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特表2024-544897費用効果の高い非多孔質固体研磨パッドを用いたパッドインボトル化学機械的平坦化研磨
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】費用効果の高い非多孔質固体研磨パッドを用いたパッドインボトル化学機械的平坦化研磨
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241128BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20241128BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20241128BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
C09G1/02
B24B37/00 H
H01L21/304 622F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527389
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022079452
(87)【国際公開番号】W WO2023086783
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/277,914
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114182
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【弁理士】
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】シアオポー シー
(72)【発明者】
【氏名】マーク レナード オニール
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジー.ランガン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート バカッシー
(72)【発明者】
【氏名】アラ フィリポッシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤサ サンプルノ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エー.スルエター
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AC04
3C158BA02
3C158BA04
3C158BA05
3C158CB05
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3C158ED24
5F057AA24
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5F057AA42
5F057BA22
5F057BB16
5F057BB23
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5F057EA01
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5F057EA24
5F057EA25
5F057EA26
5F057EA28
5F057EA29
5F057EA31
5F057EB05
(57)【要約】
【課題】新規なパッドインボトル(PIB)技術と、PIB型の高度な化学機械的平坦化(CMP)銅又はシリコン貫通ビア(TSV)CMP組成物、システム及びプロセスとを提供する。
【解決手段】従来の研磨パッド凹凸の役割は、研磨パッドにおける細孔及び凸凹のサイズと同等の高品質ミクロンサイズポリウレタン(PU)ビーズによって果たされる。安価な非多孔質で固体の研磨パッドは、安価であり、電子デバイスの製造コストを低減するために使用されている。非PIB型Cu CMPスラリーに対して、PIB型Cu CMPスラリーを使用することの利点が存在する。PIB型Cu CMPスラリーを使用して、異なる適用されたダウンフォース及び滑り速度でのCu除去速度の増加、異なるサイズのCuラインフィーチャにわたるCuラインディッシングの減少、並びに平均COFのわずかな減少が観察された。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨材と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm、又は30~50μmの範囲のミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
少なくとも1つのキレート剤と、
腐食防止剤と、
及び任意選択で
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調整剤と、
使用時に添加される酸化剤と、
水などの液体キャリアと、を含む化学機械的研磨(CMP)組成物であって、
前記組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~8、又は6.0~7.5であり、
前記キレート剤は、アミノ酸、アミノ酸誘導体、有機アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、化学機械的研磨(CMP)組成物。
【請求項2】
前記研磨材が、コロイド状シリカ、前記コロイド状シリカの格子内の他の金属酸化物でドープされたコロイド状シリカ粒子、アルファ型、ベータ型、及びガンマ型の酸化アルミニウムからなる群から選択されるコロイド状酸化アルミニウム、コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム、コロイド状酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイド状研磨材粒子、有機ポリマー系軟質研磨材、表面がコーティングされた又は改質された研磨材、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記研磨材は、0.0025質量%~25質量%、0.0025質量%~2.5質量%、又は0.005質量%~1.5質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項3】
前記ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズが、0.01質量%~2.0質量%、0.025質量%~1.0質量%、又は0.05質量%~0.5質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項4】
前記シリコーン含有分散剤が、水不溶性シリコーン骨格と、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の繰り返し単位(EO-PO)官能基を含むいくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテルを含み、前記シリコーン含有分散剤は、0.01質量%~2.0質量%、0.001質量%~2.0質量%、0.002~1.0質量%、又は0.005質量%~0.5質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのキレート剤が、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つのキレート剤は、0.1質量%~18質量%、0.5質量%~15質量%、又は1.0質量%~10.0質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項6】
