきウエハの定常ストリームを容易にすることを目的とし得る。多くの基板手順を実施するプロセスにおいて、処理チャンバの条件は、処理された基板の価値を下げ、処理された基板が、所望の条件またはプロセス結果(たとえば、臨界寸法、プロセス均一性、厚さ寸法など)を満たすことができないことを生じ得る。
【0118】
洗浄プロセスデータ404Dは、洗浄持続時間、頻度、および/またはエッチャント流など、洗浄プロセスに関連する1つまたは複数のパラメータを示し得る。洗浄プロセスは、洗浄手順を行うために活用される洗浄材料、前駆体、エッチャント、および/または他の物質など、いくつかの環境資源を利用し得る。たとえば、洗浄手順は、将来の基板のプロセス結果がしきい値条件(たとえば、プロセス均一性、臨界寸法など)を満たすように(たとえば、ある量の処理されたウエハの後に)あるカデンスまたは頻度で実施され得る。プロセスチャンバ洗浄の頻度は、チャンバによって処理された基板が、依然として、しきい値条件(たとえば、最小プロセス結果要件)を満たすようにこの洗浄頻度スケジュールの下で動作することを生じる洗浄頻度を識別するように、調節(たとえば、最適化)され得る。たとえば、洗浄手順を行うために活用される洗浄材料、前駆体、エッチャント、および/または他の物質など、環境資源を節約するマルチウエハ洗浄手順が実施され得る。デジタルレプリカ400Dは、洗浄データを受信し、洗浄持続時間、頻度、使用される洗浄剤の量などの更新など、洗浄最適化を決定し得る。
【0119】
予防保守データ406Dは、製造システムの1つまたは複数の物理的アセットに関連する1つまたは複数の予防保守手順のタイプ、頻度、持続時間などのうちの1つまたは複数を示す。予防保守手順(たとえば、チャンバ洗浄)は、しばしば、処理チャンバの状態を基板処理生産モード(たとえば、基板の大量処理)に入るのに好適な状態に戻すためのチャンバ回復プロセスの一部として使用される。生産モードのためにチャンバを準備する(たとえば、チャンバを「温める」)ために、予防保守手順の後にしばしば回復手順が使用される。
【0120】
チャンバ回復データ407Dは、製造システムの1つまたは複数の物理的アセットに関連する1つまたは複数のチャンバ回復手順のタイプ、頻度、持続時間などのうちの1つまたは複数を示す。従来採用される一般的な回復手順は、処理チャンバをシーズニングすることである。チャンバシーズニングは、生産基板プロセスに好適であるチャンバ条件を復元する(たとえば、チャンバの壁を被覆すること)ように一連の基板(たとえば、ブランクシリコンウエハ)を処理すること(たとえば、チャンバにおいて処理された基板が所望のしきい値基準を満たすプロセス結果を有すること)を含む手順である。チャンバシーズニングの後に、チャンバは、処理チャンバの状態を復元するために予防保守およびさらなるチャンバシーズニングの別のラウンドが必要とされるかまたはさもなければ推奨されるまで、ある時間期間の間、生産モードにおいて動作し得る。
【0121】
パージガスデータ402Dは、パージガスのタイプ、量、頻度、流量、洗浄持続時間を示し得る。デジタルレプリカ400Dは、採用されたパージガスに関係する1つまたは複数の動作パラメータを変えることの影響を決定し得る。たとえば、デジタルレプリカ400Dは、H2、N2、クリーンドライエア(CDA)などの代替パージガスタイプを使用するパージ手順に切り替えることに基づいて、環境資源消費の更新を決定し得る。
【0122】
図4Eは、製造システムの物理的アセットの1つまたは複数の動作状態に関連する環境効率データを決定することに関連するデジタルレプリカ400Eを示す。
図4Eに示されているように、デジタルレプリカ400Eは、環境資源消費データ410Eを決定するために、冷却剤ループ構成データ402E、プロセス冷却水(PCW)データ404E、周囲空気データ406E、および/またはプロセス方策408Eを受信することを含み得る。
【0123】
基板処理において利用されるプロセスチャンバは、典型的には、プロセス中におよびプロセスが実施された後に繰り返し加熱および冷却されるいくつかの内部構成要素を備える。いくつかの事例では、たとえば、プロセスがプロセスチャンバにおいて実施された後にルーチンサービスまたは保守が必要とされるとき、構成要素は、ほぼ室温まで冷却される。たとえば、冷却剤チャネルを有するプロセスチャンバシャワーヘッドなど、温度制御された構成要素では、典型的な動作温度(たとえば、約摂氏90度)から構成要素を冷却するために、構成要素を加熱する熱源が遮断され得、構成要素から熱を抽出するために冷却剤が冷却剤チャネルを通して流される。
【0124】
冷却剤ループ構成データ402Eは、製造システムの1つまたは複数の物理的アセットから熱を抽出するように構成された1つまたは複数の冷却剤ループの1つまたは複数の形状寸法を示す。1つまたは複数の冷却剤ループは、並列に動作し、複数のループに物理的アセットの共通領域を冷却させ得る。1つまたは複数の冷却剤ループは、互いに直列の複数の物理的アセットを冷却し得る。プロセス冷却水(PCW)データ404Eは、冷却剤(たとえば、プロセス冷却水(PCW))のタイプ、流量、温度など、冷却剤物質の1つまたは複数のパラメータを示す。デジタルレプリカは、1つまたは複数の冷却剤ループを活用する製造システムの環境内でエネルギーがどこに伝達されるかを示す熱流モデルを含み得る。デジタルレプリカ400Eは、熱を冷却ループに向ける物理的アセット(たとえば、チャンバ、チャンバ壁、チャンバシステム)の修正と、熱を冷却ループに向けることによって節約される関連する環境効率とを識別し得る。デジタルレプリカ400Eは、PCW変調が生じるとき、プロセス結果の影響をさらに決定し得る。PCW変調は、製造システムの物理的アセット内の熱交換を変えるために冷却ループ内の流量を変えることを伴い得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Eは、プロセス冷却ループ構成に関連する環境効率を分析および決定するデジタルツインの一部であり得る。たとえば、冷却ループへの修正は、サイズ、流量、形状寸法、およびルーピング構成の調節を含み得る。デジタルレプリカ400Eは、冷却剤流についての並列ループから直列ループへの調節に基づいて、環境効率データの更新を決定し得る。たとえば、デジタルレプリカ400Eは、様々な冷却ループ構成および/または様々な冷却ループ構成の更新に基づいて、システムの全体的な消費およびカーボンフットプリントを決定し得る。
