(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】熱シールドを備える液体フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
B01D 47/02 20060101AFI20241128BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B01D47/02 B
H01L21/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527840
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 IB2022060742
(87)【国際公開番号】W WO2023089450
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517316096
【氏名又は名称】エドワーズ バキューム リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】マハウィリ イマド
【テーマコード(参考)】
4D032
5F045
【Fターム(参考)】
4D032AA21
4D032CA01
4D032DA01
4D032DA04
5F045EB05
5F045EG07
5F045EG08
(57)【要約】
ガス/固体分離のための液体フィルタ装置は、フィルタチャンバ、半導体プロセスガス入口、及びプロセスガス出口を備えたハウジングを含む。フィルタチャンバは、液体タンクを形成し、半導体プロセスガス入口及びプロセスガス出口は、フィルタチャンバと連通している。ハウジングは、フィルタ液入口及びフィルタ液出口をさらに含み、これらは、それぞれ、液体タンクにフィルタ液を送給し、液体タンクからフィルタ液を除去するために液体タンクと連通している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体プロセス廃棄物のための液体フィルタ装置であって、
フィルタチャンバ、プロセス廃棄物入口、プロセス廃棄物出口、及び前記プロセス廃棄物入口及び前記フィルタチャンバと連通する供給管を有するハウジングであって、前記供給管は、供給管出口を有し、前記フィルタチャンバは、内部にフィルタ液を保持する液体タンクを形成し、前記プロセス廃棄物出口は、前記フィルタチャンバと連通している、ハウジングと、
前記フィルタ液と前記供給管出口との間に配置された偏向面であって、前記偏向面は、前記供給管から流れる前記プロセス廃棄物が前記フィルタ液に直接衝突するのを防止するように、前記プロセス廃棄物を偏向させ、さらに、前記プロセス廃棄物から熱を吸収する、偏向面と、
を備える液体フィルタ装置。
【請求項2】
前記偏向面は、前記プロセス廃棄物からの熱を吸収するステンレス鋼プレートによって形成されている、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項3】
前記ステンレス鋼プレートは、無孔である、請求項2に記載の液体フィルタ装置。
【請求項4】
前記供給管は、開口遠位端を含み、前記開口遠位端は、前記供給管出口を形成する、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項5】
前記供給管出口は、所定の直径を有し、前記偏向面は、外周を有し、前記偏向面の前記外周は、前記供給管出口の前記直径よりも大きい、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記液体タンクと前記プロセス廃棄物出口との間に、前記液体タンクから前記プロセス廃棄物出口への濾過されたプロセス廃棄物の流れを導くための排出チャンバを含む、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記液体タンク及び前記排出チャンバと流体連通する内部導管を含み、前記濾過されたプロセス廃棄物の流れを前記液体タンクから前記排出チャンバへと導く、請求項6に記載の液体フィルタ装置。
【請求項8】
前記液体タンクに前記フィルタ液が出入りするのを制御するためのフィルタ液制御システムをさらに備える、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項9】
前記フィルタ液制御システムは、制御装置及び流体回路を備え、前記制御装置は、前記流体回路を制御して、前記液体タンクに出入りするフィルタ液の流れを調節する、請求項8に記載の液体フィルタ装置。
【請求項10】
前記液体タンク内の前記フィルタ液の上側で前記偏向面を支持する少なくとも1つの支持体をさらに備える、請求項8に記載の液体フィルタ装置。
【請求項11】
熱シールドをさらに備え、前記熱シールドは、カップ状本体を含み、前記カップ状本体は、前記偏向面を形成し、前記プロセス廃棄物が前記供給管から流れる第1の容積を形成する、請求項1に記載の液体フィルタ装置。
【請求項12】
前記カップ状本体は、前記供給管から間隔を置いて配置された円筒状壁を有する、請求項11に記載の液体フィルタ装置。
【請求項13】
前記カップ状本体は、第1のカップ状本体を備え、前記熱シールドは、第2のカップ状本体をさらに備え、前記第1のカップ状本体は、前記第2のカップ状本体内に位置決めされ、前記第2のカップ状本体は、前記プロセス廃棄物が前記第1のカップ状本体から流れ、前記プロセス廃棄物が前記排出廃棄物出口に流れる第2の容積を形成する、請求項11に記載の液体フィルタ装置。
【請求項14】
前記熱シールドは、第3のカップ状本体をさらに備え、前記第3のカップ状本体は、前記第1のカップ状本体から間隔を置いて前記第2のカップ状本体内に位置決めされ、前記第3のカップ状本体は、前記プロセス廃棄物が流れ、前記プロセス廃棄物が前記プロセス廃棄物出口に流れる第3の容積を形成する、請求項13に記載の液体フィルタ装置。
【請求項15】
前記カップ状本体は、ステンレス鋼体である、請求項14に記載の液体フィルタ装置。
【請求項16】
液体フィルタを使用して半導体処理システム内のプロセス廃棄物から固体物を分離する方法であって、
供給管、フィルタチャンバ、及び排出出口を備えた液体フィルタを提供するステップであって、前記供給管が供給管出口を有する、ステップと、
前記フィルタチャンバ内に液体タンクを形成するステップと、
フィルタ液を前記液体タンク内に保持するステップと、
前記供給管出口から前記液体タンクへの二次的な前置フィルタ流体経路を提供するステップと、
前記プロセス廃棄物を、前記供給管から前記フィルタチャンバの前記二次的な前置フィルタ流体経路に導き、その後、前記プロセス廃棄物を前記フィルタチャンバの前記液体タンクに導くステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記プロセス廃棄物を前記二次的な前置フィルタ流体経路に導くステップは、前記プロセス廃棄物を前記液体タンクに導く前に、前記プロセス廃棄物からエネルギーを吸収するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセス廃棄物を前記二次的な前置フィルタ流体経路に導くステップは、偏向面及び/又はヒートシンクを提供するステップと、前記偏向面及び/又はヒートシンクを前記供給管出口から間隔を置いて配置するステップとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記偏向面及び/又はヒートシンクを、前記供給管出口の直径よりも大きな寸法にするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記液体タンク内の前記フィルタ液の上側で前記偏向面を支持するステップと、随意的に、前記液体タンク内の前記フィルタ液を前記偏向面より下の液体レベルに維持するステップと、をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本発明は、2020年6月5日出願の米国出願番号第16/893,504号に関し、その開示内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体デバイスの製造は、半導体デバイスの回路層を構成する所望の薄膜を形成するために、例えば、特定の化学物質を適度な温度から高温のシリコンウェハ温度で酸化による変換を利用する。