(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】付加製造で使用される融合バリア及び支持構造用のセラミック原料
(51)【国際特許分類】
C04B 35/634 20060101AFI20241128BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20241128BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20241128BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241128BHJP
B33Y 70/10 20200101ALI20241128BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20241128BHJP
B28B 1/30 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C04B35/634 880
B29C64/118
B29C64/314
B33Y10/00
B33Y70/10
B33Y80/00
B28B1/30
C04B35/634 080
C04B35/634 040
C04B35/634 480
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024528543
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-11
(86)【国際出願番号】 EP2022081357
(87)【国際公開番号】W WO2023083908
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】エルマン,マリー-クレール
(72)【発明者】
【氏名】シュタウト,トルシュテン マルティン
(72)【発明者】
【氏名】マドコー,シェリフ アリ ハサン アリ
(72)【発明者】
【氏名】レゲナウェル,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンディ,サシャ ティム
(72)【発明者】
【氏名】ピッツ,ヤメス ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ルドル,ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】アーンゾルゲ,ティム
(72)【発明者】
【氏名】レドルマイアー,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ヒザール,フィラット
(72)【発明者】
【氏名】ゲールツ,リーン ヘンドリク
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
【Fターム(参考)】
4F213AA03
4F213AA23
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL22
4F213WL23
4F213WL24
4F213WL27
4F213WL55
4F213WW06
4G052DA05
4G052DB12
4G052DC06
(57)【要約】
本発明は、成分a)、b)及び任意にc)を含むセラミック原料に関し、ここで、成分a)が少なくとも1種のセラミック材料であり、成分b)が少なくとも1種のバインダー(B)であり、任意の成分c)が少なくとも1種の添加剤(A)である。セラミック原料は、好ましくは、三次元(3D)印刷技術、特にFFF印刷プロセスにおいて採用されるフィラメントの形態で提供される。したがって、本発明のセラミック原料は、支持構造及び/又は分離層の3D印刷にうまく採用することができる。さらに、本発明は、そのような三次元物体、特に三次元グリーン体、三次元ブラウン体又は三次元焼結体、及びそれらの調製方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物a)、b)及び任意にc):
a)セラミック原料の総体積に基づいて5~20体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて75~95体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~5体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含むセラミック原料であって、
前記セラミック材料が酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物及びケイ化物からなる群から選択される、セラミック原料。
【請求項2】
前記バインダー(B)が、
i)バインダーの総質量に基づいて50~100質量%の前記少なくとも1種のポリマー(P)を含有し、及び/又は
ii)前記少なくとも1種のポリマー(P)がポリオキシメチレン(POM)であり、及び/又は
iii)成分b2)及び/又はb3)
b2)少なくとも1種のポリオレフィン(PO)、
b3)成分b1)がポリオキシメチレン(POM)である場合に、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)
をさらに含む、請求項1に記載のセラミック原料。
【請求項3】
成分(b1)におけるポリマー(P)がポリオキシメチレン(POM)コポリマーであり、このポリオキシメチレン(POM)コポリマーが、
- 少なくとも50モル%のホルムアルデヒド源(b1a)、
- 0.01~20モル%の、一般式(II)の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、
【化1】
(式中、R
1~R
4は、それぞれ互いに独立して、H、C
1~C
4アルキル、及びハロゲン置換C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
5は、化学結合、(-CR
5aR
5b-)基、及び(-CR
5aR
5bO-)基からなる群から選択され、
ここで、R
5a及びR
5bは、それぞれ互いに独立して、H、及び非置換又は少なくとも一置換のC
1~C
4アルキルからなる群から選択され、
置換基は、F、Cl、Br、OH及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
nは0、1、2又は3である)、及び
- 0~20モル%の、式(III)の化合物及び式(IV)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)
【化2】
(式中、Zは、化学結合、(-O-)基及び(-O-R
6-O-)基からなる群から選択され、
ここで、R
6は、非置換のC
1~C
8アルキレン及びC
3~C
8シクロアルキレンからなる群から選択される)
の重合により調製される、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項4】
i)前記さらなるポリマー(FP)が、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアミド、ビニル芳香族ポリマー、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)及びそれらのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)であり、及び/又は
ii)前記セラミック材料が、MgO、CaO、SiO
2、Na
2O、Al
2O
3、焼成アルミナ、ZrO
2、Y
2O
3、SiC、Si
3N
4、TiB、BN、TiN、TiO
2、Ti
2O
3及びAlNからなる群から、好ましくは、Al
2O
3、焼成アルミナ、ZrO
2及びY
2O
3からなる群から選択され、及び/又は
iii)前記セラミック材料の粒径が、0.1~125μm、好ましくは0.5~100μm、より好ましくは0.1~90μmであり(Alpine Air Sieveで測定し、質量%でD90として決定)、及び/又は
iv)前記ポリオレフィン(PO)が、ポリメチルペンテン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレン、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択され、好ましくは、前記ポリオレフィン(PO)がポリエチレン又はポリプロピレンであり、最も好ましくは、前記ポリオレフィン(PO)がポリエチレンであり、及び/又は
v)前記添加剤(A)が、少なくとも1種の分散剤、より好ましくは少なくとも1種のポリエーテル、最も好ましくはポリテトラヒドロフランである、
請求項2に記載のセラミック原料。
【請求項5】
前記セラミック原料が、それぞれ前記セラミック原料の総体積に基づいて、成分a)、b)及び任意にc)、
a)5~15体積%、最も好ましくは7~10体積%の少なくとも1種のセラミック材料、
b)80~94体積%、最も好ましくは86~91体積%の少なくとも1種のバインダー(B)、
c)好ましくは1~5体積%、最も好ましくは2~4体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含む、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項6】
前記成分(b)が、それぞれ成分b)の総量に基づいて、成分b1)、及び任意に成分b2)及び/又は成分b3)、
b1)80~100質量%、好ましくは85~100質量%、最も好ましくは85~95質量%の少なくとも1種のポリマー(P)、
b2)0~20質量%、好ましくは0~15質量%、最も好ましくは5~15質量%の少なくとも1種のポリオレフィン(PO)、
b3)0~10質量%、好ましくは0~5質量%、最も好ましくは0~3質量%の少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)、
を含み、
好ましくは、成分b1)がポリオキシメチレン(POM)である、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項7】
前記セラミック原料が、ペレット又はフィラメントの形態で、好ましくはフィラメントの形態で提供される、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項8】
前記セラミック原料がフィラメントの形態で提供され、
i)前記フィラメントが、シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含み、前記コア材料(CM)が、少なくとも1種のセラミック材料、少なくとも1種のバインダー(B)及び任意に少なくとも1種の添加剤(A)を含み、前記シェル材料(SM)が、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、任意に少なくとも1種のセラミック材料及び任意に少なくとも1種の添加剤を含み、及び/又は
ii)前記フィラメントの直径が、1.5~3.5mm、好ましくは2.0~3.1mm、より好ましくは2.6~3.0mmであり、及び/又は
iii)前記コア材料の直径が、1.5~3.0mm、好ましくは1.9~2.7mm、より好ましくは2.2~2.7mmであり、及び/又は
iv)前記シェル材料(SM)の層の厚さが、0.03~0.3mm、好ましくは0.1~0.25mmであり、及び/又は
v)前記シェル材料(SM)の前記少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)が、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PE)、例えばポリプロピレン又はポリエチレン、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリエーテル(PETH)、ポリカーボネート(PC)、及び/又はポリエステル(PES)、例えばポリ乳酸、及びこれらのブレンドの群から選択される、請求項7に記載のセラミック原料。
【請求項9】
三次元(3D)印刷プロセスにおける、特に溶融フィラメント製造(FFF)プロセス内での、及び/又はフィラメントの形態で少なくとも1種のセラミック原料を使用することによる、請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料の使用方法。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料を使用することにより三次元(3D)物体を印刷する方法、好ましくは、少なくとも1種のセラミック原料をフィラメントの形態で使用することによる溶融フィラメント製造(FFF)方法。
【請求項11】
印刷した3D物体が三次元(3D)グリーン体であり、好ましくは、前記3Dグリーン体が、少なくとも工程a)、b)及びc)、
a)請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを、スプール上でノズルに供給する工程と、
b)前記フィラメントを温度(T
M)に加熱する工程と、
c)工程b)で得られた加熱したフィラメントを、層ベース付加技術を用いてビルドチャンバー内で堆積させて、三次元グリーン体を形成する工程と
を含む溶融フィラメント製造プロセスによって得られる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)が使用され、このさらなるフィラメント(F2)が、さらなるフィラメント(F2)の総体積に基づいて少なくとも30体積%の、金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)を含み、
i)請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを使用することによって得られる少なくとも1つの第1断片(1F)、及び
ii)前記少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)を使用することによって得られる少なくとも1つの第2断片(2F)
を含む3Dグリーン体を得る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
印刷した3D物体、好ましくは3Dグリーン体、より好ましくは3Dグリーン体の少なくとも1つの第1断片(1F)が、支持構造及び/又は分離層である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
工程c)に続いて、工程d)が行われ、工程d)において、バインダー(B)の少なくとも一部が、三次元(3D)グリーン体から除去されて、三次元(3D)ブラウン体を形成し、
好ましくは、工程d)において、
i)バインダー(B)が触媒脱バインダー、好ましくは酸処理によって除去され、及び/又は
ii)バインダー(B)がバインダー(B)の融点未満の温度で除去される、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
工程d)に続いて、工程e)が行われ、工程e)において、前記三次元(3D)ブラウン体が焼結されて、三次元(3D)焼結体を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法により調製される、三次元(3D)グリーン体。
【請求項17】
