(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】大型容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/22 20060101AFI20241128BHJP
B65D 88/06 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65D1/22
B65D88/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527581
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022049707
(87)【国際公開番号】W WO2023086571
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェイナー, ウィリアム ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, マイケル ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
3E033
3E170
【Fターム(参考)】
3E033AA07
3E033BA15
3E033CA01
3E033DD01
3E033EA01
3E033FA02
3E033GA02
3E170AA03
3E170AB01
3E170AB09
3E170AB11
3E170DA07
(57)【要約】
射出成形によって形成される大型ポリマー容器が、内側空間を画定する高い密度および滑らかさの内側表面を有する本体を含む。大型容器は、容器本体と一体に形成される補強リブなど、外側特徴を含むことができ、補強リブは、容器の壁の他の部分よりも大きい厚さを有する。内側表面は、丸められたコーナーと、容器の中心に向かう傾斜とを含むことができる。大型ポリマー容器を製造する方法が、射出成形を使用してポリマー本体を形成することを含む。ポリマー本体は、接合されるかまたは単一の部片として形成される、複数の射出成形部から形成され得る。射出成形は、約700バールから約1100バールの間の圧力を印加することを含むことができ、内側表面の少なくとも一部分が成形表面に接触する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型容器を備える物品であって、前記大型容器が、内部容積を画定する内側表面を含むポリマー本体を含み、前記ポリマー本体の前記内側表面の算術平均粗さが0.75μm以下である、物品。
【請求項2】
前記ポリマー本体が、前記ポリマー本体中に形成された複数の一体型補強リブを含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記内部容積が、約800Lから約1300Lの間の容積を有する、請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記ポリマー本体が、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記内部容積内に配置されたフルオロポリマーライニングをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記ポリマー本体の内表面の基準面積の実表面面積が、回転またはブロー成形容器の内表面の基準面積の実表面面積よりも小さく、前記ポリマー本体の前記内表面の前記基準面積が、前記回転またはブロー成形容器の前記内表面の前記基準面積と同じサイズを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記容器が、回転またはブロー成形容器よりも少ない粒子状物質を放つ、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記ポリマー本体が、フォークリフトの1つまたは複数の歯を受容するように構成された1つまたは複数のチャネルを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記ポリマー本体が、単一の成形部片である、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記内部容積を密閉するように構成された蓋をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記蓋が、1つまたは複数の充填または分配ポートを含む、請求項10に記載の物品。
【請求項12】