【0126】
周囲空気データ408Eは、周囲空気を通して逃げる熱伝達を示す。周囲空気データ408Eは、周囲空気による熱損失および/またはエネルギー損失を決定するために活用され得る。周囲空気データ408Eは、製造システムの外部の熱損失をさらに示し得るが、環境において製造システムをサポートする。たとえば、周囲空気データ408Eは、ラボラトリシステムなど、製造システムの周囲の環境内の熱の流れを示し得、その熱流は、製造システムを含んでいる環境をサポートする暖房、換気、および空調(HVACユニット)の流量およびプロセス負荷によって示される。いくつかの実施形態では、デジタルレプリカ400Eは、チャンバ内でプロセスを実施するためにチャンバに適用されたエネルギーと、チャンバ壁を通る放射を通して失われたエネルギーとを決定することができる。
【0127】
図5は、本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスステップのための動作パラメータ制限500の例示的な説明である。様々な製造プロセスステップは、満足されるとしきい値条件(たとえば、最低品質条件)を満たす結果を得る対応するパラメータのセットに対して、プロセスパラメータ窓510または値のセット(たとえば、値の組合せ)を示す動作パラメータ制限500を含み得る。たとえば、プロセスパラメータ窓510は、第1のパラメータ502(たとえば、第1のガスの第1の流量)および第2のパラメータ504(たとえば、ガスの温度)を含み得る。製造プロセスを実施し、しきい値条件(たとえば、最低品質規格、統計プロセス制御(SPC)限界、仕様制限など)を満たすために、しきい値条件を満たす可能性の高い製品を生じるパラメータ値組合せを識別するプロセスパラメータ値窓510が決定される。
図5に示されているように、プロセスパラメータ窓510は、第1のパラメータ502に対する下限506Aおよび上限506Aならびに第2のパラメータに対する下限508Bおよび上限508Aを含む。
【0128】
製造プロセスシステムによって(たとえば、適応型最適化アルゴリズム216および/または物理学ベースのモデル214を使用して)識別される最適化は、環境最適化されたプロセスパラメータ窓512の外側のプロセスパラメータ値と比較して低減された量の資源を製造動作に消費させる、プロセスパラメータ窓510内の環境最適化されたプロセスパラメータ窓512を決定することを含み得る。
【0129】
図5は、2つのパラメータ502、504のみに依存した簡略化されたプロセスパラメータ窓510および環境最適化されたプロセスパラメータ窓512を示すことに留意されたい。プロセスパラメータ窓510および環境最適化されたプロセスパラメータ窓512の両方が単純な矩形を形成する。プロセスパラメータ窓は、3つ以上のパラメータを含み得、より多様なパラメータ依存を含むことができる。たとえば、パラメータ間の非線形の、物理学ベースの、統計的な、および/または経験的な関係は、非線形のプロセスパラメータ窓および環境最適化されたプロセスパラメータ窓を引き起こし得る。
【0130】
図6~
図8は、本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスの環境資源消費および/または環境影響に関連して機械学習モデルを訓練および/または使用することに関係する例示的な方法600~800を示すフロー図を示す。説明の簡略性のため、方法600、700A~Cは、一連の行為として示され、説明される。しかしながら、本開示に従う行為は、様々な順序で、および/または同時に、ならびに本明細書で提示および説明されない他の行為を伴って、生じ得る。さらに、示された行為のすべてが、開示された主題に従う方法600~800を実施するために実施されるとは限らない。加えて、当業者は、方法600~800が、代替的に、状態図またはイベントを介して一連の相関状態として表され得ることを理解および諒解するであろう。
【0131】
図6は、本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正と、生じた、環境効率への影響とを探査するための方法の説明である。
【0132】
ブロック601において、処理論理は、製造設備の第1の構成を含み、1つまたは複数のプロセス手順に従って動作する、基板製造システムの更新を示す第1のデータを受信する。
【0133】
ブロック602において、処理論理は、デジタルレプリカとともに第1のデータを使用して、環境資源使用量データを決定する。デジタルレプリカは、基板製造システムのデジタル複製を含む。環境資源使用量データは、更新を組み込んだ基板製造システムによって1つまたは複数のプロセス手順を実施することに対応する環境資源消費を示す。
【0134】
いくつかの実施形態では、更新は、第1のハードウェアサブシステムデバイスを、第1のハードウェアサブシステムデバイスとは異なる1つまたは複数の動作仕様を有する第2のハードウェアサブシステムデバイスと交換することを含む。例示的な実施形態では、更新は、製造設備の第1の構成を製造設備の第2の構成に変えることを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムの物理的アセットのスケジュールされた動作モードを変えることを含み、スケジュールされた動作モードは、低減電力モードを含む。例示的な実施形態では、更新は、基板製造システムのサポートアセットのスケジュールされた動作モードを共有動作モードに変えることを含み、共有動作モードにおいて動作するサポートアセットは、1つまたは複数のプロセス手順を行う基板製造システムの複数の物理的アセットについてのサポート機能の実行を交互に行う。
