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特表2024-544910高スループットの入れ子式大気圧ロボットアーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】高スループットの入れ子式大気圧ロボットアーム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241128BHJP
   B25J 5/02 20060101ALI20241128BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J5/02 Z
B25J9/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527482
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 US2022079585
(87)【国際公開番号】W WO2023086848
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/263,937
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランク・リチャード・エム.
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707BS15
3C707CS01
3C707CT02
3C707CV07
3C707CW07
3C707DS01
3C707ES03
3C707ES17
3C707JS02
3C707LV02
3C707NS13
5F131AA02
5F131CA32
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DB04
5F131DB52
5F131DB53
5F131DB57
5F131DB58
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB82
5F131DB86
5F131DB95
(57)【要約】
【解決手段】
半導体処理ツールにおいて様々なウエハ載置位置間で半導体ウエハを移動させるために使用され得る入れ子式ウエハハンドリングロボットアームを提供する。入れ子式ウエハハンドリングロボットアームは、各ウエハハンドリングが平行移動システムに沿って平行移動でき、他方のウエハハンドリングの実行と独立して、ウエハをピッキングおよび載置できるように構成されてもよい。2つのウエハハンドリングロボットアームは、各ウエハハンドリングロボットが、一方のウエハ載置位置が他方の真上にある各ウエハ載置位置からウエハを同時にピッキングまたは載置し得るように、入れ子構成に入ってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールにおいてウエハを移送するための装置であって、
第1ウエハハンドリングロボットアームと、
第2ウエハハンドリングロボットアームと、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームと結合するように構成されているリニア平行移動システムと
を備え、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、対応する基部を有し、
前記装置は、それぞれの前記基部を少なくとも入れ子構成と非入れ子構成との間で水平な平行移動軸に沿って独立して横断させるように構成され、
前記リニア平行移動システム、前記第1ウエハハンドリングロボットアーム、および前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記基部が前記リニア平行移動システムによって、前記平行移動軸に沿って、かつ第1ゾーンおよび第2ゾーンを通るが第3ゾーンは通らずに移動可能であるとともに、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記基部が前記リニア平行移動システムによって、前記第2ゾーンおよび前記第3ゾーンを通るが前記第1ゾーンを通らずに移動可能であるように構成され、
前記第2ゾーンは、前記第1ゾーンと前記第3ゾーンとの間にある、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、
対応するエンドエフェクタと、
2つ以上の対応するロボットアームリンクと、を備え、前記2つ以上の対応するロボットアームリンクは、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1ロボットアームリンクであって、前記対応する第1ロボットアームリンクが前記対応する基部に対して対応する第1軸を中心に回転可能なように、前記対応する第1ロボットアームリンクの前記第1端が、対応する第1回転継手を介して前記対応する基部に回転可能に接続されている、対応する第1ロボットアームリンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2ロボットアームリンクであって、前記対応するエンドエフェクタが前記対応する第2ロボットアームリンクに対して対応する第2軸を中心に回転可能なように、前記対応する第2ロボットアームリンクの前記第2端が、対応する第2回転継手を介して前記対応するエンドエフェクタに回転可能に接続されている、対応する第2ロボットアームリンクと、を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する基部はそれぞれ、前記対応するエンドエフェクタを前記対応する第1軸に平行な軸に沿って移動させるように構成された対応する垂直駆動機構を有する、装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドを含み、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの両方が、移動可能に前記第1セットのリニアガイドに接続されている、装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドおよび第2セットのリニアガイドを有し、前記第1ウエハハンドリングロボットアームは、移動可能に前記第1セットのリニアガイドに接続され、前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、移動可能に前記第2セットのリニアガイドに接続されている、装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの底面は、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第2ロボットアームリンクの上面に面している、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの上面は、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第2ロボットアームリンクの底面に面している、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの基板支持面は、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1ロボットアームリンクの上面から第1距離だけ上方にあり、
前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの基板支持面は、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1ロボットアームリンクの上面から第2距離だけ上方にあり、
前記第1距離と前記第2距離との差は、10mm±1mmである、装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置であって、
各ウエハハンドリングロボットアームは、対応する第2エンドエフェクタを有する、装置。
【請求項10】
請求項2に記載の装置であって、
1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続されている1つまたは複数のメモリデバイスを有するコントローラをさらに備える、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームを少なくとも第1構成と第2構成との間で移動させるように構成され、
前記第1構成では、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタが前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの真上にあり、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸が前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸から第1距離だけ離隔するように位置決めされ、
前記第2構成では、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタが前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタから水平距離に離隔し、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸が前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸から第2距離だけ離隔するように位置決めされ、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記第1構成では、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの基板支持面は、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記エンドエフェクタの基板支持面から10mm±1mm下方にある、装置。
【請求項13】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記リニア平行移動システムに、一方の前記ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する基部を前記平行移動軸に沿って移動させる一方で、他方の前記ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する基部を前記リニア平行移動システムに対して静止したままにさせるように構成されている、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記リニア平行移動システムに、前記第1ウエハハンドリングアームロボットの前記対応する基部を前記平行移動軸に沿って第1方向に移動させるとともに、前記リニア平行移動システムに、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する基部を前記平行移動軸に沿って第2方向に移動させるように構成されている、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1方向および前記第2方向は、同じ方向である、装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームがリニア平行移動軸に沿って平行移動する間、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸および前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸は、第1離隔距離だけ離れたままである、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であって、
前記第1方向および前記第2方向は、異なる方向である、装置。
【請求項18】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置から同時にピッキングさせるように構成され、前記第1ウエハ載置位置は、前記第2ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる、装置。
【請求項19】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置からピッキングさせるように構成され、前記第2ウエハ載置位置は、前記第1ウエハ載置位置から水平距離に離隔している、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成され、前記第3ウエハ載置位置は、前記第4ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成され、前記第3ウエハ載置位置は、前記第4ウエハ載置位置から水平距離に離隔している、装置。
【請求項22】
請求項1に記載の装置であって、
3つ以上のロードポートおよび2つ以上のロードロックをさらに含み、前記3つ以上のロードポートは前記リニア平行移動システムの第1の側に配置され、前記2つ以上のロードロックは前記第1の側と反対の前記リニア平行移動システムの第2の側にあり、前記3つ以上のロードポートのそれぞれが、対応するFOUPを受け入れるように構成されている、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、
2つ以上のアライナーをさらに備え、各アライナーが、対応するロードロックの上方に配置されている、装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を前記第1FOUPから同時にピッキングさせるように構成されている、装置。
【請求項25】
請求項22に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2FOUPから同時にピッキングさせるようにさらに構成されている、装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第1ロードロック内に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第2ロードロック内に同時に載置させるようにさらに構成されている、装置。
【請求項27】
請求項24に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第1アライナー上に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第2アライナー上に同時に載置させるようにさらに構成されている、装置。
【請求項28】
請求項23に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板をロードロック内に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板をアライナー上に同時に載置させるようにさらに構成されている、装置。