例えば、化学気相堆積(CVD)プロセスでは、シリコンウェハ上に堆積した二酸化ケイ素膜は、約400℃のウェハ温度及び約300mTorrの処理チャンバ圧力で、酸素によるシランの酸化によって形成される。また、二酸化ケイ素膜は、ほぼ同様の処理条件で、蒸気テトラエチルシロキサン、TOESを酸素とオゾンで酸化することによっても成膜される。また、二酸化ケイ素膜は、低圧気相プラズマ強化法(PECVD)により、より低温で成膜される。別のプロセスでは、シランをアンモニアと反応させ、低圧及び中程度のウェハ温度で窒化ケイ素を形成する。これらの、タングステン及びタングステンシリサイド薄膜の形成など、ほぼ全ての他のCVD反応では、処理チャンバに供給されるガス供給反応物のほぼ75%が変換されることなく処理チャンバを通過する。
【0003】
典型的な半導体処理チャンバの排出物はガス流であり、これは、低圧であり、未変換の供給反応物、反応副生成物、希釈剤窒素キャリアガス及び粒子からなる。これらの粒子は、気相中で加熱された反応物の気相反応物の副生成物であり、処理チャンバと真空ポンプとの間の距離にわたって延びるフォアラインに沿って形成され続け、量が増える。
図1は、フォアラインを介して真空ポンプに接続された処理チャンバを構成する典型的なCVD又はPECVDシステムの概略図である。真空ポンプは、排出ラインを介して典型的なガス排出除害システムに接続されており、ガス排出除害システムは、天然ガスの火炎を使用して未反応のプロセスガスを破壊し、その後、ガス/水吸収カラムで酸性のガス状副生成物を除去する。このような除害システムの生成物は、通常は中和されて排出される酸性廃水流と、表面積の大きな機械的粒子フィルタを通過した後に大気に放出される微粒子を含有するガス流とから構成される。
【0004】
粒子は、処理チャンバ、真空ポンプ、及び除害システム間の全ての接続ラインを覆い、頻繁にこれらのラインを塞ぎ、詰まらせ、大幅なメンテナンス停止時間及び運転の多大な追加コストの原因になる。多くの場合、真空ポンプは、高度の粒子堆積に起因して動作不能になり、運転停止せざるを得ない。真空ポンプは、定期的に、非常に高い材料費及び人件費でこのようなラインから取り外されて交換される。いくつかのプロセスでは、機械的フィルタが、真空ポンプの寿命を延ばすために真空フォアラインに配置され、これらの粒子を捕捉する。多くの場合、フォアライン及びポンプ排出ラインの両方は、未変換の凝縮性反応物の凝縮を防ぐために加熱され、これはその後に、ガス含有粒子を吸収及び凝集するのを助け、取り除くのが非常に難しくコストのかかる液体/固体の塊をもたらす。
【0005】
ガス含有粒子流からの粒子分離を達成する最良の方法は、液体媒体を使用することである。例えば、粒子は、ガス含有粒子流を高流量の水シャワーに通過させることにより、大きなガス流量から分離することができる。水流への高度の粒子分離は、タンク容積及び出水率を適切にサイズ設定することで達成できる。このような分離プロセスは、水を使用すれば効果的かつ経済的であるが、ガス流中の反応物と水の有害な化学反応が起こり得ること及び低圧フォアラインでは水蒸気圧が非常に高いことに起因して、半導体プロセスでは使用することができない。真空CVD及びPECVD半導体プロセスでは、フォアラインに存在する分子状水が処理チャンバ自体に後方拡散し、処理される半導体薄膜の化学組成を劣化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
いくつかの用途では、半導体処理システムのフォアライン内の非常に高温のガス流から粒子を除去する必要性がある。例えば、フォアライン内の排出ガスは、約100℃から200℃の温度を有するフォアライン内を流れる高温ガスである可能性がある。一部の用途では、非常に低い真空で動作するフォアラインプラズマ除害システムの直後で粒子を除去する必要性がある。いずれの場合も、液体フィルタは、非常に高温のガス又はプラズマ排出物が流体に直接衝突しないことを保証するために、改良を必要とする場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、CVD及びPECVD半導体プロセスの低圧フォアラインには、液体を媒体として使用し、ガス含有粒子流から粒子を分離する液体フィルタ装置が設けられている。
【0008】
1つの形態では、半導体プロセスからの半導体プロセス廃棄物分離のための液体フィルタ装置は、フィルタチャンバ、プロセス廃棄物入口、プロセス廃棄物出口、及びプロセス廃棄物入口と連通し、フィルタチャンバと連通する供給管出口を有する供給管を有する、ハウジングを含む。フィルタチャンバは、内部にフィルタ液を保持する液体タンクを形成し、プロセス廃棄物出口は、フィルタチャンバと連通している。偏向面がフィルタ液と供給管出口との間に配置され、供給管出口から流れるプロセス廃棄物がフィルタ液に直接衝突するのを防止するように、プロセス廃棄物を偏向させ、さらに、プロセス廃棄物から熱を吸収するようになっている。
【0009】
1つの態様では、偏向面は、ステンレス鋼などのプレートで形成され、プロセス廃棄物からの熱を吸収し、従って、ヒートシンクを形成する。例えば、プレートは、無孔とすることができる。
【0010】
別の形態では、半導体プロセスからの半導体プロセス廃棄物分離のための液体フィルタ装置は、フィルタチャンバ、プロセス廃棄物入口、プロセス廃棄物出口、及びプロセス廃棄物入口と連通し、フィルタチャンバと連通する供給管出口を有する供給管を有する、ハウジングを含む。フィルタチャンバは、内部にフィルタ液を保持する液体タンクを形成し、プロセス廃棄物出口は、フィルタチャンバと連通している。ヒートシンクが供給管に隣接して位置決めされ、プロセス廃棄物から熱を吸収し、プロセス廃棄物をフィルタ液に衝突する前に冷却する。例えば、ヒートシンクは、供給管出口から流れるプロセス廃棄物がフィルタ液に直接衝突するのを防ぐために、偏向面を形成することができる。
【0011】
上記のいずれにおいても、供給管は、供給管出口を形成する開口遠位端を含む。
【0012】
上記のいずれにおいても、ハウジングは、液体タンクとプロセス廃棄物出口との間に、濾過されたプロセス廃棄物の流れを液体タンクからプロセス廃棄物出口に導くための排出チャンバを含む。
【0013】
上記のいずれにおいても、供給管出口は、外径を有し、偏向面は、外周を有し、偏向面の外周は、供給管出口の外径よりも大きい。
【0014】
さらなる態様によれば、ハウジングは、液体タンク及び排出チャンバと流体連通する内部導管を含み、濾過されたプロセス廃棄物の流れを液体タンクから排出チャンバに導く。
【0015】
上記のいずれにおいても、液体フィルタ装置は、液体タンクへの流入及び液体タンクからのフィルタ液の流出を制御するためのフィルタ液制御システムをさらに含む。例えば、フィルタ液制御システムは、制御装置及び流体回路を含むことができ、制御装置は、流体回路を制御して、液体タンクに出入りするフィルタ液の流れを調節する。
【0016】
上記のいずれにおいても、液体フィルタ装置は、液体タンク内のフィルタ液の上側で偏向面を支持する支持体をさらに含むことができる。
【0017】
上記のいずれにおいても、液体フィルタ装置は、熱シールドをさらに含む。1つの態様では、熱シールドは、偏向面及び/又はヒートシンクを形成し、プロセス廃棄物が供給管から流入する第1の容積を形成するカップ状本体を含む。例えば、カップ状本体は、供給管から間隔を置いて配置された円筒状壁を有することができる。