前記1つまたは複数の充填または分配ポートのうちの1つに接続されたディップチューブをさらに備え、前記ディップチューブが、前記内部容積中に延びる、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記ポリマー本体は、ウェルが前記ディップチューブの下の位置において前記内側表面において設けられるように、構成されている、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記蓋が、溶接部によって前記ポリマー本体に接合される、請求項10に記載の物品。
【請求項15】
前記内側表面が、前記内側表面の1つまたは複数の側面を前記内側表面の下部に接合する、丸みをつけられたセクションを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
ポリマー本体を形成することであって、射出成形を含む、請求項1に記載の物品を製造する方法。
【請求項17】
前記射出成形が、約700バールから約1100バールの間の圧力を印加することを含み、内側表面の少なくとも一部分が成形表面に接触する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
蓋を設けることと、前記蓋を前記ポリマー本体に溶接することとをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリマー本体が、単一の部片として形成される、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年11月12日の出願日をもつ米国仮出願第63/278,853号の優先権を主張する。優先権書類が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、改善された表面性質と低減された汚染とを有する大容器を対象とし、特に、射出成形を通して形成された大容器を対象とする。
【背景技術】
【0003】
中間バルク容器および他の大容積容器は、多くの異なる固相または液相材料の貯蔵および輸送のために使用され得る。これらの容器は、半導体ウエハの製造などの工業プロセスと他の汚染感受性(contamination-sensitive)適用例とにおいて使用される様々な化学物質など、反応性化学物質の貯蔵または輸送のために使用され得る。たとえば、金属容器材料と比較した、ポリマーのコストおよび反応性により、ポリマー大容器が使用され得る。ポリマー大容器は、一般に、回転成形(rotational molding)(回転成形(roto-molding))またはブロー成形を通して製造される。これは、大容器の安価な作成を可能にするが、これらの方法は、内表面(inner surface)の特性、または特定の特徴の形成に関して、不十分な制御を提供する。さらに、これらの容器は、一般に、金属ケージなど、外側支持を必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、改善された表面性質と低減された汚染とを有する大容器を対象とし、特に、射出成形を通して形成された大容器を対象とする。
【0005】
ポリマー大型容器(large format container)は、射出成形によって形成され得る。射出成形中に印加される圧力は、より滑らかな、より硬い表面を作り出すことができ、それにより、汚染物質を与えることがある表面面積を低減し、そこが、砕けて含まれている材料に入り得る、セグメントになるのを妨げる。さらに、異なる厚さのセクションを設け、より細かい内側細部を形成する、射出成形の能力は、一体型補強リブ(integral reinforcement rib)などの追加の特徴と、丸められたコーナー、傾斜表面など、容器内容物の使用を容易にする内側特徴との形成を可能にすることができる。補強リブは、金属ケージなど、外側支持構造の必要を低減するかまたはなくし、したがって、それらの外の支持体に関連する障害のコストおよびリスクを低減することができる。
【0006】
一実施形態では、物品が、大型容器を含む。大型容器は、内部容積(interior volume)を画定する内側表面(internal surface)を含むポリマー本体(polymeric main body)を含み、ポリマー本体の内側表面の算術平均粗さが0.75μm以下である。
【0007】
一実施形態では、ポリマー本体は、ポリマー本体中に形成された複数の一体型補強リブを含む。
【0008】
一実施形態では、内部容積は、約800Lから約1300Lの間の容積を有する。
【0009】
一実施形態では、ポリマー本体は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。
【0010】
一実施形態では、大型容器は、内部容積内に配置されたフルオロポリマーライニングをさらに含む。
【0011】
一実施形態では、ポリマー本体の内表面の基準面積の実表面面積が、回転またはブロー成形容器の内表面の基準面積の実表面面積よりも小さく、ポリマー本体の内表面の基準面積は、回転またはブロー成形容器の内表面の基準面積と同じサイズを有する。