【請求項29】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記基部に接続され、前記基部を支持する第1セットのリンク機構と、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記基部に接続され、前記基部を支持する第2セットのリンク機構とを有するリンク機構ベースの平行移動システムである、装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、基部を有し、各セットのリンク機構は、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1リンクであって、前記第1リンクの前記第1端が、前記対応する第1リンクが対応する第1軸を中心に前記リンク機構ベースの平行移動システムの前記基部に対して回転可能なように、対応する第1回転継手を介して前記リンク機構ベースの平行移動システムの前記基部に回転可能に接続されている、対応する第1リンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2リンクであって、前記対応するウエハハンドリングロボットアームが、対応する第2軸を中心に前記対応する第2リンクに対して回転可能なように、前記第2リンクの前記第1端が前記対応する第1リンクの前記第2端に回転可能に接続されるとともに、前記第2リンクの前記第2端が対応する回転継手を介して前記ウエハハンドリングロボットアームのうちの対応する1つに回転可能に接続されている、対応する第2リンクとを有する、装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの前記第2端を制限して、前記平行移動軸に沿って移動させるように構成されている、装置。
【請求項32】
請求項30に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの前記第2端を制限して、前記第1軸に垂直な平行移動平面に沿って移動させるように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
PCT出願願書が、本願の一部として本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT出願願書で特定され、本願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ処理ツールは、格納容器、例えばFOUPs(Front-Opening Universal(またはUnified)Pods)からウエハを処理チャンバに渡すためのEFEM(Equipment Front-End Module)を有し得る。EFEMは、1つまたは複数のウエハ格納容器と、1つまたは複数の処理チャンバロードポート(例えば、ロードロック)とを有し得る。ロードロックは、ウエハの移送元または移送先の圧力に合うように圧力を変化させるチャンバである。いくつかの実施形態では、ロードロックは、ウエハを保持するための単一の載置位置を有し得る。いくつかの他の実施形態では、ロードロックは、複数のウエハを保持するための複数のウエハ載置位置を有し得る。ウエハ処理中、ロードロックチャンバを加圧する前に、ロードロックは、各ウエハがウエハ載置位置のそれぞれに載置されるのを待つ場合がある。EFEMは、ほとんどの場合、ウエハを格納容器、ロードロック、および/または他の位置間で移送するウエハハンドリングロボットを含み得る。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施態様では、半導体処理ツールにおいてウエハを移送する装置を提供してもよい。装置は、第1ウエハハンドリングロボットアームと、第2ウエハハンドリングロボットアームと、第1および第2ウエハハンドリングロボットアームと結合するように構成されているリニア平行移動システムとを含んでもよい。第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれは、対応する基部を有してもよい。装置は、それぞれの基部を少なくとも入れ子構成と非入れ子構成との間で水平な平行移動軸に沿って独立して横断させるように構成されてもよい。リニア平行移動システム、第1ウエハハンドリングロボットアーム、および第2ウエハハンドリングロボットアームは、第1ウエハハンドリングロボットアームの基部がリニア平行移動システムによって、平行移動軸に沿って、かつ第1ゾーンおよび第2ゾーンを通るが第3ゾーンは通らずに移動可能であるとともに、第2ウエハハンドリングロボットアームの基部がリニア平行移動システムによって、第2ゾーンおよび第3ゾーンを通るが第1ゾーンを通らずに移動可能であるように構成されてもよい。第2ゾーンは、第1ゾーンと第3ゾーンとの間にある。
【0004】
装置のいくつかの実施態様では、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、対応するエンドエフェクタと2つ以上の対応するロボットアームリンクとをさらに含んでもよく、2つ以上の対応するロボットアームリンクは、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1ロボットアームリンクであって、対応する第1ロボットアームリンクが、対応する基部に対して対応する第1軸を中心に回転可能なように、対応する第1ロボットアームリンクの第1端が、対応する第1回転継手を介して対応する基部に回転可能に接続されている、対応する第1ロボットアームリンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2ロボットアームリンクであって、対応するエンドエフェクタが対応する第2ロボットアームリンクに対して対応する第2軸を中心に回転可能なように、対応する第2ロボットアームリンクの第2端が、対応する第2回転継手を介して対応するエンドエフェクタに回転可能に接続されている、対応する第2ロボットアームリンクとを含む。
【0005】
装置のいくつかの実施態様では、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームの対応する基部はそれぞれ、対応するエンドエフェクタを対応する第1軸に平行な軸に沿って移動させるように構成された対応する垂直駆動機構を有してもよい。
【0006】
装置のいくつかの実施態様では、リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドを含んでもよく、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームの両方が、移動可能に第1セットのリニアガイドに接続されてもよい。
【0007】
装置のいくつかの実施態様では、リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドおよび第2セットのリニアガイドを有してもよく、第1ウエハハンドリングロボットアームが移動可能に第1セットのリニアガイドに接続されてもよく、第2ウエハハンドリングロボットアームが移動可能に第2セットのリニアガイドに接続されてもよい。
【0008】
装置のいくつかの実施態様では、第1ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの底面が、第1ウエハハンドリングロボットアームの第2ロボットアームリンクの上面に面していてもよい。
【0009】
装置のいくつかの実施態様では、第2ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの上面が、第2ウエハハンドリングロボットアームの第2ロボットアームリンクの底面に面していてもよい。
【0010】
装置のいくつかの実施態様では、第1ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの基板支持面が、第1ウエハハンドリングロボットアームの第1ロボットアームリンクの上面から第1距離だけ上方にあってもよく、第2ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの基板支持面が、第2ウエハハンドリングロボットアームの第1ロボットアームリンクの上面から第2距離だけ上方にあってもよい。第1距離と第2距離との差が、10mm±1mmであってもよい。
【0011】
装置のいくつかの実施態様では、各ウエハハンドリングロボットアームは、対応する第2エンドエフェクタを有してもよい。
【0012】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続されている1つまたは複数のメモリデバイスを有するコントローラをさらに含んでもよい。
【0013】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームを少なくとも第1構成と第2構成との間で移動させるように構成されてもよい。第1構成では、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームは、第2ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタが第1ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの真上にあり、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームの第1軸が第1ウエハハンドリングロボットアームの第1軸から第1距離だけ離隔するように位置決めされてもよい。第2構成では、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームは、第2ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタが第1ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタから水平距離に離隔し、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームの第1軸が第1ウエハハンドリングロボットアームの第1軸から第2距離だけ離隔するように位置決めされてもよく、第2距離は、第1距離よりも長くてもよい。
【0014】
装置のいくつかの実施態様では、第1構成において、第1ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの基板支持面が、第2ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの基板支持面から10mm±1mm下方にあってもよい。
【0015】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、リニア平行移動システムに、一方のウエハハンドリングロボットアームの対応する基部を平行移動軸に沿って移動させる一方で、他方のウエハハンドリングロボットアームの対応する基部をリニア平行移動システムに対して静止したままにさせるように構成されてもよい。
【0016】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、リニア平行移動システムに、第1ウエハハンドリングアームロボットの対応する基部を平行移動軸に沿って第1方向に移動させるとともに、リニア平行移動システムに、第2ウエハハンドリングロボットアームの対応する基部を平行移動軸に沿って第2方向に移動させるように構成されてもよい。
【0017】
装置のいくつかの実施態様では、第1方向および第2方向は、同じ方向であってもよい。
【0018】
装置のいくつかの実施態様では、第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームがリニア平行移動軸に沿って平行移動する間、第1ウエハハンドリングロボットアームの第1軸および第2ウエハハンドリングロボットアームの第1軸は、第1離隔距離だけ離れたままであってもよい。
【0019】
装置のいくつかの実施態様では、第1方向および第2方向は、異なる方向であってもよい。
【0020】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置から同時にピッキングさせるように構成されてもよく、第1ウエハ載置位置は、第2ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる。
【0021】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置からピッキングさせるように構成されてもよく、第2ウエハ載置位置は、第1ウエハ載置位置から水平距離に離隔している。
【0022】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成されてもよく、第3ウエハ載置位置は、第4ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる。
【0023】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成されてもよく、第3ウエハ載置位置は、第4ウエハ載置位置から水平距離に離隔している。
【0024】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、3つ以上のロードポートおよび2つ以上のロードロックをさらに含んでもよい。3つ以上のロードポートはリニア平行移動システムの第1の側に配置されてもよく、2つ以上のロードロックは第1の側と反対のリニア平行移動システムの第2の側にあってもよく、3つ以上のロードポートのそれぞれが対応するFOUPを受け入れるように構成されてもよい。
【0025】
装置のいくつかの実施態様では、装置は、2つ以上のアライナーをさらに含んでもよく、各アライナーが、対応するロードロックの上方に配置されている。
【0026】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第1FOUPから同時にピッキングさせるように構成されてもよい。
【0027】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2FOUPから同時にピッキングさせるようにさらに構成されてもよい。
【0028】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ロードロック内に載置させ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ロードロック内に同時に載置させるようにさらに構成されてもよい。
【0029】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1アライナー上に載置させ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2アライナー上に同時に載置させるようにさらに構成されてもよい。
【0030】
装置のいくつかの実施態様では、コントローラは、第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板をロードロック内に載置させ、かつ第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板をアライナー上に同時に載置させるようにさらに構成されてもよい。
【0031】
装置のいくつかの実施態様では、リニア平行移動システムは、第1ウエハハンドリングロボットアームの基部に接続され、基部を支持する、第1セットのリンク機構と、第2ウエハハンドリングロボットアームの基部に接続され、基部を支持する、第2セットのリンク機構とを有するリンク機構ベースの平行移動システムであってもよい。