【0135】
いくつかの実施形態では、デジタルレプリカは、基板製造システムの1つまたは複数の物理的アセットの物理学ベースのモデルを含む。物理学ベースのモデルは、基板プロセスチャンバのサイズおよび形状寸法と環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、基板処理チャンバのサイズまたは形状寸法のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システム内で使用されるパージガスのタイプと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、システムをパージするために使用されるガスのタイプおよび量を修正することによって環境資源消費がどのように変更されるかに関連し得る。たとえば、特定の資源消費更新は、使用されるパージガスを、窒素などの第1のパージガスからクリーンドライエア(CDA)に変更することによって、環境資源消費がどのように影響を受けるかを含み得る。物理学ベースのモデルは、基板製造システムからの熱抽出手順のうちの少なくとも1つと環境資源消費との間の関係を示し得る。更新は、排熱デバイス、ガス軽減デバイス、水冷却デバイス、または通気構造のうちの少なくとも1つへの修正に関連し得る。
【0136】
ブロック603において、処理論理は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上の表示のために環境資源使用量データを提供する。
【0137】
図7A~
図7Cは、本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別することに関連する方法700A~Cのフロー図である。方法700A~Cは、ハードウェア(たとえば、回路、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコード、処理デバイスなど)、(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、または専用マシン上で実行される命令などの)ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、またはそれらの組合せを含み得る処理論理によって実施され得る。いくつかの実施形態では、方法700Aは、部分的に、機械学習システム170(たとえば、サーバマシン172、データセットジェネレータ174など)によって実施され得る。機械学習システム170は、本開示の実施形態に従って、機械学習モデルを訓練、検証、または試験することのうちの少なくとも1つを行うために方法700Aを使用し得る。いくつかの実施形態では、方法700Aの1つまたは複数の動作は、サーバマシン172のデータセットジェネレータ174によって実施され得る。いくつかの実施形態では、方法700B~Cは、部分的に、機械学習システム170(たとえば、サーバマシン172、サーバマシン180、およびサーバマシン192など)によって実施され得る。機械学習システム170は、本開示の実施形態に従って、機械学習モデルを訓練するために方法700Bを使用し得る。機械学習システム170は、本開示の実施形態に従って、訓練された機械学習モデルを使用するために方法700Cを使用し得る。いくつかの実施形態では、方法700B~Cの1つまたは複数の動作は、機械学習システム170の修正識別構成要素194によって実施され得る。
図1~
図6のうちの1つまたは複数に関して説明された構成要素が、
図7A~
図7Cの態様を示すために使用され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、非一時的ストレージ媒体が、(たとえば、機械学習システム170の)処理デバイスによって実行されたとき、処理デバイスに方法700A~Cを実施させる命令を記憶する。
【0138】
説明の簡略性のために、方法700A~Cは、一連の行為として示され、説明される。しかしながら、本開示に従う行為は、様々な順序で、同時に、ストア当たりの複数のインスタンスと並行して、および/または本明細書で提示および説明されない他の行為を伴って、生じ得る。さらに、示された行為のすべてが、開示された主題に従って方法700A~Cを実施するために実施されるとは限らない。加えて、当業者は、方法700A~Cが、代替的に、状態図またはイベントを介して一連の相関状態として表され得ることを理解および諒解するであろう。
【0139】
図7Aを参照すると、方法700Aは、製造プロセスおよび/または製造設備の選択を処理して入力への修正を識別するための機械学習モデルのためのデータセットを生成することに関連する。
【0140】
ブロック702において、方法700Aを実装する処理論理は、訓練セットTを空のセットに初期化する。
【0141】
ブロック704において、処理論理は、製造プロセスおよび製造設備の選択を含む第1のデータ入力(たとえば、第1の訓練入力、第1の検証入力)を生成する。
【0142】
いくつかの実施形態では、ブロック706において、処理論理は、データ入力(たとえば、第1のデータ入力)のうちの1つまたは複数のための第1のターゲット出力を生成する。第1のターゲット出力は、たとえば、製造プロセスおよび/または製造設備への修正であり得る。処理論理は、製造プロセスおよび/または製造設備の入力選択に基づいてターゲット出力を生成し得る。
【0143】
ブロック708において、処理論理は、任意選択的に、入力/出力マッピングを示すマッピングデータを生成する。入力/出力マッピング(またはマッピングデータ)は、データ入力(たとえば、本明細書で説明されるデータ入力のうちの1つまたは複数)、データ入力のためのターゲット出力(たとえば、ターゲット出力は出力データを識別する)、(1つまたは複数の)データ入力とターゲット出力との間の関連付けを指し得る。処理論理は、たとえば、機械学習モデルの1つまたは複数の層におけるノードのための重みを更新するために勾配降下および逆伝搬を実施し得る。
【0144】