前記腐食防止剤が、芳香環中に1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリー、例えば、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール及びベンズイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体からなる群から選択され、前記腐食防止剤は、0.001質量%~1.0質量%、0.005質量%~0.5質量%、又は0.01質量%~0.25質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項7】
前記殺生物剤が、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される活性成分を有し、前記殺生物剤は、0.0001質量%~0.05質量%、0.0001質量%~0.025質量%、又は0.0001質量%~0.01質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項8】
前記酸化剤が、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記酸化剤は、0.1質量%~10質量%、0.25質量%~7質量%、又は0.5質量%~5.0質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項9】
前記有機第四級アンモニウム塩が、重炭酸コリン、水酸化コリン、クエン酸二水素コリン塩、コリンエタノールアミン、重酒石酸コリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される様々な対イオンを有するコリン塩からなる群から選択され、前記有機第四級アンモニウム塩は、0.005質量%~0.5質量%、0.001質量%~0.25質量%、又は0.002質量%~0.1質量%の範囲である、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項10】
前記pH調整剤が、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機酸又は有機酸、及びpHを酸性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項11】
前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及びpHをアルカリ性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項12】
前記CMP組成物が、グリシン、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、及び組み合わせからなる群から選択されるキレート剤のうちの少なくとも1つと、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、並びに組み合わせからなる群から選択される前記腐食防止剤と、重炭酸コリン又は水酸化コリンと、殺生物剤と、コロイド状シリカ粒子と、シリコーン含有分散剤と、30~50μmのポリウレタン(PU)ビーズと、を含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項13】
前記CMP組成物が、グリシン及びアラニン、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、エチレンジアミン、重炭酸コリン、殺生物剤、並びにコロイド状シリカ粒子、シリコーン含有分散剤、並びに30μm~50μmのポリウレタン(PU)ビーズを含む、請求項1に記載のCMP組成物。
【請求項14】
半導体基板を化学機械的研磨する方法であって、
銅又はシリコン貫通ビア(TSV)銅を含有する表面を有する前記半導体基板を提供するステップと、
非多孔質固体研磨パッドを提供するステップと、
請求項1に記載の化学機械的研磨(CMP)組成物を提供するステップと、
前記半導体基板の表面を、前記研磨パッド及び前記化学機械的研磨組成物と接触させるステップと、
前記半導体の表面を研磨するステップと、を含み、
銅又はTSV銅を含有する前記表面の少なくとも一部が、前記非多孔質で固体の研磨パッド及び前記化学機械的研磨組成物の両方と接触している、方法。
【請求項15】
前記CMP組成物中の前記研磨材が、コロイド状シリカ、前記コロイド状シリカの格子内の他の金属酸化物でドープされたコロイド状シリカ粒子、アルファ型、ベータ型、及びガンマ型の酸化アルミニウムからなる群から選択されるコロイド状酸化アルミニウム、コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム、コロイド状酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイド状研磨材粒子、有機ポリマー系軟質研磨材、表面がコーティングされた又は改質された研磨材、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記研磨材は、0.0025質量%~25質量%、0.0025質量%~2.5質量%、又は0.005質量%~1.5質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記CMP組成物中の前記ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズが、0.01質量%~2.0質量%、0.025質量%~1.0質量%、又は0.05質量%~0.5質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記CMP組成物中の前記シリコーン含有分散剤が、水不溶性シリコーン骨格と、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の繰り返し単位(EO-PO)官能基を含むいくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテルを含み、前記シリコーン含有分散剤は、0.01質量%~2.0質量%、0.001質量%~2.0質量%、0.002~1.0質量%、又は0.005質量%~0.5質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記CMP組成物中の前記少なくとも1つのキレート剤が、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つのキレート剤は、0.1質量%~18質量%、0.5質量%~15質量%、又は1.0質量%~10.0質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記CMP組成物中の前記腐食防止剤が、芳香環中に1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリー、例えば、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール及びベンズイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体からなる群から選択され、前記腐食防止剤は、0.001質量%~1.0質量%、0.005質量%~0.5質量%、又は0.01質量%~0.25質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記CMP組成物中の前記殺生物剤が、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される活性成分を有し、前記殺生物剤は、0.0001質量%~0.05質量%、0.0001質量%~0.025質量%、又は0.0001質量%~0.01質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記CMP組成物中の前記酸化剤が、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記酸化剤は、0.1質量%~10質量%、0.25質量%~7質量%、又は0.5質量%~5.0質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記CMP組成物中の前記有機第四級アンモニウム塩が、重炭酸コリン、水酸化コリン、クエン酸二水素コリン塩、コリンエタノールアミン、重酒石酸コリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される様々な対イオンを有するコリン塩からなる群から選択され、前記有機第四級アンモニウム塩は、0.005質量%~0.5質量%、0.001質量%~0.25質量%、又は0.002質量%~0.1質量%の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記CMP組成物中の前記pH調整剤が、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機酸又は有機酸、及びpHを酸性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記CMP組成物中の前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及びpHをアルカリ性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記CMP組成物が、グリシン、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、及び組み合わせからなる群から選択されるキレート剤のうちの少なくとも1つと、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、並びに組み合わせからなる群から選択される前記腐食防止剤と、重炭酸コリン又は水酸化コリンと、殺生物剤と、コロイド状シリカ粒子と、シリコーン含有分散剤と、30~50μmのポリウレタン(PU)ビーズと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記CMP組成物が、グリシン及びアラニン、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、エチレンジアミン、重炭酸コリン、殺生物剤、並びにコロイド状シリカ粒子、シリコーン含有分散剤、並びに30μm~50μmのポリウレタン(PU)ビーズを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項27】
化学機械的研磨のシステムであって、
銅又は貫通ビア(TSV)銅を含有する表面を有する半導体基板と、
非多孔質固体研磨パッドを提供することと、
請求項1に記載の化学機械的研磨(CMP)組成物を提供することと、を含み、
銅又はTSV銅を含有する前記表面の少なくとも一部が、前記研磨パッド及び前記化学機械的研磨組成物の両方と接触している、システム。
【請求項28】
前記CMP組成物中の前記研磨材が、コロイド状シリカ、前記コロイド状シリカの格子内の他の金属酸化物でドープされたコロイド状シリカ粒子、アルファ型、ベータ型、及びガンマ型の酸化アルミニウムからなる群から選択されるコロイド状酸化アルミニウム、コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム、コロイド状酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイド状研磨材粒子、有機ポリマー系軟質研磨材、表面がコーティングされた又は改質された研磨材、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記研磨材は、0.0025質量%~25質量%、0.0025質量%~2.5質量%、又は0.005質量%~1.5質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記CMP組成物中の前記ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズが、0.01質量%~2.0質量%、0.025質量%~1.0質量%、又は0.05質量%~0.5質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記CMP組成物中の前記シリコーン含有分散剤が、水不溶性シリコーン骨格と、エチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の繰り返し単位(EO-PO)官能基を含むいくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテルを含み、前記シリコーン含有分散剤は、0.001質量%~2.0質量%、0.002~1.0質量%、又は0.005質量%~0.5質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記CMP組成物中の前記少なくとも1つのキレート剤が、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つのキレート剤は、0.1質量%~18質量%、0.5質量%~15質量%、又は1.0質量%~10.0質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記CMP組成物中の前記腐食防止剤が、芳香環中に1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリー、例えば、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール及びベンズイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体からなる群から選択され、前記腐食防止剤は、0.001質量%~1.0質量%、0.005質量%~0.5質量%、又は0.01質量%~0.25質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記CMP組成物中の前記殺生物剤が、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される活性成分を有し、前記殺生物剤は、0.0001質量%~0.05質量%、0.0001質量%~0.025質量%、又は0.0001質量%~0.01質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項34】
前記CMP組成物中の前記酸化剤が、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記酸化剤は、0.1質量%~10質量%、0.25質量%~7質量%、又は0.5質量%~5.0質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項35】