【0032】
装置のいくつかの実施態様では、リンク機構ベースの平行移動システムは、基部を有してもよく、各セットのリンク機構は、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1リンクであって、第1リンクの第1端が、対応する第1リンクが対応する第1軸を中心にリンク機構ベースの平行移動システムの基部に対して回転可能なように、対応する第1回転継手を介してリンク機構ベースの平行移動システムの基部に回転可能に接続されている、対応する第1リンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2リンクであって、対応するウエハハンドリングロボットアームが、対応する第2軸を中心に対応する第2リンクに対して回転可能なように、第2リンクの第1端が対応する第1リンクの第2端に回転可能に接続されるとともに、第2リンクの第2端が対応する回転継手を介してウエハハンドリングロボットアームのうちの対応する1つに回転可能に接続されている、対応する第2リンクとを有してもよい。
【0033】
装置のいくつかの実施態様では、リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの第2端を制限して、平行移動軸に沿って移動させるように構成されてもよい。
【0034】
装置のいくつかの実施態様では、リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの第2端を制限して、第1軸に垂直な平行移動平面に沿って移動させるように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、例示的なEFEMの上面図を示す。
【0036】
図2図2は、平行移動システムに取り付けられた例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの透視図を示す。
【0037】
図3図3は、例示的なウエハハンドリングロボットアームの上面図を示す。
【0038】
図4図4は、平行移動システムに取り付けられた、入れ子構成の例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの透視図を示す。
【0039】
図5図5は、例示的なウエハハンドリングロボットアームの断面図を示す。
【0040】
図6図6は、1セットのリニアガイドを有する平行移動システムの例を示す。
【0041】
図7図7は、2セットのリニアガイドを有する平行移動システムの例を示す。
【0042】
図8-A】図8-Aは、平行移動後の平行移動システム上の入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの概略を示す。
図8-B】図8-Bは、平行移動後の平行移動システム上の入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの概略を示す。
図8-C】図8-Cは、平行移動後の平行移動システム上の入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの概略を示す。
図8-D】図8-Dは、平行移動後の平行移動システム上の入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの概略を示す。
【0043】
図9図9は、ウエハをピッキングする入れ子構成の例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの側面図を示す。
【0044】
図10図10は、平行移動システムに取り付けられた例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの透視図を示す。
【0045】
図11図11は、平行移動システムに取り付けられた例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームのさらに別の透視図を示す。
【0046】
図12図12は、平行移動システムに取り付けられた別の例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの透視図を示す。
【0047】
図13図13は、異なる構成の図12の入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの例を示す。
【0048】
図14図14は、入れ子式ウエハハンドリングロボットアームを有する例示的なFOUPの概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下の説明では、提示した各実施形態を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が記載されている。本明細書に開示の実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全てが欠けていても実践し得る。他の例では、本開示の実施形態を不必要に曖昧にしないように、周知のプロセス動作を詳細には説明していない。さらに、本開示の実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されるが、特定の実施形態は、本開示の実施形態を限定することを意図していないと理解されるであろう。
【0050】
半導体ウエハ処理ツールの改良が進むにつれ、スループット(そのようなツールが所与の期間内に潜在的に処理できるウエハの数)が依然としてツールの評価の基準となっている。ツールのスループットに影響を与える重要な要因は、ツール内の様々な位置間でのウエハ移送、特に、EFEM(Equipment Front End Module)において生じるウエハ移送に要する時間である。本明細書では、ウエハ移送およびツールのスループットにおける効率を上げるために使用され得る入れ子式ウエハハンドリングロボットアームを有する装置を提供する。特定の実施形態では、各装置は、それぞれの対応するウエハの第1位置からそれぞれの対応するウエハの第2位置へ複数のウエハを同時に移送するために使用されてもよい。入れ子式ウエハハンドリングロボットアームを使用することにより、半導体ウエハ処理ツールは、ウエハ移送の待機時間を短縮し、ツールの半導体処理時間を大幅に改善できる。
【0051】
図1は、半導体ウエハ処理ツールのEFEM102の例を示す。EFEM102には、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103がある。各入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103は、リニア平行移動システム104に接続されている。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103は、2つのウエハハンドリングロボットアーム、つまり第1ウエハハンドリングロボットアーム106および第2ウエハハンドリングロボットアーム108である。EFEM102の外部には、ウエハ格納ユニット、すなわち、FOUPs(Front-Opening Universal Pods)112を保持し得るロードポート110がある。図1に示す実施形態では、4つのロードポート110が存在し、それぞれが、対応するFOUP112を有する。他の実施形態では、複数のロードポートが存在してもよい。ロードポート110の反対側では、EFEM102が、複数のロードロック114を有してもよい。図示の実施形態では、2つのロードロック114が存在し、それぞれが、対応するアライナー116を上部に有する。いくつかの実施形態では、EFEM102は、単一のロードロック114を有してもよい。また、図1は、1つまたは複数のプロセッサ172とメモリ174とを有するコントローラ170を特徴とするが、これについては、さらに後述する。
【0052】
EFEM102は、概して、半導体処理ツールの前端であり、大気圧または大気圧に近い圧力を有する環境である。ロードポート110、FOUPs112、および入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103は、大気環境にある。ロードロック114は、EFEM102と、大気圧よりも低い圧力を通常有するプロセスチャンバとの間で半導体ウエハを移送する。ロードロック114は、双方向(入ってくるウエハと出ていくウエハを保持する)または一方向(入ってくるウエハまたは出ていくウエハのみを保持する)のいずれでもよい。大気環境とプロセスチャンバとの間のウエハ移送中、ロードロックは、ロードロック内の圧力を変化させ得る。例えば、処理対象の半導体ウエハがFOUPから処理チャンバに移送されるとき、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103のうちの一方のウエハハンドリングロボットアームが、半導体ウエハをロードロック114へ移送する。半導体ウエハがロードロック114内に入ると、ロードロックは、内圧を大気圧から接続されているチャンバの圧力に変更することになる。いくつかの実施形態では、接続されているチャンバは、移送チャンバである。いくつかの実施形態では、接続されているチャンバは、プロセスチャンバである。ロードロックの内圧が接続されているチャンバの圧力と一致すると、半導体ウエハは、ロードロック114から接続されているチャンバに移送される。接続されているチャンバが移送チャンバである実施形態では、半導体ウエハは、移送チャンバを介してプロセスチャンバに移送されてもよい。半導体ウエハがプロセスチャンバから大気環境に移送されるときにも、同様のプロセスが行われる。ロードロック114は、ウエハのスループットのボトルネックとなる。というのも、ロードロックが圧力を変化させている間、半導体ウエハが、ロードロック内に留まらなければならないためである。いくつかの実施形態では、図1に示すように、ロードロック114を通じて一度に移送可能な複数のウエハが存在してもよい。これを用いて、複数のウエハを、ロードロック114を通じて大気環境からプロセスチャンバへ、またはプロセスチャンバから大気環境へ同時に移送してもよいため、ウエハのスループットを向上し得る。これらの実施形態では、チャンバがロードロックの内圧を変化させるのに先だってウエハの搬入をさらなる時間待つ必要があるため、ロードロック114への連続したウエハ載置とロードロック114からの連続したウエハピッキングがスループットを低下させる。ロードロック114などのEFEM102内の位置からのウエハのピッキングおよび載置動作が並行して行われ、潜在的にウエハスループットの向上につながるように、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103を使用してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、入れ子式ウエハハンドリングロボット103およびリニア平行移動システム104は、真空移送モジュール(図示せず)において使用されてもよい。真空移送モジュールは、2つ以上のウエハ処理モジュールと接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、真空移送モジュールはまた、真空移送モジュールからEFEMにウエハを移送するように構成されている1つまたは複数のロードロックと接続されてもよい。入れ子式ウエハハンドリングロボットによって複数のウエハがウエハ処理モジュールおよび/またはロードロック間で同時に移送されてもよいため、入れ子式ウエハハンドリングロボット103およびリニア平行移動システムを使用して、ウエハのスループットを向上し得る。
【0054】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム203の等角図を示す。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム203は、図1に示す入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103のように使用してもよい。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム203は、2つのウエハハンドリングロボットアーム、つまり第1ウエハハンドリングロボットアーム206および第2ウエハハンドリングロボットアーム208を含む。各ウエハハンドリングロボットアームは、基部218と、ロボットアームリンクと、エンドエフェクタ220とを有する。図2に示す実施形態では、各ウエハハンドリングロボットアーム(206および208)は、対応する基部218と、対応する第1アームリンク222と、対応する第2アームリンク224と、エンドエフェクタ220とを有する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のウエハハンドリングロボットアームは、デュアルエンドエフェクタ(図示せず)を有してもよい。図3は、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム203において使用され得るウエハハンドリングロボットアーム307a~307c(総称して、307)の例を示すが、不図示の他の例を用いてもよい。ウエハハンドリングロボットアーム307aの第1例は、デュアルエンドエフェクタ320aおよび320bを有する。ウエハハンドリングロボットアーム307aは、2つのアームリンク、つまり第1アームリンク322および第2アームリンク324を有する。デュアルエンドエフェクタ320aおよび320bは、第2アームリンク324に取り付けられているが、いくつかの実施態様では、単一のエンドエフェクタのみが第2アームリンク324に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、デュアルエンドエフェクタを使用して、複数のウエハを同時に移送してもよい。いくつかの他の実施形態では、第1エンドエフェクタ320aが、処理対象のウエハを運ぶために使用されてもよく、その間に第2エンドエフェクタ320bが、処理されたウエハを運ぶために使用されてもよい。
【0055】
ウエハハンドリングロボットアーム307bの第2例は、単一のエンドエフェクタ320と3つのアームリンクとを有するウエハハンドリングロボットアームを示す。第1アームリンク322は、基部318に回転可能に接続されている。第2アームリンク324は、第1アームリンク322に回転可能に接続されている。第3アームリンク325は、第2アームリンク324に回転可能に接続されている。エンドエフェクタ320は、第3アームリンク325に回転可能に接続されている。第3アームリンク325を使用して、図2に示すように、2つのアームリンクを有するウエハハンドリングロボットアームと比べてウエハハンドリングロボットアームのリーチを拡大し、ロボットアームにより高い自由度を与えてもよい。
【0056】