【0018】
さらなる態様では、熱シールドは、第2のカップ状本体を含む。第1のカップ状本体は、第2のカップ状本体内に位置決めされ、第2のカップ状本体は、プロセス廃棄物が第1のカップ状本体から流れ、プロセス廃棄物がプロセス廃棄物出口に流れる第2の容積を形成する。
【0019】
随意的に、熱シールドは、第3のカップ状本体を含むことができ、第3のカップ状本体は、第1のカップ状本体から間隔を置いて第2のカップ状本体内に位置決めされ、プロセス廃棄物が流れ、プロセス廃棄物がプロセス廃棄物出口に流れる第3の容積を形成する。
【0020】
例えば、1又は2以上のカップ状本体は、フィルタ液に衝突する前に廃棄排出物から熱を吸収するために、ステンレス鋼本体とすることができる。
【0021】
別の態様では、液体フィルタを用いて半導体処理システム内のプロセス廃棄物から固体を分離する方法は、供給管、フィルタチャンバ、及び排出出口を備えた液体フィルタを提供するステップを含む。本方法はさらに、フィルタチャンバ内に液体タンクを形成するステップと、液体タンク内にフィルタ液を保持するステップと、供給管出口から液体タンクへの二次的な前置フィルタ流体経路を提供するステップとを含む。プロセス廃棄物は、次に、供給管からフィルタチャンバの二次的な前置フィルタ流体経路に導かれ、その後、フィルタチャンバの液体タンクに導かれる。
【0022】
1つの態様では、プロセス廃棄物を二次的な前置フィルタ流体経路に導くステップは、プロセス廃棄物を液体タンクに導く前にプロセス廃棄物からエネルギーを吸収するステップを含む。
【0023】
別の又は更なる態様では、プロセス廃棄物は、偏向面を提供し、偏向面がプロセス廃棄物を二次的な前置フィルタ流体経路に導くように、偏向面を供給管出口から間隔を置いて配置することによって、二次的な前置フィルタ流体経路に導かれる。
【0024】
さらなる態様では、偏向面は、供給管出口の直径より大きい寸法である。
【0025】
随意的に、偏向面は、液体タンク内のフィルタ液の上側に支持される。
【0026】
加えて、液体タンク内のフィルタ液は、偏向面より下の液体レベルに維持される。
【0027】
別の態様では、フィルタ液は、タンクを通って循環されるので、粒子で満たされたフィルタ液が除去される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】真空ポンプにフォアラインを介して接続された処理チャンバで構成される先行技術のCVD又はPECVDシステムの概略図である。
【
図2】半導体プロセスガスから固体を分離するための液体フィルタ装置の概略図である。
【
図3】変更されたガスの流路を備える液体フィルタ装置の概略図である。
【
図4】ベンチュリを備える液体フィルタ装置の概略図である。
【
図5】熱シールドを備える液体フィルタ装置の概略図である。
【
図6】フィルタ液を攪拌する液体フィルタ装置の概略図である。
【
図6A】弁開口部のシーケンスを示す
図6と同様の図である。
【
図6B】弁開口部のシーケンスを示す
図6と同様の図である
【
図6C】弁開口部のシーケンスを示す
図6と同様の図である
【
図6D】弁開口部のシーケンスを示す
図6と同様の図である
【
図7】半導体処理システムに設置される液体フィルタ装置を示す液体フィルタ装置の概略図である。
【
図8】半導体処理システム用の複数のチャンバ設備を形成する液体フィルタ装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図2を参照すると、数字10は、全体として、半導体プロセスチャンバ排出口を有するフォアラインに配置することができる液体フィルタ装置を示し、液体フィルタ装置は、半導体プロセスガスからの固体又は粒子を濾過するように構成されており、半導体プロセスガスは、半導体プロセスチャンバから排出され、通常、半導体プロセス中の気相反応の副産物としての固体又は粒子を含有している。以下に詳細に説明されるように、本明細書では代替的に半導体プロセス廃棄物又はプロセス廃棄物と呼ばれる場合が多い非常に高温の半導体プロセスガス及び/又はプラズマを処理する場合を含む、様々なプロセスパラメータに対処するために、液体フィルタ装置には、様々な変更を加えることができる。
【0030】
再び
図2を参照すると、フィルタ装置10は、典型的には固体及び/又は粒子を含有する半導体処理チャンバからの半導体プロセスガスの流入物を受け入れるためのプロセスガス入口14と、濾過プロセス後に濾過されたプロセスガスを排出するガス出口16とを備えるハウジング12を含む。ハウジング12は、アルミニウム、石英、ポリマー、又は、ステンレス鋼合金などの不活性材料で形成され、入口14を通して半導体処理チャンバからプロセスガスを受け入れるフィルタチャンバ18を含み、そこから濾過されたガスが出口16を通して排出される。フィルタチャンバ18は、フィルタ装置に流入するプロセスガスから固体及び/又は粒子を濾過するフィルタ液を保持する液体タンク20を形成する。
【0031】
半導体プロセスガスから固体又は粒子を除去又は濾過するが、プロセスガス流中の反応物と化学反応しない適切な濾過液は、約10-7Torr未満の蒸気圧を有し、化学的に不活性な液体を含むことが分かっている。適切な液体は、摂氏-58度から摂氏+257度までの温度範囲で使用でき、ガス放出が無視できる液体を含む。適切な液体は、誘電強度が15.7MV/mの範囲の電気的に非導電性の液体を含む。
【0032】
加えて、適切な液体は、水よりも大きい動粘性率(参考のため、水は、1cStの動粘性率を有する)を有し、例えば、38cStから1830cStの範囲の動粘性率を有する。例えば、適切な液体としては、商業的に入手可能なフォンブリン液、又は、パーフルオロポリエーテル(PFPE)が挙げられる。PFPEは、蒸気圧が約6×10-8Torr以下であり、化学的に不活性である。PFPEは、摂氏-58度から摂氏+257度までの温度の範囲で使用でき、ガス放出は、ごくわずかである。PFPEは、約15.7MV/mの誘電強度を有し、化学的に不活性であり、摂氏-58度から摂氏+257度までの温度範囲で使用することができ、ガス放出は、ごくわずかであるが、後述するように、非常に高温のプロセスガス又はプラズマを処理する場合、冷却効率及び気相からの粒子の分離を改善するために、フィルタ液へのプロセスガスの直接衝突及び液漬を最小化又は回避することができる。PFPEフィルタ流体は、例えば、38cStから1830cStの範囲の動粘性率で調合することができる。しかしながら、PFPEは、高価な液体なので、抽出された粒子を含有したPFPE液体は、市販の清浄器に送ってリサイクルすることができる。
【0033】
以下に詳細に説明されるように、液体タンク20内の液体タンクのレベルは、いくつかの用途においてプロセスガスのフィルタ液への液浸を保証するために、制御システムによって維持することができる。例えば、タンク20内の液体レベルは、フィルタ装置の構成によって、3インチから8インチ、又は、1インチから3インチ、又は、典型的には2インチから6インチの範囲内とすることができる。しかしながら、上述したように、非常に高温のプロセスガス又はプラズマに対処する場合、タンク内のレベルは、調節することができる。フィルタサイズ及びPFPE収容容積は、特定の半導体プロセス及び化学的性質によって様々とすることができる。
【0034】
フィルタ液は、フィルタ液入口22及びフィルタ液出口24を介して液体タンク20に送給されそこから排出され、これらは、それぞれ、フィルタ流の液体タンクへの送給及びそこからの除去のためにハウジング12上の共通ポート26に結合する、管体などの導管を介して液体タンクと連通している。さらに、以下に詳細に説明されるように、1つの実施形態では、フィルタ液は、フィルタ液とプロセスガスとの間の相互作用を高めるために、装置10に通して循環することができる。
【0035】
再び