請求項14に記載の方法により調製される、三次元(3D)ブラウン体。
【請求項18】
請求項15に記載の方法により調製される、三次元(3D)焼結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成分a)、b)及び任意にc)を含むセラミック原料に関し、ここで、成分a)が少なくとも1種のセラミック材料であり、成分b)が少なくとも1種のバインダー(B)であり、任意の成分c)が少なくとも1種の添加剤(A)である。セラミック原料は、好ましくは、三次元(3D)印刷技術、特にFFF印刷プロセスにおいて採用されるフィラメントの形態で提供される。したがって、本発明のセラミック原料は、支持構造及び/又は分離層の3D印刷にうまく採用することができる。さらに、本発明は、そのような三次元物体、特に三次元グリーン体、三次元ブラウン体又は三次元焼結体、及びそれらの調製方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的に使用されている3D印刷技術又は付加製造技術の1つは、溶融フィラメント製造プロセス(FFF)としても知られる熱溶解積層法(FDM)である。三次元物体の製造には、通常、スプールに供給された熱可塑性材料のフィラメントを、ベース上の加熱ノズルを通して層ごとに堆積させる。したがって、熱可塑性材料は、その溶融温度及び/又はガラス転移温度を超えた温度まで加熱される。熱可塑性材料及び温度勾配は、ベース又は押し出された熱可塑性材料の先行層と接触すると、本質的に直ちに固化できるように選択される。
【0003】
各層を形成するために、ベース及び/又は押出ノズル(吐出ヘッド)をx軸、y軸及びz軸に沿って所定のパターンで互いに相対的に移動させる駆動モーターが設けられている。熱溶解積層法(FDM)は、US 5,121,329に初めて記載されている。
【0004】
三次元物体を製造するための典型的な材料は熱可塑性材料である。
【0005】
溶融フィラメント製造による三次元の金属物体又はセラミック物体の製造は、金属又はセラミック材料がノズルによって加熱し、溶融することができるように低融点を有する場合にのみ可能である。金属又はセラミック材料が高融点である場合、金属又はセラミック材料をバインダー組成物中で押出ノズルに供給する必要がある。バインダー組成物は通常、熱可塑性材料を含む。バインダー中の金属又はセラミック材料の混合物をベース上に堆積させる場合、形成される三次元物体は、バインダー中の金属又はセラミック材料を含む、いわゆる「グリーン体」である。所望の金属又はセラミック物体を得るためには、バインダーを除去していわゆる「ブラウン体」を形成し、最後にこの物体を焼結しなければならない。WO 2019/025472は、少なくとも1つのノズルと少なくとも1つの混合要素を含有する3Dプリンターを採用することによる、そのような3D FFF印刷技術を開示している。
【0006】
WO 2016/012486は、金属、金属合金、又はセラミック材料などの無機粉末と、ポリオキシメチレン、ポリオレフィン、及びその他のポリマーを含むバインダーとを含む混合物の、溶融フィラメント製造プロセスにおける使用を記載している。混合物は3Dプリンターのノズルで溶融され、層ごとに堆積して三次元物体を形成する。混合物中の無機粉末の量が多いと、得られるフィラメントが一般に非常に脆くなり、したがって取り扱いが難しくなるという欠点がある。
【0007】
WO 2017/009190には、コア材料及びシェル材料を含むフィラメントが記載されており、ここで、コア材料は無機粉末及びバインダーを含み、シェル材料は熱可塑性ポリマー、無機粉末及び任意に添加剤を含む。WO 2017/009190に記載されたフィラメントは、WO 2016/012486に開示されたものよりも安定性が高く、スプールに巻くことができ、保管及び加工がより容易である。このフィラメントはさらに、熱溶解積層法において使用されて三次元物体を形成する。
【0008】
WO 2018/108639は、溶融フィラメント製造プロセスにおける支持材料としての、WO 2017/009190に記載されたものと同様のフィラメントの使用を開示している。このフィラメントは、セラミック材料前駆体及びバインダーを含有するコア材料を含む、特に熱可塑性ポリマーを含有するシェル材料をさらに含む。
【0009】
US 10,501,869 B2は、シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含むフィラメントを開示しており、ここで、コア材料(CM)が、成分a)~c):a)コア材料(CM)の総体積に基づいて30~80体積%の、少なくとも1種の無機粉末(IP)、b)コア材料(CM)の総体積に基づいて20~70体積%の、成分b1)(少なくとも1種のポリマー(P))を含む少なくとも1種のバインダー(B)、及びc)コア材料(CM)の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種の添加剤(A)を含み、少なくとも1種のポリマー(P)が、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマー、ポリオキシメチレン(POM)コポリマー又はポリオキシメチレン(POM)ターポリマーであり、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーのOH末端基の少なくとも一部がキャップされており、シェル材料(SM)が、成分d)~f):d)シェル材料(SM)の総体積に基づいて75~100体積%の、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、e)シェル材料(SM)の総体積に基づいて0~20体積%の、少なくとも1種の無機粉末(IP)、及びf)シェル材料(SM)の総体積に基づいて0~25体積%の、少なくとも1種の添加剤(A)を含む。
【0010】
WO 2019/170463 A1は、シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含むフィラメントを開示しており、ここで、コア材料(CM)が、a)少なくとも1種の繊維状フィラー(FF)、b)少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP1)、及びc)任意に少なくとも1種の添加剤(A)を含み、シェル材料(SM)が、d)少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP2)、e)任意に少なくとも1種の繊維状フィラー(FF)、及びf)任意に少なくとも1種の添加剤(A)を含む。
【0011】
US 2021/0214494 A1は、着色ポリオキシメチレンの製造方法を開示している。
【0012】
US 2013/0203921 A1は、ポリオキシメチレンのホモポリマー又はコポリマーの混合物を含む熱可塑性樹脂組成物、その製造、金属成形品又はセラミック成形品の製造のためのその使用、及び得られた成形品に関する。
【0013】
US 5,693,825 Aは、不均一系触媒上でのアジリジンの調製方法を開示しており、ここで、使用される不均一系触媒が、流動床として維持される予備焼結成形品である。
【0014】
先行技術に開示されたフィラメント、特に金属、金属合金又はセラミックのような無機材料を含むフィラメントは、熱溶解積層法によって前記フィラメントから形成されたそれぞれのグリーン体及びブラウン体が、かなり低い安定性を示す傾向があるという欠点を有する。さらに、グリーン体及びブラウン体はしばしば破断点を示し、バインダーの除去によってブラウン体が容易に崩壊するため、ブラウン体は特に損傷しやすい。
【0015】
US-B 10 800 108、WO 2019/226815又はUS-B 9 833 839も、金属ベースのフィラメントを採用する、3D印刷技術、特にFFFプロセスに関する。それぞれの方法は、3D支持構造の印刷にも採用することができる。また、粉末材料に基づく異なる印刷材料を採用することも可能である。しかし、前述の3つの先行技術文献のいずれも、任意の粉末材料に関連して採用される特定のバインダー材料の使用を開示していない。
【0016】
前述の先行技術に記載されているように、セラミック原料は当業者に知られており、FFFプロセスにおいて3D印刷のためのセラミックフィラメントの製造に広く使用されている。前記セラミックフィラメントは、典型的には、セラミック材料で大量に充填されており、複数のバインダーシステムの適用を必要とする。
【0017】
しかしながら、金属部品の3D印刷では、セラミックフィラメントは典型的に、完全な支持構造又は分離層の印刷に使用される。金属充填フィラメントは通常、所望の金属物体の印刷に使用される。したがって、セラミック充填フィラメントは、支持構造又は分離層として機能することができる。両方のフィラメントを一緒に使用して、脱バインダー工程とそれに続く焼結工程を経て、所望の金属物体と、所望の金属物体から除去される支持材料とをもたらすハイブリッド構造を形成することができる。
【0018】
一般的には、セラミックフィラメントは、前述のプロセスにおいて、脱バインダー及び焼結プロセス中に所望の金属物体を安定させるのに役立つ所望の金属物体を支持するために、層状金属構造の下、上、又は層状金属構造の間に1層又は複数層のセラミックフィラメントを印刷するために使用される。セラミックフィラメントが分離層として使用される場合、それは通常、所望の金属物体と金属支持構造との間に1層又は複数層で印刷され、脱バインダー及び焼結後に、印刷された金属支持構造を所望の金属物体から分離するのに役立つ。セラミックフィラメントが完全な支持構造の印刷に使用される場合、通常、すべての空洞がセラミックフィラメントの層で充填される。
【0019】
脱バインダーは通常、熱的、化学的、触媒的、又は溶媒を介して行われる。焼結は、金属成分の溶融温度を超えず、かつセラミック成分の焼結温度を超えない高温下で行われる。
【0020】
1つの大きな課題は、3D印刷された金属物体の寸法安定性を維持し、破損、反り又はねじれを回避するために、焼結プロセス中に金属充填フィラメントと同じ、又は少なくとも非常に類似した収縮挙動を有するセラミックフィラメントを設計することである。
【0021】
さらなる課題は、ポリマー、セラミック、又は金属の残留物がないように、所望の金属物体から支持構造をきれいかつ容易に除去することである。
【0022】
理論的には、多かれ少なかれバインダー材料のクリーンな熱分解が可能かもしれないが、現実には、脱バインダー雰囲気中の酸素含有量に強く依存する。主な欠点は、酸素含有量が十分でないため、熱脱バインダー中に炭素含有残留物が形成される可能性があることであり、特に厚い物体部品の中心部では、結果として所望の金属対象物に炭素リッチな堆積物/残留物が生じる。さらに、バインダーが物体全体から同時かつ迅速に除去されるため(厚い物体であっても)、熱脱バインダープロセス中に所望の金属対象物に亀裂が生じる可能性があり、脱バインダープロセス中の安定化不足につながる。
【0023】
溶媒による脱バインダーでは、溶媒がポリマーバインダーマトリックスのすべての部分に均質に到達できず、脱バインダー後にバインダーシステムが残留するため、最終的な金属物体の厚みも制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】US 5,121,329
【特許文献2】WO 2019/025472
【特許文献3】WO 2016/012486
【特許文献4】WO 2017/009190
【特許文献5】WO 2018/108639
【特許文献6】US 10,501,869 B2
【特許文献7】WO 2019/170463 A1
【特許文献8】US 2021/0214494 A1
【特許文献9】US 2013/0203921 A1
【特許文献10】US 5,693,825 A
【特許文献11】US-B 10 800 108
【特許文献12】WO 2019/226815
【特許文献13】US-B 9 833 839
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題の少なくとも一部を解決し、セラミックフィラメントの製造及び3D印刷プロセスにおけるその使用に適した新しいセラミック原料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この目的は、化合物a)、b)及び任意にc):
a)セラミック原料の総体積に基づいて5~20体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて75~95体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~5体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含むセラミック原料によって達成され、
ここで、セラミック材料が酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物及びケイ化物からなる群から選択される。
【0027】
本発明のセラミック原料の1つの利点は、従来技術によってもたらされた上述の問題の少なくとも一部、好ましくは全てが解決されることである。例えば、特にバインダー材料の一部としてポリオキシメチレン(POM)をベースとする、反りを低減した新規なセラミック原料が提供される。本発明によるセラミック原料は、セラミックフィラメントの製造、及び例えば金属含有物体の印刷を含む3D印刷プロセスにおけるその使用に適している。
【0028】
特にポリオキシメチレン(POM)をベースとするセラミック原料との関連では、脱バインダー及び焼結後に、支持材料の商業的に実行可能でクリーンな除去を可能にする支持層又は分離層の印刷に、本発明のセラミック原料が採用される場合、金属含有物体の印刷に別の利点が見られる。従来は、担体/バインダー材料の反りのために、60体積%未満の担持度のPOMをベースとするフィラメントはほとんど印刷できなかった。しかしながら、本発明のセラミック原料を用いれば、無機フィラー又は有機添加物の含有量が非常に少ないフィラメントでも容易に加工でき、部品及び支持体の接着を防止する層を作製するのに十分な無機フィラー含有量の材料を得ることができる。
【0029】
さらに、驚くべきことに、本発明によるセラミック原料の使用は、融合バリアとして使用される場合、例えば金属溶融フィラメント製造によって部品を製造する場合にしばしば発生する、脱バインダー及び焼結中の歪み及び/又は破損を防止するのに役立つことが見出された。この利点は、別の利点、すなわち、反りの減少、及びその結果としての印刷適性の向上にもつながる。
【0030】
本発明のさらなる利点は、印刷、脱バインダー及び焼結のためにしばしば必要とされる支持構造が、より容易に除去できることである。その結果、プロセスの自動化が容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0032】
本発明の第1の主題は、化合物a)、b)及び任意にc)
a)セラミック原料の総体積に基づいて5~20体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて75~95体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~5体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含むセラミック原料であり、
ここで、セラミック材料が酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物及びケイ化物からなる群から選択される。