同様に、ウエハハンドリングロボットアーム307cの第3例は、単一のエンドエフェクタ320と4つのアームリンクとを有するウエハハンドリングロボットアームを示す。第1アームリンク322は、基部318に回転可能に接続されている。第2アームリンク324は、第1アームリンク322に回転可能に接続されている。第3アームリンク325は、第2アームリンク324に回転可能に接続されている。第4アームリンク327は、第3アームリンク325に回転可能に接続され、エンドエフェクタ320は、第4アームリンク327に回転可能に接続されている。3つのリンクを有するウエハハンドリングロボットアームと同様に、4つのリンクを有するウエハハンドリングロボットアームにより、リーチが拡大し、より自由度が高まることで、ロボットアームにより多くの可能な構成が与えられる。上記の各例は、入れ子式ウエハハンドリングロボットアームとして使用され得るいくつかのウエハハンドリングロボットアームの例を説明するために提供される。これらの例は、本開示の態様を例示するとともにより明瞭に説明するために提供され、限定することを意図していない。他の実施態様では、例えば、追加のエンドエフェクタおよび/またはアームリンクを含んでもよい。いくつかの例では、単一の基部が、それぞれ固有の1つまたは複数のエンドエフェクタを有する、複数のロボットアームを支持してもよい。
【0057】
図2に戻ると、図示のウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、2つのアームリンクと単一のエンドエフェクタ220とを有する。第1アームリンク222は、2つの端、つまり第1アームリンク第1端230および第1アームリンク第2端232を有する。第1アームリンク222の第1アームリンク第1端230は、第1回転継手226を介して基部218に回転可能に接続され、第1軸228を中心に回転する。第2アームリンク224は、第2アームリンク第1端234および第2アームリンク第2端236を有する。第2アームリンク第1端234における第2アームリンク224は、回転エルボ継手250を介して、第1アームリンク第2端232における第1アームリンク222に回転可能に接続されている。エンドエフェクタ220は、第2回転継手238を介して第2アームリンク第2端236における第2アームリンク224に回転可能に接続され、第2軸240を中心に回転する。
【0058】
各回転継手の回転は、アクチュエータ(図示せず)によって駆動される。いくつかの実施形態では、各回転継手は、固有のアクチュエータを有する。他の実施形態では、2つ以上の回転継手が、単一のアクチュエータを共有してもよい。これらの実施形態では、2つの回転継手が、互いに回転可能に接続されてもよい。例えば、第2回転継手238およびエルボ回転継手250が互いに回転可能に接続されているとき、この2つの回転継手は、エルボ回転継手250の回転時に第2回転継手238を回転させるプーリーとベルトシステム(図示せず)を介して接続されてもよい。第1回転継手226、回転エルボ継手250、および第2回転継手238において回転することにより、各ウエハハンドリングロボットアームは、その対応するエンドエフェクタ220を、第1回転継手226に配置されたその対応する第1軸228に対して移動可能である。第1回転継手226における第1アームリンク222と基部218との間の回転可能な接続によって、対応するエンドエフェクタ220が第1軸228を中心に回転可能となる。回転エルボ継手250における第1アームリンク222と第2アームリンク224との間の回転可能な接続、および第2回転継手238における第2アームリンクとエンドエフェクタ220との間の回転可能な接続によって、エンドエフェクタが第1軸228に対して外側に伸び、かつ内側に縮むことが可能になる。いくつかの実施形態では、エルボ継手の回転が、エンドエフェクタ220を第1軸228に対して半径方向に伸縮させるような方法で第2回転継手を回転させるように、回転エルボ継手250が第2回転継手238に回転可能に接続されてもよい。
【0059】
各ウエハハンドリングロボットアーム(206および208)は、対応するエンドエフェクタ220をz駆動軸252に沿って移動させるように構成され得る垂直駆動機構(図示せず)を有してもよい。z駆動軸252は、第1軸228に平行である。垂直駆動機構は、基部218内に搭載されてもよく、第1アームリンク222および第2アームリンク224とともにエンドエフェクタ220をz駆動軸252に沿って移動させてもよい。垂直駆動機構は、例えば、回転モータによって駆動されるリードスクリューを用いたリニア駆動アセンブリであってもよい。
【0060】
図4は、「完全な入れ子」構成の入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403を示し、この構成では、第1ウエハハンドリングロボットアーム406のエンドエフェクタ420Aが、第2ウエハハンドリングロボットアーム408のエンドエフェクタ420Bと垂直方向に並んでいる。完全な入れ子構成は、「入れ子」構成の特定の種類である。入れ子構成とは、第1ウエハハンドリングロボットアーム406のエンドエフェクタ420Aの少なくとも一部が、第2ウエハハンドリングロボットのエンドエフェクタ420bの上方または下方にある場合である。入れ子構成により、各入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403は、互いに上方に位置するウエハを同時にピッキングおよび載置できる。完全な入れ子構成とは、各エンドエフェクタが、それによって支持される各ウエハの中心が互いに真上/真下になるように位置決めされる構成である。本明細書における「入れ子」構成への言及は、完全な入れ子構成および他の入れ子構成の両方を含むものと理解されたい。「非入れ子」構成とは、第1ウエハハンドリングロボットのエンドエフェクタ420のうち、第2ウエハハンドリングロボットのエンドエフェクタ420bの上方または下方にある部分がない場合である。
【0061】
図4は、入れ子構成(具体的には完全な入れ子構成)の入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403を示す。入れ子構成では、例えば、各ウエハハンドリングロボットアームが単一のFOUPにおいてウエハを同時にピッキングまたは載置し得るように、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403が構成されている。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403は、ウエハが保持されてもよく、そのために間隔が空けられた対応するエンドエフェクタを有し得るFOUP内の任意の2つの位置から同時にピッキングするように構成されてもよい。概して、FOUPにおけるウエハ間隔は、通常、中心から中心まで10mmである(ただし、以下の議論は、適切な置換を行うことで、10mm間隔以外のFOUPウエハ間隔にも同じように適用可能であると理解されるであろう)。この例では、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403がFOUPからピッキングするための入れ子構成であるとき、エンドエフェクタ420は、垂直方向に10mmの倍数、例えば、10mm、20mm、30mm等で離隔されるべきである。垂直間隔が最小距離、例えば10mmである入れ子構成を達成するために、対応するエンドエフェクタ420は、ウエハハンドリングロボットアーム(406および408)ごとに異なる方法で取り付けられてもよい。図示のように、第1ウエハハンドリングロボットアーム406は、対応するエンドエフェクタの底面442が、対応する第2アームリンク424Aの第2アームリンク上面444に面するように取り付けられたエンドエフェクタ420Aを有する。第2ウエハハンドリングロボットアーム408は、対応するエンドエフェクタの上面446が、対応する第2アームリンク424Bの第2アームリンク底面448に面するように取り付けられたエンドエフェクタ420Bを有する。エンドエフェクタの可変取り付け構成を考慮して、各ウエハハンドリングロボットアームの第2アームリンク424(424aおよび424b)は、エルボ回転継手450において異なる高さで取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、高さの差は、2つのウエハハンドリングロボットアームの一方にスペーサ429を使用することによって生じてもよい。例えば、第2ウエハハンドリングロボットアーム408は第1アームリンク422Bと第2アームリンク424Bとの間にスペーサ429を有し、第1ウエハハンドリングロボットアーム406はスペーサを有しない。いくつかの実施形態では、両ウエハハンドリングロボットアームがスペーサを有してもよいが、第2ウエハハンドリングロボットアーム408のスペーサは、第1ウエハハンドリングロボットアーム406のスペーサよりも高さがあってもよい。様々なエンドエフェクタ420の取り付け構成により、入れ子式ウエハハンドリングロボットアームが入れ子構成に移行し、z方向に最小間隔でウエハをピッキングまたは載置できる。
【0062】
図4では、示した実施形態は、単一の対応するエンドエフェクタ420(420aまたは420b)をそれぞれが有する、第1ウエハハンドリングロボットアーム406および第2ウエハハンドリングロボットアーム408の両方を有する。各エンドエフェクタ420は、対応する第2回転継手438に取り付けられる。いくつかの実施形態では、各ウエハハンドリングロボットアームは、リスト軸にさらなる自由度を加えるリストマウント(図示せず)を有してもよい。本実施形態では、リストマウントは、第2アームリンク第2端436と第2回転継手438が位置するエンドエフェクタ420との間に取り付けられる。いくつかの実施形態では、各ウエハハンドリングロボットアームが、図3にて上述したように、2つ以上のエンドエフェクタを有してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、エンドエフェクタはそれぞれ、同じ回転継手に回転可能に接続されてもよい。いくつかの他の実施形態では、エンドエフェクタは、2つの異なる回転継手に接続されてもよく、互いに独立して回転可能である。
【0063】
第1ウエハハンドリングロボットアーム406と第2ウエハハンドリングロボットアーム408はそれぞれ、リニア平行移動システム404に接続されている。リニア平行移動システム404は、フレーム454と、フレームに装着された1セットのリニアガイド456とを有する。いくつかの実施形態では、リニア平行移動システム404は、第1ウエハハンドリングロボットアーム406および第2ウエハハンドリングロボットアーム408の両方のための1セットのみのリニアガイド456を有してもよい。いくつかの他の実施形態では、リニア平行移動システム404は、2セット(図示せず)のリニアガイド456を有してもよく、1セットのリニアガイドは第1ウエハハンドリングロボットアーム406のためのものであり、2つ目の1セットのリニアガイドは第2ウエハハンドリングロボットアーム408のためのものである。リニアガイド456は、例えば、レール、トラック、スライド等であってもよい。図4は、単一セットのリニアガイド456を有するリニア平行移動システム404を示す。ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれは、各ウエハハンドリングロボットアームが平行移動軸458に沿って独立して移動できるように、この1セットのリニアガイド456に取り付けられる。平行移動軸458は、この1セットのリニアガイド456に実質的に平行であり、第1軸428に垂直である。
【0064】
図5は、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103において使用され得るウエハハンドリングロボットアーム506の例の断面図を示す。図5に示すように、ウエハハンドリングロボットアーム506は、1セットのリニアガイド556に沿って平行移動するように構成されている基部518を有する。別の実施形態では、基部518は、この1セットのリニアガイドに沿ってスライドするように構成され得るプレート(図示せず)またはブラケット(図示せず)に取り付けられてもよい。基部518は、リニア駆動スクリュー580(例えば、580a、580b)によって駆動されてもよい。図示の実施形態では、第1リニア駆動スクリュー580aと第2リニア駆動スクリュー580bが存在する。第1リニア駆動スクリュー580aはウエハハンドリングロボットアーム506を駆動するように構成されてもよく、第2リニア駆動スクリュー580bは第2ウエハハンドリングロボットアーム(図示せず)を駆動するように構成されてもよい。これについては、図6に関してさらに後述する。ウエハハンドリングロボットアーム506は、エンドエフェクタ520と、第1アームリンク522と、第2アームリンク524とを有してもよい。第1アームリンク522は、第1回転継手526によって基部518に回転可能に接続されている。第2アームリンク524は、エルボ回転継手550によって第1アームリンク522に回転可能に接続されている。エンドエフェクタ520は、第2回転継手538によって第2アームリンク524に回転可能に接続されている。モータ590および592およびプーリー582を使用して、各アームリンクを動かしてもよい。1セットのアームリンクおよびエンドエフェクタ520は、垂直駆動機構586によってz方向に沿って動かされてもよい。図示の例では、垂直駆動機構586は、z軸駆動モータ588およびz駆動リードスクリュー587を含む。第1モータ590は、第1回転継手526周りの第1アームリンク522の回転を制御するように構成されてもよい。プーリー582の構成と組み合わされた第2モータ592を使用して、アームリンクを伸縮させてもよい。いくつかの実施形態では、第2モータ592およびプーリー582は、エンドエフェクタ520を制御するように構成されてもよい。図示の実施形態では、ウエハハンドリングロボットアーム506は、エンドエフェクタ520を第2回転継手538の周りで駆動させるように構成されているエンドエフェクタ駆動モータ593を有する。
【0065】
図6は、リニア平行移動システム504の例を示す。図示の例では、第1ウエハハンドリングロボットアーム(図示せず)用の第1基部518aと第2ウエハハンドリングロボットアーム(図示せず)用の第2基部518bとを有する単一セットのリニアガイド556が存在する。いくつかの実施形態では、基部518は、リニアガイド556に沿って平行移動するように構成されているプレートまたはブラケットに取り付けられてもよい。リニアガイド556は、平行移動軸558に実質的に平行である。各基部518は、リニア駆動システムによって平行移動軸558に沿って駆動されてもよい。この例では、リニア駆動システムは、リニア駆動モータ578とリニア駆動スクリュー580(580aおよび580b)とを含む。各基部518は、対応するリニア駆動システムによって駆動されてもよい。例えば、第1ウエハハンドリングロボットアーム用の第1基部518aは第1駆動モータ578および第1リニア駆動スクリュー580aによって駆動されてもよく、第2ウエハハンドリングロボットアーム用の基部518bは第2駆動モータ578bおよび第2リニア駆動スクリュー580bによって駆動されてもよい。いくつかの実施形態では、さらに後述する、制御システム(図示せず)が、各リニア駆動モータ578aおよび578bを制御して、各ウエハハンドリングロボットアームの基部518を他のウエハハンドリングロボットアームの基部から独立して平行移動軸558に沿って平行移動させてもよい。
【0066】