【0012】
一実施形態では、容器は、回転またはブロー成形容器よりも少ない粒子状物質を放つ(shed)。
【0013】
一実施形態では、ポリマー本体は、フォークリフトを受容するように構成された1つまたは複数のチャネルを含む。
【0014】
一実施形態では、ポリマー本体は、単一の成形部片(piece)である。
【0015】
一実施形態では、大型容器は、内部容積を密閉するように構成された蓋をさらに含む。一実施形態では、蓋は、1つまたは複数の充填または分配ポート(fill or dispense port)を含む。一実施形態では、大型容器は、1つまたは複数の充填または分配ポートのうちの1つに接続されたディップチューブをさらに含み、ディップチューブは、内部容積中に延びる。一実施形態では、ポリマー本体は、ウェル(well)がディップチューブの下の位置において内側表面において設けられるように、構成される。一実施形態では、蓋は、溶接部(weld)によってポリマー本体に接合される。一実施形態では、内側表面は、内側表面の1つまたは複数の側面を内側表面の下部に接合する、丸みをつけられた(radiused)セクションを含む。
【0016】
一実施形態では、大型容器を製造する方法が、射出成形によってポリマー本体を形成することを含む。一実施形態では、射出成形は、約700バールから約1100バールの間の圧力を印加することを含み、内側表面の少なくとも一部分が成形表面(mold surface)に接触する。一実施形態では、本方法は、蓋を設けることと、前記蓋をポリマー本体に溶接することとをさらに含む。一実施形態では、ポリマー本体は、単一の部片として形成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4A】一実施形態による、容器の表面の画像を示す図である。
【
図4B】標準ブロー成形プロセスによる、容器の表面の画像を示す図である。
【
図4C】標準回転成形プロセスによる、容器の表面の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、改善された表面性質と低減された汚染とを有する大容器を対象とし、特に、射出成形を通して形成された大容器を対象とする。
【0019】
図1は、一実施形態による、容器の正面図を示す。容器100が、外表面104をもつ、容器本体(container body)102を含む。随意に、操作特徴106が、容器本体102上に形成され得る。蓋108が、容器本体102の上部を覆うことができる。
【0020】
容器100は、大型容器であり、すなわち、大容積、たとえば、500L以上を貯蔵することが可能である単一の容器である。大型容器は、たとえば、充填されたときの容器を扱い、移動するための機械的支援なしに人によって持ち上げることを可能にするにはあまりに多くの質量を含んでいるので、そのような機械的支援を必要とする、容器であり得る。一実施形態では、容器100は、500Lから1500Lの間の容積を収容するように構成される。大型容器のクラスの1つの非限定的な例は、中間バルク容器(IBC)である。IBCは、米国運輸省規制など、輸送容器のための規格に従って構築され得る。IBCに関する規格は、危険な材料のための容器についての規制に基づき得る。一実施形態では、IBCは、3000Lの貯蔵容量を超えることができない。容器100は、固体材料または液体材料など、材料を貯蔵するために使用され得る。実施形態では、固体材料は、粉末の形態のものであり得る。一実施形態では、容器100は、揮発性または反応性材料を貯蔵するために使用され得る。一実施形態では、容器100は、半導体ウエハなどのウエハの処理など、工業プロセスにおいて使用される化学物質を貯蔵するために使用され得る。
【0021】
容器本体102は、容器100のポリマー本体である。容器本体102は、任意の好適なポリマー材料から作られ得る。一実施形態では、容器本体102は、溶融処理可能なポリマーである。一実施形態では、容器本体102は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作られる。容器本体102は、1つまたは複数の射出成形部を含むことができる。一実施形態では、容器本体102は、単一の射出成形部片を含む。一実施形態では、容器本体102は、たとえば、容器本体102において使用される材料のための熱溶接部または任意の他の好適な溶接部など、溶接部を介して互いに固定された複数の射出成形部分を含む。外表面104は、容器本体102の外部である。実施形態では、容器本体102の外表面104は、非限定的な例として、リリーフアンダーカット(relief undercut)を含む、任意の好適な微細構造を含むことができる。