図2を参照すると、装置10は、プロセスガス入口14と連通し、液体タンク20内のフィルタ液中に延びて、プロセスガス入口を通って流れるプロセスガスを液体タンク内のフィルタ液中に直接注入する、供給管30をさらに含む。代替的に、後述するように、プロセス供給管は、例えば、冷却後に間接的にフィルタ液の上側で終端することができる。
【0036】
供給管30は、アルミニウム、石英、ポリマー、及び典型的にはステンレス鋼合金などの不活性材料から形成される。随意的に、供給管30は、遠位端30aに複数の穿孔32を含み、その遠位端は、プロセスガスの全ての流れを穿孔32に通して導くように閉じられており、これは、リッター流体(liter fluid)中でプロセスガスによる気泡化効果を発生させる。穿孔32の大きさ、数及び位置は、様々とすることができるが、直径で0.125インチから0.5インチ又はそれ以上の範囲の直径、又は、約0.25インチの直径とすることができる。この孔の目的は、粒子含有ガス流を効率的に分散させ、これをフィルタ液と混和させることである。穿孔32から流れるガスによって生じる気泡は、フィルタ液と混合し、粒子は、ガス流から分離され、半導体処理チャンバに何らかの有害な逆流を与えることなくフィルタ液に吸収される。あるいは、
図5を参照して説明されるように、供給管の端部は、プロセスガス又はプラズマをフィルタ流の方へ向かわせるために開口することができるが、より高い温度では、以下に詳細に説明されるように、供給管の開口端とフィルタ流との間に熱シールドを配置することができる。
【0037】
上述のように、液体フィルタ装置10は、液体タンク20へのフィルタ液の流入及び液体タンク20からのフィルタ液の流出を制御するためのフィルタ液制御システム50を含むことができる。例えば、フィルタ液制御システム50は、マイクロプロセッサのような制御装置50a及び流体回路28を含むことができ、制御装置50aは、入口22及び出口24を通り液体タンク20の内外へのフィルタ液の流れを調節するために、電気制御弁28a、28b及びポンプ(図示しない遠心力ポンプ又は磁気カップリングポンプなど)によって流体回路を制御する。また、上述したように、フィルタ液制御システム50は、フィルタ液を液体タンク内の液体レベルに維持するように構成することもできる。このようにして、フィルタ液は、液体が一定の吸収レベルに達したことを意味する「使用済み」になったときに、新しいフィルタ液と交換することができる。例えば、フィルタ液が実験的に粒子で飽和したと見なされる場合にタンク内に新しいフィルタ液を循環させることが望まし場合、又は、粒子をどれだけ吸収したかに関係なく液体を循環させることが望ましい場合がある。
【0038】
1つの実施形態では、制御システム50は、1又は2以上のセンサ52を含む。センサ52は、フィルタ液のレベルを検出するために、もしくは、液体の不透明度又は他の特性を測定するために使用することができ、これは、液体が粒子吸収の所定レベルに達したことを示すために使用することができる。例えば、液体が粒子吸収の所定レベルに達した場合を決定することは、粘度などの液体の別の特性に基づく場合がある。あるいは、一方がフィルタ液のレベルを測定するセンサであり、他方が、液体が粒子吸収の所望レベルに達した場合を示す液体の特性を測定するセンサである、両方のタイプのセンサを使用することができる。いずれかの場合又は両方の場合において、制御システム50は、半導体チャンバの生成物に対応するために及び/又は濾過プロセスを最適化するために、1又は2以上のセンサに基づいて液体タンク20に出入りするフィルタ流の流れを調節する目的で使用することができる。
【0039】
随意的に、装置10は、チャンバ18を観察するための1又は2以上の視覚的な窓40を含むことができる。例えば、1又は複数の窓40は、PYREX(登録商標)又は、石英材料から形成され、ハウジング12の壁に広がりそれを貫通して延びることができる。窓は、所望のフィルタ液のレベルの下に位置決めすることができ、必要に応じて、フィルタ装置の手動制御を提供するために、フィルタ液は、そのレベル及び/又は不透明度又は他の特性を手動で観察することができるようになっている。窓40は、手動の又は自動の視覚的な窓を含むことができ、フィルタ液内に同伴された固形分を実験的に評価し、プロセスチャンバ又は生産を妨げることなく、連続的な動的フィルタ動作のために、弁28a、28bによって、特定の液量の手動又は自動の引き出し及び新しいフィルタ液の追加を引き起こすために使用することができる。例えば、上述した弁(例えば、制御弁28a、28b)は、オペレータが装置10を手動で制御できるように、電気的作動弁による、手動オーバーライド制御を含む手動制御を可能にすることができる。
【0040】
図示の実施形態では、プロセスガス入口14及びガス出口16は、概して90度(直角)の向きを有するように、ハウジング12の上部と側面に位置決めされているが、第2の実施形態を参照して説明されるように、ガス入口14及びガス出口16は、概してインラインであるように再配列することができる。
【0041】
作動時、プロセスガス流は、図示のように装置10の上部から流入し、供給管30を通過し、タンク20内のフィルタ液を通って気泡化し、その粒子が取り除かれ、フィルタ液タンク20から出る。次に濾過されたガスは、ガス出口16を通って装置10の側面から流出する。
【0042】
図3を参照すると、数字110は、全体として液体フィルタ装置の別の実施形態又は第2の実施形態を示し、これは、半導体プロセスチャンバ排出口を有するとフォアラインに配置することができ、半導体プロセスチャンバから排出される半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過するように構成されている。上述の実施形態と同様に、フィルタ装置110は、典型的には固体又は粒子を含有する半導体処理チャンバからの半導体プロセスガスの流入物を受け入れるためのプロセスガス入口114と、後述する濾過プロセス後に濾過されたプロセスガスを排出するガス出口116とを有するハウジング112を含む。ハウジング構造に適した材料の詳細については、第1の実施形態を参照されたい。
【0043】
図3に最も良く見られるように、ハウジング112は、プロセスガス入口114を通してプロセスガスを受け入れるフィルタチャンバ118を含み、そこから濾過されたガスがガス出口116を通して排出される。フィルタチャンバ118は、フィルタ装置に流入するプロセスガスから固体又は粒子を濾過するフィルタ液を保持する液体タンク120を形成する。半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過することができる適切な液体特性及び適切な液体の例に関しては、第1の実施形態を参照されたい。
【0044】
図示された実施形態では、プロセスガス入口114及びガス出口116は、概してインラインである。そのために、ハウジング120は、液体タンク120とガス出口116との間に排出チャンバ138を含み、フィルタガスは、ガス出口116を通って排出される前に内部でフィルタチャンバから排出することができる。インライン型フィルタ装置は、第1の実施形態の直角フィルタ装置が既存のフォアライン形状に適合しない可能性がある特定の場所で使用することができる。
【0045】
排出チャンバ138を形成するために、ハウジング112は、フィルタチャンバ118と排出チャンバ130との間のハウジング112の内部空間を仕切る固体プレート136を含み、さらに、内部導管134を含み、この内部導管134は、フィルタ液レベルの上に位置決めされた第1の開口端134aと、排出チャンバ130に排出するために、プレート136を貫通して延びる第2の開口端134bとを含む。内部導管134は、プレート136で終端するように示されているが、プレートを貫通して排出チャンバ138の中に延びることができることを理解されたい。適切な導管は、アルミニウム、石英、ポリマー、及び典型的にはステンレス鋼合金などの不活性材料から形成される管体又は管材を含む。
【0046】