図7は、第1セットのリニアガイド556aおよび第2セットのリニアガイド556bの2セットのリニアガイド556を有する例示的なリニア平行移動システムを示す。第1基部518aは第1セットのリニアガイド556aに装着され、第2基部518bは第2セットのリニアガイド556bに装着される。リニアガイドの両セットは、平行移動軸558に対して実質的に平行である。各基部518は、対応するリニア駆動システムによって駆動されてもよい。第1基部518aは、第1リニア駆動モータ578aおよび第1リニア駆動スクリュー580aによって第1セットのリニアガイド556aに沿って駆動されてもよい。第2基部518bは、第2リニア駆動モータ578bおよび第2リニア駆動スクリュー580bによって第2セットのリニアガイド556bに沿って駆動されてもよい。図6の単一のリニアガイドシステムと同様に、2セットのリニアガイドにより、各基部518を平行移動軸558に沿って互いに独立して駆動できるようにしてもよい。
【0067】
リニア平行移動システム504は、第1基部518aを介した第1ウエハハンドリングロボットアームが、第2基部518bを介した第2ウエハハンドリングロボットアームから独立して平行移動できるように構成されている。各リニア駆動システムは、各基部518が他方から独立して移動してもよいように、独立して制御されてもよい(ただし、両基部は少なくともいくつかの共通領域を通って平行移動可能なため、一方の基部の進行が他方の基部の位置決めに基づいて制限されてもよい)。例えば、第2基部518bが静止した状態の間、第1基部518aは、平行移動軸558に沿って第1方向に進行できる。この例では、第1リニア駆動モータ578aは、第1基部518aを第1方向に移動させる第1リニア駆動スクリュー580aを駆動させてもよい。同時に、第2リニア駆動モータ578bは、アイドリングしてもよく、これにより第2基部518bが静止したままとなってもよい。別の例では、第1基部518aおよび第2基部518bは、同じ方向に沿うが、異なる速度で平行移動してもよい。この例では、第1リニア駆動モータ578aは、第1リニア駆動スクリュー580aを第1レートで駆動し、第1基部518aを第1速度で第1方向に移動させてもよい。第2リニア駆動モータ578bは、第2リニア駆動スクリュー580bを第2レートで駆動し、第2基部518aを第2速度で第1方向に移動させてもよい。このように、第1基部518aおよび第2基部518bの両方が、第1方向に、ただし異なる速度で移動してもよい。各基部518は他の基部から独立して制御できるため、その対応する基部に取り付けられたウエハハンドリングロボットアームのそれぞれを、他方の基部から独立して平行移動軸558に沿って平行移動するように制御できる。上記の例は、様々な実施形態の態様を示すために提供される。これらの例は、態様を例示するとともに、より明確に説明するために提供され、限定することを意図していない。
【0068】
図4に戻ると、リニア平行移動システム404は、いくつかの実施形態に従って、平行移動軸458に沿った3つの平行移動ゾーン、つまり第1ゾーン460、第2ゾーン462、および第3ゾーン464を有する。第2ゾーン462は、第1ゾーン460と第3ゾーン464との間にある。ウエハハンドリングロボットアーム406または408はいずれも、ウエハハンドリングロボットアーム406または408のうち他方のウエハハンドリングロボットアームが通路を妨げない限り、平行移動軸に沿って第2ゾーン462内の任意の位置まで平行移動可能である。例えば、第1ウエハハンドリングロボットアーム406は、第1ウエハハンドリングロボットアームの基部418が第1ゾーン460または第2ゾーン462のいずれかにあるように、平行移動軸458に沿って平行移動できる。第2ウエハハンドリングロボットアーム408の基部418がそれ以上移動できないので、第2ウエハハンドリングロボットアーム408の基部418が第1ウエハハンドリングロボットアーム406の基部418を妨げることになるために、第1ウエハハンドリングロボットアーム406の基部418は、第3ゾーン内に平行移動できない。同様に、第2ウエハハンドリングロボットアーム408は、第2ウエハハンドリングロボットアームの基部418が第2ゾーン462から第3ゾーン464に至るまで平行移動できるように、平行移動軸458に沿って平行移動できる。第1ウエハハンドリングロボットアーム406および第3ゾーン464と同様に、第1ウエハハンドリングロボットアーム406の基部418がそれ以上移動できず、第2ウエハハンドリングロボットアームの基部418が第1ゾーン460内へ移動するのを妨げるため、第2ウエハハンドリングロボットアーム408の基部418は、第1ゾーン460に入ることができない。
【0069】
図8-A、図8-B、図8-C、および図8-Dは、2つのウエハハンドリングロボットアームが他方から独立して平行移動することを示す4つの例である。以下の例は、様々な実施形態の態様をさらに説明するために提供される。これらの例は、特定の態様を例示するとともに、より明確に説明するために提供され、限定することを意図していない。各図には、リニア平行移動システム804の上面、第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部の描写、および第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部の描写を示す。リニア平行移動システム804には、3つの平行移動ゾーン、つまり第1ゾーン860、第2ゾーン862、および第3ゾーン864と、ウエハハンドリングロボットアームが平行移動できる方向を表す平行移動軸858とがある。各図において、2つの略図がある。ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれの初期位置を表す略図(1)、および平行移動後のウエハハンドリングロボットアームのそれぞれの位置を表す略図(2)である。
【0070】
図8-Aは、一方のウエハハンドリングロボットアームが平行移動軸858に沿って新たな位置に平行移動する一方で、他方のウエハハンドリングロボットアームは、平行移動軸に対して静止したままであることを示す。図示のように、第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部の位置は、略図(1)および略図(2)の両方において、第2ゾーン862内の同じ位置に留まっているため、第1ウエハハンドリングロボットアームは、平行移動していない。第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部は、略図(1)の第2ゾーン862内の位置から、略図(2)の第3ゾーン864内の新たな位置に平行移動している。2つの略図間の第2ウエハハンドリングロボットアームの平行移動は、矢印で表されている。この例に示すように、第2ウエハハンドリングロボットアームが平行移動軸858に沿って平行移動できる一方で、第1ウエハハンドリングロボットアームは、静止したままである。
【0071】
図8-Bは、平行移動軸858に沿って同時に平行移動している両ウエハハンドリングロボットアームを示す。第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部および第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部の両方が、略図(1)におけるそれぞれの初期位置から略図(2)における最終位置まで平行移動軸858に沿って右に平行移動する。両ウエハハンドリングロボットアームが平行移動軸858に沿って右に平行移動する一方で、第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部は、第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部よりもより長い距離を平行移動軸858に沿って移動する。第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部による平行移動は、第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部の平行移動よりも大きいので、略図(2)における第1ウエハハンドリングロボットアームの基部と第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部との間の距離は、略図(1)における2つのウエハハンドリングロボットアーム間の距離よりも長い。
【0072】
図8-Cは、略図(1)におけるそれぞれの初期位置から略図(2)における最終位置まで平行移動軸858に沿って右に平行移動している両ウエハハンドリングロボットアームを示す。両ウエハハンドリングロボットアームは、平行移動軸858に沿って右に同じ距離だけ平行移動する。略図(1)の初期位置における第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部と第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部との間の距離は、略図(2)に示す平行移動後の2つのウエハハンドリングロボットアーム間の距離と同じである。実際の平行移動の間、2つのウエハハンドリングロボットアームは、平行移動の初めから終わりまで2つのウエハハンドリングロボットアーム間で同じ距離を維持しながら、同じ速度で同時に平行移動してもよく、あるいは、異なる速度で進行し、異なる距離だけ離れてもよい。
【0073】
図8-Dは、平行移動軸858に沿って異なる方向に平行移動している両ウエハハンドリングロボットアームを示す。第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部が平行移動軸858に沿って左へ平行移動する一方で、第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部は、平行移動軸に沿って右へ平行移動する。図示のように、両ウエハハンドリングロボットアームは、第2ゾーン862内を起点とした。第1ウエハハンドリングロボットアーム806の基部が左に平行移動して第1ゾーン860内へ入る一方で、第2ウエハハンドリングロボットアーム808の基部は、右に平行移動して第3ゾーン864内へ入った。この4つの例において示すように、各ウエハハンドリングロボットアームは、平行移動軸858に沿って、2つの異なる方向に異なる速度で、または同じ方向に異なる量だけ、同時にかつ独立して平行移動できる。ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれを平行移動軸858に沿って独立して平行移動させることによって、2つのウエハハンドリングロボットアームは、互いに独立して働いてもよく、これによりツール効率が向上し、ウエハスループットが増加する。例えば、2つのウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、ロードロックから処理済ウエハをピッキングし、各ウエハを、それぞれの潜在的に離隔されたFOUP(一連のFOUPsの対向端のFOUPsなど)に載置してもよい。それらは同様に、それぞれのFOUPs(同様に離隔されていてもよい)から処理対象のウエハを同時にピッキングしてもよく、両方が、第2ゾーン862のロードロックに向かって移動し、ウエハをロードロック内に載置してもよい。複数のウエハロードロックに対するウエハの搬入および搬出にかかる時間が短縮されるように、これは同時に行われてもよい。
【0074】
図4に戻ると、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム403は、入れ子構成になっている。入れ子構成では、第1ウエハハンドリングロボットアーム406のエンドエフェクタ420Aと第2ウエハハンドリングロボットアーム408のエンドエフェクタ420Bは、互いの上方に位置決めされる。これにより、両方のウエハハンドリングロボットアームは、一方が他方の上方にある2つの位置からピッキングできるようになり、または2つの位置の上に載置できるようになる。例えば、図1に示すように、各ウエハハンドリングロボットアームが、単一のFOUP112内の2つの異なるスロットからピッキングできてもよい。別の例では、ウエハハンドリングロボットアームの一方がウエハをアライナー116上に載置し、他方のウエハハンドリングロボットアームが同時に第2ウエハをロードロック114内に載置する。この2つの例の側面図を、図9-Aおよび図9-Bに示す。
【0075】
図9-Aは、入れ子構成の入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903の側面図を示し、すなわち、一方のウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタ920が、他方のウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの真上にある。この例では、第2ウエハハンドリングロボットアーム908のエンドエフェクタ920Bが、第1ウエハハンドリングロボットアーム906のエンドエフェクタ920Aの上方にある。2つのロボットアームは、一方の位置が他方の真上にある2つの異なる位置にウエハを同時に載置する位置にある。この例では、上部位置は、ロードロック914の底部位置の真上にあるアライナー916である。上述したように、ロードロックを使用して、ウエハを、大気圧を有する環境から、大まかに言えば、大気圧よりも低い圧力を有する環境を有する、処理チャンバまたは真空移送チャンバ(図示せず)に移送する。アライナー916を使用して、ロードロック914に入るのに先立ってウエハを回転させ、ウエハ処理のためにウエハが適切な方向を確実に向くようにする。2つのウエハハンドリングロボットアームは、エンドエフェクタを互いの真上に位置決めできる。各ウエハハンドリングロボットアームの対応する垂直駆動機構(図示せず)は、エンドエフェクタがアライナー916内のウエハ支持面966とロードロック914内のウエハ支持面966との間で同じ距離だけ離隔するように、対応するエンドエフェクタをz駆動軸に沿って移動させてもよい。2つのウエハハンドリングロボットアームは、入れ子位置にあるときに、各ウエハを同時にピッキングでき、各ウエハを同時に載置でき、または一方のウエハハンドリングがウエハをピッキングしながら、他方のウエハハンドリングロボットアームがウエハを同時に載置できる。例えば、第2ウエハハンドリングロボットアーム908は、第1ウエハハンドリングロボットアーム906がロードロック914内のウエハをピッキングしている間に、アライナー916内にウエハを載置できる。これにより、ロードロック内のウエハを取り除きながら、アライナー内のウエハのアライメントが可能である。
【0076】