前記CMP組成物中の前記有機第四級アンモニウム塩が、重炭酸コリン、水酸化コリン、クエン酸二水素コリン塩、コリンエタノールアミン、重酒石酸コリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される様々な対イオンを有するコリン塩からなる群から選択され、前記有機第四級アンモニウム塩は、0.005質量%~0.5質量%、0.001質量%~0.25質量%、又は0.002質量%~0.1質量%の範囲である、請求項27に記載のシステム。
【請求項36】
前記CMP組成物中の前記pH調整剤が、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機酸又は有機酸、及びpHを酸性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項27に記載のシステム。
【請求項37】
前記CMP組成物中の前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及びpHをアルカリ性方向に調整するために使用され得る他の化学試薬からなる群から選択される、請求項27に記載のシステム。
【請求項38】
前記CMP組成物が、グリシン、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタン、及び組み合わせからなる群から選択されるキレート剤のうちの少なくとも1つと、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、並びに組み合わせからなる群から選択される前記腐食防止剤と、重炭酸コリン又は水酸化コリンと、殺生物剤と、コロイド状シリカ粒子と、シリコーン含有分散剤と、30~50μmのポリウレタン(PU)ビーズと、を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項39】
前記CMP組成物が、グリシン及びアラニン、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、エチレンジアミン、重炭酸コリン、殺生物剤、並びにコロイド状シリカ粒子、シリコーン含有分散剤、並びに30μm~50μmのポリウレタン(PU)ビーズを含む、請求項27に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月10日に出願された先に出願された米国仮出願第63/277,914号に対する35 U.S.C.§119(e)の下での優先権の利益を主張するものであり、この米国特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して、新規なパッドインボトル(pad-in-a-bottle、PIB)技術と、PIB型の高度な化学機械的平坦化(chemical-mechanical planarization、CMP)スラリー、システム及びプロセスとに関する。具体的には、本発明は、PIB型のCu及びシリコン貫通ビア(Through Silicon Vias、TSV)CMPスラリー、システム及びプロセスを使用するためのPIB技術に関する。
【0003】
高価なポリウレタン研磨パッドの所有コストを低減することは、CMPプロセスにおける半導体産業にとって非常に重要である。本発明では、PIB型のCu及びTSV CMPスラリーを使用して高価な多孔質研磨パッドを置き換えるために、費用効果の高い非多孔質固体研磨パッドが使用される。
【0004】
CMPにおいて、ポリウレタン(PU)パッド上の凹凸は、ウェハ接触により不可逆的に変形させられ、組成物粒子によっても磨耗させられる。したがって、プロセス安定性を確保するために、パッド表面をダイヤモンドディスクで継続的に更新する必要がある。ダイヤモンドディスクは、パッド表面を切削して古い凹凸を除去し、新しいものを作り出す必要があるため、それらはまたパッドを徐々に薄くし、その交換を余儀なくさせる。
【0005】
Cu及びTSV CMPにおいて、ポリウレタン(PU)パッド上の多孔質なものは、ウェハ接触を容易にするために必要とされる。更に、パッドの表面は、組成物粒子によって絶えず摩耗される。したがって、プロセス安定性を確保するために、パッド表面をダイヤモンドディスクで継続的に更新する必要がある。なぜならば、ダイヤモンドディスクは、パッド表面を切削して古い凹凸を除去し、新しいものを作り出す必要があり、そしてそれはパッドを徐々に薄くしており、その交換を余儀なくさせている。
【0006】
したがって、従来のCMPは、(a)(パッド及びコンディショナーの頻繁な交換により)生成される大量の廃棄物、(b)非常に変動しやすい接触面積分布の原因となる制御困難なパッドの凹凸の形状、などのいくつかの弱点を有する。これらは、除去速度(RR)の変動をもたらし、とりわけウェハレベルのトポグラフィに悪影響を及ぼし、そして(c)大量かつ高価な研磨パッドが消費された。
【0007】
本発明は、挑戦的な要件を満たすために費用効果が高くかつ非多孔質で固体の研磨パッドを使用して開発された、先進的なノードの銅及びTSV CMP組成物、システム及びプロセスのための新しい新規なパッドインボトル(PIB)技術と、関連のPIB型Cu CMPスラリーとを開示する。
【発明の概要】
【0008】
このニーズは、銅及びTSV基板のCMPのための開示される組成物、方法、非多孔質固体研磨パッド及び平坦化システムを使用することによって満たされる。
【0009】
一態様では、CMP研磨組成物が提供される。CMP研磨組成物は、
研磨材粒子と、
2~100μm、10~80μm、20~70μm、又は30~50μmの範囲のサイズを有するミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
及び任意選択で、
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調整剤と、
使用時に添加される酸化剤とを含み、
組成物のpHは、3.0~12.0、5.5~8.0、又は6.0~7.5である。
【0010】
別の態様では、CMP研磨方法が提供される。CMP研磨方法は、
銅又はシリコン貫通ビア(TSV)銅を含有する表面を有する半導体基板を提供することと、
費用効果の高い非多孔質固体研磨パッドを提供することと、
上述の化学機械的研磨(CMP)配合物を提供することと、
半導体基板の表面を、非多孔質固体研磨パッド及び化学機械的研磨配合物と接触させることと、
半導体の表面を研磨することと、を含み、
Cu膜を含有する表面の少なくとも一部は、研磨パッド及び化学機械的研磨配合物の両方と接触している。
【0011】
更に別の態様では、CMP研磨システムが提供される。CMP研磨システムは、
銅又はシリコン貫通ビア(TSV)銅を含有する表面を有する半導体基板と、
非多孔質で費用効果の高い固体研磨パッドを提供することと、
上述の請求項のPIB型化学機械的研磨(CMP)配合物を提供することと、を含み、
Cu膜を含有する表面の少なくとも一部は、固体研磨パッド及び化学機械的研磨配合物の両方と接触している。
【0012】