上述の実施形態と同様に、ハウジング110は、入口114と流体連通し、液体タンク120内に延び、上述と同様の方法でプロセスガスをフィルタ流体中に注入する供給管130を含む。供給管130の更なる詳細は、供給管30を参照されたい。
【0047】
また、上述の実施形態と同様に、液体タンク120内の液体レベルは、上述したように、フィルタ液へのプロセスガスの液浸を保証するために、制御システムによって維持することができる。
【0048】
装置110は、装置10と同様な方法で作動する。プロセスガスは、入口114に流入し、供給管130を介してタンク120内のフィルタ液に注入される。供給管130に穿孔132が存在するため、プロセスガスは、フィルタ液中で気泡化し、固体又は粒子はフィルタ液に吸収される際にプロセスガスから除去される。濾過されたガスは、次に内部導管134を通ってフィルタチャンバ118から排出され、内部導管134は、濾過されたガスを排出チャンバ138内に導き、次に排出チャンバ138は、ガス出口116を通して濾過されたガスを排出する。
【0049】
上述の実施形態と同様の方法で、フィルタ液は、流体回路128によって装置110を通って循環することができ、流体回路128は、入口弁128a(液体入口122と流体連通している)と出口弁128(液体入口124と流体連通している)、及び様々な導管及びポンプ(図示しない遠心ポンプ又は磁気カップリングポンプなど)を含み、上述のように、フィルタ液を循環させるか又は単にフィルタ液を交換するために、共通ポート126を通してフィルタ液の流れを液体タンク120の中に又はそこから導くようになっている。
【0050】
また、装置110はチャンバ118を観察するための視覚的な窓140を含むことができる。例えば、1又は複数の窓40は、ハウジング12の壁に広がりそれを貫通して延び、窓は、所望のフィルタ液レベルの下に位置決めすることができ、必要に応じて、フィルタ装置の手動制御を提供するために、フィルタ液は、そのレベル及び/又は不透明度又は他の特性を手動で観察することができるようになっている。
【0051】
上述のように、作動時、粒子含有プロセスガス流は、図示のように装置110の上部から流入し、内部供給管130を通過し、タンク120内のフィルタを通って気泡化され、粒子が濾過されて取り除かれた後、内部導管134に入り、フィルタ液体タンク120から流出する。濾過されたガスは、次に排出チャンバ138に入り、装置110の上部プロセスガス入口とインラインの底部から流出する。
【0052】
図4を参照すると、数字210は、全体として液体フィルタ装置の別の実施形態又は第3の実施形態を示し、これは、半導体プロセスチャンバ排出口を有するフォアラインに配置することができ、半導体プロセスチャンバから排出される半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過するように構成されている。上述の実施形態と同様に、フィルタ装置210は、典型的には固体又は粒子を含有する半導体処理チャンバからの半導体プロセスガスの流入物を受け入れるためのプロセスガス入口214と、上述の濾過プロセス後に濾過されたプロセスガスを排出するガス出口216とを有するハウジング212を含む。ハウジング構造に適した材料の詳細については、第1の実施形態を参照されたい。
【0053】
図4に最もよく見られるように、ハウジング212は、プロセスガス入口214を通してプロセスガスを受け入れるフィルタチャンバ218を含み、そこから濾過されたガスがガス出口216を通して排出される。フィルタチャンバ218は、フィルタ装置に流入するプロセスガスから固体又は粒子を濾過するフィルタ液を保持する液体タンク220を形成する。半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過することができる好適な液体特性及び好適な液体の例としては、第1の実施形態を参照されたい。
【0054】
図示の実施形態では、プロセスガス入口214及びガス出口216は、第2の実施形態と同様に概してインラインにある。そのために、ハウジング220は、同様に液体タンク220とガス出口216との間に排出チャンバ238を含み、フィルタガスは、ガス出口216を通って排出される前に内部でフィルタチャンバから排出することができる。排出チャンバ238のさらなる詳細については、上述の実施形態を参照されたい。
【0055】
上述の実施形態と同様に、ハウジング210は、入口214と流体連通しているが、チャンバ218内に延び、随意的にフィルタ流体の上側で終端する供給管230を含む。また、供給管230は、アルミニウム、石英、ポリマー、典型的にはステンレス鋼合金などの不活性材料から形成される。
【0056】
図示の実施形態では、供給管230は、ベンチュリ管を形成するための制限部230aと、フィルタ流が供給管230に流入するための入口222とを含み、圧力差を発生させて、入口214を通してプロセスガスを供給管230に引き込むようになっており、そこで、プロセスガスはフィルタ液と混合し、その後、供給管230を通ってフィルタチャンバ218の中に排出される。また、フィルタ液は、供給管230から液体タンク220に排出される。
【0057】
上述と同様の方法で、フィルタ流体は、流体回路228によって装置210を通って循環することができ、流体回路228は、例えば、上述のような制御装置によって制御され、流体回路228は、制御弁228a及び228bに加えて、ポンプ228c(遠心ポンプ又は、磁気カップリングポンプなど)を含み、ポンプ228cは、フィルタ流体を様々な導管228dを介して装置210を通って循環させる。
【0058】
図示の実施形態では、上述のように、液体入口222は、供給管230に形成されるが、液体出口224は、液体レベルの下の液体タンクに位置決めされる。
【0059】
装置210は、装置110と同様の方法で作動する。プロセスガスは、入口214に流入するが、その流れは、供給管230を通って流れるフィルタ液のベンチュリ効果によって強化される。プロセスガスは、フィルタ液と混合し、次に濾過され、供給管230を通ってフィルタチャンバ118に注入される。濾過されたガスは、内部導管234を通してフィルタチャンバ218から排出され、内部導管234は、濾過されたガスを排出チャンバ238に導き、次に排出チャンバ238は、ガス出口216を通して濾過されたガスを排出する。
【0060】
上述の実施形態と同様の方法で、フィルタ液は、流体回路228によって装置210を通って循環することができ、流体回路228は、上述のように、入口弁228a(これは、液体入口222と流体連通している)と出口弁228b(これは、液体入口224と流体連通している)、及び装置210を通してフィルタ液の流れを導くための様々な導管を含む。流体回路228は、上述したように、所与の期間後に又はフィルタ液が粒子飽和の所望のレベルに達した後にフィルタ液を交換するように構成することもできる。
【0061】
また、装置210は、第2の実施形態と同様に、チャンバ218を観察するための視覚的な窓240を含むことができる。
【0062】
図5を参照すると、数字410は、全体として半導体中の半導体廃棄物から固体及び/又は粒子を濾過するための液体フィルタ装置を示す。上述の実施形態と同様に、フィルタ装置410は、典型的に、固体又は粒子を含有している半導体処理チャンバからの、半導体プロセス廃棄ガス及び/又はプラズマなどの半導体プロセス廃棄物の流入物を受け入れるためのプロセス廃棄物入口414と、後述する濾過プロセスの後に濾過されたプロセス廃棄物を排出する、濾過廃棄物出口416と備えるハウジング412を含む。ハウジング構造に適した材料の詳細については、第1の実施形態を参照されたい。
【0063】