図9-Bは、FOUP912からピッキングを行おうとしている入れ子構成の入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903を示す。FOUP912は、EFEM(図示せず)のロードポート910上に置かれている。図1において上述したように、単一のEFEM内にドッキングされた複数のFOUPsが存在してもよい。FOUP912は、半導体ウエハを格納するために使用される複数のスロット968を有する。概して、FOUP912内のスロット968は、10mm間隔で離隔されている。各入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903は、2つのエンドエフェクタ間の距離が各ウエハハンドリングロボットアームのピッキング元の対応するスロット968の位置と一致するように、それぞれのエンドエフェクタ920を位置決めできる。例えば、ウエハハンドリングロボットアームがFOUP912内の連続するスロット968からピッキングする場合、一方のウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタ920は、他方のウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタの10mm真上になる。各入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903は、同じFOUP912内の対応するスロット968から対応するウエハを同時にピッキングできる。別の例では、各入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903は、対応するウエハを同じFOUP912内の対応するスロット968に同時に載置できる。さらに別の例では、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム903は、一方のウエハハンドリングロボットアームがFOUP内の対応するスロット968からウエハを同時にピッキングしながら、他方のウエハハンドリングロボットアームが同じFOUP内の対応するスロット内にウエハを同時に載置できる。
【0077】
入れ子式ウエハハンドリングロボットアームは、水平距離に離隔した位置で、各ウエハを他方に対して同時にピッキングおよび載置できる。図10は、水平距離に離隔した位置からウエハをピッキングする準備をしている入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1003の等角図を示す。図示の例では、第1ウエハハンドリングロボットアーム1006および第2ウエハハンドリングロボットアーム1008は、リニア平行移動システム1004と同じ側のウエハ載置位置でウエハをピッキングする準備をする。これまでの例では、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1003は、互いの上方の位置でウエハをピッキングおよび載置した。この例では、第1ウエハハンドリングロボットアーム1006および第2ウエハハンドリングロボットアーム1008の両方のエンドエフェクタ1020は、他方から水平距離に離隔した位置にある。各ウエハハンドリングロボットアームは、対応するエンドエフェクタを他方のウエハハンドリングロボットアーム上の他方のエンドエフェクタの高さに載置するために使用できる垂直駆動機構を有してもよい。垂直駆動機構により、各ウエハハンドリングロボットアームは、他方のウエハハンドリングロボットアームがウエハをピッキングおよび/または載置している第2位置の位置レベル(または異なるFOUPウエハ高さなど、異なるレベル)で同時にピッキングおよび載置できるようになる。いくつかの例では、2つのウエハハンドリングロボットアームがウエハをピッキングおよび/または載置する2つの位置は、2つの位置間に水平距離を有し、互いに異なる高度であってもよい。
【0078】
図11は、水平距離に離隔した入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1103の別の等角図を示す。第1ウエハハンドリングロボットアーム1106および第2ウエハハンドリングロボットアーム1108は、リニア平行移動システム1104の両遠端のウエハ位置からウエハをピッキングする準備をする。2つのウエハハンドリングロボットアームはリニア平行移動システム1104の両最遠端にあり、第1ウエハハンドリングロボットアーム1106はリニア平行移動システムの第1ゾーン1160にあり、第2ウエハハンドリングロボットアーム1108はリニア平行移動システムの第3ゾーン1164にある。先述したように、2つのウエハハンドリングロボットアームは、互いから水平距離に離隔した位置で互いに独立してウエハをピッキングおよび載置できる。この例では、2つのウエハハンドリングロボットアームは、ウエハハンドリングロボットアームの対応する各基部1118がリニア平行移動システム1104の別々のゾーンにある間に、ウエハをピッキングしている。
【0079】
図11に示す例では、2つの入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1103が、リニア平行移動システム1104の第1の側に示されている。いくつかの実施形態(図示せず)では、第1ウエハハンドリングロボットアームはリニア平行移動システムの第1の側に取り付けられ、第2ウエハハンドリングロボットアームはリニア平行移動システムの第2の側に取り付けられてもよい。各ウエハハンドリングロボットアームは、平行移動システムの全長に沿って進行するように構成されてもよい。
【0080】
上述したリニア平行移動システムは、本明細書にて述べた入れ子式ロボットアームシステムを提供するために使用され得るリニア平行移動システムの一例であり、さらなるリニア平行移動システムを、図12および図13に関して後述する。
【0081】
図12は、リンク機構ベースの平行移動システム1204を有する入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの別の例の等角図である。図示の例では、ウエハハンドリングロボットアームは、2つのウエハハンドリングロボットアーム、つまり第1ウエハハンドリングロボットアーム1206および第2ウエハハンドリングロボットアーム1208を含む。各ウエハハンドリングロボットアームは、対応する基部1218と、ロボットアームリンクと、エンドエフェクタ1220とを有する。この例における各ウエハハンドリングロボットアームは、2つのアームリンク、つまり第1アームリンク1222および第2アームリンク1224を有するが、他の類似の構成では、異なる数のアームリンク、例えば、3つまたは4つのアームリンクを有するウエハハンドリングロボットアームを特徴としてもよい。
【0082】
図示のリンク機構ベースの平行移動システム1204において、リンク機構ベースの平行移動システム1204は、リンク機構ベースの平行移動システム基部1294を有する。リンク機構ベースの平行移動システム基部1294は、2つの平行移動リンクセット1291aおよび1291bを有する。各平行移動リンクセット1291は、ウエハハンドリングロボットアームのうちの対応する1つに接続され、支持する。第1平行移動リンクセット1291aは第1ウエハハンドリングロボットアーム1206の基部1218に接続され、第2平行移動リンクセット1291bは第2ウエハハンドリングロボットアーム1208の基部1218に接続される。いくつかの実施形態では、各平行移動リンクセット1291が、2つ以上のリンクを有してもよい。図示の実施形態では、各平行移動リンクセット1291は、2つのリンク、つまり第1リンク1295および第2リンク1296を有する。いくつかの実施形態では、第1リンク1295および第2リンク1296は、同じサイズであってもよい。いくつかの実施形態では、各リンクが、異なるサイズであってもよく、例えば、第1リンク1295が、第2リンク1296よりも長くてもよい。図示の実施形態では、各平行移動リンクセット1291の第1リンク1295および第2リンク1296は、同じサイズである。
【0083】
第1リンク1295の各第1端は、対応する第1回転継手1210によってリンク機構ベースの平行移動システム基部1294に回転可能に接続され、第1回転軸1211を中心に回転可能である。いくつかの実施態様では、各第1リンク1295は、第1回転軸1211を中心に360°回転するように構成されてもよく、時計回り方向および反時計回り方向の両方に回転してもよい。そのような実施態様では、各第1リンク1295は、第1リンクの第2端がリンク機構ベースの平行移動システム基部1294の真下の位置へ、または真下の位置を通って移動し得るように、回転してもよい。同様に、各第1リンク1295もまた、そのような実施態様では、第1リンクの第2端がリンク機構ベースの平行移動システム基部1294の真上の位置へ、または真上の位置を通って移動し得るように、回転してもよい。いくつかの実施形態では、アームリンクの長さに応じて、リンク機構ベースの平行移動システム基部1294の下のフロア内にキャビティを形成してもよい。キャビティにより、アームリンクのそれぞれが下方に回転して、そのエルボ継手(第1リンク1295と第2リンク1296との間)が下にスイングしてキャビティ内に入り、フロアに衝突するのを避けることができ、基部1218を、通常よりもフロアにより近い位置に配置できる。第2リンク1296の各第1端は、対応する第2回転継手1212によって第1リンク1295の対応する第2端に回転可能に接続され、対応する第2回転軸1213を中心に回転可能である。各第2回転軸1213は、第1回転軸1211と実質的に平行である。各ウエハハンドリングロボットアームの基部1218は、第3回転継手1214によって、対応する平行移動リンクセット1291の第2リンク1296の対応する第2端に回転可能に接続される。
【0084】
図示のリンク機構ベースの平行移動システム1204は、第1ウエハハンドリングロボットアーム1206と第2ウエハハンドリングロボットアーム1208とを互いに独立して移動可能である。いくつかの実施態様では、リンク機構ベースの平行移動システム1204は、リンク機構ベースの平行移動システム基部1294内に配置された複数のモータによって駆動され得る平行移動リンクセット1291を特徴としてもよく、これによりリンク機構ベースの平行移動システム1204はそれぞれ、平行移動平面1215に沿って任意の方向にウエハハンドリングロボットアームを移動できるように、単一の自由度以上の自由度を有する。平行移動平面1215は、第1回転軸1211に対して垂直である。例えば、リンク機構ベースの平行移動システム1204のそれぞれは、それによって支持されたウエハハンドリングロボットアームを、水平軸1216、垂直軸1217に沿って、または水平軸1216および垂直軸1217の両方に沿った構成要素を有する方向または経路に沿って移動できるように構成されてもよい。そのような実施態様では、ウエハハンドリングロボットアーム1206および1208のエンドエフェクタの垂直移動は、その基部1218に配置されたアクチュエータを通して促進されるのではなく、平行移動リンクセット1291の作動を通して促進されてもよい。
【0085】
リンク機構ベースの平行移動システムの他の実施態様では、平行移動リンクセットは、その動作範囲が限定されてもよい、例えば、それぞれが、単一の自由度のみを有してもよい。そのような実施態様では、単一の駆動モータが、各平行移動リンクセットを駆動してもよく、これによりその第1リンク1295をリンク機構ベースの平行移動システム基部1294に対して回転させる。各平行移動リンクセットの残りのリンクおよびそれによって支持される対応する基部1218は、その平行移動リンクセット1291の第1リンクの動きに運動学的にリンクしてもよく、そのような回転により、それによって支持される基部1218を、回転または垂直平行移動させずに水平軸1216に沿って平行移動させる(重力負荷および平行移動リンクの撓みによるわずかな変位は、本開示の目的上、平行移動と見なさない)。
【0086】
リンク機構平行移動システム1204は、その基部1218が水平距離に離隔されるように、ウエハハンドリングロボットアームを移動させてもよい。図12に示すように、2つのウエハハンドリングロボットアーム基部1218は、互いに同じレベルにある。第1ウエハハンドリングロボットアーム1206がリンク機構平行移動システム1204の基部1294の真正面に位置決めされる一方、第2ウエハハンドリングロボットアーム1208は、リンク機構ベースの平行移動システム基部1294の右に位置決めされる。上記のリニア平行移動システムと同様に、リンク機構平行移動システム1204は、各ウエハハンドリングロボットアームの基部1218を互いに独立して移動させてもよい。
【0087】
図13は、入れ子構成のリンク機構ベースの平行移動システム1204を有するウエハハンドリングロボットアームを示す。入れ子式ウエハ構成では、第1ウエハハンドリングロボットアーム1206のエンドエフェクタ1220aは、第2ウエハハンドリングロボットアーム1208のエンドエフェクタ1220bの真上にある。リンク機構ベースの平行移動システム1204は、各ウエハハンドリングロボットアームの基部1218を互いに隣接して移動可能であり、これにより各ウエハハンドリングロボットアームは、その対応するエンドエフェクタを、他方のウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタに垂直かつ一列になる位置に位置決めできる。基部1218のこのような隣り合った配列は、平行移動リンクセット1291の他の位置を用いても得られることが理解されるであろう。したがって、リンク機構ベースの平行移動システム1204は、本明細書で先述したリニア平行移動システムを使用して得られ得るものと類似したウエハハンドリングロボットアーム1206および1208の平行移動を生じさせるために使用されてもよく、先述のリニア平行移動システムの実施態様に関して上述した移動もまた、図12および図13に示すようなリンク機構ベースの平行移動システムを使用して再現されてもよいと認識されるであろう。
【0088】
リンク機構ベースの平行移動システムは、半導体ウエハ処理ツールにおいて使用されてもよい。例えば、リンク機構ベースの平行移動システムを、EFEMにおいて使用してもよい。別の例では、リンク機構ベースの平行移動システムを、真空移送モジュールにおいて使用してもよい。リンク機構ベースの平行移動システムがEFEMにおいて使用されるとき、リンク機構ベースの平行移動システムの基部は、EFEMのいずれの側にあってもよい。概して、EFEMは、第1の側に1つまたは複数のFOUPsを、第1の側とは反対の第2の側に1つまたは複数のロードロックを有してもよい(図1参照)。いくつかの実施形態では、リンク機構ベースの平行移動システムは、1つまたは複数のFOUPsと同じ側である第1の側に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、リンク機構ベースの平行移動システムは、1つまたは複数のロードロックと同じ側である、第2の側に取り付けられてもよい。
【0089】
図14は、EFEM1402の実施形態の概略図である。EFEM1402内には、入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1403、つまり第1ウエハハンドリングロボットアーム1406および第2ウエハハンドリングロボットアーム1408がある。4つのFOUPs1412、つまり第1FOUP1412aと、第2FOUP1412bと、第3FOUP1412cと、第4FOUP1412dが示されている。図示の実施形態では、2つのロードロック1414、つまり第1ロードロック1414aおよび第2ロードロック1414bと、対応するロードロックの上方にそれぞれ載置された、2つのアライナー1416、つまり第1アライナー1416aおよび第2アライナー1416bが存在する。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1403は、リニア平行移動システム(図示せず)の平行移動軸1458に沿って平行移動するように構成されている基部を有する第1ウエハハンドリングロボットアーム1406および第2ウエハハンドリングロボットアーム1408を含む。ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれは、他方のウエハハンドリングロボットアームによって実施されている動作から独立して動作を実施してもよい。例えば、ウエハハンドリングロボットアームのそれぞれの位置決めに応じて、各ウエハハンドリングロボットアームは、ウエハのピッキング、ウエハの載置、平行移動軸に沿った平行移動などの動作を実施できる。いずれのウエハハンドリングロボットアームも、他方から独立して動作を実施できるが、ツールのウエハスループットを増加させるために2つのウエハハンドリングロボットアームが連携して動作を実施してもよい。入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム1403がどのように協働するかの例を以下に列挙する。以下の例は、様々な実施形態の態様をさらに説明するために提供される。これらの例は、態様を例示するとともに、より明確に説明するために提供され、限定することを意図していない。