研磨材粒子は、ナノサイズの粒子であり、コロイド状シリカ、コロイド状シリカの格子内の他の金属酸化物でドープされたコロイド状シリカ粒子、アルファ型、ベータ型、及びガンマ型の酸化アルミニウムからなる群から選択されるコロイド状酸化アルミニウム、コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム(セリア)、コロイド状酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイド状研磨材粒子、有機ポリマー系軟質研磨材、表面がコーティングされた又は改質された研磨材、及びこれらの混合物、又は他の複合粒子、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
好ましい研磨材粒子は、コロイド状シリカである。
【0014】
シリコーン含有分散剤としては、水不溶性シリコーン骨格と、表面湿潤特性を提供するエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)の繰り返し単位(EO-PO)官能基のようないくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との両方を含有するシリコーンポリエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
腐食防止剤としては、1,2,4-トリアゾール、アミトロール(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール及びベンズイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体などの芳香環中に1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
キレート剤(又はキレーター)としては、アミノ酸、アミノ酸誘導体、及び有機アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体としては、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
有機アミンとしては、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
2つの第一級アミン部分を有する有機ジアミン化合物は、二元キレート剤として記載することができる。
【0020】
殺生物剤としては、Dow Chemical Co.のKathon(商標)、Kathon(商標)CG/ICP IIが挙げられるが、これらに限定されない。それらは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの活性成分を有する。
【0021】
酸化剤としては、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
Cu除去速度加速剤及び欠陥低減剤としての有機第四級アンモニウム塩としては、重炭酸コリン、水酸化コリン、クエン酸二水素コリン塩、コリンエタノールアミン、重酒石酸コリンなどの様々な対イオンを有するコリン塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
pH調整剤としては、以下の硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機酸又は有機酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。pH調整剤としては、塩基性pH調整剤、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及びpHをよりアルカリ性の方向に調整するために使用することができる他の化学試薬なども挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本出願は、パッドの凹凸の役割が、市販の研磨パッドにおける細孔及び凹凸のサイズと同等である、2~100μm、10~80μm、20~70μm、又は30~50μmの範囲のサイズを有する高品質ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズによって果たされる、Cu CMPプロセスにおいて費用効果の高い非多孔質固体パッドが使用され得るPIB型Cu CMPスラリーを開示する。
【0025】
ビーズは、ポリウレタンビーズを水性組成物中に分散させる分散剤の助けを借りて、か焼セリア、コロイド状シリカ、又は複合粒子などの研磨材粒子を有するCu CMP研磨組成物中に懸濁される。
【0026】
ビーズは、以下に記載する手段によってウェハ表面と接触し、従来の凹凸とほぼ同じように研磨を促進する。
【0027】
ビーズのサイズ、及び組成物中のビーズの濃度の両方を選択することにより、ウェハと接触する「頂点」の高さ、曲率、及び面積密度のはるかに良好な制御が達成され、従来の凹凸接触と関連のあるプロセスのばらつきが大幅に低減される。
【0028】
ビーズの使用は、起こる研磨のための第2の表面、すなわち対抗面を依然として必要とし、そしてそれは、我々のケースでは、引き続き従来のポリウレタン系パッドであるが、もはや研磨が起こる主要な表面ではないため、最小限のコンディショニングを必要とするものである。あるいは、安価で、部分的にコンディショニングされたパッドを、対抗面として使用することができる。
【0029】
研磨機は、2~3個のパッド及びコンディショナーを同時に使用する場合がある。パッド及びコンディショニングディスクの寿命の終点には、典型的には、わずか2日間の連続使用後に到達する。したがって、CMPツール内の各プラテンは、年間数百のパッド及びコンディショナーを使用し、ウェハ製造設備は、数十のツール(各ツールに対して2つ又は3つのプラテンを含む)を有することができるため、パッド及びパッドコンディショナーだけの総コストは相当なものになる。したがって、多孔質で高価な研磨パッドの代わりに非常に費用効果の高い非多孔質固体パッドを使用すると、半導体デバイス製造プロセスにおける著しいコスト低減が提供される。
【0030】
使用済みパッドを除去し、新しいパッドを設置し適格とするのに数時間かかることがあるため、ツール中断時間及び新しいパッドを適格とするために使用される消耗品による工学的損失及び製品損失も重大である。使用済みPUパッド及び廃棄されたダイヤモンドディスクコンディショナーは、いくらかの環境衛生及び安全性(EHS)の問題を引き起こすCMPプロセスからの廃棄物を代表する。
【0031】
研磨パッドに関しては、パッドが剥がされ、廃棄される必要がある前に、パッド厚さの約3分の2しか使用されない。コンディショナーについては、製品寿命を制御するのは数万個のダイヤモンドのうちの数百個のみに過ぎず、その後コンディショナーが廃棄される必要がある。更に、パッド及びコンディショナーは、再生又は再利用の選択肢が利用可能ではない。我々の研究は、上記のEHS問題に対処し、多くのパッド及びダイヤモンドディスクコンディショナーの使用を排除することによって、現在の標準的なCMPプロセスに対して新規な解決策を提供する。
【0032】
開示される研磨組成物において使用されるポリウレタンビーズは、2~100μm、10~80μm、20~70μm、又は30~50μmの範囲のサイズを有する。
【0033】
本発明のいくつかの特定の態様を以下に概説する。
【0034】
一態様では、CMP研磨組成物が提供される。
態様1:
研磨材と、
ミクロンサイズのポリウレタン(PU)ビーズと、
シリコーン含有分散剤と、
水などの液体キャリアと、
及び任意選択で
キレート剤又はデュアルキレート剤又はトリスキレート剤と、
腐食防止剤と、
有機第四級アンモニウム塩と、
殺生物剤と、
pH調整剤と、
使用時に添加される酸化剤と、を含むCMP研磨組成物であって、
組成物のpHは、3.0~12.0、4.0~10.0、5.5~8.0、又は6.0~7.5である、CMP研磨組成物。
【0035】
態様2:
銅又はTSV銅を含有する表面を有する半導体基板を提供するステップと、
非多孔質で固体の費用効果の高い研磨パッドを提供するステップと、
上述の化学機械的研磨(CMP)配合物を提供するステップと、
半導体基板の表面を、非多孔質固体研磨パッド及び化学機械的研磨配合物と接触させるステップと、
半導体の表面を研磨するステップと、を含むCMP研磨方法であって、
Cu膜を含有する表面の少なくとも一部が、研磨パッド及び化学機械的研磨配合物の両方と接触している、方法。
【0036】
態様3:
Cu膜を含有する表面を有する半導体基板と、
非多孔質で安価な固体研磨パッドを提供することと、
上述の請求項の化学機械的研磨(CMP)配合物を提供することと、を含み、
Cu膜を含有する表面の少なくとも一部は、研磨パッド及び化学機械的研磨配合物の両方と接触している、CMP研磨システム。
【0037】
研磨材粒子は、ナノサイズの粒子であり、コロイド状シリカ、コロイド状シリカの格子内の他の金属酸化物でドープされたコロイド状シリカ粒子、アルファ型、ベータ型、及びガンマ型の酸化アルミニウムからなる群から選択されるコロイド状酸化アルミニウム、コロイド状で光活性の二酸化チタン、酸化セリウム(セリア)、コロイド状酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ナノサイズのダイヤモンド粒子、ナノサイズの窒化ケイ素粒子、モノモーダル、バイモーダル、又はマルチモーダルのコロイド状研磨材粒子、有機ポリマー系軟質研磨材、表面がコーティングされた又は改質された研磨材、及びこれらの混合物、又は他の複合粒子、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
好ましい研磨材粒子は、コロイド状シリカである。コロイド状シリカは、ケイ酸塩から製造することができ、高純度コロイド状シリカは、TEOS又はTMOSから製造することができる。コロイド状シリカ又は高純度コロイド状シリカは、モノモデル又はマルチモデルの狭い又は広い粒径分布、様々なサイズ、並びに球形、まゆ形、凝集体形、及び他の形状などの様々な形状を有するを有することができる。
【0039】
ナノサイズの粒子はまた、球形、まゆ形、凝集体形などの様々な形状を有することができる。
【0040】
Cu CMPスラリーにおいて使用される研磨材の粒径は、5nm~500nm、10nm~250nm、又は25nm~100nmの範囲である。
【0041】
Cu CMP研磨組成物は、0.0025質量%~25質量%の研磨材、0.0025質量%~2.5質量%、又は0.005質量%~1.5質量%の研磨材を含む。
【0042】
CMP研磨組成物は、ポリウレタンビーズを水溶液中に分散させるためのシリコーン含有分散剤を含む。シリコーン含有分散剤は、表面湿潤剤分散剤としても機能する。
【0043】
シリコーン含有分散剤としては、水不溶性シリコーン骨格と、例えば表面湿潤特性を提供するEO-PO官能基の繰り返し単位のようないくつかの水溶性ポリエーテルペンダント基との、両方を含有するシリコーンポリエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
シリコーン含有分散剤の例としては、silsurf(登録商標)E608、silsurf(登録商標)J208-6、silsurf(登録商標)A208、silsurf(登録商標)CR1115、silsurf(登録商標)A204、silsurf(登録商標)A004-UP、silsurf(登録商標)A008-UP、silsurf(登録商標)B608、silsurf(登録商標)C208、silsurf(登録商標)C410、silsurf(登録商標)D208、silsurf(登録商標)D208、silsurf(登録商標)D208-30、silsurf(登録商標)Di-1010、silsurf(登録商標)Di-1510、silsurf(登録商標)Di-15-I、silsurf(登録商標)Di-2012、silsurf(登録商標)Di-5018-F、silsurf(登録商標)G8-I、silsurf(登録商標)J1015-O、silsurf(登録商標)J1015-O-AC、silsurf(登録商標)J208、silsurf(登録商標)J208-6、siltech(登録商標)OP-8、siltech(登録商標)OP-11、siltech(登録商標)OP-12、siltech(登録商標)OP-15、siltech(登録商標)OP-20;Siltech Corporation;225 Wicksteed Avenue,Toronto Ontario,Canada M4H 1G5の製品が挙げられる。
【0045】
シリコーン含有分散剤の濃度範囲は、0.001質量%~2.0質量%、0.002質量%~1.0質量%、又は0.005質量%~0.5質量%である。
【0046】
CMPスラリーは、様々なサイズのポリウレタンビーズを含有する。
【0047】
ポリウレタンビーズの濃度範囲は、0.01質量%~2.0質量%、0.025質量%~1.0質量%、又は0.05質量%~0.5質量%である。
【0048】
Cu除去速度加速剤及び欠陥低減剤としての有機第四級アンモニウム塩としては、コリン重炭酸塩などのコリン塩、又はコリンと他のアニオン性対イオンとの間で形成される全ての他の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
CMPスラリーは、0.005質量%~0.5質量%、0.001質量%~0.25質量%、又は0.002質量%~0.1質量%の第四級アンモニウム塩を含有する。
【0050】
キレート剤(又はキレーター)としては、アミノ酸、アミノ酸誘導体、及び有機アミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
アミノ酸及びアミノ酸誘導体としては、グリシン、D-アラニン、L-アラニン、DL-アラニン、ベータ-アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアミン、プロリン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、システイン、イミノ二酢酸、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
有機アミンとしては、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン及び2,2-ジメチル-1,4-ブタンジアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミンプロパン、1,4-ジアミンブタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
2つの第一級アミン部分を有する有機ジアミン化合物は、二元キレート剤として記載することができる。
【0054】
CMPスラリーは、0.1質量%~18質量%、0.5質量%~15質量%、又は1.0質量%~10.0質量%の少なくとも1つのキレーター、デュアルキレーター又はトリスキレーターを含有する。
【0055】
腐食防止剤は、任意の既知の報告された腐食防止剤であってよい。
【0056】
腐食防止剤としては、例えば、1,2,4-トリアゾール、アミトロール(3-アミノ-1,2,4-トリアゾール)、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール及びテトラゾール誘導体、イミダゾール及びイミダゾール誘導体、ベンズイミダゾール及びベンズイミダゾール誘導体、ピラゾール及びピラゾール誘導体、並びにテトラゾール及びテトラゾール誘導体などの芳香環中に1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロ芳香族化合物のファミリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