一実施形態では、容器本体102の外表面が、回転成形またはブロー成形によって作り出された容器本体の同様の外表面よりも比較的高い剛性を持つことができる。操作特徴106が、容器本体102上に形成され得る。操作特徴は、容器100を操作するためのツールと係合するための任意の好適な機械的特徴であり得る。操作特徴106は、容器本体102の1つまたは複数の側壁および/または容器本体102の下部において外表面104上に形成されるなど、そのような特徴のための任意の好適な位置にあり得る。取付特徴106の非限定的な例は、フォークリフトの歯(tine)を受容するように構成されたチャネル、機械類が容器100をより良く把持することができるように、機械類によって係合されるように構成された突起などを含む。
図1に示されている実施形態では、取付特徴106は、容器本体102の下部部分に位置するフォークリフトの歯を受容するように構成されたチャネルである。
【0022】
蓋108は、容器本体102を密閉するために設けられ得る。蓋108は、溶接部、機械的ファスナー、機械的係合特徴など、任意の好適な方法によって容器本体102に固定または接合され得る。
【0023】
図2は、
図1による、容器の断面図を示す。容器本体102およびその外表面104が、引き続き、取付特徴106とともに、
図2の断面図において可視である。
図3の断面図では、容器本体102の内表面110が可視である。内表面110は、丸みをつけられた部分112を含み、内表面110の側壁114は、容器本体102の内表面110の下部116に接する。ディップチューブ118が、蓋108から、内表面110によって画定された内部空間に延びることが見られ得る。
【0024】
図3は、一実施形態による、容器の断面図を示す。容器200が容器本体202を含み、容器本体は、内表面204と外表面206とを有する。随意に、ライナー208が、内表面204によって画定された空間内に位置し得る。補強リブ210が外表面206上に形成される。蓋212が、一方の端部において容器本体202を密閉するために設けられる。蓋212は、開口214を含むことができる。開口214は、出荷キャップ(shipping cap)216または分配ヘッド(dispensing head)218とともに設けられ得る。分配ヘッド218は、容器本体202内の内側空間中に延びるディップチューブ220を含むことができる。
【0025】
容器本体202は、容器200のポリマー本体である。容器本体202は、任意の好適なポリマー材料から作られ得る。一実施形態では、容器本体202は、溶融処理可能なポリマーである。一実施形態では、容器本体202は、高密度ポリエチレン(HDPE)から作られる。容器本体202は、1つまたは複数の射出成形部を含むことができる。一実施形態では、容器本体202は、単一の射出成形部片を含む。一実施形態では、容器本体202は、たとえば、容器本体202において使用される材料のための熱溶接部または任意の他の好適な溶接部など、溶接部を介して互いに固定された複数の射出成形部分を含む。
図3に示されている実施形態では、容器本体202は、円筒形本体(cylindrical main body)である。
図3に示されている実施形態では、容器本体202は、蓋212によって閉じられ得る開放端部を有する。
【0026】
容器本体202は、容器本体202内の内部空間を画定する内表面204を有する。内表面204は、射出成形など、回転またはブロー成形などの方法と比較したときに内表面204の高い圧縮を生じる方法によって、形成され得る。内表面204を形成するときの圧縮は、回転またはブロー成形容器と比較して、内表面204の滑らかさおよび/または表面密度を増加させることができる。一実施形態では、内表面204は、回転またはブロー成形容器の内表面と比較して、微粒子を放つ可能性が低い。一実施形態では、内表面204は、内表面204が、丸められたまたは丸みをつけられたコーナー、下部の傾斜、あるいは、内表面204によって画定された内側空間からの材料の追加、貯蔵、または除去を容易にすることができる任意の他の好適な構造特徴など、特徴を含むように、形成される。
【0027】
ライナー208は、容器本体202の内表面204によって画定された内側空間中に含まれ得る。ライナー208は、容器本体202内に含まれている材料と内表面204との間の層を設けることができる。ライナー208は、たとえば、容器本体202内に配置されるように構成されたバッグであり得る。ライナー208は、容器本体202内に含まれている材料とインターフェースするための任意の好適な材料から作られ得る。一実施形態では、ライナー208は、フルオロポリマーを含む。ライナー208は、フレキシブル材料であり得る。一実施形態では、ライナー208は、ライナー208が容器200中に配置され、ライナー208が流体で充填されるとき、少なくとも、概して、内表面204の形状に適合することができる。一実施形態では、ライナー208は、容器200中にあるときに膨張させられ得、したがって、ライナー208は、材料でライナー208を充填することより前に、容器200内の空間を充填するように作られ得る。一実施形態では、ライナー208は、ガセット付き(gusseted)3次元(3D)ライナーであり得る。一実施形態では、ライナーは、ライナー208の下部におけるポートを含むことができ、したがって、ライナー208は、重力排出が行われ得る。