【0090】
第1例では、第1ウエハハンドリングロボットアーム1406および第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、第1FOUP1412aからロードロック1414に第1ウエハと第2ウエハとを移送する動作を実施する。第1ウエハハンドリングロボットアーム1406および第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、平行移動軸1458に沿って、両ウエハハンドリングロボットアームが第1FOUP1412aからピッキングできる位置、例えば、平行移動軸に垂直かつ第1および第2ウエハの中心を通る中心軸から両ウエハハンドリングロボットアームの第1回転継手が概ね等しい距離となる、互いに隣り合った位置まで平行移動する。各ウエハハンドリングロボットアームの基部が定位置になると、2つのウエハハンドリングロボットアームは、移動して入れ子構成になってもよく、入れ子構成では、各ウエハハンドリングロボットアームのエンドエフェクタは、第1FOUP1412aの前において一方が他方の上方にある位置、例えば、対応する上面が垂直方向に10mmだけ離隔した位置に載置される。2つのウエハハンドリングロボットアームは次に、第1のFOUP1412aから対応するウエハを同時にピッキングしてもよい。いくつかの実施形態では、ピッキング動作を実質的に同時にでき、他の実施形態では、ピッキング動作がエンドエフェクタ間で連続していてもよい。各ウエハハンドリングロボットアームが対応するウエハをピッキングした後、ウエハハンドリングロボットアームは、図14に示すように、第1ウエハハンドリングロボットアーム1406が第1アライナー1416aおよび第1ロードロック1414aの近くにあり、第2ウエハハンドリングロボットアーム1408が第2アライナー1416bおよび第2ロードロック1414bの近くにあるように、平行移動軸1458に沿って平行移動してもよい。第1ウエハハンドリングロボットアーム1406が第1ウエハを第1アライナー1416a内に載置してもよく、一方で第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、第2ウエハを第2アライナー1416b内に同時に載置する。2つのアライナー1416は、回転し、その対応するウエハのアライメントを行う。ウエハのアライメントが行われると、2つのウエハハンドリングロボットアームは、対応するアライナー1416から対応するウエハを同時にピッキングしてもよい。第1ウエハハンドリングロボットアーム1406は第1ウエハを第1ロードロック1414a内に載置してもよく、第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は第2ウエハを第2ロードロック1414b内に同時に載置してもよい。第1ウエハおよび第2ウエハの両方を移動させる動作は、互いに並行して、即ち、少なくとも部分的に同時に行われてもよい。
【0091】
EFEM1402のいくつかの実施形態では、アライナーが存在せず、ウエハがFOUP1412からロードロック1414内に直接載置されてもよい。本実施形態では、ウエハハンドリングロボットアームが適切なFOUP1412から対応するウエハをピッキングすると、各ウエハハンドリングロボットアームは、その対応するウエハを対応するロードロック1414内に載置する。例えば、第1FOUP1412aからの第1ウエハを有する第1ウエハハンドリングロボットアーム1406は、第1ウエハを第1FOUP1412aから直接第1ロードロック1416a内に載置してもよく、第1FOUP1412aからの第2ウエハを有する第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、第2ウエハを第1FOUP1412aから直接第2ロードロック1416b内に同時に載置することになる。
【0092】
また、2つのウエハハンドリングロボットアームに、上記と同様のプロセスを完了させるようにしてもよいが、それに代わり、単一のFOUPではなく2つの異なるFOUPS1412からピッキングさせてもよい。この例では、第1ウエハハンドリングロボットアーム1406は、第1ウエハを第2FOUP1412bからピッキングし、第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、同時に第2ウエハを第4FOUP1412dからピッキングする(他の実施態様では、異なるFOUPsが選択/異なるFOUPからピッキングされてもよいことが理解されるであろう)。2つのウエハハンドリングロボットアームが上記のプロセスを継続して、各ウエハがその対応するFOUP1412から同時にピッキングされた後に、両ウエハがアライナー1416および/またはロードロック1414内に同時に載置されるようにしてもよい。
【0093】
別の例では、2つのウエハハンドリングロボットアームは、確実にロードロックが絶えずまたはほとんど絶えず使用され、ウエハの搬入または搬出動作による遅延が最小限になるように働いてもよい。この例では、第1ウエハは、処理が終了し、第1ロードロック1414aからEFEM1402内の大気圧条件に戻る準備ができていてもよい。第1ウエハハンドリングロボットアーム1406は、第2FOUP1412bから第2ウエハをピッキングし、第2ウエハを第1アライナー1416a内に載置してもよい。第2ウエハハンドリングロボットアーム1408は、同時に第1ウエハをロードロック1414aからピッキングし、ウエハを第4FOUP1412d内に載置してもよい。第2ウエハハンドリングロボットアームは次に、第3ウエハを第3FOUP1412cからピッキングしてもよい。第2ウエハのアライメントが行われると、第1ウエハハンドリングロボットアームは、第1ウエハをアライナー1416aからピッキングしてもよい。第1ウエハハンドリングロボットアームは次に、第1ウエハをアライナー1416aから第1ロードロック1414a内に載置し、一方で第2ウエハハンドリングロボットアームは、同時に第3ウエハをFOUP1412cから第1アライナー1416a内に載置する。これを行うために、2つのウエハハンドリングロボットアームは、入れ子構成内に戻ってもよい。この方法でウエハをハンドリングすることにより、ウエハハンドリングロボットアームは、ウエハをロードロック1414aからピッキングするとすぐに、他方のウエハハンドリングロボットアームが新しいウエハをロードロック内に載置する準備をする。これにより、確実にロードロックがより効率的に使用され、ウエハが搬入されるまでの待機時間が短縮される。
【0094】
EFEM1402に2つのウエハハンドリングロボットアームを設けることにより、ツールは、スループットを向上できる。EFEM内に単一のウエハハンドリングロボットアームを有するツールと比較すると、2つのウエハハンドリングロボットアームは、FOUPから2枚のウエハをピッキングし、2枚のウエハを同時にロードロック内に載置してもよい。これにより、スループットが倍になり得る。例えば、単一のEFEMウエハハンドリングロボットアームを有するシステムであって、ウエハハンドリングロボットアームがウエハをFOUPからピッキングし、ロードロックまで進み、ロードロック内にウエハを載置し、ロードロックから処理済ウエハをピッキングし、FOUPまで進み、FOUP内にウエハを載置するまでの平均サイクル時間が13.4秒間であるシステムについて検討する。ロードロックが2枚のウエハを必要とし、1つのウエハハンドリングロボットアームしか有していないと、ウエハハンドリングロボットアームが2枚のウエハをロードロック内に搬入するために、このようなサイクルを2回連続して、合計で26.8秒間実施する必要がある。しかしながら、同じ例のシステムが、代わりに2つのウエハハンドリングロボットアームを備えていると、各ウエハハンドリングルートは、対応するウエハをFOUPから同時にピッキングし、ロードロックまで進み、ウエハをロードロック内に載置し、処理済ウエハをロードロックからピッキングし、FOUPまで進み、処理済ウエハをFOUP内に載置してもよく、このようにして単一のウエハを搬入するサイクル時間で2枚のウエハをロードロック内に搬入してもよい。したがって、ウエハハンドリングロボットアームは、同じレートで働きつつ、1つのウエハハンドリングロボットアームがなす2倍の作業が可能である。第1の例では、スループットがボトルネックであることを前提に、単一のウエハハンドリングロボットアームは、1時間に約269枚のウエハを搬入してもよい。第2の例では、スループットがツールのボトルネックであることを前提に、デュアルウエハハンドリングロボットアームが、1時間に約537枚のウエハを搬入してもよい。
【0095】
上述したように、いくつかの実施態様では、コントローラが、本明細書にて述べた入れ子式ウエハハンドリングロボットアームの一部であってもよい。図1は、1つまたは複数のプロセッサ172およびメモリ174を有する例示的なコントローラ170の概略図を示し、コントローラ170は、第1ウエハハンドリングロボットアーム106、第2ウエハハンドリングロボットアーム108、リニア平行移動システム104、ロードロック114、およびアライナー116の動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示のリニア平行移動システム104および入れ子式ウエハハンドリングロボットアーム103の制御のためのプロセスなど、いずれかのプロセス、ならびに処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および動作設定、ツールならびに特定のシステムに接続またはインターフェースするチャンバおよび他の移送ツールおよび/またはロードロックへのウエハの搬入出など、本明細書にて述べていない他のプロセスまたはパラメータを制御するようにプログラムされてもよい。
【0096】
本明細書にて述べ、示したウエハハンドリングロボットアームは、長さが等しいアームリンク、例えば、等しい長さの第1および第2アームリンク、または長さが等しくないアームリンク、例えば、長さが等しくない第1および第2アームリンクを有するように構成されてもよいと理解されるであろう。したがって、ウエハハンドリングロボットアームの2つのアームリンクの長さが等しい(長さとは、リンクの対向端に関連する回転軸間の距離を指す)ものとして特定の図に示していたとしても、示したそれらのリンクは、長さが等しくないようにも設計されてもよいことを理解されたい。同様に、ウエハハンドリングロボットの2つのアームリンクの長さが等しくないものとして特定の図に示していたとしても、示したそれらのリンクは、長さが等しいようにも設計されてもよいことを理解されたい。
【0097】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定等を可能にする各種集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、半導体ウエハ上もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して特定のプロセスを実行する動作パラメータを定めるものであってもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイの製造の際の1つまたは複数の処理ステップを達成するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってもよい。
【0098】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムに統合されているか、結合されているか、そうでなければシステムにネットワーク接続されているか、それらの組み合わせであるコンピュータの一部であるか、コンピュータに結合されていてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内、または、ウエハ処理のリモートアクセスを可能とする製造工場のホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。このコンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能とすることで、製造動作の現在の進行を監視し、過去の製造動作の履歴を検証し、複数の製造動作から傾向または性能指標を検証することで、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または新しいプロセスを開始できる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供できる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインターフェースを含んでもよく、パラメータおよび/または設定は次に、リモートコンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の動作中に行われる各処理ステップのパラメータを定めたデータの形式で命令を受信する。このパラメータは、実施されるプロセスの種類、およびコントローラが結合または制御するように構成されているツールの種類に特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述の通り、コントローラは、互いにネットワーク接続されて、本明細書に記載のプロセスおよび制御など、共通の目的に向かって働く1つまたは複数の別個のコントローラを含めることなどにより、分散されてもよい。そのような目的のために分散されたコントローラの例としては、チャンバ上のプロセスを制御するために組み合わされ、リモート配置(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなど)された1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられる。
【0099】
限定するものではないが、本開示による例示的な入れ子式ウエハハンドリングロボットアームおよびリニア平行移動システムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウエハの製造および/または生産に関連づけられるかまたは使用され得る他の任意の半導体処理システムを有する半導体処理ツールに搭載されるか、またはその一部であってもよい。
【0100】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、またはウエハのコンテナをツール位置および/または半導体製造工場内のロードポート内外に移送する材料搬送に使用されるツールの1つまたは複数と通信してもよい。
【0101】