【0033】
明確さ及び完全性のため、全成分の合計が原料の総体積に対して100体積%を超えないことを示す。別段に明記しない限り、他の成分に関しても、以下に記載されている他の値についても同様である。
【0034】
セラミック原料は、成分a)として、セラミック原料の総体積に基づいて、5~20体積%、さらに好ましくは5~15体積%、最も好ましくは7~10体積%の少なくとも1種のセラミック材料を含む。
【0035】
本発明の目的のため、「成分(a)」及び「セラミック材料」という用語は同義であり、本発明全体を通じて互換的に使用される。
【0036】
成分a)としては、公知のセラミック材料を使用することができる。好ましくは、成分a)として、焼結活性を有しないか又は低いセラミック材料が使用される。
【0037】
「セラミック材料」とは、正確に1種のセラミック材料だけでなく、2種以上のセラミック材料の混合物も意味する。本発明の文脈において、「セラミック材料」という用語は、金属又は第1メタロイド、及び非金属又は第2メタロイドの非金属化合物を意味する。
【0038】
「金属」とは、正確には1種の金属だけでなく、2種以上の金属の混合物も意味する。「非金属」、「第1メタロイド」、及び「第2メタロイド」についても同様である。「非金属」とは、正確に1種の非金属だけでなく、2種以上の非金属の混合物も意味する。「第1メタロイド」とは、正確に1種の第1メタロイドだけでなく、2種以上の第1メタロイドの混合物も意味する。「第2メタロイド」とは、正確に1種の第2メタロイドだけでなく、2種以上の第2メタロイドの混合物も意味する。
【0039】
非金属は、当業者にはそれ自体公知である。本発明による非金属は、周期表の任意の非金属から選択することができる。好ましくは、少なくとも1種の非金属は、炭素、窒素、酸素、リン及び硫黄からなる群から選択される。
【0040】
メタロイドは当業者にはそれ自体よく知られている。第1メタロイド及び第2メタロイドは、周期表の任意のメタロイドから選択することができる。好ましくは、第1メタロイド及び/又は第2メタロイドは、ホウ素及びケイ素からなる群から選択される。第1メタロイド及び第2メタロイドが互いに異なることは明らかであろう。例えば、第1メタロイドがホウ素である場合、第2メタロイドは、ホウ素以外の元素周期表の他のメタロイドから選択される。
【0041】
本発明のセラミック材料は、酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物及びケイ化物からなる群から選択される。好ましい実施形態において、セラミック材料は、MgO、CaO、SiO2、Na2O、Al2O3、焼成アルミナ、ZrO2、Y2O3、SiC、Si3N4、TiB、BN、TiN、TiO2、Ti2O3及びAlNからなる群から選択される。特に好ましくは、セラミック材料は、Al2O3、焼成アルミナ、ZrO2及びY2O3からなる群から選択される。
【0042】
セラミック材料の調製のために、それぞれの材料を微粉化することができる。セラミック材料の微粉化には、当業者に公知の任意の方法を用いることができる。例えば、セラミック材料を粉砕することができる。粉砕は、例えば、分級機ミル、ハンマーミル、又はボールミルで行うことができる。
成分a)として使用されるセラミック材料の粒径は、好ましくは0.1~125μm、特に好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.1~90μmである(Alpine Air Sieveで測定し、質量%でD90として決定)。
【0043】
セラミック原料は、成分b)として、セラミック原料の総体積に基づいて、75~95体積%、さらに好ましくは80~94体積%、最も好ましくは86~91体積%の、少なくとも1種のバインダー(B)を含む。
【0044】
本発明の目的のため、「成分b)」及び「バインダー(B)」という用語は同義であり、本発明全体を通じて互換的に使用される。
【0045】
バインダー(B)は、少なくとも1種のポリマー(P)である成分b1)を含む。
【0046】
好ましくは、バインダー(B)は、成分b1)として、バインダー(B)の総質量に基づいて、50~100質量%、より好ましくは85~100質量%、さらにより好ましくは85~100質量%、最も好ましくは85~95質量%の少なくとも1種のポリマー(P)を含む。
【0047】
好ましくは、少なくとも1種のポリマー(P)はポリオキシメチレン(POM)である。
【0048】
本発明の文脈において、高粘度(ISA 1133に従って測定される)を有するポリオキシメチレン(POM)を使用することが好ましい。好ましくは、POMは、2~10cm3/10分、より好ましくは2~5cm3/分の溶融粘度速度(MVR)を有する。市販の高粘度POMの例としては、Ultraform(登録商標)H4320 ATが挙げられる。
【0049】
成分b1)として、少なくとも1種のポリオキシメチレン(POM)を使用することができる。本発明における「少なくとも1種のポリオキシメチレン(POM)」とは、正確に1種のポリオキシメチレン(POM)だけでなく、2種以上のポリオキシメチレン(POM)の混合物も意味する。
【0050】
本発明の目的のために、「ポリオキシメチレン(POM)」という用語は、ポリオキシメチレン(POM)自体、すなわちポリオキシメチレン(POM)ホモポリマー、及びまたポリオキシメチレン(POM)コポリマー及びポリオキシメチレン(POM)ターポリマーを包含する。
【0051】
ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーは通常、ホルムアルデヒド源(b1a)から選択されたモノマーの重合によって調製される。
【0052】
ホルムアルデヒド源b1a)という用語は、ポリオキシメチレン(POM)調製の反応条件下でホルムアルデヒドを放出することができる物質に関する。
【0053】
ホルムアルデヒド源b1a)は有利に、環状又は直鎖状のホルマールの群から、特にホルムアルデヒド及び1,3,5-トリオキサンからなる群から選択される。1,3,5-トリオキサンが特に好ましい。
【0054】
ポリオキシメチレン(POM)コポリマーはそれ自体知られており、市販されている。これらは通常、トリオキサンを主モノマーとする重合によって調製される。さらに、コモノマーが併用される。主モノマーは、好ましくは、トリオキサン及び他の環状又は直鎖状ホルマール又は他のホルムアルデヒド源b1a)の中から選択される。
【0055】
「主モノマー」という表現は、モノマーの総量、すなわち主モノマーとコモノマーの合計におけるこれらのモノマーの割合が、モノマーの総量におけるコモノマーの割合よりも大きいことを示すことを意図している。
【0056】
かなり一般的に、本発明によるポリオキシメチレン(POM)は、主ポリマー鎖中に少なくとも50モル%の繰り返し単位-CH
2O-を有する。好適なポリオキシメチレン(POM)コポリマーは、特に、繰り返し単位-CH
2O-と、0.01~20モル%、特に0.1~10モル%、非常に特に好ましくは0.5~6モル%の式(I)の繰り返し単位とを含むものである、
【化1】
(式中、R
1~R
4は、それぞれ互いに独立して、H、C
1~C
4アルキル、及びハロゲン置換C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
5は、化学結合、(-CR
5aR
5b-)基、及び(-CR
5aR
5bO-)基からなる群から選択され、
ここで、R
5a及びR
5bは、それぞれ互いに独立して、H、及び非置換又は少なくとも一置換のC
1~C
4アルキルからなる群から選択され、
置換基は、F、Cl、Br、OH及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
nは0、1、2又は3である)。
【0057】
nが0である場合、R5は隣接する炭素原子と酸素原子との間の化学結合である。R5が(-CR5aR5bO-)基である場合、(-CR5aR5bO-)基の酸素原子(O)は、式(I)の別の炭素原子(C)に結合しており、式(I)の酸素原子(O)には結合していない。換言すれば、式(I)は過酸化物化合物を含まない。式(II)についても同様である。
【0058】
本発明の文脈において、C1~C4アルキルなどの定義は、例えば式(I)中のラジカルR1~R4について上記で定義したように、この置換基(ラジカル)が1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルであることを意味する。アルキルラジカルは直鎖状であっても分岐状であってもよく、また任意に環状であってもよい。環状成分と直鎖成分の両方を有するアルキルラジカルも同様にこの定義に該当する。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルが挙げられる。
【0059】
本発明の文脈において、ハロゲン置換C1~C4アルキルなどの定義は、例えば式(I)のラジカルR1~R4について上記で定義したように、C1~C4アルキルが少なくとも1つのハロゲンで置換されていることを意味する。ハロゲンは、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)及びI(ヨウ素)である。
【0060】
式(I)の繰り返し単位は有利に、第1コモノマー(b1b)として環状エーテルの開環によってポリオキシメチレン(POM)コポリマーに導入することができる。一般式(II)の第1コモノマー(b1b)が好ましい、
【化2】
(式中、R
1~R
5及びnは、一般式(I)について上記で定義した意味を有する)。
【0061】
第1コモノマーb1b)として、例えば、環状エーテルとして、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、1,3-ブチレンオキシド、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン及び1,3-ジオキセパン(=ブタンジオールホルマール、BUFO)、及び直鎖状オリゴホルマール又はポリホルマール、例えばポリジオキソラン又はポリジオキセパンを挙げることができる。1,3-ジオキソラン及び1,3-ジオキセパンは特に好ましい第1コモノマー(b1b)であり、第1コモノマーb1b)として非常に好ましいのは1,3-ジオキセパンである。
【0062】
ホルムアルデヒド源と第1コモノマー(b1b)及び第2コモノマー(b1c)との反応により得られるポリオキシメチレン(POM)ポリマーも同様に好適である。第2コモノマー(b1c)の添加により、特にポリオキシメチレン(POM)ターポリマーの調製が可能になる。
【0063】
第2コモノマー(b1c)は、好ましくは、式(III)の化合物及び式(IV)の化合物からなる群から選択される、
【化3】
(式中、Zは、化学結合、(-O-)基及び(-O-R
6-O-)基からなる群から選択され、
ここで、R
6は、非置換のC
1~C
8アルキレン及びC
3~C
8シクロアルキレンからなる群から選択される)。
【0064】
本発明の文脈において、C1~C8アルキレンなどの定義は、C1~C8アルカンジイルを意味する。C1~C8アルキレンは、2の自由原子価及び1~8の炭素原子数を有する炭化水素である。本発明によるC1~C8アルキレンは、分岐していても分岐していなくてもよい。
【0065】
本発明の文脈において、C3~C8シクロアルキレンなどの定義は、C3~C8シクロアルカンジイルを意味する。C3~C8シクロアルキレンは、2の自由原子価及び3~8の炭素原子数を有する環状炭化水素である。2の自由原子価、環状及び直鎖状成分を有し、炭素原子数が3~8である炭化水素も同様にこの定義に該当する。
【0066】
第2コモノマー(b1c)の好ましい例としては、エチレンジグリシジル、ジグリシジルエーテル、及びグリシジル化合物とホルムアルデヒド、ジオキサン又はトリオキサンから2:1のモル比で調製したジエーテル、及び同様に、2モルのグリシジル化合物と1モルの2~8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールから調製されるジエーテル、例えばエチレングリコールのジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,3-シクロ ブタンジオール、1,2-プロパンジオール及び1,4-シクロヘキサンジオールが挙げられる。
【0067】
好ましい実施形態において、成分b1)は、少なくとも50モル%のホルムアルデヒド源、0.01~20モル%の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、及び0~20モル%の少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)の重合によって調製されるポリオキシメチレン(POM)コポリマーである。
【0068】
特に好ましい実施形態において、成分(b1)は、80~99.98モル%、好ましくは88~99モル%のホルムアルデヒド源、0.1~10モル%、好ましくは0.5~6モル%の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、及び0.1~10モル%、好ましくは0.5~6モル%の少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)の重合によって調製されるポリオキシメチレン(POM)コポリマーである。
【0069】
さらなる好ましい実施形態において、成分b1)は、少なくとも50モル%のホルムアルデヒド源、0.01~20モル%の一般式(II)の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、及び0~20モル%の式(III)の化合物及び式(IV)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)の重合によって調製されるポリオキシメチレン(POM)コポリマーである。
【0070】
したがって、本発明の別の主題はフィラメントであり、ここで、成分b1)が、
- 少なくとも50モル%のホルムアルデヒド源(b1a)、
- 0.01~20モル%の、一般式(II)の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、
【化4】
(式中、R
1~R
4は、それぞれ互いに独立して、H、C
1~C
4アルキル、及びハロゲン置換C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
5は、化学結合、(-CR
5aR
5b-)基、及び(-CR
5aR
5bO-)基からなる群から選択され、
ここで、R
5a及びR
5bは、それぞれ互いに独立して、H、及び非置換又は少なくとも一置換のC
1~C
4アルキルからなる群から選択され、
置換基は、F、Cl、Br、OH及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
nは0、1、2又は3である)、及び
- 0~20モル%の、式(III)の化合物及び式(IV)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)
【化5】
(式中、Zは、化学結合、(-O-)基及び(-O-R
6-O-)基からなる群から選択され、
ここで、R
6は、非置換のC
1~C
8アルキレン及びC
3~C
8シクロアルキレンからなる群から選択される)