【0028】
外表面206は、容器本体202の外部である。上記で説明され、
図1に示されている、補強リブ108と同様の補強リブ210が、外表面206上に形成され得る。補強リブ210は、容器本体202の他の部分と比較して、内表面204から外表面206までの比較的増加された厚さを有する容器本体202の部分であり得る。補強リブ210は、たとえば、容器本体202の射出成形において使用されるモールドの部分によって画定されることによって、容器本体202中に一体に形成され得る。補強リブ210は、たとえば、輸送中の衝撃に耐えるために、または容器202内に含まれている材料の重みなどの力に耐えるために、容器本体202の構造強度を増加させることができる。
【0029】
蓋212は、容器本体202の開放上部を閉じるために設けられ得る。一実施形態では、蓋212は、たとえば、溶接部によって、容器本体202に固定され得る。一実施形態では、蓋212は、たとえば、非限定的な例として、ねじ切り、クランプまたは他の機械的コネクタ、ボルトなどのファスナー、およびそれらの組合せなど、機械的接続特徴を介して、後続の分離を可能にする機械的接続によって容器本体に付けられ得る。蓋212は、1つまたは複数のポリマー材料など、任意の好適な材料から作られ得る。一実施形態では、蓋212は、容器本体202と同じ材料から作られる。一実施形態では、蓋212は、溶融処理可能なポリマー材料から射出成形される。
【0030】
蓋212は、1つまたは複数の開口214を含むことができる。開口214は、容器本体202の内容物へのアクセスを可能にすることができる、蓋212中に形成された開口であり、蓋212は、容器本体202に固定されるかまたは付けられる。開口214は、たとえば、容器本体202内からの材料の充填または除去を可能にするために、容器本体202の内容物へのアクセスを可能にするための、任意の好適な形状を有することができる。開口214は、たとえば、分配ヘッド218など、特定の分配ツールに適応するために、容器200からの材料の追加または除去を支援するための、任意の好適なツールとインターフェースするかまたはそのツールを受容するように、整形され得る。出荷キャップ216は、蓋212上の開口214を密閉するように構成されたキャップである。出荷キャップ216は、出荷キャップ216が、開口214を閉じるために開口214とインターフェースすることができるように、サイズ決定および整形され得る。出荷キャップ216は、たとえば、容器200の輸送または貯蔵中に使用され得る。一実施形態では、出荷キャップ216は、開口214中にストッパー222を保持することができる。
【0031】
分配ヘッド218は、随意に、容器200の蓋212中の少なくとも1つの開口214中に配置され得る。分配ヘッド218は、分配ヘッド218が、容器200の内からの材料を受容するデバイスに接続されることを可能にする、容器200の外の接続インターフェースを含む。分配ヘッド218は、容器200の下部における内容物が、容器200からの除去のために、ディップチューブ220に引き込まれ、ディップチューブ220を通して分配ヘッド218に持ち込まれ得るように、容器の下部に向かって延びる、ディップチューブ220を含む。
【0032】
上記で説明され、
図1および
図2に示されている、容器100および容器200などの容器は、少なくとも部分的に射出成形によって、製造され得る。射出成形は、上記で説明され、
図1および
図2に示されている、容器本体102および202など、容器本体の形成を含むことができる。一実施形態では、容器本体は、単一の部片として射出成形によって作り出され得る。一実施形態では、容器本体は、各々、別々に射出成形された、複数の部片を含むことができる。射出成形は、約700バールから約1100バールの間の圧力を印加することを含むことができ、内側表面の少なくとも一部分が成形表面に接触する。射出成形は、容器本体の内表面におけるポリマー材料のより高い圧縮を生じることができ、これは、回転またはブロー成形によって作られた容器の内表面と比較して、より大きい滑らかさおよび/または表面密度を有する表面を生じる。射出成形は、材料を放つ可能性が低い、またはさもなければ得られた容器内に貯蔵された材料を汚染する可能性が低い、内表面を作り出すことができる。射出成形は、材料の厚さが容器本体の異なる部において変動することを可能にし、様々な構造が容器本体に一体に形成され、厚さのそのような変化を組み込むことを可能にすることができる。そのような特徴の非限定的な例は、補強リブ、コーナーの丸めまたは丸みつけ、あるいは容器本体の厚さが容器本体上の特定の位置によって変動する任意の他の好適な特徴を含む。上記で説明され、