図5に最もよく見られるように、ハウジング412は、同様に、廃棄物入口414を通してプロセス廃棄物を受け入れるフィルタチャンバ418を含み、そこから濾過された廃棄物が濾過廃棄物出口416を通して排出される。フィルタチャンバ418は、フィルタ装置に流入するプロセス廃棄物から固体又は粒子を濾過するフィルタ液を保持する液体タンク420を形成する。半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過することができる好適な液体特性及び好適な液体の例については、第1の実施形態を参照されたい。
【0064】
図示された実施形態において、プロセス廃棄物入口414及び廃棄物出口416は、第2の実施形態と同様に概してインラインである。上述の実施形態と同様に、ハウジング410は、入口414と流体連通しているが、チャンバ418内に延び、随意的にフィルタ流の上側で終端する供給管430を含む。また、供給管430は、アルミニウム、石英、ポリマー、ステンレス鋼などの、不活性材料から形成される。
【0065】
しかしながら、ハウジング420は、例えば、200-600℃の範囲又はそれ以上の温度を有するガス及び/又はプラズマのような非常に高温のプロセス廃棄物を濾過する場合に、エネルギーを低減するために、供給管出口430aから液体タンク420へのプロセス廃棄物のための二次的な前置フィルタ流体経路を提供するように構成されている。さらに、以下に詳細に説明されるように、ハウジング420は、フィルタ液に衝突する前にプロセス廃棄物を冷却するように構成されている。
【0066】
廃棄物を二次的な前置フィルタ流体経路に導くために、液体フィルタ装置410は、供給管出口430aに隣接して配置された偏向面450を含む。このように、廃棄物は、フィルタ流体に直接衝突せず、代わりに、二次的な前置フィルタ流体経路に導かれる。加えて、以下に詳細に説明されるように、偏向面は、熱を吸収する材料から形成され、従ってヒートシンクを形成する。この偏向面に衝突することにより、初期の熱エネルギーの多くが吸収されるので、例えば、プラズマ排出物がフィルタ装置に注入された場合にイオン及び高電子エネルギーを吸収することができる熱シールドを生成し、放出された電子及びイオンを急冷し、高温ガスを冷却するのに役立つ。
【0067】
熱シールドは、その構造によって、熱交換表面積及び気液界面面積が著しく増加し、効率的な冷却及び気相からの粒子分離をもたらすこともできる。この新規な流体フィルタは試験されており、入力ガス又はプラズマが400℃から600℃の範囲又はそれ以上の温度を有する場合、流体温度は、気相からの粒子分離を著しく高めながら、何らかの潜在的な化学反応及び流体特性低下をはるかに下回る45℃から70℃の範囲の低温に維持されることを示している。
【0068】
第1の偏向面は、プレートによって形成することができる。随意的に、プレートは、底壁452bから上方に延びる円筒形側壁などの側壁452aを備えるカップ状本体452によって提供され、これは無孔プレートのようなプレートを形成することができる。本体452は、単一体とすることができ、成形又は溶接によって形成することができる。随意的に、カップ状本体は、供給管430の端部を跨いで取り囲むように支持することができるが、そこから間隔を置いて配置されており、上述のように最初の偏向面を形成することができる底壁452bは、供給管430の供給管出口430aから間隔を置いて配置されるようになっている。このように、偏向面の外周は、供給管出口の外径よりも大きくすることができる。
【0069】
二次的な前置フィルタ流体経路は、追加の配向面又は偏向面によって形成することができる。例えば、追加の偏向面は、例えば、溶接によるなどの、それらの形成プロセス又は次の形成プロセスの間に一緒に組み立てられるか又は接合される個別の構造を含む、個別の構造によって形成することができる。例えば、第2の偏向面452cは、カップ状本体452の側壁452aの内面によって形成することができ、これは、第1の偏向面450と共に、廃棄物が供給管出口430aから流出した時点で流れる第1の容量の空間452dを形成することができる。
【0070】
第3の偏向面454は、その中に第1のカップ状本体452を支持し、1又は2以上の支持体464によってハウジング412の下壁412a上に支持される第2のカップ状本体460によって提供することができる。随意的に、第2のカップ状本体460は、フィルタ液体レベルの上方でハウジング412の下壁412aに支持され、フィルタ液体レベルは、上述と同様の方法で制御システムによって制御することができる。
【0071】
また、第2のカップ状本体460は、底壁460bから上方に延び、カップ状本体452の側壁452aよりも高い円筒形側壁などの側壁460aを含み、廃棄物が第1の容積452dから流れ出る場合、廃棄物は、カップ状本体452の上でカップ状本体452との間に第2のカップ状本体460によって形成される第2の容積460dに流入するようになっている。従って、側壁460aの内面460cは、ハウジング412を通る二次的な前置フィルタ流体経路に沿った廃棄物の流れを導く第3の偏向面を形成する。
【0072】
このように、廃棄物が第2の容積に流入すると、上方に流れ側壁460aの上部を越え、第2のカップ状体460の真下の液体タンク420内のフィルタ液に流下する。一部の廃棄物は、2つの側壁452aと460aの間を流れて第1のカップ状本体の下から出現し(
図5の緑色の矢印で示すように)、その後上方に流れ、次に液体タンク420内のフィルタ液に流下することができる。
【0073】
いずれの場合にも、偏向面は、ステンレス鋼などの熱を吸収する材料から形成され、従って、ヒートシンクを形成することができる。
【0074】
装置410は、装置210及び110と同様の方法で作動する。プロセス廃棄物(ガス及び/又は、プラズマ)は、入口414に流入し、冷却後にフィルタ液と混合する。次に、濾過された廃棄物は、第2のカップ状本体460の底壁460bを貫通して延びる内部導管434を通ってフィルタチャンバ418から排出される。次に、内部導管434は、濾過された廃棄物を排出チャンバ438に導き、次に、排出チャンバ438は、廃棄物出口416を通して濾過された廃棄物を排出する。
【0075】
濾過された廃棄物の流れは、別の円筒状側壁470を通して内部導管434に導くことができ、この円筒状側壁470は、第2のカップ状本体460にも支持され、内部導管434と同軸であり、内部導管434から間隔を置いて配置されている。加えて、円筒状側壁470は、第1のカップ状本体452から間隔を置いて配置され、さらに、カップ状本体452及び460の上方に延びている。従って、
図5から最もよく理解されるように、円筒状側壁470の外面470aは、廃棄物の流れを第2のカップ状本体460の上端を越えて上方に導くための偏向面を形成する(従って、二次的な前置フィルタ流体経路の一部を形成する)。加えて、円筒状側壁470の内面470bは、濾過された廃棄物が上方に流れて内部導管434に流入することを可能にする後置フィルタ経路を形成する。
【0076】
上述の実施形態と同様な方法で、フィルタ液は、流体回路によって装置410を通って循環することができる。また、流体回路は、上述したように、所与の期間後に又はフィルタ液が所望の粒子飽和レベルに達した後にフィルタ液を交換するように構成することもできる。さらに、制御システムは、随意的にフィルタ液のレベルを第2のカップ状本体の下方に維持し、従って、濾過された廃棄物が流れるための後置フィルタ経路の一部を形成する。
【0077】
また、ハウジング412は、液体タンク420と廃棄物出口416との間に排出チャンバ438を含み、フィルタ廃棄物を、出口416を通って排出される前に内部でフィルタチャンバから排出できるようになっている。排出チャンバ438のさらなる詳細については、上述の実施形態を参照されたい。
【0078】
偏向面のための適切な材料は、ステンレス鋼とすることができ、これは、不活性であり、さらに熱を吸収することができるので上述のように廃棄物を冷却することができる。
【0079】