ブロック710において、処理論理は、ブロック704において生成されるデータ入力および/またはブロック708において生成されるマッピングデータをデータセットTに追加する。
【0145】
ブロック712において、処理論理は、データセットTが機械学習モデル190を訓練、検証、および/または試験することのうちの少なくとも1つのために十分であるかどうかに基づいて、分岐する。十分である場合、実行はブロック714に進み、そうでなければ、ブロック704に戻って継続する。いくつかの実施形態では、データセットTの充足性は、単純にデータセット中の入力/出力マッピングの数に基づいて決定され得るが、いくつかの他の実装形態では、データセットTの充足性は、入力/出力マッピングの数に加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の他の基準(たとえば、データ例の多様性、正確性の尺度など)に基づいて決定され得る。
【0146】
ブロック714において、処理論理は、機械学習モデル190を訓練、検証、および/または試験するためにデータセットTを(たとえば、サーバマシン180に)提供する。いくつかの実施形態では、データセットTは、訓練セットであり、訓練を実施するためにサーバマシン180の訓練エンジン182に提供される。いくつかの実施形態では、データセットTは、検証セットであり、検証を実施するためにサーバマシン180の検証エンジン184に提供される。いくつかの実施形態では、データセットTは、試験セットであり、試験を実施するためにサーバマシン180の試験エンジン186に提供される。ニューラルネットワークの場合、たとえば、所与の入力/出力マッピングの入力値(たとえば、データ入力に関連する数値)は、ニューラルネットワークに入力され、入力/出力マッピングの出力値(たとえば、ターゲット出力に関連する数値)は、ニューラルネットワークの出力ノードに記憶される。ニューラルネットワークにおける接続重みは、次いで、学習アルゴリズム(たとえば、逆伝搬など)に従って調節され、この手順は、データセットT中の他の入力/出力マッピングについて繰り返される。ブロック714の後に、機械学習モデル(たとえば、機械学習モデル190)は、サーバマシン180の訓練エンジン182を使用して訓練されるか、サーバマシン180の検証エンジン184を使用して検証されるか、またはサーバマシン180の試験エンジン186を使用して試験されるかの少なくとも1つであり得る。訓練された機械学習モデルは、サーバ120手順(たとえば、構成要素統合ツール122、デジタルレプリカツール124、最適化ツール126、方策ビルダツール128、および/または資源消費ツール130)によるさらなる使用のための出力データを生成するために、(機械学習システム170の)修正識別構成要素194によって実装され得る。
【0147】
図7Bを参照すると、方法700Bは、環境効率を改善する製造プロセスおよび/または製造設備への修正を決定するための機械学習モデルを訓練することに関連する。
【0148】
ブロック720において、処理論理は、製造プロセスまたは製造設備の選択を受信する。
【0149】
いくつかの実施形態では、ブロック722において、処理論理は、製造プロセスへの修正に対応するラベルを識別する。いくつかの実施形態では、ラベルは、製造設備部品および/または製造プロセスへの修正、ならびに環境資源消費および/または環境影響における関連する低減を示す。
【0150】
ブロック724において、処理論理は、製造プロセスデータを含むデータ入力(たとえば、およびラベルを含むターゲット出力)を使用して機械学習モデルを訓練して、環境資源消費および/または環境影響を低減するために製造プロセスに適用され得る出力(たとえば、修正)を生成するように構成された訓練された機械学習モデルを生成する。
【0151】
いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、教師なし学習を使用して、訓練された機械学習モデルを生成するために(たとえば、データをクラスタ化するために)、データ入力に基づいて(たとえば、ターゲット出力なしで)訓練される。いくつかの実施形態では、機械学習モデルは、教師あり学習を使用して、訓練された機械学習モデルを生成するために、データ入力およびターゲット出力に基づいて訓練される。
【0152】
図7Cを参照すると、方法700Cは、環境効率を改善する(たとえば、最適化する)(たとえば、環境資源消費および/または環境影響を低減する)ために、製造プロセスおよび/または製造設備への修正を決定するための機械学習モデルを使用することに関連する。
【0153】
ブロック740において、処理論理は、現在の製造プロセスデータを受信する。ブロック742において、処理論理は、現在のデータ(たとえば、製造プロセスデータ)を訓練された機械学習モデルに提供する。訓練された機械学習モデルは、方法700Bによって訓練され得る。
【0154】
ブロック744において、処理論理は、訓練された機械学習モデルから、1つまたは複数の出力を取得する。いくつかの実施形態では、出力は、実装されたとき、製造プロセスおよび/または製造設備の環境効率を改善する、製造プロセスおよび/または製造設備への修正を含む。ブロック746において、処理論理は、(1つまたは複数の)出力に基づいて、製造プロセスへの1つまたは複数の製造プロセス修正の適用を引き起こす。
【0155】
図8は、本開示のいくつかの実装形態による、製造プロセスへの修正を識別するための方法800の例示的な説明である。方法800は、ハードウェア(回路、専用論理など)、(汎用コンピュータシステムまたは専用マシン上で実行されるものなどの)ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せを含み得る処理論理によって実施される。一実装形態では、本方法は、
図1のサーバ120および訓練された機械学習モデル190を使用して実施されるが、いくつかの他の実装形態では、
図6の1つまたは複数のブロックは、図に示されていない1つまたは複数の他のマシンによって実施され得る。