の重合により調製されるポリオキシメチレン(POM)コポリマーである。
【0071】
本発明の好ましい実施形態では、ポリオキシメチレン(POM)のOH末端基の少なくとも一部がキャップされる。OH末端基をキャップする方法は当業者に公知である。例えば、OH末端基は、エーテル化又はエステル化によってキャップすることができる。
【0072】
好ましいポリオキシメチレン(POM)コポリマーは、少なくとも150℃の融点、及び5000g/mol~300000g/mol、好ましくは50000g/mol~300000g/mol、特に好ましくは100000g/mol~250000g/molの範囲の質量平均分子量MWを有する。
【0073】
特に好ましいのは、2~15、好ましくは2.5~12、特に好ましくは3~9の多分散度(MW/Mn)を有するポリオキシメチレン(POM)コポリマーである。
【0074】
質量平均分子量(MW)と数平均分子量(Mn)の測定は、一般にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって行われる。GPCはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)としても知られている。
【0075】
ポリオキシメチレン(POM)の調製方法は当業者に知られている。
【0076】
さらに、バインダー(B)は、成分b2)を含んでいてもよい。
【0077】
好ましくは、バインダー(B)は、0~20質量%、好ましくは0~15質量%、最も好ましくは5~15質量%の成分b2)を含む。
【0078】
好ましくは、成分b2)は、少なくとも1種のポリオレフィン(PO)である。本発明における「少なくとも1種のポリオレフィン(PO)」とは、正確に1種のポリオレフィン(PO)だけでなく、2種以上のポリオレフィン(PO)の混合物も意味する。
【0079】
ポリオレフィン(PO)はそれ自体既知であり、市販されている。これらは通常、C2~C8アルケンモノマーの重合、好ましくはC2~C4アルケンモノマーの重合によって調製される。
【0080】
本発明の文脈において、C2~C8アルケンとは、2~8個の炭素原子、及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合(C-C二重結合)を有する非置換又は少なくとも一置換の炭化水素を意味する。「少なくとも1つの炭素-炭素二重結合」とは、正確に1つの炭素-炭素二重結合だけでなく、2つ以上の炭素-炭素二重結合も意味する。
【0081】
換言すれば、C2~C8アルケンとは、2~8個の炭素原子を有する炭化水素が不飽和であることを意味する。炭化水素は分岐していても、分岐していなくてもよい。1つのC-C二重結合を有するC2~C8アルケンの例としては、エテン、プロペン、1-ブテン、2-ブテン、2-メチル-プロペン(=イソブチレン)、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、及び4-メチル-1-ペンテンが挙げられる。2つ以上のC-C二重結合を有するC2~C8アルケンの例としては、アレン、1,3-ブタジエン、1,4-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(=イソプレン)が挙げられる。
【0082】
C2~C8アルケンが1つのC-C二重結合を有する場合、それらのモノマーから調製されるポリオレフィン(PO)は直鎖状である。C2~C8アルケンに2つ以上の二重結合が存在する場合、それらのモノマーから調製されるポリオレフィン(PO)は架橋することができる。直鎖状ポリオレフィン(PO)が好ましい。
【0083】
ポリオレフィン(PO)の調製中に異なるC2~C8アルケンモノマーを使用することにより調製されるポリオレフィン(PO)コポリマーを使用することも可能である。
【0084】
好ましくは、ポリオレフィン(PO)は、ポリメチルペンテン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレン、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択される。特に好ましいのは、当業者に公知で市販されている、ポリエチレン及びポリプロピレン、及びそれらのコポリマーであり、特にポリオレフィン(PO)はポリエチレンである。
【0085】
一実施形態において、ポリオレフィン(PO)、特にポリエチレンが100~170℃の融点を有することが好ましい。
【0086】
ポリオレフィン(PO)は、当業者に公知の任意の重合プロセス、好ましくはフリーラジカル重合、例えば乳化重合、ビーズ重合、溶液重合又はバルク重合によって調製することができる。可能な開始剤は、モノマー及び重合の種類に応じて、過酸化物化合物及びアゾ化合物のようなフリーラジカル開始剤であり、開始剤の量は一般にモノマーに基づいて0.001~0.5質量%の範囲である。
【0087】
バインダー(B)は、成分b3)としてさらなるポリマー(FP)を含んでもよい。
【0088】
本発明の目的のため、「成分b3)」及び「さらなるポリマー(FP)」という用語は同義であり、本発明全体を通じて互換的に使用される。
【0089】
好ましくは、バインダー(B)は、バインダー(B)の総質量に基づいて、0~10質量%、好ましくは0~5質量%、最も好ましくは0~3質量%の成分b3)を含む。
【0090】
本発明による成分(b3)は、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)である。本発明における「少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)」とは、正確に1種のさらなるポリマー(FP)だけでなく、2種以上のさらなるポリマー(FP)の混合物も意味する。
【0091】
既に上述したように、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)は、成分(b1)であるポリオキシメチレン(POM)、及び成分(b2)であるポリオレフィン(PO)とは異なる。
【0092】
本発明によれば、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)は、好ましくは、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアミド、ビニル芳香族ポリマー、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)及びそれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0093】
本発明の一実施形態において、バインダー(B)は、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)を含有し、ここで、さらなるポリマー(FP)が、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアミド、ビニル芳香族ポリマー、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)及びそれらのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)である。
【0094】
好ましくは、成分(b3)である少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)は、ポリ(C2~C6アルキレンオキシド)、脂肪族ポリウレタン、脂肪族未架橋エポキシド、脂肪族ポリアミド、ビニル芳香族ポリマー、脂肪族C1~C8カルボン酸のポリ(ビニルエステル)、C1~C8アルキルビニルエーテルのポリ(ビニルエーテル)、C1~C8アルキルのポリ(アルキル(メタ)アクリレート)、及びこれらのコポリマーからなる群から選択される。
【0095】
好ましい少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)については、以下に詳述する。
【0096】
ポリエーテルは式(V)の繰り返し単位を含む、
【化6】
(式中、R
11~R
14は、それぞれ互いに独立して、H、C
1~C
4アルキル、及びハロゲン置換C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
15は、化学結合、(-CR
15aR
15b-)基、及び(-CR
15aR
15bO-)基からなる群から選択され、
ここで、R
15a及びR
15bは、それぞれ互いに独立して、H、及び非置換又は少なくとも一置換のC
1~C
4アルキルからなる群から選択され、
置換基は、F、Cl、Br、OH及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
nは0、1、2又は3である)。
【0097】
nが0である場合、R15は隣接する炭素原子と酸素原子との間の化学結合である。R15が(-CR15aR15bO-)基である場合、(-CR15aR15bO-)基の酸素原子(O)は、式(V)の別の炭素原子(C)に結合しており、式(V)の酸素原子(O)には結合していない。換言すれば、式(V)は過酸化物化合物を含まない。式(VI)についても同様である。
【0098】
典型的なポリエーテル及びその調製法は当業者に知られている。
【0099】
本発明による好ましいポリエーテルは、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)としても知られているポリ(アルキレングリコール)である。
【0100】
ポリアルキレンオキシド及びその調製法は当業者に知られている。ポリアルキレンオキシドは通常、水及び2価又は多価アルコールと、一般式(VI)の環状エーテル、すなわちアルキレンオキシドとの相互作用によって合成される。反応は酸性又は塩基性触媒によって触媒される。この反応は、一般式(VI)の環状エーテルのいわゆる開環重合である、
【化7】
(式中、R
11~R
15及びnは、一般式(V)について上記で定義した意味を有する)。
【0101】
本発明による好ましいポリ(アルキレンオキシド)は、環中に2~6個の炭素原子を有する一般式(VI)のモノマーに由来する。換言すれば、好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(C2~C6アルキレンオキシド)である。特に好ましいのは、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキセパン及びテトラヒドロフラン(IUPAC名:オキソラン)からなる群から選択されるモノマーに由来するポリ(アルキレンオキシド)である。換言すれば、特に好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3-ジオキセパン及びポリテトラヒドロフランからなる群から選択される。
【0102】
一実施形態において、ポリ(アルキレンオキシド)はOH末端基を含むことができる。別の実施形態において、ポリ(アルキレンオキシド)のOH末端基の少なくとも一部は、キャップすることができる。OH末端基をキャップする方法は、当業者に公知である。例えば、OH末端基は、エーテル化又はエステル化によってキャップすることができる。
【0103】
ポリ(アルキレンオキシド)の質量平均分子量は、好ましくは1000~150000g/mol、特に好ましくは15000~120000g/mol、より好ましくは2000~100000g/molの範囲である。
【0104】
ポリウレタンは、カルバメート単位を有するポリマーである。ポリウレタン及びその調製法は当業者に知られている。
【0105】
本発明においては、脂肪族ポリウレタンが好ましい。これらは、例えば、脂肪族ポリイソシアネートと脂肪族ポリヒドロキシ化合物との重付加によって調製することができる。ポリイソシアネートの中では、一般式(VII)のジイソシアネートが好ましい、
【化8】
(式中、R
7は、置換又は非置換のC
1~C
20アルキレン又はC
4~C
20シクロアルキレンであり、ここで、置換基が、F、Cl、Br及びC
1~C
6アルキルかなる群から選択される)。
【0106】
好ましくは、R7は、置換又は非置換のC2~C12アルキレン又はC6~C15シクロアルキレンである。
【0107】
本発明の文脈において、C1~C20アルキレンなどの定義は、C1~C20アルカンジイルを意味する。C1~C20アルキレンは、2の自由原子価及び1~20の炭素原子数を有する炭化水素である。本発明によるC1~C20アルキレンは、分岐していても分岐していなくてもよい。
【0108】
本発明の文脈において、C4~C20シクロアルキレンなどの定義は、C4~C20シクロアルカンジイルを意味する。C4~C20シクロアルキレンは、2の自由原子価及び4~20の炭素原子数を有する環状炭化水素である。2の自由原子価、環状と直鎖状の成分、及び4~20の炭素原子数を有する炭化水素も同様にこの定義に該当する。
【0109】
好ましいジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナトメチルシクロヘキサン及びイソホロンジイソシアネート(IUPAC名:5-イソシアナト-1-(イソシアナトメチル)-1,3,3-トリメチル-シクロヘキサン)からなる群から選択される。
【0110】
ジイソシアネートは、オリゴマー、例えば二量体又は三量体の形態で使用することもできる。ポリイソシアネートの代わりに、例えばフェノール又はカプロラクタムの付加反応によって、記載のイソシアネートから得られる従来のブロック化ポリイソシアネートを使用することも可能である。
【0111】
脂肪族ポリウレタンの調製に適したポリヒドロキシ化合物は、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエステルアミド又はポリアセタール、又はそれらの混合物である。
【0112】
ポリウレタンの調製に適した鎖延長剤は、低分子量ポリオール、特にジオール、及びポリアミン、特にジアミン、又は水である。
【0113】
ポリウレタンは、好ましくは熱可塑性であり、従って好ましくは本質的に未架橋であり、すなわち分解の顕著な兆候なしに繰り返し溶融することができる。それらの還元比粘度は、ジメチルホルムアミド中30℃で測定して、原則として0.5~3dl/g、好ましくは1~2dl/gである。
【0114】
ポリエポキシドは少なくとも2個のエポキシド基を含む。エポキシド基は、グリシジル基又はオキシラン基としても知られている。「少なくとも2個のエポキシド基」とは、正確に2個のエポキシド基だけでなく、3個以上のエポキシド基も意味する。
【0115】
ポリエポキシド及びその調製は当業者に知られている。例えば、ポリエポキシドは、エピクロロヒドリン(IUPAC名:クロロメチルオキシラン)と、ジオール、ポリオール又はジカルボン酸との反応によって調製される。このようにして調製されるポリエポキシドは、エポキシド末端基を有するポリエーテルである。
【0116】
ポリエポキシドを調製するもう一つの可能性は、グリシジル(メタ)アクリレート(IUPAC名:オキシラン-2-イルメチル-2-メチルプロプ-2-エノエート)とポリオレフィン又はポリアクリレートとの反応である。これにより、エポキシ末端基を有するポリオレフィン又はポリアクリレートが得られる。
【0117】
好ましくは、脂肪族未架橋ポリエポキシドが使用される。エピクロロヒドリンと2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノールA)のコポリマーが特に好ましい。
【0118】