カップ状本体452及び460並びに円筒状壁470は、溶接又は成形によって結合される単一の組立体480とすることができる、又は、装置410を通って流れる廃棄物のための二次的な前置フィルタ経路及び後置フィルタ経路を形成するように組み立てられる個別の構成要素とすることができる。
【0080】
従って、液体フィルタを使用して、装置は、半導体処理システム内のプロセス廃棄物から固体を分離するために使用することができる。供給管出口からフィルタ液体タンクへの二次的な前置フィルタ流体経路を提供することによって、廃棄物は、フィルタ流体に衝突する前に冷却することができ、初期の熱エネルギーの多くを吸収することができる。結果としてもたらされた熱シールドは、プラズマ排出物が装置内に注入された場合のイオンエネルギー及び高電子エネルギーを吸収することができ、放出された電子及びイオンを急冷し、高温ガスを冷却するのに役立つ。また、熱シールドを形成する構成要素は、熱交換表面積及び気液界面面積が著しく増加し、効率的な冷却及び気相からの粒子分離をもたらすことができる。
【0081】
図6を参照すると、数字310は、全体として半導体処理チャンバと処理ポンプ(
図6及び
図7参照)との間のフォアラインに位置付けることができるフィルタ流体を攪拌する液体フィルタ装置を概略的に示し、液体フィルタ装置は、半導体プロセスチャンバから排出される、半導体処理ガスからの固体又は粒子を濾過するように構成されている。さらに、以下に詳細に説明されるように、液体フィルタ装置310は、流体装置のチャンバ(318)への又はそこからのフィルタ流体の自動的な流体の追加及び除去を可能にする構成でもって、流体回路(後述される328)と連通するように構成されている。
【0082】
上述の実施形態と同様に、フィルタ装置310は、フィルタチャンバ318を形成するハウジング312を含み、半導体処理チャンバからチャンバ318への半導体プロセスガス流入物を受け入れるためのプロセスガス入口314を備え(例えば、
図6参照、ここでフィルタ装置310は、半導体チャンバとプロセスポンプとの間の処理システムのフォアラインに取り付けられる)、プロセスガスは、一般に固体又は粒子を含有し、ガス出口316は、後述する濾過プロセスの後、チャンバ318から濾過されたプロセスガスを排出する。ハウジング構造に適した材料の詳細については、第1の実施形態を参照されたい。
【0083】
図6に最も良く見られるように、チャンバ318は、フィルタ装置に流入するプロセスガスから固体又は粒子を濾過し、次に廃棄物として排出されるフィルタ液を保持するための液体タンク320を形成する。半導体プロセスガスから固体又は粒子を濾過することができる好適な液体特性及び好適な液体の例については第1の実施形態を参照されたい。図示の実施形態では、プロセスガス入口314及びガス出口316は、直角に配置された第2の実施形態と同様に概してインラインにある。また、上述の実施形態と同様に、ハウジング310は、入口314と流体連通し、チャンバ318内に延び、随意的に液体タンク320内のフィルタ流体の場所で又はそのわずかに下方で終端する供給管330を含む。供給管330は、同様にアルミニウム、石英、ポリマー、及び典型的にはステンレス鋼合金などの不活性材料から形成される。
【0084】
図示の実施形態では、チャンバ318は、モータ334によって回転駆動される回転部材332を含む。モータ334は、ハウジング312の外部又は外側に取り付けられるが、その駆動シャフト334aは、ハウジング壁312aに設けられた密封開口部を貫通して延びて回転部材332に係合する、又は、ハウジングを貫通せず、代わりに後述するように、磁気カップリングを介して回転部材に結合することができる。例えば、密封開口部は、密封ブッシュ又は密封グロメットによって形成することができる。回転部材332は、ハウジング壁312aの底部に回転可能に取り付けられている、環状支持体に共通して取り付けられている複数のブレードの形態とすることができる。
【0085】
1つの実施形態では、モータの駆動シャフト334aは、ハウジング312の壁を介して磁気カップリングによって回転部材332に結合する。例えば、駆動シャフト334aは、磁石を含むことができ、また、回転部材332は、磁気カップリングをもたらすために、例えば、環状支持体に又はその周りに取り付けられた磁石を含むことができる。
【0086】
上述のように、回転部材332は、液体タンク320のハウジング312の底部に配置され、モータ334によって回転されると、液体タンク320内のフィルタ流体を、随意的に連続様式で、攪拌する又は回転させる。この流体の回転により、様々な密度の粒子がフィルタ流体と完全に混合し、その後、ハウジング壁312aに形成された出口312bを介してフィルタチャンバ318から排出される。加えて、回転速度は、出口312bを介したチャンバからの流体の排出速度、及び、入口312c(同様にハウジング壁312aに形成された)を介した後述する流体回路からチャンバ318へのフィルタ流体の流入速度に影響を与える。さらに、回転速度は、流体の回転により発生する渦Vの深さを決定する。
【0087】
上述と同様な方法で、フィルタ流体は、流体回路328(例えば、以下に説明するようなマイクロプロセッサを含む、プログラマブルロジック制御装置のような制御装置によって制御される)によって、装置310を通って選択的かつ自動的に循環させることができる。
【0088】
図示された実施形態では、流体回路328は、フィルタ流体の上側のチャンバ318と流体連通にある導管340と、スライド弁342と、複数の制御弁328a(V1)、328b(V2)、328c(V3)、328d(V4).328e(V5)、及び328f(V6)とを含み、この制御弁は、制御装置350(マイクロプロセッサなど)によって開閉され、以下に説明する弁開閉シーケンスに基づいて、導管340を通りかつスライド弁342を通る流体の流れを自動的に制御する。チャンバ318(フィルタ流体の上側)と導管340との間の流体連通をもたらすことにより、導管340は、チャンバ318内の圧力に曝され、この圧力は、フォアラインと出口316に通じるチャンバ318との間の流体連通により真空(又は、低圧又は超低圧)下にある。次に、この真空(又は、低圧又は超低圧)は、後述するように、回路328の他の部品に及ぶ。例えば、導管340は、ステンレス鋼管を含むことができる。
【0089】
図6に最も良く見られるように、スライド弁342は、シリンダ342a及びスライドピストン342bを含み、スライドピストン342bは、モータ343によってシリンダ342aを上下に移動し(
図6に見られるように)、また、モータ343は、制御装置350によって制御され、弁342によってチャンバ318と回路328の連通を開閉する。
【0090】
加えて、回路328は、2つのチャンバ344及び346を含み、チャンバ344は、弁328a(V1)を介してメークアップ流体供給部と選択的に流体連通しており、チャンバ346は、弁328c(V3)及び導管340の弁を介して窒素ガス供給部と選択的に流体連通している。従って、弁328a(V1)が開かれると、チャンバ344は、メークアップ液で満たされる。同様に、弁328e(V5)が開かれると、チャンバ346は、窒素で満たされる。次に、弁328e(V5)が閉じられ、弁328d(V4)が開かれると、チャンバ346内の圧力は、低圧、超低圧、又は真空圧まで低下する。
【0091】
タンク320に出入りする流体の流れを制御するために、シリンダ342aは、ハウジング312の入口312cと流体連通にある第1のポート(随意的に導管によって形成される)と、ハウジング312の出口312bと流体連通にある第2のポート(随意的に導管によって形成される)とを含む。さらに、ピストン342bは、2つの横方向通路342c及び342dを含み、これらは、モータ343によって動かされるとシリンダ342aのポートと整列することができ、328b(V2)及び弁328c(V3)の開閉状態に応じて、タンク320とチャンバ344及び/又はチャンバ346との間の流体連通を可能にするようになっている。弁328b(V2)は、ピストン342bの位置に応じて、チャンバ344とスライド弁342とタンク320との間の選択的な流体連通を可能にし、弁328c(V3)は、ピストン342bの位置に応じて、チャンバ346とスライド弁342とタンク320との間の選択的な流体連通を可能にする。