CMPスラリーは、0.001質量%~1.0質量%、0.005質量%~0.5質量%、又は0.01質量%~0.25質量%の腐食防止剤を含有する。
【0058】
Cu化学機械的研磨組成物のより安定した保管寿命を提供するための活性成分を有する殺生物剤を使用することができる。
【0059】
殺生物剤としては、Dow Chemical Co.のKathon(商標)、Kathon(商標)CG/ICP IIが挙げられるが、これらに限定されない。それらは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン及び/又は2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの活性成分を有する。
【0060】
CMPスラリーは、0.0001質量%~0.05質量%、0.0001質量%~0.025質量%、又は0.0001質量%~0.01質量%の殺生物剤を含有する。
【0061】
酸性若しくは塩基性化合物又はpH調整剤を使用して、CMP研磨組成物のpHを、最適化されたpH値に調整することを可能にすることができる。
【0062】
pH調整剤としては、以下の硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、他の無機酸又は有機酸、及びこれらの混合物、並びにより酸性方向にpHを調整するために使用することができる他の化学試薬が挙げられるが、これらに限定されない。また、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、有機アミン、及びpHをよりアルカリ性の方向に調整するために使用することができる他の化学試薬などの塩基性pH調整剤も挙げられる。
【0063】
CMPスラリーは、0質量%~1質量%、0.01質量%~0.5質量%、又は0.1質量%~0.25質量%のpH調整剤を含有する。
【0064】
Cu研磨組成物のpHは、約3.0~約12.0であり、好ましいpH範囲は5.5~8.0であり、最も好ましいpH範囲は6.0~7.5である。
【0065】
様々なパーオキシ無機若しくは有機酸化剤又は他のタイプの酸化剤を使用して、金属銅膜を酸化銅の混合物に酸化して、キレート剤及び腐食防止剤との迅速な反応を可能にすることができる。
【0066】
酸化剤としては、過ヨウ素酸、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過硫酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、硝酸第二鉄、硝酸、硝酸カリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい酸化剤は、過酸化水素である。
【0067】
CMP組成物は、0.1質量%~10質量%、0.25質量%~7質量%、又は0.5質量%~5.0質量%の酸化剤を含有する。
実験セクション
パラメータ:
Å:オングストローム-長さの単位
BP:背圧、psi単位
CMP:化学機械的平坦化=化学機械的研磨
CS:キャリア速度
DF:ダウンフォース:CMP中に加えられる圧力、単位:psi
min:分
ml:ミリリットル
mV:ミリボルト
psi:ポンド/平方インチ
PS:研磨ツールのプラテン回転速度、単位:rpm(毎分回転数)
SF:研磨組成物の流量、ml/分
除去速度(RR):
Cu RR 1.5psi CMPツールの1.5psiのダウン圧力における測定された銅除去速度
Cu RR 2.5psi CMPツールの2.5psiのダウン圧力における測定された銅除去速度
Cu RR 3.5psi CMPツールの3.5psiのダウン圧力における測定された銅除去速度
【0068】
全般的な実験手順
別段の指示がない限り、組成物中の全ての百分率は、質量百分率である。
【0069】
以下に示す実施例では、以下に示す手順及び実験条件を用いて、CMP実験を行った。実施例で使用したCMPツールは、Fujikoshi Machinary Corporation(Nagano Japan)によって製造された、300mm APD-800(登録商標)研磨機である。25個のダミー酸化物(TEOS前駆体、PETEOSからプラズマ強化CVDによって堆積)ウェハを研磨することによってパッドを慣らし運転した。ツール設定及びパッド慣らし運転を適格とするために、Versum Materials,Inc.のPlanarization Platformによって供給されたSyton(登録商標)OX-Kコロイド状シリカで、2つのPETEOSモニタをベースライン条件で研磨した。研磨実験は、ブランケットCuウェハ、及びCu MIT854 200mmパターン化ウェハを使用して行った。これらのブランケットウェハは、Silicon Valley Microelectronics,1150 Campbell Ave,CA,95126から購入した。
【0070】
日本のKuraray Corporationによって供給された研磨パッド、すなわち、非多孔質固体CH34パッド又はCH52パッドを、ブランケットウェハ研磨研究のためにプラテン上で使用した。470 Mercury Drive,Sunnyvale,CA 94085,USAにあるThomas West Inc.によって供給された研磨パッド、非多孔性固体パッドTWI 312HTGを、ブランケットウェハ研磨研究のためにプラテン上で使用した。
【実施例
【0071】
参照(Ref.)非PIB Cu CMP研磨組成物は、5.20質量%のグリシン、2.40質量%のアラニン、0.016質量%のアミトロール、0.0231質量%の重炭酸コリン、0.0016質量%のNeolone M10殺生物剤、0.2705質量%の高純度コロイド状シリカ粒子、及び分散剤として0.050質量%のSilsurf E608で構成された。
【0072】
EO-PO湿潤官能基を含有するSilsurf E608を、シリコーン含有分散剤として使用した。
【0073】
試験試料であるPIB型Cu CMP研磨組成物は、5.20質量%のグリシン、2.40質量%のアラニン、0.016質量%のアミトロール、0.0231質量%の重炭酸コリン、0.0016質量%のNeolone M10殺生物剤、0.2705質量%の高純度コロイド状シリカ粒子、及び分散剤として0.050質量%のSilsurf E608、及び0.10質量%の35ミクロンサイズのポリウレタンビーズで構成された。
【0074】
2.5質量%のHを、使用時にCMP組成物に添加した。
【0075】
参照研磨組成物及び試験研磨組成物の両方は、約7.20のpHを有していた。
【0076】
以下の実施例では、2つの非多孔質で安価な固体のCH34及びCH52パッドを使用した。実施例1~3を、第1のCH34パッドについて実施した。第2のCH52パッドを使用して、実施例4~6において同じ測定を行った。
【0077】
実施例1 CH34非多孔質固体パッド使用時のCu除去
これらの非PIB型及びPIB型Cu CMP研磨組成物並びに第1のCH34パッドを使用して、Cu除去速度を試験した。結果を表1に列挙した。
【表1】
【0078】
表1に示されたCu除去速度結果のように、Cu除去速度は、3つの異なる適用されたダウンフォース×(掛ける)3つの異なる滑り速度の下で、非PIB-Cu研磨組成物に対してPIB-Cu研磨組成物では増加しており、そしてそれは、非PIB Cu研磨組成物に対して、より安価な非多孔質固体研磨パッド上でPIB型Cu研磨組成物を使用することの1つの重要な利点を実証した。