成分b3)(少なくとも1種のさらなるポリマー(FP))はまた、ポリアミドを含むことができる。脂肪族ポリアミドが好ましい。
【0119】
好適なポリアミドの固有粘度は、一般に150~350ml/g、好ましくは180~275ml/gである。ここで、固有粘度は、ISO 307に従って、25℃で96質量%の硫酸中のポリアミドの0.5質量%の溶液から決定される。
【0120】
好ましいポリアミドは半結晶性又は非結晶性ポリアミドである。
【0121】
成分(b3)として好適なポリアミドの例は、7~13個の環員を有するラクタムに由来するものである。他の好適なポリアミドは、ジカルボン酸とジアミンとの反応によって得られるものである。
【0122】
ラクタムに由来するポリアミドの例は、ポリカプロラクタム、ポリカプリロラクタム、及び/又はポリラウロラクタムに由来するポリアミドである。
【0123】
ジカルボン酸とジアミンから得られるポリアミドを使用する場合、使用できるジカルボン酸は、6~14個の炭素原子、好ましくは6~10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸である。芳香族ジカルボン酸も好適である。
【0124】
ここでジカルボン酸として挙げることができる例は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、及びまたテレフタル酸及び/又はイソフタル酸である。
【0125】
好適なジアミンの例としては、4~14個の炭素原子を有するアルカンジアミン、特に6~8個の炭素原子を有するアルカンジアミン、及びまた芳香族ジアミン、例えばm-キシリレンジアミン、ジ(4-アミノフェニル)メタン、ジ(4-アミノシクロヘキシル)メタン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、及び1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンである。
【0126】
他の好適なポリアミドは、上記及び後述のモノマーの2種以上の共重合によって得られるもの、及び複数のポリアミドの任意の所望の混合比での混合物である。
【0127】
好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリカプロラクタム、及び特に75~95質量%の割合のカプロラクタム単位を有するナイロン6/6,6である。
【0128】
ナイロン6と他のポリアミド、特にナイロン6/6,6(PA 6/66)との混合物が特に好ましく、80~50質量%のPA 6と20~50質量%のPA 6/66との混合物が特に好ましく、ここで、PA 6/66が、混合物中のPA 6/66の総質量に基づいて75~95質量%のカプロラクタム単位を含む。
【0129】
以下の非排他的なリストは、上記のポリアミド、及びその他の好適なポリアミド、及び含まれるモノマーを含む。
【0130】
ABポリマー:
PA 4 ピロリドン
PA 6 ε-カプロラクタム
PA 7 エタノールラクタム
PA 8 カプリロラクタム
PA 9 9-アミノペラルゴン酸
PA 11 11-アミノウンデカン酸
PA 12 ラウロラクタム
AA/BBポリマー:
PA 46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA 66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA 69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA 610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA 612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA 613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA 1212 1,12-ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA 1313 1,13-ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA 6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA MXD6 m-キシリレンジアミン、アジピン酸
PA 6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA 6-3-T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA 6/6T (PA 6及びPA 6Tを参照)
PA 6/66 (PA 6及びPA 66を参照)
PA 6/12 (PA 6及びPA 12を参照)
PA 66/6/610 (PA 66、PA 6、PA 610を参照)
PA 6I/6T (PA 6I及びPA 6Tを参照)
PA PACM 6 ジアミノジシクロヘキシルメタン、アジピン酸
PA PACM 12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウロラクタム
PA 6I/6T/PACM PA 6I/6T+ジアミノジシクロヘキシルメタン
PA 12/MACMI ラウロラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA 12/MACMT ラウロラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PA PDA-T フェニレンジアミン、テレフタル酸。
【0131】
好ましいポリアミドはPA 6、PA 66及びPA PACM 6である。
【0132】
ビニル芳香族ポリマーは、モノマー単位として非置換又は少なくとも一置換のスチレンを有するポリオレフィンである。好適な置換基は、例えば、C1~C6-アルキル、F、Cl、Br及びOHである。好ましいビニル芳香族ポリマーは、ポリスチレン、ポリ-α-メチルスチレン、及びアクリル酸エステル、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択されるコモノマーを30質量%以下有するコポリマーからなる群から選択される。
【0133】
ビニル芳香族ポリマーは市販されており、当業者に知られている。これらのポリマーの調製も当業者に知られている。
【0134】
好ましくは、ビニル芳香族ポリマーは、フリーラジカル重合、例えば乳化重合、ビーズ重合、溶液重合又はバルク重合によって調製される。可能な開始剤は、モノマー及び重合の種類に応じて、過酸化物化合物及びアゾ化合物のようなフリーラジカル開始剤であり、開始剤の量は一般にモノマーに基づいて0.001~0.5質量%の範囲である。
【0135】
ポリ(ビニルエステル)及びその調製法は当業者に知られている。ポリ(ビニルエステル)は、好ましくはビニルエステルの重合によって調製される。本発明の好ましい実施態様において、ビニルエステルは脂肪族C1~C6カルボン酸のビニルエステルである。好ましいモノマーはビニルアセテート及びビニルプロピオネートである。これらのモノマーは、ポリ(ビニルアセテート)及びポリ(ビニルプロピオネート)ポリマーを形成する。
【0136】
ポリ(ビニルエーテル)は、ビニルエーテルモノマーの重合によって調製される。ポリ(ビニルエーテル)及びその調製は当業者に公知である。好ましい実施形態において、ビニルエーテルは脂肪族C1~C8アルキルエーテルのビニルエーテルである。好ましいモノマーは、メチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテルであり、重合中にポリ(メチルビニルエーテル)及びポリ(エチルビニルエーテル)を形成する。
【0137】
好ましくは、ポリ(ビニルエーテル)は、フリーラジカル重合、例えば乳化重合、ビーズ重合、溶液重合、懸濁重合又はバルク重合によって調製される。可能な開始剤は、モノマー及び重合の種類に応じて、過酸化物化合物及びアゾ化合物のようなフリーラジカル開始剤であり、開始剤の量は一般にモノマーに基づいて0.001~0.5質量%の範囲である。
【0138】
本発明におけるポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、ポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)及びそれらのコポリマーを含む。ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、式(VIII)のモノマーに由来するユニットを含む、
【化9】
(式中、R
8は、H及びC
1~C
8アルキルからなる群から選択され、
R
9は、式(IX)のラジカルである
【化10】
[ここで、R
10は、C
1~C
14アルキルである])。
【0139】
好ましくは、R8は、H及びC1~C4アルキルからなる群から選択され、特に好ましくは、R8はH又はメチルである。好ましくは、R10はC1~C8アルキルであり、特に好ましくは、R10はメチル又はエチルである。
【0140】
式(VIII)中のR8がHであり、R9が式(IX)のラジカルであり、式(IX)中のR10がメチルである場合、式(VIII)のモノマーはメチルアクリレートである。
【0141】
式(VIII)中のR8がHであり、R9が式(IX)のラジカルであり、式(IX)中のR10がエチルである場合、式(VIII)のモノマーはエチルアクリレートである。
【0142】
式(VIII)中のR8がメチルであり、R9が式(IX)のラジカルである場合、式(VI)のモノマーはメタクリル酸エステルである。
【0143】
ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、モノマーとして、それぞれポリ(アルキル(メタ)アクリレート)の総量に基づいて、好ましくは40~100質量%のメタクリル酸エステル、特に好ましくは70~100質量%のメタクリル酸エステル、より好ましくは80~100質量%のメタクリル酸エステルを含む。
【0144】
別の好ましい実施形態において、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)は、モノマーとして、それぞれポリ(アルキル(メタ)アクリレート)の総質量に基づいて、20~100質量%のメチルアクリレート、エチルアクリレート又はそれらの混合物、好ましくは40~100質量%のメチルアクリレート、エチルアクリレート又はそれらの混合物、特に好ましくは50~100質量%のメチルアクリレート、エチルアクリレート又はそれらの混合物を含む。
【0145】
さらなるモノマーの有無にかかわらず式(VIII)のモノマーのこのようなポリマーは、従来の、好ましくはフリーラジカル重合、例えば乳化重合、ビーズ重合、溶液重合又はバルク重合で調製することができる(Kirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,第3版,第1巻,330-342頁,第18巻,720-755頁,J.Wiley;H.Rauch-Puntigam,Th.Voelker,Acryl- und Methacrylverbindungenを参照)。可能な開始剤は、モノマー及び重合の種類に応じて、過酸化物又はペルオキソ化合物及びアゾ化合物のようなフリーラジカル開始剤である。開始剤の量は一般にモノマーに基づいて0.001~0.5質量%の範囲である。
【0146】
乳化重合に適した開始剤は、例えばペルオキソ二硫酸塩であり、バルク重合に適したレドックスシステムは、過酸化物、例えばジベンゾイルペルオキシド又はジラウロイルペルオキシドだけでなく、アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロジニトリルであり、溶液重合又はビーズ重合の場合も同様である。分子量は、従来の調節剤、特にメルカプタン、例えばドデシルメルカプタンを用いて調節することができる。
【0147】
好ましくは、重合は高温、例えば50℃超で行われる。質量平均分子量(MW)は、一般に2000~5000000g/mol、好ましくは20000~3000000g/molの範囲である(光散乱による決定;HoubenWeyl,Methoden der Org.Chemie,第4版,Volume 14/1,Georg Thieme-Verlag Stuttgart 1961を参照)。
【0148】
当業者であれば、成分b1)、b2)及びb3)の調製のために上述したモノマーは、重合反応中にそれらの構造が変化し得ることを知っている。その結果、ポリマーの構成ユニットは、それらが由来するモノマーと同じではない。しかし、当業者であれば、どのモノマーがポリマーのどの構成ユニットに対応するかは知っている。
【0149】
溶融フィラメント製造による配合又は加工の条件下では、成分b1)であるポリオキシメチレン(POM)と成分b3)である少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)との間で実質的にトランスアセタール化は起こらない、すなわちコモノマーユニットの交換は実質的に起こらない。
【0150】
本発明の一実施形態において、芯材(CM)中のバインダー(B)は、成分b1)に加えて、成分b2)及び/又はb3)を含む。
【0151】
好ましい実施形態において、バインダー(B)は、成分b1)、及び任意に成分b2)及び/又は成分b3)を、成分b)の総量に基づいてそれぞれ以下の量で、
b1)80~100質量%、好ましくは85~100質量%、最も好ましくは85~95質量%の少なくとも1種のポリマー(P)、
b2)0~20質量%、好ましくは0~15質量%、最も好ましくは5~15質量%の少なくとも1種のポリオレフィン(PO)、
b3)0~10質量%、好ましくは0~5質量%、最も好ましくは0~3質量%の少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)、
含み、好ましくは、成分B1)はポリオキシメチレン(POM)である。
【0152】
本発明の別の実施形態において、バインダー(B)は、b1)に加えて、b2)及び/又はb3)を含み、ここで、
b2)が少なくとも1種のポリオレフィン(PO)であり、
b3)が、成分b1)の少なくとも1種のポリマー(P)がポリオキシメチレン(POM)である場合には、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)である。
【0153】
セラミック原料は、成分c)として、セラミック原料の総体積に基づいて、0~5体積%、さらに好ましくは1~5体積%、最も好ましくは2~4体積%の少なくとも1種の添加剤(A)を含む。
【0154】
成分c)として、少なくとも1種の添加剤(A)を使用することができる。本発明による「少なくとも1種の添加剤(A)」とは、正確に1種の添加剤(A)だけでなく、2種以上の添加剤(A)の混合物も意味する。
【0155】
本発明の目的のため、「成分(c)」及び「添加剤(A)」という用語は同義であり、本発明全体を通じて互換的に使用される。
【0156】
添加剤(A)は、セラミック原料に関連して当業者に知られている任意の好適な添加剤から選択することができる。好ましくは、添加剤(A)は、分散剤としても知られる少なくとも1種の分散剤である。このような分散剤も当業者には知られている。好ましくは、分散剤は少なくとも1種のポリエーテルであり、最も好ましくはポリテトラヒドロフランである。
【0157】