本明細書で使用される場合、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>について」、「1つまたは複数の<アイテム>の各<アイテム>」等の表現は、単一のアイテム群および複数のアイテム群の両方を包含するものであり、すなわち、「…それぞれについて」という表現は、言及されたアイテムの集団が何であれ、各アイテムに言及するためにプログラミング言語において使用される意味で使用されると理解されたい。例えば、言及されたアイテムの集団が単一のアイテムであると、「各/それぞれ」はその単一のアイテムのみを指し(「各/それぞれ」の辞書的な定義では、「各/それぞれ」は「2つ以上のものの1つ1つ」を指す用語であると定義されていることが多いにもかかわらず)、そのアイテムが少なくとも2つ存在する必要があるという意味にはならない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体、必ずしも複数のアイテムを包含するものと見なされるべきではない。セットまたはサブセットは、1つの部材のみ、または複数の部材を(文脈において別の示唆がなければ)含有できると理解されるであろう。
【0102】
本開示および特許請求の範囲において、序数の表示、例えば、(a)、(b)、(c)等を使用する場合、特定の順番または順序を伝えるものではないと理解すべきであるが、そのような順番または順序が明示的に示される場合は除く。例えば、(i)、(ii)、(iii)が付された3つのステップがある場合、別段の指示がない限り、これらのステップは、どのような順番で実施されてもよい(禁忌でなければ同時でもよい)ことを理解されたい。例えば、ステップ(ii)がステップ(i)において作成された要素の取り扱いを含む場合、ステップ(ii)は、ステップ(i)の後のある時点で起こると見なしてもよい。同様に、ステップ(i)がステップ(ii)において作成される要素の取り扱いを含む場合は、その逆であると理解されたい。また、本明細書において、例えば「第1アイテム」のように序数の表示「第1」を使用する場合、暗黙的または本質的に、例えば、「第2アイテム」のように「第2」の例が必然的に存在することを示唆すると解釈すべきではないことを理解されたい。
【0103】
本明細書で使用される用語「間」は、値の範囲とともに使用される場合、別段の指示がない限り、その範囲の開始値および終了値を含むものと理解されたい。例えば、1~5の間は、2、3、および4という数字だけでなく、1、2、3、4、および5という数字も含むと理解されたい。
【0104】
上記の概念のすべての組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件とする)が、本明細書に開示の発明的主題の一部であると意図されることを理解されたい。特に、本開示の末尾に記載の特許請求される主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示の発明的主題の一部であると意図される。また、本明細書で明示的に採用される用語は、参照により組み込まれる任意の開示にも現れることがあり、最も一致する意味が付与されるべきであることを理解されたい。
【0105】
上記開示は、特定の例示的な実施態様または複数の実施態様に焦点を当てながらも、上述の例のみに限定されず、類似の変形例および機構にも適用されてもよく、そのような類似の変形例および機構もまた、本開示の範囲内であると見なされることをさらに理解されたい。
【0106】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更および修正が実施され得ることは明らかであろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実現する多くの代替方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示であって制限的なものではないと考えられ、本実施形態は、本明細書にて与えられた詳細に限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-A】
図8-B】
図8-C】
図8-D】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理ツールにおいてウエハを移送するための装置であって、
第1ウエハハンドリングロボットアームと、
第2ウエハハンドリングロボットアームと、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームと結合するように構成されているリニア平行移動システムと
を備え、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ、対応する基部および対応する第1エンドエフェクタを有し、
前記装置は、それぞれの前記基部を少なくとも入れ子構成と非入れ子構成との間で水平な平行移動軸に沿って独立して横断させるように構成され、
前記リニア平行移動システム、前記第1ウエハハンドリングロボットアーム、および前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記基部が前記リニア平行移動システムによって、前記平行移動軸に沿って、かつ第1ゾーンおよび第2ゾーンを通るが第3ゾーンは通らずに移動可能であるとともに、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記基部が前記リニア平行移動システムによって、前記第2ゾーンおよび前記第3ゾーンを通るが前記第1ゾーンを通らずに移動可能であるように構成され、
前記第2ゾーンは、前記第1ゾーンと前記第3ゾーンとの間にあり
前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタは、上方から前記第1ウエハハンドリングロボットアームのリンクと接続され、
前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタは、下方から前記第2ウエハハンドリングロボットアームのリンクと接続されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームはそれぞれ
つ以上の対応するロボットアームリンクと、を備え、前記2つ以上の対応するロボットアームリンクは、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1ロボットアームリンクであって、前記対応する第1ロボットアームリンクが前記対応する基部に対して対応する第1軸を中心に回転可能なように、前記対応する第1ロボットアームリンクの前記第1端が、対応する第1回転継手を介して前記対応する基部に回転可能に接続されている、対応する第1ロボットアームリンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2ロボットアームリンクであって、前記対応する第1エンドエフェクタが前記対応する第2ロボットアームリンクに対して対応する第2軸を中心に回転可能なように、前記対応する第2ロボットアームリンクの前記第2端が、対応する第2回転継手を介して前記対応する第1エンドエフェクタに回転可能に接続されている、対応する第2ロボットアームリンクと、を含む、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する基部はそれぞれ、前記対応する第1エンドエフェクタを前記対応する第1軸に平行な軸に沿って移動させるように構成された対応する垂直駆動機構を有する、装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドを含み、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの両方が、移動可能に前記第1セットのリニアガイドに接続されている、装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、第1セットのリニアガイドおよび第2セットのリニアガイドを有し、前記第1ウエハハンドリングロボットアームは、移動可能に前記第1セットのリニアガイドに接続され、前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、移動可能に前記第2セットのリニアガイドに接続されている、装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置であって、
第1ウエハハンドリングロボットアームおよび第2ウエハハンドリングロボットアームそれぞれ、対応する第2エンドエフェクタを有する、装置。
【請求項7】
請求項2に記載の装置であって、
1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続されている1つまたは複数のメモリデバイスを有するコントローラをさらに備える、装置。
【請求項8】
請求項に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームを少なくとも第1構成と第2構成との間で移動させるように構成され、
前記第1構成では、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタが前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタの真上にあり、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸が前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸から第1距離だけ離隔するように位置決めされ、
前記第2構成では、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームは、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタが前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1エンドエフェクタから水平距離に離隔し、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸が前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記第1軸から第2距離だけ離隔するように位置決めされ、
前記第2距離は、前記第1距離よりも長い、装置。
【請求項9】
請求項に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置から同時にピッキングさせるように構成され、前記第1ウエハ載置位置は、前記第2ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる、装置。
【請求項10】
請求項に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1ウエハ載置位置からピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2ウエハ載置位置からピッキングさせるように構成され、前記第2ウエハ載置位置は、前記第1ウエハ載置位置から水平距離に離隔している、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成され、前記第3ウエハ載置位置は、前記第4ウエハ載置位置の上方または下方に位置決めされる、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに前記第1基板を第3ウエハ載置位置に載置させ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに前記第2基板を第4ウエハ載置位置に同時に載置させるようにさらに構成され、前記第3ウエハ載置位置は、前記第4ウエハ載置位置から水平距離に離隔している、装置。
【請求項13】
請求項に記載の装置であって、
3つ以上のロードポートおよび2つ以上のロードロックをさらに含み、前記3つ以上のロードポートは前記リニア平行移動システムの第1の側に配置され、前記2つ以上のロードロックは前記第1の側と反対の前記リニア平行移動システムの第2の側にあり、前記3つ以上のロードポートのそれぞれが、対応するFOUPを受け入れるように構成されている、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
2つ以上のアライナーをさらに備え、各アライナーが、対応するロードロックの上方に配置されている、装置。
【請求項15】
請求項13に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を前記第1FOUPから同時にピッキングさせるように構成されている、装置。
【請求項16】
請求項13に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームに第1基板を第1FOUPからピッキングさせ、かつ前記第2ウエハハンドリングロボットアームに第2基板を第2FOUPから同時にピッキングさせるようにさらに構成されている、装置。
【請求項17】
請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
前記リニア平行移動システムは、前記第1ウエハハンドリングロボットアームの前記基部に接続され、前記基部を支持する第1セットのリンク機構と、前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記基部に接続され、前記基部を支持する第2セットのリンク機構とを有するリンク機構ベースの平行移動システムである、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、基部を有し、第1セットのリンク機構および第2セットのリンク機構それぞれ、少なくとも(a)対応する第1端および対応する第2端を有する対応する第1リンクであって、前記第1リンクの前記第1端が、前記対応する第1リンクが対応する第1軸を中心に前記リンク機構ベースの平行移動システムの前記基部に対して回転可能なように、対応する第1回転継手を介して前記リンク機構ベースの平行移動システムの前記基部に回転可能に接続されている、対応する第1リンクと、(b)第1端および第2端を有する対応する第2リンクであって、前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの対応する1つが、対応する第2軸を中心に前記対応する第2リンクに対して回転可能なように、前記第2リンクの前記第1端が前記対応する第1リンクの前記第2端に回転可能に接続されるとともに、前記第2リンクの前記第2端が対応する回転継手を介して前記第1ウエハハンドリングロボットアームおよび前記第2ウエハハンドリングロボットアームの前記対応する1つに回転可能に接続されている、対応する第2リンクとを有する、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの前記第2端を制限して、前記平行移動軸に沿って移動させるように構成されている、装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、
前記リンク機構ベースの平行移動システムは、各第2リンクの前記第2端を制限して、前記第1軸に垂直な平行移動平面に沿って移動させるように構成されている、装置。
【国際調査報告】