【0079】
実施例2 CH34非多孔質固体パッド使用時の摩擦係数
これらの非PIB型及びPIB型Cu CMP研磨組成物を使用した摩擦係数(COF)、及びその結果を表2で比較した。
【表2】
【0080】
表2に示されたCOF比較結果のように、COFは、3つの異なる適用されたダウンフォース×(掛ける)3つの異なる滑り速度の下で、非PIB-Cu研磨組成物に対してPIB-Cu研磨組成物では低下しており、そしてそれは、非PIB Cu研磨組成物に対して、より安価な非多孔質固体研磨パッド上でPIB型Cu研磨組成物を使用することの別の重要な利点を実証した。
【0081】
実施例3 CH34非多孔質固体研磨パッド使用時のCuディッシング
参照試料として非PIB Cu研磨組成物を使用し、試験試料としてPIB型Cu研磨組成物を使用して、2.5psiのダウンフォース及び1.6m/sの滑り速度条件下で、200mmのCuパターン化ウェハを研磨した。
【0082】
6つの異なるサイズのCuラインフィーチャに関するCuラインディッシングの比較を表3で比べた。
【表3】
【0083】
表3に示されたCuラインディッシング比較結果のように、Cuラインディッシングは、6つ全ての異なるCuラインフィーチャにわたって、非PIB Cu研磨組成物に対してPIB-Cu研磨組成物では低減され、そしてそれは、PIB型Cu CMPスラリーを用いてより低いCuラインディッシング性能を達成するために、非PIB Cu研磨組成物に対して、より安価な非多孔質固体研磨パッド上でPIB型Cu研磨組成物を使用することの第3の重要な利点を実証した。
【0084】
一般に、非多孔質、安価、及び非多孔質固体CH34研磨パッドを使用すると、PIB型Cu CMP研磨組成物は、非PIB Cu研磨組成物からのものよりも高いCu膜除去速度、わずかに低い平均COF、及び全ての試験されたCuラインフィーチャにわたって低減されたCuラインディッシングを提供した。
【0085】
実施例4 CH52非多孔質固体パッド使用時のCu除去
これら2つの非PIB型及びPIB型のCu CMP研磨組成物を使用して、別の非多孔質で安価な第2の非多孔質固体CH52パッド上で、Cu除去速度を試験した。結果を表4に列挙した。
【表4】
【0086】
第2のCH52パッドを使用する表4に示されたCu除去速度の結果のように、表4は、第1のCH34パッドを使用して得られたこれらのCu除去速度の結果のように、第2のCH52パッドを使用して一貫性のある結果を提供した。
【0087】
実施例5 CH52非多孔質固体パッド使用時の摩擦係数
これら2つの非PIB型及びPIB型のCu CMP研磨組成物を、CH52研磨パッドと共に使用した時の摩擦係数(COF)を比較し、結果を表5で比べた。
【表5】
【0088】
第1のCH52パッドを使用する表2に示されたCOF比較結果のように、表5は、第1のCH34パッドを使用して得られたこれらのCu摩擦係数の結果のように、第2のCH52研磨パッドを使用して一貫性のある結果を提供した。
【0089】
実施例6 CH52非多孔質固体パッド使用時のCuディッシング
参照試料として非PIB Cu研磨組成物を使用し、試験試料としてPIB型Cu研磨組成物を使用して、2.5psiのダウンフォース及び1.6m/sの滑り速度条件下で、第2の非多孔質固体CH52研磨パッドを使用して、200mmのCuパターン化ウェハを研磨した。
【0090】
6つの異なるサイズのCuラインフィーチャに関するCuラインディッシングの比較を表6で比べた。
【表6】
第2のCH52パッドを使用する表6に示されたCuラインディッシング比較結果のように、表6は、第1のCH34パッドを使用して得られたそれらのCuラインディッシング結果のように、第2のCH52固体研磨パッドを使用して一貫性のある結果を提供した。
【0091】
実施例7 TWI 312HTG非多孔質固体パッド使用時のCu除去
これらの2つの非PIB型及びPIB型Cu CMP研磨組成物を使用して、第3の非多孔質で安価な固体のThomas West CMP研磨パッド(TWI 312HTG)上でCu除去速度を試験した。結果を表7に列挙した。
【表7】
【0092】
第3のThomas West研磨パッドを使用する表7に示されたCu除去速度の結果のように、Cu除去速度は、1.5psiのダウンフォースにて、異なる滑り速度の条件下で、有意に増加した。
【0093】
実施例8 TWI 312HTG非多孔質固体パッド使用時の摩擦係数
TWI 312HTG研磨パッドを用いて、これら2つの非PIB型及びPIB型のCu CMP研磨組成物を使用した時の摩擦係数(COF)を比較し、結果を表8において比べた。
【表8】
【0094】
第3のTWI 312HTG非多孔質固体研磨パッドを使用する表8に示されたCOF比較結果のように、ポリウレタンビーズを有するPIB型Cu CMPスラリーは、9つの異なる適用されたダウン形態及び滑り速度の組み合わせ条件において、ポリウレタンビーズを使用しない非PIB Cuスラリーを使用することから得られるCOFよりも低減されたCOFを提供し、そしてそれは、Cu及びTSV CMP研磨プロセスにおいてPIB技術及びPIB型Cu CMPスラリーを使用することの重要な利点を明確に示した。
【0095】
実施例9 TWI 312HTG非多孔質固体パッド使用時のCuディッシング
参照試料として非PIB Cu研磨組成物を使用し、試験試料としてPIB型Cu研磨組成物を使用して、2.5psiのダウンフォース及び1.6m/sの滑り速度条件下で、第3のTWI 312HTG非多孔質固体パッドを使用して、200mmのCuパターン化ウェハを研磨した。
【0096】
6つの異なるサイズのCuラインフィーチャに関するCuラインディッシングの比較を表9で比べた。
【表9】
【0097】
第3のTWI 312HTG非多孔質固体パッドを使用する、表9に示されたCuラインディッシング比較結果のように、ポリウレタンビーズを有するPIB型Cu CMPスラリーは、ポリウレタンビーズを使用しない非PIB Cuスラリーを使用することから得られたCuラインディッシングよりも、6つ全ての試験されたCuラインフィーチャにわたって有意に低減されたCuラインディッシングを提供し、そしてそれは、向上したCu除去速度を達成し、同時にはるかにより低いCuラインディッシングを達成するためのCu及びTSV CMP研磨プロセスにおいてPIB技術及びPIB型Cu CMPスラリーを使用することの重要な利点を明確に示した。
【0098】
要約すれば、非多孔質で安価な固体のCH34又はCH52研磨パッド、PIB型Cu CMP研磨組成物を使用することによる本発明は、非PIB Cu研磨組成物からのものよりも高いCu膜除去速度、わずかに低い平均COF、及び全ての試験されたCuラインフィーチャにわたって低減されたCuラインディッシングを提供した。
【0099】
上に列挙した結果は、PIB型Cu CMP組成物においてミクロンサイズのPUビーズを使用することの利点の1つを示してきており、Cu除去速度は、非多孔質で、より安価な固体の研磨パッドを使用して増加させることができる。
【0100】
明らかに、非多孔質で安価な固体の研磨パッドを用いた場合に、PUビーズを含有するPIB型Cu CMP研磨組成物は、PUビーズを使用していないCu研磨組成物より性能が優れている。
【0101】
実施例を含む上に列挙された本発明の実施形態は、本発明から作製することのできる多数の実施形態の例示である。プロセスの多数の他の構成が使用されてもよく、プロセスにおいて使用される材料は、具体的に開示されたもの以外の多数の材料から選択されてもよいことが企図される。
【国際調査報告】