【0092】
図6から最も良く理解されるように、弁328a(V1)を開き、他の全ての弁(328b(V2)、328c(V3)、328d(V4)、328e(V5)、及び328f(V6))を閉じると(ステップ1、
図6A参照)、メークアップ流体は、チャンバ344に導かれる。弁328b(V2)及び弁328c(V3)を開き、残りの弁(328a(V1)、328d(V4)、328e(V5)、及び328f(V6))を閉じると(ステップ2、
図6B参照)、モータ343を駆動してピストンを下側位置に移動させると(
図6に見られるようにピストン342bの横方向通路342c及び342dがシリンダ342aのポートと整列する)、メークアップ流体がタンク320に送られ、粒子充填流体がチャンバ346に排出される。弁328a(V1)、328b(V2)、328c(V3)、及び328d(V4)を閉じ、弁328f(V6)及び328e(V5)を開くと(ステップ3、
図6C参照)、流体は、開いた弁328e(V5)を通過する予め調整された窒素流によって押し流され、チャンバ346から除去される。流体がチャンバ346から除去されるように所定の時間が与えられると、次に、弁328a(V1)、328b(V2)、328c(V3)、及び328e(V5)、並びに328f(V6)を閉じ、弁328d(V4)を開き(ステップ4、
図6D参照)、チャンバ346内の圧力がフォアライン圧力と平衡を保つようにチャンバ346を排気することができる。このシーケンスは、制御装置によって繰り返される。シーケンスステップのタイミングは、特定のプロセス及びプロセスの設定に基づくので、様々とことができる。概して、シーケンスのタイミングは、流体の粒子負荷に応じて10秒から20秒ごとに循環することができると予想される。半導体プロセス排出物の粒子負荷が低い場合、シーケンスは、最大で30から60分となる可能性がある。
【0093】
装置310は、プロセスガスが入口314に流入するという点では、装置110と同様の方法で作動するが、その流れは、供給管330の周りを流れるフィルタ液の渦効果によって強化される。プロセスガスは、フィルタ液と混合し、次に、供給管330を介してフィルタチャンバ318に注入された後に濾過される。次に、濾過されたガスは、ガス出口316を通ってフィルタチャンバ318から排出される。
【0094】
図示の実施形態では、フィルタ液は、流体回路328によって装置310を通って動的に循環する。
【0095】
また上述したように、流体回路328は、所与の期間後又はフィルタ液が所望の粒子飽和レベルに達した後にフィルタ液を交換するように構成することもできる。
【0096】
図7及び8を参照すると、フィルタ装置310(又は、本明細書に記載の他のフィルタ装置410、210、110、10のいずれか)は、半導体処理チャンバCと処理ポンプPとの間のフォアラインに設置することができ、さらに、複数のチャンバ(C、C2、C3)及び複数のポンプ(P、P2、P3)を備えたシステムに設置することができ、各々のフィルタ装置からの廃棄物流体は、随意的に共有廃棄物タンクTに導かれ、随意的に、メークアップ流体は、共有メークアップ流体供給タンクTから供給される。
【0097】
いずれの実施形態でも、制御システムは、1又は2以上のセンサ(各実施形態には示されていない)を含むことができ、これらのセンサは、フィルタ液のレベルを検出するために使用することができる、又は、液体の不透明度(光学的不活性)又は他の特性を測定するために使用することができ、これらの特性は、液体が一定の吸収レベルに達したことを示すために使用することができる。また、一方がフィルタ液の高さを測定するセンサであり他方が液体の特性を測定するセンサである、両方のタイプのセンサを使用することができる。いずれかの場合又は両方の場合、制御システムは、半導体チャンバの生成物に対応するために及び/又は濾過プロセスを最適化するために、1又は2以上のセンサに基づいて、装置に出入りする濾過液体の流れを調節するために使用することができる。
【0098】
直角型フィルタ装置及びインライン型フィルタ装置の両方の構成は、受動的とすることができる(「受動的」とは、タンクが、定期的に手動で新しいフィルタ液と変更及び交換される固定量のフィルタ液を有することを意味する)、すなわち、フィルタ装置は、半導体処理システムのプロセスガスの圧力及び流れ特性を使用して半導体処理システム内のラインに挿入される、又は、動的とすることができる(「動的」とは、
図7を参照して上述したように、粒子含有フィルタ液が動的に/自動的に除去され、新鮮なフィルタ液と交換されることを意味する)。上述のように、フィルタ液は、所定のメンテナンス期間に基づいて、弁調整及び随意的にポンプによって定期的に除去及び追加することができる。上述のように、1つの構成では、
図4に示されるように、フィルタ液を再循環させるためにフィルタ液再循環ポンプを追加することができる。この実施形態では、再循環フィルタ液は、非常に高い再循環流量を有することができ、図示及び説明したようにベンチュリ管を使用してより効率的に混合させることができる。ベンチュリ管を使用することにより、非常に高度の粒子/ガス分離を達成することができる、及び、上述のように、フィルタに入るプロセスガスの局所的な真空引きが生じ、結果として、プロセス真空ポンプの作動を助け、その全エネルギー消費を潜在的に低減することができる。
【0099】
方向を示す用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「上」、「下」、「内側」、「内側」、「外側」、「外側」などは、図に示す実施形態の方向に基づいて本発明を説明するのを助けるために使用される。方向を示す用語の使用は、本発明を何らかの特定の方向(複数可)に限定するように解釈されるべきではない。
【0100】
上記の説明は、本発明の現在の実施形態のものである。特許請求の範囲に定義される本発明の精神及び広範な態様から逸脱することなく、様々な改変及び変更を行うことができ、これらは、均等論を含む特許法の原則に従って解釈されるものである。本開示は、例示を目的として提示されており、本発明の全ての実施形態の網羅的な説明として解釈されるべきではなく、また、これらの実施形態に関連して図示又は説明される特定の要素に特許請求の範囲を限定するものでもない。例えば、限定するものではないが、本発明の何らかの個々の要素(複数可)は、実質的に同様の機能性を提供するか、さもなければ適切な動作を提供する代替要素によって置換することができる。これは、例えば、当業者に現在知られている可能性がある、現在知られている代替要素、及び当業者が開発時に代替要素として認識する可能性がある、将来開発される可能性のある代替要素を含む。本発明は、特許された請求項に明示的に規定される範囲を除き、これらの特徴の全てを含む又は記載された利点の全てを提供する実施形態のみに限定されるものではない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使用して、単数形の請求項の要素への何らかの言及は、要素を単数形に限定するものとして解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0101】
10 フィルタ装置
12 ハウジング
14 処理ガス入口
16 処理ガス出口
18 フィルタチャンバ
20 液体タンク
22 フィルタ液入口
24 フィルタ液出口
26 共通開口部
28 流体回路
28a 電気制御弁
28b 電気制御弁
30 供給管
30a 遠位端
32 穿孔
40 視覚的な窓
50 フィルタ液制御システム
50a 制御装置
52 センサ
【国際調査報告】