【0156】
方法800は、第1の製造プロセス、または第1の製造プロセスの製造動作を実施するための第1の製造設備のうちの少なくとも1つの選択を受信することを含み、環境効率を改善する(資源消費および/または環境影響を低減する)ために修正および/または最適化を識別し得る。製造プロセスは、製造システム(たとえば、
図1の製造システム102)に関連し得る。
【0157】
ブロック801において、処理論理は、第1の製造プロセス、または第1の製造プロセスの製造動作を実施するための第1の製造設備(たとえば、
図2のツール202および副構成要素204)のうちの少なくとも1つの第1の選択を受信する。
【0158】
ブロック802において、処理論理は、第1の選択を第1の製造設備のデジタルレプリカ(たとえば、
図4A~
図4Eのデジタルレプリカ400A~E)に入力する。いくつかの実施形態では、デジタルレプリカは、物理学ベースのモデル(たとえば、
図2の物理学ベースのモデル214)を含み得る。
【0159】
ブロック803において、処理論理は、第1の製造プロセスの物理条件に基づいて第1の製造設備上で実行される第1の製造プロセスの第1の環境資源消費および/または環境影響を示す環境資源使用量データを決定する。いくつかの実施形態では、環境資源使用量データは、第1の製造プロセスの製造動作を実施するための第1の製造設備に関連するエネルギー消費、ガス消費、または水消費のうちの少なくとも1つを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、処理論理は、環境資源使用量データを機械学習モデルへの入力として使用する。処理論理は、機械学習モデルの1つまたは複数の出力を取得することをさらに含み、1つまたは複数の出力が、修正を示す。いくつかの実施形態では、機械学習モデルの1つまたは複数の出力は、修正が、実施されたとき、製造プロセスの第1の環境資源消費および/または環境影響を低減するという信頼性のレベルをさらに示し得る。処理論理は、修正についての信頼性のレベルがしきい値条件を満足することをさらに決定する。
【0161】
いくつかの実施形態では、第1の環境資源消費および/または環境影響は、第1の製造設備の消耗部品の交換手順または維持手順のうちの1つに関連する環境資源消費および/または環境影響を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、環境資源使用量データは、製造設備に関連する構成要素のライフサイクルデータを含む。修正は、構成要素に関連する是正処置を実施することをさらに含み得る。
【0163】
ブロック804において、処理論理は、第1の製造設備上で実行される第1の製造プロセスの環境資源消費および/または環境影響(たとえば、単位当たりの資源消費)を低減する第1の製造プロセスへの修正を決定する。いくつかの実施形態では、修正は、製造プロセスステップおよび/または製造設備処理パラメータのうちの1つまたは複数を変えることを含む。いくつかの実施形態では、第1の製造プロセスの製造動作を実施するための第1の製造設備のエネルギー消費、ガス消費、または水消費のうちの1つまたは複数の優先最適化。
【0164】
ブロック805において、処理論理は、任意選択的に、製造プロセスへの修正を適用する。ブロック806において、処理論理は、任意選択的に、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)による表示のために修正を提供する。いくつかの実施形態では、複数の修正が、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上での提示のために(たとえば、システムオペレータなどのユーザへの提示のために)決定および提供される。いくつかの実施形態では、修正は、信頼性のレベルによるランク順序でユーザに提示される。いくつかの実施形態では、修正は、各規範行動に関連する信頼性レベルを表す視覚インジケータを伴ってユーザに提示される。たとえば、最も高い信頼性レベルをもつ1つまたは複数の修正は、第1の色(たとえば、緑または金)で示され得、しきい値レベルに近い信頼性レベルをもつ1つまたは複数の修正は、第2の色(たとえば、黄または銀)で示され得る。いくつかの実施形態では、修正は、関連する信頼性レベルに基づいて階層またはグループ中に置かれ得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、処理論理は、環境資源使用量データに基づいて、第1の選択が環境効率のしきい値を満足することができないことをさらに決定し得る。処理論理は、第1の選択が環境効率のしきい値を満足することができないことを決定することに応答して第1の選択の最適化をさらに実施し得る。第1の選択の最適化を実施することは、適用されたとき、環境効率のしきい値を満足する更新された環境効率を生じる第1の選択への1つまたは複数の修正を識別することを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、処理論理は、さらに、第2の製造プロセスにおいて第2の製造動作を実施するための製造設備の第2の選択を受信することになる。本処理は、製造設備の第2の選択に関連する1つまたは複数のセンサから、第2の製造動作に関連する第2のセンサデータを受信し得る。処理論理は、デジタルレプリカをさらに更新して、更新されたデジタルレプリカを生成し得、更新されたデジタルレプリカは、製造設備の第1および第2の選択に関連する。処理論理は、デジタルレプリカから、第1の選択および第2の選択の環境資源消費および/または環境影響(たとえば、単位当たりの消費および/または影響)を示す集計環境資源データを含む1つまたは複数の出力をさらに取得し得る。
【0167】
図9A~
図9Cは、いくつかの実施形態による、例示的な環境資源消費報告を示す。