さらなる分散剤の例としては、200~600g/molの低分子量を有するオリゴマーポリエチレンオキシド、ステアリン酸、ステアラミド、ヒドロキシステアリン酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、スルホネート、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック化コポリマー、特に好ましくはポリイソブチレンが挙げられる。
さらに、添加剤(A)は、安定剤、例えばUV安定剤及び/又は酸化防止剤から選択することができる。
【0158】
添加剤(A)はまた、顔料、例えば有機染料及び/又は無機顔料から選択することができる。
【0159】
添加剤(A)は、粘着付与剤、例えば室温未満、すなわち、好ましくは25℃未満のガラス転移温度を有するポリマー及び/又はテルペン誘導体から選択することができる。
【0160】
添加剤(A)はまた、WO 2013/117428 A1に開示されている粘着付与剤から選択することもできる。市販の粘着付与剤の例としては、Acronal(登録商標)A107が挙げられる。
【0161】
WO 2013/117428 A1に基づき、WO 2013/117428 A1の粘着付与剤の成分の定義を適用すると、粘着付与剤として好ましくは、50000未満の質量平均分子量、及び-40℃以上0℃以下、好ましくは-35℃以上0℃以下ガラス転移温度を有する少なくとも1種の水溶性分散重合体を含む分散液が適用され、このましくは、以下、
(a)少なくとも40質量%の少なくとも1種のC1~C20-アルキル(メタ)アクリレート、
(b)0~30質量%の少なくとも1種のビニルアロマート(aromate)、
(c)少なくとも0.1質量%の少なくとも1種の酸モノマー、
(d)0~50質量%のさらなるモノマー、
を含むモノマー混合物であり、
ここで、モノマーの量は、全てのモノマーの合計に基づくものである。
【0162】
さらに、US 4,767,813に開示され、また以下の3段落に特定れている、粘着付与剤を適用することができる。
【0163】
US 4,767,813によれば、粘着付与剤は、約25℃~110℃、好ましくは約50℃~110℃の環球軟化温度を有するロジン又はロジンの誘導体であってもよい。
【0164】
好適な粘着付与剤としては、ロジン、水素化ロジンエステル、ロジンのグリセロール、例えばトリグリセロールロジンエステル、ロジンのC2~3アルキレンエステル、例えばロジンのトリエチレングリコールエステル及びロジンのトリプロピレングリコールエステル;ロジン塩、不均化ロジン塩、ペンタエリスリトール、及びα及びベータピネンを含むポリテルペン樹脂が挙げられる。好適な樹脂は、Staybelite Ester 3、Staybelite Ester 10、Pentalyn H及びHercolyn Dの商品名で販売されている。
【0165】
粘着付与剤樹脂は、約10℃~100℃、好ましくは約50℃~100℃の環球軟化点を有するC5又はC9合成粘着付与剤樹脂であってもよい。好適な樹脂は、Piccovar、Hercotac、Picconal及びPiccolyteの商品名で販売されている。これらの粘着付与剤は、C9、好ましくは芳香族及びC5、好ましくは脂肪族のモノマーから重合される。
【0166】
本発明の文脈において、前述のセラミック原料は、ペレット又はフィラメントの形態で、好ましくはフィラメントの形態で提供されることが好ましい。
【0167】
このようなペレット及び/又はフィラメントは当業者に知られている。当業者は、前述したセラミック原料をどのようにペレット又はフィラメントに変えることができるかを知っている。フィラメントを製造する方法は、例えばWO 2017/009190に開示されている。
【0168】
本発明による材料/セラミック原料は、モノフィラメント、共押出フィラメントとして、又はペレットの直接押出しによって使用することができる。
【0169】
好ましい実施形態において、フィラメントはモノフィラメントである。フィラメントは、当業者が適切と判断する任意の長さ及び/又は直径を示すことができる。
好ましくは、フィラメントの直径は1.5~3.5mm、より好ましくは2.0~3.1mm、最も好ましくは2.6~3.0mmである。
【0170】
別の好ましい実施形態において、フィラメントは、共押出外層の厚さがフィラメントの全厚さの≦15%であることを特徴とする共押出フィラメントである。共押出フィラメントは、長さ及び/又は直径に関して、モノフィラメントに関連して上述したのと同じ寸法を有することができる。共押出フィラメントはまた、コア/シェルフィラメントとして割り当てられる。
【0171】
共押出フィラメントのコアは、上述の成分a)、b)および任意にc)を含む。シェルの材料は、コアと同じ材料で構成されてもよいし、コア材料とは実質的に異なる少なくとも1種のポリマー材料又はそのブレンドで構成されてもよい。好ましい実施形態において、コア材料のポリマー成分とシェルの材料は80%以上類似している。
【0172】
本発明の好ましい実施形態において、フィラメントは、シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含み、ここで、コア材料(CM)が、上述の少なくとも1種のセラミック材料、少なくとも1種のバインダー(B)及び任意に少なくとも1種の添加剤(A)を含み、シェル材料(SM)が、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、任意に少なくとも1種のセラミック材料及び任意に少なくとも1種の添加剤を含む。
【0173】
シェル材料(CM)の層は、当業者が適切と考える任意の厚さを有することができる。
【0174】
好ましくは、シェル材料(SM)の層の厚さは0.03~0.5mm、より好ましくは0.09~0.3mm、最も好ましくは0.1~0.25mmである。
【0175】
コア材料(CM)は、当業者が適切と考える任意の直径を有することができる。
【0176】
好ましくは、コア材料の直径は1.5~3.0mm、より好ましくは1.9~2.7mm、最も好ましくは2.2~2.7mmである。
【0177】
好ましくは、シェル材料(CM)は成分d)~f)を含む。
【0178】
成分d)は、シェル材料(SM)の総体積に基づいて、75~100体積%、好ましくは85~100体積%、より好ましくは95~100体積%の少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)を含む。
【0179】
熱可塑性ポリマー(TP)として、当業者は技術的に適切な熱可塑性ポリマーを選択することができる。
【0180】
熱可塑性ポリマー(TP)は、シェル材料(SM)のバインダー(B)に使用されるポリマーの1つと同一であるができる。
【0181】
本発明における「少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)」とは、正確に1種の熱可塑性ポリマー(TP)だけでなく、2種以上の熱可塑性ポリマー(TP)の混合物も意味する。
【0182】
少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)は、熱可塑性ホモポリマー、熱可塑性コポリマー、及び熱可塑性ポリマーのブレンドを含んでもよい。
【0183】
好ましくは、熱可塑性ポリマー(TP)は、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PE)、例えばポリプロピレン、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリエーテル(PETH)、ポリカーボネート(PC)、及び/又はポリエステル(PES)、例えばポリ乳酸、及びこれらのブレンドの群から選択される。
より好ましくは、熱可塑性ポリマー(TP)は、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン及び/又はポリ乳酸(PLA)及びそれらのブレンドの群から選択される。
【0184】
成分e)は、シェル材料(SM)の総体積に基づいて、0~20体積%の少なくとも1種のセラミック材料からなる。
【0185】
成分e)における少なくとも1種のセラミック材料は、コア材料(CM)における成分a)について定義されたセラミック材料と同一である。
【0186】
好ましくは、成分e)は、シェル材料(SM)の総体積に基づいて、0体積%の少なくとも1種のセラミック材料からなり、したがって、好ましくは、シェル材料(CM)中に成分e)は存在しない。
【0187】
しかしながら、成分e)が好ましくは、シェル材料(SM)の総体積に基づいて、0体積%の少なくとも1種のセラミック材料からなる本発明の実施形態において、シェル材料(CM)中には、シェル材料(SM)の総体積に基づいて1体積%未満のような微量のセラミック材料が存在してもよい。
【0188】
成分f)は、シェル材料(SM)の総体積に基づいて、0~25体積%、好ましくは0~15体積%、より好ましくは0~5体積%の少なくとも1種の添加剤(A)を含む。
【0189】
成分f)における少なくとも1種の添加剤(A)は、成分c)における添加剤(A)と同じ化合物から選択される。成分f)の少なくとも1種の添加剤(A)又は成分f)における添加剤(A)の組合せは、本発明の一実施形態において、成分c)の少なくとも1種の添加剤(A)又は成分c)における添加剤(A)の組合せと個々に異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0190】
本発明の一実施形態において、コア材料(CM)は、成分a)、b)及びc)、
a)セラミック原料の総体積に基づいて3~29体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて51~97体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含み、
シェル材料(SM)は、成分d)~f)、
d)シェル材料(SM)の総質量に基づいて75~100体積%の少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、
e)シェル材料(SM)の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種のセラミック材料、
f)シェル材料(SM)の総体積に基づいて、0~25体積%、好ましくは0~10体積%、より好ましくは0~5体積%、最も好ましくは0~3体積%の、少なくとも1種の添加剤(A)
を含み、
ここで、シェル材料(SM)の層の厚さは、0.03~0.5mm、好ましくは0.09~0.3mm、より好ましくは0.1~0.25mmである。
【0191】
本発明の別の主題は、三次元(3D)印刷プロセスにおける、特に溶融フィラメント製造(FFP)プロセス内での、及び/又はフィラメントの形態で少なくとも1種のセラミック原料を使用することによる、上述のような少なくとも1種のセラミック原料の使用方法である。
【0192】
本発明の別の主題は、請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1種のセラミック原料を使用することにより三次元(3D)物体を印刷する方法、好ましくは、少なくとも1種のセラミック原料をフィラメントの形態で使用することによる溶融フィラメント製造(FFF)方法である。
【0193】
好ましくは、本発明の方法において、印刷される3D物体が三次元(3D)グリーン体であり、好ましくは、3Dグリーン体は、少なくとも工程a)、b)、c)
a)少なくとも1種の(上述したような)セラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを、スプール上でノズルに供給する工程と、
b)フィラメントを温度(TM)に加熱する工程と、
c)工程b)で得られた加熱したフィラメントを、層ベース付加技術を用いてビルドチャンバー内で堆積させて、三次元グリーン体を形成する工程と
を含む溶融フィラメント製造プロセスによって得られる。
【0194】
三次元物体を製造するための溶融フィラメント製造プロセスは、当該技術分野において周知であり、上記引用文献において詳細に説明されている。溶融フィラメント製造プロセスは、3印刷プロセスとも呼ばれる。
【0195】
工程a)によれば、本発明によるフィラメントは、スプール上でノズルに供給される。しかしながら、(上述したように)少なくとも1種の(上述したような)セラミック原料をベースとしない少なくとも1種のさらなるフィラメントをさらに使用することも可能である。異なるタイプのフィラメントを使用することによる3D印刷プロセスは、例えば、バッチ式(連続の順序で)及び/又は2つ以上のプリンタヘッド/ノズルを使用することによって並行して実施することができる。
【0196】
本発明のさらなる実施形態において、少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)が使用され、このさらなるフィラメント(F2)が、さらなるフィラメント(F2)の総体積に基づいて少なくとも30体積%の、金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)を含む方法は行われて、以下
i)上記で定義されたような少なくとも1種のセラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを使用することによって得られる少なくとも1つの第1断片(1F)、及び
ii)前記少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)を使用することによって得られる少なくとも1つの第2断片(2F)
を含む3Dグリーン体を得る。
【0197】
そのようなさらなるフィラメント(F2)の例は当業者に知られており、例えば、WO 2016/012486(モノフィラメント)又はWO 2017/009190及びWO 2018/108639(いずれもコア/シェルフィラメント)に開示されている。本発明の意味におけるそのようなさらなるフィラメント(F2)は、少なくとも1種の金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)を、好ましくは30~80体積%の量で含有する。
【0198】
「金属」とは、正確に1種の金属だけでなく、2種以上の金属の混合物も意味する。本発明における金属は、溶融フィラメント製造プロセスの条件下で安定であり、三次元物体を形成することができる元素周期表の任意の金属から選択することができる。好ましくは、金属は、アルミニウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、カルボニル鉄粉(CIP)、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、及びコバルトからなる群から選択され、より好ましくは、金属はチタン、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、カルボニル鉄粉(CIP)、ニッケル及び銅からなる群から選択される。特に好ましくは、金属はチタン、鉄及びカルボニル鉄粉(CIP)からなる群から選択される。
【0199】
カルボニル鉄粉(CIP)は高純度の鉄粉であり、精製された五炭化鉄の化学分解によって調製される。
【0200】