図3に示されている、蓋212を含む容器200など、蓋を含む実施形態では、蓋も、同様の射出成形プロセスによって作り出され得る。蓋を含む実施形態では、蓋は、随意に、たとえば、溶接部によって、製造プロセスの一部として容器本体に接合され得る。
【0033】
いくつかの実施形態による、容器の内表面は、容器性能を改善するための形状および構造特徴を含むことができる。非限定的な例は、丸められたまたは丸みをつけられたコーナー、傾斜下部表面、ウェル、および他のそのような特徴を含む。これらの追加の特徴は、内側特徴のより少ない制御を有する回転またはブロー成形など、他の方法によって製造された容器中に存在しないことがある構造であり得る。そのような構造は、非限定的な例として、一体型ねじ切り、物体または特徴を管に留めることを容易にするためのボス、ハンドル、自動化を伴う係合するための特徴などの係合特徴、またはフォークリフトなどの機械、リリーフ特徴などを含むことができる。
【0034】
表面における圧縮の増加は、得られた容器の内側表面のための、より滑らかな、より一貫した表面を生じることができる。改善された表面滑らかさは、表面に沿った高さのより少ない変動を示され得る。特に、実施形態による、射出成形によって形成された容器は、回転成形またはブロー成形によって形成された同等の容器と比較して、著しくより低い算術平均粗さ(Ra)を有する。算術平均粗さは、基準線の長さにわたる平均からの、偏差の絶対値の平均である。例示的な容器が、ポリエチレン(PE)の射出成形、回転成形、およびブロー成形を介して製造された。同じサイズおよび形状を有する例示的な容器の各々が製造された。例示的な容器の各々の内部表面(interior surface)の3つのサンプルが測定され、算術平均粗さRaがサンプルの各々について取得された。各例示的な容器の3つのサンプルについてのRa値はまた、平均化された。これらの測定の結果は、マイクロメートル(μm)およびマイクロインチ(μin)単位で、以下で提供される表1~表3において提供される。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
射出成形によって設けられたより滑らかな表面により、さらに、内表面の同じ公称面積が、ブロー成形または回転成形された容器において設けられた表面よりも小さい実表面面積を有する。各々、同じサイズを有する、上記で説明された容器の各々のサンプルは、測定された実表面面積を有した。そのサンプルは、各々、1416μm×1062μm、または.056in×.042inのサイズを有した。サンプルの各々によって設けられた実表面面積は、表面特徴づけ(characterization)デバイス(Keyence VK-X2000)を使用して測定されており、各製造方法についての、各サンプル測定値およびサンプルの平均が、以下の表において提供される。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
それぞれの表面が、表面の画像を取得するための3次元表面プロファイラを使用して検査されるとき、比較される射出成形された表面(injection molded surface)の異なる特性も見られ得る。
図4Aは、一実施形態による、容器の表面の画像を示す。
図4Bは、標準ブロー成形プロセスによる、容器の表面の画像を示す。
図4Cは、標準回転成形プロセスによる、容器の表面の画像を示す。
図4A~
図4Cの各々は、それぞれの製造方法による、容器の内表面のものである。
図4A~
図4Cを取得するためにサンプルとして使用された容器は、同じサイズおよび形状のものであり、互いと同じ材料から作られた。
図4A~
図4Cの各々に示されている顕微鏡画像は、Keyence VK-X2000を使用して10x倍率におけるときにそれらのそれぞれのサンプルからとられた。
図4A~
図4Cに見られるように、射出成形された容器の内表面のサンプルは、著しくより滑らかな表面を有するが、同じサイズおよび構造を有し、同じ材料を使用する容器のブロー成形および回転成形から生じる内表面は、著しくより大きい表面変動および特徴を生じ、これは、砕けて容器内に貯蔵された材料に入る、容器内の何らかの材料の妨げとなる、汚染が容器内に貯蔵された材料にまとわりつき得る追加の表面面積を設ける、などであり得る。したがって、回転成形またはブロー成形標準と比較した、一実施形態による射出成形されたサンプルの改善された平坦性および一貫性は、汚染のリスクを低減し、および/または容器からの材料の除去を改善する。