図9Aは、プロセスチャンバの構成要素など、第1のサブレベル物体による寄与を示す環境資源消費報告900Aを示す。たとえば、報告内で発見される寄与構成要素のうちの1つまたは複数は、特に、ソースRF、ターボポンプ、ウォールHX、カソード冷却装置、DC電力、ESCヒータ、フォアラインヒータ、ガスパネル、リッドヒータ、粗引きポンプのうちの1つまたは複数による電力消費を含み得る。
【0168】
図9Bは、レベルツール分析に対応する環境資源消費報告900Bを示す。たとえば、プロセスツールは、様々なプロセスチャンバなど、様々な構成要素を含み得る。副構成要素の個々の寄与は、報告900Bへのエントリまたはカテゴリーとして報告900Aから集計され得る。
【0169】
図9Cは、フリートレベル分析に対応する環境資源消費報告900Cを示す。フリートの各プロセスツールは、カートにおいて表される識別されたおよび対応する寄与であり得る。たとえば、報告900Bにおいて示されているツールレベル寄与は、報告900Cへのエントリまたはカテゴリーとして集計され、使用され得る。
【0170】
図10A~
図10Eは、いくつかの実施形態による、総合環境資源消費ダッシュボードグラフィカルユーザインターフェース(GUI)1000A~Eの様々なビューを示す。
【0171】
図10Aは、総合環境資源消費ダッシュボードGUI1000A、環境資源消費データのツールレベルビューを示す。
図10Aに示されているように、GUI100Aは、システム
図1002を含む。システム図は、1つまたは複数のプロセスツールの概略図またはマッピングを含み得る。システム
図1002は、システム内のもう1つのプロセスツールのための識別情報を含み得る。GUI1000Aは、電気消費内訳1004およびガス消費内訳1006を含む。電気消費内訳1004は、識別されたシステム(たとえば、システム
図1002)の副構成要素の1つまたは複数の電気消費寄与を示す。副構成要素は、ポンプ、電源、HVAC、ガス流、ヒータ、冷却器などのアイテムを含み得る。
【0172】
ガス消費内訳1006は、電気消費内訳1004に類似しており、識別されたシステムの1つまたは複数の副構成要素に帰属するガス消費または損失を提供する。GUI1000Aは、システムの電気消費および/またはシステムのガス消費の時間的に分布された表現を含み得る。たとえば、7日間電気消費履歴1008が、GUI1000Aによって示され得る。
図10Aに示されているように、GUI1000Aは軽減データ1010を含む。軽減データ1010は、システムから軽減された核種の1つまたは複数の含有量および/または品質の内訳を提供する。
【0173】
図10Aに示されているように、GUI1000Aは、GUI1000B~Eによって提示されるビューなど、異なるビューにユーザを導くナビゲーションペイン1010(たとえば、対話可能なボタン)を含み得る。
【0174】
図10Bは、総合環境資源消費ダッシュボードGUI1000B、環境資源消費データの一日ごとの累積ビューを示す。
図10Bに示されているように、GUI1000Bは、一日ごとの電気消費内訳1020を含む。一日ごとの電気消費内訳は、所与のデータに関して使用される電気と日々の電気消費に関連する様々な統計的尺度とを示し得る。一日ごとの電気消費は、システムの様々なデバイスに帰属する電気消費の内訳を示すグラフィックを示すことによってなど、一日当たりの総電気消費をより粒度の細かいデータに分解し得る。
【0175】
図10Bに示されているように、GUI1000Bは、一日ごとのガス消費内訳1022を含む。一日ごとのガス消費内訳は、所与のデータに関して使用されるまたは失われるガスと日々のガス消費に関連する様々な統計的尺度とを示し得る。一日ごとのガス消費は、システムの様々なデバイスに帰属するガス消費の内訳を示すグラフィックを示すことによってなど、一日当たりの総ガス消費をより粒度の細かいデータに分解し得る。GUI1000Bは、システムの電気消費および/またはシステムのガス消費の時間的に分布された表現を含み得る。たとえば、7日間電気消費履歴1024が、GUI1000Bによって示され得る。
図10Bに示されているように、GUI1000Bは、ユーザが(たとえば、環境効率データの異なる表現をもつ)GUIの異なるビューにアクセスすることを可能にするナビゲーションペイン1026(たとえば、対話可能なボタン)を含み得る。
【0176】
図10Cは、総合環境資源消費ダッシュボードGUI1000C、環境資源消費データの方策ビューを示す。
図10Cに示されているように、GUI1000Cは、方策当たり電気消費1040を示し得る。方策当たり電気消費1040は、1つまたは複数の識別されたプロセス方策を実行することに帰属する電気コストを示し得る。方策当たり電気消費は、対応する方策が実施される回数を示す1つまたは複数の量をさらに示し得る。
図10Cに示されているように、GUI1000Cは、方策当たりガス消費1040を示し得る。方策当たりガス消費1040は、1つまたは複数の識別されたプロセス方策を実行することに帰属するガス使用量またはガス損失を示し得る。方策当たり電気消費は、対応する方策が実施される回数を示す1つまたは複数の量をさらに示し得る。
図10Cに示されているように、GUI1000Cは、ユーザが(たとえば、環境効率データの異なる表現をもつ)GUIの異なるビューにアクセスすることを可能にするナビゲーションペイン1044(たとえば、対話可能なボタン)を含み得る。
【0177】
図10Dは、総合環境資源消費ダッシュボードGUI1000D、環境資源消費データのウエハ当たりビューを示す。
図10Dに示されているように、GUI1000Dは、ウエハ当たり電気消費1060を示し得る。ウエハ当たり電気消費1060は、個々のウエハについてのプロセス手順を実施することに帰属する電気コストを示し得る。
図10Dに示されているように、GUI1000Dは、ウエハ当たりガス消費1062を示し得る。ウエハ当たりガス消費1062は、個々のウエハについてのプロセス手順を実施することに帰属する電気コストを示し得る。GUI1000Dは、システムのウエハ当たり電気消費および/またはシステムのウエハ当たりガス消費の時間的に分布された表現を含み得る。たとえば、7日間電気消費履歴1064が、GUI1000Dによって示され得る。