「金属合金」とは、正確に1種の金属合金だけでなく、2種以上の金属合金の混合物も意味する。本発明の文脈では、「金属合金」という用語は、金属特性を示し、金属と別の元素を含む固溶体又は部分固溶体を意味する。「金属」とは、上述のように、正確に1種の金属だけでなく、2種以上の金属の混合物も意味する。「別の元素」も同様である。「別の元素」とは、正確に1種の別の元素だけでなく、2種以上の別の元素の混合物も意味する。
【0201】
固溶体金属合金は単一固相の微細構造を示すが、部分固溶体金属合金は2つ以上の固相を示す。これらの2つ以上の固相は、金属合金中に均質に分布してもよいが、金属合金中に不均質に分布することができる。
【0202】
金属合金は、当業者に公知の任意のプロセスに従って調製することができる。例えば、金属を溶融し、他の元素を溶融金属に添加することができる。しかしながら、事前に金属合金を調製することなく、金属と他の元素をコア材料(CM)に直接添加することも可能である。その場合、金属合金は三次元物体の調製のプロセス中に形成される。
【0203】
調製される三次元物体が金属合金を含む場合、フィラメントは、既に調製された金属合金の粉末、又は個々の金属合金の構成要素、すなわち上述の金属及び別の元素の粉末の混合物を含むことができる。その場合、金属合金は三次元物体の調製のプロセス中に形成される。
【0204】
本発明の好ましい実施形態において、以下のように定義される少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)が採用される。
【0205】
シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含むさらなるフィラメント(F2)であって、ここで、
コア材料(CM)が、成分a)~c)、
a)コア材料(CM)の総体積に基づいて30~80体積%の、少なくとも1種の金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)
b)コア材料(CM)の総体積に基づいて20~70体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダーb)、
c)コア材料(CM)の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含み、
シェル材料(SM)が、成分d)~f)、
d)シェル材料(SM)の総質量に基づいて75~100体積%の少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、
e)シェル材料(SM)の総体積に基づいて0~20体積%の、少なくとも1種の金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)、
f)シェル材料(SM)の総体積に基づいて0~25体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含み、
シェル材料(SM)の層の厚さが、0.05~0.5mmである。
【0206】
さらに、少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)は、成分a)~c)、
a)コア材料(CM)の総体積に基づいて30~80体積%の、少なくとも1種の金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)
b)コア材料(CM)の総体積に基づいて20~70体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダーb)、
c)コア材料(CM)の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含むモノフィラメントの形態で採用することもできる。
【0207】
バインダーb)、ポリマー(P)、添加剤(A)及び/又は熱可塑性ポリマー(TP)などの成分に関するさらなるフィラメント(F2)のそれぞれの定義は、本発明のセラミック原料の文脈において上記で定義したものと同じであることに留意する必要がある。
【0208】
本発明の方法において、印刷された3D物体、好ましくは3Dグリーン体、より好ましくは3Dグリーン体の少なくとも1つの第1断片(1F)が、支持構造及び/又は分離層であることも好ましい。
【0209】
工程b)によれば、フィラメントは温度(TM)に加熱される。この温度(TM)はバインダー(B)の融点を超えている。バインダー(B)の融点を決定する方法は当業者に知られている。例えば、バインダー(B)の融点は示差走査熱量測定(DSC)によって推定することができる。
【0210】
本発明による好ましい実施形態において、方法の工程b)において、フィラメントは、バインダー(B)の融点より少なくとも1℃、好ましくは少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも10℃高い温度(TM)に加熱される。
【0211】
別の好ましい実施形態において、フィラメントは160~260℃、好ましくは220~250℃の範囲の温度(TM)に加熱される。
【0212】
したがって、本発明の別の主題は、三次元グリーン体の製造方法であり、ここで、工程b)における温度(TM)が140~240℃である。
【0213】
工程c)によれば、フィラメントは、層ベースの付加技術を使用してビルドチャンバー内に堆積される。ビルドチャンバーの温度は、通常30~100℃、好ましくは40~90℃、特に好ましくは50~80℃の範囲である。
【0214】
換言すれば、本発明の方法の工程a)~c)において、フィラメントは、一般に、最初に固体状態で存在し、その後、溶融し、印刷してフィラメントを含む三次元物体を形成する。このようにして作製された三次元物体は、「三次元グリーン体」とも呼ばれる。
【0215】
本発明の一実施形態において、方法の工程c)に続いて、方法の工程d)が行われ、この工程では、バインダー(B)の少なくとも一部、及び任意に、コア/シェルフィラメントが採用される場合にはシェル材料(SM)の少なくとも一部が、三次元グリーン体から除去される。
【0216】
したがって、本発明の別の主題は、三次元グリーン体の製造方法であり、ここで、工程c)に続いて、工程d)が行われ、工程d)では、バインダー(B)の酸に敏感な成分の少なくとも一部、及び任意に、コア/シェルフィラメントが採用される場合にはシェル材料(SM)の酸に敏感な成分の少なくとも一部が、三次元グリーン体から除去されて、三次元ブラウン体が形成される。
【0217】
バインダー(B)及び任意にシェル材料(SM)の少なくとも一部を少なくとも部分的に除去した後、得られる三次元物体は「三次元ブラウン体」と呼ばれる。三次元ブラウン体は、セラミック材料、任意に金属又は金属合金から選択される任意の無機粉末(IP)、及び工程d)の間に除去されなかったバインダー(B)の一部及び任意にシェル材料(SM)の一部を含む。当業者は、セラミック材料を無機粉末(IP)として含む三次元ブラウン体が三次元ホワイト体とも呼ばれることを知っている。しかしながら、本発明の目的においては、「三次元ブラウン体」及び「三次元ホワイト体」という用語は同義に使用され、互換的に使用される。
【0218】
方法の工程d)におけるバインダー(B)の少なくとも一部及び/又はシェル材料(SM)の少なくとも一部を除去するために、溶融フィラメント製造プロセスによって得られた三次元グリーン体は、好ましくは、ガス状酸を含む雰囲気で処理される。適切な処理は、例えばUS 2009/0288739及びUS 5,145,900に記載されている。この方法の工程d)は、本発明によれば、好ましくはバインダー(B)の溶融温度未満の温度で行われる。方法の工程d)は、好ましくはバインダー(B)の融点より少なくとも1℃低い温度、好ましくはバインダー(B)の融点より少なくとも5℃低い温度、特に好ましくはバインダー(B)の融点より少なくとも10℃低い温度で行われる。
【0219】
したがって、本発明の別の主題は、三次元ブラウン体の製造方法であり、ここで、工程d)において、バインダー(B)の少なくとも一部及び/又はシェル材料(SM)の少なくとも一部が、バインダー(B)及び/又はシェル材料(SM)の融点未満の温度で除去される。
【0220】
一般に、工程d)は、20~180℃、特に好ましくは100~150℃の範囲の温度で行われる。好ましくは、工程d)は0.1~24時間、特に好ましくは0.5~12時間行われる。
【0221】
必要な処理時間は、処理温度及び処理雰囲気中の酸の濃度、及びまた三次元物体の大きさによって異なる。
【0222】
したがって、本発明の別の主題は、三次元ブラウン体の製造方法であり、ここで、工程d)において、バインダーの少なくとも一部及び任意にシェル材料(SM)の少なくとも一部が、触媒脱バインダー、好ましくは酸性処理によって除去される。
【0223】
本発明の工程d)に適した酸は、例えば、室温で気体であるか、又は処理温度以下で気化することができる無機酸である。例は、ハロゲン化水素及び硝酸である。ハロゲン化水素としては、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素が挙げられる。好適な有機酸は、大気圧での沸点が130℃未満のもの、例えばギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸及びそれらの混合物である。沸点が130℃を超える酸、例えばメタンスルホン酸も、低沸点の酸及び/又は水との混合物として投与される場合、方法の工程d)で利用することができる。方法の工程d)に好ましい酸は、硝酸、10質量%のシュウ酸の水溶液、又は50体積%のメタンスルホン酸の水中混合物である。
【0224】
さらに、BF3、及びその無機エーテルとの付加物は酸として使用することができる。
【0225】
キャリアガスを使用する場合、一般に、キャリアガスは酸を通過させ、あらかじめ酸を担持させる。このようにして酸を担持したキャリアガスは、次に方法の工程d)が行われる温度まで昇温される。この温度は、酸の凝縮を避けるために、有利には担持温度よりも高い。好ましくは、方法の工程d)が行われるは、担持温度より少なくとも1℃、特に好ましくは少なくとも5℃、最も好ましくは少なくとも10℃高い。
【0226】
好ましくは、計量装置によってキャリアガス中に酸を混合し、ガス混合物を、酸がもはや凝縮できないような温度まで加熱する。好ましくは、温度は酸及び/又はキャリアガスの昇華及び/又は気化温度より少なくとも1℃、特に好ましくは少なくとも5℃、最も好ましくは少なくとも10℃高い。
【0227】
一般にキャリアガスは、工程d)の反応条件下で不活性な任意のガスである。本発明による好ましいキャリアガスは窒素である。
【0228】
本発明の異なる実施形態において、バインダー(B)及び任意にシェル材料(SM)に含まれる成分が、それらの化学的及び物理的特性のために、工程d)において全て除去できるわけではないことは、当業者に知られている。
【0229】
したがって、本発明の異なる実施形態において工程d)で除去できるバインダー(B)及び任意にシェル材料(SM)の部分は、使用される特定の化合物に依存して変化し得る。
【0230】
好ましくは、工程d)は、バインダー(B)及び任意にシェル材料(SM)が、バインダー(B)及び任意にシェル材料(SM)の総質量に基づいて、少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも60質量%、最も好ましくは少なくとも80質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、より特に好ましくは少なくとも95質量%の程度まで除去されるまで続けられる。これは、例えば、質量減少の高さで確認することができる。
【0231】
工程d)の温度において、三次元グリーン体に含まれるセラミック材料及び/又は無機粉末(IP)が化学的及び/又は物理的な反応を起こし得ることは当業者に知られている。特に、無機粉末(IP)の粒子が一緒に融合し、無機粉末が固体状態の相転移を起こすことができる。
【0232】
バインダー(B)及び任意にシェル材(SM)についても同様である。工程d)の過程中、バインダー(B)の組成が変化することができる。
【0233】
その結果、本発明の一実施形態において、方法の工程d)で得られる三次元グリーン体に含まれるセラミック材料、任意の無機粉末(IP)、バインダー(B)及び/又は任意のシェル材料(SM)は、方法の工程c)で得られる三次元ブラウン体に含まれるそれぞれの成分と異なる。
【0234】
方法の工程d)に続いて、三次元ブラウン体を焼結する方法の工程e)を行うことができる。方法の工程e)は焼結とも呼ばれる。本発明の目的のための「方法の工程e)」及び「焼結」という用語は同義であり、本発明全体を通じて互換的に使用される。
【0235】
したがって、本発明の別の主題は、三次元焼結体の製造方法であり、ここで、工程d)の後に工程e)が続き、この工程e)において、特に、上述のようなさらなるフィラメント(F2)が採用される場合、三次元ブラウン体が焼結されて三次元焼結体が形成される。
【0236】
焼結後、三次元物体は三次元焼結体である。三次元焼結体は、無機粉末(IP)及び任意に残存するセラミック材料を含み、バインダー(B)及び任意のシェル材料(SM)を本質的に含まない。
【0237】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)が、それぞれの3D物体の先行する3D印刷手順の間に(セラミック原料をベース少なくとも1種のフィラメントの他に)追加的に採用された場合、上述の工程e)を行うことによって得られる対応する3D焼結体は、好ましくは、いかなる(残存する)セラミック材料も本質的に含まない。完全を期すために、対応する3D焼結体は、バインダー(B)及び任意のシェル材料(SM)も本質的に含まないことが示される。
【0238】
本発明による「バインダー(B)、任意のシェル材料(SM)及び/又はセラミック材料を本質的に含まない」とは、三次元焼結体が5体積%未満、好ましくは2体積%未満、特に好ましくは0.5体積%未満、最も好ましくは0.01体積%未満の、バインダー(B)、任意のシェル材料(SM)及び/又はセラミック材料を含むことを意味する。
【0239】
当業者には、焼結プロセス中に無機粉末(IP)が一緒に焼結されて焼結した無機粉末を得ることが知られている。さらに、焼結プロセス中、無機粉末(IP)は化学的及び/又は物理的反応を起こることができる。その結果、三次元ブラウン体に含まれる無機粉末(IP)は、通常、三次元焼結体に含まれる無機粉末の焼結体とは異なる。
【0240】
本発明の一実施形態において、方法の工程d)の後、方法の工程e)の前に、方法の工程d)で得られた三次元ブラウン体を、好ましくは250~700℃、特に好ましくは250~600℃の温度で、好ましくは0.1~12時間、特に好ましくは0.3~6時間加熱して、残留のバインダー(B)及び任意の残留のシェル材料(SM)を完全に除去する。
【0241】
方法の工程e)の間の温度及び持続時間及び雰囲気は、成分a)として混合フィラメントに含まれる無機粉末に依存する。焼結プロセスの温度プログラム、持続時間及び雰囲気は、一般に、成分a)としてフィラメントに含まれる無機粉末(IP)の必要性に適合させる。方法の工程e)の好適な条件は当業者に知られている。
【0242】
一般に、方法の工程e)は、無機粉末(IP)及びバインダー(B)に対して不活性なガスの雰囲気下で行われる。典型的な不活性ガスは、例えば窒素及び/又はアルゴンである。
【0243】
フィラメントに含まれる無機粉体(IP)に応じて、方法の工程e)を空気中、真空下、又は水素雰囲気中で行うことも可能である。
【0244】
方法の工程e)における温度は、一般に750~1600℃、好ましくは800~1500℃、特に好ましくは850~1450℃の範囲である。