【0043】
態様:
【0044】
態様1. 大型容器を備える物品であって、大型容器が、内部容積を画定する内側表面を含むポリマー本体を含み、ポリマー本体の内側表面の算術平均粗さが0.75μm以下である、物品。
【0045】
態様2. ポリマー本体が、ポリマー本体中に形成された複数の一体型補強リブを含む、態様1に記載の物品。
【0046】
態様3. 内部容積が、約800Lから約1300Lの間の容積を有する、態様1または2に記載の物品。
【0047】
態様4. ポリマー本体が、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、態様1から3のいずれか1つに記載の物品。
【0048】
態様5. 内部容積内に配置されたフルオロポリマーライニングをさらに備える、態様1から4のいずれか1つに記載の物品。
【0049】
態様6. ポリマー本体の内表面の基準面積の実表面面積が、回転またはブロー成形容器の内表面の基準面積の実表面面積よりも小さく、ポリマー本体の内表面の基準面積が、回転またはブロー成形容器の内表面の基準面積と同じサイズを有する、態様1から5のいずれか1つに記載の物品。
【0050】
態様7. 回転またはブロー成形容器よりも少ない粒子状物質を放つ、態様1から6のいずれか1つに記載の物品。
【0051】
態様8. ポリマー本体が、フォークリフトを受容するように構成された1つまたは複数のチャネルを含む、態様1から7のいずれか1つに記載の物品。
【0052】
態様9. ポリマー本体が、単一の成形部片である、態様1から8のいずれか1つに記載の物品。
【0053】
態様10. 内部容積を密閉するように構成された蓋をさらに備える、態様1から9のいずれか1つに記載の物品。
【0054】
態様11. 蓋が、1つまたは複数の充填または分配ポートを含む、態様10に記載の物品。
【0055】
態様12. 1つまたは複数の充填または分配ポートのうちの1つに接続されたディップチューブをさらに備え、ディップチューブが、内部容積中に延びる、態様11に記載の物品。
【0056】
態様13. ポリマー本体は、ウェルがディップチューブの下の位置において内側表面において設けられるように、構成されている、態様12に記載の物品。
【0057】
態様14. 蓋が、溶接部によってポリマー本体に接合される、態様10から13のいずれか1つに記載の物品。
【0058】
態様15. 内側表面が、内側表面の1つまたは複数の側面を内側表面の下部に接合する、丸みをつけられたセクションを含む、態様1から14のいずれか1つに記載の物品。
【0059】
態様16. ポリマー本体を形成することであって、射出成形を含む、態様1から15のいずれか1つに記載の物品を製造する方法。
【0060】
態様17. 射出成形が、約700バールから約1100バールの間の圧力を印加することを含み、内側表面の少なくとも一部分が成形表面に接触する、態様16に記載の方法。
【0061】
態様18. 蓋を設けることと、前記蓋をポリマー本体に溶接することとをさらに含む、態様16または17に記載の方法。
【0062】
態様19. ポリマー本体が、単一の部片として形成される、態様16から18のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
本出願で開示される例は、あらゆる点で、限定的なものではなく例示的なものと見なされるべきである。本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求項の範囲の意味および等価の範囲内に起こるすべての変更は、本明細書に包含されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型容器を備える物品であって、前記大型容器が、内部容積を画定する内側表面を含むポリマー本体を含み、前記ポリマー本体の前記内側表面の算術平均粗さが0.75μm以下である、物品。
【請求項2】
前記内部容積を密閉するように構成された蓋をさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
1つまたは複数の充填または分配ポートのうちの1つに接続されたディップチューブをさらに備え、前記ディップチューブが、前記内部容積中に延びる、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
ポリマー本体を形成することを含む請求項1に記載の物品を製造する方法であって、前記ポリマー本体を形成することが、射出成形を含む、方法。
【請求項5】
蓋を設けることと、前記蓋を前記ポリマー本体に溶接することとをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【国際調査報告】