図10Dに示されているように、GUI1000Dは、ユーザが(たとえば、環境効率データの異なる表現をもつ)GUIの異なるビューにアクセスすることを可能にするナビゲーションペイン1066(たとえば、対話可能なボタン)を含み得る。
【0178】
図10Eは、総合環境資源消費ダッシュボードGUI1000E、環境資源消費データのフリートレベルビューを示す。
図10Eに示されているように、GUI1000Eは、フリートデータ1080を示す。フリートデータ1080は、システム識別情報(ID)、ロケーションID、時間データを示す。フリートデータ1080は、識別されたフリート内のツールのリストを含み得る。
図10Eに示されているように、GUI1000Eは、フリート内のツールの電気消費内訳1082を含む。GUI1000Eは、フリートのツール間のガス消費内訳1084を含み得る。GUI1000Eは、ツールのフリートの電気消費および/またはツールのフリートの消費の時間的に分布された表現を含み得る。たとえば、7日間電気消費履歴1086が、GUI1000Eによって示され得る。
図10Eに示されているように、GUI1000Eは、ユーザが(たとえば、環境効率データの異なる表現をもつ)GUIの異なるビューにアクセスすることを可能にするナビゲーションペイン1088(たとえば、対話可能なボタン)を含み得る。
【0179】
図11は、本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する、例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。様々な例示的な例では、コンピューティングデバイス1100の様々な構成要素は、
図1に示されているクライアントデバイス150、サーバ120、データストア112、および機械学習システム170の様々な構成要素を表し得る。
【0180】
例示的なコンピューティングデバイス1100は、(たとえば、クラウド環境、クラウド技術、および/またはエッジコンピューティングを使用して)LAN、イントラネット、エクストラネット、および/またはインターネットにおける他のコンピュータデバイスに接続され得る。コンピューティングデバイス1100は、クライアント-サーバネットワーク環境におけるサーバの能力において動作し得る。コンピューティングデバイス1100は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいはそのデバイスによってとられるべき行動を指定する命令のセット(連続したまたはそれ以外)を実行することが可能な任意のデバイスであり得る。さらに、単一の例示的なコンピューティングデバイスのみが示されるが、「コンピュータ」という用語はまた、本明細書で説明される方法のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは一緒に実行するコンピュータの任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0181】
例示的なコンピューティングデバイス1100は、(プロセッサまたはCPUとも呼ばれる)処理デバイス1102、メインメモリ1104(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、スタティックメモリ1106(たとえば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、および2次メモリ(たとえば、データストレージデバイス1118)を含み得、これらはバス1130を介して互いと通信し得る。
【0182】
処理デバイス1102は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなど、1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、処理デバイス1102は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス1102はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスであり得る。本開示の1つまたは複数の態様によれば、処理デバイス1102は、
図6~
図8に示されている方法600~800を実装する命令を実行するように構成され得る。
【0183】
例示的なコンピューティングデバイス1100は、ネットワーク1120に通信可能に結合され得るネットワークインターフェースデバイス1108をさらに備え得る。例示的なコンピューティングデバイス1100は、ビデオディスプレイ1110(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーン、または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1112(たとえば、キーボード)、カーソル制御デバイス1114(たとえば、マウス)、および音響信号生成デバイス1116(たとえば、スピーカー)をさらに備え得る。
【0184】
データストレージデバイス1118は、実行可能な命令1122の1つまたは複数のセットが記憶された機械可読ストレージ媒体(または、より詳細には、非一時的機械可読ストレージ媒体)1128を含み得る。たとえば、データストレージは、オンプレミスの、またはクラウドストレージ環境などのリモートの物理ストレージであり得る。本開示の1つまたは複数の態様によれば、実行可能な命令1122は、
図6~
図8に示されている方法600~800を実行することに関連する実行可能な命令を含み得る。
【0185】
実行可能な命令1122はまた、例示的なコンピューティングデバイス1100による実行可能な命令1122の実行中に、メインメモリ1104内におよび/または処理デバイス1102内に完全にまたは少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ1104および処理デバイス1102は、コンピュータ可読ストレージ媒体をも構成する。実行可能な命令1122は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス1108を介してネットワーク上で送信または受信され得る。