【0245】
本発明のさらなる主題はまた、上記の方法によって調製された三次元グリーン体、三次元ブラウン体及び三次元焼結体である。
【0246】
本発明の別の実施形態において、セラミック原料は、化合物a)、b)及び任意にc):
a)セラミック原料の総体積に基づいて3~29体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて51~97体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~20体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含む。
【0247】
請求項1に記載のセラミック原料に関する上述の実施形態及び優先事項は、同様に適用される。
【0248】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものである。
【実施例】
【0249】
原料
MFI:Zwick Roell BMF-005 ISO 1133 (190℃、21.6kg)100~1000g/10分、通常200~500g/10分、
TGA:Netzsch STA 449 F3、600℃で2時間の質量減少N2、レシピによる。
【0250】
原料の製造
ペレット印刷又はフィラメント調製に使用される原料は、成分a)、b)、及び任意にc)を混合し、次いで混練又は押出(一軸及び二軸押出機)を行うことによって調製することができ、ここで、適切な配合を行うために170~200℃の温度に達する必要がある。直接供給原料押出機を備えたプリンターでは、配合の前に成分a)、b)、及び任意にc)の粉末混合物を処理することができるが、これは推奨されない。
【0251】
使用したプリンターは、押出パラメータを個別に選択できる2つの押出システムを備えている従来のFFF印刷システム(Ultimaker S5、AIM 3D ExAM255)をベースとする。押出システム1を使用して金属充填フィラメントを印刷し、押出システム2を使用してセラミック充填フィラメントを印刷した。プリントベッドを、接着剤のような水溶性接着促進剤(Magigoo ProMetal)の薄い層でコーティングしている。物体を層ごとに印刷し、各層は接続された線又は接続されていない線からなった。使用されるノズル直径は0.2mm~0.8mmであり、印刷温度は200℃~260℃で変化する。収縮プレートで物体を印刷した。収縮プレートは、プリンターのプリントベッドと所望の物体との間に潜在的な支持構造(FFF技術では「ラフト」と呼ばれる)を含む、潜在的に異なる層高と線径からなる複数の層を有する印刷物体である。収縮プレートの上に、任意のセラミック層を印刷し、その後、押出機1からの潜在的な支持構造を有する所望の部品を印刷した。最低60°のオーバーハングを有する部品領域において、自動化した支持構造を生成し、セラミック層又は複数のセラミック層を、支持構造と所望の部品との間の界面層として印刷し、印刷した支持構造を所望の物体から分離した。印刷した物体を、印刷ベッドを一晩水に浸して接着剤を溶解することにより、印刷ベッドから放出した。
【0252】
脱バインダー
98%超のHNO3を使用し、110℃のプロセスに従って脱バインダーを行った。脱バインダー中に部品から発生するホルムアルデヒドは、あらゆる酸化剤と反応することができる。酸素を含むホルムアルデヒドの爆発限界は4.5体積%である。ホルムアルデヒドと硝酸の間に緩慢な反応が存在することが示唆されている。したがって、意図しない硝酸の大量投与は避けなければならない。40リットルの脱バインダー炉(例えばNabertherm CDB 40)に基づくと、通常60ml/hの硝酸供給と840l/hのパージガス(窒素)処理量が安全な処理につながることが証明されている。このガス処理量では、酸供給量を63ml/h超に増加させることはできない。
【0253】
焼結
焼結は、酸素と水の含有量が少ない清浄な雰囲気で行わなければならない。好ましくは、焼結を、Ar、N2、及び/又はH2雰囲気下、又は真空中で行う。典型的な焼結サイクルは、まず室温で開始し、2K/分の速度で600℃まで加熱し、600℃で1時間保持し、その後、10K/分の速度で1000~1400℃まで加熱し、この温度を3時間保持することを含む。最高焼結温度は、成分に使用される合金に依存するため、1400℃を超えることもできる。セラミック成分a)は、その温度ゾーンでは活性化しないように選択する。
【0254】
最後の焼結工程の後、金属部品は小さな力を加えることによって収縮プレートと支持構造から分離され、セラミック層と金属部品との間の接続が失われた。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物a)、b)及び任意にc):
a)セラミック原料の総体積に基づいて5~20体積%の、少なくとも1種のセラミック材料、
b)セラミック原料の総体積に基づいて75~95体積%の、成分b1)
b1)少なくとも1種のポリマー(P)
を含む少なくとも1種のバインダー(B)、
c)セラミック原料の総体積に基づいて0~5体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含むセラミック原料であって、
前記セラミック材料が酸化物、炭化物、ホウ化物、窒化物及びケイ化物からなる群から選択され
、前記セラミック原料がフィラメントの形態で提供される、セラミック原料。
【請求項2】
前記バインダー(B)が、
i)バインダーの総質量に基づいて50~100質量%の前記少なくとも1種のポリマー(P)を含有し、及び/又は
ii)前記少なくとも1種のポリマー(P)がポリオキシメチレン(POM)であり、及び/又は
iii)成分b2)及び/又はb3)
b2)少なくとも1種のポリオレフィン(PO)、
b3)成分b1)がポリオキシメチレン(POM)である場合に、少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)
をさらに含む、請求項1に記載のセラミック原料。
【請求項3】
成分(b1)におけるポリマー(P)がポリオキシメチレン(POM)コポリマーであり、このポリオキシメチレン(POM)コポリマーが、
- 少なくとも50モル%のホルムアルデヒド源(b1a)、
- 0.01~20モル%の、一般式(II)の少なくとも1種の第1コモノマー(b1b)、
【化1】
(式中、R
1~R
4は、それぞれ互いに独立して、H、C
1~C
4アルキル、及びハロゲン置換C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
R
5は、化学結合、(-CR
5aR
5b-)基、及び(-CR
5aR
5bO-)基からなる群から選択され、
ここで、R
5a及びR
5bは、それぞれ互いに独立して、H、及び非置換又は少なくとも一置換のC
1~C
4アルキルからなる群から選択され、
置換基は、F、Cl、Br、OH及びC
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
nは0、1、2又は3である)、及び
- 0~20モル%の、式(III)の化合物及び式(IV)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の第2コモノマー(b1c)
【化2】
(式中、Zは、化学結合、(-O-)基及び(-O-R
6-O-)基からなる群から選択され、
ここで、R
6は、非置換のC
1~C
8アルキレン及びC
3~C
8シクロアルキレンからなる群から選択される)
の重合により調製される、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項4】
i)前記さらなるポリマー(FP)が、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアミド、ビニル芳香族ポリマー、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(アルキル(メタ)アクリレート)及びそれらのコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)であり、及び/又は
ii)前記セラミック材料が、MgO、CaO、SiO
2、Na
2O、Al
2O
3、焼成アルミナ、ZrO
2、Y
2O
3、SiC、Si
3N
4、TiB、BN、TiN、TiO
2、Ti
2O
3及びAlNからなる群から、好ましくは、Al
2O
3、焼成アルミナ、ZrO
2及びY
2O
3からなる群から選択され、及び/又は
iii)前記セラミック材料の粒径が、0.1~125μm、好ましくは0.5~100μm、より好ましくは0.1~90μmであり(Alpine Air Sieveで測定し、質量%でD90として決定)、及び/又は
iv)前記ポリオレフィン(PO)が、ポリメチルペンテン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレン、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選択され、好ましくは、前記ポリオレフィン(PO)がポリエチレン又はポリプロピレンであり、最も好ましくは、前記ポリオレフィン(PO)がポリエチレンであり、及び/又は
v)前記添加剤(A)が、少なくとも1種の分散剤、より好ましくは少なくとも1種のポリエーテル、最も好ましくはポリテトラヒドロフランである、
請求項2に記載のセラミック原料。
【請求項5】
前記セラミック原料が、それぞれ前記セラミック原料の総体積に基づいて、成分a)、b)及び任意にc)、
a)5~15体積%、最も好ましくは7~10体積%の少なくとも1種のセラミック材料、
b)80~94体積%、最も好ましくは86~91体積%の少なくとも1種のバインダー(B)、
c)好ましくは1~5体積%、最も好ましくは2~4体積%の少なくとも1種の添加剤(A)
を含む、請求項1又は2に記載のセラミック原料。
【請求項6】
前記成分(b)が、それぞれ成分b)の総量に基づいて、成分b1)、及び任意に成分b2)及び/又は成分b3)、
b1)80~100質量%、好ましくは85~100質量%、最も好ましくは85~95質量%の少なくとも1種のポリマー(P)、
b2)0~20質量%、好ましくは0~15質量%、最も好ましくは5~15質量%の少なくとも1種のポリオレフィン(PO)、
b3)0~10質量%、好ましくは0~5質量%、最も好ましくは0~3質量%の少なくとも1種のさらなるポリマー(FP)、
を含み、
好ましくは、成分b1)がポリオキシメチレン(POM)である、請求項1又は2に記載のセラミック原料
。
【請求項7】
前記セラミック原料がフィラメントの形態で提供され、
i)前記フィラメントが、シェル材料(SM)の層でコーティングされたコア材料(CM)を含み、前記コア材料(CM)が、少なくとも1種のセラミック材料、少なくとも1種のバインダー(B)及び任意に少なくとも1種の添加剤(A)を含み、前記シェル材料(SM)が、少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)、任意に少なくとも1種のセラミック材料及び任意に少なくとも1種の添加剤を含み、及び/又は
ii)前記フィラメントの直径が、1.5~3.5mm、好ましくは2.0~3.1mm、より好ましくは2.6~3.0mmであり、及び/又は
iii)前記コア材料の直径が、1.5~3.0mm、好ましくは1.9~2.7mm、より好ましくは2.2~2.7mmであり、及び/又は
iv)前記シェル材料(SM)の層の厚さが、0.03~0.3mm、好ましくは0.1~0.25mmであり、及び/又は
v)前記シェル材料(SM)の前記少なくとも1種の熱可塑性ポリマー(TP)が、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PE)、例えばポリプロピレン又はポリエチレン、ポリウレタン(PU)、ポリアミド(PA)、ポリエーテル(PETH)、ポリカーボネート(PC)、及び/又はポリエステル(PES)、例えばポリ乳酸、及びこれらのブレンドの群から選択される、請求項
1に記載のセラミック原料。
【請求項8】
三次元(3D)印刷プロセスにおける、特に溶融フィラメント製造(FFF)プロセス内での、及び/又はフィラメントの形態で少なくとも1種のセラミック原料を使用することによる、請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料の使用方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料を使用することにより三次元(3D)物体を印刷する方法、好ましくは、少なくとも1種のセラミック原料をフィラメントの形態で使用することによる溶融フィラメント製造(FFF)方法。
【請求項10】
印刷した3D物体が三次元(3D)グリーン体であり、好ましくは、前記3Dグリーン体が、少なくとも工程a)、b)及びc)、
a)請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを、スプール上でノズルに供給する工程と、
b)前記フィラメントを温度(T
M)に加熱する工程と、
c)工程b)で得られた加熱したフィラメントを、層ベース付加技術を用いてビルドチャンバー内で堆積させて、三次元グリーン体を形成する工程と
を含む溶融フィラメント製造プロセスによって得られる、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)が使用され、このさらなるフィラメント(F2)が、さらなるフィラメント(F2)の総体積に基づいて少なくとも30体積%の、金属又は金属合金から選択される少なくとも1種の無機粉末(IP)を含み、
i)請求項1又は2に記載の少なくとも1種のセラミック原料をベースとする少なくとも1種のフィラメントを使用することによって得られる少なくとも1つの第1断片(1F)、及び
ii)前記少なくとも1種のさらなるフィラメント(F2)を使用することによって得られる少なくとも1つの第2断片(2F)
を含む3Dグリーン体を得る、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
印刷した3D物体、好ましくは3Dグリーン体、より好ましくは3Dグリーン体の少なくとも1つの第1断片(1F)が、支持構造及び/又は分離層である、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
工程c)に続いて、工程d)が行われ、工程d)において、バインダー(B)の少なくとも一部が、三次元(3D)グリーン体から除去されて、三次元(3D)ブラウン体を形成し、
好ましくは、工程d)において、
i)バインダー(B)が触媒脱バインダー、好ましくは酸処理によって除去され、及び/又は
ii)バインダー(B)がバインダー(B)の融点未満の温度で除去される、
請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
工程d)に続いて、工程e)が行われ、工程e)において、前記三次元(3D)ブラウン体が焼結されて、三次元(3D)焼結体を形成する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
請求項
10に記載の方法により調製される、三次元(3D)グリーン体。
【請求項16】
請求項
13に記載の方法により調製される、三次元(3D)ブラウン体。
【請求項17】
請求項
14に記載の方法により調製される、三次元(3D)焼結体。
【国際調査報告】