【0186】
コンピュータ可読ストレージ媒体1128は、
図11では単一の媒体として示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、動作命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/あるいは関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるべきである。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語はまた、本明細書で説明される方法のうちのいずれか1つまたは複数を機械に実施させる、機械による実行のための命令のセットを記憶または符号化することが可能である任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、したがって、限定はしないが、固体メモリと、光および磁気媒体とを含むと解釈されるものとする。
【0187】
上記の詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示された。これらのアルゴリズム説明および表現は、データ処理技術分野の当業者が、他の当業者に自身の仕事の本質を最も効果的に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、ここでは、および一般的には、所望の結果をもたらすステップの自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理操作を必要とするものである。通常、ただし必ずしもそうであるとは限らないが、これらの量は、記憶され、伝達され、組み合わせられ、比較され、場合によっては操作されることが可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。場合によっては、主に広く使用されているという理由から、これらの信号を、ビット、値、要素、シンボル、文字、項、数などと呼ぶことが好都合であることが判明している。
【0188】
しかしながら、これらの用語および同様の用語はすべて適切な物理量に関連し、これらの量に適用される好都合なラベルにすぎないことを念頭に置くべきである。別段に明記されていない限り、以下の説明から明らかなように、説明全体にわたって、「識別すること」、「決定すること」、「記憶すること」、「調節すること」、「引き起こすこと」、「返すこと」、「比較すること」、「作成すること」、「停止すること」、「ロードすること」、「コピーすること」、「投げること」、「交換すること」、「実施すること」などの用語を利用する説明は、コンピュータシステムまたは同様の電子コンピューティングデバイスの行動およびプロセスを指し、これは、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、そのデータを、コンピュータシステムメモリまたはレジスタ、あるいは他のそのような情報ストレージ、送信またはディスプレイデバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換することが諒解される。
【0189】
本開示の例はまた、本明細書で説明される方法を実施するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得るか、または、この装置は、コンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピュータシステムであり得る。そのようなコンピュータプログラムは、限定はしないが、光ディスクと、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)と、光磁気ディスクとを含む任意のタイプのディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスクストレージ媒体、光ストレージ媒体、フラッシュメモリデバイス、他のタイプの機械アクセス可能ストレージ媒体、または電子命令を記憶するのに好適な任意のタイプの媒体など、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され得、これらは各々、コンピュータシステムバスに結合される。
【0190】
本明細書で提示される方法およびディスプレイは、本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関係しない。様々な汎用システムが、本明細書の教示によるプログラムとともに使用され得るか、または様々な汎用システムは、必要な方法ステップを実施するためにより専門的な装置を構築するのに好都合であると判明することがある。様々なこれらのシステムのための必要な構造は、以下の説明において記載されるように見える。加えて、本開示の範囲は、特定のプログラミング言語に限定されない。様々なプログラミング言語が、本開示の教示を実装するために使用され得ることが諒解されよう。
【0191】
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。多くの他の実装例は、上記の説明を読み、理解すると、当業者には明らかであろう。本開示は特定の例について説明するが、本開示のシステムおよび方法は、本明細書で説明された例に限定されないが、添付の特許請求の範囲内で修正を加えて実施され得ることを認識されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照しながら、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、決定されるべきである。
【国際調査報告】